説明

感熱転写記録材料用インクシート、感熱転写記録方法、インクカートリッジおよび色素

【課題】吸収がシャープな優れた分光特性および高い堅牢性を有する色素を含有する感熱転写記録材料用インクシートを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるイソオキサゾロン色素を含有することを特徴とする感熱転写記録材料用インクシート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特定の色素を含有することを特徴とする感熱転写記録材料用インクシート、感熱転写記録方法、インクカートリッジおよび新規なイソオキサゾロン化合物に関する。
【技術背景】
【0002】
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。
【0003】
これらのカラー画像記録材料では、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の着色剤(染料や顔料)が使用されている。しかしながら、好ましい色再現域を実現できる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる堅牢な着色剤がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
【0004】
感熱転写記録には、ベースフィルム(支持体)上に熱溶融性インク層を形成させた感熱転写材料をサーマルヘッドにより加熱し該インクを溶融して受像材料上に記録する方式と、ベースフィルム上に熱移行性色素を含有する色素供与層を形成させた感熱転写材料を熱ヘッドにより加熱して色素を受像材料上に熱拡散転写させる方式とがある。後者の感熱転写方式は、サーマルヘッドに加えるエネルギーを変えることにより色素の転写量を変化させることができるために階調記録が容易であり、高画質のフルカラー記録には特に有利である。しかしこの方式に用いる熱移行性色素には種々の制約があり、必要とされる性能を全て満たすものは極めて少ない。
【0005】
必要とされる性能としては、例えば、色再現上好ましい分光特性を有すること、転写し易いこと、光や熱に堅牢であること、種々の化学薬品に堅牢であること、合成が容易であること、感熱転写用記録材料を作りやすいこと等があり、特に優れた分光特性を有し、光堅牢性の高い色素の開発が望まれていた。
【0006】
一方、感熱転写記録用色素として、イソオキサゾロン染料を用いることが、特許文献1〜3に開示されている。しかし、該特許文献に記載のアニリン骨格とイソオキサゾロン環からなるメチン色素、もしくは、アゾメチン色素は、色再現上好ましい分光特性を有するがより一層の光堅牢性が望まれていた。また、特許文献4および5には、アミノチアゾールとピラゾール環もしくはピラゾリジンジオン環からなるメチン色素を感熱転写記録用色素として用いることが開示されているが、本発明のヘテロ環とイソオキサゾロン環からなるメチン色素を用いることは全く知られていなかった。
【特許文献1】特開平7−125458号公報
【特許文献2】欧州特許第628427号明細書
【特許文献3】米国特許第5,422,334号明細書
【特許文献4】特公平4−22716号公報
【特許文献5】特公平4−22715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、吸収がシャープな優れた分光特性および高い堅牢性を有するメチン色素を含有する感熱転写記録材料用インクシート、感熱転写記録方法、インクカートリッジおよび新規なメチン色素を提供することにある。さらには、印画サンプルにおける優れた色再現性、湿熱経時における画像のにじみが少なく、再転写等の起こりにくい画像保存性に優れた感熱転写記録材料用インクシート、感熱転写記録方法、インクカートリッジおよび新規なメチン色素を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下の構成によって上記課題が達成されることを見出した。
(1)下記一般式(1)で表される色素を含有することを特徴とする感熱転写記録材料用インクシート。
【0009】
【化1】

【0010】
(一般式(1)中、R1は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR1112、−OR13、−CONR1415、−COOR16、−SR17、置換もしくは無置換のアシル基、またはシアノ基を表し、R2、R3およびR4は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、またはシアノ基を表し、R11、R12、R14およびR15は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R11とR12、R14とR15は互いに連結して環を形成してもよい。R13、R16およびR17は各々独立に水素原子または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のシリル基を表す。nは0、1または2を表し、Hetはヘテロ環基を表し、該ヘテロ環は置換基を有していてもよく、縮環していてもよい。)
(2)前記一般式(1)中のHetで表されるヘテロ環基が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする(1)に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
【0011】
【化2】

【0012】
(一般式(2)中、X1およびX2は各々独立に窒素原子もしくはCR21を表し、X3は酸素原子、硫黄原子、NR22またはCR2324を表し、Yは水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR3132、−OR33、−CONR3435、−COOR36、−SR37、置換もしくは無置換のアシル基、またはシアノ基を表し、R21、R22、R23、R24、R31、R32、R34およびR35は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R31とR32、R34とR35は互いに連結して環を形成してもよい。R33、R36およびR37は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、または置換もしくは無置換のシリル基を表す。)
(3)前記一般式(1)中のR1で表される基が、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR1112、または−OR13であり、R2で表される基が水素原子であり、nが0であり、Hetで表されるヘテロ環基が、前記一般式(2)で表されるヘテロ環基であり、且つ、一般式(2)中のYで表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR3132、または−OR33であることを特徴とする(2)に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
(4)前記一般式(1)中のR1で表される基が、炭素数2以上の置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、−NR1112、または−OR13であり、R2で表される基が水素原子であり、nが0であり、Hetで表されるヘテロ環基が、前記一般式(2)で表されるヘテロ環基であり、且つ、一般式(2)中のX2が窒素原子であり、Yで表される基が−NR3132、−OR33、または−SR37であり、R11、R12、R13、R31、R32、R33およびR37が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする(2)に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
(5)前記一般式(1)で表される色素が、下記一般式(3)であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
【0013】
【化3】

【0014】
(一般式(3)中、R1で表される基は、前記一般式(1)中のR1で表される基と同義であり、R31およびR32は前記一般式(2)のR31およびR32で表される基と同義であり、R41は置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。)
(6)前記一般式(3)中、R1で表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR1112、または−OR13であり、R41が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、R11、R12、R13、R31およびR32が各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、または置換もしくは無置換のアリール基であることを特徴とする(5)に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
(7)支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感熱転写記録材料用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
(8)前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感熱転写記録材料用インクシートが装填されていることを特徴とするインクカートリッジ。
(9)下記一般式(3)で表される色素。
【0015】
【化4】

【0016】
(一般式(3)中、R1で表される基は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR1112、−OR13、−CONR1415、−COOR16、−SR17、置換もしくは無置換のアシル基、またはシアノ基を表し、R31、R32およびR41は各々独立に置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R31とR32はさらに水素原子を表してもよく、またR31とR32は互いに連結して環を形成してもよい。R11、R12、R14およびR15は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R11とR12、R14とR15は互いに連結して環を形成してもよい。R13、R16およびR17は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のシリル基を表す。)
(10)前記一般式(3)中、R1で表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR1112、または−OR13であり、R41が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、R11、R12、R13、R31およびR32が各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基であることを特徴とする(9)に記載の色素。
【発明の効果】
【0017】
本発明によって、吸収がシャープな優れた分光特性および堅牢性に優れた感熱転写記録材料用インクシート、感熱転写記録方法およびインクカートリッジを提供することができる。さらには印画サンプルにおける優れた色再現性、湿熱経時における画像のにじみが少なく、再転写等の起こりにくい画像保存性に優れた感熱転写記録材料用インクシート、感熱転写記録方法、インクカートリッジおよび新規なイソオキサゾロンメチン色素を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下において、本発明の感熱転写記録材料用インクシートやそれに用いる色素等について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0019】
まず、本発明の感熱転写記録材料用インクシートに用いる、一般式(1)で表されるイソオキサゾロンメチン色素について詳細に説明する。
【0020】
一般式(1)において、Hetはヘテロ環基を表す。ここで、該へテロ環基はとしては、例えば、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイソチアゾール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、インドール環、キノリン環、プリン環、カルバゾール環、アクリジン環等が挙げられる。これらのヘテロ環はさらに置換基を有していてもよく、さらに他の環(たとえは炭素環、ヘテロ環他)と縮環していてもよい。
【0021】
一般式(1)中、R1で表される置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基として、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基(本願では、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む二重結合を有する不飽和脂肪族基を意味する)、アルキニル基を表す。
1で表されるアルキル基には、シクロアルキル基、およびビシクロアルキル基が含まれ、且つ、直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基が含まれる。直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基は炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、トリフルオロメチル基、および2−エチルヘキシル基を挙げることができる。シクロアルキル基としては置換もしくは無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換もしくは無置換のシクロアルキル基は、炭素数3〜30のシクロアルキル基が好ましい。例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基を挙げることができる。ビシクロアルキル基としては、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基を挙げることができる。例として、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基を挙げることができる。さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中の「アルキル」(例えばアルキルチオ基の「アルキル」)もこのような概念の「アルキル」を表す。
【0022】
1で表されるアルケニル基にはシクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。アルケニル基としては、炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基が好ましい。例としてはビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基を挙げることができる。シクロアルケニル基としては、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例としては、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基が挙げられる。ビシクロアルケニル基としては、置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基が含まれる。ビシクロアルケニル基としては炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が好ましい。例として、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基を挙げることができる。
【0023】
1で表されるアルキニル基は、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、およびプロパルギル基が挙げられる。
【0024】
1で表されるアリール基は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基が挙げられる。
【0025】
1で表されるヘテロ環基としては、置換もしくは無置換の芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、それらはさらに縮環していてもよい。これらのヘテロ環基としては、好ましくは5または6員のヘテロ環基であり、また環構成のヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が好ましい。さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。ヘテロ環基を構成する環を置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、ピロール環、インドール環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、ベンズオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンズイソチアゾール環、チアジアゾール環、イソオキサゾール環、ベンズイソオキサゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾリジン環、チアゾリン環が挙げられる。
【0026】
1で表されるアシル基は、ホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。アシル基の例には、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル基などを挙げることができる。
【0027】
1で表される基は、前記以外に、−NR1112、−OR13、−CONR1415、−COOR16、−SR17、または、シアノ基を表すが、該R11、R12、R14およびR15は各々独立に水素原子または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、アシル基、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、R11とR12、R14とR15は互いに連結して環を形成しても良く、R13、R16およびR17は各々独立に水素原子または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基、もしくは、シリル基を表す。
【0028】
また、R11、R12、R14およびR15で表される置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基は、R1で表される基と同義の基を表し、アルキルオキシ基としては、置換もしくは無置換の炭素原子数が1〜30のアルキルオキシ基が好ましく、アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−オクチルオキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カルボキシプロポキシ基などを挙げられ、アリールオキシ基としては例えば、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基などが挙げられ、アルキルオキシカルボニル基としては、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルキルオキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル基などを挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基が好ましく、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基などを挙げられ、置換もしくは無置換のカルバモイル基としては、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基が好ましく、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基などを挙げられ、アルキルまたはアリールスルホニル基としては、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル基などを挙げられ、スルファモイル基としては、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基が好ましく、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)基などを挙げることができる。
【0029】
また、R13、R16およびR17で表される置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基は、R1で表される基と同義の基を表し、置換もしくは無置換のアミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基およびヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、カルボキシエチルアミノ基、スルフォエチルアミノ基、3,5−ジカルボキシアニリノ基、4−キノリルアミノ基などを挙げられ、シリル基としては、炭素数1〜10のアルキル基もしくは炭素数6〜10のアリール基が置換したシリル基が好ましく、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基等を表す。
【0030】
一般式(1)中、R2、R3およびR4は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、または、シアノ基を表すが、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基は、R1で表される基と同義の基を表す。
一般式(1)中、nは、0、1、または、2を表すが、0であることが好ましい。
【0031】
以下、一般式(1)で表される化合物として好ましい例について説明する。
一般式(1)中のHetで表されるヘテロ環基が、前記一般式(2)で表されるヘテロ環を表す事が好ましい。
【0032】
【化5】

【0033】
(一般式(2)中、X1およびX2は各々独立に窒素原子もしくはCR21を表し、X3は酸素原子、硫黄原子、NR22、CR2324を表し、Yは水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR3132、−OR33、−CONR3435、−COOR36、−SR37、または、アシル基、シアノ基を表し、R21、R22、R23、R24、R31、R32、R34およびR35は各々独立に水素原子または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、アシル基、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表し、R31とR32、R34とR35は互いに連結して環を形成しても良く、R33、R36およびR37は各々独立に水素原子または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基、もしくは、シリル基を表す。)
【0034】
一般式(2)中、Yで表される基は、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、アシル基は、前記一般式(1)中のR1と同義の基であり、Yとして好ましくは、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR3132、−OR33、もしくは、−SR37であり、より好ましくは、−NR3132、−OR33、もしくは、−SR37であり、最も好ましくは、−NR3132、である。また、一般式(2)中の、R21、R22、R23、R24、R31、R32、R34およびR35で表される基は、前記、R11、R12、R14およびR15で表される基と同義の基であり、R33、R36およびR37で表される基は、前記R13、R16およびR17で表される基と同義である。
【0035】
一般式(1)で表される化合物としてより好ましくは、(1)中のR1で表される基が、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR1112、もしくは、−OR13を表し、R2で表される基が水素原子を表し、nが0を表し、Hetで表されるヘテロ環基が、前記一般式(2)で表されるヘテロ環基を表し、且つ、一般式(2)中のYで表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR3132、もしくは−OR33を表す。
【0036】
一般式(1)で表される化合物として更に好ましくは、前記一般式(1)中のR1で表される基が、炭素数2以上の置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、−NR1112、もしくは、−OR13を表し、R2で表される基が水素原子を表し、nが0を表し、Hetで表されるヘテロ環基が、前記一般式(2)で表されるヘテロ環基を表し、且つ、一般式(2)中のX2が窒素原子を表し、Yで表される基が−NR3132、−OR33、もしくは、−SR37を表し、R11、R12、R13、R31、R32、R33およびR37が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基を表す。
【0037】
また、一般式(1)で表される色素として更に好ましくは、下記一般式(3)で表されるチアゾール環を含有する色素である。
【0038】
【化6】

【0039】
(一般式(3)中、R1で表される基は、前記一般式(1)中のR1で表される基と同義であり、R31およびR32は前記一般式(2)のR31およびR32で表される基と同義であり、R41は置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、アシル基、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、スルファモイル基を表す。)
【0040】
以下に、本発明の一般式(3)で表される色素について詳細に説明する。
【0041】
一般式(3)で表されるイソオキサゾロンメチン色素は、これまで全く知られていなかった。これらの色素は置換基としてアリール基やヘテロアリール基を有する5−アミノピラゾリルアゾピラゾール色素と比較して、溶解性に優れており、上記記載の感熱転写記録用インクシートの用途に好適であることに加え、他の用途(例えばインク液、ハロゲン化銀写真感光材料量のイエローフィルター等)にも好適に使用可能であると考えられる。
【0042】
また、一般式(3)中のR1で表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR1112、もしくは、−OR13を表し、R41は置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基を表し、R11、R12、R13、R31およびR32が水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基を表すことが好ましい。
【0043】
さらに、一般式(3)中のR1で表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、−NR1112、もしくは、−OR13を表し、R41は置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R11、R12、R13、R31およびR32が置換もしくは無置換のアルキル基を表す事が最も好ましい。
【0044】
一般式(1)、および、一般式(3)で表される化合物の分子量は、熱拡散性の観点から、500以下であることが好ましく、250〜450であることがより好ましく、300〜400である事が最も好ましい。
【0045】
以下に、本発明の一般式(1)で表される化合物(一般式(3)で表される化合物を含む)の具体例を示すが、本発明で用いることができる一般式(1)の化合物は以下の具体例によって限定されるものではない。なお、以下の具体例においてPhはフェニル基(−C65)を表す。
【0046】
【化7】

【0047】
ここで、上記例示化合物(1)〜(12)が、前記一般式(3)で表される化合物の具体例でもある。
以下の表に、本発明の一般式(3)で表される化合物の具体例を更に示すが、本発明の一般式(3)の化合物は以下の具体例によって限定されるものではない。
【0048】
【表1】

【0049】
一般式(1)で表される化合物(一般式(3)で表される化合物を含む)は公知の方法で容易に合成できる。例えば、ヘテロ環基を有する種々のアルデヒド化合物と、酸性の水素原子を有するイソオキサゾロン化合物(カプラー成分)を反応させて合成することができる。また、一般式(3)で表される化合物を合成する際に用いられるチアゾール基を有するアルデヒド化合物は、J.Chem.Soc.,Perkins Trans I, (1983)、341-347頁に記載される方法に準じて合成することができ、他のアルデヒド化合物も同様に合成することができる。また、カプラー成分であるイソオキサゾロン化合物は、例えば、L.Mater.Chem.(2001)、2271−2281頁に記載の方法に準じて合成することができる。
【0050】
本発明の感熱転写記録材料用インクシートは、一般式(1)で表されるアゾ色素を含有することを特徴とする。感熱転写記録材料用インクシートは、一般に支持体上に色素供与層が形成された構造を有しており、その色素供与層中に一般式(1)で表される化合物を含有させる。本発明の感熱転写記録材料用インクシートは、一般式(1)で表される化合物をバインダーとともに溶剤中に溶解するか、あるいは溶媒中に微粒子状に分散させることによってインク液を調製し、該インク液を支持体上に塗設し適宜乾燥して色素供与層を形成することにより製造することができる。
【0051】
本発明の感熱転写記録材料用インクシートの支持体には、インクシート用支持体として従来から用いられているものを適宜選択して用いることができる。例えば特開平7−137466号公報の段落番号0050に記載される材料を好ましく用いることができる。支持体の厚みは、2〜30μmが好ましい。
【0052】
本発明の感熱転写記録材料用インクシートの色素供与層に用いることができるバインダー樹脂は、耐熱性が高くて、加熱されたときに色素が受像シートへ移行するのを妨げないものであれば特にその種類は制限されない。例えば、特開平7−137466号公報の段落番号0049に記載されるものを好ましい例として挙げることができる。また、色素供与層形成用の溶剤についても、従来公知の溶剤を適宜選択して用いることができ、特開平7−137466号公報の実施例に記載されるものを好ましく用いることができる。
【0053】
色素供与層中における一般式(1)で表される化合物の含有量は、0.03〜1.0g/m2が好ましく、0.1〜0.6g/m2がより好ましい。また、色素供与層の厚みは、0.2〜5μmが好ましく、0.4〜2μmがより好ましい。
【0054】
本発明の感熱転写記録材料用インクシートは、本発明の効果を過度に阻害しない範囲内であれば、色素供与層以外の層を有するものであってもよい。例えば、支持体と色素供与層との間に中間層を有するものであってもよいし、色素供与層とは反対側の支持体面(以下において「背面」ともいう)にバック層を有するものであってもよい。中間層としては、例えば下塗り層や、色素の支持体方向への拡散を防止するための拡散防止層(親水性バリアー層)を挙げることができる。また、バック層としては、例えば耐熱スリップ層を挙げることができ、サーマルヘッドのインクシートへの粘着防止を図ることができる。
【0055】
本発明をフルカラー画像記録が可能な感熱転写記録材料に適用するには、シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン染料を含有するシアンインクシート、マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ染料を含有するマゼンタインクシート、イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー染料を含有するイエローインクシートを支持体上に順次塗設して形成することが好ましい。また、必要に応じて他に黒色画像形成物質を含むインクシートがさらに形成されていてもよい。
【0056】
シアン画像を形成することができる熱拡散性シアン染料を含有するシアンインクシートとしては、例えば、特開平3−103477号公報や特開平3−150194号公報などに記載されたものを好ましく用いることができる。
【0057】
マゼンタ画像を形成することができる熱拡散性マゼンタ染料を含有するマゼンタインクシートとしては、例えば、特開平5−286268号公報などに記載されたものを好ましく用いることができる。
【0058】
イエロー画像を形成することができる熱拡散性イエロー染料を含有するイエローインクシートとしては、例えば、特開平7−94182号公報などに記載されたものを好ましく用いることができる。
【0059】
本発明の感熱転写記録材料用インクシートを用いて感熱転写記録を行う際には、サーマルヘッド等の加熱手段と受像シートを組み合わせて用いる。すなわち、画像記録信号に従ってサーマルヘッドから熱エネルギーがインクシートに加えられ、該熱エネルギーが加えられた部分の色素が受像シートに移行し固定されることによって画像記録がなされる。受像シートの構成や使用材料については、例えば特開平7−137466号公報の段落番号0056〜0074に記載されたものを好ましく用いることができる。
【0060】
本発明の感熱転写記録材料用インクシートを用いて感熱転写記録を行えば、形成される画像は鮮やかな色相と優れた光堅牢性を示す。
【0061】
本発明の感熱転写記録材料用インクシートは、インクカートリッジに装填することができる。インクカートリッジの構造や装填方法については、従来から感熱転写記録の分野で採用されているものを本発明でも用いることができる。具体的には、実開昭63−161851号公報、実開昭63−161851号公報、実開平1−101864号公報などに記載されるインクカートリッジの技術を本発明にも適用することができ、特に実開平1−101864号]公報に記載されたものがより好ましい。
【実施例】
【0062】
以下に合成例と実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0063】
合成例1(例示化合物(2)の合成)
【0064】
【化8】

【0065】
(1)ヘテロ環アルデヒド(Het−1)の合成
冷却下、エトキシカルボニルイソチオシアネート(13.1g、東京化成工業製)と、ジエチルアミン(8.0g、和光純薬工業製)をアセト二トリル(100ml)中反応させ、4時間室温で攪拌した。ついで、過剰の塩酸水を添加し60℃で3時間攪拌後、25℃で一晩放置した。反応系から析出した結晶を濾過後、アセトニトリル・水混合溶媒で再結晶する事により、N,N−ジエチルチオ尿素を8.1g得た。得られたN,N−ジエチルチオ尿素(6.6g)のアセトニトリル溶液に、1−クロロピナコロン(6.7g、和光純薬製)を滴下し、60℃で2時間攪拌後室温に戻し、酢酸エチル/水溶媒で分液操作を行った。有機層を減圧濃縮後、液状の2−ジエチルアミノ−4−t−ブチル−チアゾールを9.5g得た。更に、該チアゾール9.0gをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、オキシ塩化リン(7.7g)を氷冷下滴下し、徐々に室温まで昇温させ、1時間攪拌した。更に、80℃に加熱し、4時間攪拌した。反応液を室温まで戻し、系内に氷水をゆっくりと攪拌しながら添加し、過剰のオキシ塩化リンを潰した。更に、酢酸エチル/水溶媒で分液操作を行ったのち、カラムクロマトグラフィーを用いて精製操作を行い、Het−1を9.6g得た。
(2)イソオキサゾロン化合物(IO−1)の合成
ピバロイル酢酸エチル(17.2g、和光純薬工業製)のエタノール溶液を、塩酸ヒドロキシルアミン(7.7g、和光純薬工業製)水溶液中に添加し、酢酸ナトリウム(8.2g)を添加し、室温で30分攪拌した。次いで、加熱還流して1時間後に室温に戻し、酢酸エチル/水溶媒で分液操作を行った。有機層を減圧濃縮後に得られた結晶を、エタノールで再結晶し、IO−1を11.6g得た。
(3)例示化合物(2)の合成
前記の方法で合成したHet−1(4.8g)、および、IO−1(2.8g)をエタノールに溶解し、更に、酢酸アンモニウム(0.1g)を添加し、加熱還流を1時間行った。反応液を濃縮後、析出した結晶をろ過し、更に、エタノールで再結晶して例示化合物(2)を5.1g得た。得られた化合物のλmax(酢酸エチル溶液)は473nmであった。
【0066】
合成例2(例示化合物(7)の合成)
【0067】
【化9】

【0068】
(1)イソオキサゾロン化合物(IO−2)の合成
3−エトキシ−3−イミノプロピオン酸エチル塩酸塩(19.6g、和光純薬工業製)、塩酸ヒドロキシルアミン(7.7g、和光純薬工業製)をエタノール中に添加し、酢酸ナトリウム(8.2g)を添加し、室温で30分攪拌した。次いで、加熱還流して1時間後に室温に戻し、酢酸エチル/水溶媒で分液操作を行った。有機層を減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーによる精製操作により、IO−1を9.2g得た。
(2)例示化合物(7)の合成
前記の方法で合成したHet−1(4.8g)、および、IO−1(2.6g)をエタノールに溶解し、更に、酢酸アンモニウム(0.1g)を添加し、加熱還流を1時間行った。反応液を濃縮後、析出した結晶をろ過し、更に、エタノールで再結晶して例示化合物(2)を4.1g得た。得られた化合物のλmax(酢酸エチル溶液)は461nmであった。
【0069】
合成例3(例示化合物(21)の合成)
【0070】
【化10】

【0071】
1−メチルインドールー3−カルバルデヒド(Het−2、和光純薬工業製、3.2g)、および、前期の方法で合成したIO−1(2.6g)をエタノールに溶解し、更に、酢酸アンモニウム(0.1g)を添加し、加熱還流を1時間行った。反応液を濃縮後、析出した結晶をろ過し、更に、エタノールで再結晶して例示化合物(2)を4.8g得た。得られた化合物のλmax(酢酸エチル溶液)は436nmであった。
【0072】
前記例示化合物(1)〜(13)および(28)〜(50)は、上記合成例1、2に準じた方法で合成することができる。また、それ以外の例示化合物も、上記合成例3の様に、市販のアルデヒド化合物を用いたり、もしくは、ヘテロ環を合成した後、上記合成例1に示した様に、ホルミル化、更に、イソオキサゾロンカプラーと縮合させる事で容易に合成することができる。
【0073】
実施例1(感熱転写記録用インクシートの作製)
支持体として裏面に熱硬化アクリル樹脂(厚み1μm)により耐熱滑性処理が施された厚み6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を使用し、フィルムの表面側に下記の色素供与層用塗料組成物をワイヤーバーコーティングにより乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布形成し、インクシート1を作製した。
【0074】
(色素供与層用塗料組成物)
例示化合物(2) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90質量部
【0075】
次に、上記例示化合物(2)を表2に記載される他の色素に変えた以外は、上記と同様にして、本発明のインクシート2〜15および比較用インクシート16をそれぞれ作製した。
【0076】
実施例2(感熱転写記録)
<受像材料の作製>
支持体として合成紙(ユポFPG200、商品名、ユポコーポレーション社製、厚み200μm)を用い、この一方の面に下記組成の白色中間層用組成物、受容層用組成物の順にバーコーターにより塗布を行った。それぞれの塗布量は、乾燥時に白色中間層1.0g/m2、受容層4.0g/m2となる量とし、乾燥は各層110℃で30秒間行った。
【0077】
(白色中間層用組成物)
ポリエステル樹脂(バイロン200、商品名、東洋紡積(株)製) 10質量部
蛍光増白剤(Uvitex OB、商品名、チバガイギー社製) 1質量部
酸化チタン 30質量部
メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 90質量部
【0078】
(受容層用組成物)
塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂 100質量部
(ソルバインA、商品名、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−3050C)
エポキシ変性シリコーン 5質量部
(信越化学工業(株)製、商品名、X22−300E)
メチルエチルケトン/トルエン(=1/1) 400質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 5質量部
(Tinuvin900、商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
【0079】
<画像記録および評価>
上記のようにして得られたインクシート1〜16と受像材料とを、色素供与層と受像層とが接するようにして重ね合わせ、色素供与材料の背面側からサーマルヘッドを使用し、サーマルヘッドの出力0.25W/ドット、パルス巾0.15〜15ミリ秒、ドット密度6ドット/mmの条件で印字を行い、受像材料の受像層にイエロー色の染料を像状に染着させたところ、転写むらのない鮮明な画像記録が得られた。次に、得られた記録済の各熱転写受像材料を14日間、Xeライト(17000ルクス)で照射し、色像の光安定性(光堅牢性)を調べた。ステータスA反射濃度1.0を示す部分の照射後のステータスA反射濃度を測定し、照射前の反射濃度1.0に対する残存率(百分率)でその安定度を評価した。結果を表2に示した。
【0080】
【表2】

【0081】
上記の画像記録試験の結果、一般式(1)で表される化合物を用いたインクシートから受像層に転写された画像は、色相が鮮やかであり、比較用の色素を用いた場合と比較して光堅牢性に優れていることが確認された。さらには、本発明の色素は、比較用の色素と比較して湿熱経時における画像のにじみが少なく、再転写等が起こりにくくて、優れた画像保存性を示すことも確認された。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、吸収がシャープな優れた分光特性および高い堅牢性を有する色素を含有する感熱転写記録材料用インクシートが提供される。このため、本発明は高画質のフルカラー記録等に効果的に用いられることが期待され、産業上の利用可能性が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される色素を含有することを特徴とする感熱転写記録材料用インクシート。
【化1】

(一般式(1)中、R1は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR1112、−OR13、−CONR1415、−COOR16、−SR17、置換もしくは無置換のアシル基、またはシアノ基を表し、R2、R3およびR4は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、またはシアノ基を表し、R11、R12、R14およびR15は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R11とR12、R14とR15は互いに連結して環を形成してもよい。R13、R16およびR17は各々独立に水素原子または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のシリル基を表す。nは0、1または2を表し、Hetはヘテロ環基を表し、該ヘテロ環は置換基を有していてもよく、縮環していてもよい。)
【請求項2】
前記一般式(1)中のHetで表されるヘテロ環基が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
【化2】

(一般式(2)中、X1およびX2は各々独立に窒素原子もしくはCR21を表し、X3は酸素原子、硫黄原子、NR22またはCR2324を表し、Yは水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR3132、−OR33、−CONR3435、−COOR36、−SR37、置換もしくは無置換のアシル基、またはシアノ基を表し、R21、R22、R23、R24、R31、R32、R34およびR35は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R31とR32、R34とR35は互いに連結して環を形成してもよい。R33、R36およびR37は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、または置換もしくは無置換のシリル基を表す。)
【請求項3】
前記一般式(1)中のR1で表される基が、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR1112、または−OR13であり、R2で表される基が水素原子であり、nが0であり、Hetで表されるヘテロ環基が、前記一般式(2)で表されるヘテロ環基であり、且つ、一般式(2)中のYで表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR3132、または−OR33であることを特徴とする請求項2に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
【請求項4】
前記一般式(1)中のR1で表される基が、炭素数2以上の置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、−NR1112、または−OR13であり、R2で表される基が水素原子であり、nが0であり、Hetで表されるヘテロ環基が、前記一般式(2)で表されるヘテロ環基であり、且つ、一般式(2)中のX2が窒素原子であり、Yで表される基が−NR3132、−OR33、または−SR37であり、R11、R12、R13、R31、R32、R33およびR37が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基であることを特徴とする請求項2に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
【請求項5】
前記一般式(1)で表される色素が、下記一般式(3)であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
【化3】

(一般式(3)中、R1で表される基は、前記一般式(1)中のR1で表される基と同義であり、R31およびR32は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R31とR32は互いに連結して環を形成してもよい。R41は置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。)
【請求項6】
前記一般式(3)中、R1で表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR1112、または−OR13であり、R41が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、R11、R12、R13、R31およびR32が各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、または置換もしくは無置換のアリール基であることを特徴とする請求項5に記載の感熱転写記録材料用インクシート。
【請求項7】
支持体上にポリマーを含有するインク受容層を有する受像材料上に請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱転写記録材料用インクシートを用いて画像を形成することを特徴とする感熱転写記録方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱転写記録材料用インクシートが装填されていることを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項9】
下記一般式(3)で表される色素。
【化4】

(一般式(3)中、R1で表される基は、水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、−NR1112、−OR13、−CONR1415、−COOR16、−SR17、置換もしくは無置換のアシル基、またはシアノ基を表し、R31、R32およびR41は各々独立に置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R31とR32はさらに水素原子を表してもよく、また、R31とR32は互いに連結して環を形成してもよい。R11、R12、R14およびR15は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアシル基、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基、または置換もしくは無置換のスルファモイル基を表す。ここで、R11とR12、R14とR15は互いに連結して環を形成してもよい。R13、R16およびR17は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、置換もしくは無置換のアミノ基、または置換もしくは無置換のシリル基を表す。)
【請求項10】
前記一般式(3)中、R1で表される基が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、−NR1112、または−OR13であり、R41が置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、R11、R12、R13、R31およびR32が各々独立に水素原子、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換のアリール基であることを特徴とする請求項9に記載の色素。

【公開番号】特開2008−246908(P2008−246908A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92237(P2007−92237)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】