説明

情報表示システム及びそれに用いるサーバ

【課題】講演中に受講者が講師に対して気楽且つ容易に質問や意見を出すことができ、しかもその質問や意見をリアルタイムで会場に表示することが可能な情報表示システムを提供する。

【解決手段】インターネットに接続可能な携帯電話(1)と、インターネットに接続されwebページを公開可能なサーバ(2)と、インターネットに接続された端末(3)と、端末(3)に接続された表示装置(4),(5)とを備え、サーバ(2)は携帯電話(1)からのEメールを受信した際にEメール中の本文を抽出したwebページを作成してインターネット上で閲覧可能な状態とし、端末(3)はwebページの画面を該表示装置(4),(5)に表示させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、講演中に受講者からの意見や質問などをリアルタイムで表示する情報表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
講演会,セミナー,講義などに参加すると講師や開催者から質問や意見を求められることがある。しかしながら人前で意見を述べることは勇気が必要で、思い切って発言することは難しい。特に近年では対人関係で苦手意識を持ち人も多く、積極的な意見交換がされる講演会やセミナーは少ない。
【0003】
受講者にしてみれば「こんなことを質問して笑われないだろうか」、「内容と外れた質問になってないだろうか」、「後から知人に冷やかされないだろうか」、「他の受講者からいやな奴だと思われないだろうか」、「反対意見の人に攻撃されないだろうか」、「講師や他の受講者の迷惑にならないだろうか」等、色々考えてしまい結局質問できずに終わってしまうことが多い。そのため、折角の機会を有効に活用することができない。
【0004】
一方、講師や主催者としては受講者の意見,質問,意識を基にして講演を進めたい場合もあり、受講者からの反応が無いと講演を進めにくいこともある。又、講師の呼びかけに対して受講者からの積極的な反応が無いと会場が気まずい雰囲気になってしまい、盛り上がりに欠ける講演となってしまうことも多い。
【0005】
受講者からの意見や質問を得る手段としてはアンケート用紙や質問用紙を配布し、記入してもらった後に集めるという方法もある。しかしながら、講演中に用紙を回収して整理するのは困難であり、休憩時間又は講演終了後に集めて講師からまとめてコメントをする程度である。そのため、リアルタイムで利用できず、講師のコメントを聞いて更に深く質問をすることも難しい。
【0006】
又、会場で受講者の意識調査をしたい場合、挙手してもらうこともある。しかし、この場合でも「多数の人と違う選択肢に手を上げるのは恥ずかしい」等の理由で、挙手しない受講者や本当の意思と異なる選択肢に挙手してしまう受講者もいる。
【0007】
しかも、手を挙げている人の数を正確にカウントするのは難しく、更に、手の挙げ方が不十分であったり、直ぐに手を下ろしたりする受講者も多いため、「約半数」とか「1/4程度」というような極めて大雑把な割合しか把握できない。例えば200人中96人が賛成、104人が反対というような場合ではどちらの意見が多いのかわからない。
【0008】
意識調査をするための手段としては、1又は2以上のボタンを有する投票装置を受講者の人数分に設置し、受講者がボタンを押すと投票装置に接続された集計装置によりボタンが押された数が集計され、集計装置に接続された会場内の電光表示板に表示させるシステムが知られている。
【0009】
確かにこのようなシステムを用いれば、リアルタイムでボタンを押した受講者の数を正確にカウントすることができる。しかしながら、投票装置と集計装置との間の接続が有線であっても無線であっても大がかりな装置となってしまい、会場の備え付けの装置と成ってしまう。つまり、別の会場での使用は困難である。又、設備コストも大きくならざるを得ない。
【特許文献1】特開2003−85328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、講演中に受講者が気楽且つ容易に講師に対して質問や意見を出すことができ、しかもその質問や意見をリアルタイムで会場に表示することが可能な情報表示システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1記載の情報表示システムは、インターネットに接続可能な携帯電話(1)と、インターネットに接続されwebページを公開可能なサーバ(2)と、インターネットに接続された端末(3)と、該端末(3)に接続された表示装置(4),(5)とを備え、該サーバ(2)は該携帯電話(1)からのEメールを受信した際に該Eメール中の本文を抽出したwebページを作成してインターネット上で閲覧可能な状態とし、該端末(3)は該webページの画面を該表示装置(4),(5)に表示させることが可能であることを特徴とする。
【0012】
これによれば、携帯電話(1)でサーバ(2)にメールを送るだけで、メール本文が掲載されたwebページがインターネット上に公開され、閲覧することが可能となる。したがって、インターネットに接続された端末(3)を使用してそのwebページにアクセスすれば、端末(3)に接続された表示装置(4),(5)を利用してwebページの画像を表示されることができる。携帯電話の使用者はEメールを送るだけで自分の書いたEメールの内容を容易に表示させることができるので、周囲を気にすることなく積極的に意見や質問などの情報を提供することができる。
【0013】
請求項2記載の情報表示システムは請求項1のシステムにおいて、該サーバ(2)は投票用のwebページと複数の選択肢用のwebページを記録しており、該投票用webページには該複数の選択肢用webページへのリンクが設けられており、該サーバ(2)は各選択肢用webページへのアクセス数を計数して計数結果を投票結果用のwebページに反映させてインターネット上で閲覧可能な状態とし、該端末(3)は該投票結果用webページの画面を該表示装置(4),(5)に表示させることが可能であることを特徴とする。
【0014】
これによれば携帯電話(1)から所定の投票用webページにアクセスして選択肢を選んで送信するだけで各選択肢が選ばれた数をサーバ(2)でカウントすることができる。そして、カウントの結果はwebページとしてインターネット上に公開されるため、端末(3)を通して表示装置(4),(5)に表示させることができる。したがって、各選択肢が選ばれた数を容易且つ正確に表示させることができる。
【0015】
請求項3記載の情報表示システムは請求項1のシステムにおいて、サーバ(2)は複数の選択肢と個別に対応付けられた複数のメールアドレス(41)宛のEメールを受信することができ、各メールアドレス宛てに送信されたEメールの数を計数して計数結果を投票結果用のwebページに反映させてインターネット上で閲覧可能な状態とし、該端末(3)は該投票結果用webページの画面を該表示装置(4),(5)に表示させることが可能であることを特徴とする。
【0016】
これによれば、選択したい選択肢に関連づけられているメールアドレス(41)宛てにEメールを送信すれば、サーバは各メールアドレス宛に送信されたEメールの数をカウントして結果をwebページに公開し、端末(3)を通して表示装置(4),(5)に表示させることができる。
【0017】
請求項4記載の情報表示システムは請求項1記載のシステムにおいて、サーバ(2)は投票用のメールアドレス宛(42)に送信されたEメールを受信することができ、受信したEメールの本文又は件名に記載されている選択肢の番号又は記号を抽出し、抽出した番号又は記号の数を計数して計数結果を投票結果用のwebページに反映させてインターネット上で閲覧可能な状態とし、該端末(3)は該投票結果用webページの画面を該表示装置(4),(5)に表示させることが可能であることを特徴とする。
【0018】
これによれば、Eメールから選択肢の番号又は記号を抽出してカウントし、結果をwebページに公開し、端末(3)を通して表示装置(4),(5)に表示させることができる。そのため、投票用のメールアドレス(42)は1つ用意するだけよい。
【0019】
請求項5記載の情報表示システムは請求項3又は請求項4のシステムにおいて、サーバ(2)は同じ発信者から複数回Eメールが送られてきた場合に、最初のEメールについてのみ計数し、2回目以降のEメールについては計数に加えないことを特徴とする。
【0020】
これによれば、同じ者から複数回に渡って選択があった場合でも、その者から最初に送られてきたEメールのみに基づいて集計することができる。したがって、選択の重複を回避し、集計の信頼性を高めることができる。
【0021】
請求項6記載の情報表示システムは請求項3又は請求項4のシステムにおいて、サーバ(2)は同じ発信者から複数回Eメールが送られてきた場合に、最新のEメールについてのみ計数し、該発信者からそれ以前に送られてきたEメールに基づく情報は計数結果から排除することを特徴とする。
【0022】
これによれば、常に最新の選択に基づいて集計,表示することができる。そのため、選択肢の選び直しが可能となり、各選択肢の選択されている数の推移をリアルタイムで確認することもできる。
【0023】
請求項7記載の情報表示システムは請求項1〜請求項6のシステムにおいて、表示装置としてプロジェクタ(4)とスクリーン(5)を使用したことを特徴とする。
【0024】
これによれば、画面を大きなスクリーン(5)に映し出すことができるため、大きな会場でも場内の多くの者に見せることが容易となる。
【0025】
請求項8記載の情報表示システムは請求項1〜請求項7のシステムにおいて、携帯電話(1)と接続することにより該携帯電話に対して自動的に特定メールアドレスへのメール送信を指示する記録装置を備え、前記サーバ(2)は該メールを受信した際に、少なくとも予め決められた投稿用のメールアドレスが記載された案内用のEメールを該携帯電話(1)に自動的に返信することを特徴とする。
【0026】
これによれば、携帯電話(1)に記録装置を接続するだけでサーバ(2)にEメールを自動的に送信することができる。そのため、メールアドレスの入力間違いを生じさせることが無く、しかもメール送信の操作が極めて楽になる。携帯電話(1)からのEメールを受信するとサーバ(2)から案内メールが自動的に返信されるため、携帯電話(1)に投稿用のメールアドレスを通知することが容易となる。
【0027】
請求項9記載の情報表示システムは請求項2のシステムにおいて、サーバ(2)は選択肢用webページにアクセスさせる前にログインを求めることを特徴とする。
【0028】
これによれば同じ者が複数回アクセスしたことがわかるため、適当な処理を行うことにより重複のない集計をすることができる。又、部外者による悪戯アクセスを防止することができ集計の信頼性を高めることができる。
【0029】
請求項10記載の情報表示システム用サーバは、インターネットに接続されており、携帯電話(1)からのEメールを受信した際に該Eメール中の本文を抽出したwebページを作成してインターネット上で閲覧可能な状態とすることによりインターネットを介して端末(3)又は該端末(3)に接続された表示装置(4),(5)に該webページを表示させることが可能であることを特徴とする。
【0030】
これを用いれば請求項1〜請求項9の情報表示システムを容易に実施することが可能となる。
【0031】
請求項11記載の情報表示システム用サーバは請求項10のサーバにおいて、選択肢に対応した複数のメールアドレス宛のEメールを受信することができ、各メールアドレス宛てに送信されてきたEメールの数を計数し、計数結果を示したwebページを作成してインターネット上で閲覧可能な状態とすることによりインターネットを介して端末(3)又は該端末に接続された表示装置(4),(5)に該計数結果を示したwebページを表示させることが可能であることを特徴とする。
【0032】
これを用いれば請求項3記載の情報表示システムを容易に実施することが可能となる。
【0033】
請求項12記載の情報表示システム用サーバは請求項11記載のサーバにおいて、同じメールアドレスの発信元から複数のEメールを受信した際に、該発信元からのEメールについては最初に受信したEメールのみに基づいて計数することを特徴とする。
【0034】
これを用いれば請求項5記載の情報表示システムを容易に実施することが可能となる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、講演やセミナーの受講者は携帯電話を使って意見や質問を送ることができ、その質問は会場に設けられた表示装置にリアルタイムで表示させることができる。そのため、受講者は他の受講者を気にすることなく発言や質問をすることができ、講演を有意義なものとすることができる。
【0036】
講師も受講者の要望や疑問に応じた内容の濃い講演をすることが可能となり、しかも受講者の意識調査も容易且つ正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0038】
本実施例は本システムを講演やセミナー等で利用する場合を例にとって説明する。本システムを使うことにより受講者は講師に対して容易に意見,質問を開陳することや意識調査に回答することができる。
【0039】
図1は、本実施例のシステムを説明する図である。図中において(1)は受講者の携帯するインターネットに接続可能な携帯電話(本願において「携帯電話」とはPHSも含む概念の用語として使用している)である。(2)は管理者のサーバであり、インターネットに接続されwebページの公開が可能となっている。(3)は講演会場に設置されるインターネットに接続可能な端末であるが、会場側が提供するパソコンであっても良いし、講師や主催者が持ち込んだノートパソコン等でも良い。端末(3)はプロジェクタ(4)に接続され、プロジェクタ(4)から投影された画像は会場のスクリーン(5)に表示される。スクリーン(5)は講師にも受講者にも見えやすいように設置することが好ましい。
【0040】
講演の受講者には所定のメールアドレスが知らされる。本実施例では配布するレジュメ,資料又は入場整理券等に当該メールアドレスを表示したが、会場内のどこかにメールアドレスを表示しておいても良い。例えば、スクリーン(5)に映写することや、垂れ幕等に記載しておいても良い。
【0041】
受講者は携帯電話を用いて指定されたメールアドレスに空メール(文章などの内容を記載しないメール)を送信する。尚、空メールとしたのは送信者、つまり受講者のメールアドレスがわかれば足りるためであり、内容の記載が有るメールでもシステム上支障はない。
【0042】
メールを受信した管理者のサーバ(2)は受信メールの送信先メールアドレスに対して自動的に案内メールを返信する。図2は案内メールの画面の一例を示した図である。案内メールの内容は特に限定されないが、少なくとも投稿のためのメールアドレス(21)が掲載されている必要がある。
【0043】
講師や主催者が受講者に対して意見や質問を求めた際に受講者は案内メールに掲載されたメールアドレスを選択して当該メールアドレス宛のメールを作成する。図3は携帯電話(1)のメール作成画面の一例を示した図である。携帯電話(1)のメール機能により送信先(11)は自動的に案内メールに記載のメールアドレスとなるので、「Subject(件名)」と「本文」を入力すればよい。「Subject(件名)」の欄(12)は空白でも良いが、本実施例では「氏名」を記入してもらうようにした。これには無記名の悪戯的な投稿を抑制する意味もある。
【0044】
メールの「本文」の欄(13)は講師の求めに応じた内容を記載する。例えば、「起業することについてどう思いますか?」という講師の呼びかけに対しては、受講者は起業について自ら考えていることを記載する。又、講師が質問を求めた際には質問内容を記載する。メール作成が完了すると受講者はEメールの送信を行う。この操作は通常のメール送信の操作と全く同じである。
【0045】
Eメールはインターネットを介して管理者のサーバ(2)に届く。サーバ(2)は受講者の携帯電話(1)から所定のメールアドレス宛てのメールが送られてくると、その本文を抽出して掲示板用のwebページに掲載していく。投稿数が多くて一画面に表示しきれない場合は複数のwebページに分けるようにしても良い。
【0046】
掲示板用のwebページはインターネット上に公開され、その画面は会場に設けられた端末(3)で閲覧できる。端末(3)の画面はプロジェクタを通して会場のスクリーン(5)に表示される。尚、本実施例では大きく表示させるためにプロジェクタ(4)とスクリーン(5)を用いて表示したが、他の表示装置、例えばプラズマディスプレイ,大型TVモニタ等に表示させるようにしても良い。
【0047】
掲示板用のwebページはメールを受けるたびに自動的に情報を追加して公開していくが、端末(3)でwebページをリロード(再読込)することにより最新の情報を表示させることができる。リロードは所定時間(例えば10秒)毎に行っても良いし、講師又は主催者側の担当者が講演の展開に合わせて任意に行うようにしても良い。
【0048】
図4は掲示板用webページの画面の一例を示した図である。メール中の本文のみ表示される。「Subject」に記載された氏名は表示するようにしても良いが、名前を出さない方が投稿を促進できると思われたのであえて表示しないようにした。実施例では投稿された時刻を参考までに表示するようにしたが、これは必ずしも表示させる必要はない。複数ページにわたる場合はページ間のリンク(31)を利用して希望するページを表示させると良い。
【0049】
講師はスクリーン(5)に表された意見や質問を受講者と共に見て、解説や回答をする事ができる。受講者も人前で気恥ずかしい思いをすることなく意見や質問を講師に投げかけることができるので、積極的に講演に参加でき講演内容の理解が深くなる。更には講師と受講者との一体感が生じるという効果も得られると考えられる。
【0050】
尚、必要ならばサーバ(2)の管理者又は端末(3)の操作者が投稿内容をチェックして不適当な投稿、例えば公序良俗に反するような内容や、特定個人を攻撃するような内容の投稿については適宜掲示板用webページから削除するようにしても良い。
【0051】
講演内容が別の話題に移る場合には受講者がスクリーンに気を取られないようにすることが好ましい。その場合はプロジェクタ(4)の投影をOFFするか、別の注意を引かないような画面を表示させておけばよい。
【0052】
受講者の意識調査アンケートを取りたい場合、案内メール(図2)に記載された投票用のwebページ(以下「投票ページ」という)にアクセスさせる。図5は投票ページの画面の一例を示した図である。受講者は案内メールに記載されたURL(22)を選択するだけでよいのでアクセスは容易である。
【0053】
投票ページには複数の選択肢(32)が所定のURLとリンクして設けられている。例えば受講者がカーソル移動により選択肢「No.1」を選択して送信すると、それに関連づけられているURLの選択肢用のwebページへのアクセスとなる。選択肢用webページはサーバ(2)に記録されているためサーバ(2)で各選択肢用のURLへのアクセス数をカウントすることにより容易に各選択肢を選んだ人の数を求めることができる。
【0054】
そしてサーバ(2)はカウント結果を所定の投票結果用のwebページに表示させてインターネット上で閲覧可能とする。図6は投票結果用webページの画面の一例を示した図である。この画面には投票数を示すグラフ(33)や数値(34)が表示される。尚、グラフ(33)は必須ではなく、また使用するにしてもグラフの形式(棒グラフ、円グラフ等)は適宜使いやすい形式を採用すればよい。
【0055】
会場の端末(3)は投票結果用webページにアクセスし、その画面をプロジェクタ(4)を使って会場のスクリーンに表示させる。これにより講師と受講者が投票結果を一緒に見ながら講演を進めることができる。
【0056】
図中において(35)はリセットボタンであり、別の意識調査を行う際に前回の投票結果を削除するために用いる。会場の端末(3)でリセットボタンをクリックするとサーバ(2)に指示が送られ、投票結果用webページのカウントがリセットされる。
【0057】
只、たまたま投票結果用webページにアクセスした一般の人が勝手にリセットできないようにリセットに際してパスワードなどの認証手段を設けても良いし、IPアドレスを認識させて会場の端末(3)以外からの指示を受け付けないようにしても良い。尚、サーバ(2)はリセット前の情報を記録しておくようにしても良い。
【0058】
講演終了後は掲示板用webページや投票結果用webページの内容は消去しても良いし、一定期間閲覧可能な状態にしておいても良い。又、講演終了後には書き込みや投票ができないようにしておいても良い。
【0059】
尚、本実施例では投稿用のメールアドレスを示した案内メールを携帯電話に送るようにしたが、投稿用のメールアドレスや投票ページのURLの入力が容易であれば、案内メールを用いることなく配付資料等に投稿用メールアドレスを掲載しておき、受講者に直接入力させることも考えられる。しかしながら、入力間違いや講演中の入力の煩わしさなどを考慮すると本実施例のように予め案内メールによりメールアドレスやURLを通知して利用に供しめることが望ましい。
【実施例2】
【0060】
本実施例も基本的には実施例1と同じであるが、空メールの送り方が異なる。実施例1では受講者がパンフレットなどを見て所定のメールアドレスを手入力して空メールを送信した。しかしこの場合、メールアドレスの入力間違いや、メールアドレス入力を面倒に思う受講者が積極的に参加しない可能性も考えられる。
【0061】
そこで本実施例では極めて簡単な手段により自動的に管理者のメールアドレス宛てに空メールを送信できるようにし、入力間違いを防止すると共に、受講者の積極的な参加を促進できるようにした。
【0062】
具体的には携帯電話の情報端子に接続可能な小型の記録装置(図示せず)を用いる。携帯電話は携帯電話会社(以下「キャリア」という)の仕様により構造が異なるため、主要キャリアにあわせて数種類の記録装置を制作する必要がある。入場の際に受講者に該当するキャリア用の記録媒体を選ばせても良いが、記録装置自体は安価な物であるので各キャリアに対応した複数個の記録媒体を各受講者に配布しても良い。
【0063】
受講者が携帯電話(1)の情報端末に記録装置を接続すると、記録装置に記録されている情報により携帯電話が操作され、自動的に携帯電話のメール機能が立ち上がり、管理者のメールアドレスが入力され、メール送信される。これにより記録装置の役目は終わるので、その後は携帯電話から取り外しても良い。取り外した記録装置はノベルティーとして受講者に持ち帰らせても良いし、講演終了後に回収して別の講演の際に再利用しても良い。
【実施例3】
【0064】
上記の各実施例では、投票をする際には所定の投票用webページにアクセスさせ、そこから選択肢用のwebページへリンクさせ、各選択肢用のwebページへのアクセス数をカウントした。それに対し、本実施例はwebページへのアクセスは必要とせず、Eメールのみで投票もできるようにした。
【0065】
本実施例での案内メールの一例を図7に示す。この案内メールには投票用の複数のメールアドレス(41)が記載されている。各選択肢とメールアドレスは1対1に対応しており、受講者は選んだ選択肢に対応したメールアドレスにEメールを送信することにより投票することができる。Eメールには内容は記載する必要はなく、空メールで良い。
【0066】
尚、発信者のメールアドレスがわかるため、同じ発信元から複数回にわたって投票メールが到着した際はサーバ(2)は最初の投票メールのみをカウントし、2回目以降の投票メールは無視することとした。これにより、同一人による2重の投票を防止することができ、投票の信頼性を高めることができる。
【実施例4】
【0067】
本実施例は実施例3と基本的には略同じであるが、同じ受講者から複数回にわたって投票があった場合の計数の処理が異なる。実施例3では最初の投票結果のみで集計し、2回目以降の投票は無視した。
【0068】
それに対して、本実施例では最新の投票内容で集計するようにした。これは、選択ミスがあった際に修正できるというだけでなく、受講者の考え方に変化が生じた場合に対応ことを目的としたためである。受講者によるEメールでの投票自体は実施例3と全く同じであるが、再度の投票があるとサーバ(2)は最新の投票を採用し、前回の投票を取り消すようなシステムとしている。
【0069】
例えば「起業したい人は1、起業したくない人は2を選択してください。話しを聞いて気が変わったら選択し直してください。」と受講者に伝えておけば、最初に「2」を押していても講師の話を聞いて「起業してみたい」と考え直せば「1」に再投票することができる。この場合、「2」の得票数が1つ減ると共に「1」の得票数が1つ増えることになり、その増減はリアルタイムでスクリーン(5)に表示される。
【0070】
図8は投票結果用webページ画面の推移を説明する図であるが、受講者の考え方の変化によって、画面(51)から画面(53)のように変化する。どの選択肢がどのくらい支持されているかがリアルタイムで表示されるので、講師がどのような話をしたときに受講生も気持ちに変化をもたらしたのかを知ることができる。
【0071】
尚、本実施例では時刻表示(52)を設け、サーバ(2)には時刻と集計とを関連づけて記録するようにした。
【0072】
このシステムを利用すれば講演に対する評価を行うこともできる。例えば、受講者に対して「講師の話がおもしろければ1、普通なら2、つまらなければ3を選択してください」というお願いをしておけば、おもしろい話しをすれば「1」の得票が増え、つまらない話しをすれば「3」の得票が増えていくこととなる。これにより講師は励みや今後の参考にすることができ、主催者は講師を評価する参考として利用することができる。
【実施例5】
【0073】
本実施例はEメールにより投票を行うことができる点で実施例3又は実施例4と同様で有る。実施例3,実施例4は選択肢毎に個別のメールアドレスを対応させているため、選択肢と同数のメールアドレスを用意する必要がある。それに対して本実施例は1つのメールアドレスにより投票を行うことができる。
【0074】
本実施例の案内メールの一例を図9に示す。この案内メールには投票用のメールアドレス(42)は1つだけ記載されている。投票の際にはEメールの本文に投票する選択肢を示す番号又は記号だけを入力する。
【0075】
サーバ(2)は投票用メールアドレス宛てに送られてきたメールから本文、すなわち選択肢の番号を抽出する。そして、抽出した選択肢番号毎に計数することによりどの選択肢にどれだけの投票があったかを集計することができる。1つのEメールの本文中に複数の選択肢番号が記載されている場合は無効として扱うようにした。その他は実施例3又は実施例4と同様である。
【0076】
尚、本実施例ではメール本文から番号を抽出したが、選択肢の番号を「Subject」に記載させ、受信したEメールの「Subject」から番号を抽出するようにしても良い。
【実施例6】
【0077】
実施例1又は実施例2においては投票の際に選択肢用webページにアクセスして各ページのアクセス数をカウントすることにより集計した。しかしながら、この場合、同じ受講者が悪戯で同じwebページに複数回アクセスすることや、他のwebページにもアクセスすることも考えられる。更には、受講者以外の者が悪戯で投票する可能性もある。
【0078】
そのような場合を考慮して本実施例では事前にログインの手続きをさせるようにした。具体的には会場でIDとパスワードを発表し、それを入力することによりアクセス
IDは入場券や配付資料等に記載しておいても良いし、受講者が座っている席の座席番号をIDとして採用しても良い。パスワードは公演中に講師又は主催者から発表すると良い。
【0079】
ログインにより投票者を特定可能であるため、同じ受講者から複数回の投票があった場合に対応することができる。その場合、実施例3と同様に最初の投票のみを有効として扱っても良いし、実施例4のように最新の投票のみを有効として扱うようにしてもよい。受講者以外はアクセスができないので、受講者以外の者は悪戯することができない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
講演,セミナーを例として説明したが、本システムは他の用途、例えば展示会,展覧会,討論会,演芸会やコンテスト等のイベントに使用して、参加者がイベントの感想を書くことや気に入った作品に投票する等の用途にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】システム構成を説明する図。
【図2】実施例1の案内メールの一例を示した図。
【図3】メール作成画面の一例を示した図
【図4】掲示板用webページの画面の一例を示した図。
【図5】投票用webページの画面の一例を示した図。
【図6】投票結果用webページの画面の一例を示した図。
【図7】実施例3の案内メールの一例を示した図。
【図8】実施例4での投票結果用webページ画面の推移を説明する図。
【図9】実施例5の案内メールの一例を示した図。
【符号の説明】
【0082】
1 携帯電話
2 サーバ
3 端末
4 プロジェクタ
5 スクリーン
13 メール本文記載欄
21 投稿用のメールアドレス
22 投票ページのURL
32 選択肢
33 グラフ
34 カウント数表示
35 リセットボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続可能な携帯電話と、インターネットに接続されwebページを公開可能なサーバと、インターネットに接続された端末と、該端末に接続された表示装置とを備え、
該サーバは該携帯電話からのEメールを受信した際に該Eメール中の本文を抽出したwebページを作成してインターネット上で閲覧可能な状態とし、
該端末は該webページの画面を該表示装置に表示させることが可能である
ことを特徴とする情報表示システム。
【請求項2】
該サーバは投票用のwebページと複数の選択肢用のwebページを記録しており、該投票用webページには該複数の選択肢用webページへのリンクが設けられており、
該サーバは各選択肢用webページへのアクセス数を計数して計数結果を投票結果用のwebページに反映させてインターネット上で閲覧可能な状態とし、
該端末は該投票結果用webページの画面を該表示装置に表示させることが可能である
ことを特徴とする請求項1記載の情報表示システム。
【請求項3】
サーバは複数の選択肢と個別に対応付けられた複数のメールアドレス宛のEメールを受信することができ、
各メールアドレス宛てに送信されたEメールの数を計数して計数結果を投票結果用のwebページに反映させてインターネット上で閲覧可能な状態とし、
該端末は該投票結果用webページの画面を該表示装置に表示させることが可能である
ことを特徴とする請求項1記載の情報表示システム。
【請求項4】
サーバは投票用のメールアドレス宛に送信されたEメールを受信することができ、受信したEメールの本文又は件名に記載されている選択肢の番号又は記号を抽出し、抽出した番号又は記号の数を計数して計数結果を投票結果用のwebページに反映させてインターネット上で閲覧可能な状態とし、
該端末は該投票結果用webページの画面を該表示装置に表示させることが可能である
ことを特徴とする請求項1記載の情報表示システム。
【請求項5】
サーバは同じ発信者から複数回Eメールが送られてきた場合に、最初のEメールについてのみ計数し、2回目以降のEメールについては計数に加えない
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の情報表示システム。
【請求項6】
サーバは同じ発信者から複数回Eメールが送られてきた場合に、最新のEメールについてのみ計数し、該発信者からそれ以前に送られてきたEメールに基づく情報は計数結果から排除する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の情報表示システム。
【請求項7】
表示装置としてプロジェクタとスクリーンを使用したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかの記載の情報表示システム。
【請求項8】
携帯電話と接続することにより該携帯電話に対して自動的に特定メールアドレスへのメール送信を指示する記録装置を備え、
前記サーバは該メールを受信した際に、少なくとも予め決められた投稿用のメールアドレスが記載された案内用のEメールを該携帯電話に自動的に返信する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかの請求項に記載の情報表示システム。
【請求項9】
サーバは選択肢用webページにアクセスさせる前にログインを求めることを特徴とする請求項2記載の情報表示システム。
【請求項10】
インターネットに接続されており、
携帯電話からのEメールを受信した際に該Eメール中の本文を抽出したwebページを作成してインターネット上で閲覧可能な状態とすることによりインターネットを介して端末又は該端末に接続された表示装置に該webページを表示させることが可能であることを特徴とする情報表示システム用サーバ。
【請求項11】
選択肢に対応した複数のメールアドレス宛のEメールを受信することができ、各メールアドレス宛てに送信されてきたEメールの数を計数し、計数結果を示したwebページを作成してインターネット上で閲覧可能な状態とすることによりインターネットを介して端末又は該端末に接続された表示装置に該計数結果を示したwebページを表示させることが可能であることを特徴とする請求項10記載の情報表示システム用サーバ。
【請求項12】
同じメールアドレスの発信元から複数のEメールを受信した際に、該発信元からのEメールについては最初に受信したEメールのみに基づいて計数することを特徴とする請求項11記載の情報表示システム用サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2005−115718(P2005−115718A)
【公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−350326(P2003−350326)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【出願人】(503371030)有限会社アナザーブレイン (1)
【Fターム(参考)】