説明

情報表示装置、情報表示方法、情報表示プログラム、記録媒体及び情報表示システム

【課題】ユーザに目障りとならないように、表示されるコンテンツを切り替える。
【解決手段】コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する表示手段と、コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段と、コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを表示する情報表示装置、情報表示方法、情報表示プログラム、記録媒体及び情報表示システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、サーバ装置が端末装置にWebページを配信し、画像データ、動画データ、テキストデータ等のコンテンツをWebページ内に表示させるシステムが知られている。かかるシステムにおいて、Webページ内に表示されるコンテンツの内容としては、例えば、商品やサービスに関する広告、ユーザに対して何らかのアクションを促すレコメンド情報、その他ユーザに通知したい情報等がある。こうしたユーザに通知したい情報が複数存在する場合、Webページ内に複数のコンテンツを表示させることが一般的に行われてきた。ところが、そのときのユーザにとって必要であるとは限らない情報が一度に多数表示されると、ユーザにとって目障りとなる。
【0003】
上記に関連して、一度に全部のコンテンツを表示するのではなく、コンテンツの表示を切り替えたり、或るタイミングでコンテンツを表示する技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、サイトページ内の表示枠に表示情報を表示する技術が開示されている。この技術においては、一定時間が経過すると、表示枠に表示される表示情報が入れ替わるようになっている。
【0005】
また、特許文献2には、複数のコンテンツ一覧を表示する技術が開示されている。この技術においては、いずれかのコンテンツ一覧を表示するとともに、各一覧に夫々対応する見出しが表示される。そして、表示された見出しにカーソルが合わされた(マウスオーバーされた)ときに、カーソルが合わされた見出しに対応する一覧の属性値がツールチップで表示されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−145406号公報
【特許文献2】特開2008−282197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ユーザがサイトページを見ている間に表示情報が自動的に入れ替わるので、ユーザにとって目障りとなる。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術においては、見出しにカーソルが合わされたときに属性値が表示される。しかしながら、見出しがクリックされたのであれば格別、そうではなく見出しにカーソルが合わされたことのみをもって、属性値を表示させる意思がユーザにあったと判断するのは必ずしも適切ではない。例えば、ユーザは別の箇所をクリックしようとしてカーソルを動かしていたり、無意識にカーソルを動かしている場合等があるからである。よって、ユーザの意思とは無関係に属性値が表示される場合があるので、ユーザにとって目障りとなる。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、ユーザに目障りとならないように、表示されるコンテンツを切り替えることができる情報表示装置、情報表示方法、情報表示プログラム、記録媒体及び情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する表示手段と、前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段と、前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、表示領域に表示されている情報内のコンテンツ表示領域が何らかの要因で隠れることによりコンテンツ表示領域内のコンテンツが画面に表示されていないときに、このコンテンツの切り替えが行われる。その後、コンテンツ表示領域が隠れていた状態が解消されたときに、切り替わったコンテンツが画面に表示される。従って、コンテンツがユーザから見えないときにコンテンツが切り替わるので、ユーザの目障りとならない。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報表示装置において、前記表示手段は、複数のコンテンツが表示される前記コンテンツ表示領域を含む前記情報を前記表示領域に表示し、前記切替手段は、前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記複数のコンテンツのうち少なくとも1つのコンテンツを別のコンテンツに切り替えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、コンテンツ表示領域に複数のコンテンツが配置されている場合に、これらのコンテンツのうち任意のコンテンツを切り替えることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報表示装置において、前記判定手段は、前記コンテンツ表示領域が部分的に隠れたか否かを判定し、前記切替手段は、前記コンテンツ表示領域が部分的に隠れたと判定された場合には、隠れた部分に位置するコンテンツのうち少なくとも1つのコンテンツを別のコンテンツに切り替えることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、コンテンツ表示領域が部分的にしか隠れていない場合であっても、ユーザの目障りとならないようにコンテンツを切り替えることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報表示装置において、前記判定手段は、前記コンテンツ表示領域が前記表示領域から外れたか否かを判定し、前記切替手段は、前記コンテンツ表示領域が前記表示領域から外れたと判定された場合に、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、表示領域に表示されている情報が例えばスクロールされること等により、コンテンツ表示領域が画面内の表示領域から外れて、コンテンツ表示領域のコンテンツが画面に表示されていないときに、このコンテンツの切り替えが行われる。その後、例えば情報のスクロール等により、コンテンツ表示領域が画面内の表示領域に入ったときに、切り替わったコンテンツが画面に表示される。従って、コンテンツがユーザから見えないときにコンテンツが切り替わるので、ユーザの目障りとならない。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の情報表示装置において、前記表示領域に表示されている前記情報のスクロールを検出する検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記情報がスクロールされているときに前記判定を行うことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、表示領域に表示されている情報がスクロールされている期間に判定が行われるので、スクロールに起因してコンテンツ表示領域が画面内の表示領域から外れることを確実に判定することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の情報表示装置において、前記表示領域に表示されている前記情報のスクロールの停止を検出する検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記情報のスクロールの停止が検出されたときに前記判定を行うことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、表示領域に表示されている情報のスクロールが停止したときに判定が行われるので、スクロールによってコンテンツ表示領域が画面内の表示領域から外れたか否かを適切なタイミングで判定することができるとともに、情報表示装置の処理負荷を軽減させることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の情報表示装置において、前記表示領域に表示されている前記情報のスクロールの方向の変化を検出する検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記情報のスクロールの方向の変化が検出されたときに前記判定を行うことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、表示領域に表示されている情報のスクロールの方向が変化したときに判定が行われるので、スクロールによってコンテンツ表示領域が画面内の表示領域から外れたか否かを適切なタイミングで判定することができるとともに、情報表示装置の処理負荷を軽減させることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項4乃至7の何れか1項に記載の情報表示装置において、前記表示手段は、前記情報として、前記コンテンツ表示領域を含むWebページを前記表示領域に表示し、前記表示領域に表示されているWebページに含まれる当該Webページ内へのリンクの選択を検出するリンク選択検出手段を更に備え、前記判定手段は、前記リンクの選択が検出されたときに前記判定を行うことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、画面内の表示領域に表示されているWebページ内へのリンクの選択によるWebページの表示位置の変化に起因してコンテンツ表示領域が画面内の表示領域から外れることを確実に判定することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報表示装置において、前記判定手段は、前記画面内に配置された複数の前記表示領域のうち、前記情報が表示される前記表示領域以外の前記表示領域が前記コンテンツ表示領域の上に重なったか否かを判定し、前記切替手段は、前記情報が表示される前記表示領域以外の前記表示領域が前記コンテンツ表示領域の上に重なったと判定された場合に、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替えることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、表示領域に表示されている情報内のコンテンツ表示領域の上に他の表示領域が重なることによりコンテンツ表示領域のコンテンツが画面に表示されていないときに、このコンテンツの切り替えが行われる。その後、コンテンツ表示領域の上に表示領域が重なっていた状態が解消されたときに、切り替わったコンテンツが画面に表示される。従って、コンテンツがユーザから見えないときにコンテンツが切り替わるので、ユーザの目障りとならない。
【0028】
請求項10に記載の発明は、コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する情報表示装置における情報表示方法であって、前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定ステップと、前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替ステップと、を含むことを特徴とする。
【0029】
請求項11に記載の発明は、コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する情報表示装置に含まれるコンピュータを、前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段、及び、前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替手段、として機能させることを特徴とする。
【0030】
請求項12に記載の発明は、コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する情報表示装置に含まれるコンピュータを、前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段、及び、前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替手段、として機能させる情報表示プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【0031】
請求項13に記載の発明は、コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を表示する情報表示装置と、前記情報表示装置がネットワークを介して接続可能なサーバ装置と、を備える情報表示システムであって、前記サーバ装置は、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを複数記憶するコンテンツ記憶手段と、前記情報を前記情報表示装置に送信する情報送信手段と、前記情報表示装置から送信されたコンテンツ要求を受信するコンテンツ要求受信手段と、前記コンテンツ要求が受信された場合に、前記記憶手段に記憶されたコンテンツのうち前記コンテンツ表示領域において表示対象であったコンテンツを除く何れかのコンテンツを選択する選択手段と、前記選択されたコンテンツを前記情報表示装置に送信するコンテンツ送信手段と、を備え、前記情報表示装置は、前記サーバ装置から送信された前記情報を受信する情報受信手段と、前記受信された情報を画面内の表示領域に表示する表示手段と、前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段と、前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ要求を前記サーバ装置に送信するコンテンツ要求送信手段と、前記サーバ装置から送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを前記受信されたコンテンツに切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、表示領域に表示されている情報内のコンテンツ表示領域が何らかの要因で隠れることによりコンテンツ表示領域内のコンテンツが画面に表示されていないときに、このコンテンツの切り替えが行われる。その後、コンテンツ表示領域が隠れていた状態が解消されたときに、切り替わったコンテンツが画面に表示される。従って、コンテンツがユーザから見えないときにコンテンツが切り替わるので、ユーザの目障りとならない。
【0033】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の情報表示システムにおいて、前記サーバ装置は、前記情報表示装置のユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段を更に備え、前記選択手段は、前記ユーザ情報に基づいて、選択するコンテンツを決定することを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、ユーザ情報に基づいて、切り替わってコンテンツ表示領域に表示されるコンテンツが決定されるので、表示されるコンテンツをパーソナライズすることができる。
【0035】
請求項15に記載の発明は、請求項13または請求項14に記載の情報表示システムにおいて、前記サーバ装置は、前記情報表示装置のユーザによる所定の行為の履歴を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段を更に備え、前記選択手段は、前記履歴情報に基づいて、選択するコンテンツを決定することを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、ユーザの行為が反映された履歴情報に基づいて、切り替わってコンテンツ表示領域に表示されるコンテンツが決定されるので、表示されるコンテンツをパーソナライズすることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、表示領域に表示されている情報内のコンテンツ表示領域が隠れることによりコンテンツ表示領域内のコンテンツが画面に表示されていないときに、このコンテンツの切り替えが行われる。その後、コンテンツ表示領域が隠れていた状態が解消されたときに、切り替わったコンテンツが画面に表示される。従って、コンテンツがユーザから見えないときにコンテンツが切り替わるので、ユーザの目障りとならない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】一実施形態に係る情報提供システムSの概要構成の一例を示す図である。
【図2】(a)乃至(d)は、一実施形態において、Webページの画面表示例を示す図である。
【図3】一実施形態に係る情報提供サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図4】(a)は、会員情報DB121に登録される情報の内容の一例を示す図であり、(b)は、コンテンツDB122に登録される情報の内容の一例を示す図である。
【図5】一実施形態に係るユーザ端末2の概要構成の一例を示すブロック図である。
【図6】一実施形態に係る情報提供システムSの処理例を示すシーケンス図である。
【図7】(a)及び(b)は、一実施形態において、Webページの画面表示例を示す図である。
【図8】(a)及び(b)は、一実施形態において、Webページの画面表示例を示す図である。
【図9】一実施形態に係るユーザ端末2のシステム制御部30における処理例を示すフローチャートである。
【図10】(a)乃至(d)は、一変形例において、Webページの画面表示例を示す図である。
【図11】(a)乃至(d)は、一変形例において、Webページの画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、情報提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0040】
[1.第1実施形態]
[1−1.情報提供システムの構成及び機能概要]
先ず、本実施形態に係る情報提供システムSの構成及び概要機能について、図1及び図2を用いて説明する。
【0041】
図1は、本実施形態に係る情報提供システムSの概要構成の一例を示す図である。
【0042】
図1に示すように、情報提供システムSは、情報提供サーバ1と、複数のユーザ端末2と、を含んで構成されている。そして、情報提供サーバ1と各ユーザ端末2とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0043】
このような構成の情報提供システムSにおいて、情報提供サーバ1(サーバ装置の一例)は、例えば、各種の情報やサービス等を提供する情報提供サイトを運営するために設置されたWebサーバである。この情報提供サーバ1は、ユーザ端末2からのHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)リクエストに応じてWebページをユーザ端末2に送信するようになっている。
【0044】
ユーザ端末2(情報表示装置の一例)は、情報提供サーバ1から受信したWebページを画面に表示するようになっている。
【0045】
所定のWebページについては、Webページ内にコンテンツ表示領域が設けられている。このコンテンツ表示領域にはコンテンツが表示される。ここでコンテンツは、例えば、画像データ、動画データ、テキストデータ、電子文書等の表示可能なデータである。或いはコンテンツは、複数種類のデータが混在したものであっても良い。そして、コンテンツの表示内容は、例えば、商品やサービスの広告、商品やサービスの購入を推奨するレコメンド情報、その他の通知等である。Webページ内においてコンテンツ表示領域が占める範囲(例えば、Webページ内におけるコンテンツ表示領域の位置及び大きさ)は、Webページの表示内容を規定するHTML文書に記述されている。また、コンテンツ表示領域に表示すべきコンテンツもHTML文書に記述されている。
【0046】
本実施形態においては、Webページ内のコンテンツ表示領域に表示させるコンテンツを、以下に説明するタイミングで切り替えるようになっている。
【0047】
図2は、Webページの画面表示例を示す図である。図2において、符号100は、Webページを示し、符号101は、画面内におけるWebブラウザのアクティブな表示領域を示し、符号102は、コンテンツの表示切り替えが行われるコンテンツ表示領域を示す。
【0048】
図2(a)に示すように、ユーザ端末2が情報提供サーバ1から受信した所定のWebページ100には、コンテンツ表示領域102が含まれている。このコンテンツ表示領域102にはコンテンツAが表示されるように、HTML文書に記述されている。アクティブな表示領域101とは、例えば、Webページがウインドウ表示されている場合には、Webブラウザのウインドウのクライアント領域であり、Webページが全画面表示されている場合には画面全体である。表示領域101の大きさは限られているため、Webページ100全体のうち一部分が画面に表示される。
【0049】
Webページ100が表示された当初、コンテンツ表示領域102が表示領域101に入っている場合には、図2(a)に示すようにコンテンツAが画面に表示される。或いは、Webページ100が表示された当初はコンテンツ表示領域102が表示領域101に入っていなかったが、ユーザのスクロール操作によってWebページ100がスクロールされることにより、コンテンツ表示領域102が表示領域101に入った場合にも、図2(a)に示すようにコンテンツAが画面に表示される。スクロール操作には、例えば、画面に表示されたスクロールバーをマウスで操作した場合、マウスに組み込まれているホイールを回転操作した場合、キーボード操作によるスクロール操作等が含まれる。
【0050】
その後、図2(b)に示すように、ユーザのスクロール操作によってWebページ100がスクロールされることにより、コンテンツ表示領域102が表示領域101から外れる。つまり、コンテンツ表示領域102が表示領域101の外に隠れてコンテンツAが画面に表示されない状態となる。すると、図2(c)に示すように、コンテンツ表示領域102内に表示されるコンテンツが、コンテンツAからコンテンツBに切り替えられる。
【0051】
その後、図2(d)に示すように、ユーザのスクロール操作によってWebページ100がスクロールされることにより、コンテンツ表示領域102が表示領域101に入ると、画面にコンテンツBが表示される。
【0052】
[1−2.情報提供サーバの構成及び機能]
次に、情報提供サーバ1の構成及び機能について、図3及び図4を用いて説明する。
【0053】
図3は、本実施形態に係る情報提供サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。また、図4(a)は、会員情報DB121に登録される情報の内容の一例を示す図である。また、図4(b)は、コンテンツDB122に登録される情報の内容の一例を示す図である。
【0054】
図3に示すように、情報提供サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、入出力インターフェース部13と、システム制御部17と、を備えている。そして、システム制御部17と入出力インターフェース部13とは、システムバス18を介して接続されている。
【0055】
通信部11は、ネットワークNWに接続して、ユーザ端末2等との通信状態を制御するようになっている。記憶部12(コンテンツ記憶手段、ユーザ記憶手段の一例)は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、オペレーティングシステム及びWWWサーバプログラム、データベース管理プログラム等の各種プログラムを記憶するとともに、各種データ等を記憶するようになっている。各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしても良い。入出力インターフェース部13は、通信部11及び記憶部12とシステム制御部17との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【0056】
記憶部12には、会員情報DB121及びコンテンツDB122が構築されている。
【0057】
図4(a)に示すように、会員情報DB121には、情報提供サイトに会員登録したユーザに関する会員情報(ユーザ情報の一例)が、会員としてのユーザを識別するための会員IDに対応付けられて登録されている。具体的に、会員情報には、例えば、会員ID、ログインするためのパスワード、会員の氏名、郵便番号、住所、電話番号、電子メールアドレス、生年月日、性別等が設定される。会員情報は、例えば、Webページをパーソナライズするために用いられる。特に本実施形態において、会員情報は、Webページ内のコンテンツ表示領域に表示させるコンテンツを決定するために用いられる。
【0058】
図4(b)に示すように、コンテンツDB122には、Webページ内のコンテンツ表示領域に表示させる複数のコンテンツが、夫々コンテンツを識別するためのコンテンツIDに対応付けて登録されている。具体的に、コンテンツID、コンテンツの本体(画像データ、動画データ、テキストデータ等)、及び対象ユーザ属性がコンテンツ毎に登録されている。対象ユーザ属性は、コンテンツの表示対象とされるユーザの属性を示す情報である。例えば、対象ユーザ属性は、対象とするユーザの年齢、性別、居住地域等を示す。なお、コンテンツ表示領域を含むWebページが複数ある場合、コンテンツDB122には、Webページ毎に複数のコンテンツが登録されるようにしても良い。つまり、表示されるWebページに応じて、表示対象となるコンテンツを変えるのである。
【0059】
また、記憶部12には、複数のHTML文書が記憶されている。この複数のHTML文書のうち一部のHTML文書には、コンテンツ表示領域を規定するタグ、及びコンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを指定するタグ(例えば、コンテンツのURL(Uniform Resource Locator)によって指定される)が記述されている。また、この一部のHTML文書には、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替えを制御するためのコンテンツ表示制御スクリプト(情報表示プログラムの一例)が記述されている。
【0060】
システム制御部17は、CPU(Central Processing Unit)14、ROM(Read Only Memory)15、RAM(Random Access Memory)16等により構成されている。そして、システム制御部17は、CPU14が、ROM15や記憶部12に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより、情報送信手段、コンテンツ要求受信手段、選択手段、及びコンテンツ送信手段として機能するようになっている。
【0061】
[1−3.ユーザ端末の構成及び機能等]
次に、ユーザ端末2の構成及び機能等について、図5を用いて説明する。
【0062】
図5は、本実施形態に係るユーザ端末2の概要構成の一例を示すブロック図である。
【0063】
図5に示すように、ユーザ端末2は、操作部21と、表示部22と、通信部23と、ドライブ部24と、記憶部25と、入出力インターフェース部26と、システム制御部30と、を備えている。そして、システム制御部30と入出力インターフェース部26とは、システムバス31を介して接続されている。
【0064】
操作部21は、例えば、キーボード、マウス等により構成されており、ユーザからの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号としてシステム制御部30に出力するようになっている。表示部22は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等により構成されており、文字や画像等の情報を表示するようになっている。通信部23は、ネットワークNW等に接続して、情報提供サーバ1等との通信状態を制御するようになっている。ドライブ部24は、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスクDKからデータ等を読み出す一方、当該ディスクDKに対してデータ等を記録するようになっている。記憶部25は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、Webブラウザ等の各種プログラム及びデータ等を記憶するようになっている。各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、ディスクDKに記録されてドライブ部24を介して読み込まれるようにしても良い。入出力インターフェース部26は、操作部21〜記憶部25とシステム制御部30との間のインターフェース処理を行うようになっている。
【0065】
システム制御部30は、CPU27、ROM28、RAM29等により構成されている。そして、システム制御部30は、CPU27が、ROM28や記憶部25に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより、情報受信手段、表示手段、検出手段、判定手段、コンテンツ要求送信手段、コンテンツ受信手段、及び切替手段として機能するようになっている。
【0066】
[1−4.情報提供システムの動作]
次に、情報提供システムSの動作について、図6を用いて説明する。
【0067】
図6は、本実施形態に係る情報提供システムSの処理例を示すシーケンス図である。
【0068】
図6に示す処理の前に、ユーザ端末2のユーザは、情報提供サイトにログインしているものとする。情報提供サイトへのログインにより、情報提供サーバ1はユーザ端末2に対してセッションIDを発行する。ユーザ端末2から情報提供サーバ1へのリクエストにはセッションIDが含まれているので、情報提供サーバ1は、どのユーザからのリクエストであるかを特定することができる。
【0069】
そして、図6に示すように、ユーザ端末2のシステム制御部30は、コンテンツ表示領域を含むWebページのリクエストを情報提供サーバ1に送信する(ステップS1)。情報提供サーバ1のシステム制御部17は、リクエストを受信すると、コンテンツ表示領域に最初に表示させるコンテンツをコンテンツDB122から選択する(ステップS2)。このとき、制御部17は、例えば、予め定められたコンテンツを選択しても良いし、ランダムに選択しても良い。そして、システム制御部17は、選択されたコンテンツがコンテンツ表示領域に表示されるようHTML文書を生成する。なお、最初に表示させるコンテンツが予め決まっている場合には、そのコンテンツがコンテンツ表示領域に表示されるWebページが情報提供サーバ1の記憶部12に予め記憶されていても良い。この場合、システム制御部17はHTML文書を生成する必要はない。
【0070】
次いで、システム制御部17は、情報送信手段として、選択したコンテンツがコンテンツ表示領域に表示されるWebページをユーザ端末2に送信する(ステップS3)。具体的に、システム制御部17は、生成したHTML文書をユーザ端末2に送信する。HTML文書を受信したユーザ端末2のシステム制御部30がHTML文書を解釈することにより、ユーザ端末2から情報提供サーバ1にコンテンツのリクエストが送信される。すると、情報提供サーバ1のシステム制御部17は、受信したリクエストに対応するコンテンツ、すなわち、ステップS2において選択されたコンテンツをユーザ端末2に送信する。
【0071】
ユーザ端末2のシステム制御部30は、情報受信手段としてWebページを受信すると、表示手段として、当該Webページを画面内のアクティブな表示領域に表示させる(ステップS4)。具体的に、システム制御部30は、例えば、Webページの表示イメージを示すビットマップイメージをRAM29上の所定のバッファ領域に展開する。このとき、システム制御部30は、情報提供サーバ1から受信したコンテンツのビットマップイメージも展開する。そして、システム制御部30は、Webページのビットマップイメージのうちアクティブな表示領域内のビットマップイメージのデータを表示部22に出力する。これにより、Webページのうち一部分が画面内のアクティブな表示領域に表示される。その後、ユーザによりWebページのスクロール操作が行われると、Webページのビットマップイメージに対してアクティブな表示領域がスクロール操作に対応して移動し、この移動に応じて、表示部22にデータが出力されるビットマップイメージの範囲も移動する。つまり、Webページがスクロール表示される。
【0072】
また、システム制御部30は、例えば、HTML文書に記述されているタイマー起動の設定スクリプトに基づいて、一定の時間(例えば、100ミリ秒)毎に、HTML文書に記述されているコンテンツ表示制御スクリプトを実行する。
【0073】
コンテンツ表示制御スクリプトを実行すると、システム制御部30は、画面のアクティブな表示領域の座標を取得する(ステップS5)。このアクティブな表示領域の座標は、Webページ全体の表示イメージのうちアクティブな表示領域に表示されている範囲を示す。次いで、システム制御部30は、コンテンツ表示領域の座標を取得する(ステップS6)。このコンテンツ表示領域の座標は、Webページ全体の表示イメージのうちコンテンツ表示領域の範囲を示す。
【0074】
次いで、システム制御部30は、検出手段として、ユーザによるWebページのスクロール操作が検出されたか否かを判定する(ステップS7)。例えば、アクティブな表示領域の上端の座標が、前回取得したときと今回取得したときとで異なる場合には、スクロール操作が検出されたと判定することができる。そして、システム制御部30は、ユーザによるWebページのスクロール操作が検出されなかった場合には(ステップS7:NO)、ステップS5に移行する。
【0075】
一方、システム制御部30は、ユーザによるWebページのスクロール操作が検出された場合には(ステップS7:YES)、判定手段として、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れたか否かを判定する(ステップS8)。この判定は、コンテンツ表示領域の座標とアクティブな表示領域の座標とに基づいて判定することができる。このとき、システム制御部30は、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れていない場合には(ステップS8:NO)、ステップS5に移行する。
【0076】
一方、システム制御部30は、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れた場合には(ステップS8:YES)、次にコンテンツ表示領域に表示すべきコンテンツを情報提供サーバ1から取得する。具体的に、システム制御部30は、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツが変更されるよう、受信したHTML文書を書き換える。そして、システム制御部30は、この書き換えの結果、コンテンツ要求送信手段として、情報提供サーバ1にコンテンツのリクエスト(コンテンツ要求の一例)を送信する(ステップS9)。
【0077】
情報提供サーバ1のシステム制御部17は、コンテンツ要求受信手段としてコンテンツのリクエストを受信すると、リクエストを送信してきたユーザ端末2のユーザの会員情報に基づいて、コンテンツDB122からコンテンツを選択する(ステップS10)。具体的に、システム制御部17は、例えば、コンテンツDB122に登録されているコンテンツのうち、対象ユーザ属性がユーザの会員情報に設定されている内容と最も良く合致するコンテンツを選択する。このとき、システム制御部17は、ステップS2において送信したコンテンツとは異なるコンテンツを選択する。そして、システム制御部17は、コンテンツ送信手段として、選択したコンテンツをユーザ端末2に送信する(ステップS11)。
【0078】
ユーザ端末2のシステム制御部17は、コンテンツ受信手段としてコンテンツを受信すると、切替手段として、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを、受信したコンテンツに切り替える(ステップS12)。具体的に、システム制御部17は、上記バッファ領域に展開されたWebページのビットマップイメージのコンテンツ表示領域の範囲に、受信したコンテンツのビットマップイメージを展開する。
【0079】
この後、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域に入ると、ステップS11において情報提供サーバ1から受信されたコンテンツが表示部22の画面に表示される。
【0080】
なお、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツが切り替わってコンテンツ表示領域がアクティブな表示領域に入った後、再度コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れた場合に、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを再度切り替えるか否かは任意である。コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを再度切り替える場合、情報提供サーバ1のシステム制御部17は、ステップS10において、コンテンツDB122に登録されているコンテンツのうち、例えば、対象ユーザ属性がユーザの会員情報に設定されている情報と2番目に良く合致するコンテンツを選択する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザ端末2のシステム制御部30が、コンテンツ表示領域を含むWebページを画面内のアクティブな表示領域に表示し、表示されているWebページ内のコンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れたか否かを判定し、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れた場合に、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える。従って、コンテンツがユーザから見えない間にコンテンツが切り替えられるので、ユーザの目障りとならない。
【0082】
また、ユーザ端末2のシステム制御部30が、Webページがスクロールしている間に、Webページ内のコンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れたか否かを判定するので、Webページのスクロールに起因してコンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れることを確実に判定することができる。
【0083】
また、ユーザ端末2のシステム制御部30が、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れた場合に、コンテンツのリクエストを情報提供サーバ1に送信し、情報提供サーバ1のシステム制御部17が、コンテンツDB122に登録されているコンテンツのうちコンテンツ表示領域において表示対象であったコンテンツとは異なるコンテンツをユーザの会員情報に基づいて選択し、選択したコンテンツをユーザ端末2に送信し、ユーザ端末2のシステム制御部30が、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを、受信したコンテンツに切り替える。従って、切り替わって表示されるコンテンツをパーソナライズすることができる。
【0084】
なお、上記実施形態においては、一定時間間隔でコンテンツ表示制御スクリプトが実行されるようになっていたが、例えば、スクロールのイベントが発生したときにコンテンツ表示制御スクリプトが実行されるようにしても良い。
【0085】
また、上記実施形態においては、Webページがスクロールしている間にコンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れたか否かが判定されるようになっていたが、判定のタイミングはこれだけに限られるものではない。例えば、Webページのスクロールが停止したタイミングで判定されるようにしても良い。また例えば、スクロール方向が変化したタイミングで判定されるようにしても良い。アクティブな表示領域に表示されていたコンテンツがスクロールによって一旦画面から見えなくなり、その後再びアクティブな表示領域に表示されるようになるには、例えば、ユーザがWebページを一度或る方向にスクロールしてコンテンツ表示領域をアクティブな表示領域から外した後、スクロールを一旦停止させ、今度は反対方向にWebページをスクロールさせるからである。従って、スクロールが停止したときやスクロール方向が変化したときに、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れたか否かの判定を行うことは合理的である。そして、不要なタイミングで判定が行われなくなるので、ユーザ端末2のシステム制御部30の処理負荷をより軽減させることができる。なお、スクロールが停止したか否か、或いはスクロール方向が変化したか否かは、例えば、所定時間毎に取得されるアクティブな表示領域の座標から判定されるようにしても良いし、また、可能であればスクロールのイベントの内容から判定されるようにしても良い。
【0086】
また、上記のスクロールの種々のタイミングに加えて、アクティブな表示領域に表示されているページ内リンクが、ユーザ操作によって選択されたタイミングで判定されるようにしても良い。ページ内リンクとは、アクティブな表示領域に表示されているWebページ内において、指定された位置へのリンクである(例えば、HTML文書上、<a href="#xxxx"></a>等と記述される)。これにより、ページ内リンクの選択によりコンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れた場合にも、表示されるコンテンツの切り替えを行うことができる。
【0087】
[2.第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下においては、第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の点についての説明は省略する。
【0088】
[2−1.機能概要]
先ず、本実施形態に係る情報提供システムSの概要機能について、図7及び図8を用いて説明する。
【0089】
上記第1実施形態においては、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れた場合に(コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域の外に隠れた場合に)、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツが切り替えられるようになっていた。これに対し、第2実施形態においては、本発明に係る表示領域が、ウインドウシステムにおけるウインドウに適用される。また、第2実施形態においては、ウインドウに表示されたWebページ内のコンテンツ表示領域の上に、このウインドウとは別のウインドウが重なった場合に、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツが切り替えられる。すなわち、コンテンツ表示領域が別のウインドウによって隠された場合に、コンテンツが切り替えられる。
【0090】
図7及び図8は、Webページの画面表示例を示す図である。図7及び図8において、符号200及び210は、それぞれウインドウを示す。ウインドウ200は、Webブラウザのウインドウである。また、ウインドウ200には、コンテンツ表示領域201を含むWebページが表示されている。コンテンツ表示領域201には、当初コンテンツAが表示されるように、HTML文書に記述されている。一方、ウインドウ210は、Webブラウザのウインドウであっても良いし、Webブラウザ以外のアプリケーションプログラムのウインドウであっても良い。なお、Webブラウザのウインドウを、「ブラウザウインドウ」と称する。
【0091】
図7(a)において、ウインドウ200は、非アクティブウインドウであり、ウインドウ210は、アクティブウインドウである。ウインドウ200の表示位置とウインドウ210の表示位置とが画面上で一部重なっている。この重なっている範囲においては、ウインドウ210が画面に表示される。ただし、ウインドウ210の表示位置はコンテンツ表示領域201には重なっていないので、コンテンツ表示領域201内のコンテンツAが画面上に表示された状態となっている。ここで、ユーザがユーザ端末2の操作部21を操作して、ウインドウ210を画面上で移動させる。その結果、図7(b)に示すように、ウインドウ210がコンテンツ表示領域201の上に重なり、コンテンツ表示領域201が隠れて、コンテンツAが見えない状態となる。すると、図8(a)に示すように、コンテンツ表示領域201内に表示されるコンテンツが、コンテンツAからコンテンツBに切り替えられる。その後、図8(b)に示すように、例えばウインドウ210が移動することにより、コンテンツ表示領域201の上にウインドウ210が重なっていない状態となる。このようにして、コンテンツ表示領域201が隠れていない状態となると、コンテンツBが画面に表示される。
【0092】
[2−2.ユーザ端末の構成及び機能等]
ユーザ端末2の記憶部25には、ウインドウシステムにおいて、ウインドウを管理するシステムソフトウェアが記憶されている。このシステムソフトウェアを、「ウインドウマネージャ」と称する。なお、ウインドウシステムは、例えば、オペレーティングシステムと一体化されている。
【0093】
また、記憶部25には、上述したコンテンツの切り替えを実現するためのWebブラウザ(情報表示プログラムの一例)が記憶されている。従って、コンテンツ表示領域を含むWebページのHTML文書に、コンテンツ表示制御スクリプトが記述されている必要はない。記憶部25に記憶されたWebブラウザを起動することにより、ユーザ端末2のシステム制御部30は、ウインドウとコンテンツ表示領域との重なりを判定するため、画面に表示されている各ウインドウの情報を取得する。各ウインドウの状態は、ウインドウに関して発生するイベントによって変化し得る。このようなイベントの種類としては、例えば、ウインドウのオープン(新規ウインドウの表示)、ウインドウのクローズ(ウインドウの消去)、アクティブウインドウの変更、ウインドウの移動、リサイズ(ウインドウの拡大または縮小)等がある。システム制御部30は、このような特定のイベントが発生する度に、ウインドウの情報を取得する。なお、ウインドウに関する特定のイベントを、「特定イベント」と称する。特定イベントは、例えば、ウインドウマネージャからWebブラウザに通知する形態で、Webブラウザを起動中のシステム制御部30が認識することができる。特定イベントの通知の際にウインドウマネージャから渡される情報としては、例えば、特定イベントの種類、特定イベントが発生したウインドウのウインドウ識別子等がある。ウインドウ識別子は、ウインドウが新しくオープンされる度にウインドウマネージャによって付与される固有の情報である。
【0094】
取得対象となるウインドウの情報としては、例えば、ウインドウ識別子、ウインドウが割り当てられたアプリケーションプログラムの識別情報、ウインドウの位置情報、クライアント領域の位置情報、表示優先順位等がある。これらの情報は、例えば、ウインドウシステムにより提供されるAPI(Application Program Interface)を通じて取得することができる。
【0095】
アプリケーションプログラムの識別情報は、例えば、アプリケーションプログラムのファイル名であったり、アプリケーションプログラムの名称であったりする。ウインドウの位置情報は、例えば、ウインドウの左上端のスクリーン座標(画面の左上端を原点として画面上における位置を示す座標)及びウインドウの縦横のピクセル数である。クライアント領域の位置情報は、例えば、クライアント領域の左上端のスクリーン座標及びクライアント領域の縦横のピクセル数である。
【0096】
表示優先順位は、複数のウインドウの表示位置が重なった場合に、重なった範囲についてどのウインドウを表示するかを決定するために用いられる優先順位である。表示位置が重なっている複数のウインドウのうち最も表示優先順位が高いウインドウが、重なった範囲において優先的に表示される。表示優先順位が第1位であるウインドウが、アクティブウインドウである。アクティブウインドウは、ユーザによる文字等の入力や操作の対象となる。一方、アクティブウインドウ以外のウインドウが、非アクティブウインドウとなる。各ウインドウの表示優先順位は、ユーザの操作によって随時変化する。
【0097】
各ウインドウの表示優先順位を取得するためのAPIが提供されていない場合、システム制御部30は、通知された特定イベントの種類に応じて、各ウインドウの表示優先順位を判断する。具体的に、ウインドウがオープンした場合、オープンしたウインドウがアクティブとなる。そのため、システム制御部30は、オープンしたウインドウの表示優先順位を第1位とし、画面に表示されていた他のウインドウの表示優先順位をそれぞれ1ずつ繰り下げる。Webブラウザの起動時には、ブラウザウインドウが1つオープンされる。従って、システム制御部30は、オープンしたブラウザウインドウの表示優先順位を第1位とする。このとき、ブラウザウインドウ以外のウインドウが複数オープンしている場合、これらのウインドウの正確な表示優先順位をWebブラウザ側で知ることができない。その場合、システム制御部30は、これらのウインドウに対して、第2位以下の優先順位を適当に割り当てる。ウインドウがクローズした場合、システム制御部30は、クローズしたウインドウよりも表示優先順位が低かったウインドウについて、表示優先順位をそれぞれ1ずつ繰り上げる。アクティブウインドウが変更された場合、システム制御部30は、アクティブになったウインドウの表示優先順位を第1位とし、このウインドウがアクティブになる前の表示優先順位よりも表示優先順位が高かったウインドウについて、表示優先順位をそれぞれ1ずつ繰り下げる。ウインドウが移動またはリサイズされた場合、移動またはリサイズされたウインドウがアクティブになるため、アクティブウインドウが変更された場合と同様となる。なお、ウインドウシステムの仕様や、個々のアプリケーションプログラムの仕様によっては、特定イベントが発生したときの表示優先順位の変化の態様が異なる場合がある。その場合には、それぞれの仕様に合わせて、表示優先順位が判断されるようにWebブラウザを構成すれば良い。
【0098】
システム制御部30は、ウインドウの情報を管理するためのウインドウ管理テーブルをRAM29に生成する。ウインドウ管理テーブルには、ウインドウ識別子、アプリケーションプログラムの識別情報、ウインドウの位置情報、クライアント領域の位置情報及び表示優先順位が、ウインドウ管理情報としてウインドウ毎に設定される。Webブラウザに対して割り当てられたウインドウのうち、コンテンツ表示領域を含むWebページが表示されているウインドウのウインドウ管理情報には、上述した情報の他、コンテンツ表示領域の位置情報及びコンテンツ表示領域状態が設定される。Webページにコンテンツ表示領域が含まれているか否かは、例えば、WebページのHTML文書を解析することにより判断することができる。例えば、コンテンツ表示領域であることを示すname属性やid属性を有するタグ(例えば、divタグ、imageタグ、pタグ等)をHTML文書に記述しておくことにより、そのタグに対応するWebページ上の領域がコンテンツ表示領域であると判断することができる。コンテンツ表示領域の位置情報は、コンテンツ表示領域の左上端のスクリーン座標及びコンテンツ表示領域の縦横のピクセル数である。コンテンツ表示領域の座標が、当初クライアント座標(クライアント領域の左上端を原点としてクライアント領域上における位置を示す座標)として取得された場合、取得されたクライアント座標がスクリーン座標に変換される。コンテンツ表示領域状態は、コンテンツ表示領域がウインドウによって隠れているか否かを示す。コンテンツ表示領域が隠れていない場合には、コンテンツ表示領域状態に「可視状態」が設定され、コンテンツ表示領域が隠れている場合には、コンテンツ表示領域状態に「不可視状態」が設定される。なお、説明の便宜上、コンテンツ表示領域は、Webページのスクロールによってウインドウのクライアント領域から外れることはないものとする。
【0099】
[2−3.情報提供システムの動作]
次に、情報提供システムSの動作について、図9を用いて説明する。
【0100】
ユーザ操作によってWebブラウザが起動されると、ユーザ端末2のシステム制御部30は、ブラウザウインドウを1つオープンする。そして、システム制御部30は、各ウインドウの情報を取得して、ウインドウ管理テーブルを生成する。このとき、システム制御部30は、ブラウザウインドウの表示優先順位を第1位に設定する。
【0101】
その後、ユーザ操作に基づいて、システム制御部30は、新しいウインドウをオープンしたり、既存のウインドウをクローズしたり、移動やリサイズを行ったりする。また、ユーザがWebページのURLを指定すると、システム制御部30は、Webページのリクエストを、情報提供サーバ1等のWebサーバに送信し、Webサーバから受信したWebページを、Webブラウザの対象となるウインドウに表示させる。このとき、システム制御部30は、表示したWebページがコンテンツ表示領域を含む場合には、コンテンツ表示領域状態を「可視状態」に設定する。
【0102】
図9は、本実施形態に係るユーザ端末2のシステム制御部30における処理例を示すフローチャートである。図9に示す処理は、Webブラウザが起動されている状態で、特定イベントがWebブラウザに通知される度に実行される。
【0103】
先ず、特定イベントが通知されると、システム制御部30は、特定イベントの種類及び特定イベントが発生したウインドウのウインドウ識別子を取得する(ステップS51)。次いで、システム制御部30は、新たなウインドウ管理テーブルを生成する(ステップS52)。この新たなウインドウ管理テーブルを、「新ウインドウ管理テーブル」と称し、前回の特定イベント通知時に生成されたウインドウ管理テーブルを、「旧ウインドウ管理テーブル」と称する。なお、今回の特定イベントの通知が、Webブラウザが起動されてから最初の通知である場合には、Webブラウザの起動時に生成されたウインドウ管理テーブルを、旧ウインドウ管理テーブルとする。
【0104】
次いで、システム制御部30は、各ウインドウのウインドウ識別子、アプリケーションプログラムの識別情報、ウインドウの位置情報及びクライアント領域の位置情報を取得し、これらの情報を新ウインドウ管理テーブルに設定する(ステップS53)。
【0105】
次いで、システム制御部30は、各ウインドウの表示優先順位を取得する(ステップS54)。具体的に、システム制御部30は、ステップS51において取得した特定イベントの種類及びウインドウ識別子、新ウインドウ管理テーブルに設定されている各ウインドウのウインドウ識別子、旧ウインドウ管理テーブルに設定されている各ウインドウのウインドウ識別子及び表示優先順位に基づいて、現時点での各ウインドウの表示優先順位を判断する。次いで、システム制御部30は、新ウインドウ管理テーブルに各ウインドウの表示優先順位を設定する。
【0106】
次いで、システム制御部30は、新ウインドウ管理テーブルに設定されているアプリケーションプログラムの識別情報に基づいて、ブラウザウインドウを1つ特定する(ステップS55)。次いで、システム制御部30は、特定したブラウザウインドウに、コンテンツ表示領域を含むWebページが表示されているか否かを判定する(ステップS56)。このとき、システム制御部30は、特定されたブラウザウインドウに、コンテンツ表示領域を含むWebページが表示されていない場合には(ステップS56:NO)、ステップS63に移行する。
【0107】
一方、システム制御部30は、特定されたウインドウに、コンテンツ表示領域を含むWebページが表示されている場合には(ステップS56:YES)、コンテンツ表示領域の位置情報を取得する(ステップS57)。そして、システム制御部30は、取得したコンテンツ表示領域の位置情報を、新ウインドウ管理テーブルに設定する。
【0108】
次いで、システム制御部30は、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なっているか否かを判定する(ステップS58)。具体的に、システム制御部30は、新ウインドウ管理テーブルから、特定したブラウザウインドウの表示優先順位を取得する。次いで、システム制御部30は、新ウインドウ管理テーブルに設定されている各ウインドウの表示優先順位に基づいて、特定したブラウザウインドウの表示優先順位よりも表示優先順位が高いウインドウを抽出する。次いで、システム制御部30は、抽出したウインドウの位置情報と、コンテンツ表示領域の位置情報とに基づいて、抽出したウインドウの画面上における領域内にコンテンツ表示領域が含まれているか否かを判定する。このとき、システム制御部30は、抽出したウインドウの領域内にコンテンツ表示領域が含まれていない場合には、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なってはいないと判定する(ステップS58:NO)。この場合、システム制御部30は、特定したブラウザウインドウのコンテンツ表示領域状態として、「可視状態」を新ウインドウ管理テーブルに設定して、ステップS63に移行する。
【0109】
一方、システム制御部30は、抽出したウインドウの領域内にコンテンツ表示領域が含まれている場合には、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なっていると判定する(ステップS58:YES)。この場合、システム制御部30は、特定したブラウザウインドウのコンテンツ表示領域状態として、「不可視状態」を新ウインドウ管理テーブルに設定する。次いで、システム制御部30は、前回の特定イベント通知時において、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なっていたか否かを判定する(ステップS59)。具体的に、システム制御部30は、旧ウインドウ管理テーブルから、特定したブラウザウインドウのコンテンツ表示領域状態を取得する。そして、システム制御部30は、取得したコンテンツ表示領域状態が「不可視状態」である場合には、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なっていたと判定する(ステップS59:YES)。この場合、システム制御部30は、ステップS63に移行する。
【0110】
一方、システム制御部30は、取得したコンテンツ表示領域状態が「可視状態」である場合には、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なっていなかったと判定する(ステップS59:NO)。この場合、システム制御部30は、情報提供サーバ1にコンテンツのリクエストを送信する(ステップS60)。その後、システム制御部30は、情報提供サーバ1から送信されてきたコンテンツを受信する(ステップS61)。次いで、システム制御部30は、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを、受信したコンテンツに切り替えて(ステップS62)、ステップS63に移行する。なお、ステップS60〜S62におけるユーザ端末2の処理内容及び情報提供サーバ1の処理内容は、第1実施形態と同様である。
【0111】
ステップS63において、システム制御部30は、全てのブラウザウインドウを特定したか否かを判定する。このとき、システム制御部30は、特定していないブラウザウインドウが存在する場合には(ステップS63:NO)、次のブラウザウインドウを特定して(ステップS64)、ステップS56に移行する。そして、システム制御部30は、特定したウインドウについて、ステップS56〜S62の処理を実行する。
【0112】
一方、システム制御部30は、Webブラウザの全てのウインドウを特定した場合には(ステップS63:YES)、旧ウインドウ管理テーブルをRAM29から削除して(ステップS65)、図9に示す処理を終了させる。
【0113】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザ端末2のシステム制御部30が、コンテンツ表示領域を含むWebページをウインドウに表示し、コンテンツ表示領域を含むWebページが表示されるウインドウ以外のウインドウがコンテンツ表示領域の上に重なったか否かを判定し、コンテンツ表示領域を含むWebページが表示されるウインドウ以外のウインドウがコンテンツ表示領域の上に重なった場合に、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える。従って、コンテンツがユーザから見えない間にコンテンツが切り替えられるので、ユーザの目障りとならない。
【0114】
なお、上記第2実施形態においては、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なったときのコンテンツの切り替えを、Webブラウザにより実現していたが、例えば、ウインドウマネージャにより実現しても良い。
【0115】
[2−4.変形例]
次に、本実施形態に係る変形例について、図10及び図11を用いて説明する。
【0116】
[2−4−1.変形例1]
これまでは、コンテンツ表示領域には、1つのコンテンツが表示されるものとして説明していたが、コンテンツ表示領域に複数のコンテンツが表示されるようにしても良い。そして、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なったとき、コンテンツ表示領域に含まれるコンテンツのうち、1つ以上のコンテンツが切り替えられるようにしても良い。
【0117】
図10は、変形例1におけるWebページの画面表示例を示す図である。図10において、符号220及び230は、それぞれウインドウを示す。ウインドウ220は、ブラウザウインドウである。また、ウインドウ220には、コンテンツ表示領域221を含むWebページが表示されている。図10(a)において、コンテンツ表示領域221には、コンテンツの一例として、検索結果R1〜R6の6個の検索結果が上から順に表示されている。これらの検索結果は、例えば、サーチエンジンによる検索結果であったり、ショッピングサイトにおける商品の検索結果であったりする。その後、ユーザの操作により、図10(b)に示すように、ウインドウ230がコンテンツ表示領域221の上に重なり、コンテンツ表示領域221が隠れて、検索結果R1〜R6が見えない状態となる。すると、例えば、図10(c)に示すように、コンテンツ表示領域221内の検索結果R5及びR6が、それぞれ、広告コンテンツA1及びA2に切り替えられる。なお、図10(c)に示す例では、広告コンテンツA1及びA2は、検索結果R3と検索結果R4の間に挿入される。その後、図10(d)に示すように、コンテンツ表示領域221が隠れていない状態となると、検索結果R1〜R4、広告コンテンツA1及びA2が画面に表示される。
【0118】
ユーザ端末2のシステム制御部30は、コンテンツ表示領域の上にウインドウが重なった場合には、コンテンツ表示領域内のコンテンツの中から、切り替え対象となるコンテンツを選択する。このとき、切り替えるコンテンツの個数やどのコンテンツを切り替えるかは任意である。例えば、検索結果としての優先順位が高い順に上から検索結果が表示されるものとする。この場合、システム制御部30は、コンテンツ表示領域において下方に位置する検索結果から順に切り替え対象として選択しても良い。システム制御部30は、切り替え対象としたコンテンツの個数分、コンテンツのリクエストを情報提供サーバ1に送信する。情報提供サーバ1は、コンテンツのリクエストを受信する都度、コンテンツDB122からコンテンツを選択してユーザ端末2に送信する。このとき、情報提供サーバ1は、コンテンツ表示領域に同一のコンテンツが複数表示されないように、送信するコンテンツを選択する。ユーザ端末2のシステム制御部30は、情報提供サーバ1からコンテンツを受信して、コンテンツの切り替えを行う。このとき、システム制御部30は、コンテンツ表示領域内の各コンテンツの配置を、コンテンツの切り替え前から変更しても良い。
【0119】
このように、本変形例によれば、コンテンツ表示領域に複数のコンテンツが配置されている場合に、これらのコンテンツのうち任意のコンテンツを切り替えることができる。
【0120】
[2−4−2.変形例2]
変形例1では、コンテンツ表示領域が完全に隠れた場合に、コンテンツの切り替えが行われていたが、コンテンツ表示領域の上に部分的にウインドウが重なって、コンテンツ表示領域の一部が隠れた場合に、コンテンツが切り替えられるようにしても良い。
【0121】
図11は、変形例2におけるWebページの画面表示例を示す図である。図11(a)においては、図10(a)と同様に、コンテンツ表示領域221には、検索結果R1〜R6が表示されている。その後、図11(b)に示すように、ウインドウ230がコンテンツ表示領域221の上に重なり、検索結果R1〜R6のうち、検索結果R3〜R6のみが見えない状態となる。すると、例えば、図11(c)に示すように、コンテンツ表示領域221内の検索結果R6が、広告コンテンツA3に切り替えられる。なお、図11(c)に示す例では、広告コンテンツA3は、検索結果R4と検索結果R5の間に挿入される。その後、図11(d)に示すように、コンテンツ表示領域221が隠れていない状態となると、検索結果R1〜R5及び広告コンテンツA3が画面に表示される。
【0122】
ユーザ端末2のシステム制御部30は、コンテンツ表示領域の上にウインドウが部分的に重なった場合には、コンテンツ表示領域内の各コンテンツの位置情報を取得する。次いで、システム制御部30は、取得した位置情報に基づいて、コンテンツ表示領域内のコンテンツのうち、どのコンテンツが隠れているかを判定する。そして、システム制御部30は、コンテンツ表示領域内のコンテンツのうち、隠れていると判定したコンテンツの中から、切り替え対象となるコンテンツを選択する。
【0123】
このように、本変形例によれば、コンテンツ表示領域が部分的にしか隠れていない場合であっても、ユーザの目障りとならないようにコンテンツを切り替えることができる。
【0124】
[3.その他]
上述した変形例1または変形例2を、第1実施形態に適用しても良い。つまり、コンテンツ表示領域に複数のコンテンツが表示されるようにしても良い。そして、コンテンツ表示領域がアクティブな表示領域から外れたとき、コンテンツ表示領域に含まれるコンテンツのうち、1つ以上のコンテンツが切り替えられるようにしても良い。或いは、コンテンツ表示領域の一部がアクティブな表示領域から外れて、コンテンツ表示領域の一部が隠れた場合に、コンテンツが切り替えられるようにしても良い。
【0125】
また、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせても良い。つまり、コンテンツ表示領域が表示領域から外れたか、または、コンテンツ表示領域の上に表示領域が重なったか、の少なくともいずれか一方の条件が満たされたときに、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツが切り替えられるようにしても良い。
【0126】
また、上記各実施形態においては、ユーザの会員情報に基づいて、コンテンツ表示領域において切り替えて表示されるコンテンツが選択されるようになっていたが、選択の基準はこれだけに限られるものではない。例えば、情報提供サイトまたは所定のWebサイトにおけるユーザによる商品やサービスの購入履歴(履歴情報の一例)を情報提供サーバの記憶部12に記憶させておき、この購入履歴に基づいてコンテンツが選択されるようにしても良い。この場合において、例えば、ユーザが購入した商品のジャンルと同じジャンルまたは関連するジャンルの商品の広告等のコンテンツが選択されるようにする。これにより、切り替えて表示されるコンテンツをパーソナライズすることができる。また、ユーザによるWebページの閲覧履歴やサービスの利用履歴等(履歴情報の一例)を情報提供サーバの記憶部12に記憶させておき、この閲覧履歴や利用履歴等に基づいてコンテンツが選択されるようにしても良い。この場合においても、切り替えて表示されるコンテンツをパーソナライズすることができる。また例えば、予め定められた優先順位でまたはランダムにコンテンツが選択されても良い。
【0127】
また、上記各実施形態においては、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替えるときに、切り替えて表示されるコンテンツが情報提供サーバ1からユーザ端末2に送信されるようになっていたが、情報提供サーバ1がWebページの送信時に複数のコンテンツもユーザ端末2に送信しておき、コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替えるときにユーザ端末2がコンテンツの選択を行うようにしても良い。例えば、コンテンツがテキストデータである場合には、選択の対象となり得る複数のテキストデータをコンテンツ表示制御スクリプト内に記述しておくことにより、ユーザ端末2によるテキストデータの選択及び切り替えを容易に行うことができる。
【0128】
また、上記各実施形態においては、Webページの送信とコンテンツの送信とを1台のサーバ装置が行っていたが、夫々の処理を別々のサーバ装置に行わせても良い。
【0129】
また、上記各実施形態においては、本発明におけるコンテンツ表示領域を含む情報を、Webページに適用していた。しかしながら、画面内の表示領域に表示可能な情報であり、コンテンツ表示領域を配置可能な情報であれば、本発明におけるコンテンツ表示領域を含む情報を適用することができる。このような情報としては、例えば、電子文書等がある。
【符号の説明】
【0130】
1 情報提供サーバ
2 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
13 入出力インターフェース部
14 CPU
15 ROM
16 RAM
17 システム制御部
18 システムバス
121 会員情報DB
122 コンテンツDB
21 操作部
22 表示部
23 通信部
24 ドライブ部
25 記憶部
26 入出力インターフェース部
27 CPU
28 ROM
29 RAM
30 システム制御部
31 システムバス
NW ネットワーク
S 情報提供システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する表示手段と、
前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段と、
前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替手段と、
を備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記表示手段は、複数のコンテンツが表示される前記コンテンツ表示領域を含む前記情報を前記表示領域に表示し、
前記切替手段は、前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記複数のコンテンツのうち少なくとも1つのコンテンツを別のコンテンツに切り替えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報表示装置において、
前記判定手段は、前記コンテンツ表示領域が部分的に隠れたか否かを判定し、
前記切替手段は、前記コンテンツ表示領域が部分的に隠れたと判定された場合には、隠れた部分に位置するコンテンツのうち少なくとも1つのコンテンツを別のコンテンツに切り替えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報表示装置において、
前記判定手段は、前記コンテンツ表示領域が前記表示領域から外れたか否かを判定し、
前記切替手段は、前記コンテンツ表示領域が前記表示領域から外れたと判定された場合に、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報表示装置において、
前記表示領域に表示されている前記情報のスクロールを検出する検出手段を更に備え、
前記判定手段は、前記情報がスクロールされているときに前記判定を行うことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報表示装置において、
前記表示領域に表示されている前記情報のスクロールの停止を検出する検出手段を更に備え、
前記判定手段は、前記情報のスクロールの停止が検出されたときに前記判定を行うことを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項4に記載の情報表示装置において、
前記表示領域に表示されている前記情報のスクロールの方向の変化を検出する検出手段を更に備え、
前記判定手段は、前記情報のスクロールの方向の変化が検出されたときに前記判定を行うことを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
請求項4乃至7の何れか1項に記載の情報表示装置において、
前記表示手段は、前記情報として、前記コンテンツ表示領域を含むWebページを前記表示領域に表示し、
前記表示領域に表示されているWebページに含まれる当該Webページ内へのリンクの選択を検出するリンク選択検出手段を更に備え、
前記判定手段は、前記リンクの選択が検出されたときに前記判定を行うことを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報表示装置において、
前記判定手段は、前記画面内に配置された複数の前記表示領域のうち、前記情報が表示される前記表示領域以外の前記表示領域が前記コンテンツ表示領域の上に重なったか否かを判定し、
前記切替手段は、前記情報が表示される前記表示領域以外の前記表示領域が前記コンテンツ表示領域の上に重なったと判定された場合に、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項10】
コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する情報表示装置における情報表示方法であって、
前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定ステップと、
前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替ステップと、
を含むことを特徴とする情報表示方法。
【請求項11】
コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する情報表示装置に含まれるコンピュータを、
前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段、及び、
前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替手段、
として機能させることを特徴とする情報表示プログラム。
【請求項12】
コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を、画面内の表示領域に表示する情報表示装置に含まれるコンピュータを、
前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段、及び、
前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを切り替える切替手段、
として機能させる情報表示プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項13】
コンテンツが表示されるコンテンツ表示領域を含む情報を表示する情報表示装置と、前記情報表示装置がネットワークを介して接続可能なサーバ装置と、を備える情報表示システムであって、
前記サーバ装置は、
前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを複数記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記情報を前記情報表示装置に送信する情報送信手段と、
前記情報表示装置から送信されたコンテンツ要求を受信するコンテンツ要求受信手段と、
前記コンテンツ要求が受信された場合に、前記記憶手段に記憶されたコンテンツのうち前記コンテンツ表示領域において表示対象であったコンテンツを除く何れかのコンテンツを選択する選択手段と、
前記選択されたコンテンツを前記情報表示装置に送信するコンテンツ送信手段と、
を備え、
前記情報表示装置は、
前記サーバ装置から送信された前記情報を受信する情報受信手段と、
前記受信された情報を画面内の表示領域に表示する表示手段と、
前記表示領域に表示されている前記情報内の前記コンテンツ表示領域が隠れたか否かを判定する判定手段と、
前記コンテンツ表示領域が隠れたと判定された場合には、前記コンテンツ要求を前記サーバ装置に送信するコンテンツ要求送信手段と、
前記サーバ装置から送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
前記コンテンツ表示領域に表示されるコンテンツを前記受信されたコンテンツに切り替える切替手段と、
を備えることを特徴とする情報表示システム。
【請求項14】
請求項13に記載の情報表示システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記情報表示装置のユーザに関するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段を更に備え、
前記選択手段は、前記ユーザ情報に基づいて、選択するコンテンツを決定することを特徴とする情報表示システム。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の情報表示システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記情報表示装置のユーザによる所定の行為の履歴を示す履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段を更に備え、
前記選択手段は、前記履歴情報に基づいて、選択するコンテンツを決定することを特徴とする情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−96226(P2011−96226A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123559(P2010−123559)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)
【Fターム(参考)】