説明

感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法

【課題】 本発明は、感光体あるいはプロセスカートリッジを長期にわたって感度劣化を生じることなく保存し、使用する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 感光体あるいはプロセスカートリッジをポリオレフィンフィルムの外面に他のフィルムを接合したラミネートフィルムにより密封、保管する方法において、ポリオレフィンフィルムと他のフィルムとの接着層が、有機溶剤を使用せずに設けられたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体あるいはプロセスカートリッジを感度劣化が生じないように保管する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電子写真装置では画像形成を行った枚数等により、感光体の膜削れや感光体上に付着物が付着する等により感光体が寿命に至り、未使用の感光体に交換しなければならない。電子写真装置の感光体は機種により、感光体の長さや径、フランジの形状、感光体の組成、膜厚等が異なることが普通であり、機種毎に専用の感光体が必要である。電子写真装置は数多くの装置が発売され続けられているため、メーカーが用意しなければならない感光体の種類は膨大な数となる。メーカーの立場としては、ユーザーに常に最新の装置に買い換えてもらえれば、最新の装置用の感光体を用意しておけば良いのであるが、ユーザーの中には、モノクロ画像や、テキスト画像などそれほど高解像度、高画質の画像を必要とせず、最新の画像形成装置に興味を示さない場合や、経済的な理由や装置への愛着から、長期間同じ電子写真装置を使いつづけることも多い。
【0003】
メーカーの中には、電子写真装置の製造中止後、一定期間を経過すれば、感光体の供給を一方的に終了する場合もあるが、ユーザーの要求がある以上、できるだけ感光体を供給しつづけるべきである。しかし、古い電子写真装置の感光体の需要はあまり多くはないので、感光体をまとめて製造して保管しておき、要求の都度、感光体を供給することが経済的には有利である。また、古い電子写真装置の感光体は、ジクロロメタン等の塩素系溶剤を用いて製造されている場合が多い。近年、塩素系溶剤は環境問題の点から使用を制限される傾向にあるため、古い電子写真装置の感光体を将来に渡って製造しつづけることが難しくなってきた。
感光体は製造後、感度劣化が経時に渡って生じやすく、特に製造後、感光体中の残留溶剤の離脱が速い塩素系溶剤を用いて作製した感光体や、アゾ顔料を電荷発生剤に用いた感光体では経時での感度劣化が起こりやすい欠点を有していた。また、電子写真装置の書き込み方式が多値方式の場合は、感光体の感度劣化による画像劣化が目立ちやすかった。
【0004】
感光体の性能劣化を防止する方法としては、例えば、特許文献1には、感光体を不活性ガスあるいは脱酸素剤を内包した容器に入れ、酸素と電荷発生物質との反応を防止し、感光体の静電特性を維持する保管方法が開示されている。しかしながら、この方法は数ヶ月の感光体の保管に対しては有効なものの、1年以上の長期にわたる感光体の保管に対して感度劣化が生じる場合が多々あり、信頼性に欠けていた。
【0005】
特許文献2には低透湿性の袋に感光体を入れて保管する方法が開示されている。しかしながら、この保管方法は、多湿環境に置かれ、湿度により感光層の剥離防止に対しては有効であるが、1年以上の長期の感度劣化防止に対しては不十分であるとともに、特別に湿度の高くない室内環境などに長期間保管した時に、むしろ低透湿性の袋に入れておかない方が、感光体の感度劣化が少ない場合も多々あった。
特許文献3には感光体表面に酸化防止剤を付着させて感光体を保管する方法が開示されている。しかしながら、この保管方法は電荷発生剤と酸素との反応は防止できるものの、酸化防止剤が感光体に過度に付着したことによる残留電位上昇を生じることが多く、好ましくない。
以上の様に、感光体を長期間保存しても感度劣化を生じない保存方法が求められているが、一般的には感光体の保障期間は製造後1年間程度であるのが現状であった。
【特許文献1】特公平3−15738号公報
【特許文献2】特開2001−183858号公報
【特許文献3】特開2000−7048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情によりなされたもので、感光体あるいはプロセスカートリッジを長期にわたって感度劣化を生じることなく保存し、使用する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は下記の構成よりなる。
(1)感光体あるいはプロセスカートリッジをポリオレフィンフィルムの外面に他のフィルムを接合したポリオレフィンラミネートフィルムにより密封、保管する方法において、ポリオレフィンフィルムと他のフィルムとの接着層が、有機溶剤を使用せずに設けられたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
(2)前記(1)記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、該接着層がノンソルベントラミネート法により積層されたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
(3)前記(1)記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、該接着層がポリサンドラミネート法により積層されたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【0008】
(4)前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、他のフィルムがアルミニウム箔であることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、ポリオレフィンラミネートフィルムにより密封された感光体あるいはプロセスカートリッジが、30℃〜43℃の温度環境にのべ7日以上置かれることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
(6)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、ポリオレフィンラミネートフィルムにより密封された感光体あるいはプロセスカートリッジが、23℃以下の温度環境で保管されることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【0009】
(7)前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、感光体あるいはプロセスカートリッジが、製造後1年以上保管後使用されることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
(8)前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、感光体あるいはプロセスカートリッジを用いる画像形成装置の書き込み方式が、多値方式であることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
(9)前記(1)〜(8)記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、該感光体が塩素系溶媒を用いて作製されたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【0010】
(10)前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、該感光体が電荷発生剤としてアゾ顔料を含有していることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
(11)前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法に用いるポリオレフィンラミネートフィルム。
(12)前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法により保管された感光体あるいはプロセスカートリッジ。
【0011】
本発明者らは、感光体をポリオレフィンラミネートフィルムで密封し、長期保存した場合、何故感度劣化を生じるか詳細に検討を重ねたところ、ポリオレフィンラミネートフィルムの種類により、感度劣化の発生状況が異なることを見出し、感度劣化が生じ易いポリオレフィンラミネートフィルムと、感度劣化のほとんど生じないポリオレフィンラミネートフィルムの違いについて詳細に検討を行ったところ、ポリオレフィンラミネートフィルムは通常、機械的特性や、ガス透過性の改善のため、プラスチックフィルムや、金属フィルムとポリオレフィンフィルムが貼り合せているが、それぞれのフィルムの貼り合わせには接着層が設けられており、一般に流通している接着層はフィルム間の接着性の良いポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤を有機溶剤で希釈して設けられるものがほとんどであり、この接着層を設けるために用いた有機溶剤が接着層からガスとして徐々に出ていることがわかった。ポリオレフィンラミネートフィルムで感光体を保管する際、ポリオレフィンラミネートフィルムで感光体を密封させるが、保管時間が数ヶ月であれば、感光体の感度劣化はそれほど生じないため、問題になることは少ないが、1年以上の長期間保管する際には、有機溶剤ガスの出てくる量が微量であっても、密封空間から流出していくことはないので感光体の感度劣化が生じ、問題になってしまうことが分った。長期にわたって感光体や、プロセスカートリッジを保管する場合には、感光体の感度劣化に気付いたときには、取り返しがつかないため、感光体の感度劣化を起こさない、ポリオレフィンラミネートフィルムの選定は非常に重要である。
【0012】
本発明者は、長期の感光体の保存を行う際に用いるポリオレフィンフィルムとしてはガス透過性の改善のためにラミネートフィルムとすることは必須であり、長期間感光体を保管する場合には、有機溶剤を用いずに各フィルムの接着層を形成すれば、そもそも有機溶剤による感光体の感度劣化が生じることはないことを見出し本発明に至った。
【0013】
即ち、本発明は、感光体あるいはプロセスカートリッジを、ポリオレフィンフィルムの外面に他のフィルムを接合したポリオレフィンラミネートフィルムにより密封、保管する方法において、ポリオレフィンフィルムと他のフィルムとの接着層が、有機溶剤を使用せずに設けられたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法である。
【0014】
本発明に用いるポリオレフィンフィルムの材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマーポリエチレン、酢酸ビニル変性ポリエチレン等があるが、主に加工性、ヒートシール性の面から、ポリエチレン、アイオノマーポリエチレンが用いられ、さらに経済性の面からポリエチレンが好ましい。ポリオレフィンフィルムにラミネートするフィルムとしては、機械的特性、ガスバリア性の向上のために、ポリエステル、ナイロン、エチレンビニルアルコール等の樹脂フィルムや、アルミニウム等の金属箔等が挙げられる。中でも金属箔はガス透過性をほとんどゼロにすることができるので好ましい。金属箔をポリオレフィンフィルムの中央に用いる場合には、感光体を密封する際の金属箔と感光体との間のフィルムを接着する際の、接着層形成には有機溶剤を使用してはならない。しかし、金属箔を保護するため、金属箔と外側の環境との間のフィルムを接着する際に有機溶剤を用いても、金属箔がブロック層として働くため、感光体と有機溶剤ガスとが接することがないため、感光体を長期保管しても感光体の感度劣化が生じることはほとんどない。
【0015】
有機溶剤を用いずに接着層を形成し、ポリオレフィンラミネートフィルムを作製する方法としては、接着剤を有機溶媒で希釈せず、加熱のみにより接着剤の粘度を調整後、塗布して接着層を形成するノンソルベントラミネート法、ポリオレフィンフィルムとラミネートするフィルムとの間に、溶融したポリオレフィンフィルムを流し込むポリサンドラミネート法を例示することができる。
【0016】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法においては、前述のように金属層を用いることが好ましく、特に加工性、経済性、機械的特性の面からアルミニウム箔が最も好ましい。
【0017】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法においては、例えばポリオレフィンフィルムを袋状に加工し、感光体あるいはプロセスカートリッジを単体あるいは複数袋に入れ、ヒートシールにより密封し、保管を行う。保管における保管温度は23℃以下、好ましくは20℃〜−40℃、さらに好ましくは18〜−20℃であれば、感光体の感度劣化のスピードを遅くすることができ好ましい。このような環境で、本発明により感光体あるいはプロセスカートリッジを保管すると、1年以上、好ましくは2年以上、さらに好ましくは2.5〜5年間保管を行っても感光体の感度劣化は、実使用レベルで見れば、ほとんど問題がない。
【0018】
しかし、保管期間中全ての期間、保管温度は23℃以下にすることは、空調設備の点検等による停止や、感光体あるいはプロセスカートリッジの輸送のためできない。保管温度が高くなると、通常流通している接着層を有機溶剤で形成して作製したポリオレフィンラミネートフィルムからの有機溶剤ガスの発生量が多くなるので、感光体の感度劣化が早期に発生しやすかったが、本発明では、30℃〜43℃の温度環境にのべ7〜30日置かれ場合においても、実使用レベルでは感光体の感度劣化による問題を生じることはない。
【0019】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法により保管した感光体あるいはプロセスカートリッジを用いる画像形成装置の書き込み方式は多値方式であることが好ましい。画像形成装置の書き込み方式が2値あるいは小値である場合には、感光体の感度変化が極端に大きくならない限りは、画像形成された画像が問題となることは少ない。書き込み方式が多値方式であると、写真画像のようなハーフトーンを多用した画像を忠実に再現することが可能であるが、感光体の感度劣化が生じると、画像は不自然な色合いとなるため、本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法により感光体の感度劣化を防止することは必須となる。
【0020】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法における感光体は、導電性支持体の上に感光層が設けられている。感光層の構成は電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、あるいは電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、あるいは電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、感光層の上に保護層を設けることもできる。感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また各層には必要により可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
【0021】
感光体の導電性支持体としては、体積抵抗10-10Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
【0022】
エンドレスベルトを用いた感光体では、感光層を幅広く形成した後、実際に用いる幅に裁断して用いることが多いため、感光体の側面は裁断した断面が露出していることが多い。この場合、水分が感光体側面より浸入し、感光層の剥離を生じさせ、感光体の耐久性や、感度劣化につながることが多いため、保管中の水分の侵入や、保管環境から室温へ温度を上昇させる際の結露に対する配慮は非常に重要である。このため、水分透過性の少ないフィルムにより感光体あるいはプロセスカートリッジを密封することが好ましく、水分透過のほとんどないアルミニウムを積層したポリオレフィンラミネートフィルムにより密封することが特に好ましい。
【0023】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法における感光体の下引層としては樹脂、あるいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性支持体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、中でも導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ましい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、これらの中の一種あるいは多種の混合物を例示することができる。
【0024】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法における感光体に用いる電荷発生剤としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料を使用することができ、電荷発生剤は一種あるいは多種混合して使用することができるが、特にアゾ顔料は書き込み方式が多値方式画像形成装置の感光体に用いられることが多く、酸化性ガスに対する耐ガス性があまり高くないため、本発明の保管方法を用いた場合の効果が高い。
【0025】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法における感光体に用いる電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等の一種あるいは多種を混合して使用することができる。
【0026】
上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは多種と結着樹脂の混合物を挙げることができるが、特にこれらのものに限定されるものではない。
【0027】
酸化防止剤としては、例えば以下のものが使用される。
(モノフェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
(ビスフェノール系化合物)
2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
(高分子フェノール系化合物)
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
【0028】
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0029】
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
【0030】
電荷輸送層中にレベリング剤を添加してもかまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0〜1重量部が適当である。
【0031】
保護層は結着樹脂中に金属、又は金属酸化物の微粒子を分散した層である。結着樹脂としては可視、赤外光に対して透明で電気絶縁性、機械的強度、接着性に優れた物が望ましい。保護層の結着樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。金属酸化物としては酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
【0032】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法における感光体を作製する際に用いる溶媒としては、ジクロロメタン等の塩素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。特にジクロロメタン等の塩素系溶剤は樹脂の溶解性や、顔料の分散性が良く、沸点は低く、発火性がないことから感光体を作製する際の溶剤として使われてきた。しかし、環境問題から塩素系溶剤には規制がかけられており、使用が許されている期間でしか感光体は作製できないため、本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法は非常に重要となる。
【0033】
本発明の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法におけるプロセスカートリッジは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジを用いることにより、装置への装着、装置からの脱着、交換や、補修等のメンテナンスを容易にすることができる。一般的な例として、図1に示すものが挙げられる。
【発明の効果】
【0034】
請求項1〜3の発明によれば、長期間保存しても感光体の感度劣化が生じない感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法を提供することができる。
請求項4の発明によれば、保管環境の湿度等に影響を受けることなく、長期間保存しても感光体の感度劣化が生じない感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法を提供することができる。
請求項5発明によれば、感光体の感度劣化が生じやすい環境におかれても、感光体の感度劣化が生じない感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法を提供することができる。
請求項6の発明によれば、長期間保存しても感光体の感度劣化が生じず、高画質の画像形成が可能な感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法を提供することができる。
請求項7の発明によれば、感光体を長期間に渡って供給し続けることができる感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法を提供することができる。
請求項8の発明によれば、感光体あるいはプロセスカートリッジの感度低下により画像品質の低下しやすい画像形成装置においても、高品質の画像が得られる感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法を提供することができる。
請求項9の発明によれば、環境問題から将来製造することができない感光体を、長期間に渡って供給し続けることができる感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法を提供することができる。
請求項10の発明によれば、有機溶剤ガスにより感光体の感度劣化を防止することができる感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法を提供することができる。
請求項11の発明によれば、感光体の感度劣化を防止することができる感光体あるいはプロセスカートリッジの保管用ポリオレフィンラミネートフィルムを提供することができる。
請求項12の発明によれば、長期間保管していても高品質の画像形成が可能な感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法により保管された感光体あるいはプロセスカートリッジを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下のようにして、ポリオレフィンフィルムの外側に他のフィルムを接合したラミネートフィルムを製造した。
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造1
ポリエーテル接着剤を酢酸エチルで希釈し、ロールコーターにより7μmのアルミニウム箔の片面に塗布、乾燥して接着層を形成し、23μmのナイロンフィルムを圧着した。ナイロンをラミネートしたアルミニウム箔のラミネートされてない面にポリエステル系接着剤を溶融して塗布し、さらに12μmのポリエチレンフィルムを圧着し、ポリオレフィンラミネートフィルムを製造した。
【0036】
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造2
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造1において、ナイロンの代わりにポリエステルフィルムを用いる以外はポリオレフィンラミネートフィルムの作製1と同様にしてポリオレフィンフィルムを製造した。
【0037】
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造3
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造において、ナイロンをラミネートしたアルミニウム箔のラミネートされてない面にポリエーテル系接着剤を溶融して塗布し、さらに14μmのポリエチレンフィルムを圧着し、ポリオレフィンラミネートフィルムを製造た。
【0038】
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造4
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造1において、ナイロンをラミネートしたアルミニウム箔のラミネートされてない面にポリエチレンを溶融して塗布しながら、12μmのポリエチレンフィルムを圧着し、ポリオレフィンラミネートフィルムを製造した。
【0039】
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造5
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造1において、ナイロンをラミネートしたアルミニウム箔のラミネートされてない面にポリエーテル系接着剤を酢酸エチルにで希釈し、ロールコーターにより塗布し、12μmのポリエチレンフィルムを圧着し、ポリオレフィンラミネートフィルムを製造した。
【0040】
実施例1、2、比較例1
以下のように感光体を作製し、製造したラミネートフィルムを用いて感光体を保存し、保存後の感光体の品質を比較した。
感光体の作製
下記組成の混合物をボールミルポットに取りφ10mmアルミナボールを使用し72時間ボールミリングした。
酸化チタン(CRー60:石原産業製) 50.0重量部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50 大日本インキ化学工業製)
15.0重量部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60大日本インキ化学工業製)
10.0重量部
メチルエチルケトン(関東化学製) 31.7重量部
このミリング液にシクロヘキサノン(関東化学製)105.0重量部を加えさらに2時間ボールミリングして下引き層用塗布液を作製した。この塗布液に周長290.3mm、厚さ30μmのニッケルシームレスベルト(ビッカース硬度480〜510、純度99.2%以上)を浸漬塗工し、135゜Cで25分間乾燥して、膜厚6.0μmの下引き層を形成した。
【0041】
続いて下記の(I)式で表される電荷発生剤(リコー製)1.5重量部、(II)式で表される電荷発生剤(リコー製)1.5重量部、ポリビニルブチラール樹脂1.0部(エスレックBLS;積水化学製)、シクロヘキサノン(関東化学製)80.0重量部からなる混合物をボールミルポットに取りφ10mm瑪瑙ボールを使用し時間ボールミリングした後、さらにシクロヘキサノン78.4部とメチルエチルケトン237.6重量部を加え電荷発生層塗布液を調整した。この塗布液に下引層を積層したニッケルシームレスベルトを浸漬塗工し、130℃で20分間乾燥し、厚さ0.12μmの電荷発生層を形成した。
【0042】
【化1】

【0043】
次に下記組成の電荷輸送層塗工液を調整した。下引層、電荷発生層を積層したニッケルシームレスベルトを回転させながら、電荷輸送層塗工液をスプレー塗工し、140℃で30分間乾燥し、厚さ約25μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質(下記(III)式)(リコー製) 7重量部
【化2】

ポリカーボネート樹脂(C−1400、帝人化成製) 10重量部
シリコーンオイル(KF−50、信越化学製) 0.002重量部
ジクロロメタン(関東化学製) 830重量部
この感光体ベルトの両端を切断し、幅367mmとした。
【0044】
作製した感光体とは別に、感光体を50mm×60mmに裁断した静電特性測定用サンプルとした。静電特性測定用サンプルと感光体をポリオレフィンラミネートフィルムの製造1、2、5で包み、ヒートシールにより密封した。
40℃、55%の環境に25日間保管した。保管後、25℃の環境で、EPA−8100静電特性測定装置(川口電機製)にて、感度測定を行った。感度測定は感光体を−800Vに帯電後、感光体の表面電位が−400V、−160Vに減衰するまでの露光量(780nm)とした。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
実施例1と比較例1の試験サンプルを、さらに−800Vの帯電電位で、−5.6μmのサンプル通過電流になるよう、1000回/分、帯電、露光を2時間繰り返した。感光体を−800Vに帯電後、感光体の表面電位が−160Vに減衰するまでの露光量(780nm)としたところ、実施例1、比較例1の露光量はそれぞれ、0.86μJ/cm2、1.59μJ/cm2であった。
【0047】
実施例3、4、比較例2、3
ポリオレフィンラミネートフィルムの製造3、4、5のポリオレフィンフィルムを用いて実施例1と同様に感光体試験サンプルを密封した。密封した試験サンプルを23℃±2℃、65%で2年10ヶ月間保管した。比較のため、密封しない試験サンプルも同様に保管した。
保管後、25℃の環境で、EPA−8100静電特性測定装置(川口電機製)にて、感度測定を行った。感度測定は感光体を−800Vに帯電後、感光体の表面電位が−400V、−160Vに減衰するまでの露光量(780nm)とした。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】

【0049】
実施例5
実施例1の感光体の製造方法に従い作製した感光体を、ポリオレフィンラミネートフィルムの製造2のポリオレフィンフィルム2枚の間に配置し、ポリオレフィンフィルムの四方をヒートシールして密封し、10±1℃で4年間保管した。
保管した感光体を書き込みが多値方式のIPSiO Color 5100(リコー製)に搭載し画像形成装置を作製した。デジタルカメラで撮影した子供の写真がはいった広告画像を出力したところ、画像は高品質の画像であった。さらに画像形成装置でA4横の画像形成を2000枚画像形成をおこなったところ、画像濃度の低下もなく、高品質の画像が得られた。
【0050】
実施例6
アルミドラムの表面をダイヤモンド平バイトにより切削して、直径90mm、長さ352mm、厚さ2.5mmのアルミドラムを作製した。
アクリル樹脂(アクリディックA−460−60、大日本インキ化学工業製)15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、大日本インキ化学工業製)10重量部をメチルエチルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(TM−1、富士チタン工業製)90重量部加え、ボールミルで72時間分散し、下引層塗布液を作製した。切削により表面を粗面化したアルミドラムを上記下引層塗工液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。アルミドラムの方向を維持したまま、乾燥室に移動させ140℃で20分乾燥し、厚さ2.0μmの下引層をアルミドラム上に形成した。
【0051】
次にブチラール樹脂(エスレックBLS、積水化学製)15重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これに下記構造式のトリスアゾ顔料10重量部を加えてボールミルで60時間分散した。
【化3】

【0052】
更にシクロヘキサノン210重量部を加え、5時間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミドラムを浸漬し、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い約0.2μmの電荷発生層を形成した。
さらに下記構造式の電荷輸送材料6重量部、
【化4】

ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300、帝人化成製)10重量部、シリコンオイル(KF−50、信越化学工業製)0.002重量部を90重量部の塩化メチレンに溶解した。こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミドラムを浸漬し、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い電荷発生層上に厚さ約23μmの電荷輸送層を形成した。
【0053】
作製した感光体をポリオレフィンラミネートフィルムの製造2で作製したポリオレフィンラミネートフィルムで覆い、積層フィルムをヒートシールして感光体を密封した。
密封した感光体を10℃の環境で2年間保管した。保管後、室温に4時間放置後、感光体を取り出し、多値方式のimagio color 2800 (リコー製)に感光体を搭載し、女性のスナップ写真と、風景写真が書かれたテストチャートをコピーしたところ、高品質の画像が得られた。画像形成を1200枚行ったが、画像濃度が低下することなく、高品質の画像が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明のプロセスカートリッジの説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1 感光体
2 帯電チャージャ
3 クリーニングブラシ
4 画像露光部
5 現像ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体あるいはプロセスカートリッジをポリオレフィンフィルムの外面に他のフィルムを接合したポリオレフィンラミネートフィルムにより密封、保管する方法において、ポリオレフィンフィルムと他のフィルムとの接着層が、有機溶剤を使用せずに設けられたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項2】
請求項1記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、該接着層がノンソルベントラミネート法により積層されたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項3】
請求項1記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、該接着層がポリサンドラミネート法により積層されたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、他のフィルムがアルミニウム箔であることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、ポリオレフィンラミネートフィルムにより密封された感光体あるいはプロセスカートリッジが、30℃〜43℃の温度環境にのべ7日以上置かれることを特徴とするプロセス感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、ポリオレフィンラミネートフィルムにより密封された感光体あるいはプロセスカートリッジが、23℃以下の温度環境で保管されることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、感光体あるいはプロセスカートリッジが、製造後1年以上保管後使用されることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、感光体あるいはプロセスカートリッジを用いる画像形成装置の書き込み方式が、多値方式であることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、該感光体が塩素系溶媒を用いて作製されたことを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法において、該感光体が電荷発生剤としてアゾ顔料を含有していることを特徴とする感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法に用いるポリオレフィンラミネートフィルム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光体あるいはプロセスカートリッジの保管方法により保管された感光体あるいはプロセスカートリッジ。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−23615(P2006−23615A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202817(P2004−202817)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】