説明

情報配信システムおよび情報配信方法

【課題】受信機の消費電力を低減させることができる情報配信システムおよび情報配信方法を提供する。
【解決手段】デジタル放送におけるAC信号と配信情報とを送出する送出手段11を備えた送出装置10と、送信装置10と通信可能な受信機20とを含み、受信機20は、AC信号を受信するAC信号受信手段21と、配信情報を受信する配信情報受信手段22と、配信情報受信手段22の起動および停止を制御する起動手段23とを備え、送出手段11は、AC信号に配信情報の送信時刻情報を格納して送出し、AC受信手段21は、受信したAC信号から送信時刻情報を取得し、起動手段23は、送信時刻情報に応じて、配信情報受信手段22を起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイルマルチメディア放送に適用可能な情報配信システムおよび情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ放送では、Gガイド(登録商標)やADAMS−EPG(TV−Asahi Data and Multimedia Service−EPG)の方式で一日数回、時刻を決めて番組データが送信されていた。
【0003】
デジタル放送には、放送規格としてISDB−T方式、ISDB−S方式およびISDB−Tmm方式がある。
【0004】
ISDB−T方式およびISDB−S方式においては、常時番組データを送信できるため、一般的にGガイドやADAMS−EPGといった代行サービスよりも正確かつ詳細で、番組データをリアルタイムに送信可能である。そのため、スポーツ中継の延長などの番組放送時間の延長やずれにも正しい追随が可能になる。
【0005】
ISDB−Tmm方式においては、A階層とB階層の2階層で番組データ(コンテンツのメタデータ)が送出される。A階層を使用して送出する番組送出(以下、番組送出Aという)は、B階層を使用して送出する番組送出(以下、番組送出Bという)と比べて、送出ビットレートが低い。そのため、番組送出Aは、主に、現在時刻と番組放送時刻の差が小さい、優先度の高いデータの送出に使用される。番組送出Bは、主に、現在時刻と番組放送時刻の差が大きい優先度が低いデータ送出に使用される。番組送出Aには番組送出Bの番組送出情報が含まれているため、受信機は、番組送出Aを受信することによって、番組送出Bの送出時刻を取得することができる。
【0006】
図7は、ISDB−Tmm方式によるモバイルマルチメディア放送の番組表配信システムの動作を示す説明図である。
【0007】
図7に示すシステムは、送出システム600と、受信機630とを含む。
【0008】
送出システム600は、番組送出A送出手段601と、番組送出B送出手段602とを含む。受信機630は、番組送出A受信手段631と、番組送出B受信手段632とを含む。
【0009】
番組送出A送出手段601は、直近の数番組の情報(以下、数番組情報という)及び番組送出Bの番組情報送出時刻を示す情報(以下、番組情報送出時刻情報という)を、番組送出Aにもとづくデータである番組送出A611に格納する。そして、番組送出A611を含む放送トランスポートストリーム(TS)610を送出する。
【0010】
番組送出B送出手段602は、番組送出Bにもとづくデータである番組送出B621に残り全体の番組情報を格納する。そして、番組送出Bの番組情報送出時刻情報に合わせて、番組送出B621を含む放送TS620を送出する。
【0011】
番組送出A受信手段631は、番組送出A611を受信し、直近の数番組情報および番組送出Bの番組情報送出時刻情報を取得する。
【0012】
番組送出B受信手段632は、番組送出Bの番組情報送出時刻情報に合わせて、番組送出B621を受信し、残り全体の番組情報を取得する。
【0013】
このように、ISDB−Tmm方式では、番組送出A、番組送出Bともに、送出時刻に一度に送信されるため、常時番組データを送信するISDB−T方式およびISDB−S方式と比べて、受信機における受信時間を短時間で済ませることができる。
【0014】
特許文献1には、複数のチャネルの番組情報のTSパケット(TSP)を送出する番組情報送出装置において、急な番組情報の変更(番組変更や放送時間の変更)にもリアルタイムに対応できるシステムが記載されている。
【0015】
特許文献1に記載されたシステムは、番組情報に変更があったときに、変更後の番組情報を含むTSPを生成する。そして、送出中のTSPおよび送出予定のTSPを、生成したTSPで更新する。従って、急な番組情報の変更があっても、リアルタイムに番組情報の送出をすることができる。
【0016】
また、特許文献2には、地上デジタルテレビジョン放送において、緊急地震速報の有無を識別するフラグと緊急地震速報とを含む緊急速報を格納する電文情報をAC(Auxiliary Channel)信号で伝送する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2001−186481号公報
【特許文献2】特開2009−272954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図7に示すシステムでは、番組送出A受信手段631に対して番組送出Aについての送出時刻の指定がされない。そのため、受信機630が番組送出Aを受信するためには、番組送出A受信手段631を起動させておき、番組送出A受信手段631を受信待ち状態にさせておく必要がある。従って、受信機630の処理負荷が大きくなり、受信機630は必要以上に電力を消費する。受信機630が携帯端末の場合には、番組送出Aの受信待ち状態が長くなることは、消費電力の点から問題となる。
【0019】
特許文献1に記載されたシステムにおいても、図7に示すシステムと同様に、受信機を番組情報の受信待ち状態にさせておく必要があり、受信機は必要以上に電力を消費する。
【0020】
また、ISDB−T及びISDB−S方式では、受信機は、番組データの伝送に使用されるMPEG−2 TS(Transport Stream)のSI(Service Information)情報内に含まれるEIT(Event Information Table)から番組情報を取得する。ISDB−Tmm方式では、受信機は、MPEG−2 TSのULE(Unidirectional Lightweight Encapsulation)データから番組情報を取得する。
【0021】
そのため、これらの方式においては、MPEG−2 TSから番組情報を取得するためのデマックス処理が受信機側で必要になる。従って、受信機は、番組情報を取得するときに、デマックス処理により電力を消費する。
【0022】
そこで、本発明は、受信機の消費電力を低減させることができる情報配信システムおよび情報配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明による情報配信システムは、デジタル放送におけるAC信号と配信情報とを送出する送出手段を備えた送出装置と、送信装置と通信可能な受信機とを含み、受信機は、AC信号を受信するAC信号受信手段と、配信情報を受信する配信情報受信手段と、配信情報受信手段の起動および停止を制御する起動手段と備え、送出手段は、AC信号に送信時刻情報を格納して送出し、AC受信手段は、受信したAC信号から配信情報の送信時刻情報を取得し、起動手段は、送信時刻情報に応じて、配信情報受信手段を起動することを特徴とする。
【0024】
本発明による情報配信方法は、デジタル放送におけるAC信号と配信情報とを送出する送出装置が、AC信号に配信情報の送信時刻情報を格納して送出し、受信機が、AC信号を受信し、受信したAC信号から送信時刻情報を取得し、送信時刻情報に応じて、配信情報の受信動作を開始することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、情報配信システムにおいて、受信装置の消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の情報配信システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】情報配信システムの第1の実施形態の動作を示す説明図である。
【図3】情報配信システムの第2の実施形態の動作を示す説明図である。
【図4】情報配信システムの第3の実施形態の動作を示す説明図である。
【図5】情報配信システムの第4の実施形態の動作を示す説明図である。
【図6】本発明による情報配信システムの主要部を示すブロック図である。
【図7】ISDB−Tmm方式によるモバイルマルチメディア放送の番組表配信システムの構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施形態1.
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明の情報配信システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、本発明による情報配信システムは、送出装置100と、受信機120とを含む。送出装置100と受信機120とは、通信ネットワークなどを介して、通信可能に接続される。なお、図1には、1つの受信機120が例示されているが、受信機はいくつあってもよい。
【0030】
送出装置100は、送出部101と、AC送出手段102と、MPEG−2 TS送出手段103と、MPEG−2 TSマックス手段104と、番組送出A送出手段105と、番組送出B送出手段106とを含む。
【0031】
番組送出A送出手段105は、番組送出Aの番組情報送出時刻に合わせて、番組送出Aにより、直近の数番組情報と番組送出Bの番組情報送出時刻情報とを出力する。
【0032】
番組送出B送出手段106は、番組送出Bの番組情報送出時刻に合わせて、番組送出Bにより、残り全体の番組情報を出力する。
【0033】
MPEG−2 TSマックス手段104は、番組送出A送出手段105および番組送出B送出手段106が出力した情報を入力する。そして、入力した情報を含むMPEG−2 TSを、配信情報として生成し、MPEG−2 TS送出手段103に出力する。
【0034】
MPEG−2 TS送出手段103は、入力したMPEG−2 TSを送出部101に出力する。
【0035】
AC送出手段102は、AC信号に番組送出Aの番組情報送出時刻情報を入れて、送出部101に出力する。
【0036】
送出部101は、放送TSを送出する。図1に示すように、送出部101は、入力したMPEG−2 TSであるMPEG−2 TS111と、入力したAC信号であるAC112とを含む放送TS110を送出する。
【0037】
受信機120は、例えば、携帯端末である。受信機120は、チューナ部121と、AC受信手段122と、MPEG−2 TS受信手段123と、MPEG−2 TSデマックス手段124と、番組送出A受信手段125と、番組送出B受信手段126とを含む。
【0038】
チューナ部121は、放送TS110を受信する。チューナ部121は、放送TSからAC信号を分離する。なお、AC信号を分離して取得する際の処理負荷は、放送TSから分離したMPEG−2 TSをデマックス処理して、EIT、ULEを取得する際の処理負荷に比べて小さい。また、一般的に、受信機は、チューナ部でAC信号が取得されたことを示すイベントを割り込み信号で取得し、AC信号に含まれるデータをI2C(Inter Integrated Circuit)のコマンドで読み取る。
【0039】
AC受信手段122は、放送TS110に含まれるAC信号(AC112)を受信する。AC受信手段122は、AC信号から番組送出Aの番組情報送出時刻情報を取得する。
【0040】
MPEG−2 TS受信手段123は、放送TS110に含まれるMPEG−2 TS111を受信する。MPEG−2 TS受信手段123は、受信したMPEG−2 TSをMPEG−2 デマックス手段124に出力する。
【0041】
MPEG−2 デマックス手段124は、入力したMPEG−2 TSのデマックス処理を行う。
【0042】
番組送出A受信手段125は、直近の数番組情報と番組送出Bの番組送出Bの番組情報送出時刻情報とを番組送出Aにより受信する。
【0043】
番組送出B受信手段126は、残り全体の番組情報を番組送出Bにより受信する。
【0044】
次に、本実施形態の受信機120の動作を説明する。
【0045】
受信機120は、AC受信手段122を起動し、AC信号を受信可能な状態にする。このとき、受信機120は、AC受信手段122のみを起動する。つまり、受信機120は、AC受信手段122に対する電力供給を開始する。なお、「受信機120が起動する」等の表現を用いるが、具体的には、受信機120が備える制御部(図示せず)が処理を実行することである。
【0046】
AC受信手段122は、送出装置100からAC信号を受信すると、AC信号に含まれる番組送出Aの番組情報送出時刻情報を取得する。
【0047】
受信機120は、番組送出Aの番組情報送出時刻情報が示す時刻にもとづいて、MPEG−2 TS受信手段123とMPEG−2 TSデマックス手段124と番組送出A受信手段125とを起動する。つまり、受信機120は、MPEG−2 TS受信手段123、MPEG−2 TSデマックス手段124および番組送出A受信手段125に対する電力供給を開始する。そして、番組送出A受信手段125は、MPEG−2 TS受信手段123およびMPEG−2 TSデマックス手段124を介して、番組送出Aを受信する。
【0048】
受信機120は、番組送出A受信完了後、MPEG−2 TS受信手段123とMPEG−2 TSデマックス手段124と番組送出A受信手段125とを停止させる。つまり、受信機120は、MPEG−2 TS受信手段123、MPEG−2 TSデマックス手段124および番組送出A受信手段125に対する電力供給を停止する。
【0049】
受信機120は、番組送出Aに入っている時刻情報の時刻にもとづいて、MPEG−2 TS受信手段123とMPEG−2 TSデマックス手段124と番組送出B受信手段126とを起動する。つまり、受信機120は、MPEG−2 TS受信手段123、MPEG−2 TSデマックス手段124および番組送出B受信手段126に対する電力供給を開始する。そして、番組送出B受信手段126は、MPEG−2 TS受信手段123およびMPEG−2 TSデマックス手段124を介して、番組送出Bを受信する。
【0050】
受信機120は、番組送出B受信完了後、MPEG−2 TS受信手段123とMPEG−2 TSデマックス手段124と番組送出B受信手段126とを停止させる。つまり、受信機120は、MPEG−2 TS受信手段123、MPEG−2 TSデマックス手段124および番組送出B受信手段126に対する電力供給を停止する。
【0051】
次に、放送TSで通信されるデータの詳細を説明する。
【0052】
図2は、情報配信システムの第1の実施形態の動作を示す説明図である。
【0053】
図2に示すように、まず、AC送出手段102は、AC211に番組送出Aの番組情報送出時刻情報を格納する。そして、AC211を含む放送TS210を送出する。このとき、AC送出手段102は、番組送出A送出手段105に、番組送出Aの番組情報送出時刻情報を出力する。
【0054】
AC受信手段122は、AC211を受信し、番組送出Aの番組情報送出時刻情報を取得する。このとき、AC受信手段122は、番組送出A受信手段125に、番組送出Aの番組情報送出時刻情報を出力する。
【0055】
次に、番組送出A送出手段105は、番組送出Aにもとづくデータである番組送出A221に直近の数番組情報及び番組送出Bの番組情報送出時刻情報を格納する。そして、番組送出Aの番組情報送出時刻情報に合わせて、番組送出A221を含む放送TS220を送出する。このとき、番組送出A送出手段105は、番組送出B送出手段106に、番組送出Bの番組情報送出時刻情報を出力する。
【0056】
番組送出A受信手段125は、番組送出Aの番組情報送出時刻情報に合わせて番組送出A221を受信し、直近の数番組情報及び番組送出Bの番組情報送出時刻情報を取得する。このとき、番組送出A受信手段125は、番組送出B受信手段126に、番組送出Bの番組情報送出時刻情報を出力する。
【0057】
最後に、番組送出B送出手段106は、番組送出Bにもとづくデータである番組送出B231に残り全体の番組情報を格納する。そして、番組送出Bの番組情報送出時刻情報に合わせて、番組送出B231を含む放送TS230を送出する。
【0058】
番組送出B受信手段126は、番組送出Bの番組情報送出時刻情報に合わせて番組送出B231を受信し、残り全体の番組情報を取得する。
【0059】
以上に説明したように、本実施形態では、送信装置が、AC信号で番組送出Aの番組情報送出時刻情報を送信する。AC信号は、チューナ部121によって放送TSから最初に分離されるので、受信機は、AC信号で番組送出Aの番組情報送出時刻情報を受信するまで、チューナ部121の他にAC受信手段122のみを起動させおくだけでよい。つまり、AC信号で番組送出Aの番組情報送出時刻情報を受信するまで、チューナ部121およびAC受信手段122以外のCPU等の処理部をスリープ状態などにさせておくことができるので、受信機の消費電力を低減することができる。
【0060】
また、受信機は、番組送出Aの番組情報送出時刻を認識することができるので、番組送出Aの受信動作、つまり、番組情報の受信動作を適切なタイミングで開始することができる。従って、受信機は、番組情報の受信待ち中にデマックス処理などを行う必要がない。
【0061】
実施形態2.
以下、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
【0062】
送出装置100および受信機120の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
ただし、AC送出手段102は、AC信号に番組送出Aの地震情報送出時刻情報を格納して送出する。
【0064】
番組送出A送出手段105は、AC信号の番組送出Aの地震情報送出時刻情報に合わせて、最初の地震情報と番組送出Bの地震・津波情報送出時刻情報を出力する。
【0065】
番組送出B送出手段106は、番組送出Bの地震・津波情報送出時刻情報に合わせて、番組送出Bによる地震・津波情報を出力する。
【0066】
次に、放送TSで通信されるデータの詳細を説明する。
【0067】
図3は、情報配信システムの第2の実施形態の動作を示す説明図である。
【0068】
図3に示すように、まず、AC送出手段102は、AC311に番組送出Aの地震情報送出時刻情報を格納する。そして、AC311を含む放送TS310を送出する。
【0069】
AC受信手段122は、AC311を受信し、番組送出Aの地震情報送出時刻情報を取得する。
【0070】
次に、番組送出A送出手段105は、番組送出Aにもとづくデータである番組送出A321に最初の地震情報及び番組送出Bの地震・津波情報送出時刻情報を格納する。そして、番組送出Aの地震情報送出時刻情報に合わせて、番組送出A321を含む放送TS320を送出する。
【0071】
番組送出A受信手段125は、番組送出Aの地震情報送出時刻情報に合わせて、番組送出A321を受信し、最初の地震情報及び番組送出Bの地震・津波情報送出時刻情報を取得する。
【0072】
最後に、番組送出B送出手段106は、番組送出Bにもとづくデータである番組送出B331に地震・津波情報を格納する。そして、番組送出Bの地震・津波情報送出時刻情報に合わせて、番組送出B331を含む放送TS330を送出する。
【0073】
番組送出B受信手段126は、番組送出Bの地震・津波情報送出時刻情報に合わせて、番組送出B331を受信し、続く地震情報や地震による津波情報等を地震・津波情報から取得する。
【0074】
なお、その他の動作については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0075】
以上に説明したように、本実施形態では、送信装置が、AC信号で地震情報送出時刻情報を送信する。従って、最初の地震情報や、続く地震情報や地震による津波情報等を配信する場合であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、受信機の電力を必要以上に消費させることなく、地震情報や津波情報の配信を効率よく行うことができる。
【0076】
実施形態3.
以下、本発明の第3の実施形態を図面を参照して説明する。
【0077】
図4は、情報配信システムの第3の実施形態の動作を示す説明図である。
【0078】
本実施形態の情報配信システムは、送出装置100と、受信機130とを含む。
【0079】
送出装置100の構成は、第1の実施形態と同様である。ただし、AC送出手段102は、AC信号に番組送出Aの番組情報送出時刻情報の他に、コンテンツタイプ情報を格納する。
【0080】
受信機130は、第1の実施形態の受信機120と同様である。ただし、受信機130は、制御プログラム445を含む。
【0081】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0082】
図4に示すように、まず、AC送出手段102は、AC411に番組送出Aの番組情報送出時刻情報、及び番組のコンテンツタイプを示すコンテンツタイプ情報を格納する。そして、AC411を含む放送TS410を送出する。
【0083】
AC受信手段122は、AC411を受信し、番組送出Aの番組情報送出時刻情報及びコンテンツタイプ情報を取得する。
【0084】
制御プログラム445は、受信機130を利用するユーザの情報を含むユーザ情報444と、コンテンツタイプ情報とをもとに、コンテンツタイプ情報が示すコンテンツタイプが、ユーザが受信対象とするコンテンツ、つまり、対象コンテンツであるか否かを判定する。なお、ユーザ情報444は、受信機130が備える記憶手段(図示せず)に予め記憶される。制御プログラム445は、受信機130が備えるCPUによって実現される。
【0085】
制御プログラム445が対象コンテンツであると判断した場合には、受信機130は、番組送出A受信手段125を起動させる。そして、番組送出A受信手段125は、番組送出Aの番組情報送出時刻情報に合わせて、番組送出Aにもとづくデータである番組送出A421を受信し、直近の数番組情報及び番組送出Bの番組情報送出時刻情報を取得する。
【0086】
コンテンツタイプ情報には、例えば、「スポーツ」などが設定される。その場合、「スポーツ」が対象コンテンツであるときに、受信機130は、番組送出Aの番組情報送出時刻情報に合わせて、番組送出A受信手段125などを起動させる。
【0087】
なお、その他の動作については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0088】
以上に説明したように、本実施形態では、送信装置が、AC信号にコンテンツタイプ情報を付加して送信する。そのため、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、番組情報を一般の人向けやある特定の人向けに区別して配信することができる。従って、国や地方自治体などが、特定の人向けに番組情報を配信したりすることができる。
【0089】
また、受信機は、コンテンツタイプ情報が対象コンテンツであると判断した場合に、番組情報の受信動作を開始するので、受信機の消費電力をさらに低減させることができる。
【0090】
実施形態4.
以下、本発明の第4の実施形態を図面を参照して説明する。
【0091】
図5は、情報配信システムの第4の実施形態の動作を示す説明図である。
【0092】
送出装置100および受信機130の構成は、第3の実施形態と同様である。
【0093】
ただし、送出装置100のAC送出手段102は、AC信号に番組送出Aの番組情報送出時刻情報の他に、対象端末情報を格納する。
【0094】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0095】
図5に示すように、AC送出手段102は、AC511に番組送出Aの番組情報送出時刻情報及び対象端末情報を格納する。そして、AC511を含む放送TS510を送出する。対象端末情報は、番組情報の配信対象とする端末を指定するための情報である。対象端末情報は、例えば、対象とする端末の個体を指定する情報や、対象とする端末のクラスを指定する情報である。クラスは、配信対象のカテゴリである。例えば、配信対象が市町村ごとに区分されている場合には、クラスとして「X市情報配信端末」などを指定する。
【0096】
AC受信手段122は、AC511を受信し、番組送出Aの番組情報送出時刻情報及び対象端末情報を取得する。
【0097】
制御プログラム445は、端末情報544と対象端末情報とをもとに、受信機130が番組情報の受信対象の端末、つまり、対象端末であるか否かを判定する。なお、端末情報544は、受信機130が備える記憶手段(図示せず)に予め記憶される。
【0098】
制御プログラム445が対象端末であると判断した場合には、受信機130は、番組送出A受信手段125を起動させる。そして、番組送出A受信手段125は、番組送出Aの番組情報送出時刻情報に合わせて、番組送出Aにもとづくデータである番組送出A521を受信し、直近の数番組情報及び番組送出Bの番組情報送出時刻情報を取得する。
【0099】
なお、その他の動作については、第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
以上に説明したように、本実施形態では、送信装置が、AC信号に対象端末情報を付加して送信する。そのため、特定の端末に対して番組情報などを配信することができるので、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】
図6は、本発明による情報配信システムの主要部を示すブロック図である。図6に示すように、情報配信システムは、デジタル放送におけるAC信号(図1に示すAC112に相当。)と配信情報(番組送出Aおよび番組送出Bにもとづくデータに相当。)とを送出する送出手段11(図1に示す送出装置100におけるAC送出手段102、番組送出A送出手段105および番組送出B送出手段106に相当。)を備えた送出装置10(図1に示す送出装置100に相当。)と、送信装置10と通信可能な受信機20(図1に示す受信機120に相当。)とを含み、受信機20は、AC信号を受信するAC信号受信手段21(図1に示す受信機120におけるAC受信手段122に相当。)と、配信情報を受信する配信情報受信手段22(図1に示す受信機120における番組送出A受信手段125および番組送出B受信手段126に相当。)と、配信情報受信手段22の起動および停止を制御する起動手段23(図1に示す受信機120における制御部に相当。)と備え、送出手段11は、AC信号に配信情報の送信時刻情報を格納して送出し、AC受信手段21は、受信したAC信号から送信時刻情報を取得し、起動手段23は、送信時刻情報に応じて、配信情報受信手段22を起動する。
【0102】
上記の実施形態には、以下のような情報配信システムも開示されている。
【0103】
(1)起動手段は、配信情報受信手段の受信動作が完了したら、配信情報受信手段を停止する情報配信システム。
【0104】
(2)受信機20は、判定手段(図4に示す受信機130における制御プログラム445に相当。)を備え、送出手段11は、コンテンツタイプ情報を含むAC信号を送出し、AC受信手段21は、受信したAC信号からコンテンツタイプ情報を取得し、判定手段は、ユーザ情報を記憶し、コンテンツタイプ情報とユーザ情報(図4に示すユーザ情報444に相当。)とをもとに、配信情報を受信するか否かを判定し、起動手段23は、判定手段の判定結果にもとづいて、配信情報受信手段22を起動する情報配信システム。
【0105】
(3)送出手段11は、対象端末情報を含むAC信号を送出し、AC受信手段21は、受信したAC信号から対象端末情報を取得し、判定手段は、端末情報(図5に示す端末情報445に相当。)を記憶し、対象端末情報と端末情報とをもとに、配信情報を受信するか否かを判定する情報配信システム。
【0106】
(4)配信情報が、番組情報を含む情報配信システム。
【0107】
(5)配信情報が、地震情報および津波情報を含む情報配信システム。
【符号の説明】
【0108】
10、100、600 送出装置
11 送出手段
20、120、130、630 受信機
21 AC信号受信手段
22 配信情報受信手段
23 起動手段
101 送出部
102 AC送出手段
103 MPEG−2 TS送出手段
104 MPEG−2 TSマックス手段
105、601 番組送出A送出手段
106、602 番組送出B送出手段
110、210、220、230、310、320、330、410、420、430、510、520、530、610、620 放送TS
111 MPEG−2 TS
112、211、311、411、511、521 AC
121 チューナ部
122 AC受信手段
123 MPEG−2 TS受信手段
124 MPEG−2 TSデマックス手段
125、631 番組送出A受信手段
126、632 番組送出B受信手段
221、321、421、521、611 番組送出A
231、331、621 番組送出B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送におけるAC信号と配信情報とを送出する送出手段を備えた送出装置と、前記送信装置と通信可能な受信機とを含み、
前記受信機は、
AC信号を受信するAC信号受信手段と、
配信情報を受信する配信情報受信手段と、
前記配信情報受信手段の起動および停止を制御する起動手段と備え、
前記送出手段は、AC信号に配信情報の送信時刻情報を格納して送出し、
前記AC信号受信手段は、受信した前記AC信号から前記送信時刻情報を取得し、
前記起動手段は、前記送信時刻情報に応じて、前記配信情報受信手段を起動する
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
起動手段は、配信情報受信手段の受信動作が完了したら、前記配信情報受信手段を停止する
請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
受信機は、判定手段を備え、
送出手段は、コンテンツタイプ情報を含むAC信号を送出し、
AC信号受信手段は、受信した前記AC信号から前記コンテンツタイプ情報を取得し、
前記判定手段は、ユーザ情報を記憶し、前記コンテンツタイプ情報と前記ユーザ情報とをもとに、配信情報を受信するか否かを判定し、
前記起動手段は、前記判定手段の判定結果にもとづいて、前記配信情報受信手段を起動する
請求項1または請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
送出手段は、対象端末情報を含むAC信号を送出し、
AC信号受信手段は、受信した前記AC信号から前記対象端末情報を取得し、
判定手段は、端末情報を記憶し、前記対象端末情報と前記端末情報とをもとに、配信情報を受信するか否かを判定する
請求項3に記載の情報配信システム。
【請求項5】
配信情報が、番組情報を含む
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の情報配信システム。
【請求項6】
配信情報が、地震情報および津波情報を含む
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の情報配信システム。
【請求項7】
デジタル放送におけるAC信号と配信情報とを送出する送出装置が、
AC信号に配信情報の送信時刻情報を格納して送出し、
受信機が、
前記AC信号を受信し、
受信した前記AC信号から前記送信時刻情報を取得し、
前記送信時刻情報に応じて、配信情報を受信するための電力供給を開始する
ことを特徴とする情報配信方法。
【請求項8】
受信機が、
配信情報の受信が完了したときに、前記配信情報を受信するための電力供給を停止する
請求項7に記載の情報配信方法。
【請求項9】
送信装置が、
コンテンツタイプ情報を含むAC信号を送出し
受信機が、
前記AC信号を受信し、
受信した前記AC信号から前記コンテンツタイプ情報を取得し、
前記コンテンツタイプ情報と、予め記憶したユーザ情報とをもとに、配信情報を受信するか否かを判定し、
前記判定の結果にもとづいて、前記配信情報を受信するための電力供給を停止する
請求項7または請求項8に記載の情報配信方法。
【請求項10】
送信装置が、
端末情報を含むAC信号を送出し
受信機が、
前記AC信号を受信し、
受信した前記AC信号から前記端末情報を取得し、
前記端末情報と、予め記憶した対象端末情報とをもとに、配信情報を受信するか否かを判定し、
前記判定の結果にもとづいて、前記配信情報を受信するための電力供給を停止する
請求項7から請求項9のうちのいずれか1項に記載の情報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−115645(P2013−115645A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260604(P2011−260604)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】