説明

情報表示装置及び情報表示方法

【課題】特定の運転者のみに情報を伝達すること。
【解決手段】第1領域において所定周波数の逆数の時間間隔で点滅し、第1領域を包含する第2領域のうち第1領域以外の領域において所定周波数の2の階乗倍である周波数の逆数の時間間隔で点滅する複数の発光素子を有する情報表示板100を含む画像を取得し、第1領域に示される情報を表示する情報表示装置200であって、撮像間隔設定部201は車両情報が所定条件を満たす場合は撮像間隔を所定周波数の2倍の逆数に設定し、所定条件を満たさない場合は撮像間隔を所定周波数の逆数に設定し、撮像制御部202は設定された撮像間隔に基づいて撮像タイミングが制御された車載カメラ300から情報表示板100を含む画像を取得し、差分画像生成部206は第1画像と、第1画像に対して撮像間隔だけ前に撮像された第2画像との間の情報表示板100の差分画像を生成し、表示部207は差分画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示板を用いて運転者に対して情報提供を行う情報表示装置及び情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の運転者に対してリアルタイムな渋滞情報の提供、又は、特定の期間における交通安全標語の表示等を行う情報表示板を路側に設置することで、運転者に対して情報提供を行う情報表示装置が存在する。多くの情報表示板は、外部からの指示によって表示内容を動的に変更する表示板を用いて必要な情報を提供する。例えば、LED等の発光素子を用いた情報表示板(LED表示板等)が存在する。
【0003】
特許文献1には、交通信号機の上部または下部の見通しの良い部位に表示機器(情報表示板)を設定し、信号灯火色変換までの時間をリアルタイムで運転者に知らせる方法が開示されている。この方法を採用した信号機は現在実現されており、例えば、信号灯火色変換までの時間をリアルタイムで表示するLED表示板を信号機の周辺に設定する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3131363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、すべての運転者に対して共通に伝達する情報(例えば特許文献1のような信号灯火色が変化するまでの時間)であれば、表示機器を設置することで、すべての運転者に対して情報を提供することが可能である。
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、速度を超過した車両の運転者のみに速度超過に関する情報を伝達する場合等、特定の条件の運転者に対してのみ情報を伝達する必要がある場合でも、表示機器の周囲の車両のすべての運転者に対して同様の情報を伝えてしまうという課題が存在する。
【0007】
例えば、制限速度が50(km/h)の道路を1台の車両が30(km/h)で走行し、他の1台の車両が70(km/h)で走行していた場合において、特許文献1に開示された表示機器が「速度超過」と表示すると、両方の車両の運転者に対して速度超過を伝達することになる。つまり、制限速度を超過していない、30(km/h)で走行している車両の運転者に対して、不要な情報を提供してしまう。
【0008】
本発明の目的は、特定の運転者のみに情報を伝達することができる情報表示装置及び情報表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様の情報表示装置は、第1の領域において所定の周波数の逆数の時間間隔で点滅し、第1の領域を包含する第2の領域のうち第1の領域以外の領域において所定の周波数の2の階乗倍である周波数の逆数の時間間隔で点滅する複数の発光素子を有する情報表示板を含む複数の画像を、所定の撮像間隔で撮像する車載カメラから取得し、第1の領域に示される情報を表示する情報表示装置であって、車両情報を取得し、車両情報が所定の条件を満たすか否か判断し、所定の条件を満たす場合は撮像間隔を所定の周波数の2倍の逆数に設定し、所定の条件を満たさない場合は撮像間隔を所定の周波数の逆数に設定する設定手段と、設定された撮像間隔に基づいて車載カメラの撮像タイミングを制御し、車載カメラから情報表示板を含む複数の画像を取得する撮像制御手段と、撮像制御手段において取得された複数の画像のうち第1の画像に含まれる情報表示板と、第1の画像に対して設定された撮像間隔だけ前に撮像された第2の画像に含まれる情報表示板との差分画像を生成する差分画像生成手段と、差分画像を表示する表示手段と、を具備する。
【0010】
本発明の一態様の情報表示方法は、第1の領域において所定の周波数の逆数の時間間隔で点滅し、第1の領域を包含する第2の領域のうち第1の領域以外の領域において所定の周波数の2の階乗倍である周波数の逆数の時間間隔で点滅する複数の発光素子を有する情報表示板を含む複数の画像を、所定の撮像間隔で撮像する車載カメラから取得し、第1の領域において示される情報を表示する情報表示方法であって、設定手段は、車両情報を取得し、車両情報が所定の条件を満たすか否か判断し、所定の条件を満たす場合は撮像間隔を所定の周波数の2倍の逆数に設定し、所定の条件を満たさない場合は撮像間隔を所定の周波数の逆数に設定し、撮像制御手段は、設定された撮像間隔に基づいて車載カメラの撮像タイミングを制御し、車載カメラから情報表示板を含む複数の画像を取得し、差分画像生成手段は、撮像制御手段において取得された複数の画像のうち第1の画像に含まれる情報表示板と、第1の画像に対して設定された撮像間隔だけ前に撮像された第2の画像に含まれる情報表示板との差分画像を生成し、表示手段は、差分画像を表示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特定の運転者のみに情報を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係る情報表示装置の主要構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る情報表示板及び情報表示装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る不特定の人(運転者)に伝達する情報のドットパターンを示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係る特定の人(運転者)に対して伝達する情報のドットパターンを示す図
【図5】本発明の実施の形態1に係る情報表示板における個々の発光素子についての点滅パターンを示す図
【図6】本発明の実施の形態1に係る点滅パターンのタイミングの説明に供する図
【図7】本発明の実施の形態1に係る撮像から表示までの処理を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1に係る情報表示板の撮像画像例を示す図
【図9】本発明の実施の形態1に係る情報表示板の正規化及び補正の後の画像例を示す図
【図10】本発明の実施の形態1に係る情報表示板の2値化後の画像例を示す図
【図11】本発明の実施の形態1に係る第1のタイミングにおける撮像パターンを示す図
【図12】本発明の実施の形態1に係る第2のタイミングにおける撮像パターンを示す図
【図13】本発明の実施の形態1に係る第3のタイミングにおける撮像パターンを示す図
【図14】本発明の実施の形態1に係る第4のタイミングにおける撮像パターンを示す図
【図15】本発明の実施の形態1に係る情報表示板における個々の発光素子についての点滅パターンを示す図
【図16】本発明の他のバリエーションの説明に供する図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報表示装置200の主要構成部を示す。本実施の形態においては、情報表示装置200は、車載装置であるとして説明する。図1に示す車載装置である情報表示装置200は、情報表示板を含む画像を取得する。情報表示板は、第1の領域において所定の周波数(f1)で点滅する発光素子と、第1の領域を包含する第2の領域のうち第1の領域以外の領域において所定の周波数(f1)の2の階乗倍である周波数で点滅する発光素子とを含む複数の発光素子を備える。また、上記第1の領域は、所定の条件を満たす場合のみに伝達すべき特定の情報の表示領域である。
【0015】
情報表示装置200において、撮像間隔設定部201が、車両情報(たとえば、車両の速度情報、方向指示器の方向情報、または、ガソリン残量もしくは蓄電残量など)を取得し、車両情報と所定の条件とに基づいて車載カメラ(図1に不図示)の撮像間隔を設定する。撮像制御部202が、設定された撮像間隔に従って、情報表示板100を含む画像を所定の撮像間隔で撮像する車載カメラ(図1に不図示)の撮像タイミングを制御し、車載カメラから、情報表示版100を含む複数の画像を取得する。そして、差分画像生成部206が、撮像制御部202において取得された複数の画像のうち今回取得した画像(第1の画像)内の情報表示板100の領域と、前回取得した画像(第1の画像に対して、設定された撮像間隔だけ前に撮像された第2の画像)内の情報表示板100の領域との差分画像を生成し、表示部207が、差分画像を表示する。
【0016】
また、撮像間隔設定部201は、車両情報が所定の条件を満たす場合、撮像間隔を所定の周波数(f1)の2倍の逆数の時間に設定し、所定の条件を満たさない場合、撮像間隔を所定の周波数(f1)の逆数の時間に設定する。
【0017】
なお、車載カメラ(撮像部)は、情報表示装置200に含まれないとして説明したが、その限りではなく、情報表示装置200に含まれてもよい。
【0018】
[情報表示システム10の概要]
図2は、本発明の実施の形態に係る情報表示システム10の構成を示すブロック図である。図2において、情報表示システム10は、例えば、路側に設置される情報表示板100と、車両に搭載される情報表示装置(車載装置)200と、車載カメラ300とを有する。
【0019】
[情報表示板100の構成]
図2において、情報表示板100は、基本情報蓄積部101と、付加情報蓄積部102と、点滅間隔設定部103と、表示部104と、を有する。
【0020】
基本情報蓄積部101は、情報表示板100の近辺に存在する運転者又は歩行者などその他不特定の者に対して伝達する情報(以下、「基本情報」という)を蓄積する。例えば、基本情報蓄積部101は、表示部104で表示するドットパターンとして基本情報を蓄積する。なお、この不特定の人は、基本情報を肉眼で認識するものとする。
【0021】
付加情報蓄積部102は、運転者や運転者が乗車している車両が所定の条件(又は状態)を満たしている場合、その運転者に対して伝達する情報(以下、「付加情報」という)を蓄積する。例えば、付加情報蓄積部102は、表示部104で表示するドットパターンとして付加情報を蓄積する。
【0022】
点滅間隔設定部103は、基本情報蓄積部101に蓄積された基本情報のドットパターン、及び、付加情報蓄積部102に蓄積された付加情報のドットパターンの点滅間隔をそれぞれ設定する。例えば、点滅間隔設定部103は、基本情報及び付加情報のドットパターンを合成し、合成されたドットパターンに基づいて、各ドット(すなわち、各発光素子)の点滅間隔を設定する。そして、点滅間隔設定部103は、点滅間隔が設定されたドットパターンを表示部104に出力する。
【0023】
なお、発光素子が点滅する場合、光が点いている状態を「オン」状態(ON)とし、光が消えている状態を「オフ」状態(OFF)とする。また、発光素子のうち、点滅していない発光素子は消灯しているものとする。
【0024】
表示部104は、点滅間隔設定部103から入力されるドットパターンを表示する。例えば、表示部104は、複数の発光素子で構成されるLED表示板を有する。表示部104は、点滅間隔設定部103で設定された各発光素子の点滅間隔に従って、各発光素子の光をオンオフ制御することで、基本情報及び付加情報を表示する。付加情報を表示するために点滅する発光素子の集まりが前述の第1の領域であり、基本情報を表示するために点滅する発光素子の集まりが第2の領域である。
【0025】
[情報表示装置200の構成]
図2において、情報表示装置200は、撮像間隔設定部201と、撮像制御部202と、表示板領域切出部203と、正規化補正部204と、2値化処理部205と、差分画像生成部206と、表示部207と、を有する。
【0026】
撮像間隔設定部201は、情報表示装置200を搭載する車両内部で取得可能な情報(単に車両情報ともいう)を取得する。車両情報は、たとえば、車両の速度情報、方向指示器の方向情報、または、ガソリン残量もしくは蓄電残量などである。撮像間隔設定部201は、車両情報に関する条件(又は状態)に応じて、車載カメラ300の撮像間隔を設定する。上記車両情報に関する条件として、例えば、車両の速度が予め設定された速度(制限速度等)を超えたか否か、等が挙げられる。車両情報に関するその他の条件は後述する。撮像間隔設定部201は、設定した撮像間隔を示す情報を、撮像制御部202に出力する。
【0027】
撮像制御部202は、撮像間隔設定部201から取得される撮像間隔を示す情報に従い、車両に搭載された車載カメラ300の撮像タイミングを制御する。そして、撮像制御部202は、設定された撮像間隔で撮像された、情報表示板100を含む複数の画像を車載カメラ300から取得する。撮像制御部202は、取得した画像を表示板領域切出部203に出力する。
【0028】
なお、車載カメラ300は、例えば、車両の前方に向けて搭載され、車両前方の画像を取得する。また、車載カメラ300は撮像制御部202に含まれないとして説明したが、撮像制御部202に含まれてもよい。
【0029】
表示板領域切出部203は、撮像制御部202から入力される画像から、情報表示板100の領域のみを切り出す。表示板領域切出部203は、切り出した画像(情報表示板100の領域画像)を正規化補正部204に出力する。
【0030】
正規化補正部204は、表示板領域切出部203から入力される画像に対して、予め設定されたサイズ、及び、矩形(長方形)になるように正規化及び補正を行う。画像を特定のサイズに正規化するのは、情報表示装置200を搭載した車両の走行に伴う、情報表示板100と情報表示装置200との距離の変化によって、撮像制御部202で撮像される画像内の情報表示板100のLED表示領域のサイズが撮像のたびに異なるためである。また、画像を矩形(長方形)に補正するのは、情報表示装置200を搭載した車両の走行に伴う、情報表示装置200から情報表示板100までの俯角の変化によって、撮像制御部202で撮像される画像内の情報表示板100のLED表示領域の形状が撮像のたびに異なるためである。正規化補正部204は、正規化・補正後の画像を2値化処理部205に出力する。なお、正規化補正部204は必要に応じて、撮像制御部202におけるレンズの歪みによって生じる画像の歪みを補正する。なお、表示板領域切出部203を省略し、撮像制御部202から入力される画像に対して、正規化及び補正を行ってもよい。
【0031】
2値化処理部205は、正規化補正部204から入力される画像に対して、2値化処理を行う。2値化処理を行うのは、点滅による発光素子自体の光度の変化、又は、車両の走行環境(日照状況など)の変化などによって、点灯または消灯している発光素子が撮像制御部202において常に同一輝度で撮像されるとは限らないためである。例えば、2値化処理部205は、輝度が予め設定された閾値以上であるか否かに応じて、撮像制御部202で撮像された画像を画素ごとに2値化してもよい。又は、2値化処理部205は、情報表示板100の表示部104におけるLED表示板の縦及び横の素子数に基づいて画像を複数の領域に分割し、各素子に対応する領域の平均輝度が予め設定された閾値以上であるか否かに応じて2値化を行ってもよい。なお、正規化補正部204を省略し、撮像制御部202から入力される画像に対して、2値化処理してもよい。
【0032】
なお、2値化処理部205における2値化処理については、これらの方法に限らない。2値化処理部205は、2値化された画像データを差分画像生成部206に出力する。
【0033】
差分画像生成部206は、2値化処理が行われた複数の画像データを取得する。複数の画像データは、撮像されるタイミング毎に取得されてもよいし、まとめて取得されてもよい。差分画像生成部206は、撮像制御部202が取得した複数の画像のうち、車載カメラ300の撮像タイミングが最近である第1の画像に含まれる情報表示板100の領域画像と、第1の画像に対して、設定された撮像間隔だけ前に撮像された第2の画像に含まれる情報表示板100の領域画像との差分(以下、差分画像という)を生成する。差分画像生成部206は、差分画像を表示部207に出力する。
【0034】
表示部207は、差分画像生成部206から入力される差分画像を表示する。
【0035】
[情報表示システム10の動作]
以上の構成を有する情報表示システム10の動作について説明する。
【0036】
[情報表示板100の動作]
以下の説明では、情報表示板100は、図3及び図4に示すように、縦16個、横32個の発光素子から構成されるLED表示板(16個×32個のドット)を有する。
【0037】
情報表示板100の基本情報蓄積部101が蓄積する基本情報(不特定の者に対して視覚を通じて伝達する情報)の一例として、図3に示すような上向き矢印を表すドットパターンを用いる。すなわち、情報表示板100は、基本情報を伝達する場合には、図3に示すようにLED表示板の発光素子のうち、上向き矢印を表す発光素子を点滅させ、その他の発光素子を消灯させる。
【0038】
また、情報表示板100の付加情報蓄積部102が蓄積する付加情報(所定の条件を満たす運転者に対してのみ情報表示装置200を通じて伝達する情報)の一例として、図4に示すように速度超過を示す文字列「ソクドオーバー」を表すドットパターン用いる。すなわち、情報表示板100は、付加情報を伝達する場合には、図4に示すようにLED表示板の発光素子のうち、「ソクドオーバー」を表す発光素子を点滅させ、その他の発光素子を消灯させる。
【0039】
基本情報蓄積部101及び付加情報蓄積部102は、各ドットパターンに対応した発光素子の点滅及び消灯の並びを表すデータ列を点滅間隔設定部103に出力する。例えば、基本情報蓄積部101及び付加情報蓄積部102は、基本情報及び付加情報のドットパターンを、点滅するドットを‘1’、消灯するドットを‘0’で表したデータ列として点滅間隔設定部103に出力する。
【0040】
例えば、図3に示す基本情報のドットパターンの横方向(行方向)の32ドットを1つのデータ列とする場合について説明する。この場合、図3に示す基本情報は、以下のようなデータ列で表される。なお、ここでは、図3に示す最上段を1行目とし、最下段を16行目としている。
1行目の点滅・消灯パターン(=00000011111111111111111111000000)
2行目の点滅・消灯パターン(=00000111111111111111111111100000)

16行目の点滅・消灯パターン(=00001111111111111111111111110000)
【0041】
同様に、図4に示す付加情報のドットパターンの横方向(行方向)の32ドットを1つのデータ列とする場合、各データ列は以下のように表される。
1行目の点滅・消灯パターン(=00000000000000000000000000000000)
2行目の点滅・消灯パターン(=00000001000100111100101100000000)

16行目の点滅・消灯パターン(=00000000000000000000000000000000)
【0042】
点滅間隔設定部103は、基本情報蓄積部101及び付加情報蓄積部102のそれぞれから入力されるドットパターンを表すデータ列を、発光素子毎に足し合わせることで、合成する。
【0043】
例えば、点滅間隔設定部103は、図3に示す基本情報の1行目の点滅・消灯パターンと、図4に示す付加情報の1行目の点滅・消灯パターンとを合成して、合成後の1行目の点滅・消灯パターンを生成する。
・基本情報の
1行目の点滅・消灯パターン(=00000011111111111111111111000000)
・付加情報の
1行目の点滅・消灯パターン(=00000000000000000000000000000000)
・合成後の
1行目の点滅・消灯パターン(=00000011111111111111111111000000)
【0044】
同様に、点滅間隔設定部103は、図3に示す基本情報の2行目の点滅・消灯パターンと、図4に示す付加情報の2行目の点滅・消灯パターンとを合成して、合成後の2行目の点滅・消灯パターンを生成する。
・基本情報の
2行目の点滅・消灯パターン(=00000111111111111111111111100000)
・付加情報の
2行目の点滅・消灯パターン(=00000001000100111100101100000000)
・合成後の
2行目の点滅・消灯パターン(=00000112111211222211212211100000)
【0045】
点滅間隔設定部103は、図3に示す基本情報及び図4に示す付加情報の3行目〜16行目についても同様にして点滅・消灯パターンを合成する。
【0046】
ここで、上記合成後の点滅・消灯パターンのうち、‘0’は基本情報及び付加情報のいずれにおいても点滅しない発光素子であり、‘1’は基本情報において点滅される発光素子であり、‘2’は基本情報及び付加情報の双方において点滅される発光素子である。
【0047】
また、基本情報の点滅・消灯パターンで‘1’となる発光素子のうち、付加情報の点滅・消灯パターンでも‘1’となる発光素子は、合成後の点滅・消灯パターンで‘2’となる。つまり、情報表示板100において、基本情報を表示する第1の領域内に、付加情報を表示する第2の領域が重畳されている。すなわち、合成後の点滅・消灯パターンでは、‘2’が付加情報の表示領域であり、‘1’が基本情報の表示領域のうち付加情報の表示領域以外の領域である。
【0048】
図3及び図4に示すように、付加情報において点滅する発光素子は、基本情報において点滅する発光素子に含まれている必要がある。付加情報において点滅する発光素子が、基本情報において点滅する発光素子に含まれていない場合、基本情報の表示領域からはみ出た部分の発光素子においては、基本情報の点滅・消灯パターンのドットが‘0’、付加情報の点滅・消灯パターンにおけるドットが‘1’となる。よって合成後の点滅・消灯パターンにおけるドットが‘1’となり、以降の処理において基本情報において点滅される発光素子と同様に扱われることになってしまう。
【0049】
点滅間隔設定部103は、合成後の点滅・消灯パターンで‘2’となる発光素子(付加情報の表示領域)の点滅間隔(周波数)を周波数f1の逆数に設定する。一方、点滅間隔設定部103は、合成後の点滅・消灯パターンで‘1’となる発光素子(基本情報の表示領域のうち付加情報の表示領域以外の領域)の点滅間隔を周波数f2の逆数に設定する。ここで、周波数f2は、例えば周波数f1の2の階乗倍の周波数に設定する。以下、f2はf1の2倍として説明するが、その限りではない。
【0050】
これにより、情報表示板100が有するLED表示板の個々の発光素子について点滅間隔がそれぞれ設定され、図5に示す点滅間隔が設定されたドットパターンが生成される。つまり、図5に示すように、情報表示板100において、付加情報(「ソクドオーバー」)の表示領域の発光素子は周波数f1の逆数の時間間隔で点滅し、基本情報(上向き矢印)の表示領域のうち、付加情報の表示領域以外の領域は周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する。そして、情報表示板100において、付加情報の表示領域または基本情報の表示領域のいずれにも該当しない領域に含まれる発光素子は、消灯する。
【0051】
なお、周波数f1はどのような周波数に設定されてもよい。例えば、LED表示機は一般的に高周期で点滅を繰り返すので、通常の発光素子の点滅周波数を周波数f1としてもよい。
【0052】
以上の説明では付加情報として「ソクドオーバー」を表示する場合について説明したが、付加情報として他の情報を表示する場合は、他の情報に対応する図4のようなドットパターンを作成し、第1の領域を定義することで表示内容を変化させることができる。例えば、付加情報として「ショウトツチュウイ」を表示する場合においては、「ショウトツチュウイ」の表示に対応する図4のようなドットパターンを作成し、第1の領域を定義する。そして、作成されたドットパターンが付加情報蓄積部102に蓄積されるようにすればよい。上述したような点滅間隔設定部103、表示部104の処理により、「ショウトツチュウイ」が付加情報として情報表示板100に表示される。
【0053】
図6は、情報表示板100において、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子の点滅パターン(オンオフパターン)、及び、周波数f2(図6においてf1の2倍)の逆数の時間間隔で点滅する発光素子の点滅パターンを、点滅タイミングに沿って示した図である。
【0054】
図6に示すように、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子は、1/(2*f1)の時間間隔だけオン状態(光が点いた状態)となり、1/(2*f1)の時間間隔だけオフ状態(光が消えた状態)となる動作(1周期(1/f1)の動作)を繰り返す。また、図6に示すように、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子は、1/(2*f2)(=1/(4*f1))の時間間隔だけオン状態(ON)となり、1/(2*f2)の時間間隔だけオフ状態(OFF)となる動作(1周期(1/f2)の動作)を繰り返す。
【0055】
なお、同一の情報表示板100では、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子及び周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子の立ち上がりタイミングは同期させるものとする。
【0056】
[情報表示装置200の動作]
図7は、情報表示装置200の動作説明に供するフロー図である。
【0057】
ステップ(以下、「ST」という)101では、撮像間隔設定部201は、情報表示装置200を搭載する車両内部で取得可能な車両情報を取得し、車両情報に関する所定の条件(又は状態)に応じて、撮像制御部202における撮像間隔を設定する。ここでは、情報表示装置200を搭載した車両が走行している道路の制限速度を50(km/h)とし、車両情報に関する所定の条件を、車両の速度が制限速度50(km/h)を超えているか否かとする。撮像間隔設定部201は、車両に設置されている車速センサ(図示せず)で車速を検知する。
【0058】
なお、情報表示装置200は、たとえば、接続された外部機器(例えばカーナビゲーション装置など)から道路の制限速度を取得してもよい。外部機器は、GPS(Global Positioning System)を用いて車両の現在位置を取得し、走行中の道路を特定する。そして、外部機器は、走行中の道路に対応する制限速度を、保持するデータベースから読み出して情報表示装置200に送信する。また、情報表示装置200は、接続された通信機器を用い、携帯電話網などを介して、道路の制限速度を取得してもよい。情報表示装置200は、GPSを用いて車両の現在位置を取得し、通信機器を用いて、現在位置に対応する走行中の道路の制限速度を問い合わせる。そして、問合せに対し、外部サーバが走行中の道路の制限速度を情報表示装置200に送信する。また、情報表示装置200に搭載された車載カメラ300を用いて、道路標識の制限速度情報又は路面にペイントされている道路標示の文字を読み取って、走行中の道路の制限速度を認識してもよい。道路の制限速度の情報を取得する方法はこれらに限定されない。
【0059】
なお、カーナビゲーション装置は、本実施の形態の情報表示装置に含まれてもよい。
【0060】
撮像間隔設定部201は、車速センサで検知した速度が制限速度を超えていない場合(例えば30(km/h)の場合)、つまり、上記所定の条件を満たさない場合、撮像間隔を周波数f1の逆数に設定する。一方、撮像間隔設定部201は、車速センサで検知した速度が制限速度を超えた場合(例えば70(km/h)の場合)、つまり、上記所定の条件を満たす場合、撮像間隔を周波数f1の2倍の周波数の逆数に設定する。なお、情報表示装置200における各撮像間隔(f1及びf2)での動作の詳細については後述する。
【0061】
なお、ここでは、情報表示板100において発光素子の点滅間隔の逆数であるf2をf1の2倍として説明するため、情報表示装置200において上記所定の条件を満たす場合の撮像間隔の逆数(f1の2倍)と、f2とが一致する。
【0062】
ST102では、撮像制御部202は、ST101で設定された撮像間隔(1/周波数)で車両の前方を撮像する車載カメラ300の撮像タイミングを制御する。そして、撮像制御部202は、車載カメラ300によって所定の撮像間隔で撮像された複数の画像を取得する。例えば、撮像制御部202は、図8に示すような情報表示板100を含む画像を取得する。
【0063】
ST103では、表示板領域切出部203は、ST102で撮像された画像(例えば図8)から情報表示板100のLED表示領域のみを切り出す。
【0064】
ST104では、正規化補正部204は、ST103で切り出したLED表示領域を、特定のサイズに正規化するとともに、矩形への補正を行う。これにより、図9に示すような正規化と補正が施された画像が得られる。
【0065】
ST105では、2値化処理部205は、図9に示す画像を2値化する。これにより、2値化処理部205は、図9に示す画像を、図10に示すように変換する。
【0066】
ST106では、差分画像生成部206は、今回撮像された画像(第1の画像)と前回撮像された画像(第1の画像に対して、設定された撮像間隔だけ前に撮像された第2の画像)との差分をとり、ST107では、表示部207は、ST106で得られる差分画像データを表示する。
【0067】
次に、情報表示装置200が搭載された車両の速度が制限速度を超えていない場合(所定の条件を満たさない場合)の情報表示装置200の動作について説明する。
【0068】
この場合、撮像間隔設定部201は、撮像間隔を周波数f1の逆数に設定する。よって、撮像制御部202により撮像タイミングを制御される車載カメラ300は、周波数f1の周期(すなわち、(1/f1)の時間間隔)で車両前方を撮像する。
【0069】
例えば、撮像制御部202が、図6に示す破線のタイミング(周波数f1の1周期(1/f1))毎に撮像したとする。図6に示す破線のタイミングで取得される画像では、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子もオフ状態(OFF)となる。
【0070】
同様に、例えば、撮像制御部202が、図6に示す一点鎖線のタイミング(周波数f1の1周期(1/f1))毎に撮像したとする。図6に示す一点鎖線のタイミングで取得される画像では、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)となり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となる。
【0071】
撮像制御部202が周波数f1の逆数の撮像間隔で撮像することは、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子に対して1周期毎に撮像することであり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子に対して2周期毎に撮像することである。よって、情報表示装置200において、図6に示すように、発光素子が点滅する情報表示板100を周波数f1の逆数の撮像間隔で撮像すると、周波数f1及び周波数f2の点滅パターンは、いずれの撮像タイミングでも同一となる。
【0072】
このように、車両の速度が制限速度を超えていない場合、いずれのタイミングにおいても情報表示装置200では同一画像が取得される。つまり、情報表示装置200の差分画像生成部206にはいずれのタイミングでも同一画像が入力される。よって、差分画像生成部206が、撮像制御部202で取得した第1の画像と、第1の画像に対して前回取得した第2の画像との差分をとると、双方の画像の差異が無いので、表示部207は、図11に示すように、オフ状態(OFF)にある発光素子を含めて、情報表示板100に含まれる全ての発光素子が消灯している画像を表示する。
【0073】
つまり、車両速度が制限速度を超えていない場合、その運転者は、情報表示板100に表示された基本情報(図5参照)を肉眼で認識するものの、情報表示装置200の表示部207を介して付加情報を認識しない(図11参照)。よって、制限速度を超過していない車両の運転者に対して、不要な情報を提供することがない。
【0074】
次に、情報表示装置200が搭載された車両の速度が制限速度を超えている場合(所定の条件を満たす場合)の情報表示装置200の動作について説明する。
【0075】
この場合、撮像間隔設定部201は、撮像間隔を周波数f1の2倍の逆数に設定する。よって、撮像制御部202によって撮像タイミングを制御される車載カメラ300は、周波数f1の2倍の周期(すなわち、(1/(f1*2))の時間間隔)で車両前方を撮像する。
【0076】
例えば、車載カメラ300で最初に撮像するタイミングで取得される画像における発光素子の点滅パターンは、図6に示すタイミング(1)〜(4)の4つのパターンに分けられる。以下、撮像制御部202によって撮像タイミングを制御される車載カメラ300で最初に撮像するタイミングが、図6に示すタイミング(1)〜(4)のそれぞれである場合に、表示部207に表示される画像について説明する。なお、図6に示すタイミング(1)〜(6)は、{1/(4*f1)}の時間間隔(周波数f1*2の半周期)ずつ離れたタイミングである。
【0077】
<タイミング(1):周波数f1の発光素子がオフ、周波数f2の発光素子がオフ>
車載カメラ300が図6に示すタイミング(1)で最初に撮像した場合、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子もオフ状態(OFF)となる。このため、図6に示すタイミング(1)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図11に示すように、オフ状態(OFF)である発光素子を含め、情報表示板100に含まれるすべての発光素子が消えている画像となる。
【0078】
車載カメラ300がタイミング(1)の次に撮像するタイミング({1/(f1*2)}後のタイミング)はタイミング(3)である。撮像制御部202が図6に示すタイミング(3)で撮像した場合、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)となり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となる。このため、図6に示すタイミング(3)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図12に示すように、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子のみが点いている画像となる。
【0079】
よって、図6に示すタイミング(3)では、差分画像生成部206は、今回のタイミング(3)で取得した図12に示す画像と、前回のタイミング(1)で取得した図11に示す画像との差分をとる。図11と図12との差異は、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子がオン状態(ON)であるかオフ状態(OFF)であるかである。このため、図11と図12との差分画像は、図12と同一の画像である。よって、表示部207は、図12に示す画像を表示する。すなわち、情報表示装置200は、情報表示板100から特定の運転者に伝達する付加情報「ソクドオーバー」を表示する。
【0080】
車載カメラ300がタイミング(3)の次に撮像するタイミング({1/(f1*2)}後のタイミング)はタイミング(5)である。図6に示すタイミング(5)は、タイミング(1)から周波数f1の1周期分(又は周波数f2の2周期分)経過したタイミングである。つまり、車載カメラ300が図6に示すタイミング(5)で撮像した場合、タイミング(1)と同様、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子もオフ状態(OFF)となる。このため、図6に示すタイミング(5)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図11に示すように、オフ状態(OFF)である発光素子を含めて、情報表示板100に含まれるすべての発光素子が消えている画像となる。
【0081】
よって、図6に示すタイミング(5)では、差分画像生成部206は、今回のタイミング(5)で取得した図11に示す画像と、前回のタイミング(3)で取得した図12に示す画像との差分をとる。図11と図12との差分画像は、上述したように、図12と同一の画像となる。よって、表示部207は、図6に示すタイミング(5)では、図12に示す画像(付加情報「ソクドオーバー」)を表示する。
【0082】
タイミング(5)より後は、上記処理の繰り返しとなる。すなわち、車載カメラ300が図6に示すタイミング(1)で最初に撮像した場合には、タイミング(3)以降で、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子のみが点いている画像(図12に示す情報)が表示部207に表示される。
【0083】
<タイミング(2):周波数f1の発光素子がオフ、周波数f2の発光素子がオン>
車載カメラ300が図6に示すタイミング(2)で最初に撮像した場合、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)となる。このため、図6に示すタイミング(2)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図13に示すように、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子のみが点いている画像となる。
【0084】
車載カメラ300がタイミング(2)の次に撮像するタイミング({1/(f1*2)}後のタイミング)はタイミング(4)である。撮像制御部202が図6に示すタイミング(4)で撮像した場合、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)であり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子もオン状態(ON)である。このため、図6に示すタイミング(4)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図14に示すように、周波数f1及び周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子が双方とも点いている画像となる。
【0085】
よって、図6に示すタイミング(4)では、差分画像生成部206は、今回のタイミング(4)で取得した図14に示す画像と、前回のタイミング(2)で取得した図13に示す画像との差分をとる。図13と図14との差異は、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子がオン状態(ON)であるかオフ状態(OFF)であるかである。このため、図13と図14との差分画像は、図12と同一の画像となる。よって、表示部207は、図12に示す画像を表示する。すなわち、情報表示装置200は、情報表示板100から特定の運転者に伝達された付加情報「ソクドオーバー」を表示する。
【0086】
車載カメラ300がタイミング(4)の次に撮像するタイミング({1/(f1*2)}後のタイミング)はタイミング(6)である。図6に示すタイミング(6)は、タイミング(2)から周波数f1の1周期分(又は周波数f2の2周期分)経過したタイミングである。つまり、車載カメラ300が図6に示すタイミング(6)で撮像した場合、タイミング(2)と同様、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)であり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)である。このため、図6に示すタイミング(6)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図13に示すように、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子のみが点いている画像となる。
【0087】
よって、図6に示すタイミング(6)では、差分画像生成部206は、今回のタイミング(6)で取得した図13に示す画像と、前回のタイミング(4)で取得した図14に示す画像との差分をとる。図13と図14との差分画像は、上述したように、図12と同一の画像となる。よって、表示部207は、図6に示すタイミング(6)では、図12に示す画像(付加情報「ソクドオーバー」)を表示する。
【0088】
タイミング(6)より後は、上記処理の繰り返しとなる。すなわち、車載カメラ300が図6に示すタイミング(2)で最初に撮像した場合には、タイミング(4)以降で、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子のみが点いている画像(図12に示す情報)が表示部207に表示される。
【0089】
<タイミング(3):周波数f1の発光素子がオン、周波数f2の発光素子がオフ>
図6において、タイミング(3)で最初に撮像される場合と、タイミング(1)で最初に撮像される場合とは、最初のタイミングでの処理が異なるのみである。よって、図6において、タイミング(3)で最初に撮像される場合は、上述したタイミング(1)で最初に撮像される場合と同一の結果となるので、ここでは説明を省略する。
【0090】
<タイミング(4):周波数f1の発光素子がオン、周波数f2の発光素子がオン>
図6において、タイミング(4)で最初に撮像される場合と、タイミング(2)で最初に撮像される場合とは、最初のタイミングでの処理が異なるのみである。よって、図6において、タイミング(4)で最初に撮像される場合は、上述したタイミング(2)で最初に撮像される場合と同一の結果となるので、ここでは説明を省略する。
【0091】
以上、車載カメラ300で最初に撮像するタイミングが、図6に示すタイミング(1)〜(4)のそれぞれである場合における表示部207に表示される画像について説明した。
【0092】
このように、情報表示装置200は、車両の速度が制限速度を超えている場合には、撮像間隔を周波数f1の2倍の周波数の逆数にする。撮像制御部202によって制御される車載カメラ300が周波数f1の2倍の周波数の逆数の撮像間隔で撮像することは、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子に対して半周期毎に撮像することであり、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子に対して1周期毎に撮像することである。つまり、隣接する撮像タイミング(例えば、図6に示すタイミング(1)と(3)、(2)と(4)等)では、周波数f2の逆数の時間間隔で点滅する発光素子は同一状態(オン状態又はオフ状態)となり、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子は異なる状態(オン状態及びオフ状態)となる。すなわち、隣接する撮像タイミングで画像に差異が生じる領域は、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子に対応する表示領域(付加情報の表示領域)のみである。よって、情報表示装置200は、車両の速度が制限速度を超えている場合には、最初にどのタイミングで撮像する場合でも、情報表示板100において周波数f1で点滅させた付加情報(「ソクドオーバー」)のみを表示することができる。
【0093】
つまり、車両速度が制限速度を超過している運転者は、情報表示板100に表示された基本情報(図5参照)を肉眼で認識するとともに、情報表示装置200の表示部207を介して付加情報(図12参照)も認識する。よって、制限速度を超過している運転手に対して、適切な情報を提供することが可能となる。
【0094】
以上のように本実施の形態によれば、情報表示装置200において、撮像制御部202によって撮像タイミングを制御される車載カメラ300が、情報表示板100において、基本情報の表示領域内に付加情報(所定の条件を満たす場合のみに伝達すべき特定の情報)の表示領域が重畳され、付加情報の表示領域の発光素子が周波数f1の逆数の時間間隔で点滅し、基本情報の表示領域のうち付加情報の表示領域以外の領域が周波数f2(f2はf1の2倍の周波数であるとする)の逆数の時間間隔で点滅する表示板を、撮像する。この際、撮像間隔設定部201が、所定の条件を満たす場合、撮像間隔を周波数f1の2倍の周波数の逆数に設定し、所定の条件を満たさない場合、撮像間隔を周波数f1の逆数に設定する。
【0095】
こうすることで、情報表示装置200は、所定の条件を満たす運転者(ここでは車両速度が制限速度を超えている運転者。速度超過違反の運転者)に対してのみ、付加情報(図12では「ソクドオーバー」)を伝達することが可能となる。すなわち、情報表示装置200は、異なる情報にそれぞれ対応する表示領域において発光素子が異なる周波数で点滅する情報表示板100を撮像する際、所定の条件に応じて撮像間隔を適切に設定することで、特定の情報を、所定の条件を満たす特定の運転者のみに伝達することが可能となる。
【0096】
ここまでの説明では、第2の領域である基本情報の表示領域のうち付加情報の表示領域以外の領域の点滅周波数f2を付加情報の表示領域の点滅周波数f1の2倍として説明した。ここでは、点滅周波数f2が、点滅周波数f1の2の階乗倍でも正しく動作することを説明する。図15に、第2の領域である基本情報の表示領域のうち付加情報の表示領域以外の領域の点滅周波数f2を、付加情報の表示領域の点滅周波数f1の4倍とした例を示す。以下、付加情報の表示領域の周波数をf4(=f1の4倍)と記載することとする。
【0097】
f1とf2(=f1の2倍)の場合は図6に示すようにf1が1周期を終わるまでの4つのタイミングに分割して説明したが、f1とf4(=f1の4倍)の場合は図15に示すように8つのタイミングに分割して説明する。
【0098】
<タイミング(1):周波数f1の発光素子がオフ、周波数f4の発光素子がオフ>
車載カメラ300が図15に示すタイミング(1)で最初に撮像した場合、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となり、周波数f4の逆数の時間間隔で点滅する発光素子もオフ状態(OFF)となる。このため、図15に示すタイミング(1)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図11に示すように、オフ状態(OFF)である発光素子を含め、情報表示板100に含まれるすべての発光素子が消えている画像となる。
【0099】
車載カメラ300がタイミング(1)の次に撮像するタイミング({1/(f1*2)}後のタイミング)はタイミング(5)である。車載カメラ300が図15に示すタイミング(5)で撮像した場合、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)となり、周波数f4の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となる。このため、図15に示すタイミング(5)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図12に示すように、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子のみが点いている画像となる。
【0100】
よって、図15に示すタイミング(5)では、差分画像生成部206は、今回のタイミング(5)で取得した図12に示す画像と、前回のタイミング(1)で取得した図11に示す画像との差分をとる。図11と図12との差異は、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子がオン状態(ON)であるかオフ状態(OFF)であるかである。このため、図11と図12との差分画像は、図12と同一の画像である。よって、表示部207は、図12に示す画像を表示する。すなわち、情報表示装置200は、情報表示板100から特定の運転者に伝達する付加情報「ソクドオーバー」を表示する。
【0101】
車載カメラ300がタイミング(5)の次に撮像するタイミング({1/(f1*2)}後のタイミング)はタイミング(9)である。図15に示すタイミング(9)は、タイミング(1)から周波数f1の1周期分(又は周波数f4の4周期分)経過したタイミングである。つまり、車載カメラ300が図15に示すタイミング(9)で撮像した場合、タイミング(1)と同様、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となり、周波数f4の逆数の時間間隔で点滅する発光素子もオフ状態(OFF)となる。このため、図15に示すタイミング(9)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図11に示すように、オフ状態(OFF)である発光素子を含めて、情報表示板100に含まれるすべての発光素子が消えている画像となる。
【0102】
よって、図15に示すタイミング(9)では、差分画像生成部206は、今回のタイミング(9)で取得した図11に示す画像と、前回のタイミング(5)で取得した図12に示す画像との差分をとる。図11と図12との差分画像は、上述したように、図12と同一の画像となる。よって、表示部207は、図15に示すタイミング(5)では、図12に示す画像(付加情報「ソクドオーバー」)を表示する。
【0103】
タイミング(9)より後は、上記処理の繰り返しとなる。すなわち、車載カメラ300が図15に示すタイミング(1)で最初に撮像した場合には、タイミング(5)以降で、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子のみが点いている画像(図12に示す情報)が表示部207に表示される。
【0104】
<タイミング(2):周波数f1の発光素子がオフ、周波数f4の発光素子がオン>
車載カメラ300が図15に示すタイミング(2)で最初に撮像した場合、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)となり、周波数f4の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)となる。このため、図15に示すタイミング(2)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図13に示すように、周波数f4で点滅する発光素子のみが点いている画像となる。
【0105】
車載カメラ300がタイミング(2)の次に撮像するタイミング({1/(f1*2)}後のタイミング)はタイミング(6)である。車載カメラ300が図15に示すタイミング(6)で撮像した場合、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)であり、周波数f4の逆数の時間間隔で点滅する発光素子もオン状態(ON)である。このため、図15に示すタイミング(6)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図14に示すように、周波数f1及び周波数f4の逆数の時間間隔で点滅する発光素子が双方とも点いている画像となる。
【0106】
よって、図15に示すタイミング(6)では、差分画像生成部206は、今回のタイミング(6)で取得した図14に示す画像と、前回のタイミング(2)で取得した図13に示す画像との差分をとる。図13と図14との差異は、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子がオン状態(ON)であるかオフ状態(OFF)であるかである。このため、図13と図14との差分画像は、図12と同一の画像となる。よって、表示部207は、図12に示す画像を表示する。すなわち、情報表示装置200は、情報表示板100から特定の運転者に伝達された付加情報「ソクドオーバー」を表示する。
【0107】
車載カメラ300がタイミング(6)の次に撮像するタイミング({1/(f1*2)}後のタイミング)はタイミング(10)である。図15に示すタイミング(10)は、タイミング(2)から周波数f1の1周期分(又は周波数f4の4周期分)経過したタイミングである。つまり、車載カメラ300が図15に示すタイミング(10)で撮像した場合、タイミング(2)と同様、周波数f1の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオフ状態(OFF)であり、周波数f4の逆数の時間間隔で点滅する発光素子はオン状態(ON)である。このため、図15に示すタイミング(10)で撮像され、2値化処理部205から出力される画像は、図13に示すように、周波数f4の逆数の時間間隔で点滅する発光素子のみが点いている画像となる。
【0108】
よって、図15に示すタイミング(10)では、差分画像生成部206は、今回のタイミング(10)で取得した図13に示す画像と、前回のタイミング(6)で取得した図14に示す画像との差分をとる。図13と図14との差分画像は、上述したように、図12と同一の画像となる。よって、表示部207は、図15に示すタイミング(10)では、図12に示す画像(付加情報「ソクドオーバー」)を表示する。
【0109】
タイミング(10)より後は、上記処理の繰り返しとなる。すなわち、車載カメラ300が図15に示すタイミング(2)で最初に撮像した場合には、タイミング(6)以降で、周波数f1で点滅する発光素子のみが点いているである画像(図12に示す情報)が表示部207に表示される。
【0110】
<タイミング(3):周波数f1の発光素子がオフ、周波数f4の発光素子がオフ>
図15において、タイミング(3)での発光素子のオン/オフとタイミング(1)での発光素子のオン/オフは同一である。また、次に撮像するタイミング({1/(2*f1)}後のタイミング)はタイミング(7)であるが、タイミング(7)での発光素子のオン/オフとタイミング(5)での発光素子のオン/オフは同一である。このため、図15において、タイミング(3)で最初に撮像される場合は、上述したタイミング(1)で最初に撮像される場合と同一の結果となるので、ここでは説明を省略する。
【0111】
<タイミング(4):周波数f1の発光素子がオフ、周波数f4の発光素子がオン>
図15において、タイミング(4)での発光素子のオン/オフとタイミング(2)での発光素子のオン/オフは同一である。また、次に撮像するタイミング({1/(2*f1)}後のタイミング)はタイミング(8)であるが、タイミング(8)での発光素子のオン/オフとタイミング(6)での発光素子のオン/オフは同一である。このため、図15において、タイミング(4)で最初に撮像される場合は、上述したタイミング(2)で最初に撮像される場合と同一の結果となるので、ここでは説明を省略する。
【0112】
<タイミング(5):周波数f1の発光素子がオン、周波数f4の発光素子がオフ>
図15において、タイミング(5)で最初に撮像される場合と、タイミング(1)で最初に撮像される場合とは、最初のタイミングでの処理が異なるのみである。よって、図15において、タイミング(5)で最初に撮像される場合は、上述したタイミング(1)で最初に撮像される場合と同一の結果となるので、ここでは説明を省略する。
【0113】
<タイミング(6):周波数f1の発光素子がオン、周波数f4の発光素子がオン>
図15において、タイミング(6)で最初に撮像される場合と、タイミング(2)で最初に撮像される場合とは、最初のタイミングでの処理が異なるのみである。よって、図15において、タイミング(6)で最初に撮像される場合は、上述したタイミング(2)で最初に撮像される場合と同一の結果となるので、ここでは説明を省略する。
【0114】
<タイミング(7):周波数f1の発光素子がオン、周波数f4の発光素子がオフ>
図15において、タイミング(7)で最初に撮像される場合と、タイミング(3)で最初に撮像される場合とは、最初のタイミングでの処理が異なるのみである。よって、図15において、タイミング(7)で最初に撮像される場合は、上述したタイミング(3)で最初に撮像される場合と同一の結果となるので、ここでは説明を省略する。
【0115】
<タイミング(8):周波数f1の発光素子がオン、周波数f4の発光素子がオン>
図15において、タイミング(8)で最初に撮像される場合と、タイミング(4)で最初に撮像される場合とは、最初のタイミングでの処理が異なるのみである。よって、図15において、タイミング(8)で最初に撮像される場合は、上述したタイミング(4)で最初に撮像される場合と同一の結果となるので、ここでは説明を省略する。
【0116】
以上の説明にて第2の領域である基本情報の表示領域のうち付加情報の表示領域以外の領域の点滅周波数f2を付加情報の表示領域の点滅周波数f1の4倍にしても2倍の時と同様に正常に表示部207に「ソクドオーバー」の付加情報が表示されることが示せた。また、f1の8倍でも16倍でも2の階乗倍であれば、タイミングを細かく分けて検証すれば同様に表示部207に付加情報が表示されることがわかる。
【0117】
[他の実施の形態]
(1)上記実施の形態では、撮像間隔設定部201が撮像制御部202における撮像間隔を設定するために用いる車両情報に関する条件を、車両の速度が制限速度を超えているか否か、とする場合について説明した。しかし、当該条件は、車両内部で取得可能な情報に関する条件であればどのようなものでもよい。例えば、交差点で右折する特定の運転者のみに情報を伝達する場合には、車両の方向指示器で右方向を指示する操作が行われたか否かを条件とすればよい。また、例えば、ナビゲーションでの目的地に特定の地域が設定された特定の運転者のみに情報を伝達する場合には、ナビゲーションの目的地が特定の地域であるか否かを条件とすればよい。
【0118】
また、上記条件は、運転者の動作又は挙動に関係のある条件に限らず、例えば、ガソリン車であればガソリンの残量、EV(Electric Vehicle)であれば蓄電残量が予め設定された閾値以下か否かを条件としてもよい。なお、ガソリン残量及び蓄電残量についても車両内部で取得可能な情報である。又は、速度超過しやすい運転者若しくはブレーキの踏み具合が急な運転者等のように、運転者のプロフィールに基づく条件を用いてもよい。
【0119】
(2)また、上記実施の形態では、基本周波数f1及び基本周波数f1の2倍の周波数f2の1組を用いる場合について説明した。しかし、例えば、速度超過の運転手に表示「A」を伝達し、速度超過かつブレーキが急な運転手に表示「B」を伝達する場合には、情報表示板100は、周波数f1と周波数f2を用いて表示Aを表示し、周波数f2と周波数f2の2倍の周波数f4を用いて表示Bを表示してもよい。すなわち、本実施の形態では、或る周波数及びその周波数の2倍の周波数の組を階層的に複数用いてもよい。例えば、図16に示すように、情報表示板100は、表示領域(LED表示板)を2分割し、上側の領域では周波数f1又はf2の逆数の時間間隔で発光素子を点滅させ、下側の領域では周波数f2又はf4の逆数の時間間隔で発光素子を点滅させればよい。一方、情報表示装置200は、車両での条件(ここでは、車両の速度超過、及び、ブレーキのかけ具合)に応じて、撮像間隔を、周波数f1、f2及びf4の逆数の時間間隔のいずれかに設定すればよい。
【0120】
(3)また、近年、フルカラー(赤、緑、青)の発光素子が普及しつつある。このような赤、緑、青の3つの発光素子を利用した表示板の場合、例えば、赤の発光素子のみを用いて本実施の形態のように周波数を変更することで、情報を伝達することも可能である。
【0121】
(4)また、上記実施の形態において、情報表示板100は道路で見かけるLED表示板に限らず、発光素子で表示されるものであれば何でもよい。例えば、LEDの信号機、パチンコ屋等で見かけるLED式のデジタルサイネージボードであってもよい。
【0122】
(5)また、上記実施の形態では、情報表示装置200は車載器に限らず、カメラまたは撮像部(不図示)を具備し、撮像制御部202の撮像間隔を設定可能であり、表示部207を具備するものでもよい。例えば、カメラ付きスマートフォンに、撮像間隔を設定できるアプリケーションが搭載されており、設定結果を画面上に表示することができれば、そのようなスマートフォンでも本実施の形態と同様の動作を実現可能である。この場合、スマートフォンを情報表示板100又はLED式のデジタルサイネージボードにかざし、撮像間隔を設定するだけで付加情報を見ることができるので、遊園地での宝探し等のようなエンターテイメントへの応用も可能である。
【0123】
(6)上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0124】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0125】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0126】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、路側装置に情報表示板を設置し、通常の情報に加えて特定の付加情報を特定の人に対して伝達することができるものとして有用である。
【符号の説明】
【0128】
10 情報表示システム
100 情報表示板
101 基本情報蓄積部
102 付加情報蓄積部
103 点滅間隔設定部
104 表示部
200 情報表示装置
201 撮像間隔設定部
202 撮像制御部
203 表示板領域切出部
204 正規化補正部
205 2値化処理部
206 差分画像生成部
207 表示部
300 車載カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の領域において所定の周波数の逆数の時間間隔で点滅し、前記第1の領域を包含する第2の領域のうち前記第1の領域以外の領域において前記所定の周波数の2の階乗倍である周波数の逆数の時間間隔で点滅する複数の発光素子を有する情報表示板を含む複数の画像を、所定の撮像間隔で撮像する車載カメラから取得し、前記第1の領域に示される情報を表示する情報表示装置であって、
車両情報を取得し、前記車両情報が所定の条件を満たすか否か判断し、前記所定の条件を満たす場合は前記撮像間隔を前記所定の周波数の2倍の逆数に設定し、前記所定の条件を満たさない場合は前記撮像間隔を前記所定の周波数の逆数に設定する設定手段と、
前記設定された撮像間隔に基づいて前記車載カメラの撮像タイミングを制御し、前記車載カメラから前記情報表示板を含む複数の画像を取得する撮像制御手段と、
前記撮像制御手段において取得された前記複数の画像のうち第1の画像に含まれる前記情報表示板と、前記第1の画像に対して前記設定された撮像間隔だけ前に撮像された第2の画像に含まれる前記情報表示板との差分画像を生成する差分画像生成手段と、
前記差分画像を表示する表示手段と、
を具備する情報表示装置。
【請求項2】
前記車両情報は、車両の速度情報、方向指示器の方向情報、または、ガソリン残量もしくは蓄電残量のうちいずれか1つである、
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記車両情報は車両の速度情報であり、かつ、前記所定の条件は制限速度情報であり、
カーナビゲーション装置を、さらに備え、
前記設定手段は、前記カーナビゲーション装置から、前記制限速度情報を取得する、
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記第2の領域は、前記情報表示板の近辺に存在する不特定の人に伝達すべき情報の表示領域である、
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記撮像制御手段から、前記情報表示板を含む複数の画像を取得し、前記複数の画像のそれぞれに含まれる前記情報表示板を、予め定められたサイズおよび矩形になるように正規化および補正を行う正規化補正手段、をさらに備え、
前記差分画像生成手段は、前記正規化補正手段から、正規化および補正された画像を取得する、
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記撮像制御手段から、前記情報表示板を含む複数の画像を取得し、前記複数の画像の画素の輝度と、所定の閾値とを比較することにより、前記画素の輝度を2値化処理する2値化処理手段、をさらに備え、
前記差分画像生成手段は、前記2値化処理手段から、前記画素の輝度が2値化処理された画像を取得する、
請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項7】
第1の領域において所定の周波数の逆数の時間間隔で点滅し、前記第1の領域を包含する第2の領域のうち前記第1の領域以外の領域において前記所定の周波数の2の階乗倍である周波数の逆数の時間間隔で点滅する複数の発光素子を有する情報表示板を含む複数の画像を、所定の撮像間隔で撮像する撮像手段と、
所定の情報を取得し、前記所定の情報が所定の条件を満たすか否か判断し、前記所定の条件を満たす場合は前記撮像手段の撮像間隔を前記所定の周波数の2倍の逆数に設定し、前記所定の条件を満たさない場合は前記撮像間隔を前記所定の周波数の逆数に設定する設定手段と、
前記設定された撮像間隔に基づいて前記撮像手段の撮像タイミングを制御し、前記撮像手段から前記複数の画像を取得する撮像制御手段と、
前記撮像制御手段において取得された前記複数の画像のうち第1の画像に含まれる前記情報表示板と、前記第1の画像に対して前記設定された撮像間隔だけ前に撮像された第2の画像に含まれる前記情報表示板との差分画像を生成する差分画像生成手段と、
前記差分画像を表示する表示手段と、
を具備する情報表示装置。
【請求項8】
第1の領域において所定の周波数の逆数の時間間隔で点滅し、前記第1の領域を包含する第2の領域のうち前記第1の領域以外の領域において前記所定の周波数の2の階乗倍である周波数の逆数の時間間隔で点滅する複数の発光素子を有する情報表示板を含む複数の画像を、所定の撮像間隔で撮像する車載カメラから取得し、前記第1の領域に示される情報を表示する情報表示方法であって、
設定手段は、車両情報を取得し、前記車両情報が所定の条件を満たすか否か判断し、前記所定の条件を満たす場合は前記撮像間隔を前記所定の周波数の2倍の逆数に設定し、前記所定の条件を満たさない場合は前記撮像間隔を前記所定の周波数の逆数に設定し、
撮像制御手段は、前記設定された撮像間隔に基づいて前記車載カメラの撮像タイミングを制御し、前記車載カメラから前記情報表示板を含む複数の画像を取得し、
差分画像生成手段は、前記撮像制御手段において取得された前記複数の画像のうち第1の画像に含まれる前記情報表示板と、前記第1の画像に対して前記設定された撮像間隔だけ前に撮像された第2の画像に含まれる前記情報表示板との差分画像を生成し、
表示手段は、前記差分画像を表示する、
情報表示方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−25633(P2013−25633A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161088(P2011−161088)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】