説明

慢性病患者の病状経過を算定するための方法及びシステム

【課題】処方された治療計画を順守することの利益を患者に示すために病状経過レポートを作成するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法及びシステムは、患者から一組の生理学的、自己評価及びコンプライアンス・データを収集し、患者医療記録データベースと不特定化コンプライアンス及び転帰データベースとにアクセスし、そして病状経過アルゴリズムを使用して臨床的病状経過を算定する。臨床的病状経過はグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に患者のために表示し、処方された治療計画を順守する結果を順守しない場合と比較して患者のために示す。方法及びシステムは、治療計画に従うことを患者に要求する任意の健康状態に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視の分野に関するものである。より具体的に述べると、本発明は慢性病監視の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な理由により、近い将来、遠隔の病院外の環境内で慢性病患者を監視することがより一般的になろう。例えば、血圧、体重などのような収集された臨床データが、再入院を防ぐために早期の診療行為を行うことができるケースワーカーや臨床医に送り返される。患者を遠隔で監視することによって、経費のかかる再入院を避けることができ、且つ病気を管理するコスト全体を低減することができる。
【0003】
しかしながら、患者はしばしば治療計画を順守せず、またしばしば副作用のため又は彼らが「現在元気である」と思っているために薬物治療をやめたりする。患者はしばしばナトリウム摂取のような食事制限を無視し、また自身についての生命徴候測定値(体重、血圧、グルコース・レベルなど)を規則的に記録しないことがある。
【0004】
これらの行為についての考えられる理由の1つは、ケースワーカーや臨床医からの素早いフィードバックが不足していることである。現在の体制では、患者は彼らの現在の健康状態についてケースワーカーや臨床医から外来診察時にのみフィードバックを受け取っている。遠隔監視システムの改善及び刷新により、監視及びフィードバックをより一層頻繁に且つ効果的に提供することが可能である。
【特許文献1】国際特許出願公開第WO2004/027674号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/103001号
【特許文献3】国際特許出願公開第WO03/054725号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一例として、鬱血性心不全(CHF)患者が医師による外来診察を受けると、医師は幾種類かの薬物治療、低ナトリウム食事療法、緩やかな運動並びに毎日の体重及び血圧測定より成る治療計画の概要を示す。患者は治療計画を数日にわたって順守すると快方に向かっていると感じ始めることがある。そこで患者は、何らの悪影響を持たないと思われるような、塩気のある食事を取り又は運動治療をサボる生活に逆戻りする。長期間のこのような振る舞いの影響は患者には明白ではない。しかしながら、最終的には、患者が治療計画を順守しないことに起因して、患者の状態は重大な治療行為を必要とする点まで悪化する。患者は入院を必要とすることがあり又は患者の疾患が次の段階へ進んでいることがある。重大な診療行為の後、患者は治療計画により一層従順になることがあるが、直ぐに具合が良くなり始め、そして以上のサイクルを繰り返す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による方法及びシステムでは、処方された治療計画を順守することの利益を患者に示すために病状経過(trajectory)レポートを作成することを含む。該方法及びシステムは、患者から一組の生理学的データを収集し、患者医療記録データベースと不特定化コンプライアンス及び転帰データベースとにアクセスし、そして病状経過アルゴリズムを使用して臨床的病状経過を算定する。臨床的病状経過はグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に患者のために表示し、処方された治療計画を順守する結果を順守しない場合と比較して患者のために示す。本発明による方法及びシステムは、治療計画に従うことを患者に要求する任意の健康状態に適用することができる。
【0007】
本発明の一面では、慢性病患者についての一組の臨床的病状経過を算定する方法を提供し、本方法は、慢性病患者から一組の患者データを収集する段階と、一組の編集されたデータについてデータベースにアクセスする段階と、前記一組の遠隔の患者データ及び前記一組の編集されたデータを利用する病状経過アルゴリズムにより一組の臨床的病状経過を算定する段階とを含む。前記データベースは、患者医療記録データベースと、不特定化コンプライアンス及び転帰データベースとを含むことができる。前記一組の臨床的病状経過は、慢性病患者が処方された治療計画を順守したときの第1の予測される患者状態を示すコンプライアンス病状経過と、慢性病患者が処方された治療計画を順守しなかったときの第2の予測される患者状態を示す第1の非コンプライアンス病状経過と、慢性病患者が処方された治療計画を部分的に順守したときの第3の予測される患者状態を示す第2の非コンプライアンス病状経過とを含む。本方法は更に、前記一組の臨床的病状経過の内の任意のものの比較を含む病状経過レポートを作成する段階と、前記病状経過レポートをグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に表示する段階を含む。
【0008】
本発明の別の面では、慢性病患者についての一組の臨床的病状経過を算定するためのシステムを提供し、本システムは、慢性病患者から一組の患者データを収集するように構成されている遠隔の検知システムと、コンピュータ・アプリケーションを記憶するための記憶媒体と、前記遠隔の検知システム及び前記記憶媒体に結合されていて、コンピュータ・アプリケーションを実行するように構成され且つ前記遠隔の検知システムから前記一組の患者データを受け取るように構成されているプロセッサとを含み、前記コンピュータ・アプリケーションが実行されたとき、一組の編集されたデータを持つデータベースがアクセスされて、一組の臨床的病状経過が病状経過アルゴリズムにより算定され、また更に、前記病状経過アルゴリズムが一組の臨床的病状経過を算定するとき、前記病状経過アルゴリズムは一組の遠隔の患者データ及び一組の編集されたデータを利用する。前記データベースは、患者医療記録データベースと、不特定化コンプライアンス及び転帰データベースとを含むことができる。前記一組の臨床的病状経過は、慢性病患者が処方された治療計画を順守したときの第1の予測される患者状態を示すコンプライアンス病状経過と、慢性病患者が処方された治療計画を順守しなかったときの第2の予測される患者状態を示す第1の非コンプライアンス病状経過と、慢性病患者が処方された治療計画を部分的に順守したときの第3の予測される患者状態を示す第2の非コンプライアンス病状経過とを含む。本システムはまた、病状経過アルゴリズムが一組の臨床的病状経過を算定したときに作成された、前記一組の臨床的病状経過の内の任意のものの比較を含む病状経過レポートと、前記病状経過レポートを表示するように構成されているグラフィカル・ユーザ・インターフェースとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明による方法及びシステムは、不特定化個体群データ、遠隔に収集された患者データ及び患者の医療記録にアクセスして、患者の臨床的転帰を予測するアルゴリズムを利用する。これらの予測された転帰、すなわち、臨床的病状経過は、直ちに患者にフィードバックするために使用することができ、また長期間の患者の振る舞いの後の結果を示すことによって短期間の治療順守を促すことができる。
【0010】
図1について説明すると、方法10の流れ図を示している。段階12において、一組の遠隔の患者データが患者から収集される。この一組の遠隔の患者データは、当該分野で公知の遠隔監視システム、及び将来考えることができる同様なシステムを利用して、通常は患者の家庭環境内で、患者から収集される。一組の遠隔の患者データには、限定するものではないが、血圧、体重、及び自己評価フィードバック(例えば、SF−12)並びに治療計画の順守の程度、例えば、薬物治療を行っているか、運動を行っているか、又は処方された治療計画に従っているかどうか、を含むことができる。
【0011】
段階14で、データを2つのデータベースから検索する。これらのデータベースの1つは、患者の医療記録を含む患者医療記録データベース26(図2)である。このデータには、目標体重、現在のH1cレベル、及び(患者についての毎日の推奨塩分摂取量又は患者の処方箋のような)治療計画のような情報が含まれる。このデータの全てのは特定の患者に特有のものである。別のデータベースは、多量の不特定化患者データを含む不特定化コンプライアンス及び転帰データベース24(図2)である。このデータは、大きな個体群サンプルについて、転帰、順守(コンプライアンス)レベル、死亡率レベル及び病勢進展速度で構成されている。このデータベースから、特定の患者の病状又は診断、並びに年齢、性別、人種及び併存疾患のような他の属性に整合する一組のデータが検索される。
【0012】
段階16で、病状経過アルゴリズム28(図2)が、患者医療記録データベース26(図2)からの患者特有のデータを、不特定化コンプライアンス及び転帰データベース24(図2)からの同様な過去の診断又は病状を持つ多数の患者を表す一組の大量の履歴データと比較する。このデータが履歴データであって、転帰を含んでいるので、その患者についての病状予測すなわち病状経過を算定することができる。
【0013】
例えば、アルゴリズムは、同様な診断を持っていて、食事制限及び薬物治療計画を順守した複数の患者の不特定化個体群データを使用して、平均再入院率、平均死亡率、又は病状進展速度を決定することができる。同様に、アルゴリズムは、同様な診断を持っていて、食事制限及び薬物治療計画を順守しなかった複数の患者の不特定化個体群データを使用して、平均再入院率、平均死亡率、又は病状進展速度を決定することができる。
【0014】
最後に、アルゴリズムは、同様な診断を持っていて、食事制限及び薬物治療計画を部分的に順守した複数の患者の不特定化個体群データを使用して、平均再入院率、平均死亡率、又は病状進展速度を決定することができる。アルゴリズムは、治療計画の順守の程度に基づいて多数のこのような推定値を生成することができる。
【0015】
段階18で、病状経過レポートが、臨床的病状経過から作成される。病状経過レポートは、患者が処方された治療計画を順守し続けた場合の患者の病状の経過を、患者が処方された治療計画を無視し続け又は部分的にしか順守し続けなかった場合の患者の病状の経過と比較して含む。段階20で、病状経過レポートはグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に患者のために表示される。
【0016】
図2に方法のブロック図を示す。この場合、遠隔のデータ22が、患者医療記録データベース26と不特定化コンプライアンス及び転帰データベース24と共に、病状経過アルゴリズム28に入力される。病状経過アルゴリズム28はこれらのデータ・ソースの全てを利用して、病状経過レポート30を作成する。
【0017】
一例として、鬱血性心不全(CHF)患者が毎日の家庭内監視及び自動フィードバック体系の活動に参加する。幾種類かの薬物治療、低ナトリウム食事療法、緩やかな運動並びに毎日の体重及び血圧測定より成る治療計画が、毎日必要とされる。患者は治療計画を数日にわたって順守すると具合が良くなり始めることがある。コンプライアンス・センサを介して又は自己評価によって、治療計画に対する患者の順守が監視される。
【0018】
患者の順守レベル及び他の臨床的因子に基づいて、不特定化個体群データを使用して複数の予測を作ることができる。不特定化データベースには、同様な人口統計学的データ、病状の段階及び順守レベルの患者について問合せを行うことができる。再入院率、死亡率及び生活の質の因子のような様々な転帰メトリクスを推定して、患者に報告することができる。
【0019】
これらの推定値は、患者が長期治療計画に従うために必要である規律を維持するために必要な即時フィードバックを提供することができる。本発明による方法及びシステムは、患者に対して「推奨ナトリウム摂取量を越え続けると、貴方は今年中に救急治療室に更に2度入院することになります」又は「血圧を毎日測定していないと、発作の可能性が5倍に増大します」と云うようなメッセージを送ることができる。
【0020】
この概念を更に明瞭にするために、食事制限及び運動を通じて体重を減らそうとしている患者について考察する。高カロリー食物を過剰に摂り続け又は運動治療をサボることの影響は、患者が次に体重を測定するときには、直ぐには現れない。しかし、この挙動変化の影響を体重計により推定できた場合には、体重計はかなりの体重増加を表していることになる。食事制限計画に従わないと、患者は別のより思わしくない病状経過に自身を置くことになる。これらの病状経過は、再入院率、臨床的病気分類(CHFのNYHA心機能分類)、生活の質の指標、又は死亡率で測定することができる。
【0021】
図3は、鬱血性心不全を持つ患者に対して表示されるような、サンプルの病状経過レポート40を示す。サンプルの病状経過レポート40において、x軸は年ごとの増分で時間「t」を表しており、y軸は鬱血性心不全(CHF)の重症度を「期」で表している。鬱血性心不全の最も重い段階は、y軸の最下部にあるNYHA心機能分類のD期であり、またy軸の最上部にあるA期は鬱血性心不全の最も小さい重症度である。サンプルの病状経過レポート40は非コンプライアンス曲線42及びコンプライアンス曲線44を含み、両方とも患者の現在の状態から開始する。本例では、患者は2005年1月にA期である。前に述べたように、本発明のよる方法は、収集された患者データ及びデータベースのデータを病状経過アルゴリズムで利用するので、病状経過アルゴリズムは処方された治療法を順守した場合と処方された治療法を順守しなかった場合での患者についての病状経過を算定する。これらの2つの病状経過は、図3のこのサンプルの病状経過レポート40において非コンプライアンス曲線42及びコンプライアンス曲線44としてそれぞれ示されている。実際に、アルゴリズムは順守する場合と順守しない場合の両方について病状経過を算定するばかりでなく、各々の患者について複数の部分的な順守レベルに基づいてそれぞれの病状経過を算定する(図示していない)。
【0022】
更に図3について説明すると、この事例で患者が処方された治療計画を順守しない場合、非コンプライアンス曲線42に従って、患者は2007年1月より前にB期に入り、2007年1月頃にはC期の鬱血性心不全に入る。更に非コンプライアンス曲線42に従って、その患者は2007年の中頃にはD期に入る。
【0023】
コンプライアンス曲線44に従えば、患者は、非コンプライアンス曲線42の終了点と一致する2007年の中頃までB期に入らない。更にコンプライアンス曲線44によれば、患者が治療計画を順守する場合、患者は2008年1月の後までC期に入らず、2009年1月までD期に入らない。この図示例から明らかなように、この事例での患者は、処方された治療計画を順守した場合、ほぼ1年半遅れてD期に入る。このサンプルの病状経過レポート40から明らかなように、患者に対するフィードバックのこのような増加は結果として処方された治療計画に対する順守をより促進させる可能性がある。
【0024】
ここで、方法はソフトウエアとして具現化して、記憶媒体、プロセッサ、(コンピュータ、ラップトップ、PDA、又は他の同様な装置のような)電子装置を含み、且つ遠隔の検知システム並びに適切なデータベースと適合可能である適切なシステムで実行することができることを理解されたい。図4はこのようなシステムの一実施形態を示す。
【0025】
図4について説明すると、ソフトウエアを具体化するコンピュータ・コードが記憶媒体58に記憶される。遠隔の検知システム54が患者52から遠隔の患者データを収集して、該遠隔の患者データをプロセッサ56へ送る。コンピュータ・コードを実行することによって、プロセッサ56は病状経過アルゴリズムを利用して、患者52からの患者データと、患者医療記録データベース60並びに/又は不特定化コンプライアンス及び転帰データベース61からのデータとにより、病状経過レポートを算定する。臨床的病状経過を算定した後、病状経過レポート66が作成されて、電子装置62のグラフィカル・ユーザ・インターフェース64上に表示される。電子装置62は更に入出力装置68を含み、これにより患者52がサンプルの病状経過レポート66を操作し、該レポート66を保存又は転送し、或いは異なるパラメータを持つ又は別個の異なる健康状態に関する新しいレポートを要求することさえ行うことができるようにする。
【0026】
以上、本発明の構成及び動作の原理を理解し易くするために、細部を含む特定の実施形態に関して本発明を説明した。このような特定の実施形態及びその細部に関する説明は、特許請求の範囲を制限しようとするものではない。当業者には、本発明の精神の範囲から逸脱することなく例示のために選択した実施形態に対して種々の変更を行うことができることが明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に従った方法の流れ図である。
【図2】本発明の一実施形態に従った方法のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に従った模範的な病状経過レポートを表すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態に従ったシステムのブロック図である。
【符号の説明】
【0028】
10 方法
40 サンプルの病状経過レポート
42 非コンプライアンス曲線
44 コンプライアンス曲線
50 システム
52 患者
54 遠隔の検知システム
56 プロセッサ
58 記憶媒体
60 患者医療記録データベース
61 不特定化コンプライアンス及び転帰データベース
62 電子装置
64 グラフィカル・ユーザ・インターフェース
66 サンプルの病状経過レポート
68 入出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性病患者についての一組の臨床的病状経過を算定する方法であって、
慢性病患者から一組の患者データを収集する段階と、
一組の編集されたデータについてデータベースにアクセスする段階と、
前記一組の遠隔の患者データ及び前記一組の編集されたデータを利用する病状経過アルゴリズムにより一組の臨床的病状経過を算定する段階と、
を有する方法。
【請求項2】
前記データベースは患者医療記録データベースである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記データベースは不特定化コンプライアンス及び転帰データベースである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記一組の臨床的病状経過は、
慢性病患者が処方された治療計画を順守したときの第1の予測される患者状態を示すコンプライアンス病状経過と、
慢性病患者が処方された治療計画を順守しなかったときの第2の予測される患者状態を示す第1の非コンプライアンス病状経過と、
慢性病患者が処方された治療計画を部分的に順守したときの第3の予測される患者状態を示す第2の非コンプライアンス病状経過と
を含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
更に、前記一組の臨床的病状経過の内の任意のものの比較を含む病状経過レポートを作成する段階を含んでいる請求項4記載の方法。
【請求項6】
更に、前記病状経過レポートをグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に表示する段階を含んでいる請求項5記載の方法。
【請求項7】
慢性病患者についての一組の臨床的病状経過を算定するためのシステムであって、
慢性病患者から一組の患者データを収集するように構成されている遠隔の検知システムと、
コンピュータ・アプリケーションを記憶するための記憶媒体と、
前記遠隔の検知システム及び前記記憶媒体に結合されていて、コンピュータ・アプリケーションを実行するように構成され且つ前記遠隔の検知システムから前記一組の患者データを受け取るように構成されている処理装置と、を有していて、
前記コンピュータ・アプリケーションが実行されたとき、一組の編集されたデータを持つデータベースがアクセスされて、一組の臨床的病状経過が病状経過アルゴリズムにより算定され、また更に、前記病状経過アルゴリズムが一組の臨床的病状経過を算定するとき、前記病状経過アルゴリズムは一組の遠隔の患者データ及び一組の編集されたデータを利用すること、
を特徴とするシステム。
【請求項8】
前記データベースは患者医療記録データベースである、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記データベースは不特定化コンプライアンス及び転帰データベースである、請求項7記載のシステム。
【請求項10】
前記一組の臨床的病状経過は、
慢性病患者が処方された治療計画を順守したときの第1の予測される患者状態を示すコンプライアンス病状経過と、
慢性病患者が処方された治療計画を順守しなかったときの第2の予測される患者状態を示す第1の非コンプライアンス病状経過と、
慢性病患者が処方された治療計画を部分的に順守したときの第3の予測される患者状態を示す第2の非コンプライアンス病状経過と
を含んでいる、請求項7記載のシステム。
【請求項11】
更に、病状経過アルゴリズムが一組の臨床的病状経過を算定したときに作成された、前記一組の臨床的病状経過の内の任意のものの比較を含む病状経過レポートを含んでいる請求項10記載のシステム。
【請求項12】
更に、前記病状経過レポートを表示するように構成されているグラフィカル・ユーザ・インターフェースを含んでいる請求項11記載のシステム。
【請求項13】
一組の臨床的病状経過を算定する方法であって、
慢性病患者から一組の患者データを収集する段階と、
一組の編集された患者医療データについて患者医療記録データベースにアクセスすると共に、一組の編集された個体群サンプル・データについて不特定化コンプライアンス及び転帰データベースにアクセスする段階と、
前記一組の遠隔の患者データ、前記一組の編集された患者医療データ及び前記一組の編集された個体群サンプル・データを利用する病状経過アルゴリズムにより一組の臨床的病状経過を算定する段階と、
前記一組の臨床的病状経過の内の任意のものの比較を含む病状経過レポートを作成する段階と、を有していて、
前記一組の臨床的病状経過は、慢性病患者が処方された治療計画を順守したときの第1の予測される患者状態を示すコンプライアンス病状経過と、慢性病患者が処方された治療計画を順守しなかったときの第2の予測される患者状態を示す第1の非コンプライアンス病状経過と、慢性病患者が処方された治療計画を部分的に順守したときの第3の予測される患者状態を示す第2の非コンプライアンス病状経過とを含んでいること、
を特徴とする方法。
【請求項14】
更に、前記病状経過レポートをグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に表示する段階を含んでいる請求項13記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−527271(P2009−527271A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555263(P2008−555263)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/003059
【国際公開番号】WO2007/097906
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】