説明

情報表示装置、表示制御方法及びプログラム

【課題】現実味のある立体画像を表示させる。
【解決手段】筐体11の一面である表示面に設けられ、立体画像を表示するディスプレイ12と、筐体11の表示面に直交する方向である厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像をディスプレイ12に表示させる表示制御部とを備える。これにより、立体画像に含まれる各オブジェクトがあたかも筐体11の内部に存在しているように見せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像を表示する情報表示装置、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体画像を表示することができるディスプレイが開発されている。立体画像を表示することができるディスプレイは、テレビやPCの他、携帯電話端末などの小型端末にも設けられる。
【0003】
なお、特許文献1には、複数の表示パネルを重ねて搭載し、表示内容が重ならないように、前面の表示物に相当する範囲の、後面の表示パネルを無模様にする技術が開示されている。
また、特許文献2には、複数の表示枠を自動的に効率的かつ見やすく配置する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−233074号公報
【特許文献2】特開平05−134834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、小型端末に立体画像を表示させる場合であっても、その奥行き方向の深度には特に制限を有しない。そのため、筐体より奥側にオブジェクトが配置されるような立体画像や、筐体より手前側に配置されるような立体画像が表示されうる。そのため、立体画像が筐体の内部に存在しているようには見えず、現実味に欠ける立体画像となってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、筐体の一面である表示面に設けられ、立体画像を表示する立体表示部と、前記筐体の表示面に直交する方向である厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像を前記立体表示部に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする情報表示装置である。
【0007】
また、本発明は、筐体の一面である表示面に設けられ、立体画像を表示する立体表示部を備える情報表示装置の表示制御方法であって、前記筐体の表示面に直交する方向である厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像を前記立体表示部に表示させるステップを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、筐体の一面である表示面に設けられ、立体画像を表示する立体表示部を備える情報表示装置を、前記筐体の表示面に直交する方向である厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像を前記立体表示部に表示させる表示制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示制御部は、筐体の厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像を立体表示部に表示させる。これにより、立体画像に含まれる各オブジェクトがあたかも筐体の内部に存在しているように見せることができる。したがって、本発明による情報表示装置は、現実味のある立体画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末の外観を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末の機能を示す概略ブロック図である。
【図3】意匠記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態による携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態による携帯電話端末の機能を示す概略ブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【図8】筐体を回転させたときにディスプレイに表示される立体画像の様子を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態による携帯電話端末の外観を示す概略図である。
【図10】本発明の第4の実施形態による携帯電話端末の機能を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末1の外観を示す概略図である。
携帯電話端末1(情報表示装置)は、筐体11、ディスプレイ12(立体表示部)、表示デバイス13、操作デバイス14を備える。
筐体11は、携帯電話端末1の外郭をなす筐体である。なお、筐体11の背面(筐体11を把持した際に使用者に対向する面の反対側の面)には、模様15が描かれている。
ディスプレイ12は、コンピュータの制御により立体画像を表示する。なお、ディスプレイ12は、筐体11の正面(筐体11を把持した際に使用者に対向する面:表示面)に設けられる。
表示デバイス13は、LED等の表示デバイスであり、携帯電話端末1への着信があったときに点灯する。なお、表示デバイス13は、筐体11の背面に設けられる。
操作デバイス14は、ボタンやタッチパネル等の操作デバイスであり、ユーザは、操作デバイス14を押下することで携帯電話端末1に対する操作を行うことができる。なお、操作デバイス14は、筐体11の背面に設けられる。
【0012】
図2は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末1の機能を示す概略ブロック図である。
また、携帯電話端末1は、内部にコンピュータ(図示せず)を備えている。そして、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(図示せず)に記憶されているプログラムをコンピュータが読み出して実行することで、携帯電話端末1は、意匠記憶部101、画像生成部102、表示制御部103、通信部104、着信通知部105、入力部106、計時部107を備える。
【0013】
意匠記憶部101は、筐体11の内部または筐体11の背面に施された意匠の識別情報と、当該意匠の画像情報と、当該意匠が配置されている位置とを、関連付けて記憶する。なお、本明細書において「意匠」とは、形状、模様、色彩またはこれらの結合のことを示す。本実施形態においては、表示デバイス13、操作デバイス14、模様15が意匠に該当する。また、筐体11の内部に施された意匠の例としては、携帯電話端末1に内蔵されるセンサなどの部品が挙げられる。
【0014】
画像生成部102は、意匠記憶部101が記憶する意匠の画像情報及び位置を用いて、筐体11の厚さ方向の長さと同じ深度を有する立体画像を生成する。なお、筐体11の背面が丸みを帯びている場合など、筐体11の厚さ方向の長さが筐体11の各点において異なる場合があるが、この場合、画像生成部102は、筐体11の各点において厚さ方向の長さと同じ深度となる立体画像を生成する。
表示制御部103は、画像生成部102が生成した画像をディスプレイ12に表示させる。
通信部104は、他の装置との通信を行う。
着信通知部105は、通信部104が他の装置からの呼を着信した場合に、表示デバイス13に着信の旨を表示させる。
入力部106は、操作デバイス14の押下を検出する。
計時部107は、最後に操作デバイス14が操作された時刻からの経過時間を計測する。
【0015】
図3は、意匠記憶部101が記憶する情報の例を示す図である。
意匠記憶部101は、意匠の識別情報と意匠の位置を示す位置情報とを関連付けて格納する位置テーブルと、意匠の識別情報と意匠の画像情報と当該画像情報を表示させる条件とを関連付けて格納する画像テーブルとを記憶する。
また、意匠記憶部101は、意匠が立体的形状である場合、意匠の画像情報として3次元グラフィックで当該意匠を表した画像情報を記憶し、意匠が模様などの平面である場合、意匠の画像情報として2次元グラフィックで当該意匠を表した画像情報を記憶する。また、ある条件において意匠の形態が経時的に変化する場合、意匠記憶部101は、画像情報として動画像を記憶する。なお、本実施形態では、意匠記憶部101が記憶する操作デバイス14の画像情報として、操作デバイス14の形状を模した画像情報を用いる場合を説明するが、これに限られず、操作デバイス14に相当する形状であって操作デバイス14と異なる形状の画像情報を、操作デバイス14の画像情報として用いても良い。即ち、意匠記憶部101が意匠の画像情報として記憶する画像情報は、実際の意匠の形状と異なるものであっても良い。
また、意匠記憶部101が記憶する位置情報は、ディスプレイ12の左上の位置を基準としたときの縦方向の位置、横方向の位置、及び奥行き方向の位置を表す。また、当該位置情報は、必ずしも実際の意匠の位置と一致している必要は無い。例えば、サブディスプレイが側面に設けられている場合、立体画像にサブディスプレイの意匠が表れなくなってしまうため、立体画像に表れるよう当該意匠に関連付けられた位置情報を実際の位置と異なる位置にすることが好ましい。
【0016】
次に、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末1の動作を説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態による携帯電話端末1の動作を示すフローチャートである。
使用者の操作により携帯電話端末1が起動すると、計時部107は、起動した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS1)。次に、画像生成部102は、携帯電話端末1の操作の用に供される画像(例えば、待ち受け画面、メニュー画面、ブラウザ画面、メーラ画面など)を生成し、仮想空間の深度0の位置に当該画像を配置する(ステップS2)。次に、通信部104は、他の装置からの呼を着信したか否かを判定する(ステップS3)。
【0017】
通信部104が、他の装置からの呼を着信していないと判定した場合(ステップS3:NO)、画像生成部102は、表示デバイス13に関連付けられた画像情報のうち、条件が「着信なし」である画像情報を意匠記憶部101の画像テーブルから読み出す(ステップS4)。
他方、通信部104が、他の装置からの呼を着信したと判定した場合(ステップS3:YES)、着信通知部105は、表示デバイス13に着信の旨を表示させる(ステップS5)。なお、当該着信の旨の表示は、意匠記憶部101の画像テーブルにおける表示デバイス13の着信ありの条件に関連付けられた画像情報と同じパターンで行われる。次に、画像生成部102は、表示デバイス13に関連付けられた画像情報のうち、条件が「着信あり」である画像情報を意匠記憶部101の画像テーブルから読み出す(ステップS6)。
【0018】
画像生成部102は、ステップS4またはステップS6で表示デバイス13の画像情報を読み出すと、表示デバイス13に関連付けられた位置情報を意匠記憶部101の位置テーブルから読み出す。そして、ステップS4またはステップS6で読み出した画像情報を、仮想空間における位置情報が示す位置に配置する(ステップS7)。
これにより、表示デバイス13の表示内容は、表示デバイス13の実際の位置に再現される。
【0019】
次に、入力部106は、使用者による操作デバイス14の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS8)。
入力部106が、使用者からの操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS8:NO)、画像生成部102は、操作デバイス14に関連付けられた画像情報のうち、条件が「ボタン押下なし」である画像情報を意匠記憶部101の画像テーブルから読み出す(ステップS9)。
他方、入力部106が、操作デバイス14の何れかのボタンの押下を受け付けたと判定した場合(ステップS8:YES)、計時部107は、現在計時している経過時間をリセットし、現在の時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS10)。また、画像生成部102は、操作デバイス14に関連付けられた画像情報のうち、押下されたボタンを示す条件に関連付けられた画像情報を、意匠記憶部101の画像テーブルから読み出す(ステップS11)。
【0020】
画像生成部102は、ステップS9またはステップS11で操作デバイス14の画像情報を読み出すと、操作デバイス14に関連付けられた位置情報を意匠記憶部101の位置テーブルから読み出す。そして、ステップS9またはステップS11で読み出した画像情報を、仮想空間における位置情報が示す位置に配置する(ステップS12)。
これにより、操作デバイス14の表示内容は、操作デバイス14の実際の位置に再現される。
【0021】
次に、計時部107は、計時している経過時間が所定の時間を過ぎているか否かを判定する(ステップS13)。計時部107が計時している経過時間が所定の時間を過ぎている場合(ステップS13:YES)、画像生成部102は、模様15に関連付けられた画像情報を、意匠記憶部101の画像テーブルから読み出す(ステップS14)。次に、画像生成部102は、模様15に関連付けられた位置情報を意匠記憶部101の位置テーブルから読み出し、模様15の画像情報を、仮想空間における位置情報が示す位置に配置する(ステップS15)。
これにより、操作デバイスへの操作が所定の時間なかった場合に、スクリーンセーバーとして筐体11の表面に施された模様15をディスプレイ12に表示させることができる。
【0022】
ステップS15で画像生成部102が仮想空間に模様15の画像情報を配置した場合、またはステップS13において、計時部107が計時している経過時間が所定の時間を過ぎていない場合(ステップS13:NO)、画像生成部102は、仮想空間に配置された複数の画像から、立体画像を生成する(ステップS16)。具体的には、仮想空間に配置された複数の画像のうち、深度が高い(奥行き方向の座標の値が大きい)画像ほど左右の視差が大きくなるように立体画像を生成する。
【0023】
次に、表示制御部103は、画像生成部102が生成した画像をディスプレイ12に表示させる(ステップS17)。
次に、携帯電話端末1は、使用者などによる操作や割り込み処理などにより、外部から処理の終了要求を入力したか否かを判定する(ステップS18)。携帯電話端末1は、外部から終了要求を入力していないと判定した場合(ステップS18:NO)、ステップS2に戻り、次の画面を示す画像の作成を行う。他方、携帯電話端末1は、外部から終了要求を入力したと判定した場合(ステップS18:YES)、処理を終了する。
【0024】
なお、仮想空間において意匠の画像情報は、それぞれ意匠記憶部101の位置テーブルが格納する位置情報が示す位置に配置される。そして、位置情報が示す位置は、意匠の実際の位置に相当する位置である。各意匠は筐体11の裏面または内部に配置されるため、仮想空間において意匠の画像情報が配置される奥行き方向の位置は、筐体11の厚さ方向の長さ以内の位置となる。したがって、表示制御部103がディスプレイ12に表示させる立体画像の深度は、筐体11の厚さ方向の長さ以下となる。これにより、立体画像に含まれる各意匠があたかも筐体11の内部に存在しているように見せることができる。したがって、携帯電話端末1は、現実味のある立体画像を表示させることができる。
【0025】
また、本実施形態によれば、携帯電話端末1の操作の用に供する画像と共に、携帯電話端末1の正面以外に備えられた意匠に相当する表示を行う。これにより、携帯電話端末1が本来持つ機能とその使い勝手を損なわないまま、さらに背面の意匠の状態を使用者に知らせることができる。
【0026】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
第2の実施形態による携帯電話端末2は、第1の実施形態による携帯電話端末1と異なり、表示デバイス13、操作デバイス14が機能を発揮しているときのみ、これらの画像をディスプレイ12に表示させるものである。
なお、第2の実施形態による携帯電話端末2の外観は、第1の実施形態による携帯電話端末1の外観と同じであり、コンピュータが実行する機能が異なるものである。
【0027】
次に、本発明の第2の実施形態による携帯電話端末2の動作を説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態による携帯電話端末2の動作を示すフローチャートである。なお、第1の実施形態と同じ動作をするステップについては、同じ番号を用いて説明する。
使用者の操作により携帯電話端末2が起動すると、計時部107は、起動した時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS1)。次に、画像生成部102は、携帯電話端末1の操作の用に供される画像を生成し、仮想空間の深度0の位置に当該画像を配置する(ステップS2)。次に、通信部104は、他の装置からの呼を着信したか否かを判定する(ステップS3)。
【0028】
通信部104が、他の装置からの呼を着信したと判定した場合(ステップS3:YES)、着信通知部105は、表示デバイス13に着信の旨を表示させる(ステップS5)。次に、画像生成部102は、表示デバイス13に関連付けられた画像情報のうち、条件が「着信あり」である画像情報を意匠記憶部101の画像テーブルから読み出す(ステップS6)。次に、画像生成部102は、ステップS4またはステップS6で表示デバイス13の画像情報を読み出すと、表示デバイス13に関連付けられた位置情報を意匠記憶部101の位置テーブルから読み出す。そして、ステップS4またはステップS6で読み出した画像情報を、仮想空間における位置情報が示す位置に配置する(ステップS7)。
他方、通信部104が、他の装置からの呼を着信していないと判定した場合(ステップS3:NO)、画像生成部102は、表示デバイス13の画像情報の読み出し及び仮想空間への配置を行わない。これにより、着信の発生により、表示デバイス13が表示を行っている場合のみ、表示デバイス13の画像が再現される。
【0029】
ステップS7で画像情報を仮想空間に配置した場合、またはステップS3において他の装置からの呼を着信していないと判定した場合(ステップS3:NO)、入力部106は、使用者による操作デバイス14の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS8)。
入力部106が、操作デバイス14の何れかのボタンの押下を受け付けたと判定した場合(ステップS8:YES)、計時部107は、現在計時している経過時間をリセットし、現在の時刻からの経過時間の計時を開始する(ステップS10)。
【0030】
また、画像生成部102は、操作デバイス14に関連付けられた画像情報のうち、押下されたボタンを示す条件に関連付けられた画像情報を、意匠記憶部101の画像テーブルから読み出す(ステップS11)。次に、画像生成部102は、操作デバイス14に関連付けられた位置情報を意匠記憶部101の位置テーブルから読み出す。そして、ステップS9またはステップS11で読み出した画像情報を、仮想空間における位置情報が示す位置に配置する(ステップS12)。
他方、入力部106が、操作デバイス14の何れのボタンも押下されていないと判定した場合(ステップS8:NO)、画像生成部102は、操作デバイス14の画像情報の読み出し及び仮想空間への配置を行わない。これにより、使用者によって操作デバイス14が操作されている場合のみ、操作デバイス14の画像が再現される。
【0031】
次に、計時部107は、計時している経過時間が所定の時間を過ぎているか否かを判定する(ステップS13)。計時部107が計時している経過時間が所定の時間を過ぎている場合(ステップS13:YES)、画像生成部102は、模様15に関連付けられた画像情報を、意匠記憶部101の画像テーブルから読み出す(ステップS14)。次に、画像生成部102は、模様15に関連付けられた位置情報を意匠記憶部101の位置テーブルから読み出し、模様15の画像情報を、仮想空間における位置情報が示す位置に配置する(ステップS15)。
これにより、操作デバイスへの操作が所定の時間なかった場合に、スクリーンセーバーとして筐体11の表面に施された模様15をディスプレイ12に表示させることができる。
【0032】
ステップS15で画像生成部102が仮想空間に模様15の画像情報を配置した場合、またはステップS13において、計時部107が計時している経過時間が所定の時間を過ぎていない場合(ステップS13:NO)、画像生成部102は、仮想空間に配置された複数の画像から、立体画像を生成する(ステップS16)。
次に、表示制御部103は、画像生成部102が生成した画像をディスプレイ12に表示させる(ステップS17)。
次に、携帯電話端末2は、使用者などによる操作や割り込み処理などにより、外部から処理の終了要求を入力したか否かを判定する(ステップS18)。携帯電話端末2は、外部から終了要求を入力していないと判定した場合(ステップS18:NO)、ステップS2に戻り、次の画面を示す画像の作成を行う。他方、携帯電話端末2は、外部から終了要求を入力したと判定した場合(ステップS18:YES)、処理を終了する。
【0033】
このように、本実施形態によれば、画像生成部102は、表示デバイス13が所定の情報を表示している場合のみ、生成する立体画像に表示デバイス13の意匠を含め、操作デバイス14が操作されている場合のみ、生成する立体画像に操作デバイス14の意匠を含める。これにより、表示デバイス13や操作デバイス14が機能を発揮していないときにはこれらの画像がディスプレイ12に表示されないため、ディスプレイ12に表示される立体画像が蕪雑になることを防ぐことができる。
【0034】
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態による携帯電話端末3の機能を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態による携帯電話端末3は、筐体情報記憶部108、画像生成部102、表示制御部103、加速度検出部109を備える。なお、第3の実施形態による携帯電話端末3の外観は、第1の実施形態による携帯電話端末1の外観と同じである。
【0035】
筐体情報記憶部108は、筐体11のサイズ情報(筐体11の縦の長さ、横の長さ、及び厚さ方向の長さ)を記憶する。なお、筐体11の背面が丸みを帯びている場合など、筐体11の厚さ方向の長さが筐体11の各点において異なる場合、筐体情報記憶部108は、厚さ方向の長さを筐体11の各点に関連付けて記憶する。
画像生成部102は、筐体情報記憶部108が記憶する筐体11のサイズ情報を用いて、筐体11の厚さ方向の長さと同じ深度を有する立体画像を生成する。
表示制御部103は、画像生成部102が生成した画像をディスプレイ12に表示させる。
加速度検出部109は、筐体11に設けられた加速度センサ(図示せず)から加速度を検出することで、筐体11の傾斜角を測定する。
【0036】
次に、本発明の第3の実施形態による携帯電話端末3の動作を説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態による携帯電話端末3の動作を示すフローチャートである。なお、第1の実施形態と同じ動作をするステップについては、同じ番号を用いて説明する。
使用者の操作により携帯電話端末3が起動すると、画像生成部102は、携帯電話端末1の操作の用に供される画像を生成し、仮想空間の深度0の位置に当該画像を配置する(ステップS101)。次に、画像生成部102は、筐体情報記憶部108から筐体11のサイズ情報を読み出し、仮想空間における当該サイズ情報が示す範囲内に、仮想空間を演出するための画像を配置する(ステップS102)。仮想空間を演出するための画像とは、例えばディスプレイ12に表示させる仮想空間に魚が泳いでいる様子を演出する場合における魚の画像や、仮想空間に雲が浮かんでいる様子を演出する場合における雲の画像などのことである。
【0037】
次に、画像生成部102は、加速度検出部109が算出した筐体11の奥行き方向の回転軸周りの傾斜角を読み出す。次に、画像生成部102は、読み出した傾斜角だけ仮想空間を演出する画像を回転させる(ステップS103)。
【0038】
次に、画像生成部102は、仮想空間に配置された複数の画像から、立体画像を生成する(ステップS104)。そして、表示制御部103は、画像生成部102が生成した画像をディスプレイ12に表示させる(ステップS105)。
次に、携帯電話端末3は、使用者などによる操作や割り込み処理などにより、外部から処理の終了要求を入力したか否かを判定する(ステップS106)。携帯電話端末3は、外部から終了要求を入力していないと判定した場合(ステップS106:NO)、ステップS101に戻り、次の画面を示す画像の作成を行う。他方、携帯電話端末3は、外部から終了要求を入力したと判定した場合(ステップS106:YES)、処理を終了する。
【0039】
図8は、筐体11を回転させたときにディスプレイ12に表示される立体画像の様子を示す図である。
本実施形態によれば、ステップS103において筐体11の傾斜角と同じ角度だけ仮想空間を演出する画像を回転させることで、図8に示すように、仮想空間における上下方向と実際の上下方法とを一致させることができる。
また、本実施形態によれば、表示制御部103は、厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像をディスプレイ12に表示させる。これにより、仮想空間を演出する画像があたかも筐体11の内部に存在しているように見せることができる。
【0040】
《第4の実施形態》
図9は、本発明の第4の実施形態による携帯電話端末4の外観を示す概略図である。
図10は、本発明の第4の実施形態による携帯電話端末4の機能を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態による携帯電話端末4は、第3の実施形態による携帯電話端末3の構成に加え、撮像部16を備える。
撮像部16は、筐体11の正面に設けられた2つの対物系であり、当該2つの対物系は、筐体11を把持した際に正面の左側と右側とに位置するように配置されている。また、撮像部16は、2つの対物系から入射するそれぞれの物体光により形成される立体画像を撮像する。なお、撮像部16は、筐体11の正面に設けられるため、撮像部16は、使用者の顔を含む立体画像を撮像することとなる。
そして、画像生成部102は、仮想空間を演出するための画像として、仮想的な鏡を仮想空間内に配置し、当該鏡の表面に、撮像部16が撮像した立体画像を投影する。
これにより、携帯電話端末4を用いて実際の鏡が映すような像をディスプレイ12に再現することができる。
【0041】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1の実施形態、第2の実施形態では、携帯電話端末1、2の意匠を立体画像として生成し、ディスプレイ12に表示させる場合を説明したが、これに限られず、携帯電話端末1、2の意匠を平面画像として生成し、ディスプレイ12に表示させても良い。この場合、現実味のある立体感を得ることはできないが、筐体11の背面を実際に見ることなく筐体11の背面の情報を得ることはできる。
【0042】
また、第1の実施形態、第2の実施形態では、表示デバイス13の意匠の画像情報を条件毎に意匠記憶部101に記憶しておき、画像生成部102が各条件に関連付けられた画像情報を含む立体画像を生成する場合を説明したが、これに限られない。例えば、意匠記憶部101が表示デバイス13の意匠の画像情報として幅及び高さのみの情報を記憶し、画像生成部102が、携帯電話端末1のCPUの制御によって表示デバイス13に表示する画像をそのまま立体画像に含めるようにしても良い。つまり、画像生成部102が、表示デバイス13の制御によって表示される情報を示す画像情報を配置した立体画像を生成するための方法は、本明細書に記載した方法に限られない。
【0043】
また、第1の実施形態、第2の実施形態では、筐体11の背面に設けられた意匠を表示させる場合を説明したが、これに限られず、例えば筐体11の内部に設けられた部品などの意匠を表示させるようにしても良い。
【0044】
また、第1の実施形態、第2の実施形態では、所定の時間の間操作がなされなかった場合に模様15をディスプレイ12に表示させる場合を説明したが、これに限られず、模様15を常時表示させるようにしても良い。
【0045】
また、第2の実施形態では、着信の発生により、表示デバイス13が表示を行っている場合のみ、表示デバイス13の画像が再現され、使用者によって操作デバイス14が操作されている場合のみ、操作デバイス14の画像が再現される例について説明したが、表示の切り替えの条件はこれに限られない。例えば、表示デバイス13、操作デバイス14の状態に変化があった場合、その後数秒から数十秒の間、表示デバイス13、操作デバイス14の画像を再現しても良い。また、表示デバイス13、操作デバイス14の状態に変化がない場合であっても、使用者の操作があった場合に、表示デバイス13、操作デバイス14の画像を再現するようにしても良い。また、表示デバイス13、操作デバイス14に限らず、他の意匠についても、所定の条件に応じて表示・非表示が切り替わるようにしても良い。
【0046】
また、第3の実施形態では、画像生成部102が筐体情報記憶部108の情報に基づいて、筐体11の厚さ方向の長さと同じ深度を有する立体画像を生成し、表示制御部103が、当該立体画像をディスプレイ12に表示させる場合を説明したが、これに限られない。例えば、筐体11の厚さ方向の長さと同じ深度を有する立体画像を予め記憶する立体画像記憶部を備え、表示制御部103が立体画像記憶部に記憶された立体画像をディスプレイ12に表示するようにしても良い。
なお、立体画像記憶部に記憶された立体画像を表示させる場合は、筐体11のサイズ毎に異なる深度を有する立体画像を用意する必要があるが、画像生成部102が立体画像を生成する場合、携帯電話端末1が各々自端末の条件に合致する立体画像を生成するため、筐体11のサイズ毎に異なる深度を有する立体画像を用意する必要がない。
【0047】
また、上述したように、本発明による携帯電話端末は内部に、コンピュータを有している。そして、各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0048】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0049】
1、2、3、4…携帯電話端末 11…筐体 12…ディスプレイ 13…表示デバイス 14…操作デバイス 15…模様 16…撮像部 101…意匠記憶部 102…画像生成部 103…表示制御部 104…通信部 105…着信通知部 106…入力部 107…計時部 108…筐体情報記憶部 109…加速度検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の一面である表示面に設けられ、立体画像を表示する立体表示部と、
前記筐体の表示面に直交する方向である厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像を前記立体表示部に表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記筐体の厚さ方向の長さと同じ深度を有する立体画像を生成する画像生成部を備え、
前記表示制御部は、前記画像生成部が生成した立体画像を前記立体表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記筐体の表示面以外の面または前記筐体の内部に設けられた意匠を示す画像情報と当該意匠を表示させる位置を記憶する意匠記憶部を備え、
前記画像生成部は、前記意匠記憶部が記憶する意匠の画像情報を当該意匠に関連付けて記憶された位置に配置した立体画像を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記筐体の表示面以外の面に設けられ、情報を表示する表示デバイスを備え、
前記画像生成部は、当該表示デバイスの制御によって表示される情報を示す画像情報を配置した立体画像を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記筐体の表示面以外の面に設けられ、利用者による操作を受け付ける操作デバイスを備え、
前記画像生成部は、前記操作デバイスの制御に応じて当該操作デバイスの意匠を変化させた立体画像を生成する
ことを特徴とする請求項3から請求項4の何れか1項に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記画像生成部は、所定の条件に応じて前記立体画像に何れの意匠を含めるかを決定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記筐体の表示面に設けられ、立体画像を撮像する撮像部を備え、
前記画像生成部は、仮想的な鏡を含む立体画像を生成し、前記撮像部が撮像した立体画像を当該仮想的な鏡に投影する
ことを特徴とする請求項2から請求項6の何れか1項に記載の情報表示装置。
【請求項8】
筐体の一面である表示面に設けられ、立体画像を表示する立体表示部を備える情報表示装置の表示制御方法であって、
前記筐体の表示面に直交する方向である厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像を前記立体表示部に表示させるステップを有する
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項9】
筐体の一面である表示面に設けられ、立体画像を表示する立体表示部を備える情報表示装置を、
前記筐体の表示面に直交する方向である厚さ方向の長さ以下の深度を有する立体画像を前記立体表示部に表示させる表示制御部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−185273(P2012−185273A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47432(P2011−47432)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】