説明

感圧センサ

【課題】製品間の外力の測定精度のバラツキを低減することができる感圧センサを提供する。
【解決手段】抵抗測定手段により測定された感圧インク部材の設定最大外力Fmax付加時における抵抗値R(Fmax)と、外力付加無し時における抵抗値R(F0)と、設定最大外力Fmax未満の外力F付加時における抵抗値R(FX)とを用いて、所定の数式に基づき規格化された「外力−抵抗特性」の規格化情報S(FX)を保持し、「外力−抵抗特性」の規格化情報S(FX)に基づき、抵抗測定手段により測定された抵抗値から付加された外力を算出する外力算出手段を、感圧センサに備えさせる。これにより、感圧センサの製品間における「外力−抵抗特性」の見かけ上のバラツキを低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部入力を測定するセンサに関するものであり、例えば、面に加わった外力のうちの当該面に垂直な方向の外力成分を測定する感圧センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ある面に加わった外力(あるいは押圧力)を測定する感圧センサとして、例えば、特許文献1に記載されているような構成のセンサがある。特許文献1のセンサは、電極、感圧インク層の順に積層して形成されたプラスチックフィルム同士を、互いの感圧インク部材を向かい合わせ、表裏面に接着層を有する絶縁層を介して組み合わせたものである。また、特許文献1のセンサは、感圧インク層の表面に凹凸を設けているため、上下の感圧インク層間に一定距離の空隙が形成され、無加圧時に上下の感圧インク層が密着することを防止する構造となっている。
【0003】
このような構造を有する特許文献1のセンサにおいては、上部フィルムに押圧力が加わったとき、上部フィルムが撓むことによって圧力が加えられている部分に対応する上部フィルムの電極が感圧インク層を介して下部フィルムの電極に接触する。これにより、両電極が導通状態となる。特許文献1のセンサは、この両電極の導通状態と、感圧インク層に加わる圧力に応じた抵抗値の変動とを検出することにより、上部フィルムに加わった圧力を測定することができる。この特許文献1のセンサを例えば車両用シートの内部に取り付けると、このシートに乗員が座っているか否かを判断することができるとともに、圧力分布から乗員の体格を判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−48658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、タッチパネルを有する電子機器、特に、携帯電話機やゲーム機などの携帯型電子機器においては、例えば決定ボタンに代わるものとして、ディスプレイのタッチパネルに感圧センサを搭載することが求められている。感圧センサをこのような携帯型電子機器に搭載するような場合にあっては、人間の手指による比較的小さな力に反応してその表示や機能などを実行することが求められる。
【0006】
しかしながら、特許文献1のセンサでは、例えば車両用シートの内部に取り付けられてシートに乗員が座っているか否かを判断するような用途に用いられるものであり、携帯型電子機器を対象とした感圧センサに適用することはできない。
【0007】
さらに、このような感圧センサでは、物理的変形により電極間の導通を得る構造が採用されているため、製品間において外力の測定精度のバラツキが存在することが想定される。したがって、携帯型電子機器への適用を考えた場合、このような製品間の外力の測定精度のバラツキを低減することが必要となる。
【0008】
また、このようなセンサにおける個体間の測定精度のバラツキが存在することにより生じる課題は、感圧センサだけでなく、その他、光、音、熱などの様々な外部入力を測定するセンサにおいても共通する課題である。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記課題を解決することにあって、製品間の外力の測定精度のバラツキを低減することができる感圧センサを提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、タッチパネルを有する電子機器に搭載されても表示装置の表示部の視認性の低下を抑えることができる感圧センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0011】
本発明の第1態様によれば、互いに対向配置された第1および第2の基板と、第1および第2の基板間に配置された一対の電極と、一対の電極間に配置され、第1の基板の厚み方向に加えられた外力を受けて、その電気的抵抗が変化する導電性の感圧インク部材と、一対の電極と接続され、第1の基板の厚み方向の外力を受けて一対の電極と接触した状態の感圧インク部材の電気抵抗値を測定する抵抗測定手段と、抵抗測定手段により測定された感圧インク部材の設定最大外力Fmax付加時における抵抗値R(Fmax)と、外力付加無し時における抵抗値R(F0)と、設定最大外力Fmax未満の外力F付加時における抵抗値R(FX)とを用いて、数1に基づき規格化された外力−抵抗特性の規格化情報S(FX)を保持し、外力−抵抗特性の規格化情報S(FX)に基づき、抵抗測定手段により測定された抵抗値から付加された外力を算出する外力算出手段とを備える、感圧センサを提供する。
(数1)
(FX)={1/R(FX)−1/R(F0)}/{1/R(Fmax)−1/R(F0)
【0012】
本発明の第2態様によれば、一対の電極は、第1および第2の基板の対向面の一方に配置または両方に分かれて配置されるとともに、第1または第2の基板の縁部に沿って枠状に配置され、第1の基板と第2の基板とを接着するように第1および第2の基板の間に配置され、一対の電極の少なくとも一方と感圧インク部材との間に隙間を保持する隙間保持部材をさらに備え、感圧インク部材は、第1または第2の基板の縁部に沿って存在し、第1の基板の厚み方向に外力が付加されることにより、第1および第2の基板間の距離が減少したとき、一対の電極と接触して両者を導通させる、第1態様に記載の感圧センサを提供する。
【0013】
本発明の第3態様によれば、一対の電極は、第1と第2の基板に対向配置され、感圧インク部材は、一対の電極の少なくとも一方を覆う状態で、一対の電極の間に配置され、第1の基板と第2の基板とを接着するように第1および第2の基板の間に配置され、一対の電極の少なくとも一方と感圧インク部材とを接する状態にする接着部材をさらに備える、第1態様に記載の感圧センサを提供する。
【0014】
本発明の第4態様によれば、接着部材が、第1の基板と第2の基板とを引き付けて感圧インク部材に初期荷重を付与する、第3態様に記載の感圧センサを提供する。
【0015】
本発明の第5態様によれば、第1の基板の外面および第2の基板の外面の少なくとも一方に、感圧インク部材に対して荷重を集中させて伝達するバンプが備えられている、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の感圧センサを提供する。
【0016】
本発明の第6態様によれば、第1の基板と感圧インク部材との間および第2の基板と感圧インク部材の間のうち、少なくとも何れか一方に配置され、荷重を感圧インク部材に集中させて伝達するバンプが備えられている、第1態様および第3態様から第5態様のいずれか1つに記載の感圧センサを提供する。
【0017】
本発明の第7態様によれば、第1の基板の厚みと第2基板の厚みとが異なる、第6態様に記載の感圧センサを提供する。
【0018】
本発明の第8態様によれば、バンプが、第1基板と感圧インク部材との間、および第2基板と感圧インク部材との間に配置されている、第6態様または第7態様に記載の感圧センサを提供する。
【0019】
本発明の第9態様によれば、外部入力を受けて、その電気的特性が変化するセンサ部材と、センサ部材の電気的特性値を測定する電気回路を有する電気的特性測定手段と、電気的特性測定手段により測定された、センサ部材の外部入力の設定最大値Ymax付加時における電気的特性値C(Ymax)と、外部入力の付加無し時における電気的特性値C(Y0)と、外部入力の設定最大値Ymax未満の外部入力Yの付加時における電気的抵抗値C(YX)とを用いて、数2に基づき規格化された外部入力−電気的特性の規格化情報S(YX)を保持し、外部入力−電気的特性の規格化情報S(YX)に基づき、電気的特性測定手段により測定された電気的特性値から、センサ部材に付加された外部入力を算出する外部入力算出手段と、を備える、センサを提供する。
(数2)
(YX)={1/C(YX)−1/C(Y0)}/{1/C(Ymax)−1/C(Y0)
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、抵抗測定手段により測定された感圧インク部材の設定最大外力Fmax付加時における抵抗値R(Fmax)と、外力付加無し時における抵抗値R(F0)と、設定最大外力Fmax未満の外力F付加時における抵抗値R(FX)とを用いて、数1に基づき規格化された「外力−抵抗特性」の規格化情報S(FX)を保持し、「外力−抵抗特性」の規格化情報S(FX)に基づき、抵抗測定手段により測定された抵抗値から付加された外力を算出する外力算出手段が、感圧センサに備えられている。このように数1にて規格化された「外力−抵抗特性」の規格化情報S(FX)が用いられることにより、感圧センサの製品間における「外力−抵抗特性」の見かけ上のバラツキを低減させることができる。
【0021】
また、一対の電極が第1または第2の基板の縁部に沿って枠状に配置されているので、枠で囲まれた内側部分の透過率は低下しない。したがって、タッチパネルを有する電子機器に搭載されても表示装置の表示部を枠の内側に配置することで、表示部の視認性の低下を抑えることができる。また、感圧インク部材は、第1または第2の基板の縁部に沿って点在しているので、第1の基板に対して同じ外力を加えた場合、感圧インク部材が一対の電極の両方に接触する面積のバラツキが抑えられる。したがって、外力の測定精度を向上させることができる。
【0022】
また、このように感圧センサにおいて、製品間における「外力−抵抗特性」の見かけ上のバラツキを低減させるような構成は、外部入力を受けてセンサ部材の電気的特性の変化を伴うような構成のセンサにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるタッチ入力デバイスを搭載する携帯電話機の斜視図
【図2】図1のA1−A1断面図
【図3】タッチ入力デバイスの斜視図
【図4】X軸検出用透明フィルムの平面図
【図5】Y軸検出用透明フィルムの平面図
【図6】シールド用透明フィルムの平面図
【図7】タッチ入力デバイスが備える感圧センサの平面図
【図8】図7のA2−A2断面図
【図9】図7に示す感圧センサの分解斜視図
【図10】隙間保持部材の断面図
【図11】タッチ入力デバイスが備える感圧センサの第1変形例を示す断面図
【図12】タッチ入力デバイスが備える感圧センサの第2変形例を示す断面図
【図13】タッチ入力デバイスが備える感圧センサの第3変形例を示す断面図
【図14】図13の第3変形例に係る感圧センサに厚み方向の押圧力が加わった状態を示す断面図
【図15】押圧力検出部の構成を示す模式ブロック図
【図16】サンプルにかかる感圧センサの模式平面図
【図17】感圧センサにおけるF−R特性のグラフ(5台のサンプル)
【図18】感圧センサにおける規格化されたF−R特性のグラフ(5台のサンプル)
【図19】本発明の第2実施形態にかかる感圧センサのタッチ入力デバイスにおける配置を示す図
【図20】第2実施形態の感圧センサの分解図
【図21】図19のA3−A3断面図
【図22】感圧センサ近傍の拡大図
【図23】感圧センサ近傍の拡大図
【図24】本発明の第3実施形態にかかる感圧センサのタッチ入力デバイスにおける配置図
【図25】第3実施形態の感圧センサの分解図
【図26】図24におけるA4−A4断面図
【図27】第3実施形態の感圧センサの断面図
【図28】第3実施形態の変形例にかかる感圧センサの断面図
【図29】第3実施形態の変形例にかかる感圧センサの断面図
【図30】第3実施形態の変形例にかかる感圧センサの断面図
【図31】本発明の第4実施形態にかかるセンサの構成を示す模式ブロック図
【図32】第4実施形態のセンサにおけるY−C特性のグラフ
【図33】第4実施形態のセンサにおける規格化されたY−C特性のグラフ
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(第1実施形態)
(タッチ入力デバイスの構成)
本発明の第1の実施形態にかかる感圧センサは、タッチパネルと一体に構成されてタッチ入力デバイスを構成する。本第1実施形態においてタッチ入力デバイスは、タッチパネルでの位置検出に加えて感圧センサによって押圧力の強さを検出することができるものである。本第1実施形態にかかるタッチ入力デバイスは、例えば、タッチパネルを有する電子機器、特に携帯電話機やゲーム機などの携帯型電子機器のディスプレイのタッチ入力デバイスとして好適に機能する。ここでは、本タッチ入力デバイスが携帯型電子機器の一例である携帯電話機に搭載される例を説明する。
【0026】
図1は、本第1実施形態にかかるタッチ入力デバイスを搭載する携帯電話機の斜視図であり、図2は、図1のA1−A1断面図である。図3は、タッチ入力デバイスの斜視図である。
【0027】
図1に示すように、携帯電話機1は、前面に表示窓2Aが形成された合成樹脂製の筐体2と、液晶や有機ELなどの表示部3Aを有し、筐体2内に内蔵された表示装置3と、表示窓2Aに嵌め込まれたタッチ入力デバイス4と、筐体2の前面に配置された複数の入力キー5とを備えている。
【0028】
筐体2の表示窓2Aは、タッチ入力デバイス4の嵌め込みを許容するため、段差を有するように形成されている。図2に示すように、表示窓2Aの底面には、表示装置3の表示部3Aが視認できるように開口部2aが形成されている。タッチ入力デバイス4は、開口部2aの周囲の枠状部分2b上に配置されて、開口部2aを塞ぐ。
【0029】
なお、表示窓2Aの形状や大きさは、タッチ入力デバイス4の形状や大きさに応じて種々の変更が可能である。表示窓2Aの段差は、タッチ入力デバイス4の厚みなどに応じて種々の変更が可能である。表示窓2Aの開口部2aの形状や大きさは、表示部3Aの形状や大きさなどに応じて種々の変更が可能である。ここでは、表示窓2A、開口部2a、表示部3A、及びタッチ入力デバイス4の形状を矩形とし、表示窓2Aの段差を筐体2の表面とタッチ入力デバイス4の表面との高さが同じになるように設定している。
【0030】
タッチ入力デバイス4は、図3に示すように、透明窓部分4Aと、透明窓部分4Aの周囲に配置された枠状の加飾領域4Bとを有している。タッチ入力デバイス4が携帯電話機の筐体2の表示窓2Aに配置された場合には、透明窓部分4Aから表示装置3の表示部3Aを視認することができる。
【0031】
また、タッチ入力デバイス4は、タッチ入力デバイス4の入力面に対するタッチ操作に基づいて、その操作位置となる平面座標(XY座標)を検出するタッチパネル10と、入力面と直交する方向(Z方向)に加えられた押圧力の強さを検出する感圧センサ20とを備えている。
【0032】
まず、タッチパネル10の構成について説明する。
タッチパネル10は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式のタッチパネルである。ここでは、タッチパネル10として静電容量方式のタッチパネルを用いる例を説明する。図2に示すように、タッチパネル10は、入力面となる透明支持基板11と、加飾フィルム12と、X軸検出用透明フィルム13と、透明粘着層14と、Y軸検出用透明フィルム15、透明粘着層16と、シールド用透明フィルム17と、透明粘着層18と、ハードコートフィルム19とを順に積層して構成されている。
【0033】
透明支持基板11は、透視性、剛性、及び加工性に優れた材料、例えば、ガラス、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂などで構成されている。透明支持基板11の下面には、透明粘着剤(図示せず)により、加飾フィルム12が貼着されている。
【0034】
加飾フィルム12は、透明フィルムの周囲表面に枠状にインクを塗布することにより形成されている。タッチ入力デバイス4の加飾領域4Bは、前記インクを塗布した部分である加飾部12aにより形成され、加飾部12aが設けられていない部分12bがタッチ入力デバイス4の透明窓部分4Aとなる。
【0035】
加飾部12aを構成するインクとしては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料又は染料を着色剤として含有する着色インクを用いるとよい。また、加飾部12aは、塗布に代えて印刷により形成されてもよい。印刷により加飾部12aを形成する場合、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の印刷法を利用することができる。
【0036】
加飾フィルム12の下面には、透明粘着剤(図示せず)により、X軸検出用透明フィルム13が貼着されている。X軸検出用透明フィルム13の下面には、例えば、図4に示すように一方向にストライプ状に配置された上部透明電極13aと、バスバーや引き回し線等の外部と通電するための所定のパターンの引き回し回路13bとが形成されている。また、X軸検出用透明フィルム13の下面には、上部透明電極13aと引き回し回路13bとを被覆するように透明粘着層14が配置され、当該透明粘着層14によりY軸検出用透明フィルム15が貼着されている。透明粘着層14は、例えば、糊、接着剤、又は両面粘着テープである。
【0037】
Y軸検出用透明フィルム15の下面には、図5に示すように上部透明電極13a(図4参照)と交差(例えば直交)する方向にストライプ状に配置された下部透明電極15aと、バスバーや引き回し線等の外部と通電するための所定のパターンの引き回し回路15bとが形成されている。また、Y軸検出用透明フィルム15の下面には、下部透明電極15aと引き回し回路15bとを被覆するように透明粘着層16が配置され、当該透明粘着層16によりシールド用透明フィルム17が貼着されている。透明粘着層16は、例えば、糊、接着剤、又は両面粘着テープである。
【0038】
シールド用透明フィルム17の下面には、図6に示すように、矩形のシールド用透明電極17aと、筐体2(グランド)に接続するための所定のパターンの引き回し回路17bが形成されている。シールド用透明電極17aは、表示装置3の表示部3Aよりも大きく形成され、タッチ入力デバイス4の厚み方向から見たときに表示部3Aを包含できる位置に配置されている。これにより、シールド用透明電極17aは、表示装置3から発生する妨害電磁波(交流のノイズ)を遮蔽する、いわゆる電磁シールドの役割を果たす。また、シールド用透明フィルム17の下面には、シールド用透明電極17aと引き回し回路17bとを被覆するように透明粘着層18が配置され、当該透明粘着層18によりハードコートフィルム19が貼着されている。透明粘着層18は、例えば、糊、接着剤、又は両面粘着テープである。
【0039】
X軸検出用透明フィルム13とY軸検出用透明フィルム15とシールド用透明フィルム17とは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂などで構成されている。ハードコートフィルム19は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリイミドなどで構成されている。
【0040】
各透明電極13a,15a,17aと各引き回し回路13b,15b,17bとは、透明導電膜より構成されている。透明導電膜の材料としては、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、若しくはITO等の金属酸化物や導電性ポリマーの薄膜が挙げられる。各透明電極13a,15a,17aと各引き回し回路13b,15b,17bの形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD法、ロールコーター法などを用いて各透明フィルム13,15,17の全面に導電性被膜を形成した後、不要な部分をエッチング除去する方法がある。このエッチングは、電極として残したい部分にフォトリソ法やスクリーン法などによりレジストを形成した後、塩酸などのエッチング液に浸漬することにより行うことができる。また、エッチングは、前記レジストの形成後、エッチング液を噴射してレジストが形成されていない部分の導電性被膜を除去し、その後、溶剤に浸漬することによりレジストを膨潤又は溶解させて除去することにより行うこともできる。また、エッチングは、レーザーにより行うこともできる。
【0041】
(感圧センサの構成)
次に、感圧センサ20の構成について説明する。
図7は、本第1実施形態にかかる感圧センサの平面図であり、図8は、図7のA2−A2の断面図である。図9は、図7に示す感圧センサの分解斜視図である。
【0042】
感圧センサ20は、タッチパネル10のハードコートフィルム19の下面に、例えば糊、接着剤、両面粘着テープなどの粘着層30によって貼着されている。感圧センサ20は、タッチパネル10の上方から見たときに加飾部12aに隠蔽されるように枠状に形成されている。従って、感圧センサ20を構成する各部材は、透明な材質で構成されることに限定されず、有色の材質で構成されていてもよい。
【0043】
感圧センサ20は、枠状の第2基板の一例である上部フィルム21と、上部フィルム21と対向配置された枠状の第1基板の一例である下部フィルム22とを備えている。感圧センサ20は、下部フィルム22が表示窓2Aの枠状部分2b上に、例えば粘着剤(図示せず)により貼着されることで表示窓2Aに取り付けられる。上部及び下部フィルム21,22の厚み寸法は、例えば25μm〜100μmに設定されている。
【0044】
上部及び下部フィルム21,22の材料としては、フレキシブル基板に使用可能な材質、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を用いることもできる。
【0045】
上部フィルム21の下部フィルム22との対向面には、上部電極21aが枠状に配置されている。下部フィルム22の上部フィルム21との対向面には、下部電極22aが上部電極21aと対向するように枠状に配置されている。ここでは、上部電極21aと下部電極22aとで一対の電極が構成されている。上部及び下部電極21a,22aの厚み寸法は、例えば、10μm〜20μmに設定されている。
【0046】
上部及び下部電極21a,22aの材質としては、金、銀、銅、若しくはニッケルなどの金属、あるいはカーボンなどの導電性を有するペーストを用いることができる。これらの形成方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくはフレキソ印刷などの印刷法、フォトレジスト法などが挙げられる。また、上部及び下部電極21a,22aは、銅や金などの金属箔を貼り付けて形成することもできる。さらに、上部及び下部電極21a,22aは、銅などの金属をメッキしたFPCの上にレジストで電極パターンを形成し、レジストで保護されていない部分の金属箔をエッチング処理することによって形成することもできる。
【0047】
上部フィルム21の4つのコーナー部には、上部電極21aを部分的に被覆するようにドット状の上部感圧インク部材23aが配置(すなわち点在)されている。下部フィルム22の4つのコーナー部には、下部電極22aを部分的に被覆し且つ上部感圧インク部材23aと対向するようにドット状の下部感圧インク部材23bが配置(すなわち点在)されている。上部又は下部感圧インク部材23a,23bの厚み寸法(上部フィルム21又は下部フィルム22からの高さ)は、上部又は下部電極21a,22aの厚み寸法よりも大きく、例えば15μm〜35μmに設定されている。
【0048】
上部及び下部感圧インク部材23a,23bを構成する組成物は、外力に応じて電気抵抗値などの電気特性が変化する素材で構成されている。このような組成物としては、例えば、英国のPeratech社から商品名「QTC」で入手可能な量子トンネル現象複合材料を用いることができる。上部感圧インク部材23a,下部感圧インク部材23bは、塗布により上部フィルム21,下部フィルム22に配置することができる。上部及び下部感圧インク部材23a,23bの塗布方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷などの印刷法を用いることができる。
【0049】
上部フィルム21と下部フィルム22との対向領域には、枠状の隙間保持部材24が配置されている。隙間保持部材24は、粘着性を有して上部フィルム21と下部フィルム22とを接着するとともに、上部感圧インク部材23aと下部感圧インク部材23bとの隙間を保持するための絶縁性部材である。隙間保持部材24は、例えば、図10に示すように、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの芯材24Aの両面にアクリル系の接着糊などの粘着剤24Bを形成した両面粘着テープである。隙間保持部材24の厚みは、例えば、50〜100μmに設定されている。
【0050】
隙間保持部材24の4つのコーナー部には、図9に示すように、それぞれ貫通穴24aが設けられている。各貫通穴24aは、上部及び下部感圧インク部材23a,23bよりも幅(あるいは内径)が大きく形成されている。例えば、貫通穴24aの幅は3mmであり、上部及び下部感圧インク部材23a,23bの幅は2mmであり、上部及び下部電極21a,22aの幅は1mmである。これにより、隙間保持部材24と感圧インク部材23a,23bとが接触しないようになっている。また、隙間保持部材24は、貫通穴24a以外の部分で上部及び下部電極21a,22aの間に介在して配置されているので、各貫通穴24aに対応する部分以外で両電極21a,22aが通電することを防止できる。
【0051】
また、上部及び下部電極21a,22aは、コネクタ25に接続されている。コネクタ25は、携帯電話機1に内蔵された押圧力検出部(図示せず)に接続されている。
【0052】
このような構成の感圧センサ20は、通常時(無加圧時)は、隙間保持部材24によって、上部感圧インク部材23aと下部感圧インク部材23bとが互いに接触しない状態となっている。この状態で、感圧センサ20上に設けられたタッチパネル10のタッチ入力面に、押圧力(すなわち、Z方向の外力)が加えられた場合、この押圧力により、上部又は下部フィルム21,22が撓むなどして変形し、上部及び下部感圧インク部材23a,23bが互いに接触する。これにより、上部電極21aと下部電極22aとの間に電流が流れる。この電流の大きさを押圧力検出部にて検出することにより、タッチ入力デバイス4への入力面への押圧力を検出することができる。
【0053】
また、タッチ入力デバイス4へのタッチ入力面への押圧力が大きくなると、上部及び下部感圧インク部材23a,23bに加えられる外力が増大することにより、上部及び下部感圧インク部材23a,23bの電気抵抗値が小さくなる。これにより、上部電極21aと下部電極22aとの間に流れる電流が増大する。この電流の変化を検出することによって、上部又は下部感圧インク部材23a,23bに加えられる外力の大きさを検出することができ、タッチ入力デバイス4へのタッチ入力面への押圧力を検出することができる。なお、本第1実施形態では、感圧センサ20と押圧力検出部とを合わせて、タッチ入力面への押圧力を検出する感圧センサ(あるいは感圧センサを用いた外力検出装置)が構成されている。
【0054】
本第1実施形態にかかる感圧センサによれば、上部及び下部電極21a,22aが枠状に配置されているので、当該枠で囲まれた内側部分の透過率は低下しない。従って、タッチパネル10を有する携帯電話機1に搭載されても表示装置3の表示部3Aを枠の内側に配置することで、表示部3Aの視認性の低下を抑えることができる。また、感圧インク部材23a,23bは、上部及び下部フィルム21,22の各コーナー部に点在しているので、上部フィルム21に対して同じ押圧力を加えた場合、上部又は下部感圧インク部材23a,23bが、上部又は下部電極21a,22aの両方に接触する面積のバラツキを抑えることができる。従って、圧力の測定精度を向上させることができる。
【0055】
なお、本発明は上述のような構成についてのみに限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、本第1実施形態では、上部及び下部電極21a,22aの両方を上部及び下部感圧インク部材23a,23bで被覆するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図11に示すように、上部電極21aを上部感圧インク部材23aで被覆する一方、下部電極22aを下部感圧インク部材23bで被覆しないようにしてもよい。すなわち、上部及び下部電極21a,22aの少なくともいずれか一方を感圧インク部材で被覆するようにすればよい。この場合、上部電極21aと下部電極22aとの間には、1つの感圧インク部材しか配置されないことになるので、2つの感圧インク部材を配置するときよりも圧力の測定精度が高くなる。なお、本第1実施形態のように、上部及び下部電極21a,22aの両方を上部及び下部感圧インク部材23a,23bで被覆するようにした場合には、上部及び下部電極21a,22aが貫通穴24aの空間内で露出する部分を少なくすることができる。これにより、上部及び下部電極21a,22aの腐食などの不具合を抑えることができる。
【0056】
また、本第1実施形態では、隙間保持部材24の各貫通穴24aの幅を、上部及び下部感圧インク部材23a,23bの幅よりも大きく形成したが、図12に示すように、上部及び下部感圧インク部材23a,23bよりも小さく形成してもよい。すなわち、隙間保持部材24が上部及び下部感圧インク部材23a,23bの周囲に隙間無く接触するように構成してもよい。これにより、上部及び下部電極21a,22aが上部及び下部感圧インク部材23a,23b又は隙間保持部材24のいずれにも覆われていない部分をなくすることができる。すなわち、貫通穴24aの空間内に上部及び下部電極21a,22aが露出することを防ぐことができる。これにより、上部及び下部電極21a,22aの腐食などの不具合をなくすことができる。
【0057】
また、図13に示すように、下部フィルム22の下部電極22aが設けられていない側の面(裏面)に、支持部材としてバンプ26を積層配置してもよい。ここで、バンプ26の高さ寸法は、例えば50μm〜200μm(下部フィルム22にバンプを接着するための接着層が存在する場合は、接着層の厚みを含む。)である。これにより、図14に示すように、感圧センサ20に厚み方向の押圧力が加わったとき、下部フィルム22の感圧インク部材23bの部分を下方から支持し、加わった押圧力を分散させることなく、下部フィルム22の変形に利用される力として確実に伝達することができる。これにより、圧力の測定精度を向上させることができる。また、バンプ26は、感圧インク部材が設けられている位置の裏面側(直下)に配置されていることが好ましい。これにより、上部及び下部感圧インク部材23a,23bを互いに、より確実に接触させることができ、圧力の測定精度をより向上させることができる。なお、図14に示すように、隙間保持部材24と上部又は下部感圧インク部材23a,23bとが接触していない方が、下部フィルム22が変形しやすく、圧力の測定精度を向上させることができる。
【0058】
なお、支持部材は、バンプ26に限定されるものではなく、圧力による変形が少ない部材であればよい。また、バンプ26のような半球形状の部材の方が、押圧力を伝達するのに効果的である。また、前記では、下部フィルム22の裏面に支持部材を設けたが、上部フィルム21の裏面(上面)に設けられてもよい。
【0059】
また、本第1実施形態では、上部又は下部感圧インク部材23a,23bを第1又は下部フィルム21,22の各コーナー部に配置したが、本発明はこれに限定されない。上部又は下部感圧インク部材23a,23bは、上部又は下部フィルム21,22の縁部に沿って点在するように配置されていればよい。好ましくは、上部又は下部感圧インク部材23a,23bは、左右対象で且つ等間隔に配置するものとする。
【0060】
また、本第1実施形態では、加飾フィルム12を備えるようにしたが、加飾フィルム12を備えなくてもよい。
【0061】
(外力−抵抗特性(F−R特性)のデータ処理)
次に、感圧センサが備える押圧力検出部の構成および押圧力(外力)の検出動作について説明する。
【0062】
まず、図15に示すように、押圧力検出部50は、上部および下部電極21a,22aに、コネクタ25を通じて電気的に接続され、感圧インク部材23a,23bに流れる電流値を検出することにより、感圧インク部材23a,23bの電気抵抗値を測定する抵抗測定部(抵抗測定手段の一例)51と、抵抗測定部51にて測定された電気抵抗値に基づき、タッチ入力面に付加された押圧力(Z方向の外力)の大きさを算出する外力算出手段52とを備えている。
【0063】
外力算出手段52は、感圧インク部材23a,23bにおいて付加される外力と電気抵抗値との関係を示す「外力−抵抗特性(以降、「F−R特性」とする)」の情報(後述するF−R特性規格化情報)を保持する記憶部53と、この記憶部53に保持されているF−R特性の情報に基づいて、抵抗測定部51より入力された電気抵抗値から外力の大きさを算出する演算部54とを備えている。なお、演算部54にて算出された外力の大きさの情報は、図示しない出力手段によりタッチパネル10の制御部などに入力され、タッチパネル10の画面の表示制御などが行われる。
【0064】
次に、感圧センサのF−R特性を測定するための手順について具体的に説明する。
【0065】
まず、図16に示すような構成の感圧センサ120のサンプルを例えば5台準備する。感圧センサ120は、上述した第1実施形態の感圧センサ20とは、感圧インク部材23a,23bの平面配置が異なる構成を有しているものの、その他の構成については感圧センサ20と基本的に同様な構成を有している。
【0066】
具体的には、図16に示すように、感圧センサ120において、枠形状の上部電極21aにおける長辺側の対向2辺上に、均等な間隔にてそれぞれ5個(合計10個)の感圧インク部材23aが配置されている。なお、下部電極についても上部電極21aと同様な配置構成とされている。
【0067】
このような感圧センサ120のサンプルを5台準備し、パネル面の中央位置P1にて、打鍵試験機にて打鍵試験を行い、付加外力と電気抵抗値との関係のデータを測定する。打鍵試験機の先端(外力付加部分)にはスタイラスを取り付け、0gfから400gfまで50gf刻みで付加外力を変化させ、各外力が付加された際の感圧センサ120の電気抵抗値を抵抗測定部51にて測定する。5台の感圧センサ120のサンプルにおけるF−R特性のデータを図17のグラフに示す。
【0068】
図17に示すそれぞれの感圧センサ120のサンプルにおけるF−R特性のグラフでは、横軸に付加外力F(gf)を示し、縦軸に電気抵抗値R(Ω)を示している。図17に示すグラフから明らかなように、各サンプル間にて、F−R特性のバラツキ(個体間のバラツキ)が存在していることがわかる。
【0069】
次に、それぞれの感圧センサ120のサンプルにおけるF−R特性の個体間のバラツキを抑制するためのデータ処理を行う。すなわち、F−R特性の個体間におけるバラツキがデータ上目立たなくするためのデータ処理を行う。
【0070】
具体的には、感圧センサ120の設定最大外力Fmax付加時(例えば、外力400gf付加時)における抵抗値R(Fmax)と、外力付加無し時における抵抗値R(F0)と、設定最大外力Fmax未満の外力F(例えば、外力50gfから350gfまでの50gf刻みの外力)付加時における抵抗値R(FX)とを用いて(すなわち、図17のグラフに示すデータを用いて)、数3に基づきF−R特性を規格化する。すなわち、付加外力F=F(ゼロ)の場合の電気抵抗値Rが0と、付加外力F=Fmaxの場合の電気抵抗値Rが1と表されるように、F−R特性の規格化のためのデータ処理を行う。
(数3)
(FX)={1/R(FX)−1/R(F0)}/{1/R(Fmax)−1/R(F0)
【0071】
この数3を用いて規格化された各サンプルについてのF−R特性(F−R特性の規格化情報)S(FX)を、図18のグラフに示す。図18のグラフでは、横軸に付加外力(gf)を示し、縦軸に規格化された値(0〜1)を示す。
【0072】
図18に示すように、規格化前のF−R特性に比べて、規格化後のF−R特性S(FX)では、5個のサンプル間のバラツキが明らかに抑制されていることがわかる。
【0073】
次に、このようにしてデータ処理された個々の感圧センサ120のF−R特性の規格化情報S(FX)を、押圧力検出部50の記憶部53に保存させる。
【0074】
感圧センサ120にて、パネル面に対して実際に外力が付加された場合には、感圧インク部材の電気抵抗値を抵抗測定部51にて測定し、演算部54にて、記憶部53に保存されているF−R特性の規格化情報S(FX)に基づいて、測定された電気抵抗値から付加された外力を算出する。
【0075】
このようにF−R特性が数3にて規格化するためのデータ処理が行われ、F−R特性の規格化情報S(FX)に基づいて、電気抵抗値から付加外力の算出が行われることにより、感圧センサ120の個体間におけるF−R特性のバラツキを抑制することができる。特にこのような規格化のためのデータ処理は、電気抵抗値と付加外力との関係を補正等するものではなく、データの見え方を変えるデータ処理であるため、測定された電気抵抗値と付加外力との関係を保持したまま、データ処理を行うことができる。したがって、製品間の外力の測定精度のバラツキが抑制され、安定した測定精度を有する感圧センサを提供することができる。
【0076】
(第2実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2実施形態にかかる感圧センサについて説明する。
【0077】
図19は感圧センサのタッチ入力デバイスにおける配置を示す図、図20は感圧センサの分解図、図21は図19のA3−A3断面図、図22および図23は感圧センサ近傍の拡大図である。
【0078】
図19〜図21に示すように、感圧センサ220は、上部フィルム221および下部フィルム222を備えている。上部フィルム221の下部フィルム222側の面には、上部電極221aが枠状に配置されている。下部フィルム222の上部フィルム221側の面には、下部電極222aが上部電極221aと対向するように枠状に配置されている。
【0079】
上部フィルム221には、上部電極221aを覆うように枠状の上部感圧インク部材223aが配置されている。下部フィルム222の場合も同様に、下部フィルム222には、下部電極222aを覆いかつ上部感圧インク部材223aと対向するように枠状の下部感圧インク部材223bが配置されている。
【0080】
すなわち、本発明の第2実施形態にかかる感圧センサ220は、上部フィルム221の上に形成される上部電極221aと、上部電極221aに対向して下部フィルム222の上に形成される下部電極222aと、上部電極221aを覆う上部感圧インク部材223aと、上部感圧インク部材223aと対向するようにして下部電極222aを覆う下部感圧インク部材223bとを有している。
【0081】
上部フィルム221と下部フィルム222との対向領域であって、感圧インク部材223a,223bの周縁部に接着部材230が配置されている。接着部材230は、例えば、弾性を有する粘着性接着剤や両面粘着材であっても良いし、引張り力を発揮する状態に設定されているゴム、引っ張りコイルばね、板ばね等の各種の弾性部材であっても良い。このように弾性を有する接着部材230が用いられるような場合には、接着部材230は、自由状態ではその厚みが、一対の電極221a、222aと感圧インク部材223a、223bの合計の厚みより薄くなるように構成されていることが好ましい。このように構成すると、配置された接着部材230には当初の厚みを保持しようとする力が働き、この力が上部フィルム221と下部フィルム222とを互いに近接させる方向に作用する。こうして、上部フィルム221と下部フィルム222との間の距離を狭め、感圧インク部材23の無加圧な状態における厚みを小さくすることで、結果的に感圧インク部材223a,223bに初期荷重を付与することができる。その結果、初期の不安定な検出値が自動的に排除され、感圧センサが軽荷重の押圧力を検出する場合であっても、押圧力の検出精度を向上させることができる。
【0082】
なお、接着部材230として弾性を有する部材が用いられるような場合に代えて、非弾性の部材が用いられるような場合であっても良い。このような場合にあっては、接着部材230は、例えば、一対の電極221a、222aと感圧インク部材223a、223bの合計の厚みより薄くした非弾性のスペーサである。上部フィルム221または下部フィルム222の変形が許容される場合には、上部フィルム221または下部フィルム222を通じて、初期荷重が付与された感圧インク部材223a,223bがさらに圧縮されて押圧力を検出することができる。
【0083】
図22に示すように、さらに、本発明の第2実施形態にかかる感圧センサ220は下部フィルム222の外面にバンプ224aを配置してもよい。このようにバンプ224aを配置することによって、感圧センサ220に外部からの荷重が加わったとき、バンプ224aが下部感圧インク部材223bを下方から支持し、当該荷重を集中して下部感圧インク部材223bに伝達させることができる。さらに、バンプ224aは、感圧インク部材223a,223bが配置されている位置の裏面側(直下)に配置されていることが好ましい。このように構成することにより、図23に示すように上部感圧インク部材223aと下部感圧インク部材223bとを互いに確実に押し付けることができ、感圧センサ220の圧力の測定精度を向上させることができる。
【0084】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態にかかる感圧センサについて説明する。図24は感圧センサのタッチ入力デバイスにおける配置図、図25は感圧センサの分解図、図26は図24におけるA4−A4断面図である。
【0085】
本第3実施形態にかかる感圧センサ320の基本的な構成は、上記第2実施形態にかかる感圧センサ220と同じであるので、本第3実施形態において特徴部分であるバンプの形成位置についてのみ以下で説明する。
【0086】
図24〜図26に示すように、感圧センサ320において、下部フィルム322と下部電極322bとの間にバンプ324aが配置されている。バンプ324aは、その設置面積が電極322aの設置面積以下になるよう形成されている。
【0087】
上部フィルム321および下部フィルム322の対向領域に感圧インク部材323およびバンプ324aが配置されている。そのため、感圧センサ320を製造する際には、下部フィルム322上に、例えば印刷工程を用いて、バンプ324a、下部電極322a、下部感圧インク部材323bを順に配置する。すなわち、一連の工程で感圧センサ320の片側の基板部分が形成されるので、下部フィルム322上のバンプ324a、下部電極322a、下部感圧インク部材323bの各層の位置ずれも生じ難い。また、感圧センサ320のフィルムの外面にバンプを別途形成する必要がなくなって製造工程が簡略化される。したがって、バンプ324aを備えた感圧センサ320の生産性を向上させることができる。
【0088】
さらに、このように構成することによって、感圧センサ323に外部からの荷重が加わったとき、バンプ324aが下部感圧インク部材323bを下方から支持し、当該荷重を集中して下部感圧インク部材323bに伝達される(図27参照)。その結果、上部感圧インク部材323aと下部感圧インク部材323bとが互いに確実に押し付けられて、感圧センサ320の押圧力の測定精度を向上させることができる。また、下部フィルム322の外面にバンプ324aが露出しないので、バンプ324aが外部部材と擦れ合うことで圧力検出ユニット320から剥がれてしまうこともない。
【0089】
上記第3実施形態では、上部フィルム321と下部フィルム322の厚みは同じであるが、上部フィルム321の厚みと下部フィルム322の厚みとを異ならせてもよい。図28に示す変形例では、下部フィルム322の厚みを上部フィルム321の厚みより薄く設定している。このようにすることで、厚みの薄い下部フィルム322は上部フィルム321より変形されやすくなり、上部フィルム321と下部フィルム322の間に配置されるバンプ324aが下部に凸状に出っ張った感圧センサ320Aが形成され易くなる。感圧センサ320Aの下部フィルム322の側の形状を凸状にすると、感圧センサ320と外部部材である枠上部分2bとの接触面積が小さくなり、枠上部分2bからの荷重が感圧センサ320Aの感圧インク部材323bに集中して伝達される。その結果、感圧センサ320Aの押圧力の測定精度を向上させることができる。
【0090】
また、上記第3実施形態では、バンプ324aを下部フィルム322と下部感圧インク部材323bとの間にのみ配置した例について説明したが、このような場合に代えて、バンプ324aを上部フィルム21と上部感圧インク部材23aとの間に配置してもよい。また、図29に示す変形例にかかる感圧センサ320Bのように、上部フィルム321と上部感圧インク部材323aとの間および下部フィルム322と下部感圧インク部材323bとの間の両方にバンプ324aを配置してもよい。バンプ324aを感圧インク部材323の上下の両方に配置すると、上下のバンプ324aによって感圧インク部材323a、323bがより確実に押圧される。したがって、バンプ324aを感圧インク部材323a、323bの上下何れかにのみ配置した場合に比べて、感圧インク部材323a、323bの測定精度は向上することとなる。
【0091】
また、上記第3実施形態では、枠状に配置された電極321a,322aに対して、感圧インク部材323a,323bも枠状に配置された例について説明したが、このような場合に代えて、枠状に配置された電極321a,322aに対して、感圧インク部材323a、323bを点在させて配置してもよい。
【0092】
また、上記第3実施形態では、上部フィルム321と下部フィルム322との間に接着部材330を配置して感圧インク部材323a,323bに対して初期荷重を付与したが、このような場合についてのみ限定されるものではない。例えば、図30に示す変形例にかかる感圧センサ320Cのように、上部フィルム321と下部フィルム322とを一対の電極321a,322aと感圧インク部材323a,323bとが接する状態に融着して、感圧インク部材323a,323bに対して初期荷重を付与するようにしてもよい。
【0093】
(第4実施形態)
上記第1から第3実施形態では、感圧センサにおいてF−R特性の規格化情報に基づいて、感圧センサの個体間におけるF−R特性のバラツキを抑制する具体的な構成および方法について説明したが、このような本発明の考え方は、感圧センサ以外のセンサにも適用することができる。すなわち、外部入力を受けることでその電気的特性が変化するようなセンサ部材を有するようなセンサに対して、本発明の考え方を適用できる。このような外部入力としては、外力の他に、例えば、光、音、熱などがあり、また、電気的特性としては、抵抗の他に、例えば電圧(分圧)、電流、静電容量などがある。このような本発明の考え方を、外部入力を検出するセンサに適用する場合について、その概念について以下に説明する。
【0094】
まず、本第4実施形態にかかるセンサの一例としてセンサ420の主要な構成を示すブロック図を図31に示す。図31に示すように、センサ420は、光、音、熱などの外部入力を受けることで、例えば、電圧、電流、静電容量など、その電気的特性が変化するセンサ部材423と、センサ部材423に入力(付加)された外部入力を検出する外部入力検出部450とを備えている。外部入力検出部450は、センサ部材423の電気的特性値を測定する電気的特性測定手段451と、電気的特性測定手段451にて測定された電気的特性値に基づいて、センサ420に入力された外部入力の大きさを算出する外部入力算出手段452とを備えている。なお、電気的特性測定手段451および外部入力算出手段452は、電気回路として構成されている。
【0095】
外部入力算出手段452は、センサ部材423に入力される外部入力と電気的特性値との関係を示す「外部入力−電気的特性(以降、「Y−C特性」とする。)」の情報(Y−C特性規格化情報)を保持する記憶部453と、この記憶部453に保持されているY−C特性の情報に基づいて、電気的特性測定手段451より入力された電気的特性値から外部入力の大きさを算出する演算部454とを備えている。
【0096】
次に、センサ420のY−C特性を測定するための手順について説明する。
【0097】
まず、このような構成のセンサ420のサンプル(製品)を複数台、例えば、3台(サンプル420a、420b、420c)準備し、それぞれのセンサ420に対して、外部入力を付加して、付加された外部入力と電気的特性値との関係のデータを取得する。例えば、外部入力として、0から設定最大値までの範囲の外部入力をセンサ420に対して付加して、各外部入力が付加された際のセンサ部材523の電気的特性値を電気的特性測定手段451にて測定する。3台のセンサ420a〜cのサンプルにおけるY−C特性のデータを図32のグラフに示す。
【0098】
図32に示すそれぞれのセンサ420a〜cのサンプルにおけるY−C特性のグラフでは、横軸に付加された外部入力Yを示し、縦軸に電気的特性値Cを示している。図32に示すグラフからも明らかなように、各サンプル間にて、Y−C特性のバラツキが存在していることがわかる。このバラツキは、センサ420a〜cの製品個体間のバラツキである。
【0099】
次に、それぞれのセンサ420a〜cのサンプルにおけるY−C特性の個体間のバラツキを抑制するためのデータ処理を行う。
【0100】
具体的には、センサ420の外部入力の設定最大値Ymax付加時における電気的特性値C(Ymax)と、外部入力の付加無し時における電気的特性値C(Y0)と、外部入力の設定最大値Ymax未満の外部入力Yの付加時における電気的特性値C(YX)とを用いて(すなわち、図32のグラフに示すデータを用いて)、数4に基づきY−C特性を規格化する。すなわち、付加された外部入力Y=Y(ゼロ)の場合の電気的特性値Cが0と表され、付加された外部入力Y=Ymaxの場合の電気的特性値Tが1と表されるように、Y−C特性の規格化のためのデータ処理を行う。
(数4)
(YX)={1/C(YX)−1/C(Y0)}/{1/C(Ymax)−1/C(Y0)
【0101】
この数4を用いて規格化された各サンプルについてのY−C特性(Y−C特性の規格化情報)S(YX)を、図33のグラフに示す。図33のグラフでは、横軸に付加された外部入力Yを示し、縦軸に規格化された値S(電気的特性値Cの規格化値)を示す。
【0102】
図33に示すように、規格化前のY−C特性に比べて、規格化後のY−C特性S(YX)では、3個のサンプル420a〜c間のバラツキを抑制することができる。
【0103】
次に、このようにしてデータ処理された個々のセンサ420a〜cのY−C特性の規格化情報S(YX)を、外部入力検出部450の記憶部453に保存させる。
【0104】
センサ420において、実際に外部入力が付加された場合には、センサ部材423の電気的特性値を電気的特性測定手段451にて測定し、演算部454にて、記憶部453に保存されているY−C特性の規格化情報S(YX)に基づいて、測定された電気的特性値から付加された外部入力を算出する。
【0105】
このようにY−C特性を規格化するためのデータ処理が数4を用いて行われ、Y−C特性の規格化情報S(YX)に基づいて、電気的特性値から付加された外部入力の算出が行われることにより、センサ420a〜cの個体間におけるY−C特性のバラツキを抑制することができる。特にこのような規格化のためのデータ処理は、電気的特性値と付加された外部入力との関係を補正等するものではなく、データの見え方を変えるデータ処理であるため、測定された電気的特性値と付加された外部入力との関係を保持したまま、データ処理を行うことができる。したがって、製品間における外部入力の測定精度のバラツキが抑制され、安定した測定精度を有するセンサを提供することができる。
【0106】
よって、このようなセンサにおけるY−C特性の規格化情報に基づいて、センサの個体間におけるY−C特性のバラツキを抑制するという本発明の考え方は、外部入力を受けることでその電気的特性が変化するようなセンサ部材を有するようなセンサに対して、適用することができる。
【0107】
本発明の考え方を適用可能なセンサの例をいくつか説明する。例えば、センサ部材を圧電素子、外部入力を圧力、電気的特性の変化を電圧変化として、圧電素子に圧力を加えることで電圧が発生することを利用した圧力センサに、本発明を適用することができる。また、センサ部材を静電センサ(コンデンサ)、外部入力を指との接触、電気的特性の変化を静電容量値変化として、静電センサに指で触れる(指を近づける)と静電容量値が変化することを利用した接触センサに、本発明を適用することができる。また、センサ部材を受光素子、外部入力を光照射、電気的特性の変化を抵抗変化として、受光素子に光を照射することで抵抗値が変化することを利用した光センサに、本発明を適用することができる。また、センサ部材をサーミスタ、外部入力を温度、電気的特性の変化を抵抗変化として、サーミスタの温度が変化すると抵抗値が変化することを利用した温度センサに、本発明を適用することができる。
【0108】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明にかかる感圧センサは、タッチパネルを有する電子機器に搭載されても表示装置の表示部の視認性の低下を抑えることができるとともに、圧力の測定精度を向上させることができるので、タッチパネルを有する電子機器、特に携帯電話機やゲーム機などの携帯型電子機器に有用である。また、本発明にかかるセンサは、光、音、熱などの外部入力を測定するセンサにおいて、個体間の測定精度のバラツキを低減できるため、このようなセンサが用いられる様々な産業において有用である。
【符号の説明】
【0110】
1 携帯電話機
2 筐体
2A 表示窓
3 表示装置
3A 表示部
4 タッチ入力デバイス
4A 透明窓部分
4B 加飾領域
5 入力キー
10 タッチパネル
11 透明支持基板
12 加飾フィルム
13 X軸検出用透明フィルム
13a 上部透明電極
13b 引き回し回路
14 透明粘着層
15 Y軸検出用透明フィルム
15a 下部透明電極
15b 引き回し回路
16 透明粘着層
17 シールド用透明フィルム
17a シールド用透明電極
17b 引き回し回路
18 透明粘着層
19 ハードコートフィルム
20 感圧センサ
21 上部フィルム
21a 上部電極
22 下部フィルム
22a,22b 下部電極
23a,23b 感圧インク部材
24 隙間保持部材
50 押圧力検出部
51 抵抗測定部
52 外力算出手段
53 記憶部
54 演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置された第1および第2の基板と、
第1および第2の基板間に配置された一対の電極と、
一対の電極間に配置され、第1の基板の厚み方向に加えられた外力を受けて、その電気的抵抗が変化する導電性の感圧インク部材と、
一対の電極と接続され、第1の基板の厚み方向の外力を受けて一対の電極と接触した状態の感圧インク部材の電気抵抗値を測定する抵抗測定手段と、
抵抗測定手段により測定された、感圧インク部材の設定最大外力Fmax付加時における抵抗値R(Fmax)と、外力付加無し時における抵抗値R(F0)と、設定最大外力Fmax未満の外力F付加時における抵抗値R(FX)とを用いて、数1に基づき規格化された外力−抵抗特性の規格化情報S(FX)を保持し、外力−抵抗特性の規格化情報S(FX)に基づき、抵抗測定手段により測定された抵抗値から付加された外力を算出する外力算出手段と、を備える、感圧センサ。
(数1)
(FX)={1/R(FX)−1/R(F0)}/{1/R(Fmax)−1/R(F0)
【請求項2】
一対の電極は、第1および第2の基板の対向面の一方に配置または両方に分かれて配置されるとともに、第1または第2の基板の縁部に沿って枠状に配置され、
第1の基板と第2の基板とを接着するように第1および第2の基板の間に配置され、一対の電極の少なくとも一方と感圧インク部材との間に隙間を保持する隙間保持部材をさらに備え、
感圧インク部材は、第1または第2の基板の縁部に沿って存在し、第1の基板の厚み方向に外力が付加されることにより、第1および第2の基板間の距離が減少したとき、一対の電極と接触して両者を導通させる、請求項1に記載の感圧センサ。
【請求項3】
一対の電極は、第1と第2の基板に対向配置され、
感圧インク部材は、一対の電極の少なくとも一方を覆う状態で、一対の電極の間に配置され、
第1の基板と第2の基板とを接着するように第1および第2の基板の間に配置され、一対の電極の少なくとも一方と感圧インク部材とを接する状態にする接着部材をさらに備える、請求項1に記載の感圧センサ。
【請求項4】
接着部材が、第1の基板と第2の基板とを引き付けて感圧インク部材に初期荷重を付与する、請求項3に記載の感圧センサ。
【請求項5】
第1の基板の外面および第2の基板の外面の少なくとも一方に、感圧インク部材に対して荷重を集中させて伝達するバンプが備えられている、請求項1から3のいずれか1つに記載の感圧センサ。
【請求項6】
第1の基板と感圧インク部材との間および第2の基板と感圧インク部材の間のうち、少なくとも何れか一方に配置され、荷重を感圧インク部材に集中させて伝達するバンプが備えられている、請求項1および請求項3から5のいずれか1つに記載の感圧センサ。
【請求項7】
第1の基板の厚みと第2基板の厚みとが異なる、請求項6に記載の感圧センサ。
【請求項8】
バンプが、第1基板と感圧インク部材との間、および第2基板と感圧インク部材との間に配置されている、請求項6または7に記載の感圧センサ。
【請求項9】
外部入力を受けて、その電気的特性が変化するセンサ部材と、
センサ部材の電気的特性値を測定する電気回路を有する電気的特性測定手段と、
電気的特性測定手段により測定された、センサ部材の外部入力の設定最大値Ymax付加時における電気的特性値C(Ymax)と、外部入力の付加無し時における電気的特性値C(Y0)と、外部入力の設定最大値Ymax未満の外部入力Yの付加時における電気的抵抗値C(YX)とを用いて、数2に基づき規格化された外部入力−電気的特性の規格化情報S(YX)を保持し、外部入力−電気的特性の規格化情報S(YX)に基づき、電気的特性測定手段により測定された電気的特性値から、センサ部材に付加された外部入力を算出する外部入力算出手段と、を備える、センサ。
(数2)
(YX)={1/C(YX)−1/C(Y0)}/{1/C(Ymax)−1/C(Y0)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−103273(P2012−103273A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30772(P2012−30772)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2009−294768(P2009−294768)の分割
【原出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】