説明

情報記録再生装置、および情報記録再生方法

【課題】従来の用途を満足しつつも、さらに複数の光ディスクへの同一コンテンツダビングという新しい機能を容易に実現でき、更に複数の光ディスクに対してディスクを跨いだコンテンツ記録などを実現出来る、民生用AVレコーダのような情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】光ディスクチェンジャを用い、複数の光ディスクによって従来のハードディスクが担っていた一時保存領域を提供し、さらに光ディスクの装着手段として2つの手段(トレイ部とディスクマガジン部)を備える。また、キャッシュ等の役割を果たす、転送レートが非常に高速なフラッシュメモリドライブ部を備え、光ディスク入れ替えに伴う起動(ロード)時間などのアクセス不能時間をカバーして、記録再生を途切らせることなく実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上波デジタル放送のテレビ番組などの録画再生を行うAudio/Visual(以下AVと略す)レコーダ装置に関するものであり、その中でも特に情報記録媒体として複数の光ディスクを使用する情報記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ番組を中心としたAVコンテンツの民生用録画再生装置としては、VHSを中心としたビデオデッキ(ビデオテープレコーダ)が中心であった。しかし近年は、記録媒体が、VHSに代表されるビデオテープから、DVD(Digital Versatile Disc)やBlu−ray Disc(以下BDと呼ぶ)に代表される光ディスクに替わってきた。光ディスクは、可搬媒体でありながら長期保存・ランダムアクセス可能といった長所を活かして、テレビ番組の録画再生を行う光ディスクレコーダと呼ばれる記録再生装置が広く普及するようになった。さらに最近では、地上波デジタル放送などハイビジョン・デジタル放送の普及によるテレビ番組コンテンツ自体のデータ量増加も影響して、光ディスクだけでなく、さらに記録媒体として大容量のハードディスクドライブ(以下、HDDと呼ぶ)のような磁気ディスクを備えたHDD搭載型光ディスクレコーダがユーザから好まれている。
【0003】
このHDD搭載型光ディスクレコーダの一般的な使われ方としては、タイムシフト録画のように、一度見たら消去するような番組などの一時記録用(つまり、内容や重要度などは気にせず撮り溜め、大半は一度視聴したら削除するような番組の記録用)に、大容量でアクセス速度が速いハードディスクが使用される。一方で、ユーザが気に入った番組や永く残しておきたい番組のダビング用、あるいはデジタルビデオカメラやデジタルカメラなどで撮影した個人コンテンツのバックアップ(アーカイブ)用として、長期保存が可能でバックアップやアーカイブに適した光ディスクが使用される。
【0004】
更に最近では、光ディスクと比べて大容量かつアクセス高速なHDDの特徴を活かして、例えば、複数番組を同時に録画できる機能や、或いはダビングしながら録画・再生するといった機能も実現されてきている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1には、例えばHDDと光ディスクドライブを搭載した記録再生装置において、高速のエンコーダとデコーダを追加することで、高速のダビングを行いつつ他の番組の録画や再生を行う方法が記載されている。ここでエンコーダとはデジタルAV信号の圧縮手段、デコーダとはデジタルAV信号の復元手段のことである。
【0006】
特許文献2には、ダブルチューナを備えた2番組同時録画が可能な記録再生装置について記載されている。またデジタルAV信号をMPEG2のような圧縮技術を使ってデータ圧縮しながら録画することで、更なる長時間記録を可能にするような手段についても記載されている。
【0007】
図16は、特許文献2に記載された、従来型レコーダであるHDD搭載型光ディスクレコーダの情報記録再生装置200の代表的な構成を示すブロック図である。図16に示す情報記録再生装置200は、BDやDVDなどの光ディスク1とハードディスク(図示せず)の双方に番組を録画することができる。
【0008】
この情報記録再生装置200は、光ディスクドライブ部212、ハードディスクドライブ部214の2種類のディスクドライブ部を備える。
【0009】
光ディスクドライブ部212は、光ディスク1を回転駆動し、情報の読み書きを実行する。光ディスクドライブ部212は、光ディスク1に対する回転制御系、レーザ駆動系、光学系などを備える。光ディスクドライブ部212は、光ディスク1を1枚のみ装着し記録再生することが出来、違う光ディスク1を装着するには、ユーザの手を介して光ディスク1を入れ替える必要がある。
【0010】
また、ハードディスクドライブ部214は、ハードディスクを駆動し、情報の読み書きを実行する。
【0011】
また、情報記録再生装置200は、データ制御部216を備える。このデータ制御部216は、光ディスクドライブ部212やハードディスクドライブ部214に記録データを供給し、また、光ディスクドライブ部212やハードディスクドライブ部214により読み出された再生データを受け取る。データ制御部216は例えば集積回路(LSI)という形で実装される。
【0012】
また、情報記録再生装置200は、エンコーダ部30、デコーダ部50、マイクロコンピュータ部70を備えている。
【0013】
エンコーダ部30には、選択回路20を介して、AV入力部18aからの外部アナログビデオ信号と外部アナログオーディオ信号が入力される。また、エンコーダ部30には、選択回路20を介して、地上波アナログチューナ18c、地上波デジタルチューナ18bなどからの受信信号が選択的に入力される。例えば、この情報記録再生装置200は、地上波デジタルチューナ18bで受信した番組をハードディスクドライブ部214により録画しつつ、同時に、地上波アナログチューナ18cで受信した番組をハードディスクドライブ部214により記録したり、ハードディスクドライブ部214により録画済の番組を読出しデコーダ部50により再生したりすることができる。また、例えば地上波デジタルチューナ18bは、2チャンネルの番組を同時に受信出力可能な、いわゆるダブルチューナとし、上記選択回路20により、要求に応じて2番組を同時に選択可能である。
【0014】
エンコーダ部30は、トランスポートストリーム処理部及び複数のエンコーダを備えており、各エンコーダはアナログデジタルコンバータ、ビデオエンコーダ(主映像エンコーダと副映像エンコーダ)及びオーディオエンコーダを備えている。アナログデジタルコンバータは、入力されたアナログビデオ信号やアナログオーディオ信号をデジタル化する。主映像エンコーダはデジタルビデオ信号の主映像信号をエンコードし、オーディオエンコーダはデジタルオーディオ信号をエンコードし、副映像エンコーダはデジタルビデオ信号の副映像信号をエンコードする。より具体的には、ビデオエンコーダは、デジタルビデオ信号をMPEG2規格などに基づいて可変ビットレートで圧縮する。オーディオエンコーダは、デジタルオーディオ信号をMPEGまたはAC−3規格などに基づいて固定ビットレートで圧縮する。
【0015】
ここで、例えばDVDを例にとって説明すると、AV入力部18aからの副映像信号(例えば副映像信号の独立出力端子付DVDビデオプレーヤからの信号)がエンコーダ部30に対して入力された場合、あるいは副映像信号が含まれたDVDビデオ信号がTVチューナ部で受信された場合は、DVDビデオ信号中の副映像信号が副映像エンコーダでエンコード(ランレングス符号化)されて副映像のビットマップとなる。
【0016】
またエンコーダ部30からのエンコード出力信号は、データ制御部216が備えるフォーマッタ32にて所定のデータフォーマット(例えばDVDのデータフォーマット)に変換される。なお、フォーマッタ32には、バッファメモリ234が接続されており、フォーマッタ32によるデータフォーマット変換時などに、エンコード出力信号が一時的にバッファリングされる。具体的には、例えば、エンコードされたデジタルビデオ信号、デジタルオーディオ信号、副映像データは、フォーマッタ32にてパック化され、ビデオパック、オーディオパック、副映像パックとなる。さらにこれらのパック化されたデータが集合されて、DVD-ビデオ規格で規定されたフォーマット(DVD Videoフォーマット)や、DVD-レコーディング規格で規定されたフォーマット(DVD VRフォーマット)に変換される。さらにバッファメモリ234は、記録再生時における光ディスクドライブ部212やハードディスクドライブ部214との間のデータの流れの緩衝としての役割も果たす。さらにバッファメモリ234は、光ディスクドライブ部212やハードディスクドライブ部214から読み出したデータの内容確認、データ整形などの作業領域として使用されたりもする。
【0017】
なお、トランスポートストリームから抽出したパケットエレメンタリーストリームが、エンコーダ部30から直接ハードディスクドライブ部214のハードディスクに記録される場合もある。
【0018】
なお、エンコーダ部30は、圧縮されたデジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号が直接入力されるときは、圧縮デジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号を直接フォーマッタ32に供給することもできる。
【0019】
データ制御部216(フォーマッタ32)で変換されたフォーマットデータ(ビデオ、オーディオ、副映像データなどのパック)及び作成された管理情報は、ハードディスクドライブ部214あるいは光ディスクドライブ部212に供給され、ハードディスクあるいは光ディスク1に記録される。またハードディスクあるいは光ディスク1に記録されたフォーマットデータ及び管理情報は、データ制御部216、光ディスクドライブ部212を介して光ディスク1あるいはハードディスクに記録することもできる(ハードディスク→光ディスク1/光ディスク1→ハードディスク)。
【0020】
また、データ制御部216は、ハードディスクあるいは光ディスク1に記録されている番組データを構成するビデオオブジェクトの一部を削除したり、異なる複数の番組を構成するビデオオブジェクトの一部をつなぎあわせたりする編集処理を行うこともできる。
【0021】
マイクロコンピュータ部70は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)またはCPU(セントラルプロセッシングユニット)と、制御プログラム等が書きこまれたROMと、プログラム実行に必要なワークエリアを提供するためのRAMとを備えている。
【0022】
MPUの実行結果のうち、ユーザに通知すべき内容は、情報記録再生装置の表示部74に表示されるか、または情報記録再生装置に接続されるモニターディスプレイにOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。なお、表示部74は、FL管又はLEDを備え、情報記録再生装置の主電源がオフの状態でも、各種情報を表示することができる。
【0023】
また、マイクロコンピュータ部70は、システムタイムクロックを基にした時間データに基づいて、光ディスクドライブ部212、ハードディスクドライブ部214、データ制御部216、エンコーダ部30、デコーダ部50などを制御する。
【0024】
また、マイクロコンピュータ部70にはキー入力部76からの操作入力信号が入力される。このキー入力部76は、例えば情報記録再生装置の本体上に設けた操作スイッチ類及び本体から独立したリモートコントローラである。或いは、このキー入力部76は、情報記録再生装置と有線通信あるいは無線通信により接続されるパーソナルコンピューターであってもよい。キー入力部76は、例えば、番組ガイド表示キー、カレンダー表示キー、録画予約番組一覧表示キー、再生番組一覧表示キー、削除キー、決定キー、十字キーを備えており、この十字キーは、上下キー及び左右キーを備えている。その他、適宜機能を割り当て可能な青、赤、緑、黄のキーを備えている。このキー入力部76を介しての操作入力(選択操作)に基づき、情報記録再生装置は、番組録画予約、番組録画予約に基づく番組録画、録画番組の再生、再生の停止、録画番組の編集(削除等)などを実行する。
【0025】
デコーダ部50は、デジタルアナログ変換器(図示せず)を介してデジタルビデオ信号をアナログビデオ信号へ変換し、外部(例えばモニタ)へ出力したりする。
【0026】
また、この情報記録再生装置200は、録画番組を構成するデータにアクセス(シーク)している間に、途切れないように録画番組の再生を続けるために、最低限連続させなければならない情報単位を決めている。この情報単位の記録エリアをCDA(コンティギュアス・データ・エリア)と呼ぶ。CDAには、ECC(エラー訂正コード)ブロック(例えばDVDの場合は16セクタ。1セクタは2KByteであり、1ECCは32KByte。)の倍数の情報が記録される。
【0027】
データ制御部216は、エンコーダ部30からビデオオブジェクト(以下VOBUと呼ぶ)単位のデータを受け取り、VOBU単位のデータからCDA単位のデータを生成し、CDA単位のデータを光ディスクドライブ部212あるいはハードディスクドライブ部214に供給する。そして、ハードディスク、あるいは光ディスク1に記録される。またマイクロコンピュータ部70のMPUは、記録したデータを再生するのに必要な管理情報を作成し、データ記録終了のコマンドを認識すると、作成した管理情報をデータ制御部216に送る。これにより、管理情報がハードディスク、あるいは光ディスク1に記録される。
【0028】
また別の記録再生装置としては例えば、光ディスクへの記録再生をユーザの手を煩わせることなく効率的に行う装置として、いわゆるディスクチェンジャ式の光ディスク記録再生装置も知られている(例えば、特許文献3や特許文献4参照)。この装置は、複数の光ディスクを装着でき、記録再生対象のディスクを交換可能なチェンジャ部を有する。そしてチェンジャ部に装着され、指定された光ディスクに対して情報の記録再生を行う装置である。
【0029】
特許文献3には、HDDから複数の光ディスクに自動的にダビングするダビング装置及びその制御方法に関するものが記載されている。
【0030】
また特許文献4には、1つのテレビ番組のようなプログラムを複数の光ディスクに記録する場合の方法について記載されている。例えば、プログラムの冒頭部分については装置内のメモリに記録し、残りは光ディスクに記録しておくことで連続再生を実現する方法について記載されている。あるいは、記録中の光ディスクの空き容量が無くなった場合に、光ディスクを自動で交換し、交換中はプログラムデータをバッファメモリに一時保存し、交換した光ディスクにプログラムの残りを記録することで連続記録を実現する方法について記載されている。
【0031】
さらに別の記録再生装置として、複数の光ディスクに同一のデータを記録(複製)するディスクパブリッシャー、あるいはデュプリケータ装置がある(例えば、特許文献5参照)。
【0032】
特許文献5には、再生ドライブや記録ドライブといった光ディスクドライブ装置を備えたダビング装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2003−224813号公報
【特許文献2】特開2010−206292号公報
【特許文献3】特開2004−127470号公報
【特許文献4】特開2000−48468号公報
【特許文献5】特開2001−126369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
しかしながら、従来のレコーダ装置におけるダビング方法としては、テレビ番組や装置内に外部入力から取り込んだ映像データなど、レコーダ等の記録再生装置自身に記録したデータのダビングが基本であった。つまり、この場合、ダビングしようとする番組データ等のコンテンツが格納されているのは、装置に備え付けのハードディスクのような一時記録媒体が使用されるのが一般的である。
【0035】
しかし、HDDはドライブ(ピックアップ等の記録再生装置)とディスク(記録メディア)とが一体型であるため、ディスクモータ等のドライブハードウェアの故障によりディスク内のデータが読み出せなくなるリスクが高い。さらにHDDはデータの記録密度を高めるために、データの読み取りようのピックアップとディスクの隙間を、非常に狭めており、クラッシュ等の故障が起こりやすい。一旦、クラッシュが発生した場合には、ディスクが物理的に破壊されデータの読み出しが出来なくなるという問題がある。ある調査結果では、HDDは必ずしもその使用頻度によらず、突然データ読み出しが出来なくなることがあるといった結果もある。このようにHDDは、一般的にデータ保存に対する信頼性に不安を抱える。信頼性を保つための仕組みとしては、HDDでRAID(Redundant Array of Independent Disks)を組んだりミラーリングを行ったりして冗長度を上げる方法や、あるいは定期的にHDDを交換しデータ移管するといったマイグレーションするといった方法などが良く用いられる。しかしこれらの方法は、いずれも装置の大規模化に繋がり、コストアップするため、ユーザにとってのデメリットも大きい。又、装置の大規模化は、資源および電力の面で消費が多く、地球環境にとっても好ましくない。
【0036】
しかし一方で、ダビングを行おうと思っても、ダビング元のデータ(ダビングしようとするデータ)が読み出せなくては意味が無い。最悪の場合は、HDDから光ディスク1へダビングする前にダビング元のデータが読み出せなくなってしまうこともある。また一時保存用とは言え、録画したコンテンツの視聴前にデータが読み出せなくなってしまうこともある。そのため、ダビング元データが格納される記録媒体には信頼性が求められている。
【0037】
しかしその一方で、HDDを備えた現在のレコーダ装置等で実現されている2番組同時高倍速記録機能といった機能が使えなくなってしまっては、ユーザにとってのメリットは半減してしまう。
【0038】
また、光ディスク複製専用のデュプリケータ装置は、複製元ディスクからのデータ読み出し用ドライブと、複製先のディスクへのデータ記録用ドライブの複数の光ディスクドライブ(記録再生装置)を備え、さらにディスク搬送用のアームなどを備える。そのため、コストアップや装置の大型化にも繋がり、一般のユーザが使用するには不便である。
【0039】
本発明は、これらの課題を解決し、光ディスクに一時記録媒体としての役割も持たせたようなAVレコーダ装置のような情報記録再生装置、ならびに情報記録再生方法を実現することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0040】
本発明の情報記録再生装置は、可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生装置であって、前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、前記ドライブユニットは、トレイ部とマガジン部とトラバース部を備え、前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生し、これにより上記目的を達成する。
【0041】
タビング時に、ダビング元データが格納された前記可搬型情報記録媒体が前記ドライブユニットの筐体内に留まることを保証するため、前記ドライブユニット内の前記トレイ部と前記マガジン部との間での、前記可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限しても良い。
【0042】
前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体が前記マガジン部に留まることを保証するために、前記ドライブユニット内の前記トレイ部と前記マガジン部との間での、前記可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限し、さらに前記マガジン部が前記ドライブユニットから取り外された状態では、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の取り出しを制限することで、前記マガジン部に装着された複数の前記可搬型情報記録媒体に跨って、1つのコンテンツを記録再生することを可能としても良い。
【0043】
前記ドライブユニットに、前記可搬型情報記録媒体を着脱可能な、前記トレイ部と前記マガジン部という2つの機構を備え、前記トレイ部と前記マガジン部の双方に所定の前記可搬型情報記録媒体が装着された場合にのみ、前記可搬型情報記録媒体に格納された全てもしくは一部のデータの読み出しを可能とすることで、セキュリティ強化を可能としても良い。
【0044】
前記情報記録再生装置はさらに、高速なデータ転送が可能なメモリドライブを備え、前記メモリドライブは、前記ドライブユニットへのデータの記録再生におけるバッファやキャッシュとして使用可能なバッファ領域と、コンテンツを一時的に記録しておくことが可能な一時記録領域とを共に備えていても良い。
【0045】
前記バッファ領域に蓄積可能なデータ容量は、前記可搬型情報記録媒体に蓄積可能なデータ容量よりも小さいことを特徴とし、任意の前記可搬型情報記録媒体に格納されたデータをダビング元データとして、別のm枚(mは1以上の正数)の前記可搬型情報記録媒体にダビング記録する場合に、(a)前記バッファ領域への1回の前記ダビング元データの一部分を読出して、前記バッファ領域から前記別のm枚の可搬型情報記録媒体へ逐次に記録を行う第1制御部と、(b)前記(a)に記載の処理を、全てのダビング元データがダビング記録されるまで繰り返して行う第2制御部とを備えても良い。
【0046】
本発明の情報記録再生装置は、AVデータなどの録画を行う情報記録再生装置であって、前記情報記録再生装置は、前記情報記録再生装置の内部へ前記AVデータを入力するためのAV入力ユニットと、前記情報記録再生装置の外部へ前記AVデータを出力するためのAV出力ユニットと、前記AVデータを、録画再生に適したデータ形式に変換するフォーマット変換ユニットと、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能で、前記可搬型情報記録媒体へのデータの記録再生を行うチェンジャ型のドライブユニットと、前記AVデータの録画再生のために、入出力データを一時的に保存する緩衝の役割を果たすバッファユニットと、録画再生に代表される前記情報記録再生装置全体の制御を行う制御ユニットと、ユーザとの間での情報のやり取りを行うユーザインタフェースユニットとを備え、前記ドライブユニットは、トレイ部とマガジン部とトラバース部を備え、前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生し、これにより、上記目的を達成する。
【0047】
本発明の情報記録再生方法は、情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、前記ドライブユニットは、トレイ部とマガジン部とトラバース部を備え、前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生を行い、前記情報記録再生方法は、タビング時に、ダビング元データが格納された前記可搬型情報記録媒体が前記ドライブユニットの筐体内に留まることを保証するため、前記ドライブユニット内の前記トレイ部と前記マガジン部との間での、前記可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限することで、上記目的が達成される。
【0048】
本発明の情報記録再生方法は、情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、前記ドライブユニットは、トレイ部とマガジン部とトラバース部を備え、前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生を行い、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体が前記マガジン部に留まることを保証するために、前記ドライブユニット内の前記トレイ部と前記マガジン部との間での、前記可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限され、さらに前記マガジン部が前記ドライブユニットから取り外された状態では、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の取り出しを制限され、前記情報記録再生方法は、前記マガジン部に装着された複数の前記可搬型情報記録媒体に跨って、1つのコンテンツを記録再生することで、序幸目的が達成される。
【0049】
本発明の情報記録再生方法は、情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、前記ドライブユニットは、前記可搬型情報記録媒体を着脱可能なトレイ部とマガジン部という2つの機構と、トラバース部とを備え、前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生を行い、前記情報記録再生方法は、前記トレイ部と前記マガジン部の双方に所定の前記可搬型情報記録媒体が装着された場合にのみ、前記可搬型情報記録媒体に格納された全てもしくは一部のデータの読み出しを可能とすることで、セキュリティ強化を可能としても良い。
【0050】
本発明の情報記録再生方法は、情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、前記ドライブユニットは、前記可搬型情報記録媒体を着脱可能なトレイ部とマガジン部という2つの機構と、トラバース部とを備え、前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生を行い、前記バッファ領域に蓄積可能なデータ容量は、前記可搬型情報記録媒体に蓄積可能なデータ容量よりも小さいことを特徴とし、前記情報記録再生方法は、任意の前記可搬型情報記録媒体に格納されたデータをダビング元データとして、別のm枚(mは1以上の正数)の前記可搬型情報記録媒体にダビング記録する場合に、(a)前記バッファ領域への1回の前記ダビング元データの一部分を読出して、前記バッファ領域から前記別のm枚の可搬型情報記録媒体へ逐次に記録を行うステップと、(b)前記(a)に記載の処理を、全てのダビング元データがダビング記録されるまで繰り返して行うステップとを備えることで、上記目的が達成される。
【発明の効果】
【0051】
本発明の情報記録再生装置、ならびに情報記録再生方法によれば、光ディスクを一時保存領域としても使用するような、光ディスクを中心とした情報記録再生装置において、ユーザの操作性を損なうことなく、複数の光ディスクへの簡単ダビングといった新しい機能を実現出来るとともに、長期保存性やデータ信頼性が向上した情報記録再生装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態における光ディスクチェンジャドライブ部の構成を示す、横から見た断面図形式の説明図
【図2】本発明の実施の形態における、情報記録再生装置の構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態における光ディスクチェンジャドライブ部の、光ディスク1を装着した状態を示す説明図
【図4】本発明の実施の形態2における、ダビング処理手順の全体的な流れを示すフロー図
【図5】本発明の実施の形態2、本発明の実施の形態3における、ダビング処理中のダビング元ディスク読出し処理フロー図
【図6】本発明の実施の形態2、本発明の実施の形態3における、ダビング処理中のダビング先ディスク記録処理フロー図
【図7】本発明の実施の形態2の手法と従来手法を用いた場合の、ダビング時の光ディスクチェンジャドライブ部の動きを示す一覧を示す図
【図8】本発明の実施の形態3における、ダビング先ディスクが2枚(偶数枚)の場合のダビング処理手順の全体的な流れを示すフロー図
【図9】本発明の実施の形態3における、ダビング先ディスクが3枚(奇数枚)の場合のダビング処理手順の全体的な流れを示すフロー図
【図10】本発明の実施の形態3における、トラバースユニットを2台備えた光ディスクチェンジャドライブ部12を正面から見た概念図
【図11】本発明の実施の形態3の手法と従来手法を用いた場合の、ダビング時の光ディスクチェンジャドライブ部の動きを示す図
【図12】本発明の実施の形態1における、棚管理マガジンのICタグからの情報取得の様子を示したイメージ図
【図13】本発明の実施の形態における、異なるディスクにコンテンツを集約・分割するようなダビングの一例を示したイメージ図
【図14】本発明の実施の形態における、ダビング時にユーザに対して表示部74を通じて提供される操作画面の表示の一例を、操作手順とあわせて記載した図
【図15】本発明の実施の形態4における、バッファ領域91のデータ蓄積量推移を示す図
【図16】従来の情報記録再生装置の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0054】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1では、情報記録再生装置100の構成について説明する。
【0055】
図2は、本発明の実施の形態における情報記録再生装置100の構成を示すブロック図である。情報記録再生装置100の多くの構成は、大きくは以下の3点を除いて、図16を用いて説明した情報記録再生装置200と同じである。
【0056】
・大容量(例えば250GB以上)のハードディスクドライブ(HDD)の代わりに、比較的小容量(例えば120GB未満)の半導体メモリであるフラッシュメモリドライブ部14を備える点。
【0057】
・データ制御部16と光ディスクチェンジャドライブ部12との間での、データの流れの緩衝としての役割の主体は、データ制御部16に備えられるバッファメモリ234ではなく、フラッシュメモリドライブ部14中のバッファ領域91である点。
【0058】
・光ディスク1への記録再生装置として、光ディスク1を1枚のみ装着することが可能な光ディスクドライブ部212では無く、複数の光ディスク1を装着可能な光ディスクチェンジャドライブ部12を備える点。
【0059】
なお、図2において、図16と同じ働きをする構成部については図16と同じ名称・番号を付与することとし、詳細な説明は省略する。
【0060】
図2に示す情報記録再生装置100は、DVDやBDなどの光ディスク1とフラッシュメモリドライブ部14の一部に録画することが出来る。
【0061】
情報記録再生装置100は、DVDやBDなどの光ディスク1に対して記録再生を行う光ディスクドライブを備える光ディスクチェンジャドライブ部12と、フラッシュメモリに対して記録再生を行うフラッシュメモリドライブ部14の2種類のドライブ部を備える。
【0062】
フラッシュメモリドライブ部14は例えばSSD(Solid State Drive)であり、例えばデータ転送速度は数Gbps(Giga(ギガ) bits per second)という、HDDと比べても非常に高速にデータ転送を行うことができるという特徴がある。しかし一方で、容量当たりの単価(ビット単価)は光ディスクやHDDと比べると非常に高価である。具体的には、2010年現在で光ディスク(BD)メディアやHDDが市販価格で1GByte(ギガバイト)あたり5円前後であるのに対して、SSDの中では比較的安価なMLC(Multiple Level Cell)型SSDでも、数百円程度と非常に高価である。今後SSDの価格は下落していく予想であるが、それでもまだ当分の間はビット単価が光ディスク1やHDDよりも安くなることは無いと予想されている。そのため、AVレコーダ装置のような民生用記録再生装置において、HDDほどの大容量のSSDを搭載することは、当分の間、コスト面で現実的ではない。具体的には、例えば現時点で言えば、民生用記録再生装置に搭載されるHDDの容量が500GByte〜数TByte(テラバイト)であるのに対して、フラッシュメモリドライブ部14のサイズは数十GByteから100GByte前後が妥当な容量だと思われる。
【0063】
フラッシュメモリドライブ部14は、バッファ領域91と、一時保存領域92と、記録データ管理領域93を備える。
【0064】
バッファ領域91は、記録再生するデジタルデータのキャッシュ、データ転送用バッファとして用いられる領域である。つまりバッファ領域91は、従来装置である情報記録再生装置200のデータ制御部216が備えるバッファメモリ234が担っていた、記録再生時における光ディスクドライブ部212やハードディスクドライブ部214との間のデータの流れの緩衝としての役割を果たす領域である。DRAMに比べればビット単価の安いフラッシュメモリをメモリ素子として用いるフラッシュメモリドライブ部14の一部を使用するため、バッファメモリ34と比べてより大容量のバッファ・キャッシュ領域を割り当てることが可能である(例えば、バッファメモリ34のサイズが数十MByte(メガバイト)から数百MByte程度であったのに対して、フラッシュメモリドライブ部14のバッファ領域91として確保可能なサイズは例えば十数GByte程度と、約1000倍程度のサイズを確保可能となる)。しかしながら、このサイズは、光ディスク1が備えうる最大の記録容量(例えば、現在市販されている光ディスクの最大記録容量は、記録層を3層備えたBDXLの100GByte程度)よりは小さいサイズである。そのため、例えば光ディスク1に記録されているデータを他の光ディスク1へダビングするような場合を考えると、バッファ領域91は全てのダビングデータをキャッシュしておくのには十分な記録容量は備えていない。そのため、ダビング処理には工夫が必要となる。なお、このダビング処理については、後述の実施の形態2や実施の形態3において詳しく説明する。
【0065】
一時保存領域92とは、従来装置である情報記録再生装置200のハードディスクドライブ部214の役割を一部担う領域で、タイムシフト録画や、一度見たら消去するような番組、或いはお気に入りで頻繁に再生する番組などの一時記録を目的としたデータを格納するための領域である。フラッシュメモリドライブ部14はデータ転送速度が非常に高速であるため、高速記録・高速再生に適しているが、上述した通りコストの点で大容量SSDの搭載は困難である。そのため、この一時保存領域92の容量もハードディスクほどの大容量化は困難であるため、ここに格納可能な番組等のデータは、一部のものだけに限定される。つまり、従来ハードディスクに記録されていた一時記録用のその他の大部分の番組データなどは、従来アーカイブやバックアップ用として主に使用されていた光ディスク1に記録されることになる。
【0066】
記録データ管理領域93は、情報記録再生装置100内に記録されているデータ等の再生処理高速化を目的とした領域である。記録データ管理領域93には、一時保存領域92だけでなく、光ディスクチェンジャドライブ部12において光ディスク1に録画(記録)された番組タイトルなどの管理情報を格納している。さらには、情報記録再生装置100に記録されている各コンテンツの先頭部分の映像データや、番組が記録されている記録媒体に関する情報(フラッシュメモリか、光ディスク1か、また光ディスク1の場合は、どのディスク(カートリッジ/マガジン)かといった情報)などを格納している。つまり、情報記録再生装置100における番組頭出し(映像出力)の高速化を目的とした管理情報を格納するための領域である。これにより、例えば録画コンテンツの一覧表示などを非常に高速に実施することが出来るという効果がある。
【0067】
なお記録データ管理領域93は、少なくとも現時点で情報記録再生装置100に記録されているコンテンツに関する情報を保持するが、それ以外の情報を備えていても良い。具体的には例えば、以前使用されていたが現在は交換され棚管理されているディスクマガジン120(詳細は後述する)に格納されているコンテンツに関する情報を保持したりしても良い。
【0068】
光ディスクチェンジャドライブ部12は、複数の光ディスク1を装着可能で、ユーザの手を介して1枚1枚ディスク交換を行わずとも、複数の光ディスク1に対して自動的に録画再生が可能という特徴を持つ。そのため、HDDと比べた場合の、光ディスク1の弱点の一つであった記録容量の大きさについても、複数の光ディスク1を装着可能とすることで克服できる。そのため、上述したように、アーカイブやバックアップ対象データだけでなく、従来のハードディスクドライブ部214(HDD)が担っていた一時記録用記録媒体としての役割も担う。
【0069】
また、HDDと比べた場合の、光ディスク1のもう一つの弱点である、記録再生等のアクセス可能となるまでの光ディスク1の起動(ロード)時間の長さ(遅さ)についても、フラッシュメモリドライブ部14が備えるバッファ領域91や記録データ管理領域93によってカバーすることで克服できる。
【0070】
また、情報記録再生装置100は、データ制御部16を備える。このデータ制御部16は、光ディスクチェンジャドライブ部12、フラッシュメモリドライブ部14に記録データを供給し、また、光ディスクチェンジャドライブ部12、フラッシュメモリドライブ部14から読み出された再生データを受け取る。データ制御部16は、例えば、集積回路(LSI)という形で実装される。
【0071】
また、情報記録再生装置100は、エンコーダ部30、デコーダ部50、マイクロコンピュータ部70を備えている。エンコーダ部30には、選択回路20を介して、AV入力部18aからの外部アナログビデオ信号と外部アナログオーディオ信号が入力される。また、エンコーダ部30には、選択回路20を介して、地上波アナログチューナ18c、地上波デジタルチューナ18bなどからの受信信号が選択的に入力される。例えば、この情報記録再生装置100は、地上波デジタルチューナ18bで受信した番組をフラッシュメモリドライブ部14により録画しつつ、同時に、地上波アナログチューナ18cで受信した番組を光ディスクチェンジャドライブ部12の光ディスク1に記録したり、光ディスクチェンジャドライブ部12の光ディスク1から読み出したデータをデコーダ部50により再生したりすることができる。また、例えば地上波デジタルチューナ18bは、2チャンネルの番組を同時に受信出力可能な、いわゆるダブルチューナとし、上記選択回路20により、要求に応じて2番組を同時に選択可能である。
【0072】
エンコーダ部30は、トランスポートストリーム処理部及び複数のエンコーダを備えており、各エンコーダはアナログデジタルコンバータ、ビデオエンコーダ(主映像エンコーダと副映像エンコーダ)及びオーディオエンコーダを備えている。
【0073】
またエンコーダ部30からのエンコード出力信号は、データ制御部16に備えられるフォーマッタ32にて所定のデータフォーマット(例えばDVDのデータフォーマット)に変換される。なお、フォーマッタ32には、バッファメモリ34が接続されており、フォーマッタ32によるデータフォーマット変換時などに、エンコード出力信号が一時的にバッファリングされる。具体的には、例えば、エンコードされたデジタルビデオ信号、デジタルオーディオ信号、副映像データは、フォーマッタ32にてパック化され、ビデオパック、オーディオパック、副映像パックとなる。さらにこれらのパック化されたデータが集合されて、DVD-ビデオ規格で規定されたフォーマット(DVD Videoフォーマット)や、DVD-レコーディング規格で規定されたフォーマット(DVD VRフォーマット)に変換される。さらにバッファメモリ34は、光ディスクドライブ部212やハードディスクドライブ部214から読み出したデータの内容確認、データ整形などの作業領域として使用されたりもする。しかし一方でバッファメモリ34は、従来装置におけるバッファメモリ234のように記録再生時における光ディスクチェンジャドライブ部12やフラッシュメモリドライブ部14との間のデータの流れの緩衝としての役割は殆ど担わない。この緩衝としての役割は、上述したように、フラッシュメモリドライブ部14におけるバッファ領域91が、主として担う。
【0074】
なお、トランスポートストリームから抽出したパケットエレメンタリーストリームが、エンコーダ部30から光ディスクチェンジャドライブ部12やフラッシュメモリドライブ部14の一時保存領域92に記録される場合もある。
【0075】
データ制御部16におけるフォーマッタ32で変換されたフォーマットデータ(ビデオ、オーディオ、副映像データなどのパック)及び作成された管理情報は、フラッシュメモリドライブ部14あるいは光ディスクチェンジャドライブ部12に供給され、フラッシュメモリあるいは光ディスク1に記録される。またフラッシュメモリあるいは光ディスク1に記録されたフォーマットデータ及び管理情報は、データ制御部16、光ディスクチェンジャドライブ部12を介して光ディスク1あるいはフラッシュメモリに記録することもできる(フラッシュメモリ→光ディスク1、もしくは、光ディスク1→フラッシュメモリ)。
【0076】
また、データ制御部16は、フラッシュメモリあるいは光ディスク1に記録されている番組データを構成するビデオオブジェクトの一部を削除したり、異なる複数の番組を構成するビデオオブジェクトの一部をつなぎあわせたりする編集処理を行うこともできる。
【0077】
マイクロコンピュータ部70は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)と、制御プログラム等が書きこまれたROMと、プログラム実行に必要なワークエリアを提供するためのRAMとを備えている。
【0078】
マイクロコンピュータ部70の実行結果のうち、ユーザに通知すべき内容は、情報記録再生装置100の表示部74に表示されるか、または情報記録再生装置100に接続されるモニターディスプレイ(図示せず)にOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。なお、表示部74は、FL管又はLEDを備え、情報記録再生装置の主電源がオフの状態でも、各種情報を表示することができる。
【0079】
また、マイクロコンピュータ部70は、システムタイムクロックを基にした時間データに基づいて、光ディスクチェンジャドライブ部12、フラッシュメモリドライブ部14、データ制御部16、エンコーダ部30、デコーダ部50などを制御する。
【0080】
また、マイクロコンピュータ部70にはキー入力部76からの操作入力信号が入力される。このキー入力部76は、例えば情報記録再生装置100の本体上に設けた操作スイッチ類及び本体から独立したリモートコントローラである。或いは、このキー入力部76は、情報記録再生装置100と有線通信あるいは無線通信により接続されるパーソナルコンピューターであってもよい。
【0081】
デコーダ部50は、デジタルアナログ変換器(図示せず)を介してデジタルビデオ信号をアナログビデオ信号へ変換し、外部(例えばモニタ)へ出力したりする。もしくは、デジタル家電向けインタフェースであるHDMIを介して、デジタルビデオ信号のまま外部へ出力したりする。
【0082】
また、この情報記録再生装置100は、録画番組を構成するデータにアクセス(シーク)している間に、途切れないで録画番組の再生を続けるために、最低限連続させなければならない情報単位を決めている。この情報単位の記録エリアをCDA(コンティギュアス・データ・エリア)と呼ぶ。CDAには、ECC(エラー訂正コード)ブロック(例えばDVDの場合は16セクタ。1セクタは2KByteであり、1ECCは32KByte。)の倍数の情報が記録される。
【0083】
データ制御部16は、エンコーダ部30からVOBU単位のデータを受け取り、VOBU単位のデータからCDA単位のデータを生成し、CDA単位のデータをフラッシュメモリドライブ部14、あるいはフラッシュメモリドライブ部14のバッファ領域91を介して光ディスクチェンジャドライブ部12に供給され、フラッシュメモリ、あるいは光ディスク1に記録される。またマイクロコンピュータ部70のMPUは、記録したデータを再生するのに必要な管理情報を作成し、データ記録終了のコマンドを認識すると、作成した管理情報をデータ制御部16に送る。これにより、管理情報が例えばフラッシュメモリ、あるいは光ディスク1に記録される。
【0084】
図1は、本発明の実施の形態における光ディスクチェンジャドライブ部12の構成を示すブロック図である。図1(a)は光ディスクチェンジャドライブ部12の筐体を側面側から見た断面図形式に記載した図であり、図1(b)は光ディスクチェンジャドライブ部12の筐体外観を斜め正面側から見た図である。
【0085】
図1(a)に示すように、光ディスクチェンジャドライブ部12は、ディスクトレイ110と、ディスクマガジン120と、トラバースユニット130と、回路基板140とを備える。
【0086】
ディスクトレイ110は通常の光ディスクドライブにおけるトレイに相当する。つまりディスクトレイ110は、1枚のみ光ディスクを装着可能で、ユーザの要求に応じて光ディスクチェンジャドライブ部12の筐体内部に挿入、外部に排出されるトレイローディング方式(トレイ式)の機構であり、図1(b)に示す奥行き方向にスライドする。具体的には、光ディスク1を光ディスクチェンジャドライブ部12から排出する際には、筐体の外側方向(図1(a)のトラバースユニット130から離れる方向)にスライドして排出される。反対に、光ディスクチェンジャドライブ部12に光ディスク1が挿入される場合には、図1(a)に記す位置(この位置を、ディスクトレイ110の待機位置と呼ぶこととする)に光ディスク1を備えたディスクトレイ110がスライドして引き込まれ、収納される。さらに、挿入された光ディスク1に対してデータの記録再生(アクセス)を行う際には、図3(a)に示すように、ディスクトレイ110は筐体の奥側方向(図1(a)のトラバースユニット130に近づく方向)の、トラバースユニット130がアクセス可能な位置までスライドして引き込まれ、トラバースユニット130によってアクセスされる。その後、アクセスが完了した場合や、ディスクマガジン120に装着された別の光ディスク1へアクセスが発生する場合などは、ディスクトレイ110は再び図1(a)の記す位置に戻される。
【0087】
ディスクトレイ110は、装着された光ディスク1に対してトラバースユニット130がアクセスできるように、少なくとも、装着された光ディスク1の中央に相当する位置、およびトラバース上に相当する半径方向に穴が開いた(開口した)形状になっている。
【0088】
ディスクマガジン120は、複数の光ディスク1を装着(格納)可能なカートリッジ式のマガジンである。ディスクマガジン120はユーザの手、もしくはロボットアームなどの外部機構のような外的な動力によって光ディスクチェンジャドライブ部12に直接セット(装着)されるものである。つまりディスクトレイ110のように筐体の内外に自由に挿入・排出される機構とは異なる。
【0089】
ディスクマガジン120は、光ディスク1を1枚装着できるマガジントレイ121を1つ以上、複数個備えることが可能であり、その結果ディスクマガジン120には複数の光ディスク1を備えることが出来る。つまりあたかも、見た目はディスクマガジン120に装着された枚数分の光ディスク1を足しあわせたデータ記録容量を持つ1つの記録媒体のように扱うことが出来る。つまりディスクマガジン120は、従来の情報記録再生装置200におけるハードディスクドライブ部214の代わりと言うことも出来る。加えてディスクマガジン120は従来のAVレコーダ装置におけるハードディスクのように着脱不能ではなく、ユーザの手によって自由に装着・着脱可能である。そのため、例えばディスクマガジン120に備えた複数の光ディスク1の記録容量を使い尽くしてしまったような場合には、新しい光ディスク1を装着した別のディスクマガジン120と取り替えるといった使い方も可能になる。こうすることでユーザは、過去にディスクマガジン120内の光ディスク1に記録したデータを残したままで、新たなディスクマガジン120に取り替えることが出来るようになる。つまり、あたかも情報記録再生装置100の使用途中で、記録容量を増設したかのように扱うことが可能となる。また、ユーザが、従来のAVレコーダ装置を買い換えたとき、ハードディスクの中のコンテンツの移動に苦労したが、この情報記録再生装置100であれば、ユーザがディスクマガジン120を付け替える(入れ替える)だけでよい。
【0090】
なお、マガジントレイ121もディスクトレイ110と同様、装着された光ディスク1に対してトラバースユニット130がアクセスできるように、少なくとも、装着された光ディスク1の中央に相当する位置、およびトラバース上に相当する半径方向に穴が開いた(開口した)形状になっている。
【0091】
なお図1に示す例では、ディスクマガジン120は5枚のマガジントレイ121を備えた形、つまり光ディスク1を5枚装着可能な形状として記載したが、このディスクマガジン120に装着可能な光ディスク1の枚数(つまり、ディスクマガジン120に備えられるマガジントレイ121の枚数)は1枚以上であれば任意である。極端に言えば、1度に100枚の光ディスク1を装着可能な構成にしても良い。但しディスクマガジン120にマガジントレイ121を多く備えれば備えるほど、マガジン全体の記録可能容量は大容量化することが出来るが、反対にディスクマガジン120が厚く(大きく)なってしまい、情報記録再生装置100の大型化につながる。つまり、情報記録再生装置100の使用形態に応じた適切な枚数に設計されれば良い。
【0092】
ユーザ(あるいは外部機構)によって光ディスクチェンジャドライブ部12にディスクマガジン120がセットされた状態が、図1(a)に記す状態である。またディスクマガジン120内のマガジントレイ121も、ディスクトレイ120と同様、装着された光ディスク1に対してのアクセス時にはスライドする。具体的には、あるマガジントレイ121に装着された光ディスク1にアクセスを行う場合には、図3(b)に示すように、トラバースユニット130がアクセス可能な位置まで、筐体の奥側の方向にマガジントレイ121が引き込まれ、トラバースユニット130によって光ディスク1がアクセスされる。その後、アクセスが完了した場合や別の光ディスク1へアクセス発生時などの場合に、マガジントレイ121は再び図1(a)の記す位置(この位置を、マガジントレイ121の待機位置と呼ぶこととする)に戻される。
【0093】
更にディスクマガジン120は、ICタグ122を備える。ICタグ122は、例えば、電磁界や電波などを用いた近距離無線通信によって情報のやり取りを行うRFID(Radio Frequency IDentification)タグなどである。ICタグ122には、例えば、ディスクマガジン120内に装着されている光ディスク1に録画された番組コンテンツのタイトル情報などが記録される。これにより、ディスクマガジン120が情報記録再生装置100から取り外されて棚管理されているような場合でも、ディスクマガジン120を情報記録再生装置100にセットしなくとも、ICタグ122から情報取得が可能となる。具体的には、例えば図12に示すように、ICタグ情報の読み出しが可能なリーダー装置160(情報記録再生装置100のリモコンを兼ねてもよい)によって棚管理をしている状態で、ディスクマガジン120内の光ディスク1に記録されている番組情報などを認識することが可能となるため、ユーザの検索効率を上げることを可能とすることが出来る。
【0094】
なお、ICタグ122にタイトル情報が記録されるとしたが、ICタグ122の識別番号だけが記録されていても棚管理は可能である。例えば、ディスクマガジン120のタイトル情報は、ICタグ122の識別番号とともに、記録データ管理領域93に格納しておく。情報記録再生装置100にディスクマガジン120が装着されたとき、あるいは、リーダー装置160がディスクマガジン120にかざされたとき、ICタグ122の識別番号が読み出される。読み出された識別番号は、リーダー装置160からは赤外線や無線などで情報記録再生装置100に送られ、記録データ管理領域93に保持されたデータと照合される。そして、対応するタイトル情報が、情報記録再生装置100からリーダー装置160に返される。最終的に、タイトル情報がリーダー装置160に表示され、ユーザはマガジン120にあるタイトルを認識することができる。この場合、必要なのは識別情報だけでよいので、ICタグ122として、バーコードのようなIC以外のものでも構わない。
【0095】
なお、図12において記載したリーダー装置160の形態は、あくまで一例であり、ICタグ122の情報を取得可能で、何らかの手段を介してでも表示可能であれば、このような良い。
【0096】
ここで、ディスクマガジン120は、その構成に特徴がある。それは、ディスクマガジン120に装着された光ディスク1の取り出しには制限が設けられていることである。具体的にはディスクマガジン120は、ユーザが自由に光ディスク1を挿入(セッティング)することは容易に出来るが、装着された光ディスク1をディスクマガジン120から取り出すことは出来ない、或いは取り出すのが非常に困難な構成になっている。
【0097】
挿入が容易な理由は、ユーザが必要とするデータ記録容量分だけ光ディスク1をセッティング可能とすることである。ユーザが、更なる記録容量が必要になった場合に、必要に応じて光ディスク1を増やすことが可能となる。このような構成にすることで、ユーザが情報記録再生装置100を使用開始時には、その時点で必要な枚数だけディスクマガジン120に光ディスク1を装着した状態から使用可能となる。一般的に、光ディスク1の単価は、発売から日にちが経つにつれて、安くなる。つまりスモールスタートが可能となることに加えて、最終的にはコストダウンにも繋がる。更に一時記録にも用いられる光ディスクチェンジャドライブ部12に装着された光ディスク1の残り記録可能容量が減った場合には、ディスクマガジン120に新たな光ディスク1を追加で装着するだけで、記録容量の増加(増設)が可能になる。あるいは、ディスクマガジン120ごと新しいものに置き換える場合でも、同様の効果が得られる。つまり、ユーザは、使用途中にでも簡単に、自分が必要とする分だけの記録容量の増加(増設)を行うことが出来るため、それぞれのユーザの使い勝手に対応することが容易となる。
【0098】
一方でディスクマガジン120に装着した光ディスク1が、ユーザの手により取り出せない、或いは困難な構成である。例えば、ディスクマガジン120に1つ以上のロック機構を備え、同時に全てのロック機構を外さなければ、一度装着した光ディスク1が取り出せないという構成である。この構成をとる理由は、ユーザに不快感を与えないためである。例えば、1つの番組が、ディスクマガジン120内の複数の光ディスク1に跨って記録されているような場合を考えてみる。この場合に、その番組の一部が記録されている光ディスク1が排出され、その番組が残りの一部しか再生出来ないといった事態に陥り、視聴していたユーザはストレスをためることになる。番組を全部観たいユーザは、取り出されてしまった光ディスク1を探すことになろうが、一度光ディスク1をマガジンから取り出してしまうと、ユーザが保持する他の光ディスク1と取り出した光ディスク1とが混ざり合って、どの光ディスク1がディスクマガジン120に挿入されていた光ディスク1か分からなくなるような事態となり、ユーザは更にストレスを感じることになる。以上説明したように、ディスクマガジン120に一度装着した光ディスク1を取り出せない(または取り出しにくい)構成にするのは、こうしたユーザの不快感を防ぐ目的のためである。但し、当然、情報記録再生装置100の光ディスクチェンジャドライブ部12内においては、光ディスク1はディスクマガジン120から取り出され、後述するトラバースユニット130によって記録再生がなされる。つまり、情報記録再生装置100内に備えた特殊な機構と制御情報との組み合わせで、上述した全てのロック機構を同時に外す仕組みなどによってのみ、ディスクマガジン120から光ディスク1を容易に取り出すことが出来る。
【0099】
なお、光ディスク1へのデータの記録という観点から言えば、複数の光ディスク1へ跨った形でのコンテンツ記録は極力行わないように制御した方が好ましい。困難ではあるがディスクマガジン120から光ディスク1が抜き出される可能性はあるので、上述したようなユーザの不快感に繋がり得ることは避けるというのが、1つ目の理由である。他方の理由としては、例えばディスク跨りに伴い、同一コンテンツの再生中にディスク入れ替えなどが必要になるためであり、パフォーマンスの低下や制御の複雑化を招くためである。そのため、例えば予約録画など記録したい番組の時間(サイズ)が分かるような場合などには、情報記録再生装置100に備えた複数の光ディスク1のうちの各ディスクの空き容量から、最も適切な形で記録できる光ディスク1を選択するといった制御を行っても良い。あるいは録画番組のサイズが分からないような場合にも、複数の光ディスク1の中で最も空き領域が多いディスクに記録するといった制御を行っても良い。あるいは、空き領域が細分化され、ファイルの配置が不連続になるような場合には、空き時間や夜間などを利用してデフラグを行い、連続した空き領域を作るような方法も有効である。また、異なる観点から見ると、記録先として選択した光ディスク1の空き領域のサイズに応じて、記録するコンテンツの圧縮率を調整し、空き領域内に全て収まるように記録を行うといった方法も有効である。
【0100】
しかし、録画するコンテンツが1枚の光ディスク1に収まりきらないような場合など、複数の光ディスク1に跨った記録を完全に防ぐことは出来ないため、上述したように、跨り記録も考慮した設計が必要になる。
【0101】
なお、上述したディスクマガジン120からユーザの手による光ディスク1の取り出しが出来ない、或いは困難な構成というのは、装着される光ディスク1の種類によって異なっていても良い。具体的には、光ディスク1は大きく分けて3種類のディスクが存在する。再生専用媒体(ROM)、一回のみ記録可能な追記型媒体(R)、そして書換え可能な書換型媒体(RE、またはRAM、RW)である。これらの種類毎に専用のディスクマガジン120を準備し、それぞれに応じてディスクマガジン120の特徴・構成を変えても良い。
【0102】
例えば、書換え可能な書換型媒体の場合、上述したようにユーザの手による光ディスク1の取り出しが出来ない、或いは困難な構成が好ましい。しかし一方で、再生専用のROM媒体の場合には、上述したような複数の光ディスク1に跨った番組録画という事象は発生しないことに加えて、ユーザが再生したい光ディスク1を自由に差し替え可能な方が、ユーザにとっての使い勝手も良い。そのためROM媒体専用のディスクマガジン120は、ユーザが光ディスク1を簡単に出し入れ可能な構成とするのが好ましい。同様に追記型媒体については、基本的には書換型媒体と同様の事象が起きるため書換型媒体と同じ構成が良いとも言える。しかし一方で、追記型媒体が主に利用される形態であるバックアップやアーカイブ用のダビング(詳細は実施の形態2以降で説明する)を考えると、ダビング記録された追記型媒体は、その後誰かに配布されたり、或いはユーザによってバックアップディスクとして保管されるのが一般的である。そのため、追記型媒体の場合は、ディスクマガジン120からユーザによって容易に取り出せる方が好ましい。よって基本的にはROM媒体専用のディスクマガジン120と同様の構成が良いと考える。以上から追記型媒体専用のディスクマガジン120については、例えば、ダビング用とその他用途で異なる構成としても良い。
【0103】
なお例えば、ROM専用、追記型媒体専用といった情報をICタグ122に備え、ICタグ122の情報に応じてディスクマガジン120の機構を制御することで、上述したような特徴を実現しても良い。具体的には、例えば、ディスクマガジン120の構成としてはROM専用、追記型専用、書換型専用のいずれの場合も同じ装置構成とする。そして、例えば、ICタグ122に書換型専用と設定された場合には、ディスクマガジン120に備えられている1つ以上のロック機構が自動的に設定されるようにしても良い。これにより、ユーザによるディスクマガジン120からの光ディスク1の取り出しを制限することが可能になる。このような構成にすることで、ディスクマガジン120をメディア種別によらず共通化できるため、ディスクマガジン120自体の低価格化に繋がり、ユーザメリットにも繋がる。或いは、ICタグ122の情報から、ユーザがそのディスクマガジン120がどの媒体専用のマガジンかを識別できるようにしても良い。
【0104】
以上のような特徴により、例えばディスクマガジン120を情報記録再生装置100から外して棚管理するような場合でも、ユーザはマガジン単位でディスクを扱うことになるため、紛失防止や、光ディスク1の汚れ防止、破損防止といった効果を得ることが出来る。さらにICタグ122を備えることにより、ICタグ情報の読み出しが可能なリーダー装置160によって、棚管理をしている状態で、ディスクマガジン120内の光ディスク1に記録されている番組情報などを認識することが可能となる。
【0105】
トラバースユニット130は、光ディスク1に対してデータの記録・読み出しを行うピックアップ131と、光ディスク1を駆動(回転)・停止させるスピンドルモータ132と、ピックアップ131を光ディスク1の径方向に移動させるトラバース133とから構成される。
【0106】
回路基板140は、光ディスクチェンジャドライブ部12のトレイやメカ制御、記録・再生信号制御などを行うためのドライブ制御部141等を備えている。
【0107】
ここで、本発明の実施の形態1の情報記録再生装置100に備えられる光ディスクチェンジャドライブ部12の特徴について説明する。光ディスクチェンジャドライブ部12は大きく2つの特徴を持っている。
【0108】
特徴の1点目は、図1(b)を見ると明らかなように、光ディスクチェンジャドライブ部12が、光ディスク1の装着口(装着機構)として大きく2つの機構を備える点である。1つがディスクトレイ110であり、もう一つがディスクマガジン120である。
【0109】
もし光ディスクチェンジャドライブ部12がディスクトレイ110しか備えないとした場合は、従来装置同様、情報記録再生装置に格納可能な光ディスク1は1枚だけとなる。そのため、AVレコーダ装置において、HDDのような大容量の一時記録用媒体を備えないとした場合、番組の一時記録用の記録容量としては不十分と言える。反対に光ディスクチェンジャドライブ部12がディスクマガジン120しか備えないとした場合は、例えば映画コンテンツが格納された再生専用のROM媒体の再生を行う場合にユーザの手間が増えてしまう。具体的には、再生するその都度、ディスクマガジン120を取り外してROM媒体を装着した後、情報記録再生装置100の光ディスクチェンジャドライブ部12に再びセットするといった作業が必要となり、従来装置と比べてユーザの操作性が悪化することになる。
【0110】
しかし特徴の1点目のように、ディスクトレイ110とディスクマガジン120という、光ディスク1の2つの装着機構を備える構成とすることで、これらの問題が解決できる。つまり、従来装置と比べてユーザの操作性の悪化に繋がらず、また大容量のHDDを備えなくても、一時記録用に使用するのに十分な記録容量を確保した情報記録再生装置100を提供することが出来るという効果が得られる。これにより、一時記録用にもデータの長期保存性に長けた光ディスクを使用することが可能となる。そのため、従来のHDD搭載型光ディスクレコーダの欠点であった、ダビング前の録画コンテンツが突然読み出せなくなってしまう、あるいは視聴前の録画コンテンツが読み出せなくなってしまうといった問題点を解決することが出来る。更に、装置を買い換えたときに、録画コンテンツの移動が煩わしいといった問題点も解決することができる。
【0111】
また、1点目の特徴によって得られるもう1つの別の効果がある。その効果とは、ある光ディスク1から、別の新しい光ディスク1に対してのダビング時に発生しうる、ユーザのミスを防ぐことが可能になるという点である。具体的には、光ディスク1には、デジタルビデオカメラやデジタルカメラなどで撮影した個人コンテンツデータが格納されている場合がある。例えば、この光ディスク1に記録された運動会の映像を、友人に配りたいといったケースを考える。この場合、運動会の映像が記録されたダビング元の光ディスク1から、別の光ディスク1へダビング(コピー)することになるが、この際、誤ってダビング元の光ディスク1を取り出してしまうことが予想される。
【0112】
より具体的には、上述した通り、キャッシュとして使用可能なフラッシュメモリドライブ部14中のバッファ領域91の記録容量は、光ディスク1の最大記録容量に満たない。そのため、光ディスク1に記録されたコンテンツを他の光ディスク1へダビングするような場合には、必ずダビング元の光ディスク1(つまりダビングするコンテンツが格納されている光ディスク1。以降、ダビング元ディスクと呼ぶ。)と、ダビング先の光ディスク1(つまり、これから新たにコンテンツをダビング記録する光ディスク1。以降、ダビング先ディスクと呼ぶ。)が、基本的には両方とも情報記録再生装置100中に備えられている必要がある。
【0113】
もし光ディスクチェンジャドライブ部12がディスクトレイ110しか備えないとした場合は、バッファ領域91の記録容量が光ディスク1の記録容量に満たないという条件下において、自動的なダビングを行うことは出来ない。つまり、ダビングするためには、バッファ領域91の記録容量の単位で、ダビング元ディスクとダビング先ディスクを、ユーザなどが手動で交換する必要がある。
【0114】
反対に光ディスクチェンジャドライブ部12がディスクマガジン120しか備えないとした場合は、ダビングは実現できるが、この場合はディスクマガジン120内にダビング元ディスク・ダビング先ディスク両方がセットされている必要がある。ここで、ディスクマガジン120の全てのマガジントレイ121は光ディスク1が装着されており、ダビングするためには新しい未使用の光ディスク1をディスクマガジン120に装着する必要がある場合を考えてみる。この場合には、すでにディスクマガジン120に装着されている光ディスク1のうちの少なくとも1枚を取り出して、新しいダビング用の光ディスク1と交換する必要がある。この場合、ユーザが誤ってダビング元ディスクである光ディスク1を取り出してしまう、つまりユーザの操作ミスを引き起こしてしまう可能性がある。
【0115】
これに対して、1つ目の特徴に記載したような構成とすることで、ダビングについてもユーザの操作ミスを防ぐといった効果も得られる。具体的には、例えばディスクトレイ110にダビング元ディスクを、ディスクマガジン120にダビング先ディスクを装着するといった使い方が可能になる。これにより、誤ってダビング元ディスクを取り出して別の光ディスク1に取り替えてしまうといったミスを防ぐことが可能になる。更にこの場合は、最大でディスクマガジン120に装着可能な光ディスク1の枚数分だけ、同じコンテンツのダビングをまとめて行うことが可能になる。
【0116】
なお、ダビング時の情報記録再生装置100の使用方法はこれに限ったものではない。例えばダビング先ディスクをディスクトレイ110に装着し、ディスクマガジン120内の光ディスク1に格納されているコンテンツをダビング先ディスクにダビングするといった使い方でも良い。あるいは、図13に示すように、ディスクトレイ110にダビング元ディスクとして5つのコンテンツが記録された1枚のBDディスクを装着し、更にダビング先ディスクとしてディスクマガジン120に5枚のDVDディスクを装着して、1つのコンテンツごとに別のDVDに分けてダビングする(分割する)といった使い方も可能である。
【0117】
あるいは逆に、複数のDVDに分かれて録画されたデータを、容量の多いBDにまとめてダビングする(集約する)といった使い方も可能である。具体的には、ディスクマガジン120に同じシリーズ番組が録画された複数のDVDを装着し、それらの番組データをまとめて、ディスクトレイ110に装着されたダビング先ディスクであるBDにダビングするといった使い方も可能である。
【0118】
更に、1点目の特徴によって得られるもう1つ別の効果がある。その効果とは、セキュリティを強化することが可能になるという効果である。
【0119】
具体的には、ディスクトレイ110に装着される光ディスク1と、ディスクマガジン120に装着されるディスクマガジン120とを対応付けて管理するという方法である。より具体的には、例えば、ディスクマガジン120に装着された1枚以上の光ディスク1にアクセスするために必要な特殊情報を備えた光ディスク1を準備する。そして、この特殊情報を備えた光ディスク1とディスクマガジン120の両方が揃わないと、ディスクマガジン120に対して記録再生等のアクセスが出来ないといった制御を行うことが可能になる。より具体的には、例えば、ディスクマガジン120に装着された光ディスク1に記録するデータを暗号化するための暗号化鍵情報を特殊情報として備えた特殊光ディスクを用意する。そして、ディスクマガジン120に装着された光ディスク1への記録時には、特殊光ディスクをディスクトレイ110に装着して記録を行う。このようにすることで、ディスクマガジン120に記録されたデータを再生する際には、記録されたデータの復号用に、暗号化鍵情報を特殊情報として備えた光ディスク1をディスクトレイ110に備えておかないと再生できないように制御することが可能になる。
【0120】
あるいは、ディスクマガジン120に装着された光ディスク1のコンテンツに関する管理情報を、ディスクトレイ110に備えた光ディスク1に記録しておくという方法も可能である。ここで管理情報とは、例えば、ディスクマガジン120に記録されたコンテンツに関するファイルシステム情報や、タイトル情報などのTOC情報などである。これにより、ディスクマガジン120に装着された光ディスク1のコンテンツ情報を再生する場合には、それらの管理情報が記録された光ディスク1をディスクトレイ110に装着しないと再生できないといった制御も可能になる。
【0121】
以上のように、情報記録再生装置100(もしくは光ディスクチェンジャドライブ部12)において、必ず特殊情報や管理情報が記録された光ディスク1と、その光ディスク1に対応するディスクマガジン120とが揃わないと記録再生出来ないように制御することも可能となる。そのため、例えば、ディスクマガジン120が何らかの理由で盗難、もしくは紛失してしまった場合でも、ディスクマガジン120に記録されたコンテンツやデータが他人に見られるような事態を防ぐことが出来る。つまり、情報記録再生装置100において記録されたデータに対するセキュリティレベルを強化することが可能となる。
【0122】
なお、セキュリティレベルを強化するような使い方は、民生用のAVレコーダ装置に限らず有効である。具体的には、例えば、本発明の実施の形態1に記載した仕組みを、NAS(Network Attached Storage)のような業務用のデータアーカイブ装置に適用することも可能である。このような装置は、例えば、医療用(カルテや診察結果など)の記録装置や、自治体用(住民票データのような個人データなど)の記録装置など、機密性の高いデータ管理用の記録装置として使用しても、同様の効果が期待できる。
【0123】
なお、上記ではディスクトレイ110に装着される光ディスク1と、対応するディスクマガジン120とが揃わないと、全てのコンテンツの再生が出来ない場合について記載したが、これに限ったものでは無い。具体的には、例えば、ディスクマガジン120に記録されたコンテンツのうちの大半のデータは、ディスクトレイ110に所定の光ディスク1が装着されなくとも再生可能とする。しかし、ある一部のデータは、ディスクトレイ110に所定の光ディスク1が装着されないと読み出せないといった使い方でも良い。この利点は、産業スパイの立場になって想像すると分かる。ディスクマガジン120の全てのコンテンツが再生できないというのは不自然である。従って、そこに重要な情報が隠されてあり、何処かに鍵があると感づかれてしまう。一方、タイトル表示されたコンテンツは再生できるなら、一見自然に見えるので、タイトル表示されていない他のコンテンツが隠れていると感づかれ難い。一般コンテンツは見せて、あるコンテンツだけを隠す方が、セキュリティは高くなるのである。
【0124】
更に、1点目の特徴によって得られる更に別の効果がある。その効果とは、光ディスクチェンジャドライブ部12、つまりは情報記録再生装置100の大きさ(サイズ)をコンパクトにすることが出来るという効果である。
【0125】
具体的には、光ディスクチェンジャドライブ部12の中で、光ディスク1が装着されているトレイから別のトレイへといった入れ替えを行う必要が無い。つまり、光ディスクチェンジャドライブ部12おいて、ディスクトレイ110とディスクマガジン120との間での、光ディスク1の受け渡しに制限が設けられている。そのため、図1(b)に示すように、装着される光ディスク1に対して水平方向のサイズである幅:X、及び奥行き:Z(図1(a)では横方向のサイズに相当)を、光ディスク1の直径2枚分のサイズよりも短くすることが出来る。より具体的には、光ディスクチェンジャドライブ部12によって制御可能な通常のCDやDVD、BDの最大の直径サイズは12cmである。つまり光ディスクチェンジャドライブ部12の筐体の幅のサイズ、及び奥行きサイズは、24cm未満にすることが出来る。
【0126】
AVレコーダ装置などの設置スペースは、テレビ台の中であるとか棚の中など、場所を取らずにコンパクトに抑えたいというユーザのニーズは強いため、情報記録再生装置100のサイズを小さく出来ることは、ユーザメリットにも繋がる。
【0127】
なお光ディスクチェンジャドライブ部12の高さ:Yについては、通常は幅や奥行きと同様に光ディスク1の直径2枚分のサイズよりも短いが、任意のサイズに設計すれば良い。具体的には、上述した通り、ディスクマガジン120に装着可能な光ディスク1の枚数に応じて高さは変わってくることになる。つまり、AVレコーダ装置といった民生用途の情報記録再生装置100の場合、設置スペースを考慮すると、高さ(厚み)もあまり高く(厚く)ない方がユーザにとっては好ましい。しかし反対にスペースよりも記録容量を求めるユーザに対しては、高さ(厚み)を高く(厚く)してでも、より多くの光ディスク1を装着可能したいといったニーズもあるためである。
【0128】
特徴の2点目は、光ディスクチェンジャドライブ部12が備える2つの光ディスク1の装着機構であるディスクトレイ110、およびディスクマガジン120に装着された光ディスク1に対して、同一のトラバースユニット130が光ディスクチェンジャドライブ部12内を上下に動作してアクセスを行うという点である。光ディスクチェンジャドライブ部12は、トラバースユニット130を、光ディスクチェンジャドライブ部12の筐体の中を上下(図1(a)の上下方向に相当)に動かすための機構(図示せず)を備える。これによりディスクチェンジャドライブ部12は、同一のトラバースユニット130によって、ディスクトレイ110によって装着される光ディスク1、およびディスクマガジン120のマガジントレイ121によって装着される複数の光ディスク1という全ての光ディスク1に対してデータの記録再生を行うことが可能となる。そのため、光ディスクチェンジャドライブ部12、つまりは情報記録再生装置100の小型化や軽量化、装置構成の簡素化、コストダウンといった効果が得られる。
【0129】
なお、光ディスクチェンジャドライブ部12が備える2つの光ディスク1の装着機構であるディスクトレイ110、および、ディスクマガジン120のマガジントレイ121を用いて、装着された光ディスク1に対して、同一のトラバースユニット130によりアクセスが可能という特徴が満たされる限りにおいては、光ディスクチェンジャドライブ部12が備えるトラバースユニット130の数(個数)は任意である。上述した通り、トラバースユニット130の数を1つとすることで、装置の小型化やコストダウンといったメリットが得られるが、トラバースユニット130の数を増やせば同時に複数の光ディスク1にアクセス可能となるため、録画・再生などの処理パフォーマンスが向上するといったメリットが得られることになる。トラバースユニット130の個数の大小は、本発明の特徴には影響を与えないため、どちらのメリットを優先するかによって任意の個数に設計されれば良い。なお、トラバースユニット130を2つ備えた構成については、後述の本発明の実施の形態3において、図10などを用いて説明を行うため、ここでのこれ以上の説明は省略する。
【0130】
なお、本発明の実施の形態1では、ディスクトレイ110をトレイローディング方式の機構として説明したが、この形態に限定されるものでは無い。具体的には、例えば挿入口にディスクをそのまま押し込むスロットイン方式など、ユーザが光ディスク1を1枚毎に直接挿入・排出できる機構であれば、同様の効果を得ることが出来る。
【0131】
なお、本発明の実施の形態1では、光ディスクチェンジャドライブ部12に装着可能なディスクマガジン120の数は1つとして説明を行ったが、これに限ったものでは無い。具体的には、ディスクトレイ110とディスクマガジン120という2つの光ディスク1の装着口(装着機構)を備えるという構成が満たされる限りにおいては、光ディスクチェンジャドライブ部12に装着可能なディスクマガジン120の個数は任意である。光ディスクチェンジャドライブ部12は例えばディスクマガジン120を2つ装着可能であったりしても良い。
【0132】
なお、ICタグ122はディスクマガジン120に備えられる形として説明を行ったが、このカタチに限ったものでは無い。具体的には例えば、光ディスク1の1枚1枚に備えられたりしても良い。
【0133】
なお、ディスクマガジン120は、従来装置におけるハードディスクの代わりのように扱うことが出来ると記載したが、更に従来のHDD(ハードディスク)などの記録媒体では実現し得なかった使い方も可能となる。
【0134】
具体的には、HDDはドライブ(ピックアップ等の記録再生装置)とディスク(記録メディア)とが一体型であるため、例えば500GByteの記録容量を備えたHDDが故障してしまった場合、この500GByteのデータは基本的に全て壊れてしまい読み出せなくなってしまう。一方で例えば100GByteの書換え型BDXL−REを5枚備えた記録総容量500GByteのディスクマガジン120の場合、ドライブとディスクが別々であることに加えて、ディスクも1枚1枚が完全に独立したものとして扱うことが可能である。つまり、もし万が一何らかの理由である1枚の光ディスク1が壊れてデータが読めなくなってしまったような場合であっても、残る4枚の光ディスク1には全く影響は無い。つまり、500GByteのうちの400GByteのデータは問題なく読み出すことが出来るといった特徴を持つ。
【0135】
そのため例えば、ディスクマガジン120に10枚の光ディスク1を装着可能であるとして、その10枚の光ディスク1を5枚と5枚のセットに分け、記録可能容量としては光ディスク5枚分の容量を持った記録媒体として扱う。そして一方のセットをメインで使用し、もう一方のセットをメインセットのミラーとして使用するといった、例えばRAID1のような使い方も可能となる。つまり一時記録用に使用される記録媒体(ディスクマガジン120)の中においてミラーリングなどの処理を行うといった、ディスクマガジン120内において任意の形で冗長度を上げた、よりデータの信頼性を高めた使い方も可能となる。このミラーリングにおいては、トラバースユニット130を2つ持つ構成が望ましい。但し、夜中などの装置が使われていない時間を利用して、もう一方のセットにコピーをとるのであれば、トラバースユニット130は1つでもよい。
【0136】
なお、ディスクマガジン120に備えられた光ディスク1をまとめて1つの記録媒体として見なすという説明を行ったが、全体の記録容量の観点ではそのように扱うが、その使用方法はこの形に限ったものでは無い。例えば、複数の光ディスク1を装着可能なディスクマガジン120において、それを複数人で使い分けるといった使い方も可能である。具体的には、5枚の光ディスク1が装着可能なディスクマガジン120を、家族5人で使い分ける、つまり個人単位で1枚の光ディスク1に番組を録画するといった使い方も可能である。あるいは、5枚の光ディスク1を家族3人で使い分け、一番多く録画をするお父さん用には3枚を割り当て、お母さんと子ども用には1枚ずつ割り当てるといった使い方も可能である。このように、光ディスク1を個人単位に割り当てるような場合には、使い方に応じて任意に割当て可能である。このようにすることで、例えば、上述したセキュリティ強度を個人単位で使い分けられるというメリットがある。更には、上述した医療用途などの業務用を考えてみても、個人単位で光ディスク1に記録するデータを分けることで、万が一の場合のリスク分散が可能になるといった効果もある。なお、ここでは個人単位で使い分ける場合の説明を行ったが、例えば番組の放送局やジャンル、あるいは録画頻度などに応じて使い分けるといった方法でも、同様の効果を得ることが出来る。
【0137】
なお、記録データ管理領域93には、光ディスクチェンジャドライブ部12において光ディスク1に録画(記録)された各番組の先頭部分のコンテンツデータなどを備えると記載した。これは、例えば光ディスク1の起動(ロード)時間など、光ディスク1へのアクセス不能時間の再生処理をキャッシュ実行する目的である。仮に光ディスク1の起動(ロード)時間が30秒であるとすれば、例えば、光ディスクチェンジャドライブ部12に格納されている光ディスク1に録画された各番組の先頭約30秒のデータをフラッシュメモリドライブ部14の記録データ管理領域93に格納しておく。こうすることで、光ディスク1のロード中であってもコンテンツの連続再生を実現出来る。つまり、光ディスク1のロードが完了するまでは記録データ管理領域93に格納されたデータを再生し、ロード完了後には光ディスク1からデータを再生する。このように制御することで、ユーザに対しては、再生コンテンツを画像が途切れることなくシームレスに見せることが可能になる。
【0138】
なお、記録データ管理領域93に格納しておくデータは、番組の先頭データだけとは限らず、光ディスク1の入れ替えなどアクセス不能時間がある程度長く必要になる場合のデータを備えておくと効果的である。例えば、ディスクマガジン120中の2枚の光ディスク1に1つのコンテンツを跨いで録画したような場合、跨ぎ直後のコンテンツ部分のデータを、光ディスク1と記録データ管理領域93との両方に格納しておく(二重化しておく)といった場合にも、同様の効果を得ることが出来る。
【0139】
なお、上記でも少し触れたが、ディスクマガジン120に装着された複数の光ディスク1に分散して録画された番組や、跨って録画された番組などを、別の光ディスク1にまとめて記録しなおすといった使い方も有効である。例えば、連続した空き領域を作るデフラグが行われていないような状態や、使用過渡期の状態では、ディスクマガジン120に装着された光ディスク1の中に使用可能な空き領域が分散して点在している場合が発生しうる。このような状況において、シリーズもののドラマなどの番組を続けて録画した場合は、それらの番組は、1回の番組としては同じ光ディスク1に記録されるかもしれないが、シリーズ全てという観点で見ると、複数の光ディスク1に分散して記録される可能性が高い。そこで、分散して録画された番組を1つの光ディスク1にまとめて記録しなおすといった使い方も有効である。具体的には、例えば図13で説明した複数のDVDから1枚のBDへのダビング時と同様のイメージであり、例えば、ディスクマガジン120に装着された光ディスク1も、ディスクトレイ110に装着された光ディスク1も、同じBDメディアの場合と考えれば良い。ディスクトレイ110にダビング先ディスクである光ディスク1を装着する。そして、ディスクマガジン120の複数の光ディスク1に分散して記録された番組データを、ディスクトレイ110に装着された光ディスク1にダビング記録するといった使い方も有効である。なおこの場合、ダビング元データとなるディスクマガジン120のデータは、ダビングが完了したら削除しても良い。
【0140】
なお、本発明の実施の形態1において、光ディスクチェンジャドライブ部12を情報記録再生装置100の中に組み込んで備える構成として説明を行ったが、この構成に限るものでは無い。つまり、情報記録再生装置100が、ディスクトレイ110とディスクマガジン120を備えていれば、装置の構成は任意である。具体的には例えば、光ディスクチェンジャドライブ部12を、例えば、外付けストレージのように、USBなどのインタフェースによって情報記録再生装置100に接続するような構成でも良い。このような外付け装置の構成にすると、例えばこの光ディスクチェンジャドライブ部12をPC用の外付けストレージ装置に転用することも可能である。
【0141】
また、本発明の実施の形態1の情報記録再生装置100として、ディスクマガジン120の上側にディスクトレイ110を備える構成を記載したが、例えばこれらの配置を反対にしたとしても、同様の効果を得ることが出来ることは言うまでも無い。
【0142】
以上、本実施の形態1において主に説明したように、情報記録再生装置は、下記の構成を有している。
【0143】
すなわち、情報記録再生装置は、可搬型情報記録媒体(例えば、光ディスク1)に情報の記録再生を行う情報記録再生装置である。情報記録再生装置は、可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニット(例えば、光ディスクチェンジャドライブ部12)を備えている。ドライブユニットは、トレイ部(例えば、ディスクトレイ110)とマガジン部(例えば、ディスクマガジン120)とトラバース部(トラバースユニット130)を備えている。このとき、トレイ部は、可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされるものであっても良い。また、マガジン部は、複数の可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によってドライブユニットに直接取り付け・取り外しされるものであっても良い。このとき、トラバース部は、トレイ部に装着された可搬型情報記録媒体、及び、マガジン部に装着された可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生する。
【0144】
以上の構成により、上述した効果を奏する。すなわち、以上の構成により、ユーザの操作性を悪化させることがない。また、一時記録用に使用するのに十分な記録容量を確保できる。また、ダビングを行う場合に、ユーザの操作ミスを防ぐことができる。また、情報記録再生装置の小型化や軽量化、装置構成の簡素化、コストダウンを図ることができる。
【0145】
また、本実施の形態1の情報記録再生装置においては、ドライブユニット内のトレイ部とマガジン部との間での、可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限しても良い。これにより、タビング時に、ダビング元データが格納された可搬型情報記録媒体がドライブユニットの筐体内に留まることを保証しても良い。
【0146】
以上の構成により、情報記録再生装置の大きさ(サイズ)をコンパクトにすることが出来る。
【0147】
また、本実施の形態1の情報記録再生装置においては、ドライブユニット内のトレイ部とマガジン部との間での、可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限しても良い。これにより、マガジン部に装着された可搬型情報記録媒体がマガジン部に留まることを保証しても良い。このとき、さらにマガジン部がドライブユニットから取り外された状態では、マガジン部に装着された可搬型情報記録媒体の取り出しを制限しても良い。これにより、マガジン部に装着された複数の可搬型情報記録媒体に跨って、1つのコンテンツを記録再生することを可能としても良い。
【0148】
以上の構成により、ユーザの不快感を防ぐことができる。
【0149】
また、本実施の形態1の情報記録再生装置においては、ドライブユニットに、可搬型情報記録媒体を着脱可能な、トレイ部とマガジン部という2つの機構を備えていても良い。このとき、情報記録再生装置は、トレイ部とマガジン部の双方に所定の可搬型情報記録媒体が装着された場合にのみ、可搬型情報記録媒体に格納された全てもしくは一部のデータの読み出しを可能としても良い。
【0150】
以上の構成により、情報記録再生装置において記録されたデータに対するセキュリティレベルを強化することが可能となる。
【0151】
また、本実施の形態1の情報記録再生装置は、高速なデータ転送が可能なメモリドライブ(例えば、フラッシュメモリドライブ部14)を備えていても良い。メモリドライブは、ドライブユニットへのデータの記録再生におけるバッファやキャッシュとして使用可能なバッファ領域(例えば、バッファ領域91)と、コンテンツを一時的に記録しておくことが可能な一時記録領域(例えば、一時保存領域92)とを共に備えていても良い。
【0152】
また、本実施の形態1の情報記録再生装置は、AVデータなどの録画を行う情報記録再生装置であっても良い。このとき、情報記録再生装置は、情報記録再生装置の内部へ前記AVデータを入力するためのAV入力ユニット(例えば、AV入力部18a)と、情報記録再生装置の外部へAVデータを出力するためのAV出力ユニット(例えば、デコーダ部50)と、AVデータを、録画再生に適したデータ形式に変換するフォーマット変換ユニット(例えば、フォーマッタ32)と、AVデータの録画再生のために、入出力データを一時的に保存する緩衝の役割を果たすバッファユニット(例えば、バッファメモリ34)と、録画再生に代表される前記情報記録再生装置全体の制御を行う制御ユニット(例えば、マイクロコンピュータ部70)と、ユーザとの間での情報のやり取りを行うユーザインタフェースユニット(例えば、表示部74やキー入力部76)とを、さらに備えていても良い。
【0153】
また、本実施の形態1において主に説明したように、情報記録再生方法は、下記の構成を有している。ここで、情報記録再生方法は、情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法である。
【0154】
本実施の形態1の情報記録再生方法は、トレイ部とマガジン部の双方に所定の可搬型情報記録媒体が装着された場合にのみ、可搬型情報記録媒体に格納された全てもしくは一部のデータの読み出しを可能としても良い。
【0155】
以上の構成により、情報記録再生装置において記録されたデータに対するセキュリティレベルを強化することが可能となる。
【0156】
また、本実施の形態1の情報記録再生方法は、ドライブユニット内のトレイ部とマガジン部との間での、可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限しても良い。これにより、タビング時に、ダビング元データが格納された可搬型情報記録媒体がドライブユニットの筐体内に留まることを保証しても良い。
【0157】
以上の構成により、情報記録再生装置の大きさ(サイズ)をコンパクトにすることが出来る。
【0158】
また、情報記録再生装置において、マガジン部に装着された可搬型情報記録媒体がマガジン部に留まることを保証するために、ドライブユニット内のトレイ部とマガジン部との間での、可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限され、さらにマガジン部がドライブユニットから取り外された状態では、マガジン部に装着された可搬型情報記録媒体の取り出しを制限されている場合において、本実施の形態1の情報記録再生方法は、マガジン部に装着された複数の可搬型情報記録媒体に跨って、1つのコンテンツを記録再生しても良い。
【0159】
以上の構成により、ユーザの不快感を防ぐことができる。
【0160】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、本発明の実施の形態1において説明した情報記録再生装置100を用いて、ある光ディスク1から別の光ディスク1にダビングを行う場合の例を示す。ここでは、子どもの運動会の映像を自宅用と祖父母宅用に複製するといった、複数の光ディスク1に対して同じコンテンツをダビングする場合を例にして、ダビング処理手順について説明する。
【0161】
なお以降では、ダビングしたいコンテンツ情報を備えている光ディスク1をダビング元ディスクと呼び、またそのコンテンツが新たにダビングして記録される光ディスク1をダビング先ディスクと呼ぶ。
【0162】
従来ダビングを行う場合には、ダビング元データがHDDという容量の大きな記憶媒体に記録されていた。つまりあたかも、大容量のバッファにダビングコンテンツが全て読み出されているのと同等の状態となっていた。そのため、光ディスク1に対して1枚ずつダビングを行い、それをダビングしたい枚数だけ繰り返していた。
【0163】
これに対して、本発明の実施の形態で示す情報記録再生装置100にはダビング元データを全て読み出して一時的に保存しておくような大容量のバッファを備えない。バッファとして使用可能なバッファ領域91の記録容量は、光ディスク1の最大記録容量よりも小さい。つまり、ダビングコンテンツを全てバッファに蓄積しておくという方法が採用できないため、処理手順を工夫する必要がある。
【0164】
図4は、情報記録再生装置100を用いて複数の光ディスク1に対して同一コンテンツのダビングを行う際の手順を示すフローチャートである。なおここでは、ダビング元ディスクをディスクトレイ110に装着し、複数のダビング先ディスクをディスクマガジン120に装着して、同じコンテンツを複数のダビング先ディスクに対してダビングする場合を例に説明を行う。またダビング元ディスク、ダビング先ディスクは、既にユーザによって情報記録再生装置100に対してセッティングされた状態にあり、またダビングコンテンツも既にユーザによって選択され、情報記録再生装置100も認識済みであるとする。
【0165】
ステップ401:ダビング元ディスクからバッファ領域91への読出し処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は図5に示すフローの手順で処理を行う。
【0166】
図5は、情報記録再生装置100による、ダビング元ディスクからのダビングデータの読出し処理手順を示すフロー図である。
【0167】
ステップ501:ダビング元ディスクを起動する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、光ディスクチェンジャドライブ部12のディスクトレイ110に装着されたダビング元ディスクをトラバースユニット130に装填し、起動するよう、回路基板140上のドライブ制御部141に対して指示を行う。これを受けドライブ制御部141は、ダビング元ディスクを起動する。
【0168】
ステップ502:ダビング元ディスクから、次にダビングするダビングデータを読み出す。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、起動中の光ディスク1から指定するデータの読み出しをドライブ制御部141に対して指示を行う。これを受けドライブ制御部141は、トラバースユニット130のピックアップ131などを用いて、指定されたデータの読み出しを行う。読み出したデータはマイクロコンピュータ部70により、バッファであるバッファ領域91に格納される。なお、次にダビングするダビングデータとは、前回ダビングしたコンテンツデータの続きのデータのことであり、またダビングを開始する場合は、次のダビングデータとはダビングを行うコンテンツデータの最初のデータのことである。
【0169】
ステップ503:ダビング元ディスクから、必要サイズ分のデータ読み出しが完了したか否かを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、「バッファ領域91がこれ以上データを格納できない満杯状態になる」か、又は「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了した」かのいずれかの状態になったかを判断する。そして、いずれかの状態になったと判断した場合は、次のステップ504へ進む。一方、いずれかの状態でも無いと判断した場合、つまりまだバッファ領域91に対して読み出すべきデータが残っている場合には、ステップ502を繰り返して実施する。
【0170】
ステップ504:ダビング元ディスクを停止・排出する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、トラバースユニット130に装填されたダビング元ディスクの起動を停止し、ディスクトレイ110を待機位置へ戻すようドライブ制御部141へ指示する。これを受けドライブ制御部141は、ダビング元ディスクを停止し、ディスクトレイ110を待機位置へ戻す。
【0171】
以上でステップ401におけるダビング元ディスクからのダビングデータ読出し処理を完了する。
【0172】
ステップ402:後述するステップ403からステップ405の処理を、ダビングを行うダビング先ディスクの枚数分だけ繰り返して実施する。
【0173】
ステップ403:次のダビング先ディスクを起動する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、ディスクマガジン120に装着されたダビング先ディスクのうち、次にダビングを行う光ディスク1をトラバースユニット130に装填し、起動するよう、ドライブ制御部141に対して指示を行う。これを受けドライブ制御部141は、次のダビング先ディスクを起動する。ここで次のダビング先ディスクとは、複数あるダビング先ディスクの中で、バッファ領域91に読み出されたダビング元ディスクのコンテンツデータを、次に記録を行う光ディスク1のことである。
【0174】
ステップ404:バッファ領域91からダビング先ディスクへの記録処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は図6に示すフローの手順で処理を行う。
【0175】
図6は、情報記録再生装置100による、ダビング先ディスクへのダビングデータの記録処理手順を示すフロー図である。
【0176】
ステップ601:ダビング先ディスクへ、ダビングデータを記録する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、ステップ402においてダビング元ディスクから読み出しバッファ領域91に格納したダビングデータのうちの指定するデータを、起動中のダビング先ディスクに対して記録するようドライブ制御部141に対して指示を行う。記録するデータはマイクロコンピュータ部70によりバッファ領域91から記録データとして光ディスクチェンジャドライブ部12へ転送される。これを受けドライブ制御部141は、トラバースユニット130のピックアップ131などを用いて、指定されたデータの記録を行う。
【0177】
ステップ602:ダビング先ディスクに対して、必要サイズ分のデータ記録が完了したか否かを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、バッファ領域91に読み出されたダビングデータ全ての記録を完了したか否かを判断する。そして、全てのデータの記録が完了したと判断した場合には、処理を完了する。一方、全てのデータの記録がまだ完了していないと判断した場合は、ステップ601を繰り返して実施する。
【0178】
以上で、ステップ404におけるダビング先ディスクへのダビングデータ記録処理を完了する。
【0179】
なお、図6で示すダビング先ディスクへの記録処理フローとしては、図5に示すように起動した光ディスク1の記録処理や停止処理を含んでいないが、これは単なる説明の都合上独立させて記載しているだけである。別途、起動についてはステップ403、停止については後述のステップ(ここではステップ405)において実施する。
【0180】
ステップ405:ダビング先ディスクを停止・排出する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、トラバースユニット130に装填されたダビング先ディスクの起動を停止し、マガジントレイ121を待機位置へ戻すようドライブ制御部141へ指示する。これを受けドライブ制御部141は、ダビング先ディスクを停止し、マガジントレイ121を待機位置へ戻す。
【0181】
上述したステップ403からステップ405までの処理を、ダビングを行うダビング先ディスクの枚数分だけ繰り返して実施する。
【0182】
ステップ406:全てのデータのダビングが完了したかを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、ステップ401中のステップ503において、「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了した」と判断した場合、つまりダビングコンテンツのダビングが全て完了したと判断した場合には、ダビング処理を完了する。一方、「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了していない」と判断した場合には、ステップ401から処理を繰り返して実施する。
【0183】
以上の手順により、ダビング処理が完了する。
【0184】
この処理の特徴は、ダビング処理のパフォーマンス向上のため、ダビング元ディスクからコンテンツを読み出す回数を最小限に抑えることに主眼を置いていることにある。そのため、ダビング元ディスクからのバッファ領域91へのダビング元データの読出し1回に対して、バッファ領域からm枚(mは1以上の正数)のダビング先ディスクに対して逐次に記録を行う方式を採用する。
【0185】
図7は、2枚の光ディスク1に対して同じコンテンツをダビングする場合の、本発明の実施の形態2の手法を用いた場合と、1枚ずつダビングを行うという通常の手法を用いた場合の、「ディスクの起動・停止」、「記録」、「読出し」処理の回数に示した表である。ここでは、1枚ずつダビングを行う普通の処理手順と、本発明の実施の形態2に記載した手順での処理手順との比較を行った形で記載する。この表においては、説明を簡単にするため、ダビング元コンテンツの容量が100GByte、バッファとして使用するバッファ領域91の容量が50GByteであると仮定する。つまり、全てのダビング元コンテンツデータはPart.AとPart.Bという2回に分けてバッファ領域91に読み出されるものとして説明を行う。
【0186】
図7に示すように、1枚ずつダビングを行うという通常の方法と比べて、本発明の実施の形態2に示す方法で処理した方が、「起動・停止」回数と「読出し」回数において減っており、パフォーマンスが向上していることが分かる。
【0187】
図14に、ダビング時にユーザに対して提供する操作画面の表示の一例を、操作手順とあわせて記載した図を示す。
【0188】
まず、ユーザによってダビングしたいコンテンツが選択される(Step1)。ここでは、ユーザによって“運動会”コンテンツが選択されたものとする。
【0189】
次に、ユーザによってダビング先ディスクが選択される(Step2)。この際、同じコンテンツを複数の光ディスク1にダビングしたい場合は、複数の光ディスク1を選択することが出来る。図14の例においては、ユーザによって、ディスク1とディスク2の2枚に、同じ“運動会”コンテンツをダビング指定されたものとする。
【0190】
次に、Step2で選択された光ディスク1に、Step1で選択されたコンテンツがダビング記録される(Step3)。
【0191】
なお、この図14で示した表示例はあくまで一例であり、これに限ったようなものでは無く、ここに示すように、同じコンテンツのダビング先として複数の光ディスク1が選択可能であれば、同様の効果を得ることが出来ることは言うまでも無い。
【0192】
なおここでは、複数の光ディスク1に対してダビングを行うものとして説明を行ったが、ダビング先ディスクが1枚の場合でも同様の手順で実施でき、この場合でも従来のダビング手順と比べての処理速度低下は無くダビングが実施出来る。つまり、本発明の実施の形態2に記載した方法は、ダビング先ディスクの枚数に関わらず、広く適用可能な方法である。
【0193】
以上、本実施の形態2において主に説明したように、情報記録再生装置は、下記の構成を有している。
【0194】
すなわち、情報記録再生装置は、可搬型情報記録媒体(例えば、光ディスク1)に情報の記録再生を行う情報記録再生装置である。情報記録再生装置は、可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニット(例えば、光ディスクチェンジャドライブ部12)を備えている。ドライブユニットは、トレイ部(例えば、ディスクトレイ110)とマガジン部(例えば、ディスクマガジン120)とトラバース部(トラバースユニット130)を備えている。このとき、トレイ部は、可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされるものであっても良い。また、マガジン部は、複数の可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によってドライブユニットに直接取り付け・取り外しされるものであっても良い。このとき、トラバース部は、トレイ部に装着された可搬型情報記録媒体、及び、マガジン部に装着された可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生する。
【0195】
さらに、本実施の形態2の情報記録再生装置は、高速なデータ転送が可能なメモリドライブ(例えば、フラッシュメモリドライブ部14)を備えている。メモリドライブは、ドライブユニットへのデータの記録再生におけるバッファやキャッシュとして使用可能なバッファ領域(例えば、バッファ領域91)と、コンテンツを一時的に記録しておくことが可能な一時記録領域(例えば、一時保存領域92)とを共に備えている。
【0196】
さらに、本実施の形態2の情報記録再生装置においては、バッファ領域に蓄積可能なデータ容量は、可搬型情報記録媒体に蓄積可能なデータ容量よりも小さい。このとき、任意の可搬型情報記録媒体に格納されたデータをダビング元データとして、別のm枚(mは1以上の正数)の可搬型情報記録媒体にダビング記録する場合に、(a)バッファ領域への1回のダビング元データの一部分を読出して、バッファ領域から別のm枚の可搬型情報記録媒体へ逐次に記録を行う第1制御部と、(b)前記(a)に記載の処理を、全てのダビング元データがダビング記録されるまで繰り返して行う第2制御部とを備える。
【0197】
以上の構成により、図7に示すように、1枚ずつダビングを行うという方法と比べて、「起動・停止」回数と「読出し」回数を低減することができる。すなわち、パフォーマンスを向上させることができる。
【0198】
また、本実施の形態2において主に説明したように、情報記録再生方法は、下記の構成を有している。
【0199】
すなわち、情報記録再生方法は、情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法である。また、バッファ領域に蓄積可能なデータ容量は、可搬型情報記録媒体に蓄積可能なデータ容量よりも小さい。このとき、情報記録再生方法は、任意の可搬型情報記録媒体に格納されたデータをダビング元データとして、別のm枚(mは1以上の正数)の可搬型情報記録媒体にダビング記録する場合に、(a)バッファ領域への1回のダビング元データの一部分を読出して、バッファ領域から別のm枚の可搬型情報記録媒体へ逐次に記録を行うステップと、(b)前記(a)に記載の処理を、全てのダビング元データがダビング記録されるまで繰り返して行うステップとを備える。
【0200】
以上の構成により、図7に示すように、1枚ずつダビングを行うという方法と比べて、「起動・停止」回数と「読出し」回数を低減することができる。すなわち、パフォーマンスを向上させることができる。
【0201】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3では、本発明の実施の形態1において説明した情報記録再生装置100において、光ディスクチェンジャドライブ部12がトラバースユニット130を複数台備えている場合のダビング処理の例を示す。なおここでも、複数の光ディスク1に対して同じコンテンツをダビングする場合を例にして、ダビング処理手順について説明する。具体的には、トラバースユニット130を2台備え、ダビング先ディスクとして2枚(ダビング先ディスク(A)とダビング先ディスク(B))の場合を例にとって説明する。
【0202】
図10は、トラバースユニットを2台備えた光ディスクチェンジャドライブ部12の構成を示す図であり、図10(a)は光ディスクチェンジャドライブ部12を上側から見た上面図、図10(b)は光ディスクチェンジャドライブ部12を横側から見た側面図である。
【0203】
光ディスクチェンジャドライブ部12は第1トラバースユニット150と第2トラバースユニット151を備える。なお第1トラバースユニット150及び第2トラバースユニット151はいずれも、トラバースユニット130と同一の構成、機能を備えているが、以降の説明を明確にするために、明示的に異なる番号を付与して説明を行う。また光ディスクチェンジャドライブ部12においては、トラバースユニットを除いては、全て図1に示す光ディスクチェンジャドライブ部12の構成と同じ構成である。
【0204】
図10(a)に示すように、光ディスクチェンジャドライブ部12は、幅方向に対して重ならない(異なる)位置に、2つのトラバースユニット(第1トラバースユニット150と第2トラバースユニット151)を備える。幅方向に対して重ならない(異なる)位置にトラバースユニットは、図10(b)に示すように、光ディスクチェンジャドライブ部12の上下(高さ)方向に動く。そして、本発明の実施の形態1に記載したのと同様に、光ディスクチェンジャドライブ部12が備える2つの光ディスク1の装着機構であるディスクトレイ110、およびディスクマガジン120に装着された光ディスク1に対して、1つのトラバースユニットが光ディスクチェンジャドライブ部12内を上下に動作してアクセスを行うという。そのため、図10(a)に示すように、光ディスク1を備えたディスクマガジン部120が、光ディスクチェンジャドライブ部12の幅方向に動くという特徴を備える。つまり図10(a)の場合、トラバースユニット151に光ディスク1を装着する際は、トラバースユニット151がアクセス可能な位置まで、ディスクマガジン120は筐体の幅方向に沿ってトラバースユニット151に近づくように適切な位置まで動き、さらに筐体の奥側方向にマガジントレイ121が引き込まれ、光ディスク1がアクセスされることになる。
【0205】
なお、ディスクトレイ110も、ディスクマガジン120と同様に、ディスクチェンジャドライブ部12の幅方向に動かす構成としても良い。但しこの場合は、ディスクトレイ110は光ディスクチェンジャドライブ部12の筐体の内部から外部へとスライドしてローディングされる機構であるため、ディスクマガジン120を幅方向に動かす構成を実現するよりは複雑な制御や機構を必要となる。
【0206】
なお説明の都合上、図10(a)に示すように、光ディスクチェンジャドライブ部12を上側から見た場合、ディスクマガジン120がディスクトレイ110よりも先に見えるように、つまりディスクマガジン120の方がディスクトレイ110よりも高さ方向に対して上側に配置されるものとして記載した。
【0207】
なお図10に示す2つのトラバースユニットの配置はあくまで一例であり、これに限ったものでは無い。具体的には、例えば、図10(b)では、第1のトラバースユニット150と第2のトラバースユニット151とは、高さ方向に異なる位置に配置されたが、同じ高さ位置に配置されても構わない。この場合であっても、トラバースユニットは光ディスク1を装着した状態で上下方向に動くことは無いため、同じ高さで2枚の光ディスク1が装着されることは無いため、高さ方向に異なる位置に配置された場合と比べても、筐体のサイズは同等で対応できる。
【0208】
なお図10(a)において、光ディスクチェンジャドライブ部12が備える2つの光ディスク1の装着機構であるディスクトレイ110、およびディスクマガジン120に装着された光ディスク1に対して、同一のトラバースユニット130が光ディスクチェンジャドライブ部12内を上下に動作してアクセスを行うと説明を行ったが、これに限ったものでは無い。例えば、ディスクマガジン120が光ディスクチェンジャドライブ部12の筐体に対して幅方向に動くのに対して、ディスクトレイ110は幅方向には動かさないものと仮定する。これは上述した通り、ディスクトレイ110は筐体の内部から外部へとスライドしてローディングされる機構であるため、ディスクマガジン120と比べると幅方向に動かすのが困難なためである。この場合、筐体に対して幅方向に動かないディスクトレイ110に装着された光ディスク1には、必ず特定のトラバースユニットがアクセスを行うことになる(ここでは説明の都合上、トラバースユニット150がディスクトレイ110に装着された光ディスク1にアクセスすることとする)。つまり、少なくともディスクトレイ110に装着された光ディスク1へのアクセスを行わない、もう一方のトラバースユニット(ここではトラバースユニット151)については、光ディスクチェンジャドライブ部12に装着された全ての光ディスク1に対してアクセスを行うように上下に動かす機構を備える必要は無い。言い換えれば、それぞれのトラバースユニットがアクセスできる光ディスク1を分担しても良い。このようにすることで、両方のトラバースユニットが全ての光ディスク1に対してアクセスを行う場合よりも、ディスクトレイ110を幅方向に動かすための機構が不要にできるといった効果が得られる。
【0209】
もしくは、トラバースユニット150と151が、幅方向かつ奥行き方向に動き、ディスクトレイ110とディスクマガジン120は、実施の形態1と同様に、幅方向には動かない構成としてもよい。これにより、情報記録再生装置100の筐体の幅は広くなるが、ディスクトレイ110およびディスクマガジン120を幅方向に動かす機構なしに、両方のトラバースユニット150と151が、全ての光ディスク1を装着できる。
【0210】
2台のトラバースユニット(大きく言えば2台の光ディスクドライブ)でダビングを行う場合の例としては、例えば従来例として特許文献5で説明したような方法が一般的であった。具体的には、2台のドライブを“ダビング元ディスクからの再生用”及び“ダビング先ディスクへの記録用”という2つに分けて行うという方法である。
【0211】
しかし、大容量のバッファを備えないような場合、このようなやり方では処理速度・パフォーマンス的に効率が悪い。
【0212】
図8は、図10に示すトラバースユニットを2台備えた情報記録再生装置100を用いて、2枚の光ディスク1に対して同一コンテンツのダビングを行う際の手順を示すフローチャートである。図8のフローにおいて、左側の列(ステップ804を除く、ステップ801からステップ807)は第1トラバースユニット150での処理を示し、右側の列(ステップ811からステップ817)は第2トラバースユニット151での処理を示している。またステップ804及びステップ808は、両方のトラバースユニットにおいて共通の処理である。またこれらの処理の一部は、後でも述べるが、相互に同期しながら処理が実施される。
【0213】
なおここでは、ダビング元ディスクをディスクトレイ110に装着し、複数のダビング先ディスクをディスクマガジン120に装着して、同じコンテンツを複数のダビング先ディスクに対してダビングする場合を例に説明を行う。またダビング元ディスク、ダビング先ディスクは、既にユーザによって情報記録再生装置100に対してセッティングされた状態にあり、またダビングコンテンツも既にユーザによって選択され、情報記録再生装置100も認識済みであるとする。
【0214】
まず、第1トラバースユニット150側の処理について説明する。
【0215】
ステップ801:ダビング元ディスクからバッファ領域91への読出し処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は、第1トラバースユニット150を用いて、図5に示すフローの手順で読出し処理を行う。なお、図5の処理内容は、本発明の実施の形態2で説明した内容と同じであるため、ここでの説明は省略する。なお、ステップ801が全て完了した時点では、既にダビングデータはバッファ領域91に読み出された状態になっている。
【0216】
ステップ802:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(B))を起動する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、光ディスクチェンジャドライブ部12のディスクマガジン120に装着された複数のダビング先ディスクのうち、ダビング先ディスク(B)を第1トラバースユニット150に装填し、起動するよう、ドライブ制御部141に対して指示を行う。これを受けドライブ制御部141は、第1トラバースユニット150にダビング先ディスク(B)を装填し、起動する。
【0217】
ステップ803:バッファ領域91からダビング先ディスク(ダビング先ディスク(B))への記録処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は、第1トラバースユニット150を用いて、ダビング先ディスク(B)に図6に示すフローの手順で記録処理を行う。なお、図6の処理内容は、本発明の実施の形態2で説明した内容と同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0218】
ステップ804:全てのデータのダビングが完了したかを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、ステップ801中のステップ503において、「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了した」と判断した場合、つまりダビングコンテンツのダビングが全て完了したと判断した場合には、ダビング処理を完了する。一方、「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了していない」と判断した場合には、次の処理ステップ(第1トラバースユニット150側の処理ならばステップ805。第2トラバースユニット側の処理ならばステップ815。)へ進む。
【0219】
ステップ805:記録するのに必要な所定量のデータがバッファ領域91に蓄積されたか否かを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、第2トラバースユニット151側の処理である後述のステップ815で、ダビング元ディスクからのダビングデータが所定量を超えてバッファ領域91に読み出され、蓄積されたかどうかを判断する。ここで所定量の最小値はエラー訂正単位であり、記録再生の単位である1ECC単位であり、最大値はバッファ領域91のサイズであり、この間の値であれば任意の値として良い。所定値の具体例としては、ある程度連続記録が可能なサイズ(例えば16ECC(BDの場合1MByte(メガバイト))やCDAサイズである48MByte。)などである。しかしこの図の例では、ダビングデータの読み出しは記録を行う第1トラバースユニット150とは別の第2トラバースユニット151で実施されるため、記録可能なデータ量が蓄積されれば記録を行っても良い。
【0220】
所定量を超えてデータが蓄積されたとマイクロコンピュータ部70が判断した場合には、次の処理であるステップ806へ進む。まだ蓄積されているデータ量が所定量を超えていないとマイクロコンピュータ部70が判断した場合には、本ステップ805の処理を繰り返して実施する(具体的には、所定時間のタイムアウトを設けてポーリングしながら所定量のデータが蓄積されるのを待つ)。
【0221】
ステップ806:バッファ領域91からダビング先ディスク(ダビング先ディスク(B))への記録処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は、第1トラバースユニット150を用いて、ダビング先ディスク(B)に図6に示すフローの手順で記録処理を行う。なお、図6の処理内容は、本発明の実施の形態2で説明した内容と基本的に同じであるが、唯一、ステップ602の判定処理に注意が必要である。具体的には、本発明の実施の形態2において説明した際には、必ずバッファ領域91に必要サイズ分のデータ読み出し処理が完了していることが保証できた。しかし本発明の実施の形態3においては、並行して記録とは別のトラバースユニット(ここでは第2トラバースユニット151)にて読出し処理を行っている。そのため、必要サイズ分の読出し処理の途中であるにも関わらず、何らかの理由で一時的に読出し処理が停滞してしまい、見た目の記録可能なデータ量が無い状態に陥ることが想定される。この場合、誤って、必要サイズ分の記録が完了したと誤判定しないように、読出し処理側の状態についてもケアする必要がある。それを踏まえて、この場合の図6におけるステップ602の処理内容を簡単に記載する。
【0222】
ステップ602:ダビング先ディスクに対して、必要サイズ分のデータ記録が完了したか否かを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、ダビング元ディスクからのデータの読出し処理が終わっていて(つまりバッファ領域91に対して必要サイズ分だけの読み出しが完了していて)、かつバッファ領域91に読み出されたダビングデータ全ての記録を完了したか否かを判断する。そして、全てのデータの記録が完了したと判断した場合には、記録処理を完了し、後続のステップへ進む。一方、全てのデータの記録がまだ完了していないと判断した場合は、ステップ601を繰り返して実施する。
【0223】
ステップ807:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(B))を停止・排出する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、第1トラバースユニット150に装填されたダビング先ディスク(B)の起動を停止し、マガジントレイ121を待機位置へ戻すようドライブ制御部141へ指示する。これを受けドライブ制御部141は、第1トラバースユニット150に装着されているダビング先ディスク(B)を停止し、マガジントレイ121を待機位置へ戻す。
【0224】
ステップ808:全てのデータのダビングが完了したかを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、後述のステップ815中のステップ503において、「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了した」と判断した場合、つまりダビングコンテンツのダビングが全て完了したと判断した場合には、ダビング処理を完了する。一方、「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了していない」と判断した場合には、所定のステップ(第1トラバースユニット150側の処理ならばステップ801。第2トラバースユニット151側の処理ならばステップ812。)へ戻り、処理を繰り返して実施する。
【0225】
以上が、第1トラバースユニット150側の処理である。
【0226】
次に、第2トラバースユニット151側の処理について説明する。
【0227】
ステップ811:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(A))を起動する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、ディスクマガジン120に装着された複数のダビング先ディスクのうち、ダビング先ディスク(A)を第2トラバースユニット151に装填し、起動するよう、ドライブ制御部141に対して指示を行う。これを受けドライブ制御部141は、第2トラバースユニット151にダビング先ディスク(A)を装填し、起動する。
【0228】
ステップ812:記録するのに必要な所定量のデータがバッファ領域91に蓄積されたか否かを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、第1トラバースユニット150側の処理であるステップ801で、ダビング元ディスクからのダビングデータが所定量を超えてバッファ領域91に読み出され、蓄積されたかどうかを判断する。ここで所定量とは、上述のステップ805の場合と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0229】
所定量を超えてデータが蓄積されたとマイクロコンピュータ部70が判断した場合には、次の処理であるステップ813へ進む。まだ蓄積されているデータ量が所定量を超えていないとマイクロコンピュータ部70が判断した場合には、本ステップ812の処理を繰り返して実施する(具体的には、所定時間のタイムアウトを設けてポーリングしながら所定量のデータが蓄積されるのを待つ)。
【0230】
ステップ813:バッファ領域91からダビング先ディスク(ダビング先ディスク(A))への記録処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は、第2トラバースユニット151を用いて、ダビング先ディスク(B)に図6に示すフローの手順で記録処理を行う。なお、図6の処理内容は、上述したステップ806の場合と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0231】
ステップ814:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(A))を停止・排出する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、第2トラバースユニット151に装填されたダビング先ディスク(A)の起動を停止し、マガジントレイ121を待機位置へ戻すようドライブ制御部141へ指示する。これを受けドライブ制御部141は、第2トラバースユニット130に装着されているダビング先ディスク(A)を停止し、マガジントレイ121を待機位置へ戻す。続いて、上述したステップ804の処理が実施される。
【0232】
ステップ815:ダビング元ディスクからバッファ領域91への読出し処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は、第2トラバースユニット151を用いて、図5に示すフローの手順で読出し処理を行う。なお、図5の処理内容は、上述したステップ801の場合と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0233】
ステップ816:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(A))を起動する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、ディスクマガジン120に装着された複数のダビング先ディスクのうち、ダビング先ディスク(A)を第2トラバースユニット151に装填し、起動するよう、ドライブ制御部141に対して指示を行う。これを受けドライブ制御部141は、第2トラバースユニット151にダビング先ディスク(A)を装填し、起動する。
【0234】
ステップ817:バッファ領域91からダビング先ディスク(ダビング先ディスク(A))への記録処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は、第2トラバースユニット151を用いて、ダビング先ディスク(A)に図6に示すフローの手順で記録処理を行う。なお、図6の処理内容は、上述のステップ803の場合と同じであり、ここでの説明は省略する。続いて、上述したステップ808の処理が実施される。
【0235】
以上が、第2トラバースユニット151側の処理である。以上の手順により、2台のトラバースユニットを用いた、2枚のダビング先ディスクへのダビング処理が完了する。
【0236】
なおこの手法は、図8を用いて説明した、2トラバースユニットでダビング先ディスクが2枚の場合に限らず、ダビング先ディスクが3枚、4枚など多数の場合に適用しても、同様の効果を得ることが出来る。但し、例えば2トラバースユニットの場合、3枚(奇数枚)のダビング先ディスクへのダビングを行う場合には、読出し処理が行われるトラバースユニット130はどちらか一方のトラバースユニットだけで行われることになる。これについて、図9を用いて説明する。
【0237】
図9は、図10に示すトラバースユニットを2台備えた情報記録再生装置100を用いて、3枚の光ディスク1に対して同一コンテンツのダビングを行う際の手順を示すフローチャートである。図9のフローにおいても図8のフローと同様に、左側の列(ステップ905を除く、ステップ901からステップ904)は第1トラバースユニット150での処理を示し、右側の列(ステップ911からステップ916)は第2トラバースユニット151での処理を示している。またステップ905は、両方のトラバースユニットにおいて共通の処理である。またこれらの処理の一部は、後でも述べるが、相互に同期しながら処理が実施される。
【0238】
なお、大半のステップは図8で説明したステップと同等の処理である。図9の説明においては、図8のステップと同等のステップについては、詳細な説明は省略する。
【0239】
ステップ901:ダビング元ディスクからバッファ領域91への読出し処理を行う。ステップ901の処理内容は、前述のステップ801と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0240】
ステップ902:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(B))を起動する。ステップ902の処理内容は、前述のステップ802と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0241】
ステップ903:バッファ領域91からダビング先ディスク(ダビング先ディスク(B))への記録処理を行う。ステップ903の処理内容は、前述のステップ803と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0242】
ステップ904:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(B))を停止・排出する。ステップ904の処理内容は、前述のステップ807と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0243】
ステップ905:全てのデータのダビングが完了したかを判断する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、前述のステップ901中のステップ503において、「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了した」と判断した場合、つまりダビングコンテンツのダビングが全て完了したと判断した場合には、ダビング処理を完了する。一方、「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了していない」と判断した場合には、所定のステップ(第1トラバースユニット150側の処理ならばステップ901。第2トラバースユニット151側の処理ならばステップ912。)へ戻り、処理を繰り返して実施する。
【0244】
以上が、第1トラバースユニット150側の処理である。
【0245】
次に、第2トラバースユニット151側の処理について説明する。
【0246】
ステップ911:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(AまたはC))を起動する。ステップ911の処理内容は、前述のステップ811と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0247】
ステップ912:記録するのに必要な所定量のデータがバッファ領域91に蓄積されたか否かを判断する。ステップ912の処理内容は、前述のステップ812と同じであり、詳細な説明は省略する。所定量を超えてデータが蓄積された場合には、次のステップ913へ進む。
【0248】
ステップ913:バッファ領域91からダビング先ディスク(ダビング先ディスク(AまたはC))への記録処理を行う。ステップ913の処理内容は、前述のステップ813と同じであり、詳細な説明は省略する。
【0249】
ステップ914:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(AまたはC))を停止・排出する。ステップ914の処理内容は、前述のステップ814と同じであり、詳細な説明は省略する。本ステップが完了すると、次はステップ915へ進む。
【0250】
ステップ915:ダビング先ディスク(ダビング先ディスク(CまたはA))を起動する。具体的にはマイクロコンピュータ部70は、ディスクマガジン120に装着された複数のダビング先ディスクのうち、ダビング先ディスク(CまたはA)を第2トラバースユニット151に装填し、起動するよう、ドライブ制御部141に対して指示を行う。これを受けドライブ制御部141は、第2トラバースユニット151にダビング先ディスク(CまたはA)を装填し、起動する。
【0251】
ステップ916:バッファ領域91からダビング先ディスク(ダビング先ディスク(CまたはA))への記録処理を行う。具体的には、情報記録再生装置100は、第2トラバースユニット151を用いて、ダビング先ディスク(CまたはA)に図6に示すフローの手順で記録処理を行う。なお、図6の処理内容は、本発明の実施の形態2で説明した内容と同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0252】
続いて、上述したステップ905の処理が実施される。
【0253】
なお、第2トラバースユニット151は、ダビング先ディスクAおよびダビング先ディスクCを扱う。ここで、ステップ905において「全てのダビングコンテンツのデータ読出しが完了していない」と判断され、ステップ911から繰り返して実施する場合は、ステップ911からステップ914では、直前のステップ916において記録がなされていたディスクに対しての処理が行われる。具体的には、例えば、ステップ916においてダビング先ディスクCに対して記録を行った場合は、次のステップ905に続いて実施されるステップ911からステップ914では、ダビング先ディスクCに対して処理を行い、それに続いて実施されるステップ915、ステップ916ではダビング先ディスクAに対して処理を行う。これは、ステップ916直後にディスク停止処理を入れていないことからも明らかで、ディスクの無駄な起動・停止・排出処理を行わないようにするためである。無駄な処理を行わないことにより、ダビング処理のパフォーマンス向上に加えて、トラバースユニットを含む光ディスクチェンジャドライブ部12の消耗を遅らせることが出来るといった効果がある。
【0254】
以上が、第2トラバースユニット151側の処理である。以上の手順により、2台のトラバースユニットを用いた、3枚のダビング先ディスクへのダビング処理が完了する。
【0255】
図9からも分かるように、ダビング先ディスクの枚数が3枚のように奇数枚の場合には、ダビング元データの読み出しが行われるのは、いずれか一方のトラバースユニットとなる。
【0256】
ここで、2台のトラバースユニットを、従来例のように記録専用/再生専用という形で割り当てて使用せず、両方のトラバースユニットで記録も再生も行うようにする理由を説明する。
【0257】
1点目の理由は、ダビング処理のパフォーマンス向上を考えたためである。ダビング元ディスクよりもダビング先ディスクの枚数の方が多いならば、再生処理より記録処理の処理数の方が多くなる。処理数が多い記録処理を2台のトラバースユニットで分担して行なうのが効率的である。具体的に、図11を用いて説明する。図11は、3枚の光ディスク1に対して同じコンテンツをダビングする場合の、図9のフローで示した本発明の実施の形態3の手法を用いた場合と、再生用と記録用にトラバースユニットを分けるという従来手法を用いた場合の、トラバースユニットが行う「記録」、「読出し」処理のシーケンスを示した図である。なお、図中の斜線の部分は、トラバースユニットが記録再生の処理を行っていないタイミングを示している。なお、説明を簡略化するため、ここでは光ディスク1をトラバースユニットに装着・排出するディスク交換処理については記載を省略する。さらに、説明を簡略化するため、ダビング元コンテンツの容量が100GByte、バッファとして使用するバッファ領域91の容量が50GByteであると仮定して説明を行う。つまり、全てのダビング元コンテンツデータはPart.AとPart.Bという2回に分けてバッファ領域91に読み出される。
【0258】
図11から分かるように、再生用と記録用とでトラバースユニットを分けて使用する従来の方法でダビングを行う場合と比べて、本発明の実施の形態3に記載の手法でダビングを行った方が、短時間で効率的にダビング処理を行えることが分かる。
【0259】
更に言うと、一般的に光ディスク1の記録再生を行う光ディスクドライブは、記録処理速度よりも再生処理速度の方が同等、もしくは高速である。これは、ドライブの性能的な問題に加えて、記録品質確保用に記録時専用の学習処理が行われること、更には記録時には正しく記録できたことを確認するWrite&Verifyという同じ領域に2回アクセスが発生する処理が行われるために、処理時間も再生のみの場合の約2倍を要することなどが理由である。これは、本発明の実施の形態3で使用した情報記録再生装置100の光ディスクチェンジャドライブ部12においても同様である。つまり、再生専用と記録専用という形でトラバースユニットを分けた場合、再生専用のトラバースユニットが光ディスク1に対してアクセスしている時間より、記録専用トラバースユニットが光ディスク1に対してアクセスしている時間の方が長くなる。言い換えると、再生専用ドライブには、記録専用ドライブと比べて光ディスク1に対して何も処理しない時間が多く生まれてしまうため、非効率的である。そこで何もしない時間が極力少なくなるように、再生専用/記録専用という形にトラバースユニットを分けない方が、効率的に処理を行うことが出来るためである。
【0260】
2点目の理由は、記録処理の方が再生処理と比べて、ピックアップ131の構成要素の1つである半導体レーザに負荷がかかるため、トラバースユニットにおけるピックアップ131の劣化が早いのが一般的である。そのため、記録処理を全てのトラバースユニットにおいて平均化させるためである。こうすることで、ピックアップ131の劣化速度を平均化させることが出来るため、情報記録再生装置100全体としての寿命を伸ばす効果が期待できるためである。
【0261】
ここで、2台のトラバースユニットを用いて複数の光ディスク1に対してダビングを行う場合のポイントを以下に列挙する。
【0262】
・記録処理が再生処理よりも処理数が多いので、バッファ領域91へのダビングデータの読出し処理が完了したら、読出し処理を行っていたトラバースユニットを利用して、その時点でまだそのデータのダビング記録を行っていないダビング先ディスクへの記録を行う。
【0263】
・バッファ領域91に蓄積したデータを最後にダビング記録するダビング先ディスクへの記録が始まったら、その記録を行うトラバースユニットとは異なるトラバースユニットの中で、直前の記録が最初に終わったトラバースユニットを用いて、ダビング元ディスクから次のダビングデータの読出しを行う。
【0264】
上述した通り、この手法は、本発明の実施の形態3において説明した、2トラバースユニットでダビング先ディスクが2枚、3枚の場合に限らず、ダビング先ディスクが4枚以上といった多数の場合に適用しても、図8や図9や図11を用いて上記で説明したものと同様の効果を得ることが出来る。より具体的には、例えば2トラバースユニットの場合、3枚(奇数枚)のダビング先ディスクへのダビングを行う場合には、図9で示した手順で処理が行われる。この場合、読出し処理が行われるトラバースユニット130はどちらか一方のトラバースユニットだけで行われることになる。一方、4枚(偶数枚)のダビング先ディスクへのダビングを行う場合には、図8で示した手順で処理が行われる。
【0265】
なお、図8においては、ステップ801におけるステップ501でのダビング元ディスクの起動処理と、ステップ811におけるダビング先ディスク(A)の起動処理とは、並行して(同時に)実施するのが良い。また図9においては、ステップ901におけるステップ501でのダビング元ディスクの起動処理と、ステップ911におけるダビング先ディスク(A)の起動処理とは、それぞれが別々のトラバースユニットで実施される処理であるため、同時に並行して実施することが出来るためである。
【0266】
但し、スピンドルモータ回転に要する消費電力は大きいため、2つのトラバースユニットでの起動処理が同時に実施されると、情報記録再生装置100としての最大消費電力が大きくなってしまう恐れがあるため、2つのトラバースユニットにおける起動処理はタイミングをずらして実施される方が好ましい。この場合、もし読出し(再生)用の起動処理時間と記録用の起動処理時間とが同じであるならば、読出し(再生)用の起動処理であるステップ801の方をステップ811と比べて先に実施するのが好ましい。ダビング処理の最初は、読出し処理が実施されない限りダビング記録処理も行えないため、少しでも早く読出し処理を開始できるほうが好ましいためである。もし読出し(再生)用の起動処理時間と記録用の起動処理時間とが違うならば、それぞれに要する処理時間を考慮して、時間が長くかかる処理から優先的に実施するように手順を決めるなどしても良い。例えば、起動時や起動後に実施される各種学習処理などを踏まえた、記録・再生が可能になるまでに要する時間を予測して、その時間を考慮して手順を決めるなどしても良い。
【0267】
なお、図8においては、第1トラバースユニット150側のステップ802とステップ803の処理は、第2トラバースユニット151側でダビング先ディスク(A)に記録を行うステップ813の処理よりも、タイミング的には遅く(遅れて)実施されることになる。また、第2トラバースユニット151側のステップ816とステップ817の処理は、第1トラバースユニット150側でダビング先ディスク(B)に記録を行うステップ806の処理よりも、タイミング的には遅く(遅れて)実施されることになる。同様に、図9においては、第1トラバースユニット150側のステップ902からステップ904の処理は、第2トラバースユニット151側でダビング先ディスク(AまたはC)に記録を行うステップ913の処理よりも、タイミング的には遅く(遅れて)実施されることになる。これは、記録開始前に行われている処理ステップの違いによる。具体的には、例えば図8の場合、ステップ813やステップ806の処理は、ダビングデータをバッファ領域91へ読出し中、もしくは読出し完了後、即座に記録処理が行える。一方でステップ802、803やステップ816,817の処理は直前にダビング元データの読出し処理を実施している。そのため、ダビング元データの読出し処理が終わった後、トラバースユニットに装着する光ディスク1をダビング先ディスクに入れ替えて再度起動した後、やっと記録が行える状態になるという違いがあるためである。
【0268】
以上、本発明の実施の形態2や実施の形態3で説明した情報記録再生装置100を用いることで、従来のようにダビング先ディスクを、ユーザの手を介してその都度入れ替えることなく、同じダビングコンテンツを複数の光ディスク1に対してダビングすることが出来る。具体的には、ディスクトレイ110にダビング元ディスクを装着し、またディスクマガジン120にダビング先ディスクである光ディスク1を複数備えた形でダビング処理を行うことで、複数の光ディスク1への同時ダビングが実現出来る。これにより、個人コンテンツ等のダビングを行う際に、ユーザの手間を省いて簡単に複数の光ディスク1へのダビングを実現することが出来る。具体的には、子どもの小学校での運動会の様子をビデオカメラで撮影した個人コンテンツを親戚や友人や知人などに配る場合や、あるいは友人同士での旅行の際の写真や映像などの個人コンテンツをその友人に配る場合などに有効である。
【0269】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4では、図1に示す情報記録再生装置100において、光ディスクチェンジャドライブ部12とフラッシュメモリドライブ部14とを活用して行う、複数番組同時録画機能について説明する。
【0270】
上述してきたように、光ディスク1は、ハードディスクやフラッシュメモリと比べて記録再生などのデータ転送レート・アクセス速度が遅い。さらに光ディスク1は可搬媒体であるため、光ディスクチェンジャドライブ部12で光ディスク1を入れ替えながら記録再生を行うことになる。つまり、光ディスク1の入れ替えのたびに、数秒から数十秒という光ディスク1の起動(ロード)処理が多発する。そのため光ディスク1はハードディスクやフラッシュメモリと比べると、アクセスパフォーマンスが低下するといった弱点を備えることになる。
【0271】
さらに光ディスク1やハードディスクは、データの記録再生を行うために、ピックアップ131を実際にディスク上の対応する位置まで移動させるシークという処理が必要となる。そのため、シークが必要ないフラッシュメモリなどと比べてさらにアクセスパフォーマンスは低下する。
【0272】
これに対してSSDに代表されるフラッシュメモリは、非常に高速なデータ転送速度を備え、ディスクの入れ替えなどが発生しないなど、光ディスク1の弱点を補うことが可能である。
【0273】
以下では、2つの用途を例に説明する。
【0274】
ここで、以下の説明の前提となる数値条件などについて簡単に説明する。
【0275】
まず録画再生コンテンツの最高転送レートとしては、現在の日本の放送データで最高レートであるBSハイビジョン放送の24Mbps(メガbps:bit per second)を用いて説明する。参考までに、地上波デジタル放送のデータ転送レートは最大17Mbpsである。
【0276】
次に光ディスクにおける記録再生速度は、書換型BDディスクであるBD−REを例に、現行光ディスクドライブの一般的な記録速度である2倍速記録を代表値として採用する。具体的には、1倍速での転送レートが36Mbpsであるため、2倍速記録では72Mbpsとなる。しかし光ディスクは、光ディスク1へのアクセスを行うことが出来ない時間が存在する。その代表的なものが、上述した「起動(ロード)時間やディスク入れ替えなどのディスク交換時間」と「ヘッドのシーク時間」である。ここで、シーク時間の中には、ピックアップ131のシークそのものの時間に加えて更に、シーク先において回転数の制定時間や記録再生するために必要になる学習時間や各種設定時間なども含まれているものとする。
【0277】
前者のディスク交換は、ディスクを入れ替えるたびに必要となる時間であり、ここでは一律30秒とする。またシーク時間については、1回の処理時間という観点に加えて、その頻度が問題になってくる。ここでは最悪条件を想定し、頻度は、BDにおける連続再生保証用の最低限連続した情報単位の記録エリア(CDA)のサイズである最小48MByteの記録毎に発生するものする。また1回のシーク処理に要する処理時間は1.5秒として説明を行う。つまり、72Mbpsで48MByteの記録には約5.3秒要するが、この単位ごとに1.5秒のシーク(つまり、アクセス不能時間)が発生するため、実質の転送レート(実効転送レート)は、6.8秒(5.3秒+1.5秒)で48MByteのデータ記録を行うことになるため、約56.2Mbpsとなる。
【0278】
1)1番組録画/1番組再生を同時実施した場合
想定ケースとしては、光ディスク(A)にコンテンツ(A)の録画を行いつつ、並行して光ディスク(B)に記録されたコンテンツ(B)を再生するようなケースである。例えば光ディスク(A)は情報記録再生装置100のディスクマガジン120に装着され、また光ディスク(B)はディスクトレイ110に装着されているようなケースである。
【0279】
図15(a)は、上記条件において1番組録画/1番組再生を同時に実施した場合の、バッファ領域91の状態を示したグラフである。横軸が経過時間、縦軸がバッファ領域91に蓄積されるデータ量である。バッファ領域91を記録用バッファと再生用バッファとして分けて使用した場合の再生バッファの蓄積データ量の推移を実線に、記録バッファの蓄積データ量の推移を破線に示している。また、図中に記載した「読出し中」や「ディスク交換」とは、トラバースユニット130の状態を示している。トラバースユニット130が光ディスク1にデータを記録している場合は「記録中」、データを読出している場合には「読出し中」、アクセスする光ディスク1を交換している場合は「交換中」と記載している。また、図中に記載した「+32.2Mbps」という記載はバッファへのデータの蓄積速度を示したものである。“+”はバッファにデータが蓄積される速度、反対に“−”はバッファからデータが放出される速度である。
【0280】
再生バッファにおいて、トラバースユニット130が、読出し(再生)処理中は32.2Mbps(=56.2Mbps−24Mbps)でデータが蓄積され、ディスク交換中と記録処理中は24.0Mbpsでデータが放出される。
【0281】
記録バッファにおいて、トラバースユニット130が、読出し(再生)処理中とディスク交換中は24.0Mbpsでデータが蓄積され、記録処理中は32.2Mbpsでデータが放出される。
【0282】
図15(a)に示す通り、記録バッファ・再生バッファともに2GByte(2000MByte)を確保出来れば、つまりバッファ領域91として合計4GByteのサイズを確保できれば、十分に実現できることが分かる。つまり、光ディスクチェンジャドライブ部12を用いた場合でも、1番組録画/1番組再生の同時実施が可能であることが分かる。
【0283】
2)2番組録画/1番組再生を同時実施した場合
想定ケースとしては、光ディスク(A)にコンテンツ(A)の録画を行いつつ、同時に別の光ディスク(B)にコンテンツ(B)の録画を行う。さらに並行して、光ディスク(C)に記録されたコンテンツ(C)を再生するようなケースである。例えば光ディスク(A)および光ディスク(B)は情報記録再生装置100のディスクマガジン120に装着され、また光ディスク(C)はディスクトレイ110に装着されているようなケースである。
【0284】
再生中の再生バッファへのデータ蓄積速度が約32Mbpsであるのに対して、記録バッファへのデータ蓄積速度は24Mbps×2=48Mbpsとなる。つまり記録バッファ側への蓄積速度の方が約16Mbps速いことになる。一方で記録中の再生バッファの消費速度が24Mbpsであるのに対して、記録バッファへの蓄積速度も24Mbpsである。つまり、光ディスク1への記録中に再生を継続させることが可能なだけの再生データを蓄積することは、24Mbpsの転送レートのコンテンツを想定した場合には実現できないことになる。
【0285】
しかし、例えば地上波デジタル放送の転送レートである17Mbpsのコンテンツ録画再生だと想定すると、2番組録画/1番組再生を同時に実施した場合の、バッファ領域91の状態は図15(b)に示したようになる。ここでは、バッファ領域91を、再生バッファと2つの記録バッファ(記録バッファBと記録バッファC)のそれぞれを同じサイズで割り当てた場合の例になる。再生バッファの蓄積データ量の推移を実線に、記録バッファ(A)の蓄積データ量の推移を破線に、記録バッファ(B)の蓄積データ量の推移を点線にて示している。
【0286】
再生バッファにおいて、トラバースユニット130が、読出し(再生)処理中は39.2Mbps(=56.2Mbps−17Mbps)でデータが蓄積され、ディスク交換中と記録処理中は17.0Mbpsでデータが放出される。
【0287】
記録バッファにおいて、記録バッファBおよび記録バッファCともに、トラバースユニット130が、読出し(再生)処理中とディスク交換中は17.0Mbpsでデータが蓄積され、記録処理中は39.2Mbpsでデータが放出される。
【0288】
図15(b)に示す通り、転送レートが地上波デジタル放送の最高転送レートである17Mbpsを想定した場合は、記録バッファ・再生バッファいずれも約2.7GByte(2700MByte)を確保出来れば、2番組録画/1番組再生の同時実施が十分に実現できる。つまりバッファ領域91として合計8GByteのサイズを確保できれば、2番組録画/1番組再生の同時実施が十分に実現できることが分かる。
【0289】
なお、仮に24Mbpsの転送レートにて2番組録画/1番組再生を行おうとした場合、フラッシュメモリドライブ部14の一時保存領域92を用いることで実現することも可能である。フラッシュメモリドライブ部14は上述した通り、非常に転送速度が高速である。例えば、フラッシュメモリドライブ部14における一時保存領域92のサイズが24GByteとすれば、転送レートが24Mbpsのコンテンツを約2時間分蓄積可能である。よって、一時保存領域92に蓄積可能な間は一時保存領域に記録を行い。そして、一時保存領域92への蓄積可能サイズを超えた以降は、コンテンツデータを生データではなく、例えば上記で説明したように17Mbps以下に圧縮率を上げて圧縮しながら光ディスク1へ記録するなどといった対応をすることで、24Mbpsという高転送レートでの2番組録画/1番組再生を最大限に実施することも可能である。
【0290】
以上から、光ディスクチェンジャドライブ部12を用いた場合でも、地上波デジタル放送の最高転送レートである17Mbpsを想定すれば、2番組録画/1番組再生の同時実施が可能である。またその中の1番組をフラッシュメモリドライブ部14の一時保存領域92に対して録画再生すれば24Mbpsのコンテンツであっても2番組録画/1番組再生の同時実施が可能である。以上から、ユーザの実使用状態を想定した場合、問題ないレベルであると言える。
【0291】
なお、本発明の実施の形態4では、書換型BDディスクであるBD−REを例に、記録速度は2倍速として説明を行ったが、この記録速度が上がった場合は、同時並列に処理できる番組数は増えることになる。例えば、記録速度が3倍速記録になった場合は、上記で説明した同時録画再生可能な番組数に対して、理論的には1.5倍の番組数を同時録画再生可能となる。あるいは、例えば、録画データの圧縮率を上げることで、並列処理できる番組数を増やすことも可能である。
【0292】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5では、情報記録再生装置100が、非常にデータ転送速度が高速なSSDのようなフラッシュメモリドライブ部14を備えることで可能となる、その他の機能の例について簡単に説明する。
【0293】
(1)多番組同時録画/同時再生
本発明の実施の形態4にて説明したように、光ディスクチェンジャドライブ部12へのデータ記録を考えた場合、2番組録画/1番組再生の同時実施は可能である。
【0294】
しかしこれを、全てフラッシュメモリドライブ部14の一時保存領域92に対して録画再生を行うことを考えた場合は、より多くのコンテンツの録画再生同時実行が可能となる。
【0295】
一時保存領域92のデータ容量が24GByteであり、転送レートが24Mbpsのコンテンツを約2時間(120分)記録できるとした場合、例えば、10分番組12本の同時録画再生といった使い方も可能である。
【0296】
(2)特定番組のみの条件付き録画
本発明の実施の形態5の(1)で記載したように、フラッシュメモリドライブ部14への録画再生であれば、一時的に多番組の同時録画が可能である。また近年では、特定の人物を認識・識別することが可能な顔認識技術もその技術レベルが向上している。
【0297】
そこで、これらの機能を用いて特定の人物が登場する番組やシーンのみを抽出して録画を行うといった機能も実現することが可能になる。
【0298】
より具体的には、例えば、お気に入りの俳優の顔データを、AVレコーダ装置である情報記録再生装置100の、例えばフラッシュメモリドライブ部14の中に登録しておく。そして、この顔データを用いてバッファ領域91、もしくは一時保存領域92に一時的に録画中の番組に対して、顔認識技術を用いて登場人物の認識を行い、お気に入りの俳優が出演していると判断された番組やシーンのみを、記録容量が多く長期保存が可能な光ディスクチェンジャドライブ部12を用いて光ディスク1に記録するといった機能も実現することが出来る。
【0299】
なお最近の地上波デジタル放送などのデータ放送においては、その番組に出演する俳優の名前など、登場人物に関するデータなども付加されており、そこから登場人物を把握することが可能である。よって、ドラマや映画などの場合にはその情報を用いることで特定の人物が登場する番組の録画という機能は実現可能である。
【0300】
しかし、その人物が登場しているシーンのみを抽出して記録するといった使い方は、付加情報を用いても実現できない。あるいは、ニュース番組や特別番組、あるいは付加情報として名前が登録されていないような駆け出しの俳優、もしくはエキストラなど、付加情報からの判断が出来ない番組録画も、やはり付加情報を用いて行うことは出来ない。そこに顔認識技術を適用することで、更に詳細で正確な番組録画が可能になる。
【0301】
(3)人物データ置換再生
本発明の実施の形態5の(2)で記載したように、登場人物の顔認識による人物限定が可能となる。そこで、これと同様の機能を再生時に適用することを考えると、更に新しい機能として、登場人物を特定人物に置き換えて再生するようなことが実現可能となる。
【0302】
具体的には、例えば、ある俳優の顔データに加えて、さらに自分の顔データもAVレコーダ装置である情報記録再生装置100の例えばフラッシュメモリドライブ部14の中に登録しておく。そして、光ディスク1や一時保存領域92に録画された番組の再生中など、フラッシュメモリドライブ部14のバッファ領域91や一時保存領域92に再生のために読み出された番組データの中から、ある俳優の登場シーンを識別し、その俳優の顔データと自分の顔データとを置換えた形で、デコーダ部50を介してモニタに再生映像を出力するといったことが可能になる。
【0303】
このようにすることで、あたかもその番組に自分が登場したかのように見せた形での再生なども可能になる。
【0304】
なおこの使い方は、番組録画する際の録画データそのものに対して、ある俳優の顔データを自分の顔データと置き換えて記録するといった使い方でも良い。
【0305】
あるいは、上記とは発想を逆転し、例えば情報記録再生装置100のフラッシュメモリドライブ部14の中に衣装データや風景データなど、任意のデータを入れておき、光ディスク1や一時保存領域92に録画された番組の再生中に、登場人物の衣装や、映像中の風景を登録したデータで置き換えて再生するといった使い方も可能である。つまり、顔認識技術を応用して、衣装認識や風景認識といったことを行えば、顔データの置換と同様の処理が実現出来る。これは例えば、ビデオカメラで撮影した個人コンテンツを再生するような場合に、日本で撮影した映像に対して、登場人物が着ている衣装や風景を外国のデータに置き換えて再生するとか、或いは夏に撮った映像を冬バージョンとして季節を変えて、それに合わせて風景や衣装を変えて再生するといった使い方も可能になる。
【0306】
なお、本発明の目的は、情報記録再生装置100からHDDを完全に排除することを目的としたものでは無い。具体的には、例えば、本発明の実施の形態で示した図2に示した情報記録再生装置100において、フラッシュメモリドライブ部14を、光ディスク1の記録容量よりも小容量のHDDとしても、少なくとも本発明の実施の形態1から本発明の実施の形態4で説明したものと同様の効果を得ることが出来る。また、本発明の実施の形態5については、HDDの転送速度がSSDほど早くないが、ほぼ同様の処理が実現出来る。あるいは、図2に示した情報記録再生装置100において、光ディスクチェンジャドライブ部12とフラッシュメモリドライブ部14に加えて、HDDをさらに備えても良い。このような場合、例えばフラッシュメモリドライブ部14の一時保存領域92の役割をHDDが担うといった使い方をすることで、本発明の実施の形態1から本発明の実施の形態5で説明したものと同様の効果を得ることが出来ることは言うまでも無い。
【0307】
なお、本発明の実施の形態1から実施の形態4において、民生用のAVレコーダ装置を例として記載をしたが、これらの用途は民生用AVレコーダ装置に限ったものでは無い。具体的には、PCなどデータ蓄積を行う装置に適用されても良い。
【0308】
なお、本発明の実施の形態においては、メディア種別(再生専用媒体や追記型媒体など)によってディスクマガジン120を分ける例は記載したが、その他については特に触れなかった。しかし、例えば、CD/DVD/BDという、フォーマットが異なる光ディスク1が挿入されても構わない。例えば、メディア種別に応じたディスクマガジン120という例の場合であれば、追記型媒体用のディスクマガジン120には、BD−RやDVD−Rが混在された形で装着されても構わず、ユーザの任意で選択可能となるため、ユーザの自由度をあげることが出来る。
【0309】
以上、本発明の特定の実施の形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が本発明に含まれることは明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の実施の形態に限定されず、請求項によってのみ限定され得る。
【産業上の利用可能性】
【0310】
本発明によれば、光ディスクチェンジャを用い、複数の光ディスクによって従来のハードディスクが担っていた一時保存領域を提供し、さらに光ディスクの装着手段として2つの手段(トレイ部とディスクマガジン部)を備える。また、キャッシュ等の役割を果たす、転送レートが非常に高速なフラッシュメモリドライブ部を備え、光ディスク入れ替えに伴う起動(ロード)時間などのアクセス不能時間をカバーして、記録再生を途切らせることなく実現する。これにより、光ディスクをアーカイブ・バックアップ用途だけでなく、従来のハードディスクが担っていた一時保存用にも使用できる。これにより、例えば同一コンテンツを複数の光ディスクに同時にダビングできるといった、ユーザにとっての操作性向上が実現出来る。本発明は、例えば、民生用の番組録画装置である光ディスクレコーダ装置などに適用できる。
【符号の説明】
【0311】
1 光ディスク
100,200 情報記録再生装置
12 光ディスクチェンジャドライブ部
14 フラッシュメモリドライブ部
16,216 データ制御部
18a AV入力
18b 地上波デジタルチューナ
18c 地上波アナログチューナ
20 選択回路
30 エンコーダ部
32 フォーマッタ
34,234 バッファメモリ
50 デコーダ部
70 マイクロコンピュータ部
74 表示部
76 キー入力部
91 バッファ領域
92 一時保存領域
93 記録データ管理領域
110 ディスクトレイ
120 ディスクマガジン
121 マガジントレイ
122 ICタグ
130,150,151 トラバースユニット
131 ピックアップ
132 スピンドルモータ
133 トラバース
140 回路基板
160 リーダー装置
141 ドライブ制御部
212 光ディスクドライブ部
214 ハードディスクドライブ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生装置であって、
前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、
前記ドライブユニットは、トレイ部とマガジン部とトラバース部を備え、
前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、
前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、
前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生する
ことを特徴とした情報記録再生装置。
【請求項2】
タビング時に、ダビング元データが格納された前記可搬型情報記録媒体が前記ドライブユニットの筐体内に留まることを保証するため、前記ドライブユニット内の前記トレイ部と前記マガジン部との間での、前記可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限することを特徴とする、
請求項1記載の情報記録再生装置。
【請求項3】
前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体が前記マガジン部に留まることを保証するために、前記ドライブユニット内の前記トレイ部と前記マガジン部との間での、前記可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限し、
さらに前記マガジン部が前記ドライブユニットから取り外された状態では、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の取り出しを制限することで、
前記マガジン部に装着された複数の前記可搬型情報記録媒体に跨って、1つのコンテンツを記録再生することを可能とした、
請求項1記載の情報記録再生装置。
【請求項4】
前記ドライブユニットに、前記可搬型情報記録媒体を着脱可能な、前記トレイ部と前記マガジン部という2つの機構を備え、
前記トレイ部と前記マガジン部の双方に所定の前記可搬型情報記録媒体が装着された場合にのみ、前記可搬型情報記録媒体に格納された全てもしくは一部のデータの読み出しを可能とすることで、セキュリティ強化を可能とした、
請求項1記載の情報記録再生装置。
【請求項5】
前記情報記録再生装置はさらに、高速なデータ転送が可能なメモリドライブを備え、
前記メモリドライブは、前記ドライブユニットへのデータの記録再生におけるバッファやキャッシュとして使用可能なバッファ領域と、
コンテンツを一時的に記録しておくことが可能な一時記録領域と
を共に備えていることを特徴とする、請求項1記載の情報記録再生装置。
【請求項6】
前記バッファ領域に蓄積可能なデータ容量は、前記可搬型情報記録媒体に蓄積可能なデータ容量よりも小さいことを特徴とし、
任意の前記可搬型情報記録媒体に格納されたデータをダビング元データとして、別のm枚(mは1以上の正数)の前記可搬型情報記録媒体にダビング記録する場合に、
(a)前記バッファ領域への1回の前記ダビング元データの一部分を読出して、前記バッファ領域から前記別のm枚の可搬型情報記録媒体へ逐次に記録を行う第1制御部と、
(b)前記(a)に記載の処理を、全てのダビング元データがダビング記録されるまで
繰り返して行う第2制御部と
を備えることを特徴とする、請求項5記載の情報記録再生装置。
【請求項7】
AVデータなどの録画を行う情報記録再生装置であって、
前記情報記録再生装置は、
前記情報記録再生装置の内部へ前記AVデータを入力するためのAV入力ユニットと、
前記情報記録再生装置の外部へ前記AVデータを出力するためのAV出力ユニットと、
前記AVデータを、録画再生に適したデータ形式に変換するフォーマット変換ユニットと、
前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能で、前記可搬型情報記録媒体へのデータの記録再生を行うチェンジャ型のドライブユニットと、
前記AVデータの録画再生のために、入出力データを一時的に保存する緩衝の役割を果たすバッファユニットと、
録画再生に代表される前記情報記録再生装置全体の制御を行う制御ユニットと、
ユーザとの間での情報のやり取りを行うユーザインタフェースユニットとを備え、
前記ドライブユニットは、トレイ部とマガジン部とトラバース部を備え、
前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、
前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、
前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生する
ことを特徴とした情報記録再生装置。
【請求項8】
情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、
前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、
前記ドライブユニットは、トレイ部とマガジン部とトラバース部を備え、
前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、
前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、
前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生を行い、
前記情報記録再生方法は、
タビング時に、ダビング元データが格納された前記可搬型情報記録媒体が前記ドライブユニットの筐体内に留まることを保証するため、前記ドライブユニット内の前記トレイ部と前記マガジン部との間での、前記可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限することを特徴とする、
情報記録再生方法。
【請求項9】
情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、
前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、
前記ドライブユニットは、トレイ部とマガジン部とトラバース部を備え、
前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、
前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、
前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生を行い、
前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体が前記マガジン部に留まることを保証するために、前記ドライブユニット内の前記トレイ部と前記マガジン部との間での、前記可搬型情報記録媒体の受け渡しを制限され、
さらに前記マガジン部が前記ドライブユニットから取り外された状態では、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の取り出しを制限され、
前記情報記録再生方法は、
前記マガジン部に装着された複数の前記可搬型情報記録媒体に跨って、1つのコンテンツを記録再生することを特徴とした、情報記録再生方法。
【請求項10】
情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、
前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、
前記ドライブユニットは、前記可搬型情報記録媒体を着脱可能なトレイ部とマガジン部という2つの機構と、トラバース部とを備え、
前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、
前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、
前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生を行い、
前記情報記録再生方法は、
前記トレイ部と前記マガジン部の双方に所定の前記可搬型情報記録媒体が装着された場合にのみ、前記可搬型情報記録媒体に格納された全てもしくは一部のデータの読み出しを可能とすることで、セキュリティ強化が可能な、
情報記録再生方法。
【請求項11】
情報記録再生装置によって可搬型情報記録媒体に情報の記録再生を行う情報記録再生方法であって、
前記情報記録再生装置は、前記可搬型情報記録媒体を複数装着可能なチェンジャ型のドライブユニットを備え、
前記ドライブユニットは、前記可搬型情報記録媒体を着脱可能なトレイ部とマガジン部という2つの機構と、トラバース部とを備え、
前記トレイ部は、前記可搬型情報記録媒体を1つのみ直接装着可能で、前記ドライブユニットの筐体の外部から内部、または内部から外部へスライド式にローディングされ、
前記マガジン部は、複数の前記可搬型情報記録媒体を一度に装着可能で、外的な動力によって前記ドライブユニットに直接取り付け・取り外しされ、
前記トラバース部は、前記トレイ部に装着された前記可搬型情報記録媒体、及び、前記マガジン部に装着された前記可搬型情報記録媒体の双方に対して記録再生を行い、
前記バッファ領域に蓄積可能なデータ容量は、前記可搬型情報記録媒体に蓄積可能なデータ容量よりも小さいことを特徴とし、
前記情報記録再生方法は、
任意の前記可搬型情報記録媒体に格納されたデータをダビング元データとして、別のm枚(mは1以上の正数)の前記可搬型情報記録媒体にダビング記録する場合に、
(a)前記バッファ領域への1回の前記ダビング元データの一部分を読出して、前記バッファ領域から前記別のm枚の可搬型情報記録媒体へ逐次に記録を行うステップと、
(b)前記(a)に記載の処理を、全てのダビング元データがダビング記録されるまで
繰り返して行うステップと
を備えることを特徴とする、情報記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−160245(P2012−160245A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21330(P2011−21330)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】