情報提供システム
【課題】 利用者同士がもともと持っているつながりを利用する掲示板サービスを提供すること。
【解決手段】 利用者ごとに閲覧可能なスレッドを記憶した記憶手段26と、プログラム処理を行う処理手段22とを備える。処理手段22は、要求をした端末装置から利用者を特定する情報を取得し、当該情報により特定される利用者が閲覧可能なスレッドを記憶手段26から読み出す。そして、当該読み出したスレッドを要求をした端末装置に送信する。
【解決手段】 利用者ごとに閲覧可能なスレッドを記憶した記憶手段26と、プログラム処理を行う処理手段22とを備える。処理手段22は、要求をした端末装置から利用者を特定する情報を取得し、当該情報により特定される利用者が閲覧可能なスレッドを記憶手段26から読み出す。そして、当該読み出したスレッドを要求をした端末装置に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムに係り、特に、インターネット掲示板に代表されるスレッド及び投稿の情報を提供する情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、WWW(World Wide Web)上の情報共有の方法として、スレッド式の掲示板のようなサービスが存在する。
【0003】
こういったサービスでは、あるユーザが興味を持つ話題について新規に投稿すると、その投稿は新規のスレッドとなり、内容はWWW全体または特定のコミュニティ内で公知となり、それを読んだ別のユーザが回答となる投稿を行うと、その投稿内容は、当該スレッドの投稿に関連付けられて表示される。質問、回答の表示の際には、投稿者の識別子が公開されるものもある。
【0004】
しかし、この方法では、質問者にとっては、質問者が特定され、質問の内容をそのサービスを利用できるすべての利用者に公表してしまうという問題があった。また、情報共有の方法として、利用者同士がもともと持っている利用者同士のつながりを利用して質問を電子メールなどを使って転送してゆく方法がある。この際、質問者に関する情報を通知しないまま、利用者が受け取った投稿の内容を回答できそうな相手に転送していくという方法も考えられる。
【0005】
しかし、この場合は、質問に対する回答があった場合、複数回の転送をされた投稿に対する回答を質問者が受け取るには質問の転送経路を遡るしかなく、転送者の負担であった。
【0006】
また、質問の内容が複数の利用者に転送されていった場合、回答のあった経路にいるユーザ以外がその回答の内容を取得するのが困難だという課題があった。
【0007】
また、投稿内容の再配布に回数等の制限をかけるのが難しいという問題があった。
【0008】
出願人は、これに関する公知技術文献を知らない。
【0009】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、利用者同士がもともと持っているつながりを利用する情報共有サービスを提供することを課題とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の端末装置からの要求に応じてスレッド及び当該スレッドに含まれる投稿の情報を提供する情報提供システムである。本発明の情報提供システムは、利用者ごとに閲覧可能なスレッドを記憶した記憶手段と、プログラム処理を行う処理手段とを備える。本発明において、処理手段は、まず、前記要求をした端末装置から利用者を特定する情報を取得する。次いで、当該利用者を特定する情報により特定される利用者が閲覧可能なスレッドを記憶手段から読み出す。そして、当該読み出したスレッドを前記要求をした端末装置に送信する、という構成を採っている。
【0011】
本発明によれば、スレッドの閲覧を要求した利用者は、その利用者が閲覧権限を持っているスレッドのみ閲覧を許される。
【0012】
また、他の発明では、さらに、記憶手段が、スレッドを作成する投稿利用者ごとに当該スレッドの閲覧権限を与える閲覧利用者を記憶している。そして、処理手段は、端末装置から投稿利用者を特定する情報と作成するスレッドの情報とを取得する。次いで、当該投稿利用者を特定する情報により特定される投稿利用者が閲覧権限を与えている閲覧利用者を記憶手段から読み出す。そして、当該読み出した閲覧利用者に対し今回作成するスレッドを閲覧可能なスレッドとして関連付けて記憶手段に記憶する。
【0013】
本発明によれば、スレッドを作成する投稿利用者と関係する、制限された一定の利用者だけに、当該スレッドの閲覧が許される。
【0014】
また、他の発明では、記憶手段が、利用者ごとにスレッドの閲覧権限を与える閲覧利用者を記憶する。そして、処理手段は、端末装置から利用者を特定する情報と当該利用者が閲覧中のスレッドの識別子と当該スレッドの転送指示とを取得する。次に、当該転送指示を受けて当該利用者を特定する情報により特定される利用者が閲覧権限を与えている閲覧利用者を記憶手段から読み出す。そして、当該読み出した閲覧利用者に対しスレッドの識別子が表すスレッドを閲覧可能なスレッドとして関連付けて記憶手段に記憶する。
【0015】
本発明によれば、スレッドを閲覧した利用者の意思によって、当該利用者と関係する、制限された一定の利用者だけに、当該スレッドの閲覧が許される。
【0016】
また、他の発明では、処理手段が、スレッドを閲覧中の端末装置から当該スレッドへの投稿と当該投稿をする利用者を特定する情報と当該閲覧中のスレッドの識別子とを取得する。次に、当該スレッドの識別子が表すスレッドを閲覧可能スレッドとして関連付けられている利用者を記憶手段から読み出す通知準備ステップを行う。そして、当該読み出した利用者に対し当該スレッドの更新を通知する。
【0017】
本発明によると、あるスレッドに投稿が行われると、当該スレッドの閲覧権限を持つ利用者だけにスレッドの更新が通知される。
【0018】
また、他の発明では、記憶手段が、スレッドごとに当該スレッドの更新を通知すべき利用者を記憶する。そして、処理手段は、スレッドを閲覧中の端末装置から当該閲覧中の利用者を特定する情報と当該スレッドの識別子と当該スレッドについて更新通知の希望とを取得する。次に、当該更新通知の希望を受けて当該利用者を特定する情報により特定される通知希望利用者と当該スレッドの識別子が表すスレッドとを関連付けて記憶手段に記憶する。そして、スレッドへの投稿を取得すると上記の通知準備ステップに代えて当該スレッドに関連付けられた通知希望利用者を記憶手段から読み出すステップを行う。
【0019】
本発明によれば、あるスレッドへの投稿があった場合、そのスレッドの閲覧権限を持つ利用者のうち特に通知を希望した利用者だけにスレッドの更新が通知される。また、そのスレッドの作成者から投稿者へ至るまでのスレッド転送経路に属さない利用者であっても当該投稿があったことを知ることが可能である。
【0020】
また、他の発明では、記憶手段が、スレッドごとに且つ当該スレッドを閲覧可能な利用者ごとに当該スレッドを転送可能な回数を記憶する。そして、処理手段は、上述の転送指示を取得するとスレッドの識別子が表すスレッド及び利用者を特定する情報により特定される利用者に関連付けられた転送可能な回数を記憶手段から読み出す。次に、当該読み出した転送可能な回数が所定の制限より少ない場合は転送を拒否する。
【0021】
本発明によれば、スレッドの転送回数を制限することができる。
【0022】
ここで、「利用者」、「投稿利用者」、「閲覧利用者」、「通知希望利用者」の語は、利用者の状態を表すために呼び分けている。例えば、「利用者」は、スレッドに投稿するときは「投稿利用者」となり、スレッドを閲覧するときは「閲覧利用者」となる。また、スレッドの更新通知を希望したときは「通知希望利用者」となる。
【発明の効果】
【0023】
本願発明によれば、利用者間で閲覧権限の与えられたスレッドだけを共有するので、利用者同士がもともと持っているつながりを利用する掲示板サービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0025】
(実施形態1)
【0026】
図1は、本実施形態のコンピュータシステムの全体構成を示すブロック図である。端末装置10と、情報提供システム20とが、通信ネットワークとしてのインターネット30に接続されている。ここで、端末装置10とインターネット30との接続は有線であるか無線であるかを問わない。
【0027】
図2は、端末装置10の構成図である。
【0028】
処理手段としてのCPU12、記憶手段としてのRAM13、ROM14、及びHDD19(Hard Disk Drive)、入力手段としてのキーボード16及びマウス17、表示手段としてのディスプレイ18並びに通信手段としてのNIC15(Network Interface Card)が、バス11に接続されている。HDD19には、ウェブブラウザのプログラム等が記憶されている。端末装置10のCPUは、ウェブブラウザのプログラムを実行することにより、情報提供システム20が提供するコンテンツを実行してディスプレイ18に表示することができるようになっている。端末装置10としては、例えば、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistance)、インターネット接続機能を有する携帯電話等が該当するが、本実施形態ではPCを採用している。
【0029】
図3は、情報提供システム20の構成図である。
【0030】
処理手段としてのCPU22、記憶手段としてのRAM23、ROM24、及びHDD26(Hard Disk Drive)並びに通信手段としてのNIC25(Network Interface Card)が、バス21に接続されている。HDD26には、利用者テーブルファイル201、権限転送先テーブルファイル202、投稿テーブルファイル203等が記憶されている。本実施形態では、情報提供システム20として、一般的なウェブサーバを採用している。
【0031】
図4は、利用者テーブルファイル201の構造図である。当該利用者テーブルファイル201には、利用者を識別する利用者識別子及びパスワードの組み合わせと、利用者へのメール通知を行う際に利用する利用者メール識別子と、当該利用者が閲覧可能なスレッドを識別する閲覧可能スレッドリストとが関連付けて格納されている。本実施形態では、利用者メール識別子として、利用者のメールアドレスを利用している。閲覧可能スレッドリストでは、ひとつの利用者識別子に対して、その利用者が閲覧可能なスレッドのスレッド識別子と当該スレッドを閲覧する権限を当該利用者に付与した利用者の利用者識別子との組み合わせが、一乃至複数関連付けられている。例えば、図4の利用者識別子「uid07」のレコードでは、当該利用者識別子に対して、スレッド識別子と利用者識別子との組み合わせ「qid1−uid08」が関連付けて格納されている。利用者は、自身の利用者識別子に関連付けられた閲覧可能スレッドリスト内の閲覧可能スレッド識別子に該当するスレッドの内容を取得する権限を持つようになっている。閲覧可能スレッドリストには、スレッドとそのスレッドを作成した利用者の利用者識別子との組み合わせを複数格納できる。利用者が閲覧可能なスレッドの内容を取得する動作については後述する。
【0032】
図5は、権限転送先テーブルファイル202の構造図である。当該権限転送先テーブルファイル202には、利用者を識別する利用者識別子と、当該利用者が閲覧可能なスレッドの閲覧権限を転送する際の転送先利用者を表す権限転送先リストとが関連付けて格納されている。権限転送先リストでは、ひとつの利用者識別子に対して、転送先として複数の利用者識別子を関連付けることができる。例えば、図5の利用者識別子「uid01」のレコードでは、権限転送先リスト内に権限転送先識別子「uid02」「uid04」とが関連付けて格納されている。
【0033】
図6は、投稿テーブルファイル203の構造図である。当該投稿テーブルファイル203には、利用者からの投稿を識別する投稿識別子と、その投稿の属するスレッドを識別するスレッド識別子と、投稿者を識別する投稿者識別子と、投稿された内容である投稿内容とが関連付けられている。ここで、本実施形態では、投稿識別子は、情報提供システム20が投稿を受け付けた日時の情報を含むようになっている。例えば図6の投稿識別子「tid1」のレコードでは、スレッド識別子「qid1」、投稿者識別子「uid08」、投稿内容「question1」とが関連付けて格納されている。
【0034】
次に、本実施形態の動作について説明する。尚、特に断りがない場合、以下では、端末10での動作はウェブブラウザのプロセスが行い、情報提供システム20の動作は、情報提供システム20のCGI(Common Gateway Interface)のプロセスが行うものとする。
【0035】
(新しいスレッドが作成される動作)
【0036】
図7は、利用者が投稿を行い、新しいスレッドが作成される動作における、端末装置10及び情報提供システム20のフローチャートである。
【0037】
端末装置10のCPUは、ログイン画面のHTMLファイルを情報提供システム20から受信する。そして、端末装置10のCPUは、当該受信したログイン画面のHTMLファイルに基づいて、ウェブブラウザを通じて、ログイン画面をディスプレイに表示する(S110)。続いて、端末装置10のCPUは、利用者識別子及びパスワードを、ログイン画面を通じて、キーボードから受付ける。ここでは、利用者uid01の利用者識別子及びパスワードを受け付けたものとする。続いて、端末装置10のCPUは、当該受付けた利用者識別子及びパスワードを情報提供システム20に送信する(S115)。
【0038】
情報提供システム20のCPUは、利用者識別子及びパスワードを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信した利用者識別子及びパスワードの組合せが、利用者テーブルファイル201に格納されているか確認することによって、利用者の認証を行う(S120)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信した利用者識別子及びパスワードの組合せが、利用者テーブルファイル201に格納されている場合には、ユーザの認証が成功したものとして、以下の処理を行う。
情報提供システム20は、当該利用者識別子に固有のセッション情報を作成し、認証された利用者識別子を関連付けてRAMに記憶する(S125)。続いて、情報提供システム20のCPUは、利用者テーブルファイル201で識別子uid01に関連付けられた閲覧可能スレッドリストから閲覧可能なスレッドのスレッド識別子と当該スレッドを閲覧する権限を当該利用者に付与した利用者の利用者識別子の組み合わせ「qid1−uid08」を読み出す(S130)。
【0039】
ここで、図4では、「qid3−uid01」が、「uid01」、「uid02」及び「uid04」に関連付けられているが、これらは、後の処理で関連付けられるものであり、現時点では、関連付けられていないものとする。また、「uid03」に関連付けられている「qid3−uid02」も、後の処理で関連付けられるものであり、現時点では関連付けられていないものとする。
【0040】
続いて、情報提供システム20のCPUは、当該読み出したスレッド識別子「qid1」に関連付けられた投稿の投稿識別子と投稿内容の組み合わせを投稿テーブルファイル203から読み出す(S135)。ここで、当該スレッド識別子に関連付けられる投稿内容は複数ある場合があり、投稿が複数ある場合は、情報提供システム20のCPUは、投稿のそれぞれに関連付けられた投稿識別子が含んでいる日時の情報から投稿内容を投稿された順番に並べ替えて、投稿に関する情報としてRAMに記憶する(S140)。当該「投稿に関する情報」には、スレッド識別子と、S130で読み出された当該スレッドを閲覧する権限を当該利用者に付与した利用者の利用者識別子と、そのスレッドに属する投稿の投稿識別子及び投稿内容とが含まれる。
【0041】
続いて、情報提供システム20のCPUは、前記投稿に関する情報を含んだ掲示板サービスの画面を端末装置10に送信する(S145)。
【0042】
端末装置10のCPUは、掲示板サービスの画面を、情報提供システム20から受信する。そして、端末装置10のCPUは、当該受信した掲示板サービスの画面を、ウェブブラウザを通じてディスプレイに表示する(S150)。図13は、掲示板サービス画面の一例を示す構成図である。当該掲示板サービス画面は、利用者識別子に対応するセッション情報30が隠しフィールドの値として格納されており、投稿入力部32、送信ボタン33、スレッドリスト表示部34を備えている。スレッドリスト表示部34には、前記投稿に関する情報が表示されている。
【0043】
そして、端末装置10のCPUは、投稿入力部32に投稿内容「question3」が入力され、送信ボタン33が押されたことを契機として、POSTメソッドにて、セッション情報30と投稿内容「question3」とを情報提供システム20に送信する(S155)。
【0044】
情報提供システム20のCPUは、セッション情報30と、投稿内容「question3」とを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されているか確認することによって、セッションの認証を行う(S160)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されている場合には、セッションの認証が成功したものとして以下の処理を行う。
【0045】
情報提供システム20のCPUは、当該セッション情報30と関連付けられた利用者識別子「uid01」をRAMから読み出す(S165)。続いて、情報提供システム20のCPUは、投稿テーブルファイル203に、投稿識別子としての当該POSTを受信した時刻から生成される固有の値「tid3」と、スレッド識別子としての新たに生成する固有の値「qid3」と、投稿者識別子としての利用者識別子「uid01」と、投稿内容「question3」とを関連付けて保存する(S170)。続いて、情報提供システム20のCPUは、権限転送先テーブルファイル202で、利用者識別子uid01に関連付けられた権限転送先リストを読み出す(S175)。ここで、本実施形態では、当該リストからは、「uid02」「uid04」が読み出される。続いて、情報提供システム20のCPUは、利用者テーブルファイル201で、投稿者自身の利用者識別子「uid01」と、前記読み出された権限転送先利用者識別子「uid02」「uid04」の各々に関連付けられた各閲覧可能スレッドリストに、生成された前記スレッド識別子と投稿を行った利用者の識別子とを関連づけた値「qid3−uid01」を追加する(S180)。
【0046】
続いて、情報提供システム20のCPUは、前記新たに閲覧可能スレッドを追加された利用者の利用者識別子に利用者テーブルファイル201において関連付けられた利用者メール識別子により特定されるメールアドレスに、閲覧可能スレッドリストの内容が更新された旨の通知を行う(S185)。
【0047】
(閲覧したスレッドの閲覧権限を転送する動作)
【0048】
次に、閲覧可能となったスレッドを利用者が閲覧する動作並びに他の利用者に閲覧権限を転送する動作について説明する。
【0049】
図8は、前記S185に引き続き、利用者uid02が閲覧可能なスレッドを閲覧して閲覧権限を転送する動作処理における、端末装置10及び情報提供システム20のフローチャートである。
【0050】
端末10では、ウェブブラウザが実行されている。端末10では、利用者識別子「uid02」の利用者が、固有のセッション情報と掲示板サービスの画面を情報提供システム20から取得し、ウェブブラウザで掲示板サービス画面を表示するが、この動作は前記S110からS150までと同様なので、説明を省略する。ここで、掲示板サービスの画面には、利用者uid02が閲覧可能なスレッドであるスレッド識別子qid3に関連付けられた投稿の内容と、利用者uid02に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid01が関連付けられて表示されている。
【0051】
利用者uid02は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、スレッドリスト表示部34に表示された投稿内容question3と、uid02に当該質問の閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid01を閲覧する。そして、利用者スレッドuid02は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、当該スレッド識別子の投稿について、権限転送の依頼を行う。具体的には、スレッドリスト表示部34には、スレッドごとに「転送」と表示されたボタンがあり、そのボタンをクリックする(S205)。
【0052】
端末10のCPUは、POSTメソッドにて、セッション情報30と、スレッド識別子qid3と当該転送依頼のコマンドとを情報提供システム20に送信する(S210)。
【0053】
情報提供システム20のCPUは、セッション情報30と、スレッド識別子qid3と、当該転送依頼のコマンドとを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されているか確認することによって、セッションの認証を行う(S215)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されている場合には、セッションの認証が成功したものとして以下の処理を行う。
【0054】
情報提供システム20のCPUは、当該セッション情報30と関連付けられた利用者識別子uid02をRAMから読み出す。続いて、情報提供システム20のCPUは、権限転送先テーブルファイル202で、利用者識別子uid02に関連付けられた権限転送先リストを読み出す(S220)。ここで、当該リストからは、「uid03」が読み出される。続いて、情報提供システム20のCPUは、利用者テーブルファイル201で、利用者識別子「uid03」に関連付けられた閲覧可能スレッドリストに、前記スレッド識別子と当該権限転送依頼を行った利用者の識別子とを関連づけた値「qid3−uid02」を追加する(S225)。
【0055】
続いて、情報提供システム20のCPUは、前記新たに閲覧可能スレッドを追加された利用者の利用者識別子に利用者テーブルファイル201において関連付けられた利用者メール識別子により特定されるメールアドレスに、閲覧可能スレッドリストの内容が更新された旨の通知を行う(S230)。
【0056】
(投稿に回答する動作)
【0057】
次に、閲覧可能となったスレッドの投稿を見た利用者が、そのスレッドに投稿を行う場合の動作について説明する。
【0058】
図9は、前記S230に引き続き、利用者uid03が閲覧可能なスレッドの投稿を閲覧して回答する動作処理における、端末装置10及び情報提供システム20のフローチャートである。
【0059】
端末10では、ウェブブラウザが実行されている。端末10では、利用者識別子「uid03」の利用者が、固有のセッション情報30と掲示板サービスの画面を情報提供システム20から取得し、ウェブブラウザで掲示板サービス画面を表示するが、この動作は前記S110からS150までと同様なので、説明を省略する。ここで、掲示板サービスの画面には、利用者uid03が閲覧可能なスレッドであるスレッド識別子qid3に関連付けられた投稿の内容と、利用者uid03に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid02が関連付けられて表示されている。
【0060】
利用者uid03は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、スレッドリスト表示部34に表示された投稿内容question3と、uid03に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid02を閲覧する。そして、利用者uid03は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、当該スレッド識別子に関連付けて新たな投稿を行う。具体的には、スレッドリスト表示部34には、スレッドごとに「回答」と表示されたボタンがあり、利用者uid03は、投稿入力部32に投稿内容「answer3−1」を入力してから、当該ボタンをクリックする(S305)。
【0061】
端末10のCPUは、POSTメソッドにて、セッション情報30と、投稿内容「answer3−1」と、スレッド識別子qid3とを関連付けられた投稿実施のコマンドを情報提供システム20に送信する(S310)。
【0062】
情報提供システム20のCPUは、セッション情報30と、投稿内容「answer3−1」と、スレッド識別子qid3とを関連付けられた投稿実施のコマンドを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されているか確認することによって、セッションの認証を行う(S315)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されている場合には、セッションの認証が成功したものとして以下の処理を行う。
【0063】
情報提供システム20のCPUは、当該セッション情報30と関連付けられた利用者識別子「uid03」をRAMから読み出す(S320)。続いて、情報提供システム20のCPUは、投稿テーブルファイル203に、投稿識別子としての当該POSTを受信した時刻から生成される固有の値「tid4」と、受信したスレッド識別子「qid3」と、投稿者識別子としての利用者識別子「uid03」と、投稿内容「answer3−1」とを関連付けて保存する(S325)。
【0064】
続いて、情報提供システムのCPUは、利用者テーブルファイル201の閲覧可能スレッドリストに当該スレッド識別子「qid3」を含む利用者に、当該スレッドに新規の投稿があった旨の通知を行う(S330)。
【0065】
これによると、利用者同士がもともと持っているつながりを利用する掲示板サービスを提供することができる。また、投稿者を他の利用者に特定させないまま、投稿内容を転送できる。
【0066】
(実施形態1の変形例1)
【0067】
次に実施形態1の変形例1について説明する。実施形態1では投稿に回答する動作があった場合、S330において当該スレッドの閲覧が可能な利用者に対して当該スレッドに新規の投稿があった旨の通知を行ったが、この変形例では、利用者が閲覧可能なスレッドごとに、回答があった場合に通知を受け取るかどうかを選択できる。
【0068】
本変形例では、実施形態1の構成に加えて、情報提供システム20の記憶装置に、トレーステーブルファイル204が記憶されている。
【0069】
図10は、トレーステーブルファイル204の構造図である。当該トレーステーブルファイル204には、スレッドを識別するスレッド識別子と、当該スレッドに新規の投稿があった場合に通知を希望する利用者を表すトレースリストとが関連付けて格納されている。
【0070】
図11は、実施形態1の閲覧可能スレッドリストの内容が更新された旨の通知を行うステップS185に引き続き、利用者uid04が閲覧可能なスレッドに対する回答があった場合に通知を希望する動作処理における、端末装置10及び情報提供システム20のフローチャートである。
【0071】
端末10では、ウェブブラウザが実行されている。端末10では、利用者識別子「uid04」の利用者が、固有のセッション情報と掲示板サービスの画面を情報提供システム20から取得し、ウェブブラウザで掲示板サービス画面を表示するが、この動作は前記S110からS150までと同様なので、説明を省略する。ここで、掲示板サービスの画面には、利用者uid04が閲覧可能なスレッドであるスレッド識別子qid3に関連付けられた投稿の内容と、利用者uid04に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid01とが関連付けられて表示されている。
【0072】
利用者uid04は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、スレッドリスト表示部34に表示された投稿内容question3と、uid04に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid01とを閲覧する。そして、利用者uid04は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、当該スレッド識別子の投稿について、トレースの依頼を行う。具体的には、スレッドリスト表示部34には、スレッドごとに「トレース」と表示されたボタンがあり、そのボタンをクリックする(S405)。
【0073】
端末10のCPUは、上記ボタンのクリックを受けると、POSTメソッドにて、セッション情報30と、スレッド識別子qid3と当該トレース依頼のコマンドとを情報提供システム20に送信する(S410)。
【0074】
情報提供システム20のCPUは、セッション情報30と、スレッド識別子qid3と、当該トレース依頼のコマンドとを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されているか確認することによって、セッションの認証を行う(415)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されている場合には、セッションの認証が成功したものとして以下の処理を行う。
【0075】
情報提供システム20のCPUは、当該セッション情報30と関連付けられた利用者識別子uid04をRAMから読み出す。続いて、情報提供システム20のCPUは、トレーステーブルファイル204で、スレッド識別子qid3とuid04を関連付けて保存する(S420)。
【0076】
その後、当該スレッド識別子のスレッドに対して新規の投稿がされると、情報提供システム20のCPUは、前記回答がされた場合の動作S330に代えて、当該トレーステーブルファイル204で当該スレッド識別子qid3に関連付けて利用者識別子が保存されている利用者に対してのみ、新規の投稿があった旨の通知を行う(S425)。この際、投稿の内容もあわせて通知してもよい。
【0077】
これによると、質問の内容が複数の利用者に転送されていった場合、回答のあった経路にいる利用者以外がその回答の内容を容易に取得できる。
【0078】
(実施形態1の変形例2)
【0079】
次に、実施形態1の変形例2について説明する。本変形例では、実施形態1の構成に加えて、情報提供システム20の記憶装置に、最大転送回数テーブルファイル205が記憶されている。
【0080】
図12は、最大転送回数テーブルファイル205の構成図である。最大転送回数テーブルファイル205には、スレッド識別子と、当該スレッドの閲覧権限を付与された利用者の利用者識別子と、残り転送可能回数が関連付けて記憶されている。
【0081】
本実施形態では、実施形態1の新しいスレッドが作成される動作において、新しいスレッドを作成する利用者は、情報提供システム20に投稿内容を送信する際、最大転送回数を同時に送信する。ここでは、実施形態1のS155のステップにおいて、最大転送回数として「3」を指定したものとして説明する。
【0082】
情報提供システム20のCPUは、投稿内容を受信する際、前記最大転送回数を同時に受信する。続けて、情報提供システム20のCPUは、実施形態1の新しいスレッドが作成される動作と同様の動作をするが、前記利用者テーブルファイル201を更新するステップS180を実行したあと、最大転送回数テーブルファイル205に、閲覧可能スレッドリストに当該スレッドが新たに付加された利用者ごとに、新規に生成されたスレッド識別子と、当該利用者の利用者識別子と、前記受信した最大転送回数を関連付けて記憶する。例えば、実施形態1の例で言えば、最大転送回数テーブルには、「qid3、uid02、3」、「qid3、uid04、3」の2つのレコードが追加される。
【0083】
次に、閲覧したスレッドの閲覧権限を転送する動作について説明する。閲覧可能となったスレッドを閲覧した利用者が当該閲覧したスレッドの閲覧権限を転送する動作については、実施形態1に説明したのと同様の部分については説明を省略し、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0084】
情報提供システム20のCPUは、利用者識別子「uid02」の利用者からの「qid3」の質問の転送依頼のコマンドを受信すると、最大転送回数ファイル205から、受信したスレッド識別子qid3と、利用者識別子とに関連付けられた転送回数3を読み出す。そして、情報提供システム20のCPUは、当該転送回数の値が1より小さければ閲覧権限の転送処理を行わず、値が1以上であれば、実施形態1のS230までと同様に利用者ファイル201を更新し、続けて、情報提供システム20のCPUは、最大転送回数ファイル205に、閲覧可能スレッドリストに当該スレッドが新たに付加された利用者ごとに、当該スレッド識別子と、当該利用者の利用者識別子と、前記読み出された転送回数から1を引いた値を関連付けて記憶する。この実施形態では、権限転送を受けた利用者がuid03なので、最大転送回数ファイル205には、「qid3、uid03、2」のレコードが追加される。
【0085】
これによると、スレッドの読み取り権限を取得できる利用者を一定の範囲内に制限できる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、転送による権限取得、スレッドに回答があった場合のメール通知は必須ではないし、パスワードによる認証も必須ではない。権限転送元の利用者の利用者識別子を端末10に送信することも、省略可能である。セッション情報を端末10と情報提供システム20がやりとりする際には、Cookieを利用するなど様々な方法が考えられる。この発明の方法は、投稿テーブルの投稿識別子ごとに投稿者識別子公開非公開を切り替えるフラグを関連付けられるようにし、投稿者が希望する際には他の利用者がスレッドの内容を取得する際に投稿者情報を表示できるようにしてもよい。掲示板サービス画面に閲覧可能スレッドリストを表示する際には、情報提供システム20が読み出した権限転送先テーブルファイル202から読み取られる権限転送先リストを表示し、利用者が権限転送先利用者を個別に指定できるようにしてもよい。S145で情報提供システム20から端末10に送信される情報には、S130で読み出された当該スレッドを閲覧する権限を当該利用者に付与した利用者の利用者識別子を含まないようにすること等も考えられる。実施形態1の変形例2では、新しいスレッドが作成される動作において、情報提供システム20が最大転送回数を端末10から受信できない場合には情報提供システム20の記憶装置にあらかじめ記憶されている初期値を代わりに最大転送回数として最大転送回数テーブルに設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本願発明の実施形態であるコンピュータシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す利用者テーブルファイルのデータ構造図である。
【図5】図3に示す権限転送先テーブルのデータ構造図である。
【図6】図3に示す投稿テーブルファイルのデータ構造図である。
【図7】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図10】図3に示すトレーステーブルファイルのデータ構造図である。
【図11】実施形態の変形例1の動作を示すフローチャートである。
【図12】図3に示す最大転送回数テーブルファイルのデータ構造図である。
【図13】掲示板サービス画面の構成を例示した画面構成図である。
【符号の説明】
【0088】
10 端末装置
20 情報提供システム
22 情報提供システムの処理手段
23,24,26 情報提供システムの記憶手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムに係り、特に、インターネット掲示板に代表されるスレッド及び投稿の情報を提供する情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、WWW(World Wide Web)上の情報共有の方法として、スレッド式の掲示板のようなサービスが存在する。
【0003】
こういったサービスでは、あるユーザが興味を持つ話題について新規に投稿すると、その投稿は新規のスレッドとなり、内容はWWW全体または特定のコミュニティ内で公知となり、それを読んだ別のユーザが回答となる投稿を行うと、その投稿内容は、当該スレッドの投稿に関連付けられて表示される。質問、回答の表示の際には、投稿者の識別子が公開されるものもある。
【0004】
しかし、この方法では、質問者にとっては、質問者が特定され、質問の内容をそのサービスを利用できるすべての利用者に公表してしまうという問題があった。また、情報共有の方法として、利用者同士がもともと持っている利用者同士のつながりを利用して質問を電子メールなどを使って転送してゆく方法がある。この際、質問者に関する情報を通知しないまま、利用者が受け取った投稿の内容を回答できそうな相手に転送していくという方法も考えられる。
【0005】
しかし、この場合は、質問に対する回答があった場合、複数回の転送をされた投稿に対する回答を質問者が受け取るには質問の転送経路を遡るしかなく、転送者の負担であった。
【0006】
また、質問の内容が複数の利用者に転送されていった場合、回答のあった経路にいるユーザ以外がその回答の内容を取得するのが困難だという課題があった。
【0007】
また、投稿内容の再配布に回数等の制限をかけるのが難しいという問題があった。
【0008】
出願人は、これに関する公知技術文献を知らない。
【0009】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、利用者同士がもともと持っているつながりを利用する情報共有サービスを提供することを課題とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の端末装置からの要求に応じてスレッド及び当該スレッドに含まれる投稿の情報を提供する情報提供システムである。本発明の情報提供システムは、利用者ごとに閲覧可能なスレッドを記憶した記憶手段と、プログラム処理を行う処理手段とを備える。本発明において、処理手段は、まず、前記要求をした端末装置から利用者を特定する情報を取得する。次いで、当該利用者を特定する情報により特定される利用者が閲覧可能なスレッドを記憶手段から読み出す。そして、当該読み出したスレッドを前記要求をした端末装置に送信する、という構成を採っている。
【0011】
本発明によれば、スレッドの閲覧を要求した利用者は、その利用者が閲覧権限を持っているスレッドのみ閲覧を許される。
【0012】
また、他の発明では、さらに、記憶手段が、スレッドを作成する投稿利用者ごとに当該スレッドの閲覧権限を与える閲覧利用者を記憶している。そして、処理手段は、端末装置から投稿利用者を特定する情報と作成するスレッドの情報とを取得する。次いで、当該投稿利用者を特定する情報により特定される投稿利用者が閲覧権限を与えている閲覧利用者を記憶手段から読み出す。そして、当該読み出した閲覧利用者に対し今回作成するスレッドを閲覧可能なスレッドとして関連付けて記憶手段に記憶する。
【0013】
本発明によれば、スレッドを作成する投稿利用者と関係する、制限された一定の利用者だけに、当該スレッドの閲覧が許される。
【0014】
また、他の発明では、記憶手段が、利用者ごとにスレッドの閲覧権限を与える閲覧利用者を記憶する。そして、処理手段は、端末装置から利用者を特定する情報と当該利用者が閲覧中のスレッドの識別子と当該スレッドの転送指示とを取得する。次に、当該転送指示を受けて当該利用者を特定する情報により特定される利用者が閲覧権限を与えている閲覧利用者を記憶手段から読み出す。そして、当該読み出した閲覧利用者に対しスレッドの識別子が表すスレッドを閲覧可能なスレッドとして関連付けて記憶手段に記憶する。
【0015】
本発明によれば、スレッドを閲覧した利用者の意思によって、当該利用者と関係する、制限された一定の利用者だけに、当該スレッドの閲覧が許される。
【0016】
また、他の発明では、処理手段が、スレッドを閲覧中の端末装置から当該スレッドへの投稿と当該投稿をする利用者を特定する情報と当該閲覧中のスレッドの識別子とを取得する。次に、当該スレッドの識別子が表すスレッドを閲覧可能スレッドとして関連付けられている利用者を記憶手段から読み出す通知準備ステップを行う。そして、当該読み出した利用者に対し当該スレッドの更新を通知する。
【0017】
本発明によると、あるスレッドに投稿が行われると、当該スレッドの閲覧権限を持つ利用者だけにスレッドの更新が通知される。
【0018】
また、他の発明では、記憶手段が、スレッドごとに当該スレッドの更新を通知すべき利用者を記憶する。そして、処理手段は、スレッドを閲覧中の端末装置から当該閲覧中の利用者を特定する情報と当該スレッドの識別子と当該スレッドについて更新通知の希望とを取得する。次に、当該更新通知の希望を受けて当該利用者を特定する情報により特定される通知希望利用者と当該スレッドの識別子が表すスレッドとを関連付けて記憶手段に記憶する。そして、スレッドへの投稿を取得すると上記の通知準備ステップに代えて当該スレッドに関連付けられた通知希望利用者を記憶手段から読み出すステップを行う。
【0019】
本発明によれば、あるスレッドへの投稿があった場合、そのスレッドの閲覧権限を持つ利用者のうち特に通知を希望した利用者だけにスレッドの更新が通知される。また、そのスレッドの作成者から投稿者へ至るまでのスレッド転送経路に属さない利用者であっても当該投稿があったことを知ることが可能である。
【0020】
また、他の発明では、記憶手段が、スレッドごとに且つ当該スレッドを閲覧可能な利用者ごとに当該スレッドを転送可能な回数を記憶する。そして、処理手段は、上述の転送指示を取得するとスレッドの識別子が表すスレッド及び利用者を特定する情報により特定される利用者に関連付けられた転送可能な回数を記憶手段から読み出す。次に、当該読み出した転送可能な回数が所定の制限より少ない場合は転送を拒否する。
【0021】
本発明によれば、スレッドの転送回数を制限することができる。
【0022】
ここで、「利用者」、「投稿利用者」、「閲覧利用者」、「通知希望利用者」の語は、利用者の状態を表すために呼び分けている。例えば、「利用者」は、スレッドに投稿するときは「投稿利用者」となり、スレッドを閲覧するときは「閲覧利用者」となる。また、スレッドの更新通知を希望したときは「通知希望利用者」となる。
【発明の効果】
【0023】
本願発明によれば、利用者間で閲覧権限の与えられたスレッドだけを共有するので、利用者同士がもともと持っているつながりを利用する掲示板サービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0025】
(実施形態1)
【0026】
図1は、本実施形態のコンピュータシステムの全体構成を示すブロック図である。端末装置10と、情報提供システム20とが、通信ネットワークとしてのインターネット30に接続されている。ここで、端末装置10とインターネット30との接続は有線であるか無線であるかを問わない。
【0027】
図2は、端末装置10の構成図である。
【0028】
処理手段としてのCPU12、記憶手段としてのRAM13、ROM14、及びHDD19(Hard Disk Drive)、入力手段としてのキーボード16及びマウス17、表示手段としてのディスプレイ18並びに通信手段としてのNIC15(Network Interface Card)が、バス11に接続されている。HDD19には、ウェブブラウザのプログラム等が記憶されている。端末装置10のCPUは、ウェブブラウザのプログラムを実行することにより、情報提供システム20が提供するコンテンツを実行してディスプレイ18に表示することができるようになっている。端末装置10としては、例えば、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistance)、インターネット接続機能を有する携帯電話等が該当するが、本実施形態ではPCを採用している。
【0029】
図3は、情報提供システム20の構成図である。
【0030】
処理手段としてのCPU22、記憶手段としてのRAM23、ROM24、及びHDD26(Hard Disk Drive)並びに通信手段としてのNIC25(Network Interface Card)が、バス21に接続されている。HDD26には、利用者テーブルファイル201、権限転送先テーブルファイル202、投稿テーブルファイル203等が記憶されている。本実施形態では、情報提供システム20として、一般的なウェブサーバを採用している。
【0031】
図4は、利用者テーブルファイル201の構造図である。当該利用者テーブルファイル201には、利用者を識別する利用者識別子及びパスワードの組み合わせと、利用者へのメール通知を行う際に利用する利用者メール識別子と、当該利用者が閲覧可能なスレッドを識別する閲覧可能スレッドリストとが関連付けて格納されている。本実施形態では、利用者メール識別子として、利用者のメールアドレスを利用している。閲覧可能スレッドリストでは、ひとつの利用者識別子に対して、その利用者が閲覧可能なスレッドのスレッド識別子と当該スレッドを閲覧する権限を当該利用者に付与した利用者の利用者識別子との組み合わせが、一乃至複数関連付けられている。例えば、図4の利用者識別子「uid07」のレコードでは、当該利用者識別子に対して、スレッド識別子と利用者識別子との組み合わせ「qid1−uid08」が関連付けて格納されている。利用者は、自身の利用者識別子に関連付けられた閲覧可能スレッドリスト内の閲覧可能スレッド識別子に該当するスレッドの内容を取得する権限を持つようになっている。閲覧可能スレッドリストには、スレッドとそのスレッドを作成した利用者の利用者識別子との組み合わせを複数格納できる。利用者が閲覧可能なスレッドの内容を取得する動作については後述する。
【0032】
図5は、権限転送先テーブルファイル202の構造図である。当該権限転送先テーブルファイル202には、利用者を識別する利用者識別子と、当該利用者が閲覧可能なスレッドの閲覧権限を転送する際の転送先利用者を表す権限転送先リストとが関連付けて格納されている。権限転送先リストでは、ひとつの利用者識別子に対して、転送先として複数の利用者識別子を関連付けることができる。例えば、図5の利用者識別子「uid01」のレコードでは、権限転送先リスト内に権限転送先識別子「uid02」「uid04」とが関連付けて格納されている。
【0033】
図6は、投稿テーブルファイル203の構造図である。当該投稿テーブルファイル203には、利用者からの投稿を識別する投稿識別子と、その投稿の属するスレッドを識別するスレッド識別子と、投稿者を識別する投稿者識別子と、投稿された内容である投稿内容とが関連付けられている。ここで、本実施形態では、投稿識別子は、情報提供システム20が投稿を受け付けた日時の情報を含むようになっている。例えば図6の投稿識別子「tid1」のレコードでは、スレッド識別子「qid1」、投稿者識別子「uid08」、投稿内容「question1」とが関連付けて格納されている。
【0034】
次に、本実施形態の動作について説明する。尚、特に断りがない場合、以下では、端末10での動作はウェブブラウザのプロセスが行い、情報提供システム20の動作は、情報提供システム20のCGI(Common Gateway Interface)のプロセスが行うものとする。
【0035】
(新しいスレッドが作成される動作)
【0036】
図7は、利用者が投稿を行い、新しいスレッドが作成される動作における、端末装置10及び情報提供システム20のフローチャートである。
【0037】
端末装置10のCPUは、ログイン画面のHTMLファイルを情報提供システム20から受信する。そして、端末装置10のCPUは、当該受信したログイン画面のHTMLファイルに基づいて、ウェブブラウザを通じて、ログイン画面をディスプレイに表示する(S110)。続いて、端末装置10のCPUは、利用者識別子及びパスワードを、ログイン画面を通じて、キーボードから受付ける。ここでは、利用者uid01の利用者識別子及びパスワードを受け付けたものとする。続いて、端末装置10のCPUは、当該受付けた利用者識別子及びパスワードを情報提供システム20に送信する(S115)。
【0038】
情報提供システム20のCPUは、利用者識別子及びパスワードを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信した利用者識別子及びパスワードの組合せが、利用者テーブルファイル201に格納されているか確認することによって、利用者の認証を行う(S120)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信した利用者識別子及びパスワードの組合せが、利用者テーブルファイル201に格納されている場合には、ユーザの認証が成功したものとして、以下の処理を行う。
情報提供システム20は、当該利用者識別子に固有のセッション情報を作成し、認証された利用者識別子を関連付けてRAMに記憶する(S125)。続いて、情報提供システム20のCPUは、利用者テーブルファイル201で識別子uid01に関連付けられた閲覧可能スレッドリストから閲覧可能なスレッドのスレッド識別子と当該スレッドを閲覧する権限を当該利用者に付与した利用者の利用者識別子の組み合わせ「qid1−uid08」を読み出す(S130)。
【0039】
ここで、図4では、「qid3−uid01」が、「uid01」、「uid02」及び「uid04」に関連付けられているが、これらは、後の処理で関連付けられるものであり、現時点では、関連付けられていないものとする。また、「uid03」に関連付けられている「qid3−uid02」も、後の処理で関連付けられるものであり、現時点では関連付けられていないものとする。
【0040】
続いて、情報提供システム20のCPUは、当該読み出したスレッド識別子「qid1」に関連付けられた投稿の投稿識別子と投稿内容の組み合わせを投稿テーブルファイル203から読み出す(S135)。ここで、当該スレッド識別子に関連付けられる投稿内容は複数ある場合があり、投稿が複数ある場合は、情報提供システム20のCPUは、投稿のそれぞれに関連付けられた投稿識別子が含んでいる日時の情報から投稿内容を投稿された順番に並べ替えて、投稿に関する情報としてRAMに記憶する(S140)。当該「投稿に関する情報」には、スレッド識別子と、S130で読み出された当該スレッドを閲覧する権限を当該利用者に付与した利用者の利用者識別子と、そのスレッドに属する投稿の投稿識別子及び投稿内容とが含まれる。
【0041】
続いて、情報提供システム20のCPUは、前記投稿に関する情報を含んだ掲示板サービスの画面を端末装置10に送信する(S145)。
【0042】
端末装置10のCPUは、掲示板サービスの画面を、情報提供システム20から受信する。そして、端末装置10のCPUは、当該受信した掲示板サービスの画面を、ウェブブラウザを通じてディスプレイに表示する(S150)。図13は、掲示板サービス画面の一例を示す構成図である。当該掲示板サービス画面は、利用者識別子に対応するセッション情報30が隠しフィールドの値として格納されており、投稿入力部32、送信ボタン33、スレッドリスト表示部34を備えている。スレッドリスト表示部34には、前記投稿に関する情報が表示されている。
【0043】
そして、端末装置10のCPUは、投稿入力部32に投稿内容「question3」が入力され、送信ボタン33が押されたことを契機として、POSTメソッドにて、セッション情報30と投稿内容「question3」とを情報提供システム20に送信する(S155)。
【0044】
情報提供システム20のCPUは、セッション情報30と、投稿内容「question3」とを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されているか確認することによって、セッションの認証を行う(S160)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されている場合には、セッションの認証が成功したものとして以下の処理を行う。
【0045】
情報提供システム20のCPUは、当該セッション情報30と関連付けられた利用者識別子「uid01」をRAMから読み出す(S165)。続いて、情報提供システム20のCPUは、投稿テーブルファイル203に、投稿識別子としての当該POSTを受信した時刻から生成される固有の値「tid3」と、スレッド識別子としての新たに生成する固有の値「qid3」と、投稿者識別子としての利用者識別子「uid01」と、投稿内容「question3」とを関連付けて保存する(S170)。続いて、情報提供システム20のCPUは、権限転送先テーブルファイル202で、利用者識別子uid01に関連付けられた権限転送先リストを読み出す(S175)。ここで、本実施形態では、当該リストからは、「uid02」「uid04」が読み出される。続いて、情報提供システム20のCPUは、利用者テーブルファイル201で、投稿者自身の利用者識別子「uid01」と、前記読み出された権限転送先利用者識別子「uid02」「uid04」の各々に関連付けられた各閲覧可能スレッドリストに、生成された前記スレッド識別子と投稿を行った利用者の識別子とを関連づけた値「qid3−uid01」を追加する(S180)。
【0046】
続いて、情報提供システム20のCPUは、前記新たに閲覧可能スレッドを追加された利用者の利用者識別子に利用者テーブルファイル201において関連付けられた利用者メール識別子により特定されるメールアドレスに、閲覧可能スレッドリストの内容が更新された旨の通知を行う(S185)。
【0047】
(閲覧したスレッドの閲覧権限を転送する動作)
【0048】
次に、閲覧可能となったスレッドを利用者が閲覧する動作並びに他の利用者に閲覧権限を転送する動作について説明する。
【0049】
図8は、前記S185に引き続き、利用者uid02が閲覧可能なスレッドを閲覧して閲覧権限を転送する動作処理における、端末装置10及び情報提供システム20のフローチャートである。
【0050】
端末10では、ウェブブラウザが実行されている。端末10では、利用者識別子「uid02」の利用者が、固有のセッション情報と掲示板サービスの画面を情報提供システム20から取得し、ウェブブラウザで掲示板サービス画面を表示するが、この動作は前記S110からS150までと同様なので、説明を省略する。ここで、掲示板サービスの画面には、利用者uid02が閲覧可能なスレッドであるスレッド識別子qid3に関連付けられた投稿の内容と、利用者uid02に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid01が関連付けられて表示されている。
【0051】
利用者uid02は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、スレッドリスト表示部34に表示された投稿内容question3と、uid02に当該質問の閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid01を閲覧する。そして、利用者スレッドuid02は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、当該スレッド識別子の投稿について、権限転送の依頼を行う。具体的には、スレッドリスト表示部34には、スレッドごとに「転送」と表示されたボタンがあり、そのボタンをクリックする(S205)。
【0052】
端末10のCPUは、POSTメソッドにて、セッション情報30と、スレッド識別子qid3と当該転送依頼のコマンドとを情報提供システム20に送信する(S210)。
【0053】
情報提供システム20のCPUは、セッション情報30と、スレッド識別子qid3と、当該転送依頼のコマンドとを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されているか確認することによって、セッションの認証を行う(S215)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されている場合には、セッションの認証が成功したものとして以下の処理を行う。
【0054】
情報提供システム20のCPUは、当該セッション情報30と関連付けられた利用者識別子uid02をRAMから読み出す。続いて、情報提供システム20のCPUは、権限転送先テーブルファイル202で、利用者識別子uid02に関連付けられた権限転送先リストを読み出す(S220)。ここで、当該リストからは、「uid03」が読み出される。続いて、情報提供システム20のCPUは、利用者テーブルファイル201で、利用者識別子「uid03」に関連付けられた閲覧可能スレッドリストに、前記スレッド識別子と当該権限転送依頼を行った利用者の識別子とを関連づけた値「qid3−uid02」を追加する(S225)。
【0055】
続いて、情報提供システム20のCPUは、前記新たに閲覧可能スレッドを追加された利用者の利用者識別子に利用者テーブルファイル201において関連付けられた利用者メール識別子により特定されるメールアドレスに、閲覧可能スレッドリストの内容が更新された旨の通知を行う(S230)。
【0056】
(投稿に回答する動作)
【0057】
次に、閲覧可能となったスレッドの投稿を見た利用者が、そのスレッドに投稿を行う場合の動作について説明する。
【0058】
図9は、前記S230に引き続き、利用者uid03が閲覧可能なスレッドの投稿を閲覧して回答する動作処理における、端末装置10及び情報提供システム20のフローチャートである。
【0059】
端末10では、ウェブブラウザが実行されている。端末10では、利用者識別子「uid03」の利用者が、固有のセッション情報30と掲示板サービスの画面を情報提供システム20から取得し、ウェブブラウザで掲示板サービス画面を表示するが、この動作は前記S110からS150までと同様なので、説明を省略する。ここで、掲示板サービスの画面には、利用者uid03が閲覧可能なスレッドであるスレッド識別子qid3に関連付けられた投稿の内容と、利用者uid03に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid02が関連付けられて表示されている。
【0060】
利用者uid03は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、スレッドリスト表示部34に表示された投稿内容question3と、uid03に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid02を閲覧する。そして、利用者uid03は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、当該スレッド識別子に関連付けて新たな投稿を行う。具体的には、スレッドリスト表示部34には、スレッドごとに「回答」と表示されたボタンがあり、利用者uid03は、投稿入力部32に投稿内容「answer3−1」を入力してから、当該ボタンをクリックする(S305)。
【0061】
端末10のCPUは、POSTメソッドにて、セッション情報30と、投稿内容「answer3−1」と、スレッド識別子qid3とを関連付けられた投稿実施のコマンドを情報提供システム20に送信する(S310)。
【0062】
情報提供システム20のCPUは、セッション情報30と、投稿内容「answer3−1」と、スレッド識別子qid3とを関連付けられた投稿実施のコマンドを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されているか確認することによって、セッションの認証を行う(S315)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されている場合には、セッションの認証が成功したものとして以下の処理を行う。
【0063】
情報提供システム20のCPUは、当該セッション情報30と関連付けられた利用者識別子「uid03」をRAMから読み出す(S320)。続いて、情報提供システム20のCPUは、投稿テーブルファイル203に、投稿識別子としての当該POSTを受信した時刻から生成される固有の値「tid4」と、受信したスレッド識別子「qid3」と、投稿者識別子としての利用者識別子「uid03」と、投稿内容「answer3−1」とを関連付けて保存する(S325)。
【0064】
続いて、情報提供システムのCPUは、利用者テーブルファイル201の閲覧可能スレッドリストに当該スレッド識別子「qid3」を含む利用者に、当該スレッドに新規の投稿があった旨の通知を行う(S330)。
【0065】
これによると、利用者同士がもともと持っているつながりを利用する掲示板サービスを提供することができる。また、投稿者を他の利用者に特定させないまま、投稿内容を転送できる。
【0066】
(実施形態1の変形例1)
【0067】
次に実施形態1の変形例1について説明する。実施形態1では投稿に回答する動作があった場合、S330において当該スレッドの閲覧が可能な利用者に対して当該スレッドに新規の投稿があった旨の通知を行ったが、この変形例では、利用者が閲覧可能なスレッドごとに、回答があった場合に通知を受け取るかどうかを選択できる。
【0068】
本変形例では、実施形態1の構成に加えて、情報提供システム20の記憶装置に、トレーステーブルファイル204が記憶されている。
【0069】
図10は、トレーステーブルファイル204の構造図である。当該トレーステーブルファイル204には、スレッドを識別するスレッド識別子と、当該スレッドに新規の投稿があった場合に通知を希望する利用者を表すトレースリストとが関連付けて格納されている。
【0070】
図11は、実施形態1の閲覧可能スレッドリストの内容が更新された旨の通知を行うステップS185に引き続き、利用者uid04が閲覧可能なスレッドに対する回答があった場合に通知を希望する動作処理における、端末装置10及び情報提供システム20のフローチャートである。
【0071】
端末10では、ウェブブラウザが実行されている。端末10では、利用者識別子「uid04」の利用者が、固有のセッション情報と掲示板サービスの画面を情報提供システム20から取得し、ウェブブラウザで掲示板サービス画面を表示するが、この動作は前記S110からS150までと同様なので、説明を省略する。ここで、掲示板サービスの画面には、利用者uid04が閲覧可能なスレッドであるスレッド識別子qid3に関連付けられた投稿の内容と、利用者uid04に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid01とが関連付けられて表示されている。
【0072】
利用者uid04は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、スレッドリスト表示部34に表示された投稿内容question3と、uid04に当該スレッドの閲覧権限を付与した利用者の利用者識別子uid01とを閲覧する。そして、利用者uid04は、端末10の入力手段を用いてウェブブラウザを操作し、当該スレッド識別子の投稿について、トレースの依頼を行う。具体的には、スレッドリスト表示部34には、スレッドごとに「トレース」と表示されたボタンがあり、そのボタンをクリックする(S405)。
【0073】
端末10のCPUは、上記ボタンのクリックを受けると、POSTメソッドにて、セッション情報30と、スレッド識別子qid3と当該トレース依頼のコマンドとを情報提供システム20に送信する(S410)。
【0074】
情報提供システム20のCPUは、セッション情報30と、スレッド識別子qid3と、当該トレース依頼のコマンドとを端末装置10から受信する。そして、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されているか確認することによって、セッションの認証を行う(415)。続いて、情報提供システム20のCPUは、受信したセッション情報30が利用者識別子に関連付けられてRAMに記憶されている場合には、セッションの認証が成功したものとして以下の処理を行う。
【0075】
情報提供システム20のCPUは、当該セッション情報30と関連付けられた利用者識別子uid04をRAMから読み出す。続いて、情報提供システム20のCPUは、トレーステーブルファイル204で、スレッド識別子qid3とuid04を関連付けて保存する(S420)。
【0076】
その後、当該スレッド識別子のスレッドに対して新規の投稿がされると、情報提供システム20のCPUは、前記回答がされた場合の動作S330に代えて、当該トレーステーブルファイル204で当該スレッド識別子qid3に関連付けて利用者識別子が保存されている利用者に対してのみ、新規の投稿があった旨の通知を行う(S425)。この際、投稿の内容もあわせて通知してもよい。
【0077】
これによると、質問の内容が複数の利用者に転送されていった場合、回答のあった経路にいる利用者以外がその回答の内容を容易に取得できる。
【0078】
(実施形態1の変形例2)
【0079】
次に、実施形態1の変形例2について説明する。本変形例では、実施形態1の構成に加えて、情報提供システム20の記憶装置に、最大転送回数テーブルファイル205が記憶されている。
【0080】
図12は、最大転送回数テーブルファイル205の構成図である。最大転送回数テーブルファイル205には、スレッド識別子と、当該スレッドの閲覧権限を付与された利用者の利用者識別子と、残り転送可能回数が関連付けて記憶されている。
【0081】
本実施形態では、実施形態1の新しいスレッドが作成される動作において、新しいスレッドを作成する利用者は、情報提供システム20に投稿内容を送信する際、最大転送回数を同時に送信する。ここでは、実施形態1のS155のステップにおいて、最大転送回数として「3」を指定したものとして説明する。
【0082】
情報提供システム20のCPUは、投稿内容を受信する際、前記最大転送回数を同時に受信する。続けて、情報提供システム20のCPUは、実施形態1の新しいスレッドが作成される動作と同様の動作をするが、前記利用者テーブルファイル201を更新するステップS180を実行したあと、最大転送回数テーブルファイル205に、閲覧可能スレッドリストに当該スレッドが新たに付加された利用者ごとに、新規に生成されたスレッド識別子と、当該利用者の利用者識別子と、前記受信した最大転送回数を関連付けて記憶する。例えば、実施形態1の例で言えば、最大転送回数テーブルには、「qid3、uid02、3」、「qid3、uid04、3」の2つのレコードが追加される。
【0083】
次に、閲覧したスレッドの閲覧権限を転送する動作について説明する。閲覧可能となったスレッドを閲覧した利用者が当該閲覧したスレッドの閲覧権限を転送する動作については、実施形態1に説明したのと同様の部分については説明を省略し、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0084】
情報提供システム20のCPUは、利用者識別子「uid02」の利用者からの「qid3」の質問の転送依頼のコマンドを受信すると、最大転送回数ファイル205から、受信したスレッド識別子qid3と、利用者識別子とに関連付けられた転送回数3を読み出す。そして、情報提供システム20のCPUは、当該転送回数の値が1より小さければ閲覧権限の転送処理を行わず、値が1以上であれば、実施形態1のS230までと同様に利用者ファイル201を更新し、続けて、情報提供システム20のCPUは、最大転送回数ファイル205に、閲覧可能スレッドリストに当該スレッドが新たに付加された利用者ごとに、当該スレッド識別子と、当該利用者の利用者識別子と、前記読み出された転送回数から1を引いた値を関連付けて記憶する。この実施形態では、権限転送を受けた利用者がuid03なので、最大転送回数ファイル205には、「qid3、uid03、2」のレコードが追加される。
【0085】
これによると、スレッドの読み取り権限を取得できる利用者を一定の範囲内に制限できる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、転送による権限取得、スレッドに回答があった場合のメール通知は必須ではないし、パスワードによる認証も必須ではない。権限転送元の利用者の利用者識別子を端末10に送信することも、省略可能である。セッション情報を端末10と情報提供システム20がやりとりする際には、Cookieを利用するなど様々な方法が考えられる。この発明の方法は、投稿テーブルの投稿識別子ごとに投稿者識別子公開非公開を切り替えるフラグを関連付けられるようにし、投稿者が希望する際には他の利用者がスレッドの内容を取得する際に投稿者情報を表示できるようにしてもよい。掲示板サービス画面に閲覧可能スレッドリストを表示する際には、情報提供システム20が読み出した権限転送先テーブルファイル202から読み取られる権限転送先リストを表示し、利用者が権限転送先利用者を個別に指定できるようにしてもよい。S145で情報提供システム20から端末10に送信される情報には、S130で読み出された当該スレッドを閲覧する権限を当該利用者に付与した利用者の利用者識別子を含まないようにすること等も考えられる。実施形態1の変形例2では、新しいスレッドが作成される動作において、情報提供システム20が最大転送回数を端末10から受信できない場合には情報提供システム20の記憶装置にあらかじめ記憶されている初期値を代わりに最大転送回数として最大転送回数テーブルに設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本願発明の実施形態であるコンピュータシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す利用者テーブルファイルのデータ構造図である。
【図5】図3に示す権限転送先テーブルのデータ構造図である。
【図6】図3に示す投稿テーブルファイルのデータ構造図である。
【図7】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図10】図3に示すトレーステーブルファイルのデータ構造図である。
【図11】実施形態の変形例1の動作を示すフローチャートである。
【図12】図3に示す最大転送回数テーブルファイルのデータ構造図である。
【図13】掲示板サービス画面の構成を例示した画面構成図である。
【符号の説明】
【0088】
10 端末装置
20 情報提供システム
22 情報提供システムの処理手段
23,24,26 情報提供システムの記憶手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置からの要求に応じてスレッド及び当該スレッドに含まれる投稿の情報を提供する情報提供システムにおいて、
利用者ごとに閲覧可能なスレッドを記憶した記憶手段と、プログラム処理を行う処理手段とを備え、
前記処理手段が、
前記要求をした端末装置から利用者を特定する情報を取得するステップと、
当該利用者を特定する情報により特定される利用者が閲覧可能なスレッドを前記記憶手段から読み出すステップと、
当該読み出したスレッドを前記要求をした端末装置に送信するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶手段が、スレッドを作成する投稿利用者ごとに当該スレッドの閲覧権限を与える閲覧利用者を記憶し、
前記処理手段が、
前記端末装置から前記投稿利用者を特定する情報と前記作成するスレッドの情報とを取得するステップと、
当該投稿利用者を特定する情報により特定される投稿利用者が閲覧権限を与えている閲覧利用者を前記記憶手段から読み出すステップと、
当該読み出した閲覧利用者に対し今回作成するスレッドを前記閲覧可能なスレッドとして関連付けて前記記憶手段に記憶するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項3】
請求項1記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶手段が、利用者ごとにスレッドの閲覧権限を与える閲覧利用者を記憶し、
前記処理手段が、
前記端末装置から利用者を特定する情報と当該利用者が閲覧中のスレッドの識別子と当該スレッドの転送指示とを取得するステップと、
当該転送指示を受けて当該利用者を特定する情報により特定される利用者が閲覧権限を与えている閲覧利用者を前記記憶手段から読み出すステップと、
当該読み出した閲覧利用者に対し前記スレッドの識別子が表すスレッドを前記閲覧可能なスレッドとして関連付けて前記記憶手段に記憶するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項4】
請求項1記載の情報提供システムにおいて、
前記処理手段が、
前記スレッドを閲覧中の端末装置から当該スレッドへの投稿と当該投稿をする利用者を特定する情報と当該閲覧中のスレッドの識別子とを取得するステップと、
当該スレッドの識別子が表すスレッドを前記閲覧可能スレッドとして関連付けられている利用者を前記記憶手段から読み出す通知準備ステップと、
当該読み出した利用者に対し当該スレッドの更新を通知するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項5】
請求項4記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶手段が、前記スレッドごとに当該スレッドの更新を通知すべき利用者を記憶し、
前記処理手段が、
前記スレッドを閲覧中の端末装置から当該閲覧中の利用者を特定する情報と当該スレッドの識別子と当該スレッドについて更新通知の希望とを取得するステップと、
当該更新通知の希望を受けて当該利用者を特定する情報により特定される通知希望利用者と当該スレッドの識別子が表すスレッドとを関連付けて前記記憶手段に記憶するステップと、
前記スレッドへの投稿を取得すると前記通知準備ステップに代えて当該スレッドに関連付けられた通知希望利用者を前記記憶手段から読み出すステップを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項6】
請求項3記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶手段が、スレッドごとに且つ当該スレッドを閲覧可能な利用者ごとに当該スレッドを転送可能な回数を記憶し、
前記処理手段は、
前記転送指示を取得すると前記スレッドの識別子が表すスレッド及び前記利用者を特定する情報により特定される利用者に関連付けられた前記転送可能な回数を前記記憶手段から読み出すステップと、
当該読み出した転送可能な回数が所定の制限より少ない場合は前記転送を拒否するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項1】
複数の端末装置からの要求に応じてスレッド及び当該スレッドに含まれる投稿の情報を提供する情報提供システムにおいて、
利用者ごとに閲覧可能なスレッドを記憶した記憶手段と、プログラム処理を行う処理手段とを備え、
前記処理手段が、
前記要求をした端末装置から利用者を特定する情報を取得するステップと、
当該利用者を特定する情報により特定される利用者が閲覧可能なスレッドを前記記憶手段から読み出すステップと、
当該読み出したスレッドを前記要求をした端末装置に送信するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶手段が、スレッドを作成する投稿利用者ごとに当該スレッドの閲覧権限を与える閲覧利用者を記憶し、
前記処理手段が、
前記端末装置から前記投稿利用者を特定する情報と前記作成するスレッドの情報とを取得するステップと、
当該投稿利用者を特定する情報により特定される投稿利用者が閲覧権限を与えている閲覧利用者を前記記憶手段から読み出すステップと、
当該読み出した閲覧利用者に対し今回作成するスレッドを前記閲覧可能なスレッドとして関連付けて前記記憶手段に記憶するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項3】
請求項1記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶手段が、利用者ごとにスレッドの閲覧権限を与える閲覧利用者を記憶し、
前記処理手段が、
前記端末装置から利用者を特定する情報と当該利用者が閲覧中のスレッドの識別子と当該スレッドの転送指示とを取得するステップと、
当該転送指示を受けて当該利用者を特定する情報により特定される利用者が閲覧権限を与えている閲覧利用者を前記記憶手段から読み出すステップと、
当該読み出した閲覧利用者に対し前記スレッドの識別子が表すスレッドを前記閲覧可能なスレッドとして関連付けて前記記憶手段に記憶するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項4】
請求項1記載の情報提供システムにおいて、
前記処理手段が、
前記スレッドを閲覧中の端末装置から当該スレッドへの投稿と当該投稿をする利用者を特定する情報と当該閲覧中のスレッドの識別子とを取得するステップと、
当該スレッドの識別子が表すスレッドを前記閲覧可能スレッドとして関連付けられている利用者を前記記憶手段から読み出す通知準備ステップと、
当該読み出した利用者に対し当該スレッドの更新を通知するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項5】
請求項4記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶手段が、前記スレッドごとに当該スレッドの更新を通知すべき利用者を記憶し、
前記処理手段が、
前記スレッドを閲覧中の端末装置から当該閲覧中の利用者を特定する情報と当該スレッドの識別子と当該スレッドについて更新通知の希望とを取得するステップと、
当該更新通知の希望を受けて当該利用者を特定する情報により特定される通知希望利用者と当該スレッドの識別子が表すスレッドとを関連付けて前記記憶手段に記憶するステップと、
前記スレッドへの投稿を取得すると前記通知準備ステップに代えて当該スレッドに関連付けられた通知希望利用者を前記記憶手段から読み出すステップを実行することを特徴とした情報提供システム。
【請求項6】
請求項3記載の情報提供システムにおいて、
前記記憶手段が、スレッドごとに且つ当該スレッドを閲覧可能な利用者ごとに当該スレッドを転送可能な回数を記憶し、
前記処理手段は、
前記転送指示を取得すると前記スレッドの識別子が表すスレッド及び前記利用者を特定する情報により特定される利用者に関連付けられた前記転送可能な回数を前記記憶手段から読み出すステップと、
当該読み出した転送可能な回数が所定の制限より少ない場合は前記転送を拒否するステップとを実行することを特徴とした情報提供システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−20711(P2009−20711A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182907(P2007−182907)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(399014484)ヴィジョンアーツ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(399014484)ヴィジョンアーツ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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