説明

情報表示札

【課題】夜間や経年劣化後でも電柱番号が認識し易く、取り替え費用を削減できる情報表示札を提供すること。
【解決手段】電柱に固定される情報表示札であって、一方の面が電柱に面し、黒発色する第1の板状体2と、この第1の板状体2の他方の面に重ねられ、白発色する第2の板状体3とを備え、第2の板状体3には、外形により所定の意味を表す貫通部31が形成され、第1の板状体2には、貫通部31の内部において、光を発する夜光塗料層22と、光を反射する反射材21と、が形成されることを特徴とする情報表示札1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示札に関し、詳しくは、電柱に固定される積層構造の情報表示札に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電力会社や電話会社が所有する電柱には、電柱を所有する会社名や電柱番号が表された情報表示札が取り付けられている。この情報表示札は、金属板或いは樹脂板で形成される。また、情報表示札に表された電柱を所有する会社名や電柱番号は、これらの板の表面にアクリル系塗料によって表される。
【0003】
しかし、電柱を所有する会社名や電柱番号を表すアクリル系塗料は、見栄えや視認性が悪いうえに耐候性や耐擦過性が劣る。よって、アクリル系塗料の経年劣化により、アクリル系塗料により表された電柱を所有する会社名や電柱番号は、擦れ認識できなくなるおそれがあった。
【0004】
ところで、情報表示札に表された電柱番号は、電柱を所有する会社が電柱を維持管理するために用いられる。例えば、電柱に取り付けられた電気設備が故障したときは、電話で電力会社の営業所へ連絡してもらう。このとき、故障した電気設備が設けられている場所を特定するための大きな目印がなければ、電力会社の営業所は、故障した電気設備が取り付けられている電柱の電柱番号を伝えてもらう方法で、その場所の特定を行っている。
【0005】
よって、電柱の電柱番号が擦れ認識できないと、電柱番号を伝えてもらうことができず、その場所を特定できないおそれがあるので、このような電気設備の故障の連絡を受ける場合は、電柱の電柱番号がはっきり見えた方がよい。
そこで、情報表示札形状の樹脂板にレーザーマーカーによりレーザー光線を照射して樹脂板の表面を炭化或いは発泡させることにより、電柱番号と電柱保有業者の社標等を表した情報表示札が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1の情報表示札によれば、樹脂板の表面を炭化させているので、経年劣化により情報表示札の表面に表された電柱番号が擦れ、電柱番号が認識できなくなることを防止できる。
【特許文献1】特開2002−278465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の情報表示札は、樹脂板の表面を炭化させただけなので、夜間に電柱番号を認識することは困難である。例えば、昼間であれば、車輌に乗車したまま電柱番号が認識できるものの、夜間では、車輌から降車して情報表示札の極近くまで接近して確認する必要がある。
また、樹脂板の炭化させていない部分には、経年劣化により多数のひびが入る。このひびに排気ガスや埃が蓄積することにより、樹脂板の炭化させていない部分は、黒くなる。樹脂板の炭化させていない部分が黒くなると、炭化させた部分とのコントラストが低くなり、情報表示札をライトで照らしたとしても、電柱番号を認識することは困難である。
さらに、このように電柱番号を認識することが困難となった情報表示札は、取り替える必要があり、この電柱番号の取り替え費用は、多大なものとなっている。
【0007】
本発明は、夜間や経年劣化後でも電柱番号が認識し易く、取り替え費用を削減できる情報表示札を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)電柱(例えば、実施の形態における電柱100)に固定される情報表示札であって、一方の面が前記電柱に面し、黒発色する第1の板状体(例えば、実施の形態における第1の板状体2)と、この第1の板状体の他方の面に重ねられ、白発色する第2の板状体(例えば、実施の形態における第2の板状体3)とを備え、前記第2の板状体には、外形により所定の意味を表す貫通部(例えば、実施の形態における貫通部31)が形成され、前記第1の板状体には、前記貫通部の内部において、光を発する発光層(例えば、実施の形態における夜光塗料層22)と、光を反射する反射層(例えば、実施の形態における反射材21)と、が形成されることを特徴とする情報表示札(例えば、実施の形態における情報表示札1)。
【0009】
(1)の発明によれば、一方の面が電柱に面し、黒発色する第1の板状体、及びこの第1の板状体の他方の面に重ねられ、白発色する第2の板状体を備える。第2の板状体には、外形により所定の意味を表す貫通部が形成され、第1の板状体には、貫通部の内部において、光を発する発光層と、光を反射する反射層と、が形成される。
このように、黒発色する第1の板状体と、白発色する第2の板状体とを重ね、第2の板状体には、外形により所定の意味を表す貫通部を形成したことで、第2の板状体の貫通部には、第1の板状体の黒発色が表れ、第2の板状体の白発色との明度の差が鮮明になる。
したがって、例えば、貫通部の形状を所定の文字とすることで、この所定の文字が見易くなる。
【0010】
また、第1の板状体には、貫通部の内部に、光を発する発光層と、光を反射する反射層とを形成したので、夜間のように光が当たらず、明度の差が認識できない場合や第2の板状体が経年劣化による汚れやひびにより、鮮明に白発色しなくなった場合でも、発光層の発する光により貫通部の外形を認識できる。また、光を当てることで、反射層の反射により貫通部の外形を認識できる。
したがって、夜間や経年劣化後でも情報表示札の電柱番号が認識し易くなる。
【0011】
また、情報表示札に表された文字が認識できなくなると、情報表示札を交換する必要がある。一方、情報表示札は、大量の電柱にそれぞれ取り付けられるので、情報表示札の文字を認識できる期間が短いと、情報表示札の取り替え費用は、莫大なものとなる。
したがって、発光層と反射層とを設けたことで、第2の板状体が経年劣化による汚れやひびにより、鮮明に白発色しなくなった場合でも、貫通部の外形を認識できるので、情報表示札の取り替え費用を削減できる。
【0012】
(2) 電流が流されることで、前記反射層を照射する発光手段(例えば、実施の形態におけるライト70)と、前記発光手段に電流を流す蓄電池(例えば、実施の形態における太陽電池60)と、を備えることを特徴とする(1)に記載の情報表示札。
【0013】
ここで、蓄電池としては、太陽電池、風力発電装置を備えた蓄電池、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、及びアルカリ蓄電池が挙げられる。
【0014】
(2)の発明によれば、反射層を照射する発光手段、及び発光手段に電流を流す蓄電池を備える。
これにより、蓄電池による電流により発光手段で反射層を照射できる。
したがって、夜間のように光が当たらない場合でも、懐中電灯を用いることなく、貫通部の外形を認識できる。また、蓄電池に太陽電池や風力発電装置を備えた蓄電池を用いることで、発電のために二酸化炭素を排出することがなく、地球環境に配慮できる。
【0015】
(3) 所定範囲の赤外線量の変化を検知する検知手段(例えば、実施の形態におけるセンサ80)と、前記検知手段の検知に応じて、前記発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える制御手段(例えば、実施の形態における制御手段110)と、人の操作に応じて、前記発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える操作手段(例えば、実施の形態におけるスイッチ90)と、を備えることを特徴とする(2)に記載の情報表示札。
【0016】
(3)の発明によれば、所定範囲の赤外線量の変化を検知する検知手段、この検知手段の検知に応じて、発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える制御手段、及び発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える操作手段を備える。
これにより、情報表示札に人が近づいた場合、又は操作手段が操作された場合に発光手段に電流を流し、反射層を照射することができる。
したがって、人が近づいたとき、又は人により操作されたときだけ発光手段に反射層を照射させることができるので、発光手段の消耗を抑えることができる。
【0017】
(4) 時間を計測するタイマ手段(例えば、実施の形態におけるタイマ手段113)と、前記制御手段は、前記タイマ手段の計測した所定時間に応じて、前記発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替えることを特徴とする(3)に記載の情報表示札。
【0018】
(4)の発明によれば、タイマ手段、及びタイマ手段の計測した所定時間に応じて、前記発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える制御手段を備える。
これにより、タイマ手段の計測した所定時間に応じて、発光手段に反射層を照射させ、又は照射させないことができる。
したがって、夜間のみ発光手段に反射層を照射させることや、所定時間のみ発光手段に反射層を照射させることができるので、発光手段の消耗を抑えることができる。
【0019】
なお、前記第1の板状体及び前記第2の板状体には、ビス又は/及び釘が挿通される貫通孔(例えば、実施の形態における貫通孔4a、4b)と、前記第1の板状体及び前記第2の板状体を前記電柱に固定する固定バンドを挿通する一対のバンド孔(例えば、実施の形態におけるバンド孔5)と、が形成されることを特徴とする請求項(1)から(4)に記載の情報表示札とすることができる。
【0020】
このように、ビス又は/及び釘が挿通される貫通孔、及び第1の板状体及び第2の板状体を電柱に固定する固定バンドを挿通する一対のバンド孔を形成することで、ビス、釘、及び固定バンドのいずれかを用いて、第1の板状体及び第2の板状体を電柱に固定できる。
したがって、電柱が木製である場合やコンクリート製である場合などいずれの場合でも、第1の板状体及び第2の板状体を電柱に固定できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、一方の面が電柱に面し、黒発色する第1の板状体、及びこの第1の板状体の他方の面に重ねられ、白発色する第2の板状体を備える。第2の板状体には、外形により所定の意味を表す貫通部が形成され、第1の板状体には、貫通部の内部において、光を発する発光層と、光を反射する反射層と、が形成される。このように、黒発色する第1の板状体と、白発色する第2の板状体とを重ね、第2の板状体には、外形により所定の意味を表す貫通部を形成したことで、第2の板状体の貫通部には、第1の板状体の黒発色が表れ、第2の板状体の白発色との明度の差が鮮明になる。したがって、例えば、貫通部の形状を所定の文字とすることで、この所定の文字が見易くなる。
【0022】
また、第1の板状体には、貫通部の内部に、光を発する発光層と、光を反射する反射層とを形成したので、夜間のように光が当たらず、明度の差が認識できない場合や第2の板状体が経年劣化による汚れやひびにより、鮮明に白発色しなくなった場合でも、発光層の発する光により貫通部の外形を認識できる。また、光を当てることで、反射層の反射により貫通部の外形を認識できる。したがって、夜間や経年劣化後でも情報表示札の電柱番号が認識し易くなる。
また、情報表示札に表された文字が認識できなくなると、情報表示札を交換する必要がある。一方、情報表示札は、大量の電柱にそれぞれ取り付けられるので、情報表示札の文字を認識できる期間が短いと、情報表示札の取り替え費用は、莫大なものとなる。したがって、発光層と反射層とを設けたことで、第2の板状体が経年劣化による汚れやひびにより、鮮明に白発色しなくなった場合でも、貫通部の外形を認識できるので、情報表示札の取り替え費用を削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報表示札1の正面図である。
情報表示札1は、一方の面が電柱に面し、黒発色する第1の板状体2と、この第1の板状体の他方の面に重ねられ、白発色する第2の板状体3とを備える。
【0024】
第1の板状体2は、略長方形の板状体であり、四隅が丸められている。また、第1の板状体2の長辺方向に沿った側縁は、電柱に面する方向に湾曲されている。
また、第1の板状体2は、合成樹脂により形成されている。第1の板状体2は、長辺方向の寸法が240mmであり、短辺方向の寸法が80mmであり、厚さが2.7mmで形成されている。
【0025】
第2の板状体3は、上記の第1の板状体2と略同形状で、同じ材質で形成されている。また、第2の板状体3は、上記の第1の板状体2と略同一の寸法であり、厚さが0.6mmで形成されている。
また、この第2の板状体3には、外形により所定の文字(例えば、「トネリ」、「支」、「17−5」)を表す貫通部31が形成されている。
【0026】
また、第1の板状体2及び第2の板状体3には、ビス又は/及び釘が挿通される貫通孔4a、4bと、電柱に固定するための固定バンドを挿通する一対のバンド孔5とが形成されている。
【0027】
貫通孔4aは、第1の板状体2及び第2の板状体3を貫通する円形状の孔として、第1の板状体2及び第2の板状体3の略中心に、形成されている。この貫通孔4aは、第1の板状体2及び第2の板状体3の一方の短辺から他方の短辺側へ14mm入った部分に中心を有し、内径が7mmである。
【0028】
貫通孔4bは、第1の板状体2及び第2の板状体3を貫通する溝として、第1の板状体2及び第2の板状体3の略中心に、形成されている。この貫通孔4bは、第1の板状体2及び第2の板状体3の他方の短辺から一方の短辺側へ22mmの長さで形成され、一方の短辺側の端部には、内径が7mmの半円が形成されている。
【0029】
バンド孔5は、第1の板状体2及び第2の板状体3を貫通する溝状の孔として、第1の板状体2及び第2の板状体3の長辺の側縁近傍に、4つ形成されている。このバンド孔5は、略長方形であり、長辺方向の寸法が12mmであり、短辺方向の寸法が3mmである。また、バンド孔5は、第1の板状体2及び第2の板状体3の長辺方向の中心から75mmのところに、バンド孔5の中心がくるように設けられている。
【0030】
図2は、第1実施形態に係る情報表示札1の断面図である。
第1の板状体2には、後述する第2の板状体3の貫通部31の内部において、光を発する発光層としての夜光塗料層22と、光を反射する反射層としての反射材21とが形成される。
【0031】
反射材21は、第2の板状体3の貫通部31の内部略中央に、所定の文字の形状(例えば、「トネリ」、「支」、「17−5」)で形成されている。反射材21の表面は、この反射材21の表面に対して所定の角度で入射した光が入射した方向に光を返すように形成されている。また、反射材21の側縁と第2の板状体3の貫通部31の側縁との間は、略一定の間隔が設けられている。
【0032】
夜光塗料層22は、この反射材21の側縁と第2の板状体3の貫通部31の側縁との間の略一定の間隔に形成されている。夜光塗料層22は、蓄光体を含有した透過性を有する塗料により形成されている。この蓄光体は、例えば、昼間に太陽光より光を吸収し、夜間に光を放光する。
【0033】
図3は、第1実施形態に係る情報表示札1を電柱100に取り付けた状態を示す斜視図である。
情報表示札1の文字は、以下のように表示される。
太陽光が情報表示札1に当たっている場合、第1の板状体2の黒色が第2の板状体3の所定の文字の形状に形成された貫通部31から現れ、第2の板状体3の白色との明度の違いから、貫通部31の外形である文字が認識される。また、太陽光が情報表示札1に当たっている間に、第1の板状体2の夜光塗料層22は、太陽光より光を吸収する。情報表示札1に太陽光が当たらなくなると、反射材21の側縁と第2の板状体3の貫通部31の側縁との間に形成された夜光塗料層22が、貫通部31の外形である文字の形状で光を放光する。また、夜間であっても、懐中電灯や車のヘッドライトにより情報表示札1に光が当てられると、第1の板状体2の反射材21によりこの光を反射する。反射材21は、所定の文字の形状で形成されているので、この文字の形状で光を反射する。
【0034】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)一方の面が電柱100に面し、黒発色する第1の板状体2、及びこの第1の板状体2の他方の面に重ねられ、白発色する第2の板状体3を備える。第2の板状体3には、外形により所定の意味を表す貫通部31が形成され、第1の板状体2には、貫通部31の内部において、光を発する夜光塗料層22と、光を反射する反射材21と、が形成される。
このように、黒発色する第1の板状体2と、白発色する第2の板状体3とを重ね、第2の板状体3には、外形により所定の意味を表す貫通部31を形成したことで、第2の板状体3の貫通部31には、第1の板状体2の黒発色が表れ、第2の板状体3の白発色との明度の差が鮮明になる。
したがって、例えば、貫通部31の形状を所定の文字とすることで、この所定の文字が見易くなる。
【0035】
また、第1の板状体2には、貫通部31の内部に、光を発する夜光塗料層22と、光を反射する反射材21とを形成したので、夜間のように光が当たらず、明度の差が認識できない場合や第2の板状体3が経年劣化による汚れやひびにより、鮮明に白発色しなくなった場合でも、夜光塗料層22の発する光により貫通部31の外形を認識できる。また、光を当てることで、反射材21の反射により貫通部31の外形を認識できる。
したがって、夜間や経年劣化後でも情報表示札1の電柱番号が認識し易くなる。
【0036】
また、情報表示札1に表された文字が認識できなくなると、情報表示札1を交換する必要がある。一方、情報表示札1は、大量の電柱にそれぞれ取り付けられるので、情報表示札1の文字を認識できる期間が短いと、情報表示札1の取り替え費用は、莫大なものとなる。
したがって、夜光塗料層22と反射材21とを設けたことで、第2の板状体が経年劣化による汚れやひびにより、鮮明に白発色しなくなった場合でも、貫通部31の外形を認識できるので、情報表示札1の取り替え費用を削減できる。
【0037】
さらに、ビス又は/及び釘が挿通される貫通孔4a、4b、及び第1の板状体2及び第2の板状体3を電柱100に固定する固定バンドを挿通する一対のバンド孔5を形成したので、ビス、釘、及び固定バンドのいずれかを用いて、第1の板状体2及び第2の板状体3を電柱に固定できる。
したがって、電柱100が木製である場合やコンクリート製である場合などいずれの場合でも、第1の板状体2及び第2の板状体3を電柱に固定できる。
【0038】
<第2実施形態>
以下の第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る情報表示札10の斜視図である。
【0039】
第2実施形態の情報表示札10は、太陽電池60、発光手段としてのライト70、検知手段としてのセンサ80、操作手段としてのスイッチ90、及び制御手段110を備える点で、第1実施形態の情報表示札1と異なる。
【0040】
制御手段110、太陽電池60及びライト70は、第2の板状体3の長辺方向の一端側に設けられている。センサ80及びスイッチ90は、第2の板状体3の長辺方向の他端側に設けられている。
【0041】
太陽電池60は、情報表示札10が電柱100に取り付けられた状態で、上方を向くように設けられている。具体的には、第2の板状体3の表面から略水平方向に突出して設けられている。
【0042】
ライト70は、第1の板状体2の反射材21に光を照射するように、太陽電池60の下部に設けられている。
【0043】
センサ80は、情報表示札10が電柱100に取り付けられた状態で、情報表示札10に接近した人を検知するように、情報表示札10の下部に設けられている。情報表示札10は、このセンサ80が地盤面から2000mmから2500mmに位置するように、電柱100に取り付けるのが好ましい。
【0044】
スイッチ90は、情報表示札10が電柱100に取り付けられた状態で、情報表示札10に接近した成人が手を伸ばして届く位置に設けられている。具体的には、電柱100に取り付けられた状態で、情報表示札10の下部に設けられている。情報表示札10は、このセンサ80が地盤面から2000mmから2500mmに位置するように、電柱100に取り付けるのが好ましい。
【0045】
図5は、制御手段110のブロック図である。
制御手段110は、判断手段111、発光制御手段112、及びタイマ手段113を備える。
【0046】
判断手段111は、後述するセンサ80又はスイッチ90からの所定の信号を受信したか否かを判断する。
【0047】
発光制御手段112は、判断手段111の判断に基づき、後述するタイマ手段113で計測した所定時間だけ、後述するライト70に電流を流す。
【0048】
タイマ手段113は、所定時間の経過を計測し、所定時間の経過を示す所定時間経過信号を発光制御手段112に送信する。この所定時間は、例えば、発光制御手段112がライト70に電流を流す時間とすることや、後述する太陽電池60が太陽光を受けられない時間や、任意の時間とすることができる。
【0049】
また、制御手段110には、太陽電池60が接続されている。制御手段110の判断手段111には、センサ80及びスイッチ90が接続されている。制御手段110の発光制御手段112には、ライト70が接続されている。
【0050】
太陽電池60は、太陽光により電気を発生させ、後述する制御手段110を介してライト70に電流を流す。
【0051】
センサ80は、このセンサ80が設けられた位置を中心として所定の距離の範囲の赤外線量の変化を検知する。具体的には、センサ80に接近した人の存在を検知した場合、人感検知信号を制御手段110の判断手段111に送信する。制御手段110は、この人感検知信号に応じて、ライト70に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える。
【0052】
スイッチ90は、人の操作に応じて、スイッチ信号を制御手段110の判断手段111に送信する。制御手段110は、このスイッチ信号に応じて、ライト70に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える。
【0053】
以上の制御手段110の動作について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
制御手段110の判断手段111は、センサ80から人感検知信号を受信したか否かを判断する(ST1)。また、判断手段111は、センサ80から人感検知信号を受信していない場合は、スイッチ90からスイッチ信号を受信したか否かを判断する(ST2)。判断手段111は、人感検知信号又はスイッチ信号を受信したと判断した場合は、発光制御手段112によりライト70に電流が流れる状態にする発光制御を行う(ST3)。その後、制御手段110は、所定の時間をタイマ手段113にセットし、所定時間の計測を開始する(ST4)。タイマ手段113は、所定時間が経過した場合は、所定時間経過信号を発光制御手段112に送信する(ST5)。発光制御手段112は、所定時間経過信号を受信した場合は、ライト70に電流が流れない状態にする消灯制御を行う(ST6)。
【0054】
図7は、第2実施形態に係る情報表示札10を電柱100に取り付けた状態を示す斜視図である。
情報表示札10の文字は、以下のように表示される。
例えば、夜間において、情報表示札10は、所定範囲に人が近づくと、センサ80により人の存在を検知し、制御手段110(図5参照)の発光制御手段112(図5参照)によりライト70に電流が流れる状態にする。すると、ライト70により第1の板状体2の反射材21に光が照射される。すると、反射材21は、所定の文字の形状で形成されているので、この文字の形状で光を反射する。制御手段110のタイマ手段113(図5参照)により所定時間の経過が計測されると、発光制御手段112によりライト70に電流が流れない状態にする。
【0055】
本実施形態によれば、上述の第1実施形態の効果に加えて、以下のような効果がある。
【0056】
(2)反射層を照射する発光手段、及び発光手段に電流を流す太陽電池を備える。
これにより、太陽電池による電流により発光手段で反射層を照射できる。
したがって、夜間のように光が当たらない場合でも、懐中電灯を用いることなく、貫通部の外形を認識できる。また、蓄電池に太陽電池を用いることで、発電のために二酸化炭素を排出することがなく、地球環境に配慮できる。
【0057】
(3)所定範囲の赤外線量の変化を検知する検知手段、この検知手段の検知に応じて、発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える制御手段、及び発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える操作手段を備える。
これにより、情報表示札に人が近づいた場合、又は操作手段が操作された場合に発光手段に電流を流し、反射層を照射することができる。
したがって、人が近づいたとき、又は人により操作されたときだけ発光手段に反射層を照射させることができるので、発光手段の消耗を抑えることができる。
【0058】
(4)タイマ手段、及びタイマ手段の計測した所定時間に応じて、前記発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える制御手段を備える。
これにより、タイマ手段の計測した所定時間に応じて、発光手段に反射層を照射させ、又は照射させないことができる。
したがって、夜間のみ発光手段に反射層を照射させることや、所定時間のみ発光手段に反射層を照射させることができるので、発光手段の消耗を抑えることができる。
【0059】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0060】
上記実施形態では、反射材21を第2の板状体3の貫通部31の内部略中央に設け、夜光塗料層22を反射材21の側縁と第2の板状体3の貫通部31の側縁との間に形成したが、これに限らない。
例えば、第2の板状体3の貫通部31の内部で、所定間隔に形成した反射材21と夜光塗料層22とを交互に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報表示札の正面図である。
【図2】第1実施形態に係る情報表示札の断面図である。
【図3】第1実施形態に係る情報表示札を電柱に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る情報表示札の斜視図である。
【図5】第2実施形態に係る制御手段のブロック図である。
【図6】第2実施形態に係る制御手段のフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係る情報表示札を電柱に取り付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
1、10 情報表示札
2 第1の板状体
3 第2の板状体
4a、4b 貫通孔
5 バンド孔
21 反射材
22 夜光塗料層
31 貫通部
60 太陽電池
70 ライト
80 センサ
90 スイッチ
100 電柱
110 制御手段
113 タイマ手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱に固定される情報表示札であって、
一方の面が前記電柱に面し、黒発色する第1の板状体と、
この第1の板状体の他方の面に重ねられ、白発色する第2の板状体とを備え、
前記第2の板状体には、外形により所定の意味を表す貫通部が形成され、
前記第1の板状体には、前記貫通部の内部において、光を発する発光層と、光を反射する反射層と、が形成されることを特徴とする情報表示札。
【請求項2】
電流が流されることで、前記反射層を照射する発光手段と、
前記発光手段に電流を流す蓄電池と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報表示札。
【請求項3】
所定範囲の赤外線量の変化を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知に応じて、前記発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える制御手段と、
人の操作に応じて、前記発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替える操作手段と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報表示札。
【請求項4】
時間を計測するタイマ手段と、
前記制御手段は、前記タイマ手段の計測した所定時間に応じて、前記発光手段に電流が流れる状態と電流が流れない状態とを切り替えることを特徴とする請求項3に記載の情報表示札。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−292884(P2007−292884A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118347(P2006−118347)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】