情報記録媒体、情報記録方法、情報再生方法、情報記録装置、情報再生装置
【課題】ユーザが記録再生するコンテンツの情報管理だけでなくコンテンツプロバイダにより頒布されるコンテンツとの親和性を図った情報管理を可能とする。
【解決手段】ユーザが録画できる第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR;HDVR_VOB/HDVR_SOB)およびコンテンツプロバイダが提供できる第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO;ADV_OBJ)を管理するファイル構造を持つ。ここで、管理領域は、前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む前記デジタルストリーム信号の再生を管理する管理情報(VIDEO_PLAYLIST、VTSI)をさらに含むように構成される。
【解決手段】ユーザが録画できる第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR;HDVR_VOB/HDVR_SOB)およびコンテンツプロバイダが提供できる第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO;ADV_OBJ)を管理するファイル構造を持つ。ここで、管理領域は、前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む前記デジタルストリーム信号の再生を管理する管理情報(VIDEO_PLAYLIST、VTSI)をさらに含むように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルTV放送などで用いられるデジタルストリーム信号の記録再生に適した、情報記録媒体(あるいはデータ構造)、情報記録/再生方法、および情報記録/再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TV放送は、ハイビジョン番組(高精細AV情報の番組)を主な放送コンテンツとするデジタル放送の時代に突入してきた。現在実施されているBSデジタルTV放送(および近々実施が開始される地上波デジタルTV放送)では、MPEG2のトランスポートストリーム(以下、適宜MPEG−TSと略記する)が採用されている。動画を使用したデジタル放送の分野では、今後もMPEG−TSが標準的に用いられると考えられる。このようなデジタルTV放送の開始に伴って、デジタルTV放送のコンテンツをそのまま録画できるストリーマのマーケットニーズが高まってきている。
【0003】
DVD−RAM等の光ディスクを利用したストリーマの例として、下記特許文献1に開示された「記録再生装置」がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−84479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば途中に短いニュースが挿入された長時間音楽番組(年末にBSデジタル放送されるNHK紅白歌合戦など)をニュースカット(ニュース部分で録画を一旦止める)でストリーム録画した場合では、ニュースをカットした部分で録画番組のストリームオブジェクトが2つに分かれる。このような場合、2つのストリームオブジェクトは、記録媒体上で物理的に隣接して連続するのが普通であるが、物理的に離れた場所に不連続記録されていてもよい。この例では、2つのストリームオブジェクトが物理的に連続していようがいまいが、そのコンテンツの再生時間に関しては、論理的に連続している。CMが挿入された1本の映画をCMカットでストリーム録画した場合も同様で、CMカット部分で複数ストリームオブジェクト間に物理的な不連続が生じたとしても、1本の映画コンテンツ全体としての再生時間は論理的に連続している。
【0006】
一方、例えばチャネルXの番組Aをストリーム録画し、その後チャネルYの番組Bをストリーム録画したような場合、番組Aのストリームオブジェクトと番組Bのストリームオブジェクトは、たとえ記録位置が物理的に連続していても、それらのコンテンツの再生時間に関しては連続していない(論理的に不連続)。
【0007】
このように、複数のストリームオブジェクトによりストリーム録画がなされている場合において、隣接するストリームオブジェクト間に、物理的な連続性ではなく、論理的な連続性(同一番組内での再生時間の連続性)があるかどうかは、再生時のデコード処理(システムタイムクロックSTCの設定処理など)に影響する。具体的には、再生時間の連続性が分からずにSTCの設定が不適切に行われる(STCのリセットなど)と、同一番組の前半ストリームオブジェクトの末尾から後半ストリームオブジェクトの先頭に再生が移る際に、静止画表示による待ち時間が長めに生じる可能性が出てくる。
【0008】
なお、記録対象(デジタル放送等)にはPSI(Program Specific Information)やSI(Service Information)等の情報が含まれていることがあるが、これまではPSIやSIが不明の場合については配慮されていない。また記録対象のビデオ情報の解像度は種々なものが含まれ得るが、解像度の指定に水平解像度と垂直解像度のうち一方(水平解像度)が不明な場合も配慮されていない。
【0009】
さらに、近々、種々な付加価値を付けたハイビジョンコンテンツがコンテンツプロバイダにより頒布(市販)されることが見込まれており、そのようなハイビジョンコンテンツとの親和性(互換性)も、これからのハイビジョンレコーダには求められる。
【0010】
この発明の課題の1つは、ユーザが記録再生するコンテンツの情報管理だけでなくコンテンツプロバイダにより頒布されるコンテンツとの親和性を図った情報管理を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の一実施の形態では、ユーザが録画できる第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR;HDVR_VOB/HDVR_SOB)およびコンテンツプロバイダが提供できる第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO;ADV_OBJ)を管理するファイル構造(図79)を持ち、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)および前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む所定のデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体(図1の100)を用いる。ここで、前記情報記録媒体は管理領域とデータ領域を持ち、前記データ領域は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(HDVR_VOB, HDVR_SOB, ADV_OBJ)に分かれて記録できるように構成される。前記管理領域は、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)を含む前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎に管理情報(ESOB関連ファイル)を持つとともに、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)を含む前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎にタイムマップ情報(図79のVSOB関連ファイル)を持つ。前記管理領域は、さらに、前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む前記デジタルストリーム信号の再生を管理する管理情報(VIDEO_PLAYLIST、VTSI)を含むように構成される。
【発明の効果】
【0012】
管理領域内に、第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)の管理情報(図79のESOB関連ファイル)とともに、第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む前記デジタルストリーム信号の再生を管理する管理情報(VIDEO_PLAYLIST、VTSI)を設けたことで、ユーザが記録再生するコンテンツ(HD_DVD-VR)とプロバイダが提供するコンテンツ(HD_DVD-VIDEO)の双方を纏めて管理できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施の形態に係るデータ構造を説明する図。
【図2】この発明の一実施の形態に係るデータ構造における再生管理情報層とオブジェクト管理情報層とオブジェクト層との関係を説明する図。
【図3】この発明の一実施の形態に係るファイル構造を説明する図。
【図4】AVデータ管理情報記録領域130に記録される管理情報の一部(HDVR_MGI)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図5】DISC_RSM_MRKIの具体例を説明する図。
【図6】EX_DISC_REP_PICIの具体例を説明する図。
【図7】EX_PL_SRPTの具体例を説明する図。
【図8】この発明の一実施の形態に係るデータ構造において、管理情報の1つ(HDVR_MG)の他部(EX_M_AVFIT)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図9】EVOB_TMAP_GIの具体例を説明する図。
【図10】EX_M_VOB_STIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図11】V_ATRがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図12】ESTR_FITがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図13】HR_SFIxx.IFOの具体例を説明する図。
【図14】ESOBI_GIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図15】ESOBI_GIに含まれる種々な情報を説明する図。
【図16】ESOB_ESIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図17】ESOB_V_ESIがどのように構成されるかの一例と、このESOB_V_ESIに含まれるビデオ属性V_ATTRがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図18】ESOB_A_ESIがどのように構成されるかの一例と、このESOB_A_ESIに含まれるオーディオ属性AUDIO_ATTRがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図19】ESOB_OTHER_ESIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図20】ESOB_DCNIの具体例を説明する図。
【図21】ESOB_GPIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図22】ESOB_GPI_GI、GPI_SRP#、およびGPI#がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図23】ESOB_CONNIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図24】ESOB_TMAP(タイプA)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図25】ESOB_TMAP(タイプB)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図26】DVD_HDVRディレクトリに含まれるHR_VTMAP.IFOおよびHR_STMAPx.IFOがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図27】EX_VTMAPTI、各EX_VTMAP_SRP#、および各EX_VTMAPIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図28】各EVOBU_ENT#の中身がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図29】STMAPT(タイプA)に含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図30】STMAPT(タイプB)に含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図31】ESOBU_ENT#の中身がどのように構成されるかの一例(タイプAの例)を説明する図。
【図32】HDVR_VMGに含まれるPGC情報(EX_ORG_PGC情報およびEXプレイリスト情報/EX_UD_PGC情報)が、どのように構成されるかの一例を説明する図。
【図33】EX_PGC情報がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図34】EX_CIの具体例を説明する図。
【図35】C_EPIの具体例を説明する図。
【図36】ESOB(またはEVOB)のPTMがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図37】ストリームオブジェクト用のデータユニット(ESOBU)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図38】PKT_GRP_GIの具体例を説明する図。
【図39】パケットグループヘッダに含まれるコピー管理情報CCI#がどのように構成されるかの例を説明する図。
【図40】MNIの具体例を説明する図。
【図41】EVOBUがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図42】EVOBUのGCIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図43】EVOBUのEX_PCIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図44】EVOBUのEX_DSIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図45】Interoperability VTS/VR_VOBの場合のEX_RDIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図46】この発明の他の実施の形態に係るファイル構造を説明する図。
【図47】ESOB_SZとESOB_S_PKT_POSとの関係の一例を説明する図。
【図48】ESOBUクラスタの一例を説明する図。
【図49】AT_SOBUとパケットとの関係の一例を説明する図。
【図50】ESOBU_SZとESOBU_S_PKT_POSとES_LAST_SOBU_E_PKT_POSと関係の一例を説明する図。
【図51】AT_SOBU_SZとAT_SOBU_S_PKT_POSと関係の一例を説明する図。
【図52】TS PacketとPacket Groupとの関係の一例を説明する図。
【図53】この発明の一実施の形態に係るデータ構造を利用して、情報記録媒体(光ディスク、ハードディスク等)にAV情報(デジタルTV放送プログラム等)を記録し再生する装置の一例を説明するブロック図。
【図54】レコーダのシステムモデルの一例を説明する図。
【図55】装置の全体の動作の一例を説明するフローチャート図(全体動作処理フロー)。
【図56】編集処理(ST28)の一例を説明するフローチャート図(編集動作処理フロー)。
【図57】録画動作の一例(その1)を説明するフローチャート図。
【図58】の録画動作の一例(その2)を説明するフローチャート図。
【図59】ESOB切り処理(ST160)の一例を説明するフローチャート図(ESOB切り処理フロー)。
【図60】バッファ取り込み処理(ST130)の一例を説明するフローチャート図(バッファ取り込み処理フロー)。
【図61】パケットグループ一般情報設定処理(ST1340)の一例を説明するフローチャート図(PKT_GRP_GI設定処理フロー)。
【図62】ストリーム情報(ESI)作成処理(ST120)の一例を説明するフローチャート図(ESI設定処理フロー)。
【図63】録画終了処理(ST150)におけるストリームファイル情報(ESTR_FI)作成処理の一例を説明するフローチャート図。
【図64】GPI設定処理ST1530の一例を説明するフローチャート図。
【図65】のTMAP設定処理ST1540を説明するフローチャート図。
【図66】EVOB/ESOB構造設定処理ST15400を説明するフローチャート図。
【図67】CP_CTL_INFO(CCI)作成処理ST1220を説明するフローチャート図。
【図68】録画終了処理(ST150)におけるプログラムチェーン(PGC)作成処理(プログラム設定処理を含む)の一例を説明するフローチャート図(プログラム設定処理フロー)。
【図69】再生動作の一例を説明するフローチャート図(全体の再生動作フロー)。
【図70】デコーダ設定処理(ST217)を説明するフローチャート図。
【図71】セル再生時の処理の一例を説明するフローチャート図。
【図72】ESOB連続チェック処理(ST2201)を説明するフローチャート図。
【図73】バッファRAMからデコーダへのデータ転送処理の一例を説明するフローチャート図。
【図74】GP切り替え処理の一例を説明するフローチャート図。
【図75】ディスコンティニュー処理の一例を説明するフローチャート図。
【図76】スキップ処理の一例を説明するフローチャート図。
【図77】図3または図46の別例を説明する図。
【図78】図9の別例を説明する図。
【図79】図77の別例を説明する図。
【図80】図24の別例を説明する図。
【図81】図25の別例を説明する図。
【図82】TMAPファイル構造の例を説明する図。
【図83】図27の別例を説明する図。
【図84】図29の別例を説明する図。
【図85】図30の別例を説明する図。
【図86】図36の別例を説明する図。
【図87】図42の別例を説明する図。
【図88】インターオペラブルコンテンツの変換例を説明する図。
【図89】HD_VRからVTSIへの変換表図(その1)の例を説明する図。
【図90】HD_VRからVTSIへの変換表図(その2)の例を説明する図。
【図91】HD_VRからVTSIへの変換表図(その3)の例を説明する図。
【図92】HD_VRからVTSIへの変換表図(その4)の例を説明する図。
【図93】インターオペラブルコンテンツ作成の処理タイミング例を説明するフローチャート図。
【図94】インターオペラブルコンテンツ作成処理の一例を説明するフローチャート図。
【図95】HD_VRのPGC構成例を説明する図。
【図96】CNT_SEGの特殊な場合を説明する図。
【図97】ESOB_CONNIに応じたSOBの開始位置関係の一例を説明する図。
【図98】編集時におけるESOB_CONNIに応じたSOBの開始位置関係の一例を説明する図。
【図99】ESOB_CONNIに応じたSOBの終了位置関係の一例を説明する図。
【図100】編集時におけるESOB_CONNIに応じたSOBの終了位置関係の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明の種々な実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、この発明の一実施の形態に係るデータ構造を説明する図である。RecordableあるいはRe-writableな情報記録媒体の代表例として、DVDディスク(波長650nm前後の赤色レーザあるいは波長405nm以下の青紫ないし青色レーザを用いた、単記録層または複数記録層の、DVD±R、DVD±RW、DVD−RAM等)100がある。このディスク100は、図1に示すように、ファイルシステムが入っているボリューム/ファイル構造情報領域111とデータファイルを実際に記録するデータ領域112を含んで構成されている。上記ファイルシステムは、どのファイルがどこに記録されているかを示す情報で構成されている。
【0016】
データ領域112は、一般のコンピュータが記録する領域120、122と、AVデータを記録する領域121を含んでいる。AVデータ記録領域121は、AVデータの管理をするためのビデオマネージャ(VMG)ファイルがあるAVデータ管理情報領域130と、DVD-Video(ROM Video)規格に準じたオブジェクトデータのファイルが記録されるROM_Videoオブジェクト群記録領域131と、ビデオレコーディング(VR)規格に準じたオブジェクトデータ(ESOBS:Extended Video Object Set)のファイル(VROファイル)が記録されるVRオブジェクト群記録領域132と、デジタル放送に対応したオブジェクトが記録されているストリームオブジェクトデータ(ESOBS:Extended Stream Object Set)ファイル(SROファイル)が記録される記録領域133を含んで構成されている。なお、SROファイルのためのレコーディング規格は、適宜、ストリームレコーディング(SR)規格と表記する。
【0017】
ここで、DVD-Video(ROM Video)はビデオタイトルセット(VIDEO-TS)、録再DVD(DVD-RTR)はDVD-RTAVというように、フォーマット毎にファイルディレクトリが分けられ、この実施の形態で説明するデジタル放送対応の新たなDVD規格のファイルは、例えばDVD_HDVRというディレクトリに格納される(図3を参照して後述)。
【0018】
つまり、DVD_HDVRというディレクトリ(図3)に、データの管理を行うためのVMGファイルと、アナログ放送及びライン入力などのアナロク記録用のオブジェクトファイルであるVROと、デジタル放送のオブジェクトであるSROファイルが記録され、そのSROファイルがESOBSとなる。
【0019】
図2は、この発明の一実施の形態に係るデータ構造における再生管理情報層とオブジェクト管理情報層とオブジェクト層との関係を説明する図である。図2に示されるように、SRの管理データはVRと共通のVMGファイルに記録され、SRはVRと共通に制御され、SRおよびVRはセル単位でリンクされ、再生場所の指定は再生時間単位で指定される。この管理データはVR_MANEGER.IFO(図3参照)と称している。ここで、TMAPTを別ファイルにする場合、図3に示すように、HR_VTMAP.IFO、HR_STMAP.IFOとそのバックアップファイルであるHR_VTMAP.BUP、HR_STMAP.BUPが追加されている。
【0020】
ESOBSの構造は、1以上のESOB141で構成され、ESOBは、例えば、一番組に相当する。ESOBは1以上のESOBU(Extended Stream object unit)で構成され、ESOBUは、一定時間間隔(ESOBU_PB_TM_RNGの値により変化する)分のオブジェクトデータもしくは、1以上のGOPデータに相当する。ただし、転送レートが低い場合1s(1秒)以内で1GOPが送られない場合が考えられる(VRでは内部エンコードであるため自由に設定できるがデジタル放送の場合エンコードが放送局であるため、どんなデータがくるか不明な可能性がある)。また、レートが高く、Iピクチャが頻繁に送られた場合などが考えられる。その場合、ESOBUが頻繁に区切られ、それに伴いESOBUの管理情報が増え、全体の管理情報が肥大化するおそれがある。そこで、ESOBUは総録画時間により決めた一定時間間隔(最小の制限はESOB最後のESOBU以外、ただし、区切りはピクチャ単位:例1s毎)または1以上GOPで区切るのが適当となる。
【0021】
なお、ストリームの解析不能時にPATSベースで管理情報を構築する場合、AT_SOBU(Arrival Time based SOBU)はAT_SOBU_TMに示される時間間隔で区切られる。 AT_SOBU_TMは秒単位で指定する場合(図25参照)と27MHzのカウント値で指定する場合の2種類が考えられる。
【0022】
この発明の一実施の形態では、1つのESOBUは1以上のPacket Groupで構成され、1つのPacket Groupは16(あるいは32)Logical Block(1LB=2048バイト;16LB=32640バイト)に対応させることができる。各Packet GroupはPacket Group HeaderとTSパケット(170個)で構成されている。各TSパケットの到着時間(Arrival Time)は、各TSパケットの前に配置されたPATS(Packet Arrival Time Stamp:4バイト)で表すことができる。
【0023】
ここで、TSパケットの到着時間は、録画開始を0(または所定の値)とし、録画終了までリニアにカウントアップさせる必要がある。ただし、STCとPATSは同じ値を示すとは限らない(初期値の違いなどのため)。しかしながら、PATS用カウンタのカウント間隔は、再生同期が合っている状態で、PCR(Program Clock Reference)取り込みと次のPCR取り込みの間隔に対応したSTC用カウンタのカウント間隔に対して、同期させる必要がある。なお、PCRはMPEG−TS内の、図示しないアダプテーションフィールドに含まれている。また、Packet Groupには2つまでのESOBが混在する事を許可する。つまり、ESOB毎にPacket Groupをアラインしなくてもよいと言うことである。
【0024】
ここで、管理情報について、図3〜図36等を参照して説明する。図3は、この発明の一実施の形態に係るファイル構造を説明する図である。
【0025】
HDVRディレクトリには、図3に示されるように、DVDの管理情報ファイルであるHR_MANGER.IFOと、アナログビデオ入力のオブジェクトファイルであるVROファイルと、デジタル放送対応用のSROファイルで構成されている。すなわち、ストリームデータの管理情報はVMGファイル内に保存され、VRデータと同列に管理される。具体的には、ストリームの管理情報はESTR_FIT(Stream File Information Table)に保存されており、管理情報であるVMGファイルは、既存のDVD−VR規格の管理情報にESTR_FIT(Extened Stream File Information table)が追加された形態を採っている。
【0026】
ところで、デジタルTV放送などやインターネットなどの有線を使用した放送などの圧縮動画を放送(配信)を行うための方式において、共通の基本フォーマットであるMPEG−TS方式は、パケットの管理データ部分とペイロードに分かれる。
【0027】
ペイロードには、再生されるべき対象のデータがスクランブルの掛かった状態で含まれている。ARIBによると、その他にPAT(Program Association Table)やPMT(Program Map Table)やSI(Service Information)に関しては、スクランブルされていない。また、PMTやSI(SDT:Service Description Table, EIT:Event Information Table、BAT:Bouquet association Table)を利用してさまざまな管理情報を作成する。
【0028】
再生対象としては、MPEGビデオデータやDolby AC3(R)オーディオデータやMPEGオーディオデータ、データ放送データなど、さらに、直接、再生対象には関係ないが、再生する上で必要なPAT、PMT、SIなどの情報(番組情報等)などがある。PATには、番組毎のPMTのPID(Packet Identification)が含まれており、さらにPMTにはビデオデータやオーディオデータのPIDが記録されている。
【0029】
これにより、STBの通常の再生手順としては、EPG情報により、ユーザが番組を決定すると、目的の番組の開始時間に、PATを読み込み、そのデータを元に、希望の番組に属するPMTのPIDを決定し、そのPIDに従って、目的のPMTを読み出し、そこに含まれる再生すべきビデオ、オーディオパケットのPIDを決定し、PMTやSIにより、ビデオ、オーディオの属性を読み出し、各デコーダへセットし、前記ビデオ、オーディオデータをPIDに従って切り出して、再生を行う。ここで、PAT、PMT、SI等は途中再生にも使用するために、数100ms毎に、送信されてくる。
【0030】
ここで、デジタル放送は国毎に放送方式がちがう。たとえば、ヨーロッパではDVB(Digital Video Broadcasting)、米国ではATSC(Advanced Television Systems Committee)、日本ではARIB(Association of Radio Industries and Businesses)となっている。
【0031】
DVBでは、ビデオはMPEG2であるが、解像度が1152*1440i、1080*1920(i, p)、1035*1920、720*1280、(576, 480)*(720, 544, 480, 352)、(288, 240)*352で、フレーム周波数は30Hz、25Hzとなり、オーディオはMPEG-1 audio、MPEG-2 Audioでサンプリング周波数が32kHz、44.1kHz、48kHzとなっている。
【0032】
ATSCでは、ビデオはMPEG2であるが解像度は1080*1920(i, p)、720*1280p、480*704(i, p)、480*640(i, p)でフレーム周波数は23.976Hz、24Hz、29.97Hz、30Hz、59.94Hz、60Hzとなり、オーディオはMPEG1 Audio Layer 1 & 2(DirecTV)、AC3 Layer 1 & 2(Primstar)でサンプリング周波数は48kHz、44.1kHz、32kHzとなっている。
【0033】
ARIBでは、ビデオはMPEG2であり、解像度は1080i、720p、480i、480pでフレームレートは29.97Hz、59.94Hzとなり、オーディオはAAC(MPEG-2 Advanced Audio Coding)でサンプリング周波数が48kHz、44.1kHz、32kHz、24kHz、22.05kHz、16kHzとなっている。
【0034】
このように各国により、デジタ放送の方式は違い、また、放送局毎にも違う可能性がある。そのため、レコーダでは、それぞれの使用する方式に応じてオブジェクトを1または複数のファイルとして記録する必要がある。
【0035】
このことから、現行のVRファイル構成に対して、この発明の一実施の形態においてさらに追加されるファイルは、図3に示すように、HR_SFIx.IFOおよびHR_SFIx.bupというファイル名において“x”が複数存在可能なように構成される。このように構成された1以上のファイルが、各放送方式毎に追加される。
【0036】
また、たとえば“x”=00の場合は、放送方式が不明な場合や該当レコーダがその放送方式に対応していない場合に使用できる。この場合、放送方式不明のストリームまたはレコーダが非対応の放送方式のストリームは、TYPE Bのストリーム(SOB_STRB)として保存できる。そこで、放送局毎(または放送方式毎)にデジタル放送用の管理用情報であるESTR_FIを変更するため、複数のESTR_FIが存在する事になる。
【0037】
図4は、AVデータ管理情報記録領域130に記録される管理情報(HDVR_MG)の一部(HDVR_MGI)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。このHDVR_MGIは、管理情報管理テーブル(MGI_MAT)とプレイリストサーチポインタテーブル(EX_PL_SRPT)を含んで構成される。管理情報管理テーブル(MGI_MAT)は、ディスク管理識別情報(VMG_ID)と、HDVMGファイルの情報(HR_MANGER.IFO)の終了アドレス(HR_MANGER_EA:DHVR_MGファイルの先頭からEX_MNFITの最後までのアドレスを示す)と、管理情報(HDVR_MGI)の終了アドレス(HDVR_MGI_EA:DHVR_MGファイルの先頭からHDVR_MGIの最後までのアドレスを示す)と、バージョン情報と、ディスクのレジューム情報(DISC_RSM_MRKI)と、ディスクの代表画像情報(EX_DISC_REP_PICI)と、ストリームオブジェクト管理情報の開始アドレス(ESTR_FIT_SA)と、オリジナルプログラムチェーン情報の開始アドレス(EX_ORG_PGCI_SA)と、ユーザ定義プログラムチェーン情報テーブルの開始アドレス(EX_UD_PGCIT_SA)等を含んで構成されている。
【0038】
図5は、ディスク全体のレジュームマーク情報(DISC_RSM_MRKI)の具体例を説明する図である。DISC_RSM_MRKIは、ディスク全体を通して再生した場合の中断された再生を再開するための情報として、プログラムチェーン番号PGCN、プログラム番号PGN、セル番号CN、再生開始PTMなどを含むマークポインタMRK_PT(目的のESOB上のPTM/PATS/S_ESOB_ENT番号などを含む)、再生するビデオストリームのESI番号V_ESN、再生するオーディオストリームのESI番号A_ESN 、Dual-Monoの場合の主副情報(音声の主/副切替フラグ)、そのマーカーを作成(更新)した日時情報MRK_TMなどを設定している。
【0039】
図6は、ディスクの代表画像情報(EX_DISC_REP_PICI)の具体例を説明する図である。EX_DISC_REP_PICIは、その代表画像のプログラムチェーン番号PGCN、プログラム番号PGN、セル番号CNの他に、その代表画像の開始PTMなどを含むピクチャポインタPIC_PT(目的のESOB上のPTM/PATS/S_ESOB_ENT番号などを含む)、再生するビデオストリームのESI番号V_ESN、その代表画像の再生時間および/または再生終了時間、その代表画像を作成(更新)した日時情報PIC_CL_TMなどを設定している。
【0040】
図7は、プレイリストサーチポインタテーブル(EX_PL_SRPT)の具体例を説明する図である。EX_PL_SRPTには各プレイリストへのサーチポインタ(EX_PL_SRP#1〜#n)があり、各々のサーチポインタ(EX_PL_SRP)に各プレイリスト毎のレジュームマーカー(PL_RSM_MRKI:再生中断時にどこまで再生したかを示すマーカー)を設けている。このPL_RSM_MRKIには、再生を再開するための情報として、レジュームマーカーに対応するセル番号CN、レジュームマーカーに対応するピクチャポインタPIC_PT(再生開始PTM等に対応)、そのマーカーを作成した日時情報MRK_TM、再生するビデオストリーム(デフォルトのストリーム)のESI番号V_ESN、再生するオーディオストリームのESI番号A_ESN、レジュームマーカーに対応するオーディオストリームに含まれる音声情報の主/副切り替えフラグ(Dual-Monoの場合の主副情報)等を設定している。
【0041】
さらに、各々のEX_PL_SRPには該当プレイリストの代表画像情報(PL_REP_PICTI)が存在し、各プレイリスト毎の代表画像情報(タイトルメニューなどでサムネールとして表示する画像のマーカー)を設けている。このPL_REP_PICTIには、目的のセル番号CN、目的のEVOB上のピクチャポインタPIC_PT(該当する代表画像の開始PTM、PATS、S_EVOB_ENT番号等)、再生するビデオストリーム(デフォルトのストリーム)のESI番号V_ESN、該当する代表画像の再生時間またはその再生終了時間、および該当する代表画像そのマーカーを作成(更新)した日時情報PIC_CL_TMなどを設定している。
【0042】
図8は、この発明の一実施の形態に係るデータ構造において、管理情報の1つ(HDVR_MG)の他部(EX_M_AVFIT)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。このEX_M_AVFITには、ムービーAVファイル情報(EX_M_AVFI)が存在し、その中に各EVOB毎の管理情報であるM_EVOBI#1〜#nがEVOBの数分存在している。M_EVOBI内には、図8に示すようにEVOBのTMAPを管理するためのEVOB_TMAPIが存在する。
【0043】
ここで、アナログ入力の自己録再を行なうVideo Recoding(VR)用のTMAP(Time Map)であるVTMAPTの更新日時情報を図8のEX_M_AVFITI内(VTMAP_LAST_MOD_TM)に記載し、デジタル放送記録用のStream Recoding(SR)用のTMAPであるSTMAPTの更新日時情報を図13のESTR_FI_GI内(STMAP_LAST_MOD_TM)に記載することができる。そうすれば、これらの値(VTMAP_LAST_MOD_TMおよび/またはSTMAP_LAST_MOD_TMの値)と各TMAPTファイルに記載されている対応更新日時情報を比較し、同じ値であれば整合性が取れているとして処理を行うように構成できる。
【0044】
図9は、EVOBタイムマップの一般情報(EVOB_TMAP_GI)の具体例を説明する図である。EVOBタイムマップ情報(EVOB_TMAPI)には、図9に示すように、EVOB_TMAP_GIが入っている。このEVOB_TMAP_GIには別ファイルのVTMAPTを管理するための一般情報が記録されている。すなわち、EVOB_TMAP_GIは、該EVOBにあるエントリ(EVOBU_ENT)の総数(EVOBU_ENT_Ns)、該EVOBの先頭アドレス(ADR_OFS)、該EVOBのサイズ(EVOB_SZ)、該EVOBのエントリの時間間隔を決めるEVOBU_PB_TM_RNG、VTMAPファイル内でのTMAPの番号(EX_VTMAP_N:EVOBの先頭から1対1で決まる場合、無い事も考えられる)などを含んで構成されている。
【0045】
前記EVOB_TMAP_GIは、TMAPが別ファイルに分かれている(図26参照)ため、そのファイルを読み出さなくても、EVOBの情報が判るようになっている。特に、EVOB_TMAP_GI内にあるEVOBの先頭アドレスADR_OFS、EVOBのサイズEVOB_SZおよびEVOBのエントリ総数EVOBU_ENT_Nsから、ディスク100の何処からどのくらいのデータ量を読み出すか、ワークRAMをどのくらい確保すべきかなどを、TMAPのファイル本体を読み込む前に知る事により、読み出し準備が楽になる。
【0046】
図10はEX_M_VOB_STIがどのように構成されるかの一例を説明する図であり、図11はV_ATRがどのように構成されるかの一例を説明する図である。図10に示すように、EX_M_VOB_STIが登録されると、EVOBはM_EVOBI内で自分の該当するEX_M_VOB_STIを番号で指定する。このEX_M_VOB_STIの構造は、既存のDVD−VRと同じように、V_ATR、AST_Ns、SPST_Ns、A_ATR0、A_ATR1、SPのパレット情報等で構成される。
【0047】
そして、EVOBの属性(Attribute)としては、図11に示すように、Videoの属性情報(V_ATR)にプログレッシブ画像かどうかのフラグが付き、TVシステムにハイビジョンまたは高精細(HD)が追加になり、解像度の種類が増えている。
【0048】
図12は、ESTR_FITがどのように構成されるかの一例を説明する図である。ストリームの管理情報はESTR_FIT(Extended Stream File Information Table)に保存されている。ESTR_FITは、1以上のファイル情報サーチポインタを含んだテーブル(ESTR_FI_SRPT)と、1以上のファイル情報(図13のHR_SFIxx.IFOに含まれるESTR_FI)と、別の1以上のファイル情報(図26のHR_STMAPx.IFOに含まれるSTMAPIT)等で構成されている。
【0049】
ここでは、放送局毎(または放送方式毎)にデジタル放送用の管理用情報であるESTR_FIを変更するため、複数のESTR_FIが存在している。そこで、使用するESTR_FIファイルを指定するために、ESTR_FI_SRPT情報が存在する。その構造(ESTR_FI_SRPTI)は、図12に示すように、ESTR_SRPの総数(ESTR_FI_SRP_Ns)と該テーブル情報の終了アドレス(ESTR_FI_SRPT_EA)を含んで構成される。そして、各ESTR_FI_SRPは、ESTR_FI_FN(ESTR_FI_file_name)と、ESTR_FI_LAST_MOD_TM(ESTR_FIファイルの編集更新時間)と、AP_FORMAT1(放送方式:Majorな括り:Japan_ISDB、ATSC、EU_DVB等)と、Country code(録画した国コード:例えばJPN=日本)と、PKT_TY(パケットタイプ:例えば1=MPEG−TS)と、ESOBI_Ns(ESOBの数またはAT_SOBの数)と、ESTR_FI_SZ(ESTR_FIファイルのサイズ)と、TOTAL_STMAP_SZ(STMAPの合計サイズ)を含んで構成されている。
【0050】
特にTOTAL_STMAP_SZが最大2MB以下と言う制限を規格で設けている場合は、それを超えないよう、ファイルサイズを確認する必要がある。すなわち、MPUのワークRAMにSTMAPを最大2MB以内で展開可能なように構成する必要がある。そのため、TOTAL_STMAPI_SZでTMAPのサイズを確認できるようにしている。
【0051】
ここで、更新日時情報(図13のSTMAP_LAST_MOD_TM)はESTR_FIファイル内にも設定されており、編集時ESTR_FIを変更した場合、その値も更新される。そして、再生時、この値(ESTR_FI_LAST_MOD_TM)とESTR_FIファイル内の値(STMAP_LAST_MOD_TM)を比べ、同じ値の場合、再生可能とする。
【0052】
また、ESTR_FIの数は例えば4個以下とし、ESOBIの数も例えば999個以下としている。さらに、ESTR_FI file name:HR_SFInn.IFOの“nn”の部分がSTMAPのFile Name:HR_STMnn.IFOの“nn”に反映されて、STMAPのファイル名が決定されるように構成することができる。
【0053】
図13は、ESTR_FIファイル(HR_SFIxx.IFO)構造の具体例を説明する図である。ESTR_FIは、ESTR_FI_GI(General Information)と、1以上のESOBI_SRP(Stream Object information Search Pointer)と、ESOBI_SRP#kと同数でその値(#k)で示されるESOBI(ESOB Information)を含んで構成される。
【0054】
ESTR_FI_GIは、該ESTR_FIの管理するオブジェクトのファイル名/ファイル番号(SFI_ID)、該ESTR_FI内のESOBI_SRPの数(ESOBI_SRP_Ns)、該ファイルのVersion番号(VERN)、パケットタイプ(PKT_TY:例えば1=MPEG−TS)、パケットグループのサイズ(PKT_GP_SZ:例えば16 Logical Blockで固定)、パケットグループ内のTSパケットの数(PKT_Ns:例えば0xAAなら170 TS packetで固定)、STMAPの更新時間(STMAP_LAST_MOD_TM)、STMAPのサイズ(STMAP_SZ)、パケット到着時間のステータス(PATS_SS)等で構成されている。
【0055】
なお、HR_SFIxx.IFOの数に対応してSTR_FIを複数設けることができるが、これらのSTR_FIは、放送局毎および/または放送方式(日本のARIB、米国のATSC、欧州のDVB等)毎に設けることができる。また、複数設けたSTR_FIに対応して複数のタイムマップ(図26のETMAPI/STMAPI参照)を設けることができる。
【0056】
ここで、ストリームが解析可能な場合(TYPE AのSTRA)はPTMベースでTMAPが作成可能であるが、解析できない場合(スクランブルが解けない場合や、想定している放送局とは違う方式のデータが入力された場合等:TYPE BのSTRB)は、TMAPをPTMベースでは無く受信時間(PATS)ベースで作成することができる。ただし、PATSは再生時間では無いので、時間的に正確な特殊再生等はできないが、大体の特殊再生(録画内容を大まかに確認する程度の早送り再生や早戻し再生など)は可能となる。
【0057】
図13において、PATS_SSはPATSの精度を示す値で構成されている。例えば後述する図53の装置において、ネットワークやIEEE1394等のデータそのものを取り込む場合、PATSが4バイトあるいはPATSがダミーなどのときがある。そのような場合に対応するため、PATS_SSの値として、“00=PATS, FIRST_PATS_EXTの両方が有効:精度6バイト”、“01=PATSのみ有効:精度4バイト”、“10=PATS, FIRST_PATS_EXTの両方が無効:精度無し)”を用意している。
【0058】
また、デジタル放送において、特徴としてあげられるのがマルチビュー放送などに代表される複数の映像を同時に(タイムシェアリングして)流し、その内、必要なものだけを選んで再生することにより、複数のコンテンツをユーザの好み等により選択するものである。たとえば、マルチアングル放送でX、Y、Zのストリームと降雨対応としてUがひとつのTSとしてレコーダが受け取った場合、再生時に必要なストリームを選択して再生し、キーにより自由に切り替える必要があり得る。これに対応するため、グルーピング情報(GPI)を追加して、この目的を可能にしている。
【0059】
図14は、 図13のESOBIに含まれるESOBI_GIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOBI_GIは、例えば図示の順番で図示する各種情報をを含んでいる。すなわち、ESOBIは、ESOBI_GIと、ESOB_V_ESI(Extended Video Elementary Information)、ESOB_A_ESI(Extended Audio Elementary Information)および/またはESOB_OTHER_ESI(Other Elementary Information)に対応するESOB_ESIと、ESOB_DCNI(Discontinuity Information)と、ESOB_CONNI(ESOB Connect Information)と、ESOB_ES_GPI(ESOB_ES Group Information)と、ESOB_TMAP(ESOB Time Map)等を含んで構成されている。
【0060】
図15は、ESOBI_GIに含まれる種々な情報を説明する図である。図15は、図14の各種情報の中身を示している。すなわち、ESOBI_GIは、ESOB_REC_MODE、ESOB_TY、AP_FORMAT2(Minor:1=ISDB-S:BS/CS放送、2=ISDB-T:地上デジタル放送)、録画開始日時(ESOB_REC_TM)、録画時間(ESOB_DURATION:有効値が無い場合はALL 0xff)、先頭のPresentation Time(ESOB_S_PTM)、終了Presentation Time(ESOB_E_PTM)等を含み、さらに、PSI, SIの値を元に、SERVICE_ID、PMT_PID、NETWORK_ID、TS_ID、FORMAT_ID、SERVICE_TYPE、PCR_PID等を記録する。さらに、ESOBI_GIは、ESOB_ES_Ns(録画のために選択したESの数)、ESOB_V_ES_Ns(録画したビデオESの内、TMAPを作ったESの数)、ESOB_A_ES_Ns(録画したオーディオESの内、TMAPを作ったESの数)、録画レート等を含んで構成されている。
【0061】
なお、TYPE_Bの場合、ストリームが解析出来ないで記録されるときがある。この場合、PSI, SIの値が不明(もしくは信用出来ない)と言う事になり、SERVICE_ID、PMT_PID、NETWORK_ID、TS_ID、FORMAT_ID、SERVICE_TYPE、PCR_PID等が記載出来ない。このようなときにESOB_TY:b12にPSI, SIの情報が無効であると言うフラグを設定することができる。その場合、上記のSERVICE_ID、PMT_PID、NETWORK_ID、TS_ID、FORMAT_ID、SERVICE_TYPE、PCR_PIDの値が無効となる。
【0062】
または、全体のフラグ(ESOB_TYのb12)で示すのでなく、SERVICE_ID、PMT_PID、NETWORK_ID、TS_ID、FORMAT_ID、SERVICE_TYPE、PCR_PIDのそれぞれの値に無効値(0xff)を設定し、無効の場合はその値を設定する事も考えられる。ただし、TYPE_BでもPSI, SIの値が有効の場合も有り得る。
【0063】
ESOBI_GIに含まれるESOB_REC_MODEは、ストリームのTYPEを示しており、00hでType Aのrecording mode、01hでType Bのrecording modeを示している。TYPE Aはストリームの構造が解析可能なストリームであり、管理情報がPTMベースで管理されている。一方、TYPE Bはストリームの構造が解析できず、そのため管理情報がPATSベースで管理されている。そのため、TMAPもType AはPTMベース、Type BはPATSベースとなっている。また、ESOB_TYは、仮消去かどうかを示す:TE flagと、前記PSI, SIより作成したデータの有効/無効を示すFlagを含んで構成されている。
【0064】
ここで、ESOB_ES_NsとESOB_V_ES_Nsと、ESOB_A_Es_NsとES_TMAP_Nsの関係は、以下の式で表すことができる:
ESOB_ES_Ns≧ESOB_V_ES_Ns+ESOB_A_Es_Ns
ESOB_V_ES_Ns+ESOB_A_Es_Ns≧ES_TMAP_Ns
図16は、ESOB_ESIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。図16に示すように、ESOB_ESIは3種類に分けられる(図17のESOB_V_ESIと、図18のESOB_A_ESIと、図19のESOB_OTHER_ESI)。これら3種のESIにおいて、ESOB_ES_PID(ESのPID)と、STREAM_TYPE(PMT内で示されるSTREAM type)と、STREAM_CONTENT(コンポーネント記述子で示されるSTREAM_CONTENTの値)と、COMPONENT_TYPE(コンポーネント記述子で示されるCOMPONENT_TYPEの値)と、Es_Index(例:ARIBの場合、コンポーネント記述子で示されるCOMPONENT_TAGの値で、該ESOB内でESに一義に付けるインデックス番号)が共通で、V_ESIではさらに、V_ATRが追加されている。
【0065】
図17は、ESOB_V_ESIがどのように構成されるかの一例と、このESOB_V_ESIに含まれるビデオ属性V_ATTRがどのように構成されるかの一例を説明する図である。V_ATRには、Video圧縮モード(圧縮方式の種類:1=MPEG1, 2=MPEG2, 3=MPEG4_AVC, 4=VC-1…)、Aspect Ratio(0=4:3, 1=16:9)、Source resolution(0=352*240(288), 1=352*480(576), 2=480*480(576), 3=544*480(576), 4=704×480(576), 5=720*480(576), 8=1280*720, 9=960*1080, 10=1280*1080, 11=1440*1080, 12=1920*1080, 16=640*480(576), 17=unspecified(Horizontal)*240(288)(Vertical), 18=unspecified(Horizontal)*480(576)(Vertical), 19=unspecified(Horizontal)*720(Vertical), 20=unspecified(Horizontal)*1080(Vertical), 1fh=unspecified)、Source picture progressive mode(0=Interlace, 1=Progressive, 3=unspecified)、フレームレート(1=24/1.001, 2=24, 3=25, 4=30/1.001, 5=30, 6=50, 7=60/1.001, 8=60, 0xf=unspecified)等が記載されている。
【0066】
ここで、unspecifiedは、PSI, SIの解析だけでは分からないときにオブジェクト内を調べられない場合に「不明」と言う事で記載する際に設定する。ARIBにおいて、ディスクリプタの解析のみでは、特に垂直解像度だけが判明し、水平解像度が不明の場合があるため、垂直解像度のみ記載する事が可能となっている。
【0067】
図18は、ESOB_A_ESIがどのように構成されるかの一例と、このESOB_A_ESIに含まれるオーディオ属性AUDIO_ATTRがどのように構成されるかの一例を説明する図である。A_ESIは、AUDIO_ATR(AUDIOの属性値)をさらに含んで構成されている。このAUDIO_ATRは、オーディオ圧縮モード(0=AC-3, 2=MPEG1 or MPEG2 without extension bitstream, 3=MPEG2 with extention bitstream, 4=L-PCM, 0x30=MPEG2 AAC, 0x3f=unspecified)、Sampling周波数(0=48kHz, 1=96kHz, 2=192kHz, 4=12kHz, 5=24kHz, 8=32kHz, 9=44.1kHz, 0xf=Unspecified)、オーディオチャネル数(0=1h(Mono), 1=2ch(Stereo), 2=3ch, 3=4ch, 4=5ch, 5=6ch, 6=7ch, 7=8ch, 9=2h(Dual Mono), 0xf=unspecified)等で構成されている。これらの値は、音声コンポーネント記述子の値より設定される。
【0068】
図19は、ESOB_OTHER_ESIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOB_OTHER_ESIは、図17のESOB_V_ESIあるいは図18のESOB_A_ESIと同様に、ES_TY、ES_PID、STREAM_TYPE、COMPONENT_TAGを含んで構成されている。なお、ESOB_OTHER_ESIは、その他にリザーブエリアを持っていてもよく、このリザーブエリアに種々の情報(データ符号化識別子、この識別子の付加情報、コピー制御情報など)を適宜記載することも可能である。
【0069】
図20は、ESOB_DCNIの具体例を説明する図である。このESOB_DCNI(Discontinue Information)は、DCNI_GIとCNT_SEGI#1〜#nで構成され、DCNI_GIはCNT_SEGIの数情報(CNT_SEGI_Ns)で構成され、各CNT_SEGIはCNT_SEG_SZ(CNT_SEGのサイズ:Packet Group数)およびCNT_SEG_PKT_POS(Packet Group内でのCNT_SEGの先頭のPacket数)で構成されている。これらの情報から、記録/再生装置のシステムタイムカウンタSTCのカウント動作が1周した(Wrap-aroundした)か否かを示すことができる。これにより、例えば時間情報PTMにESOB先頭からのCNT_SEG数を入れ、事前にSTCのWrap-aroundが発生している事を確認し、TMAPの計算などに使用することができる(このPTMの構成については図36または図86参照)。
【0070】
図21は、ESOB_GPIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOBにおいては、マルチビュー放送や降雨対応放送、さらに複数番組同時録画対応として、ESOB_ES_GPIがある。そのGPI(Group Information)は、ESOB_GPI_GI、1以上のGPI_SRP、および1以上のGPIなどを含んで構成される。
【0071】
図22は、ESOB_GPI_GI、GPI_SRP#、およびGPI#がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOB_GPI_GIには、GPI_TY(0=レコーダ内で作成、1=放送時に定義)と、GPI_SRP_Ns(ES_GPI_SRPの数)が入り、GPI_SRPは、GPI_SA(GPIのスタートアドレス)で構成され、各GPIは、GPI_GI、各ES_PIDで構成され、GPI_GIはPIORITY(優先度:指定しない場合は全て0で、1が最優先)と、ES_PID_Ns(該グループのESの数)で構成されている。ただし、ビデオPIDがある場合、同じGPには属さない。
【0072】
図23は、ESOB_CONNIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。このESOB_CONNI(ESOB Connect Information)には、該当ESOBが先行するESOBから連続して記録されたか否かを示す連続記録フラグ(ESOB_CONN_SS)が記述される。すなわち、ESOB_CONNIは連続した1ESOB前のESOBとの間のシームレス情報と捕らえることができ、そこに含まれるESOB_CONN_SSが“1”であれば1つ前のESOBと連続で記録されたことが示され、それが“0”であれば1つ前のESOBと連続していないことが示される。
【0073】
図24は、ESOB_TMAP(タイプA)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOB_TMAPは、ESOB_TMAP_GIと1以上のES_TMAP_GIで構成される。ここで、ESOB_TMAP_GIはSTMAPファイル内のSTMAPI_SRPに1対1で対応し、STMAP_SRPはSTMAPIと1対1で対応している。
【0074】
ESOB_TMAP_GIはADR_OFS(ファイル先頭からのESOB先頭までのPacket Group番号(又はLBアドレス))と、PTMベースの場合、ESOBU_PB_TM_RNG(ESOBUの再生時間の範囲:1=2s以下、2=3s以下、3=1s以下)と、ESOB_S_PKT_POS(ESOBの先頭のPacket group内での始まり:0≦ESOB_S_PKT_POS≦169)と、ESOB_E_PKT_POS(ESOBの先頭のPacket group内での終わり:0≦ESOB_E_PKT_POS≦169)と、ESOB_SZ(ESOBのサイズ)とES_TMAP_GI_Ns(該ESOBに所属するES_TMAPの数)で構成され、ES_TMAP_GIは、ESIN(該TMAPの対象ESのESIの番号)、ADR_OFS(ESOBファイル先頭から該ESの先頭までの論理アドレス)、ES_S_PTM(スタートPTM)、ES_E_PTM(エンドPTM)、ES_ESOBU_ENT_Ns(ESOBU_ENTの数)、LAST_ESOBU_E_PKT_POS(最後のESOBUのPacket Group内での位置)、STMAP_N(該ESに属するSTMAPIT内のTMAPの番号:各STMAPTに順番に記録されている場合はこの番号は無くても良い)で構成される。
【0075】
ここで、ESOBU_PB_TM_RNG(図9のEVOBU_PB_TM_RNGも同様)を設定する事により、録画時間が増えても、TMAPI情報が極端に大きくなることが防ぐことが可能となる。ただし、各ENTRYの時間間隔が広がる為、2倍速再生等がスムーズにできない可能性が増える。
【0076】
なお、ESOB_TMAP_GI(図24)はSTMAPファイル内のSTMAP_GI(図26)に1対1で対応し、ESOB_TMAPに属するES_TMAP_GI(図24)はETMAPI(図26)に対応する。つまり、ES_TMAP_GIの数(ESOB_TMAP_GI内のES_TMAP_GI_Ns:図24)はETMAPI_SRP(もしくはETMAPI)の数(STMAPI_GI内のETMAPI_SRP_Ns:図29)と値が一致する。
【0077】
そのため、ESOB内の再生するVideo ESのPIDからTMAPを取り出す(調べる)場合は、ESOB_TMAPI内のESTMAP_GIより再生するVideo ESのPIDに対応したESI番号をもつESTMAP_GIを調べて、そのESOB内での番号(順番)を覚える。そして、ESOB_TMAP_GIに対応したSTMAPI_GI内の前記ESOB内での順番でETMAPI_SRPを決め、そのSRP情報より、ETMAPIを特定する。ただし、STMAP_GIにどのETMAP_SRPが所属しているかは、STMAPI_GI内の数でETMAPI_SRPの数を先頭から加算していったものである。)
図25は、ESOB_TMAP(タイプB)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。図25(または後述する図30)は、PATSベースの実際のTMAPの構造例である。図25において、ESOB_ADR_OFSはファイル先頭からESOBの先頭までの論理ブロック数(LBN)を示す。
【0078】
ESOB_SZはAT_SOBの先頭が属するPacket groupよりAT_SOBにPacket groupの最後が属するPacket groupまでのPacket group数であり、ESOBU1_SZはESOBUの先頭のPacket groupからESOBU最後のPacket groupまでの数となり、各ESOBU_S_PKT_POSはESOBUの切れ目とPacket groupの切れ目の差をPacket数で表している。
【0079】
時間情報は、PATSベースのため、ESOBの開始時間としてESOB_S_PATS、終了時間をESOB_E_PATSとし、PATSで表している。ただし、ESOB_E_PATSに関しては、最後のPacket groupの最後のPacketのPATS(到着開始時間)であり、最終受信終了時間では無い。編集はESOBU毎に行い、再生開始時間(CELLIのCELL_S_PATS)を指定する。ESOBU毎の編集のため、ESOB_S_PATSは必ずESOBUの先頭と一致する。
【0080】
PATSベースの場合、ESOB_TMAP_GIは、ESOB_ADR_OFS(ファイル先頭からのESOB先頭までのPacket Group番号(又はLBアドレス))と、AT_SOBU_TM(ESOBUの到着時間間隔:0=1s, 1=2s)と、ESOB_S_PKT_POS(ESOBの先頭のPacket group内での始まり:0≦ESOB_S_PKT_POS≦169)と、ESOB_E_PKT_POS(ESOBの先頭のPacket group内での終わり:0≦ESOB_E_PKT_POS≦169)と、AT
_SOBU_ENT_Ns(該ESOBに所属するAT_SOBU_ENTの数)と、ESOB_SZ(ESOBのサイズ)で構成され、編集はAT_SOBU単位で行い、PATS開始/終了時間(CELLI)で調整を行う。
【0081】
図26は、DVD_HDVRディレクトリに含まれるHR_VTMAP.IFOおよびHR_STMAPx.IFOがどのように構成されるかの一例を説明する図である。STMAPITは、EX_VTMAPITとは別領域(別ファイル)に記録される。このSTMAPIT(TYPE Aの場合)は、STMAPITIと1以上のSTMAPI_GIと1以上のETMAP_SRPとそれと同数のETMAPIで構成される。一方、STMAPIT(TYPE Bの場合)は、STMAPITIと1以上のSTMAP_SRPとそれと同数のSTMAPIで構成される。
【0082】
通常のDVDレコーダでは、ビデオオブジェクト(VOB)の管理情報としてタイムマップ情報(TMAPI)を持っている。この情報はEVOB/ESOBをEVOBU/ESOBU毎に分けて、その単位で再生、特殊再生等を行えるようにするための情報であるが、最大0.5s毎に1件の情報が必要になる。そのため、将来、ディスクの容量が増えたり、圧縮効率の高い圧縮方式を採用した場合、TMAPIが増え、編集などを行った場合に煩雑になる。また、タイムマップ情報が管理情報(.IFO)内にあると、TMAPIを変更するだけで、関係のない他の領域のデータを移動、書き換える等を行う必要がでてきて、効率が悪い。その状況を改善するためにTMAPIを別領域に記録する(図26参照)ようにして対応している。
【0083】
図27は、EX_VTMAPTI、各EX_VTMAP_SRP#、および各EX_VTMAPIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。EX_VTMAPITはEX_VTMAPITIとEX_VTMAPI_SRPTとEX_VTMAPI #1〜#nで構成される。EX_VTMAPITIは、VMG_ID(VMGIの先頭に在るVMG_IDと同じ値)、EX_VTMAPT_EA(VTMAPのエンドアドレス)、EX_VERN(TMAPのバージョン情報)、EX_VTMAP_LAST_MOD_TM(TMAPTの更新日時情報:HR_MANGR.IFOと同じ値)、EX_VTMAPI_SRPNs(サーチ情報の総数)で構成される。VTMAP_SRPTは1以上のVTMAP_SRP(各VTMAPのサーチ情報)で構成され、さらに、VTMAP_SRPはVTMAP_SA(VTMAPのスタートアドレス)と、VOBU_ENT_Ns(VOEU_ENTの総数)で構成され、VTMAPは、1以上のEVOBU_ENTで構成されている。
【0084】
図28は、各EVOBU_ENTの中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。各EVOBU_ENTは、該当エントリ内で最初の基準画像(リファレンスピクチャ)のサイズ1stREF_SZと、該当EVOBUの再生時間EVOBU_PB_TM(フィールド数で表示できる)と、該当EVOBUのサイズEVOBU_SZとを含んで構成されている。ここで、“基準画像”とは、1圧縮ピクチャだけで1フレーム(もしくはフィールド)の画像を作れる(デコードできる)ピクチャデータを言い、MPEG2を例に採ればI-pictureが基準画像に相当する。
【0085】
図29は、STMAPIT(タイプA)に含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例を説明する図である。また、図30は、STMAPIT(タイプB)に含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例を説明する図である。
【0086】
図29に示すように、PTMベースのタイプAのSTMAPITは、STMAPITの識別情報(STM_ID)、STMAPITのエンドアドレス情報(STMAPIT_EA)、該TMAPのバージョン情報(VERN)、STMAPIの更新日時情報(STMAPI_LAST_MOD_TM:VMGIの値と同じ)、STMAPI_GIの数(STMAPI_GI_Ns)等を含んで構成される。また、STMAPI_GIは所属するETMAPI_SRPの数(ETMAPI_SRP_Ns)を含んで構成され、STMAPに属するETMAPは頭から数順に決められる。ETMAPI_SRPはETMAPIへのスタートアドレス情報(ETMAPI_SA)とESOBU_ENTの数(ESOBU_ENT_Ns)を含んで構成されている。ETMAPIは1以上のESOBU_ENTを含む。なお、ESOBU_ENT間にごみデータが有っても良い。
【0087】
一方、図30に示すように、PATSベースのタイプBのSTMAPITIは、STMAPITの識別情報(STM_ID)、STMAPITのエンドアドレス情報(STMAPIT_EA)、該TMAPのバージョン情報(VERN)、STMAPIの更新日時情報(STMAPI_LAST_MOD_TM:VMGIの値と同じ)、STMAPI_SRP_Ns(TAMP_SRPIの数=TMAPIの数)等を含んで構成される。また、STMAPI_SRPはSTMAPIへのスタートアドレス情報(STMAPI_SA)とAT_SOBU_ENTの数(AT_SOBU_ENT_Ns)を含み、STMAPIは1以上のAT_SOBU_ENTを含んでいる。そして、各AT_SOBU_ENTは、AT_SOBUのサイズ(AT_SOBU_SZ)と、Packet Group内でその先頭から該当AT_SOBUの開始位置までをPacket数で表したAT_SOBU_S_PKT_POSを含んで構成されている。
【0088】
図31は、ESOBU_ENTの中身がどのように構成されるかの一例(タイプAの例)を示す。PTMベースのESOUB_ENTは、エントリー内の最初のリファレンスピクチャ(Iピクチャ等)のサイズ1st_Ref_PIC_SZ(ESOBU先頭からの最終アドレス情報:LB単位)と、ESOBUの再生時間ESOBU_PB_TM(フィールド数)と、ESOBUのサイズESOBU_SZ(該当ESOBUに属するパケットグループの数)と、ESOBU_S_PKT_POS(該当ESOBUの先頭が入っているパケットグループの先頭からのパケット数)を含んで構成される。
【0089】
タイムサーチの場合、ESOBU_PB_TMの累積で目的の時間のESOBUを求め、そのESOBUの先頭からのフィールド数で再生開始PTMを換算する。目標アドレスは、目的のESOBUをK、目的のアドレスをAとすると、
A=ESOB__ADR_OFS+目的のESのES_ADR_OFS+Σk-1N=1 ESOBU_SZ(N)×16+1
となり、さらに、先頭のパケットはESOBU_S_PKT_POSの値のパケットとなり、このアドレスにアクセスすることになる。
【0090】
一方、PATSベースのAT_SOBU_ENT(図30)はPacket単位の場合とPacket group単位の2種類が考えられる。Packet単位の場合、より正確なアドレスが得られるが、AT_SOBU_ENTのデータが増え、Packet group単位の場合はAT_SOBU_ENTのデータは少ないがPacket group単位でしかアドレスを取れない。
【0091】
Packet単位の場合は、AT_SOBU_SZとAT_SOBU_POSで構成される。AT_SOBU_S_PKT_POSはPacket_Group内でのAT_SOBUの先頭の位置をPacket数で示している。
【0092】
Packet group単位の場合は。AT_SOBU_SZで構成され、AT_SOB_S_PKT_POS、AT_SOB_E_PKT_POSは0に固定される。
【0093】
また、ESOB_TMAP_GIには、ADR_OFSとAT_SOB_SZ、AT_SOB_E_PKT_POSがAT_SOB全体の値に関した値として記されている。
【0094】
AT_ADR_E_OFS=AT_SOB_SZ-(AT_ADR_S_OFS+Σk-1N=1 AT_SOBU_SZ(N)+1)
AT_SOB_SZ>AT_ADR_S_OFS、AT_SOB_SZ>AT_SOBU_SZ等の式も成り立つ。
【0095】
図32は、HDVR_VMGに含まれるPGC情報(EX_ORG_PGC情報およびEXプレイリスト情報/EX_UD_PGC情報)が、どのように構成されるかの一例を説明する図である。再生情報はEX_PGC情報で、通常のVRフォーマットと同じく、ORG_EX_PGC情報は録画時に機器が自動で作成し録画順に設定し、UD_EX_PGC情報はユーザが自由に追加する再生順番に従って作成され、プレイリストと呼ばれている。この二つのフォーマットはEX_PGCレベルで共通で、そのEX_PGCフォーマットは図32〜図35に示される。
【0096】
図33は、EX_PGIの具体例を説明する図である。ここで、EX_PG情報(各EX_PGI)には、このEX_PGが更新された日時情報(PG_LAST_MOD_TM)が保存される。これにより、該EX_PGが何時編集されたかがわかる。また、テキスト情報として、番組名用には、プライマリテキスト情報(PRM_TXTI)が使用される。また、その他のテキスト情報を保存するためにアイテムテキスト(IT_TXT)領域にその他の情報(監督名、主演名、…)を保存し、該EX_PGIにはその保存したIT_TXTのサーチポインタ(SRP)番号を設定してリンクさせ、さらに、IT_TXTデータの方にも対応するプログラム(PG)番号(EX_PG番号)を設定している。ここで、EX_PG番号はこのディスクに記録し初めてからの絶対番号で、他のEX_PGを削除しても変わらないインデックス番号としている。
【0097】
さらに、EX_PGには、プレイリストと同様にRSM_MRKIが存在し(PL_SRPに存在する)、各プログラム毎のレジュームマーカー(再生中断時にどこまで再生したかを示すマーカー)を設けており、再生を再開するための情報として、EX_CELL番号、再生開始PTMとそのマーカーを作成した日時情報、再生するビデオストリームのESI番号、再生するオーディオストリームのESI番号、Dual-Monoの場合の主副情報を設定している。これをタイトルレジュームとして使用する。
【0098】
また、さらに、PG_REP_PICTIが存在し、各PG毎の代表画像情報(タイトルメニューなどでサムネールとして表示する画像のマーカー)を設けており、セル番号、開始PTMとそのマーカーを作成した日時情報、再生するビデオストリームのESI番号を設定している。
【0099】
また、メーカー特有の機能を実現させるために設けられた製造業者情報(図4等のEX_MNFIT内に格納されるMNFIまたはMNI)を利用するため、図33のEX_PGIにMNFIのサーチポインタ番号(図示せず)を設定し、さらにMNFI情報でもEX_PG番号を設定することもできる。これにより、図33のEX_PGCI/EX_PGIと図示しないMNFI情報内のデータとのリンクを図ることができる。
【0100】
さらに、MNFI、IT_TXTの両方にPGの更新日時情報(図33のPGI内で末尾のプログラム更新日情報)を設定しておけば、メニュー表示時にその時刻(設定された更新日時と現在時刻)の一致をチェックする事により、他社メーカーの装置による編集かどうかを検証できる。
【0101】
図34は、EX_CIの具体例を説明する図である。EX_CELL情報(EX_CI)では、セルタイプにESOB、AT_SOBの種別が加わっており、ESOB番号、開始時間、終了時間、再生するパケットグループ番号(GP番号)などを指定できる。ここで、開始時間、終了時間は、再生時間(PTMベースの場合)またはPATS時間(PATSベースの場合)のどちらかで表すことができる。
【0102】
ここで、時間指定を再生時間=再生時の実時間にすると、送られてくるビットストリームをそのまま記録するストリームレコーディングでありながら、既存のDVDビデオレコーダ(DVD−VR)と同じアクセス方法が可能となる。すると、ユーザが再生時間で記録場所を指定できるため、ユーザ希望が完全に反映されることになる。ただし、この方法は、ストリームの内容が十分に解析可能な場合に採用できる方法であり、記録されたストリームの内容が十分にわからない場合には、ストリームパケット(デジタル放送録画ではMPEG−TSパケット)の転送時間単位で指定せざるを得ない。
【0103】
記録されたストリームの内容が十分にわからない状態で記録場所を再生時間で指定した場合、必ずしもIピクチャの先頭から再生を開始できるとは限らない。そこで、再生開始のフレームがIピクチャのフレームで無い場合は、その直前のIピクチャよりデコードを開始し、目的のフレームまでデコードをした所で再生映像の表示を開始する。こうすることで、ユーザには、あたかもユーザが時間指定したフレームから再生開始されたように見せることができる。
【0104】
ところで、再生処理時などにおいて参照するIDは、再生するストリームを代表するストリームのPIDを設定する方法と、マルチビューTVなどの場合などで、コンポーネントグループのIDを設定する方法と、ESI番号で指定する方法(例:図34)が考えられる(PIDの設定には、13ビットの実データで記載する方法、PMT内の順番を記載する方法、またはコンポーネントタグの値を記載する方法などがある)。また、参照するGRP番号(GRP_SRP番号)を入れ、切り換える方法も考えられる。
【0105】
なお、EX_PGに特有のID番号(PG_INDEX:図34のEX_PGI#pなど)を付けることで、途中のプログラムやセルを削除しても変わらない番号でEX_PG、EX_CELLを指定できるようにしている。また、EX_CELL情報(EX_CI)には、再生するストリームのファイル番号(ESTR_FI番号)と対応ESOBのESOBI_SRP番号を設定している。さらに、EX_CELL情報には、チャプターに相当するセルエントリポイントの情報C_EPI(Entry Point Information)がある。
【0106】
図35は、C_EPIの具体例を説明する図である。 C_EPIには、各セルタイプ毎に2種類あり、合計6種類となる。M_CELL_EPI_TY_Aは、EPI_TY(EPIのタイプ情報)とEP(エントリポイント)のついているPTMで構成され、M_CELL_EPI_TY_BではさらにPRM_TXTI(テキスト情報)およびREP_PIC_PTM(サムネール用ポインタ)が追加されている。
【0107】
STR_A_CELL_EPI_TY_A(ESOBのTYPE A)は、EPI_TY(EPIのタイプ情報)、EPのついているPTM、対応するPIDとGP番号(PID/GP_N)、そのEPのついているESのESI番号、オーディオESのESI番号、Dual-Monoの場合のその主/副情報で構成される。また、STR_A_CELL_EPI_TY_BはさらにPRM_TXTI(テキスト情報)、REP_PIC_PTM(サムネール用ポインタ)を含んで構成されている(ただしTY_BではPID/GI_Nなし)。
【0108】
STR_B_CELL_EPI_TY_A(ESOBのTYPE B)は、EPI_TY(EPIのタイプ情報)、EPのついているPATSで構成され、STR_B_CELL_EPI_TY_Bはさらに、そのEPがついているESのPID、PRM_TXTI(テキスト情報)、REP_PIC_PATS(サムネール用ポインタ)を含んで構成されている。
【0109】
図36は、ESOB(またはEVOB)のPTM(Presentation Time)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。この時間情報PTMは、連続セグメントCNT_SEGの数(ESOB先頭からのCNT_SEGの数)を示す情報CNT_SEGNと、90kHzベースで粗くカウントするPMT_baseと、27MHzベースで細かくカウントするPMT_extensionを含んで構成されている。PTMによる実際の時間は、PMT_baseにPMT_extensionを足した値で表現される。 ESOBには、このPTM(PMT_base+PMT_extension)をベースに再生管理されるタイプAと、PATS(Packet Arrival Time)をベースに再生管理されるタイプBがある。
【0110】
ESOB先頭からのCNT_SEGの数を示す情報CNT_SEGNは、例えば次のように設定できる。すなわち、タイプAのESOBの場合、CNT_SEGNの値が有効となるが、ESOB以外ではCNT_SEGNに0を設定する。有効となる場合のCNT_SEGNの値は、例えばCNT_SEGN=4で該当ESOB内のCNT_SEGが0個であることを表し、CNT_SEGN=5で該当ESOB内のCNT_SEGが1個であることを表し、CNT_SEGN=6で該当ESOB内のCNT_SEGが2個であることを表し、CNT_SEGN=7で該当ESOB内のCNT_SEGが3個であることを表すことができる。
【0111】
上記はESOBの場合の例であるが、EVOBの場合についてもPTMを同様のデータ構造で構成できる。PMTにESOB先頭からのCNT_SEG数(CNT_SEGN)を入れることにより、STCのWrap-Aroundが発生していることを事前に確認でき、またこのCNT_SEGNをTMAPの計算などに使用することができる。
【0112】
図37は、ストリームオブジェクト用のデータユニット(ESOBU)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。Packet Group Headerは、図37〜図40に示されるように、Packet Groupの先頭にHeadre_ID(0x00000FA5)が設定され、続いてパケットグループ一般情報PKT_GRP_GI、コピー管理情報CCIまたはCPI(Copy Control InformationまたはContents Protection Information)、および製造業者情報MNI(あるいはMNFI:Manufacturer's information)を含んで構成されている。
【0113】
なお、各PATS162に固有の下位4バイトは各PATSに含まれているが、先頭PATSの上位2バイトはPacket Group Header161内のパケットグループ一般情報(PKT_GRP_GI)内に記述されるFirst_PATS_EXTに含まれるようになっている。これにより、各PATSに6バイトのパケット到着時間を個別に記述するよりもデータ量を削減できる。
【0114】
図38は、PKT_GRP_GIの具体例を説明する図である。PKT_GRP_GIは、Packet種別PKT_GRP_TY(1=MPEG_TS)、PacketGroupのバージョン番号VERSION、Packet Groupのステータス情報PKT_GRP_SS、Packet Group内の有効Packet数Valid_PKT_Ns、先頭のPacketに対するPATSの上位2バイトFIRST_PATS_EXT等で構成されている。
【0115】
さらに、PKT_GRP_SSは、スタッフィングが行われたかどうかを示すビットSTUF(このSTUFビットが設定されている場合、Valid_PKT_Nsが0xAA以外の値を取る事を示している)、およびPATS_SSを含んで構成されている。ここで、 PATS_SSは、PATSの精度を示す値である(例えば、PATS_SSが00のときはPATS, FIRST_PATS_EXTの両方が有効で精度6バイトとなり;PATS_SSが01のときはPATSのみ有効で精度4バイトとなり;PATS_SSが10のときはPATS, FIRST_PATS_EXTの両方が無効で精度無しとなる)。
【0116】
なお、先頭パケットのPATSの拡張バイトFIRST_PATS_EXTは、例えばPacket Groupの先頭にあるPacketの到着時間の上位2バイトで構成され、残り4バイトは各Packetの前に付けられている。これにより、より正確な時間の再生処理が可能となっている。
【0117】
図39は、パケットグループヘッダに含まれるCP_CTL_INFO(コピー制御情報:適宜、CCIまたはCPIと略記)がどのように構成されるかの例を説明する図である。CP_CTL_INFOはPacket Group HeaderのCCI(またはCPI)にあり、各Packet Groupのコピー制御をPacket Group Headerのところで行う。このCCI(またはCPI)の値は、デジタルコピー制御記述子、コンテント利用記述子により設定される。その内容は、例えばCGMS(0=禁止, 1=無制限許可)と、APS(0=APS無し, 1=APSタイプ1付加, 2=APSタイプ2付加, 3=APSタイプ3付加)と、EPN(0=コンテンツ保護(インターネット出力保護), 1=コンテンツ保護無し)と、ICT(0=解像度制限, 1=制限無し)となっている。
【0118】
あるいは、CCI(またはCPI)は、デジタルコピー制御(00=コピー禁止, 01=1回コピー許可, 11=コピー禁止)とアナログコピー制御(00=APS無し, 01=APSタイプ1, 10=APSタイプ2, 11=APSタイプ3)とEPN(0=コンテンツ保護, 1=コンテンツ保護無し)とICT(0:アナログビデオ出力解像度制限, 1=制限無し)で構成されている。ここで、APSとはAnalog Protection SYSTEMのことでこの実施の形態ではマクロビジョン(R)を想定している。
【0119】
また、管理情報側(ESOBI_GI:図14)にコピー制御情報(CCIまたはCPI)をおき全体でコピー管理(著作権管理)すること、もしくはCCI(またはCPI)を管理情報側とオブジェクト側(Packet Group:図37、図39)の両方におき、オブジェクト側(Packet Group)の方を優先として、2段階でコピー管理(著作権管理)する事も考えられる。具体的には、タイトルメニューではESOBI_GIのCCIを利用し、実際の機器動作ではPacket Groupの方を優先して処理を行なうことができる。
【0120】
図40は、製造業者情報(MNIあるいはMNFI)の具体例を説明する図である。 MNIあるいはMNFIは、MNF_IDとMNF_DATAで構成されている。NMF_IDは各製造業者(メーカー)を表す値である。その後のMNF_DATAは各メーカー毎に自由に設定可能なデータ領域となっている。
【0121】
すなわち、録画する機器は、メーカーや機種により、DVDフォーマットには記載されていない独自の機能をもち、他社との差別化を行うことが考えられる。その場合、メーカー独自の情報をオブジェクトデータに埋め込む必要がある場合がある。そこで、この実施の形態ではそれに対応するために、Packet Group Headerにその領域としてMNI(Manufacturer’s Information)を設けている。
【0122】
図41は、EVOBUがどのように構成されるかの一例を説明する図である。EVOBUは、次世代の規格であるHD_DVD-VIDEOとHD_DVD-VRの互換性を保つために、次のような構成を採っている。すなわち、EVOBUの先頭におかれるべき制御パックCLT_PACKの構成は、HD_DVD-VDEOの場合(STD:Standard-VTS/ADV:Advanced-VTS)はGCI_PacketとEX_PCI_PacketとEX_DSI_Packetで構成されNVパックと称し、HD_DVD-VRの場合(INT:Interoperable-VTS/VR)は、GCI_PacketとEX_RDI_Packetとdummy_Packetで構成されRDIパックと称している。
【0123】
図42は、図41のEVOBUのGCI(General Control Information)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。全てのストリームで共通に使うGCIの構造は、GCI_CATとDCIとCCI(またはCPI)とRECIで構成される。図42に示すように、GCI_CATには、EVOB_CATが入り、CTLパック種別を示し、該EVOBがHD_DVD-VR streamか、HD_DVD-VIDEO streamかを判定する。
【0124】
DCI_CC_SS(DCI, CCIの存在を示すフラグ)はDCI_SSとCCI_SSで構成される。DCI_SSは、「0=有効なDCIは存在しない、1=有効ないアスペクト情報のみ存在、3=DCI全て存在する」となり、CCI_SSは、「0=有効なCCIは存在しない、1=ソース情報のみ存在、2=APSのみ存在、3=ソース情報とAPSのみ存在、4=CGMSのみ存在、5=CGMSとソース情報のみ存在、6=CGMSとAPSのみ存在、7=全て存在する」と設定される。
【0125】
DCI(Display Control Information)は、Aspect_Ration(0=4:3, 1=16:9, 8=14:9レターボックス(center), 4=14:9レターボックス(top), 13=16:9レターボックス(center), 2=16:9レターボックス(top), 11=>16:9レターボックス(center), 7=14:9フル)と、Subtitling Mode(0=non-open subtitle, 1=subtitles in active image area, 2=subtitles out of active image area), film/camera(0=camera mode:ソースがカメラ, 1=film mode:ソースがfilm)で構成されている。
【0126】
CCI(Copy Control Information)またはCPI(Contents Protection Information)は、CGMS(0=禁止、1=無制限許可)とAPS(0=APS無し、1=APSタイプ1付加、2=APSタイプ2付加、3=APSタイプ3付加)と、-Source(0=アナログプリエンコードメディア)と、-EPN(1=コンテンツ保護(ホームネットワーク出力時保護)、0=コンテンツ保護無し)で構成されている。
【0127】
RECI(録画情報)はInternational Standard Recording Codeで、内容はDVD-VIDEOと同様である。
【0128】
図43はEVOBUのEX_PCIがどのように構成されるかの一例を説明する図であり、図44はEVOBUのEX_DSIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。EX_PCIは、DVD-VIDEOのPCI Packetと同じ内容で構成され、EX_DSIも、DVD-VIDEOのPCI Packetと同じ内容で構成される。
【0129】
すなわち、図43に示すように、EX_PCI内の一般情報(PCI_GI)は、制御パックであるナビゲーションパックの論理ブロック番号(NV_PACK_LBN)と、EVOBUのユーザ操作可否を制御する情報(EVOBU_UOP_CTL)と、EVOBUの再生開始時間(EVOBU_S_PTM)と、EVOBUの再生終了時間(EVOBU_E_PTM)と、EVOBU内でのシーケンスエンドにおける終了時間(EVOBU_SE_E_PTM)と、セル経過時間(C_ELTM)を含んで構成されている。
【0130】
また、EX_PCI内のノンシームレスアングル情報(NSML_AGLI)は、最大9個のノンシームレスアングルセルの飛び先アドレス(NSML_AGL_C#1_DSTA〜NSML_AGL_C#9_DSTA)を含んで構成されている。
【0131】
一方、図44に示すように、EX_DSI内の一般情報(DSI_GI)は、ナビゲーションパックのSCRベース(NV_PCK_SCR)と、ナビゲーションパックの論理ブロック番号(NV_PCK_LBN)と、EVOBUの終了アドレス(EVOBU_EA)と、EVOBU内で最初の基準画像(I-pic等)の終了アドレス(EVOBU_1STREF_EA)と、EVOBU内で2番目の基準画像の終了アドレス(EVOBU_2NDREF_EA)と、EVOBU内で3番目の基準画像の終了アドレス(EVOBU_3RDREF_EA)と、EVOBUのオブジェクトID番号(EVOBU_EVOB_IDN)と、EVOBU_ADP_ID(適合ディスクタイプ:0=DVD Read-Only Discに適用されている;1=DVD-R、DVD-RW Discに適用されている)/C_IDN(DSIの含まれるCELLのID番号)と、EVOBUのセルID番号(EVOBU_C_IDN)と、セル経過時間(C_ELTM)を含んで構成されている。
【0132】
EX_DSI内のシームレス再生情報(SML_PBI)は、シームレスEVOBUのカテゴリ(EVOBU_SML_CAT)と、インターリーブドユニットの終了アドレス(ILVU_EA)と、次のインターリーブドユニットの開始アドレス(NXT_ILVU_SA)と、次のインターリーブドユニットのサイズ(NXT_ILVU_SZ)と、EVOB内でのビデオ開始時間(EVOB_V_S_PTM)と、EVOB内でのビデオ終了時間(EVOB_V_E_PTM)と、EVOB内でのオーディオ停止時間(EVOB_A_STP_PTM)と、EVOB内でのオーディオギャップ長(EVOB_A_GAP_LEN)を含んで構成されている。
【0133】
EX_DSI内のシームレスアングル情報(SML_AGLI)は、最大9個のシームレスアングルセルの飛び先アドレス(SML_AGL_C#1_DSTA〜SML_AGL_C#9_DSTA)を含んで構成されている。
【0134】
EX_DSI内のEVOBUサーチ情報(EVOBU_SRI)は、EX_DSIを含むEVOBUの再生開始時間の前後の開始アドレスを、所定時間単位(例えば0.5秒の整数倍単位)で記述している。具体的には、EX_DSIを含むEVOBUの再生開始時間より前の開始アドレスはFWDIxxで記述され、EX_DSIを含むEVOBUの再生開始時間より後の開始アドレスはBWDIxxで記述される。
【0135】
EX_DSI内の同期情報(SYNCI)は、EX_DSIを含むEVOBUのビデオデータと同期するオーディオおよび副映像のアドレス情報である。具体的には、SYNCIは、最大8個の目標オーディオパックのアドレス(A_SYNCA 0to7)と、最大32個の目標副映像パックのアドレス(SP_SYNCA 0to31)を含んで構成されている。
【0136】
図45は、Interoperable VTS/VR_VOBの場合のEX_RDIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。EX_RDIはRDI_GIとMNFIで構成されている。ここで、RDI_GIには、該EVOBUの先頭のVideo FrameのPTM(EVOBU_S_PTM)と、該EVOBUを録画した時間(EVOBU_RE_TM)が記載されている。また、MNFIは会社コードとデータで構成されている。
【0137】
図46は、この発明の他の実施の形態に係るHD_DVD-VRのファイル構造を説明する図である(インターオペラブルファイルを除き図3に相当)。このファイルDVD_HDディレクトリには、HD_VMGファイル、EVOB_TMAPファイル、ESOB_TMAPファイル、インターオペラブルVTS.IFOファイル、インターオペラブルVTS.XML(あるいはJAVA(登録商標))ファイル、インターオペラブルVTS_TMAP01ファイル、…インターオペラブルVTS_TMAPmファイル、VRオブジェクトファイル、SRオブジェクトファイル、スチルビデオオブジェクトファイル(無くても良い)、オーディオオブジェクトファイル、インターオペラブルVTS IFOバックアップファイル(無くても良い)、インターオペラブルVTS.XMLバックアップファイル、インターオペラブルVTS_TMAP01バックアップファイル、…インターオペラブルVTS_TMAPmバックアップファイル、EVOB_TMAPバックアップファイル、ESOB_TMAPバックアップファイル、HD_VMGバックアップファイル等が格納される。
【0138】
ここで、“インターオペラブルVTS(INT-VTS)”は、HD_DVD-VRのEVOBデータをHD_DVD-VIDEO Playerで再生するためのブリッジとして設けられており、INT-VTSを図46に示すように作成し、HD_DVD-VIDEO Playerとの互換を取る事を可能にしている。この“インターオペラブルVTS(INT-VTS)”はHD_DVD-VIDEOとマッチングが取れるようにHD_DVD-VRの管理情報を変換して作成することができる。
【0139】
図47は、ESOB_SZとESOB_S_PKT_POSとの関係の一例を説明する図である。ESOB_SZとESOB_S_PKT_POSとESOB_E_PKT_POSとPacket group数の関係は、図47に示すようになる。ただし、説明を簡略化するために1Packet groupの大きさを4TSパケットにしている。
【0140】
図47(a)ではESOBは、Packet group#1の途中からスタートし、Packet group#2を通り越し、Packet group#3の途中まで続いている。この場合、ESOB_SZはPacket group#1&2で2となり、Packet group#3はカウントしない。また、ESOB_S_PKT_POSは、ESOBがPacket group#1の3パケット目からスタートしているため、2となり、ESOB_E_PKT_POSは、ESOBがPacket group#3の3パケットまで続いているため、3となる。
【0141】
また、図47(b)ではESOBの先頭がPacket group#1の先頭に一致しているため、ESOB_S_PKT_POS=0となり、図47(c)ではESOBの最後がPacket group#3の最後に一致しているため、ESOB_SZ=3でESOB_E_PKT_POS=0となり、図47(d)ではESOBが1packet無いため、ESOB_SZ=0で、ESOB_S_PKT_POS=1で、ESOB_E_PKT_POS=3となる。
【0142】
この実施の形態では、図48に示すように、ESOBU_Clusterと言う概念が導入されている。ESOBU_Clusterは、通常はESOBUと同じであるが、ESOBU内に基準画像REF-PIC(MPEG2ではIピクチャ)が無い場合に、その前のESOBUを含め、次のREF-PICが出現するまでを1つのClusterと定義する。そして、特殊再生(早送り/巻き戻し再生)の場合は、このClusterの単位でデータアクセスを行う事にする。言い換えると、REF-PICを持っているESOBU (1ST_REF_SZが0で無いESOBU:ENTRY_ESOBU)が必ずClusterの先頭となり、REF-PICを持っていないESOBU(1ST_REF_SZが0:NON-ENTRY_ESOBU)が続くことになる。
【0143】
ここで、REF-PICは、従来のMPEG2圧縮方式の場合のI-PICに相当し、このPictureだけで1枚のフレーム(フィールド)となる様なPictureのことである。この発明の実施の形態では、複数の画像圧縮方式(MPEG4-AVC、VC-1等)に対応するため、MPEG2以外のエンコードが行われたストリームでも、I-PICに相当するPictureを定義する必要があるので、I-PICの代わりにより上位概念の用語としてREF-PICを用いている。
【0144】
図49は、AT_SOBUとパケットとの関係の一例を説明する図である。図49に例示されるように、一定の時間内(AT_SOBU_TMの値:図49の例では1秒)に送信されて来るPacketをATS_SOBUとして保存する。
【0145】
図50は、ESOBU_SZとESOBU_S_PKT_POSとES_LAST_SOBU_E_PKT_POSと関係の一例を説明する図である。ESOBU_SZとESOBU_S_POSとES_LAST_ESOBU_E_PKT_POSとPacket group数の関係は、図50に示すようになる。Video_ES#1(少なくとも1Video-ESには、ESTMAPが存在する)では、ESOBU#1のESOBU_SZはESOBU#1の先頭が属しているPACKET_GROUPから3PACKET_GROUPまでであるので、ESOB_SZ#1=3となり、ESOBU_S_PKT_POSはPacket_GROUPの先頭からESOBU#1の先頭までのPacket数の値となり、同じようにESOBU#2_SZ=1となり、ES_LAST_ESOBU_E_PKT_POSは最後のESOBUであるESOBU#2の最後のPacketの属しているPACKET_GROUPの先頭からESOBU#2の最後までのPacket数が設定される。また、先頭のES_ADR_OFSはESOBの先頭から各ESの先頭のESOBUまでの差分値であり、図50では、その差は1Packet_Groupとなっている。
【0146】
図51は、AT_SOBU_SZとAT_SOBU_S_PKT_POSと関係の一例を説明する図である。AT_SOBUのAT_SOBU_SZとAT_SOBU_S_PKTの関係は51に示すように、AT_SOBU#1のAT_SOBU_SZはAT_SOBU#1の先頭が属しているPACKET_GROUPから3PACKET_GROUPまでであるので、AT_SOB_SZ#1=3となり、AT_SOBU_S_PKT_POSはPacket_GROUPの先頭からESOBU#1の先頭までのPacket数の値となる。
【0147】
図52は、TS PacketとPacket Groupとの関係の一例を説明する図である。Packet_GroupとTs_Packetの関係は、図52に示すようになっている。すなわち、Packet_Groupがディスクに記録する場合の単位であるため、TS_Packetに送信時間であるPATSを付け、Packet_Groupにつめて記録され、再生時には、Packet_Gruop毎に読み出され、PATSの時間に従って、再生される。これにより、受信時の時間間隔を守って再生することが可能になる。
【0148】
図53は、この発明の一実施の形態に係るデータ構造を利用して、情報記録媒体(光ディスク、ハードディスク等)にAV情報(デジタルTV放送プログラム等)を記録し再生する装置の一例を説明するブロック図である。この録再装置は、図53に示すように、MPU部、表示部、デコーダ部、エンコーダ部、TVチューナ部、STC部(System Time Counter)、D−PRO部、一時記憶部、ディスクドライブ部、キー入力部、Vミキシング部、フレームメモリ部、TV用D/A部と、地上波デジタルチューナ部と、1394I/F部、イーサネット(登録商標)I/F部、リモコン受信部と、さらに、STB部(BSデジタルチューナ等)、緊急放送検出部、HDD部により構成されている。この構成では、録再DVDレコーダにストリーマの機能を追加する形で構成している。
【0149】
エンコーダ部内には、A/D部、ビデオエンコード部、オーディオエンコード部、SPエンコード部、フォーマット部、バッファメモリ部より構成され、デコード部は、分離部、ビデオデコード部、SPデコード部、オーディオデコード部、TSパケット転送部、V−PRO部、オーディオ用D/A部より構成されている。さらに、STB部には、デジタル放送を受信するためのアンテナが付いている。なお、STC部は27MHzベースでカウントするように構成されている。
【0150】
記録時の信号の流れは、STB部(または地上波デジタルチューナ)で受け取ったTSパケットデータは、フォーマッタ部で、パケットグループ化され一時保存部へ保存し、一定量たまった時点でディスクに記録される。また、このフォーマッタ部90には、PATS用の内部カウンタ90aが接続されている。TSパケットの到着時間はPATS用のカウンタ90aでカウントし、そのカウント値を各TSパケットの先頭に付けて、バッファリングされる。このカウンタ90aはPCR(またはSCR)によりカウント間隔の微調整は行い同期化するが、STC102のようにPCR(またはSCR)の値をロードする事は無い。
【0151】
この時の動作は、TSパケットを受信すると170パケットづつグルーピング化し、パケットグループヘッダを作成する。
【0152】
その場合、Packet Groupの先頭のPacketのPATSの上位2バイトのみ(First_Pats_Ext)ヘッダに入れ、それ以外のPATSは下位4バイトのみがTSパケットとともに(TSパケットの前:PATSに)保存される。また、地上波チューナやライン入力から入力されたアナログ信号は、A/D部でデジタル変換される。そのデジタル信号は、各エンコーダ部へ入力される。ビデオ信号はビデオエンコード部へ、オーディオ信号はオーディオエンコード部へ、文字放送などの文字データはSPエンコード部へ入力され、ビデオ信号はMPEG圧縮され、オーディオ信号はAC3圧縮またはMPEGオーディオ圧縮がなされ、文字データはランレングス圧縮される。
【0153】
各エンコーダ部(VR用)から、圧縮データがパック化された場合に2048バイトになるようにパケット化されて、フォーマッタ部へ入力される。フォーマッタ部では、各パケットがパック化され、さらに、プログラムストリームとして、多重化され、D−PRO部へ送られる。
【0154】
D−PRO部では、16Logical Bock毎にECCブロックを形成し、エラー訂正データを付け、ドライブ部によりディスクに記録される。ここで、ドライブ部がシーク中やトラックジャンプなどの場合のため、ビジィー状態の場合には、HDDバッファ部へ入れられ、DVD-RAMドライブ部の準備ができるまで待つこととなる。さらに、フォーマッタ部では、録画中、各切り分け情報を作成し、定期的にMPU部へ送る(GOP先頭割り込みなど)。切り分け情報としては、EVOBU(ESOBU)のパック数、EVOBU(ESOBU)先頭からのRef_ピクチャ(Iピクチャ)のエンドアドレス、EVOBU(ESOBU)の再生時間などである。
【0155】
また、再生時の信号の流れは、ディスクからドライブ部よりデータを読み出し、D−PRO部でエラー訂正を行い、デコード部へ入力される。MPU部は入力されるデータがVRデータか、SRデータかの種別を判定し(Cell TYPEより判定する)、デコーダ部に再生前にその種別を設定する。SRデータの場合、MPU部は再生するESI番号により、再生するPIDを決め、PMTより、再生する各アイテム(ビデオ、オーディオ等)のPIDを決め、デコーダ部へ設定する。デコーダ部は、そのPIDを元に、分離部で各TSパケットを各デコード部へ送る。さらに、TSパケット転送部へおくり、到着時間にしたがって、STB部(IEEE1394I/F部)へTSパケットの形で送信する。各デコード部は、デコードを行い、D/A部でアナログ信号に変換し、TVで表示する。VRデータの場合、分離部は、固定のIDに従い、各デコード部へ送る。各デコード部は、デコードを行い、D/A部でアナログ信号に変換し、TVで表示する。
【0156】
なお、再生時は、ディスクから読み出したパックデータを分離部で解析し、TSパケットが入っているパックの場合には、TSパケット転送部へ送り、さらに、その後、各デコーダへ送って、再生を行う。STBへ転送する場合(あるいはデジタルTV等の外部機器へ送信する場合)は、TSパケット転送部は、そのデータを到着時と同じ時間間隔で、TSパケットのみを転送する(図52参照)。STB部は、デコードを行い、AV信号を発生させ、そのAV信号をストリーマ内ビデオエンコーダ部を通して、TVへ表示する。
【0157】
図53の装置で用いる媒体100(100a)の特徴を簡単に纏めると、次のようになる。すなわち、この媒体は、管理領域130とデータ領域131で構成され、データ領域にはデータが複数のオブジェクトデータ(ESOB)に分かれて記録され、それぞれのオブジェクトデータはデータユニット(ESOBU)の集まりで構成される。そして、1つのデータユニット(ESOBU)は、MPEG−TSに準じたデジタル放送信号をTSパケット毎に複数パケットでパケットグループ化したパケットグループにより構成される(図1、図37参照)。一方、前記管理領域130は再生手順を管理する情報としてEX_PGC情報(EX_PGCI)を持ち、このEX_PGC情報はEX_CELL情報(EX_CI)を含んで構成される。さらに、管理領域130内にオブジェクトデータ(ESOB)を管理する情報を持つ。
【0158】
図53の装置は、上記のようなデータ構造を持つ媒体100(100a)に対して、ビデオレコーディングの他にストリームレコーディングを行うことができる。その際、TSパケットのストリーム内からプログラムマップテーブルPMTやサービス情報SIを取り出すために、MPU部80はサービス情報取り出し部(図示せず;管理データ作成部80Bの一部を構成するファームウエア)を持つように構成される。またこのサービス情報取り出し部で取り出した情報を元に、属性情報(PCRのパック番号あるいはPCRのLB数番号など)を作成する属性情報作成部(図示せず;管理データ作成部80Bの一部を構成するファームウエア)を持つように構成される。
【0159】
図54は、レコーダのシステムモデルの一例を説明する図である。このシステムモデルは、MPEG−PSによる記録再生系(VR系)と、MPEG−TSによる記録再生系(SR系)の2系統を含む。そして、SR系についてはタイプA(PTMベース)のストリームレコーディングとタイプB(PATSベース)のストリームレコーディングの2種類に対応している。
【0160】
図55は、図53の装置の全体の動作の一例を説明するフローチャート図(全体動作処理フロー)である。ここでのデータ処理は、録画処理、再生処理、データ転送処理(STBへのデジタル出力処理など)、番組設定処理、編集処理の5通りとなる。例えば図53の装置の電源がオンされると、MPU部80は、(工場出荷時またはユーザが設定した後の)初期設定を行い(ステップST10)、表示設定を行って(ステップST12)、ユーザ操作を待つ。ユーザがキー入力部103またはリモコン103aからキー入力を行うと(ステップST14)、MPU部80はそのキー入力の内容を解釈する(ステップST16)。この入力キー解釈の結果に応じて、以下の4つのデータ処理が、適宜実行される。
【0161】
すなわち、キー入力が例えばタイマ予約録画設定のキー操作であれば、番組設定処理に入る(ステップST20)。キー入力が録画開始のキー操作であれば、録画処理に入る(ステップST22)。キー入力が再生開始のキー操作であれば、再生処理に入る(ステップST24)。キー入力がSTBへデジタル出力させるキー操作であれば、デジタル出力処理に入る(ステップST26)。編集処理のキー操作であれば、編集処理に入る(ステップST28)。
【0162】
ステップST20〜ST28の処理は、そのタスク毎に適宜並列処理される。例えば、再生処理中(ステップST24)にSTBへデジタル出力する処理(ステップST26)が並列に実行される。あるいは、タイマ予約録画でない録画処理中(ステップST22)に新たな番組設定処理(ステップST20)を並列に処理するように構成することができる。あるいは、高速アクセス可能なディスク記録の特徴を生かし、録画処理(ステップST22)中に再生処理(ステップST24)とデジタル出力処理(ステップST26)を並列処理するように構成することもできる。HDDへの録画中にディスクの編集処理(ステップST28)を行うように構成することも可能である。
【0163】
図56は、編集処理(ステップST28)の一例を説明するフローチャート図(編集動作処理フロー)である。編集処理に入ると、編集内容に応じて、4つの処理(A〜Dのいずれか)に入ることができる(ステップST280)。エントリポイント編集処理(ステップST282A)、コピー/移動処理(ステップST282B)、削除処理(ステップST282C)、あるいはプレイリスト作成処理(ステップST282D)が済むと、この編集によるプログラム更新の日時が、各管理情報(EX_PGI、EX_IT_TXT、EX_MNFI)に設定される(ステップST284)。
【0164】
なお、プログラム情報EX_PGI、セル情報EX_CI、あるいはEVOB、ESOBのどれかが変更されたときに、このプログラム更新日時の設定を行うようにしてもよい。ここで、EVOBIおよび/またはESOBIが変更された場合は、EVOBIおよび/またはESOBIの編集時間(EDIT_TIME)をESOB_EDIT_TIME等(図示せず)に設定できる。もしくは、このプログラム更新日時の設定を行うようにしてもよい。
【0165】
ついでながら、ステップST284の処理において、ステップST282A〜ST282Dの何れかの操作を行った機器のメーカーIDを、編集者ID(LAST_MNF_ID)に設定してもよい。この編集者IDは、PGI、CI、SOB(またはVOB)のどれかが変更されると、その都度、その時に用いた機器のID情報により、設定(または更新)できる。
【0166】
図57および図58は、図53の装置の録画動作の一例を説明するフローチャート図である。ストリーム録画時のデータ処理は、以下のようになる:
d1)まず、番組設定処理でEPG(Electronic Program Guide)を使用して録画する番組を決めておき、受信を開始し、その決めた番組の録画を行う;
d2)MPU部80は、キー入力部103より録画命令受けると、ドライブ部51を介してディスク100(またはHDD部100a)から管理データを読み込み、書き込む領域を決定する。このとき、ファイルシステムをチェックし、録画可能かどうかを判断し、録画可能でない場合はその旨をユーザに示して、処理を中止する。録画可能の場合は、録画前処理を行う(図57のステップST105)。これにより、MPU部80は、記録する位置を決定し、管理情報(HDVR_MG等)を作成して、各管理領域に必要な情報の書き込みを行なう。その際、録画対象がデジタル放送でない(例えばアナログビデオ入力またはアナログTV放送)ときは(ステップST106ノー)、録画フォーマットとしてはストリームレコーディング(SR)でなくビデオレコーディング(VR)が採用できる。この場合はVR録画処理へ移行する。
【0167】
d3)録画対象がデジタル放送の場合は(ステップST106イエス)、MPU部80は録画対象のストリームが解析可能か否かチェックする。MPU部80は、解析可能な場合は(ステップST107イエス)PTMベースのタイプAストリームとして管理情報が作成されるような設定を行ない(ステップST109A)、解析不能な場合は(ステップST107ノー)PATSベースのタイプBストリームとして管理情報が作成されるような設定を行なう(ステップST109B)。しかる後、ストリームデータ(ビデオデータ)の書き込みスタートアドレスをドライブ部51に設定し、データを記録する準備を行う(ステップST112);
d4)この準備段階で、STC部102に対してカウント時間のリセットを行う。ここで、STC部102はシステムのタイマーであり、このSTCの値を基準に録画および/または再生が行われる。
【0168】
d5)録画する番組のPATを読み込み、目的の番組のPMTを取り込むためのPIDを決定し、目的のPMTを読み込み、デコードすべき(録画すべき)各データ(ビデオ、オーディオ)のPIDを決定する。このとき、MPU部80のワークRAM部80AにPATおよびPMTを保存し、かつこれら(PAT、PMT)を管理情報(HDVR_MG)に書き込む。その際、ファイルシステム(図3または図46参照)に、VMGファイルのデータを書き込み、VMGI(図4ではHDVR_MGI)に必要な情報を書き込む;
d6)各部へ録画設定を行う(ステップST114)。このとき、フォーマッタ部90へ、各データの切り分けの設定や、TSパケットの受け取り設定を行う。また、このとき、記録すべきデータのPIDを設定し、目的のビデオストリームのみ記録するようにする。また、バッファ91へTSパケットの保持を開始するように設定する(ステップST116)。すると、フォーマッタ部90は次のように動作を開始する。
【0169】
d7)PMTよりESOB_ESIを作成する(図58のステップST120);
d8)続いて録画対象のTSパケットのストリームをバッファ91に取り込む(ステップST130)。バッファ91内のデータが一定量たまった場合は(ステップST140イエス)、D−PRO部52を通してECC処理を行い、ECC処理されたデータをディスク100(および/または100a)に記録する(ステップST142);
d9)録画中、定期的に(フォーマッタ部90のバッファRAM91が一杯になる前に)、切り分け情報をMPU部80のワークRAM80Aに保存する(ステップST144イエス;ステップST146)。ここでの切り分け情報は、ESOBUの切り分け情報で、ESOBUの先頭のアドレス、ESOBUのパック長、I-Pic(基準画像)の終了アドレス、ESOBUの到着時間(ATS)等である。
【0170】
d10)切り分け情報をワークRAM80Aに保存(ステップST146)したあと、あるいは切り分け情報を保存するタイミングでないときは(ステップST144ノー)、MPU部80はESOBを切るかどうかを判断し、切る場合(ステップST147イエス)はESOB切り処理(図59)を実行する。
【0171】
d11)録画終了かどうか(録画終了キーが入力されたかどうか、またはディスク(100/100a)の残り容量が無くなったかどうか)をチェックし、終了時には(ステップST148イエス)、フォーマッタ部90より残りの切り分け情報を取り込み、ワークRAM80Aへ追加し、それらのデータを管理データ(VMGIまたはHDVR_MGI)に記録し、録画時の平均の録画レートを記録し、さらに、ファイルシステムに残りの情報を記録する(ステップST150);
d12)終了で無い場合は(ステップST148ノー)、d8)に移行し、データの取り込み及び再生を続けて行うようにする。
【0172】
ここで、録画中のストリームデータの内容をTV等に表示するために、録画対象のストリームデータをD−PRO部52へ転送すると同時にデコーダ部59へも送り、同時録画モニタを行なうように構成してもよい。この場合、MPU部80はデコーダ部59へ再生時の設定を行い、その後はデコーダ部59が自動的に再生処理を行う。D−PRO部52は、録画対象のストリームデータを16パック毎にまとめてECCグループとし、ECCをつけてドライブ部51(および/またはHDD100a)へ送る。ただし、ドライブ部51がディスク100への記録準備が出来ていない場合には、一時記憶部53へ転送し、データを記録する準備が出来るまで待ち、用意が出来た段階でディスク100への記録を開始する。ここで、一時記憶部53は高速アクセスで数分以上の記録データを保持するため、大容量メモリが想定される。なお、MPU部80は、ディスク100のファイル管理領域などを読み書きするために、D−PRO部52へマイコンバスを通して直結されている。
【0173】
記録時の信号の流れを簡単に整理すると、次のようになる。すなわち、STB83(または地上波デジタルチューナ89)で受信されたMPEG−TSパケットのデータは、フォーマッタ部90でパケットグループ化されてバッファ91へ保存され、このバッファ91にデータが一定量たまった時点(1またはその整数倍のCDA分がたまった段階で)で、ディスク(100および/または100a)に記録される。
【0174】
図59は、ESOB切り処理(ステップST160)の一例を説明するフローチャート図(ESOB切り処理フロー)である。ESOB切り処理の一例を以下に説明する:
e1)連続して記録するかどうかをチェックし、連続して記録しない場合は(ステップST1600ノー)この処理を終了する;
e2)連続して記録する場合は(ステップST1600イエス)、次のESOBのESOBI内のESOB_CONN_SS(図23)に1をセット(ステップST1601)する;
e3)該ESOBのESTR_FIを設定し(ステップST1618)、この処理を終了する。
【0175】
図60は、バッファ取り込み処理(ステップST130)の一例(PATSを6バイト管理する場合のバッファ取り込み処理)を説明するフローチャート図である。記録時は、STB部(または地上波デジタルチューナ)で受け取ったTSパケットデータは、フォーマッタ部でパケットグループ化され、ワークRAMへ保存され、一定量たまった時点(1またはその整数倍のCDA分がたまった段階で)でディスクに記録される。この時の動作は、TSパケットを受信すると170パケットづつグルーピング化し、パケットグループヘッダを作成する。具体的には以下のようになる。
【0176】
f1)TSパケットを受信する(ステップST1300);
f2)STCが1周(Wrap-around)したか否かをチェックし、1周した場合(ステップST1301イエス)は、その1周した時点でのTSパケットの位置情報より、CNT_SEGを作成する。これにより、STC部102のタイムカウントが1周した時点でのTSパケットの位置情報CNT_SEG_S_PKT_POS(図20参照)が管理情報CNT_SEGIに登録される(ステップST1303)。1周していない(STCは連続カウント中)場合(ステップST1301ノー)、あるいはCNT_SEGIの登録が済むと、次の処理に移る。
【0177】
f3)パケットグループの先頭の場合(ステップST1306イエス)は、Header_ID:0x00000fa5を設定し(ステップST1308A)、先頭でない場合(ステップST1306ノー)はf6)へ移行する;
f4)ステップST1308Aにおいて、TSパケットの到着時間をPATSとして、PATSの下位4バイトをTSパケットの前に配置し、先頭のPATSの上位2バイトをFIRST_PATS_EXTとしてPacket Group Headerに設定する。
【0178】
f5)TSパケットデータエリアに取り込んだTSパケットにおいて、PATSの下位4バイトをTSパケットの前に付け(ステップST1317C)、Packet Groupのデータリアに設定する(ステップST1317D)。
【0179】
f6)パケットグループが終わったかどうか(170個のTSパケットをグルーピングし終えたかどうか)を判定し、終わってない場合(ステップST1322ノー)はf1)へ戻る。パケットグループが終わった場合(ステップST1322イエス)は、PKT_GRP_GI設定処理(ステップST1340)、CCIまたはCPI処理(ステップST1330)、MNFI処理(ステップST1350)を行い、1パケットグループ分のグループデータをバッファRAM91内に一時保存する(ステップST1332)。
【0180】
図61は、パケットグループ一般情報設定処理(ステップST1340)の一例を説明するフローチャート図(PKT_GRP_GI設定処理フロー)である。
【0181】
g1)パケットタイプを調べ、MPEG−TSパケットの場合はPKT_GRP_TYに01を設定し、それ以外の場合は、そのタイプにあった値をPKT_GRP_TYに設定する(ステップST13400);
g2)該当規格のBOOKバージョンに対応した値(例えば“11”)をVERSIONに設定し、スタッフィングが行われたかどうかを示すSTUFビットを(例えば“0”に)設定する(ステップST13400);
g3)STUFビットに“0”が設定されているときは、Valid_PKT_Ns(Packet Group内の有効Packet数と先頭のPacketに対するPATSの上位2バイトで構成されている)に“0xaa”を設定する(ステップST13406)。
【0182】
図62はストリーム情報(ESI)作成処理(ステップST120)の一例を説明するフローチャート図(ESI設定処理フロー)である。
【0183】
h1)PSI、SIを調べ、設定されているストリーム数を調べる(ステップST1201);
h2)設定されているストリーム数の数だけh4)〜h5)を繰り返す(ステップST1230イエスの場合);
h3)PSI、SIよりストリームタイプを調べ(ステップST1203)、ビデオストリームか、オーディオストリームか、その他のストリームかどうかを判定し、次のストリームチェックに移行する;
h4)その際、ストリームタイプをMPEG1ビデオ、MPEG2ビデオ、MPEG1オーディオ、MPEG2オーディオ…等の種別に分け、それぞれの種別応じて、内部のデータをチェックし、各属性情報を読み出す。
【0184】
h5)ビデオストリームの場合(ステップST1213A)、ES_TY=0とし、各属性情報を設定し、特に解像度データ、アスペクト情報等を取り出し、V_ATRを作成し(ステップST1213C)、h8)へ移行する;
h6)オーディオストリームの場合(ステップST1215A)、ES_TY=0x40とする。そして、各属性情報を設定し、特にコーディングモード、サンプリング周波数、チャンネル数等を取り出し、A_ATRを作成し(ステップST1215C)、h8)へ移行する;
h7)その他のストリームの場合(ステップST1217A)、ES_TY=0x80とし、各属性情報を設定し(ステップST1217C)、h8)へ移行する;
h8)他にESIを作成していないストリームがあるかどうかチェックし、次のストリームチェックに移行する(ステップST1230ノーの場合)。
【0185】
図63は、録画終了処理(ステップST150)におけるストリームファイル情報(ESTR_FI)作成処理の一例を説明するフローチャート図である;
j1)ESOBIを1つ増やすため、サーチポインタ(ESOBI_SRP)を1つ増やし、そのための領域を確保し、PKT_TYに0:MPEG_TSを設定する(ステップST1500);
j2)録画時間をESOB_REC_TMに設定する(ステップST1502A)。ここで、装置内部の時計は、TDT(Time Data Table)により設定・補正が行なわれ、常に正確な時間が得られる;
j3)その際、ESOB_S_PTMおよびESOB_E_PTMをストリーム内より取り出し、STCの不連続情報(例えば図36のCNT_SEGN)を調べて、j1)で増やしたESOBIに対応するESOBの、スタートPTMおよびエンドPTMを設定する(ステップST1502A)。
【0186】
j4)ストリームの種類がTSストリーム(ARIB、DVB)の場合は(ステップST1506イエス)、AP_PKT_SZに188を設定し、PKT_GRP_SZに16を設定する(ステップST1508A)。そうでない場合は(ステップST1506ノー)、放送方式にあった値をAP_PKT_SZに設定する(ステップST1510)。例えば、ステップST1508Aでは、country_codeとしてJPN(日本)を設定するとともにAP_FORMAT1としてJapanISDBを設定する。また、ステップST1510では、country_codeとして該当装置の国コード(例えばUSA)を設定するとともにAP_FORMAT1として該当する放送方式(例えばATSC)を設定する。
【0187】
j5)PSI, SI情報が有効かどうかを判断し、無効の場合は(つまり不明ストリーム:ステップST1511ノー)、ESOB_TY:b12に1を設定、もしくは各値に0xffを設定し(ステップST1513)、j9)へ移行する。
【0188】
j6)PSI, SI情報が有効の場合は(つまりストリームが不明なものでない:ステップST1511ノー)、PATより、TS_ID、NETWORK_PID、PMT_ID(該ESOBで使用しているPMTのPID:PIDは13ビットの実データで記載する方法とPMT内の順番を記載する方法の2通りが考えられる)を設定する(ステップST1514);
j7)PMTより、Program_Number(PMT内のSERVICE_ID)、PCR_PID、等を設定し、さらに、FORMAT_ID、VERSIONに付いては、内部チューナの場合は、機器内でデフォルトの方式とし、外部デジタル入力の場合は、デジタル入力より送られてくるRegistration_Descriptorの値を設定する。また、TMAPタイプに従ってESOB_TYを設定する(ステップST1516A)。
【0189】
j8)さらに、録画したESの数、VideoのES数、オーディオのES数を設定する(ステップST1516A)。(PMTには放送している全てのESの情報:数が設定されているが、録画時に全てのESを記録しているとは限らないため、記録したESの数を設定する。)
j9)GPI設定処理(ステップST1530)、TMAP設定処理(ステップST1540)等を行い、各切りわけ情報を元にストリーム毎にTMAPIを作成する。
【0190】
j10)続いて、録画を開始したLBアドレスをADR_OFSに設定し、デフォルトのPIDを設定する(ステップST1550A)。ここで、デフォルトのビデオのPIDとは、コンポーネントタグ値が一番若いビデオの値のもの、もしくは、マルチビューTVの場合、メインのコンポーネントグループに記載されているコンポーネントタグに対応するVideoストリームのESIの番号が相当する;
j11)そして、編集日時を設定する(ステップST1554)。
【0191】
図64は、GPI設定処理(ステップST1530)の一例を説明するフローチャート図である。このGPI設定処理は、以下のように行なうことができる:
k1)ストリームのタイプを調べる(ステップST15300B);
k2)複数番組を1ストリームにした場合(ステップST15300Bイエス)、ESOB_TYにGPIありとし、GPI_TYに0、全PRIORITY=0と設定し、1番組を1GPIで構成し、グループ数を設定して(ステップST15302B)、k5)へ移行する;
k3)降雨対応放送の場合(ステップST15300Bイエス)(ステップST15304Bイエス)、ESOB_TYにGPIありとし、GPI_TYに40h、高階層をPRIORITY:1とし、そのほかをPRIORITY:2と設定する。階層毎に1GPIで構成しグループ数を設定して(ステップST15306B)、k5)へ移行する。
【0192】
k4)マルチビュー放送の場合(ステップST15308Bイエス)、ESOB_TYにGPIありとし、GPI_TYに40h、高階層をPRIORITY:1とし、そのほかをPRIORITY:2と設定し、1ビューに1GPIで構成する(ステップST15310B)。マルチビュー放送でない場合は(ステップST15308Bノー)、ES_TMAP_Nsに1を設定し、ESOB_TYにGPIなしを設定する(ステップST15321B)。そして、まだ他にグループ(GP)とすべきESがあるかどうかを判断し、ある場合(ステップST15314Bイエス)はk1)へ移行し、無い場合は(ステップST15314Bノー)グループ数を設定し、k5)へ移行する;
k5)他のグループ(GP)があるかどうかをチェックし、ある場合はk1)へ移行し、無い場合は現在選択されているPIDのグループでプレイリストを作って登録し(ステップST15316B)、この処理を終了する;
k6)これにより、現在選択されているグループで再生をする場合には、ステップST15316Bで自動作成されたプレイリストを再生することが可能となる。
【0193】
図65は、のTMAP設定処理(ステップST1540)を説明するフローチャート図である。TMAP設定処理の一例について、以下に説明する:
m1)ESOB/EVOBの構造を決定する(ステップST15400);
m2)ESOBの場合、TMAP_TYを決定する(ステップST15403)。このESOBがPTMベースの場合は、GP数を考慮し、STMAPを作成するESを決定し、そのESの数(ビデオのESの数)をTMAP数とし、TMAP毎に作成するES_PIDを設定する。(ただし、1GPに必ず1TMAPが付く必要は無い。このTMAPを付け無い場合は同じESOBの他のES_TMAPを利用し、再生、サーチ、特殊再生等を行う。)一方、PATSベースのESOB(AT_ESOB)あるいはEVOBの場合、1つTMAPを追加する(PATSベースのTMAPのデータ構造については図25参照);
m3)切り分け情報よりESOB(PTMベース)/EVOB開始時間終了時間、TMAP毎の開始時間終了時間、エントリ数、ESOB(PATSベース)の先頭のPacketの到着時間、最終Packetの到着時間等を設定する(ステップST15405)。
【0194】
m4)TMAPTを追加し、切り分け情報を元にENTRY情報(ESOBの場合)、VIDEO_ES毎に1ST_REF_PIC_SZ(目的のVESの先頭のI-picの終了アドレス、I-Picが無い場合は0をセット)、ESOBU_SZ(ESOBUのサイズをPacketGP単位で示す)、ESOBU_S_PKT_POS(PacketGP内でのSOBUの先頭の位置)を設定する。AT_SOBUの場合のENTRY情報は、AT_SOBU_SZ(AT_SOBUのサイズをPacketGP単位で示す)、AT_SOBU_S_PKT_POS(AT_SOBUの先頭のPacket group内での位置(PKT単位))を設定する。EVOBUの場合のENTRY情報では、1ST_REF_PIC_SZ(先頭のI-picの終了アドレスをセット)、EVOBU_SZ、再生フレーム数等がセットされる(ステップST15407)。ここで、TMAPT情報は別ファイルで記録される。
【0195】
m5)STMAPの編集日を更新する(ステップST15409);
m6)該STR_FIのSTMAPの総和が2MBを超えたかどうかを判定し、超えた場合は(ステップST15411イエス)、TOTAL_STMAP_SZに2MB(もしくは2MBで切ったESOBの足した値)に設定して、ESOBをSTMAPが2MBを超えないように切り、新たなSTR_FIを作成し、そこに新たなESOBを登録して(ステップST15413)、この処理を終了する。
【0196】
m7)超えない場合は(ステップST15411ノー)、STMAPの総和を、TOTAL_STMAP_SZに設定して(ステップST15415)この処理を終了する。
【0197】
以上のような処理により、STMAPの総和が2MB(利用可能なメモリサイズの上限)を超えないようにする(STMAPの総和は前回のTOTAL_STMAP_SZに今回追加したESOBのSTMAP_SZを足したものと考えられる)。
【0198】
なお、STMAPのサイズを2MBに収める方法としては、上記の処理のようにESOBを2つに切ってSTR_FIを増やす方法と、ESOBをそのまま切らずにSTR_FIを増やしてそこに持ってくる方法と、ESOBU_PB_TM_RNGを変更してSTMAPの間隔を広げる方法が考えられる。
【0199】
図66は、EVOB/ESOB構造設定処理(ステップST15400)を説明するフローチャート図である。このEVOB/ESOB構造設定処理の一例を以下に説明する:
n1)録画した録画時間を調べ(ステップST154000)、録画時間が2時間以下の場合はn2)に移行し、2時間から4時間の場合はn3)へ移行し、4時間以上はn4)へ移行する(ステップST154001);
n2)EVOB/ESOB_PB_TM_RNGに0を設定し、切り分け情報(0.4s〜1.0sの情報)より、ESOBUが0.4s〜1.0sになる様にEVOBU/ESOBU_ENTを作成し(ステップST154002)、n5)へ移行する;
n3)EVOB/ESOB_PB_TM_RNGに1を設定し、切り分け情報(0.4s〜1.0sの情報)より、ESOBUが1.0s〜2.0sになる様にEVOBU/ESOBU_ENTを作成し(ステップST154003)、n5)へ移行する;
n4)EVOB/ESOB_PB_TM_RNGに2を設定し、切り分け情報(0.4s〜1.0sの情報)より、ESOBUが2.0s〜3.0sになる様にEVOB/ESOBU_ENTを作成する(ステップST154004);
n5)この処理を終了する。
【0200】
図67は、CP_CTL_INFO(CCIまたはCPI)作成処理(ステップST1220)を説明するフローチャート図である。このCP_CTL_IFOの設定処理の一例を以下に説明する:
p1)最新のPMT、EIT内にコピー情報(デジタルコピー制御記述子)があるかどうか調べ、ある場合は(ステップST12200イエス)そのコピー制御記述子を取り出し(ステップST12204)、その情報を元にCCI(APS、デジタルコピー制御情報等)を構成して設定し(ステップST12206)、p3)へ移行する。このとき、PKT_GRP_GI:STUFに1を設定し、有効なPacketの数をPKT_GRP_GI:VALID_PKT_Nsに設定する。
【0201】
p2)受信したTSパケット内にコピー情報がない場合は(ステップST12200ノー)、コピーフリーとして設定する(ステップST12202);
p3)最新のPMT、EIT内にコンテンツ利用記述子があるかどうか調べ、ある場合は(ステップST12208イエス)そのコンテンツ利用記述子を取り出し(ステップST12212)、その情報を元にICT、EPNを設定する(ステップST12214A);
p4)コンテンツ利用記述子がない場合は(ステップST12208ノー)、コピーフリーとしてICT、EPNを構成する(ステップST12210)。なお、ステップST12214AあるいはステップST12210におけるICT、EPN等については、図39を参照したCCIの説明でも述べている。
【0202】
さらに、CCI設定処理の別例について、補足説明する:
1)最新のPMT、EIT内にコピー情報があるかどうか調べ、ある場合は、その情報を元にコピー情報を構成して設定し、3)へ移行する;
2)受信したTSパケット内にコピー情報がない場合は、前回のパックと同じ情報をコピー情報として構成する;
3)最新のPMT、EIT内にコンテンツ利用記述子があるかどうか調べ、ある場合は、パケットグループの途中で変化した場合、その変化した所から新たなパケットグループとするように前のパケットグループにダミーデータを挿入し、変化後からを新たなパケットグループとするようにし、その情報を元にCCIを設定する。このとき、PKT_GRP_GI:STUFに1を設定し、有効なPacketの数をPKT_GRP_GI:VALID_PKT_Nsに設定する;
4)受信したTSパケット内にコピー情報がない場合は、コピーフリーとしてCCIまたはCPIを構成する。
【0203】
図68は、録画終了処理(ステップST150)におけるプログラムチェーン(PGC)作成処理(プログラム設定処理を含む)の一例を説明するフローチャート図(プログラム設定処理フロー)である。以下、PGC作成処理例を説明する:
q1)ディスクの最初の記録かどうかをチェックし、最初の場合は(ステップST1600Zイエス)新たにORG_PGCを作成し(ステップST1602Z)、最初で無い場合は(ステップST1600Zノー)既に記録してあるPGC(ORG_PGC)の後にプログラムPGを追加する様に設定する(ステップST1604Z);
q2)PG_TYに消去許可:0を設定し、Cell_NsにCELLの数を設定し、ビデオのESI番号も設定する(ステップST1700Z)。
【0204】
q3)ステップST1700Zの設定において、記録するデジタル放送がARIBの場合、EIT内の短形式イベント記述子のlanguage_codeが"jpn"のときは、VMG_MATのCHRに0x12を設定し、PRM_TXTIの第二領域にEVENT_NAMEに設定し、REP_PICTIに代表画像の情報を設定する;
q4)PG_INDEXにPGの絶対番号を設定し、他のアプリケーションソフトウエアなどから参照する場合にPG単位での参照が可能にしている(ステップST1702Z)。その際、レジューム情報(PG_RSM_IFO)に開始セル番号を設定するとともに、開始時間(スタートPTM)を設定する。
【0205】
q5)CELL_TY(例えば図34のセル情報EX_CI内に含まれるセルタイプ)にストリーマであることを示す情報を設定する(ステップST1704Z);
q6)ステップST1704Zの設定において、さらに、参照するESOB番号を設定し、再生するESとして代表(ビデオの)ESI番号(ESIN)を設定し、エントリポイント情報EPI(図35)の数、再生開始PTM、終了PTM、エントリポイントEPをそれぞれ設定する。さらに、図20に例示されるような不連続セグメントCNT_SEGを読み取り、その回数を例えば図36のCNT_SEGNに設定し、その他に再生するESOBのブロック番号を設定する。
【0206】
q7)さらに、ステップST1704Zの設定において、PG_RSM_INF(再生開始PTM、ビデオのESI番号、オーディオのESI番号、Dual-Monoの主副情報等)に、頭から再生できるように先頭の情報を設定する。なお、EPを自動でつける場合の要因としては、映像及び時間関係では、一定時間と映像のモード変化(アスペクト比、動きベクトルの大きい場合)でその条件に映像フレームの先頭Packet(Unit Start Indicator)GOPの先頭Packet(シーケンスヘッダの先頭、I-PICの先頭)を組み合わせた場合が考えられる。さらに、音声関係では音声の変化(音量の変化等)/音声モード(ST/MONO)でその条件に音声フレームの先頭Packet(Unit Start Indicator、フレームヘッダ)の組み合わせた場合が考えられる。
【0207】
図69は、再生動作の一例を説明するフローチャート図(全体の再生動作フロー)である。再生時のデータ処理は、例えば以下のようになる:
r1)まず、ディスクチェックし、Recordable/Rewritable Disc(R、RW、RAM)かどうかをチェックし、Recordable/Rewritable Discで無い場合には、その旨を返して終了する;
r2)Recordable/Rewritable Discであれば、ディスクのファイルシステムを読み出し(ステップST207)、録画されたデータがあるかどうかチェックし、無い場合には、“録画されていません”と表示して終了する;
r3)VMGファイルを読み込み(ステップST207)、再生するプログラム、セルを決定する(デフォルトで決定するか、ユーザに選ばせる)(ステップST208)。ここで、記録順の再生選択した場合には、ORG_PGCIに従って再生を行い、(ユーザが編集した)番組毎の再生を行う場合には、再生したい番組に相当する番号のUD_PGC(プレイリスト)に従って再生を行う;
r4)再生するタイトル情報(PSI, SI情報が不明の場合はSTBへの転送処理のみを行なうよう設定)、レジューム情報(PL_RSM_IFO, PG_RSM_IFO)、セル情報(EX_CI)等により再生するESOB/EVOB、再生開始PTM等を決定し、再生開始PTMより、再生を開始するファイルポインタ(論理アドレス)および再生するストリームのESIを決定する。さらにSTI、ESIの値により、各デコーダ部設定を行い再生の準備を行う(ステップST211A)。
【0208】
r5)続いて、AP_FORMAT1, 2(図12、図15参照)から再生する方式を決定する(再生ストリームを送るSTBを決定する)。(ステップST211B)
r6)PSI, SIの情報が有効なら(ステップST211Cイエス)、PSI, SIの情報から再生するストリームを決定するとともに、PSI, SIの情報をワークRAMに保存する(ステップST211D)。PSI, SIの情報が有効でないなら(ステップST211Cノー)、全てのストリームをSTBへ送信するように設定する(ステップST211E)。
【0209】
r7)続いて再生開始時の処理を行う。まず再生対象がESOBかどうかチェックする。ESOBであれば(ステップST213イエス)デコーダ設定処理へ入る(ステップST217)。ESOBでなければ(ステップST213ノー)TSパケットの送信処理のみを行なう(ステップST219)。
【0210】
r8)続いてセルの再生処理を行い(ステップST220)、再生終了かどうかをチェックし、終了の場合には(ステップST230イエス)、エラーチェックを行なう。エラーの場合には(ステップST240イエス)、その旨を表示し(ステップST242)、再生終了処理を行なう(ステップST244)。エラーでない場合には(ステップST240ノー)、その他の再生終了時の処理を行い(ステップST246)、この動作を終了する。
【0211】
r9)再生終了でない場合には(ステップST230ノー)、PGCIより次のセルを決定し(ステップST232)、ステップST211Aへ戻る。そして、デコーダ部59の設定(ステップST217)が変更されたかどうかをチェックし、変更された場合には、次のシーケンスエンドコードにデコーダの設定が変更されるようにデコーダ部59に変更属性を設定する;
r10)以後、再生が終了したかどうかをチェックしつつ(ステップST230)同様な処理(ステップST211A〜ST232)を繰り返す。
【0212】
図70は、デコーダ設定処理(ステップST217)を説明するフローチャート図である。デコーダの設定例を以下に説明する:
s1)再生対象がESOBである場合(ステップST2170イエス)、再生するグループを決め、GPIに従い、再生するESを決める(ステップST2171)。再生対象がEVOBである場合は(ステップST2170ノー)、ステップST2171はスキップする;
s2)再生するESOB(またはEVOB)の属性情報(STI、ESI)を読み込む(ステップST2172);
s3)再生するESOB(またはEVOB)が、レコーダ(図53または図54の装置など)が対応できるフォーマットかどうかをチェックする。対応不能の場合(ステップST2173ノー)は、再生しないよう機器設定をおこない、表示ミュートを設定する(ステップST2175)。
【0213】
s4)再生するビデオが再生可能な場合は(ステップST2173イエス)、再生準備を行なう(ステップST2174A)。この場合、PIDは13ビットのPIDが設定されている場合はそのまま使用できるが、PMT内の順番で設定されている場合はPMTを参照してPIDを決める;
s5)再生するオーディオが再生可能かどうかをチェックし、可能な場合(ステップST2176イエス)は、再生準備を行なう(ステップST2177A)。この場合、PIDは13ビットのPIDが設定されている場合はそのまま使用できるが、PMT内の順番で設定されている場合はPMTを参照してPIDを決める。不能の場合(ステップST2176ノー)は、再生しないよう機器設定をおこない、音声ミュートを設定する(ステップST2178);
s6)例えば図67の処理で作成した内容を含むCCIまたはCPI情報を元に、コピー管理処理を行う(ステップST2179)。
【0214】
図71は、セル再生時の処理の一例を説明するフローチャート図である。セルの再生処理は、例えば以下のようになる:
t1)TMAPIの内容よりEX_CELLの開始ファイルポインタFP(論理ブロック番号LBN)、終了ファイルポインタFP(論理ブロック番号LBN)を決定し、さらに、EX_CI内の開始時間、終了時間より開始のESOBU_ENTRY、終了のESOBU_ENTRYを決定し、ADR_OFSに目的のESOBU_ENTRYまでのエントリのデータ長を累積し、開始アドレス(LB=FP)、終了アドレスを求める。残りEX_CELL長は終了アドレスより開始アドレスを引いた値とし、再生開始時間をSTCへセットする(ステップST2200)。さらに、再生するPIDを決定し、デコーダ(STB、デジタルチューナ)に設定する。この場合、PIDは13ビットのPIDが設定されている場合はそのまま使用できるが、PMT内の順番で設定されている場合はPMTを参照してPIDを決める。
【0215】
t2)ESOBの連続チェック処理を行う(ステップST2201);
t3)再生中の読み出し処理を実行し、開始ファイルポインタより読み出しアドレス、読み出しサイズを決定する(ステップST2206);
t4)読み出す読み出し単位サイズと残りセル長を比べ、残りセル長が大きい場合には(ステップST2207イエス)、残りセル長に残りセル長より読み出す読み出し単位サイズを引いた値を設定する(ステップST2208)。小さい場合には(ステップST2207ノー)、読み出し長を残りセル長にセットし、残りセル長を0にセットする(ステップST2209);
t5)読み出し長を読み出し単位の長さに設定し、ドライブ部へ読み出しアドレス、読み出し長、読み出し命令を設定する(ステップST2210)。
【0216】
t6)データ転送が開始したら(ステップST2212イエス)、バッファに1ESOBU分たまるのを待つ。1ESOBU分たまったら(ステップST2214イエス)、1ESOBU分のデータをバッファから読み込み(ステップST2216)、バッファデコーダ転送処理を行なう(ステップST2220)。そして、読み出しファイルポインタFPのインクリメントとMPEGデコーダの通常モードへの設定(ステップST2224)を行ったのち、t7)へ移行する。
【0217】
t7)転送が終了したかどうかをチェックし、終了した場合には(ステップST2226イエス)、t8)移行する;
t8)アングルキー等が押されたかどうかをチェックし、押された場合は(ステップST2238イエス)、GPIがあるかどうかチェックする。GPIがある場合は(ステップST2239イエス)GP切り替え処理を行い(ステップST2240)、無い場合は(ステップST2239ノー)、何もせずにステップST2228の処理へ移行する;
t9)アングルキー等が押されていない場合は(ステップST2238ノー)、Skip SWが押されたかどうかをチェックする。Skip SWが押された場合は(ステップST2248イエス)、SKIP処理(ステップST2250)を行う。
【0218】
t10)Skip SWが押されていない場合は(ステップST2248ノー)、STOP SWが押されたかどうかをチェックする。Stop SWが押された場合は(ステップST2258イエス)、中断情報(RSM_IFO)を、タイトル再生の場合はPG_RSM_IFOに、プレイリスト再生の場合はPL_RSM_IFOに保存し、終了処理を行う(ステップST2260A);
t11)Stop SWが押されていない場合は(ステップST2258ノー)、残りセル長をチェックする。残りセル長が“0”でない、つまり現在のセルが最後のセルでない場合には(ステップST2228ノー)ステップST2206へ戻る。残りセル長が“0”の場合には(ステップST2228イエス)、この処理を終了する。
【0219】
図72は、ESOB連続チェック処理(ステップST2201)を説明するフローチャート図である。再生時のESOB連続チェック処理は、例えば次ぎのようになる;
u1)前のESOBと連続記録したかどうかをチェックし(図23のESOB_CONNI)、連続記録していない場合は(ステップST22010ノー)、この処理を終了する;
u2)ESOBが連続記録している場合は(ステップST22010イエス)、ESOB間を連続して再生するようように設定する(ESOB間で再生開始するまで黒画面を挿入するなどの処理を止める)(ステップST22011)。
【0220】
図73は、バッファRAMからデコーダへのデータ転送処理の一例を説明するフローチャート図である。バッファデータデコーダ転送処理例を以下に説明する:
v1)バッファRAM内のパケットグループの数をチェックし、1パケットグループが無い場合は図73の処理をスキップする。バッファRAM内にパケットグループが1以上ある場合は、最初のパケットグループを処理する様設定する(ステップST22200);
v2)目的のパケットグループをバッファRAM内より読み出す(ステップST22201)。パケットグループの先頭は、パケットグループ長とSync_Patternとして機能するHeader_ID(図37)により検出する;
v3)パケットグループヘッダのSTUFビット(図38)を調べ、1がセットされている場合は、VALID_PKT_Nsの値に従って、有効なPacketを取り出す(ステップST22202A)。STUFビットに1が設定されていない場合は、170Packetが有効パケット数であるとする。
【0221】
v4)FIRST_PATS_EXTをPacket groupの先頭のPacketのPATSの上位2バイトとし、そこから直前のPATSの下位4バイトとして計算した時間に各TSパケットをデコーダ部(STB部)に送る(ステップST22202B)。別の言い方をすると、PATS_SSによりPATSの精度を検出し、その精度情報を元に、PATS(FIRST_PATS_EXT+直前のTSパケットのPATS:精度4バイトの場合)とPATS_SSより、TSパケットの転送時間を計算し(ステップST22202B)、その時間に各TSパケットをデコーダ部(STB部)に送る(ステップST22203)。
【0222】
なお、精度6バイトの場合は、FIRST_PATS_EXTをPacket Groupの先頭のPacketのPATSの上位2バイトとし、そこから直前のTSパケットのPATSの下位4バイトとしてTSパケットの転送時間を計算する。精度4バイトの場合は、直前のPATSより、桁上がりを考慮してPATSを計算する。また、精度無しの場合は、Packetデータを取り出すと、リクエストが有り次第直ちにTSパケットを出力する。
【0223】
v5)デコーダ部へのパケット転送が終了すると(ステップST22204イエス)、コピー制御の設定(CCIまたはCPI処理)を行なう(ステップST22205);
v6)その後、メーカー情報MNFがあるかどうかをチェックし、ある場合、そのメーカーIDが該当機器のメーカーと一致するかどうかを判断し、一致している場合は、そのデータを読み込み、所定の処理を行う(各社独自の処理)(ステップST22270);
v7)続いて、ディスコンティニュー処理を行う(ステップST22280);
v8)転送終了まで待ち、パックグループがバッファRAMに残っているかどうかをチェックする。パックグループがバッファRAMに残っていない場合は(ステップST22206ノー)この処理を終了する;
v9)パックグループがバッファRAMに残っている場合は(ステップST22206イエス)、次のパケットグループを処理する様設定し(ステップST22207)、ステップST22201に戻る。
【0224】
図74は、GP切り替え処理の一例を説明するフローチャート図である。GP切り替え処理は、例えば以下のようになる:
x1)切り替えスイッチSWの種別を調べる(ステップST22400X);
x2)現在再生しているパケットグループGPのグルーピング情報GPIを読み込む(ステップST22401X);
x3)GPIがあるかどうかを調べ、無い場合は(ステップST22403Xノー)、この処理を終了する;
x4) GPIがある場合は(ステップST22403Xイエス)、そのほかのGPに切り替えるためにGPI情報を読み込み(ステップST22405X)、デコーダ設定処理を行う(ステップST22410)。
【0225】
図75は、ディスコンティニュー処理の一例を説明するフローチャート図である。ディスコンティニュー処理例を以下に説明する:
y1)不連続性情報DCNIを読み出してチェックし(ステップST22800)、再生中の位置にCNT_SEGの切れ目がある場合は(ステップST22802イエス)、デコーダの再生モードを内部クロックモード(PTSの値を無視し、内部のクロックの値のみで再生を行い、PCRがきた段階でPTSを再び有効にする動作モード:外部同期モード)に移行させ(ステップST22804)、この処理を終了させる;
y2)再生中の位置にCNT_SEGの切れ目がない場合は(ステップST22802ノー)、何もぜずにこの処理を終了させる。
【0226】
図76は、スキップ処理の一例を説明するフローチャート図である。スキップ処理は以下のように行うことができる:
z1)エントリポイントの情報テーブルEPITを読み込む(ステップST22500);
z2)SKIPの方向(SKIPキーの種類で決定)を調べ、フォワードの場合(ステップST22502イエス)は、現在再生している位置よりも後ろのエントリポイントEPで、現在再生ているPIDと同じPIDをもつEPを検索して、その情報を読み込む(ステップST22504)。一方、バックワードの場合(ステップST22502ノー)は、現在再生している位置よりも前のEPで、現在再生ているPIDと同じPIDをもつEPを検索して、その情報を読み込む(ステップST22506);
z3)検出されたEPIより、再生するESOBU_ENTを決定する(ステップST22508);
z4)ESOBU_ENT情報を読み込み、再生を開始する時間(STC)を決定する(ステップST22510)。その際、ESOBU_Cluster(図48)を探し、そこから再生を開始する。
【0227】
z5)目的のESOBU_ENTにI-PIC(または基準画像)があるかどうかを調べ(1ST_REF_SZ=0か否か調べる)、ない場合は(ステップST22512ノー)1つ前の同じグループのESOBU_ENTの情報を読み(ステップST22514)、ステップST22512〜ST22514の処理を繰り返す;
z6)目的のESOBU_ENTにI-PIC(または基準画像)がある場合は(ステップST22512イエス)、ESOBU_ENT内のシーケンスヘッダSHを読み込み、デコーダへ設定する(ステップST22522)。そして、先ほど見つけたI-PIC(または基準画像)を読み出し、その位置よりデコードを開始し、EPで指定された再生時間より表示を開始するようデコーダを設定し(ステップST22514)、通常の再生処理に移行する;
図77は、図3または図46の別例を説明する図である。すなわち、図77に示すように階層ディレクトリにして、EVOB、SOBをそれぞれのディレクトリで管理する方法が考えられる。これにより、オブジェクト毎に管理しやすくなり、HD_DVD−VIDEOにデータを変換する場合にもHDVR_VOBディレクトリのみを対象とすることが可能となる。
【0228】
ここでは、DVD_HDVRにHR_MANGER.IFOをおき、HDVR_VOBにEVOBのOBJECTファイルとEVOB毎のTMAPファイルHR_Vmmmm.MAP(mmmmはVOB_INDEXと同じ番号:1〜1998)をおいている。そして、HDVR_SOBには、ESOBのOBJECTファイルと、ESOB(AT_SOB)の管理ファイルHR_SFInn.SFI(nn=00の場合はTYPE_B、nn=01〜0xffの場合はTYPE_A)と、ESOB(AT_SOB)毎のTMAPファイルSnn_mmmm.SMP(nn=00の場合はTYPE_B、nn=01〜0xffの場合はTYPE_A;mmmmはESOB(AT_SOB)_INDEXと同じ番号:1〜1998)で構成されている。
【0229】
この場合、さらに、HD_DVD−VIDEOとの親和性を高めるためにVTMAP構造を共通にすることが考えられる。その場合になされる変更を以下に説明する。
【0230】
図78は図9の別例を説明する図である。ここでは、HD_DVD−VIDEOとの互換性を考慮して、TMAPをEVOB若しくはESOB毎にファイル化する。そのために、図78にはEVOB_TMAPIのデータ構造でEVOB_INDEXとVTMAP_LAST_MOD_TMを追加してある。これらの情報は、EVOBを特定するためのINDEX番号と、VTMAPがEVOB毎に増えたためにこの位置におかれたVTMAPの更新時間を示している。ここで、INDEX番号はEVOBが発生するたびにつける番号で、DISC内で重ならない番号であり、削除してもその後同じ番号を再び使わない。すなわち、INDEX番号は一義的にEVOBを限定するための番号である。
【0231】
図80は図24の別例を説明する図であり、図81は図25の別例を説明する図である。すなわち、TYPE_AのESOB_TMAPIにも同じようにESOB_INDEXとSTMAP_LAST_MOD_TMが追加され、TYPE_BのESOB_TMAPIにも同じようにAT_SOB_INDEXとSTMAP_LAST_MODE_TMが追加されている。
【0232】
図82は、TMAPファイル構造の例を説明する図である。TMAPファイルの構造は、図82に示すように、1ファイル−1EVOB(ESOBまたはAT_SOB)に対応して、それぞれ、TMAP_GIとTMAP_SRPとTMAPIで構成されている。TYPE_AのSOBの場合は、ES_TMAPが複数ある可能性がある(マルチビュー、降雨対応等)。それ以外は1TMAPIしかないが、TMAP_SRPがあることによりHD_DVD−VIDEOと構造をあわせている。
【0233】
図83は、図27の別例を説明する図であり、EX_VTMAPの構造は図83に示すようになる。EX_VTMAP_GIにはVTMAP_TY、ILVUI_SA、EVOB_ATR_SA、VTSI_FNAMEが追加されている。これは、Video(DVDビデオおよび/またはHD_DVDビデオ)との互換性を考慮したもので、VTMAP_TYは0x3を、ILVUI_SA、VOB_ATR_SAに関しては0を設定している(インターリーブドユニットは無く、TMAP内にATR情報が無いことを示す)。VTSI_FNAMEには“HR_IVTSI.VTI”とインターオペーラブルコンテンツのVTSIのファイル名を設定する。
【0234】
EX_VTMAP_SRPでは、EVOB_INDEX、ILVU_ENT_Nsが追加されている。EVOB_INDEXはEVOBのインデックス番号で、TMAPを読み出したときにこの値とM_AVFIT内のEVOB_TMAPI内のEVOB_INDEXを参照する。これにより、同じ値のEVOB_INDEXをもつEVOBをこのTMAPの対象となるEVOBということにする。なお、ILVU_ENT_Nsには0を設定する(ILVU_ENTが無いことを示す)。
【0235】
図84は、図29の別例を説明する図である。TYPE_AのESOBのESOB_TMAPは、図84に示すように、ES_TMAPI_SRP_Ns、ESOB_INDEXがESOB_TMAP_GIに追加になっている。ES_TMAPI_SRP_Nsには、TMAPを作成したESの数を設定する。このESOB_INDEXは、ESOB_TMAPIのESOB_TMAPGI内のESOB_INDEXと比較される。そして、同じ値のESOB_INDEXの属しているESOBが、そのTMAPの属するESOBということになる(EVOBと同様)。ただし、ESOB_INDEXがSTMAP_GIにあり、ES_TMAP_SRPに無いのは、ESOB_INDEXがESOB毎にあるためで、ES_TMAP_SRPにあるとES毎に変えられる可能性があるため、STMAP_GIに入れている。
【0236】
図85は、図30の別例を説明する図である。TYPE_BのAT−SOBのSTMAPは、図85に示すように、AT−SOB_INDEXがSTMAP_GIに追加になっている。AT−SOB_INDEXは、ESOB_TMAPIのESOB_TMAPGI内のAT−SOB_INDEXと比較される。そして、同じ値のAT−SOB_INDEXの属しているAT−SOBが、そのTMAPの属するAT−SOBということになる(EVOBと同様)。
【0237】
図96は、CNT_SEGの特殊な場合を説明する図である。図96に示すように、ESOB_DCNIにおいて、ESOBの先頭と最終部分でピクチャの再生順と記録順がずれるために特殊な処理が必要になる。図96の上の部分は先頭処理で、下が終了時の処理である。ESOBの先頭において、記録順がI,B,B,P,…となる場合、再生順はB、B、I、P,…になることがある。このとき、PTMの桁上がりがB1の部分で起きた場合、CNT_SEG_SZ=0のCNT_SEG#1を発生させることになる。また、ESOBの最終部分において、記録順はB,B,P,…となる場合、再生順はB、B、P,…になることがある。このとき、Pピクチャの途中でPTMの桁上がりが起きた場合、CNT_SEG_SZ=0のCNT_SEG#1を発生させることになる。
【0238】
図23を参照して前述したESOB_CONNIは、現ESOBが1つ前のESOBとの連続に記録されたかどうかを示す情報で、再生時には連続で再生することが可能である。(ただし、この連続再生がシームレスになるかどうかはレコーダの処理能力次第となる。)ここで、ESOB_CONNIとESを複数もつESOBの位置情報と時間情報の関係は、図97〜図100に示すようになる。
【0239】
図97は、ESOB_CONNIに応じたSOBの開始位置関係の一例を説明する図である。ESOBの先頭部分に関しては、図97に示すように、通常の場合(ESOB_CONN_SS=0の場合)の関係は、
ESOB_S_PTM=ES_S_PTM#1
ESOB_S_PTM≦ES_S_PTM#2
ES_S_ADR_OFS#2≧0
である。ESOB_CONN_SS=1の場合(現ESOBが1つ前のESOBと連続記録の関係にある場合)の関係は、上記の条件に加えて、
ES_S_ADR_OFS#2がマイナス(2の補数で表現)でも可(この場合は0xffff ffff ffff fffb(-5の2の補数));
かつ
ESOB_S_PTM>ES_S_PTM#2(ES_S_PTM#1>ES_S_PTM#2)でも可
となる。つまり、デフォルトのES以外のESは、連続記録されたSOBの方にはみ出して設定可能となっている。
【0240】
図98は、編集時におけるESOB_CONNIに応じたSOBの開始位置関係の一例を説明する図である。現ESOBより前のESOBを削除した場合、図98に示すように、
ES_S_ADR_OFS#2≧0(この場合、ESOBU#2の先頭)になるよう変更
かつ
ES_S_PTM#2≧ESOB_S_PTMに収まるようにES_S_PTM#2を変更(この場合、ESOBU#2の先頭の値)
となるように変更する。
【0241】
つまり、ESOBからはみ出したESOBUを削除して、ESOBからはみ出ない様にする。(ESOBからはみ出ないようにする場合、ESOBUを編集してESOBU内の次のIピクチャがESOB内にあれば、そこからESOBU_ENTを構成しなおしてもよい。)
図99は、ESOB_CONNIに応じたSOBの終了位置関係の一例を説明する図である。ESOBの最後部分に関しては、図99に示すように、通常の場合(ESOB_CONN_SS=0の場合)の関係は、
ESOB_E_PTM=ES_E_PTM#1
ESOB_E_PTM≧ES_E_PTM#2
ESOB_SZ≧ES_S_ADR_OFS#2+ESOBU_SZの総和数
である。しかし、ESOB_CONN_SS=0の場合(後ろのESOBと連続記録の関係にある場合)の関係は、上記の条件に加えて、
ESOB_SZ<ES_S_ADR_OFS#2+ESOBU_SZの総和数 でも可
かつ
ESOB_E_PTM<ES_E_PTM#2(ES_E_PTM#1<ES_E_PTM#2)でも可
となる。つまり、デフォルトのES以外のESは、連続記録されたSOBの方にはみ出して設定可能となっている。
【0242】
図100は、編集時におけるESOB_CONNIに応じたSOBの終了位置関係の一例を説明する図である。後ろのESOBを削除した場合、図100に示すように、
ESOB_SZ≧ES_S_ADR_OFS#2+ESOBU_SZの総和数 になるようにESOBU_SZ総和数を変更(この場合、ESOBU_SZ#2を削除)
かつ
ESOB_E_PTM≧ES_E_PTM#2 になるようにES_S_PTM#2を変更(この場合、ESOBU#1のE_PTMにする)
のように変更する。
【0243】
つまり、ESOBからはみ出したESOBUを削除して、ESOBからはみ出ない様にする。(ESOBからはみ出ないようにする場合、ESOBUを編集してESOB内に収まるようにESOBU_ENTを構成しなおしてもよい。)
以上のようにすることで、ESOBにおけるデフォルトで無いV−ES(ビデオ・エレメンタリストリーム)がすべてES−TMAPに登録されることになり、連続再生可能なESOBの間ですべてのV−ESが指定可能となる。これにより、連続再生するESOB間において、マルチビューなどの様に複数のVideo−ESを再生可能なコンテンツにおいて、デフォルトで無いV−ESの再生がESOB間で途切れないようにすることが可能となる。
【0244】
図86は、図36の別例を説明する図である。図86が図36と違うところは、次の点である。すなわち、図86の例では、CNT_SEGN=1で該当ESOB内のCNT_SEGが0個であることを表し、CNT_SEGN=2で該当ESOB内のCNT_SEGが1個であることを表し、CNT_SEGN=3で該当ESOB内のCNT_SEGが2個であることを表し、CNT_SEGN=4で該当ESOB内のCNT_SEGが3個であることを表している。
【0245】
図87は、図42の別例を説明する図である。VOBのOBJECTデータ内のRDIパック内のGCI_GIには、図87に示すように、EVOBU_S_PTM4が追加されている。これにより、EVOBUの先頭のVIDEOのPTMを知ることができ、EVOBの途中のEVOBUから再生を開始する場合、この値を読み込んで再生を開始することができる。これにより、EX_VTMAPは、変更無くHD_DVD−VIDEOに使え、よりも少ない手間でHD_DVD−Videoへの移行が可能となり、HDVRのデータがDVD−PLAYERでかかるようにすることが可能となる。
【0246】
図88は、インターオペラブルコンテンツの変換例を説明する図である。DVD−PLAYERで再生処理が可能なようにHD_DVD−VIDEOに従った管理情報を作成することを「インターオペーラブルコンテンツ作成処理」とする。この処理の内容は、図88に示すように、HD_DVD−VRの管理情報の内、EVOBの管理情報よりVTSI、VIDEO_PLAYLISTを作成し保存する。そして、PGCI内のM_CELLIとそのCELLの属しているPGの情報等を取り出し、属性情報をSTIより取り出し、VIDEO_PLAYLISTファイル(XMLファイル)を作成し、M_AVFITよりVTSI(HR_IVTSI.VTI)を作成する。
【0247】
図79は、図77の別例を説明する図である。図79は上記の例で作成されるファイルの構造を示す。
【0248】
PlayerはVOB_PALYLISTにしたがって、目的のEX_VTMAP(HR_Vmmmm.MAP)を読み出し、その中のEVOB_INDEXの値により、EVOBを決め、EVOBの管理情報をVTSIを読み出し、これらの管理情報に従って、EVOBファイル(HR_MOVIE.VRO)を再生する。
【0249】
ここで、VRではPGCIより再生するEVOBを決め、M_AVFITより再生するEVOBの管理情報、EX_VTMAPを読み出し、その情報にしたがってEVOBファイルを再生するが、HD_DVD−VIDEOの場合は、VIDEO_PLAYLISTより再生するEVOBのEX_VTMAPを決め、読み込み、そのVTMAPの情報にもとづいて、VTSIを読み込み、EX_VTMAP内のEVOB_INDEXの値により、VTSI内の管理データより目的のEVOBの情報を読み込み、EVOBファイル(HR_MOVIE.VRO)を再生する。このようにEX_VTMAPの使い方がHD_DVD_VRとHD_DVIDEOでは違い、それぞれの逆引きとなっており、そのため、VTMAPとVMGI、VTSIとは互いに逆引きが可能な構造となっている。ただし、そのインターオペーラブルコンテンツの作成処理を行うタイミングは図93に示すように複数考えられる。
【0250】
図93は、インターオペラブルコンテンツ作成の処理タイミング例を説明するフローチャート図である。複数考えられるインターオペラブルコンテンツ作成処理タイミングの第1は、図93(a)に示すようにVR録画処理(ステップST22)の終了後に自動的に行う(ステップST32)方法である。この場合、作成されたディスクは必ずPLAYERで再生することができるが、録画処理の終了が遅くなる。
【0251】
複数考えられるインターオペラブルコンテンツ作成処理タイミングの第2は、図93(b)に示すようにディスク取り出し処理(ステップST30)時に自動的に行う(ステップST32)方法である。この場合も作成されたディスクは必ずPLAYERで再生することができるが、イジェクト処理が遅くなる。
【0252】
複数考えられるインターオペラブルコンテンツ作成処理タイミングの第3は、DVDビデオレコーダで行っているようにDVD−VIDEO互換化処理などの選択肢を設け、ユーザーにその処理を選ばせて、意識的に処理(ステップST32)を行わせることが考えられる。この場合、他の処理の動作時間を遅らせることも無く、ユーザーにはこの処理を選ばせることにより、その時間を待たせることができる。ただし、この場合、ディスクは必ずPLAYERで再生可能ということにはならず、その処理(ステップST32)を行ったディスクのみPLAYERで再生が可能ということになる。
【0253】
ここで、変換時の処理の注意事項を以下に示す。
【0254】
・VIDEO_PLAYLISTファイル(XML)は“ADV_OBJ”というディレクトリの下におく。
【0255】
・VIDEO_PLAYLISTファイルのファイル名は“VPLST000.XPL”とする。
【0256】
・VTSIファイルは“DVD_HDVR/HDVR_VOB”の下におく。
【0257】
・VTSIのファイル名は“HR_IVTSI.VTI”とする。
【0258】
・VOBファイルとTMAPファイルはそのまま使用する。
【0259】
図94は、インターオペラブルコンテンツ作成処理の一例を説明するフローチャート図である。図89、図90、図91、図92の変換表1〜4を参照しつつ、具体的な変換処理をの例を以下に示す。
【0260】
1)EVOBが記録されているかどうかを判定し(ステップST320)、記録されて無い場合(ステップST320ノー)はこの処理を終了する。
【0261】
2)EVOBが記録されている場合は(ステップST320イエス)、M_AVFITにより、図89〜図92の変換表1〜4にしたがって、EVOBの管理情報よりVTSIを作成する(ステップST322)。(VTMAP、VROファイルに関しては互換性があるため、そのまま使用可能であるので何もしない。)
3)PGCIとSTIのデータにしたがってVIDEO_PLAYLISTを作成し(ステップST324)、この処理を終了する。
【0262】
このときの実際のVIDEO_PLAYLISTの変換例を以下に示す。ここで、以下のことに注意して変換する。
【0263】
・“Title”はHD_DVD−VRのProgram(PG)またはPlay List(PL)と一致する。
【0264】
・“Chapter”はHD_DVD−VRのEntry Point(M_C_EPI)と一致する。EPが無い場合にでも、Chapter elementをタイトルの先頭や終了につけてもよい。
【0265】
・Playlist内の“displayName”はHD_DVD−VRのDisc Representative Name(DISC_REP_NM)に一致する。
【0266】
・Title内の“displayName”はHD_DVD−VRのProgram(PG)またはPlay List(PL)内のPrimary Text Information(PRM_TXTI)に一致する。
【0267】
・Chapter内の“displayName”はHD_DVD−VRのEntry Point(M_C_EPI:Type EP_B)内のPrimary Text Information(PRM_TXTI)に一致する。
【0268】
・Title内の“titleDuration”はHD_DVD−VRのC_V_S_PTMとC_V_E_PTMより導き出される。
【0269】
・PrimaryAudioVideoClipの“titleTimeBegin”と“titleTimeEnd”はHD_DVD−VRのC_V_S_PTMとC_V_E_PTMより導き出される。
【0270】
・PrimaryAudioVideoClipの“clipTimeBegin”はHD_DVD−VRのC_V_S_PTMとVOB_S_PTMより導き出される。
【0271】
・Chapterの“titleTimeBegin”はHD_DVD−VRのEP_PTMとC_V_S_PTMとC_V_E_PTMより導き出される。
【0272】
・ESOB、AT−SOBは対象ではない。
【0273】
・テンポラリイレースのEVOBはインターオペーラブルコンテンツに含めない。
【0274】
・P−EVOBのトータル数はHD_DVD−VRのEVOBのトータル数より少ない。
【0275】
図95は、HD_VRのPGC構成例を説明する図である。以上の注意事項を踏まえて、まず、図95に示すようなPGCIが存在する場合には、以下のようなVIDEO_PLAYLISTファイルが作成される。
【0276】
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<Playlist majorVersion="1" minorVersion="0" diplayName="Disc name (DISC_REP_NM)" type="Interoperable" xmlns="http://www.dvdforum.org/2005/HDDVDVideo/Playlist">
<Configuration>
<StreamingBuffer size="0"/>
<Aperture size="1920x1080"/>
<MainVideoDefaultColor color="107F7F"/>
</Configuration>
<MediaAttributeList>
<VideoAttributeItem index="1" codec="AVC"/>
<VideoAttributeItem index="2" codec="VC-1"/>
<AudioAttributeItem index="1" codec="LPCM"/>
<AudioAttributeItem index="2" codec="AC-3"/>
</MediaAttributeList>
<TitleSet timeBase="60fps">
<Title id="Title001" titleNumber="1" type="Original" titleDuration="00:01:00:00" onEnd="Title002" displayName="Original Title 1 (PRM_TXTI in PGI#1)">
<PrimaryAudioVideoClip id="Clip1" dataSource="Disc" titleTimeBegin="00:00:00:00" clipTimeBegin="00:00:00:00" titleTimeEnd="00:01:00:00" src="file:///dvddisc/DVD_HDVR/HDVR_VOB/HR_V0001.MAP">
<Video track="1" mediaAttr="1"/>
<Audio track="1" streamNumber="1" mediaAttr="1"/>
</PrimaryAudioVideoClip>
<ChapterList>
<Chapter id="Chapter0001" titleTimeBegin="00:00:00:00"/>
</ChapterList>
</Title>
<Title id="Title002" titleNumber="2" type="Original" titleDuration="00:01:30:00" onEnd="Title003" displayName="Original Title 2 (PRM_TXTI in PGI#2)">
<PrimaryAudioVideoClip id="Clip2" dataSource="Disc" titleTimeBegin="00:00:00:00" clipTimeBegin="00:00:00:00" titleTimeEnd="00:01:30:00" src="file:///dvddisc/DVD_HDVR/HDVR_VOB/HR_V0002.MAP">
<Video track="1" mediaAttr="2"/>
<Audio track="1" streamNumber="1" mediaAttr="2"/>
</PrimaryAudioVideoClip>
<ChapterList>
<Chapter id="Chapter0002" titleTimeBegin="00:00:00:00"/>
<Chapter id="Chapter0003" titleTimeBegin="00:00:40:00" displayName="Chapter name 3 (PRM_TXTI in M_C_EPI)"/>
</ChapterList>
</Title>
<Title id="Title003" titleNumber="3" type="UserDefined" titleDuration="00:01:15:00" displayName="Play List Title 1 (PRM_TXTI in PL_SRP#1)">
<PrimaryAudioVideoClip id="Clip3" dataSource="Disc" titleTimeBegin="00:00:00:00" clipTimeBegin="00:00:20:00" titleTimeEnd="00:00:30:00" src="file:///dvddisc/DVD_HDVR/HDVR_VOB/HR_V0001.MAP">
<Video track="1" mediaAttr="1"/>
<Audio track="1" streamNumber="1" mediaAttr="1"/>
</PrimaryAudioVideoClip>
<PrimaryAudioVideoClip id="Clip4" dataSource="Disc" titleTimeBegin="00:00:30:00" clipTimeBegin="00:00:15:00" titleTimeEnd="00:01:15:00" src="file:///dvddisc/DVD_HDVR/HDVR_VOB/HR_V0002.MAP">
<Video track="1" mediaAttr="2"/>
<Audio track="1" streamNumber="1" mediaAttr="2"/>
</PrimaryAudioVideoClip>
<ChapterList>
<Chapter id="Chapter0004" titleTimeBegin="00:00:00:00" displayName="Chapter name 4 (PRM_TXTI in M_C_EPI)"/>
<Chapter id="Chapter0005" titleTimeBegin="00:00:50:00"/>
</ChapterList>
</Title>
</TitleSet>
</Playlist>
以上により、DVD−PLAYERへの移行が比較的簡単に実現できる。
【0277】
<まとめ>
1.デジタルストリームを記録可能なデジタルレコーダ(DVDストリーマなど)において、STCのWrap-aroundが発生したとき、その位置をCNT_SEGとしてESOBIに設定し、各PMTにESOB先頭からのCNT_SEG数情報を付加する。
【0278】
2.デジタルストリームを記録可能なデジタルレコーダ(DVDストリーマなど)において、ビデオストリームを特定するために、各代表ピクチャ情報に、再生時にビデオで使用するESIの番号を付加する。
【0279】
3.デジタルストリームを記録可能なデジタルレコーダ(DVDストリーマなど)において、再生するストリームを特定するために、各リジューム情報に、再生時にビデオで使用するESIの番号と、オーディオストリームで使用するESIの番号と、オーディオがデュアルモノの場合にその主副情報を付加する。
【0280】
4.デジタルストリームを記録可能なデジタルレコーダ(DVDストリーマなど)において、再生するストリームを特定するために、各EP情報に、再生時にビデオで使用するESIの番号と、オーディオストリームで使用するESIの番号と、オーディオがデュアルモノの場合にその種副情報を付加する。
【0281】
5.論理的に繋がっているESOB間の連続性を示すシームレス情報として、連続記録フラグの他に、STC連続フラグ、および/またはPATS連続フラグとそのオフセット値を付加する。
【0282】
<実施の形態の効果>
・再生情報のみでSTCがWrap-aroundしているかが、再生実行前にわかる。
【0283】
・複数ESOB間の連続性が分かり、連続している場合には複数ESOB間をシームレスに接続可能なケースが増える。つまり、連続していることが判っている複数ESOB間の繋ぎ部分で再生処理待ち(静止画が挟まる)ような事態の発生頻度を、この発明が実施されない場合よりも、下げることができる。
【0284】
<実施の形態と発明との対応例>
<情報記録媒体(その1)…図12のTOTAL_STMAP_SZ>
所定のデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体(図1の100)において、
前記情報記録媒体は管理領域(図1の111、130;図3のDVD_HDVR;図12のHDVR_MG)とデータ領域(図1の131〜133)を持ち、前記データ領域(図1の131〜133)は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(ESOB等)に分かれて記録できるように構成され、
前記管理領域(図3のDVD_HDVR)は、前記デジタルストリーム信号の送出元(放送局)毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式(日本のARIB、米国のATSC、欧州のDVB等)毎に管理情報(図3のHR_SFIxx.IFO)を持つとともに、前記デジタルストリーム信号の送出元(放送局)毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎にタイムマップ情報(図3のHR_STMAPx.IFO)を持ち、
前記デジタルストリーム信号の送出元(放送局)毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎の管理情報(図12のHDVR_MG)内に、前記タイムマップ情報の大きさを示す情報(図12のTOTAL_STMAP_SZ;記録時図65のST15411)を含むように構成した情報記録媒体。
【0285】
<情報記録媒体(その2)…図15のTYPE_B/ESOB_TY/b12… PSI, SIの情報の無効値>(PSI=Program Specific Information)(SI=Service Information)
MPEGエンコードされて放送局から送出されたデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体(図1の100)において、
前記情報記録媒体は管理領域(図1の111、130;図3のDVD_HDVR;図12のHDVR_MG)とデータ領域(図1の131〜133)を持ち、前記データ領域(図1の131〜133)は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(ESOB等)に分かれて記録できるように構成され、
前記管理領域(図3のDVD_HDVR)は、前記放送局毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式(日本のARIB、米国のATSC、欧州のDVB等)毎に管理情報(図3のHR_SFIxx.IFO)を持つとともに、前記放送局または前記放送方式(ARIB等)を特定しないタイプ(TYPE_B)の管理情報を持ち、前記放送局または前記放送方式を特定しないタイプ(TYPE_B)の管理情報(図15のESOB_TY)内に放送コンテンツに関する情報(PSI, SI)の無効を示す情報(ESOB_TY:b12=“1” or PSI, SIの情報の無効値;記録時図63のST1513;再生時図69のST211C)を含むように構成した情報記録媒体。
【0286】
<情報記録媒体(その3)…図8のHDVR_MG/図10のEX_M_VOB_STI/図11のV_ATR>
MPEGトランスポートストリーム(TS)データおよびMPEGプログラムストリーム(PS)データを所定のデジタルストリーム信号として記録するように構成された情報記録媒体(図1の100)において、
前記情報記録媒体は管理領域(図1の111、130;図3のDVD_HDVR;図8のHDVR_MG;図10のEX_M_VOB_STI)とデータ領域(図1の131〜133)を持ち、
前記データ領域(図1の131〜133)は前記MPEGトランスポートストリーム(TS)データおよびMPEGプログラムストリーム(PS)データが複数のオブジェクト(ESOB、EVOB)に分かれて別ファイルとして(図3のSR Object File;VR Object File)記録できるように構成され、
前記管理領域(図3のDVD_HDVR;図8と図12のHDVR_MG)は、前記デジタルストリーム信号の全体を管理する管理情報(HR_MANGER.IFO)と前記MPEGトランスポートストリーム(TS)データ用の管理情報(図12のESTR_FIT)と、前記MPEGプログラムストリーム(PS)データ用の管理情報(図8のEX_M_AVFIT)を記録できるように構成され、
前記管理情報(図3のDVD_HDVR;図11のV_ATR)内に、該当する前記デジタルストリーム信号がプログレッシブであるか否かを示す情報(ソース画像プログレッシブモード)とハイビジョンであるか否かを示す情報(ソース画像解像度)の少なくとも一方が記述されるように構成した情報記録媒体。
【0287】
<情報記録媒体(その3)において、図17の解像度情報が、垂直解像度のみの場合>
前記MPEGトランスポートストリーム(TS)データ用の管理情報(図12のESTR_FIT;図13のESOBI;図16のESOB_ESI;図17のESOB_V_ESI/V_ATR)が、水平解像度は特定せず(unspecified)垂直解像度でソース解像度を指定する情報を含む。
【0288】
<情報記録媒体(その4)>
ユーザが録画できる第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR;HDVR_VOB/HDVR_SOB)およびコンテンツプロバイダが提供できる第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO;ADV_OBJ)を管理するファイル構造(図79)を持ち、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)および前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む所定のデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体において、
前記情報記録媒体は管理領域とデータ領域を持ち、前記データ領域は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(HDVR_VOB, HDVR_SOB, ADV_OBJ)に分かれて記録できるように構成され、
前記管理領域は、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)を含む前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎に管理情報(図79のESOB関連ファイル=図3のHR_SFIxx.IFO等)を持つとともに、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)を含む前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎にタイムマップ情報(図79のVSOB関連ファイル=HR_Vmmmm.MAP等)を持ち、
前記管理領域は、さらに、前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む前記デジタルストリーム信号の再生を管理する管理情報(VIDEO_PLAYLIST、VTSI)を含むように構成した情報記録媒体。
【0289】
<情報記録媒体(その5)>
所定のデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体において、
前記情報記録媒体は管理領域とデータ領域を持ち、前記データ領域は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(HDVR_VOB, HDVR_SOB)に分かれて記録できるように構成され、
前記管理領域は、前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎に管理情報を持つとともに、前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎にタイムマップ情報(図77、図82のHR_Vmmmm.IFO=HR_Vmmmm.MAP, HR_Snn_mmmm.SMP)を持ち、
前記タイムマップ情報(HR_Vmmmm.MAP, HR_Snn_mmmm.SMP)が前記オブジェクト(HDVR_VOB, HDVR_SOB)を特定するためのインデックス情報(図83のEVOB_INDEX、図84のESOB_INDEX)を含むように構成した情報記録媒体。
【0290】
<上記情報記録媒体を用いる記録方法>
前記データ領域に前記デジタルストリーム信号を記録する情報記録方法(図57〜図58)。
【0291】
<上記情報記録媒体を用いる再生方法>
前記データ領域から前記デジタルストリーム信号を再生する情報再生方法(図69)。
【0292】
<上記情報記録媒体を用いる記録装置>
前記データ領域に前記デジタルストリーム信号を記録する構成を備えた情報記録装置(図53のエンコーダ側)。
【0293】
<上記情報記録媒体を用いる再生装置>
前記データ領域から前記デジタルストリーム信号を再生する構成を備えた情報再生装置(図53のデコーダ側)。
【0294】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、現在または将来の実施段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0295】
100…情報記録媒体(DVD−RAMディスク等);121…AVデータ記録領域;122…VRオブジェクト群記録領域;130…AVデータ管理情報記録領域(HDVR_VMG);131…ストリームオブジェクト群記録領域;132…エストリームオブジェクト(ESOB);134…ストリームオブジェクトユニット(ESOBU);140…パケットグループ;160…DVDトランスポートストリームパケット記録領域;161…パケットグループヘッダ;163…MPEGトランスポートストリーム(MPEG−TS)パケット;162…パケット到着時間(PATS);10…再生情報管理層;11…プログラムチェーン(PGC);12…プログラム(PG);13…セル;20…ストリームオブジェクト管理情報層;21…ストリームオブジェクト情報(ESOBI);22…ストリームオブジェクトユニット情報(ESOBUI;グローバル情報);23…ビデオオブジェクト管理情報層;24…ビデオオブジェクト情報(EVOBI);25…ビデオオブジェクトユニット情報(EVOBUI);30…ストリームオブジェクト(ESOB)層;51…ディスクドライブ部(波長が例えば650nm〜405nmのレーザを用いた光ディスクドライブ等);59…デコーダ部;74…デジタルインターフェイス(IEEE1394I/F等);79…エンコーダ部;80…メインMPU部(制御部);83…セットトップボックス部(衛星デジタルチューナ);89…地上波デジタルチューナ;100a…情報記録媒体(ハードディスクドライブ等)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタルTV放送などで用いられるデジタルストリーム信号の記録再生に適した、情報記録媒体(あるいはデータ構造)、情報記録/再生方法、および情報記録/再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TV放送は、ハイビジョン番組(高精細AV情報の番組)を主な放送コンテンツとするデジタル放送の時代に突入してきた。現在実施されているBSデジタルTV放送(および近々実施が開始される地上波デジタルTV放送)では、MPEG2のトランスポートストリーム(以下、適宜MPEG−TSと略記する)が採用されている。動画を使用したデジタル放送の分野では、今後もMPEG−TSが標準的に用いられると考えられる。このようなデジタルTV放送の開始に伴って、デジタルTV放送のコンテンツをそのまま録画できるストリーマのマーケットニーズが高まってきている。
【0003】
DVD−RAM等の光ディスクを利用したストリーマの例として、下記特許文献1に開示された「記録再生装置」がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−84479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば途中に短いニュースが挿入された長時間音楽番組(年末にBSデジタル放送されるNHK紅白歌合戦など)をニュースカット(ニュース部分で録画を一旦止める)でストリーム録画した場合では、ニュースをカットした部分で録画番組のストリームオブジェクトが2つに分かれる。このような場合、2つのストリームオブジェクトは、記録媒体上で物理的に隣接して連続するのが普通であるが、物理的に離れた場所に不連続記録されていてもよい。この例では、2つのストリームオブジェクトが物理的に連続していようがいまいが、そのコンテンツの再生時間に関しては、論理的に連続している。CMが挿入された1本の映画をCMカットでストリーム録画した場合も同様で、CMカット部分で複数ストリームオブジェクト間に物理的な不連続が生じたとしても、1本の映画コンテンツ全体としての再生時間は論理的に連続している。
【0006】
一方、例えばチャネルXの番組Aをストリーム録画し、その後チャネルYの番組Bをストリーム録画したような場合、番組Aのストリームオブジェクトと番組Bのストリームオブジェクトは、たとえ記録位置が物理的に連続していても、それらのコンテンツの再生時間に関しては連続していない(論理的に不連続)。
【0007】
このように、複数のストリームオブジェクトによりストリーム録画がなされている場合において、隣接するストリームオブジェクト間に、物理的な連続性ではなく、論理的な連続性(同一番組内での再生時間の連続性)があるかどうかは、再生時のデコード処理(システムタイムクロックSTCの設定処理など)に影響する。具体的には、再生時間の連続性が分からずにSTCの設定が不適切に行われる(STCのリセットなど)と、同一番組の前半ストリームオブジェクトの末尾から後半ストリームオブジェクトの先頭に再生が移る際に、静止画表示による待ち時間が長めに生じる可能性が出てくる。
【0008】
なお、記録対象(デジタル放送等)にはPSI(Program Specific Information)やSI(Service Information)等の情報が含まれていることがあるが、これまではPSIやSIが不明の場合については配慮されていない。また記録対象のビデオ情報の解像度は種々なものが含まれ得るが、解像度の指定に水平解像度と垂直解像度のうち一方(水平解像度)が不明な場合も配慮されていない。
【0009】
さらに、近々、種々な付加価値を付けたハイビジョンコンテンツがコンテンツプロバイダにより頒布(市販)されることが見込まれており、そのようなハイビジョンコンテンツとの親和性(互換性)も、これからのハイビジョンレコーダには求められる。
【0010】
この発明の課題の1つは、ユーザが記録再生するコンテンツの情報管理だけでなくコンテンツプロバイダにより頒布されるコンテンツとの親和性を図った情報管理を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の一実施の形態では、ユーザが録画できる第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR;HDVR_VOB/HDVR_SOB)およびコンテンツプロバイダが提供できる第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO;ADV_OBJ)を管理するファイル構造(図79)を持ち、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)および前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む所定のデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体(図1の100)を用いる。ここで、前記情報記録媒体は管理領域とデータ領域を持ち、前記データ領域は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(HDVR_VOB, HDVR_SOB, ADV_OBJ)に分かれて記録できるように構成される。前記管理領域は、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)を含む前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎に管理情報(ESOB関連ファイル)を持つとともに、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)を含む前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎にタイムマップ情報(図79のVSOB関連ファイル)を持つ。前記管理領域は、さらに、前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む前記デジタルストリーム信号の再生を管理する管理情報(VIDEO_PLAYLIST、VTSI)を含むように構成される。
【発明の効果】
【0012】
管理領域内に、第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)の管理情報(図79のESOB関連ファイル)とともに、第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む前記デジタルストリーム信号の再生を管理する管理情報(VIDEO_PLAYLIST、VTSI)を設けたことで、ユーザが記録再生するコンテンツ(HD_DVD-VR)とプロバイダが提供するコンテンツ(HD_DVD-VIDEO)の双方を纏めて管理できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施の形態に係るデータ構造を説明する図。
【図2】この発明の一実施の形態に係るデータ構造における再生管理情報層とオブジェクト管理情報層とオブジェクト層との関係を説明する図。
【図3】この発明の一実施の形態に係るファイル構造を説明する図。
【図4】AVデータ管理情報記録領域130に記録される管理情報の一部(HDVR_MGI)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図5】DISC_RSM_MRKIの具体例を説明する図。
【図6】EX_DISC_REP_PICIの具体例を説明する図。
【図7】EX_PL_SRPTの具体例を説明する図。
【図8】この発明の一実施の形態に係るデータ構造において、管理情報の1つ(HDVR_MG)の他部(EX_M_AVFIT)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図9】EVOB_TMAP_GIの具体例を説明する図。
【図10】EX_M_VOB_STIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図11】V_ATRがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図12】ESTR_FITがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図13】HR_SFIxx.IFOの具体例を説明する図。
【図14】ESOBI_GIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図15】ESOBI_GIに含まれる種々な情報を説明する図。
【図16】ESOB_ESIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図17】ESOB_V_ESIがどのように構成されるかの一例と、このESOB_V_ESIに含まれるビデオ属性V_ATTRがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図18】ESOB_A_ESIがどのように構成されるかの一例と、このESOB_A_ESIに含まれるオーディオ属性AUDIO_ATTRがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図19】ESOB_OTHER_ESIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図20】ESOB_DCNIの具体例を説明する図。
【図21】ESOB_GPIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図22】ESOB_GPI_GI、GPI_SRP#、およびGPI#がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図23】ESOB_CONNIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図24】ESOB_TMAP(タイプA)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図25】ESOB_TMAP(タイプB)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図26】DVD_HDVRディレクトリに含まれるHR_VTMAP.IFOおよびHR_STMAPx.IFOがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図27】EX_VTMAPTI、各EX_VTMAP_SRP#、および各EX_VTMAPIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図28】各EVOBU_ENT#の中身がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図29】STMAPT(タイプA)に含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図30】STMAPT(タイプB)に含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図31】ESOBU_ENT#の中身がどのように構成されるかの一例(タイプAの例)を説明する図。
【図32】HDVR_VMGに含まれるPGC情報(EX_ORG_PGC情報およびEXプレイリスト情報/EX_UD_PGC情報)が、どのように構成されるかの一例を説明する図。
【図33】EX_PGC情報がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図34】EX_CIの具体例を説明する図。
【図35】C_EPIの具体例を説明する図。
【図36】ESOB(またはEVOB)のPTMがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図37】ストリームオブジェクト用のデータユニット(ESOBU)がどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図38】PKT_GRP_GIの具体例を説明する図。
【図39】パケットグループヘッダに含まれるコピー管理情報CCI#がどのように構成されるかの例を説明する図。
【図40】MNIの具体例を説明する図。
【図41】EVOBUがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図42】EVOBUのGCIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図43】EVOBUのEX_PCIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図44】EVOBUのEX_DSIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図45】Interoperability VTS/VR_VOBの場合のEX_RDIがどのように構成されるかの一例を説明する図。
【図46】この発明の他の実施の形態に係るファイル構造を説明する図。
【図47】ESOB_SZとESOB_S_PKT_POSとの関係の一例を説明する図。
【図48】ESOBUクラスタの一例を説明する図。
【図49】AT_SOBUとパケットとの関係の一例を説明する図。
【図50】ESOBU_SZとESOBU_S_PKT_POSとES_LAST_SOBU_E_PKT_POSと関係の一例を説明する図。
【図51】AT_SOBU_SZとAT_SOBU_S_PKT_POSと関係の一例を説明する図。
【図52】TS PacketとPacket Groupとの関係の一例を説明する図。
【図53】この発明の一実施の形態に係るデータ構造を利用して、情報記録媒体(光ディスク、ハードディスク等)にAV情報(デジタルTV放送プログラム等)を記録し再生する装置の一例を説明するブロック図。
【図54】レコーダのシステムモデルの一例を説明する図。
【図55】装置の全体の動作の一例を説明するフローチャート図(全体動作処理フロー)。
【図56】編集処理(ST28)の一例を説明するフローチャート図(編集動作処理フロー)。
【図57】録画動作の一例(その1)を説明するフローチャート図。
【図58】の録画動作の一例(その2)を説明するフローチャート図。
【図59】ESOB切り処理(ST160)の一例を説明するフローチャート図(ESOB切り処理フロー)。
【図60】バッファ取り込み処理(ST130)の一例を説明するフローチャート図(バッファ取り込み処理フロー)。
【図61】パケットグループ一般情報設定処理(ST1340)の一例を説明するフローチャート図(PKT_GRP_GI設定処理フロー)。
【図62】ストリーム情報(ESI)作成処理(ST120)の一例を説明するフローチャート図(ESI設定処理フロー)。
【図63】録画終了処理(ST150)におけるストリームファイル情報(ESTR_FI)作成処理の一例を説明するフローチャート図。
【図64】GPI設定処理ST1530の一例を説明するフローチャート図。
【図65】のTMAP設定処理ST1540を説明するフローチャート図。
【図66】EVOB/ESOB構造設定処理ST15400を説明するフローチャート図。
【図67】CP_CTL_INFO(CCI)作成処理ST1220を説明するフローチャート図。
【図68】録画終了処理(ST150)におけるプログラムチェーン(PGC)作成処理(プログラム設定処理を含む)の一例を説明するフローチャート図(プログラム設定処理フロー)。
【図69】再生動作の一例を説明するフローチャート図(全体の再生動作フロー)。
【図70】デコーダ設定処理(ST217)を説明するフローチャート図。
【図71】セル再生時の処理の一例を説明するフローチャート図。
【図72】ESOB連続チェック処理(ST2201)を説明するフローチャート図。
【図73】バッファRAMからデコーダへのデータ転送処理の一例を説明するフローチャート図。
【図74】GP切り替え処理の一例を説明するフローチャート図。
【図75】ディスコンティニュー処理の一例を説明するフローチャート図。
【図76】スキップ処理の一例を説明するフローチャート図。
【図77】図3または図46の別例を説明する図。
【図78】図9の別例を説明する図。
【図79】図77の別例を説明する図。
【図80】図24の別例を説明する図。
【図81】図25の別例を説明する図。
【図82】TMAPファイル構造の例を説明する図。
【図83】図27の別例を説明する図。
【図84】図29の別例を説明する図。
【図85】図30の別例を説明する図。
【図86】図36の別例を説明する図。
【図87】図42の別例を説明する図。
【図88】インターオペラブルコンテンツの変換例を説明する図。
【図89】HD_VRからVTSIへの変換表図(その1)の例を説明する図。
【図90】HD_VRからVTSIへの変換表図(その2)の例を説明する図。
【図91】HD_VRからVTSIへの変換表図(その3)の例を説明する図。
【図92】HD_VRからVTSIへの変換表図(その4)の例を説明する図。
【図93】インターオペラブルコンテンツ作成の処理タイミング例を説明するフローチャート図。
【図94】インターオペラブルコンテンツ作成処理の一例を説明するフローチャート図。
【図95】HD_VRのPGC構成例を説明する図。
【図96】CNT_SEGの特殊な場合を説明する図。
【図97】ESOB_CONNIに応じたSOBの開始位置関係の一例を説明する図。
【図98】編集時におけるESOB_CONNIに応じたSOBの開始位置関係の一例を説明する図。
【図99】ESOB_CONNIに応じたSOBの終了位置関係の一例を説明する図。
【図100】編集時におけるESOB_CONNIに応じたSOBの終了位置関係の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明の種々な実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、この発明の一実施の形態に係るデータ構造を説明する図である。RecordableあるいはRe-writableな情報記録媒体の代表例として、DVDディスク(波長650nm前後の赤色レーザあるいは波長405nm以下の青紫ないし青色レーザを用いた、単記録層または複数記録層の、DVD±R、DVD±RW、DVD−RAM等)100がある。このディスク100は、図1に示すように、ファイルシステムが入っているボリューム/ファイル構造情報領域111とデータファイルを実際に記録するデータ領域112を含んで構成されている。上記ファイルシステムは、どのファイルがどこに記録されているかを示す情報で構成されている。
【0016】
データ領域112は、一般のコンピュータが記録する領域120、122と、AVデータを記録する領域121を含んでいる。AVデータ記録領域121は、AVデータの管理をするためのビデオマネージャ(VMG)ファイルがあるAVデータ管理情報領域130と、DVD-Video(ROM Video)規格に準じたオブジェクトデータのファイルが記録されるROM_Videoオブジェクト群記録領域131と、ビデオレコーディング(VR)規格に準じたオブジェクトデータ(ESOBS:Extended Video Object Set)のファイル(VROファイル)が記録されるVRオブジェクト群記録領域132と、デジタル放送に対応したオブジェクトが記録されているストリームオブジェクトデータ(ESOBS:Extended Stream Object Set)ファイル(SROファイル)が記録される記録領域133を含んで構成されている。なお、SROファイルのためのレコーディング規格は、適宜、ストリームレコーディング(SR)規格と表記する。
【0017】
ここで、DVD-Video(ROM Video)はビデオタイトルセット(VIDEO-TS)、録再DVD(DVD-RTR)はDVD-RTAVというように、フォーマット毎にファイルディレクトリが分けられ、この実施の形態で説明するデジタル放送対応の新たなDVD規格のファイルは、例えばDVD_HDVRというディレクトリに格納される(図3を参照して後述)。
【0018】
つまり、DVD_HDVRというディレクトリ(図3)に、データの管理を行うためのVMGファイルと、アナログ放送及びライン入力などのアナロク記録用のオブジェクトファイルであるVROと、デジタル放送のオブジェクトであるSROファイルが記録され、そのSROファイルがESOBSとなる。
【0019】
図2は、この発明の一実施の形態に係るデータ構造における再生管理情報層とオブジェクト管理情報層とオブジェクト層との関係を説明する図である。図2に示されるように、SRの管理データはVRと共通のVMGファイルに記録され、SRはVRと共通に制御され、SRおよびVRはセル単位でリンクされ、再生場所の指定は再生時間単位で指定される。この管理データはVR_MANEGER.IFO(図3参照)と称している。ここで、TMAPTを別ファイルにする場合、図3に示すように、HR_VTMAP.IFO、HR_STMAP.IFOとそのバックアップファイルであるHR_VTMAP.BUP、HR_STMAP.BUPが追加されている。
【0020】
ESOBSの構造は、1以上のESOB141で構成され、ESOBは、例えば、一番組に相当する。ESOBは1以上のESOBU(Extended Stream object unit)で構成され、ESOBUは、一定時間間隔(ESOBU_PB_TM_RNGの値により変化する)分のオブジェクトデータもしくは、1以上のGOPデータに相当する。ただし、転送レートが低い場合1s(1秒)以内で1GOPが送られない場合が考えられる(VRでは内部エンコードであるため自由に設定できるがデジタル放送の場合エンコードが放送局であるため、どんなデータがくるか不明な可能性がある)。また、レートが高く、Iピクチャが頻繁に送られた場合などが考えられる。その場合、ESOBUが頻繁に区切られ、それに伴いESOBUの管理情報が増え、全体の管理情報が肥大化するおそれがある。そこで、ESOBUは総録画時間により決めた一定時間間隔(最小の制限はESOB最後のESOBU以外、ただし、区切りはピクチャ単位:例1s毎)または1以上GOPで区切るのが適当となる。
【0021】
なお、ストリームの解析不能時にPATSベースで管理情報を構築する場合、AT_SOBU(Arrival Time based SOBU)はAT_SOBU_TMに示される時間間隔で区切られる。 AT_SOBU_TMは秒単位で指定する場合(図25参照)と27MHzのカウント値で指定する場合の2種類が考えられる。
【0022】
この発明の一実施の形態では、1つのESOBUは1以上のPacket Groupで構成され、1つのPacket Groupは16(あるいは32)Logical Block(1LB=2048バイト;16LB=32640バイト)に対応させることができる。各Packet GroupはPacket Group HeaderとTSパケット(170個)で構成されている。各TSパケットの到着時間(Arrival Time)は、各TSパケットの前に配置されたPATS(Packet Arrival Time Stamp:4バイト)で表すことができる。
【0023】
ここで、TSパケットの到着時間は、録画開始を0(または所定の値)とし、録画終了までリニアにカウントアップさせる必要がある。ただし、STCとPATSは同じ値を示すとは限らない(初期値の違いなどのため)。しかしながら、PATS用カウンタのカウント間隔は、再生同期が合っている状態で、PCR(Program Clock Reference)取り込みと次のPCR取り込みの間隔に対応したSTC用カウンタのカウント間隔に対して、同期させる必要がある。なお、PCRはMPEG−TS内の、図示しないアダプテーションフィールドに含まれている。また、Packet Groupには2つまでのESOBが混在する事を許可する。つまり、ESOB毎にPacket Groupをアラインしなくてもよいと言うことである。
【0024】
ここで、管理情報について、図3〜図36等を参照して説明する。図3は、この発明の一実施の形態に係るファイル構造を説明する図である。
【0025】
HDVRディレクトリには、図3に示されるように、DVDの管理情報ファイルであるHR_MANGER.IFOと、アナログビデオ入力のオブジェクトファイルであるVROファイルと、デジタル放送対応用のSROファイルで構成されている。すなわち、ストリームデータの管理情報はVMGファイル内に保存され、VRデータと同列に管理される。具体的には、ストリームの管理情報はESTR_FIT(Stream File Information Table)に保存されており、管理情報であるVMGファイルは、既存のDVD−VR規格の管理情報にESTR_FIT(Extened Stream File Information table)が追加された形態を採っている。
【0026】
ところで、デジタルTV放送などやインターネットなどの有線を使用した放送などの圧縮動画を放送(配信)を行うための方式において、共通の基本フォーマットであるMPEG−TS方式は、パケットの管理データ部分とペイロードに分かれる。
【0027】
ペイロードには、再生されるべき対象のデータがスクランブルの掛かった状態で含まれている。ARIBによると、その他にPAT(Program Association Table)やPMT(Program Map Table)やSI(Service Information)に関しては、スクランブルされていない。また、PMTやSI(SDT:Service Description Table, EIT:Event Information Table、BAT:Bouquet association Table)を利用してさまざまな管理情報を作成する。
【0028】
再生対象としては、MPEGビデオデータやDolby AC3(R)オーディオデータやMPEGオーディオデータ、データ放送データなど、さらに、直接、再生対象には関係ないが、再生する上で必要なPAT、PMT、SIなどの情報(番組情報等)などがある。PATには、番組毎のPMTのPID(Packet Identification)が含まれており、さらにPMTにはビデオデータやオーディオデータのPIDが記録されている。
【0029】
これにより、STBの通常の再生手順としては、EPG情報により、ユーザが番組を決定すると、目的の番組の開始時間に、PATを読み込み、そのデータを元に、希望の番組に属するPMTのPIDを決定し、そのPIDに従って、目的のPMTを読み出し、そこに含まれる再生すべきビデオ、オーディオパケットのPIDを決定し、PMTやSIにより、ビデオ、オーディオの属性を読み出し、各デコーダへセットし、前記ビデオ、オーディオデータをPIDに従って切り出して、再生を行う。ここで、PAT、PMT、SI等は途中再生にも使用するために、数100ms毎に、送信されてくる。
【0030】
ここで、デジタル放送は国毎に放送方式がちがう。たとえば、ヨーロッパではDVB(Digital Video Broadcasting)、米国ではATSC(Advanced Television Systems Committee)、日本ではARIB(Association of Radio Industries and Businesses)となっている。
【0031】
DVBでは、ビデオはMPEG2であるが、解像度が1152*1440i、1080*1920(i, p)、1035*1920、720*1280、(576, 480)*(720, 544, 480, 352)、(288, 240)*352で、フレーム周波数は30Hz、25Hzとなり、オーディオはMPEG-1 audio、MPEG-2 Audioでサンプリング周波数が32kHz、44.1kHz、48kHzとなっている。
【0032】
ATSCでは、ビデオはMPEG2であるが解像度は1080*1920(i, p)、720*1280p、480*704(i, p)、480*640(i, p)でフレーム周波数は23.976Hz、24Hz、29.97Hz、30Hz、59.94Hz、60Hzとなり、オーディオはMPEG1 Audio Layer 1 & 2(DirecTV)、AC3 Layer 1 & 2(Primstar)でサンプリング周波数は48kHz、44.1kHz、32kHzとなっている。
【0033】
ARIBでは、ビデオはMPEG2であり、解像度は1080i、720p、480i、480pでフレームレートは29.97Hz、59.94Hzとなり、オーディオはAAC(MPEG-2 Advanced Audio Coding)でサンプリング周波数が48kHz、44.1kHz、32kHz、24kHz、22.05kHz、16kHzとなっている。
【0034】
このように各国により、デジタ放送の方式は違い、また、放送局毎にも違う可能性がある。そのため、レコーダでは、それぞれの使用する方式に応じてオブジェクトを1または複数のファイルとして記録する必要がある。
【0035】
このことから、現行のVRファイル構成に対して、この発明の一実施の形態においてさらに追加されるファイルは、図3に示すように、HR_SFIx.IFOおよびHR_SFIx.bupというファイル名において“x”が複数存在可能なように構成される。このように構成された1以上のファイルが、各放送方式毎に追加される。
【0036】
また、たとえば“x”=00の場合は、放送方式が不明な場合や該当レコーダがその放送方式に対応していない場合に使用できる。この場合、放送方式不明のストリームまたはレコーダが非対応の放送方式のストリームは、TYPE Bのストリーム(SOB_STRB)として保存できる。そこで、放送局毎(または放送方式毎)にデジタル放送用の管理用情報であるESTR_FIを変更するため、複数のESTR_FIが存在する事になる。
【0037】
図4は、AVデータ管理情報記録領域130に記録される管理情報(HDVR_MG)の一部(HDVR_MGI)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。このHDVR_MGIは、管理情報管理テーブル(MGI_MAT)とプレイリストサーチポインタテーブル(EX_PL_SRPT)を含んで構成される。管理情報管理テーブル(MGI_MAT)は、ディスク管理識別情報(VMG_ID)と、HDVMGファイルの情報(HR_MANGER.IFO)の終了アドレス(HR_MANGER_EA:DHVR_MGファイルの先頭からEX_MNFITの最後までのアドレスを示す)と、管理情報(HDVR_MGI)の終了アドレス(HDVR_MGI_EA:DHVR_MGファイルの先頭からHDVR_MGIの最後までのアドレスを示す)と、バージョン情報と、ディスクのレジューム情報(DISC_RSM_MRKI)と、ディスクの代表画像情報(EX_DISC_REP_PICI)と、ストリームオブジェクト管理情報の開始アドレス(ESTR_FIT_SA)と、オリジナルプログラムチェーン情報の開始アドレス(EX_ORG_PGCI_SA)と、ユーザ定義プログラムチェーン情報テーブルの開始アドレス(EX_UD_PGCIT_SA)等を含んで構成されている。
【0038】
図5は、ディスク全体のレジュームマーク情報(DISC_RSM_MRKI)の具体例を説明する図である。DISC_RSM_MRKIは、ディスク全体を通して再生した場合の中断された再生を再開するための情報として、プログラムチェーン番号PGCN、プログラム番号PGN、セル番号CN、再生開始PTMなどを含むマークポインタMRK_PT(目的のESOB上のPTM/PATS/S_ESOB_ENT番号などを含む)、再生するビデオストリームのESI番号V_ESN、再生するオーディオストリームのESI番号A_ESN 、Dual-Monoの場合の主副情報(音声の主/副切替フラグ)、そのマーカーを作成(更新)した日時情報MRK_TMなどを設定している。
【0039】
図6は、ディスクの代表画像情報(EX_DISC_REP_PICI)の具体例を説明する図である。EX_DISC_REP_PICIは、その代表画像のプログラムチェーン番号PGCN、プログラム番号PGN、セル番号CNの他に、その代表画像の開始PTMなどを含むピクチャポインタPIC_PT(目的のESOB上のPTM/PATS/S_ESOB_ENT番号などを含む)、再生するビデオストリームのESI番号V_ESN、その代表画像の再生時間および/または再生終了時間、その代表画像を作成(更新)した日時情報PIC_CL_TMなどを設定している。
【0040】
図7は、プレイリストサーチポインタテーブル(EX_PL_SRPT)の具体例を説明する図である。EX_PL_SRPTには各プレイリストへのサーチポインタ(EX_PL_SRP#1〜#n)があり、各々のサーチポインタ(EX_PL_SRP)に各プレイリスト毎のレジュームマーカー(PL_RSM_MRKI:再生中断時にどこまで再生したかを示すマーカー)を設けている。このPL_RSM_MRKIには、再生を再開するための情報として、レジュームマーカーに対応するセル番号CN、レジュームマーカーに対応するピクチャポインタPIC_PT(再生開始PTM等に対応)、そのマーカーを作成した日時情報MRK_TM、再生するビデオストリーム(デフォルトのストリーム)のESI番号V_ESN、再生するオーディオストリームのESI番号A_ESN、レジュームマーカーに対応するオーディオストリームに含まれる音声情報の主/副切り替えフラグ(Dual-Monoの場合の主副情報)等を設定している。
【0041】
さらに、各々のEX_PL_SRPには該当プレイリストの代表画像情報(PL_REP_PICTI)が存在し、各プレイリスト毎の代表画像情報(タイトルメニューなどでサムネールとして表示する画像のマーカー)を設けている。このPL_REP_PICTIには、目的のセル番号CN、目的のEVOB上のピクチャポインタPIC_PT(該当する代表画像の開始PTM、PATS、S_EVOB_ENT番号等)、再生するビデオストリーム(デフォルトのストリーム)のESI番号V_ESN、該当する代表画像の再生時間またはその再生終了時間、および該当する代表画像そのマーカーを作成(更新)した日時情報PIC_CL_TMなどを設定している。
【0042】
図8は、この発明の一実施の形態に係るデータ構造において、管理情報の1つ(HDVR_MG)の他部(EX_M_AVFIT)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。このEX_M_AVFITには、ムービーAVファイル情報(EX_M_AVFI)が存在し、その中に各EVOB毎の管理情報であるM_EVOBI#1〜#nがEVOBの数分存在している。M_EVOBI内には、図8に示すようにEVOBのTMAPを管理するためのEVOB_TMAPIが存在する。
【0043】
ここで、アナログ入力の自己録再を行なうVideo Recoding(VR)用のTMAP(Time Map)であるVTMAPTの更新日時情報を図8のEX_M_AVFITI内(VTMAP_LAST_MOD_TM)に記載し、デジタル放送記録用のStream Recoding(SR)用のTMAPであるSTMAPTの更新日時情報を図13のESTR_FI_GI内(STMAP_LAST_MOD_TM)に記載することができる。そうすれば、これらの値(VTMAP_LAST_MOD_TMおよび/またはSTMAP_LAST_MOD_TMの値)と各TMAPTファイルに記載されている対応更新日時情報を比較し、同じ値であれば整合性が取れているとして処理を行うように構成できる。
【0044】
図9は、EVOBタイムマップの一般情報(EVOB_TMAP_GI)の具体例を説明する図である。EVOBタイムマップ情報(EVOB_TMAPI)には、図9に示すように、EVOB_TMAP_GIが入っている。このEVOB_TMAP_GIには別ファイルのVTMAPTを管理するための一般情報が記録されている。すなわち、EVOB_TMAP_GIは、該EVOBにあるエントリ(EVOBU_ENT)の総数(EVOBU_ENT_Ns)、該EVOBの先頭アドレス(ADR_OFS)、該EVOBのサイズ(EVOB_SZ)、該EVOBのエントリの時間間隔を決めるEVOBU_PB_TM_RNG、VTMAPファイル内でのTMAPの番号(EX_VTMAP_N:EVOBの先頭から1対1で決まる場合、無い事も考えられる)などを含んで構成されている。
【0045】
前記EVOB_TMAP_GIは、TMAPが別ファイルに分かれている(図26参照)ため、そのファイルを読み出さなくても、EVOBの情報が判るようになっている。特に、EVOB_TMAP_GI内にあるEVOBの先頭アドレスADR_OFS、EVOBのサイズEVOB_SZおよびEVOBのエントリ総数EVOBU_ENT_Nsから、ディスク100の何処からどのくらいのデータ量を読み出すか、ワークRAMをどのくらい確保すべきかなどを、TMAPのファイル本体を読み込む前に知る事により、読み出し準備が楽になる。
【0046】
図10はEX_M_VOB_STIがどのように構成されるかの一例を説明する図であり、図11はV_ATRがどのように構成されるかの一例を説明する図である。図10に示すように、EX_M_VOB_STIが登録されると、EVOBはM_EVOBI内で自分の該当するEX_M_VOB_STIを番号で指定する。このEX_M_VOB_STIの構造は、既存のDVD−VRと同じように、V_ATR、AST_Ns、SPST_Ns、A_ATR0、A_ATR1、SPのパレット情報等で構成される。
【0047】
そして、EVOBの属性(Attribute)としては、図11に示すように、Videoの属性情報(V_ATR)にプログレッシブ画像かどうかのフラグが付き、TVシステムにハイビジョンまたは高精細(HD)が追加になり、解像度の種類が増えている。
【0048】
図12は、ESTR_FITがどのように構成されるかの一例を説明する図である。ストリームの管理情報はESTR_FIT(Extended Stream File Information Table)に保存されている。ESTR_FITは、1以上のファイル情報サーチポインタを含んだテーブル(ESTR_FI_SRPT)と、1以上のファイル情報(図13のHR_SFIxx.IFOに含まれるESTR_FI)と、別の1以上のファイル情報(図26のHR_STMAPx.IFOに含まれるSTMAPIT)等で構成されている。
【0049】
ここでは、放送局毎(または放送方式毎)にデジタル放送用の管理用情報であるESTR_FIを変更するため、複数のESTR_FIが存在している。そこで、使用するESTR_FIファイルを指定するために、ESTR_FI_SRPT情報が存在する。その構造(ESTR_FI_SRPTI)は、図12に示すように、ESTR_SRPの総数(ESTR_FI_SRP_Ns)と該テーブル情報の終了アドレス(ESTR_FI_SRPT_EA)を含んで構成される。そして、各ESTR_FI_SRPは、ESTR_FI_FN(ESTR_FI_file_name)と、ESTR_FI_LAST_MOD_TM(ESTR_FIファイルの編集更新時間)と、AP_FORMAT1(放送方式:Majorな括り:Japan_ISDB、ATSC、EU_DVB等)と、Country code(録画した国コード:例えばJPN=日本)と、PKT_TY(パケットタイプ:例えば1=MPEG−TS)と、ESOBI_Ns(ESOBの数またはAT_SOBの数)と、ESTR_FI_SZ(ESTR_FIファイルのサイズ)と、TOTAL_STMAP_SZ(STMAPの合計サイズ)を含んで構成されている。
【0050】
特にTOTAL_STMAP_SZが最大2MB以下と言う制限を規格で設けている場合は、それを超えないよう、ファイルサイズを確認する必要がある。すなわち、MPUのワークRAMにSTMAPを最大2MB以内で展開可能なように構成する必要がある。そのため、TOTAL_STMAPI_SZでTMAPのサイズを確認できるようにしている。
【0051】
ここで、更新日時情報(図13のSTMAP_LAST_MOD_TM)はESTR_FIファイル内にも設定されており、編集時ESTR_FIを変更した場合、その値も更新される。そして、再生時、この値(ESTR_FI_LAST_MOD_TM)とESTR_FIファイル内の値(STMAP_LAST_MOD_TM)を比べ、同じ値の場合、再生可能とする。
【0052】
また、ESTR_FIの数は例えば4個以下とし、ESOBIの数も例えば999個以下としている。さらに、ESTR_FI file name:HR_SFInn.IFOの“nn”の部分がSTMAPのFile Name:HR_STMnn.IFOの“nn”に反映されて、STMAPのファイル名が決定されるように構成することができる。
【0053】
図13は、ESTR_FIファイル(HR_SFIxx.IFO)構造の具体例を説明する図である。ESTR_FIは、ESTR_FI_GI(General Information)と、1以上のESOBI_SRP(Stream Object information Search Pointer)と、ESOBI_SRP#kと同数でその値(#k)で示されるESOBI(ESOB Information)を含んで構成される。
【0054】
ESTR_FI_GIは、該ESTR_FIの管理するオブジェクトのファイル名/ファイル番号(SFI_ID)、該ESTR_FI内のESOBI_SRPの数(ESOBI_SRP_Ns)、該ファイルのVersion番号(VERN)、パケットタイプ(PKT_TY:例えば1=MPEG−TS)、パケットグループのサイズ(PKT_GP_SZ:例えば16 Logical Blockで固定)、パケットグループ内のTSパケットの数(PKT_Ns:例えば0xAAなら170 TS packetで固定)、STMAPの更新時間(STMAP_LAST_MOD_TM)、STMAPのサイズ(STMAP_SZ)、パケット到着時間のステータス(PATS_SS)等で構成されている。
【0055】
なお、HR_SFIxx.IFOの数に対応してSTR_FIを複数設けることができるが、これらのSTR_FIは、放送局毎および/または放送方式(日本のARIB、米国のATSC、欧州のDVB等)毎に設けることができる。また、複数設けたSTR_FIに対応して複数のタイムマップ(図26のETMAPI/STMAPI参照)を設けることができる。
【0056】
ここで、ストリームが解析可能な場合(TYPE AのSTRA)はPTMベースでTMAPが作成可能であるが、解析できない場合(スクランブルが解けない場合や、想定している放送局とは違う方式のデータが入力された場合等:TYPE BのSTRB)は、TMAPをPTMベースでは無く受信時間(PATS)ベースで作成することができる。ただし、PATSは再生時間では無いので、時間的に正確な特殊再生等はできないが、大体の特殊再生(録画内容を大まかに確認する程度の早送り再生や早戻し再生など)は可能となる。
【0057】
図13において、PATS_SSはPATSの精度を示す値で構成されている。例えば後述する図53の装置において、ネットワークやIEEE1394等のデータそのものを取り込む場合、PATSが4バイトあるいはPATSがダミーなどのときがある。そのような場合に対応するため、PATS_SSの値として、“00=PATS, FIRST_PATS_EXTの両方が有効:精度6バイト”、“01=PATSのみ有効:精度4バイト”、“10=PATS, FIRST_PATS_EXTの両方が無効:精度無し)”を用意している。
【0058】
また、デジタル放送において、特徴としてあげられるのがマルチビュー放送などに代表される複数の映像を同時に(タイムシェアリングして)流し、その内、必要なものだけを選んで再生することにより、複数のコンテンツをユーザの好み等により選択するものである。たとえば、マルチアングル放送でX、Y、Zのストリームと降雨対応としてUがひとつのTSとしてレコーダが受け取った場合、再生時に必要なストリームを選択して再生し、キーにより自由に切り替える必要があり得る。これに対応するため、グルーピング情報(GPI)を追加して、この目的を可能にしている。
【0059】
図14は、 図13のESOBIに含まれるESOBI_GIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOBI_GIは、例えば図示の順番で図示する各種情報をを含んでいる。すなわち、ESOBIは、ESOBI_GIと、ESOB_V_ESI(Extended Video Elementary Information)、ESOB_A_ESI(Extended Audio Elementary Information)および/またはESOB_OTHER_ESI(Other Elementary Information)に対応するESOB_ESIと、ESOB_DCNI(Discontinuity Information)と、ESOB_CONNI(ESOB Connect Information)と、ESOB_ES_GPI(ESOB_ES Group Information)と、ESOB_TMAP(ESOB Time Map)等を含んで構成されている。
【0060】
図15は、ESOBI_GIに含まれる種々な情報を説明する図である。図15は、図14の各種情報の中身を示している。すなわち、ESOBI_GIは、ESOB_REC_MODE、ESOB_TY、AP_FORMAT2(Minor:1=ISDB-S:BS/CS放送、2=ISDB-T:地上デジタル放送)、録画開始日時(ESOB_REC_TM)、録画時間(ESOB_DURATION:有効値が無い場合はALL 0xff)、先頭のPresentation Time(ESOB_S_PTM)、終了Presentation Time(ESOB_E_PTM)等を含み、さらに、PSI, SIの値を元に、SERVICE_ID、PMT_PID、NETWORK_ID、TS_ID、FORMAT_ID、SERVICE_TYPE、PCR_PID等を記録する。さらに、ESOBI_GIは、ESOB_ES_Ns(録画のために選択したESの数)、ESOB_V_ES_Ns(録画したビデオESの内、TMAPを作ったESの数)、ESOB_A_ES_Ns(録画したオーディオESの内、TMAPを作ったESの数)、録画レート等を含んで構成されている。
【0061】
なお、TYPE_Bの場合、ストリームが解析出来ないで記録されるときがある。この場合、PSI, SIの値が不明(もしくは信用出来ない)と言う事になり、SERVICE_ID、PMT_PID、NETWORK_ID、TS_ID、FORMAT_ID、SERVICE_TYPE、PCR_PID等が記載出来ない。このようなときにESOB_TY:b12にPSI, SIの情報が無効であると言うフラグを設定することができる。その場合、上記のSERVICE_ID、PMT_PID、NETWORK_ID、TS_ID、FORMAT_ID、SERVICE_TYPE、PCR_PIDの値が無効となる。
【0062】
または、全体のフラグ(ESOB_TYのb12)で示すのでなく、SERVICE_ID、PMT_PID、NETWORK_ID、TS_ID、FORMAT_ID、SERVICE_TYPE、PCR_PIDのそれぞれの値に無効値(0xff)を設定し、無効の場合はその値を設定する事も考えられる。ただし、TYPE_BでもPSI, SIの値が有効の場合も有り得る。
【0063】
ESOBI_GIに含まれるESOB_REC_MODEは、ストリームのTYPEを示しており、00hでType Aのrecording mode、01hでType Bのrecording modeを示している。TYPE Aはストリームの構造が解析可能なストリームであり、管理情報がPTMベースで管理されている。一方、TYPE Bはストリームの構造が解析できず、そのため管理情報がPATSベースで管理されている。そのため、TMAPもType AはPTMベース、Type BはPATSベースとなっている。また、ESOB_TYは、仮消去かどうかを示す:TE flagと、前記PSI, SIより作成したデータの有効/無効を示すFlagを含んで構成されている。
【0064】
ここで、ESOB_ES_NsとESOB_V_ES_Nsと、ESOB_A_Es_NsとES_TMAP_Nsの関係は、以下の式で表すことができる:
ESOB_ES_Ns≧ESOB_V_ES_Ns+ESOB_A_Es_Ns
ESOB_V_ES_Ns+ESOB_A_Es_Ns≧ES_TMAP_Ns
図16は、ESOB_ESIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。図16に示すように、ESOB_ESIは3種類に分けられる(図17のESOB_V_ESIと、図18のESOB_A_ESIと、図19のESOB_OTHER_ESI)。これら3種のESIにおいて、ESOB_ES_PID(ESのPID)と、STREAM_TYPE(PMT内で示されるSTREAM type)と、STREAM_CONTENT(コンポーネント記述子で示されるSTREAM_CONTENTの値)と、COMPONENT_TYPE(コンポーネント記述子で示されるCOMPONENT_TYPEの値)と、Es_Index(例:ARIBの場合、コンポーネント記述子で示されるCOMPONENT_TAGの値で、該ESOB内でESに一義に付けるインデックス番号)が共通で、V_ESIではさらに、V_ATRが追加されている。
【0065】
図17は、ESOB_V_ESIがどのように構成されるかの一例と、このESOB_V_ESIに含まれるビデオ属性V_ATTRがどのように構成されるかの一例を説明する図である。V_ATRには、Video圧縮モード(圧縮方式の種類:1=MPEG1, 2=MPEG2, 3=MPEG4_AVC, 4=VC-1…)、Aspect Ratio(0=4:3, 1=16:9)、Source resolution(0=352*240(288), 1=352*480(576), 2=480*480(576), 3=544*480(576), 4=704×480(576), 5=720*480(576), 8=1280*720, 9=960*1080, 10=1280*1080, 11=1440*1080, 12=1920*1080, 16=640*480(576), 17=unspecified(Horizontal)*240(288)(Vertical), 18=unspecified(Horizontal)*480(576)(Vertical), 19=unspecified(Horizontal)*720(Vertical), 20=unspecified(Horizontal)*1080(Vertical), 1fh=unspecified)、Source picture progressive mode(0=Interlace, 1=Progressive, 3=unspecified)、フレームレート(1=24/1.001, 2=24, 3=25, 4=30/1.001, 5=30, 6=50, 7=60/1.001, 8=60, 0xf=unspecified)等が記載されている。
【0066】
ここで、unspecifiedは、PSI, SIの解析だけでは分からないときにオブジェクト内を調べられない場合に「不明」と言う事で記載する際に設定する。ARIBにおいて、ディスクリプタの解析のみでは、特に垂直解像度だけが判明し、水平解像度が不明の場合があるため、垂直解像度のみ記載する事が可能となっている。
【0067】
図18は、ESOB_A_ESIがどのように構成されるかの一例と、このESOB_A_ESIに含まれるオーディオ属性AUDIO_ATTRがどのように構成されるかの一例を説明する図である。A_ESIは、AUDIO_ATR(AUDIOの属性値)をさらに含んで構成されている。このAUDIO_ATRは、オーディオ圧縮モード(0=AC-3, 2=MPEG1 or MPEG2 without extension bitstream, 3=MPEG2 with extention bitstream, 4=L-PCM, 0x30=MPEG2 AAC, 0x3f=unspecified)、Sampling周波数(0=48kHz, 1=96kHz, 2=192kHz, 4=12kHz, 5=24kHz, 8=32kHz, 9=44.1kHz, 0xf=Unspecified)、オーディオチャネル数(0=1h(Mono), 1=2ch(Stereo), 2=3ch, 3=4ch, 4=5ch, 5=6ch, 6=7ch, 7=8ch, 9=2h(Dual Mono), 0xf=unspecified)等で構成されている。これらの値は、音声コンポーネント記述子の値より設定される。
【0068】
図19は、ESOB_OTHER_ESIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOB_OTHER_ESIは、図17のESOB_V_ESIあるいは図18のESOB_A_ESIと同様に、ES_TY、ES_PID、STREAM_TYPE、COMPONENT_TAGを含んで構成されている。なお、ESOB_OTHER_ESIは、その他にリザーブエリアを持っていてもよく、このリザーブエリアに種々の情報(データ符号化識別子、この識別子の付加情報、コピー制御情報など)を適宜記載することも可能である。
【0069】
図20は、ESOB_DCNIの具体例を説明する図である。このESOB_DCNI(Discontinue Information)は、DCNI_GIとCNT_SEGI#1〜#nで構成され、DCNI_GIはCNT_SEGIの数情報(CNT_SEGI_Ns)で構成され、各CNT_SEGIはCNT_SEG_SZ(CNT_SEGのサイズ:Packet Group数)およびCNT_SEG_PKT_POS(Packet Group内でのCNT_SEGの先頭のPacket数)で構成されている。これらの情報から、記録/再生装置のシステムタイムカウンタSTCのカウント動作が1周した(Wrap-aroundした)か否かを示すことができる。これにより、例えば時間情報PTMにESOB先頭からのCNT_SEG数を入れ、事前にSTCのWrap-aroundが発生している事を確認し、TMAPの計算などに使用することができる(このPTMの構成については図36または図86参照)。
【0070】
図21は、ESOB_GPIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOBにおいては、マルチビュー放送や降雨対応放送、さらに複数番組同時録画対応として、ESOB_ES_GPIがある。そのGPI(Group Information)は、ESOB_GPI_GI、1以上のGPI_SRP、および1以上のGPIなどを含んで構成される。
【0071】
図22は、ESOB_GPI_GI、GPI_SRP#、およびGPI#がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOB_GPI_GIには、GPI_TY(0=レコーダ内で作成、1=放送時に定義)と、GPI_SRP_Ns(ES_GPI_SRPの数)が入り、GPI_SRPは、GPI_SA(GPIのスタートアドレス)で構成され、各GPIは、GPI_GI、各ES_PIDで構成され、GPI_GIはPIORITY(優先度:指定しない場合は全て0で、1が最優先)と、ES_PID_Ns(該グループのESの数)で構成されている。ただし、ビデオPIDがある場合、同じGPには属さない。
【0072】
図23は、ESOB_CONNIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。このESOB_CONNI(ESOB Connect Information)には、該当ESOBが先行するESOBから連続して記録されたか否かを示す連続記録フラグ(ESOB_CONN_SS)が記述される。すなわち、ESOB_CONNIは連続した1ESOB前のESOBとの間のシームレス情報と捕らえることができ、そこに含まれるESOB_CONN_SSが“1”であれば1つ前のESOBと連続で記録されたことが示され、それが“0”であれば1つ前のESOBと連続していないことが示される。
【0073】
図24は、ESOB_TMAP(タイプA)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。ESOB_TMAPは、ESOB_TMAP_GIと1以上のES_TMAP_GIで構成される。ここで、ESOB_TMAP_GIはSTMAPファイル内のSTMAPI_SRPに1対1で対応し、STMAP_SRPはSTMAPIと1対1で対応している。
【0074】
ESOB_TMAP_GIはADR_OFS(ファイル先頭からのESOB先頭までのPacket Group番号(又はLBアドレス))と、PTMベースの場合、ESOBU_PB_TM_RNG(ESOBUの再生時間の範囲:1=2s以下、2=3s以下、3=1s以下)と、ESOB_S_PKT_POS(ESOBの先頭のPacket group内での始まり:0≦ESOB_S_PKT_POS≦169)と、ESOB_E_PKT_POS(ESOBの先頭のPacket group内での終わり:0≦ESOB_E_PKT_POS≦169)と、ESOB_SZ(ESOBのサイズ)とES_TMAP_GI_Ns(該ESOBに所属するES_TMAPの数)で構成され、ES_TMAP_GIは、ESIN(該TMAPの対象ESのESIの番号)、ADR_OFS(ESOBファイル先頭から該ESの先頭までの論理アドレス)、ES_S_PTM(スタートPTM)、ES_E_PTM(エンドPTM)、ES_ESOBU_ENT_Ns(ESOBU_ENTの数)、LAST_ESOBU_E_PKT_POS(最後のESOBUのPacket Group内での位置)、STMAP_N(該ESに属するSTMAPIT内のTMAPの番号:各STMAPTに順番に記録されている場合はこの番号は無くても良い)で構成される。
【0075】
ここで、ESOBU_PB_TM_RNG(図9のEVOBU_PB_TM_RNGも同様)を設定する事により、録画時間が増えても、TMAPI情報が極端に大きくなることが防ぐことが可能となる。ただし、各ENTRYの時間間隔が広がる為、2倍速再生等がスムーズにできない可能性が増える。
【0076】
なお、ESOB_TMAP_GI(図24)はSTMAPファイル内のSTMAP_GI(図26)に1対1で対応し、ESOB_TMAPに属するES_TMAP_GI(図24)はETMAPI(図26)に対応する。つまり、ES_TMAP_GIの数(ESOB_TMAP_GI内のES_TMAP_GI_Ns:図24)はETMAPI_SRP(もしくはETMAPI)の数(STMAPI_GI内のETMAPI_SRP_Ns:図29)と値が一致する。
【0077】
そのため、ESOB内の再生するVideo ESのPIDからTMAPを取り出す(調べる)場合は、ESOB_TMAPI内のESTMAP_GIより再生するVideo ESのPIDに対応したESI番号をもつESTMAP_GIを調べて、そのESOB内での番号(順番)を覚える。そして、ESOB_TMAP_GIに対応したSTMAPI_GI内の前記ESOB内での順番でETMAPI_SRPを決め、そのSRP情報より、ETMAPIを特定する。ただし、STMAP_GIにどのETMAP_SRPが所属しているかは、STMAPI_GI内の数でETMAPI_SRPの数を先頭から加算していったものである。)
図25は、ESOB_TMAP(タイプB)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。図25(または後述する図30)は、PATSベースの実際のTMAPの構造例である。図25において、ESOB_ADR_OFSはファイル先頭からESOBの先頭までの論理ブロック数(LBN)を示す。
【0078】
ESOB_SZはAT_SOBの先頭が属するPacket groupよりAT_SOBにPacket groupの最後が属するPacket groupまでのPacket group数であり、ESOBU1_SZはESOBUの先頭のPacket groupからESOBU最後のPacket groupまでの数となり、各ESOBU_S_PKT_POSはESOBUの切れ目とPacket groupの切れ目の差をPacket数で表している。
【0079】
時間情報は、PATSベースのため、ESOBの開始時間としてESOB_S_PATS、終了時間をESOB_E_PATSとし、PATSで表している。ただし、ESOB_E_PATSに関しては、最後のPacket groupの最後のPacketのPATS(到着開始時間)であり、最終受信終了時間では無い。編集はESOBU毎に行い、再生開始時間(CELLIのCELL_S_PATS)を指定する。ESOBU毎の編集のため、ESOB_S_PATSは必ずESOBUの先頭と一致する。
【0080】
PATSベースの場合、ESOB_TMAP_GIは、ESOB_ADR_OFS(ファイル先頭からのESOB先頭までのPacket Group番号(又はLBアドレス))と、AT_SOBU_TM(ESOBUの到着時間間隔:0=1s, 1=2s)と、ESOB_S_PKT_POS(ESOBの先頭のPacket group内での始まり:0≦ESOB_S_PKT_POS≦169)と、ESOB_E_PKT_POS(ESOBの先頭のPacket group内での終わり:0≦ESOB_E_PKT_POS≦169)と、AT
_SOBU_ENT_Ns(該ESOBに所属するAT_SOBU_ENTの数)と、ESOB_SZ(ESOBのサイズ)で構成され、編集はAT_SOBU単位で行い、PATS開始/終了時間(CELLI)で調整を行う。
【0081】
図26は、DVD_HDVRディレクトリに含まれるHR_VTMAP.IFOおよびHR_STMAPx.IFOがどのように構成されるかの一例を説明する図である。STMAPITは、EX_VTMAPITとは別領域(別ファイル)に記録される。このSTMAPIT(TYPE Aの場合)は、STMAPITIと1以上のSTMAPI_GIと1以上のETMAP_SRPとそれと同数のETMAPIで構成される。一方、STMAPIT(TYPE Bの場合)は、STMAPITIと1以上のSTMAP_SRPとそれと同数のSTMAPIで構成される。
【0082】
通常のDVDレコーダでは、ビデオオブジェクト(VOB)の管理情報としてタイムマップ情報(TMAPI)を持っている。この情報はEVOB/ESOBをEVOBU/ESOBU毎に分けて、その単位で再生、特殊再生等を行えるようにするための情報であるが、最大0.5s毎に1件の情報が必要になる。そのため、将来、ディスクの容量が増えたり、圧縮効率の高い圧縮方式を採用した場合、TMAPIが増え、編集などを行った場合に煩雑になる。また、タイムマップ情報が管理情報(.IFO)内にあると、TMAPIを変更するだけで、関係のない他の領域のデータを移動、書き換える等を行う必要がでてきて、効率が悪い。その状況を改善するためにTMAPIを別領域に記録する(図26参照)ようにして対応している。
【0083】
図27は、EX_VTMAPTI、各EX_VTMAP_SRP#、および各EX_VTMAPIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。EX_VTMAPITはEX_VTMAPITIとEX_VTMAPI_SRPTとEX_VTMAPI #1〜#nで構成される。EX_VTMAPITIは、VMG_ID(VMGIの先頭に在るVMG_IDと同じ値)、EX_VTMAPT_EA(VTMAPのエンドアドレス)、EX_VERN(TMAPのバージョン情報)、EX_VTMAP_LAST_MOD_TM(TMAPTの更新日時情報:HR_MANGR.IFOと同じ値)、EX_VTMAPI_SRPNs(サーチ情報の総数)で構成される。VTMAP_SRPTは1以上のVTMAP_SRP(各VTMAPのサーチ情報)で構成され、さらに、VTMAP_SRPはVTMAP_SA(VTMAPのスタートアドレス)と、VOBU_ENT_Ns(VOEU_ENTの総数)で構成され、VTMAPは、1以上のEVOBU_ENTで構成されている。
【0084】
図28は、各EVOBU_ENTの中身がどのように構成されるかの一例を説明する図である。各EVOBU_ENTは、該当エントリ内で最初の基準画像(リファレンスピクチャ)のサイズ1stREF_SZと、該当EVOBUの再生時間EVOBU_PB_TM(フィールド数で表示できる)と、該当EVOBUのサイズEVOBU_SZとを含んで構成されている。ここで、“基準画像”とは、1圧縮ピクチャだけで1フレーム(もしくはフィールド)の画像を作れる(デコードできる)ピクチャデータを言い、MPEG2を例に採ればI-pictureが基準画像に相当する。
【0085】
図29は、STMAPIT(タイプA)に含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例を説明する図である。また、図30は、STMAPIT(タイプB)に含まれる各種情報がどのように構成されるかの一例を説明する図である。
【0086】
図29に示すように、PTMベースのタイプAのSTMAPITは、STMAPITの識別情報(STM_ID)、STMAPITのエンドアドレス情報(STMAPIT_EA)、該TMAPのバージョン情報(VERN)、STMAPIの更新日時情報(STMAPI_LAST_MOD_TM:VMGIの値と同じ)、STMAPI_GIの数(STMAPI_GI_Ns)等を含んで構成される。また、STMAPI_GIは所属するETMAPI_SRPの数(ETMAPI_SRP_Ns)を含んで構成され、STMAPに属するETMAPは頭から数順に決められる。ETMAPI_SRPはETMAPIへのスタートアドレス情報(ETMAPI_SA)とESOBU_ENTの数(ESOBU_ENT_Ns)を含んで構成されている。ETMAPIは1以上のESOBU_ENTを含む。なお、ESOBU_ENT間にごみデータが有っても良い。
【0087】
一方、図30に示すように、PATSベースのタイプBのSTMAPITIは、STMAPITの識別情報(STM_ID)、STMAPITのエンドアドレス情報(STMAPIT_EA)、該TMAPのバージョン情報(VERN)、STMAPIの更新日時情報(STMAPI_LAST_MOD_TM:VMGIの値と同じ)、STMAPI_SRP_Ns(TAMP_SRPIの数=TMAPIの数)等を含んで構成される。また、STMAPI_SRPはSTMAPIへのスタートアドレス情報(STMAPI_SA)とAT_SOBU_ENTの数(AT_SOBU_ENT_Ns)を含み、STMAPIは1以上のAT_SOBU_ENTを含んでいる。そして、各AT_SOBU_ENTは、AT_SOBUのサイズ(AT_SOBU_SZ)と、Packet Group内でその先頭から該当AT_SOBUの開始位置までをPacket数で表したAT_SOBU_S_PKT_POSを含んで構成されている。
【0088】
図31は、ESOBU_ENTの中身がどのように構成されるかの一例(タイプAの例)を示す。PTMベースのESOUB_ENTは、エントリー内の最初のリファレンスピクチャ(Iピクチャ等)のサイズ1st_Ref_PIC_SZ(ESOBU先頭からの最終アドレス情報:LB単位)と、ESOBUの再生時間ESOBU_PB_TM(フィールド数)と、ESOBUのサイズESOBU_SZ(該当ESOBUに属するパケットグループの数)と、ESOBU_S_PKT_POS(該当ESOBUの先頭が入っているパケットグループの先頭からのパケット数)を含んで構成される。
【0089】
タイムサーチの場合、ESOBU_PB_TMの累積で目的の時間のESOBUを求め、そのESOBUの先頭からのフィールド数で再生開始PTMを換算する。目標アドレスは、目的のESOBUをK、目的のアドレスをAとすると、
A=ESOB__ADR_OFS+目的のESのES_ADR_OFS+Σk-1N=1 ESOBU_SZ(N)×16+1
となり、さらに、先頭のパケットはESOBU_S_PKT_POSの値のパケットとなり、このアドレスにアクセスすることになる。
【0090】
一方、PATSベースのAT_SOBU_ENT(図30)はPacket単位の場合とPacket group単位の2種類が考えられる。Packet単位の場合、より正確なアドレスが得られるが、AT_SOBU_ENTのデータが増え、Packet group単位の場合はAT_SOBU_ENTのデータは少ないがPacket group単位でしかアドレスを取れない。
【0091】
Packet単位の場合は、AT_SOBU_SZとAT_SOBU_POSで構成される。AT_SOBU_S_PKT_POSはPacket_Group内でのAT_SOBUの先頭の位置をPacket数で示している。
【0092】
Packet group単位の場合は。AT_SOBU_SZで構成され、AT_SOB_S_PKT_POS、AT_SOB_E_PKT_POSは0に固定される。
【0093】
また、ESOB_TMAP_GIには、ADR_OFSとAT_SOB_SZ、AT_SOB_E_PKT_POSがAT_SOB全体の値に関した値として記されている。
【0094】
AT_ADR_E_OFS=AT_SOB_SZ-(AT_ADR_S_OFS+Σk-1N=1 AT_SOBU_SZ(N)+1)
AT_SOB_SZ>AT_ADR_S_OFS、AT_SOB_SZ>AT_SOBU_SZ等の式も成り立つ。
【0095】
図32は、HDVR_VMGに含まれるPGC情報(EX_ORG_PGC情報およびEXプレイリスト情報/EX_UD_PGC情報)が、どのように構成されるかの一例を説明する図である。再生情報はEX_PGC情報で、通常のVRフォーマットと同じく、ORG_EX_PGC情報は録画時に機器が自動で作成し録画順に設定し、UD_EX_PGC情報はユーザが自由に追加する再生順番に従って作成され、プレイリストと呼ばれている。この二つのフォーマットはEX_PGCレベルで共通で、そのEX_PGCフォーマットは図32〜図35に示される。
【0096】
図33は、EX_PGIの具体例を説明する図である。ここで、EX_PG情報(各EX_PGI)には、このEX_PGが更新された日時情報(PG_LAST_MOD_TM)が保存される。これにより、該EX_PGが何時編集されたかがわかる。また、テキスト情報として、番組名用には、プライマリテキスト情報(PRM_TXTI)が使用される。また、その他のテキスト情報を保存するためにアイテムテキスト(IT_TXT)領域にその他の情報(監督名、主演名、…)を保存し、該EX_PGIにはその保存したIT_TXTのサーチポインタ(SRP)番号を設定してリンクさせ、さらに、IT_TXTデータの方にも対応するプログラム(PG)番号(EX_PG番号)を設定している。ここで、EX_PG番号はこのディスクに記録し初めてからの絶対番号で、他のEX_PGを削除しても変わらないインデックス番号としている。
【0097】
さらに、EX_PGには、プレイリストと同様にRSM_MRKIが存在し(PL_SRPに存在する)、各プログラム毎のレジュームマーカー(再生中断時にどこまで再生したかを示すマーカー)を設けており、再生を再開するための情報として、EX_CELL番号、再生開始PTMとそのマーカーを作成した日時情報、再生するビデオストリームのESI番号、再生するオーディオストリームのESI番号、Dual-Monoの場合の主副情報を設定している。これをタイトルレジュームとして使用する。
【0098】
また、さらに、PG_REP_PICTIが存在し、各PG毎の代表画像情報(タイトルメニューなどでサムネールとして表示する画像のマーカー)を設けており、セル番号、開始PTMとそのマーカーを作成した日時情報、再生するビデオストリームのESI番号を設定している。
【0099】
また、メーカー特有の機能を実現させるために設けられた製造業者情報(図4等のEX_MNFIT内に格納されるMNFIまたはMNI)を利用するため、図33のEX_PGIにMNFIのサーチポインタ番号(図示せず)を設定し、さらにMNFI情報でもEX_PG番号を設定することもできる。これにより、図33のEX_PGCI/EX_PGIと図示しないMNFI情報内のデータとのリンクを図ることができる。
【0100】
さらに、MNFI、IT_TXTの両方にPGの更新日時情報(図33のPGI内で末尾のプログラム更新日情報)を設定しておけば、メニュー表示時にその時刻(設定された更新日時と現在時刻)の一致をチェックする事により、他社メーカーの装置による編集かどうかを検証できる。
【0101】
図34は、EX_CIの具体例を説明する図である。EX_CELL情報(EX_CI)では、セルタイプにESOB、AT_SOBの種別が加わっており、ESOB番号、開始時間、終了時間、再生するパケットグループ番号(GP番号)などを指定できる。ここで、開始時間、終了時間は、再生時間(PTMベースの場合)またはPATS時間(PATSベースの場合)のどちらかで表すことができる。
【0102】
ここで、時間指定を再生時間=再生時の実時間にすると、送られてくるビットストリームをそのまま記録するストリームレコーディングでありながら、既存のDVDビデオレコーダ(DVD−VR)と同じアクセス方法が可能となる。すると、ユーザが再生時間で記録場所を指定できるため、ユーザ希望が完全に反映されることになる。ただし、この方法は、ストリームの内容が十分に解析可能な場合に採用できる方法であり、記録されたストリームの内容が十分にわからない場合には、ストリームパケット(デジタル放送録画ではMPEG−TSパケット)の転送時間単位で指定せざるを得ない。
【0103】
記録されたストリームの内容が十分にわからない状態で記録場所を再生時間で指定した場合、必ずしもIピクチャの先頭から再生を開始できるとは限らない。そこで、再生開始のフレームがIピクチャのフレームで無い場合は、その直前のIピクチャよりデコードを開始し、目的のフレームまでデコードをした所で再生映像の表示を開始する。こうすることで、ユーザには、あたかもユーザが時間指定したフレームから再生開始されたように見せることができる。
【0104】
ところで、再生処理時などにおいて参照するIDは、再生するストリームを代表するストリームのPIDを設定する方法と、マルチビューTVなどの場合などで、コンポーネントグループのIDを設定する方法と、ESI番号で指定する方法(例:図34)が考えられる(PIDの設定には、13ビットの実データで記載する方法、PMT内の順番を記載する方法、またはコンポーネントタグの値を記載する方法などがある)。また、参照するGRP番号(GRP_SRP番号)を入れ、切り換える方法も考えられる。
【0105】
なお、EX_PGに特有のID番号(PG_INDEX:図34のEX_PGI#pなど)を付けることで、途中のプログラムやセルを削除しても変わらない番号でEX_PG、EX_CELLを指定できるようにしている。また、EX_CELL情報(EX_CI)には、再生するストリームのファイル番号(ESTR_FI番号)と対応ESOBのESOBI_SRP番号を設定している。さらに、EX_CELL情報には、チャプターに相当するセルエントリポイントの情報C_EPI(Entry Point Information)がある。
【0106】
図35は、C_EPIの具体例を説明する図である。 C_EPIには、各セルタイプ毎に2種類あり、合計6種類となる。M_CELL_EPI_TY_Aは、EPI_TY(EPIのタイプ情報)とEP(エントリポイント)のついているPTMで構成され、M_CELL_EPI_TY_BではさらにPRM_TXTI(テキスト情報)およびREP_PIC_PTM(サムネール用ポインタ)が追加されている。
【0107】
STR_A_CELL_EPI_TY_A(ESOBのTYPE A)は、EPI_TY(EPIのタイプ情報)、EPのついているPTM、対応するPIDとGP番号(PID/GP_N)、そのEPのついているESのESI番号、オーディオESのESI番号、Dual-Monoの場合のその主/副情報で構成される。また、STR_A_CELL_EPI_TY_BはさらにPRM_TXTI(テキスト情報)、REP_PIC_PTM(サムネール用ポインタ)を含んで構成されている(ただしTY_BではPID/GI_Nなし)。
【0108】
STR_B_CELL_EPI_TY_A(ESOBのTYPE B)は、EPI_TY(EPIのタイプ情報)、EPのついているPATSで構成され、STR_B_CELL_EPI_TY_Bはさらに、そのEPがついているESのPID、PRM_TXTI(テキスト情報)、REP_PIC_PATS(サムネール用ポインタ)を含んで構成されている。
【0109】
図36は、ESOB(またはEVOB)のPTM(Presentation Time)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。この時間情報PTMは、連続セグメントCNT_SEGの数(ESOB先頭からのCNT_SEGの数)を示す情報CNT_SEGNと、90kHzベースで粗くカウントするPMT_baseと、27MHzベースで細かくカウントするPMT_extensionを含んで構成されている。PTMによる実際の時間は、PMT_baseにPMT_extensionを足した値で表現される。 ESOBには、このPTM(PMT_base+PMT_extension)をベースに再生管理されるタイプAと、PATS(Packet Arrival Time)をベースに再生管理されるタイプBがある。
【0110】
ESOB先頭からのCNT_SEGの数を示す情報CNT_SEGNは、例えば次のように設定できる。すなわち、タイプAのESOBの場合、CNT_SEGNの値が有効となるが、ESOB以外ではCNT_SEGNに0を設定する。有効となる場合のCNT_SEGNの値は、例えばCNT_SEGN=4で該当ESOB内のCNT_SEGが0個であることを表し、CNT_SEGN=5で該当ESOB内のCNT_SEGが1個であることを表し、CNT_SEGN=6で該当ESOB内のCNT_SEGが2個であることを表し、CNT_SEGN=7で該当ESOB内のCNT_SEGが3個であることを表すことができる。
【0111】
上記はESOBの場合の例であるが、EVOBの場合についてもPTMを同様のデータ構造で構成できる。PMTにESOB先頭からのCNT_SEG数(CNT_SEGN)を入れることにより、STCのWrap-Aroundが発生していることを事前に確認でき、またこのCNT_SEGNをTMAPの計算などに使用することができる。
【0112】
図37は、ストリームオブジェクト用のデータユニット(ESOBU)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。Packet Group Headerは、図37〜図40に示されるように、Packet Groupの先頭にHeadre_ID(0x00000FA5)が設定され、続いてパケットグループ一般情報PKT_GRP_GI、コピー管理情報CCIまたはCPI(Copy Control InformationまたはContents Protection Information)、および製造業者情報MNI(あるいはMNFI:Manufacturer's information)を含んで構成されている。
【0113】
なお、各PATS162に固有の下位4バイトは各PATSに含まれているが、先頭PATSの上位2バイトはPacket Group Header161内のパケットグループ一般情報(PKT_GRP_GI)内に記述されるFirst_PATS_EXTに含まれるようになっている。これにより、各PATSに6バイトのパケット到着時間を個別に記述するよりもデータ量を削減できる。
【0114】
図38は、PKT_GRP_GIの具体例を説明する図である。PKT_GRP_GIは、Packet種別PKT_GRP_TY(1=MPEG_TS)、PacketGroupのバージョン番号VERSION、Packet Groupのステータス情報PKT_GRP_SS、Packet Group内の有効Packet数Valid_PKT_Ns、先頭のPacketに対するPATSの上位2バイトFIRST_PATS_EXT等で構成されている。
【0115】
さらに、PKT_GRP_SSは、スタッフィングが行われたかどうかを示すビットSTUF(このSTUFビットが設定されている場合、Valid_PKT_Nsが0xAA以外の値を取る事を示している)、およびPATS_SSを含んで構成されている。ここで、 PATS_SSは、PATSの精度を示す値である(例えば、PATS_SSが00のときはPATS, FIRST_PATS_EXTの両方が有効で精度6バイトとなり;PATS_SSが01のときはPATSのみ有効で精度4バイトとなり;PATS_SSが10のときはPATS, FIRST_PATS_EXTの両方が無効で精度無しとなる)。
【0116】
なお、先頭パケットのPATSの拡張バイトFIRST_PATS_EXTは、例えばPacket Groupの先頭にあるPacketの到着時間の上位2バイトで構成され、残り4バイトは各Packetの前に付けられている。これにより、より正確な時間の再生処理が可能となっている。
【0117】
図39は、パケットグループヘッダに含まれるCP_CTL_INFO(コピー制御情報:適宜、CCIまたはCPIと略記)がどのように構成されるかの例を説明する図である。CP_CTL_INFOはPacket Group HeaderのCCI(またはCPI)にあり、各Packet Groupのコピー制御をPacket Group Headerのところで行う。このCCI(またはCPI)の値は、デジタルコピー制御記述子、コンテント利用記述子により設定される。その内容は、例えばCGMS(0=禁止, 1=無制限許可)と、APS(0=APS無し, 1=APSタイプ1付加, 2=APSタイプ2付加, 3=APSタイプ3付加)と、EPN(0=コンテンツ保護(インターネット出力保護), 1=コンテンツ保護無し)と、ICT(0=解像度制限, 1=制限無し)となっている。
【0118】
あるいは、CCI(またはCPI)は、デジタルコピー制御(00=コピー禁止, 01=1回コピー許可, 11=コピー禁止)とアナログコピー制御(00=APS無し, 01=APSタイプ1, 10=APSタイプ2, 11=APSタイプ3)とEPN(0=コンテンツ保護, 1=コンテンツ保護無し)とICT(0:アナログビデオ出力解像度制限, 1=制限無し)で構成されている。ここで、APSとはAnalog Protection SYSTEMのことでこの実施の形態ではマクロビジョン(R)を想定している。
【0119】
また、管理情報側(ESOBI_GI:図14)にコピー制御情報(CCIまたはCPI)をおき全体でコピー管理(著作権管理)すること、もしくはCCI(またはCPI)を管理情報側とオブジェクト側(Packet Group:図37、図39)の両方におき、オブジェクト側(Packet Group)の方を優先として、2段階でコピー管理(著作権管理)する事も考えられる。具体的には、タイトルメニューではESOBI_GIのCCIを利用し、実際の機器動作ではPacket Groupの方を優先して処理を行なうことができる。
【0120】
図40は、製造業者情報(MNIあるいはMNFI)の具体例を説明する図である。 MNIあるいはMNFIは、MNF_IDとMNF_DATAで構成されている。NMF_IDは各製造業者(メーカー)を表す値である。その後のMNF_DATAは各メーカー毎に自由に設定可能なデータ領域となっている。
【0121】
すなわち、録画する機器は、メーカーや機種により、DVDフォーマットには記載されていない独自の機能をもち、他社との差別化を行うことが考えられる。その場合、メーカー独自の情報をオブジェクトデータに埋め込む必要がある場合がある。そこで、この実施の形態ではそれに対応するために、Packet Group Headerにその領域としてMNI(Manufacturer’s Information)を設けている。
【0122】
図41は、EVOBUがどのように構成されるかの一例を説明する図である。EVOBUは、次世代の規格であるHD_DVD-VIDEOとHD_DVD-VRの互換性を保つために、次のような構成を採っている。すなわち、EVOBUの先頭におかれるべき制御パックCLT_PACKの構成は、HD_DVD-VDEOの場合(STD:Standard-VTS/ADV:Advanced-VTS)はGCI_PacketとEX_PCI_PacketとEX_DSI_Packetで構成されNVパックと称し、HD_DVD-VRの場合(INT:Interoperable-VTS/VR)は、GCI_PacketとEX_RDI_Packetとdummy_Packetで構成されRDIパックと称している。
【0123】
図42は、図41のEVOBUのGCI(General Control Information)がどのように構成されるかの一例を説明する図である。全てのストリームで共通に使うGCIの構造は、GCI_CATとDCIとCCI(またはCPI)とRECIで構成される。図42に示すように、GCI_CATには、EVOB_CATが入り、CTLパック種別を示し、該EVOBがHD_DVD-VR streamか、HD_DVD-VIDEO streamかを判定する。
【0124】
DCI_CC_SS(DCI, CCIの存在を示すフラグ)はDCI_SSとCCI_SSで構成される。DCI_SSは、「0=有効なDCIは存在しない、1=有効ないアスペクト情報のみ存在、3=DCI全て存在する」となり、CCI_SSは、「0=有効なCCIは存在しない、1=ソース情報のみ存在、2=APSのみ存在、3=ソース情報とAPSのみ存在、4=CGMSのみ存在、5=CGMSとソース情報のみ存在、6=CGMSとAPSのみ存在、7=全て存在する」と設定される。
【0125】
DCI(Display Control Information)は、Aspect_Ration(0=4:3, 1=16:9, 8=14:9レターボックス(center), 4=14:9レターボックス(top), 13=16:9レターボックス(center), 2=16:9レターボックス(top), 11=>16:9レターボックス(center), 7=14:9フル)と、Subtitling Mode(0=non-open subtitle, 1=subtitles in active image area, 2=subtitles out of active image area), film/camera(0=camera mode:ソースがカメラ, 1=film mode:ソースがfilm)で構成されている。
【0126】
CCI(Copy Control Information)またはCPI(Contents Protection Information)は、CGMS(0=禁止、1=無制限許可)とAPS(0=APS無し、1=APSタイプ1付加、2=APSタイプ2付加、3=APSタイプ3付加)と、-Source(0=アナログプリエンコードメディア)と、-EPN(1=コンテンツ保護(ホームネットワーク出力時保護)、0=コンテンツ保護無し)で構成されている。
【0127】
RECI(録画情報)はInternational Standard Recording Codeで、内容はDVD-VIDEOと同様である。
【0128】
図43はEVOBUのEX_PCIがどのように構成されるかの一例を説明する図であり、図44はEVOBUのEX_DSIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。EX_PCIは、DVD-VIDEOのPCI Packetと同じ内容で構成され、EX_DSIも、DVD-VIDEOのPCI Packetと同じ内容で構成される。
【0129】
すなわち、図43に示すように、EX_PCI内の一般情報(PCI_GI)は、制御パックであるナビゲーションパックの論理ブロック番号(NV_PACK_LBN)と、EVOBUのユーザ操作可否を制御する情報(EVOBU_UOP_CTL)と、EVOBUの再生開始時間(EVOBU_S_PTM)と、EVOBUの再生終了時間(EVOBU_E_PTM)と、EVOBU内でのシーケンスエンドにおける終了時間(EVOBU_SE_E_PTM)と、セル経過時間(C_ELTM)を含んで構成されている。
【0130】
また、EX_PCI内のノンシームレスアングル情報(NSML_AGLI)は、最大9個のノンシームレスアングルセルの飛び先アドレス(NSML_AGL_C#1_DSTA〜NSML_AGL_C#9_DSTA)を含んで構成されている。
【0131】
一方、図44に示すように、EX_DSI内の一般情報(DSI_GI)は、ナビゲーションパックのSCRベース(NV_PCK_SCR)と、ナビゲーションパックの論理ブロック番号(NV_PCK_LBN)と、EVOBUの終了アドレス(EVOBU_EA)と、EVOBU内で最初の基準画像(I-pic等)の終了アドレス(EVOBU_1STREF_EA)と、EVOBU内で2番目の基準画像の終了アドレス(EVOBU_2NDREF_EA)と、EVOBU内で3番目の基準画像の終了アドレス(EVOBU_3RDREF_EA)と、EVOBUのオブジェクトID番号(EVOBU_EVOB_IDN)と、EVOBU_ADP_ID(適合ディスクタイプ:0=DVD Read-Only Discに適用されている;1=DVD-R、DVD-RW Discに適用されている)/C_IDN(DSIの含まれるCELLのID番号)と、EVOBUのセルID番号(EVOBU_C_IDN)と、セル経過時間(C_ELTM)を含んで構成されている。
【0132】
EX_DSI内のシームレス再生情報(SML_PBI)は、シームレスEVOBUのカテゴリ(EVOBU_SML_CAT)と、インターリーブドユニットの終了アドレス(ILVU_EA)と、次のインターリーブドユニットの開始アドレス(NXT_ILVU_SA)と、次のインターリーブドユニットのサイズ(NXT_ILVU_SZ)と、EVOB内でのビデオ開始時間(EVOB_V_S_PTM)と、EVOB内でのビデオ終了時間(EVOB_V_E_PTM)と、EVOB内でのオーディオ停止時間(EVOB_A_STP_PTM)と、EVOB内でのオーディオギャップ長(EVOB_A_GAP_LEN)を含んで構成されている。
【0133】
EX_DSI内のシームレスアングル情報(SML_AGLI)は、最大9個のシームレスアングルセルの飛び先アドレス(SML_AGL_C#1_DSTA〜SML_AGL_C#9_DSTA)を含んで構成されている。
【0134】
EX_DSI内のEVOBUサーチ情報(EVOBU_SRI)は、EX_DSIを含むEVOBUの再生開始時間の前後の開始アドレスを、所定時間単位(例えば0.5秒の整数倍単位)で記述している。具体的には、EX_DSIを含むEVOBUの再生開始時間より前の開始アドレスはFWDIxxで記述され、EX_DSIを含むEVOBUの再生開始時間より後の開始アドレスはBWDIxxで記述される。
【0135】
EX_DSI内の同期情報(SYNCI)は、EX_DSIを含むEVOBUのビデオデータと同期するオーディオおよび副映像のアドレス情報である。具体的には、SYNCIは、最大8個の目標オーディオパックのアドレス(A_SYNCA 0to7)と、最大32個の目標副映像パックのアドレス(SP_SYNCA 0to31)を含んで構成されている。
【0136】
図45は、Interoperable VTS/VR_VOBの場合のEX_RDIがどのように構成されるかの一例を説明する図である。EX_RDIはRDI_GIとMNFIで構成されている。ここで、RDI_GIには、該EVOBUの先頭のVideo FrameのPTM(EVOBU_S_PTM)と、該EVOBUを録画した時間(EVOBU_RE_TM)が記載されている。また、MNFIは会社コードとデータで構成されている。
【0137】
図46は、この発明の他の実施の形態に係るHD_DVD-VRのファイル構造を説明する図である(インターオペラブルファイルを除き図3に相当)。このファイルDVD_HDディレクトリには、HD_VMGファイル、EVOB_TMAPファイル、ESOB_TMAPファイル、インターオペラブルVTS.IFOファイル、インターオペラブルVTS.XML(あるいはJAVA(登録商標))ファイル、インターオペラブルVTS_TMAP01ファイル、…インターオペラブルVTS_TMAPmファイル、VRオブジェクトファイル、SRオブジェクトファイル、スチルビデオオブジェクトファイル(無くても良い)、オーディオオブジェクトファイル、インターオペラブルVTS IFOバックアップファイル(無くても良い)、インターオペラブルVTS.XMLバックアップファイル、インターオペラブルVTS_TMAP01バックアップファイル、…インターオペラブルVTS_TMAPmバックアップファイル、EVOB_TMAPバックアップファイル、ESOB_TMAPバックアップファイル、HD_VMGバックアップファイル等が格納される。
【0138】
ここで、“インターオペラブルVTS(INT-VTS)”は、HD_DVD-VRのEVOBデータをHD_DVD-VIDEO Playerで再生するためのブリッジとして設けられており、INT-VTSを図46に示すように作成し、HD_DVD-VIDEO Playerとの互換を取る事を可能にしている。この“インターオペラブルVTS(INT-VTS)”はHD_DVD-VIDEOとマッチングが取れるようにHD_DVD-VRの管理情報を変換して作成することができる。
【0139】
図47は、ESOB_SZとESOB_S_PKT_POSとの関係の一例を説明する図である。ESOB_SZとESOB_S_PKT_POSとESOB_E_PKT_POSとPacket group数の関係は、図47に示すようになる。ただし、説明を簡略化するために1Packet groupの大きさを4TSパケットにしている。
【0140】
図47(a)ではESOBは、Packet group#1の途中からスタートし、Packet group#2を通り越し、Packet group#3の途中まで続いている。この場合、ESOB_SZはPacket group#1&2で2となり、Packet group#3はカウントしない。また、ESOB_S_PKT_POSは、ESOBがPacket group#1の3パケット目からスタートしているため、2となり、ESOB_E_PKT_POSは、ESOBがPacket group#3の3パケットまで続いているため、3となる。
【0141】
また、図47(b)ではESOBの先頭がPacket group#1の先頭に一致しているため、ESOB_S_PKT_POS=0となり、図47(c)ではESOBの最後がPacket group#3の最後に一致しているため、ESOB_SZ=3でESOB_E_PKT_POS=0となり、図47(d)ではESOBが1packet無いため、ESOB_SZ=0で、ESOB_S_PKT_POS=1で、ESOB_E_PKT_POS=3となる。
【0142】
この実施の形態では、図48に示すように、ESOBU_Clusterと言う概念が導入されている。ESOBU_Clusterは、通常はESOBUと同じであるが、ESOBU内に基準画像REF-PIC(MPEG2ではIピクチャ)が無い場合に、その前のESOBUを含め、次のREF-PICが出現するまでを1つのClusterと定義する。そして、特殊再生(早送り/巻き戻し再生)の場合は、このClusterの単位でデータアクセスを行う事にする。言い換えると、REF-PICを持っているESOBU (1ST_REF_SZが0で無いESOBU:ENTRY_ESOBU)が必ずClusterの先頭となり、REF-PICを持っていないESOBU(1ST_REF_SZが0:NON-ENTRY_ESOBU)が続くことになる。
【0143】
ここで、REF-PICは、従来のMPEG2圧縮方式の場合のI-PICに相当し、このPictureだけで1枚のフレーム(フィールド)となる様なPictureのことである。この発明の実施の形態では、複数の画像圧縮方式(MPEG4-AVC、VC-1等)に対応するため、MPEG2以外のエンコードが行われたストリームでも、I-PICに相当するPictureを定義する必要があるので、I-PICの代わりにより上位概念の用語としてREF-PICを用いている。
【0144】
図49は、AT_SOBUとパケットとの関係の一例を説明する図である。図49に例示されるように、一定の時間内(AT_SOBU_TMの値:図49の例では1秒)に送信されて来るPacketをATS_SOBUとして保存する。
【0145】
図50は、ESOBU_SZとESOBU_S_PKT_POSとES_LAST_SOBU_E_PKT_POSと関係の一例を説明する図である。ESOBU_SZとESOBU_S_POSとES_LAST_ESOBU_E_PKT_POSとPacket group数の関係は、図50に示すようになる。Video_ES#1(少なくとも1Video-ESには、ESTMAPが存在する)では、ESOBU#1のESOBU_SZはESOBU#1の先頭が属しているPACKET_GROUPから3PACKET_GROUPまでであるので、ESOB_SZ#1=3となり、ESOBU_S_PKT_POSはPacket_GROUPの先頭からESOBU#1の先頭までのPacket数の値となり、同じようにESOBU#2_SZ=1となり、ES_LAST_ESOBU_E_PKT_POSは最後のESOBUであるESOBU#2の最後のPacketの属しているPACKET_GROUPの先頭からESOBU#2の最後までのPacket数が設定される。また、先頭のES_ADR_OFSはESOBの先頭から各ESの先頭のESOBUまでの差分値であり、図50では、その差は1Packet_Groupとなっている。
【0146】
図51は、AT_SOBU_SZとAT_SOBU_S_PKT_POSと関係の一例を説明する図である。AT_SOBUのAT_SOBU_SZとAT_SOBU_S_PKTの関係は51に示すように、AT_SOBU#1のAT_SOBU_SZはAT_SOBU#1の先頭が属しているPACKET_GROUPから3PACKET_GROUPまでであるので、AT_SOB_SZ#1=3となり、AT_SOBU_S_PKT_POSはPacket_GROUPの先頭からESOBU#1の先頭までのPacket数の値となる。
【0147】
図52は、TS PacketとPacket Groupとの関係の一例を説明する図である。Packet_GroupとTs_Packetの関係は、図52に示すようになっている。すなわち、Packet_Groupがディスクに記録する場合の単位であるため、TS_Packetに送信時間であるPATSを付け、Packet_Groupにつめて記録され、再生時には、Packet_Gruop毎に読み出され、PATSの時間に従って、再生される。これにより、受信時の時間間隔を守って再生することが可能になる。
【0148】
図53は、この発明の一実施の形態に係るデータ構造を利用して、情報記録媒体(光ディスク、ハードディスク等)にAV情報(デジタルTV放送プログラム等)を記録し再生する装置の一例を説明するブロック図である。この録再装置は、図53に示すように、MPU部、表示部、デコーダ部、エンコーダ部、TVチューナ部、STC部(System Time Counter)、D−PRO部、一時記憶部、ディスクドライブ部、キー入力部、Vミキシング部、フレームメモリ部、TV用D/A部と、地上波デジタルチューナ部と、1394I/F部、イーサネット(登録商標)I/F部、リモコン受信部と、さらに、STB部(BSデジタルチューナ等)、緊急放送検出部、HDD部により構成されている。この構成では、録再DVDレコーダにストリーマの機能を追加する形で構成している。
【0149】
エンコーダ部内には、A/D部、ビデオエンコード部、オーディオエンコード部、SPエンコード部、フォーマット部、バッファメモリ部より構成され、デコード部は、分離部、ビデオデコード部、SPデコード部、オーディオデコード部、TSパケット転送部、V−PRO部、オーディオ用D/A部より構成されている。さらに、STB部には、デジタル放送を受信するためのアンテナが付いている。なお、STC部は27MHzベースでカウントするように構成されている。
【0150】
記録時の信号の流れは、STB部(または地上波デジタルチューナ)で受け取ったTSパケットデータは、フォーマッタ部で、パケットグループ化され一時保存部へ保存し、一定量たまった時点でディスクに記録される。また、このフォーマッタ部90には、PATS用の内部カウンタ90aが接続されている。TSパケットの到着時間はPATS用のカウンタ90aでカウントし、そのカウント値を各TSパケットの先頭に付けて、バッファリングされる。このカウンタ90aはPCR(またはSCR)によりカウント間隔の微調整は行い同期化するが、STC102のようにPCR(またはSCR)の値をロードする事は無い。
【0151】
この時の動作は、TSパケットを受信すると170パケットづつグルーピング化し、パケットグループヘッダを作成する。
【0152】
その場合、Packet Groupの先頭のPacketのPATSの上位2バイトのみ(First_Pats_Ext)ヘッダに入れ、それ以外のPATSは下位4バイトのみがTSパケットとともに(TSパケットの前:PATSに)保存される。また、地上波チューナやライン入力から入力されたアナログ信号は、A/D部でデジタル変換される。そのデジタル信号は、各エンコーダ部へ入力される。ビデオ信号はビデオエンコード部へ、オーディオ信号はオーディオエンコード部へ、文字放送などの文字データはSPエンコード部へ入力され、ビデオ信号はMPEG圧縮され、オーディオ信号はAC3圧縮またはMPEGオーディオ圧縮がなされ、文字データはランレングス圧縮される。
【0153】
各エンコーダ部(VR用)から、圧縮データがパック化された場合に2048バイトになるようにパケット化されて、フォーマッタ部へ入力される。フォーマッタ部では、各パケットがパック化され、さらに、プログラムストリームとして、多重化され、D−PRO部へ送られる。
【0154】
D−PRO部では、16Logical Bock毎にECCブロックを形成し、エラー訂正データを付け、ドライブ部によりディスクに記録される。ここで、ドライブ部がシーク中やトラックジャンプなどの場合のため、ビジィー状態の場合には、HDDバッファ部へ入れられ、DVD-RAMドライブ部の準備ができるまで待つこととなる。さらに、フォーマッタ部では、録画中、各切り分け情報を作成し、定期的にMPU部へ送る(GOP先頭割り込みなど)。切り分け情報としては、EVOBU(ESOBU)のパック数、EVOBU(ESOBU)先頭からのRef_ピクチャ(Iピクチャ)のエンドアドレス、EVOBU(ESOBU)の再生時間などである。
【0155】
また、再生時の信号の流れは、ディスクからドライブ部よりデータを読み出し、D−PRO部でエラー訂正を行い、デコード部へ入力される。MPU部は入力されるデータがVRデータか、SRデータかの種別を判定し(Cell TYPEより判定する)、デコーダ部に再生前にその種別を設定する。SRデータの場合、MPU部は再生するESI番号により、再生するPIDを決め、PMTより、再生する各アイテム(ビデオ、オーディオ等)のPIDを決め、デコーダ部へ設定する。デコーダ部は、そのPIDを元に、分離部で各TSパケットを各デコード部へ送る。さらに、TSパケット転送部へおくり、到着時間にしたがって、STB部(IEEE1394I/F部)へTSパケットの形で送信する。各デコード部は、デコードを行い、D/A部でアナログ信号に変換し、TVで表示する。VRデータの場合、分離部は、固定のIDに従い、各デコード部へ送る。各デコード部は、デコードを行い、D/A部でアナログ信号に変換し、TVで表示する。
【0156】
なお、再生時は、ディスクから読み出したパックデータを分離部で解析し、TSパケットが入っているパックの場合には、TSパケット転送部へ送り、さらに、その後、各デコーダへ送って、再生を行う。STBへ転送する場合(あるいはデジタルTV等の外部機器へ送信する場合)は、TSパケット転送部は、そのデータを到着時と同じ時間間隔で、TSパケットのみを転送する(図52参照)。STB部は、デコードを行い、AV信号を発生させ、そのAV信号をストリーマ内ビデオエンコーダ部を通して、TVへ表示する。
【0157】
図53の装置で用いる媒体100(100a)の特徴を簡単に纏めると、次のようになる。すなわち、この媒体は、管理領域130とデータ領域131で構成され、データ領域にはデータが複数のオブジェクトデータ(ESOB)に分かれて記録され、それぞれのオブジェクトデータはデータユニット(ESOBU)の集まりで構成される。そして、1つのデータユニット(ESOBU)は、MPEG−TSに準じたデジタル放送信号をTSパケット毎に複数パケットでパケットグループ化したパケットグループにより構成される(図1、図37参照)。一方、前記管理領域130は再生手順を管理する情報としてEX_PGC情報(EX_PGCI)を持ち、このEX_PGC情報はEX_CELL情報(EX_CI)を含んで構成される。さらに、管理領域130内にオブジェクトデータ(ESOB)を管理する情報を持つ。
【0158】
図53の装置は、上記のようなデータ構造を持つ媒体100(100a)に対して、ビデオレコーディングの他にストリームレコーディングを行うことができる。その際、TSパケットのストリーム内からプログラムマップテーブルPMTやサービス情報SIを取り出すために、MPU部80はサービス情報取り出し部(図示せず;管理データ作成部80Bの一部を構成するファームウエア)を持つように構成される。またこのサービス情報取り出し部で取り出した情報を元に、属性情報(PCRのパック番号あるいはPCRのLB数番号など)を作成する属性情報作成部(図示せず;管理データ作成部80Bの一部を構成するファームウエア)を持つように構成される。
【0159】
図54は、レコーダのシステムモデルの一例を説明する図である。このシステムモデルは、MPEG−PSによる記録再生系(VR系)と、MPEG−TSによる記録再生系(SR系)の2系統を含む。そして、SR系についてはタイプA(PTMベース)のストリームレコーディングとタイプB(PATSベース)のストリームレコーディングの2種類に対応している。
【0160】
図55は、図53の装置の全体の動作の一例を説明するフローチャート図(全体動作処理フロー)である。ここでのデータ処理は、録画処理、再生処理、データ転送処理(STBへのデジタル出力処理など)、番組設定処理、編集処理の5通りとなる。例えば図53の装置の電源がオンされると、MPU部80は、(工場出荷時またはユーザが設定した後の)初期設定を行い(ステップST10)、表示設定を行って(ステップST12)、ユーザ操作を待つ。ユーザがキー入力部103またはリモコン103aからキー入力を行うと(ステップST14)、MPU部80はそのキー入力の内容を解釈する(ステップST16)。この入力キー解釈の結果に応じて、以下の4つのデータ処理が、適宜実行される。
【0161】
すなわち、キー入力が例えばタイマ予約録画設定のキー操作であれば、番組設定処理に入る(ステップST20)。キー入力が録画開始のキー操作であれば、録画処理に入る(ステップST22)。キー入力が再生開始のキー操作であれば、再生処理に入る(ステップST24)。キー入力がSTBへデジタル出力させるキー操作であれば、デジタル出力処理に入る(ステップST26)。編集処理のキー操作であれば、編集処理に入る(ステップST28)。
【0162】
ステップST20〜ST28の処理は、そのタスク毎に適宜並列処理される。例えば、再生処理中(ステップST24)にSTBへデジタル出力する処理(ステップST26)が並列に実行される。あるいは、タイマ予約録画でない録画処理中(ステップST22)に新たな番組設定処理(ステップST20)を並列に処理するように構成することができる。あるいは、高速アクセス可能なディスク記録の特徴を生かし、録画処理(ステップST22)中に再生処理(ステップST24)とデジタル出力処理(ステップST26)を並列処理するように構成することもできる。HDDへの録画中にディスクの編集処理(ステップST28)を行うように構成することも可能である。
【0163】
図56は、編集処理(ステップST28)の一例を説明するフローチャート図(編集動作処理フロー)である。編集処理に入ると、編集内容に応じて、4つの処理(A〜Dのいずれか)に入ることができる(ステップST280)。エントリポイント編集処理(ステップST282A)、コピー/移動処理(ステップST282B)、削除処理(ステップST282C)、あるいはプレイリスト作成処理(ステップST282D)が済むと、この編集によるプログラム更新の日時が、各管理情報(EX_PGI、EX_IT_TXT、EX_MNFI)に設定される(ステップST284)。
【0164】
なお、プログラム情報EX_PGI、セル情報EX_CI、あるいはEVOB、ESOBのどれかが変更されたときに、このプログラム更新日時の設定を行うようにしてもよい。ここで、EVOBIおよび/またはESOBIが変更された場合は、EVOBIおよび/またはESOBIの編集時間(EDIT_TIME)をESOB_EDIT_TIME等(図示せず)に設定できる。もしくは、このプログラム更新日時の設定を行うようにしてもよい。
【0165】
ついでながら、ステップST284の処理において、ステップST282A〜ST282Dの何れかの操作を行った機器のメーカーIDを、編集者ID(LAST_MNF_ID)に設定してもよい。この編集者IDは、PGI、CI、SOB(またはVOB)のどれかが変更されると、その都度、その時に用いた機器のID情報により、設定(または更新)できる。
【0166】
図57および図58は、図53の装置の録画動作の一例を説明するフローチャート図である。ストリーム録画時のデータ処理は、以下のようになる:
d1)まず、番組設定処理でEPG(Electronic Program Guide)を使用して録画する番組を決めておき、受信を開始し、その決めた番組の録画を行う;
d2)MPU部80は、キー入力部103より録画命令受けると、ドライブ部51を介してディスク100(またはHDD部100a)から管理データを読み込み、書き込む領域を決定する。このとき、ファイルシステムをチェックし、録画可能かどうかを判断し、録画可能でない場合はその旨をユーザに示して、処理を中止する。録画可能の場合は、録画前処理を行う(図57のステップST105)。これにより、MPU部80は、記録する位置を決定し、管理情報(HDVR_MG等)を作成して、各管理領域に必要な情報の書き込みを行なう。その際、録画対象がデジタル放送でない(例えばアナログビデオ入力またはアナログTV放送)ときは(ステップST106ノー)、録画フォーマットとしてはストリームレコーディング(SR)でなくビデオレコーディング(VR)が採用できる。この場合はVR録画処理へ移行する。
【0167】
d3)録画対象がデジタル放送の場合は(ステップST106イエス)、MPU部80は録画対象のストリームが解析可能か否かチェックする。MPU部80は、解析可能な場合は(ステップST107イエス)PTMベースのタイプAストリームとして管理情報が作成されるような設定を行ない(ステップST109A)、解析不能な場合は(ステップST107ノー)PATSベースのタイプBストリームとして管理情報が作成されるような設定を行なう(ステップST109B)。しかる後、ストリームデータ(ビデオデータ)の書き込みスタートアドレスをドライブ部51に設定し、データを記録する準備を行う(ステップST112);
d4)この準備段階で、STC部102に対してカウント時間のリセットを行う。ここで、STC部102はシステムのタイマーであり、このSTCの値を基準に録画および/または再生が行われる。
【0168】
d5)録画する番組のPATを読み込み、目的の番組のPMTを取り込むためのPIDを決定し、目的のPMTを読み込み、デコードすべき(録画すべき)各データ(ビデオ、オーディオ)のPIDを決定する。このとき、MPU部80のワークRAM部80AにPATおよびPMTを保存し、かつこれら(PAT、PMT)を管理情報(HDVR_MG)に書き込む。その際、ファイルシステム(図3または図46参照)に、VMGファイルのデータを書き込み、VMGI(図4ではHDVR_MGI)に必要な情報を書き込む;
d6)各部へ録画設定を行う(ステップST114)。このとき、フォーマッタ部90へ、各データの切り分けの設定や、TSパケットの受け取り設定を行う。また、このとき、記録すべきデータのPIDを設定し、目的のビデオストリームのみ記録するようにする。また、バッファ91へTSパケットの保持を開始するように設定する(ステップST116)。すると、フォーマッタ部90は次のように動作を開始する。
【0169】
d7)PMTよりESOB_ESIを作成する(図58のステップST120);
d8)続いて録画対象のTSパケットのストリームをバッファ91に取り込む(ステップST130)。バッファ91内のデータが一定量たまった場合は(ステップST140イエス)、D−PRO部52を通してECC処理を行い、ECC処理されたデータをディスク100(および/または100a)に記録する(ステップST142);
d9)録画中、定期的に(フォーマッタ部90のバッファRAM91が一杯になる前に)、切り分け情報をMPU部80のワークRAM80Aに保存する(ステップST144イエス;ステップST146)。ここでの切り分け情報は、ESOBUの切り分け情報で、ESOBUの先頭のアドレス、ESOBUのパック長、I-Pic(基準画像)の終了アドレス、ESOBUの到着時間(ATS)等である。
【0170】
d10)切り分け情報をワークRAM80Aに保存(ステップST146)したあと、あるいは切り分け情報を保存するタイミングでないときは(ステップST144ノー)、MPU部80はESOBを切るかどうかを判断し、切る場合(ステップST147イエス)はESOB切り処理(図59)を実行する。
【0171】
d11)録画終了かどうか(録画終了キーが入力されたかどうか、またはディスク(100/100a)の残り容量が無くなったかどうか)をチェックし、終了時には(ステップST148イエス)、フォーマッタ部90より残りの切り分け情報を取り込み、ワークRAM80Aへ追加し、それらのデータを管理データ(VMGIまたはHDVR_MGI)に記録し、録画時の平均の録画レートを記録し、さらに、ファイルシステムに残りの情報を記録する(ステップST150);
d12)終了で無い場合は(ステップST148ノー)、d8)に移行し、データの取り込み及び再生を続けて行うようにする。
【0172】
ここで、録画中のストリームデータの内容をTV等に表示するために、録画対象のストリームデータをD−PRO部52へ転送すると同時にデコーダ部59へも送り、同時録画モニタを行なうように構成してもよい。この場合、MPU部80はデコーダ部59へ再生時の設定を行い、その後はデコーダ部59が自動的に再生処理を行う。D−PRO部52は、録画対象のストリームデータを16パック毎にまとめてECCグループとし、ECCをつけてドライブ部51(および/またはHDD100a)へ送る。ただし、ドライブ部51がディスク100への記録準備が出来ていない場合には、一時記憶部53へ転送し、データを記録する準備が出来るまで待ち、用意が出来た段階でディスク100への記録を開始する。ここで、一時記憶部53は高速アクセスで数分以上の記録データを保持するため、大容量メモリが想定される。なお、MPU部80は、ディスク100のファイル管理領域などを読み書きするために、D−PRO部52へマイコンバスを通して直結されている。
【0173】
記録時の信号の流れを簡単に整理すると、次のようになる。すなわち、STB83(または地上波デジタルチューナ89)で受信されたMPEG−TSパケットのデータは、フォーマッタ部90でパケットグループ化されてバッファ91へ保存され、このバッファ91にデータが一定量たまった時点(1またはその整数倍のCDA分がたまった段階で)で、ディスク(100および/または100a)に記録される。
【0174】
図59は、ESOB切り処理(ステップST160)の一例を説明するフローチャート図(ESOB切り処理フロー)である。ESOB切り処理の一例を以下に説明する:
e1)連続して記録するかどうかをチェックし、連続して記録しない場合は(ステップST1600ノー)この処理を終了する;
e2)連続して記録する場合は(ステップST1600イエス)、次のESOBのESOBI内のESOB_CONN_SS(図23)に1をセット(ステップST1601)する;
e3)該ESOBのESTR_FIを設定し(ステップST1618)、この処理を終了する。
【0175】
図60は、バッファ取り込み処理(ステップST130)の一例(PATSを6バイト管理する場合のバッファ取り込み処理)を説明するフローチャート図である。記録時は、STB部(または地上波デジタルチューナ)で受け取ったTSパケットデータは、フォーマッタ部でパケットグループ化され、ワークRAMへ保存され、一定量たまった時点(1またはその整数倍のCDA分がたまった段階で)でディスクに記録される。この時の動作は、TSパケットを受信すると170パケットづつグルーピング化し、パケットグループヘッダを作成する。具体的には以下のようになる。
【0176】
f1)TSパケットを受信する(ステップST1300);
f2)STCが1周(Wrap-around)したか否かをチェックし、1周した場合(ステップST1301イエス)は、その1周した時点でのTSパケットの位置情報より、CNT_SEGを作成する。これにより、STC部102のタイムカウントが1周した時点でのTSパケットの位置情報CNT_SEG_S_PKT_POS(図20参照)が管理情報CNT_SEGIに登録される(ステップST1303)。1周していない(STCは連続カウント中)場合(ステップST1301ノー)、あるいはCNT_SEGIの登録が済むと、次の処理に移る。
【0177】
f3)パケットグループの先頭の場合(ステップST1306イエス)は、Header_ID:0x00000fa5を設定し(ステップST1308A)、先頭でない場合(ステップST1306ノー)はf6)へ移行する;
f4)ステップST1308Aにおいて、TSパケットの到着時間をPATSとして、PATSの下位4バイトをTSパケットの前に配置し、先頭のPATSの上位2バイトをFIRST_PATS_EXTとしてPacket Group Headerに設定する。
【0178】
f5)TSパケットデータエリアに取り込んだTSパケットにおいて、PATSの下位4バイトをTSパケットの前に付け(ステップST1317C)、Packet Groupのデータリアに設定する(ステップST1317D)。
【0179】
f6)パケットグループが終わったかどうか(170個のTSパケットをグルーピングし終えたかどうか)を判定し、終わってない場合(ステップST1322ノー)はf1)へ戻る。パケットグループが終わった場合(ステップST1322イエス)は、PKT_GRP_GI設定処理(ステップST1340)、CCIまたはCPI処理(ステップST1330)、MNFI処理(ステップST1350)を行い、1パケットグループ分のグループデータをバッファRAM91内に一時保存する(ステップST1332)。
【0180】
図61は、パケットグループ一般情報設定処理(ステップST1340)の一例を説明するフローチャート図(PKT_GRP_GI設定処理フロー)である。
【0181】
g1)パケットタイプを調べ、MPEG−TSパケットの場合はPKT_GRP_TYに01を設定し、それ以外の場合は、そのタイプにあった値をPKT_GRP_TYに設定する(ステップST13400);
g2)該当規格のBOOKバージョンに対応した値(例えば“11”)をVERSIONに設定し、スタッフィングが行われたかどうかを示すSTUFビットを(例えば“0”に)設定する(ステップST13400);
g3)STUFビットに“0”が設定されているときは、Valid_PKT_Ns(Packet Group内の有効Packet数と先頭のPacketに対するPATSの上位2バイトで構成されている)に“0xaa”を設定する(ステップST13406)。
【0182】
図62はストリーム情報(ESI)作成処理(ステップST120)の一例を説明するフローチャート図(ESI設定処理フロー)である。
【0183】
h1)PSI、SIを調べ、設定されているストリーム数を調べる(ステップST1201);
h2)設定されているストリーム数の数だけh4)〜h5)を繰り返す(ステップST1230イエスの場合);
h3)PSI、SIよりストリームタイプを調べ(ステップST1203)、ビデオストリームか、オーディオストリームか、その他のストリームかどうかを判定し、次のストリームチェックに移行する;
h4)その際、ストリームタイプをMPEG1ビデオ、MPEG2ビデオ、MPEG1オーディオ、MPEG2オーディオ…等の種別に分け、それぞれの種別応じて、内部のデータをチェックし、各属性情報を読み出す。
【0184】
h5)ビデオストリームの場合(ステップST1213A)、ES_TY=0とし、各属性情報を設定し、特に解像度データ、アスペクト情報等を取り出し、V_ATRを作成し(ステップST1213C)、h8)へ移行する;
h6)オーディオストリームの場合(ステップST1215A)、ES_TY=0x40とする。そして、各属性情報を設定し、特にコーディングモード、サンプリング周波数、チャンネル数等を取り出し、A_ATRを作成し(ステップST1215C)、h8)へ移行する;
h7)その他のストリームの場合(ステップST1217A)、ES_TY=0x80とし、各属性情報を設定し(ステップST1217C)、h8)へ移行する;
h8)他にESIを作成していないストリームがあるかどうかチェックし、次のストリームチェックに移行する(ステップST1230ノーの場合)。
【0185】
図63は、録画終了処理(ステップST150)におけるストリームファイル情報(ESTR_FI)作成処理の一例を説明するフローチャート図である;
j1)ESOBIを1つ増やすため、サーチポインタ(ESOBI_SRP)を1つ増やし、そのための領域を確保し、PKT_TYに0:MPEG_TSを設定する(ステップST1500);
j2)録画時間をESOB_REC_TMに設定する(ステップST1502A)。ここで、装置内部の時計は、TDT(Time Data Table)により設定・補正が行なわれ、常に正確な時間が得られる;
j3)その際、ESOB_S_PTMおよびESOB_E_PTMをストリーム内より取り出し、STCの不連続情報(例えば図36のCNT_SEGN)を調べて、j1)で増やしたESOBIに対応するESOBの、スタートPTMおよびエンドPTMを設定する(ステップST1502A)。
【0186】
j4)ストリームの種類がTSストリーム(ARIB、DVB)の場合は(ステップST1506イエス)、AP_PKT_SZに188を設定し、PKT_GRP_SZに16を設定する(ステップST1508A)。そうでない場合は(ステップST1506ノー)、放送方式にあった値をAP_PKT_SZに設定する(ステップST1510)。例えば、ステップST1508Aでは、country_codeとしてJPN(日本)を設定するとともにAP_FORMAT1としてJapanISDBを設定する。また、ステップST1510では、country_codeとして該当装置の国コード(例えばUSA)を設定するとともにAP_FORMAT1として該当する放送方式(例えばATSC)を設定する。
【0187】
j5)PSI, SI情報が有効かどうかを判断し、無効の場合は(つまり不明ストリーム:ステップST1511ノー)、ESOB_TY:b12に1を設定、もしくは各値に0xffを設定し(ステップST1513)、j9)へ移行する。
【0188】
j6)PSI, SI情報が有効の場合は(つまりストリームが不明なものでない:ステップST1511ノー)、PATより、TS_ID、NETWORK_PID、PMT_ID(該ESOBで使用しているPMTのPID:PIDは13ビットの実データで記載する方法とPMT内の順番を記載する方法の2通りが考えられる)を設定する(ステップST1514);
j7)PMTより、Program_Number(PMT内のSERVICE_ID)、PCR_PID、等を設定し、さらに、FORMAT_ID、VERSIONに付いては、内部チューナの場合は、機器内でデフォルトの方式とし、外部デジタル入力の場合は、デジタル入力より送られてくるRegistration_Descriptorの値を設定する。また、TMAPタイプに従ってESOB_TYを設定する(ステップST1516A)。
【0189】
j8)さらに、録画したESの数、VideoのES数、オーディオのES数を設定する(ステップST1516A)。(PMTには放送している全てのESの情報:数が設定されているが、録画時に全てのESを記録しているとは限らないため、記録したESの数を設定する。)
j9)GPI設定処理(ステップST1530)、TMAP設定処理(ステップST1540)等を行い、各切りわけ情報を元にストリーム毎にTMAPIを作成する。
【0190】
j10)続いて、録画を開始したLBアドレスをADR_OFSに設定し、デフォルトのPIDを設定する(ステップST1550A)。ここで、デフォルトのビデオのPIDとは、コンポーネントタグ値が一番若いビデオの値のもの、もしくは、マルチビューTVの場合、メインのコンポーネントグループに記載されているコンポーネントタグに対応するVideoストリームのESIの番号が相当する;
j11)そして、編集日時を設定する(ステップST1554)。
【0191】
図64は、GPI設定処理(ステップST1530)の一例を説明するフローチャート図である。このGPI設定処理は、以下のように行なうことができる:
k1)ストリームのタイプを調べる(ステップST15300B);
k2)複数番組を1ストリームにした場合(ステップST15300Bイエス)、ESOB_TYにGPIありとし、GPI_TYに0、全PRIORITY=0と設定し、1番組を1GPIで構成し、グループ数を設定して(ステップST15302B)、k5)へ移行する;
k3)降雨対応放送の場合(ステップST15300Bイエス)(ステップST15304Bイエス)、ESOB_TYにGPIありとし、GPI_TYに40h、高階層をPRIORITY:1とし、そのほかをPRIORITY:2と設定する。階層毎に1GPIで構成しグループ数を設定して(ステップST15306B)、k5)へ移行する。
【0192】
k4)マルチビュー放送の場合(ステップST15308Bイエス)、ESOB_TYにGPIありとし、GPI_TYに40h、高階層をPRIORITY:1とし、そのほかをPRIORITY:2と設定し、1ビューに1GPIで構成する(ステップST15310B)。マルチビュー放送でない場合は(ステップST15308Bノー)、ES_TMAP_Nsに1を設定し、ESOB_TYにGPIなしを設定する(ステップST15321B)。そして、まだ他にグループ(GP)とすべきESがあるかどうかを判断し、ある場合(ステップST15314Bイエス)はk1)へ移行し、無い場合は(ステップST15314Bノー)グループ数を設定し、k5)へ移行する;
k5)他のグループ(GP)があるかどうかをチェックし、ある場合はk1)へ移行し、無い場合は現在選択されているPIDのグループでプレイリストを作って登録し(ステップST15316B)、この処理を終了する;
k6)これにより、現在選択されているグループで再生をする場合には、ステップST15316Bで自動作成されたプレイリストを再生することが可能となる。
【0193】
図65は、のTMAP設定処理(ステップST1540)を説明するフローチャート図である。TMAP設定処理の一例について、以下に説明する:
m1)ESOB/EVOBの構造を決定する(ステップST15400);
m2)ESOBの場合、TMAP_TYを決定する(ステップST15403)。このESOBがPTMベースの場合は、GP数を考慮し、STMAPを作成するESを決定し、そのESの数(ビデオのESの数)をTMAP数とし、TMAP毎に作成するES_PIDを設定する。(ただし、1GPに必ず1TMAPが付く必要は無い。このTMAPを付け無い場合は同じESOBの他のES_TMAPを利用し、再生、サーチ、特殊再生等を行う。)一方、PATSベースのESOB(AT_ESOB)あるいはEVOBの場合、1つTMAPを追加する(PATSベースのTMAPのデータ構造については図25参照);
m3)切り分け情報よりESOB(PTMベース)/EVOB開始時間終了時間、TMAP毎の開始時間終了時間、エントリ数、ESOB(PATSベース)の先頭のPacketの到着時間、最終Packetの到着時間等を設定する(ステップST15405)。
【0194】
m4)TMAPTを追加し、切り分け情報を元にENTRY情報(ESOBの場合)、VIDEO_ES毎に1ST_REF_PIC_SZ(目的のVESの先頭のI-picの終了アドレス、I-Picが無い場合は0をセット)、ESOBU_SZ(ESOBUのサイズをPacketGP単位で示す)、ESOBU_S_PKT_POS(PacketGP内でのSOBUの先頭の位置)を設定する。AT_SOBUの場合のENTRY情報は、AT_SOBU_SZ(AT_SOBUのサイズをPacketGP単位で示す)、AT_SOBU_S_PKT_POS(AT_SOBUの先頭のPacket group内での位置(PKT単位))を設定する。EVOBUの場合のENTRY情報では、1ST_REF_PIC_SZ(先頭のI-picの終了アドレスをセット)、EVOBU_SZ、再生フレーム数等がセットされる(ステップST15407)。ここで、TMAPT情報は別ファイルで記録される。
【0195】
m5)STMAPの編集日を更新する(ステップST15409);
m6)該STR_FIのSTMAPの総和が2MBを超えたかどうかを判定し、超えた場合は(ステップST15411イエス)、TOTAL_STMAP_SZに2MB(もしくは2MBで切ったESOBの足した値)に設定して、ESOBをSTMAPが2MBを超えないように切り、新たなSTR_FIを作成し、そこに新たなESOBを登録して(ステップST15413)、この処理を終了する。
【0196】
m7)超えない場合は(ステップST15411ノー)、STMAPの総和を、TOTAL_STMAP_SZに設定して(ステップST15415)この処理を終了する。
【0197】
以上のような処理により、STMAPの総和が2MB(利用可能なメモリサイズの上限)を超えないようにする(STMAPの総和は前回のTOTAL_STMAP_SZに今回追加したESOBのSTMAP_SZを足したものと考えられる)。
【0198】
なお、STMAPのサイズを2MBに収める方法としては、上記の処理のようにESOBを2つに切ってSTR_FIを増やす方法と、ESOBをそのまま切らずにSTR_FIを増やしてそこに持ってくる方法と、ESOBU_PB_TM_RNGを変更してSTMAPの間隔を広げる方法が考えられる。
【0199】
図66は、EVOB/ESOB構造設定処理(ステップST15400)を説明するフローチャート図である。このEVOB/ESOB構造設定処理の一例を以下に説明する:
n1)録画した録画時間を調べ(ステップST154000)、録画時間が2時間以下の場合はn2)に移行し、2時間から4時間の場合はn3)へ移行し、4時間以上はn4)へ移行する(ステップST154001);
n2)EVOB/ESOB_PB_TM_RNGに0を設定し、切り分け情報(0.4s〜1.0sの情報)より、ESOBUが0.4s〜1.0sになる様にEVOBU/ESOBU_ENTを作成し(ステップST154002)、n5)へ移行する;
n3)EVOB/ESOB_PB_TM_RNGに1を設定し、切り分け情報(0.4s〜1.0sの情報)より、ESOBUが1.0s〜2.0sになる様にEVOBU/ESOBU_ENTを作成し(ステップST154003)、n5)へ移行する;
n4)EVOB/ESOB_PB_TM_RNGに2を設定し、切り分け情報(0.4s〜1.0sの情報)より、ESOBUが2.0s〜3.0sになる様にEVOB/ESOBU_ENTを作成する(ステップST154004);
n5)この処理を終了する。
【0200】
図67は、CP_CTL_INFO(CCIまたはCPI)作成処理(ステップST1220)を説明するフローチャート図である。このCP_CTL_IFOの設定処理の一例を以下に説明する:
p1)最新のPMT、EIT内にコピー情報(デジタルコピー制御記述子)があるかどうか調べ、ある場合は(ステップST12200イエス)そのコピー制御記述子を取り出し(ステップST12204)、その情報を元にCCI(APS、デジタルコピー制御情報等)を構成して設定し(ステップST12206)、p3)へ移行する。このとき、PKT_GRP_GI:STUFに1を設定し、有効なPacketの数をPKT_GRP_GI:VALID_PKT_Nsに設定する。
【0201】
p2)受信したTSパケット内にコピー情報がない場合は(ステップST12200ノー)、コピーフリーとして設定する(ステップST12202);
p3)最新のPMT、EIT内にコンテンツ利用記述子があるかどうか調べ、ある場合は(ステップST12208イエス)そのコンテンツ利用記述子を取り出し(ステップST12212)、その情報を元にICT、EPNを設定する(ステップST12214A);
p4)コンテンツ利用記述子がない場合は(ステップST12208ノー)、コピーフリーとしてICT、EPNを構成する(ステップST12210)。なお、ステップST12214AあるいはステップST12210におけるICT、EPN等については、図39を参照したCCIの説明でも述べている。
【0202】
さらに、CCI設定処理の別例について、補足説明する:
1)最新のPMT、EIT内にコピー情報があるかどうか調べ、ある場合は、その情報を元にコピー情報を構成して設定し、3)へ移行する;
2)受信したTSパケット内にコピー情報がない場合は、前回のパックと同じ情報をコピー情報として構成する;
3)最新のPMT、EIT内にコンテンツ利用記述子があるかどうか調べ、ある場合は、パケットグループの途中で変化した場合、その変化した所から新たなパケットグループとするように前のパケットグループにダミーデータを挿入し、変化後からを新たなパケットグループとするようにし、その情報を元にCCIを設定する。このとき、PKT_GRP_GI:STUFに1を設定し、有効なPacketの数をPKT_GRP_GI:VALID_PKT_Nsに設定する;
4)受信したTSパケット内にコピー情報がない場合は、コピーフリーとしてCCIまたはCPIを構成する。
【0203】
図68は、録画終了処理(ステップST150)におけるプログラムチェーン(PGC)作成処理(プログラム設定処理を含む)の一例を説明するフローチャート図(プログラム設定処理フロー)である。以下、PGC作成処理例を説明する:
q1)ディスクの最初の記録かどうかをチェックし、最初の場合は(ステップST1600Zイエス)新たにORG_PGCを作成し(ステップST1602Z)、最初で無い場合は(ステップST1600Zノー)既に記録してあるPGC(ORG_PGC)の後にプログラムPGを追加する様に設定する(ステップST1604Z);
q2)PG_TYに消去許可:0を設定し、Cell_NsにCELLの数を設定し、ビデオのESI番号も設定する(ステップST1700Z)。
【0204】
q3)ステップST1700Zの設定において、記録するデジタル放送がARIBの場合、EIT内の短形式イベント記述子のlanguage_codeが"jpn"のときは、VMG_MATのCHRに0x12を設定し、PRM_TXTIの第二領域にEVENT_NAMEに設定し、REP_PICTIに代表画像の情報を設定する;
q4)PG_INDEXにPGの絶対番号を設定し、他のアプリケーションソフトウエアなどから参照する場合にPG単位での参照が可能にしている(ステップST1702Z)。その際、レジューム情報(PG_RSM_IFO)に開始セル番号を設定するとともに、開始時間(スタートPTM)を設定する。
【0205】
q5)CELL_TY(例えば図34のセル情報EX_CI内に含まれるセルタイプ)にストリーマであることを示す情報を設定する(ステップST1704Z);
q6)ステップST1704Zの設定において、さらに、参照するESOB番号を設定し、再生するESとして代表(ビデオの)ESI番号(ESIN)を設定し、エントリポイント情報EPI(図35)の数、再生開始PTM、終了PTM、エントリポイントEPをそれぞれ設定する。さらに、図20に例示されるような不連続セグメントCNT_SEGを読み取り、その回数を例えば図36のCNT_SEGNに設定し、その他に再生するESOBのブロック番号を設定する。
【0206】
q7)さらに、ステップST1704Zの設定において、PG_RSM_INF(再生開始PTM、ビデオのESI番号、オーディオのESI番号、Dual-Monoの主副情報等)に、頭から再生できるように先頭の情報を設定する。なお、EPを自動でつける場合の要因としては、映像及び時間関係では、一定時間と映像のモード変化(アスペクト比、動きベクトルの大きい場合)でその条件に映像フレームの先頭Packet(Unit Start Indicator)GOPの先頭Packet(シーケンスヘッダの先頭、I-PICの先頭)を組み合わせた場合が考えられる。さらに、音声関係では音声の変化(音量の変化等)/音声モード(ST/MONO)でその条件に音声フレームの先頭Packet(Unit Start Indicator、フレームヘッダ)の組み合わせた場合が考えられる。
【0207】
図69は、再生動作の一例を説明するフローチャート図(全体の再生動作フロー)である。再生時のデータ処理は、例えば以下のようになる:
r1)まず、ディスクチェックし、Recordable/Rewritable Disc(R、RW、RAM)かどうかをチェックし、Recordable/Rewritable Discで無い場合には、その旨を返して終了する;
r2)Recordable/Rewritable Discであれば、ディスクのファイルシステムを読み出し(ステップST207)、録画されたデータがあるかどうかチェックし、無い場合には、“録画されていません”と表示して終了する;
r3)VMGファイルを読み込み(ステップST207)、再生するプログラム、セルを決定する(デフォルトで決定するか、ユーザに選ばせる)(ステップST208)。ここで、記録順の再生選択した場合には、ORG_PGCIに従って再生を行い、(ユーザが編集した)番組毎の再生を行う場合には、再生したい番組に相当する番号のUD_PGC(プレイリスト)に従って再生を行う;
r4)再生するタイトル情報(PSI, SI情報が不明の場合はSTBへの転送処理のみを行なうよう設定)、レジューム情報(PL_RSM_IFO, PG_RSM_IFO)、セル情報(EX_CI)等により再生するESOB/EVOB、再生開始PTM等を決定し、再生開始PTMより、再生を開始するファイルポインタ(論理アドレス)および再生するストリームのESIを決定する。さらにSTI、ESIの値により、各デコーダ部設定を行い再生の準備を行う(ステップST211A)。
【0208】
r5)続いて、AP_FORMAT1, 2(図12、図15参照)から再生する方式を決定する(再生ストリームを送るSTBを決定する)。(ステップST211B)
r6)PSI, SIの情報が有効なら(ステップST211Cイエス)、PSI, SIの情報から再生するストリームを決定するとともに、PSI, SIの情報をワークRAMに保存する(ステップST211D)。PSI, SIの情報が有効でないなら(ステップST211Cノー)、全てのストリームをSTBへ送信するように設定する(ステップST211E)。
【0209】
r7)続いて再生開始時の処理を行う。まず再生対象がESOBかどうかチェックする。ESOBであれば(ステップST213イエス)デコーダ設定処理へ入る(ステップST217)。ESOBでなければ(ステップST213ノー)TSパケットの送信処理のみを行なう(ステップST219)。
【0210】
r8)続いてセルの再生処理を行い(ステップST220)、再生終了かどうかをチェックし、終了の場合には(ステップST230イエス)、エラーチェックを行なう。エラーの場合には(ステップST240イエス)、その旨を表示し(ステップST242)、再生終了処理を行なう(ステップST244)。エラーでない場合には(ステップST240ノー)、その他の再生終了時の処理を行い(ステップST246)、この動作を終了する。
【0211】
r9)再生終了でない場合には(ステップST230ノー)、PGCIより次のセルを決定し(ステップST232)、ステップST211Aへ戻る。そして、デコーダ部59の設定(ステップST217)が変更されたかどうかをチェックし、変更された場合には、次のシーケンスエンドコードにデコーダの設定が変更されるようにデコーダ部59に変更属性を設定する;
r10)以後、再生が終了したかどうかをチェックしつつ(ステップST230)同様な処理(ステップST211A〜ST232)を繰り返す。
【0212】
図70は、デコーダ設定処理(ステップST217)を説明するフローチャート図である。デコーダの設定例を以下に説明する:
s1)再生対象がESOBである場合(ステップST2170イエス)、再生するグループを決め、GPIに従い、再生するESを決める(ステップST2171)。再生対象がEVOBである場合は(ステップST2170ノー)、ステップST2171はスキップする;
s2)再生するESOB(またはEVOB)の属性情報(STI、ESI)を読み込む(ステップST2172);
s3)再生するESOB(またはEVOB)が、レコーダ(図53または図54の装置など)が対応できるフォーマットかどうかをチェックする。対応不能の場合(ステップST2173ノー)は、再生しないよう機器設定をおこない、表示ミュートを設定する(ステップST2175)。
【0213】
s4)再生するビデオが再生可能な場合は(ステップST2173イエス)、再生準備を行なう(ステップST2174A)。この場合、PIDは13ビットのPIDが設定されている場合はそのまま使用できるが、PMT内の順番で設定されている場合はPMTを参照してPIDを決める;
s5)再生するオーディオが再生可能かどうかをチェックし、可能な場合(ステップST2176イエス)は、再生準備を行なう(ステップST2177A)。この場合、PIDは13ビットのPIDが設定されている場合はそのまま使用できるが、PMT内の順番で設定されている場合はPMTを参照してPIDを決める。不能の場合(ステップST2176ノー)は、再生しないよう機器設定をおこない、音声ミュートを設定する(ステップST2178);
s6)例えば図67の処理で作成した内容を含むCCIまたはCPI情報を元に、コピー管理処理を行う(ステップST2179)。
【0214】
図71は、セル再生時の処理の一例を説明するフローチャート図である。セルの再生処理は、例えば以下のようになる:
t1)TMAPIの内容よりEX_CELLの開始ファイルポインタFP(論理ブロック番号LBN)、終了ファイルポインタFP(論理ブロック番号LBN)を決定し、さらに、EX_CI内の開始時間、終了時間より開始のESOBU_ENTRY、終了のESOBU_ENTRYを決定し、ADR_OFSに目的のESOBU_ENTRYまでのエントリのデータ長を累積し、開始アドレス(LB=FP)、終了アドレスを求める。残りEX_CELL長は終了アドレスより開始アドレスを引いた値とし、再生開始時間をSTCへセットする(ステップST2200)。さらに、再生するPIDを決定し、デコーダ(STB、デジタルチューナ)に設定する。この場合、PIDは13ビットのPIDが設定されている場合はそのまま使用できるが、PMT内の順番で設定されている場合はPMTを参照してPIDを決める。
【0215】
t2)ESOBの連続チェック処理を行う(ステップST2201);
t3)再生中の読み出し処理を実行し、開始ファイルポインタより読み出しアドレス、読み出しサイズを決定する(ステップST2206);
t4)読み出す読み出し単位サイズと残りセル長を比べ、残りセル長が大きい場合には(ステップST2207イエス)、残りセル長に残りセル長より読み出す読み出し単位サイズを引いた値を設定する(ステップST2208)。小さい場合には(ステップST2207ノー)、読み出し長を残りセル長にセットし、残りセル長を0にセットする(ステップST2209);
t5)読み出し長を読み出し単位の長さに設定し、ドライブ部へ読み出しアドレス、読み出し長、読み出し命令を設定する(ステップST2210)。
【0216】
t6)データ転送が開始したら(ステップST2212イエス)、バッファに1ESOBU分たまるのを待つ。1ESOBU分たまったら(ステップST2214イエス)、1ESOBU分のデータをバッファから読み込み(ステップST2216)、バッファデコーダ転送処理を行なう(ステップST2220)。そして、読み出しファイルポインタFPのインクリメントとMPEGデコーダの通常モードへの設定(ステップST2224)を行ったのち、t7)へ移行する。
【0217】
t7)転送が終了したかどうかをチェックし、終了した場合には(ステップST2226イエス)、t8)移行する;
t8)アングルキー等が押されたかどうかをチェックし、押された場合は(ステップST2238イエス)、GPIがあるかどうかチェックする。GPIがある場合は(ステップST2239イエス)GP切り替え処理を行い(ステップST2240)、無い場合は(ステップST2239ノー)、何もせずにステップST2228の処理へ移行する;
t9)アングルキー等が押されていない場合は(ステップST2238ノー)、Skip SWが押されたかどうかをチェックする。Skip SWが押された場合は(ステップST2248イエス)、SKIP処理(ステップST2250)を行う。
【0218】
t10)Skip SWが押されていない場合は(ステップST2248ノー)、STOP SWが押されたかどうかをチェックする。Stop SWが押された場合は(ステップST2258イエス)、中断情報(RSM_IFO)を、タイトル再生の場合はPG_RSM_IFOに、プレイリスト再生の場合はPL_RSM_IFOに保存し、終了処理を行う(ステップST2260A);
t11)Stop SWが押されていない場合は(ステップST2258ノー)、残りセル長をチェックする。残りセル長が“0”でない、つまり現在のセルが最後のセルでない場合には(ステップST2228ノー)ステップST2206へ戻る。残りセル長が“0”の場合には(ステップST2228イエス)、この処理を終了する。
【0219】
図72は、ESOB連続チェック処理(ステップST2201)を説明するフローチャート図である。再生時のESOB連続チェック処理は、例えば次ぎのようになる;
u1)前のESOBと連続記録したかどうかをチェックし(図23のESOB_CONNI)、連続記録していない場合は(ステップST22010ノー)、この処理を終了する;
u2)ESOBが連続記録している場合は(ステップST22010イエス)、ESOB間を連続して再生するようように設定する(ESOB間で再生開始するまで黒画面を挿入するなどの処理を止める)(ステップST22011)。
【0220】
図73は、バッファRAMからデコーダへのデータ転送処理の一例を説明するフローチャート図である。バッファデータデコーダ転送処理例を以下に説明する:
v1)バッファRAM内のパケットグループの数をチェックし、1パケットグループが無い場合は図73の処理をスキップする。バッファRAM内にパケットグループが1以上ある場合は、最初のパケットグループを処理する様設定する(ステップST22200);
v2)目的のパケットグループをバッファRAM内より読み出す(ステップST22201)。パケットグループの先頭は、パケットグループ長とSync_Patternとして機能するHeader_ID(図37)により検出する;
v3)パケットグループヘッダのSTUFビット(図38)を調べ、1がセットされている場合は、VALID_PKT_Nsの値に従って、有効なPacketを取り出す(ステップST22202A)。STUFビットに1が設定されていない場合は、170Packetが有効パケット数であるとする。
【0221】
v4)FIRST_PATS_EXTをPacket groupの先頭のPacketのPATSの上位2バイトとし、そこから直前のPATSの下位4バイトとして計算した時間に各TSパケットをデコーダ部(STB部)に送る(ステップST22202B)。別の言い方をすると、PATS_SSによりPATSの精度を検出し、その精度情報を元に、PATS(FIRST_PATS_EXT+直前のTSパケットのPATS:精度4バイトの場合)とPATS_SSより、TSパケットの転送時間を計算し(ステップST22202B)、その時間に各TSパケットをデコーダ部(STB部)に送る(ステップST22203)。
【0222】
なお、精度6バイトの場合は、FIRST_PATS_EXTをPacket Groupの先頭のPacketのPATSの上位2バイトとし、そこから直前のTSパケットのPATSの下位4バイトとしてTSパケットの転送時間を計算する。精度4バイトの場合は、直前のPATSより、桁上がりを考慮してPATSを計算する。また、精度無しの場合は、Packetデータを取り出すと、リクエストが有り次第直ちにTSパケットを出力する。
【0223】
v5)デコーダ部へのパケット転送が終了すると(ステップST22204イエス)、コピー制御の設定(CCIまたはCPI処理)を行なう(ステップST22205);
v6)その後、メーカー情報MNFがあるかどうかをチェックし、ある場合、そのメーカーIDが該当機器のメーカーと一致するかどうかを判断し、一致している場合は、そのデータを読み込み、所定の処理を行う(各社独自の処理)(ステップST22270);
v7)続いて、ディスコンティニュー処理を行う(ステップST22280);
v8)転送終了まで待ち、パックグループがバッファRAMに残っているかどうかをチェックする。パックグループがバッファRAMに残っていない場合は(ステップST22206ノー)この処理を終了する;
v9)パックグループがバッファRAMに残っている場合は(ステップST22206イエス)、次のパケットグループを処理する様設定し(ステップST22207)、ステップST22201に戻る。
【0224】
図74は、GP切り替え処理の一例を説明するフローチャート図である。GP切り替え処理は、例えば以下のようになる:
x1)切り替えスイッチSWの種別を調べる(ステップST22400X);
x2)現在再生しているパケットグループGPのグルーピング情報GPIを読み込む(ステップST22401X);
x3)GPIがあるかどうかを調べ、無い場合は(ステップST22403Xノー)、この処理を終了する;
x4) GPIがある場合は(ステップST22403Xイエス)、そのほかのGPに切り替えるためにGPI情報を読み込み(ステップST22405X)、デコーダ設定処理を行う(ステップST22410)。
【0225】
図75は、ディスコンティニュー処理の一例を説明するフローチャート図である。ディスコンティニュー処理例を以下に説明する:
y1)不連続性情報DCNIを読み出してチェックし(ステップST22800)、再生中の位置にCNT_SEGの切れ目がある場合は(ステップST22802イエス)、デコーダの再生モードを内部クロックモード(PTSの値を無視し、内部のクロックの値のみで再生を行い、PCRがきた段階でPTSを再び有効にする動作モード:外部同期モード)に移行させ(ステップST22804)、この処理を終了させる;
y2)再生中の位置にCNT_SEGの切れ目がない場合は(ステップST22802ノー)、何もぜずにこの処理を終了させる。
【0226】
図76は、スキップ処理の一例を説明するフローチャート図である。スキップ処理は以下のように行うことができる:
z1)エントリポイントの情報テーブルEPITを読み込む(ステップST22500);
z2)SKIPの方向(SKIPキーの種類で決定)を調べ、フォワードの場合(ステップST22502イエス)は、現在再生している位置よりも後ろのエントリポイントEPで、現在再生ているPIDと同じPIDをもつEPを検索して、その情報を読み込む(ステップST22504)。一方、バックワードの場合(ステップST22502ノー)は、現在再生している位置よりも前のEPで、現在再生ているPIDと同じPIDをもつEPを検索して、その情報を読み込む(ステップST22506);
z3)検出されたEPIより、再生するESOBU_ENTを決定する(ステップST22508);
z4)ESOBU_ENT情報を読み込み、再生を開始する時間(STC)を決定する(ステップST22510)。その際、ESOBU_Cluster(図48)を探し、そこから再生を開始する。
【0227】
z5)目的のESOBU_ENTにI-PIC(または基準画像)があるかどうかを調べ(1ST_REF_SZ=0か否か調べる)、ない場合は(ステップST22512ノー)1つ前の同じグループのESOBU_ENTの情報を読み(ステップST22514)、ステップST22512〜ST22514の処理を繰り返す;
z6)目的のESOBU_ENTにI-PIC(または基準画像)がある場合は(ステップST22512イエス)、ESOBU_ENT内のシーケンスヘッダSHを読み込み、デコーダへ設定する(ステップST22522)。そして、先ほど見つけたI-PIC(または基準画像)を読み出し、その位置よりデコードを開始し、EPで指定された再生時間より表示を開始するようデコーダを設定し(ステップST22514)、通常の再生処理に移行する;
図77は、図3または図46の別例を説明する図である。すなわち、図77に示すように階層ディレクトリにして、EVOB、SOBをそれぞれのディレクトリで管理する方法が考えられる。これにより、オブジェクト毎に管理しやすくなり、HD_DVD−VIDEOにデータを変換する場合にもHDVR_VOBディレクトリのみを対象とすることが可能となる。
【0228】
ここでは、DVD_HDVRにHR_MANGER.IFOをおき、HDVR_VOBにEVOBのOBJECTファイルとEVOB毎のTMAPファイルHR_Vmmmm.MAP(mmmmはVOB_INDEXと同じ番号:1〜1998)をおいている。そして、HDVR_SOBには、ESOBのOBJECTファイルと、ESOB(AT_SOB)の管理ファイルHR_SFInn.SFI(nn=00の場合はTYPE_B、nn=01〜0xffの場合はTYPE_A)と、ESOB(AT_SOB)毎のTMAPファイルSnn_mmmm.SMP(nn=00の場合はTYPE_B、nn=01〜0xffの場合はTYPE_A;mmmmはESOB(AT_SOB)_INDEXと同じ番号:1〜1998)で構成されている。
【0229】
この場合、さらに、HD_DVD−VIDEOとの親和性を高めるためにVTMAP構造を共通にすることが考えられる。その場合になされる変更を以下に説明する。
【0230】
図78は図9の別例を説明する図である。ここでは、HD_DVD−VIDEOとの互換性を考慮して、TMAPをEVOB若しくはESOB毎にファイル化する。そのために、図78にはEVOB_TMAPIのデータ構造でEVOB_INDEXとVTMAP_LAST_MOD_TMを追加してある。これらの情報は、EVOBを特定するためのINDEX番号と、VTMAPがEVOB毎に増えたためにこの位置におかれたVTMAPの更新時間を示している。ここで、INDEX番号はEVOBが発生するたびにつける番号で、DISC内で重ならない番号であり、削除してもその後同じ番号を再び使わない。すなわち、INDEX番号は一義的にEVOBを限定するための番号である。
【0231】
図80は図24の別例を説明する図であり、図81は図25の別例を説明する図である。すなわち、TYPE_AのESOB_TMAPIにも同じようにESOB_INDEXとSTMAP_LAST_MOD_TMが追加され、TYPE_BのESOB_TMAPIにも同じようにAT_SOB_INDEXとSTMAP_LAST_MODE_TMが追加されている。
【0232】
図82は、TMAPファイル構造の例を説明する図である。TMAPファイルの構造は、図82に示すように、1ファイル−1EVOB(ESOBまたはAT_SOB)に対応して、それぞれ、TMAP_GIとTMAP_SRPとTMAPIで構成されている。TYPE_AのSOBの場合は、ES_TMAPが複数ある可能性がある(マルチビュー、降雨対応等)。それ以外は1TMAPIしかないが、TMAP_SRPがあることによりHD_DVD−VIDEOと構造をあわせている。
【0233】
図83は、図27の別例を説明する図であり、EX_VTMAPの構造は図83に示すようになる。EX_VTMAP_GIにはVTMAP_TY、ILVUI_SA、EVOB_ATR_SA、VTSI_FNAMEが追加されている。これは、Video(DVDビデオおよび/またはHD_DVDビデオ)との互換性を考慮したもので、VTMAP_TYは0x3を、ILVUI_SA、VOB_ATR_SAに関しては0を設定している(インターリーブドユニットは無く、TMAP内にATR情報が無いことを示す)。VTSI_FNAMEには“HR_IVTSI.VTI”とインターオペーラブルコンテンツのVTSIのファイル名を設定する。
【0234】
EX_VTMAP_SRPでは、EVOB_INDEX、ILVU_ENT_Nsが追加されている。EVOB_INDEXはEVOBのインデックス番号で、TMAPを読み出したときにこの値とM_AVFIT内のEVOB_TMAPI内のEVOB_INDEXを参照する。これにより、同じ値のEVOB_INDEXをもつEVOBをこのTMAPの対象となるEVOBということにする。なお、ILVU_ENT_Nsには0を設定する(ILVU_ENTが無いことを示す)。
【0235】
図84は、図29の別例を説明する図である。TYPE_AのESOBのESOB_TMAPは、図84に示すように、ES_TMAPI_SRP_Ns、ESOB_INDEXがESOB_TMAP_GIに追加になっている。ES_TMAPI_SRP_Nsには、TMAPを作成したESの数を設定する。このESOB_INDEXは、ESOB_TMAPIのESOB_TMAPGI内のESOB_INDEXと比較される。そして、同じ値のESOB_INDEXの属しているESOBが、そのTMAPの属するESOBということになる(EVOBと同様)。ただし、ESOB_INDEXがSTMAP_GIにあり、ES_TMAP_SRPに無いのは、ESOB_INDEXがESOB毎にあるためで、ES_TMAP_SRPにあるとES毎に変えられる可能性があるため、STMAP_GIに入れている。
【0236】
図85は、図30の別例を説明する図である。TYPE_BのAT−SOBのSTMAPは、図85に示すように、AT−SOB_INDEXがSTMAP_GIに追加になっている。AT−SOB_INDEXは、ESOB_TMAPIのESOB_TMAPGI内のAT−SOB_INDEXと比較される。そして、同じ値のAT−SOB_INDEXの属しているAT−SOBが、そのTMAPの属するAT−SOBということになる(EVOBと同様)。
【0237】
図96は、CNT_SEGの特殊な場合を説明する図である。図96に示すように、ESOB_DCNIにおいて、ESOBの先頭と最終部分でピクチャの再生順と記録順がずれるために特殊な処理が必要になる。図96の上の部分は先頭処理で、下が終了時の処理である。ESOBの先頭において、記録順がI,B,B,P,…となる場合、再生順はB、B、I、P,…になることがある。このとき、PTMの桁上がりがB1の部分で起きた場合、CNT_SEG_SZ=0のCNT_SEG#1を発生させることになる。また、ESOBの最終部分において、記録順はB,B,P,…となる場合、再生順はB、B、P,…になることがある。このとき、Pピクチャの途中でPTMの桁上がりが起きた場合、CNT_SEG_SZ=0のCNT_SEG#1を発生させることになる。
【0238】
図23を参照して前述したESOB_CONNIは、現ESOBが1つ前のESOBとの連続に記録されたかどうかを示す情報で、再生時には連続で再生することが可能である。(ただし、この連続再生がシームレスになるかどうかはレコーダの処理能力次第となる。)ここで、ESOB_CONNIとESを複数もつESOBの位置情報と時間情報の関係は、図97〜図100に示すようになる。
【0239】
図97は、ESOB_CONNIに応じたSOBの開始位置関係の一例を説明する図である。ESOBの先頭部分に関しては、図97に示すように、通常の場合(ESOB_CONN_SS=0の場合)の関係は、
ESOB_S_PTM=ES_S_PTM#1
ESOB_S_PTM≦ES_S_PTM#2
ES_S_ADR_OFS#2≧0
である。ESOB_CONN_SS=1の場合(現ESOBが1つ前のESOBと連続記録の関係にある場合)の関係は、上記の条件に加えて、
ES_S_ADR_OFS#2がマイナス(2の補数で表現)でも可(この場合は0xffff ffff ffff fffb(-5の2の補数));
かつ
ESOB_S_PTM>ES_S_PTM#2(ES_S_PTM#1>ES_S_PTM#2)でも可
となる。つまり、デフォルトのES以外のESは、連続記録されたSOBの方にはみ出して設定可能となっている。
【0240】
図98は、編集時におけるESOB_CONNIに応じたSOBの開始位置関係の一例を説明する図である。現ESOBより前のESOBを削除した場合、図98に示すように、
ES_S_ADR_OFS#2≧0(この場合、ESOBU#2の先頭)になるよう変更
かつ
ES_S_PTM#2≧ESOB_S_PTMに収まるようにES_S_PTM#2を変更(この場合、ESOBU#2の先頭の値)
となるように変更する。
【0241】
つまり、ESOBからはみ出したESOBUを削除して、ESOBからはみ出ない様にする。(ESOBからはみ出ないようにする場合、ESOBUを編集してESOBU内の次のIピクチャがESOB内にあれば、そこからESOBU_ENTを構成しなおしてもよい。)
図99は、ESOB_CONNIに応じたSOBの終了位置関係の一例を説明する図である。ESOBの最後部分に関しては、図99に示すように、通常の場合(ESOB_CONN_SS=0の場合)の関係は、
ESOB_E_PTM=ES_E_PTM#1
ESOB_E_PTM≧ES_E_PTM#2
ESOB_SZ≧ES_S_ADR_OFS#2+ESOBU_SZの総和数
である。しかし、ESOB_CONN_SS=0の場合(後ろのESOBと連続記録の関係にある場合)の関係は、上記の条件に加えて、
ESOB_SZ<ES_S_ADR_OFS#2+ESOBU_SZの総和数 でも可
かつ
ESOB_E_PTM<ES_E_PTM#2(ES_E_PTM#1<ES_E_PTM#2)でも可
となる。つまり、デフォルトのES以外のESは、連続記録されたSOBの方にはみ出して設定可能となっている。
【0242】
図100は、編集時におけるESOB_CONNIに応じたSOBの終了位置関係の一例を説明する図である。後ろのESOBを削除した場合、図100に示すように、
ESOB_SZ≧ES_S_ADR_OFS#2+ESOBU_SZの総和数 になるようにESOBU_SZ総和数を変更(この場合、ESOBU_SZ#2を削除)
かつ
ESOB_E_PTM≧ES_E_PTM#2 になるようにES_S_PTM#2を変更(この場合、ESOBU#1のE_PTMにする)
のように変更する。
【0243】
つまり、ESOBからはみ出したESOBUを削除して、ESOBからはみ出ない様にする。(ESOBからはみ出ないようにする場合、ESOBUを編集してESOB内に収まるようにESOBU_ENTを構成しなおしてもよい。)
以上のようにすることで、ESOBにおけるデフォルトで無いV−ES(ビデオ・エレメンタリストリーム)がすべてES−TMAPに登録されることになり、連続再生可能なESOBの間ですべてのV−ESが指定可能となる。これにより、連続再生するESOB間において、マルチビューなどの様に複数のVideo−ESを再生可能なコンテンツにおいて、デフォルトで無いV−ESの再生がESOB間で途切れないようにすることが可能となる。
【0244】
図86は、図36の別例を説明する図である。図86が図36と違うところは、次の点である。すなわち、図86の例では、CNT_SEGN=1で該当ESOB内のCNT_SEGが0個であることを表し、CNT_SEGN=2で該当ESOB内のCNT_SEGが1個であることを表し、CNT_SEGN=3で該当ESOB内のCNT_SEGが2個であることを表し、CNT_SEGN=4で該当ESOB内のCNT_SEGが3個であることを表している。
【0245】
図87は、図42の別例を説明する図である。VOBのOBJECTデータ内のRDIパック内のGCI_GIには、図87に示すように、EVOBU_S_PTM4が追加されている。これにより、EVOBUの先頭のVIDEOのPTMを知ることができ、EVOBの途中のEVOBUから再生を開始する場合、この値を読み込んで再生を開始することができる。これにより、EX_VTMAPは、変更無くHD_DVD−VIDEOに使え、よりも少ない手間でHD_DVD−Videoへの移行が可能となり、HDVRのデータがDVD−PLAYERでかかるようにすることが可能となる。
【0246】
図88は、インターオペラブルコンテンツの変換例を説明する図である。DVD−PLAYERで再生処理が可能なようにHD_DVD−VIDEOに従った管理情報を作成することを「インターオペーラブルコンテンツ作成処理」とする。この処理の内容は、図88に示すように、HD_DVD−VRの管理情報の内、EVOBの管理情報よりVTSI、VIDEO_PLAYLISTを作成し保存する。そして、PGCI内のM_CELLIとそのCELLの属しているPGの情報等を取り出し、属性情報をSTIより取り出し、VIDEO_PLAYLISTファイル(XMLファイル)を作成し、M_AVFITよりVTSI(HR_IVTSI.VTI)を作成する。
【0247】
図79は、図77の別例を説明する図である。図79は上記の例で作成されるファイルの構造を示す。
【0248】
PlayerはVOB_PALYLISTにしたがって、目的のEX_VTMAP(HR_Vmmmm.MAP)を読み出し、その中のEVOB_INDEXの値により、EVOBを決め、EVOBの管理情報をVTSIを読み出し、これらの管理情報に従って、EVOBファイル(HR_MOVIE.VRO)を再生する。
【0249】
ここで、VRではPGCIより再生するEVOBを決め、M_AVFITより再生するEVOBの管理情報、EX_VTMAPを読み出し、その情報にしたがってEVOBファイルを再生するが、HD_DVD−VIDEOの場合は、VIDEO_PLAYLISTより再生するEVOBのEX_VTMAPを決め、読み込み、そのVTMAPの情報にもとづいて、VTSIを読み込み、EX_VTMAP内のEVOB_INDEXの値により、VTSI内の管理データより目的のEVOBの情報を読み込み、EVOBファイル(HR_MOVIE.VRO)を再生する。このようにEX_VTMAPの使い方がHD_DVD_VRとHD_DVIDEOでは違い、それぞれの逆引きとなっており、そのため、VTMAPとVMGI、VTSIとは互いに逆引きが可能な構造となっている。ただし、そのインターオペーラブルコンテンツの作成処理を行うタイミングは図93に示すように複数考えられる。
【0250】
図93は、インターオペラブルコンテンツ作成の処理タイミング例を説明するフローチャート図である。複数考えられるインターオペラブルコンテンツ作成処理タイミングの第1は、図93(a)に示すようにVR録画処理(ステップST22)の終了後に自動的に行う(ステップST32)方法である。この場合、作成されたディスクは必ずPLAYERで再生することができるが、録画処理の終了が遅くなる。
【0251】
複数考えられるインターオペラブルコンテンツ作成処理タイミングの第2は、図93(b)に示すようにディスク取り出し処理(ステップST30)時に自動的に行う(ステップST32)方法である。この場合も作成されたディスクは必ずPLAYERで再生することができるが、イジェクト処理が遅くなる。
【0252】
複数考えられるインターオペラブルコンテンツ作成処理タイミングの第3は、DVDビデオレコーダで行っているようにDVD−VIDEO互換化処理などの選択肢を設け、ユーザーにその処理を選ばせて、意識的に処理(ステップST32)を行わせることが考えられる。この場合、他の処理の動作時間を遅らせることも無く、ユーザーにはこの処理を選ばせることにより、その時間を待たせることができる。ただし、この場合、ディスクは必ずPLAYERで再生可能ということにはならず、その処理(ステップST32)を行ったディスクのみPLAYERで再生が可能ということになる。
【0253】
ここで、変換時の処理の注意事項を以下に示す。
【0254】
・VIDEO_PLAYLISTファイル(XML)は“ADV_OBJ”というディレクトリの下におく。
【0255】
・VIDEO_PLAYLISTファイルのファイル名は“VPLST000.XPL”とする。
【0256】
・VTSIファイルは“DVD_HDVR/HDVR_VOB”の下におく。
【0257】
・VTSIのファイル名は“HR_IVTSI.VTI”とする。
【0258】
・VOBファイルとTMAPファイルはそのまま使用する。
【0259】
図94は、インターオペラブルコンテンツ作成処理の一例を説明するフローチャート図である。図89、図90、図91、図92の変換表1〜4を参照しつつ、具体的な変換処理をの例を以下に示す。
【0260】
1)EVOBが記録されているかどうかを判定し(ステップST320)、記録されて無い場合(ステップST320ノー)はこの処理を終了する。
【0261】
2)EVOBが記録されている場合は(ステップST320イエス)、M_AVFITにより、図89〜図92の変換表1〜4にしたがって、EVOBの管理情報よりVTSIを作成する(ステップST322)。(VTMAP、VROファイルに関しては互換性があるため、そのまま使用可能であるので何もしない。)
3)PGCIとSTIのデータにしたがってVIDEO_PLAYLISTを作成し(ステップST324)、この処理を終了する。
【0262】
このときの実際のVIDEO_PLAYLISTの変換例を以下に示す。ここで、以下のことに注意して変換する。
【0263】
・“Title”はHD_DVD−VRのProgram(PG)またはPlay List(PL)と一致する。
【0264】
・“Chapter”はHD_DVD−VRのEntry Point(M_C_EPI)と一致する。EPが無い場合にでも、Chapter elementをタイトルの先頭や終了につけてもよい。
【0265】
・Playlist内の“displayName”はHD_DVD−VRのDisc Representative Name(DISC_REP_NM)に一致する。
【0266】
・Title内の“displayName”はHD_DVD−VRのProgram(PG)またはPlay List(PL)内のPrimary Text Information(PRM_TXTI)に一致する。
【0267】
・Chapter内の“displayName”はHD_DVD−VRのEntry Point(M_C_EPI:Type EP_B)内のPrimary Text Information(PRM_TXTI)に一致する。
【0268】
・Title内の“titleDuration”はHD_DVD−VRのC_V_S_PTMとC_V_E_PTMより導き出される。
【0269】
・PrimaryAudioVideoClipの“titleTimeBegin”と“titleTimeEnd”はHD_DVD−VRのC_V_S_PTMとC_V_E_PTMより導き出される。
【0270】
・PrimaryAudioVideoClipの“clipTimeBegin”はHD_DVD−VRのC_V_S_PTMとVOB_S_PTMより導き出される。
【0271】
・Chapterの“titleTimeBegin”はHD_DVD−VRのEP_PTMとC_V_S_PTMとC_V_E_PTMより導き出される。
【0272】
・ESOB、AT−SOBは対象ではない。
【0273】
・テンポラリイレースのEVOBはインターオペーラブルコンテンツに含めない。
【0274】
・P−EVOBのトータル数はHD_DVD−VRのEVOBのトータル数より少ない。
【0275】
図95は、HD_VRのPGC構成例を説明する図である。以上の注意事項を踏まえて、まず、図95に示すようなPGCIが存在する場合には、以下のようなVIDEO_PLAYLISTファイルが作成される。
【0276】
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<Playlist majorVersion="1" minorVersion="0" diplayName="Disc name (DISC_REP_NM)" type="Interoperable" xmlns="http://www.dvdforum.org/2005/HDDVDVideo/Playlist">
<Configuration>
<StreamingBuffer size="0"/>
<Aperture size="1920x1080"/>
<MainVideoDefaultColor color="107F7F"/>
</Configuration>
<MediaAttributeList>
<VideoAttributeItem index="1" codec="AVC"/>
<VideoAttributeItem index="2" codec="VC-1"/>
<AudioAttributeItem index="1" codec="LPCM"/>
<AudioAttributeItem index="2" codec="AC-3"/>
</MediaAttributeList>
<TitleSet timeBase="60fps">
<Title id="Title001" titleNumber="1" type="Original" titleDuration="00:01:00:00" onEnd="Title002" displayName="Original Title 1 (PRM_TXTI in PGI#1)">
<PrimaryAudioVideoClip id="Clip1" dataSource="Disc" titleTimeBegin="00:00:00:00" clipTimeBegin="00:00:00:00" titleTimeEnd="00:01:00:00" src="file:///dvddisc/DVD_HDVR/HDVR_VOB/HR_V0001.MAP">
<Video track="1" mediaAttr="1"/>
<Audio track="1" streamNumber="1" mediaAttr="1"/>
</PrimaryAudioVideoClip>
<ChapterList>
<Chapter id="Chapter0001" titleTimeBegin="00:00:00:00"/>
</ChapterList>
</Title>
<Title id="Title002" titleNumber="2" type="Original" titleDuration="00:01:30:00" onEnd="Title003" displayName="Original Title 2 (PRM_TXTI in PGI#2)">
<PrimaryAudioVideoClip id="Clip2" dataSource="Disc" titleTimeBegin="00:00:00:00" clipTimeBegin="00:00:00:00" titleTimeEnd="00:01:30:00" src="file:///dvddisc/DVD_HDVR/HDVR_VOB/HR_V0002.MAP">
<Video track="1" mediaAttr="2"/>
<Audio track="1" streamNumber="1" mediaAttr="2"/>
</PrimaryAudioVideoClip>
<ChapterList>
<Chapter id="Chapter0002" titleTimeBegin="00:00:00:00"/>
<Chapter id="Chapter0003" titleTimeBegin="00:00:40:00" displayName="Chapter name 3 (PRM_TXTI in M_C_EPI)"/>
</ChapterList>
</Title>
<Title id="Title003" titleNumber="3" type="UserDefined" titleDuration="00:01:15:00" displayName="Play List Title 1 (PRM_TXTI in PL_SRP#1)">
<PrimaryAudioVideoClip id="Clip3" dataSource="Disc" titleTimeBegin="00:00:00:00" clipTimeBegin="00:00:20:00" titleTimeEnd="00:00:30:00" src="file:///dvddisc/DVD_HDVR/HDVR_VOB/HR_V0001.MAP">
<Video track="1" mediaAttr="1"/>
<Audio track="1" streamNumber="1" mediaAttr="1"/>
</PrimaryAudioVideoClip>
<PrimaryAudioVideoClip id="Clip4" dataSource="Disc" titleTimeBegin="00:00:30:00" clipTimeBegin="00:00:15:00" titleTimeEnd="00:01:15:00" src="file:///dvddisc/DVD_HDVR/HDVR_VOB/HR_V0002.MAP">
<Video track="1" mediaAttr="2"/>
<Audio track="1" streamNumber="1" mediaAttr="2"/>
</PrimaryAudioVideoClip>
<ChapterList>
<Chapter id="Chapter0004" titleTimeBegin="00:00:00:00" displayName="Chapter name 4 (PRM_TXTI in M_C_EPI)"/>
<Chapter id="Chapter0005" titleTimeBegin="00:00:50:00"/>
</ChapterList>
</Title>
</TitleSet>
</Playlist>
以上により、DVD−PLAYERへの移行が比較的簡単に実現できる。
【0277】
<まとめ>
1.デジタルストリームを記録可能なデジタルレコーダ(DVDストリーマなど)において、STCのWrap-aroundが発生したとき、その位置をCNT_SEGとしてESOBIに設定し、各PMTにESOB先頭からのCNT_SEG数情報を付加する。
【0278】
2.デジタルストリームを記録可能なデジタルレコーダ(DVDストリーマなど)において、ビデオストリームを特定するために、各代表ピクチャ情報に、再生時にビデオで使用するESIの番号を付加する。
【0279】
3.デジタルストリームを記録可能なデジタルレコーダ(DVDストリーマなど)において、再生するストリームを特定するために、各リジューム情報に、再生時にビデオで使用するESIの番号と、オーディオストリームで使用するESIの番号と、オーディオがデュアルモノの場合にその主副情報を付加する。
【0280】
4.デジタルストリームを記録可能なデジタルレコーダ(DVDストリーマなど)において、再生するストリームを特定するために、各EP情報に、再生時にビデオで使用するESIの番号と、オーディオストリームで使用するESIの番号と、オーディオがデュアルモノの場合にその種副情報を付加する。
【0281】
5.論理的に繋がっているESOB間の連続性を示すシームレス情報として、連続記録フラグの他に、STC連続フラグ、および/またはPATS連続フラグとそのオフセット値を付加する。
【0282】
<実施の形態の効果>
・再生情報のみでSTCがWrap-aroundしているかが、再生実行前にわかる。
【0283】
・複数ESOB間の連続性が分かり、連続している場合には複数ESOB間をシームレスに接続可能なケースが増える。つまり、連続していることが判っている複数ESOB間の繋ぎ部分で再生処理待ち(静止画が挟まる)ような事態の発生頻度を、この発明が実施されない場合よりも、下げることができる。
【0284】
<実施の形態と発明との対応例>
<情報記録媒体(その1)…図12のTOTAL_STMAP_SZ>
所定のデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体(図1の100)において、
前記情報記録媒体は管理領域(図1の111、130;図3のDVD_HDVR;図12のHDVR_MG)とデータ領域(図1の131〜133)を持ち、前記データ領域(図1の131〜133)は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(ESOB等)に分かれて記録できるように構成され、
前記管理領域(図3のDVD_HDVR)は、前記デジタルストリーム信号の送出元(放送局)毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式(日本のARIB、米国のATSC、欧州のDVB等)毎に管理情報(図3のHR_SFIxx.IFO)を持つとともに、前記デジタルストリーム信号の送出元(放送局)毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎にタイムマップ情報(図3のHR_STMAPx.IFO)を持ち、
前記デジタルストリーム信号の送出元(放送局)毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎の管理情報(図12のHDVR_MG)内に、前記タイムマップ情報の大きさを示す情報(図12のTOTAL_STMAP_SZ;記録時図65のST15411)を含むように構成した情報記録媒体。
【0285】
<情報記録媒体(その2)…図15のTYPE_B/ESOB_TY/b12… PSI, SIの情報の無効値>(PSI=Program Specific Information)(SI=Service Information)
MPEGエンコードされて放送局から送出されたデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体(図1の100)において、
前記情報記録媒体は管理領域(図1の111、130;図3のDVD_HDVR;図12のHDVR_MG)とデータ領域(図1の131〜133)を持ち、前記データ領域(図1の131〜133)は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(ESOB等)に分かれて記録できるように構成され、
前記管理領域(図3のDVD_HDVR)は、前記放送局毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式(日本のARIB、米国のATSC、欧州のDVB等)毎に管理情報(図3のHR_SFIxx.IFO)を持つとともに、前記放送局または前記放送方式(ARIB等)を特定しないタイプ(TYPE_B)の管理情報を持ち、前記放送局または前記放送方式を特定しないタイプ(TYPE_B)の管理情報(図15のESOB_TY)内に放送コンテンツに関する情報(PSI, SI)の無効を示す情報(ESOB_TY:b12=“1” or PSI, SIの情報の無効値;記録時図63のST1513;再生時図69のST211C)を含むように構成した情報記録媒体。
【0286】
<情報記録媒体(その3)…図8のHDVR_MG/図10のEX_M_VOB_STI/図11のV_ATR>
MPEGトランスポートストリーム(TS)データおよびMPEGプログラムストリーム(PS)データを所定のデジタルストリーム信号として記録するように構成された情報記録媒体(図1の100)において、
前記情報記録媒体は管理領域(図1の111、130;図3のDVD_HDVR;図8のHDVR_MG;図10のEX_M_VOB_STI)とデータ領域(図1の131〜133)を持ち、
前記データ領域(図1の131〜133)は前記MPEGトランスポートストリーム(TS)データおよびMPEGプログラムストリーム(PS)データが複数のオブジェクト(ESOB、EVOB)に分かれて別ファイルとして(図3のSR Object File;VR Object File)記録できるように構成され、
前記管理領域(図3のDVD_HDVR;図8と図12のHDVR_MG)は、前記デジタルストリーム信号の全体を管理する管理情報(HR_MANGER.IFO)と前記MPEGトランスポートストリーム(TS)データ用の管理情報(図12のESTR_FIT)と、前記MPEGプログラムストリーム(PS)データ用の管理情報(図8のEX_M_AVFIT)を記録できるように構成され、
前記管理情報(図3のDVD_HDVR;図11のV_ATR)内に、該当する前記デジタルストリーム信号がプログレッシブであるか否かを示す情報(ソース画像プログレッシブモード)とハイビジョンであるか否かを示す情報(ソース画像解像度)の少なくとも一方が記述されるように構成した情報記録媒体。
【0287】
<情報記録媒体(その3)において、図17の解像度情報が、垂直解像度のみの場合>
前記MPEGトランスポートストリーム(TS)データ用の管理情報(図12のESTR_FIT;図13のESOBI;図16のESOB_ESI;図17のESOB_V_ESI/V_ATR)が、水平解像度は特定せず(unspecified)垂直解像度でソース解像度を指定する情報を含む。
【0288】
<情報記録媒体(その4)>
ユーザが録画できる第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR;HDVR_VOB/HDVR_SOB)およびコンテンツプロバイダが提供できる第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO;ADV_OBJ)を管理するファイル構造(図79)を持ち、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)および前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む所定のデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体において、
前記情報記録媒体は管理領域とデータ領域を持ち、前記データ領域は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(HDVR_VOB, HDVR_SOB, ADV_OBJ)に分かれて記録できるように構成され、
前記管理領域は、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)を含む前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎に管理情報(図79のESOB関連ファイル=図3のHR_SFIxx.IFO等)を持つとともに、前記第1の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VR)を含む前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎にタイムマップ情報(図79のVSOB関連ファイル=HR_Vmmmm.MAP等)を持ち、
前記管理領域は、さらに、前記第2の高精細ビデオ情報(HD_DVD-VIDEO)を含む前記デジタルストリーム信号の再生を管理する管理情報(VIDEO_PLAYLIST、VTSI)を含むように構成した情報記録媒体。
【0289】
<情報記録媒体(その5)>
所定のデジタルストリーム信号を記録するように構成された情報記録媒体において、
前記情報記録媒体は管理領域とデータ領域を持ち、前記データ領域は前記デジタルストリーム信号のデータが複数のオブジェクト(HDVR_VOB, HDVR_SOB)に分かれて記録できるように構成され、
前記管理領域は、前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎に管理情報を持つとともに、前記デジタルストリーム信号の送出元毎または前記デジタルストリーム信号の放送方式毎にタイムマップ情報(図77、図82のHR_Vmmmm.IFO=HR_Vmmmm.MAP, HR_Snn_mmmm.SMP)を持ち、
前記タイムマップ情報(HR_Vmmmm.MAP, HR_Snn_mmmm.SMP)が前記オブジェクト(HDVR_VOB, HDVR_SOB)を特定するためのインデックス情報(図83のEVOB_INDEX、図84のESOB_INDEX)を含むように構成した情報記録媒体。
【0290】
<上記情報記録媒体を用いる記録方法>
前記データ領域に前記デジタルストリーム信号を記録する情報記録方法(図57〜図58)。
【0291】
<上記情報記録媒体を用いる再生方法>
前記データ領域から前記デジタルストリーム信号を再生する情報再生方法(図69)。
【0292】
<上記情報記録媒体を用いる記録装置>
前記データ領域に前記デジタルストリーム信号を記録する構成を備えた情報記録装置(図53のエンコーダ側)。
【0293】
<上記情報記録媒体を用いる再生装置>
前記データ領域から前記デジタルストリーム信号を再生する構成を備えた情報再生装置(図53のデコーダ側)。
【0294】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、現在または将来の実施段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0295】
100…情報記録媒体(DVD−RAMディスク等);121…AVデータ記録領域;122…VRオブジェクト群記録領域;130…AVデータ管理情報記録領域(HDVR_VMG);131…ストリームオブジェクト群記録領域;132…エストリームオブジェクト(ESOB);134…ストリームオブジェクトユニット(ESOBU);140…パケットグループ;160…DVDトランスポートストリームパケット記録領域;161…パケットグループヘッダ;163…MPEGトランスポートストリーム(MPEG−TS)パケット;162…パケット到着時間(PATS);10…再生情報管理層;11…プログラムチェーン(PGC);12…プログラム(PG);13…セル;20…ストリームオブジェクト管理情報層;21…ストリームオブジェクト情報(ESOBI);22…ストリームオブジェクトユニット情報(ESOBUI;グローバル情報);23…ビデオオブジェクト管理情報層;24…ビデオオブジェクト情報(EVOBI);25…ビデオオブジェクトユニット情報(EVOBUI);30…ストリームオブジェクト(ESOB)層;51…ディスクドライブ部(波長が例えば650nm〜405nmのレーザを用いた光ディスクドライブ等);59…デコーダ部;74…デジタルインターフェイス(IEEE1394I/F等);79…エンコーダ部;80…メインMPU部(制御部);83…セットトップボックス部(衛星デジタルチューナ);89…地上波デジタルチューナ;100a…情報記録媒体(ハードディスクドライブ等)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデジタルストリーム信号を、情報処理部を備えた装置でもって記録するように構成された情報記録媒体において、
前記情報記録媒体は管理領域とデータ領域を持ち、前記データ領域は前記デジタルストリーム信号のデータが少なくとも1つのオブジェクトに分かれて少なくとも1つのパケットにより記録できるように構成され、
前記管理領域は、前記データ領域に記録される前記オブジェクトを管理する管理情報を記録できるように構成され、この管理情報は、前記デジタルストリーム信号が解析できない場合に前記パケットの到着時間ベースのタイプBタイムマップを持つタイムマップ情報を含み、
前記タイムマップ情報は、前記オブジェクトが前記タイプBタイムマップに属するオブジェクトなのかどうかを特定するインデックス情報を含み、
前記情報処理部が、前記管理領域から前記管理情報を読み込むことによりこの管理情報を用いて前記デジタルストリーム信号の再生を処理するように構成した情報記録媒体。
【請求項2】
請求項1の情報記録媒体を用いる記録方法において、前記データ領域に前記タイプBデジタルストリーム信号を記録し、前記管理領域に前記管理情報を記録する情報記録方法。
【請求項3】
請求項1の情報記録媒体を用いる再生方法において、前記管理領域から前記管理情報を再生し、前記データ領域から前記タイプBデジタルストリーム信号を再生する情報再生方法。
【請求項4】
請求項1の情報記録媒体を用いる記録装置であって、前記データ領域に前記タイプBデジタルストリーム信号を記録する構成と、前記管理領域に前記管理情報を記録する構成を備えた情報記録装置。
【請求項5】
請求項1の情報記録媒体を用いる再生装置であって、前記管理領域から前記管理情報を再生する構成と、前記データ領域から前記タイプBデジタルストリーム信号を再生する構成を備えた情報再生装置。
【請求項1】
所定のデジタルストリーム信号を、情報処理部を備えた装置でもって記録するように構成された情報記録媒体において、
前記情報記録媒体は管理領域とデータ領域を持ち、前記データ領域は前記デジタルストリーム信号のデータが少なくとも1つのオブジェクトに分かれて少なくとも1つのパケットにより記録できるように構成され、
前記管理領域は、前記データ領域に記録される前記オブジェクトを管理する管理情報を記録できるように構成され、この管理情報は、前記デジタルストリーム信号が解析できない場合に前記パケットの到着時間ベースのタイプBタイムマップを持つタイムマップ情報を含み、
前記タイムマップ情報は、前記オブジェクトが前記タイプBタイムマップに属するオブジェクトなのかどうかを特定するインデックス情報を含み、
前記情報処理部が、前記管理領域から前記管理情報を読み込むことによりこの管理情報を用いて前記デジタルストリーム信号の再生を処理するように構成した情報記録媒体。
【請求項2】
請求項1の情報記録媒体を用いる記録方法において、前記データ領域に前記タイプBデジタルストリーム信号を記録し、前記管理領域に前記管理情報を記録する情報記録方法。
【請求項3】
請求項1の情報記録媒体を用いる再生方法において、前記管理領域から前記管理情報を再生し、前記データ領域から前記タイプBデジタルストリーム信号を再生する情報再生方法。
【請求項4】
請求項1の情報記録媒体を用いる記録装置であって、前記データ領域に前記タイプBデジタルストリーム信号を記録する構成と、前記管理領域に前記管理情報を記録する構成を備えた情報記録装置。
【請求項5】
請求項1の情報記録媒体を用いる再生装置であって、前記管理領域から前記管理情報を再生する構成と、前記データ領域から前記タイプBデジタルストリーム信号を再生する構成を備えた情報再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
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【図44】
【図45】
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【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
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【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
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【図84】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【図91】
【図92】
【図93】
【図94】
【図95】
【図96】
【図97】
【図98】
【図99】
【図100】
【図2】
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【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図26】
【図27】
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【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
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【図62】
【図63】
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【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
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【図75】
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【図77】
【図78】
【図79】
【図80】
【図81】
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【図84】
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【図86】
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【図88】
【図89】
【図90】
【図91】
【図92】
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【図94】
【図95】
【図96】
【図97】
【図98】
【図99】
【図100】
【公開番号】特開2012−123902(P2012−123902A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−11195(P2012−11195)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【分割の表示】特願2009−236364(P2009−236364)の分割
【原出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【分割の表示】特願2009−236364(P2009−236364)の分割
【原出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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