説明

情報端末およびその制御用プログラム

【課題】情報端末において、消費電力の低減を図りつつ利便性が向上させる。
【解決手段】情報処理が開始されてから、特定の時間、継続して、タッチセンサ103やボタン104に対する操作がなされず、かつ、カメラ120が撮影した画像においてユーザの視線が検出されなければ、ディスプレイ102が消灯される。そして、そのまま実行中の情報処理が終了すれば、スピーカ107からの音声やバイブレータ109の振動など、ディスプレイ102における表示以外の方法で、当該情報処理の終了が報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末およびその制御用プログラムに関し、特に、消費電力低減のための表示制御を行なう情報端末およびその制御用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報端末において消費電力を低減させるための技術が種々開示されている。たとえば、端末において、操作されていない状態が特定の時間継続したことを条件として、液晶表示装置のバックライトを消灯させる技術が実用化されている。
【0003】
なお、このような技術によれば、ユーザが動画を鑑賞する等、操作を行なわずに画面を見続けている場合にも、バックライトが消灯されてしまうという不具合が生じる場合がある。
【0004】
この点に関し、特許文献1(特開2009−252650号公報)では、さらに、表示画面を見るユーザを正面から撮影するためのカメラを搭載し、当該ユーザが画面を見ているときにはバックライトを消灯させない技術が提案されている。
【0005】
なお、ユーザが画面を見ているか否かの判断については、特許文献2(特開2005−267108号公報)のような運転支援装置が開示されている。当該装置は、運転者が視認すべき対象物を見る必要があるか否かを、現在の運転者の視行動だけでなく過去の視行動も用いて判断する。
【0006】
ユーザの視線情報を用いた制御についても、技術が開示されている。たとえば、特許文献3(特開平4−255015号公報)や特許文献4(特開平5−298015号公報)や特許文献5(特開2006−59147号公報)には、人の眼球の動きや人の視線の方向や目の位置を検出し、これに基づいてディスプレイ上のカーソルを移動させる視線検出システムが開示されている。
【0007】
また、ユーザの利便性を向上させるための種々の技術も提案されている。
たとえば、特許文献6(特開2009−271591号公報)には、マルチウィンドウシステムにおいて、アプリケーションがアクティブかインアクティブかに応じて各アプリケーションプログラムによる処理の内容を決定する技術が開示されている。また、特許文献7(特開2010−62849号公報)には、携帯電話機の下筐体の水平状態や上筐体の開閉状態の検出結果に基づいて操作方法や表示内容を切り替える技術が開示されている。
【0008】
なお、省電力に関する技術についても、種々の提案がなされている。たとえば、特許文献8(特開2008−245105号公報)では、カメラにおいて、所定電力が要求される撮影準備状態と、所定電力よりも消費電力が少ない待機状態とを適切に切り替えて、電力の浪費を低減させるための技術が開示されている。
【0009】
さらには、人の状態を検出するための技術として、特許文献9(特許第3293308号公報)には、人の視線の状況を検出することによって判定する技術が開示され、また、特許文献10(特許第3272906号公報)には、顔の部分の画像から目の部分を含む画像を切り出すことによって、人の視線がどの方向を向いているかを検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−252650号公報
【特許文献2】特開2005−267108号公報
【特許文献3】特開平4−255015号公報
【特許文献4】特開平5−298015号公報
【特許文献5】特開2006−59147号公報
【特許文献6】特開2009−271591号公報
【特許文献7】特開2010−62849号公報
【特許文献8】特開2008−245105号公報
【特許文献9】特許第3293308号公報
【特許文献10】特許第3272906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ユーザが、実行中の処理の終了のタイミングのみを知りたい場合が考慮されていない。
【0012】
つまり、従来の技術によれば、実行中の処理の終了のタイミングを知りたい場合であっても、特定の時間継続して操作が行なわれなければバックライトが消灯されるため、ユーザは、バックライトを再度点灯させるために情報端末を操作しなければ、実行させていた処理が終了したかどうかを知ることができない。
【0013】
特許文献1に開示された技術によっても、実行中の処理の終了タイミングを知るには、少なくともユーザが画面を見ていることを必要とされた。
【0014】
近年、情報端末は、その処理能力の向上等により、複数のファイルを削除したり、ネットワークに大きなメールデータを送信するなど、扱われるデータ量が比較的大きな処理を実行する場合がある。ユーザが情報端末にこのような処理を要求した場合、ユーザは、当該処理終了後に別の処理を要求したいときには、最初に要求した処理の結果を待っている間、情報端末に対して特定の時間ごとに操作を行なうか、表示画面を見続けるか、ということを必要とされた。
【0015】
情報端末は、ユーザの好むタイミングで操作できることが必要であると考えられる。したがって、ユーザが、情報端末を利用しない他の作業と並行して当該端末を操作する場面等、処理を実行中の当該端末には注目する必要がないものの、当該処理の終了タイミングの報知を受けることはユーザにとって有益となる、という場面が多々存在すると考えられる。
【0016】
また、ユーザが特定の時間継続して操作を行なわないときにバックライトを消灯させるなど、ユーザの操作態様に応じて電力消費を抑えることは、電池を長持ちさせるという観点から重要であると言える。特に、近年、情報端末の表示画面が大型化して消費電力が上昇する一方で、情報端末が多機能化してユーザによる利用の場面が多くなり、このような情報端末の消費電力を抑えることは、ユーザが強く望むことであると考えられる。
【0017】
以上のように、端末の消費電力の低減と利便性の向上の両立を図ることは重要であるものの、上記した文献等を含む従来の技術では、この点については特に検討はなされていなかった。
【0018】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、情報端末の消費電力の低減を図りつつ利便性が向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に従った情報端末は、外部からの操作を受付けるための操作手段と、ディスプレイと、ユーザがディスプレイを見ていることを検出するための検出手段と、ディスプレイにおける表示以外の態様で報知動作を実行するための報知手段と、情報処理を実行するための制御手段とを備え、制御手段は、情報処理の実行中、特定の時間以上継続して操作手段に対する操作がなく、かつ、ユーザがディスプレイを見ている状態を検出手段が検出しなかった場合に、ディスプレイを消灯させ、さらに、情報処理が終了したことを報知手段に報知させる。
【0020】
好ましくは、検出手段は、ユーザがディスプレイを見ているか否かを判別することができる角度で撮影が可能なカメラによる撮像画像に基づいて、ユーザがディスプレイを見ている状態を検出する。
【0021】
好ましくは、報知手段は、ディスプレイとは別に備えられた表示手段における表示、振動、音声、または、他の機器への通信により、報知動作を実行する。
【0022】
好ましくは、制御手段は、実行中の情報処理が異常終了した場合には、当該情報処理が終了したことを報知手段に報知させ、実行中の情報処理が正常に終了した場合には、情報処理が終了したことを報知しない。
【0023】
好ましくは、制御手段は、情報処理の実行中、ディスプレイに情報処理の実行中であることを表示し、特定の時間以上継続して、操作手段に対する操作がなくかつユーザがディスプレイを見ている状態を検出手段が検出しなかった場合に、ディスプレイを消灯させた後、操作手段に対する操作がなされたときまたは検出手段によってユーザがディスプレイを見ている状態が検出されたときに、情報処理とは異なる他の処理の指示を受付けるための情報をディスプレイに表示する。
【0024】
好ましくは、制御手段は、他の処理の指示を受付けるための情報とともに、情報処理が実行中であることを示す情報を、ディスプレイに表示する。
【0025】
本発明に従った情報端末の制御用プログラムは、外部からの操作を受付けるための操作手段と、ディスプレイと、ディスプレイにおける表示以外の態様で報知動作を実行するための報知手段とを備える情報端末のコンピュータによって実行されるプログラムであって、情報端末に、ユーザがディスプレイを見ていることを検出するステップと、情報処理の実行中、特定の時間以上継続して操作手段に対する操作がなく、かつ、ユーザがディスプレイを見ている状態を検出手段が検出しなかった場合に、ディスプレイを消灯させるステップと、ディスプレイを消灯させた後、情報処理が終了した場合に、当該情報処理が終了したことを報知手段に報知させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、情報端末において、情報処理の実行中、特定の時間以上継続して操作手段に対する操作がなく、かつ、ユーザがディスプレイを見ている状態を検出手段が検出しなかった場合に、ディスプレイが消灯され、さらに、情報処理の終了が、ディスプレイにおける表示以外の態様で報知される。
【0027】
これにより、情報端末の消費電力の低減を図りつつ利便性が向上させることができる。また、ディスプレイを見ていない状態にあるユーザに対して、確実に、情報処理の終了が報知される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態の情報端末の外観の一例を示す図である。
【図2】図1の情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】情報端末において実行される処理内容の一例を示すフローチャートである。
【図4】情報端末において実行される処理内容の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1のディスプレイにおける表示態様の一例を模式的に示す図である。
【図6】図1のディスプレイにおける表示態様の他の例を模式的に示す図である。
【図7】図1のディスプレイにおける表示態様のさらに他の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の照明装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同一の機能および作用を有する要素については、同じ符号を付し、重複する説明を繰返さない。
【0030】
[第1の実施の形態]
<情報端末の構成>
図1は、本発明の一実施の形態の情報端末の外観の一例を示す図である。また、図2は、当該情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0031】
図1を参照して、情報端末100は、筐体の外面にタッチパネル106を備えている。また、当該外面には、タッチパネル106に隣接して、操作用のボタン104およびカメラ120が備えられている。情報端末100は、携帯電話機のように通話機能やメール送受信機能を有していても良いし、PDA(Personal Digital Assistance)のように通信機能のみを有していても良いし、または、通信機能を有していなくても良い。また、情報端末100は、電子書籍リーダや、パーソナルコンピュータ等とともに利用されるディスプレイ、テレビ受像機などである場合も有り得る。
【0032】
カメラ120は、タッチパネル106に含まれるディスプレイ(後述するディスプレイ102)を見るユーザを撮影するために設けられている。なお、このようなカメラが情報端末100とは別に設けられ、情報端末100では、当該カメラが撮影する画像を取得することができれば、もしくは、他にそのようなユーザを検出するための構成を備えていれば、カメラ120が備えられていなくても良い。
【0033】
なお、カメラ120は、ユーザがディスプレイを見ているか否かを判別することができる角度で撮影が可能な位置に配置されていればよく、たとえば、情報端末100のディスプレイが設置された面と同じ面に設けられる。ただし、カメラ120は、ディスプレイと同じ面に設置される必要はない。上記のような角度で撮影が可能な角度に設置されていれば、たとえば、情報端末100の本体が蝶番で連結された複数の筐体から構成される場合に、当該複数の筐体のうち、ディスプレイ102が設けられた筐体とは異なる筐体に設けられていても良い。
【0034】
図2を参照して、情報端末100は、さらに、メモリ101と、通信インターフェイス105と、スピーカ107と、時計108と、バイブレータ109と、CPU(Central Processing Unit)110とを含む。タッチパネル106は、ディスプレイ102と、ディスプレイ102上に配設されたタッチセンサ103とを含む。
【0035】
メモリ101は、各種のRAM(Random Access Memory)や、ROM(Read-Only Memory)や、ハードディスクなどである。メモリ101は、CPU110によって実行される制御プログラムを含む種々の情報を記憶する。
【0036】
なお、CPU110は、情報端末100に対して着脱可能な記憶媒体に記録されたプログラムを実行しても良い。また、CPU110がプログラムを実行する際に利用するデータは、情報端末100に対して着脱可能な記憶媒体101Aに記録されていても良い。
【0037】
このような記憶媒体としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0038】
情報端末100において、通信インターフェイス105は、ネットワークに接続することにより、または、直接、サーバ等の他の機器と通信する。通信インターフェイス105は、ネットワークカードなどによって実現される。なお、通信方法は、無線であっても良いし、有線であっても良い。また、通信態様としては、Bluetooth(登録商標)や、無線LAN(Local Area Network)であっても良いし、Wi−Fi(wireless fidelity)認証を受けた無線LANであっても良いし、近距離無線通信であっても良く、また、ISA(Industry Standard Architecture)バスやUSB(Universal Serial Bus)バスを利用した有線通信であっても良い。
【0039】
スピーカ107は、CPU110からの指示に基づいて、音声を出力する。
時計108は、計時動作を実行する。CPU110は、後述するタイマによる計時時間を参照する場合、時計108の計時機能を利用する。
【0040】
バイブレータ109は、CPU110からの指示に基づいて、情報端末100の本体を振動させ、マナーモード等における着信の報知などに利用される。
【0041】
タッチパネル106の動作は、マトリクス・スイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等、いかなる方式に沿ったものであっても良い。
【0042】
<処理内容>
図3および図4は、情報端末100において情報処理が実行される際の処理内容を示すフローチャートである。
【0043】
まず図3を参照して、情報端末100において情報処理を開始する条件が成立すると、CPU110は、ステップS10において、当該処理を開始させて、ステップS20へ処理を進める。ここで、情報処理の開始条件の成立とは、たとえば、情報端末100において、タッチセンサ103および/またはボタン104に対して当該処理を開始するための操作がなされたこと、当該処理を開始するために予め定められた時刻が到来したこと、通信インターフェイス105を介して他の機器から当該処理を開始する指示を受信したことが挙げられる。
【0044】
ステップS20では、CPU110は、特定の時間を計時するタイマを開始させて、ステップS30へ処理を進める。
【0045】
ステップS30では、CPU110は、ディスプレイ102に、ステップS10で開始した情報処理が実行中であることを表示させて、ステップS40へ処理を進める。
【0046】
図5は、ディスプレイ102における表示態様の一例を模式的に示す図である。以下、本明細書では、ディスプレイ102における表示を、タッチパネル106における表示とも言う。
【0047】
図5では、タッチパネル106に、「ダウンロード中」というメッセージが表示されている。本明細書では、情報端末100において実行される情報処理の一例として、図示せぬサーバからのファイルを挙げる。そして、当該文字が、ステップS10で開始させた処理を実行中であることの表示に対応する。
【0048】
なお、図5では、タッチパネル106(ディスプレイ102)に「キャンセル」というソフトウェアボタンが表示されている。この状態では、当該ボタンに対して操作がなされると、すでに公知となっている技術と同様に、実行中の処理のための動作、つまり、ダウンロード動作がキャンセルされる。
【0049】
なお、上記したファイルのダウンロードは、情報端末100において実行される情報処理の単なる一例である。本発明に技術的思想に関与する、情報端末100において実行される情報処理の種類はこれに限定されず、メモリ101に登録されたファイルの削除や、メモリ101のディレクトリ間でのファイルの移動や、カメラ120において撮影された写真や動画の編集、などであってもよい。
【0050】
図3に戻って、ステップS40では、CPU110は、ステップS10で開始した処理が終了したか否かを判断し、終了したと判断するとステップS50に処理を進め、まだ終了していないと判断するとステップS60へ処理を進める。
【0051】
ステップS50では、CPU110は、タッチパネル106に上記処理が終了したことを表示させて、待機状態へと戻る。図6は、ステップS50において表示される画面の一例を示す図である。
【0052】
図6を参照して、タッチパネル106において、「ダウンロード完了」というメッセージが表示されている。情報端末100において、図6に示された上記メッセージが、ステップS50における、ステップS10で開始した処理の終了の表示に対応する。
【0053】
図3に戻って、ステップS60では、CPU110は、ステップS20で計時を開始させたタイマの計時終了前に、情報端末100に対して操作がなされたか否か、つまり、タッチセンサ103またはボタン104に対して操作がなされたか否かを判断し、操作がなされたと判断するとステップS20へ処理を戻し、タイマの計時動作を、最初からやり直す。一方、そのような操作がなされなかったと判断すると、CPU110は、ステップS70へ処理を進める。
【0054】
ステップS70では、CPU110は、カメラ120に撮影動作を実行させて、ステップS80へ処理を進める。
【0055】
ステップS80では、CPU110は、ステップS70でカメラ120によって撮影された画像に、ユーザの視線が含まれているか否かを判断し、含まれていると判断するとステップS20へ処理を戻し、タイマの計時動作を最初からやり直す。一方、視線が検出できなかった場合には、CPU110は、ステップS90へ処理を進める。
【0056】
なお、ステップS80における、画像中に視線が含まれているか否かの判断は、公知の技術、つまり、たとえば画像に対するパターン認識等によって実現される。また、特許文献1に開示されているように、撮影された画像に基づいて人物の顔画像を認識し、顔検出が行なわれることによって、実現されても良い。
【0057】
ステップS90では、CPU110は、ディスプレイ102を消灯させて、ステップS100へ処理を進める。
【0058】
図4を参照して、ステップS100では、CPU110は、ステップS10で開始させた情報処理が終了したか否かを判断し、まだ終了していないと判断するとステップS110へ処理を進め、終了したと判断するとステップS130へ処理を進める。
【0059】
ステップS110では、CPU110は、情報端末100に対して操作がなされたか否か、つまり、タッチセンサ103またはボタン104に対して操作がなされたか否かを判断し、操作がなされたと判断するとステップS120へ処理を進め、なされていないと判断すると、ステップS100へ処理を戻す。
【0060】
なお、情報端末100では、通信インターフェイス105は、情報端末100に接続されたキーボードやマウスなどの入力装置のインターフェイスとしても機能する。本明細書において「情報端末100に対して操作がなされた」ことは、CPU110に、通信インターフェイス105を介して、上記入力装置においてなされた操作に対応した情報が入力されることも含む。
【0061】
ステップS120では、CPU110は、タッチパネル106にメニュー画面を表示させて、さらなる指示入力に対して待機する。なお、この状態では、CPU110は、ステップS10で開始させた処理をバックグラウンドで実行しながら、新たな情報処理のための操作を受付けるために待機する。
【0062】
なお、ステップS120において表示されるメニュー画面では、ステップS10で開始させた情報処理が実行中であることを示す表示が、併せて行なわれてもよい。図7は、タッチパネル106に表示される画面の一例を示す図である。
【0063】
図7では、タッチパネル106において、図1に示したようなメニュー画面にアイコン100Aが追加された画面が表示されている。アイコン100Aは、バックグラウンドで実行されている情報処理(本明細書では、ファイルのダウンロード)の実行中を示すアイコンである。
【0064】
CPU110は、上記した情報処理を(バックグラウンドで)実行している期間中、タッチパネル106に、アイコン100Aを表示させる。そして、CPU110は、上記した情報処理が終了すると、アイコン100Aの表示を、タッチパネル106から消去する。
【0065】
一方、ステップS130では、CPU110は、報知が必要か否かを判断し、必要であると判断するとステップS160へ処理を進め、報知が不要であると判断するとステップS140へ処理を進める。
【0066】
情報端末100では、ステップS90でディスプレイ102を消灯させた後、CPU110が実行する情報処理の報知の要否についての設定内容が登録され得る。当該設定内容は、たとえば、ユーザがタッチセンサ103を操作することによって、もしくは、通信インターフェイス105を介して他の機器から指示される内容に基づいて、入力および変更がされ得る。当該設定内容は、たとえばメモリ101に登録されている。ステップS130では、CPU110は、メモリ101に登録された設定内容を読込むことにより、ステップS130の処理を実行する。
【0067】
具体的には、たとえば、ユーザは、一度処理実行中にディスプレイ102が消灯された後、処理の終了タイミングの報知を受けることを希望する場合には、報知が必要であるという設定内容を登録しておく。これにより、ステップS130では、報知が必要であると判断されて、ステップS160へ処理が進められる。
【0068】
ステップS160では、CPU110は、ステップS10で開始させた情報処理の終了を、ステップS50における報知方法とは別の方法で報知させ、さらに、一定の時間を計時するタイマを開始させて、ステップS170へ処理を進める。なお、「別の方法」としては、たとえば、スピーカ107を介した音声の出力や、通信インターフェイス105を介した外部の装置への音声の出力や情報の表示の指示信号の送信が挙げられる。
【0069】
ステップS170では、CPU110は、ステップS160で計時を開始させたタイマが終了したか否かを判断し、まだ終了していないと判断するとステップS180へ処理を進める。
【0070】
ステップS180では、CPU110は、タッチセンサ103および/またはボタン104に対して操作がなされたか否かを判断し、操作がなされていないと判断するとステップS170へ処理を戻し、なされたと判断するとステップS190へ処理を進める。
【0071】
ステップS190では、CPU110は、タッチパネル106に、図6を参照して説明したような、ステップS10で開始させた情報処理の終了を表示によって報知させて、待機状態へと移行する。
【0072】
ステップS170において、CPU110は、ステップS160で計時を開始させたタイマが終了したと判断すると、ステップS200へ処理を進める。
【0073】
ステップS200では、CPU110は、タッチセンサ103および/またはボタン104に対して操作がなされるまで待機し、操作がなされたと判断するとステップS210へ処理を進める。
【0074】
ステップS210では、CPU110は、タッチパネル106に、図1を参照して説明したようなメニュー画面を表示させて、待機状態へと移行する。
【0075】
また、ステップS140では、CPU110は、タッチセンサ103および/またはボタン104に対して操作がなされたか否かを判断し、なされたと判断するとステップS150へ処理を進める。ステップS150では、CPU110は、タッチパネル106に、図1に示したようなメニュー画面を表示させて、待機状態に移行する。
【0076】
以上説明した本実施の形態では、情報端末100は、ディスプレイ102を消灯させた後(ステップS90)、ステップS10で開始した情報処理が終了した場合、報知が必要である設定がなされていれば、タッチパネル106における表示以外の方法で、上記処理の終了を報知する。
【0077】
ここでの報知方法とは、消灯されたディスプレイ102(タッチパネル106)における表示以外の方法であれば、如何なる方法であってもよい。たとえば、上記したスピーカ107からの音声出力やバイブレータ109の振動であっても良いし、情報端末100にディスプレイ102とは別にLED(Light Emitting Diode)が設けられている場合に、通信インターフェイス105を介して報知動作を指示する信号を出力することよって、当該LEDを所定のパターンで表示させることによって実現されてもよい。
【0078】
なお、ステップS160では、情報端末100は、少なくとも報知動作を実行するための最低限の処理を実行することが意図される。つまり、情報端末100自体が、音声出力や筐体の振動等の最終的な報知動作を実行する場合に限らず、通信インターフェイス105を介して、音声や光などを利用した報知動作が可能な外部の機器に報知動作を指示する信号を出力する場合も、ステップS160の処理内容に含まれることが意図される。この場合、情報端末100は、上記「外部の機器」において実現される最終的な報知動作の実現のための処理を実行することになる。
【0079】
本実施の形態では、上記した「ディスプレイ102における表示以外の方法」による報知を実現するためのスピーカ107、バイブレータ109、通信インターフェイス105等により、報知手段が構成される。
【0080】
なお、ディスプレイ消灯後の情報処理終了の報知の要否の判断基準は、メモリ101等に登録された設定内容以外の事項である場合もあり得る。たとえば、ステップS10において開始された情報処理の終了態様が、正常に終了したか異常終了したかによって、上記した別の方法での報知がなされるか否かが決定されてもよい。
【0081】
異常終了とは、ステップS10において開始された処理の目的が達成されることなく、処理が終了されることを言い、具体例としては、ファイルのダウンロード中にサーバとの通信が切断され、所定回数リトライが行なわれる間にも当該通信が回復せず、ダウンロード処理が中止された場合が挙げられる。
【0082】
<その他の変形例等>
以上説明した本実施の形態では、情報処理が開始されてから、上記したタイマで計時される特定の時間、継続して、タッチセンサ103やボタン104に対する操作がなされず、かつ、カメラ120が撮影した画像においてユーザの視線が検出されなければ、ディスプレイ102が消灯される(ステップS90)。そして、そのまま実行中の情報処理が終了すれば、スピーカ107からの音声やバイブレータ109の振動など、ディスプレイ102における表示以外の方法で、当該情報処理の終了が報知される。
【0083】
本実施の形態では、ユーザがディスプレイ102の表示を見ていることが、ディスプレイ102近傍に設けられたカメラ120によって撮影された画像に対する顔認識および顔検出に基づいてなされていた。なお、本実施の形態の情報端末において、ユーザがディスプレイの表示を見ていることの検出態様は、これに限定されない。
【0084】
たとえば、ユーザが当該ユーザの視線と連動して移動するような部位にIC(Integrated Circuit)カードなどの機器を装着し、情報端末100ではディスプレイ102の近傍に当該ICカードと近距離無線通信を行なうための装置など、上記機器と通信可能な装置が設置され、そして、当該装置においてICカードが所定範囲内に存在していることが検出されたことなど、上記機器との通信状態に基づいて、ユーザがディスプレイにおける表示を見ていることを検出されてもよい。
【0085】
また、ユーザがディスプレイを見ていることは、上記した態様以外にも、光学的、電気的、もしくは磁気的手法など、考えられ得るすべての手段を利用して、検出されることが意図される。
【0086】
また、上記したディスプレイ102における表示以外の方法での報知は、CPU110が、通信インターフェイス105を介して他の機器に報知動作を指示する信号を送信することによって実現されてもよい。これに応じて、ステップS10で開始された情報処理の終了が、たとえばユーザが所持している他の表示装置などにおいて所定のメッセージが表示されることにより、報知される。
【0087】
また、情報端末100は、特定の時間以上継続して操作がなくかつユーザがディスプレイを見ていることが検出しなかったことを条件としてディスプレイを消灯させた後、操作がなされると(ステップS110)、実行中の処理をバックグラウンドで実行しながら、別の指示の入力を受付ける状態となる(ステップS120)。
【0088】
なお、情報端末100は、ステップS110では、操作の入力の代わりに、ユーザがディスプレイを見ていることを検出したことを条件としても、別の指示の入力を受付ける状態に移行しても良い。
【0089】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0090】
また、実施の形態およびその変形例に記載の発明は、単独で、または、可能な限り組合わされて、実施されることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
100 情報端末、100A アイコン、101 メモリ、102 ディスプレイ、103 タッチセンサ、104 ボタン、105 通信インターフェイス、106 タッチパネル、107 スピーカ、108 時計、109 バイブレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの操作を受付けるための操作手段と、
ディスプレイと、
ユーザが前記ディスプレイを見ている状態を検出するための検出手段と、
前記ディスプレイにおける表示以外の態様で報知動作を実行するための報知手段と、
情報処理を実行するための制御手段とを備え、
前記制御手段は、情報処理の実行中、特定時間以上継続して前記操作手段に対する操作がなく、かつ、ユーザが前記ディスプレイを見ている状態を前記検出手段が検出しなかった場合に、
前記ディスプレイを消灯させ、さらに、
前記情報処理が終了したことを前記報知手段に報知させる、情報端末。
【請求項2】
前記検出手段は、ユーザが前記ディスプレイを見ているか否かを判別することができる角度で撮影が可能なカメラによる撮像画像に基づいて、ユーザが前記ディスプレイを見ている状態を検出する、請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記報知手段は、前記ディスプレイとは別に備えられた表示手段における表示、振動、音声、または、他の機器への通信により、報知動作を実行する、請求項1または請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記制御手段は、
実行中の前記情報処理が異常終了した場合には、当該情報処理が終了したことを前記報知手段に報知させ、
実行中の前記情報処理が正常に終了した場合には、前記情報処理が終了したことを報知しない、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の情報端末。
【請求項5】
前記制御手段は、情報処理の実行中、
前記ディスプレイに前記情報処理の実行中であることを表示し、
特定時間以上継続して、前記操作手段に対する操作がなくかつユーザが前記ディスプレイを見ている状態を前記検出手段が検出しなかった場合に、前記ディスプレイを消灯させた後、前記操作手段に対する操作がなされたときまたは前記検出手段によってユーザが前記ディスプレイを見ている状態が検出されたときに、前記情報処理とは異なる他の処理の指示を受付けるための情報を前記ディスプレイに表示する、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の情報端末。
【請求項6】
前記制御手段は、前記他の処理の指示を受付けるための情報とともに、前記情報処理が実行中であることを示す情報を、前記ディスプレイに表示する、請求項5に記載の情報端末。
【請求項7】
外部からの操作を受付けるための操作手段と、ディスプレイと、前記ディスプレイにおける表示以外の態様で報知動作を実行するための報知手段とを備える情報端末のコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記情報端末に、
ユーザが前記ディスプレイを見ている状態を検出するステップと、
情報処理の実行中、特定時間以上継続して前記操作手段に対する操作がなく、かつ、ユーザが前記ディスプレイを見ている状態を前記検出手段が検出しなかった場合に、前記ディスプレイを消灯させるステップと、
前記ディスプレイを消灯させた後、前記情報処理が終了した場合に、当該情報処理が終了したことを前記報知手段に報知させる、情報端末の制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−115633(P2013−115633A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260452(P2011−260452)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】