説明

情報読取印刷装置、情報読取印刷装置の制御方法及び制御プログラム

【課題】媒体搬送ローラーの軸剛性あるいは媒体搬送ローラーを付勢するための付勢力の設定値の許容範囲を大きくでき、媒体搬送位置ずれを防止する。
【解決手段】ドットインパクトプリンターは、媒体Sの搬送路上に媒体から情報を読み取る情報読取部111,112及び媒体に情報を印刷する印刷部18が設けられており、媒体を挟持して搬送する複数のローラー対(22A,22B,23A,23B,124A,124B)を備え、媒体を搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送可能であるとともに、媒体の搬送方向を反転して媒体を所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、複数のローラー対のうち、搬送開始前に媒体を挟持しているローラー対に対応づけて搬送部における搬送量を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体を搬送して媒体に担持されている情報を読み取るとともに、情報の印刷を行う情報読取印刷装置、この情報読取印刷装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホストコンピューターに接続されたスキャナー機能付きのプリンター装置等の複合型の情報読取印刷装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このような情報読取印刷装置の一態様として、チェック(小切手)リーダーライターのように、媒体搬送ローラーを正転させて記録媒体(記録用紙)を順方向に搬送して磁気情報等を読み取り、ついで媒体搬送ローラーを逆転させて記録媒体を逆方向に搬送しつつ、先に読み取った磁気情報等に基づく情報を記録媒体に印刷をするものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−228208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、情報読取印刷装置においては、一つの媒体搬送路に複数の媒体搬送ローラーを備えているものがあり、各媒体搬送ローラーを正転から逆転に切り替える場合に、歯車のバックラッシュの要因とは別に、実際に記録媒体(記録用紙)を挟持している媒体搬送ローラーの数が異なることに起因して、挟持状態(ニップ状態)が異なることとなり、媒体搬送ローラーを駆動するモーターに対してコントローラーが同一の制御を同一の時間行ったとしても、実際に記録媒体の搬送が開始されるタイミングが異なることとなり、実効的な搬送量が異なってしまうという問題があった。
このような場合に実効的な搬送量を同一にするためには、例えば、各媒体搬送ローラーの軸剛性あるいは用紙を抑えるローラーのばね荷重を最適なものとすることが考えられるが、媒体搬送ローラーの材料による剛性の差や、搬送する記録媒体の種類が多岐にわたる場合には、媒体搬送ローラーの付勢力(例えば、ばね荷重)を想定される記録媒体の種類に応じた値とすることが必要となり、その値を変更するのは容易ではないという問題点があった。また、媒体搬送ローラーの数を増やすことは、装置サイズやコストの増加を招いてしまう。
そこで、本発明の目的は、媒体搬送ローラーの軸剛性あるいは媒体搬送ローラーを付勢するための付勢力の設定値の許容範囲を大きくでき、媒体搬送位置ずれを防止することが可能な情報読取印刷装置、情報読取印刷装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、媒体の搬送路上に前記媒体から情報を読み取る情報読取部及び前記媒体に情報を印刷する印刷部が設けられた情報読取印刷装置において、前記媒体を挟持して搬送する複数のローラー対を備え、前記媒体を前記搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送可能な搬送部と、前記媒体の搬送方向を反転して前記媒体を少なくとも所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送部における搬送量を補正する搬送制御部と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、搬送制御部は、前記媒体の搬送方向を反転して、少なくとも前記媒体を所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送部における搬送量を補正する。
したがって、搬送部は、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対の数に対応づけて搬送部における搬送制御量が補正された状態で、前記媒体を前記搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送するので、媒体搬送ローラーの軸剛性あるいは媒体搬送ローラーを付勢するための付勢力の設定値の許容範囲を大きくでき、搬送量を確実に制御した状態で搬送が行え、読取精度あるいは印字精度が向上する。
【0006】
この場合において、本発明は、前記搬送制御部は、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対の数が少ないほど前記補正量を大きくするようにしてもよい。
上記構成によれば、搬送開始前に媒体を挟持しているローラー対の数が少ないほど補正量を大きくして搬送量を確実に制御することが可能となる。
また、前記媒体は、小切手であり、小切手から情報読取部により読み取った情報に基づいて、印刷部により当該小切手に情報を印刷するようにしてもよい。
上記構成によれば、確実に小切手の情報を読み込んで信頼性の高い情報を印刷することができる。
また、本発明は、前記媒体を検出するセンサーを備え、前記搬送部が前記媒体を順方向に搬送するとき、前記センサーにより、前記媒体の長さを検出し、前記センサーにより検出した前記媒体の位置と、前記媒体の長さに基づき、前記搬送部が前記媒体を逆方向に搬送する前に、前記媒体を狭持する前記ローラー対の数を検知する制御部を有するようにしてもよい。
上記構成によれば、媒体挿入時に媒体の長さを検出し、排出時は、媒体の位置と長さに基づき、挟持しているローラー対の数を検知できる。
また、本発明は、前記媒体の挿入口を備え、前記挿入口から前記記録媒体を引き込む方向を順方向とし、前記挿入口へ前記媒体を排出する方向を逆方向とし、前記搬送部が前記媒体を逆方向に搬送するときに、前記情報読取部が前記媒体から情報を読み取るか、あるいは、前記印刷部が前記媒体に情報を印刷するようにしてもよい。
上記構成によれば、オペレーターが、挿入口から媒体を挿入し、一連の処理が終了したとき、同じ挿入口(排出口)から媒体を排出するので、オペレーターはそのままの位置で媒体を受け取ることができる。
【0007】
媒体の搬送路上に前記媒体から情報を読み取る情報読取部及び前記媒体に情報を印刷する印刷部が設けられた情報読取印刷装置の制御方法において、前記情報読取装置は、前記媒体を挟持して搬送する複数のローラー対を備え、前記媒体を前記搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送する搬送過程と、前記媒体の搬送方向を反転して前記媒体を少なくとも所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送部における搬送量を補正する搬送制御過程と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、搬送過程は、前記媒体を前記搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送し、これと並行して搬送制御過程は、前記媒体の搬送方向を反転して前記媒体を少なくとも所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送部における搬送量を補正する。
上記構成によれば、媒体搬送ローラーの軸剛性あるいは媒体搬送ローラーを付勢するための付勢力の設定値の許容範囲を大きくでき、搬送量を確実に制御した状態で搬送が行え、読取精度あるいは印字精度が向上する。
【0008】
媒体の搬送路上に前記媒体から情報を読み取る情報読取部及び前記媒体に情報を印刷する印刷部が設けられた情報読取印刷装置を制御する制御部により実行される制御プログラムにおいて、前記情報読取装置は、前記媒体を挟持して搬送する複数のローラー対を有し、前記媒体を前記搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送する搬送装置を備え、前記制御部を前記媒体の搬送方向を反転して前記媒体を少なくとも所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送装置における搬送量を補正する搬送制御手段として機能させる、ことを特徴とする。
上記構成によれば、前記媒体の搬送方向を反転して前記媒体を少なくとも所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送装置における搬送量を補正するので、搬送量を確実に制御した状態で搬送が行え、読取精度あるいは印字精度が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、媒体搬送ローラーの軸剛性あるいは媒体搬送ローラーを付勢するための付勢力の設定値の許容範囲を大きくでき、媒体搬送位置ずれを防止して、高精度で媒体搬送が行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態におけるドットインパクトプリンターの外観斜視図である。
【図2】プリンター本体を示す斜視図である。
【図3】プリンター本体の側断面図である。
【図4】ドットインパクトプリンターの機能的構成を示すブロック図である。
【図5】読取対象となる媒体の一例を示す図である。
【図6】搬送制御の原理説明図である。
【図7】搬送制御処理の処理フローチャートである。
【図8】ドットインパクトプリンターの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るドットインパクトプリンターの外観を示す正面斜視図である。図2は、プリンター本体11を示す外観斜視図である。図3は、図1のドットインパクトプリンター10を示す側断面図である。
図1に示すドットインパクトプリンター10は、記録ヘッド18(図3参照)が備える複数の記録ワイヤーを、リボンカートリッジ(図示略)から繰り出したインクリボン(図示略)を介して記録媒体Sに押し付け、この記録媒体Sの記録面上にドットを形成することにより、文字を含む画像を記録する。ドットインパクトプリンター10は、光学読取部110(図3参照)を備え、光学読取装置としても機能し、記録媒体Sの表面に表示された文字や記号、画像等を光学的に読み取ることができる。
【0012】
ドットインパクトプリンター10で使用可能な記録媒体S(媒体)としては、所定長さに切断されたカット媒体と、複数枚が連接された連続紙とが挙げられる。カット媒体としては、例えば単票紙や単票複写紙などの他、通帳や葉書、封筒などがあり、連続紙には連続複写紙やミシン目などで連接されたファンフォールド紙を含む。本実施形態では、記録媒体Sとして、金融機関等が発行する小切手または手形(以下、総称して小切手という)や、金融機関等が発行する通帳が使用される。小切手は、磁気インクによって、その表面の一部の領域MAに使用者の口座番号や当該小切手のシリアル番号等のMICR(Magnetic Ink Character Recognition)情報が印刷された単票紙である。通帳は、複数枚の記録用紙が綴じられた冊子形態となっており、この冊子を開いた内側の面が記録面となっている。通帳の裏表紙に相当する面の後部には、口座番号などの情報を含む磁気ストライプが設けられている。
なお、以下の説明では、矩形の記録媒体Sの4辺のうち、ドットインパクトプリンター10へ向かって差し込まれる側の辺を先端とし、この先端に平行な他端側の辺を後端SBとする。
【0013】
ドットインパクトプリンター10は、図1に示すように、外装体としての上部カバー12、上部ケース13及び下部ケース14を備え、上部ケース13及び下部ケース14の前面には、記録媒体Sを挿入及び排出する手差口15が開口している。一方、上部ケース13及び下部ケース14の背面には記録媒体Sを排出する排出口20が開口している。ドットインパクトプリンター10により処理された記録媒体Sを手差口15から排出するか、或いは排出口20から排出するかは、後述するホストコンピューター200からドットインパクトプリンター10に対して送信されるコマンドにより設定できる。手差口15が開口した側、すなわち図3中の左側をフロント(前)側とし、排出口20が開口した側、すなわち図3中の右側をリア(後)側とする。
【0014】
ドットインパクトプリンター10は、図2に示すように、上記の外装体に覆われるプリンター本体11を有している。プリンター本体11は、下本体部11Aと、この下本体部11Aの後端部に軸11Cで支持される上本体部(図示略)とを備えている。上本体部は、上本体部の左側面に設置されている開閉レバー(図示略)の操作によって回転可能であり、上本体部を回転させるとプリンター本体11の内部が露出する。
【0015】
図2及び図3に示すように、プリンター本体11は、ベースフレーム16と、このベースフレーム16の両端に固定される一対の右サイドフレーム17A及び左サイドフレーム17Bとを備える。両サイドフレーム17A、17Bの外側には、上本体部の両サイドフレーム(図示略)があり、その間にキャリッジガイド軸31が架け渡されるとともに、両サイドフレーム17A、17B間に平坦面形状の前方媒体案内24及び後方媒体案内25が固定して設けられる。これらの前方媒体案内24と後方媒体案内25との間に、平面形状のプラテン21が配置され、このプラテン21の上方には、プラテン21に対向するように記録ヘッド18が配置されている。
【0016】
記録ヘッド18は、キャリッジガイド軸31に摺動自在に挿通されるキャリッジ19に搭載されている。キャリッジ19は、当該キャリッジ19を駆動するキャリッジ駆動モーター56(図4)の正転又は逆転により、タイミングベルト(図示略)を介して駆動され、キャリッジガイド軸31に案内されて往復移動される。キャリッジ19は、図1中、符号Xで示す方向、すなわち、キャリッジガイド軸31の軸方向及びプラテン21の長手方向と一致する主走査方向に、上本体部両サイドフレームの間で往復走査される。なお、キャリッジ19の主走査方向Xに直交する方向、すなわち図1中符号Yで示す方向を副走査方向とする。
【0017】
キャリッジ19に搭載される記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に走行される間に、その先端面においてプラテン21に対向するワイヤー突出部(図示略)から記録ワイヤーを突出させてインクリボンに打ち当て、プラテン21と記録ヘッド18との間に搬送される記録媒体Sにインクリボンのインクを付着させて、記録媒体Sに文字を含む画像を記録する。インクリボンは、上記の本体フレーム又はキャリッジ19に装着されるリボンカートリッジ(図示略)内に折り畳まれて収納され、キャリッジ19の走査に伴って繰り出される。また、記録ヘッド18の後方側には、図3に示すように、プラテン21の上方に位置するように媒体幅センサー55が配設される。媒体幅センサー55は、キャリッジ19に搭載されてキャリッジ19とともにプラテン21上を走査され、記録媒体Sの側端の位置や記録媒体Sの幅を求めるために使用される。
【0018】
プラテン21は、図2、図3に示すように、キャリッジ19の走行方向に延在して平面形状に形成され、付勢ばね180により記録ヘッド18に向けて付勢され、かつ弾性支持されている。付勢ばね180は圧縮コイルばねであり、この付勢ばね180の付勢力により、記録ヘッド18の記録動作時における記録ワイヤーの突出力が支持される。また、プラテン21は、記録媒体Sの搬送中にこの記録媒体Sの厚さが変化した場合、又はプリンター本体11に厚さの異なる記録媒体Sが搬入された場合に、付勢ばね180の付勢力に抗して、記録ヘッド18の先端により押圧されて記録ヘッド18から離れる方向に移動する。これにより、記録媒体の厚さにかかわらず、記録ヘッド18の先端と記録媒体Sの記録面との間のギャップが一定に確保される。
【0019】
プリンター本体11は、図3に示すように、記録媒体Sを搬送する媒体搬送機構(搬送部)100と、この媒体搬送機構100で搬送される記録媒体Sの先端が突き当てられて当該記録媒体Sを整列させる整列機構28と、小切手に設けられたMICR情報の読み取りや、通帳に設けられた磁気ストライプに対して磁気情報の読み取り又は書き込みを行う磁気ヘッド34を備えた磁気データ読書部29と、この磁気データ読書部29の磁気ヘッド34がMICR(Magnetic Ink Character Recognition)情報の読み取りを含む磁気情報処理の実行時に、記録媒体Sの浮き上がりを抑制すべく、可動するもので記録媒体Sを上から押える媒体押え部30と、を有している。磁気ヘッド34は、磁気ヘッド駆動モーター57(図4)の正転又は逆転により、タイミングベルト(図示略)を介して駆動され、磁気ヘッドガイド軸60に案内されて往復移動される。磁気ヘッド34は、図1中、符号Xで示す方向、すなわち、磁気ヘッドガイド軸60の軸方向の主走査方向に、上本体部両サイドフレームの間で往復走査される。なお、磁気ヘッド34の主走査方向Xに直交する方向、すなわち図1中符号Yで示す方向は副走査方向であり、記録媒体Sの搬送方向である。磁気ヘッド34は、往復走査しながら、小切手に設けられたMICR情報や、通帳に設けられた磁気ストライプの読み取りや書込みを行う。
【0020】
媒体搬送機構100は、図2、図3に示すように、プラテン21、第1駆動ローラー22A、第1従動ローラー22B、第2駆動ローラー23A、第2従動ローラー23B、第3駆動ローラー124A、第3従動ローラー124B、前方媒体案内24、後方媒体案内25、媒体搬送モーター26及び駆動輪列部27を備えて構成されている。媒体搬送機構100は、前方媒体案内24及び後方媒体案内25上に、各ローラーを介して記録媒体Sを搬送する搬送路Pを構成し、前方媒体案内24及び後方媒体案内25の上面が搬送路Pの搬送面PAとなっている。
本構成では、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bは、上下方向に配置されて第1のローラー対を構成しており、プラテン21及び記録ヘッド18に対してプリンター本体11のフロント側の搬送路に配置されている。
また、第2駆動ローラー23A及び第2従動ローラー23Bは、上下方向に配置されて第2のローラー対を構成しており、記録ヘッド18と後述の情報読取印刷装置110(光学読取部)との間の搬送路に配置されている。
さらに、第3駆動ローラー124A及び第3従動ローラー124Bは、上下方向に配置されて第3のローラー対を構成しており、後述の情報読取印刷装置110(光学読取部)に対してプリンター本体11のリア側の搬送路に配置されている。
【0021】
第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A及び第3駆動ローラー124Aは、媒体搬送モーター26及び駆動輪列部27によって回転駆動される駆動ローラーであり、第1従動ローラー22B、第2従動ローラー23B及び第3従動ローラー124Bは、ばね42A、42B、42Cによりばね付勢されて、それぞれ第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A及び第3駆動ローラー124A側に所定の押圧力(ニップ力)で当接されている従動ローラーである。これによって、第1駆動ローラー22Aと第1従動ローラー22Bとが互いに反対方向に回転駆動され、第2駆動ローラー23Aと第2従動ローラー23Bとが互いに反対方向に回転駆動され、第3駆動ローラー124Aと第3従動ローラー124Bとが互いに反対方向に回転駆動される。
【0022】
媒体搬送モーター26は、例えば、ステッピングモーターとして構成されており、CPU40の制御下でモータードライバー46から出力される搬送制御パルス信号に基づいて、回転量、回転方向が制御されている。
駆動輪列部27は、図2に示すように、右サイドフレーム17Aの外側に配置される。この駆動輪列部27は、正転又は逆転可能な媒体搬送モーター26の駆動軸に回転一体に固定されたモーターピニオン51を備える。このモーターピニオン51からの駆動力が、減速ギア52を介して第2駆動ローラー23Aの第2ローラー軸33に取り付けられた第2駆動ギア53Bへ伝達され、さらに、この第2駆動ギア53Bから中間ギア54を介して第1駆動ローラー22Aの第1ローラー軸32に取り付けられた第1駆動ギア53Aに伝達される。また、第2駆動ローラー23Aの第2ローラー軸33の回転力が、例えば、駆動ベルト(図示略)によって第3駆動ローラー124Aの第3ローラー軸134に伝達される。これにより、図3に示す第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、及び、第3駆動ローラー124Aが同一方向に回転して、記録媒体Sをプリンター本体11内に搬送可能とする。つまり、図3に示す第1駆動ローラー22A、第2駆動ローラー23A、及び、第3駆動ローラー124Aは、媒体搬送モーター26が正転している場合、副走査方向Yに沿って、図中符号Aで示すようにプリンター本体11内に記録媒体Sを搬送し、媒体搬送モーター26が逆転している場合、図中符号Bで示すように、プリンター本体11内から排出する方向に記録媒体Sを搬送する。
【0023】
整列機構28は、記録ヘッド18による記録媒体Sへの記録や、情報読取印刷装置110による記録媒体Sの表面の読み取りを行う前に、この記録媒体Sを整列するものである。整列機構28は、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bと記録ヘッド18及びプラテン21との間に、主走査方向に並べて設けられ、搬送路P内に突出する複数の整列板38と、整列板38を駆動する整列モーター58(図4)とを備え、これら整列板38に記録媒体Sの先端部を突き当てることで記録媒体Sの向き整列させたり、搬送のタイミングを整えたりすることができる。
【0024】
プリンター本体11は、図2に示すように、搬送路Pにおける整列板38の上流側近傍に、これら整列板38に突き当てられた記録媒体Sの有無を検知する複数の整列センサー39を備える。整列センサー39は、それぞれ搬送路Pを挟んで対向する発光部(LED等)と受光部(フォトトランジスター等)とを備える光透過型のセンサーであり、主走査方向に並べて配設されている。複数の整列センサー39のうち記録媒体Sの先端を検出したセンサーの数及び配置により、整列機構28による整列後の記録媒体Sの搬送方向に対する傾きが、許容範囲内あるか否かを判定できる。
また、ドットインパクトプリンター10は、媒体搬送モーター26の駆動制御、キャリッジ19の走行制御、記録ヘッド18の記録ワイヤーによる記録動作の制御、情報読取印刷装置110の読取動作の制御等、ドットインパクトプリンター10の全体を制御する制御部として、例えばプリンター本体11の後側の下方に、制御基板部(図示略)を備えている。
【0025】
プリンター本体11において、第1駆動ローラー22Aのフロント側には、搬送路Pへの記録媒体Sの挿入を検知する複数の媒体端センサー47が並設されている。これら媒体端センサー47は、搬送路Pに向けて光を発する発光部と、その反射光を検出する受光部とを備えた光反射型センサーであり、手差口15から挿入された記録媒体Sを検出する。なお、媒体端センサー47は搬送路Pを挟んで対向するように発光部と受光部とを配した光透過型センサーであっても良い。本構成では、すべての媒体端センサー47の受光部が、受光した状態から、いずれか1つの媒体端センサー47で受光が遮られた場合には、記録媒体Sが搬送路P内に挿入されたと判断される。
【0026】
また、プリンター本体11は、図3に示すように、記録媒体Sの表面に表示された文字、記号または画像等を読み取る情報読取印刷装置110を備える。この情報読取印刷装置110は、記録媒体Sの上面側に印刷等で表示されている情報を読み取る第1スキャナー(第1読取部)111と、この第1スキャナー111に対向配置され、当該記録媒体Sの下面側に印刷等で表示されている情報を読み取る第2スキャナー(第2読取部)112とを備える。通常、記録媒体Sは、MICR情報が印刷されている面が下面になるよう、手差口15から挿入される。
第1スキャナー111及び第2スキャナー112は、第2駆動ローラー23Aと第3駆動ローラー124Aとの間に配置され、搬送路Pを搬送中の記録媒体Sの情報を連続的に読み取る光学イメージセンサーである。
【0027】
第1スキャナー111及び第2スキャナー112は、例えば、CIS(Contact Image Sensor)型の画像読取センサーであり、記録媒体Sに密着する平坦なカバーガラス140,150と、これらカバーガラス140,150を保持する本体ケース141,151とをそれぞれ備える。これら本体ケース141,151の内側には、LED等の光源から出力される光を記録媒体Sの読取エリアに対して照射する照射部(図示略)と、主走査方向(X方向)に一列に配列された複数の受光センサー(図示略)と、この受光センサーからの信号を上記制御基板部に出力する出力部(図示略)とがそれぞれ収容されている。本実施形態では、第1スキャナー111及び第2スキャナー112はCISを備えたものに限らず、CCD(Charge Coupled Device)を備えたものであってもよい。また、第2スキャナー112は、図2に示すように、プラテン21と略平行にドットインパクトプリンター10の幅方向に延在して長手形状に構成される本体ケース151及びカバーガラス150を備え、この本体ケース151は、カバーガラス150の上面(ガラス面)が後方媒体案内25に形成された開口を通じて搬送路Pに露出するように配置されている。第1スキャナー111は、図3に示すように、カバーガラス140の下面(ガラス面)が、上記カバーガラス150の上面に対向するように第2スキャナー112の上方に設けられ、幅方向においても第2スキャナー112と略同一の長さの長手形状に形成されている。
【0028】
第1スキャナー111の上部には付勢部材113が設けられ、第1スキャナー111は、付勢部材113によって後方媒体案内25の記録媒体Sに対して近接するように付勢されている。また、付勢部材113は、第1スキャナー111を幅方向に渡って略均一な力で第2スキャナー112側に押し付けている。ここで、付勢部材113としては、コイルばねや板ばね、或いは、エラストマー製のクッション部材等を使用することができる。カバーガラス140、150のガラス面間には、所定の厚さの記録媒体が入り込み可能な間隔が設けられており、記録媒体Sを読み取る際には、搬送された記録媒体Sによって第1スキャナー111が上方に押し退けられ、付勢部材113が縮むことによりカバーガラス140、150間を記録媒体Sが通過可能となる。すなわち、情報読取印刷装置110では、付勢部材113によって付勢された第1スキャナー111によって記録媒体Sを第2スキャナー112側に押し付けることで、記録媒体Sとカバーガラス140、150のガラス面とを確実に密着させて、読み取り品質を向上させている。
【0029】
第1スキャナー111及び第2スキャナー112の受光センサー(図示略)は、ドットインパクトプリンター10の主走査方向に一列に並べられ、主走査方向に延びるライン状に読み取りを行う。第1スキャナー111及び第2スキャナー112の受光センサーは、主走査方向における記録ヘッド18の印字可能範囲よりも広い範囲に配設されており、ドットインパクトプリンター10が印刷可能な全ての記録媒体よりも広い幅で読み取りを行える。すなわち、情報読取印刷装置110は、ドットインパクトプリンター10で使用する全ての記録媒体Sの全面を読み取ることができる。
第1スキャナー111と第2スキャナー112とは、図3に示すように搬送路Pを挟んで対向して配設されているが、第1スキャナー111が備えるライン状の受光センサーと、第2スキャナー112が備えるライン状の受光センサーとは、記録媒体Sの搬送方向において所定距離(例えば、5mm)オフセットされている。このオフセットを設ける構成により、互いの光源からの光が他方の受光センサーに与える影響を解消でき、より高い読取品質が得られる。
【0030】
第1スキャナー111及び第2スキャナー112は、それぞれ、R、G、Bの光源を備え、モノクロ(2値、16階調、256階調)及びフルカラーの読み取りが可能である。また、第1スキャナー111及び第2スキャナー112の読取解像度は、例えば、200dpi(ドット/インチ)、300dpi、600dpiの3段階に設定可能である。記録媒体Sの搬送方向(副走査方向Y)における読取ライン数は、主走査方向における読取解像度に合わせて設定され、読み取り時の記録媒体Sの搬送速度は読取解像度と、受光センサーの検出値の処理速度等の仕様に合わせて調整される。
【0031】
図4は、ドットインパクトプリンター10の制御系の構成を示すブロック図である。
この図4に示す各部は、制御基板(図示略)に実装されたハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
ドットインパクトプリンター10は、制御プログラムに基づいてドットインパクトプリンター10の全体を制御する制御部としてのCPU40、CPU40によりEEPROM42から読み出された制御プログラムやデータ等を一時的に記憶するRAM41、CPU40により実行される制御プラグラムや処理されるデータ等を記憶したEEPROM42、ドットインパクトプリンター10を制御するホストコンピューター200との間で情報を送受信する際のデータ形式を変換するインターフェイス(I/F)43、各種センサー類に接続されたゲートアレイ(G/A)45、各種モーターを駆動するモータードライバー46、及び、ヘッドを駆動するヘッドドライバー48を備え、これらの各部はバス49を介して接続されている。
RAM41は、一時記憶部として機能し、情報読取印刷装置110が読み取った読取画像データを一時的に記憶する画像バッファー(図示略)を形成する。
【0032】
ゲートアレイ45には、整列センサー39、媒体端センサー47、媒体幅センサー55、第1スキャナー111、及び、第2スキャナー112が接続されている。ゲートアレイ45は、整列センサー39、媒体端センサー47及び媒体幅センサー55から入力されるアナログ電圧を量子化してデジタルデータとし、CPU40に出力する。第1スキャナー111及び第2スキャナー112は、記録媒体Sの表面をCISにより光学的に読み取り、CISの検出電圧をCISの画素毎にゲートアレイ45に供給し、ゲートアレイ45は、第1スキャナー111及び第2スキャナー112から供給されたアナログ電圧を量子化してデジタルデータとしCPU40に出力する。
モータードライバー46は、媒体搬送モーター26、キャリッジ駆動モーター56、磁気ヘッド駆動モーター57、及び整列モーター58に接続され、これら各モーターに駆動電流や駆動パルスを供給して、これらのモーターを動作させる。なお、モータードライバー46には、整列板38(図3)を動作させる整列モーター58(図4)等が接続されていてもよい。
媒体端センサー47は、記録ヘッド18及び磁気ヘッド34に接続され、記録ヘッド18に対して駆動電流を供給することによって記録ワイヤーを突出させる一方、磁気ヘッド34に対して読取/書込用の駆動電流を出力するとともに、磁気データの読取を行う場合には、磁気ヘッド34の検出電圧(アナログ電圧)を検出し、デジタルデータとして変換してCPU40に出力する。
【0033】
CPU40は、EEPROM42に格納された制御プログラムに基づいて、ゲートアレイ45、モータードライバー46及びヘッドドライバー48を介して、各種センサーの検知状態を取得するとともに各モーターを駆動して記録媒体Sを搬送し、各ヘッドを駆動することにより、記録媒体Sへの記録を実行する。また、CPU40は、媒体搬送機構100により記録媒体Sを搬送し、ゲートアレイ45によって第1スキャナー111及び第2スキャナー112によって記録媒体Sの表面を読み取る。この読み取りの実行中、CPU40は、ゲートアレイ45から入力されるデータを順次RAM41内に設けられたバッファーメモリー(図示略)に一時的に記憶させる。そして、CPU40は、このバッファーメモリー(図示略)に記憶された画像データを読み出して、インターフェイス43を介してホストコンピューター200へ送信する。
【0034】
図5は、ドットインパクトプリンター10により処理される記録媒体Sの一具体例として、小切手を示す図である。図5(A)は表面を示し、図5(B)は裏面を示す。
小切手形状の記録媒体Sは横長の長方形であり、一方の長辺を先端としてドットインパクトプリンター10に挿入され、図中矢印で示すように短辺方向に搬送される。ここで、記録媒体Sの長辺方向の長さ(幅)をLx、短辺方向の長さ(高さ)をLyとする。
図5(A)に示すように、記録媒体Sの表面には、振出日、金額、宛先、振出人の住所氏名、署名等が記入または印字される欄が設けられ、さらに、左下の領域MAにはMICR文字が印刷または印字されている。また、図5(B)に示すように、記録媒体Sの裏面には、小切手の通し番号が印刷されており、発行元金融機関名と口座番号等が記入または印字される欄が設けられている。また、記録媒体Sの裏面には、小切手の通し番号が印刷されている場合もある。
【0035】
この図5に示す記録媒体Sは、図5(A)の表面がドットインパクトプリンター10の内部で下を向き、図5(B)の裏面が上を向くように手差口15から挿入される。図5(A)の表面が上面に相当し、第1スキャナー111によって読み取られ、図5(B)の裏面は下面となって第2スキャナー112により読み取られる。
第1スキャナー111の読取範囲Rは、記録媒体Sのサイズに対応して、図5(A)中に破線で示すように、記録媒体Sの幅Lx及び高さLyより一回り大きく設定されている。読取範囲Rの幅及び高さは、記録媒体Sの幅Lx及び高さLyに読取マージンを加えたサイズとなっており、読取マージンの大きさは、例えば数ミリメートル程度である。このため、第1スキャナー111は、記録媒体Sの表面全体を光学的に読み取ることが可能である。また、磁気ヘッド34は、図5(A)の領域MAのMICR文字を読み取る。
【0036】
同様に、第2スキャナー112の読取範囲Rは、記録媒体Sのサイズに対応して、図5(B)中に破線で示すように記録媒体Sの幅Lx及び高さLyより一回り大きく設定されている。本実施形態では、第2スキャナー112の読取範囲Rの幅及び高さは、第1スキャナー111の読取範囲Rと同寸であり、記録媒体Sの幅Lx及び高さLyに読取マージンを加えたサイズとなっている。このため、第2スキャナー112は、記録媒体Sの裏面全体を光学的に読み取ることが可能である。
ドットインパクトプリンター10は、記録媒体Sを、その短辺方向に沿って順方向または逆方向に搬送しながら情報読取印刷装置110によって読み取る。この場合において、読み取り時の搬送方向は、読取エリアを最も短い搬送距離で読み取りが完了できるように、自動的に決定される。
【0037】
ドットインパクトプリンター10には、ホストコンピューター200からインターフェイス43を介してコマンドが送信され、このコマンドによって読取対象の記録媒体Sのサイズ(Lx、Ly)が指定される。CPU40は、ホストコンピューター200から受信したコマンドに基づいて記録媒体Sのサイズを特定し、読取範囲Rを設定する。ここで、ホストコンピューター200から送信されるコマンドには、記録媒体Sにおける領域MAの位置を示す情報も含まれる。領域MAの位置は、例えば、記録媒体Sの短辺からの距離Dxと、長辺からの距離Dyとによって指定される。このコマンドに基づいて、CPU40は、モータードライバー46及びヘッドドライバー48を制御し、磁気ヘッド駆動モーター57を駆動するとともに磁気ヘッド34による読み取りを実行させる。
【0038】
ホストコンピューター200からドットインパクトプリンター10に送信されるコマンドは、設定コマンド、スキャン(読み取り)開始コマンド、排紙コマンドがある。設定コマンドは、情報読取印刷装置110における読取解像度、読取面(上面、下面)毎の読取の要否、スキャン方向、カラー種別(カラースキャンかモノクロスキャンか)、モノクロスキャンを行う場合の階調、モノクロスキャンを行う場合のLED発光色、読取範囲Rの一部のみを読み取る場合に読取エリア(読取エリアの開始位置および終了位置)、等を指定するコマンドである。ここで、エリアの開始位置および終了位置の座標は、例えば読取範囲Rの先端の左端を原点とした座標で表現される。設定コマンドを受信したCPU40は、この設定コマンドにより指定された値を設定値として取得する。
【0039】
スキャン開始コマンドは、ドットインパクトプリンター10に対して読取動作の開始を指示するコマンドである。このスキャン開始コマンドは、実行する読取動作として、読取範囲Rの全体を読み取る全体読取、或いは、設定コマンドにより指定された読取エリアを読み取る指定エリア読取(一部読取)を指定する情報を含む。スキャン開始コマンドを受信したCPU40は、ゲートアレイ45及びモータードライバー46を制御して、情報読取印刷装置110による読み取りを開始する。
また、排紙コマンドは、読み取りが終了した後で、記録媒体Sを手差口15または排出口20から排出するよう指示するためのコマンドであり、排紙を指示する情報と、排紙方向(手差口15か排出口20か)を指定する情報を含む。排紙コマンドを受信したCPU40は、この排紙コマンドにより指定された側から記録媒体Sを排出する。
【0040】
ここで、記録媒体Sの下端位置と、搬送ローラーとの位置関係に基づく搬送制御について説明する。
図6は、搬送制御の原理説明図である。
図7は、搬送制御処理の処理フローチャートである。
この場合において、直前まで記録媒体Sを図6中、右方向、すなわち順方向に記録媒体Sを搬送していたものとし、この後、読取エリアRAの読み取りを行うために、逆方向(図6中、矢印DR方向[左方向])に記録媒体を搬送するものとする。
例えば、記録媒体Sを手差口15からプリンター本体11内に引き込み、媒体端センサー47により、記録媒体Sの先端や後端SBの位置、記録媒体Sの長さを検出した後、記録媒体Sを戻しながら、記録媒体Sの読取エリアRAを第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)で読み込んだり、磁気ヘッド34で磁気情報の領域MAを読み込んだり、記録ヘッド18で記録媒体Sの所定の位置に記録したりすることができる。それらの処理が終了すると、手差口15から排出し、手差口15から記録媒体Sを挿入したオペレーターに渡すことができる。
なお、記録媒体Sを引き込むとき、第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)や、磁気ヘッド34により、記録媒体Sにおける読取エリアRAや磁気情報の領域MAの位置を検出することができる。また、ホストコンピューター200からのコマンドにより、記録媒体Sにおける読取エリアRAや磁気情報の領域MAの位置を取得することができる。
図6の(a)(b)(c)では、記録媒体Sにおける読取エリアRAの位置が異なっており、記録媒体Sを順方向に搬送する際、読取エリアRAが第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)を通過した後の位置で停止している。この後、記録媒体Sを矢印DR方向に戻しながら、読取エリアRAを第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)で読み取る場合を示している。
【0041】
まず、CPU40は、現在の記録媒体Sの位置および読取エリアRAとの位置関係に基づいて、読取エリアRAを第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)で読み取るため、読取エリアRAが第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)を通過するため、逆方向である矢印DR方向へ記録媒体Sを搬送する際の媒体搬送モーター26の搬送量を算出する(ステップS11)。
続いてCPU40は、EEPROM42を参照して、算出した搬送量に対応する媒体搬送モーター26の搬送制御パルス信号の駆動バルス数Zを読み出す(ステップS12)。
続いて、CPU40は、図6(a)に示すように、記録媒体Sの後端SBが第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bで構成される第1ローラー対よりも媒体端センサー47側に位置しているか否かを判別する(ステップS13)。
【0042】
ステップS13の判別において、記録媒体Sの後端SBが第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bで構成される第1ローラー対よりも媒体端センサー47側に位置している場合には(ステップS13;Yes)、記録媒体Sは、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bで構成される第1ローラー対、第2駆動ローラー23A及び第2従動ローラー23Bで構成される第2ローラー対並びに第3駆動ローラー124A及び第3従動ローラー124Bで構成される第3ローラー対の全てに挟持されている状態であるので、確実に記録媒体Sを搬送するためのニップ力が確保されていると判断できる。なお、記録媒体Sの長さは、媒体端センサー47を記録媒体Sの先端から後端SBまでが通過する際の媒体搬送モーター26の駆動バルス数により算出でき、または、ホストコンピューター200からのコマンドにより取得することができ、予め媒体端センサー47から各ローラー対の位置を記憶していることにより、記録媒体Sの先端の位置や、後端SBの位置、長さなどから、いくつのローラー対で狭持されているか検知することができる。
【0043】
したがって、CPU40は、モータードライバー46を制御して媒体搬送モーター26に対して所定の搬送量に応じた搬送制御パルス信号を出力させて、通常通り駆動するために、補正駆動パルス数C=0として(ステップS17)、処理をステップS16に移行する。ここで、通常通りの駆動とは、媒体搬送モーター26に出力する搬送制御パルス信号の駆動バルス数Zを補正することなく所定の駆動バルス数Zのままとするものである。この結果、駆動バルス数Zは、ステップS12においた駆動パルス数のままとして(ステップS16)、読取エリアRAの読み取りが完了するまで、逆方向に記録媒体Sを搬送することとなる。
【0044】
一方、ステップS13の判別において、記録媒体Sの後端SBが第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bで構成される第1ローラー対よりも媒体端センサー47側に位置していない場合には(ステップS13;No)、図6(b)に示すように、記録媒体Sの後端SBが、1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bで構成される第1ローラー対と、第2駆動ローラー23A及び第2従動ローラー23Bで構成される第2ローラー対と、の間に位置するか否かを判別する(ステップS14)。
【0045】
ステップS14の判別において、記録媒体Sの後端SBが、1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bで構成される第1ローラー対と、第2駆動ローラー23A及び第2従動ローラー23Bで構成される第2ローラー対と、の間に位置する場合には(ステップS14;Yes)、記録媒体Sは、第2駆動ローラー23A及び第2従動ローラー23Bで構成される第2ローラー対並びに第3駆動ローラー124A及び第3従動ローラー124Bで構成される第3ローラー対に挟持されている状態であるので、全てのローラー対に挟持されている状態と比較すると、十分なニップ力が確保されているわけではない。
【0046】
したがって、CPU40がモータードライバー46を制御して媒体搬送モーター26を駆動しようとしてから、実際に媒体搬送モーター26により記録媒体Sが搬送されるまで、多少のタイムラグが生じる。
この結果、通常通りの駆動による搬送処理が完了した時点で、スキャン対象となる読取エリアRAがいまだ第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)を通過し切っていないこととなってしまうので、本実施形態では、CPU40は、モータードライバー46を制御して媒体搬送モーター26に対して所定の搬送量に応じた搬送制御パルス信号を出力させて、駆動するために、補正駆動パルス数C=C1>0として(ステップS18)、処理をステップS16に移行する。
【0047】
この結果、駆動バルス数Z=X+C1となり、補正前の駆動バルス数Zよりも大きくなり、タイムラグを補って、必要な搬送量が確保されて、逆方向に記録媒体Sを搬送することとなる(ステップS16)。これにより、確実にスキャン対象領域が第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)の読取可能エリア内を通過するようにしている。
【0048】
ステップS14の判別において、記録媒体Sの後端SBが、第1駆動ローラー22A及び第1従動ローラー22Bで構成される第1ローラー対と、第2駆動ローラー23A及び第2従動ローラー23Bで構成される第2ローラー対と、の間に位置しない場合には(ステップS14;No)、記録媒体Sは、図6(c)に示すように、第3駆動ローラー124A及び第3従動ローラー124Bで構成される第3ローラー対にのみ挟持されている状態であるので、全てのローラー対に挟持されている状態と比較すると、ニップ力が非常に低下した状態となっている。
【0049】
したがって、搬送処理が完了した時点で、スキャン対象となる読取エリアRAがいまだ第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)に至っていないこととなってしまう可能性があるので、CPU40は、モータードライバー46を制御して媒体搬送モーター26に対して所定の搬送量に応じた搬送制御パルス信号を出力させて駆動するために、補正駆動パルス数C=C2>C1として(ステップS15)、処理をステップS16に移行する。この結果、駆動バルス数Z=X+C2となり、タイムラグを十分に補って、必要な搬送量が確保されて、逆方向に記録媒体Sを搬送することとなる(ステップS16)。これにより、確実にスキャン対象領域の一端が第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)の読取可能エリアを通過することとなる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、媒体搬送ローラーの軸剛性あるいは媒体搬送ローラーを付勢するための付勢力の設定値の許容範囲を大きくでき、搬送量を確実に制御した状態で搬送が行え、読取精度あるいは印字精度が向上する。
また、第1スキャナー111(あるいは第2スキャナー112)で読取エリアRAを読取る場合のみでなく、磁気ヘッド34で磁気情報の領域MAを読み込んだり、記録ヘッド18で記録媒体Sの所定の位置に記録したりする場合も上述と同様にできる。
【0050】
次に実施形態の全体動作について説明する。
図8は、本実施形態に係るドットインパクトプリンター10の動作を示すフローチャートである。
ドットインパクトプリンター10のCPU40は、まず、記録媒体Sが手差口15に挿入され、複数の媒体端センサー47のうちいずれかの媒体端センサー47によって記録媒体Sの先端が検出されると(ステップS31;Yes)、整列板38を記録媒体Sの搬送路P内に突出させるとともに、媒体搬送モーター26を動作させて記録媒体Sを整列させる(ステップS32)。
【0051】
ついで、CPU40は、検出した記録媒体Sが小切手であるか、或いは通帳であるかを判別する(ステップS33)。ここで、CPU40は、ホストコンピューター200から送信される情報を取得し、この情報に基づいて記録媒体Sの種類を判別してもよいし、或いは、媒体端センサー47や媒体幅センサー55を用いて記録媒体Sの先端や側端の位置を検出し、この位置やサイズに基づいて記録媒体Sの種類を判別してもよい。また、媒体端センサー47や媒体幅センサー55を用いて検出した記録媒体Sの先端や側端の位置に基づき、磁気ヘッド34によりMICR情報の読み取りを試行し、この読み取りの試行によりMICR情報が領域MAに有るか否かを判定することで、記録媒体Sの種類を判別してもよい。本実施形態では、CPU40は、ホストコンピューター200から、記録媒体Sの種類(小切手又は通帳)を特定するための情報と、記録媒体Sが小切手である場合には、例えば、小切手のサイズに関する情報と、領域MAの位置に関する情報と、搬送距離に関する情報を取得し、これらの情報に基づいて小切手か通帳かを判別する。
【0052】
ステップS33の判別において、記録媒体Sが小切手でない場合(ステップS33;No)、CPU40は、例えば記録媒体Sが通帳であると判別して、通帳に設けられた磁気ストライプの読み取りを行うため、記録媒体Sを磁気ヘッド34により読取可能な位置まで搬送して、磁気ヘッド34によって磁気ストライプの読取及び/または書き込みを実行する(ステップS34)。さらに、CPU40は、記録媒体Sを記録ヘッド18の位置まで搬送して記録ヘッド18によって記録面への記録を実行し(ステップS35)、この記録媒体Sを手差口15から排出して(ステップS36)、動作を終了する。
【0053】
ステップS33の判別において、記録媒体Sが小切手である場合(ステップS33;Yes)、CPU40は、ホストコンピューター200から、MICR情報の読み取り命令を受信したか否かを判定する(ステップS37)。
そして、ステップS37の判別において、MICR情報の読み取り命令を受信したと判定した場合(ステップS37;Yes)には、CPU40は、整列板38を搬送路Pから退避させるとともに、少なくとも記録媒体Sの先端が媒体幅センサー55の直下に達するまで記録媒体Sを媒体搬送機構100により搬送させた後、キャリッジ駆動モーター56(図5)を駆動してキャリッジ19を主走査方向に走査し、媒体幅センサー55からの出力信号及びキャリッジ19の主走査方向の位置に基づいて記録媒体Sの幅方向の位置を検出する(ステップS38)。さらに、CPU40は、記録媒体Sを媒体搬送機構100により搬送させながら媒体端センサー47の出力信号を監視し、記録媒体Sの後端位置を検出する(ステップS39)。
【0054】
次に、CPU40は、領域MAを磁気ヘッド34によって読み取り可能となる位置まで、記録媒体Sを媒体搬送機構100により搬送し(ステップS40)、モータードライバー46を制御して磁気ヘッド駆動モーター57を動作させ、磁気ヘッド34により、領域MAに表示されたMICR文字の読み取りを実行させる(ステップS41)。磁気ヘッド34によって読み取られた情報(MICR情報)は、ゲートアレイ45によってデジタル化され、CPU40は、このデジタルデータを取得し(ステップS42)、このデータに基づいて文字情報を解析し、テキスト情報に変換する(ステップS43)。ここで、解析不能な文字が、あらかじめ設定された数を超えて存在したか否かを判別し(ステップS14)、設定された数を超える解析不能な文字が存在した場合には(ステップS44;Yes)、エラーを出力して記録媒体Sを排出し(ステップS45)、動作を終了する。ステップS15では、ドットインパクトプリンター10自体が備える表示部等によりエラー発生を報知してもよいし、ホストコンピューター200に対してエラー発生を示す情報を送信してもよく、その両方を行ってもよい。
【0055】
一方、ステップS44の判別において、解析不能文字の数が設定された数を超えない場合(ステップS44;No)、CPU40は、情報読取印刷装置110によるスキャンを実行して読取画像データをホストコンピューター200に送信する(ステップS46)。
そして、CPU40は、ホストコンピューター200から裏書き印刷の実行命令を受信するまで待機し(ステップS47)、裏書き印刷の実行命令を受信した場合には(ステップS17;Yes)、媒体搬送モーター26を逆転させ、記録媒体Sを記録ヘッド18の下まで搬送するとともに、キャリッジ駆動モーター56及び記録ヘッド18を駆動し、記録媒体Sの裏面に処理済みを示す裏書き印刷を行う(ステップS48)。
この場合においても、図6及び図7で示したものと同様の動作を行って、印字位置まで正確に記録媒体Sを搬送することとなる。
そして、裏書き印刷が完了すると、CPU40は、媒体搬送モーター26をさらに回転させ、記録媒体Sを手差口15または排出口20から排出する。
【0056】
以上の説明のように、本発明を適用した実施形態に係るドットインパクトプリンター10においては、同一の媒体搬送路内で記録媒体を順方向あるいは逆方向に搬送して、記録媒体Sから情報を読み取り、読み取った情報に基づいて印刷を行うに際し、体搬送ローラーの軸剛性あるいは媒体搬送ローラーを付勢するための付勢力の設定値の許容範囲を大きくでき、媒体搬送位置ずれを防止して、信頼性の向上が図れる。
【0057】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ドットインパクトプリンター10に搭載された制御基板(図示略)に実装された制御部が、図4の機能ブロックに示す機能を有し、ドットインパクトプリンター10の各部を制御する構成を例に挙げて説明したが、例えば、ドットインパクトプリンター10に外部接続された装置が、図4に示す各機能部として機能し、ドットインパクトプリンター10の動作を制御する構成としてもよい。さらに、図4に示した各機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されるものであって、具体的なハードウェアの実装形態やソフトウェアの仕様等は任意であり、その他の細部構成についても任意に変更可能である。
【0058】
また、以上の実施形態では、記録媒体を搬送する直前に当該記録媒体を挟持していたローラー対の数に応じて、補正パルス数を設定していたが、ローラー対の組み合わせに応じて補正パルス数を設定するように構成することも可能である。具体的には、三つのローラー対のうち、順方向上流側の二つのローラー対に記録媒体が挟持されていた場合と、順方向下流側の二つのローラー対に記録媒体が挟持されていた場合とで補正量を異ならせるようにすることも可能である。
また、以上の実施形態では、全てのローラー対が記録媒体を挟持している場合に、補正量を零としていたが、所定数以上のローラー対が記録媒体を挟持している場合に、補正量を零とするように構成することも可能である。
また、以上の実施形態では、第1スキャナー111及び第2スキャナー112は、RGBの光源を利用してモノクロ及びカラースキャンが可能な構成として説明したが、例えば、赤外光を発する光源を用いて赤外線による読み取りを行う構成としてもよい。磁気インクは、通常のインクに比較して、赤外線の吸収率が高いので、赤外線を用いることにより、磁気インクによって印刷された文字のみを取り込むことができ、領域MAのMICR情報を光学的に効率よく読み取り可能となることが期待できる。
【0059】
また、上記実施の形態では、記録媒体Sを水平に搬送するフラットベッド型の装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、小切手などの帳票形態の記録媒体Sを立てた状態で搬送する搬送路を備えた装置に適用することも勿論可能である。
【0060】
また、上記実施形態では、光情報読取印刷装置を備えたドットインパクトプリンター10を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、インクジェット式のプリンターや、サーマルプリンター、レーザープリンター等に、情報読取印刷装置110に相当する光学読取部を設けた構成としても良い。さらに、独立したプリンターとして使用される機器に限らず、他の機器(ATM(Automated Teller Machine)やCD(Cash Dispenser)等)に組み込まれた装置に、情報読取印刷装置110に相当する光学読取部を設けたものであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…ドットインパクトプリンター(情報読取印刷装置)、15…手差口、18…記録ヘッド、20…排出口、22A…第1駆動ローラー(第1のローラー対)、22B…第1従動ローラー(第1のローラー対)、23A…第2駆動ローラー(第2のローラー対)、23B…第2従動ローラー(第2のローラー対)、29…磁気データ読書部、40…CPU(制御部)、41…RAM、43…インターフェイス、100…媒体搬送機構(搬送部)、110…光学読取装置(光学読取部)、111…第1スキャナー(情報読取部)、112…第2スキャナー(情報読取部)、124A…第3駆動ローラー(第3のローラー対)、124B…第3従動ローラー(第3のローラー対)、200…ホストコンピューター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の搬送路上に前記媒体から情報を読み取る情報読取部及び前記媒体に情報を印刷する印刷部が設けられた情報読取印刷装置において、
前記媒体を挟持して搬送する複数のローラー対を備え、前記媒体を前記搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送可能な搬送部と、
前記媒体の搬送方向を反転して前記媒体を少なくとも所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送部における搬送量を補正する搬送制御部と、
を備えたことを特徴とする情報読取印刷装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報読取印刷装置において、
前記搬送制御部は、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対の数が多いほど前記搬送量の補正量を小さくすることを特徴とする情報読取印刷装置。
【請求項3】
請求項2記載の情報読取印刷装置において、
前記媒体は、小切手であり、前記小切手から前記情報読取部により読み取った情報に基づいて、前記印刷部により当該小切手に情報を印刷することを特徴とする情報読取印刷装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の情報読取印刷装置において、
前記媒体を検出するセンサーを備え、
前記搬送部が前記媒体を順方向に搬送するときに、前記サンサーにより、前記媒体の長さを検出し、
前記センサーにより検出した前記媒体の位置と、前記媒体の長さに基づき、前記搬送部が前記媒体を逆方向に搬送する前に、前記媒体を狭持する前記ローラー対の数を検知する制御部を有することを特徴とする情報読取印刷装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の情報読取印刷装置において、
前記媒体の挿入口を備え、前記挿入口から前記記録媒体を引き込む方向を順方向とし、前記挿入口へ前記媒体を排出する方向を逆方向とし、前記搬送部が前記媒体を逆方向に搬送するときに、前記情報読取部が前記媒体から情報を読み取るか、あるいは、前記印刷部が前記媒体に情報を印刷することを特徴とする情報読取印刷装置。
【請求項6】
媒体の搬送路上に前記媒体から情報を読み取る情報読取部及び前記媒体に情報を印刷する印刷部が設けられた情報読取印刷装置の制御方法において、
前記情報読取装置は、前記媒体を挟持して搬送する複数のローラー対を備え、
前記媒体を前記搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送する搬送過程と、
前記媒体の搬送方向を反転して前記媒体を少なくとも所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送部における搬送量を補正する搬送制御過程と、
を備えたことを特徴とする情報読取印刷装置の制御方法。
【請求項7】
媒体の搬送路上に前記媒体から情報を読み取る情報読取部及び前記媒体に情報を印刷する印刷部が設けられた情報読取印刷装置を制御する制御部により実行される制御プログラムにおいて、
前記情報読取装置は、前記媒体を挟持して搬送する複数のローラー対を有し、前記媒体を前記搬送路に沿って順方向あるいは逆方向に搬送する搬送装置を備え、
前記制御部を前記媒体の搬送方向を反転して前記媒体を少なくとも所定の読取位置あるいは印刷位置まで搬送する場合に、前記複数のローラー対のうち、搬送開始前に前記媒体を挟持している前記ローラー対に対応づけて前記搬送装置における搬送量を補正する搬送制御手段として機能させる、ことを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−25078(P2012−25078A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167183(P2010−167183)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】