説明

情報端末、情報処理方法および情報処理プログラム

【課題】駐車場に駐車された電動式車両の充電池に充電をおこなう際に、利用者ごとに最適な情報を送信する。
【解決手段】車両情報取得部105によって取得された電動式車両の固有情報に基づいて、選択部106によって駐車場における電動式車両の駐車位置を選択し、送信部107によって、選択された駐車位置を利用者に送信する。そして、車両接続検出部102によって検出された接続部101と電動式車両との接続状態に基づいて、駐車場関連情報取得部104によって取得された駐車場に関する情報を、送信部107によって電動式車両の利用者に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駐車場に駐車された電動式車両の充電池に充電をおこなう際に、駐車場に関する情報の送受信をおこなう情報端末、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。ただし、この発明の利用は、上述した情報端末、情報処理方法および情報処理プログラムには限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客のユーザ端末と、顧客の自動車に搭載されているナビゲーションシステムと、顧客の携帯端末と、専用駐車場を持たない店舗の店舗案内、契約駐車場のための店舗案内ホームページと、駐車場の予約をおこなう予約装置を有する駐車場と、駐車場を管理する駐車場管理サーバと、これらを相互に接続する通信ネットワークおよび駐車場ネットワークとを有する店舗契約駐車場の予約システムが提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。この予約システムにおいて、駐車場管理サーバは、複数の駐車場の位置情報を保持し、駐車場の利用状況を監視し、駐車場の予約をおこない、カーナビゲーションシステムに連動された携帯端末に、駐車場の位置情報を発信する機能を有する。
【0003】
また、駐車場の利用者が、提携先の店舗を利用した際に、自動的に駐車料金を割引する駐車場管理システムが提案されている(たとえば、下記特許文献2、下記特許文献3または下記特許文献4参照。)。さらに、駐車場に設置された充電用端子を電動式車両の充電用端子に接続することで、電動式車両の充電池を充電する駐車場が提案されている(たとえば、下記特許文献5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−197208号公報
【特許文献2】特開2003−263661号公報
【特許文献3】特開2004−334299号公報
【特許文献4】特開2001−283271号公報
【特許文献5】特開平6−121407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1〜5の技術では、車両側に通信設備がない場合、情報を受信することができないという問題がある。また、電動式車両が充電をおこなうことで充電料金が生じるが、特許文献1〜5の技術では、電動式車両の利用者は、充電料金を支払うにも関わらず、充電をおこなわない利用者と同様のサービスしか得ることができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報端末は、電動式車両の充電池の電池残量と、前記電動式車両が駐車される駐車場での滞在予定時間と、を取得する車両情報取得手段と、前記充電池の電池残量と、前記駐車場での滞在予定時間に基づいて、前記滞在予定時間内での通常充電では充電が完了しないと判断した場合には、急速充電が設置された駐車位置を選択する駐車位置選択手段と、前記駐車位置選択手段によって選択された前記駐車位置に関する情報を利用者の端末に送信する駐車情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明にかかる情報処理方法は、情報端末の情報処理をおこなう情報処理方法において、電動式車両の充電池の電池残量と、前記電動式車両が駐車される駐車場での滞在予定時間と、を取得する車両情報取得工程と、前記充電池の電池残量と、前記駐車場での滞在予定時間に基づいて、前記滞在予定時間内での通常充電では充電が完了しないと判断した場合には、急速充電が設置された駐車位置を選択する駐車位置選択工程と、前記駐車位置選択工程によって選択された前記駐車位置に関する情報を利用者の端末に送信する駐車情報送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明にかかる情報処理プログラムは、請求項2に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態にかかる電力供給装置および充電装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】序列情報のデータ構造を示す図である。
【図3】電力供給装置の情報送信処理手順を示すフローチャートである。
【図4】充電装置の情報受信処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本実施例にかかる情報送受信システムの概要について示す説明図である。
【図6】本実施例にかかる駐車場設備401のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】駐車場設備の処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】電動式車両の処理の内容を示すフローチャートである。
【図9】駐車位置の選択処理の内容について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報端末、情報処理方法および情報処理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
本発明を実施する形態では、電動式車両を駐車した駐車場と提携している店舗や施設の情報である駐車場関連情報を、電力供給装置と車両側の充電装置との接続状態に基づいて当該電動式車両に送信する。ここで電力供給装置は駐車場の敷地内に配置され、車両側の充電装置へ電力を供給する。また駐車場関連情報は、店舗や施設側で生成され、上記接続状態に基づいて電力供給装置を介して電動式車両へ送信されてもよいし、予め店舗や施設側から電力供給装置へ送信されていてもよい。まず、この発明の実施の形態にかかる電力供給装置100および充電装置110の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる電力供給装置および充電装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0012】
(電力供給装置の機能的構成)
図1において、電力供給装置100は、接続部101と、車両接続検出部102と、受付部103と、駐車場関連情報取得部104と、車両情報取得部105と、選択部106と、送信部107と、を備えている。
【0013】
接続部101は、駐車場に駐車された電動式車両と接続されることで、電動式車両の充電池に電力を供給する。接続部101は、具体的には、たとえば電動式車両に接続される充電用端子と、充電用電源からの電力を充電用端子に供給する電力線と、を含んでいてもよい。
【0014】
車両接続検出部102は、接続部101と電動式車両との接続状態を検出する。車両接続検出部102は、たとえば接続部101と電動式車両が接続されているか否かを検出する。また、車両接続検出部102は、たとえば接続部101と電動式車両が接続され、かつ接続部101から電動式車両へ電力が供給されているか否かを検出してもよい。
【0015】
受付部103は、ユーザ情報を受け付ける。受付部103は、電動式車両に複数の利用者が搭乗している場合、それぞれのユーザ情報を受け付けてもよい。ここで「ユーザ情報」とは、利用者を特定して提供するサービスを決定するための情報であって、具体的には、たとえば利用者のプロフィールや携帯電話のアドレスなどの各利用者を識別する識別情報、提携している店舗や施設への訪問数や購買履歴などの各利用者の店舗や施設の利用状況に関する情報である。
【0016】
駐車場関連情報取得部104は、電動式車両が駐車した駐車場に関する駐車場関連情報を取得する。駐車場関連情報取得部104は、たとえば店舗や施設に関する情報が保管されたサーバから、電動式車両が駐車した駐車場と提携している店舗や施設に関する情報を取得する。ここで「駐車場関連情報」とは、駐車場と経済的に提携あるいは連携した店舗や施設に関する情報であって、具体的には、たとえば店舗や施設の割引クーポン、店舗のセール情報、施設の案内情報、店舗や施設の混雑状況、駐車料金や充電料金が無料となるために必要な品物購入金額などの情報である。なお、本実施の形態において、店舗や施設に関する情報が保管されたサーバは、当該店舗や施設にそれぞれ設置されることとしたが、とくにこれに限定されるものではない。
【0017】
また、駐車場関連情報取得部104は、駐車位置に対応した駐車場に関する駐車場関連情報を取得する。すなわち、駐車場関連情報取得部104は、複数の車両を駐車可能な駐車場において、駐車位置によって提携している店舗や施設が異なる場合、各駐車位置に対応した駐車場に関する駐車場関連情報を取得してもよい。さらに、駐車場関連情報取得部104は、受付部103によって受け付けられたユーザ情報に応じた駐車場に関する駐車場関連情報を取得してもよい。
【0018】
車両情報取得部105は、電動式車両の固有情報を取得する。ここで「電動式車両の固有情報」とは、電動式車両を特定するための情報であって、具体的には、たとえば電動式車両の車体番号など電動式車両を識別可能な情報である。車両情報取得部105は、この固有情報に加えて、電動式車両の充電池の充電残量や駐車場での予定滞在時間、駐車回数履歴や駐車位置履歴などの付加情報を取得してもよい。
【0019】
選択部106は、固有情報または付加情報に基づいて、駐車場における電動式車両の駐車位置を選択する。また、選択部106は、識別情報に基づいて電力供給装置の設置された駐車位置を選択する。また、選択部106は、電動式車両の充電池の充電残量および駐車場への駐車期間に基づいて、急速充電や通常充電などの充電方式が合致する駐車位置を選択してもよい。また、選択部106は、図2に示される序列情報および駐車回数履歴に基づいて、駐車回数の多い電動式車両に対しては、序列の高い駐車位置(たとえば駐車場の出口周囲の利用しやすい駐車位置など)を選択してもよい。あるいは、選択部106は、駐車位置履歴に基づいて、利用者が駐車した履歴の多い駐車位置を選択してもよい。
【0020】
この際、電力供給装置100は、駐車場設備における複数の駐車区画のそれぞれに序列を付した序列情報を保持していてもよい。この場合、選択部106は、この序列情報と固有情報などを利用することにより利用者毎に駐車位置の優先付けをおこなってもよい。なお、図2に示されるとおりこの序列情報は、電力供給装置の外部に保持されていてもよく、敷地内における駐車区画の位置や広さなどに応じて複数の駐車区画が序列付けされた情報であり、この例では低い値ほど良い駐車区画となっている。
【0021】
送信部107は、車両接続検出部102によって検出された接続状態に基づいて、駐車場に関する駐車場関連情報を電動式車両の利用者に送信する。送信部107は、たとえば駐車場に関する駐車場関連情報を、接続部101を介して電動式車両に送信する。すなわち、送信部107は、電灯線通信によって電力供給装置100から電動式車両の備える充電装置110へ、駐車場に関する駐車場関連情報を送信してもよい。また、送信部107は、駐車場に関する駐車場関連情報を、利用者が持ち運び可能な携帯端末に送信してもよい。さらに、送信部107は、選択部106によって選択された駐車位置に関する駐車場関連情報を利用者に送信する。
【0022】
(充電装置の機能的構成)
図1において、充電装置110は、充電部111と、充電接続検出部112と、通信部113と、を備えている。充電装置110は、充電池からの電力によって駆動する電動式車両に備えられている。
【0023】
充電部111は、駐車場に設置された電力供給装置100の接続部101から供給された電力によって電動式車両の充電池を有線方式または無線方式によって充電する。なお、車両に搭載される充電池は、充電装置110と一体として備えられていてもよいし、別体として備えられていてもよい。
【0024】
充電接続検出部112は、接続部101の接続状態を検出する。充電接続検出部112は、たとえば電力供給装置100が備える接続部101と、充電部111とが接続されているか否かを検出する。また、充電接続検出部112は、たとえば接続部101と充電部111とが接続され、かつ充電池が充電されているか否かを検出してもよい。
【0025】
通信部113は、充電接続検出部112によって検出された接続状態に基づいて、(a)電動式車両が駐車された駐車場に関する駐車場関連情報を電力供給装置100から受信する、または(b)電動式車両の利用者が持ち運び可能な携帯端末への駐車場に関する駐車場関連情報の送信要求を、電力供給装置100が駐車場に関する情報を取得するサーバへ送信する。通信部113は、たとえば駐車場に関する駐車場関連情報を、電力供給装置100から接続部101を介して受信する。すなわち、通信部113は、電灯線通信によって電力供給装置100の備える接続部101から充電部111へ、駐車場に関する駐車場関連情報を受信してもよい。また、通信部113は、受信した駐車場関連情報を、たとえばナビゲーション装置の備えるディスプレイなどに出力してもよい。
【0026】
なお、通信部113は、自車両の固有情報を、電力供給装置100に送信してもよい。また、通信部113は、自車両に搭乗しているユーザ情報を、電力供給装置100に送信してもよい。また、通信部113は、自車両の固有情報に応じた、駐車場における駐車位置に関する駐車場関連情報を受信してもよい。
【0027】
(電力供給装置の情報送信処理手順)
つぎに、電力供給装置100の情報送信処理手順について説明する。図3は、電力供給装置の情報送信処理手順を示すフローチャートである。図3のフローチャートにおいて、まず、車両情報取得部105によって電動式車両の固有情報を取得する(ステップS201)。また、ステップS201において取得された固有情報に基づいて、選択部106によって駐車場における電動式車両の駐車位置を選択する(ステップS202)。そして、送信部107によって、ステップS202において選択された駐車位置を利用者に送信する(ステップS203)。なお、図3のフローチャートにおけるステップS201〜S203は、本実施の形態において必須ではなく、適宜省略が可能である。
【0028】
つぎに、車両接続検出部102によって接続部101と電動式車両との接続状態を検出する(ステップS204)。また、駐車場関連情報取得部104によって駐車場に関する駐車場関連情報を取得する(ステップS205)。そして、ステップS204において検出された接続状態に基づいて、ステップS205において取得された駐車場に関する駐車場関連情報を電動式車両の利用者に送信して(ステップS206)、一連の処理を終了する。
【0029】
なお、図3のフローチャートにおいては、ステップS201において、具体的には、たとえば、それぞれの電動式車両を識別する固有情報を取得する。なお、このステップS201においては固有情報に加え、ユーザ情報、あるいは電動式車両の充電池の充電残量、駐車場への駐車期間、駐車回数履歴や駐車位置履歴などの付加情報を取得してもよい。そして、ステップS202においては、具体的には、たとえば固有情報などに基づいて電力供給装置の設置された駐車位置を選択する。また、電動式車両の充電池の充電残量および駐車場への駐車期間に基づいて、急速充電や通常充電などの充電方式が合致する駐車位置を選択する。また、駐車回数履歴に基づいて、駐車回数の多い電動式車両に対しては、駐車場の出口周囲の利用しやすい駐車位置を選択する。さらに、駐車位置履歴に基づいて、利用者が駐車した履歴の多い駐車位置を選択する。
【0030】
また、図3のフローチャートにおいては、ステップS205において駐車場に関する駐車場関連情報を取得する前に、受付部103によってユーザ情報を受け付けてもよい。この場合、ステップS205においては、ユーザ情報に応じた駐車場に関する駐車場関連情報を取得してもよい。すなわち、ステップS205においては、利用者ごとに異なる情報が取得されるようにしてもよい。
【0031】
また、図3のフローチャートにおいては、ステップS204において、具体的には、接続部101と電動式車両が接続されて、さらに接続部101から電動式車両に向けて電力が供給されたか否かを検出してもよい。そして、ステップS206においては、接続部101と電動式車両が接続された場合、または接続部101から電動式車両に向けて電力が供給された場合、駐車場に関する駐車場関連情報を利用者に送信するようにしてもよい。
【0032】
また、図3のフローチャートにおいては、ステップS206において、駐車場に関する駐車場関連情報を、接続部101を介して電動式車両に送信してもよいし、電動式車両の利用者が持ち運び可能な携帯端末に送信してもよい。
【0033】
(充電装置の情報受信処理手順)
つぎに、充電装置110の情報受信処理手順について説明する。図4は、充電装置の情報受信処理手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、充電接続検出部112によって、充電部111と接続部101との接続状態を検出する(ステップS301)。そして、ステップS301において検出された接続状態に基づいて、(a)通信部113によって、駐車場に関する駐車場関連情報を電力供給装置100から受信するか、または、(b)携帯端末への駐車場に関する駐車場関連情報の送信要求を、電力供給装置100が駐車場に関する駐車場関連情報を取得するサーバへ送信して(ステップS302)、一連の処理を終了する。
【0034】
なお、図4のフローチャートにおいては、ステップS302において、駐車場に関する駐車場関連情報を電力供給装置100から受信し、さらにこの駐車場関連情報を保持するサーバへ携帯端末への駐車場に関する駐車場関連情報の送信要求を送信してもよい。また、利用者が電動式車両内に位置しているか否か、または電動式車両のエンジンが停止しているか否かを判断し、利用者が電動式車両内に位置していない場合、または電動式車両のエンジンが停止している場合、携帯端末への駐車場に関する情報の送信要求を電力供給装置100が駐車場に関する情報を取得するサーバへ送信してもよい。
【0035】
上述したように、本実施の形態の電力供給装置100によれば、車両接続検出部102によって検出された接続部101と電動式車両との接続状態に基づいて、駐車場関連情報取得部104によって取得された電動式車両が駐車した駐車場に関する駐車場関連情報を、送信部107によって電動式車両の利用者に送信することができる。したがって、電動式車両が駐車場に設置された充電設備によって充電をおこなう場合、駐車場の提携先からの情報を駐車した電動式車両の利用者に送信することができる。これによって、電動式車両の利用者は、充電をおこなわない他の利用者と比べ、提携先からよりサービスを得ることができる。また、駐車場や店舗・施設の管理者は、他の駐車場および店舗や施設と差別化を図ることができ、客を呼び込むことができる。
【0036】
また、本実施の形態の電力供給装置100によれば、車両情報取得部105によって取得された電動式車両の固有情報あるいは付加情報に基づいて、選択部106によって駐車場における電動式車両の駐車位置を選択し、送信部107によって駐車位置に関する情報を利用者に送信することができる。したがって、駐車場の利用頻度の高い利用者を優遇することができる。これによって、利用者は、同じ駐車場を使用することで、店舗や施設からのサービスをより多く得られたり、駐車場が使用しやすくなったりする。また、駐車場や店舗・施設の管理者は、リピーターを得ることができる。
【0037】
また、本実施の形態の電力供給装置100によれば、駐車場関連情報取得部104によって、駐車位置に対応した駐車場に関する駐車場関連情報を取得することができる。したがって、たとえば大型の駐車場などで、駐車位置ごとに提携先の店舗や施設が異なる場合にも、それぞれの駐車位置に応じた店舗や施設から情報を得ることができる。これによって、利用者は、自身の所望する情報のみを得ることができるため煩わしくない。また、店舗・施設の管理者は、自身が提携する駐車場の利用者のみにサービスを与えることができる。
【0038】
また、本実施の形態の電力供給装置100によれば、駐車場関連情報取得部104によって、駐車場に関する駐車場関連情報として、駐車場と提携している店舗や施設に関する情報を取得することができる。これによって、利用者は、所望する店舗の割引クーポンや施設案内などを取得することができる。
【0039】
また、本実施の形態の電力供給装置100によれば、受付部103によって受け付けられたユーザ情報に応じた駐車場に関する情報を、駐車場関連情報取得部104によって取得することができる。したがって、店舗の利用回数の多い利用者に、より良いサービスを提供することができる。これによって、利用者は、同じ店舗に何度も通うことで、より良いサービスを受けることができる。
【0040】
また、本実施の形態の電力供給装置100によれば、送信部107によって、駐車場に関する駐車場関連情報を、接続部101を介して電動式車両に送信することができる。したがって、たとえば電動式車両に通信機能を有するナビゲーション装置が備えられていない場合でも、利用者は駐車場に関する駐車場関連情報を受け取ることができる。
【0041】
また、本実施の形態の電力供給装置100によれば、送信部107によって、駐車場に関する駐車場関連情報を、利用者が持ち運び可能な携帯端末に送信することができる。したがって、たとえば利用者が車両から下車した後でも、駐車場に関する駐車場関連情報を送信することができる。これによって、利用者は、車両を下車してからも店舗や施設などのサービスを受けることができる。利用者は、具体的には、たとえば充電が完了した旨を知ることができたり、充電量によって異なるサービスを受けたりすることができる。
【0042】
また、本実施の形態の充電装置110によれば、充電部111によって駐車場に設置された電力供給装置100の接続部101から供給された電力によって電動式車両の充電池を充電することができる。また、充電接続検出部112によって検出された接続部101の接続状態に基づいて、(a)通信部113によって電動式車両が駐車した駐車場に関する駐車場関連情報を電力供給装置100から受信する、または(b)電動式車両の利用者が持ち運び可能な携帯端末への駐車場に関する駐車場関連情報の送信要求を、電力供給装置100が駐車場に関する駐車場関連情報を取得するサーバへ送信することができる。したがって、駐車場に設置された充電設備によって充電をおこなう場合、駐車した駐車場の提携先からの情報を受信することができる。これによって、利用者は、充電をおこなわない他の利用者と比べ、提携先からよりサービスを得ることができる。また、駐車場や店舗・施設の管理者は、他の駐車場および店舗や施設と差別化を図ることができ、客を呼び込むことができる。
【0043】
また、本実施の形態の充電装置110によれば、通信部113によって、駐車場に関する駐車場関連情報を、電力供給装置100から接続部101を介して受信することができる。したがって、たとえば電動式車両に通信機能を有するナビゲーション装置が備えられていない場合でも、利用者は駐車場に関する駐車場関連情報を受け取ることができる。
【実施例】
【0044】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、駐車場に設置された駐車場設備によって、本発明の電力供給装置を実施し、充電池からの電力によって駆動する電動式車両によって、本発明の充電装置を実施した場合の一例について説明する。
【0045】
(情報送受信システムの概要)
まず、実施例にかかる情報送受信システムの概要について説明する。図5は、本実施例にかかる情報送受信システムの概要について示す説明図である。図5に示すように、情報送受信システム400は、駐車場設備401と、電動式車両410と、店舗・施設サーバ420と、によって構成されている。駐車場設備401は、駐車場に設置された充電設備402と、この充電設備402に接続された情報端末403と、を備えている。充電設備402は、充電用電源と、電動式車両410に接続される充電用端子404と、充電用電源からの電力を充電用端子404に供給する電力線405と、を備えている。情報端末403は、充電設備402と無線または有線によって接続されている。情報端末403は、店舗・施設サーバ420から店舗や施設に関する情報を取得する。そして、充電設備402と、電動式車両410との接続状態に基づいて、充電設備402を介して電動式車両410に送信する。また、情報端末403は、電動式車両410の利用者が有する携帯端末411に店舗や施設に関する情報を送信する要求情報を、店舗・施設サーバ420に送信してもよい。
【0046】
電動式車両410は、充電池を備えており、この充電池からの電力により駆動する。また、電動式車両410は、充電池を充電するための充電機構と、車載ナビゲーション装置や携帯電話などの外部の装置と通信が可能な通信端末を備えている。なお、図1に示す充電装置110の備える充電部111および充電接続検出部112は、充電機構によって実現され、通信部113は、公知の通信機器により実現される。
【0047】
店舗・施設サーバ420には、駐車場と提携している店舗や施設に関する駐車場関連情報が記録されている。この店舗や施設に関する情報は、具体的には、たとえば店舗や施設の割引クーポン、店舗のセール情報、施設の案内情報、店舗や施設の混雑状況、駐車料金や充電料金が無料となるために必要な品物購入金額などの情報などである。
【0048】
このように、情報送受信システム400は、たとえば充電設備402と電動式車両410との接続状態に基づいて、電動式車両410を駐車した駐車場と提携している店舗や施設の情報を、充電設備402の備える電力線405を用いた電力線通信により電動式車両410に送信する。これに代えまたはこれに加えて、情報送受信システム400は、たとえば充電設備402と電動式車両410との接続状態に基づいて、電動式車両410を駐車した駐車場と提携している店舗や施設の情報を、店舗・施設サーバ420から電動式車両410の利用者の携帯端末411へ送信する。
【0049】
(駐車場設備のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかる駐車場設備401のハードウェア構成について説明する。図6は、本実施例にかかる駐車場設備401のハードウェア構成を示すブロック図である。図6において、駐車場設備401は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、音声I/F(インターフェース)508と、マイク509と、スピーカ510と、入力デバイス511と、映像I/F512と、ディスプレイ513と、通信I/F514と、各種センサ515と、カメラ516と、を備えている。各構成部501〜516は、バス520によってそれぞれ接続されている。また、駐車場設備401は、図5に示すように、電力線405によって図示しない充電用電源から電力が供給される充電用端子404を備えている。
【0050】
まず、CPU501は、駐車場設備401の全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラム、データ更新プログラム、駐車位置選択プログラム、接続検出プログラム、情報送信プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU501は、RAM503をワークエリアとして使用しながら、ROM502に記録された各種プログラムを実行することによって、駐車場設備401の全体の制御を司る。
【0051】
駐車位置選択プログラムは、駐車場に入場した車両の駐車位置を選択させる。詳細は、図9において説明するが、駐車場に入場した車両が電動式車両410の場合、充電設備402が設置された駐車位置を選択させる。また、駐車位置選択プログラムは、駐車場に入場した車両の車両IDがあらかじめ登録されている場合、序列情報に基づいて出入口に近い駐車位置を選択したり、利用者が駐車する頻度の高い駐車位置を選択したりしてもよい。
【0052】
接続検出プログラムは、充電設備402の有する充電用端子404と、電動式車両410との接続状態を検出させる。また、接続検出プログラムは、充電用端子404と電動式車両410が接続され、かつ充電用端子404に電力を供給する電力線405によって電力が供給されているか否かを検出させてもよい。
【0053】
情報送信プログラムは、店舗・施設サーバ420から取得した店舗や施設に関する情報を、電動式車両410の利用者に送信させる。情報送信プログラムは、たとえば電力線405を用いた電力線通信により、店舗や施設に関する情報を電動式車両410に送信させる。また、情報送信プログラムは、たとえば無線により車両に搭載されたナビゲーション装置に、店舗や施設に関する情報を送信させる。さらに、情報送信プログラムは、たとえば無線により、車両の搭乗者が有する携帯端末411に、店舗や施設に関する情報を送信させる。
【0054】
磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク505としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0055】
また、光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク507は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク507のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0056】
磁気ディスク505および光ディスク507に記録される情報の一例としては、店舗・施設サーバ420から取得した店舗や施設に関する情報が挙げられる。
【0057】
音声I/F508は、音声入力用のマイク509および音声出力用のスピーカ510に接続される。マイク509に受音された音声は、音声I/F508内でA/D変換される。スピーカ510からは、所定の音声信号を音声I/F508内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク509から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク505あるいは光ディスク507に記録可能である。
【0058】
入力デバイス511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス511は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0059】
映像I/F512は、ディスプレイ513に接続される。映像I/F512は、具体的には、たとえば、ディスプレイ513全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ513を制御する制御ICなどによって構成される。
【0060】
ディスプレイ513には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ513としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。
【0061】
通信I/F514は、無線を介してネットワークに接続され、駐車場設備401とCPU501とのインターフェースとして機能する。通信I/F514は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU501とのインターフェースとしても機能する。通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。
【0062】
各種センサ515は、充電用端子404と電動式車両410との接続状態を検出する。また、各種センサ515は、電力線405によって電動式車両410に電力が供給されているか否かを検出してもよい。
【0063】
カメラ516は、たとえば充電設備402に備えられ、駐車場に駐車した車両の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよい。また、撮影した映像を映像I/F512を介して磁気ディスク505や光ディスク507などの記録媒体に出力してもよい。
【0064】
図1に示した電力供給装置100が備える接続部101、車両接続検出部102、受付部103、駐車場関連情報取得部104、車両情報取得部105、選択部106、送信部107は、図6に示した駐車場設備401におけるROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU501が所定のプログラムを実行し、駐車場設備401における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0065】
すなわち、実施例の駐車場設備401は、駐車場設備401における記録媒体としてのROM502に記録されている情報送信プログラムを実行することにより、図1に示した電力供給装置100が備える機能を、図3に示した情報送信処理手順で実行することができる。
【0066】
(駐車場設備の処理の内容)
つぎに、駐車場設備401の処理の内容について説明する。図7は、駐車場設備の処理の内容を示すフローチャートである。なお、本実施例においては、少なくともステップS610以降が必須の構成であり、その他の工程は適宜省略が可能である。図7のフローチャートにおいて、まず、駐車場設備401は、電動式車両410から車両IDを受信するまで待機する(ステップS601:Noのループ)。ステップS610において車両IDは、電動式車両410に搭載されたナビゲーション装置や、電動式車両410に搭乗している利用者の携帯端末411から受信してもよい。
【0067】
ステップS601において車両IDを受信した場合(ステップS601:Yes)、車両IDによって電動式車両410の認証処理をおこなう(ステップS602)。また、電動式車両410から充電をするか否かに関する充電可否に関する情報を受け付ける(ステップS603)。
【0068】
車両IDが登録されているか否かを判断する(ステップS604)。ステップS604において車両IDが登録されていない場合(ステップS604:No)、そのままステップS607に進む。また、ステップS604において車両IDが登録されている場合(ステップS604:Yes)、ステップS603によって受け付けられた充電可否に関する情報に基づいて駐車位置を選択する(ステップS605)。そして、電動式車両410に駐車位置に関する情報を送信する(ステップS606)。
【0069】
なお、ステップS605では、たとえばステップS603において充電をする旨の情報を受け付けた場合、充電設備402の設置された駐車位置を選択する。また、ステップS605では、たとえばステップS604において充電をしない旨の情報を受け付けた場合、充電設備402の設置されていない駐車位置を選択する。
【0070】
また、ステップS605においては、たとえば、ステップS601において受け付けられた車両IDに駐車場の利用駐車位置履歴が含まれる場合、充電可否に関する情報に加え、車両IDに基づいて、駐車位置を選択してもよい。そして、たとえば駐車場の利用回数が多い場合、前述の序列情報を用いて店舗や施設の出入口に近い駐車位置を選択する。または、駐車位置履歴に基づいて、利用者が駐車する頻度の高い駐車位置を選択する。なお、ステップS605において駐車位置が選択された後は、たとえば駐車場の入口付近に設けられる表示手段に駐車位置を表示してもよい。
【0071】
つぎに、電動式車両410から店舗や施設に関する情報を要求する要求情報を受信したか否かを判断する(ステップS607)。ステップS607において、電動式車両410から店舗や施設に関する情報を要求する要求情報を受信していない場合(ステップS607:No)、そのまま一連の処理を終了する。
【0072】
ステップS607において電動式車両410から店舗や施設に関する情報を要求する要求情報を受信した場合(ステップS607:Yes)、電動式車両410からユーザ情報を受信するまで待機する(ステップS608:Noのループ)。ステップS608において電動式車両410からユーザ情報を受信した場合(ステップS608:Yes)、店舗・施設サーバ420にユーザ情報を送信する(ステップS609)。なお、後述するステップS612において利用者の携帯端末に駐車場関連情報を送信する場合は、このユーザ情報に携帯端末のメールアドレスが含まれることとする。
【0073】
つぎに、充電用端子404に電動式車両410が接続されたことを検出するまで待機する(ステップS610:Noのループ)。ステップS610において充電用端子404に電動式車両410が接続されたことを検出した場合(ステップS610:Yes)、店舗・施設サーバ420から店舗や施設に関する情報を受信する(ステップS611)。そして、店舗や施設に関する情報を送信して(ステップS612)、一連の処理を終了する。
【0074】
なお、ステップS612においては、たとえば電力線405を用いた電力線通信によって駐車場設備401から電動式車両410へ店舗や施設に関する駐車場関連情報を送信する。または、店舗・施設サーバ420に、電動式車両410の利用者の携帯端末411へ店舗や施設に関する駐車場関連情報の送信を要求する要求情報を送信する。この場合には、店舗・施設サーバ420から利用者の携帯端末411へ店舗や施設に関する駐車場関連情報を送信させる。
【0075】
また、図7のフローチャートにおいては、ステップS607における店舗情報の要求の受信、およびステップS608におけるユーザ情報の受信は、充電用端子404に電動式車両410が接続される前であっても、接続された後であってもよい。接続される前である場合、たとえば、利用者の携帯端末411から店舗や施設に関する駐車場情報を要求する要求情報とユーザ情報とを受信してもよい。
【0076】
また、図7のフローチャートにおいて、ステップS609においては、店舗・施設サーバ420にユーザ情報を送信するとともに、電動式車両410の駐車位置に関する情報(駐車した車両区画を示す緯度情報と経度情報など)を送信してもよい。このようにすることで、たとえば利用者が店舗で商品を購買した場合、店舗側から提供するレシートに、駐車位置を記すことができる。
【0077】
また、図7のフローチャートにおいては、ステップS611において店舗・施設サーバ420から店舗や施設に関する情報を受信するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、店舗・施設サーバ420から定期的に店舗や施設に関する情報を受信していてもよい。この場合、たとえば磁気ディスク505や光ディスク507などに店舗や施設に関する情報を記録しておいてもよい。
【0078】
また、図7のフローチャートにおいては、ステップS601において車両IDとともに、電動式車両410の充電残量および駐車場での滞在予定時間を受信してもよい。そして、ステップS606において、充電残量および滞在予定時間に基づいて、駐車位置を選択してもよい。このようにすることで、たとえば通常充電や急速充電など異なる充電方式の充電設備402が設置されている場合、滞在予定時間中に効率よく充電できる方式の駐車位置を選択することができる。
【0079】
また、図7のフローチャートにおいては、ステップS608およびステップS609において、ユーザ情報に店舗や施設への訪問回数や店舗での購買履歴を含んでいてもよい。この場合、ステップS611において、たとえば店舗・施設サーバ420から訪問回数や購入履歴に応じた割引額のクーポンを受信してもよい。
【0080】
(電動式車両の処理の内容)
つぎに、電動式車両410の処理の内容について説明する。図8は、電動式車両の処理の内容を示すフローチャートである。なお、本実施例においては、ステップS706〜ステップS708が必須の要素であり、それ以外の工程は適宜省略が可能である。図8のフローチャートにおいて、まず、車両IDを取得する(ステップS701)。ステップS701において車両IDは、電動式車両410を識別可能な情報であり、たとえば車両の固有情報、車両に搭載されたナビゲーション装置の固有情報である。
【0081】
また、充電可否を受け付ける(ステップS702)。ステップS702において充電可否の受け付けは、たとえば利用者からの指示を受け付ける。また、ステップS702においては、充電池の充電残量が所定値以下の場合に、充電をすると判断して「充電可」と受け付けてもよい。
【0082】
さらに、店舗や施設に関する情報を要求するか否かを判断する(ステップS703)。ステップS703においては、利用者から店舗や施設に関する情報の要求をおこなう要求情報を受け付けたか否かを判断してもよい。ステップS703において店舗や施設に関する情報を要求しないと判断された場合(ステップS703:No)、そのまま一連の処理を終了する。
【0083】
ステップS703において、店舗や施設に関する情報を要求すると判断された場合(ステップS703:Yes)、ステップS701〜ステップS703において受け付けられた、車両ID、充電可否に関する情報および店舗や施設に関する駐車場関連情報を要求する要求情報を、駐車場設備401に送信する(ステップS704)。
【0084】
つぎに、駐車位置に関する駐車場関連情報を受信したか否かを判断する(ステップS705)。ステップS705において駐車位置に関する駐車場関連情報を受け付けた場合(ステップS705:Yes)、自車両が駐車位置の充電用端末に接続されるまで待機する(ステップS706:Noのループ)。ステップS706において駐車位置の充電用端末に接続されたと判断された場合(ステップS706:Yes)、店舗や施設に関する情報を受信して(ステップS707)、一連の処理を終了する。ステップS707においては、車両に搭載されたナビゲーション装置によって受信してもよいし、自車両の搭乗者が有する携帯電話によって受信してもよい。
【0085】
一方、ステップS705において駐車位置に関する駐車場関連情報を受け付けない場合(ステップS705:No)、自車両が任意の充電用端末に接続されたか否かを判断する(ステップS708)。ステップS708において、任意の充電用端末に接続されない場合(ステップS708:No)、そのまま一連の処理を終了する。そして、ステップS708において任意の充電用端末に接続された場合(ステップS708:Yes)、ステップS707に進み、店舗や施設に関する情報を受信して、一連の処理を終了する。
【0086】
なお、図8のフローチャートにおいては、ステップS703において店舗や施設に関する駐車場関連情報を要求するか否かを判断するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば店舗や施設に関する駐車場関連情報を要求するか否かの判断は、ステップS707において店舗や施設に関する駐車場関連情報を受信する前であれば、いつ処理をしてもよい。すなわち、ステップS704においては、車両IDおよび充電可否に関する情報のみを送信し、店舗や施設に関する情報を要求するか否かに関わらず、ステップS705に進み、駐車位置に関する情報を受信したか否かを判断してもよい。
【0087】
また、図8のフローチャートにおいては、ステップS707において店舗や施設に関する駐車場関連情報を受信する前に、ユーザ情報を取得し、駐車場設備401に送信してもよい。ユーザ情報を送信することで、利用者ごとに最適な情報を受信することができる。
【0088】
(駐車位置の選択処理の内容について)
つぎに、図9を用いて、駐車位置の選択処理の内容について説明する。図9は、駐車位置の選択処理の内容について示す説明図である。図9に示すように、駐車場には駐車位置A〜Jの10個のスペースがあるとし、すべての駐車位置が利用可能であるとするが、とくにこれに限るものではない。ここで、駐車位置A,C,D,H,Jは、充電設備402が設置された電動式車両用駐車位置801であり、それぞれの充電設備402が情報端末403と接続されている。また、駐車位置B,E,F,G,Iは、充電設備402が設置されていない通常の駐車位置802である。さらに、充電設備402の充電方式は、駐車位置A,H,Jに設置されたものは通常充電型811であり、駐車位置C,Dに設置されたものは急速充電型812である。なお、駐車場設備の情報端末403には、図2に示す序列情報が保持されており、駐車位置A〜Jに対して位置や機能に応じて序列付けがなされていてもよい。
【0089】
ここで、たとえば電動式車両410が駐車場の出入口から入場したときに、電動式車両410から車両IDや充電可否に関する情報を受け付ける。情報端末403は、充電可に関する情報を受け付けた場合、充電設備402の設置されている駐車位置A,C,D,H,Jのいずれか一つを選択する。さらに、情報端末403は、電動式車両410の車両IDがあらかじめ登録されている場合、出入口に近い駐車位置Jを選択してもよい。たとえば、図2に示す序列情報を駐車場側が保持している場合、ユーザ情報や充電可否や序列情報などに基づいて、「(充電項目:通常充電または急速充電)AND(序列項目:最小の値)」といった条件で検索して該当する駐車場位置Jを選択する。
【0090】
また、情報端末403は、電動式車両410から充電池の充電残量と滞在予定時間(駐車予定時間)を受け付け、駐車している期間に通常充電では充電が完了しないと判断した場合、急速充電型812の充電設備402が設置されている駐車位置C,Dのいずれか一つを選択する。なお、情報端末403に序列情報が保持されている場合には、この序列情報を利用して、利用者毎に駐車位置を選択することも可能である。この場合、たとえば上記と同様に、「(充電項目:急速充電)AND(序列項目:最小の値)」といった条件に基づいて検索し、たとえば該当する駐車位置Dを選択してもよい。
【0091】
上述したように実施例の駐車場設備401によれば、駐車場に設置された充電設備402の充電用端子404が電動式車両410に接続された場合、店舗・施設サーバ420から取得した店舗や施設に関する情報を、電動式車両410の利用者に送信することができる。駐車場設備401は、店舗や施設に関する駐車場情報を、充電設備402の充電電源から充電用端子404に電力を供給する電力線405による電力線通信によって、電動式車両410もしくは電動式車両410に搭載されたナビゲーション装置に送信する。また、駐車場設備401は、店舗や施設に関する駐車場情報を、店舗・施設サーバ420からの無線通信により、電動式車両410の利用者が有する携帯端末411に送信してもよい。
【0092】
以上説明したように、本発明の情報端末、情報処理方法および情報処理プログラムによれば、駐車場に駐車された電動式車両の充電池に充電をおこなう際に、駐車場に関する情報の送受信をおこなうことができる。
【0093】
なお、本実施の形態で説明した情報送信方法または情報受信方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
100 電力供給装置
101 接続部
102 車両接続検出部
103 受付部
104 駐車場関連情報取得部
105 車両情報取得部
106 選択部
107 送信部
110 充電装置
111 充電部
112 充電接続検出部
113 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動式車両の充電池の電池残量と、前記電動式車両が駐車される駐車場での滞在予定時間と、を取得する車両情報取得手段と、
前記充電池の電池残量と、前記駐車場での滞在予定時間に基づいて、前記滞在予定時間内での通常充電では充電が完了しないと判断した場合には、急速充電が設置された駐車位置を選択する駐車位置選択手段と、
前記駐車位置選択手段によって選択された前記駐車位置に関する情報を利用者の端末に送信する駐車情報送信手段と、
を備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
情報端末の情報処理をおこなう情報処理方法において、
電動式車両の充電池の電池残量と、前記電動式車両が駐車される駐車場での滞在予定時間と、を取得する車両情報取得工程と、
前記充電池の電池残量と、前記駐車場での滞在予定時間に基づいて、前記滞在予定時間内での通常充電では充電が完了しないと判断した場合には、急速充電が設置された駐車位置を選択する駐車位置選択工程と、
前記駐車位置選択工程によって選択された前記駐車位置に関する情報を利用者の端末に送信する駐車情報送信工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−123819(P2012−123819A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−11329(P2012−11329)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【分割の表示】特願2011−509108(P2011−509108)の分割
【原出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】