説明

情報配信システム及び情報配信方法

【課題】現在地情報が変動する移動型受信装置であっても、IP配信の視聴制限を適正に決定する。
【解決手段】移動型受信装置5Bは、通信網10を経由して放送局ポータルサーバ4から提供されるコンテンツを受信する場合に、衛星から受信した信号によって現在の位置情報を検出し、受信開始時及び受信開始後の適時に、位置情報に対応する郵便番号と共に受信対象の放送局情報を放送局ポータルサーバ4に送信し、放送局ポータルサーバ4からコンテンツが配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、通信網10を経由してコンテンツを受信させ、放送局ポータルサーバ4からコンテンツの配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、通信網10を経由した受信を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システム及び情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送やラジオ放送のコンテンツの配信には、地上アナログ放送、地上デジタル放送、FMラジオ放送等の電波を介して放送を行う放送波型放送や、敷設した専用のケーブルを介したケーブル型放送がある。さらに、近年、インターネット等のIP(Internet Protocol)通信網を介して放送を行うIP型放送が注目されている。
【0003】
IP型放送は、放送型放送に比較して高品質のコンテンツが得られる上、電話回線を利用したADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)技術や光ファイバーによる光通信等によるブロードバンド接続によって、現存する資源を有効に活用して、コンテンツを受信できるという利点がある。
【0004】
一般に、IP型放送における放送型のコンテンツ配信(以下、「IP配信」という)は、受信地域を限定して行われる。すなわち、受信装置が設置されている地理的な情報に基づいて、IP配信又はその視聴を許可又は禁止する。例えば、特許文献1には、受信機の現在地の情報に基づいてIP配信の視聴を許可又は禁止するIP型放送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−071935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両に搭載された受信装置や携帯型受信装置(以下、「移動型受信装置」という)は、その位置が変化する。このため、IP配信の視聴が許可されている地域で放送の受信を開始し、その後、視聴が禁止されている地域に移動することがある。このような場合、本来であれば、視聴が禁止されている地域に移動した時点で視聴を禁止すべきである。しかし、特許文献1に開示されている手法では、視聴が許可された地域で受信を開始した放送コンテンツを、視聴が禁止されている地域に移動した後でも継続して受信・再生することができる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、視聴が禁止されているエリアに移動した受信装置による配信コンテンツの視聴制限を適切に行うことができる情報配信システム及び情報配信方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、移動型受信装置であっても、IP配信の視聴制限を適正に決定することができる情報配信システム及び情報配信方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る情報配信システムは、
放送局から提供されたコンテンツを、通信網を経由して提供する放送局ポータルサーバと、
前記放送局ポータルサーバから送信されたコンテンツを、前記通信網を経由して受信する移動型受信装置と、を備え、
前記移動型受信装置は、
前記通信網を経由して前記放送局ポータルサーバと通信する通信部と、
現在位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部によって検出された現在位置が属す地域を示す地域情報を記憶する記憶部と、
前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
コンテンツを受信する際に、前記通信部を制御し、前記記憶部に記憶された前記地域情報と共に放送局を特定する放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、
送信した前記地域情報及び前記放送局情報に応答して、前記放送局ポータルサーバからコンテンツを配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合、前記通信部を制御して、前記放送局ポータルサーバより、送信した放送局情報で特定される放送局のコンテンツを、前記通信網を経由して受信し、
コンテンツ受信開始後の所定のタイミングで、前記通信部を制御し、前記記憶部に記憶されている地域情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、
送信した前記地域情報に応答して、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を継続し、前記放送局ポータルサーバから配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を停止し、
前記放送局ポータルサーバは、
前記移動型受信装置から送信された前記地域情報と前記放送局情報に適合する放送局のコンテンツの配信が可能か否かを判別して、配信可能か配信不可かを示す配信判別情報を設定する配信可否判別部と、
前記配信可否判別部によって設定された配信判別情報を前記移動型受信装置に送信する通信制御部と、を有する、
ことを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、例えば、前記地域情報と放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信したときの現在位置を記憶するメモリを備え、前記メモリに記憶している位置情報で特定される位置と前記位置検出部によって検出される現在位置とが所定の条件を充足するときに、前記地域情報を前記放送局ポータルサーバに送信する。
【0010】
例えば、前記所定の条件の1つは、前記メモリに記憶している位置情報で特定される位置と前記位置検出部によって検出された現在位置との距離が、所定の基準値よりも大きくなることである。
【0011】
前記制御部は、例えば、前記配信許可を示す情報を前記放送局ポータルサーバより受信したことに応答して、前記メモリに記憶されている位置情報を前記位置検出部が検出した現在位置を示す位置情報に更新する。
【0012】
例えば、複数の位置を特定する位置情報と各位置が属す地域を特定する地域情報とを対応付けて記憶する位置情報変換データベースと、前記移動型受信装置から送信された位置情報から、前記位置情報変換データベースを参照して、その位置情報に対応する地域情報を特定する地域特定処理部と、前記地域特定処理部によって特定された地域情報を前記移動型受信装置に送信する通信制御部と、を有する放送局管理サーバを前記通信網上にさらに備え、前記移動型受信装置の制御部は、前記位置検出部によって検出された現在位置を示す位置情報を前記放送局管理サーバに送信し、前記記憶部は、前記放送局管理サーバから送信された地域情報を記憶する、ように構成してもよい。
【0013】
前記制御部は、例えば、前記放送局ポータルサーバに、移動型受信装置であることを識別するための装置情報を送信し、前記放送局管理サーバは、通信網を介して前記装置情報を受信し、受信した装置情報に基づいて、受信装置が移動型であるか否かを判別し、移動型であると判別したとき、前記通信処理部は、送信する地域情報に移動監視距離を付与し、前記移動型受信装置の前記記憶部は、前記放送局管理サーバから送信された前記移動監視距離及び前記位置検出部によって検出された位置情報を記憶し、前記移動型受信装置の前記制御部は、前記位置検出部によって一定期間ごとに又は特定の事象に起因して検出される位置情報と前記記憶部に記憶された前記位置情報とが所定の条件を充足するか否かを判別し、充足すると判別したときは、前記位置情報検知部により検出された位置を示す位置情報を、前記放送局ポータルサーバに送信することにより配信判別情報の送信を要求する。
【0014】
例えば、前記放送局ポータルサーバの前記配信可否判別部は、前記地域情報及び前記放送局情報と共に受信装置の受信性能を示す機器情報を受信したときは、前記放送局情報に基づいて前記地域情報における受信条件を取得し、前記受信性能が前記受信条件を満たすか否かを判別して、前記受信性能が前記受信条件を満たすと判別した場合には、放送情報が配信可能である旨の配信判別情報を設定する。
【0015】
前記放送局ポータルサーバの前記配信可否判別部は、受信性能が前記受信条件を満たさないと判別した場合に、前記地域情報が示す地域が予め設定されている難視聴地域に該当するか否かを判別し、前記地域情報が難視聴地域でないと判別した場合には、放送情報が配信可能である旨の配信判別情報を設定し、前記地域情報が難視聴地域であると判別した場合には、放送情報の配信禁止地域である旨の配信判別情報を設定する。
【0016】
前記放送局ポータルサーバの前記配信可否判別部は、受信した前記地域情報及び前記放送局情報に基づいて、前記地域情報が示す地域が難視聴地域に該当しないと判別した場合に、受信感度情報の送信が必要である旨の判別結果を前記通信制御部により前記移動型受信装置に送信し、前記移動型受信装置から受信感度情報および機器情報が送信されたときは、その受信感度情報および機器情報に基づいて放送情報が配信可能である旨又は配信禁止地域である旨の配信判別情報を設定して前記通信制御部により前記移動型受信装置に送信する。
【0017】
例えば、前記放送局ポータルサーバの前記通信制御部は、前記通信網を介して前記地域情報、前記放送局情報及び前記機器情報を受信したときは、前記放送局情報及び前記機器情報を所定の放送局管理サーバに送信して配信可否判別処理を委託し、前記放送局管理サーバから配信可能である旨の配信可否判別結果が送信されたときは、放送情報の配信が可能である旨の配信判別情報を前記移動型受信装置に送信し、前記放送局管理サーバから配信不可地域である旨の配信可否判別結果が送信されたときは、前記配信可否判別部により前記地域情報が難視聴地域でないと判別された場合に、放送情報が配信可能である旨の配信判別情報を前記移動型受信装置に送信し、前記配信可否判別部により前記地域情報が難視聴地域であると判別された場合に、放送情報が配信禁止地域である旨の配信判別情報を前記移動型受信装置に送信する。
【0018】
前記放送局ポータルサーバにおいて、前記通信制御部は、前記移動型受信装置から前記地域情報及び前記機器情報が送信されたときは、前記配信可否判別部により前記地域情報が難視聴地域であると判別された場合には、受信感度情報の送信を必要とする旨の判別結果を前記受信装置に送信し、前記受信装置から受信感度情報および前記機器情報が送信されたときは、前記受信感度情報および前記機器情報を前記放送局管理サーバに送信して配信可否判別処理を委託し、前記放送局管理サーバから送信された配信可否判別結果によって、放送情報が配信可能である旨又は放送情報が配信禁止地域である旨の配信判別情報を前記移動型受信装置に送信する。
【0019】
本願発明に係る受信装置は、例えば、放送局ポータルサーバから、通信網を経由して配信されるコンテンツを受信する受信装置であって、前記通信網を経由して前記放送局ポータルサーバと通信する通信部と、現在位置の地域情報を記憶する記憶部と、コンテンツを受信するときに、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶された前記地域情報と放送局を特定する放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記通信部を介して、前記放送局ポータルサーバより送信されるコンテンツを受信し、コンテンツ受信開始後の所定のタイミングで、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶されている地域情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を継続し、前記放送局ポータルサーバから配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記コンテンツの受信を停止する、制御部と、を備える。
【0020】
また、この発明に係るコンテンツ受信方法は、
現在位置が属す地域を特定する地域情報記憶し、
記憶した前記地域情報と受信対象の放送局を特定する情報を、通信網を介して、放送局ポータルサーバのアドレスに送信し、
前記放送局ポータルサーバからコンテンツが配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記通信網を経由して前記コンテンツを受信し、
コンテンツの受信開始後に、その時点の地域情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、送信した前記地域情報に応答して、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を継続し、前記放送局ポータルサーバから配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記コンテンツの受信を停止する、
ことを特徴とする。
【0021】
また、この発明に係るコンピュータプログラムは、通信機能を有するコンピュータを、放送局ポータルサーバから、通信網を経由して配信されるコンテンツを受信する受信装置として動作させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
現在位置を示す位置情報を取得する機能と、
コンテンツを受信するときに、位置情報と放送局を特定する放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバより前記通信網を経由して送信した放送局情報で特定される放送局のコンテンツを受信する機能と、
コンテンツ受信開始後の所定のタイミングで、位置情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を継続し、前記放送局ポータルサーバから配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記コンテンツの受信を停止する制御機能と、
を実現させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の情報配信システム及び情報配信方法によれば、受信が禁止されているエリアに移動した受信装置による配信コンテンツの視聴制限を適切に行うことができる。
また、本発明の情報配信システム及び情報配信方法によれば、現在地情報が変動する移動型受信装置であっても、IP配信の視聴制限を適正に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1における情報配信システムの概要を示す図である。
【図2】図1に示した放送局の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した放送局管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図4】図3の位置情報変換DBの構成例を示す図であり、(A)は固定受信装置用、(B)は移動型受信装置用の情報の例である。
【図5】図3の全放送局情報DBを構成するテーブルの例を示す図であり、(A)は放送局管理テーブル、(B)は視聴エリア管理テーブルの例を示す。
【図6】図3のチューナIC情報DBの構成例を示す図である。
【図7】図1に示した放送局ポータルサーバの構成を示すブロック図である。
【図8】図7の放送局情報DBを構成するテーブル例を示す図であり、(A)は、配信可能局テーブルの例、(B)は配信可能局視聴エリア管理テーブルの例、(C)はエリア区分テーブルの例を示す。
【図9】図1に示した移動型受信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図10】図1の情報配信システムのコンテンツ配信の手順を示すフローチャートである。
【図11】緯度経度変換処理及び地域特定処理のフローチャートである。
【図12】郵便番号と緯度経度との関係を説明するための図である。
【図13】移動型受信装置の選局処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】移動監視処理のフローチャートである。
【図15】移動監視範囲を説明するための図である。
【図16】実施形態1における移動型受信装置と放送局ポータルサーバとの間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。
【図17】実施形態2における移動型受信装置と放送局ポータルサーバとの間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。
【図18】実施形態3における移動型受信装置と放送局ポータルサーバとの間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。
【図19】実施形態4における移動型受信装置と放送局ポータルサーバとの間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態1乃至実施形態4における情報配信システム及び情報配信方法について、図面を参照して説明する。
【0025】
(実施形態1)
1.情報配信システムの概要
実施形態1に係る情報配信システム1は、図1に示すように、放送局2、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4、固定(据置き)型受信装置5A、移動型受信装置5B、及び通信網10、から構成される。なお、以下、固定型受信装置5Aと移動型受信装置5Bを総称して受信装置5と呼ぶ。
【0026】
放送局(放送システム)2は、複数の放送情報(以下、「コンテンツ」と称する)を担う放送波(例えば、地上波デジタル放送の電波、FMラジオ放送の電波、AMラジオ放送の電波)をアンテナ2aから送信する装置である。放送局2は、ケーブル等の通信回線又は無線通信回線によって通信網10に接続されている。放送局2の詳細は後述する。
【0027】
放送局管理サーバ3は、受信装置5からの問い合わせに応じて、受信対象の放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4の接続情報(URL等)を提供する。
【0028】
放送局ポータルサーバ4は、受信装置5からのコンテンツ配信の要求に応答して、受信装置5が、そのコンテンツの視聴を許可されているか否かを、地理的条件に基づいて判別し、許可されていると判別した場合に、要求されたコンテンツを、通信網10経由で、受信装置5A又は5Bに配信(送信)する。
ここで、放送局ポータルサーバ4から配信されるコンテンツは、例えば、i)放送局2が電波放送するコンテンツと同一のコンテンツ、ii)放送局2が電波放送するコンテンツに関連するコンテンツ、iii)放送局2が電波放送するコンテンツとは直接の関係が無い独自のコンテンツ、等である。
また、地理的条件とは、例えば、i)受信装置5が、放送局2の放送電波を受信できるエリア内にいること、ii)受信装置5が、特定の国、或いは、都道府県に位置していること、等である。
【0029】
放送局ポータルサーバ4は、複数の放送局のコンテンツ、これらのコンテンツに関連するコンテンツを配信することも可能である。
【0030】
固定型受信装置5Aは、放送局2のアンテナ2aから送信される放送波を受信して、所望のコンテンツを取得する。また、固定型受信装置5Aは、光ファイバケーブル等の汎用の通信回線によって通信網10に接続され、通信網10経由で放送局ポータルサーバ4から所望のコンテンツを取得する。
【0031】
一方、移動型受信装置5Bは、携帯電話やカーナビゲーション等の可搬型の受信装置である。移動型受信装置5Bは、放送局2のアンテナ2aから送信される放送波をアンテナ5bを介して受信して、所望のコンテンツを取得する。また、移動型受信装置5Bは、アンテナ5b、無線LAN等の無線通信回線を介して通信網10上の基地局10aに接続されている。移動型受信装置5Bは、無線LAN等の通信回線、基地局10aを介して、通信網10経由で放送局ポータルサーバ4から所望のコンテンツを受信する。
【0032】
通信網10は、例えば、TCP/IP[登録商標](Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルを利用したインターネット、CATV(Common Antenna TeleVision)、専用線、VPN(Virtual Private Network)、WAN(Wide local Area Network)、移動体通信網等のいずれか、又はこれらの組合せによる通信網で構成される。通信網10上には、移動型受信装置5Bとの間で無線通信回線を構成する基地局10aが配置されている。
【0033】
2.放送局2の詳細
次に、放送局2の構成について説明する。
放送局(放送システム)2は、自己に割り当てられた所定周波数の電波を介して、地上波デジタル放送やFMラジオ放送等のコンテンツを配信する装置である。放送局2は、図2に示すように、コンテンツストリーム作成部21、EPG(Electronic Program Guide)情報作成部22(地上波デジタル放送の場合)、データ放送作成部23、MUX(MUltipleXer)部24、放送用コンテンツDB(Data Base)25、放送用スケジュールDB26、及びデータ放送コンテンツDB27を有する。
【0034】
コンテンツストリーム作成部21、EPG情報作成部22、データ放送作成部23、及びMUX部24は、ハードウェア又はソフトウェアの構成要素として制御部28に含まれている。制御部28は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムメモリ、ワークメモリ等で構成され、プログラムメモリにインストールされているプログラムを実行することにより、コンテンツストリーム作成部21、EPG情報作成部22、データ放送作成部23、及びMUX部24として機能する。
【0035】
放送用コンテンツDB25、放送用スケジュールDB26、及びデータ放送コンテンツDB27は、記憶部29の記憶エリアによって構成されている。記憶部29は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成されている。放送用コンテンツDB25は、映像データ及び音声データ等を含む地上波デジタル放送の放送用コンテンツの元になる情報を記憶している。放送用スケジュールDB26は、年月日及び時刻に対応する電波放送の番組のスケジュールデータを記憶している。データ放送コンテンツDB27は、データ放送のコンテンツを複数記憶している。
【0036】
コンテンツストリーム作成部21は、放送用コンテンツDB25を参照して、電波放送用コンテンツを作成する。本実施形態においては、コンテンツストリーム作成部21は、MPEG2(Moving Picture Experts Group 2)規格に準拠して、放送用コンテンツを、符号化及び多重化し、コンテンツの映像データ、音声データ等を符号化したES(Elementary Stream)を生成する。そして、コンテンツストリーム作成部21は、生成したESを、意味のある単位ごとにパケット化して、PES(Packetized Elementary Stream)を生成する。更に、コンテンツストリーム作成部21は、生成したPESを分割し、TS(Transport Stream)パケットを生成する。
【0037】
コンテンツストリーム作成部21は、各TSパケットのヘッダに、PID(Packet IDentification)と称する13ビットのパケット識別子を付与する。PIDには、各TSパケットのデータが、放送用コンテンツのうち映像データ、音声データ、制御データ、及びその他のデータのいずれであるかを識別するための制御データを含める。
【0038】
この制御データは、SI/PSI(Service Information/Program Specific Information)と称される。SI/PSIのSIは、EPG情報を作成するために必要な情報を含む制御データである。また、SI/PSIのPSIは、基本的な制御をするための情報を含む制御データである。
【0039】
さらに、コンテンツストリーム作成部21は、不正視聴を防止するために、暗号化処理(これを「スクランブル処理」と称する)をTSに施す。スクランブル処理の方式として、例えば、Multi 2が採用される。Multi 2は、デジタルデータを暗号化するアルゴリズムであり、BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送や地上波デジタル放送などに広く採用されている既知のスクランブル方式である。
【0040】
EPG情報作成部22は、放送用スケジュールDB26を参照して、年月日及び時刻に対応する放送番組表のデータを作成する。
【0041】
データ放送作成部23は、データ放送コンテンツDB27を参照して、例えば、天気予報や番組に関連した情報等のデータ放送コンテンツを作成する。また、これらの情報以外にも、データ放送作成部23は、インターネット上のアクセス情報として、放送用ポータルサーバ4が提供するURL(Uniform Resource Locator)情報、及び、サーバを介さずに直接通信する方式であるP2P(Peer to Peer)を利用する検索クエリ情報を作成する。
【0042】
コンテンツストリーム作成部21で作成された放送コンテンツ、EPG情報作成部22で作成されたEPG情報、及びデータ放送作成部23で作成されたデータ放送番組コンテンツのデータは、MUX部24に入力される。MUX部24は、これらのデータを多重化して放送データDを生成する。多重化された放送データDは、放送局2のアンテナ2aからの放送波により放送される。また、IP配信対象の放送データDは放送用ポータルサーバ4にも、例えば、通信網10を経由して、送信される。
【0043】
3.放送局管理サーバ3の詳細
次に、図1に示した放送局管理サーバ3について説明する。放送局管理サーバ3は、図3に示すように、機器認証部31、地域特定処理部32、ポータルサーバ特定部33、通信制御部34、位置情報変換DB35、全放送局情報DB36、及びチューナIC(Integrated Circuit)情報DB37を有する。
【0044】
機器認証部31、地域特定処理部32、ポータルサーバ特定部33、及び通信制御部34は、ハードウェア又はソフトウェアの構成要素として制御部38に含まれている。制御部38は、CPU、プログラムメモリ、ワークメモリ等で構成され、プログラムメモリにインストールされているプログラムに従って、放送局管理サーバ3の全体又は一部を制御する。
【0045】
位置情報変換DB35、全放送局情報DB36、及びチューナIC情報DB37は、記憶部39の記憶エリアによって構成されている。記憶部39は、HDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成されている。
【0046】
機器認証部31は、専用のプログラムやハードウェアデバイス等で構成され、受信装置5が情報配信システム1において正当に登録されている機器であるか否かを認証する。本実施形態の情報配信システム1においては、例えば、認証のために1回だけ使用できる「使い捨てパスワード」であるワンタイムパスワードと同様のタイムスタンプ方式、又はチャレンジレスポンス方式等により、ワンタイムデバイスIDとして予め発行できる共通の仕組みを受信装置5及び機器認証部31にそれぞれ構築する。機器認証部31は、ワンタイムデバイスIDの照合に基づいて受信装置5を認証する。
【0047】
地域特定処理部32は、専用のプログラムやハードウェアデバイス等で構成され、固定型受信装置5Aが設置されている地域を特定する。しかし、移動型受信装置5Bの場合には、固定した地域に設置されていないので、移動型受信装置5Bからの配信要求があるごとに、適宜その現在位置の地域を特定する。固定型受信装置5A及び移動型受信装置5Bについての地域特定処理については後述する。
【0048】
ポータルサーバ特定部33は、専用のプログラムやハードウェアデバイス等で構成され、受信装置5から受信した配信要求に係る放送の周波数情報から、その周波数情報の放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4を特定する。そして、ポータルサーバ特定部33は、特定した放送局ポータルサーバ4の接続情報を受信装置5に送信する。
【0049】
通信制御部34は、通信網10経由で、受信装置5、放送局ポータルサーバ4及びその他の外部機器との間の通信を制御する通信インタフェースである。
【0050】
位置情報変換DB35は、IP(Internet Protocol)アドレス、郵便番号、住所等の位置情報から固定型受信装置5Aの位置を特定するための情報を記憶するデータベースである。位置情報変換DB35は、固定型受信装置5A用に、例えば、図4(A)に示すように、「IPアドレス」、「都道府県コード」、「市区町村コード」、「郵便番号」、「都道府県名」、「市区町村名」、「町域名」を記憶している。
【0051】
ここで、「IPアドレス」は、TCP/IPの通信プロトコルに準拠した通信を行う場合に、送信元及び受信先としての固定型受信装置5Aを特定するために割り振られているアドレスである。また、「都道府県コード」は、固定型受信装置5Aの設置位置の都道府県を一義的に識別するコードである。「市区町村コード」は都道府県コードとの組合せによって設置位置の市町村を特定するコード、「郵便番号」は設置位置の郵便番号、「都道府県名」は設置位置の都道府県名、「市区町村名」は設置位置の市町村名、「町域名」は、設置位置の町域名示す。
固定型受信装置5Aの場合、図4(A)に示すように、IPアドレスとそのIPアドレスが割り当てられた固定型受信装置5Aの設置場所の情報とを予め対応付けておくことによって、都道府県コード、市区町村コード、郵便番号、都道府県名、市区町村名、町域名等(これらを「地域情報」という)が一義的に特定される。なお、図4に示すIPアドレス単位で地域を特定する方法以外に、ネットワークアドレス単位等の所定の範囲ごとに地域を特定するデータベースを記憶する構成でもよい。
なお、移動型受信装置5Bの場合には、移動するため、IPアドレスによって都道府県コード等の地域を特定することはできないので、GPS等から取得した緯度経度を基に地域を特定する。そこで、位置情報変換DB35は、移動型受信装置5B用に、例えば、図4(B)に示すように、任意野市の「緯度」と「経度」の組と、その位置が属す地域に割り当てられた郵便番号とを対応付けて記憶している。地域情報を特定する具体的な方法については、後述する。
【0052】
図3に示す全放送局情報DB36は、情報配信システム1に収容されている全ての放送局2に関するデータを記憶するデータベースである。例えば、放送局2がFMラジオ放送局の場合には、全放送局情報DB36は、図5に示すように、図5(A)に例示する放送局管理テーブルと図5(B)に例示する視聴エリア管理テーブルを格納する。
【0053】
図5(A)の放送局管理テーブルには、「放送局ID」、「放送局名」、「コールサイン」、「放送局ポータルサーバURL」が記憶されている。「放送局ID」は、情報配信システム1内において、放送局2の放送波の周波数によって放送局ポータルサーバ4を一義的に識別するコードを含む。「放送局名」は、放送局ポータルサーバ4を特定する放送局名を含むが含まれている。コールサインのデータには、国際電気通信条約に基づいて発行されている放送局ポータルサーバ4の識別番号が含まれている。放送局ポータルサーバURLのデータには、放送局ポータルサーバ4のURLが含まれている。したがって、放送局IDを参照することによって、すなわち放送局IDを外部キーとして、その放送局IDに関連付けられている放送局名、コールサイン、放送局ポータルサーバ4のURLを一意に決定することができる。
【0054】
図5(B)の視聴エリア管理テーブルには、「都道府県コード」、「市区町村コード」、「郵便番号」、「周波数」、「放送局ID」が記憶されている。「都道府県コード」は、都道府県を一義的に識別できるコードを含む。「市区町村コード」は、都道府県コードとの組合せによって市区町村を一義的に識別できるコードを含む。「郵便番号」は、都道府県コード及び市区町村コードによって一義的に決定される郵便番号である。「周波数」は、都道府県コード及び市区町村コードによって一義的に決定される地域において受信可能な放送波の周波数を含む。「放送局ID」は、情報配信システム1内において、放送局2の周波数によって放送局ポータルサーバ4を一義的に識別するコードを含む。
【0055】
図5(A)のテーブルと図5(B)のテーブルとは、放送局IDによって関連付けがなされている。
【0056】
図3のチューナIC情報DB37は、情報配信システム1において使用されている受信装置5のチューナを特定するための情報を記憶する。この情報は、図6に示すように、「チューナ情報」、「受信装置メーカコード」、「受信装置型番」、「チューナ製造メーカ名」、「チューナ型番」、「チューナファームバージョン」、「受信レベル算出用計数」等を含む。
【0057】
「チューナ情報」は、受信装置5のチューナを識別する識別情報を含む。「受信装置メーカコード」は、受信装置5の製造メーカを識別する識別情報を含む。「受信装置型番」は、受信装置5の型番を識別する識別情報を含む。「チューナ製造メーカ名」は、チューナの製造メーカを識別する識別情報を含む。「チューナ型番」は、チューナの型番を識別する識別情報を含む。「チューナファームバージョン」は、受信装置5のチューナについてのファームウェアのバージョン情報を含む。「受信レベル算出用計数」は、チューナに関する各種パラメータの特性に応じて算出される受信レベルの変換計数を含む。
【0058】
したがって、チューナ情報を特定すれば、チューナIC情報DB37を参照して、受信装置メーカコード、受信装置型番、チューナ製造メーカ名、チューナ型番、チューナファームバージョン、及び受信レベル算出用計数を一意に特定することができる。
【0059】
4.放送局ポータルサーバ4の詳細
次に、図1の放送局ポータルサーバ4について説明する。放送局ポータルサーバ4は、図7に示すように、配信可否判別部41、コンテンツ生成部42、通信制御部43、放送局情報DB44、コンテンツDB45、チューナIC情報DB46を有する。
【0060】
配信可否判別部41、コンテンツ生成部42、通信制御部43は、ハードウェア又はソフトウェアの構成要素として制御部47に含まれている。制御部47は、CPU、プログラムメモリ、ワークメモリ等で構成され、プログラムメモリにインストールされているプログラムに従って、放送局ポータルサーバ4の全体又は一部を制御する。
【0061】
放送局情報DB44、コンテンツDB45、チューナIC情報DB46は、記憶部48の記憶エリアによって構成されている。記憶部48は、HDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成されている。
【0062】
配信可否判別部41は、専用のプログラム又はハードウェアデバイス等によって構成され、任意の受信装置5からコンテンツ配信要求があったときは、放送局情報DB44等を参照して、通信網10を経由したコンテンツ配信を許可するか否かの判別を行う。配信可否判別部41は、通信網10を経由したコンテンツ配信ができないと判別したときは、その判別結果を受信装置5に対して送信する。配信可否判別部41は、通信網10を経由したコンテンツ配信ができると判別したときは、その判別結果を受信装置5に対して送信すると共に、受信装置5からのコンテンツ配信要求に応じたコンテンツの作成をコンテンツ作成部42に指示する。
【0063】
コンテンツ生成部42は、配信可否判別部41からコンテンツ作成の指示を受けたときは、コンテンツDB45を参照して、コンテンツ配信要求を行った受信装置5に対して送信すべきコンテンツを作成する。この場合において、コンテンツ生成部42は、コンテンツ配信要求に対応するコンテンツを作成すると共に、そのコンテンツに連動する番組連動型のコンテンツを作成してもよい。
【0064】
通信制御部43は、通信網10を介して受信装置5からのコンテンツ配信要求を受信して配信可否判別部41に送り、コンテンツ生成部42によって生成されたコンテンツを受信装置5に対して送信する通信インタフェースである。
【0065】
放送局情報DB44は、放送局2に関する情報が記憶されているデータベースである。放送局情報DB44のデータベースの情報としては、放送局2の周波数、エリア区分、そのエリア区分における受信レベル条件、放送局ポータルサーバ4が通信網10において提供可能な視聴エリアとなる位置情報その他が含まれている。
【0066】
放送局情報DB44のデータベースは、図8(A)〜図8(C)に示す配信可能局テーブル、配信可能局視聴エリア管理テーブル、エリア区分テーブルを格納する。
【0067】
図8(A)の配信可能局テーブルには、放送局ポータルサーバ4からコンテンツ配信が可能な放送局2の放送局情報(「放送局ID」、「放送局名」、「コールサイン」、「放送局ポータルサーバURL」)が格納されている。すなわち、図8(A)に示す配信可能局テーブルは、図5(A)に示した放送局管理サーバ3の全放送局情報DB36に記憶されているデータベースのテーブルの中で、コンテンツ配信が可能な放送局の情報を選択的に格納している。例えば、図5(A)では、放送局IDが「0x100」、「0x2000」...の放送局2の放送局情報が登録されている。ここで、放送局IDが「0x100」の放送局2のコンテンツ配信のみが可能であれば、図8(A)に示すように、放送局ID「0x100」の放送局情報のみが記憶され、コンテンツ配信が可能でない放送局ID「0x200」...の放送局情報は記憶されていない。
【0068】
一方、図8(B)の配信可能局視聴エリアテーブルには、放送局ポータルサーバ4からコンテンツ配信が可能な放送局2について、その放送局2の放送が聴取可能なエリアの「都道府県コード」、「市区町村コード」、「郵便番号」、「周波数」、「エリア区分」、「放送局ID」が含まれている。すなわち、図8(B)に示すデータベースは、図5(B)に示した放送局管理サーバ3の全放送局情報DB36に記憶されている視聴エリアテーブルの中で、コンテンツ配信が可能な放送局2の情報、「エリア区分」と共に格納されている。
【0069】
例えば、図5(B)では、放送局IDが「0x100」、「0x2000」...の放送局2の情報が登録されている。ここで、放送局IDが「0x100」の放送局2のコンテンツ配信のみが可能であれば、図8(B)に示すように、放送局ID「0x100」の情報のみがエリア区分と共に記憶され、コンテンツ配信ができない放送局2の放送局ID「0x200」...の情報は記憶されていない。図8(A)のテーブル及び図8(B)のテーブルは、放送局IDを外部キーとして関連付けがなされている。
【0070】
エリア区分は、放送局2の周波数の受信状況を判別するためのフラグ(1、0)による1ビットの情報で構成されている。フラグの値が「0」の場合には、受信可能エリア(受信状態が良い地域と推定される放送免許地域)を示している。一方、フラグの値が「1」の場合には、フリンジエリア(受信状態が悪い地域と推定される放送免許地域以外の地域、これを「難聴取地域」という)を示している。ただし、フリンジエリアに位置する受信装置5であっても、その受信装置5の受信性能、特にチューナの受信性能によってはFMラジオ放送の放送波を受信することは可能である。後述するように、本実施形態においては、この難聴取地域でも可能な限り情報配信サービスを行うような構成になっている。
【0071】
図8(C)のエリア区分テーブルは、「エリア区分」と「受信レベル条件」を含む。受信レベル条件には、放送局2から受信するために必要な受信レベル条件の数値(単位は「mV/m」)が記憶されている。エリア区分は、図8(B)のテーブルと図8(C)のテーブルとは、エリア区分を外部キーとして関連付けがなされている。
【0072】
したがって、放送局情報DB44を参照することにより、図8(B)の配信可能局エリア管理テーブルで郵便番号(他の地域情報も同様)及び周波数が特定されたときは、放送局IDを特定することができる。放送局ID(外部キー)を特定することで、図8(A)の配信可能放送局テーブルから放送局ポータルサーバURLを特定することができる。更に、図8(B)の配信可能局エリア管理テーブルで郵便番号及び周波数が特定されたときは、エリア区分(外部キー)によって、図8(C)のエリア区分テーブルから受信レベル条件を取得することができる。
【0073】
図7のコンテンツDB45は、種々のコンテンツが記憶されるデータベースである。コンテンツDB45に記憶されるコンテンツには、受信装置5の配信要求に応じたコンテンツの他に、放送局2が放送する番組に連動しているもの、放送終了後にも接続可能なコンテンツ、受信するエリアが限定されないコンテンツ等がある。例えば、具体的なコンテンツの種類としては、静止画、動画、音声等がある。
【0074】
なお、これらのコンテンツの情報は、例えば、XML(eXtensible Markup Language)やBML(Broadcast Markup Language)等のマークアップ言語で記述されている。なお、放送局2からコンテンツストリーム形式のデータを、そのままコンテンツDB45に記憶して、受信装置5に配信する構成にしてもよい。
【0075】
図7のチューナIC情報DB46は、情報配信システム1において使用される受信装置5の機器情報を記憶するデータベースである。チューナIC情報DB46を構成するテーブルは、「チューナ情報」、「受信装置メーカコード」、「受信装置型番」、「チューナ製造メーカ名」、「チューナ型番」、「チューナファームバージョン」、「受信レベル算出用計数」等のチューナに関する情報を含む。すなわち、チューナIC情報DB46の構成は、図6に示した放送局管理サーバ3のチューナIC情報DB37の構成と同じである。
【0076】
放送局ポータルサーバ4が、後述する受信可否判別処理を実行する場合には、チューナIC情報DB46に記憶されている受信レベル算出用計数を用いることが好ましい。受信装置5の製造メーカ、受信装置5に組み込まれたチューナICの種類によって性能が異なるからである。更に、受信装置5にチューナICを組み込んだ際のノイズの影響などにより、同一の放送局2からの放送波を受信する受信感度が、製造ラインや製品ごとに異なるからである。更にまた、移動型受信装置5Bの場合には、受信する位置によって同一の放送局2からの放送波に対する受信感度が異なるからである。
【0077】
このため、受信装置5、特に移動型受信装置5Bの種類ごとの受信可否判別において、受信感度の基準値(閾値)と一律に比較することができる受信感度を算出するための、チューナに関するRSSI(Received Signal to Noise Strength Identification)やS/N比(Signal to Noise ratio)などの各種パラメータから算出される変換計数を用いることによって、適切な受信可否判別を実行することができる。
【0078】
5.移動型受信装置5Bの詳細
次に、移動型受信装置5Bの構成について図9を参照して説明する。なお、図9では、移動型受信装置5Bには、表示装置6と音声再生装置7とが接続されているが、実施形態の変形例として、移動型受信装置5Bの内部に表示装置6及び音声再生装置7が組み込まれた構成でもよい。
【0079】
移動型受信装置5Bは、放送局2からの地上波デジタル放送又はFMラジオ放送等の放送波の1つを受信して、表示装置6及び音声再生装置7に出力する。また、移動型受信装置5Bは、通信網10経由で放送局ポータルサーバ4から配信されるコンテンツを受信して、表示装置6及び音声再生装置7に出力する。
【0080】
移動型受信装置5Bは、図9に示すように、制御部50、操作入力部51、チューナ部52、DEMUX(DEMUltipleXer)部53、位置検出部54、ネットワーク接続部55、デコード部56、映像/音声出力部57、受信状況検出部58、登録情報記憶部59を有する。
【0081】
制御部50は、システムバスを介して上記他の構成要素との間で指令及びデータを授受する。制御部50はまた、ワークメモリ50m、及び図示しないCPU、プログラムメモリ、その他で構成され、プログラムメモリにインストールされているプログラムに従って、移動型受信装置5Bの全体又は一部を制御する。
【0082】
操作入力部51は、受信モード指示、チャンネルの選局指示等のユーザの操作指令を受け付けて制御部50に入力する。受信モードには、放送局2から放送波を直接受信する放送波受信モード及び通信網10を経由して受信するIP受信モードがある。操作入力部51は、キーボード、赤外線を入力するリモートコントローラ、タッチパネル等で構成されるが、ユーザの音声による操作指令を入力できる音声入力機器、ユーザのジェスチャの映像による操作指令を撮像できる電子カメラ機器で構成されてもよい。
【0083】
制御部50は、操作入力部51から放送波受信モード又はIP受信モードの受信モード指示及びチャンネルの選局指示が入力されたときは、チューナ部52に対してチューニング指示または受信指示を与える。なお、移動型受信装置5Bと放送局管理サーバ3との間で通信が確立したときに、自動的にチューナ部52に対してチューニング指示または受信指示を与える構成にしてもよい。
制御部50は、操作入力部51からIP受信モードの受信モード指示及びチャンネルの選局指示が入力されたときは、位置検出部54及びネットワーク接続部55に対して受信開始指令を与える。受信開始指令の内容については後述する。
【0084】
チューナ部52は、放送局2から地上波デジタル放送やFM放送等のRF(Radio Frequency)信号をアンテナ5aで受信して、制御部50からのチューニング指示に対応する周波数のRF信号を選択する。次に、チューナ部52は、選択したRF信号を復調し、誤り訂正処理等の信号処理を行って、例えば、地上波デジタル放送の場合には、TSパケットからなるTS信号を制御部50の指示に従ってDEMUX53に入力する。なお、チューナ部52は、上記したように、地上波デジタル放送又はFMラジオ放送等の放送波の1つを受信する構成にしたが、BS放送、CS(Communication Satellite)放送、地上波アナログ放送、AMラジオ放送をそれぞれ受信可能な構成になっている。
【0085】
位置検出部54は、図示しないGPS衛星からのGPS信号を適宜受信して、移動型受信装置5Bの現在位置を表す緯度経度を取得する。位置検出部54がGPS信号を受信するタイミングは、一定期間ごとに又は特定の事象を起因に依存する。特定の事象とは、例えば、放送波の受信レベルの低下がある。位置検出部54は、制御部50から受信開始指令を受けたときは、取得した緯度経度を制御部50に入力する。制御部50は、その緯度経度をネットワーク接続部55に供給する。
【0086】
ネットワーク接続部55は、緯度経度を放送局管理サーバ3に送信する。ネットワーク接続部55は、送信した緯度経度に対応する地域情報(郵便番号、都道府県コード、その他、図4に示した地域情報)を放送局管理サーバ3から受信して制御部50に入力する。
【0087】
DEMUX53は、例えば、チューナ部52から供給された地上波デジタル放送のTS信号、すなわち、図2に示した放送局2のMUX部24で多重化されたTS信号を、映像や音声等の複数のストリームデータとSI/PSI等のセクション形式のデータとに分離する処理を行う。DEMUX53は、分離したデータを制御部50の指示に従ってデコード部56に供給する。なお、地上波デジタル放送以外のFMラジオ放送の場合も、そのコンテンツに対応した所定の信号処理を行う。
【0088】
デコード部56は、映像及び音声のストリームデータ、EPG情報、及びデータ放送のコンテンツをデコード(復号化)して、映像データ、音声データ、番組データ、文字データを生成する。デコード部56は、その生成したデータをRAM等の記憶部(図示せず)に一時的に記憶した後、映像データ、番組データ(EPG情報)及び文字データを合成した合成データと音声データとを映像/音声出力部57に供給する。
【0089】
映像/音声出力部57は、供給された映像データ、番組データ、文字データの合成データを表示装置6に出力し、音声データを音声再生装置7に出力する。なお、デコード部56は、記憶部にデータを記憶して合成することなく、映像データ、番組データ及び文字データを映像/音声出力部57から表示装置6等に出力させるようにしてもよい。
【0090】
受信状況検出部58は、制御部50からの受信状況検出指示に従って、チューナ部52によって受信されたRF信号の電界受信強度を検出する。このため、受信状況検出部58は、RSSI回路やS(Signal)メータ回路等を備えている。その他、受信状況検出部58は、S/N比やマルチパス情報を検出する機能を有する構成にしてもよい。
【0091】
登録情報記憶部59は、ユーザ登録情報、移動型受信装置5Bの機器情報、放送局情報を記憶している。ユーザ登録情報には、有料放送の受信許可を示すユーザID、パスワード等がある。移動型受信装置5Bの機器情報には、例えば、図4に示したIPアドレス、及び、図6に示したFMラジオ受信用の情報である受信装置メーカコード、受信装置型番、チューナ製造メーカ名、チューナ型番、チューナファームバージョン、受信レベル算出用計数等がある。放送局情報には、図5に示した放送局ID、放送局名、コールサイン、放送局ポータルサーバURL等がある。
【0092】
移動型受信装置5Bはさらに、図2に示した放送データDに不正視聴を防止するためのスクランブル処理がなされている場合には、ユーザ登録情報を解除キーとして、そのスクランブルを解除するデスクランブラ部を有する構成にしてもよい。デスクランブラ部は、制御部50のスクランブル解除指示に従って、スクランブル処理されたTS信号を通常のTS信号に変換する。デスクランブラ部は、その変換したTS信号をDEMUX53に供給する。
【0093】
(動作)
次に、実施形態1における情報配信システム1の情報配信動作について、FMラジオ放送を携帯電話機やカーナビゲーション等の移動型受信装置5Bで受信する場合を例に採って説明する。なお、地上波デジタル放送その他の放送を受信する場合であっても、後述する監視距離のスケールが異なるだけで、基本的な情報配信方法は同じである。
【0094】
情報配信システム1において、放送局ポータルサーバ4から通信網10を介して放送局2が提供するコンテンツを受信する場合、その受信可能エリアは、放送局2の放送エリアに限定される。一方、移動型受信装置5Bは、任意のエリアに移動する。このため、情報配信システム1において、放送局ポータルサイトからコンテンツを受信する場合には、受信装置5の位置を特定し、視聴対象の放送局2を選択し、受信装置5の位置が選択した放送局2の放送エリア内か否かを判別し、放送エリア内ならば、コンテンツの配信・再生を可能とする、という手順を取る。
以下の説明においては、理解を容易にするため、これら一連の処理を、6.地域特性処理、7.選曲処理、9.情報配信処理として、場面を分けて説明する。
移動型受信装置5Bは、コンテンツ配信開始後も、その位置が変化し、放送エリア外に移動する可能性がある。そこで、コンテンツの配信・再生開始後も、移動型受信装置5Bが放送エリア内に位置しているか否かを適宜チェックする。以下、この動作を、8.移動監視処理において説明する。
【0095】
6.地域特定処理
図10は、情報配信システム1の情報配信方法を示すフローチャートである。
移動型受信装置5Bは、電源が投入されるとまたは通信網10を介したコンテンツの取得指示がされると、緯度経度変換処理を含む地域特定処理を実行する(ステップS101)。図11は、この緯度経度変換処理及び地域特定処理において、移動型受信装置5Bの制御部50は、受信開始時及び受信開始後の適時に、位置検出部54から取得した緯度経度を制御部50のワークメモリ50mに保持すると共に、取得した緯度経度情報をネットワーク接続部55を介して放送局管理サーバ3に送信する(ステップS201)。
【0096】
放送局管理サーバ3の制御部38は、受信した緯度経度を地域情報の1つである郵便番号に変換する(ステップS202)。図12は、郵便番号と緯度経度との関係を示す図である。図12(A)は、図4(B)と同一の図であり、放送局管理サーバ3の位置情報変換DB35に記憶されているテーブルの一部を示す図である。例えば、図12(B)に示すように、受信した緯度が「35.670894」、経度が「139.775356」の場合には、その緯度経度に最も近い郵便番号は「1040061」である。あるいは、図12(C)に示すように、受信した緯度が「35.670895」、経度が「139.775357」の場合には、その緯度経度に最も近い郵便番号は「1040052」である。
【0097】
制御部38は、受信した緯度経度に対応する郵便番号を移動型受信装置5Bに送信する(ステップS203)。もっとも、図12の場合のように、受信した緯度経度に近接する郵便番号がある場合には、制御部38は、複数(上記の例では2つ)の郵便番号を移動型受信装置5Bに送信するようにしてもよい。
【0098】
移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局管理サーバ3から送信された郵便番号、及び位置検出部54から得られた移動型受信装置5Bの現在位置の緯度経度を基準点としてワークメモリ50mに記憶する(ステップS204)。
【0099】
緯度経度を郵便番号に変換するのは、実施形態の一例に過ぎない。放送局管理サーバ3の制御部38は、受信した緯度経度を都道府県コード、市区町村コード、郵便番号、都道府県名、市区町村名、町域名等の地域情報に変換してもよい。地域情報を識別するものは、郵便番号だけでなく都道府県コード、市区町村コード、郵便番号、都道府県名、市区町村名、町域名等も含まれるので、制御部38は、移動型受信装置5Bから受信した緯度経度を1つ以上の地域情報に変換するように構成される。どの地域情報に変換するかは、情報配信システム1の目的、放送情報の種別、受信地域、受信装置の種別によって適宜設定される。
【0100】
次に、制御部50は、IPアドレス、チューナ型番、チューナファームバージョン等の登録情報を放送局管理サーバ3に送信する(ステップS205)。
【0101】
放送局管理サーバ3の制御部38は、受信した登録情報に含まれる機器種別情報(例えば、受信装置の型番情報など)によって受信装置5A又は5Bの機器種別を判別する(ステップS206)。制御部38は、判別した機器情報に基づいて、受信装置が移動型受信装置5Bであるか、固定型受信装置5Aであるかを判別する(ステップS207)。
【0102】
受信装置5が固定型受信装置5Aであると判別したときは(ステップS207;NO)、制御部38は、位置情報の正当性の判別処理を行う(ステップS208)。この場合には、制御部38は、固定型受信装置5AのIPアドレスから位置情報を検索して、正当性の判別を行う。
【0103】
一方、受信装置5が移動型受信装置5Bであると判別したときは(ステップS207;YES)、制御部38は、受信した機器情報のチューナ型番、チューナファームバージョン等に問題がない限り、位置情報の判別結果を「正当性あり」に設定する(ステップS209)。制御部38は、その判別結果に「移動監視距離」を付与する(ステップS210)。移動監視距離については後述する。
【0104】
次に、制御部38は、ステップS208の処理による判別結果、又は、ステップS210の処理による判別結果を受信装置5に送信する(ステップS211)。移動型受信装置5Bの場合には、その制御部50は、判別結果を受信して、そのメッセージを表示装置6に(音声メッセージの場合は音声再生装置7にも)出力する(ステップS212)。この後は、図10のフローチャートに戻る。
【0105】
図11において、ステップS201からステップS204までの一連の処理は、緯度経度変換処理を構成する。また、ステップS205からステップS212までの一連の処理は、地域特定処理を構成する。
【0106】
7.選局処理
図10において、移動型受信装置5Bは、地域特定処理で取得した地域において、選局処理を実行する(ステップS102)。図13は、移動型受信装置5Bの場合の選局処理の流れを示すフローチャートである。いま、通信網10を経由して若しくは放送局2からの放送波によって、ある周波数の放送情報を受信中に、又は移動型受信装置5Bの電源がONにされたときに、操作入力部51から他の放送情報を受信するためのチューニング指令が入力された状態を想定する。
【0107】
移動型受信装置5Bの制御部50は、登録情報記憶部59の放送局情報から検索した放送局2の周波数と、図11のステップS204において記憶した郵便番号を放送局管理サーバ3に送信する(ステップS301)。この場合において、例えば、受信するコンテンツがラジオ放送であるときは、制御部50は、AM又はFMのバンド種別情報を同時に送信する。また、記憶した郵便番号に対応する放送局2が複数の場合には、それらの放送局情報が表示装置6の画面に表示される。ユーザは、それぞれの放送局2の周波数の中から視聴を希望する1つの周波数すなわち放送局2を選択する。
【0108】
放送局管理サーバ3の制御部38は、全放送局情報DB36を参照して、移動型受信装置5Bから受信した郵便番号と周波数に対応する放送局IDが有るか否かを判別する(ステップS302)。対応する放送局IDが有ると判別したときは(ステップS302;YES)、制御部38は、図5(B)のテーブルを参照して、その放送局IDを取得する(ステップS303)。例えば、移動型受信装置5Bから受信した郵便番号が「1040061」、周波数が「80(MHz)」の場合には、放送局ID「0x0100」を取得する。
【0109】
次に、制御部38は、判別結果に「OK」と、図6(B)のテーブルの放送局IDを外部キーとして、図5(A)のテーブルから検索した「放送局ポータルサーバURL」を設定する(ステップS304)。
【0110】
対応する放送局IDがないと判別したときは(ステップS302;NO)、制御部38は、判別結果に「NG」を設定する(ステップS305)。例えば、移動型受信装置5Bから受信した郵便番号が「1040061」、周波数が「84.3(MHz)」の場合には、図6(B)のテーブルを参照しても、対応する放送局IDを取得することができない。この場合には、制御部38は判別結果に「NG」を設定する。
【0111】
制御部38は、ステップS304又はステップS305において設定した判別結果を移動型受信装置5Bに送信する(ステップS306)。移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局管理サーバ3から受信した判別結果が「OK」であるか又は「NG」であるかを判別する(ステップS307)。
【0112】
受信した判別結果が「OK」である場合には(ステップS307;YES)、制御部50は、判別結果のURLが示す放送局ポータルサーバ4に接続する(ステップS308)。一方、受信した判別結果が「NG」である場合には(ステップS307;NO)、制御部50は、通信網10を経由してコンテンツを取得できないので、放送局2からチューナ部52を介して受信した放送情報を表示装置6及び音声再生装置7に出力する(ステップS309)。
【0113】
8.移動監視処理
図10において、移動型受信装置5Bは、通信網10を経由したIP配信の視聴が可能か否かを判別する(ステップS103)。IP配信の視聴が可能でなく、放送局2の放送波を受信する視聴の場合には(ステップS103;NO)、移動型受信装置5Bは、このフローチャートを終了して、メインルーチンのフローチャート(図示せず)に戻る。
【0114】
一方、IP配信の視聴が可能な場合には(ステップS103;YES)、移動型受信装置5Bは、移動監視処理を実行する(ステップS104)。図14は、移動監視処理のフローチャートである。移動型受信装置5Bの制御部50は、位置検出部54から緯度経度を取得する(ステップS401)。次に、制御部50は、図11のステップS204においてワークメモリ50mに記憶した位置情報である基準点の緯度経度と、一定期間ごと又は特定の事象を起因として、位置検出部54から適宜取得した緯度経度との差分距離を算出する(ステップS402)。
【0115】
次に、制御部50は、算出した差分距離が図11のステップS210でサーバから受信端末に送られた「移動監視距離」より大きいか否かを判別する(ステップS403)。図15は、移動監視範囲(通信エリア)Sを示す図である。図15の移動監視範囲Sにおいて、移動監視距離は、基準点Pを中心とする半径Rで表される。
【0116】
図14において、算出した距離が監視距離より大きい場合には(ステップS403;YES)、制御部50は、現在受信している放送局のIP配信エリアを越えていることから、受信停止処理を行う(ステップS404)。次に、制御部50は、緯度経度変換処理を実行する(ステップS405)。緯度経度変換処理は、図11のフローチャートに示したステップS201からステップS204までの一連の処理である。制御部50は、この緯度経度変換処理によって、放送局管理サーバ3から新たに受信した郵便番号が記憶済みの郵便番号と一致するか否かを判別する(ステップS406)。
【0117】
受信した郵便番号が記憶済みの郵便番号と一致しない場合には(ステップS406;NO)、制御部50は、地域特定処理を実行する(ステップS407)。地域特定処理は、図11のフローチャートに示したステップS205からステップS212までの一連の処理である。制御部50は、この地域特定処理によって、変換後の新たな郵便番号を記憶する(ステップS408)。次に、制御部50は、新たな郵便番号に対応する緯度経度を基準点として記憶する(ステップS409)。
【0118】
新たな基準点を記憶した後、制御部50は、通信網10経由での放送情報の受信を継続する(ステップS410)。制御部50は、操作入力部51から受信終了の指示がなされたか否かを判別する(ステップS411)。なお、受信終了の指示は、通信回線の故障等の理由により、放送局管理サーバ3から自動的に指示するようにしてもよい。受信終了の指示があったときは、制御部50は、このフローチャートを終了してメインルーチンのフローチャート(図示せず)に戻る。
【0119】
算出した距離が監視距離以下である場合(ステップS403;NO)、受信した郵便番号が記憶済みの郵便番号と一致した場合(ステップS406;YES)、又は受信終了の指示がない場合(ステップS411;NO)には、制御部50は、継続してコンテンツを取得できるので、一定期間(あるいは、受信レベルの低下等の特定の事象が発生するまで)待機する(ステップS412)。例えば、一定期間ごとのタイマ割込があるまで待機する。もちろん、この待機期間中においても、継続してコンテンツを取得する。一定期間待機した後は、制御部50は、ステップS401に移行して、位置検出部54から緯度経度を取得する。この後は、ステップS411において受信終了指示がない限り、ステップS401からステップS412までのルーチンを繰り返す。
【0120】
9.情報配信処理
図13のステップS308において、移動型受信装置5Bと放送局ポータルサーバ4との間で通信が確立した後は、情報配信システム1は、コンテンツ配信処理を実行する。図16は、実施形態1における移動型受信装置5Bと放送局ポータルサーバ4との間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。移動型受信装置5Bの制御部50は、図13のステップS308において、視聴対象の放送局2の放送情報を提供する放送局ポータルサーバ4との間で通信が確立したときは、図16のコンテンツ配信処理に移行する。
【0121】
制御部50は、放送局管理サーバ3から受信して、図11のステップS204においてワークメモリ50mに記憶した郵便番号、登録情報記憶部59に記憶されている受信装置型番等の機器情報、及びチューナ情報を放送局ポータルサーバ4に送信する(ステップS501)。
【0122】
放送局ポータルサーバ4の制御部47は、放送局情報DB44を参照して、移動型受信装置5Bから受信した放送局情報に対応する放送情報の受信レベル条件を取得する(ステップS502)。次に、制御部47は、チューナIC情報DB46を参照して、移動型受信装置5Bから受信した機器情報に対応するチューナ情報を取得する(ステップS503)。具体的には、制御部47は、移動型受信装置5Bから送信された機器情報から移動型受信装置5Bの「受信装置メーカコード」及び「受信装置型番」を抽出すると共に、チューナIC情報DB46を参照して、抽出した情報と一致するチューナ情報を取得する。
【0123】
次に、制御部47は、ステップS502で取得した受信レベル条件と、ステップS503で取得したチューナ情報とに基づいて、配信可否判別処理を行う(ステップS504)。この配信可否判別処理では、移動型受信装置5Bにおいて放送が実際に受信できているか否かを判別する。例えば、移動型受信装置5Bが放送局ポータルサーバ4に接続した後、機器情報から移動型受信装置5Bが備えているチューナ情報が判別できる。そのチューナ情報に含まれているRSSI及びS/N比と、移動型受信装置5Bが現在位置している地域での受信レベル条件とを比較する。
【0124】
制御部47は、配信可否判別結果から配信が可能であるか否かを判別する(ステップS505)。配信が可能でない場合には(ステップS505;NO)、制御部47は、移動型受信装置5Bから受信した郵便番号からエリア区分を取得する(ステップS506)。具体的には、制御部47は、図8(B)に示したテーブルを参照して、移動型受信装置5Bから受信した郵便番号に対応するエリア区分を特定する。エリア区分は、フリンジエリア(難視聴地域)か否かを識別するフラグで構成されている。上記したように、フリンジエリアの場合は、フラグが「1」であり、フリンジエリアでない場合は、フラグが「0」である。次に、制御部47は、エリア区分を外部キーとして図8(C)のテーブルを参照し、その特定したエリア区分に対応する受信レベル条件を取得する。
【0125】
次に、制御部47は、取得したエリア区分がフリンジエリアであるか否かを判別する(ステップS507)。例えば、移動型受信装置5Bから受信した郵便番号が「1040061」の場合には、エリア区分は「0」であるので、フリンジエリアではない。一方、移動型受信装置5Bから受信した郵便番号が「1040052」の場合には、エリア区分は「1」であるので、フリンジエリアである。
【0126】
制御部47は、取得したエリア区分のフラグに基づいて、配信可否判別処理を行う(ステップS508)。具体的には、移動型受信装置5Bの機器情報におけるチューナ情報が、図8(C)を参照して取得したエリア区分における受信レベル条件を満たすか否かにより、配信可否判別処理を行う。制御部47は、この配信可否判別処理の結果によって、配信可能か否かを判別する(ステップS509)。
【0127】
ステップS508の配信可否判定処理で配信可能でないと判別したときは(ステップS509;NO)、制御部47は、放送局ポータルサーバ4が提供するコンテンツが配信不可であるとの判別結果を設定する(ステップS510)。一方、配信可能であると判別したときは(ステップS509;YES)、制御部47は、放送局ポータルサーバ4が提供するコンテンツが配信可能であるとの判別結果を設定する(ステップS511)。ステップS510又はステップS511の後、制御部47は、その判別結果を移動型受信装置5Bに送信する(ステップS512)。
【0128】
移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局ポータルサーバ4から受信した判別結果がコンテンツ受信可能であるか否かを判別する(ステップS513)。判別結果がコンテンツ受信可能である場合には(ステップS513;YES)、制御部50は、放送局ポータルサーバ4からコンテンツを取得する(ステップS514)。制御部50は、その取得したコンテンツに対してデマルチプレクス処理及びデコード処理等の必要な処理を施して、音声再生装置7及び(映像データがあるときは)表示装置6に出力する(ステップS515)。
【0129】
一方、判別結果がコンテンツ受信不可である場合には(ステップS513;NO)、制御部50は、通信網10を経由して放送局ポータルサーバ4からコンテンツを取得することができないので、放送局2から送信される放送波のコンテンツを受信し、音声再生装置7及び(映像データがあるときは)表示装置6に出力する(ステップS516)。
【0130】
以上のように、上記実施形態1の情報配信システム1は、放送局2から送信されるコンテンツを、通信網10を経由して提供する放送局ポータルサーバ4と、放送局2から送信されるコンテンツを受信する移動型受信装置5Bと、を備えている。
【0131】
移動型受信装置5Bは、通信網10を経由して放送局ポータルサーバ4から提供されるコンテンツを受信するチューナ部52と、衛星から受信した信号によって現在位置の位置情報を検出する位置検出部54と、位置検出部54によって検出された位置情報に対応する郵便番号又はその他の地域情報を記憶する記憶部であるワークメモリ50mと、ワークメモリ50mに記憶された地域情報と共に受信対象の放送局情報を放送局ポータルサーバ4に送信するネットワーク接続部55と、ネットワーク接続部55が送信した地域情報及び放送局情報に応答した放送局ポータルサーバ4からコンテンツが配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、ネットワーク接続部55を制御して通信網10を経由してコンテンツを受信させ、放送局ポータルサーバ4からコンテンツが配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、放送局ポータルサーバ4から提供される放送情報の受信を停止させる制御部50と、を有する。
【0132】
放送局ポータルサーバ4は、移動型受信装置5Bから送信された地域情報及び放送局情報に適合する放送局2のコンテンツの配信が可能か否かを判別して、コンテンツが配信可能である旨又はコンテンツが配信不可である旨の配信判別情報を設定する配信可否判別部41と、配信可否判別部41によって設定された配信判別情報を移動型受信装置5Bに送信する通信制御部43と、を有する。
【0133】
したがって、この実施形態1によれば、移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局ポータルサーバ4からコンテンツが配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、放送局ポータルサーバ4から提供される放送情報の受信を停止させるので、現在地情報が変動する移動型受信装置5Bであっても、IP配信の視聴制限を適正に決定することができる。
【0134】
また、実施形態1によれば、任意の位置情報に対応して変換される地域情報を記憶する位置情報変換DB35と、移動型受信装置5Bから位置情報が送信されたときは、位置情報変換DB35を参照して、その位置情報に対応する地域情報(郵便番号)を特定する地域特定処理部32と、地域特定処理部32によって特定された地域情報を移動型受信装置5Bに送信する通信制御部34と、を有すると共に、通信網10に接続される放送局管理サーバ3をさらに備えている。これにより、移動型受信装置5Bにおいて、ネットワーク接続部55は、位置検出部54によって検出された位置情報を放送局管理サーバ3に送信し、ワークメモリ50mは、放送局管理サーバ3から送信された地域情報を記憶する。
【0135】
したがって、携帯電話やナビゲーションシステムに代表される移動型受信装置5B内に、膨大なデータ量である位置情報変換データベースを搭載する必要がないので、移動型受信装置5Bの小型化、軽量化、及びコスト低減を実現することができる。
【0136】
また、実施形態1によれば、放送局管理サーバ3において、移動型受信装置5Bから機器種別を示す機器情報が送信されたときは、その機器種別によって受信装置5が固定型受信装置5Aであるか又は移動型受信装置5Bであるかを認証する機器認証部31をさらに有し、地域特定処理部32は、機器認証部31によって受信装置5が移動型受信装置5Bであると認証されたときは、通信制御部34によって送信される地域情報に移動監視距離を付与する。移動型受信装置5Bにおいて、ワークメモリ50mは、放送局管理サーバ3から送信された移動監視距離及び位置検出部54によって検出された位置情報を記憶し、制御部50は、位置検出部54によって一定期間ごとに又は特定の事象(例えば、受信レベルの低下)に起因して検出される位置情報とワークメモリ50mに記憶された位置情報との差分距離が、移動監視距離を超えたか否かを判別し、差分距離が移動監視距離を超えたと判別したときは、現在視聴しているコンテンツを継続して視聴できるか否かを放送局ポータルサーバ4に問い合わせ、問い合わせ結果により移動体受信装置5Bがコンテンツ受信および出力の継続・停止の制御を行う。
【0137】
したがって、移動型受信装置5Bの移動位置を監視することにより、移動型受信装置5BにおけるIP配信の視聴制限をより適正に決定することができる。
【0138】
また、実施形態1によれば、放送局ポータルサーバ4において、配信可否判別部41は、移動型受信装置5Bから地域情報及び放送局情報と共に放送波の受信状況が送信されたときは、放送局情報に基づいて地域情報における受信条件を取得し、受信状況が受信条件を満たすか否かを判別して、受信状況が前記受信条件を満たすと判別した場合には、コンテンツが配信可能である旨の配信判別情報を設定する。
【0139】
したがって、移動型受信装置5Bが位置している地域情報における受信条件と、移動型受信装置5Bの受信状況とを比較することにより、移動型受信装置5BにおけるIP配信の視聴制限を柔軟且つ適正に決定することができる。
【0140】
さらにこの場合において、放送局ポータルサーバ4の配信可否判別部41は、機器情報における受信状況が受信条件を満たさないと判別した場合には、移動体受信装置B5の地域情報が難視聴地域(フリンジエリア)であるか否かを判別して、地域情報が難視聴地域(フリンジエリア)でないと判別した場合には、コンテンツが配信可能である旨の配信判別情報を設定し、地域情報が難視聴地域(フリンジエリア)であると判別した場合には、コンテンツが配信不可である旨の配信判別情報を設定する。
【0141】
したがって、移動型受信装置5Bの受信性能が受信条件を満たさない場合であっても、実質的に受信が可能であるか否かを判別することにより、ユーザに対するコンテンツ配信のサービスが向上する。
なお、以上の説明において、コンテンツの受信開始時の移動型受信装置5Bの位置を基準点として記憶し、この位置から所定距離(監視距離)移動したときに、配信・受信の可否を再チェックしたが、配信・受信の可否を再チェックするタイミングはこれに限定されない。コンテンツの配信・受信開始後、適宜のタイミングで繰り返してチェックできれば、その手法自体は任意である。
例えば、距離条件と時間条件を組み合わせて、「移動距離が≧監視距離となったとき、及び(又は)、経過時間≧監視時間」となったときに、チェックを行う、ようにするなどしてもよい。
また、位置情報から地域情報の変換を放送局ポータルサーバ4で行うことも可能である。この場合、放送局ポータルサーバ4が上述と同様の変換用データベースを備えればよい。
【0142】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2における情報配信システム及び情報配信方法について説明する。なお、実施形態1において図1乃至図15に示した構成は、実施形態2乃至後述する実施形態4においても同一であるので、図及び説明は省略すると共に、適宜実施形態1の図及び説明を適宜援用する。
【0143】
図17は、実施形態2における移動型受信装置5Bと放送局ポータルサーバ4との間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。移動型受信装置5Bの制御部50は、図13のステップS308において、視聴対象の放送局2の放送情報を提供する放送局ポータルサーバ4との間で通信が確立したときは、図17のコンテンツ配信処理に移行する。
【0144】
制御部50は、操作入力部51から入力された受信対象の放送局の周波数と、放送局管理サーバ3から受信して、図11のステップS204においてワークメモリ50mに記憶した郵便番号と登録情報記憶部59に記憶されている受信装置型番等の機器情報を放送局ポータルサーバ4に送信する(ステップS601)。
【0145】
放送局ポータルサーバ4の制御部47は、移動型受信装置5Bから送信された郵便番号からエリア区分を取得する(ステップS602)。次に、制御部47は、取得したエリア区分がフリンジエリアであるか否かを判別する(ステップS603)。フリンジエリアである場合には(ステップS603;YES)、制御部47は、移動型受信装置5Bの受信感度情報のアップロード(取得)が必要であると判別する(ステップS604)。一方、フリンジエリアでない場合には(ステップS603;NO)、制御部47は、移動型受信装置5Bの受信感度情報のアップロードは不要であると判別する(ステップS605)。制御部47は、ステップS604又はステップ605の判別結果を移動型受信装置5Bに送信する(ステップS606)。
【0146】
移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局ポータルサーバ4から送信された判別結果により受信感度情報のアップロードが必要であるか否かを判別する(ステップS607)。受信感度情報のアップロードが必要であると判別したときは(ステップS607;YES)、制御部50は、受信感度情報と共に機器情報とチューナ情報を放送局ポータルサーバ4に送信する(ステップS608)。
【0147】
放送局ポータルサーバ4の制御部47は、チューナIC情報DB46を参照して、移動型受信装置5Bから受信した機器情報に対応するチューナ情報を取得する(ステップS609)。具体的には、制御部47は、移動型受信装置5Bから送信された機器情報から、移動型受信装置5Bの「受信装置メーカコード」及び「受信装置型番」を抽出すると共に、チューナIC情報DB46を参照して、抽出した情報と一致するチューナ情報を取得する。
【0148】
次に、制御部47は、取得したチューナ情報および受信感度情報に基づいて、コンテンツ配信が可能であるか否かを判別する(ステップS610)。ステップS610における判断は、チューナ情報に対して受信感度情報がフリンジエリアにおける受信感度として妥当か否の判断により、コンテンツの配信要否を判断する。コンテンツ配信が可能でない場合には(ステップS610;NO)、制御部47は、判別結果をコンテンツ配信不可に設定する(ステップS611)。一方、コンテンツ配信が可能である場合には(ステップS610;YES)、制御部47は、判別結果をコンテンツ配信可能に設定する(ステップS612)。制御部47は、ステップS611又はステップS612で設定した判別結果を移動型受信装置5Bに送信する(ステップS613)。
【0149】
移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局ポータルサーバ4から送信された判別結果によって、コンテンツ受信が可能であるか否かを判別する(ステップS614)。コンテンツ受信が可能である場合(ステップS614;YES)、又は受信感度情報のアップロードが必要ない場合には(ステップS607;NO)、制御部50は、放送局ポータルサーバ4からコンテンツを取得する(ステップS615)。制御部50は、そのコンテンツに対してデマルチプレクス処理及びデコード処理等の必要な処理を施して、音声再生装置7及び(映像データがあるときは)表示装置6に出力する(ステップS616)。
【0150】
一方、判別結果がコンテンツ受信不可である場合には(ステップS614;NO)、制御部50は、通信網10を経由して放送局ポータルサーバ4からコンテンツを取得することができないので、放送局2から送信される放送波に含まれるコンテンツを受信し、デマルチプレクス処理及びデコード処理等の必要な処理を施して、音声再生装置7及び(映像データがあるときは)表示装置6に出力する(ステップS617)。
【0151】
以上のように、上記実施形態2によれば、放送局ポータルサーバ4において、配信可否判別部41は、移動型受信装置5Bから送信された地域情報及び放送局情報に基づいて、地域情報が難視聴地域であると判別した場合には、受信感度情報のアップロードが必要である旨の判別結果を通信制御部43により移動型受信装置5Bに送信し、移動型受信装置5Bから受信感度情報及び機器情報が送信されたときは、アップロードされた機器情報および受信感度情報に基づいてコンテンツが配信可能である旨又は配信不可である旨の配信判別情報を設定して、通信制御部43により移動型受信装置5Bに送信する。
【0152】
したがって、地域情報が難視聴地域であると判別した場合でも、移動型受信装置5Bの受信感度情報に基づき適切にコンテンツの配信可否を判断するため、移動型受信装置5Bに対するコンテンツ配信サービスの質がよりいっそう向上する。
【0153】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3における情報配信システム及び情報配信方法について説明する。図18は、実施形態3における移動型受信装置5Bと放送局ポータルサーバ4との間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。移動型受信装置5Bの制御部50は、図13のステップS308において、視聴対象の放送局2の放送情報を提供する放送局ポータルサーバ4との間で通信が確立したときは、図18のコンテンツ配信処理に移行する。
【0154】
制御部50は、操作入力部51から入力された受信対象の放送局の周波数と、放送局管理サーバ3から受信して、図11のステップS204においてワークメモリ50mに記憶した郵便番号と登録情報記憶部59に記憶されている受信装置型番等の機器情報及びチューナ情報を放送局ポータルサーバ4に送信する(ステップS701)。
【0155】
放送局ポータルサーバ4の制御部47は、移動型受信装置5Bから送信された機器情報及びチューナ情報を放送局管理サーバ3に送信する(ステップS702)。
【0156】
放送局管理サーバ3の制御部38は、放送局ポータルサーバ4から送信された放送局情報に基づいて、全放送局情報DB36から受信レベル条件を取得する(ステップS703)。次に、制御部38は、放送局ポータルサーバ4から送信された機器情報に基づいて、チューナ情報を取得する(ステップS704)。具体的には、制御部38は、放送局ポータルサーバ4を介して移動型受信装置5Bから送信された機器情報に基づいて、移動型受信装置5Bの「受信装置メーカコード」及び「受信装置型番」を抽出すると共に、チューナIC情報DB37を参照して、抽出した情報と一致するチューナ情報を取得する。
【0157】
次に、制御部38は、取得した受信レベル条件及びチューナ情報に基づいて、コンテンス配信が可能か否かの配信可否判別処理を行う(ステップS705)。制御部38は、配信可否判別結果を放送局ポータルサーバ4に送信する(ステップS706)。すなわち、実施形態3においては、放送局管理サーバ3は、放送局ポータルサーバ4の配信可否判別処理を代行する。
【0158】
放送局ポータルサーバ4の制御部47は、放送局管理サーバ3から送信された配信可否判別結果によって、コンテンツ配信が可能であるか否かを判別する(ステップS707)。コンテンツ配信が不可である場合には(ステップS707;NO)、制御部47は、移動型受信装置5Bから送信された郵便番号に基づいて、放送局情報DB44を参照し、図8(B)からエリア区分を取得する(ステップS708)。
【0159】
次に、制御部47は、エリア区分のフラグに基づいて、そのエリア区分がフリンジエリアであるか否かを判別する(ステップS709)。フリンジエリアである場合には(ステップS709;YES)、制御部47は、さらに受信可否判別処理を行う(ステップS710)。
【0160】
制御部47は、受信可否判別処理に基づいて、コンテンツ配信が可能か否かを判別する(ステップS711)。コンテンツ配信が不可である場合には(ステップS711;NO)、制御部47は、コンテンツ配信不可を判別結果に設定する(ステップS712)。
【0161】
一方、コンテンツ配信が可能である場合(ステップS711;YES)、放送局管理サーバ3から送信された配信可否判別結果によりコンテンツ配信が可能である場合(ステップS707;YES)、又は、郵便番号から取得したエリア区分がフリンジエリアでない場合には(ステップS709;NO)、制御部47は、コンテンツ配信可能を判別結果に設定する(ステップS713)。
【0162】
制御部47は、ステップS712又はステップS713において設定した判別結果を移動型受信装置5Bに送信する(ステップS714)。
【0163】
移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局ポータルサーバ4から送信された判別結果によって、コンテンツ受信が可能であるか否かを判別する(ステップS715)。コンテンツ受信が可能である場合(ステップS715;YES)、制御部50は、放送局ポータルサーバ4からコンテンツを取得する(ステップS716)。制御部50は、そのコンテンツに対してデマルチプレクス処理及びデコード処理等の必要な処理を施して、音声再生装置7及び(映像データがあるときは)表示装置6に出力する(ステップS718)。
【0164】
一方、判別結果がコンテンツ受信不可である場合には(ステップS715;NO)、制御部50は、通信網10を経由して放送局ポータルサーバ4からコンテンツを取得することができないので、放送局2から送信される放送波に含まれるコンテンツを受信し、デマルチプレクス処理及びデコード処理等の必要な処理を施して、音声再生装置7及び(映像データがあるときは)表示装置6に出力する(ステップS717)。
【0165】
以上のように、上記実施形態3によれば、放送局ポータルサーバ4において、通信制御部43は、移動型受信装置5Bから地域情報、放送局情報及び機器情報が送信されたときは、放送局情報及び機器情報を放送局管理サーバ3に送信して配信可否判別処理を委託し、放送局管理サーバ3から配信可能である旨の配信可否判別結果が送信されたときは、コンテンツの配信が可能である旨の配信判別情報を移動型受信装置5Bに送信し、放送局管理サーバ3から配信不可である旨の配信可否判別結果が送信されたときは、配信可否判別部41により地域情報が難視聴地域でないと判別された場合に、コンテンツが配信可能である旨の配信判別情報を移動型受信装置5Bに送信し、配信可否判別部41により地域情報が難視聴地域であると判別された場合に、コンテンツが配信不可である旨の配信判別情報を移動型受信装置5Bに送信する。
【0166】
したがって、放送局ポータルサーバ4は、放送局管理サーバ3に配信可否判別処理を委託することにより、処理負荷を軽減できるので、移動型受信装置5Bに対するコンテンツ配信サービスの質を充実することができる。
【0167】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4における情報配信システム及び情報配信方法について説明する。図19は、実施形態4における移動型受信装置5Bと放送局ポータルサーバ4との間で実行されるコンテンツ配信処理のフローチャートである。移動型受信装置5Bの制御部50は、図13のステップS308において、視聴対象の放送局2の放送情報を提供する放送局ポータルサーバ4との間で通信が確立したときは、図19のコンテンツ配信処理に移行する。
【0168】
制御部50は、操作入力部51から入力された受信対象の放送局の周波数と、放送局管理サーバ3から受信して、図11のステップS204においてワークメモリ50mに記憶した郵便番号と登録情報記憶部59に記憶されている受信装置型番等の機器情報を放送局ポータルサーバ4に送信する(ステップS801)。
【0169】
放送局ポータルサーバ4の制御部47は、移動型受信装置5Bから送信された郵便番号からエリア区分を取得する(ステップS802)。次に、制御部47は、取得したエリア区分がフリンジエリアであるか否かを判別する(ステップS803)。フリンジエリアである場合には(ステップS803;YES)、制御部47は、移動型受信装置5Bの受信感度情報のアップロードが必要であると判別する(ステップS804)。一方、フリンジエリアでない場合には(ステップS803;NO)、制御部47は、移動型受信装置5Bの受信感度情報のアップロードは不要であると判別する(ステップS805)。制御部47は、ステップS804又はステップ805の判別結果を移動型受信装置5Bに送信する(ステップS806)。
【0170】
移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局ポータルサーバ4から送信された判別結果により受信感度情報のアップロードが必要であるか否かを判別する(ステップS807)。受信感度情報のアップロードが必要であると判別したときは(ステップS807;YES)、受信感度情報と共に機器情報及びチューナ情報を放送局ポータルサーバ4に送信する(ステップS808)。
【0171】
放送局ポータルサーバ4の制御部47は、移動型受信装置5Bから送信されたチューナ情報を放送局管理サーバ3に送信する(ステップS809)。
【0172】
放送局管理サーバ3の制御部38は、放送局ポータルサーバ4を介して移動型受信装置5Bから送信された機器情報に基づいて、チューナIC情報DB37を参照して、チューナ情報を取得する(ステップS810)。次に、制御部38は、取得したチューナ情報および受信感度情報に基づいて、配信可否判別処理を行う(ステップS811)。すなわち、実施形態4においては、放送局管理サーバ3は、放送局ポータルサーバ4の配信可否判別処理を代行する。
【0173】
制御部38は、配信可否判別処理によってコンテンツ配信が可能か否かを判別する(ステップS812)。コンテンツ配信が可能である場合には(ステップS812;YES)、制御部38は、コンテンツ配信可能を判別結果に設定する(ステップS813)。一方、コンテンツ配信が不可である場合には(ステップS812;NO)、制御部38は、コンテンツ配信不可を判別結果に設定する(ステップS814)。制御部38は、ステップS813又はステップS814において設定した判別結果を放送局ポータルサーバ4に送信する(ステップS815)。
【0174】
放送局ポータルサーバ4の制御部47は、放送局管理サーバ3から送信された判別結果を移動型受信装置5Bに送信する(ステップS816)。
【0175】
移動型受信装置5Bの制御部50は、放送局ポータルサーバ4から送信された判別結果によって、コンテンツ受信が可能であるか否かを判別する(ステップS817)。コンテンツ受信が可能である場合(ステップS817;YES)、又は受信感度情報のアップロードが必要ない場合には(ステップS807;NO)、制御部50は、放送局ポータルサーバ4からコンテンツを取得する(ステップS818)。制御部50は、そのコンテンツに対してデマルチプレクス処理及びデコード処理等の必要な処理を施して、音声再生装置7及び(映像データがあるときは)表示装置6に出力する(ステップS819)。
【0176】
一方、判別結果がコンテンツ受信不可である場合には(ステップS817;NO)、制御部50は、通信網10を経由して放送局ポータルサーバ4からコンテンツを取得することができないので、放送局2から送信される放送波に含まれるコンテンツを受信し、デマルチプレクス処理及びデコード処理等の必要な処理を施して、音声再生装置7及び(映像データがあるときは)表示装置6に出力する(ステップS820)。
【0177】
以上のように、この実施形態4によれば、放送局ポータルサーバ4において、通信制御部43は、移動型受信装置5Bから地域情報及び機器情報が送信されたときは、配信可否判別部41により地域情報が難視聴地域であると判別された場合には、受信感度情報のアップロードを必要とする旨の判別結果を移動型受信装置5Bに送信し、移動型受信装置5Bから受信感度情報及び機器情報が送信されたときは、アップロードされた受信感度情報および機器情報を放送局管理サーバ3に送信して配信可否判別処理を委託し、放送局管理サーバ3から送信された配信可否判別結果によって、放送情報が配信可能である旨又は放送情報が配信不可である旨の配信判別情報を移動型受信装置5Bに送信する。
【0178】
したがって、地域情報が難視聴地域であると判別した場合でも、移動型受信装置5Bの受信感度情報に基づき、コンテンツの配信可否の判断を放送局管理サーバ3に配信可否判別処理を委託することにより、放送局ポータルサーバ4における処理負荷を軽減できる。このため、移動型受信装置5Bに対するコンテンツ配信のサービスをよりいっそう充実することができる。
【0179】
以上、上記実施形態1乃至実施形態4を例にとって本発明の情報配信システム及び情報配信方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、当業者によって容易に想到される種々の変形や変更が可能である。
【0180】
例えば、上記実施形態1乃至実施形態4においては、本発明の第1の観点及び第2の観点に係る情報配信システム及び情報配信方法について説明したが、本発明の第3の観点及び第4の観点に係る装置及びプログラムについても本発明の技術的範囲に属する。
【0181】
すなわち、本発明に係る移動型受信装置は、
放送局から送信される放送波に含まれる放送情報を受信するチューナ部と、
現在位置の位置情報を検出する位置検出部と、
前記位置検出部によって検出された位置情報に対応する地域情報を記憶する記憶部と、
受信開始時及び受信開始後の適時に、前記記憶部に記憶された前記地域情報と共に受信対象の放送局情報を放送局ポータルサーバに送信するネットワーク接続部と、
前記ネットワーク接続部が送信した前記地域情報及び前記放送局情報に応答した前記放送局ポータルサーバから放送情報が配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記通信網を経由して放送情報を受信させ、前記放送局ポータルサーバから放送情報の受信が不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局から送信される放送波に含まれる放送情報を受信させる制御部と、を有する、ことを特徴とする。
【0182】
また、本発明に係るプログラムは、
放送局から送信される放送波に含まれる放送情報又は汎用の通信網を経由して放送局ポータルサーバから提供される放送情報を受信するステップと、
現在位置の位置情報を検出するステップと、
前記検出するステップによって検出された位置情報に対応する地域情報を記憶するステップと、
受信開始時及び受信開始後の適時に、前記記憶するステップによって記憶された前記地域情報と共に受信対象の放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信するステップと、
前記送信するステップによって送信された前記地域情報及び前記放送局情報に応答した前記放送局ポータルサーバから放送情報が配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記通信網を経由して放送情報を受信させ、前記放送局ポータルサーバから放送情報の配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局から送信される放送波に含まれる放送情報を受信させるように制御するステップと、を移動型受信装置に実行させる、ことを特徴とする。
【符号の説明】
【0183】
1 情報配信システム
2 放送局
3 放送局管理サーバ
4 放送局ポータルサーバ
5 受信装置
5A 固定型受信装置
5B 移動型受信装置
6 表示装置
7 音声再生装置
10 通信網
21 コンテンツストリーム作成部
22 EPG情報作成部
23 データ放送作成部
24 MUX部
25 放送用コンテンツDB
26 放送用スケジュールDB
27 データ放送用コンテンツDB
28,38,47,50 制御部
29,39,48 記憶部
31 機器認証部
32 地域特定処理部
33 ポータルサーバ特定部
34,43 通信制御部
35 位置情報変換DB
36 全放送局情報DB
37,46 チューナIC情報DB
41 配信可否判別部
42 コンテンツ生成部
44 放送局情報DB
45 コンテンツDB
50m ワークメモリ
51 操作入力部
52 チューナ部
53 DEMUX
54 位置検出部
55 ネットワーク接続部
56 デコード部
57 映像/音声出力部
58 受信状況検出部
59 登録情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局から提供されたコンテンツを、通信網を経由して提供する放送局ポータルサーバと、
前記放送局ポータルサーバから送信されたコンテンツを、前記通信網を経由して受信する移動型受信装置と、を備え、
前記移動型受信装置は、
前記通信網を経由して前記放送局ポータルサーバと通信する通信部と、
現在位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部によって検出された現在位置が属す地域を示す地域情報を記憶する記憶部と、
前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
コンテンツを受信する際に、前記通信部を制御し、前記記憶部に記憶された前記地域情報と共に放送局を特定する放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、
送信した前記地域情報及び前記放送局情報に応答して、前記放送局ポータルサーバからコンテンツを配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合、前記通信部を制御して、前記放送局ポータルサーバより、送信した放送局情報で特定される放送局のコンテンツを、前記通信網を経由して受信し、
コンテンツ受信開始後の所定のタイミングで、前記通信部を制御し、前記記憶部に記憶されている地域情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、
送信した前記地域情報に応答して、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を継続し、前記放送局ポータルサーバから配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を停止し、
前記放送局ポータルサーバは、
前記移動型受信装置から送信された前記地域情報と前記放送局情報に適合する放送局のコンテンツの配信が可能か否かを判別して、配信可能か配信不可かを示す配信判別情報を設定する配信可否判別部と、
前記配信可否判別部によって設定された配信判別情報を前記移動型受信装置に送信する通信制御部と、を有する、
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記地域情報と放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信したときの現在位置を記憶するメモリを備え、
前記メモリに記憶している位置情報で特定される位置と前記位置検出部によって検出される現在位置とが所定の条件を充足するときに、前記地域情報を前記放送局ポータルサーバに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記メモリに記憶している位置情報で特定される位置と前記位置検出部によって検出された現在位置との距離が、所定の基準値よりも大きくなることである、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記配信許可を示す情報を前記放送局ポータルサーバより受信したことに応答して、前記メモリに記憶されている位置情報を前記位置検出部が検出した現在位置を示す位置情報に更新する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報配信システム。
【請求項5】
複数の位置を特定する位置情報と各位置が属す地域を特定する地域情報とを対応付けて記憶する位置情報変換データベースと、
前記移動型受信装置から送信された位置情報から、前記位置情報変換データベースを参照して、その位置情報に対応する地域情報を特定する地域特定処理部と、
前記地域特定処理部によって特定された地域情報を前記移動型受信装置に送信する通信制御部と、
を有する放送局管理サーバを、前記通信網上にさらに備え、
前記移動型受信装置の制御部は、前記位置検出部によって検出された現在位置を示す位置情報を前記放送局管理サーバに送信し、
前記記憶部は、前記放送局管理サーバから送信された地域情報を記憶する、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報配信システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記放送局ポータルサーバに、移動型受信装置であることを識別するための装置情報を送信し、
前記放送局管理サーバは、
通信網を介して前記装置情報を受信し、受信した装置情報に基づいて、受信装置が移動型であるか否かを判別し、移動型であると判別したとき、前記通信処理部は、送信する地域情報に移動監視距離を付与し、
前記移動型受信装置の前記記憶部は、前記放送局管理サーバから送信された前記移動監視距離及び前記位置検出部によって検出された位置情報を記憶し、
前記移動型受信装置の前記制御部は、前記位置検出部によって一定期間ごとに又は特定の事象に起因して検出される位置情報と前記記憶部に記憶された前記位置情報とが所定の条件を充足するか否かを判別し、充足すると判別したときは、前記位置情報検知部により検出された位置を示す位置情報を、前記放送局ポータルサーバに送信することにより配信判別情報の送信を要求する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報配信システム。
【請求項7】
前記放送局ポータルサーバの前記配信可否判別部は、
前記地域情報及び前記放送局情報と共に受信装置の受信性能を示す機器情報を受信したときは、
前記放送局情報に基づいて前記地域情報における受信条件を取得し、前記受信性能が前記受信条件を満たすか否かを判別して、前記受信性能が前記受信条件を満たすと判別した場合には、放送情報が配信可能である旨の配信判別情報を設定する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報配信システム。
【請求項8】
前記放送局ポータルサーバの前記配信可否判別部は、
受信性能が前記受信条件を満たさないと判別した場合に、前記地域情報が示す地域が予め設定されている難視聴地域に該当するか否かを判別し、前記地域情報が難視聴地域でないと判別した場合には、放送情報が配信可能である旨の配信判別情報を設定し、前記地域情報が難視聴地域であると判別した場合には、放送情報の配信禁止地域である旨の配信判別情報を設定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報配信システム。
【請求項9】
前記放送局ポータルサーバの前記配信可否判別部は、
受信した前記地域情報及び前記放送局情報に基づいて、前記地域情報が示す地域が難視聴地域に該当しないと判別した場合に、受信感度情報の送信が必要である旨の判別結果を前記通信制御部により前記移動型受信装置に送信し、前記移動型受信装置から受信感度情報および機器情報が送信されたときは、その受信感度情報および機器情報に基づいて放送情報が配信可能である旨又は配信禁止地域である旨の配信判別情報を設定して前記通信制御部により前記移動型受信装置に送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報配信システム。
【請求項10】
前記放送局ポータルサーバの前記通信制御部は、
前記通信網を介して前記地域情報、前記放送局情報及び前記機器情報を受信したときは、前記放送局情報及び前記機器情報を所定の放送局管理サーバに送信して配信可否判別処理を委託し、
前記放送局管理サーバから配信可能である旨の配信可否判別結果が送信されたときは、放送情報の配信が可能である旨の配信判別情報を前記移動型受信装置に送信し、前記放送局管理サーバから配信不可地域である旨の配信可否判別結果が送信されたときは、前記配信可否判別部により前記地域情報が難視聴地域でないと判別された場合に、放送情報が配信可能である旨の配信判別情報を前記移動型受信装置に送信し、前記配信可否判別部により前記地域情報が難視聴地域であると判別された場合に、放送情報が配信禁止地域である旨の配信判別情報を前記移動型受信装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報配信システム。
【請求項11】
前記放送局ポータルサーバにおいて、前記通信制御部は、前記移動型受信装置から前記地域情報及び前記機器情報が送信されたときは、前記配信可否判別部により前記地域情報が難視聴地域であると判別された場合には、受信感度情報の送信を必要とする旨の判別結果を前記受信装置に送信し、前記受信装置から受信感度情報および前記機器情報が送信されたときは、前記受信感度情報および前記機器情報を前記放送局管理サーバに送信して配信可否判別処理を委託し、前記放送局管理サーバから送信された配信可否判別結果によって、放送情報が配信可能である旨又は放送情報が配信禁止地域である旨の配信判別情報を前記移動型受信装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報配信システム。
【請求項12】
放送局ポータルサーバから、通信網を経由して配信されるコンテンツを受信する受信装置であって、
前記通信網を経由して前記放送局ポータルサーバと通信する通信部と、
現在位置の地域情報を記憶する記憶部と、
コンテンツを受信するときに、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶された前記地域情報と放送局を特定する放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記通信部を介して、前記放送局ポータルサーバより送信されるコンテンツを受信し、コンテンツ受信開始後の所定のタイミングで、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶されている地域情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を継続し、前記放送局ポータルサーバから配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記コンテンツの受信を停止する、制御部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項13】
現在位置が属す地域を特定する地域情報記憶し、
記憶した前記地域情報と受信対象の放送局を特定する情報を、通信網を介して、放送局ポータルサーバのアドレスに送信し、
前記放送局ポータルサーバからコンテンツが配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記通信網を経由して前記コンテンツを受信し、
コンテンツの受信開始後に、その時点の地域情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、
送信した前記地域情報に応答して、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を継続し、前記放送局ポータルサーバから配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記コンテンツの受信を停止する、
ことを特徴とする情報受信方法。
【請求項14】
通信機能を有するコンピュータを、放送局ポータルサーバから、通信網を経由して配信されるコンテンツを受信する受信装置として動作させるコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、
現在位置を示す位置情報を取得する機能と、
コンテンツを受信するときに、位置情報と放送局を特定する放送局情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバより前記通信網を経由して送信した放送局情報で特定される放送局のコンテンツを受信する機能と、
コンテンツ受信開始後の所定のタイミングで、位置情報を前記放送局ポータルサーバに送信し、前記放送局ポータルサーバから配信可能である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記放送局ポータルサーバから送信されている前記コンテンツの受信を継続し、前記放送局ポータルサーバから配信不可である旨の配信判別情報が送信された場合には、前記コンテンツの受信を停止する制御機能と、
を実現するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−77916(P2013−77916A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215650(P2011−215650)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】