説明

情報配信システム

【課題】問題解答時の受講者の入力イベントを基に個人学習状況を分析し、分析結果を教師等に提示することで、受講者状況に基づいた理解度を高めるための学習コンテンツを生成する。
【解決手段】問題番号と最初の問題文のデータとの間の箇所に問題開始ボタンが表示されるように問題開始ボタンのデータを挿入し、解答候補値に続けて問題終了ボタンが表示されるように問題終了ボタンのデータを挿入する問題生成プログラム。問題開始ボタンは指定を受けると該指定された時刻以降のユーザの入力イベントを収集し、問題終了ボタンは指定を受けると上記収集を終了する機能と対応づけられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク環境における複数台のPCによるサーバクライアント環境を対象とし、多人数の受講者それぞれの学習状況をサーバが把握し、かつ教師がサーバを通じて受講者の学習状況を把握し、適応するコンテンツを生成・選択することで学習効率を向上させることを目的とした情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在サービスが実施されているeラーニングにおいて主流となっているのは、webを活用した学習方法(Web Based Training(WBT))である。特にブロードバンドが普及しつつある昨今では、テキストに基づくWBTだけではなく、映像や音声を組み込んだWBTも増えつつあり、学習用コンテンツは充実してきている。このような状況においては、ユーザが自分に必要なコンテンツを自分で選択することが必要となる。
【0003】
eラーニングの主流はwebベースの学習に代表される非同期教育を対象としたeラーニング(非同期教育型eラーニング)や、TV電話やASP等を利用した外国語教育等に代表される同期教育を対象としたeラーニング(同期教育型eラーニング)である。いずれも、ユーザを中心とした教育を支援しており、教育を受ける現場に行かずともユーザの望む時間帯、場所で教育が受けられるという点でメリットは大きい。しかし、学習のためのコンテンツはユーザ毎に作成されるのではなく、ユーザの問題解答状況に応じてコンテンツ内の遷移が変化するようになっている。したがって、ユーザが得る情報はそのコンテンツ内に記述されている情報のみであり、そこで問題が解決されない場合には受講者自身が別ルートで解決策を含むコンテンツを探す必要が出てくる。また、遠隔で個人或いはグループによる同期教育が受けられるという点でメリットがあるが、個人については、一対一対応による同期教育であるため、教師・チュータを多く必要とする。一方、グループについては、試験などでレベル判定を行い、その結果に基いてグループ分けを行い、同期教育用グループとしている場合が多い。しかし、その場合、その試験のみでグループが形成され、個人の詳細な学習状況やレベル、またマクロな意味でのキャリアプランが反映されておらず、個人に適応した教育が完璧に行われているとは言い難い。これらの問題点を解決する技術としては、授業等の映像を用いて、各受講者の学習状況に適応した学習コンテンツを生成し、さらに多人数の学習者各々の学習状況を把握することによって効率よくチュータリングを行うことを目的とする情報配信システムが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】特開2004-354849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来の技術では、汎用の映像コンテンツの構造解析を行なうための複数メディア情報のマルチモーダル解析機能、受講者の解答結果に対応した個人適応映像コンテンツの生成及び配信機能を搭載している。しかし、こうした機能の実現に必要な、受講者の個人学習状況を分析するための個人特徴量として、ペン入力インタフェースによる正誤判定のみを用いており、これだけでは受講者の個人特徴量としては不十分であった。さらに、復習問題に対する解答結果のみを受講者の学習状況データとしていたが、このデータだけでは最終結果しか分からず、受講者の解答過程が理解できないため、eラーニング機能の一つであるチュータ機能を十分に満たすことはできなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、問題解答時に発生する受講者の入力イベントであるマウスイベント情報、キーボードストロークイベント情報、及び、デジタルペンの軌跡を蓄積したペンイベント情報を基に個人学習状況を分析し、さらに分析結果を教師等に提示することで、受講者状況に基づいた理解度を高めるための学習コンテンツを生成することを目的とする。また、個々の受講者の分析結果から類似度判定を行い、グループを生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本願で開示する代表的な発明は以下の通りである。複数の問題についての問題文及び解答候補値のデータを取得して問題コンテンツを作成する情報処理装置において実行されるプログラムであって、該プログラムは、上記各問題の問題番号と最初の上記問題文のデータとの間の箇所に問題開始ボタンが表示されるように、該問題開始ボタンのデータを挿入し、該問題についての上記解答候補値に続けて問題終了ボタンが表示されるように該問題終了ボタンのデータを挿入するものであって、上記問題開始ボタンは指定を受けると該指定された時刻以降のユーザの入力イベントを収集し、上記問題終了ボタンは指定を受けると上記収集を終了する機能と対応づけられているプログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、教師などのコンテンツ作成者が、問題文及び解答候補値のデータを入力することによって、受講者の入力情報から、学習時に抽出されるマウスイベント情報、キーボードストローク情報、デジタルペンによる軌跡イベント情報等の学習履歴を取得することが可能な、コンテンツを生成することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態の一つとして示すシステムは、音声やテキストなど複数のメディアを統合利用するシステムであり、ネットワーク環境における複数台のPCによるサーバクライアント環境を対象とし、多人数の受講者それぞれの学習状況をサーバが把握し、かつ教師がサーバを通じて受講者の学習状況を把握し、適応するコンテンツを生成・選択することで学習効率を向上させることを目的とした情報配信システムである。
図1を用いて、本発明の実施の形態を説明する。図1は、情報配信システムの構成の一例を示すブロック図である。
101は、授業時の映像、音声、電子白板情報等を蓄積し、蓄積された情報を分析、配信する学習関連情報蓄積サーバである。授業の様子を撮影する授業映像撮像カメラ1011、教師が授業中に書き込みを行い、書き込んだ内容を電子データとして取得する電子白板1012が接続されている。
102は、個人適応映像コンテンツの生成及び管理を行う、教育情報管理サーバである。
103は、教師が授業を行なう教師用端末である。103−01は、教師がチュータリングを行なう教師用端末である。
104及び104−01は、受講者が学習に用いる受講者用端末である。受講者が受講中に書き込みを行い、書き込んだ内容を電子データとして取得するデジタルペン1041及び1041−01が接続されている。
学習関連情報蓄積サーバ101、教育情報管理サーバ102、教師用端末103及び103−01、受講者用端末104及び104−01は、それぞれネットワーク1(例えば、インターネット)を介して接続されている。なお、本例においては、サーバに対して受講者用端末104及び104−01を2台接続している例を示すが、さらに複数台が接続される場合もある。
【0010】
本実施の形態の配信システムは、複数の受講者に対して特定の講義内容を教授する教育情報を配信するシステムであり、教師の行う授業を撮影した映像データを用いて補習コンテンツを生成し、さらに受講者の学習状況に適応したチュータリングを行うシステムである。すなわち、受講者が受講者用端末104を用いて教育情報管理サーバ102から送信された復習問題等のコンテンツについて学習する。受講者が学習している状況は受講者用端末104に記録され、記録されたデータは受講者用端末104から教育情報管理サーバ102に送信される。教育情報管理サーバ102は、送信された記録データから学習ユーザの学習状況を抽出し、抽出したデータを用いて補習コンテンツを生成し、さらに受講者へのチュータリングを行う。
【0011】
<学習関連情報蓄積サーバ101 に関する説明>
次に、学習関連情報蓄積サーバ101の構成の一例に関して、図2を用いて説明する。
10101は、起動したプログラムに応じて処理を行うCPUである。10102は、サーバの起動とともに、システムプログラム1010201、映像蓄積プログラム1010202、静止画像蓄積プログラム1010203、音声蓄積プログラム1010204、電子白板データ蓄積プログラム1010205を読み込んで、格納するプログラム格納メモリである。
ハードディスク10103は、プログラムやデータ等を記憶して格納する。
ハードディスク10103に保持されているデータは、必要に応じてメモリ10102上に読み込まれ、CPU10101によって処理がなされる。具体的には、映像蓄積プログラム1010202及び静止画像蓄積プログラム1010203によって蓄積された授業映像データ1010301及び静止画像データ1010302、音声蓄積プログラム1010204によって蓄積された音声データ1010303、及び、電子白板データ蓄積プログラム1010205によって蓄積された、図1の電子白板1012に書き込まれた文字や図形等の電子白板書き込みデータ1010304をハードディスク10103にそれぞれ格納する。
【0012】
<教育情報管理サーバ102 に関する説明>
次に、教育情報管理サーバ102の構成の一例に関して、図3を用いて説明する。
1021は、起動したプログラムに応じて処理を行うCPUである。1022は、サーバの起動とともに、システムプログラム102201、データ送受信プログラム102202、音声認識プログラム102203、映像認識プログラム102204、白板認識プログラム102205、基本コンテンツデータ統合認識プログラム102206、解答データ収集プログラム102207、個人特徴量分析プログラム102208、コンテンツ自動作成モジュール102209を読み込んで、格納するプログラム格納メモリである。ハードディスク1023は、プログラムやデータ等を記憶し格納する。ハードディスク1023に保持されているデータは、必要に応じてメモリ1022上に読み込まれ、CPU1021によって処理がなされる。具体的には、単語辞書102301、各種データ認識用辞書102302、復習問題データ102303、復習問題の正解データ102304を格納する。
【0013】
<教師用端末103及び103−01 に関する説明>
次に、教師用端末103及び103−01の構成の一例に関して、図4を用いて説明する。
10301は、起動したプログラムに応じて処理を行うCPUである。10302は、サーバの起動とともに、システムプログラム1030201、データ送受信制御プログラム1030202、チュータリングプログラム1030203、個人適応型コンテンツ生成支援システム1030204を読み込んで、格納するプログラム格納メモリである。10303は、プログラムやデータ等を格納するハードディスクである。
【0014】
<受講者用端末104に関する説明>
次に、受講者用端末104の構成の一例に関して、図5を用いて説明する。
10401は、起動したプログラムに応じて処理を行うCPUである。
10402は、サーバの起動とともに、システムプログラム1040201、補習コンテンツ利用プログラム1040202、デジタルペン制御プログラム1040203を読み込んで、格納するプログラム格納メモリである。10403は、受講者の問題解答データ等のイベントデータ1040301を格納するハードディスクである。
【0015】
<コンテンツ作成部の処理フローの説明>
次に、図6、図7、図8、図9を用いて、個人適応型コンテンツ生成処理における、コンテンツ作成部の処理に関して説明する。
図6は、教師によるコンテンツ作成処理を示すブロック図である。教師は、教師用端末にて個人適応型コンテンツ生成支援システム1030204を起動し(S1001)、問題文と解答候補の形式を決定する(S1002)。選択式及び記述式の中からどちらか一方を選択する。次に、教師が、配置された問題文と解答候補を入力するための入力ボックス(図13の303)に、問題文と解答候補を入力すると、問題毎に問題データセットが生成される(S1003)。問題データセットには、問題番号、問題内容(問題文及び解答候補値)、正解値、問題形式番号データ(ここでは、問題形式が選択式の場合は1、問題形式が記述式の場合は2とする)が格納されている。次に、S1003で生成された問題データセットを教育情報管理サーバに送信する(S1004)。次に、教育情報管理サーバで、コンテンツ自動作成モジュール102209を起動する。予め用意されたコンテンツフォーマットに、問題データセットから読み込んだ問題番号、問題内容(問題文及び解答候補値)を埋め込んでいく。コンテンツフォーマットは、例えば、図7に示すような構成となっている。まず、解答開始ボタン及び解答終了ボタンのボタンセットを、各問題番号の下に配置する。ボタンセットは、問題データセット数と同じ数だけ配置する。
解答開始ボタンを押下すると、受講者が入力した入力イベントの蓄積が開始され、解答終了ボタンを押下するまでの間に、受講者が入力した入力イベントが蓄積される。解答開始ボタンと解答終了ボタンには、それぞれボタンごとに、問題データセットから読み込んだ問題番号が付与されている。
【0016】
この様に本願では、各問題の問題番号と最初の上記問題文のデータとの間の箇所に問題開始ボタンが表示されるように、該問題開始ボタンのデータを挿入し、問題についての上記解答候補値に続けて問題終了ボタンが表示されるように問題終了ボタンのデータを挿入する。これによって、受講者の入力情報から、学習時に抽出されるマウスイベント情報、
キーボードストローク情報、デジタルペンによる軌跡イベント情報等の学習履歴を取得することが可能なコンテンツを生成することが出来る。
次に、解答開始ボタンと解答終了ボタンの間に、問題文を読み込むためのテキストボックスを配置する。さらに、解答候補値を読み込むためのテキストボックス或いはラジオボタンを配置する。問題形式が記述式である場合は、解答値を入力するための手段として、テキストボックスを配置する。問題形式が選択式である場合は、解答候補を選択するための手段としてラジオボタンと、解答候補値を読み込むためのテキストボックスを解答候補の個数分、並列に配置する。なお、ここではラジオボタンとテキストボックスを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。
解答終了ボタンを押下すると、入力イベントの蓄積が終了する。フォーマットの一番最後に、解答完了ボタンが配置されている。解答完了ボタンを押下すると、全ての問題の解答を終了して、教育情報管理サーバに受講者が入力した入力イベントのログデータが送信される(S1005)。以上の処理で、コンテンツ生成処理が終了する(S1006)。
図8は、受講者の解答ログデータ取得処理を示すブロック図である。
受講者は、受講者用端末にて補習コンテンツ利用プログラム1040202を起動して(S1007)、教育情報管理サーバから補習コンテンツを受信する(S1008)。補習コンテンツ利用プログラム1040202は、コンテンツ利用プログラムと、ログ抽出プログラムから構成されており、コンテンツ利用プログラムを起動することにより、ログ抽出プログラムが機能する。
【0017】
次に、受講者が、問題毎に解答開始ボタンを押下して問題の解答を開始する(S1009)。マウス、キーボード、デジタルペンによる入力イベントの蓄積が開始され、解答終了ボタンが押下されるまでの間、入力イベントが蓄積される(S1010)。
例えば、問題1という選択式問題を解答する場合、マウスでラジオボタンを選択する処理が発生する。ログ抽出プログラムにより、ラジオボタン1が選択されると、解答開始ボタンが押下されてからの相対時間ログと、タイムスタンプログと、マウスイベントとしてラジオボタン1が選択されたという解答ログを取得する。受講者がラジオボタンを選択する度にログを取得して、解答履歴データとして保存される。
【0018】
また、例えば問題2という記述式問題を解答する場合は、キーボードでテキストボックスに入力を行う処理が発生する。ログ抽出プログラムが、解答開始ボタンが押下されてからの相対時間ログと、タイムスタンプログと、キーイベントとして、テキストボックスに入力が行われる度に解答ログを取得して、解答履歴データとして保存する。例えば、キーイベントとして、テキストボックスに「Yes」と入力された場合は、「Yes」という解答値のログデータが蓄積される。Deleteキーでテキストボックスに存在する「Yes」が消去された場合は、「Yes」が消去されたというログデータが蓄積される(S1011)。
次に、受講者が、問題毎に解答終了ボタンを押下して問題の解答を終了する(S1012)。
解答終了ボタンを押下することで、マウス、キーボード、デジタルペンによる入力イベントの蓄積を終了する(S1013)。次に、全ての問題の解答を終了し、解答完了ボタンを押下すると(S1014)、教育情報管理サーバに、入力イベントのログデータ(解答データ)が送信される(S1015)。
【0019】
図9は、解答ログデータ解析処理を示すブロック図である。
教育情報管理サーバは、個人特徴量分析プログラム102208を起動して(S1016)、
受講者用端末より送信された入力イベントのログデータを解析する(S1017)。次に、解析されたログデータを、イベントデータセットとして格納する。イベントデータセットは、ユーザ番号、問題毎の解答データセット(解答時間、解答回数、入力された全ての解答値、最終解答値、正解値、標準時間と実解答時間の差分、デジタルペンの軌跡)から構成される入力履歴情報である(S1018)。格納されたイベントデータセットは、教師が教師用端末において、個人適応型コンテンツ生成支援システム1030204を起動して、受講生毎の問題解答状況データを閲覧する場合に利用される(S1019)。受講者の問題解答状況の閲覧方法については、別途、詳細を後述する。
【0020】
<個人適応型コンテンツ生成処理 に関する説明>
次に、図10を用いて、教師による個人適応型コンテンツの生成処理に関して説明する。図10は、個人適応型コンテンツの生成処理を主要機能単位で示した機能ブロック図である。
まず教師用端末(図1の103)にて、個人適応型コンテンツ生成支援システムを起動する(S2001)。次に、グループ別、及び個人別受講者の復習問題解答履歴を確認する(S2002)。このとき教師は、グループ分けの元となる特徴量を指定することによって、受講者の解答状況データ分析結果データ群を、復習問題セット及び問題番号単位及び特徴量を考慮して閲覧することができる。また、教育情報管理サーバ102に保存されている受講者の復習問題解答状況データ及び分析結果を、受講者及び復習問題セット及び問題番号単位ごとに閲覧することができる。次に、対応付けが必要なグループ及び個人別受講者を選択して、新たなグループを作成する(S2003)。次に、受講者解答用の復習問題を作成する(S2004)。このとき、三択式問題及び記述式問題から問題形式を選択することができる。次に、復習問題に対応する補習コンテンツを作成する(S2005)。選択した元となる映像コンテンツから、復習問題に対応する映像箇所の抽出及び対応付けを行う。次に、S2003で作成したグループに対して、補習コンテンツを送信する(S2006)。
S2002〜S2006の各ステップの詳細機能については、以下、順に説明する。
【0021】
次に、図11を用いて、教師による個人適応型コンテンツの生成処理の詳細に関して説明する。図11は、個人適応型コンテンツの生成処理を機能単位で示したフローチャートである。
まず教師用端末(図1の103)にて、個人適応型コンテンツ生成支援システムを起動する(S3001)。次に、表示されているシステム画面上で、復習問題を問題文表示領域にテキスト入力するか、或いは既存の復習問題をメニューから選択して、コンテンツを作成する(S3002)。作成及び選択した復習問題コンテンツが画面上に表示されるので、復習問題に対応した映像コンテンツ箇所を選択するために、対象となるコンテンツをメニューから選択する(S3003)。次に、「対応映像検索ボタン」を押すか、或いはキーワード入力ボックス内に検索キーとなる単語を単数、或いは複数入力し、「キーワードから対応映像検索ボタン」を押す。いずれのボタンを押した場合にも、単語は形態素解析モジュールにより形態素解析され、単語単位で登録を行う(S3004)。次に、登録された単語と、コンテンツ統合自動解析によって得られた単語データとを照合し、10秒間隔で登録を行う(S3005)。10秒間単位で登録された単語頻度で最も高い頻度が示されている時間領域から、3候補を候補位置として登録を行う(S3006)。単語が複数入力された場合、或いは復習問題から複数の単語が抽出された場合には、単語のバラエティの数が多い時間領域から3候補を候補位置として登録する。登録された時間領域の映像フレームデータを、それぞれ対応映像フレームデータとして格納する(S3007)。登録された対応映像フレームデータは、候補ナンバにタグ付けされており、候補ナンバは教師用画面にリスト表示される。教師がリストから候補ナンバを選択すると、対応する映像フレームデータナンバにより、元コンテンツから映像が切り出されて、候補映像表示領域に動画を表示する(S3008)。教師が動画をチェックしながら候補ナンバを選択して、「問題文とのリンク付け」ボタンを押すと、リンク付けデータ表示欄に選択した候補ナンバが表示される(S3009)。復習問題と候補映像のリンク付けが終了したら、復習問題セットを保存する(S3010)。以上の処理で個人適応型コンテンツが生成される。
【0022】
<復習問題作成フロー に関する説明>
図12は、復習問題作成画面の一例を示す説明図である。教師用端末(図1の103)にて、個人適応型コンテンツ生成支援システムを起動すると、図12に示すような復習問題作成画面が表示される。教師は復習問題を作成する際に、新規に作成する、或いはサーバに保存してある既存の復習問題を利用して作成するというように、問題の作成方法を選択することができる。
【0023】
<新規に復習問題を作成するフロー に関する説明>
本実施例ではまず、復習問題を新規に作成する方法について説明する。
図12の201は、作成中或いは編集中の復習問題番号と、復習問題セット内に登録されている復習問題の個数を表示する領域である。202は、問題文を表示する領域である。
新規作成ボタン203を押下すると、図13に示すような、復習問題の形式を設定する問題文の編集画面に遷移する。図13は、問題文の編集画面の一例を示す説明図である。以下、図13を用いて説明する。
復習問題の形式は、三択式問題或いは記述式問題の2パタンが用意されており、復習問題を作成する際に、教師は問題形式を選択することができる。本実施例では三択式問題を作成する方法について説明する。301は、問題作成領域である。302は、作成中或いは編集中の復習問題番号を表示する領域である。303は、教師が復習問題及び解答候補及び正解値及び標準解答時間を、テキスト入力及び編集を行う復習問題入力ボックスである。項目(三択式)の追加ボタン304を押下すると、問題作成領域301に三択式問題及び解答候補及び解答値及び標準解答時間を入力する復習問題入力ボックス303が表示される。教師が復習問題入力ボックス303にテキスト入力を行い、適用ボタン307を押下すると、図12に示すような復習問題作成画面に遷移する。図12の問題文表示領域202には、図13の復習問題入力ボックス303にテキスト入力した内容が反映される。本実施例では、問題文として「参議院の任期として正しいものは以下のどれか。」、解答候補として「3年」及び「6年」及び「8年」、正解値として「2」、標準解答時間として「5秒」とそれぞれ入力したものとする。
なお、図13の、項目の削除ボタン306を押下すると、前述した方法を用いて作成した復習問題を削除することができる。
【0024】
図12の登録ボタン206を押下すると、問題文表示領域202に表示されている復習問題が教育管理サーバ102に登録され、問題文番号表示領域207に、登録された問題文番号が表示される。編集ボタン205を押下すると、教育管理サーバ102に登録されている復習問題を編集することができる。
同様に、記述式問題を新規に作成する場合は、図13の項目(記述式)の追加ボタン305を押下して、問題作成領域301に表示された記述式問題及び解答候補及び解答値及び標準解答時間を入力する復習問題入力ボックス303にテキスト入力を行い、適用ボタン307を押下すれば良い。
【0025】
<既存の復習問題コンテンツを利用して、新規に問題を作成するフロー に関する説明>
次に、サーバに保存されている既存の復習問題を利用して、新たに復習問題を作成する方法について説明する。図12の読み込みボタン204を押下すると、図13に示すような、復習問題の形式を設定する問題文の編集画面に遷移する。以下、図13を用いて説明する。
308は、一般データ読み込み領域である。309は、一般データ参照領域であり、入力したURLアドレスを表示する領域である。310は、読み込んだ既存の復習問題及び解答候補及び解答値及び標準解答時間を表示する、復習問題表示領域である。参照ボタン311を押下すると、教育情報管理サーバ102に保存されている既存の復習問題コンテンツの一覧が表示される。復習問題の作成に利用したい復習問題コンテンツを選択すると、選択した復習問題が復習問題表示領域310に表示される。閉じるボタン312を押下すると、図12に示すような復習問題作成画面に遷移する。図12の問題文表示領域202には、図13の復習問題表示領域310にテキスト入力した内容が反映される。
【0026】
<復習問題に対応した映像箇所の抽出・対応付けを行うフロー に関する説明>
次に、復習問題に対応した映像コンテンツ箇所の抽出及び対応付けを行う方法について説明する。
図12の問題文表示領域202に表示されている復習問題に対応した映像コンテンツ箇所を選択するために、対象となるコンテンツを、コンテンツリスト表示領域208より選択し、選択ボタン209を押下して決定する。本実施例では、公民復習問題9が選択されたものとする。選択したコンテンツから対応映像を抽出及び対応付けする方法は、問題文からリンク付けする方法と、検索用のキーワードを指定する方法の2パタンがあるが、本実施例では、まず問題文からリンク付けする方法について説明する。
222は、候補映像の数及び映像表示制限時間を検索パラメータとして入力し、その値を表示する領域である。本実施例では、検索した候補映像の数を3、映像表示制限時間を10秒とそれぞれ設定したものとする。
【0027】
問題文から対応映像検索ボタン215を押下すると、問題文に含まれる単語が形態素解析モジュールによって形態素解析され、単語単位で登録を行う。次に、登録された単語と、コンテンツ統合自動解析によって得られた単語データとを照合し、10秒間隔で登録を行う。次に、10秒間単位で登録された単語頻度で最も高い頻度が示されている時間領域から、3候補を候補位置として登録を行う。問題文から複数の単語が抽出された場合には、単語のバラエティの数が多い時間領域から3候補を候補位置として登録を行う。次に、登録された時間領域の映像フレームデータを、それぞれ対応映像フレームデータとして格納する。登録された対応映像フレームデータは、候補ナンバにタグ付けされており、候補ナンバは図12の候補映像リスト表示領域212にリスト表示される。また、教師が候補映像リスト表示領域212から候補ナンバを選択すると、元コンテンツ名表示領域223に、前述処理にて選択された対象コンテンツ名が表示される。本実施例では、V007及びV001及びV011が表示されたものとする。さらに対応する映像フレームデータナンバにより、元コンテンツから映像が切り出されて候補映像表示領域224に動画表示される。表示された動画の内容を確認しながら、教師が候補ナンバを選択し、問題文とのリンク付けボタン217を押下すると、リンク付けされた映像リスト表示領域213に、選択した候補ナンバが表示される。本実施例では、候補映像リストのうちV007を選択し、リンク付けされた映像リストとしてV007−001を取得したものとする。候補映像とのリンク付けが終了したら、復習問題セットの保存ボタン218を押下する。復習問題セット名を入力する画面に遷移するので、任意の復習問題セット名を入力する。本実施例では、公民復習問題2と入力したものとする。入力後、復習問題セット名表示領域214に、復習問題セット名が表示され、個人適応型コンテンツが生成される。
同様に、キーワードを指定して復習問題に対応する映像コンテンツ箇所の抽出及び対応付けを行う場合は、キーワード入力領域210に、検索キーとなるキーワードを入力して、キーワードから対応映像検索ボタン216を押下すれば良い。単語が複数入力された場合は、単語のバラエティの数が多い時間領域から3候補を候補位置として登録を行うものとする。
【0028】
<受講者解答データ表示処理フロー に関する説明>
次に、図14を用いて、個人適応型コンテンツ生成処理における、受講者解答データの表示処理に関して説明する。
図14は、受講者の解答データ表示処理の詳細を示すブロック図である。例えば、「User18」という受講者の解答データを閲覧する場合、教師が教師用端末にて個人適応型コンテンツ生成支援システム1030204を起動すると(S6001)、教育情報管理サーバにアクセスし、イベントデータセット(入力履歴情報セット)を受信する(S6002)。
【0029】
次に、教師が解答データを閲覧したい問題セット名を、問題セット名表示領域(図15の402)から選択し、さらに閲覧したい問題番号を問題番号表示領域(図15の403)から選択する(S6003)。次に、イベントデータセットと、S6003で選択された問題セット名及び問題番号を対応付けて照合し、照合結果を解答処理状況表示領域(図15の411)に表示する(S6004)。
次に、教師が解答処理状況表示領域(図15の411)に表示されたイベントデータ(入力履歴情報)の何れかを選択すると(S6005)、選択されたイベントデータ(入力履歴情報)の時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を、デジタルペンメモ書き内容再現領域(図15の419)に表示する。例えば、教師が解答1回目の入力値を選択した場合、解答が開始された時刻から、解答1回目の入力値の時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を、デジタルペンメモ書き内容再現領域(図15の419)に表示する。
或いは、選択されたイベントデータの直前のイベントデータの時刻から、選択されたイベントデータの時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を、デジタルペンメモ書き内容再現領域に表示する(S6006)。例えば、教師が解答2回目の入力値を選択した場合、解答2回目の入力値の直前のイベントデータに該当する解答1回目の入力値の時刻から、教師が選択した解答2回目の入力値の時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を、デジタルペンメモ書き内容再現領域(図15の419)に表示する。
【0030】
本実施例においては、イベントデータセット(入力履歴情報セット)を、教育情報管理サーバよりダウンロードする方法で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、インターネットを利用したASP方式で実現しても良い。
本発明により、問題解答時に発生する受講者の入力イベント(マウスイベント情報、キーボードストロークイベント情報、及びデジタルペンの軌跡を蓄積したペンイベント情報)
から取得したイベントデータ(入力履歴情報)を、個人学習状況として表示することによって、教師が閲覧することができる。さらに、各イベントデータとデジタルペンの軌跡(メモ書き)を組み合わせて表示することで、教師は、受講者の最終的な解答結果だけでなく、学習状況を解答ステップごとに閲覧することができる。さらに、教師が、受講者が問題を解く過程を閲覧することで、受講者の学習傾向を把握することができ、受講者の学習傾向に見合った指導を行なうことができる。
【0031】
<グループ別及び個人別受講者解答状況閲覧の画面表示の一例 に関する説明>
次に、図12及び図15を用いて、グループの表示機能について説明する。図15は、グループ別及び個人別受講者解答状況の画面表示の一例を説明する図である。
図12のグループの表示ボタン219を押下すると、図15に示すようなグループ別及び個人別受講者解答状況の表示画面に遷移する。401は、復習問題セット情報を表示する領域である。402は、復習問題セット名表示領域である。受講者が解答済みの復習問題セットの一覧をリスト表示する。403は、問題番号表示領域である。復習問題セット名表示領域402で選択されている復習問題セットについて、教師が選択した任意の問題番号の表示を行う。本実施例では、復習問題セット名表示領域402では数学復習問題1が、問題番号表示領域403では、15が選択されたものとする。
404は、特徴量表示領域である。グループ分けの元となる特徴量を指定する。「正解か不正解か」、「解答の書き直しの有無」、「解答速度」の3項目が設定されており、教師がグループ分けに必要な特徴量を選択することができる。本実施例では、「正解/不正解」及び「書き直し無し/有り」項目にチェックしたものとする。グループ情報表示領域407は、特徴量によってグループ分けされたグループのリスト表示を行う。グループの表示ボタン405を押下すると、特徴量表示領域404でチェックした「正解/不正解」及び「書き直し無し/有り」の特徴量に該当する受講者が、グループ化されてグループ表示領域408に表示される。受講者リスト表示領域409には、グループ表示領域408で選択されているグループに含まれる、受講者の一覧がリスト表示される。
受講者アイコン表示領域410には、受講者リスト表示領域409で選択されている受講者のアイコン表示を行う。アイコンは、予め教育情報管理サーバ102に登録されているものとする。本実施例では、グループ表示領域408ではgroup7が、受講者リスト表示領域409ではUser18が選択されているものとする。
【0032】
解答処理状況表示領域411は、受講者リスト表示領域409において選択されている受講者の、復習問題セット名表示領域402で選択されている復習問題セットについて、問題番号表示領域403で選択されている問題番号に対応する解答状況を表示する。ステータス表示領域412は、該当する問題番号の解答状況を表示する。例えば、解答が完了している場合は「完了」と表示され、解答が未完の場合は「未完」と表示される。解答時間表示領域413は、当該問題の解答に要した時間を、分秒ミリ秒単位で表示する。解答回数表示領域414は、当該問題の解答回数を表示する。解答値表示領域415は、当該問題の解答回数分全ての解答値を一覧にして表示する。例えば、解答が3回行われた場合は、3回分の解答値がリスト化されて表示される。最終解答値表示領域416は、当該問題の最終解答値を表示する。正解値表示領域417は、当該問題の正解値を表示する。標準時間との差分表示領域418は、予め設定された当該問題の標準解答時間との差分を、分ミリ秒単位で表示する。
419は、デジタルペンによるメモ書き内容再現領域である。受講者が復習問題を解く際に、デジタルペンを用いてメモ書きを行った軌跡の再現を行う。解答処理状況表示領域411に表示されたイベントデータ(入力履歴情報)の何れかを選択すると、選択されたイベントデータ(入力履歴情報)の時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を表示する。或いは、選択されたイベントデータの直前のイベントデータの時刻から、選択されたイベントデータの時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を表示する。
420は、デジタルペンメモ書き内容再現領域419に表示された、デジタルペンの軌跡の再現時間を表示する時間表示領域である。
421は、デジタルペンメモ書き内容再現領域419に表示された、デジタルペンの軌跡再現状況をタイムバーで表示する、再現状況表示タイムバーである。
422は、デジタルペンメモ書き内容再現領域419に表示された、デジタルペンの軌跡再現内容を、再生及び一時停止及び停止するといった制御を行うための、デジタルペン再現内容制御ボタンである。
423は、グループ別及び個人別受講者解答状況の表示画面400を閉じるための終了ボタンである。
前述した各パラメータを設定することによって、教師は、受講者の解答状況データ分析結果データ群を、復習問題セット、及び問題番号単位、及び特徴量を考慮して閲覧することができる。
【0033】
<個人別解答状況閲覧の画面表示の一例 に関する説明>
次に、図12及び図16を用いて、個人別解答状況閲覧機能について説明する。図16は、個人別解答状況閲覧の画面表示の一例を説明する図である。
図12の、個人別受講者解答状況の表示ボタン220を押下すると、図16に示すような個人別解答状況閲覧表示画面に遷移する。501は、受講者情報表示領域である。502は、受講者名表示領域である。復習問題の解答を行った受講者の一覧をリスト表示する。503は、受講者アイコン表示領域である。受講者名表示領域502で選択されている受講者のアイコン表示を行う。アイコンは、予め教育情報管理サーバ102に登録されているものとする。本実施例では、受講者名表示領域502ではuser18が選択されているものとする。504は、復習問題セット情報を表示する領域である。505は、復習問題セット名表示領域である。受講者が解答済みの復習問題セットのリスト表示を行う。506は、問題番号表示領域である。復習問題セット名表示領域505で選択されている復習問題セットについて、教師が選択した任意の問題番号の表示を行う。本実施例では、復習問題セット名表示領域505では数学復習問題1が、問題番号表示領域506では、15が選択されたものとする。
解答処理状況表示領域507は、受講者名表示領域502において選択されている受講者の、復習問題セット名表示領域505で選択されている復習問題セットについて、問題番号表示領域506で選択されている問題番号に対応する解答状況を表示する。
ステータス表示領域508は、該当する問題番号の解答状況を表示する。例えば、解答が完了している場合は「完了」と表示され、解答が未完の場合は「未完」と表示される。
解答時間表示領域509は、当該問題の解答に要した時間を、分秒ミリ秒単位で表示する。
【0034】
解答回数表示領域510は、当該問題の解答回数を表示する。解答値表示領域511は、当該問題の解答回数分全ての解答値を一覧にして表示する。例えば、解答が3回行われた場合は、3回分の解答値がリスト化されて表示される。最終解答値表示領域512は、当該問題の最終解答値を表示する。正解値表示領域513は、当該問題の正解値を表示する。標準時間との差分表示領域514は、予め設定された当該問題の標準解答時間との差分を、分ミリ秒単位で表示する。
515は、デジタルペンによるメモ書き内容再現領域である。受講者が復習問題を解く際に、デジタルペンを用いてメモ書きを行った軌跡の再現を行う。解答処理状況表示領域507に表示されたイベントデータ(入力履歴情報)の何れかを選択すると、選択されたイベントデータ(入力履歴情報)の時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を表示する。或いは、選択されたイベントデータの直前のイベントデータの時刻から、選択されたイベントデータの時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を表示する。
516は、デジタルペンメモ書き内容再現領域515に表示された、デジタルペンの軌跡の再現時間を表示する時間表示領域である。
517は、デジタルペンメモ書き内容再現領域515に表示された、デジタルペンの軌跡再現状況をタイムバーで表示する、再現状況表示タイムバーである。
518は、デジタルペンメモ書き内容再現領域515に表示された、デジタルペンの軌跡再現内容を、再生及び一時停止及び停止するといった制御を行うための、デジタルペン再現内容制御ボタンである。519は、個人別解答状況閲覧の画面500を閉じるための終了ボタンである。
前述した各パラメータを設定することによって、教師は、教育情報管理サーバ102に保存されている受講者の復習問題解答状況データ及び分析結果を、受講者及び復習問題セット及び問題番号単位ごとに閲覧することができる。
【0035】
<対応付ける個人・グループの選択画面 に関する説明>
次に、図15及び図17を用いて、個人及びグループの対応付け機能について説明する。図17は、対応付ける個人及びグループ選択画面表示の一例を説明する図である。
図15の個人・グループの選択ボタン406を押下すると、図17に示すような、対応付ける個人及びグループの選択画面が表示される。607は、対応付ける個人及びグループ選択画面601を閉じるための終了ボタンである。
グループリスト表示領域602は、前述した、グループ分けの元となる特徴量を指定した結果、生成されたグループのリストを表示する領域である。該当するグループを選択すると、選択したグループに含まれる受講者が、受講者リスト表示領域603に一覧表示される。本実施例では、グループリスト表示領域602ではgroup19が、受講者リスト表示領域603ではUser32及びUser54が選択されたものとする。
次に、対応付けを行うグループ或いは個人を、グループリスト表示領域602或いは受講者リスト表示領域603の中から選択する。本実施例では、受講者個人を対象として対応付けを行うものとする。対応付けを行う受講者を、受講者リスト表示領域603の中から選択し、個人の選択ボタン606を押下すると、選択済みリスト604に、選択した受講者名が表示される。本実施例では、User32及びUser54が選択されたものとする。教育情報管理サーバ102より、前述した処理によって選択されたUser32及びUser54宛に、指定した復習問題コンテンツが送信される。なお、グループを選択して対応付けを行う場合は、グループの選択ボタン605を押下してやれば良い。
【0036】
<受講者の復習問題解答データ取得フロー に関する説明>
次に、図18を用いて、受講者の復習問題解答データ取得処理に関して説明する。ここでは、HTML形式で作成されている復習問題を解答することを一例として説明する。
教師による個人適応型コンテンツ生成処理が終了した後、受講者は受講者用端末にて、補習用コンテンツ利用プログラム1040202を起動し(S4001)、ユーザーID、パスワード等の受講者情報を入力してログインを行う(S4002)。補習用コンテンツ利用プログラム1040202を起動後、教育情報管理サーバから受講者用端末に復習問題コンテンツが送信され(S4003、S4004)、教育情報管理サーバにて解答データ収集プログラムが起動される(S4005)。次に、受講者用端末にてデジタルペン制御プログラムを起動する(S4006)。受講者用端末には、教育情報管理サーバから送信された復習問題を選択、決定する画面が表示され、受講者が該当する復習問題を選択すると、復習問題コンテンツ及び解答欄が画面上に表示される(S4007)。
次に、受講者が選択した復習問題コンテンツの解答を開始する。解答入力箇所は、解答入力欄とコメント欄に予め分類されており、それぞれ問題毎にエリア分類され、問題番号がタグ付けされている。解答には、マウス入力、キーボード入力、ペン入力のいずれかを用いる。受講者がHTML形式の復習問題を解答する際に、マウス入力やキーボード入力操作に応じて、HTMLエレメントイベントを取得できる。さらに、デジタルペンを用いて、メモ書き領域にメモを取ることができ、入力されたデジタルペンの軌跡情報(ペンログ)を取得できる。解答開始ボタンを押すと、問題を解答する際に発生する受講者のマウス、キーボード、デジタルペンの各入力イベントの蓄積を開始する(S4008)。
マウス及びキーボードで解答する場合には、マウスイベント情報、キーボードストロークイベント情報をマウス・キーボードストローク検知モジュールを用いて、各イベントをイベント内容と絶対時刻に対応づけて格納する(S4009)。次に、格納されたイベントから、キーボードから入力された文字、単語または単語列、消去された文字、単語或いは単語列、またはマウスによって選択された単語或いは単語列、選択し直した単語或いは単語列を抽出する(S4010)。受講者が復習問題コンテンツの解答を終了すると、解答終了ボタンを押下することにより、受講者のマウス、キーボード、デジタルペンによる受講者入力イベントの蓄積を終了する(S4011)。次に、入力イベントのログデータ(解答データ)を受講者用端末から教育情報管理サーバに送信する(S4012)。教育情報管理サーバにおいて、送信された入力イベントのログデータ(解答データ)から個人特徴量の抽出を行って、問題毎の解答状況分析データを取得する(S4013)。次に、受講者の解答データと正解データを照合して、問題毎の正解・不正解を判断し、結果データとして格納する(S4014〜S4015)。次に、解答データのうち、誤った解答に対応する、復習問題対応映像フレームデータを問題番号毎に結合する(S4016)。問題毎に結合されたフレームデータを、補習用コンテンツとして受講者用通信端末に送信する(S4017〜S4018)。
【0037】
<個人特徴量抽出処理 に関する説明>
次に、前述した個人特徴量抽出処理(図18のS4013)の詳細について、図19を用いて説明する。受講者用端末から送信された入力イベントのログデータ(解答データ)には、受講者を識別するタグが付与されている。教育情報管理サーバにおいて、送信された入力イベントのログデータ(解答データ)から、キーボード情報、マウス情報、或いはペン入力情報、さらにページ変化情報(閲覧ページ番号、ページに伴う入力単語情報)を時系列に格納した配列情報をメモリ上に格納する(S5001)。次に、各問題毎に入力されたテキスト情報、マウス情報(位置情報)、及び入力時刻情報を抽出し、各問題に対応させる(S5002)。上記の情報から、各問題を解答する時間長、アンドゥの数をカウントし、解答状況分析データとして格納する(S5003)。解答状況分析データは、問題番号、当該問題の解答の状態、当該問題の解答開始時間、当該問題の解答終了時間、当該問題の解答時間、当該問題の解答回数、当該問題の解答回数分の解答値(文字列)から構成される。次に、最終的に記述・選択された解答データと正解データとを照合して(S5004)、問題毎に正解・不正解を判断し(S5005)、結果データとして格納する(S5006)。
【0038】
<受講者用復習問題解答画面の一例>
次に、図20及び図21を用いて、受講者用復習問題解答画面の一例を説明する。図20は受講者用復習問題解答画面の一例を示す図であり、復習問題セットの先頭頁が表示されている。
700は、復習問題解答画面であり、受講者が、マウス或いはキーボード或いはデジタルペンを用いて、復習問題の解答を行う画面である。701は、復習問題表示領域であり、解答開始ボタン702、及び三択式問題解答候補表示領域703、及び解答終了ボタン704、及び記述式問題解答表示領域705が表示されている。解答開始ボタン702は、各問いの解答を開始することを通知するためのボタンである。解答終了ボタン704は、解答が開始された問いにおいて、解答が終了したことを通知するためのボタンである。解答開始ボタン702を押下することにより、受講者が各問いを解く際のマウス及びキーボード、及びデジタルペンによる入力イベントの蓄積を開始する。本実施例では、第1問の問1に対しては、三択式問題解答候補表示領域703より「2」を選択したものとし、第1問の問2に対しては、記述式問題解答表示領域705の問題番号1番に「4年」と、入力したものとする。
【0039】
706は、デジタルペンメモ書き領域であり、復習問題を解く際に、デジタルペンを用いてメモ書きを行うためのウィンドウである。マウス及びキーボードのイベントと同様に、解答開始ボタン702、解答終了ボタン704を押下することにより、デジタルペンの軌跡をペンイベントとして蓄積及び取得することができる。707は、デジタルペン接続状態表示領域であり、デジタルペンの接続状態を表示するものである。例えば、デジタルペンが接続されている場合は「接続中」と表示し、接続されていない場合は「切断中」と表示する。708は、デジタルペンメモ書き領域706に書かれた内容を消去するためのクリアボタンである。709は、復習問題解答画面700を閉じるためのボタンである。
次に、図21を用いて、一部のボタン配置が図20とは異なる受講者用復習問題解答画面の一例を説明する。解答開始ボタン710は、各問いの解答を開始することを通知するためのボタンである。解答終了ボタン711は、解答が開始された問いにおいて、解答が終了したことを通知するためのボタンである。解答開始ボタン710及び解答終了ボタン711が、三択式問題解答候補表示領域712、及び記述式問題解答表示領域713の上部位置にそれぞれ配置されている。
【0040】
<補習コンテンツ受信フロー に関する説明>
次に、図22及び図23を用いて、補習コンテンツ受信機能について説明する。図22は受講者用復習問題解答画面の一例を示す図であり、復習問題セットの最終頁が表示されている。714は、復習問題セットの全問題の解答を完了したことを通知するための解答完了ボタンである。解答完了ボタン714を押下することにより、復習問題セット解答時の、受講者のマウス及びキーボード、及びデジタルペンによる入力イベントの蓄積を終了し、復習問題全体のイベントが蓄積される。715は、解答をリセットするためのやり直しボタンである。716は、全問題の解答終了後、教育情報管理サーバ102に解答正誤チェックの要求を行うための正誤チェックボタンである。正誤チェックボタン716を押下することにより、受講者のマウス及びキーボード、及びデジタルペンによる入力イベントのログデータ(解答データ)が、受講者用端末104より教育情報管理サーバ102に送信される。
【0041】
次に、図23を用いて、正誤チェック結果表示画面の一例を説明する。図23は、図22の正誤チェックボタン716を押下後に表示される画面の一例である。正誤チェックボタン716を押下すると、教育情報管理サーバ102にて、正解及び不正解のチェックが行われ、図23に示すような正誤チェック結果表示画面に遷移する。802は、正誤チェック結果表示領域である。全問正解の場合は、「全問正解でした。」のように、全問正解を通知するメッセージが表示される。不正解の解答がある場合は、例えば、「15問中、2問不正解です。」のように、全問題数のうち、不正解の解答数を通知するメッセージが表示される。803は、不正解問題番号表示領域である。不正解の解答がある場合、例えば、「問題7番が不正解です。補習コンテンツを受信します。」のように、不正解だった問題の番号を通知するメッセージが表示される。804は、受講者用補習コンテンツを受信するためのボタンであり、ボタン804を押下すると、教育情報管理サーバ102より補習コンテンツを受信して、図24に示すような補習コンテンツ表示画面に遷移する。805は、表示されている正誤チェック結果表示画面801を閉じるためのボタンである。
【0042】
次に、図24を用いて、受講者用補習コンテンツ受信画面の一例を説明する。図24は、図23のボタン804を押下後に表示される画面の一例である。902は、該当する復習問題番号を表示する復習問題番号表示領域である。903は、該当するスライドデータ等の画像情報を表示する、画像情報表示領域である。904は、該当する映像情報を表示及び再生する、映像情報表示領域である。905は、映像情報表示領域904で表示及び再生を行う際の開始位置を決定するボタンである。906は、映像情報表示領域904で再生を行うために押下するボタンである。907は、映像情報表示領域904で再生されている映像情報データを、一時停止するボタンである。908は、受講者用補習コンテンツ受信画面901を閉じるためのボタンである。
上述したように、本発明の実施の形態の情報配信システムを用いることにより、教師がチュータリングを行う際に、受講者の入力情報から抽出した特徴量を取得し、さらに抽出された特徴量を用いて個人学習状況を分析理解することができる。また、教師がキーワード、センテンス、センテンス群を入力すると、入力されたテキストデータを分析することができる。さらに分析結果と授業映像・コンテンツ統合自動解析によって解析及び抽出された複数のコンテンツからのテキストデータとをマッチングし、候補映像部分を抽出して教師に対して提示することにより、復習問題コンテンツ生成の負荷を軽減することができる。
受講者の学習状況分析結果を用いて、多くの受講者母集団の中から受講者個人に類似した学習傾向を持つ受講者或いは受講者群を抽出し、抽出された受講者或いは受講者群に有効であったコンテンツを導出し、個人に適応したコンテンツとして配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態の情報配信システムの構成を示すブロック図。
【図2】同じく、学習関連情報蓄積サーバ101の構成の一例を示すブロック図。
【図3】同じく、教育情報管理サーバ102の構成の一例を示すブロック図。
【図4】同じく、教師用端末103(103-01)の構成の一例を示すブロック図。
【図5】同じく、受講者用端末104の構成の一例を示すブロック図。
【図6】同じく、個人適応型コンテンツ生成処理における、教師によるコンテンツ作成処理を示すブロック図。。
【図7】同じく、コンテンツフォーマットの一例を示す説明図。
【図8】同じく、個人適応型コンテンツ生成処理における、受講者の解答ログデータ取得処理の詳細を示すブロック図。
【図9】同じく、個人適応型コンテンツ生成処理における、解答ログデータ解析処理を示すブロック図。
【図10】同じく、個人適応型コンテンツの生成処理を主要機能単位で示す機能ブロック図。
【図11】同じく、個人適応型コンテンツの生成処理の詳細を示すフローチャート図。
【図12】同じく、復習問題作成画面の一例を示す説明図。
【図13】同じく、問題文の編集画面の一例を示す説明図。
【図14】同じく、個人適応型コンテンツ生成処理における、受講者解答データ表示処理の詳細を示すブロック図。
【図15】同じく、グループ別及び個人別受講者解答状況の表示画面の一例を示す説明図。
【図16】同じく、個人別解答状況閲覧画面の一例を示す説明図。
【図17】同じく、対応付ける個人及びグループの選択画面の一例を示す説明図。
【図18】同じく、復習問題解答データ取得処理の詳細を示すフローチャート図。
【図19】同じく、個人特徴量抽出処理の詳細を示すフローチャート図。
【図20】同じく、復習問題解答画面の一例を示す説明図。
【図21】同じく、復習問題解答画面の一例を示す説明図。
【図22】同じく、復習問題解答画面の一例を示す説明図。
【図23】同じく、正誤チェック結果表示画面の一例を示す説明図。
【図24】同じく、受講者用補習コンテンツ受信画面の一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0044】
1:ネットワーク、101:学習関連情報蓄積サーバ、102:教育情報管理サーバ、
103:教師用端末、103−01:教師用端末、104:受講者用端末、
104−01:受講者用端末、1011:授業映像撮像カメラ、1012:電子白板、
1041:デジタルペン、1041−01:デジタルペン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の問題についての問題文及び解答候補値のデータを取得して問題コンテンツを作
成する情報処理装置において実行されるプログラムであって、
該プログラムは、
上記各問題の問題番号と最初の上記問題文のデータとの間の箇所に問題開始ボタンが
表示されるように、該問題開始ボタンのデータを挿入し、
該問題についての上記解答候補値に続けて問題終了ボタンが表示されるように該問題
終了ボタンのデータを挿入するものであって、
上記問題開始ボタンは指定を受けると該指定された時刻以降のユーザの入力イベント
を収集し、上記問題終了ボタンは指定を受けると上記収集を終了する機能と対応づけ
られていることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1記載のプログラムによって生成された問題コンテンツを用いた解答データの処理を行うデータ処理装置において実行されるプログラムであって、
ユーザから問題指定の入力を受けると、
上記指定された問題についての上記問題開始ボタンから問題終了ボタンまでの間に入力された解答データを検索し、表示部に表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
上記解答データは、マウス、デジタルペン、キーボードの少なくとも何れか2つを介した入力されたものであることを特徴とする請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
解答データは入力の履歴情報を含み、
上記表示部に全ての入力履歴情報を表示し、
上記表示される何れかの入力値の指定を受けると、
該入力値の時刻まで、或いは、該入力値の直前の入力値の時刻から、該入力値の時刻までに入力されたデジタルペンの軌跡を上記表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−349782(P2006−349782A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−173117(P2005−173117)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】