説明

情報提供方法、情報提供システム、情報処理装置、リーダライタ、および情報提供端末

【課題】ごく短時間しか読み書き処理されない乗車券ICカードを利用する多数の利用客に対し、利用客個々の乗車券ICカードの利用履歴に応じた迅速な情報提供を可能とする。
【解決手段】リーダライタ200より利用履歴データを受信してパターンテーブルに照合し情報提供パターンを特定するパターン特定手段110と、利用履歴を示すリーダライタに対しカードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送るパターン送信手段111とを備える情報処理装置100と、カードIDと情報提供パターンを情報処理装置100から受信しカードIDに対応する情報提供パターンのデータを読み出し乗車券ICカードに書き込みするパターン書込手段210を備えるリーダライタ200と、リーダライタ250よりパターンIDを受信しコンテンツテーブルに照合してコンテンツデータを特定し出力するコンテンツ出力手段310を備える情報提供端末300とから情報提供システム10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供方法、情報提供システム、情報処理装置、リーダライタ、および情報提供端末に関するものであり、具体的には、ごく短時間しか読み書き処理されない乗車券ICカードを利用する多数の利用客に対し、利用客個々の乗車券ICカードの利用履歴に応じた迅速な情報提供を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道駅など各種交通機関の乗降地では、改札施設の他に飲食店や書籍販売店など様々な商業施設が改札内あるいは駅ビル等に設けられるようになった。また、交通機関の利用客が所持する乗車券ICカードには電子決済機能も備えられ、前記商業施設での商品購入時等に決済手段として用いられる機会も多い。こうしたICカードを利用した情報サービスとして以下のような技術がある。
【0003】
例えば、利用者が所持するICカードの識別情報を読み取る複数の利用施設に設けられたカードリーダと、カードリーダにより読み取られた識別情報をカードリーダが設けられた利用施設の識別情報と対応付けて利用者が利用した利用時刻情報及び利用内容情報と共に利用者情報として記録する利用者情報記録部と、利用者情報記録部からの利用者情報をネットワークを介して収集して格納する利用者情報収集部と、前記利用者情報収集部に収集された前記利用者情報に基づいて利用施設ごとの利用者グループを形成するグループ化処理部と、前記利用者グループに対応して当該利用者グループの利用者が情報交換するための書き込みおよび参照の領域を管理する前記利用者サービス処理部と、ネットワークを介して前記利用者サービス処理部にアクセスして前記利用者グループに対応した領域に対して書き込みおよび参照を行う複数の利用者のクライアント端末とを備えるシステム(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
また、顧客の、店舗への入退館時、或いは店舗での清算時に、顧客に与える特典の指標となるポイントや顧客の履歴データを付与するシステム(特許文献2参照)なども提案されている。
【特許文献1】特開2008−152589号公報
【特許文献2】特開2008−112316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、交通機関の利用客が乗車券ICカードを利用する機会は増えているが、乗車券ICカードの利用履歴を活用して利用客毎の情報提供がなされることはなかった。特に、鉄道駅を移動経路の一部としてのみ利用する通常時には、乗車券ICカードへの読み書き動作が自動改札機器でしか行われないことが多く、膨大な数の利用客に対して個別の情報をセンターサーバ等から前記自動改札機器に向けて迅速に提供することは困難である。
【0006】
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、ごく短時間しか読み書き処理されない乗車券ICカードを利用する多数の利用客に対し、利用客個々の乗車券ICカードの利用履歴に応じた迅速な情報提供を可能とする技術の提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の情報提供方法は、他装置と通信する通信手段と、乗車券ICカードの利用履歴に応じた情報提供パターンを格納したパターンテーブルを記憶する記憶手段とを備えた情報処理装置と、他装置と通信する通信手段と記憶手段とを備えたリーダライタと、他装置と通信する通信手段と前記情報提供パターンのパターンID毎にコンテンツデータを格納したコンテンツテーブルを記憶する記憶手段とを備えた情報提供端末とが以下の処理を実行するものである。
【0008】
すなわち、前記情報処理装置が、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードの利用履歴データを通信手段を介して受信し、この利用履歴データを前記パターンテーブルに照合して情報提供パターンを特定し、この情報提供パターンに前記利用履歴データが含むカードIDを対応付けて記憶手段に格納する、パターン特定処理を実行する。
【0009】
また、前記情報処理装置が、カードIDに対応する情報提供パターンと利用履歴データを記憶手段から読み出し、前記利用履歴データが利用履歴を示すリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するパターン送信処理を実行する。
【0010】
また、前記リーダライタが、前記通信手段を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置から受信して記憶手段に格納し、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカードから読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段から読み出し、この情報提供パターンのデータを前記乗車券ICカードに書き込みするパターン書込処理を実行する。
【0011】
また、前記情報提供端末が、乗車券ICカードに対する読み取り動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードのパターンIDを通信手段を介して受信し、当該パターンIDを前記コンテンツテーブルに照合してコンテンツデータを特定し、このコンテンツデータを出力インターフェースに出力する、コンテンツ出力処理を実行する。
【0012】
なお、前記情報提供方法において、前記情報処理装置が、前記パターン特定処理において、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードの利用履歴データを通信手段を介して受信して記憶手段に格納しているとしてもよい。
【0013】
この場合、前記情報処理装置は、前記パターン送信処理において、前記記憶手段から利用履歴データをカードID毎に読み出し、この利用履歴データから該当乗車券ICカードが利用された日時とリーダライタの情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタの一定期間中の利用回数をカウントし、前記利用回数が所定基準値以上のリーダライタを特定し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するとすれば好適である。
【0014】
また、前記情報提供方法において、前記リーダライタが、乗車券ICカードに対する読み書き動作に際し、乗車券ICカードとの通信時間を測定し、前記通信手段を介して、該当乗車券ICカードのカードIDと前記通信時間とリーダライタの情報とを含む通信履歴データを前記情報処理装置に送信する通信時間送信処理を実行するとしてもよい。
【0015】
この場合、前記情報処理装置が、前記パターン特定処理において、前記リーダライタより前記通信履歴データを通信手段を介して受信して記憶手段に格納し、前記パターン送信処理において、前記記憶手段から前記通信履歴データをカードID毎に読み出し、この通信履歴データから該当乗車券ICカードの通信時間とリーダライタの情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタでの一定期間中における通信時間の平均値を算定し、前記平均値が所定基準値以上のリーダライタを特定し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、とすれば好適である。
【0016】
また、前記情報提供方法において、前記リーダライタが、乗車券ICカードに対する読み書き動作に際し、読み書き動作が完了する前に通信途絶した処理未了の乗車券ICカードのカードIDを記憶し、前記通信手段を介して、該当乗車券ICカードのカードIDとリーダライタの情報とを含む処理未了データを前記情報処理装置に送信する未了情報送信処理を実行するとしてもよい。
【0017】
この場合、前記情報処理装置が、前記パターン特定処理において、前記リーダライタより前記処理未了データを通信手段を介して受信して記憶手段に格納し、前記パターン送信処理において、前記記憶手段から前記処理未了データをカードID毎に読み出し、この処理未了データからリーダライタの情報を抽出し、ここで抽出した各リーダライタでの一定期間中の処理未了回数をカウントし、前記処理未了回数が所定基準値以下のリーダライタを特定し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、とすれば好適である。
【0018】
また、前記情報提供方法において、前記リーダライタが、乗車券ICカードに対する読み書き動作に際し、乗車券ICカードへのデータ書込量を測定し、前記通信手段を介して、該当乗車券ICカードのカードIDと前記データ書込量とリーダライタの情報とを含む書込量データを前記情報処理装置に送信する書込量送信処理を実行するとしてもよい。
【0019】
この場合、前記情報処理装置が、前記パターン特定処理において、前記リーダライタより前記書込量データを通信手段を介して受信して記憶手段に格納し、前記パターン送信処理において、前記記憶手段から前記書込量データをカードID毎に読み出し、この書込量データから該当乗車券ICカードのデータ書込量とリーダライタの情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタでの一定期間中におけるデータ書込量の平均値を算定し、前記平均値が所定基準値以下のリーダライタを特定し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、とすれば好適である。
【0020】
また、前記情報提供方法において、前記情報処理装置が、前記記憶手段において、リーダライタとリーダライタの設置施設との対応付け情報を格納した施設テーブルを備えており、前記パターン送信処理において、前記特定したリーダライタの情報を前記施設テーブルに照合して該当施設と当該施設に設置されたリーダライタの特定を実行し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、としてもよい。
【0021】
また、前記情報提供方法において、前記情報処理装置が、乗車券ICカードの利用履歴に応じた情報提供パターンのデータとして、パターン総数別のパターンIDをパターン総数順に並べて結合し1レコードとしたデータを格納したパターンテーブルを記憶手段に格納しており、前記乗車券ICカードが、決済用金員の金額値を所定桁数の範囲で記憶領域に格納している、としてもよい。
【0022】
この場合、前記リーダライタが、前記パターン書込処理において、前記通信手段を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置から受信して記憶手段に格納し、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカードの記憶領域にアクセスして前記所定桁数のうち金額値が未格納の残桁数をカウントし、該当乗車券ICカードから読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段から読み出し、前記情報提供パターンのデータから前記残桁数に対応する桁数分だけパターンIDを抽出して、ここで抽出したパターンIDを前記乗車券ICカードに書き込みする、とすれば好適である。
【0023】
また、本実施形態の情報提供システムは、他装置と通信する通信手段と、乗車券ICカードの利用履歴に応じた情報提供パターンを格納したパターンテーブルを記憶する記憶手段と、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードの利用履歴データを通信手段を介して受信し、この利用履歴データを前記パターンテーブルに照合して情報提供パターンを特定し、この情報提供パターンに前記利用履歴データが含むカードIDを対応付けて記憶手段に格納する、パターン特定手段と、カードIDに対応する情報提供パターンと利用履歴データを記憶手段から読み出し、前記利用履歴データが利用履歴を示すリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するパターン送信手段とを備える情報処理装置と、他装置と通信する通信手段と、記憶手段と、前記通信手段を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置から受信して記憶手段に格納し、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカードから読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段から読み出し、この情報提供パターンのデータを前記乗車券ICカードに書き込みするパターン書込手段とを備えるリーダライタと、他装置と通信する通信手段と、前記情報提供パターンのパターンID毎にコンテンツデータを格納したコンテンツテーブルを記憶する記憶手段と、乗車券ICカードに対する読み取り動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードのパターンIDを通信手段を介して受信し、当該パターンIDを前記コンテンツテーブルに照合してコンテンツデータを特定し、このコンテンツデータを出力インターフェースに出力する、コンテンツ出力手段とを備える情報提供端末と、を含むことを特徴とする。
【0024】
また、本実施形態の情報処理装置は、他装置と通信する通信手段と、乗車券ICカードの利用履歴に応じた情報提供パターンを格納したパターンテーブルを記憶する記憶手段と、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードの利用履歴データを通信手段を介して受信し、この利用履歴データを前記パターンテーブルに照合して情報提供パターンを特定し、この情報提供パターンに前記利用履歴データが含むカードIDを対応付けて記憶手段に格納する、パターン特定手段と、カードIDに対応する情報提供パターンと利用履歴データを記憶手段から読み出し、前記利用履歴データが利用履歴を示すリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するパターン送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明のリーダライタは、他装置と通信する通信手段と、記憶手段と、前記通信手段を介してカードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置から受信して記憶手段に格納し、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカードから読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段から読み出し、この情報提供パターンのデータを前記乗車券ICカードに書き込みするパターン書込手段と、を備えることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の情報提供端末は、他装置と通信する通信手段と、情報提供パターンのパターンID毎にコンテンツデータを格納したコンテンツテーブルを記憶する記憶手段と、乗車券ICカードに対する読み取り動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードのパターンIDを通信手段を介して受信し、当該パターンIDを前記コンテンツテーブルに照合してコンテンツデータを特定し、このコンテンツデータを出力インターフェースに出力する、コンテンツ出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ごく短時間しか読み書き処理されない乗車券ICカードを利用する多数の利用客に対し、利用客個々の乗車券ICカードの利用履歴に応じた迅速な情報提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の情報提供システム10のネットワーク構成図である。図1に示す情報提供システム10は、ごく短時間しか読み書き処理されない乗車券ICカードを利用する多数の利用客に対し、利用客個々の乗車券ICカードの利用履歴に応じた迅速な情報提供を可能とするコンピュータシステムである。
【0030】
本実施形態において、前記情報提供システム10が含む情報処理装置100は、鉄道会社や航空会社等の運輸機関が運営するコンピュータであり、鉄道各駅等に設置された自動改札装置5や商業施設等のレジ端末6などに組み込まれている乗車券ICカード50の多数のリーダライタ200と、ネットワーク140で結ばれている。前記乗車券ICカード50には、前記リーダライタ200により該当利用客の乗車券ICカード50の利用履歴に応じた情報提供パターンのデータ(前記情報処理装置100が指示したもの)が書き込みされる。こうした乗車券ICカード50を所持する前記利用客らは、鉄道駅や空港など乗車券ICカード50を利用できる各種交通機関の利用拠点や、或いはその他の施設を訪れた際、そこに設置されている情報提供端末300(に接続されたリーダライタ250)に対し、乗車券ICカード50の読み取りをさせる。この情報提供端末300は、予め情報提供パターンに応じたコンテンツデータを保持しており、前記乗車券ICカード50からリーダライタ250が読み取った情報提供パターンに応じてコンテンツデータを読み出し、ディスプレイ等に表示することになる。
【0031】
こうした本実施形態における情報提供システム10を構成する各装置について以下説明する。前記情報提供システム10(以下システム10)を構成する情報処理装置100は、例えば、鉄道会社等の管理センターに設置されるサーバ装置などのコンピュータであり、本発明を実現する機能を備えるべくハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶手段101に格納されたプログラム102をRAM103に読み出し、演算装置たるCPU104により実行する。また、前記情報処理装置100は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入力インターフェイス105、ディスプレイなどの出力インターフェイス106を備えるものとできる。また、前記乗車券ICカード50のリーダライタ200、情報提供端末300などとの間のデータ授受を担う通信手段107を有している。なお、前記リーダライタ200は、RFIDチップ51を備えた乗車券ICカード50に対するリーダライタ装置である。
【0032】
続いて、前記システム10を構成する前記情報処理装置100が、例えばプログラム102に基づき前記記憶手段101にて構成・保持する機能部につき説明を行う。なお、前記情報処理装置100は、記憶手段において、パターンテーブル125、履歴テーブル126、ユーザテーブル127、通信履歴テーブル128、未了履歴テーブル129、書込量履歴テーブル130、施設テーブル131を格納している(各テーブルについては後述する)。
【0033】
こうした前記情報処理装置100は、乗車券ICカード50に対する読み書き動作を行った、自動改札装置5やレジ端末6などに組み込まれているリーダライタ200より、前記乗車券ICカード50の利用履歴データを通信手段107を介し受信して記憶手段101の履歴テーブル126に格納し、この利用履歴データを前記パターンテーブル125に照合して情報提供パターンを特定し、この情報提供パターンに前記利用履歴データが含むカードIDを対応付けて記憶手段101のユーザテーブル127に格納する、パターン特定手段110を備える。
【0034】
また、前記情報処理装置100は、カードIDに対応する情報提供パターンを前記記憶手段101のユーザテーブル127から、前記カードIDに対応する利用履歴データを前記記憶手段101の履歴テーブル126から読み出し、前記利用履歴データが利用履歴を示すリーダライタ200に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するパターン送信手段111を備える。勿論、前記情報処理装置100は、各リーダライタ200のネットワーク140上でのアドレスを記憶手段101等において保持しており、前記情報提供パターン等のデータを送信する際には、該当リーダライタ200のアドレスを記憶手段101で特定し、このアドレスに宛てて送信を行う。
【0035】
なお、前記パターン送信手段111は、前記記憶手段101の履歴テーブル126から利用履歴データをカードID毎に読み出し、この利用履歴データから該当乗車券ICカード50が利用された日時とリーダライタ200の情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタの一定期間中の利用回数をカウントし、前記利用回数が所定基準値以上のリーダライタ200を特定し、ここで特定したリーダライタ200に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、としてもよい。
【0036】
なお、リーダライタ200を特定する方法は、上記方法に限定するものではない。例えば、前記パターン送信手段111は、前記利用履歴データから該当乗車券ICカード50が利用された日時とリーダライタ200の情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタの所定曜日や所定時間帯における利用回数や利用間隔等の各種統計値を算定し、前記統計値が所定基準値を満たすリーダライタ200を特定することもできる。また、前記パターン送信手段111は、前記利用履歴データから該当乗車券ICカード50が利用された日時とリーダライタ200の情報とを抽出し、ここで抽出した日時が休日(前記情報処理装置100がコンピュータとして通常備えるカレンダー機能からデータ取得)となっている各リーダライタ200を特定し、休日しか利用しない駅であっても、その駅のリーダライタ200を特定するとしてもよい。また、前記情報処理装置100が各駅の乗降客数のデータ(例:各リーダライタ200から送られてくる読み取り情報から各駅毎に客数算定)を記憶手段101に保持しており、前記利用回数が前記所定基準値以上であると特定したリーダライタ200について、その設置駅の乗降客数が所定基準より多い駅であれば、該当駅に設置のリーダライタ200を特定結果から除外するとしてもよい。また、鉄道事業者が前記情報処理装置100の入力インターフェース105などから任意の駅のリーダライタ200を特定し、情報処理装置100がこれを受けてリーダライタ200の特定結果とすることもできる。
【0037】
また、前記パターン特定手段110は、前記リーダライタ200より通信履歴データを通信手段107を介して受信して記憶手段101の通信履歴テーブル128に格納するとしてもよい。前記通信履歴データは、前記リーダライタ200が、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、乗車券ICカード50との通信時間を測定し、該当乗車券ICカード50のカードIDとリーダライタの情報と共に送信してきたデータである。
【0038】
この場合、前記パターン送信手段111は、前記記憶手段101の通信履歴テーブル128から前記通信履歴データをカードID毎に読み出し、この通信履歴データから該当乗車券ICカード50の通信時間とリーダライタ200の情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタ200での一定期間中における通信時間の平均値を算定し、前記平均値が所定基準値以上のリーダライタ200を特定し、ここで特定したリーダライタ200に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するとすれば好適である。
【0039】
なお、前記情報処理装置100のパターン特定手段110は、前記リーダライタ200より処理未了データを通信手段107を介して受信して記憶手段101の未了履歴テーブル129に格納するとしてもよい。この処理未了データは、前記リーダライタ200が、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、読み書き動作が完了する前に通信途絶した処理未了の乗車券ICカード50のカードIDを記憶し、該当乗車券ICカード50のカードIDとリーダライタの情報とを含むデータとして送信してきたものである。
【0040】
この場合、前記パターン送信手段111は、前記記憶手段101の未了履歴テーブル129から前記処理未了データをカードID毎に読み出し、この処理未了データからリーダライタ200の情報を抽出し、ここで抽出した各リーダライタ200での一定期間中の処理未了回数をカウントし、前記処理未了回数が所定基準値以下のリーダライタ200を特定し、ここで特定したリーダライタ200に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するとすれば好適である。
【0041】
また、前記情報処理装置のパターン特定手段110は、前記リーダライタ200より書込量データを通信手段107を介して受信して記憶手段101の書込量履歴テーブル130に格納するとしてもよい。前記書込量データは、前記リーダライタ200が、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、乗車券ICカード50へのデータ書込量を測定し、該当乗車券ICカード50のカードIDと前記データ書込量とリーダライタの情報とを含むデータとして送信してきたものである。
【0042】
この場合、前記パターン送信手段111は、前記記憶手段101の書込量履歴テーブル130から前記書込量データをカードID毎に読み出し、この書込量データから該当乗車券ICカード50のデータ書込量とリーダライタ200の情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタ200での一定期間中におけるデータ書込量の平均値を算定し、前記平均値が所定基準値以下のリーダライタ200を特定し、ここで特定したリーダライタ200に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、とすれば好適である。
【0043】
また、前記パターン送信手段111は、上記様々に特定したリーダライタ200の情報を前記施設テーブル131に照合して該当施設と当該施設に設置されたリーダライタ200の特定を実行し、ここで特定したリーダライタ200に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するとしてもよい。
【0044】
続いて、前記システム10を前記情報処理装置100らと共に構成するリーダライタ200について説明する。このリーダライタ200は、例えば、交通機関の自動改札装置5や商業施設等のレジ端末6などに組み込まれている乗車券ICカード50のリーダライタ装置であり、RFIDリーダライタ装置を想定できる。
【0045】
例えば、自動改札装置5に組み込まれているリーダライタ200の場合、従来の一般的動作としては、交通機関の利用客が改札内に入場しようと乗車券ICカード50をかざして通過する際、該当乗車券ICカード50との無線通信を実行し、カード内の格納情報(カードIDやチャージ金額残、定期券区間情報など)の読み取りや或いは所定データ(入場駅や出発空港の情報など)の書込みを実行する。或いは前記利用客が改札外に出場しようと乗車券ICカード50をかざして通過する際、前記リーダライタ200は、該当乗車券ICカード50との無線通信を実行し、カード内の格納情報(カードIDやチャージ金額残、定期券区間情報など)の読み取りや或いは所定データ(出場駅や到着空港の情報、乗車区間等に応じて減額処理したチャージ金額残の情報など)の書込みを実行する。
【0046】
また、商業施設等のレジ端末6に組み込まれているリーダライタ200の場合、従来の一般的動作としては、商業施設等の利用客が購入商品やサービスの決済をしようと前記乗車券ICカード50をかざした際、該当乗車券ICカード50との無線通信を実行し、カード内の格納情報(カードIDやチャージ金額残など)の読み取りと、所定データ(該当商業施設等の情報、決済金額に応じて減額処理したチャージ金額残の情報など)の書込みを実行する。
【0047】
本実施形態におけるリーダライタ200は、こうした乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際して、予め前記情報処理装置100から取得している情報提供パターンのデータを該当乗車券ICカード50に対して書込処理することとなる。
【0048】
こうしたリーダライタ200は、本発明を実現する機能を備えるべく不揮発性の記憶手段201に格納されたプログラム202をRAM203に読み出し、演算装置たるCPU204により実行する。また、前記リーダライタ200は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入力インターフェイス205、ディスプレイなどの出力インターフェイス206を備えるとしてもよい。また、前記情報処理装置100との間のデータ授受を担う通信手段207を有している。また当然ながら、当該リーダライタ200は、前記乗車券ICカード50の通信手段58と無線通信を行う無線通信手段208も備えている。
【0049】
続いて、前記リーダライタ200が、例えばプログラム202に基づき前記記憶手段201にて構成・保持する機能部につき説明を行う。なお、前記リーダライタ200は、ユーザパターンテーブル225を記憶手段201に格納している(ユーザパターンテーブル225のデータ構造例等については後述)。
【0050】
こうした前記リーダライタ200は、前記通信手段207を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置100から受信して記憶手段201のユーザパターンテーブル225に格納し、乗車券ICカード50に対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカード50から読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段201のユーザパターンテーブル225から読み出し、この情報提供パターンのデータを前記乗車券ICカード50に書き込みするパターン書込手段210を備える。
【0051】
また、前記リーダライタ200は、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、乗車券ICカード50との通信時間として、例えば、無線通信の確立時と終了時を検知してその間の時間を時計機能(リーダライタ200が備える機能)で測定し、前記通信手段207を介して、該当乗車券ICカード50のカードIDと前記通信時間とリーダライタ200の情報とを含む通信履歴データを前記情報処理装置100に送信する通信時間送信手段211を備えるとしてもよい。
【0052】
また、前記リーダライタ200は、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、読み書き動作が完了する前に通信途絶した処理未了(カードIDまでは読み取れた状態)の乗車券ICカード50のカードIDを記憶手段201に記憶し、前記通信手段207を介して、該当乗車券ICカード50のカードIDとリーダライタ200の情報とを含む処理未了データを前記情報処理装置100に送信する未了情報送信手段212を備えるとしてもよい。
【0053】
また、前記リーダライタ200は、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、乗車券ICカード50へのデータ書込量を、例えば、無線通信の確立時と終了時との間に書き込みしたデータサイズを合算することで測定し、前記通信手段207を介して、該当乗車券ICカード50のカードIDと前記データ書込量とリーダライタ200の情報とを含む書込量データを前記情報処理装置100に送信する書込量送信手段213を備えるとしてもよい。
【0054】
なお、前記リーダライタ200のパターン書込手段210は、前記通信手段207を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置100から受信して記憶手段101に格納し、乗車券ICカード50に対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカード50の記憶領域たるEEPROM57にアクセスして所定桁数(決済用金員の金額値を格納している領域)のうち金額値が未格納の残桁数をカウントし、該当乗車券ICカード50から読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段101から読み出し、前記情報提供パターンのデータから前記残桁数に対応する桁数分だけパターンIDを抽出して、ここで抽出したパターンIDを前記乗車券ICカード50に書き込みする、としてもよい。この場合、前記情報処理装置100は、前記乗車券ICカード50の利用履歴に応じた情報提供パターンのデータとして、パターン総数別のパターンIDをパターン総数順に並べて結合し1レコードとしたデータを、リーダライタ200に送信しているものとする。
【0055】
続いて、前記システム10を前記情報処理装置100らと共に構成する情報提供端末300について説明する。この情報提供端末300は、例えば、鉄道駅や空港などの交通機関の拠点や、街頭などに設置されるデジタル案内板等を想定できる。こうした情報提供端末300は、本発明を実現する機能を備えるべくハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶手段301に格納されたプログラム302をRAM303に読み出し、演算装置たるCPU304により実行する。また、前記情報提供端末300は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入力インターフェイス305、ディスプレイなどの出力インターフェイス306を備える。また、乗車券ICカード50のリーダライタ250や前記情報処理装置100との間のデータ授受を担う通信手段207を有している。なお、前記リーダライタ250を当該情報提供端末300自身が備えているとしても勿論よい。
【0056】
続いて、前記情報提供端末300が、例えばプログラム202に基づき前記記憶手段201にて構成・保持する機能部につき説明を行う。なお、前記情報提供端末300は、前記情報提供パターンのパターンID毎にコンテンツデータを格納したコンテンツテーブル325を記憶手段201に格納している(テーブルのデータ構造例については後述)。
【0057】
こうした前記情報提供端末300は、乗車券ICカード50に対する読み取り動作を行ったリーダライタ250より、前記乗車券ICカード50のパターンIDを通信手段307を介して受信し、当該パターンIDを前記コンテンツテーブル325に照合してコンテンツデータを特定し、このコンテンツデータを出力インターフェース306に出力する、コンテンツ出力手段310を備える。
【0058】
なお、前記情報提供システム10において、前記情報提供端末300を前記リーダライタ理装置200に置き換えて、当該リーダライタ200が前記コンテンツテーブル325を記憶手段201に備え、乗車券ICカード50に対する読み取り動作を行って該当乗車券ICカード50のパターンIDを取得し、当該パターンIDを前記コンテンツテーブル325に照合してコンテンツデータを特定し、このコンテンツデータを出力インターフェース206に出力する、としてもよい。つまり、前記リーダライタ200が前記コンテンツテーブル325と前記コンテンツ出力手段310を備えるとしてもよい。
【0059】
続いて、前記リーダライタ200、250らと通信する乗車券ICカード50について説明する。この乗車券ICカード50は、例えば、RFIDチップ51をプラスティック筐体52などの適宜な収納ケースに格納した形態が想定され、前記リーダライタ200、250との間で無線通信可能である。
【0060】
前記RFIDチップ51は、プログラム53(リーダライタ200、250からの要求に応じて格納情報等を返信処理したり、逆にデータを格納処理したりするプログラムなど)やカードIDを格納するROM54、RAM55、前記プログラム53をROM54からRAM55に読み出して実行するCPU56、決済用金員の金額値=チャージ金額残を所定桁数の範囲で格納する記憶領域が設定されたEEPROM57、前記リーダライタ200、250との無線通信処理を担う通信手段58(アンテナも含む)とから構成される。前記EEPROM57には、前記金額値18のデータや、リーダライタ200から書き込みされた情報提供パターンのパターンID19の他に、例えば、定期券区間情報13、入場駅や出発空港の情報14、出場駅や到着空港の情報15、利用した商業施設等の情報16、利用日時17が格納される。なお、前記情報14〜17については、乗車券ICカード50が利用されるたびにレコードが追加されていく(こうしたRFIDチップ51における格納情報12については、図5に示す)。
【0061】
これまで示した前記システム10を構成する各装置における各手段110〜111、210〜213、310らはハードウェアとして実現してもよいし、メモリやHDD(Hard Disk Drive)などの適宜な記憶装置に格納したプログラムとして実現するとしてもよい。この場合、各装置のCPUがプログラム実行に合わせて記憶装置より該当プログラムをRAMに読み出して、これを実行することとなる。
【0062】
−−−テーブル構造例−−−
次に、本実施形態の前記システム10が利用するテーブルの例について説明する。図2は本実施形態における(a)パターンテーブル125、(b)履歴テーブル126、(c)ユーザテーブル127の各構成例を示す図である。
【0063】
前記パターンテーブル125は、乗車券ICカード50の利用履歴に応じた情報提供パターンを格納したテーブルである。このパターンテーブル125は、例えば、情報提供パターンを示すパターンIDをキーとして、利用履歴データが含む属性(例:所定時間帯に○○駅入場、○△駅出場、○○施設で商品Aを購入、など)の有無を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0064】
なお、前記のパターンIDとしては、パターン総数別のパターンIDをパターン総数順に並べて結合し1レコードとしたデータを想定できる。例えば、ある利用履歴の属性に対応したパターンIDが、「123456」だったとする。この場合、情報提供パターンが「0」〜「99」までの総数100個の場合のパターンIDは、前記パターンID「123456」のうち上二桁の「12」の部分となる。また、情報提供パターンが「0」〜「9999」までの総数10000個の場合のパターンIDは、前記総数100個の場合のパターンID「12」から派生する100通りのパターンのうちの1つであるパターンID「34」を「12」に結合させた「1234」の部分となる。また、情報提供パターンが「0」〜「999999」までの総数1000000個の場合のパターンIDは、前記総数10000個の場合のパターンID「1234」から派生する100通りのパターンのうちの1つであるパターンID「56」を「1234」に結合させた「123456」、すなわち全桁の「123456」となる。
【0065】
また、前記履歴テーブル126は、乗車券ICカード50の利用履歴データを格納したテーブルであり、例えば、乗車券ICカード50のカードIDをキーに、該当乗車券ICカード50が利用された日時、読み書きを行ったリーダライタのID、当該リーダライタの設置施設(駅名、店舗名など)、利用内容(決済金額、商品属性など)といったデータを対応付けたレコードの集合体となっている。換言すれば、リーダライタ200が前記情報処理装置100に対して、利用履歴データとして、前記レコードのデータを送信していることになる。
【0066】
また、前記ユーザテーブル127は、前記情報提供パターンに前記利用履歴データが含むカードIDを対応付けて格納したテーブルである。このユーザテーブル127は、例えば、カードIDをキーに前記情報提供パターンに対応するパターンIDを対応付けたレコードの集合体となっている。
【0067】
図3は本実施形態における(a)通信履歴テーブル128、(b)未了履歴テーブル129、(c)書込量履歴テーブル130、(d)施設テーブル131の各構成例を示す図である。前記通信履歴テーブル128は、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、乗車券ICカード50とリーダライタ200との間の通信時間を示す通信履歴データを格納したテーブルである。この通信履歴テーブル128は、例えば、乗車券ICカード50のカードIDをキーにして、測定日時、該当乗車券ICカード50と通信したリーダライタのID、およびその通信時間のデータを対応付けたレコードの集合体となっている。
【0068】
また、前記未了履歴テーブル129は、リーダライタ200による乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、読み書き動作が完了する前に通信途絶した処理未了の乗車券ICカード50のカードIDを格納したテーブルである。この未了履歴テーブル129は、例えば、乗車券ICカード50のカードIDをキーとして、通信実行日時、該当乗車券ICカード50と通信したリーダライタのID、といったデータを対応付けたレコードの集合体となっている。
【0069】
また、前記書込量履歴テーブル130は、リーダライタ200による乗車券ICカード50に対するデータ書込量のデータを格納するテーブルである。この書込量履歴テーブル130は、例えば、乗車券ICカード50のカードIDをキーとして、測定日時、該当乗車券ICカード50と通信して書込処理を実行したリーダライタのID、および該当乗車券ICカード50に1通信で書き込みされたデータ書込量、といったデータを対応付けたレコードの集合体となっている。
【0070】
また、前記施設テーブル131は、リーダライタ200と当該リーダライタ200の設置施設との対応付け情報を格納したテーブルであり、例えば、リーダライタ200のIDをキーとして、設置先の施設名を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0071】
図4は本実施形態における(a)ユーザパターンテーブル225、(b)コンテンツテーブル325の各構成例を示す図である。前記ユーザパターンテーブル225は、リーダライタ200が備えるテーブルであり、乗車券ICカード50のカードIDと、情報提供パターンを示すパターンIDとを対応付けたレコードの集合体となっている。
【0072】
また、前記コンテンツテーブル325は、情報提供端末300が備えるテーブルであり、情報提供パターンのパターンIDをキーに、パターンIDに対応するコンテンツデータを対応付けたものとなっている。このコンテンツテーブル325のデータは、例えば、予め情報処理装置100がネットワーク140を介して前記情報提供端末300に配信しておくものとなる(この場合、勿論、前記情報処理装置100はコンテンツデータを記憶手段101に保持している)。前記情報提供端末300は、このコンテンツテーブル325を、情報提供パターンの各総数毎に備えるとすれば好適である。図の例では、パターン総数が6桁(0から999999)、パターン総数が4桁(0から9999)、パターン総数が2桁(0から99)、の各コンテンツテーブルについて示している。総数2桁のコンテンツデータは、総数4桁および総数6桁のコンテンツデータを包含したデータであり、総数4桁のコンテンツデータは、総数6桁のコンテンツデータを包含したデータである。つまり、総数の桁数が少ないほど上位概念のデータとなっている。
【0073】
−−−処理フロー例1−−−
以下、本実施形態における情報提供方法の実際手順について図に基づき説明する。なお、以下で説明する情報提供方法に対応する各種動作は、前記システム10を構成する各装置のRAMに読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0074】
図6は本実施形態の情報提供方法の処理フロー例1を示す図である。ここでは、本実施形態の情報提供方法の全体フローについて説明する。想定する状況において、例えば、あるエリアに散在する多数の鉄道駅に自動改札装置5がそれぞれ複数配置されている。各自動改札装置5には前記リーダライタ200が組み込まれており、当該リーダライタ200により、鉄道の利用客が携行する乗車券ICカード50に対する読み書きが行われる。また、この読み書きの結果に基づいて前記自動改札装置5は改札内外を区切るゲート機構を開閉させ、前記利用客の改札内への入場可否や改札外への出場可否をコントロールする。当然ながら、こうした改札内外への移動判定等の従来動作について、自動改札装置5およびリーダライタ200は、必要となる機構、機能、プログラム、およびデータを備えているものとする(既存技術であるので説明は省略する)。
【0075】
加えて、前記鉄道駅の構内、鉄道駅と一体となった駅ビル、および駅ビル周辺の街中の少なくともいずれかにおいて店舗等の商業施設が存在するものとする。この商業施設におけるレジ端末6にはケーブル等を介してリーダライタ200が接続されている。当該リーダライタ200は前記レジ端末6と連動して、商業施設の利用客が携行する乗車券ICカード50に対するチャージ金額の残高照会や決済金額の引き落とし(決済後金額値の書込み)などが行われる。当然ながら、こうしたレジ端末6と連動したリーダライタ200の従来動作について前記リーダライタ200は、必要となる機構、機能、プログラム、およびデータを備えているものとする(既存技術であるので説明は省略する)。
【0076】
こうした想定の下、鉄道駅や商業施設等の前記リーダライタ200は、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に応じて、前記乗車券ICカード50の利用履歴データを前記情報処理装置100に送信する(s100)。この利用履歴データとしては、図2(b)の履歴テーブル126についての説明でも既に述べたが、例えば、乗車券ICカード50のカードID、鉄道駅や商業施設等の利用日時、読み書きを行ったリーダライタ200のリーダライタID、リーダライタ200の設置施設(鉄道駅や商業施設の名称やIDなど)、および利用内容(入場、出場、商品購入、利用金額など)などとなる。
【0077】
一方、前記情報処理装置100のパターン特定手段110は、利用客の乗車券ICカード50に対する読み書き動作を行った、前記自動改札装置5や前記レジ端末6などに組み込まれている前記リーダライタ200より、前記乗車券ICカード50の利用履歴データを通信手段107を介し受信し、記憶手段101の履歴テーブル126に格納する(s101)。
【0078】
また、前記パターン特定手段110は、前記リーダライタ200から受信した利用履歴データを前記パターンテーブル125に照合して情報提供パターンを特定する(s102)。この場合、前記パターン特定手段110は、例えば、各カードID(例えば、“c0001”)について一定期間分の前記利用履歴データを前記履歴テーブル126から抽出する。図2(b)に示す履歴テーブル126において、カードID「c0001」について、「2008/9/1」分の利用履歴データを抽出するとすれば、前記パターン特定手段110は、テーブル中の上から3レコードを抽出できる。また前記パターン特定手段110は、この3つのレコードの各利用履歴データから、「設置施設」(=利用客の利用施設)および「利用内容」のデータを抽出する。上記の3レコードの例であれば、「設置施設:A駅、利用内容:入場、定期券利用」、「設置施設:C施設、利用内容:商品D購入、130円引落」、「設置施設:B駅、利用内容:出場、定期券利用」というデータが抽出できる。そこで前記パターン特定手段110は、これら「設置施設」および「利用内容」に関する抽出データを、前記パターンテーブル125に照合し、属性として「A駅入場」、「B駅出場」、「C施設利用」、「商品D購入」を含む利用履歴データに対応したパターンID「123456」を特定するのである。
【0079】
続いて前記パターン特定手段110は、前記ステップs102で特定した情報提供パターン「123456」に、前記利用履歴データが含んでいたカードID「c0001」を対応付け、記憶手段101のユーザテーブル127に格納する(s103)。こうした前記ステップs102、s103の処理を、各カードID毎に定期的(例:1日毎、1週毎など)に実行し、前記ユーザテーブル126が生成・更新されることになる。前記ユーザテーブル126は定期的に更新されるものとなるので、利用客の行動パターンが変化していったとしても一定期間毎に追従することができる。
【0080】
次に、前記情報処理装置100のパターン送信手段111は、カードIDに対応する情報提供パターンを前記記憶手段101のユーザテーブル127から、前記カードIDに対応する利用履歴データを前記記憶手段101の履歴テーブル126から読み出す(s104)。この場合、前記パターン送信手段111は、例えば、各カードID(例えば、“c0001”)についての情報提供パターンとして、前記ユーザテーブル126から、パターンIDを抽出する。図2(c)に示すユーザテーブル127において、カードID「c0001」について情報提供パターンを抽出するとすれば、前記パターン送信手段111は、パターンID「123456」を抽出できる。また、前記パターン送信手段111は、例えば、各カードID(例えば、“c0001”)についての利用履歴データを、前記履歴テーブル126からする。図2(b)に示す履歴テーブル126において、カードID「c0001」に対応する利用履歴データを抽出するとすれば、前記パターン送信手段111は、テーブル中の上から3レコードを抽出できる。
【0081】
また前記パターン送信手段111は、上記処理で抽出した3レコードの利用履歴データにおいて利用履歴を示すリーダライタ200、「Ra0031」、「Rc0002」、「Rb0012」に対し、前記通信手段107を介して前記カードID「c0001」とこれに対応する情報提供パターン「123456」のデータを送信する(s105)。前記パターン送信手段111は、こうしたステップs104、s105の処理を、各カードIDについて一定期間毎に繰り返し実行する。
【0082】
なお、前記パターン送信手段111が、前記特定したリーダライタ200の情報を前記施設テーブル131に照合し、該当施設と当該施設に設置されたリーダライタの特定を実行し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を107介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するとしてもよい。
【0083】
一方、前記「Ra0031」(=A駅設置)、「Rc0002」(=C施設設置)、「Rb0012」(=B駅設置)の各リーダライタ200のパターン書込手段210は、前記通信手段207を介して前記カードID「c0001」と情報提供パターン「123456」のデータを前記情報処理装置100から受信して記憶手段201のユーザパターンテーブル225に格納する(s106)。この状態で、前記「c0001」の乗車券ICカード50を携行した利用客が、再び該当施設(A駅、C施設、B駅のいずれか)を訪れて乗車券ICカード50を利用するまで、前記パターン書込手段210は待機する。
【0084】
その後、前記「c0001」の乗車券ICカード50を携行した利用客が該当施設を訪れ、前記リーダライタ200(Ra0031、Rc0002、Rb0012のいずれか)に前記乗車券ICカード50をかざしたとする。この時、前記リーダライタ200のパターン書込手段210は、従来動作(自動改札装置5やレジ端末6との連動)として前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカード50から読み取ったカードID「c0001」に対応する情報提供パターン「123456」のデータを前記記憶手段201のユーザパターンテーブル225から読み出す(s107)。
【0085】
また、前記パターン書込手段210は、前記ステップs107で読み出した情報提供パターン「123456」のデータを前記無線通信手段208により前記乗車券ICカード50に書き込みする(s108)。乗車券ICカード50の側では、前記情報提供パターンを示すパターンID「123456」のデータを、前記EEPROM57の格納情報12のパターンID19として格納することになる。
【0086】
こうしてパターンIDが書き込みされた乗車券ICカード50を保持する利用客は、その後、ある訪問先に出向くべくS駅を訪れたとする。例えば、そのS駅には図13に示すようなデジタル案内板などの情報提供端末300が設置されている。そこで前記利用客は、駅構内の商業施設や駅周辺の情報を得ようと、前記情報提供端末300において、そのリーダライタ250(ないし自動改札装置5やレジ端末6のリーダライタ200)に対し乗車券ICカード50をかざす。
【0087】
この時、前記情報提供端末300のコンテンツ出力手段310は、前記乗車券ICカード50に対する読み取り動作を行った前記リーダライタ250より、前記乗車券ICカード50が記憶していたパターンID「123456」を通信手段307を介して受信し、当該パターンID「123456」を前記コンテンツテーブル325に照合してコンテンツデータ「123456.dat」を特定する(s109)。
【0088】
コンテンツデータ「123456.dat」を特定した前記コンテンツ出力手段310は、このコンテンツデータ「123456.dat」を出力インターフェース306たるディスプレイ装置に出力する(s110)。図13に示すコンテンツデータの出力例では、前記コンテンツ出力手段310が、前記利用客のカードID「c0001」(前記読み取り動作でパターンIDと共に取得)を含めたテキストメッセージ1010と、前記コンテンツデータ「123456.dat」から抽出したコンテンツタイトル1020とを画面1000としてディスプレイ表示している。図13の例であれば、コンテンツデータ「123456.dat」のコンテンツタイトル1020は「和食(そば)」となっている。つまり、このコンテンツデータ「123456.dat」は、「S駅周辺のそば屋情報」に対応したものである。このコンテンツデータ「123456.dat」は、他に、イメージデータである地図情報1030も含んでおり、前記コンテンツ出力手段310は、前記S駅を含め最寄りの店舗位置が強調表示された地図データを前記コンテンツデータ「123456.dat」から読み出して、前記画面1000としてディスプレイ表示している。また、前記コンテンツ出力手段310は、当該地図情報1030に応じた、該当施設(例:カーソル1040で利用客が選択した施設)までの道案内の音声データ(コンテンツデータに予め格納されている)を再生してスピーカ1050等で出力するとしてもよい。
【0089】
−−−処理フロー例2−−−
次に、前記処理フロー例1における前記ステップs105(カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを情報処理装置100からリーダライタ200に送信)に先立ち、主としてリーダライタ200が実行する処理について説明する。図7は本実施形態の情報提供方法の処理フロー例2を示す図である。
【0090】
前記処理フロー例1の前記ステップs105の処理にあたって、前記情報処理装置100は、該当利用客が過去に利用したリーダライタ200をデータの送り先としていた。ここでは、この考え方を更に進めて、データ送信先のリーダライタ200を様々な条件で考慮して選別することとし、そのために主としてリーダライタ200が実行する処理について以下に示す。
【0091】
この場合、前記リーダライタ200の通信時間送信手段211は、乗車券ICカード50に対する読み書き動作(従来動作にあたるもの。以下同様)に際し、乗車券ICカード50との通信時間として、例えば、前記リーダライタ200の無線通信手段208と乗車券ICカード50のRFIDチップ51が備える通信手段58との間での無線通信の確立時と終了時を検知し(s200:OK)、その間の時間を時計機能(リーダライタ200が備える機能)で測定する(s201)。例えば、「A駅」に設置されたリーダライタ200「Ra0031」が、カードID「c0001」なる乗車券ICカード50について、読み書き動作を実行し、カードID「c0001」を取得し、更に、前記無線通信の確立時と終了時との間を「0.20秒」と測定したとする。
【0092】
また、前記リーダライタ200の書込量送信手段213は、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、前記乗車券ICカード50へのデータ書込量を、例えば、前記無線通信の確立時と終了時との間に書き込みしたデータサイズを合算することで測定する(s202)。例えば、「A駅」に設置されたリーダライタ200「Ra0031」が、カードID「c0001」なる乗車券ICカード50について、前記無線通信の確立時と終了時との間「0.20秒」に、「112」バイトのデータを書き込みし、この「112」バイトをデータ書込量として測定したとする。
【0093】
この時、前記通信時間送信手段211は、該当乗車券ICカード50のカードID「c0001」と、前記通信時間「0.20秒」と、リーダライタ200の情報「Ra0031」とを含む通信履歴データを、また、前記書込量送信手段213は、前記乗車券ICカード50のカードID「c0001」と前記データ書込量「112」とリーダライタ200の情報「Ra0031」とを含む書込量データを、それぞれ前記情報処理装置100に送信する(s203)。
【0094】
また、前記リーダライタ200の未了情報送信手段212は、前記乗車券ICカード50に対する読み書き動作に際し、一旦、無線通信が確立されたが、読み書き動作が完了する前に通信途絶した場合(s200:NG)、この処理未了(カードIDまでは読み取れた状態)の乗車券ICカード50のカードIDを記憶手段201に記憶する(s204)。例えば、「F駅」に設置されたリーダライタ200「Rf0005」が、カードID「c0010」なる乗車券ICカード50について、一旦、無線通信を確立して読み書き動作を開始してカードID「c0010」を取得し、その後無線通信が途絶したとする。この場合、前記リーダライタ200「Rf0005」は、前記カードID「c0010」のデータを記憶手段201に格納することになる。こうした処理未了の乗車券ICカード50のカードIDについては、例えば一定期間にわたって収集される。
【0095】
また、前記未了情報送信手段212は、前記記憶手段201から処理未了の乗車券ICカード50のカードIDとリーダライタ200の情報とを読み出して(s205)、これらを含む処理未了データとして前記通信手段207を介し前記情報処理装置100に送信する(s206)。上記の例であれば、前記リーダライタ200「Rf0005」は、前記カードID「c0010」とリーダライタID「Rf0005」のデータを記憶手段201から読み出して処理未了データとして情報処理装置100に送信することになる。
【0096】
一方、前記情報処理装置100のパターン特定手段110は、前記ステップs203、s206で前記リーダライタ200らが送信したデータを、前記通信手段107を介して受信する(s207)。また前記情報処理装置100のパターン特定手段110は、受信したデータが前記通信履歴データであれば(s208:通信履歴)、これを前記記憶手段101の通信履歴テーブル128に格納する(s209)。また、前記データが、前記処理未了データであれば(s208:処理未了)、これを前記記憶手段101の未了履歴テーブル129に格納する(s210)。また、前記データが、前記書込量データであれば(s208:書込量)、これを前記記憶手段101の書込量履歴テーブル130に格納する(s211)。こうして、前記情報処理装置100において、前記通信履歴テーブル128、未了履歴テーブル129、書込量履歴テーブル130のレコードが生成されていく。
【0097】
−−−処理フロー例3−−−
次に、前記処理フロー例2においてリーダライタ200が情報処理装置100に送信してきたデータを利用し、データ送信先のリーダライタ200を様々な条件で考慮して選別する処理例1について説明する。図8は本実施形態の情報提供方法の処理フロー例3を示す図である。
【0098】
この場合、前記情報処理装置100のパターン送信手段111は、前記記憶手段101の履歴テーブル126から利用履歴データをカードID毎に読み出し(s300)、この利用履歴データから該当乗車券ICカード50が利用された日時とリーダライタ200の情報とを抽出する(s301)。そして、ここで抽出した各リーダライタの一定期間中(例えば、1週間、1ヶ月)の利用回数をカウントする(s302)。例えば、前記パターン送信手段111は、カードID「c0001」について履歴テーブル126から、「2008/9/1」〜「2008/9/3」までの三日間の利用履歴データとして20レコードを抽出できたとする。そして、リーダライタ毎の前記三日間の利用回数をカウントして、前記パターン送信手段111は、リーダライタ「Ra0031」について利用回数「15」、「Rb0022」について利用回数「12」、「Rg0015」について利用回数「3」を得られたとする。
【0099】
ここで前記パターン送信手段111は、前記利用回数が所定基準値以上のリーダライタ200を特定する(s303)。例えば、利用回数の基準値を「10」だとすれば、上記例であれば、前記パターン送信手段111は、リーダライタ「Ra0031」(=A駅のリーダライタ)および「Rb0022」(=B駅のリーダライタ)を特定することになる。
【0100】
こうしてリーダライタ200を特定した前記パターン送信手段111は、前記リーダライタ「Ra0031」および「Rb0022」に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する(s304)。
【0101】
−−−処理フロー例4−−−
次に、前記処理フロー例2においてリーダライタ200が情報処理装置100に送信してきたデータを利用し、データ送信先のリーダライタ200を様々な条件で考慮して選別する処理例2について説明する。図9は本実施形態の情報提供方法の処理フロー例4を示す図である。
【0102】
この場合、前記パターン送信手段111は、前記記憶手段101の通信履歴テーブル128から前記通信履歴データをカードID毎に読み出し(s400)、この通信履歴データから該当乗車券ICカード50の通信時間とリーダライタ200の情報とを抽出する(s401)。そして、ここで抽出した各リーダライタ200での一定期間中における通信時間の平均値を算定する(s402)。例えば、前記パターン送信手段111は、カードID「c0001」について前記通信履歴テーブル128から、「2008/9/1」〜「2008/9/3」までの三日間の通信履歴データとして10レコードを抽出できたとする。そして、リーダライタ毎の前記三日間の通信時間の平均値を算定して、前記パターン送信手段111は、リーダライタ「Ra0031」について平均値「0.20秒」、「Rc0022」について平均値「0.22秒」、「Re0033」について平均値「0.19秒」を得られたとする。
【0103】
ここで前記パターン送信手段111は、前記平均値が所定基準値以上のリーダライタ200を特定する(s403)。例えば、前記平均値の基準値を「0.21秒」だとすれば、上記例であれば、前記パターン送信手段111は、リーダライタ「Rc0022」(=C施設のリーダライタ)を特定することになる。
【0104】
こうしてリーダライタ200を特定した前記パターン送信手段111は、前記リーダライタ「Rc0022」に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する(s404)。
【0105】
−−−処理フロー例5−−−
次に、前記処理フロー例2においてリーダライタ200が情報処理装置100に送信してきたデータを利用し、データ送信先のリーダライタ200を様々な条件で考慮して選別する処理例3について説明する。図10は本実施形態の情報提供方法の処理フロー例5を示す図である。
【0106】
この場合、前記パターン送信手段111は、前記記憶手段101の未了履歴テーブル129から前記処理未了データをカードID毎に読み出し(s500)、この処理未了データからリーダライタ200の情報を抽出する(s501)。そして、ここで抽出した各リーダライタ200での一定期間中の処理未了回数をカウントする(s502)。例えば、前記パターン送信手段111は、カードID「c0001」について未了履歴テーブル129から、「2008/9/1」〜「2008/9/7」までの7日間の処理未了データとして7レコードを抽出できたとする。そして、リーダライタ毎の前記7日間の処理未了回数をカウントして、前記パターン送信手段111は、リーダライタ「Rf0005」について処理未了回数「4」、「Ra0022」について処理未了回数「2」、「Rb0012」について処理未了回数「1」を得られたとする。
【0107】
ここで前記パターン送信手段111は、前記処理未了回数が所定基準値以下のリーダライタ200を特定する(s503)。例えば、処理未了回数の基準値を「3」だとすれば、上記例であれば、前記パターン送信手段111は、リーダライタ「Rf0005」(=F駅のリーダライタ)を特定することになる。
【0108】
こうしてリーダライタ200を特定した前記パターン送信手段111は、前記リーダライタ「Rf0005」に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する(s504)。
【0109】
−−−処理フロー例6−−−
次に、前記処理フロー例2においてリーダライタ200が情報処理装置100に送信してきたデータを利用し、データ送信先のリーダライタ200を様々な条件で考慮して選別する処理例4について説明する。図11は本実施形態の情報提供方法の処理フロー例6を示す図である。
【0110】
この場合、前記パターン送信手段111は、前記記憶手段101の書込量履歴テーブル130から前記書込量データをカードID毎に読み出し(s600)、この書込量データから該当乗車券ICカード50のデータ書込量とリーダライタ200の情報とを抽出する(s601)。そして、ここで抽出した各リーダライタ200での一定期間中におけるデータ書込量の平均値を算定する(s602)。例えば、前記パターン送信手段111は、カードID「c0001」について前記書込量履歴テーブル130から、「2008/9/1」〜「2008/9/3」までの三日間の書込量データとして10レコードを抽出できたとする。そして、リーダライタ毎の前記三日間のデータ書込量の平均値を算定して、前記パターン送信手段111は、リーダライタ「Ra0031」について平均値「110」バイト、「Rc0022」について平均値「102」バイト、「Rf0005」について平均値「90」バイトを得られたとする。
【0111】
ここで前記パターン送信手段111は、前記平均値が所定基準値以下のリーダライタ200を特定する(s603)。例えば、前記平均値の基準値を「100」バイトだとすれば、上記例であれば、前記パターン送信手段111は、リーダライタ「Rf0005」(=F駅のリーダライタ)を特定することになる。
【0112】
こうしてリーダライタ200を特定した前記パターン送信手段111は、前記リーダライタ「Rf0005」に対し、前記通信手段107を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する(s604)。
【0113】
−−−処理フロー例7−−−
次に、リーダライタ200による乗車券ICカード50へのパターンIDの書込み処理について説明する。図5は本実施形態における乗車券ICカード50の格納情報12の例を示す図であり、図12は本実施形態の情報提供方法の処理フロー例7を示す図である。
【0114】
本実施形態における乗車券ICカード50では、例えば、図5に示すような格納情報12をEEPROM57に格納している。この格納情報12のうち、チャージ金額など金額値18については、例えば、第1〜第7までの桁2に対し数値枠3が設定されている。なおこの例では、前記第7桁は1の位、第6桁は十の位に対応し、以下、第1桁の十万の位まで対応している。また、前記数値枠3において「0」以外の数値が入っている最大位の桁2には、乗車券ICカード50がフラグを立てている。図5の金額値18aの例では、数値「980」円のうち百の位の「9」が第5桁に入っているので、この第5桁にフラグが立てられている。
【0115】
この場合、前記リーダライタ200のパターン書込手段210は、前記通信手段207を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置100から受信して記憶手段101に格納した後、乗車券ICカード50に対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカード50の前記EEPROM57にアクセスして前記第1〜第7の桁に対応する数値枠3(=決済用金員の金額値を格納している領域)のうち、金額値が未格納の残桁数をカウントする(s700)。この時、前記パターン書込手段210は、前記フラグを前記金額値18の数値枠3の中で検索し、第5桁に該当フラグを特定できる。そこで、前記パターン書込手段210は、第1桁〜第4桁の計4桁分を残桁数としてカウントできる。
【0116】
続いて前記パターン書込手段210は、該当乗車券ICカード50から読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段101から読み出し(s701)、前記情報提供パターンのデータから前記残桁数に対応する桁数分だけパターンIDを抽出する(s702)。例えば、前記パターン書込手段210が、乗車券ICカード50からカードID「c0001」を読み取って、このカードID「c0001」に対応する情報提供パターンとして、「123456」のデータを前記記憶手段101から読み出したとする。この場合、前記パターン書込手段210は、前記情報提供パターン「123456」から前記残桁数の「4」桁に対応する桁数分の「1234」だけパターンIDを抽出することになる。
【0117】
前記パターン書込手段210は、こうして抽出したパターンID「1234」を前記乗車券ICカード50に書き込みする(s703)。この結果、図5の金額値18bに示すように、数値枠3の第1桁から第4桁までに、前記パターンID「1234」が設定され、第5桁から第7桁までに金額値「980」円がそのまま設定されることとなった。
【0118】
その後、この乗車券ICカード50に対し、リーダライタ200や自動券売機等から金員のチャージがなされたとする。このチャージ処理については既存技術・装置を採用すればよい。例えば、チャージ額が「32200」円だったとする。すると、前記乗車券ICカード50の金額値18としてそれまで設定されていた「980」円に、「32200」円を加算した「33180」円が設定されることになる。すなわち、前記数値枠3において、金額値が設定される桁数が2つ増えて第3桁が金額値の先頭となる(乗車券ICカード50は第5桁から第3桁に前記フラグを移動する)。これに伴って、それまでパターンIDが格納されていた第1桁から第4桁のうち、第3桁および第4桁については金額値のデータで更新されてしまった。
【0119】
この時、前記処理フロー例1における前記ステップs109が実行されたとすれば、前記情報提供端末300のコンテンツ出力手段310は、前記乗車券ICカード50に対する読み取り動作を行った前記リーダライタ250より、前記乗車券ICカード50のパターンID「12」を通信手段307を介して受信することになる。なお、ここでパターンIDを送信してきた前記リーダライタ250は、当該送信に先立ち、金額値先頭桁を示す前記フラグを乗車券ICカード50の前記金額値18のデータ中で検索し、前記フラグが設定されている桁を「第3桁」と特定し、それより上位桁の第1桁から第2桁までをパターンIDの設定枠と認識して「12」なる数値を抽出している。
【0120】
前記のパターンIDは、既に上述したように、パターン総数別のパターンIDをパターン総数順に並べて結合し1レコードとしたデータを想定できる。従って、パターンIDが、「123456」だったとき、情報提供パターンが「0」〜「99」までの総数100個の場合のパターンIDは、前記パターンID「123456」のうち上二桁の「12」の部分となる。そこで、前記情報提供端末300のコンテンツ出力手段310は、前記リーダライタ250より、前記乗車券ICカード50が記憶していたパターンIDとして「12」を受信して、当該パターンID「12」を前記コンテンツテーブル325(総数2桁のもの)に照合してコンテンツデータ「12.dat」を特定することになる。この「12.dat」は、「123456.dat」の上位概念にあたるデータであり、「123456.dat」のデータを含むものであるから、前記情報提供端末300が「12.dat」のデータを出力した場合、利用客として必要な情報が不足する事態は生じない。
【0121】
またその後、この乗車券ICカード50を利用した決済処理がなされたとする。この決済処理については既存技術・装置を採用すればよい。例えば、ある商品代金として引き落とし額が「33177」円だったとする。すると、前記乗車券ICカード50の金額値18としてそれまで設定されていた「33180」円から、「33177」円を減算した「3」円が設定されることになる。すなわち、前記数値枠3において、金額値が設定される桁数が4つ減じて第7桁が金額値の先頭となる(乗車券ICカード50は第3桁から第7桁に前記フラグを移動する)。これに伴って、それまで金額値のデータが格納されていた第3桁から第6桁は、金額値が未格納の残桁と新たになった。
【0122】
この状態で前記ステップs700が再度実行されると、前記パターン書込手段210は、前記フラグを前記金額値18の数値枠3の中で検索し、第7桁に該当フラグを特定できる。そこで、前記パターン書込手段210は、第1桁〜第6桁の計6桁分を残桁数としてカウントし、この時の該当カードIDのパターンIDが「315813」だったとすれば、そのうち「315813」、つまり全6桁を前記第1桁〜第6桁の数値枠に設定する。
【0123】
このように、乗車券ICカード50の格納情報12のうち、金額値18の格納領域において、チャージ金額残の桁数とパターンIDの桁数とを効率よく併存させて、本実施形態の情報提供方法を実行することもできる。
【0124】
したがって本実施形態によれば、ごく短時間しか読み書き処理されない乗車券ICカードを利用する多数の利用客に対し、利用客個々の乗車券ICカードの利用履歴に応じた迅速な情報提供が可能となる。
【0125】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本実施形態の情報提供システムのネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態における(a)パターンテーブル、(b)履歴テーブル、(c)ユーザテーブルの各構成例を示す図である。
【図3】本実施形態における(a)通信履歴テーブル、(b)未了履歴テーブル、(c)書込量履歴テーブル、(d)施設テーブルの各構成例を示す図である。
【図4】本実施形態における(a)ユーザパターンテーブル、(b)コンテンツテーブルの各構成例を示す図である。
【図5】本実施形態における乗車券ICカードの格納情報例を示す図である。
【図6】本実施形態の情報提供方法の処理フロー例1を示す図である。
【図7】本実施形態の情報提供方法の処理フロー例2を示す図である。
【図8】本実施形態の情報提供方法の処理フロー例3を示す図である。
【図9】本実施形態の情報提供方法の処理フロー例4を示す図である。
【図10】本実施形態の情報提供方法の処理フロー例5を示す図である。
【図11】本実施形態の情報提供方法の処理フロー例6を示す図である。
【図12】本実施形態の情報提供方法の処理フロー例7を示す図である。
【図13】本実施形態のコンテンツ出力例を示す図である。
【符号の説明】
【0127】
5 自動改札装置
6 レジ端末
10 情報提供システム
50 乗車券ICカード
51 RFIDチップ
52 プラスティック筐体
53 プログラム
54 ROM
55 RAM
56 CPU
57 EEPROM
58 通信手段
100 情報処理装置
101、201、301 記憶手段
102、202、302 プログラム
103、203、303 RAM(Random Access Memory)
104、204、304 CPU(Central Processing Unit)
105、205、305 入力インターフェイス
106、206、306 出力インターフェイス
107、207、307 通信手段
110 パターン特定手段
111 パターン送信手段
125 パターンテーブル
126 履歴テーブル
127 ユーザテーブル
128 通信履歴テーブル
129 未了履歴テーブル
130 書込量履歴テーブル
131 施設テーブル
140 ネットワーク
200、250 RFIDリーダライタ
208 無線通信手段
210 パターン書込手段
211 通信時間送信手段
212 未了情報送信手段
213 書込量送信手段
225 ユーザパターンテーブル
300 情報提供端末
310 コンテンツ出力手段
325 コンテンツテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他装置と通信する通信手段と、乗車券ICカードの利用履歴に応じた情報提供パターンを格納したパターンテーブルを記憶する記憶手段とを備えた情報処理装置が、
乗車券ICカードに対する読み書き動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードの利用履歴データを通信手段を介して受信し、この利用履歴データを前記パターンテーブルに照合して情報提供パターンを特定し、この情報提供パターンに前記利用履歴データが含むカードIDを対応付けて記憶手段に格納する、パターン特定処理と、
カードIDに対応する情報提供パターンと利用履歴データを記憶手段から読み出し、前記利用履歴データが利用履歴を示すリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するパターン送信処理とを実行し、
他装置と通信する通信手段と、記憶手段とを備えたリーダライタが、
前記通信手段を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置から受信して記憶手段に格納し、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカードから読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段から読み出し、この情報提供パターンのデータを前記乗車券ICカードに書き込みするパターン書込処理を実行し、
他装置と通信する通信手段と、前記情報提供パターンのパターンID毎にコンテンツデータを格納したコンテンツテーブルを記憶する記憶手段とを備えた情報提供端末が、
乗車券ICカードに対する読み取り動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードのパターンIDを通信手段を介して受信し、当該パターンIDを前記コンテンツテーブルに照合してコンテンツデータを特定し、このコンテンツデータを出力インターフェースに出力する、コンテンツ出力処理を実行する、
ことを特徴とする情報提供方法。
【請求項2】
前記情報処理装置が、
前記パターン特定処理において、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードの利用履歴データを通信手段を介して受信して記憶手段に格納しており、
前記パターン送信処理において、前記記憶手段から利用履歴データをカードID毎に読み出し、この利用履歴データから該当乗車券ICカードが利用された日時とリーダライタの情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタの一定期間中の利用回数をカウントし、前記利用回数が所定基準値以上のリーダライタを特定し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供方法。
【請求項3】
前記リーダライタが、
乗車券ICカードに対する読み書き動作に際し、乗車券ICカードとの通信時間を測定し、前記通信手段を介して、該当乗車券ICカードのカードIDと前記通信時間とリーダライタの情報とを含む通信履歴データを前記情報処理装置に送信する通信時間送信処理を実行し、
前記情報処理装置が、
前記パターン特定処理において、前記リーダライタより前記通信履歴データを通信手段を介して受信して記憶手段に格納し、
前記パターン送信処理において、前記記憶手段から前記通信履歴データをカードID毎に読み出し、この通信履歴データから該当乗車券ICカードの通信時間とリーダライタの情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタでの一定期間中における通信時間の平均値を算定し、前記平均値が所定基準値以上のリーダライタを特定し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供方法。
【請求項4】
前記リーダライタが、
乗車券ICカードに対する読み書き動作に際し、読み書き動作が完了する前に通信途絶した処理未了の乗車券ICカードのカードIDを記憶し、前記通信手段を介して、該当乗車券ICカードのカードIDとリーダライタの情報とを含む処理未了データを前記情報処理装置に送信する未了情報送信処理を実行し、
前記情報処理装置が、
前記パターン特定処理において、前記リーダライタより前記処理未了データを通信手段を介して受信して記憶手段に格納し、
前記パターン送信処理において、前記記憶手段から前記処理未了データをカードID毎に読み出し、この処理未了データからリーダライタの情報を抽出し、ここで抽出した各リーダライタでの一定期間中の処理未了回数をカウントし、前記処理未了回数が所定基準値以下のリーダライタを特定し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項5】
前記リーダライタが、
乗車券ICカードに対する読み書き動作に際し、乗車券ICカードへのデータ書込量を測定し、前記通信手段を介して、該当乗車券ICカードのカードIDと前記データ書込量とリーダライタの情報とを含む書込量データを前記情報処理装置に送信する書込量送信処理を実行し、
前記情報処理装置が、
前記パターン特定処理において、前記リーダライタより前記書込量データを通信手段を介して受信して記憶手段に格納し、
前記パターン送信処理において、前記記憶手段から前記書込量データをカードID毎に読み出し、この書込量データから該当乗車券ICカードのデータ書込量とリーダライタの情報とを抽出し、ここで抽出した各リーダライタでの一定期間中におけるデータ書込量の平均値を算定し、前記平均値が所定基準値以下のリーダライタを特定し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、
前記記憶手段において、リーダライタとリーダライタの設置施設との対応付け情報を格納した施設テーブルを備えており、
前記パターン送信処理において、前記特定したリーダライタの情報を前記施設テーブルに照合して該当施設と当該施設に設置されたリーダライタの特定を実行し、ここで特定したリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項7】
前記情報処理装置が、乗車券ICカードの利用履歴に応じた情報提供パターンのデータとして、パターン総数別のパターンIDをパターン総数順に並べて結合し1レコードとしたデータを格納したパターンテーブルを記憶手段に格納しており、
前記乗車券ICカードが、決済用金員の金額値を所定桁数の範囲で記憶領域に格納しており、
前記リーダライタが、
前記パターン書込処理において、前記通信手段を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置から受信して記憶手段に格納し、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカードの記憶領域にアクセスして前記所定桁数のうち金額値が未格納の残桁数をカウントし、該当乗車券ICカードから読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段から読み出し、前記情報提供パターンのデータから前記残桁数に対応する桁数分だけパターンIDを抽出して、ここで抽出したパターンIDを前記乗車券ICカードに書き込みする、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報提供方法。
【請求項8】
他装置と通信する通信手段と、乗車券ICカードの利用履歴に応じた情報提供パターンを格納したパターンテーブルを記憶する記憶手段と、
乗車券ICカードに対する読み書き動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードの利用履歴データを通信手段を介して受信し、この利用履歴データを前記パターンテーブルに照合して情報提供パターンを特定し、この情報提供パターンに前記利用履歴データが含むカードIDを対応付けて記憶手段に格納する、パターン特定手段と、
カードIDに対応する情報提供パターンと利用履歴データを記憶手段から読み出し、前記利用履歴データが利用履歴を示すリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するパターン送信手段とを備える情報処理装置と、
他装置と通信する通信手段と、記憶手段と、
前記通信手段を介して前記カードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置から受信して記憶手段に格納し、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカードから読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段から読み出し、この情報提供パターンのデータを前記乗車券ICカードに書き込みするパターン書込手段とを備えるリーダライタと、
他装置と通信する通信手段と、前記情報提供パターンのパターンID毎にコンテンツデータを格納したコンテンツテーブルを記憶する記憶手段と、
乗車券ICカードに対する読み取り動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードのパターンIDを通信手段を介して受信し、当該パターンIDを前記コンテンツテーブルに照合してコンテンツデータを特定し、このコンテンツデータを出力インターフェースに出力する、コンテンツ出力手段とを備える情報提供端末と、
を含むことを特徴とする情報提供システム。
【請求項9】
他装置と通信する通信手段と、
乗車券ICカードの利用履歴に応じた情報提供パターンを格納したパターンテーブルを記憶する記憶手段と、
乗車券ICカードに対する読み書き動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードの利用履歴データを通信手段を介して受信し、この利用履歴データを前記パターンテーブルに照合して情報提供パターンを特定し、この情報提供パターンに前記利用履歴データが含むカードIDを対応付けて記憶手段に格納する、パターン特定手段と、
カードIDに対応する情報提供パターンと利用履歴データを記憶手段から読み出し、前記利用履歴データが利用履歴を示すリーダライタに対し、前記通信手段を介して前記カードIDとこれに対応する情報提供パターンのデータを送信するパターン送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
他装置と通信する通信手段と、
記憶手段と、
前記通信手段を介してカードIDと情報提供パターンのデータを情報処理装置から受信して記憶手段に格納し、乗車券ICカードに対する読み書き動作を行う際に、該当乗車券ICカードから読み取ったカードIDに対応する情報提供パターンのデータを前記記憶手段から読み出し、この情報提供パターンのデータを前記乗車券ICカードに書き込みするパターン書込手段と、
を備えることを特徴とするリーダライタ。
【請求項11】
他装置と通信する通信手段と、
情報提供パターンのパターンID毎にコンテンツデータを格納したコンテンツテーブルを記憶する記憶手段と、
乗車券ICカードに対する読み取り動作を行ったリーダライタより、前記乗車券ICカードのパターンIDを通信手段を介して受信し、当該パターンIDを前記コンテンツテーブルに照合してコンテンツデータを特定し、このコンテンツデータを出力インターフェースに出力する、コンテンツ出力手段と、
を備えることを特徴とする情報提供端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−157055(P2010−157055A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334211(P2008−334211)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】