説明

情報通知システム、充電装置、携帯情報端末、及び、情報通知方法

【課題】充電装置が置かれている場所からユーザが離れていたとしても、電子機器への充電が完了した時点でユーザへ速やかにそれを知らせ、充電装置から電子機器を取り外すことをユーザに要求できるようにする。
【解決手段】
充電装置2A〜2Cは、電子機器3A〜3Cの充電が完了した時、当該電子機器3A〜3Cの充電が完了したことを近距離無線通信を通じて携帯電話端末1へ通知する。携帯電話端末1は、充電装置から近距離無線通信を通じて充電完了通知を受け取った時、ディスプレイ表示や音声出力、バイブレータ振動などにより、ユーザへ充電完了を知らせると共に充電装置から電子機器の取り外しを要請する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器を充電するための充電装置と当該充電装置との間で無線による情報通信が可能な携帯情報端末とからなる情報通知システム、その充電装置、携帯情報端末、及び、情報通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、例えば携帯型音楽プレーヤーや携帯型電子ゲーム装置、電動自転車、電動スクータなど様々な電子機器が普及している。これら各電子機器は、一般に、内蔵若しくは着脱可能な二次電池からの電力により動作するようになされている。
【0003】
ここで、多くの場合、それら電気機器の二次電池を充電するための充電装置は、充電中には例えば赤色ランプを点灯し、一方、充電が完了すると赤色ランプを消灯して例えば緑色ランプを点灯することなどにより、ユーザに対して充電状態を知らせるようになされている。また他の例として、音声によりユーザへ充電状態を知らせるものも存在している。
【0004】
なお、特開2008−11586号の公開特許公報(特許文献1)には、二次電池の充電状態を表示するための緑色発光ダイオードと赤色発光ダイオードを備えた充電装置が開示されている。すなわち、この特許文献1に記載の充電装置では、緑色発光ダイオードを所定の発光パターンで間欠的に発光させること、例えば、二次電池の充電量が増えるにしたがって時間当たりの発光回数が多くなるように点滅させることにより、充電状態をユーザに知らせるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−11586号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電子機器への充電が完了したにもかかわらず、その電子機器が充電装置へ装填されたままの状態が続いていたとすると、例えば上述した緑色ランプの点灯による電力消費が続くことになり好ましくない。なお、充電完了後にランプを全て消灯させるような充電装置もあるが、その充電装置に電子機器が装填された状態が続けば、僅かではあるがやはり電力が消費されてしまうことになる。
【0007】
したがって、電力消費を極力少なくするためには、電子機器の充電が完了した時点で速やかにその電子機器を充電装置から取り外すことが望まれる。
【0008】
しかしながら、従来の充電装置は、前述したようにランプの点灯や音声出力により充電状態をユーザへ知らせるようになされているため、例えば、充電装置が置かれている部屋とは異なる部屋にユーザが居るような場合、当該ユーザは充電が完了したか否かを知ることができない。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、充電装置が置かれている場所からユーザが離れていたとしても、電子機器への充電が完了した時点でユーザへ速やかにそれを知らせ、充電装置から電子機器を取り外すことをユーザに要求することを可能とする情報通知システム、充電装置、携帯情報端末、及び、情報通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の充電装置は、電子機器の充電機能と近距離無線通信機能とを有し、電子機器の充電が完了した時、当該電子機器の充電が完了したことを近距離無線通信機能を通じて携帯情報端末へ通知する。また、携帯情報端末は、ユーザインターフェース機能と近距離無線通信機能を有し、充電装置から近距離無線通信機能を通じて充電の完了通知を受け取った時、ユーザインターフェース機能を用いて、ユーザへ充電完了を知らせると共に充電装置から電子機器の取り外しを要請する所定の通知動作を実行する。これにより、本発明は上述した課題を解決する。
【0011】
すなわち、本発明によれば、電子機器の充電が完了した時、充電装置から携帯電話端末へ充電完了通知が送られ、その充電完了通知を受けた携帯電話端末によりユーザへ充電完了が知らされると共に充電装置から電子機器の取り外しが要請される。このため、ユーザは、充電装置から電子機器を速やかに取り外して無駄な電力消費を無くすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、電子機器の充電が完了した時、充電装置は、近距離無線通信を通じて携帯電話端末へ充電完了を知らせることができ、また、その充電完了の通知を受けた携帯電話端末は、ユーザへ充電完了を知らせると共に充電装置から電子機器を取り外すように要請することができる。すなわち本発明によれば、例えば充電装置が置かれている場所からユーザが離れていたとしても、電子機器への充電が完了した時点でユーザへ速やかにそれを知らせ、充電装置から電子機器を取り外すことをユーザに要求可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】各電子機器の専用充電装置と携帯電話端末とからなる本発明実施形態の情報通知システムの概略構成を示す図である。
【図2】各電子機器の共通充電装置と携帯電話端末とからなる本発明実施形態の情報通知システムの概略構成を示す図である。
【図3】本発明実施形態の情報通知システムにおいて、電子機器の充電が完了した場合に、その充電完了通知が携帯電話端末へ通知されるまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図4】各電子機器の専用充電装置の概略的な内部構成例を示すブロック図である。
【図5】各電子機器の共通充電装置の概略的な内部構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明実施形態の充電装置において、DC出力部に電子機器が接続されて充電が開始された後の充電監視・制御部の動作フローチャートである。
【図8】本発明実施形態の携帯電話端末において、充電装置との間で近距離無線通信によるペアリングがなされた後、その充電装置から充電完了通知を受信した時、それをユーザへ通知するまでの処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0015】
なお、本実施形態では、本発明の携帯情報端末の一例として、携帯電話端末を挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0016】
[情報通知システムの概略構成例]
図1には、本発明実施形態の情報通知システムの一構成例を示す。
【0017】
この図1に示す情報通知システムは、複数の異なる電子機器(図1の例では三つの電子機器3A〜3C)をそれぞれ充電する専用の充電装置(図1の例では三つの充電装置2A〜2C)と、ユーザが常に所持している携帯情報端末である携帯電話端末1とにより構成されている。なお、充電装置2A〜2Cは、例えばそれぞれ同じ部屋等に置かれていてもよいし、別の部屋等に置かれていてもよい。また、図1の例では、携帯電話端末1を一台のみ示しているが、携帯電話端末は複数であってもよい。
【0018】
上記携帯電話端末1は、各充電装置2A〜2Cとの間で近距離無線通信を行える近距離無線通信デバイスを内蔵している。同様に、各充電装置2A〜2Cは、各々が携帯電話端末1との間で近距離無線通信を行える近距離無線通信デバイスを備えている。そして、携帯電話端末1は、近距離無線通信により複数の充電装置2A〜2Cと接続した場合には、それら各充電装置2A〜2Cをそれぞれ個別に認識しており、各充電装置2A〜2Cと個々に通信可能となされている。また本実施形態において、上記各電子機器3A〜3Cは、充電可能な二次電池を備えた携帯型音楽プレーヤーや、携帯型電子ゲーム装置、携帯型デジタルテレビジョン受像機、携帯型ナビゲーション装置、電動車両など何れの機器であってもよい。なお、本実施形態では、近距離無線通信の方式として、例えばいわゆるブルートゥース(Bluetooth:登録商標)方式を例に挙げるが、本発明はこの例に限定されず、他の近距離無線通信方式であってもよい。
【0019】
本実施形態にかかる各充電装置2A〜2Cは、それぞれ専用の電子機器3A〜3Cが接続され、それら電子機器3A〜3Cの充電が完了した場合には、例えばランプの点灯や音声出力或いは充電ランプの消灯などにより、ユーザへ充電完了を知らせる機能を有するとともに、近距離無線通信により携帯電話端末1へ充電完了通知を送信する機能をも備えている。なお、近距離無線通信により複数の携帯電話端末と接続されている場合、各充電装置2A〜2Cは、それら全ての携帯電話端末或いは予め決めた携帯電話端末へ上記充電完了通知を送信する。
【0020】
一方、上記充電装置2A〜2Cの何れかが送信した上記充電完了通知を受け取った携帯電話端末1は、所定のユーザインターフェースデバイスを用いて、何れの充電装置にて電子機器の充電が完了したのかをユーザへ知らせるとともに、その充電装置から電子機器を取り外すことをユーザへ要請する。ここで、上記所定のユーザインターフェースデバイスとしては、例えばディスプレイ、スピーカ、バイブレータ、LEDランプなどを挙げることができ、携帯電話端末1は、上記ディスプレイ画面表示や音声出力、バイブレータの振動、LEDランプの発光などにより、何れの充電装置にて電子機器の充電が完了したのかをユーザへ知らせるとともに、その充電装置から電子機器を取り外すことをユーザへ要請する。すなわち例えば、ディスプレイ画面による通知の場合、携帯電話端末1は、充電が完了した充電装置(つまり電子機器)を特定した上で、ディスプレイ画面上に、その充電装置(つまり電子機器)の充電が完了したことを表示するとともに、当該充電装置から電子機器を取り外すことを要求する表示を行う。また例えば、音声出力による通知の場合、携帯電話端末1は、充電が完了した充電装置(つまり電子機器)の名称等と充電完了を表す音声をスピーカから出力するとともに、その充電装置から電子機器を取り外すことを要求する音声をスピーカから出力する。また例えば、バイブレータ振動やランプ発光による通知の場合、携帯電話端末1は、充電が完了した充電装置(つまり電子機器)用に予め決められた特定振動パターンでバイブレータを振動させたり、同様の特定発光パターンでランプを発光させることにより、ユーザへ充電完了を通知するとともに、その充電装置から電子機器を取り外すことの要求を表す所定パターンによりバイブレータを振動させたりランプを発光させる。
【0021】
このように、本実施形態の情報通知システムにおいて、充電装置2A〜2Cは、電子機器3A〜3Cの充電が完了すると、その充電完了通知を携帯電話端末1へ送り、一方、携帯電話端末1は、充電装置2A〜2Cより充電完了通知を受け取ると、所定のユーザインターフェースデバイスを用いて、上記充電の完了をユーザへ知らせると共に充電装置から電子機器を取り外すことを要求する所定の通知動作を行うようになされている。これにより、本発明実施形態によれば、携帯電話端末1を所持しているユーザは、例えば充電装置2A〜2Cが置かれている部屋とは異なる部屋などに居たとしても、何れの充電装置(つまり電子機器)にて充電が完了したのかを知ることができ、またその充電装置から電子機器を取り外すべきことを知ることができる。そして、ユーザにより充電装置から電子機器が取り外された場合、その充電装置は無駄な電力を消費することが無くなる。
【0022】
[情報通知システムの他の構成例]
図2には、本発明実施形態の情報通知システムの他の例として、複数の異なる電子機器3A〜3Cに対して共通して充電を行える機能を備えた共通充電装置2を有する構成例を示す。
【0023】
この図2の構成例において、共通充電装置2は、上記複数の電子機器3A〜3Cの何れかが接続された場合、当該接続された電子機器を特定すると共にその電子機器用に予め決められた量の充電を行う機能を備えている。なお、当該共通充電装置2は、同時に複数の電子機器へ充電を行えるものであってもよい。また、図2の構成においても図1の例と同様に、共通充電装置2は、携帯電話端末1との間で近距離無線通信を行うための近距離無線通信デバイスを備えている。
【0024】
そして、上記共通充電装置2は、電子機器が接続され、その電子機器の充電が完了した場合に、ランプの点灯や音声出力或いは充電ランプの消灯などにより、ユーザへ充電完了を通知する機能を有するとともに、近距離無線通信により携帯電話端末1へ何れの電子機器の充電が完了したのかを通知する。なお、近距離無線通信により複数の携帯電話端末と接続されている場合、共通充電装置2は、それら全ての携帯電話端末或いは予め決めた携帯電話端末へ上記充電完了通知を送信することも可能となされている。
【0025】
上記共通充電装置2が送信した上記充電完了通知を受け取ると、携帯電話端末1は、前述の図1の例と同様にユーザインターフェースデバイスを用いた所定の通知動作を行う。これにより、携帯電話端末1のユーザは、何れの電子機器の充電が完了したのかを知ることができ、また共通充電装置2から当該電子機器を取り外すべきことを知ることができる。そして、ユーザにより共通充電装置2から電子機器が取り外された場合、その充電装置は無駄な電力を消費することが無くなる。
【0026】
[情報通知システムにおける充電完了通知シーケンス]
図3には、上述した本発明実施形態の情報通知システムにおいて、充電装置により電子機器の充電が完了した場合に、その充電の完了が近距離無線通信を通じて携帯電話端末へ通知されるまでの処理の流れを示す。なお、図3中の充電装置は前述した充電装置2A〜2C、共通充電装置2の何れであってもよい。
【0027】
図3において、充電装置は、電子機器が接続されて充電が開始されると、その電子機器の充電が完了(T1)したか否かを監視しており、その充電が完了すると、近距離無線通信デバイスを起動(T2)させる。そして、充電装置は、周囲に近距離無線通信が可能な携帯電話端末が存在するか否かサーチし、近距離無線通信可能な携帯電話端末を検知した場合には、その携帯電話端末に対して近距離無線通信のペアリング要求(T3)を送信する。当該ペアリング要求には近距離無線通信デバイスのデバイスIDが含まれる。
【0028】
携帯電話端末は、上記充電装置から送信されたペアリング要求及びデバイスIDを受け取ると、そのペアリング要求が、予め登録された充電装置から送られてきたものであるかどうかをチェックする。より具体的に説明すると、本実施形態の携帯電話端末は、上記ペアリング要求と共に送られてくるデバイスIDが、予め登録されたデバイスIDであるかどうかをチェックし、登録済みのデバイスIDである場合には、別途認証処理を必要とせずに自動的にペアリング処理を実行して、その充電装置へペアリング応答(T5)を送信する。一方、デバイスIDが登録されていない場合、携帯電話端末は、近距離無線通信における通常の認証処理を行い、認証が完了した場合にのみペアリング処理を実行する。すなわち本実施形態によれば、例えばユーザの自宅内に置かれている充電装置のように、予め登録された充電装置からペアリング要求が送られてきた場合、携帯電話端末は、認証処理等のための操作をユーザへ要求することなく、当該登録済みの充電装置との間で自動的にペアリング処理を行う。一方、例えば他者の家庭内に置かれている充電装置、つまり登録されていない充電装置からペアリング要求が送られてきたような場合、本実施形態の携帯電話端末は、当該他者の家庭内の充電装置(未登録充電装置)との間で、勝手にペアリング処理を行ってしまうことはない。
【0029】
上記ペアリング応答(T5)を受け取ることでペアリングが成功したことを確認した充電装置は、当該携帯電話端末に対して充電完了通知を送信(T6)する。
【0030】
上記充電完了通知を受信した携帯電話端末は、受信完了応答(T7)を充電装置へ送信した後、前述したようなディスプレイ画面表示、音声出力、バイブレータの振動、LEDランプの発光などによる所定の通知動作を実行する。
【0031】
[充電装置の概略構成]
図4には、本発明実施形態の充電装置の概略的な内部構成例を示す。なお、図4の例は、図1に示したように各電子機器専用となされた充電装置の概略内部構成を示している。
【0032】
この図4において、充電装置は、AC(交流)入力部11、AC/DC(交流/直流)変換部12、DC出力部13、充電監視・制御部14、充電状態通知部15、近距離無線通信部16を有して構成されている。
【0033】
上記AC入力部11は、例えば家庭用電源ソケットに接続されるACプラグ及びコードからなり、上記家庭用電源ソケットからAC電源を取り込んでAC/DC変換部12へ供給する。
【0034】
AC/DC変換部12は、いわゆるAC/DCコンバータ部であり、AC電源を電子機器の充電用の所定DC電源に変換し、その変換後のDC電源をDC出力部13へ供給する。
【0035】
DC出力部13は、電子機器の充電端子等に接続される充電アダプタ部である。
【0036】
充電状態通知部15は、例えば前述した赤色ランプや緑色ランプ、音声出力用のスピーカ等からなり、充電監視・制御部14による制御の基で、それら各ランプが点灯/消灯されたり、スピーカから所定の音声メッセージを出力することにより、上記電子機器の充電状態をユーザへ通知する。
【0037】
近距離無線通信部16は、前述した近距離無線通信デバイスからなる。当該近距離無線通信部16は、上記充電監視・制御部14により起動され、また、充電監視・制御部14による制御の基で近距離無線通信のペアリング処理や情報送受信等を行う。
【0038】
充電監視・制御部14は、DC出力部13に電子機器が接続されたか否かの接続検知、DC出力部13に接続された電子機器が自装置により充電可能な機器であるか否かの判定、DC出力部13に接続された電子機器の充電状態の検知等を行う。なお、電子機器の充電状態は、例えば、DC出力部を通じて電子機器の充電電圧を検出したり、或いは、DC出力部13を通じて電子機器から送られてくる充電情報を受信することにより行うことができる。また、充電監視・制御部14は、上記電子機器の充電状態に応じて、充電状態通知部15における上記各ランプ点灯/消灯や所定の音声メッセージの出力などを制御する。
【0039】
また、充電監視・制御部14は、上記電子機器の充電が完了した場合、近距離無線通信部16へ電源を供給して当該近距離無線通信部16を起動させる。そして、充電監視・制御部14は、上記起動後の近距離無線通信部16を制御することにより、前述した近距離無線通信のペアリング処理を行わせ、また、ペアリング完了後には、前述の充電完了通知情報を生成し、近距離無線通信部16を通じて当該充電完了通知情報を携帯電話端末へ送信する。
【0040】
[充電装置の他の構成例]
図5には、前述の図2で説明した共通充電装置の概略的な内部構成例を示す。なお、この図5において、上記図4の各構成要素と同じものには同一の参照符号を付している。この共通充電装置において、特に、AC入力部11、DC出力部13、充電状態通知部15、近距離無線通信部16は、図4のそれぞれ対応する構成と同一のものであるため、それらの詳細な説明は省略する。
【0041】
ここで、共通充電装置の場合、DC出力部13にはそれぞれ異なる電子機器が接続されることになり、それら電子機器には各々所定の充電用DC電源が決められている。
【0042】
このため、当該共通充電装置のAC/DC変換部12は、AC電源を、DC出力部13に接続された電子機器に応じた所定充電用DC電源に変換可能となされている。また、この共通充電装置の充電監視・制御部14は、DC出力部13に電子機器が接続された場合、当該電子機器の充電を開始する前に、その電子機器から送られてくる機器識別情報を受信し、その情報により当該電子機器を特定して、その電子機器への充電用DC電源値を決定する。そして、充電監視・制御部14は、上記決定した充電用DC電源値をAC/DC制御部21へ知らせる。当該AC/DC制御部21は、充電監視・制御部14から受け取った充電用DC電源値を基に上記AC/DC変換部22を制御することにより、当該AC/DC変換部22において、上記AC電源を、DC出力部13に接続された電子機器に応じた所定充電用DC電源に変換させる。
【0043】
また、当該共通充電装置の場合、充電監視・制御部14は、上記DC出力部13に接続されている電子機器の充電が完了した場合には、近距離無線通信部16へ電源を供給して当該近距離無線通信部16を起動させて、前述のように近距離無線通信のペアリング処理を行わせ、さらに、ペアリング完了後には当該電子機器の充電完了通知情報を生成し、その充電完了通知情報を近距離無線通信部16を通じて携帯電話端末へ送信する。
【0044】
[携帯電話端末の概略構成]
図6には、本実施形態の携帯電話端末の概略的な内部構成例を示す。
【0045】
図6において、通信アンテナ32は、例えば内蔵アンテナであり、通話や電子メール等のパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路31は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。
【0046】
スピーカ40は、携帯電話端末に設けられている受話用のスピーカや、リンガ(着信音)、アラーム音、本実施形態にかかる充電完了の音声メッセージ等の出力用スピーカであり、制御部30から供給された音声信号を音響波に変換して空気中に出力する。
【0047】
マイクロホン41は、送話用及び外部音声集音用のマイクロホンであり、音響波を音声信号に変換し、その音声信号を制御部30へ送る。
【0048】
バイブレータ44は、モータとそのモータの駆動回路とからなり、モータ軸には偏芯するように錘が取り付けられており、当該モータを回転させることにより端末本体に振動を発生させる。
【0049】
表示部33は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示デバイスと、そのディスプレイの表示駆動回路とを含み、制御部30から供給された画像信号により、上記ディスプレイ上に例えば電子メール等の各種文字や画像、本実施形態にかかる充電完了の通知メッセージ等を表示する。
【0050】
操作部34は、本実施形態の携帯電話端末の図示しない筐体上に設けられているテンキーや発話キー、終話/電源キー等の各キーや十字キー,ジョグダイヤル等の各操作子と、それら操作子が操作された時の操作信号を発生する操作信号発生器とからなる。
【0051】
近距離無線通信部42は、近距離無線通信アンテナ43を通じて、例えばブルートゥース方式など本実施形態にかかる近距離無線通信を行う。また、近距離無線通信通信部42は、近距離無線通信の全般的な制御と、制御部30との間でのデータのやり取りを行う。特に、本実施形態の場合、近距離無線通信部42は、他の端末等との間で近距離無線通信によるデータ送受信を行う場合の他に、前述したように充電装置との間でペアリングを行い、そのペアリング完了後に充電装置から送られてくる充電完了通知の受信をも行う。
【0052】
メモリ部35は、当該端末の内部に設けられている内蔵メモリと、いわゆるSIM(Subscriber Identity Module)情報等を格納する着脱可能なカード状メモリとを含む。内蔵メモリは、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とからなる。上記ROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)或いはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能なROMからなり、例えば、OS(Operating System)プログラム、制御部30が各部を制御するための制御プログラム、様々なアプリケーションプログラム、各種の初期設定値、辞書データ、着信音やキー操作音等の音データなどが格納されている。また特に、本実施形態の場合、上記RAMには、前述したように、充電完了通知が受信された後、その充電完了をユーザへ知らせるとともに、充電装置から電子機器を取り外すことをユーザに要請するための充電通知プログラムと、充電完了のユーザ通知やユーザ要請を行う際に使用されるディスプレイ表示データ、音声データ、バイブレータ44の振動パターンデータ、LEDランプの発光パターンデータ、充電装置との間で近距離無線通信のペアリングを自動的に行うか否か判断する際に用いられるデバイスIDなども格納されている。その他、ROMには、電子メールデータ、電話帳や電子メールアドレス帳のデータ、スケジュール帳のデータ、通信履歴、インターネット等に接続した際のキャッシュデータ等の様々なデータ、ユーザ辞書データ、静止画や動画データ、各種のユーザ設定値等をも保存可能となされている。なお、図6の例では、上記内蔵メモリの上記各種データやプログラムの格納領域のうち、特に、上記制御プログラムや本実施形態にかかる充電通知プログラム等を保持するプログラム格納部36と、充電完了のユーザ通知や要請時に使用されるディスプレイ表示データ、音声データ、バイブレータ44の振動パターンデータ、LEDランプの発光パターンデータ、電話帳やスケジュール帳などの各種データを保持するデータ格納部37のみを図示している。勿論、図示は省略しているが、当該メモリ部35には、辞書データや初期設定値、静止画や動画データ等の格納領域も用意されている。なお、RAMは、制御部30が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
【0053】
制御部30は、CPU(中央処理ユニット)からなり、通信回路31における通信の制御、音声処理及びその制御、画像処理及びその制御、その他各種信号処理や各部の制御等を行う。また、制御部30は、メモリ部35に格納されている各種の制御プログラムやアプリケーションプログラムの実行及びそれに付随する各種データ処理等を行う。特に、本実施形態の場合、制御部30は、メモリ部35のプログラム格納部36に格納されている充電通知プログラムを実行することにより、前述した充電完了のユーザ通知や要請時のための処理を行う。
【0054】
その他、図6には図示を省略しているが、本実施形態の携帯電話端末は、写真画像の撮影のためのディジタルカメラ部、GPS(Global Positioning System)衛星電波を用いた現在位置検出部、例えばいわゆるRFID(Radio Frequency-Identification:電波方式認識)や非接触型ICカード等で用いられる非接触通信を行う非接触通信部、キー照明や着信ライト用などのLED(発光ダイオード)とその駆動部、各部へ電力を供給するバッテリとその電力をコントロールするパワーマネージメントIC部、外部メモリ用スロット、ディジタル放送の受信チューナ部とAVコーデック部、タイマ(時計部)など、一般的な携帯電話端末に設けられる各構成要素についても備えている。
【0055】
[充電装置における充電監視・制御部の動作フロー]
図7には、本発明実施形態の充電装置において、DC出力部13に電子機器が接続されて充電が開始された後の充電監視・制御部14の動作フローチャートを示す。なお、図7では図示を省略しているが、DC出力部13から電子機器を外す操作がなされた場合には、図7のフローチャートの何れの処理ステップの途中であってもこのフローチャートの処理は終了することになる。
【0056】
この図7に示すフローチャートにおいて、充電監視・制御部14は、DC出力部13に電子機器が接続されて充電を開始すると、ステップS1の処理として、DC出力部13に接続されている電子機器の充電電圧或いは当該電子機器から送られてくる充電情報を基に、その電子機器の充電が完了したか否かを判定する。
【0057】
当該ステップS1において充電が完了していないと判定される場合、充電監視・制御部14は、ステップS2へ処理を進め、充電中であることを示す動作(例えば前述した赤色ランプの点灯など)を充電状態通知部15に行わせる。そして、この処理は、ステップS1にて充電が完了したと判定されるまで継続される。
【0058】
一方、ステップS1にて電子機器の充電が完了したと判定した場合、充電監視・制御部14は、ステップS3へ処理を進める。
【0059】
ステップS3の処理に進むと、充電監視・制御部14は、充電が完了したことを示す動作(例えば前述した緑色ランプの点灯など)を充電状態通知部15に行わせた後、ステップS4へ処理を進める。
【0060】
ステップS4の処理に進むと、充電監視・制御部14は、近距離無線通信部16へ電源を供給して起動させた後、ステップS5へ処理を進める。
【0061】
ステップS5の処理に進むと、充電監視・制御部14は、近距離無線通信部16を制御し、充電装置の周辺に存在している携帯電話端末をサーチし、携帯電話端末が見つかった場合にデバイスIDを送信させる。
【0062】
次に、充電監視・制御部14は、ステップS6の処理として、近距離無線通信部16が携帯電話端末との間でペアリングを完了したか否か判定する。
【0063】
ここで、ペアリングが完了していない場合、充電監視・制御部14は、ステップS7において一定時間が経過するまでの間、ペアリングの完了を待ち、例えば携帯電話端末が近距離無線通信範囲内から外れるなどの様々な理由により一定時間経過してもペアリングが完了しなかった場合には、ステップS11へ処理を進め、近距離無線通信部16を停止させ、このフローチャートの処理を終了する。
【0064】
一方、一定時間内にペアリングが完了した場合、充電監視・制御部14は、ステップS9へ処理を進める。このステップS9の処理に進むと、充電監視・制御部14は、充電完了通知の情報を生成して、それを近距離無線通信部16を通じて携帯電話端末へ送信させる。
【0065】
次に、充電監視・制御部14は、携帯電話端末からの受信応答が有ったか判定する。
【0066】
そして、受信応答が得られていない場合、充電監視・制御部14は、ステップS10において一定時間が経過するまでの間、受信応答を待ち、例えば携帯電話端末が近距離無線通信範囲内から外れるなどの様々な理由により一定時間経過しても受信応答が得られなかった場合にはステップS11へ処理を進めて、近距離無線通信部16を停止させ、当該フローチャートの処理を終了する。
【0067】
また、一定時間内に受信応答が得られた場合、充電監視・制御部14は、ステップS11へ処理を進めて、近距離無線通信部16を停止させ、当該フローチャートの処理を終了する。
【0068】
[携帯電話端末においてユーザへ充電完了を知らせる際の動作フロー]
図8には、本発明実施形態の携帯電話端末において、充電装置との間で近距離無線通信によるペアリングがなされた後、その充電装置から充電完了通知を受信した時、それをユーザへ通知するまでの処理フローチャートを示す。なお、この図8のフローチャートの処理は、制御部30がメモリ部35内の充電通知プログラムを実行することにより実現される。
【0069】
この図8において、携帯電話端末の制御部30は、ステップS21の処理として、近距離無線通信部42が充電装置からペアリング要求を受け取ったか否か監視しており、ペアリング要求を受信した場合、ステップS22へ処理を進める。
【0070】
ステップS22の処理に進むと、制御部30は、メモリ部35内に登録されているデバイスIDを参照することで、上記充電装置から送られてきたペアリング要求に付加されているデバイスIDが、登録済みのデバイスIDであるか否か判定する。そして、ペアリング要求内のデバイスIDが登録済みデバイスIDである場合、制御部30は、ステップS23へ処理を進める。
【0071】
ステップS23の処理に進むと、制御部30は、その充電装置との間でペアリング処理を実行した後、ステップS24へ処理を進める。
【0072】
ステップS24の処理に進むと、制御部30は、充電装置から充電完了通知が送られてきたか否か判定する。
【0073】
そして、充電完了通知を受信していない場合、制御部30は、ステップS25において一定時間が経過するまでの間、充電完了通知の受信を待ち、例えば自端末が近距離無線通信範囲内から外れるなどの様々な理由により一定時間経過しても充電完了通知が得られなかった場合には当該フローチャートの最初へ処理を戻す。
【0074】
一方、一定時間内に充電完了通知を受信した場合、制御部30は、ステップS26へ処理を進める。このステップS26の処理に進むと、制御部30は、前述したように、例えば表示部33のディスプレイ画面表示や、スピーカ40からの音声出力、バイブレータ44の振動、LEDランプの発光などにより、充電装置にて電子機器の充電が完了したこと、及び、その充電装置から電子機器を取り外すことをユーザへ知らせる。このステップS26の後、制御部30は、当該フローチャートの最初へ処理を戻す。
【0075】
[まとめ]
以上説明したように、本発明実施形態においては、充電装置は、電子機器の充電が完了すると、充電完了通知を近距離無線通信により携帯電話端末へ送信し、その充電完了通知を受信した携帯電話端末は、ユーザに対し、電子機器の充電が完了したこと、及び、その電子機器を充電装置から取り外すように要請する。これにより、本実施形態によれば、携帯電話端末のユーザは、充電装置が置かれている場所とは異なる所に居たとしても、電子機器の充電が完了したのかを知ることができ、またその充電装置から電子機器を取り外すべきことを知ることができる。
【0076】
なお、上述した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。例えば、上述の実施形態では、ユーザが所持する携帯情報端末として携帯電話端末を挙げているが、本発明の携帯情報端末は、例えばPDA(Personal Digital Assistant)や小型のノート型パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、携帯型デジタルテレビジョン受信機、携帯ナビゲーション端末などであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…携帯電話端末、2,2A〜2C…充電装置、3A〜3C…電子機器、11…AC入力部、12…AC/DC変換部、13…DC出力部、14…充電監視・制御部、15…充電状態通知部、16…近距離無線通信部、21…AC/DC制御部、30…制御部、31…通信回路、32…通信アンテナ、33…表示部、34…操作部、35…メモリ部、36…プログラム格納部、37…データ格納部、40…スピーカ、41…マイクロホン、42…近距離無線通信部、43…近距離無線通信用のアンテナ、44…バイブレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の充電機能と近距離無線通信機能とを有し、上記電子機器の充電が完了した時、当該電子機器の充電が完了したことを近距離無線通信機能を通じて携帯情報端末へ通知する充電装置と、
ユーザインターフェース機能と近距離無線通信機能を有し、上記充電装置から近距離無線通信機能を通じて上記充電の完了通知を受け取った時、上記ユーザインターフェース機能を用いて、ユーザへ充電完了を知らせると共に充電装置から電子機器の取り外しを要請する所定の通知動作を実行する携帯情報端末と
により構成されてなる情報通知システム。
【請求項2】
上記携帯情報端末は、登録済みの充電装置との間で、上記近距離無線通信のためのペアリング処理を実行する請求項1記載の情報通知システム。
【請求項3】
上記充電装置は、上記電子機器の充電が完了した時に、上記近距離無線通信機能を起動させる請求項1記載の情報通知システム。
【請求項4】
電子機器を充電するための充電部と、
近距離無線通信により携帯情報端末と通信を行う近距離無線通信部と、
上記電子機器への充電が完了した時、当該電子機器の充電が完了したことを上記近距離無線通信部を通じて携帯情報端末へ通知させる制御部と、
を有する充電装置。
【請求項5】
上記制御部は、上記電子機器の充電が完了した時に、上記近距離無線通信部へ電源を供給して起動させる請求項4記載の充電装置。
【請求項6】
ユーザインターフェース部と、
近距離無線通信により充電装置と通信を行う近距離無線通信部と、
上記近距離無線通信部を通じて、充電装置から電子機器の充電完了通知を受け取った時、上記ユーザインターフェース部を用いて、ユーザへ充電完了を知らせると共に充電装置から電子機器の取り外しを要請する所定の通知動作を実行する制御部と、
を有する携帯情報端末。
【請求項7】
上記制御部は、上記充電装置が登録済みか否か判定し、登録済みの充電装置との間で上記近距離無線通信部における近距離無線通信のペアリング処理を実行させる請求項6記載の携帯情報端末。
【請求項8】
電子機器の充電機能と近距離無線通信機能とを有する充電装置において上記電子機器の充電が完了した時、当該充電装置が、上記電子機器の充電が完了したことを近距離無線通信機能を通じて携帯情報端末へ通知するステップと、
ユーザインターフェース機能と近距離無線通信機能を有する携帯情報端末において上記充電装置から近距離無線通信を通じて上記充電の完了通知を受け取った時、当該携帯情報端末が、上記ユーザインターフェース機能を用いてユーザへ充電完了を知らせると共に充電装置から電子機器の取り外しを要請する所定の通知動作を実行するステップと、
を有する情報通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−259135(P2010−259135A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102655(P2009−102655)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】