説明

情報読み出しシステム

【課題】 無線タグの個数を少なくすることが可能な情報読み出しシステムを提供すること。
【解決手段】 情報読み出し装置2において、アンテナ24は、無線タグ11a又は11bから、それぞれが設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を受信する。また、復号部27は、アンテナ24で受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出す。距離導出部26は、アンテナ24で受信された応答信号に基づいて、各無線タグ11a及び11bと、情報読み出し装置2との間の距離を導出する。座標値導出部28は、復号部27で取り出された位置情報と、距離導出部26で導出された距離とに基づいて、情報読み出し装置2の位置を導出する。データ取得部29は、座標値導出部28により導出された位置に基づいて、復号部27により取り出されたいずれかのデータを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報読み出しシステムに関し、より特定的には、印刷媒体に組み込まれたICチップから情報を読み出す情報読み出しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報読み出しシステムとしては、印刷媒体の一例としてのテレビ番組表を印刷した紙に、電子番組表データを記録したICチップを取り付け、ICチップに格納されたデータを用いてテレビ番組の予約を行う装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、図7は、従来の情報読み出しシステムの全体構成を示す模式図である。また、図8は、図7に示すICチップ31が取り付けられるテレビ番組表34を示す模式図である。
【0004】
まず、図8に示すテレビ番組表には、周知のように、放送局毎に時間枠が設けられており、対象となる時間枠の中には、対象となる放送局がその時間帯に放送する番組の情報(例えば、番組タイトル)が印刷されている。このようなテレビ番組表には、さらに、各時間枠の中に、少なくとも1個のICチップ34が配置されている。各ICチップ34には、自身が設置されている時間枠に記述されている番組について電子的な情報が格納される。
【0005】
また、図7において、ICチップリーダ32は、番組予約の対象となる番組の時間枠に、ユーザにより近づけられる。その後、ICチップリーダ32は、現在近く時間枠内に設置されているICチップ31から番組の電子情報を読み出し、ビデオレコーダ33に出力する。ビデオレコーダ33は、入力された電子情報を使って番組予約を行う。
【特許文献1】特開2000−285203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の情報読み出しシステムでは、時間枠1個にICチップ31が1個配置される必要があるため、多数のICチップ31を印刷媒体に取り付ける必要があるという問題点がある。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、ICチップの個数を少なくすることが可能な情報読み出しシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面は、無線タグと、それに格納されたデータを取得する情報読み出し装置とを備える情報読み出しシステムであって、前記無線タグは、前記情報読み出し装置の出力信号を受信すると、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を送信する。前記情報読み出し装置は、前記無線タグからの応答信号から位置情報及びデータを取り出す復号部と、前記無線タグからの応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する距離導出部と、前記復号部で取り出された位置情報と、前記距離導出部で導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出する座標値導出部と、前記座標値導出部により導出された位置に基づいて、前記復号部により取り出されたいずれかのデータを選択するデータ取得部とを備える。
【0009】
また好ましくは、前記応答信号に含まれるデータは、前記情報読み出し装置の現在位置と対応付けられており、前記データ取得部は、前記復号部により取り出されたデータの中から、前記座標値生成部により導出された前記情報読み出し装置の位置に対応付けられているデータを取得する。
【0010】
また好ましくは、前記情報読み出し装置はさらに、前記データ取得部により取得されたデータを外部に出力するデータ出力部を備える。
【0011】
また好ましくは、前記復号部により取り出されたデータが画像データである場合において、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したデータを画像として出力する。
【0012】
また好ましくは、前記復号部により取り出されたデータが音声データである場合において、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したデータを音声として出力する。
【0013】
また好ましくは、前記無線タグは、番組表が印刷された印刷媒体に設置されており、番組表の時間枠毎に番組のデータを格納しており、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したデータを、対象となる番組の予約録画のために、又は対象となる番組の内容を表示するために出力する。
【0014】
また好ましくは、前記復号部により取り出されたデータが地図を表す場合において、前記データ出力部は、座標値導出部により導出された前記情報読み出し装置の位置を、経度座標及び緯度座標に変換して、外部のナビゲーション装置に出力する。
【0015】
また好ましくは、前記復号部により取り出されたデータが地図を表す場合において、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したデータを地図画像として出力する。
【0016】
また好ましくは、復号部により取り出されたデータがコンテンツの場合において、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したコンテンツを出力する。
【0017】
また好ましくは、複数の無線タグが、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を送信する場合において、前記座標値導出部は、前記復号部で取り出された位置情報の中から、所定個数を選択し、選択した位置情報と、前記距離導出部で導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を繰り返し導出する。
【0018】
また具体的には、前記無線タグは、人間が目視可能な印刷情報が予め定められた領域に記録された印刷媒体に設置されており、さらに、印刷情報が印刷された領域を特定可能な領域座標値と、印刷情報を電子的に表現したデータとの組み合わせを印刷情報毎に保持している。ここで、前記情報読み出し装置はさらに、前記印刷媒体上の印刷情報を指示可能な操作部と、前記操作部によりいずれかの印刷情報が指示されると、前記無線タグからデータを読み出すためのコマンドを生成するコマンド生成部と、前記コマンド生成部で生成されたコマンドから変調信号を生成する符号化部と、前記符号化部で生成された変調信号を放射するアンテナとを備える。また、前記アンテナはさらに、前記無線タグから送出された応答信号を受信し、前記復号部は、前記アンテナで受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出し、前記距離導出部は、前記アンテナで受信された応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出し、前記座標値導出部は、前記復号部で取り出された位置情報と、前記距離導出部で導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出し、さらに、前記データ取得部は、前記座標値導出部により導出された位置に基づいて、前記復号部により取り出されたデータの中から、前記操作部で指示された印刷情報に対応するデータを選択する。
【0019】
また、本発明の第2の局面は、無線タグに格納されたデータを取得する情報読み出し装置であって、前記無線タグから、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を受信するアンテナと、前記アンテナで受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出す復号部と、前記アンテナで受信された応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する距離導出部と、前記復号部で取り出された位置情報と、前記距離導出部で導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出する座標値導出部と、前記座標値導出部により導出された位置に基づいて、前記復号部により取り出されたいずれかのデータを選択するデータ取得部とを備える。
【0020】
また、本発明の第3の局面は、無線タグに格納されたデータを取得する情報読み出し装置で実行される情報取得方法であって、前記無線タグから、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出す復号ステップと、前記受信ステップで受信された応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する距離導出ステップと、前記復号ステップで取り出された位置情報と、前記距離導出ステップで導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出する座標値導出ステップと、前記座標値導出ステップにより導出された位置に基づいて、前記復号ステップにより取り出されたいずれかのデータを選択するデータ取得ステップとを備える。
【0021】
本発明の第4の発明は、無線タグに格納されたデータを取得する情報読み出し装置で実行されるコンピュータプログラムであって、前記無線タグは、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を送信する。ここで、前記コンピュータプログラムは、前記受信ステップで受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出す復号ステップと、前記受信ステップで受信された応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する距離導出ステップと、前記復号ステップで取り出された位置情報と、前記距離導出ステップで導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出する座標値導出ステップと、座標値導出ステップにより導出された位置に基づいて、前記復号ステップにより取り出されたいずれかのデータを選択するデータ取得ステップとを備える。
【0022】
本発明の第5の局面は、印刷媒体であって、予め定められた領域に記録されており、人間が目視可能な印刷情報と、前記印刷情報が印刷された領域を特定可能な領域座標値と、印刷情報を電子的に表現したデータとの組み合わせを印刷情報毎に記述されたテーブルを保持する無線タグとを備える。ここで、前記無線タグは、外部からの信号に応答して、自身が保持する前記テーブルを少なくとも外部に送出する。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本情報読み出しシステムによれば、無線タグから送られてきたデータから、自身の位置に対応するデータを取得する。これによって、印刷情報毎に無線タグが配置される従来のシステムよりも無線タグの個数を少なくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報読み出しシステムの全体構成を示す模式図である。また、図2は、図1に示す情報読み出し装置2の外観を示す模式図である。
【0025】
まず、図1において、情報読み出しシステムは大略的に、印刷媒体1と、情報読み出し装置2とを備えている。
【0026】
印刷媒体1において、予め定められたエリアには、人間が視認可能な情報が印刷されている。以下、このような人間が視認可能な情報全体を、本実施形態では主印刷情報MVIと称する。このような主印刷情報MVIの典型例としては、テレビ番組表がある。テレビ番組表は、放送局毎に時間枠が設けられており、各時間枠の中には、対象となる放送局がその時間帯に放送する番組の情報(例えば、番組タイトル)が印刷されている。以下、このような時間枠内に記載される目視可能な情報又はこのような時間枠自体に割り当てられる目視可能な情報(例えば時間枠が表す時間帯又は放送チャネル)を包括的に、副印刷情報SVIと称する。
【0027】
また、印刷媒体1上のテレビ番組表(主印刷情報MVI)の周囲には、ICチップの一例としての無線タグ11a及び11bが配置される。本実施形態では、無線タグ11aは、テレビ番組表の上辺の左端近傍に配置されており、無線タグ11bは、同じく上辺の右端近傍に配置されている。ここで、本実施形態では、無線タグ11aの設置位置を第1基準点P1(X1,Y1)と仮定する。また、無線タグ11bの設置位置は、第2基準点P2(X2,Y1)と仮定する。ここで、X2とX1との差(つまり、X2−X1)は、テレビ番組表の上辺に概ね等しい。また、これら基準点P1及びP2を設定することにより、テレビ番組表内の各時間枠が占有する範囲を、基準点P1又はP2に対する相対座標値で表すことが可能となる。ここで、大抵の場合、時間枠は長方形であり、互いに対向する辺の長さは既知であるから、各時間枠の2頂点の座標位置が分かれば、各時間枠が占有する範囲を特定することが可能となる。
【0028】
例えば、図1には、時間枠の一例として、時間枠F1が示されている。ここで、第1基準点P1から第2基準点P2へと向かう方向を、X方向と仮定する。また、X方向に垂直な方向をY方向と仮定する。また、時間枠F1においてX方向に平行な2辺の長さはLxであり、Y方向に平行な2辺の長さはLyと仮定する。このような仮定下で、時間枠F1において、Y方向に沿って並ぶ2点P3及びP4は、(Xa,Ya)及び(Xa,Yb)という座標値を有する。時間枠F1の少なくとも1辺の長さは既知でLxであるから、時間枠F1が占有する領域は一意に特定可能であり、点P3、点P4、点P5(xa+Lx,Yb)及び点P6(xa+Lx,Ya)で囲まれる領域である。
【0029】
また、無線タグ11a及び/又は11bは、図3に示すように、2組の領域座標値及びデータの組を含むレコードRが、時間枠毎に記述された時間枠テーブルTFTを保持する。第1の領域座標値(Xα,Yα)は例示的に、対象となる時間枠における基準点(例えば、上述の点P3(図1参照))の座標値である。また、第2の領域座標値(Xβ,Yβ)は例示的に、対象となる時間枠において、基準点とY方向に沿って並ぶ隣接点(例えば、上述の点P4(図1参照))の座標値である。
【0030】
また、レコードRにおいて、データは、前述の副印刷情報SVIを電子的に表現した電子情報である。
【0031】
なお、本実施形態では、以上の時間枠テーブルTFTは、無線タグ11a及び11bの両方により保持されるとして説明するが、これに限らず、時間枠テーブルTFTは、無線タグ11a及び11bの一方にのみ保持されても構わない。また、無線タグ11aが、印刷媒体2上の一部の時間枠について作成された時間枠テーブルを保持し、無線タグ11bが、残りの時間枠について作成された時間枠テーブルを保持するようにしても構わない。
【0032】
以上のような無線タグ11aは、情報読み出し装置2から送られてくる変調信号の受信に応答して、予め設定されたタイミングで、自身の配置位置を示す第1基準点P1の座標値(X1,Y1)と、自身が保持する時間枠テーブルTFTとを含むデータセットとを、図示しない搬送波で変調し、これによって応答信号を生成する。このようにして生成された応答信号を、無線タグ11aは外部に放射する。また、無線タグ11bも、変調信号の受信に応答して、無線タグ11aと同様に動作する。
【0033】
再度図1及び図2を参照する。まず、図1において、情報読み出し装置2は、操作部21と、コマンド生成部22と、符号化部23と、アンテナ24と、電波強度測定部25と、距離導出部26と、復号部27と、座標値導出部28と、データ取得部29と、データ出力部210とを備えている。
【0034】
操作部21は、ユーザにより操作される。本実施形態では、例示的に、操作部21は、図2に示すように、情報読み出し装置2の本体211の先端に設置される。また、このような操作部21は、図2に示すように、ユーザの加圧により付勢され、それによって情報読み出し装置2の本体211内部に引っ込むペン先のような部材である。ユーザは、本体211を持った状態で、このような操作部21で印刷媒体1において自身が希望する時間枠を指定する。その後、ユーザは、本体211に概ね下方向の力を加え、これによって操作部21は、現在時間枠が指定されていることを意味する第1のコマンドを生成し、コマンド生成部22に渡す。
【0035】
コマンド生成部22は、本体211の内部に収容されており、操作部21からの第1のコマンドに応答して、無線タグ11a及び11bからデータを読み出すための第2のコマンドを生成し、符号化部23に渡す。
【0036】
符号化部23は、本体211の内部に収容されており、コマンド生成部22から受け取った第2のコマンドで図示しない搬送波発生器から得られる搬送波を変調して、変調信号を生成しアンテナ24に渡す。
【0037】
アンテナ24は、本実施形態では例示的に、図2に示すように本体211の上端部分に設置されており、符号化部23から受け取った変調信号を外部に放射する。また、アンテナ24は、変調信号を放射した後、無線タグ11a及び11bにより送出された応答信号を受信して電波強度測定部25に渡す。
【0038】
ここで、本情報読み出し装置2は、後述から明らかなように、算出されたアンテナ24の位置をもって、操作部21が現在指定している時間枠を特定するため、アンテナ24を鉛直上方向から印刷媒体1に投影した時に、投影されたアンテナ24の位置は、操作部21の位置と実質的に同じでなければならない。それ故、時間枠が指示されている間、操作部21及びアンテナ24は鉛直方向に沿う一直線上にあることが好ましい。それ故、本実施形態では、例示的に、本体211は直管状の形状を有しており、その先端部分に操作部21が、その上端部分にアンテナ24が取り付けられる。また、時間枠を指示する際、操作部21とアンテナ24が鉛直方向に沿って並ぶように、本体211には支持部212が取り付けられる。支持部212は、本実施形態では釣り鐘のような形状を有する。具体的には、支持部212は、フラットな底面を有しており、中空部分に操作部21を収容する。さらに、支持部212は、自身の底面に対して本体211が上下運動可能に本体211を指示する。
【0039】
電波強度測定部25は、今回受け取った応答信号の電波強度Iを測定して、距離導出部26に渡す。
【0040】
距離導出部26は、内部に予め保持する強度−距離テーブルIDTを参照して、情報読み出し装置2から、今回反射電波を送ってきた無線タグ11a又は11bまでの距離Da又はDbを取得し、それぞれを座標値導出部28に渡す。ここで、図4は、距離導出部26が用いる強度−距離テーブルIDTの一構成例を示す模式図である。図4において、強度−距離テーブルIDTには、受信電界強度I毎に、情報読み出し装置2から無線タグ11までの距離が記述されている。このような受信電界強度毎の距離Dは、実測により予め知ることができる。このような強度−距離テーブルIDTから、距離導出部26は、今回受け取った受信電界強度Iに割り当てられている距離Dを選択する。具体的には、無線タグ11aからの応答信号の受信時、距離導出部26は、強度−距離テーブルIDTから選択した距離Dを、情報読み出し装置2から無線タグ11aまでの距離Daとして導出する。また、無線タグ11bからの応答信号の受信時、距離導出部26は、同様にして、情報読み出し装置2から無線タグ11bまでの距離Dbを導出する。
【0041】
復号部27は、無線タグ11aが送出した応答信号を復調し、これによって、上述のデータセット、つまり、座標値(X1,Y1)と、時間枠テーブルTFTとを取得する。このようにして取得した座標値(X1,Y1)を、復号部27は、座標値導出部27に渡す。また、同時に取得した時間枠テーブルTFTを、復号部27は、データ取得部29に渡す。以上の処理については無線タグ11bからの応答信号に対しても同様に行われる。
【0042】
座標値導出部28は、上述から明らかなように、距離Da及びDbと、座標値(X1,Y1)及び(X2,Y1)とを取得している。これらの値から、座標位置導出部28は、情報読み出し装置2の印刷媒体1上における位置Prの座標値(Xr,Yr)を導出する。具体的には、情報読み出し装置2において、操作部21は、印刷媒体1において時間枠が記載されているいずれかの位置を指示している。従って、情報読み出し装置2は、無線タグ11aを中心としかつ半径Daの円上のいずれかの点に位置する。同様に、情報読み出し装置2は、無線タグ11bを中心としかつ半径Dbの円上のいずれかの点に位置する。従って、情報読み出し装置2の現在位置Pr(Xr,Yr)は、下式(1)及び(2)からなる連立方程式を解くことで得られる。
【0043】
(Xr−X1)2 +(Yr−Y1)2 =Da2 …(1)
(Xr−X2)2 +(Yr−Y1)2 =Db2 …(2)
なお、以上の連立方程式を解くと、(Xr,Yr)は2組導出されるが、図1から明らかなように、時間枠はX及びYが正の範囲にしか存在しないので、Xr及びYrはそれぞれ正であるから、1組の(Xr,Yr)に限定される。
【0044】
以上のようにして得られた現在位置Prを、座標値導出部28はデータ取得部29に渡す。
【0045】
データ取得部29は、上述から明らかなように、復号部27から時間枠テーブルTFTを受け取っている。この時間枠テーブルTFTには、対象となる時間枠が占有する領域を一意に特定可能な2組の領域座標値(Xα,Yα)及び(Xβ,Yβ)を含んでいる。データ取得部29は、このような2組の領域座標値を使って、各時間枠が占有する領域を導出する。その後、データ取得部29は、座標値導出部28から受け取った座標値(Xr,Yr)を含む時間枠を特定した後、その時間枠に割り当てられているデータを、時間枠テーブルTFTから取得して、データ出力部210に渡す。
【0046】
データ出力部210は、受け取ったデータを外部に出力する。例えば、受信データが時間枠に記載された副印刷情報SVIを表す場合、データ出力部210は、予約録画のために、データをビデオレコーダ(図示せず)に出力する。
【0047】
次に、以上のような構成の情報読み出しシステムについて、主として、情報読み出し装置2の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5において、情報読み出し装置2は、前述の変調信号を送出する(ステップS1)。具体的には、ユーザは、情報読み出し装置2の操作部21で、印刷媒体1に印刷されたいずれかの時間枠を指示し押し当てる。このような操作に応答して、操作部21は、コマンド生成部22に対して指示を与える。この指示に応答して、コマンド生成部22は、無線タグ11a及び11bからデータを読み出すためのコマンドを生成する。符号化部23は、コマンド生成部22で生成されたコマンドから変調信号を生成する。アンテナ24は、符号化部23で生成された変調信号を外部に放射する。
【0048】
このようにして放射された変調信号は、印刷媒体1に配置されている各無線タグ11a及び11bにより受信される。ここで、各無線タグ11a及び11bが同じタイミングで応答信号を送出しないように、各無線タグ11a及び11bには、互いに重複しない送信タイミングが割り当てられている。例えば、無線タグ11aが変調信号の受信後t1時間経過後に応答信号を送出し、無線タグ11bが変調信号の受信後t2時間経過後に応答信号を送出する。ここでt2とt1の差分(時間差)は、それぞれからの応答信号が空間上で干渉しない値に設定される。以上の例示の下では、無線タグ11aがまず、座標値(X1,Y1)と時間枠テーブルTFTとを含むデータセットから生成された応答信号を生成し放射する。
【0049】
情報読み出し装置2は、応答信号を受信すると(ステップS2)、今回受け取った応答信号の電波強度Iを測定した後、今回応答信号を送ってきた無線タグ11までの距離Dを導出する(ステップS3)。具体的には、アンテナ24は、無線タグ11a又は11bにより送出された応答信号を受信する。電波強度測定部25は、受け取った応答信号の電波強度Iを測定する。距離導出部26は、強度−距離テーブルIDTにおいて、電波強度測定部25により測定された電波強度Iに対応する距離Dを、無線タグ11a又は11bまでの距離Da又はDbとして取得する。
【0050】
また、情報読み出し装置2は、今回受け取った応答信号を復調して、座標値(X1,Y1)と、時間枠テーブルTFTとを取得する(ステップS4)。具体的には、復号部27は、アンテナ24を介して受け取った無線タグ11からの応答信号を復調し、これによって、上述のデータセット、つまり、無線タグ11a又は11bが設置されている位置(第1基準点P1又は第2基準点P2)の座標値と、時間枠テーブルTFTとを取得する。このようにして取得した座標値を、復号部27は、座標値導出部27に渡す。また、同時に取得した時間枠テーブルTFTを、復号部27は、データ取得部29に渡す。
【0051】
次に、情報読み出し装置2は、全ての無線タグ11から応答信号を受信したか否かを判断する(ステップS5)。
【0052】
ステップS5でNOと判断した場合、情報読み出し装置2は、他の無線タグ11から応答信号が送られてくることを待機した後、ステップS2以降を行う。
【0053】
逆に、ステップS5でYESと判断した場合、情報読み出し装置2は、印刷媒体1上における自身の位置を表す座標値(Xr,Yr)を導出する(ステップS6)。具体的には、座標値導出部28は、上述から明らかなように、距離Da及びDbと、座標値(X1,Y1)及び(X2,Y1)とを取得している。これらの値から、座標位置導出部28は、情報読み出し装置2の印刷媒体1上における位置Prの座標値(Xr,Yr)を導出する。具体的には、座標値導出部28は、前式(1)及び(2)からなる連立方程式を解くことで、現在位置Pr(Xr,Yr)を得る。
【0054】
次に、情報読み出し装置2は、ステップS6で得られた座標値(Xr,Yr)に対応するデータを、今回取得した時間枠テーブルTFTから取得する(ステップS7)。具体的には、データ取得部29は、各時間枠が占有する領域を一意に特定可能な2組の領域座標値(Xα,Yα)及び(Xβ,Yβ)を含む時間枠テーブルTFTを復号部27から受け取っている。データ取得部29は、このような2組の領域座標値と、各時間枠の1辺の長さLx及び/又はLyとを使って、各時間枠が占有する領域を導出する。その後、データ取得部29は、座標値導出部28で導出された座標値(Xr,Yr)を含む時間枠を特定する。次に、データ取得部29は、特定した時間枠に割り当てられているデータを、時間枠テーブルTFTから取得する。
【0055】
次に、情報読み出し装置2は、ステップS7で得られたデータを外部に出力する(ステップS8)。
【0056】
以上説明したように、本情報読み出しシステムによれば、時間枠毎に無線タグ11を割り当てることなく、今回ユーザにより指示された時間枠のデータを取得することができる。これによって、従来よりも無線タグ11の個数を少なくすることが可能な情報読み出しシステムを提供することが可能となる。
【0057】
なお、以上の実施形態では、無線タグ11の個数を2として説明したが、これに限らず、無線タグ11の個数は1又は3以上でも構わない。例えば、図6Aに示すように、時間枠が一列に配列された印刷情報の一端近傍に無線タグ11を配置する例も、本実施形態には含まれる。このような場合、無線タグ11と情報読み出し装置2との間の距離Dにより、各時間枠が占有する領域を近似的に特定することができる。また、図6Bに例示するように、無線タグ11を3個以上にすれば、これら無線タグ11の印刷媒体1上における設置位置は制限が無くなる。
【0058】
また、無線タグ11が送出する電波の強度に誤差がある場合であっても、3個以上の無線タグ11が主印刷情報SVIの四隅に配置されれば、図5のステップS6で、電波強度の確度の高い無線タグ11を2個選択した後に、情報読み出し装置2の座標値(Xr,Yr)を導出することで、情報読み出し装置2は高精度に自身の位置を検出することが可能となる。
【0059】
また、上述のように、各無線タグ11は、印刷媒体1上における自身の位置を示す基準点の座標値を情報読み出し装置2に送出している。しかしながら、印刷媒体1は材料によっては折れたり曲がったりするものもある。このような場合、対象となる無線タグ11は不正確な位置に現在存在することになる。しかしながら、4個以上の無線タグ11が印刷媒体1に配置されることにより、不正な位置にある無線タグ11を特定することができる。例えば、4個のうち、1個の無線タグが元々の位置に無い場合は、図3のステップS6において、4個の無線タグ11から、互いに重複しない2個の組み合わせを選択し、これら選択された無線タグ11からの情報を使って、情報読み出し装置2は、自身の現在位置Prを求める。このような演算を6回繰り返した後、求められた6組の現在位置Prを検査すると、位置が不正な無線タグ11を含む組み合わせから求めた現在位置はばらつくので、情報読み出し装置2は、そのような無線タグ11を使わず、他の無線タグ11を使って求めた現在位置PrをステップS6以降で用いる。また、この場合、情報読み出し装置2は、不正な位置にある無線タグ11の存在をユーザに通知するようにしても良い。
【0060】
また、以上の説明では、無線タグ11は、主として紙面上に記載される番組表の周囲に設置されるとして説明したが、これに限らず、例えば、プラスチック又は金属のように、無線タグ11及び情報読み出し装置2の間の無線通信を阻害しない材料であれば、無線タグ11はどのような材料に設置されても構わない。
【0061】
また、本実施形態では、各無線タグ11は、番組表に代表される主印刷情報MVIの周囲に配置されるとして説明した。しかし、これに限らず、各無線タグ11は、主印刷情報MVIからある程度離れた位置に設置されても構わない。つまり、印刷媒体1は、少なくとも1個の主印刷情報MVI又は副印刷情報SVIを人間が視認可能に記録しており、その周囲に存在する少なくとも1個の無線タグ11は、いずれかの印刷情報MVI又はSVIと、それらの印刷領域を特定する座標情報とを格納していれば良い。情報読み出し装置2は、このような無線タグ11と無線通信を行い、さらに図5に示すような手順で、操作部21により指示された主印刷情報MVI又は副印刷情報SVIを表す電子情報を取得すれば良い。
【0062】
また、情報読み出し装置2と各無線タグ11の間の距離を導出するために、上述の実施形態では、電波強度測定部25が受信応答信号の電波強度を測定した。しかしこれに限らず、受信応答信号の磁界強度又は電力束密度を測定し、その測定結果から、無線タグ11から情報読み出し装置2までの距離が導出されても良い。他にも、情報読み出し装置2が変調信号を送出してから無線タグ11が応答信号を返してくるまでの時間に基づいて、それらの間の距離が導出されても構わない。
【0063】
また、本実施形態では、アンテナ24は、本体211の上端に備わっていたが、これに限らず、無線タグ11からの応答信号を受信可能な位置であれば、情報読み出し装置2のいずれの場所に設置されても良い。
【0064】
また、本実施形態では、データ取得部29により取得されたデータは、データ出力部210を介して、ビデオレコーダに出力すると説明した。しかし、これに限らず、データ出力部210は、受け取ったデータの内容を、ユーザに表示しても構わない。また、受け取ったデータが音声又は映像であるのであれば、データ出力部210は、データを再生して、音声又は映像として出力しても構わない。
【0065】
また、本実施形態では、説明の便宜上、主印刷情報MVIの一例として番組表について説明した。しかしこれに限らず、主印刷情報MVIは地図であっても構わない。この場合、副印刷情報SVIは、上記地図が区画された部分地図であっても構わない。この場合、各無線タグ11は、各部分地図毎に、それに関するデータを格納する。このような印刷媒体1を使って、ナビゲーション装置が行う目的地の設定を行うようにしても構わない。また、部分地図において操作部21が指示している点を座標値導出部28で導出し、データ取得部29が、情報読み出し装置2の位置を、復号部27から得た部分地図を使って、経度座標及び緯度座標に変換するようにしても構わない。データ出力部210は、このような経度座標及び緯度座標を、外部のナビゲーション装置が実行する経路探索の目的地及び/又は出発地として設定するために出力する。
【0066】
また、主印刷情報MVIは、楽曲又は映像のようなコンテンツリストであっても構わない。副印刷情報SVIは、各楽曲又は各映像に関連する情報、例えば、楽曲又は映像のタイトル、又は楽曲又は映像のインプレッション記事となる。この場合、無線タグ11は、楽曲又は映像を表すデータを格納することになる。このような印刷媒体1を使って、情報読み出し装置2は、無線タグ11からデータを読み出し、楽曲又は映像を出力するようにしても構わない。このように、本印刷媒体1は、様々な用途に応用することが可能となる。
【0067】
また、座標値生成部28は、情報読み出し装置2の現在位置Prを短時間間隔で繰り返し求めるようにしても構わない。これによって、座標値生成部28は、情報読み出し装置2の動きを追跡できるようになる。このような動きに応じて、データ取得部29は、取得するデータを変更したり、データ出力部210は、データ取得部29から受け取ったデータの出力を停止したりすることができる。例えば、情報読み出し装置2の動きが「○」(円)であれば、予約録画の確認を意味するデータをデータ出力部210は出力したり、その動きが「×」(ばつ)であれば、予約録画の取り消しを意味するデータをデータ出力部210は出力したりする。
【0068】
また、図1において、点線で囲まれた領域に含まれる構成については、特に、ハードウェアだけでなく、CPU、RAM及びROMが協働することで実現することもできる。つまり、これら構成は、ソフトウェアプログラムでも実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る情報読み出しシステムは、必要な無線タグの個数を少なくできるという技術的効果を奏する、ビデオレコーダ、ナビゲーション装置若しくは音楽又は映像の再生機等に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報読み出しシステムの全体構成を示す模式図
【図2】図1に示す情報読み出し装置2の外観を示す模式図
【図3】図1に示す無線タグ11a及び11bに格納される時間枠テーブルTFTの構成例を示す模式図
【図4】図1に示す距離導出部26が用いる強度−距離テーブルIDIの構成例を示す模式図
【図5】図1に示す情報読み出し装置2の動作を示すフローチャート
【図6A】図1に示す無線タグ11の他の第1の配置例を示す模式図
【図6B】図1に示す無線タグ11の他の第2の配置例を示す模式図
【図7】従来の情報読み出しシステムの全体構成を示す模式図
【図8】図7に示すICチップ31が取り付けられるテレビ番組表34を示す模式図
【符号の説明】
【0071】
1 印刷媒体
11 無線タグ
2 情報読み出し装置
21 操作部
22 コマンド生成部
23 符号化部
24 アンテナ
25 電波強度測定部
26 距離導出部
27 復号部
28 座標値導出部
29 データ取得部
210 データ出力部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグと、それに格納されたデータを取得する情報読み出し装置とを備える情報読み出しシステムであって、
前記無線タグは、前記情報読み出し装置の出力信号を受信すると、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を送信し、
前記情報読み出し装置は、
前記無線タグからの応答信号から位置情報及びデータを取り出す復号部と、
前記無線タグからの応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する距離導出部と、
前記復号部で取り出された位置情報と、前記距離導出部で導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出する座標値導出部と、
前記座標値導出部により導出された位置に基づいて、前記復号部により取り出されたいずれかのデータを選択するデータ取得部とを備える、情報読み出しシステム。
【請求項2】
前記応答信号に含まれるデータは、前記情報読み出し装置の現在位置と対応付けられており、
前記データ取得部は、前記復号部により取り出されたデータの中から、前記座標値生成部により導出された前記情報読み出し装置の位置に対応付けられているデータを取得する、請求項1に記載の情報読み出しシステム。
【請求項3】
前記情報読み出し装置はさらに、前記データ取得部により取得されたデータを外部に出力するデータ出力部を備える、請求項2に記載の情報読み出しシステム。
【請求項4】
前記復号部により取り出されたデータが画像データである場合において、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したデータを画像として出力する、請求項3に記載の情報読み出しシステム。
【請求項5】
前記復号部により取り出されたデータが音声データである場合において、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したデータを音声として出力する、請求項3に記載の情報読み出しシステム。
【請求項6】
前記無線タグは、番組表が印刷された印刷媒体に設置されており、番組表の時間枠毎に番組のデータを格納しており、
前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したデータを、対象となる番組の予約録画のために、又は対象となる番組の内容を表示するために出力する、請求項3に記載の情報読み出しシステム。
【請求項7】
前記復号部により取り出されたデータが地図を表す場合において、前記データ出力部は、座標値導出部により導出された前記情報読み出し装置の位置を、経度座標及び緯度座標に変換して、外部のナビゲーション装置に出力する、請求項3に記載の情報読み出しシステム。
【請求項8】
前記復号部により取り出されたデータが地図を表す場合において、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したデータを地図画像として出力する、請求項3に記載の情報読み出しシステム。
【請求項9】
前記復号部により取り出されたデータがコンテンツの場合において、前記データ出力部は、前記データ取得部から取得したコンテンツを出力する、請求項3に記載の情報読み出しシステム。
【請求項10】
複数の無線タグが、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を送信する場合において、
前記座標値導出部は、前記復号部で取り出された位置情報の中から、所定個数を選択し、選択した位置情報と、前記距離導出部で導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を繰り返し導出する、請求項1に記載の情報読み出しシステム。
【請求項11】
前記距離導出部は、前記無線タグからの応答信号の受信電波強度、磁界強度又は電力束密度に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する、請求項1に記載の情報読み出しシステム。
【請求項12】
前記無線タグは、前記情報読み出し装置から送られてくる変調信号の受信に応答して応答信号を送出する場合において、前記距離導出部は、前記変調信号の送出から前記応答信号の受信までの時間差に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する、請求項1に記載の情報読み出しシステム。
【請求項13】
前記無線タグは、人間が目視可能な印刷情報が予め定められた領域に記録された印刷媒体に設置されており、さらに、印刷情報が印刷された領域を特定可能な領域座標値と、印刷情報を電子的に表現したデータとの組み合わせを印刷情報毎に保持しており、
前記情報読み出し装置はさらに、
前記印刷媒体上の印刷情報を指示可能な操作部と、
前記操作部によりいずれかの印刷情報が指示されると、前記無線タグからデータを読み出すためのコマンドを生成するコマンド生成部と、
前記コマンド生成部で生成されたコマンドから変調信号を生成する符号化部と、
前記符号化部で生成された変調信号を放射するアンテナとを備え、
前記アンテナはさらに、前記無線タグから送出された応答信号を受信し、
前記復号部は、前記アンテナで受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出し、
前記距離導出部は、前記アンテナで受信された応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出し、
前記座標値導出部は、前記復号部で取り出された位置情報と、前記距離導出部で導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出し、
前記データ取得部は、前記座標値導出部により導出された位置に基づいて、前記復号部により取り出されたデータの中から、前記操作部で指示された印刷情報に対応するデータを選択する、請求項1に記載の情報読み出しシステム。
【請求項14】
無線タグに格納されたデータを取得する情報読み出し装置であって、
前記無線タグから、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を受信するアンテナと、
前記アンテナで受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出す復号部と、
前記アンテナで受信された応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する距離導出部と、
前記復号部で取り出された位置情報と、前記距離導出部で導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出する座標値導出部と、
前記座標値導出部により導出された位置に基づいて、前記復号部により取り出されたいずれかのデータを選択するデータ取得部とを備える、情報読み出し装置。
【請求項15】
無線タグに格納されたデータを取得する情報読み出し装置で実行される情報取得方法であって、
前記無線タグから、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出す復号ステップと、
前記受信ステップで受信された応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する距離導出ステップと、
前記復号ステップで取り出された位置情報と、前記距離導出ステップで導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出する座標値導出ステップと、
前記座標値導出ステップにより導出された位置に基づいて、前記復号ステップにより取り出されたいずれかのデータを選択するデータ取得ステップとを備える、情報取得方法。
【請求項16】
無線タグに格納されたデータを取得する情報読み出し装置で実行されるコンピュータプログラムであって、
前記無線タグは、自身が設置されている位置を示す位置情報と、自身が格納するデータとを含む応答信号を送信し、
前記コンピュータプログラムは、
前記受信ステップで受信された応答信号から位置情報及びデータを取り出す復号ステップと、
前記受信ステップで受信された応答信号に基づいて、前記無線タグと前記情報読み出し装置との間の距離を導出する距離導出ステップと、
前記復号ステップで取り出された位置情報と、前記距離導出ステップで導出された距離とに基づいて、前記情報読み出し装置の位置を導出する座標値導出ステップと、
前記座標値導出ステップにより導出された位置に基づいて、前記復号ステップにより取り出されたいずれかのデータを選択するデータ取得ステップとを備える、コンピュータプログラム。
【請求項17】
印刷媒体であって、
予め定められた領域に記録されており、人間が目視可能な印刷情報と、
前記印刷情報が印刷された領域を特定可能な領域座標値と、印刷情報を電子的に表現したデータとの組み合わせを印刷情報毎に記述されたテーブルを保持する無線タグとを備え、
前記無線タグは、外部からの信号に応答して、自身が保持する前記テーブルを少なくとも外部に送出する、印刷媒体。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−11861(P2006−11861A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188520(P2004−188520)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】