成形可能な物品、それを作製する方法、及び成形方法
障壁材料で作製された少なくとも1つの容器であって、複数のガラス粒子が中に収容される内部空間を提供する、容器を含む、成形可能な物品。ガラスは、ガラス転移温度及び結晶化開始温度を有し、ガラス転移温度と結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、ガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5からなる。成形可能な物品は、成形作業の前に、それらを清潔にかつ水分を含まないように保つことによって、ガラス粒子を保護する。成形可能な物品を作製する方法は、複数のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、レセプタクルの中にガラス粒子を配置する工程と、物品を形成するためにレセプタクルを密封する工程と、を含む。成形可能な物品は、成形型に配置されてもよく、成形プロセス中に、ガラス粒子が成形物品に合着する際に、障壁材料は、本質的に燃焼する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス粒子を成形するための成形可能な物品、成形可能な物品を調製する方法、及び成形可能な物品を成形する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス組成は、大型の物品及び/又は複雑な形状を提供するために使用されている。かかる物品は、多くの場合、ガラスの粒子を合着させることによって作製される。近年、かかる物品及び複雑な形状は、非伝統的なガラス材料の微小粒子を使用して作製されている。
【0003】
成形されたガラス物品の製造は、ガラス粒子が、材料のガラス転移温度を超える温度に加熱される成形プロセスにおいて達成される。融解粒子は、合着し、冷却されると、固化形状を取り、物品を形成する。成形プロセスは、典型的には、特定の鋳型設計によって決定された形に溶解したガラスを形作る際に役立つ融解粒子への加圧を含む。
【0004】
ガラス物品を作製するための成形技法の利用において、小さなガラス粒子(例えば、微小粒子)は、水分及び/又は静電荷を収集することが知られている。これは、非伝統的なガラス材料の微小粒子からの物品の製造において特に当てはまる。その結果、ガラス粒子は、成形プロセス中の取り扱いが困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ガラス材料の成形において直面する問題に取り組む。一態様において、本発明は、
第1の材料からなる第1の障壁と、第1の障壁内の内部空間とを含む第1の容器と、
内部空間内に収容され、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する第1のガラスを含む、複数の第1のガラス粒子であって、複数の第1のガラス粒子は、第1の成形温度で成形可能であり、第1のガラス転移温度と第1の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、第1のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5を含む組成を有する、複数の第1のガラス粒子と、を含み、
第1の材料は、第1の成形温度未満の第1の分解温度を有する、成形可能な物品を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態において、前述の物品の内部空間は、第1の内部空間内に収容される複数の第1のガラス粒子及び第2の内部空間内に収容される複数の第2のガラス粒子を含む、第1の内部空間及び第2の内部空間を含み、第2のガラス粒子は、第1のガラスの組成と異なる組成を有する第2のガラスを含む、複数の空間に分割される。
【0007】
他の実施形態において、成形可能な物品は、
第2の障壁であって、第2の材料からなる第2の障壁と、第2の障壁内の第2の内部空間とを含む、第2の容器であって、全体が第1の容器の内部空間内にある、第2の容器と、
第2の内部空間内に収容される複数の第2のガラス粒子であって、複数の第2のガラス粒子及び複数の第1のガラス粒子が、互いに分離するようにし、複数の第2のガラス粒子は第2のガラスを含み、第2の成形温度で成形可能である、第2のガラス粒子と、を更に含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、成形可能な物品を作製する方法を提供し、方法は、
第1のレセプタクルの中に複数の、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する第1のガラス粒子を配置する工程であって、複数の第1のガラス粒子は第1の成形温度で成形可能であり、第1のガラス転移温度と第1の結晶化開始温度との間の差は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、第1のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物を含む組成を有する、工程と、
第1のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、
第1の障壁を含む第1の容器を形成するために第1のレセプタクルを密封する工程であって、第1の障壁は内部空間を画定し、複数の第1の微小粒子は、内部空間の少なくとも一部を占有し、内部空間は、実質的に水を含まず、第1の障壁は、第1の成形温度より低い第1の分解温度を有する第1の材料を含む、工程と、を含む。
【0009】
前述の方法のいくつかの実施形態において、方法は、
第2のレセプタクルの中に複数の第2のガラス粒子を配置する工程であって、複数の第2のガラス粒子は、第2の成形温度で成形可能である第2のガラスを含む、工程と、
第2のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、
第2の障壁を含む第2の容器を形成するために第2のレセプタクルを密封する工程であって、第2の障壁は第2の内部空間を画定し、複数の第2のガラス粒子は、第2の内部空間の少なくとも一部を占有し、第2の障壁は、第2の成形温度より低い第2の分解温度を有する第2の材料を含む、工程と、
第1のレセプタクルを密封する工程の前に、第1のレセプタクル内に第2の容器を配置する工程と、を更に含む。
【0010】
前述の方法の更に他の実施形態において、第1のレセプタクルは、複数のチャンバを含み、第1のレセプタクルの中に複数の第1のガラス粒子を配置する工程は、第1のチャンバの中に粒子を配置する工程を含み、この方法は、第2のチャンバの中に第2の複数のガラス粒子を配置する工程を更に含み、第1のレセプタクルを密封する工程は、内部空間が、第1の複数のガラス粒子を第1の内部空間内で密封し、第2の複数のガラス粒子を第2の内部空間内で密封して、複数の密封チャンバを形成するように、第1の容器を形成する。
【0011】
更に別の態様において、本発明は、
型穴の中に前述の成形可能な物品の1つ以上を配置する工程と、
第1の材料を分解し、ガラス粒子と合着させるために型穴を加熱し、成形物品を提供する工程と、を含む、物品を成形する方法を提供する。
【0012】
一般的に、本発明の実施形態の説明に使用される用語は、当業者によって理解されるように、それらに与えられる共通の意味を有するものとして理解されるべきである。しかし、特定の用語は、本明細書で明記した意味を有するものとする。
【0013】
「非晶質材料」とは、X線回折により測定される、いかなる長い結晶構造を欠如し、及び/又は示差熱分析により測定されるような非晶質材料の結晶化に対応する発熱ピークを有する、溶融相及び/又は気相から得られる材料を指す。
【0014】
「セラミックス」は、非晶質材料、ガラス、結晶性セラミックス、ガラスセラミックス、及びそれらの組み合わせを含む。
【0015】
「ガラス」とは、ガラス転移温度を呈する非晶質材料を指す。
【0016】
「ガラスセラミックス」とは、非晶質材料を熱処理することによって形成される結晶を含むセラミックスを指す。
【0017】
「不活性ガス」とは、ヘリウム、ネオン、クリプトン、アルゴン、キセノン、窒素、及び前述のうちの2つ以上の組み合わせを指す。
【0018】
開示される実施形態の様々な特徴は、「発明を実施するための形態」、非限定的実施例、及び添付の特許請求の範囲を含む、本開示の残り部分を考慮することによって、当業者によって更に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施形態の説明において、様々な図への参照がなされる。図が、原寸に比例せず、実施形態を説明する際の補助として提供されることが理解されるであろう。実施形態の様々な特徴は、同様の数字が概して同様の特徴を示す参照番号で特定される。
【図1】本発明の実施形態による、成形可能物品の平面図。
【図2】図1の成形可能な物品の側面図。
【図3】図1の成形可能な物品の製造に対するプロセスの略図であり、その後のその成形も説明している。
【図4】本発明の別の実施形態による、成形可能な物品の平面図。
【図5】図4の成形可能な物品の製造に対するプロセスの略図であり、その後のその成形も説明している。
【図6】本発明の別の実施形態による、成形可能な物品の平面図。
【図7】本発明の更に別の実施形態による、成形可能な物品の斜視図。
【図8】本発明の更に別の実施形態による、成形物品の斜視図。
【図9】本発明の更に別の実施形態による、成形物品の透視図。
【図10】本発明の更に別の実施形態による、成形物品の透視図。
【図11】本発明の更に別の実施形態による、成形物品の透視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、非伝統的なガラスを含む、ガラスの取り扱いのために提供し、ガラスは、最初は粒子の形態である(球状粒子、繊維、微小球等)。本発明の実施形態は、ガラス粒子、成形可能な物品の調製のためのプロセス、及び成形プロセスを含む成形可能な物品を提供する。様々な実施形態において、成形可能な物品は、水分を含まない、調節及び/又は処理された雰囲気で密封された容器、又はガラス粒子を収容するパッケージの形態で、提供される。本明細書において説明される成形可能な物品は、型穴へ直接挿入され得る。成形作業は、パッケージからガラス粒子を除去せず、成形可能な物品に熱/圧力を適用することによって実行される。成形プロセスは、梱包が、成形作業中に本質的に燃焼するように、梱包材料の分解温度を超える温度で実行される。ガラスは、典型的に、梱包材料の分解温度よりも著しく高い成形温度(例えば、ガラス粒子が合着し始める温度)を有する。ガラスの成形温度以上で、ガラス粒子は合着し、冷却されて、成形物品が得られる。
【0021】
ここから図を参照すると、図1及び2は、本発明の実施形態による、成形可能な物品10の異なる図を提供する。成形可能な物品10は、所定の量(例えば、複数の)ガラス粒子16を収容する第1の内部空間14を画定する第1の障壁12を有する第1のパッケージの形態で提供される。第1の障壁12は密封され、第1の内部空間は、典型的に、物品10を囲む雰囲気と異なる雰囲気を有する。いくつかの実施形態において、第1の内部空間14は、実質的に水蒸気を含まない雰囲気を有する。いくつかの実施形態において、第1の内部空間14は、不活性ガスの雰囲気を有する。他の実施形態において、第1の内部空間14の雰囲気は、少なくとも部分的に、減圧(例えば、真空又は真空近く)になるように排気される。
【0022】
第1の障壁12は、第1の内部空間14内に実質的に一定の雰囲気を維持するために、実質的にガス不浸透性である可撓性の第1の材料で作製される。物品10は、密封されたままであるが、ガラス粒子16及び第1の内部空間14は、実質的に乾燥又は水を含まないままである。
【0023】
適した可撓性の第1の材料は、紙並びに様々な可撓性ポリマー材料を含む。本明細書で使用される「可撓性」という用語は、周囲条件下で剛性又は硬さが典型的に不足する性質を有するかかる性質及び材料を指す。他の実施形態において、第1の障壁は、より剛性な第1の材料で作製され得る。本明細書で使用される「剛性」という用語は、材料上にかけられる過度の熱、又は外力がない場合、周辺温度である形状を維持する傾向がある性質を有するかかる性質及び材料を指す。しかし、剛性材料は、全て不撓性である必要はなく、実際は、いくつかの剛性材料は、加熱又は処理される等の時に、曲げるないしは変形させられ得る。剛性材料と可撓性材料との間の差異が、場合によっては、異なる材料の使用によって、又は同じ若しくは似た材料の厚みの変化によって(例えば、材料の厚みを増加することは、剛性を提供することができる)説明され得ることが理解されるであろう。
【0024】
第1の材料として使用に好適なポリマーは、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、炭酸ポリエチレン、炭酸ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン芳香族ポリエステル、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるものを含む。好適なポリアミドは、ナイロン6、及びナイロン66、及びそれらの組み合わせを含む。好適なポリエチレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び前述のもののうちの2つ以上から選択され得る。特定の実施形態において、第1の障壁は、低密度ポリエチレンで作製される。第1の材料は、材料を分解する第1の分解温度を有する。
【0025】
ガラス粒子16は、第1の内部空間14を占有する。本発明の実施形態において、粒子16は、2001年8月2日に出願された、米国特許出願第09/922,527号、同第09/922,528号、及び同第09/922,530号、米国特許第2003/0115805 A1号(Rosenflanzら)、同第2003/0110707 A1号(Rosenflanzら)、同第7,168,267号(Rosenflanzら)、同第2003/0126802 A1号(Rosenflanz)、同第7,147,544号(Rosenflanzら)、及び同第7,101,819号(Rosenflanzら)を含み、これらの開示が参照によって本明細書に組み込まれる特許及び特許出願に記載されているもの等の非伝統的なガラス材料である第1のガラス材料を含む微小粒子である。
【0026】
前述の非伝統的なガラス材料は、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する。第1のガラス転移温度と第1の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)(又は更には、少なくとも10°K(−263℃)、少なくとも15°K(−258℃)、少なくとも20°K(−253℃)、少なくとも25°K(−248℃)、少なくとも30°K(−243℃)、若しくは少なくとも35°K(−238℃))である。第1のガラス材料は、少なくとも2つの金属酸化物(すなわち、同じカチオンを有さない金属酸化物)の、0〜20重量%未満のSiO2(例えば、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量%のSiO2)、0〜20重量%未満のB2O3(例えば、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量%のB2O3)、及び0〜40重量%未満のP2O5(例えば、35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、1重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量%のP2O5)を含む。前述のガラス材料は、微小粒子が合着し始める第1の成形温度以上で成形可能である。本明細書において記載される本発明の実施形態において、第1の材料の第1の分解温度は、第1のガラスの第1の成形温度よりも低い。
【0027】
図3を参照すると、成形可能な物品10の調製のためのプロセスが、物品を含む成形プロセスと共に図式的に示される。ガラス粒子16の測定された量は、オーブン、加熱マントル等の加熱ステーション(図示せず)の容器20内で加熱される。粒子16は、ガラスのTg以下の高温まで、水を除去するために十分な時間の間、加熱される。いくつかの実施形態において、粒子は、水の沸点近くの温度に保たれる(例えば、100℃)。いくつかの実施形態において、好適な温度は、約101℃〜約150℃、約110℃〜約140℃、及び約120℃〜約135℃の範囲である。いくつかの実施形態において、好適な温度は、約130℃である。粒子が加熱される時間は、使用される粒子の量及び存在する水分の量によって決定することができる。様々な実施形態において、数時間加熱することは、粒子が十分に乾燥していることを確実にするために所望され、粒子は前述の範囲のうちの1つの温度で、約24時間まで加熱され得る。
【0028】
乾燥してすぐに、容器20は密封され得(図示せず)、ガラス粒子16は、容器20から密封可能な可撓性容器26へ転送される前に冷却することができる。漏斗28は、粒子16の転送を容易にするための、任意の手段として示される。ガラス粒子の転送後、密封可能な容器26は、乾燥した粒子の量で満たされ、容器26は、実質的に水分を含まない内部空間14と共に成形可能な物品10を提供するために、開口端30と共に密封され得る。いくつかの実施形態において、密封可能な容器26は、密封前に不活性ガスでパージされる。いくつかの実施形態において、容器26は、第1の内部空間14内に減圧を有するために密封される。いくつかの実施形態において、容器26は、内部空間14内に真空又は真空に近い状態を提供するために密封される。
【0029】
成形可能な物品10は、ガラス粒子16を成形物品に成形するための成形プロセスでの使用に適している。ガラス粒子16が微小粒子の形態にある実施形態において、それらは、マイクロメートルで測定される平均直径のものであってもよく、いくつかの実施形態では、約10μm〜約250μmの範囲であってもよい。いずれにしても、ガラス粒子16は、約300℃以上、約400℃以上、約500℃以上、約700℃以上、又は約900℃以上の第1の成形温度で成形可能である。成形プロセスにおいて、成形可能な物品10は、成形型32の型穴34中に配置される。図3の実施形態において、示された成形プロセスは、圧縮成形であり、空洞34は、高温まで加熱されるように備えられる。空洞34における成形可能な物品10で、成形型32は、蓋、又は成形型内の材料に圧力を加えるために、空洞34内に適合するために、形成されたプラグ部材36で閉じる。
【0030】
成形型32は、第1の成形温度まで加熱され、成形型は、プラグ部材36によって得られた圧縮によって加圧される。本発明の様々な実施形態、成形可能な物品10の第1の障壁は、成形プロセス中、及び典型的に粒子16が柔らかくなり、合着し始める前に、障壁12の第1の材料が分解するように、ガラス粒子の第1の成形温度より低い分解温度を有する第1の材料(例えば、ポリエチレン)を含む。いくつかの実施形態において、第1の障壁12の分解によって、障壁の第1の材料の全てを実質的に除去する。成形型32内の温度が第1の成形温度まで継続して上昇する度に、ガラス粒子は柔らかくなり、合着し始め、空洞34の内部形状と一致する形状を呈する。次いで、成形型32は、次に空洞34から除去され得る成形物品38を形成するために冷却される。
【0031】
実施形態において、非伝統的なガラス粒子は、合着され、少なくとも部分的に、ガラス−セラミックス物品又はセラミックス物品を提供するために、結晶化される。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラスの結晶化度を増加し、ガラスセラミックス又はセラミックス材料を提供するために、加熱処理される。当業者は、成形物品38が、ガラス、ガラスセラミックス、及び/又はセラミックス材料を含むことができることを理解するであろう。
【0032】
本発明の実施形態において、成形物品38の表面は、更なる処理なしに光学的性能のものである。かかる実施形態において、物品38の表面は、成形型32の内面によって、与えられたトポグラフィーを呈する。本明細書で使用される「光学的性能」は、光学分野の適用に使用する表面又は物品の適切性を指す。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1の材料は、成形プロセス中に完全に分解されない可能性があり、成形物品38の表面は、研磨されてもよく、及び/又は残りの残留物を除去するために、(例えば、溶媒で)更に処理されてもよい。
【0034】
図4を参照すると、成形可能な物品110の別の実施形態が示される。物品110は、第1の内部空間114a及び第2の内部空間114bに分割された内部空間を画定する第1の障壁112を含む。内部空間114a、114bは、単一の仕切り113によって区切られた2つの空間で、それらの内部収容量又は容積と実質的に均一であるように示される。図1の物品10についてすでに説明されたように、内部空間114a及び114bのそれぞれの中の雰囲気は、成形可能な物品110を囲む雰囲気と異なることができ、内部空間114a、114bは、相互に同じ内側の雰囲気を有することがでる、又はそれらが相互に異なることができることが、理解されるであろう。内部空間114a及び/又は114b中の雰囲気は、実質的に水分を含まず、いくつかの実施形態において、内部空間は、不活性ガスを含む。いくつかの実施形態において、内部空間114a及び/又は114bは、真空又は真空近くの状態を提供するために、排気された。
【0035】
第1のガラスを含む第1のガラス粒子116aの容積は、第1の内部空間114a内に含まれる。同様に、第2のガラス粒子116bの所定の量は、第2の内部空間114b内に含まれる。内部空間114a中の第1の粒子116aの量は、内部空間114b内の第2の粒子116bの量と同じ、又は異なる可能性がある。第2の粒子116bは、第2のガラスを含む。第1のガラス又は第2のガラスのうちの少なくとも1つは、すでに記載されたように、非伝統的なガラスの材料を含む。第1のガラス及び第2のガラスは、同じガラス材料であることができる、又は異なることができる。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、第2のガラス粒子116bは、第1のガラス粒子116aと同一であるため、第1のガラスは、第2のガラスと同じ組成である。他の実施形態において、第1のガラスは、第2のガラスのものと異なる組成である。
【0037】
実施形態において、第1及び第2のガラスの両方は、非伝統的なガラスであり、少なくとも1つのガラスは、ガラスの総重量を基に、SiO2、B2O3、及びP2O5合計で、40重量%未満(又は35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%未満、若しくは更には0重量%)のガラスを含む。複数の第2の粒子は、第2の成形温度で成形可能であるため、それらは、第2の成形温度以上で(例えば、成形作業中に)柔らかくなり、合着し始め、第2の成形温度は、第1の成形温度と同じ又は異なることができる。様々な実施形態において、第1の分解温度は、第1の成形温度及び第2の成形温度の両方より低い。
【0038】
第1の障壁112は、成形可能な物品10(図1)に関してすでに記載したように、材料から作製される。いくつかの実施形態は、障壁112に対して使用されるものと異なる材料から作製される仕切りを含むことができるが、仕切り113は、典型的に、第1の障壁112として同じ材料から作製される。
【0039】
図5を参照すると、成形可能な物品110の製造、及び成形ガラス物品138を提供するための成形プロセスにおけるその後の使用のための、プロセスの略図が示される。第1のガラス粒子116aの測定された量は、水を除去するために容器120内で最初に加熱され、第2のガラス粒子116bの測定された量は、同様に水を除去するために第2の容器121中で加熱される。容器120、121は、オーブン、加熱マントル等を含むことができる別の加熱ステーション(図示せず)で加熱され得る。
【0040】
水分を除去するために加熱後、容器120及び121は、冷却することができるため、水分が粒子に戻ることを防ぐために、密封され得る。第1のガラス粒子116aは、容器120か密封可能な容器126の第1の内部空間114aへ転送される。漏斗128は、ガラス粒子116aの転送を容易にするための、任意の手段として示される。第2のガラス粒子116bは、容器121から密封可能な容器126の第2の内部空間114bへ転送される。漏斗129は、粒子116bの転送を容易にするための、任意の手段として示される。ガラス粒子の転送後、密封可能な容器126は、成形可能な物品110を提供するために、開口端130と共に密封される。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態において、密封可能な容器126は、密封前に不活性ガスでパージされる。他の実施形態において、内部空間114a及び114bは、内部空間に減圧(例えば、真空又は真空に近い状態)を与えるために、排気後、密封される。
【0042】
成形可能な物品110は、物品は、内部空間及びその内容物のうちの1つ(例えば、ガラス粒子116a又は116b)が、他の内部空間及びその内容物の上に重なるように、互いに配向された対応の内部空間114a及び114bと共に成形型132の開口した型穴134に配置される成形プロセスでの使用に適している。この配向において、粒子116a及び116bは、ガラス材料の2つの層を形成し、順に重ねられる。図5の圧縮成形プロセスにおいて、空洞134は、物品110を受け入れるために最初は開口され、高温まで加熱されるように設定される。空洞134内に配置された成形可能な物品110と共に、成形型132は閉じられ、所定の温度まで加熱される。空洞134内のガラス粒子を圧縮するために、圧力は、プラグ部材136で物品110に適用される。
【0043】
本発明の様々な実施形態において、成形可能な物品110の第1の障壁112は、特徴的な分解温度以上で実質的に分解するであろう。いくつかの実施形態において、第1の障壁112の分解は、障壁の第1の材料の全てを実質的に除去する。その後、成形型132の温度は、粒子が柔らかくなり、合着する成形温度までガラス粒子116a及び116bを熱するために上昇される。成形型132は、冷却され、得られた成形物品138は、空洞134から除去され得る。成形物品138は、第1の粒子116aの成形から得られる第1の層138a及び第2の粒子116bから得られる第2の層138bを含む2層の合成物である。いくつかの実施形態において、成形物品138の表面が、残りの残留物を除去するために、研磨及び/又は別の処理(例えば、溶媒で洗浄する)を必要としてもよいように、第1の障壁112の第1の材料は、成形プロセス中に完全に分解しなくてもよい。層138a又は138bのうちの少なくとも1つは、本明細書に記載される非伝統的なガラスに由来する材料を含む。
【0044】
更に他の実施形態において、成形物品138と似た成形物品は、型穴内に個々の成形可能な物品(例えば、図1の物品10と同様)を重ね、すでに記載したものと同じ方法で、成形可能な物品を成形することによって作製され得る。物品138に似た多層構造の物品は、例えば、視覚的なレンズとして特に有用であり得る。かかる実施形態において、成形層138a及び138bは、それぞれ、異なる屈折率等の1つ以上の異なる性質を有することができる。様々な実施形態において、成形物品138は、ガラス、セラミックス及び/又は非伝統的なガラスの成形から得たガラスセラミックス材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、非伝統的なガラス粒子は、合着され、少なくとも部分的に結晶化される。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラスの結晶化度を増加し、ガラスセラミックス又はセラミックス材料を提供する方法で加熱処理される。
【0045】
ここから図8を参照すると、多層構成の成形物品168が示される。物品168は、本発明の実施形態に従って作製され得る。成形層168a、168b、及び168cは、積み重ねられた配置内の離れた位置を占有する。いくつかの実施形態において、成形層168a、168b、及び168cのそれぞれは、他の2つの層のうちのいずれかの屈折率と異なる屈折率で成形層を提供するために、異なるガラス組成から作製される。物品168は、屈折率分布型レンズである実施形態において、例えば、中央層の168bが低い屈折率ガラスで作製され得るが、層168a及び168cは、高い屈折率ガラスを含むことができる。168a、168b、及び/又は168cの層のうちの少なくとも1つは、非伝統的なガラスの成形物であり、すでに記載したように、非伝統的なガラスの成形は、成形物品168の168a、168b、又は168cの層の1つ以上にガラス、セラミックス及び/又はガラスセラミックス材料を得ることができる。物品168は、3つの異なる内部空間、例えば、別のガラス粒子群を収容するそれぞれの内部空間を含む成形可能な物品から作製され得る。あるいは、物品168は、型穴内で相互に重なった3つの成形可能な物品を同時に成形することによって作製され得、それぞれの成形可能な物品は、独自の別のガラス粒子群を収容する。成形プロセスを通して、すでに記載したように、成形可能な物品のそれぞれは、完成物品168中に層の生成を生じるであろう。
【0046】
図6は、本発明の更に別の実施形態に従って、構成される成形可能な物品210を示す。物品210は、第1の障壁212を有する容器であり、内部空間は、第1の内部空間214a及び第2の内部空間214bに分割される。内部空間214a、214bのそれぞれは、図1及び4の実施形態に関してすでに記載したように、内側の雰囲気を有する。第1のガラス粒子216aの所定の量は、第1の内部空間214a内に含まれ、第2のガラス粒子216bの所定の量は、第2の内部空間214b内に含まれる。示した実施形態において、内部空間214aは、内部空間214bよりも大きく、第1の内部空間214a中の第1の粒子216aの量は、第2の内部空間214b内の第2の粒子216bの量より多い。先の実施形態のように、粒子216aは、粒子216bの第2のガラス組成と異なることができる第1のガラス組成のものである。一般的に、第1及び第2のガラス粒子は、例えば、異なる屈折率等の最終の成形物品へ異なる性質を提供するために選択され得る。第1のガラス粒子216a又は第2のガラス粒子216bのうちの少なくとも1つは、すでに記載したように、非伝統的なガラスを含む。
【0047】
成形可能な物品210は、個々の容器の組み合わせを使用して作製され得、第1の障壁212は、すでに記載したように、ポリマー材料等の可撓性材料から作製される。かかる実施形態において、単一の容器は、内部空間に通じる単一の開口端を含む「袋」又は可撓性の壁付きの容器である。第2の内部空間214bは、第2の内部空間214bの3つの側面を形成するために熱密封端215a、215b、215cを提供することによって作製され得る。第4の熱密封端215dは、内部空間214bがガラス粒子216bで満たされた後に形成される。図6において、第2の内部空間214bは、第1の内部空間214bの中央に位置付けられる。あるいは、第2の内部空間は、最終の成形物品に所望される構成次第で、より大きな第1の内部空間214b内の別の場所に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、2つ以上の内部空間(例えば、第3の内部空間、第4の内部空間等)は、同じ成形可能な物品と関係され得、それぞれのかかる内部空間は、すでに記載したように、非伝統的なガラスを含むガラス粒子の容積のうちの少なくとも1つを含むガラス粒子の容積を収容することも理解されるであろう。
【0048】
成形可能な物品210は、図1〜5の実施形態に関してすでに記載したように、成形プロセスにおいて使用され得る。得られた成形物品は、少なくとも2つの異なる成形部分、第1のガラス粒子214aの処理から得られる成形部分のうちの1つ、及び第2のガラス粒子214bの処理から作製される別の成形部分を含むであろう。
【0049】
図9に示される成形物品238は、図6の成形可能な物品210を含む成形プロセスから得られた種類のものである。物品238は、第1の又は外側成形部分238aと、外側部分238aの中に入れ子にされ、かつそれに付着された第2の又は内側成形部分238bを含む。成形部分238a、238bの示した形は、単に説明のためであり、他の形状は、本開示の範囲内であり、例えば、成形物品を作製するために使用される成形型の設計図を単に変更することによって容易に得られ得ることが理解されるであろう。成形物品238の層のうちの少なくとも1つは、すでに記載したように、かかる層が、ガラス、セラミックス及び/又はガラスセラミックス材料を含むことができるように、非伝統的なガラス材料の成形から得られる。
【0050】
他の実施形態は検討され、成形可能な物品は、図6の物品210と同様であるが、(例えば、空間114bと同程度の)第2の内部空間は、実際に、(例えば、内部空間214aと同等の)より大きい成形可能な物品の内部空間内に配置される別の成形可能な物品からなる。換言すれば、本発明の実施形態は、別の成形可能な物品は、別の成形可能な物品の内部空間に含まれるようなものを含む。それぞれの成形可能な物品の別の内部空間のそれぞれは、ガラス粒子の容積を含む。ガラス粒子の容積の少なくとも1つは、すでに記載したように、非伝統的なガラスを含む。
【0051】
更に他の実施形態において、成形物品は、本発明に従って作製され得、物品は、相互に付着されたガラス及び非ガラス部分の両方を含む。物品338は、図10に示され、2つの構成要素、円形の、非ガラスの、第1の部分338a(例えば、枠)内に配置される成形ガラス部分338bを含む。成形ガラス部分338bは、すでに記載したように非伝統的なガラスを含む。円形の非ガラス部分338aは、ポリマー材料、金属材料等を含む任意の様々な他の材料から作製され得る。完成した成形物品338を形成する前に、非ガラス部分338aは、事前形成され、型穴内に配置され得る。成形作業において、非ガラス部分338aは、成形型内に配置され、(本明細書に記載する)成形可能な物品は、成形型内の非ガラス部分338aの中央に配置される。成形プロセスは、部分338aの中央の中に配置される成形ガラス部分338bを有する物品338を形成するために実施され得る。成形作業中に、成形可能な物品中のガラス粒子は、合着し、更に相互に付着された部分338a及び338bを含む完成物品338を形成するために、非ガラス部分に固着する。
【0052】
当業者は、他の複数の構成要素の物品が、本発明の成形可能な物品を使用して作製され得ることを理解するであろう。かかる複数の構成要素の成形物品は、必要又は所望に応じて準備される、ガラス及び非ガラス部分を含むことができる。別のかかる複数の構成要素の成形物品448が、図11に示される。物品448は、3つの構成要素448a、448b、及び448cを含む。成形構成要素のうちの少なくとも1つは、すでに記載したように非伝統的なガラスに由来する材料を含む。物品448は、本明細書に記載される少なくとも1つの成形可能な物品の成形から得られる。
【0053】
更に別の実施形態において、成形可能な物品310が、図7に示される。すでに記載した実施形態にあるように、物品310は、第1の障壁312を有する容器である。可撓性である代わりに、一方、第1の障壁312は、成形した、より剛性の材料から作製される。図7において、成形物品310は、(例えば、カップ状である)中央部分の凹部311を含む半球形を有する。複数のガラス粒子316は、物品310内の内部空間314を占有し、内部空間314は、すでに記載したように、実質的に水分を含まない、内側の雰囲気を有する。第1の障壁312は、成形作業中に成形型が加熱され、加圧されるにつれ分解するであろう第1の材料を含む。障壁312の分解は、ガラス粒子316の成形温度より実質的に低い分解温度で発生する。成形可能な物品310は、成形型のプラグ部材336を受け容れるために形成された中央部分311で、型穴334内に入れ子にするように形作られる。カップ状の物品310を成形することによって、同様の形状の成形物品を得る。物品310の形状は、本実施形態を説明する目的のため、多少強調されているが、成形可能な物品の形状は、例えば、凹面光学レンズの等の同様の形状の成形物品の形成を容易にするであろうことが理解されるであろう。
【0054】
障壁312のための剛性の第1の材料の使用は、所定のカップ状の構成中に、複数のガラス粒子316を維持するために役立つ。圧縮成形プロセスにおいて、空洞334は、高温まで加熱され、圧力は、成形型の蓋335から中央部分の凹部311へ伸びるプラグ部材336で、物品310に適応される。成形型が、第1の材料の分解温度に到達するにつれ、障壁312は、分解し、ガラス粒子316は、柔らかくなり、合着するであろう。第1の成形温度まで温度が上昇するにつれ、粒子316は、柔らかくなり始め、成形した形状へ合着する。冷却する際、ガラスは、固結し、成形物品は、型穴334から取り除かれることができるであろう。得られた成形物品は、ガラス、ガラスセラミックス及び/又はセラミックス材料を含むことができる。
【0055】
剛性の成形可能な物品310の変化が得られ、全てが本発明の範囲内であることも、当業者に理解されるであろう。例えば、成形物品は、異なる形状及び/又は複数のチャンバで提供され得、それぞれのチャンバは、その中に別の複数のガラス粒子を含み、すでに記載したように、少なくとも1つのチャンバは、非伝統的なガラス材料を含む複数の微小粒子を収容する。全てのかかる実施形態は、本発明の範囲内である。
【0056】
本発明の実施形態に従って成形可能な物品の使用は、ガラス粒子、及び特にガラス微小球に対して改善された成形プロセスを提供する。本発明の様々な実施形態は、成形プロセスのために、複数のガラス粒子を最初に調製し、その後、未確定期間の間、準備完了状態の粒子を保つ手段を提供する。水分並びに炭素、及び汚れは、微小球等の小さい粒子を成形中の既知の汚染物質である。かかる汚染物質は、型穴への粒子の配置中、及び/又は型穴の加圧中に、粒子を処理することによってピックアップされ得る。汚染は、最終の成形ガラス物品の構造欠陥を引き起こす可能性があるため、問題になる可能性がある。光学レンズを成形する際に、例えば、構造欠陥は、完成したレンズにおいて望ましくない光学的性質を生じる可能性がある。汚れ等で生じた汚染に加えて、小さい粒子(例えば、微小粒子)は、例えば、特に型穴へ粒子を配置する間に、粒子の処理を更に複雑にする静電荷をピックアップすることができる。
【0057】
本発明の成形可能な物品は、保持された水分の懸念なく、かつ静的に荷電された粒子を処理困難もなく、型穴へのガラス粒子の簡単な沈積を可能にすることによって、成形プロセスを容易にする。例えば、ガラス粒子製造業者は、外部のベンダー、顧客等によって実施され得る成形作業に対して粒子を調製するために、本発明を利用することができる。成形プロセスにおいてガラス粒子を使用するベンダー及び顧客は、したがって、パッケージ化した粒子の純度及び清浄度を確実にする。更に、任意の様々な成形物品は、提供され得、例えば、単層の物品及び複数層の物品を含む。
【実施例】
【0058】
以下の非限定的実施例は、本発明の実施形態を更に説明する。
【0059】
実施例1
20グラムのガラス微小粒子を、ガラス瓶の中に沈積させ、130℃で16時間の間、オーブンで乾燥した。微小粒子を、La2O3 Al2O3 ZrO2 Gd2O3で表される組成を有する非伝統的なガラスから作製した。その瓶を密封し、冷却させた。微小粒子を、2ミル(0.051mm)のポリエチレンフィルムで作製された可撓性容器(例えば、外被)に流し込み、外被を熱密封した。外被を型穴の中に配置した。成形型を、〜900℃に加熱し、加圧し、ポリエチレンフィルムを消散し、球形微小粒子を、型穴の形状で固結した物品に再形成する。成形型を、冷却し、ガラス物品を除去し、表面を研磨した。透明な成形ガラス物品を産生した。
【0060】
実施例2
4ミル(0.102mm)の厚いポリエチレンフィルムから作製した成形可能な物品を提供するために、500グラムのLa2O3 Al2O3 ZrO2 Gd2O3の球形のガラス微小粒子を乾燥し、可撓性ポリエチレン外被中に配置し、熱密封した。炭素プレートを、5インチ×5インチ×〜3/8インチ(12.7cm×12.7cm×0.95cm)の寸法を有する型穴を構築するために使用した。成形可能な物品をこの型穴に位置付け、空洞を追加の炭素プレートで覆い密封した。成形型を870℃まで加熱し、加圧し、微小粒子を固体の成形物品に圧縮した。ポリエチレンフィルムを、加熱プロセス中に消散させた。
【0061】
本明細書において様々な実施形態について記載し、例示したが、当業者は、変更及び修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、記載した実施形態に対して行なわれ得ることを理解するであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス粒子を成形するための成形可能な物品、成形可能な物品を調製する方法、及び成形可能な物品を成形する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス組成は、大型の物品及び/又は複雑な形状を提供するために使用されている。かかる物品は、多くの場合、ガラスの粒子を合着させることによって作製される。近年、かかる物品及び複雑な形状は、非伝統的なガラス材料の微小粒子を使用して作製されている。
【0003】
成形されたガラス物品の製造は、ガラス粒子が、材料のガラス転移温度を超える温度に加熱される成形プロセスにおいて達成される。融解粒子は、合着し、冷却されると、固化形状を取り、物品を形成する。成形プロセスは、典型的には、特定の鋳型設計によって決定された形に溶解したガラスを形作る際に役立つ融解粒子への加圧を含む。
【0004】
ガラス物品を作製するための成形技法の利用において、小さなガラス粒子(例えば、微小粒子)は、水分及び/又は静電荷を収集することが知られている。これは、非伝統的なガラス材料の微小粒子からの物品の製造において特に当てはまる。その結果、ガラス粒子は、成形プロセス中の取り扱いが困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ガラス材料の成形において直面する問題に取り組む。一態様において、本発明は、
第1の材料からなる第1の障壁と、第1の障壁内の内部空間とを含む第1の容器と、
内部空間内に収容され、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する第1のガラスを含む、複数の第1のガラス粒子であって、複数の第1のガラス粒子は、第1の成形温度で成形可能であり、第1のガラス転移温度と第1の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、第1のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5を含む組成を有する、複数の第1のガラス粒子と、を含み、
第1の材料は、第1の成形温度未満の第1の分解温度を有する、成形可能な物品を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態において、前述の物品の内部空間は、第1の内部空間内に収容される複数の第1のガラス粒子及び第2の内部空間内に収容される複数の第2のガラス粒子を含む、第1の内部空間及び第2の内部空間を含み、第2のガラス粒子は、第1のガラスの組成と異なる組成を有する第2のガラスを含む、複数の空間に分割される。
【0007】
他の実施形態において、成形可能な物品は、
第2の障壁であって、第2の材料からなる第2の障壁と、第2の障壁内の第2の内部空間とを含む、第2の容器であって、全体が第1の容器の内部空間内にある、第2の容器と、
第2の内部空間内に収容される複数の第2のガラス粒子であって、複数の第2のガラス粒子及び複数の第1のガラス粒子が、互いに分離するようにし、複数の第2のガラス粒子は第2のガラスを含み、第2の成形温度で成形可能である、第2のガラス粒子と、を更に含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、成形可能な物品を作製する方法を提供し、方法は、
第1のレセプタクルの中に複数の、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する第1のガラス粒子を配置する工程であって、複数の第1のガラス粒子は第1の成形温度で成形可能であり、第1のガラス転移温度と第1の結晶化開始温度との間の差は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、第1のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物を含む組成を有する、工程と、
第1のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、
第1の障壁を含む第1の容器を形成するために第1のレセプタクルを密封する工程であって、第1の障壁は内部空間を画定し、複数の第1の微小粒子は、内部空間の少なくとも一部を占有し、内部空間は、実質的に水を含まず、第1の障壁は、第1の成形温度より低い第1の分解温度を有する第1の材料を含む、工程と、を含む。
【0009】
前述の方法のいくつかの実施形態において、方法は、
第2のレセプタクルの中に複数の第2のガラス粒子を配置する工程であって、複数の第2のガラス粒子は、第2の成形温度で成形可能である第2のガラスを含む、工程と、
第2のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、
第2の障壁を含む第2の容器を形成するために第2のレセプタクルを密封する工程であって、第2の障壁は第2の内部空間を画定し、複数の第2のガラス粒子は、第2の内部空間の少なくとも一部を占有し、第2の障壁は、第2の成形温度より低い第2の分解温度を有する第2の材料を含む、工程と、
第1のレセプタクルを密封する工程の前に、第1のレセプタクル内に第2の容器を配置する工程と、を更に含む。
【0010】
前述の方法の更に他の実施形態において、第1のレセプタクルは、複数のチャンバを含み、第1のレセプタクルの中に複数の第1のガラス粒子を配置する工程は、第1のチャンバの中に粒子を配置する工程を含み、この方法は、第2のチャンバの中に第2の複数のガラス粒子を配置する工程を更に含み、第1のレセプタクルを密封する工程は、内部空間が、第1の複数のガラス粒子を第1の内部空間内で密封し、第2の複数のガラス粒子を第2の内部空間内で密封して、複数の密封チャンバを形成するように、第1の容器を形成する。
【0011】
更に別の態様において、本発明は、
型穴の中に前述の成形可能な物品の1つ以上を配置する工程と、
第1の材料を分解し、ガラス粒子と合着させるために型穴を加熱し、成形物品を提供する工程と、を含む、物品を成形する方法を提供する。
【0012】
一般的に、本発明の実施形態の説明に使用される用語は、当業者によって理解されるように、それらに与えられる共通の意味を有するものとして理解されるべきである。しかし、特定の用語は、本明細書で明記した意味を有するものとする。
【0013】
「非晶質材料」とは、X線回折により測定される、いかなる長い結晶構造を欠如し、及び/又は示差熱分析により測定されるような非晶質材料の結晶化に対応する発熱ピークを有する、溶融相及び/又は気相から得られる材料を指す。
【0014】
「セラミックス」は、非晶質材料、ガラス、結晶性セラミックス、ガラスセラミックス、及びそれらの組み合わせを含む。
【0015】
「ガラス」とは、ガラス転移温度を呈する非晶質材料を指す。
【0016】
「ガラスセラミックス」とは、非晶質材料を熱処理することによって形成される結晶を含むセラミックスを指す。
【0017】
「不活性ガス」とは、ヘリウム、ネオン、クリプトン、アルゴン、キセノン、窒素、及び前述のうちの2つ以上の組み合わせを指す。
【0018】
開示される実施形態の様々な特徴は、「発明を実施するための形態」、非限定的実施例、及び添付の特許請求の範囲を含む、本開示の残り部分を考慮することによって、当業者によって更に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施形態の説明において、様々な図への参照がなされる。図が、原寸に比例せず、実施形態を説明する際の補助として提供されることが理解されるであろう。実施形態の様々な特徴は、同様の数字が概して同様の特徴を示す参照番号で特定される。
【図1】本発明の実施形態による、成形可能物品の平面図。
【図2】図1の成形可能な物品の側面図。
【図3】図1の成形可能な物品の製造に対するプロセスの略図であり、その後のその成形も説明している。
【図4】本発明の別の実施形態による、成形可能な物品の平面図。
【図5】図4の成形可能な物品の製造に対するプロセスの略図であり、その後のその成形も説明している。
【図6】本発明の別の実施形態による、成形可能な物品の平面図。
【図7】本発明の更に別の実施形態による、成形可能な物品の斜視図。
【図8】本発明の更に別の実施形態による、成形物品の斜視図。
【図9】本発明の更に別の実施形態による、成形物品の透視図。
【図10】本発明の更に別の実施形態による、成形物品の透視図。
【図11】本発明の更に別の実施形態による、成形物品の透視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、非伝統的なガラスを含む、ガラスの取り扱いのために提供し、ガラスは、最初は粒子の形態である(球状粒子、繊維、微小球等)。本発明の実施形態は、ガラス粒子、成形可能な物品の調製のためのプロセス、及び成形プロセスを含む成形可能な物品を提供する。様々な実施形態において、成形可能な物品は、水分を含まない、調節及び/又は処理された雰囲気で密封された容器、又はガラス粒子を収容するパッケージの形態で、提供される。本明細書において説明される成形可能な物品は、型穴へ直接挿入され得る。成形作業は、パッケージからガラス粒子を除去せず、成形可能な物品に熱/圧力を適用することによって実行される。成形プロセスは、梱包が、成形作業中に本質的に燃焼するように、梱包材料の分解温度を超える温度で実行される。ガラスは、典型的に、梱包材料の分解温度よりも著しく高い成形温度(例えば、ガラス粒子が合着し始める温度)を有する。ガラスの成形温度以上で、ガラス粒子は合着し、冷却されて、成形物品が得られる。
【0021】
ここから図を参照すると、図1及び2は、本発明の実施形態による、成形可能な物品10の異なる図を提供する。成形可能な物品10は、所定の量(例えば、複数の)ガラス粒子16を収容する第1の内部空間14を画定する第1の障壁12を有する第1のパッケージの形態で提供される。第1の障壁12は密封され、第1の内部空間は、典型的に、物品10を囲む雰囲気と異なる雰囲気を有する。いくつかの実施形態において、第1の内部空間14は、実質的に水蒸気を含まない雰囲気を有する。いくつかの実施形態において、第1の内部空間14は、不活性ガスの雰囲気を有する。他の実施形態において、第1の内部空間14の雰囲気は、少なくとも部分的に、減圧(例えば、真空又は真空近く)になるように排気される。
【0022】
第1の障壁12は、第1の内部空間14内に実質的に一定の雰囲気を維持するために、実質的にガス不浸透性である可撓性の第1の材料で作製される。物品10は、密封されたままであるが、ガラス粒子16及び第1の内部空間14は、実質的に乾燥又は水を含まないままである。
【0023】
適した可撓性の第1の材料は、紙並びに様々な可撓性ポリマー材料を含む。本明細書で使用される「可撓性」という用語は、周囲条件下で剛性又は硬さが典型的に不足する性質を有するかかる性質及び材料を指す。他の実施形態において、第1の障壁は、より剛性な第1の材料で作製され得る。本明細書で使用される「剛性」という用語は、材料上にかけられる過度の熱、又は外力がない場合、周辺温度である形状を維持する傾向がある性質を有するかかる性質及び材料を指す。しかし、剛性材料は、全て不撓性である必要はなく、実際は、いくつかの剛性材料は、加熱又は処理される等の時に、曲げるないしは変形させられ得る。剛性材料と可撓性材料との間の差異が、場合によっては、異なる材料の使用によって、又は同じ若しくは似た材料の厚みの変化によって(例えば、材料の厚みを増加することは、剛性を提供することができる)説明され得ることが理解されるであろう。
【0024】
第1の材料として使用に好適なポリマーは、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、炭酸ポリエチレン、炭酸ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン芳香族ポリエステル、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるものを含む。好適なポリアミドは、ナイロン6、及びナイロン66、及びそれらの組み合わせを含む。好適なポリエチレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び前述のもののうちの2つ以上から選択され得る。特定の実施形態において、第1の障壁は、低密度ポリエチレンで作製される。第1の材料は、材料を分解する第1の分解温度を有する。
【0025】
ガラス粒子16は、第1の内部空間14を占有する。本発明の実施形態において、粒子16は、2001年8月2日に出願された、米国特許出願第09/922,527号、同第09/922,528号、及び同第09/922,530号、米国特許第2003/0115805 A1号(Rosenflanzら)、同第2003/0110707 A1号(Rosenflanzら)、同第7,168,267号(Rosenflanzら)、同第2003/0126802 A1号(Rosenflanz)、同第7,147,544号(Rosenflanzら)、及び同第7,101,819号(Rosenflanzら)を含み、これらの開示が参照によって本明細書に組み込まれる特許及び特許出願に記載されているもの等の非伝統的なガラス材料である第1のガラス材料を含む微小粒子である。
【0026】
前述の非伝統的なガラス材料は、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する。第1のガラス転移温度と第1の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)(又は更には、少なくとも10°K(−263℃)、少なくとも15°K(−258℃)、少なくとも20°K(−253℃)、少なくとも25°K(−248℃)、少なくとも30°K(−243℃)、若しくは少なくとも35°K(−238℃))である。第1のガラス材料は、少なくとも2つの金属酸化物(すなわち、同じカチオンを有さない金属酸化物)の、0〜20重量%未満のSiO2(例えば、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量%のSiO2)、0〜20重量%未満のB2O3(例えば、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量%のB2O3)、及び0〜40重量%未満のP2O5(例えば、35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、1重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量%のP2O5)を含む。前述のガラス材料は、微小粒子が合着し始める第1の成形温度以上で成形可能である。本明細書において記載される本発明の実施形態において、第1の材料の第1の分解温度は、第1のガラスの第1の成形温度よりも低い。
【0027】
図3を参照すると、成形可能な物品10の調製のためのプロセスが、物品を含む成形プロセスと共に図式的に示される。ガラス粒子16の測定された量は、オーブン、加熱マントル等の加熱ステーション(図示せず)の容器20内で加熱される。粒子16は、ガラスのTg以下の高温まで、水を除去するために十分な時間の間、加熱される。いくつかの実施形態において、粒子は、水の沸点近くの温度に保たれる(例えば、100℃)。いくつかの実施形態において、好適な温度は、約101℃〜約150℃、約110℃〜約140℃、及び約120℃〜約135℃の範囲である。いくつかの実施形態において、好適な温度は、約130℃である。粒子が加熱される時間は、使用される粒子の量及び存在する水分の量によって決定することができる。様々な実施形態において、数時間加熱することは、粒子が十分に乾燥していることを確実にするために所望され、粒子は前述の範囲のうちの1つの温度で、約24時間まで加熱され得る。
【0028】
乾燥してすぐに、容器20は密封され得(図示せず)、ガラス粒子16は、容器20から密封可能な可撓性容器26へ転送される前に冷却することができる。漏斗28は、粒子16の転送を容易にするための、任意の手段として示される。ガラス粒子の転送後、密封可能な容器26は、乾燥した粒子の量で満たされ、容器26は、実質的に水分を含まない内部空間14と共に成形可能な物品10を提供するために、開口端30と共に密封され得る。いくつかの実施形態において、密封可能な容器26は、密封前に不活性ガスでパージされる。いくつかの実施形態において、容器26は、第1の内部空間14内に減圧を有するために密封される。いくつかの実施形態において、容器26は、内部空間14内に真空又は真空に近い状態を提供するために密封される。
【0029】
成形可能な物品10は、ガラス粒子16を成形物品に成形するための成形プロセスでの使用に適している。ガラス粒子16が微小粒子の形態にある実施形態において、それらは、マイクロメートルで測定される平均直径のものであってもよく、いくつかの実施形態では、約10μm〜約250μmの範囲であってもよい。いずれにしても、ガラス粒子16は、約300℃以上、約400℃以上、約500℃以上、約700℃以上、又は約900℃以上の第1の成形温度で成形可能である。成形プロセスにおいて、成形可能な物品10は、成形型32の型穴34中に配置される。図3の実施形態において、示された成形プロセスは、圧縮成形であり、空洞34は、高温まで加熱されるように備えられる。空洞34における成形可能な物品10で、成形型32は、蓋、又は成形型内の材料に圧力を加えるために、空洞34内に適合するために、形成されたプラグ部材36で閉じる。
【0030】
成形型32は、第1の成形温度まで加熱され、成形型は、プラグ部材36によって得られた圧縮によって加圧される。本発明の様々な実施形態、成形可能な物品10の第1の障壁は、成形プロセス中、及び典型的に粒子16が柔らかくなり、合着し始める前に、障壁12の第1の材料が分解するように、ガラス粒子の第1の成形温度より低い分解温度を有する第1の材料(例えば、ポリエチレン)を含む。いくつかの実施形態において、第1の障壁12の分解によって、障壁の第1の材料の全てを実質的に除去する。成形型32内の温度が第1の成形温度まで継続して上昇する度に、ガラス粒子は柔らかくなり、合着し始め、空洞34の内部形状と一致する形状を呈する。次いで、成形型32は、次に空洞34から除去され得る成形物品38を形成するために冷却される。
【0031】
実施形態において、非伝統的なガラス粒子は、合着され、少なくとも部分的に、ガラス−セラミックス物品又はセラミックス物品を提供するために、結晶化される。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラスの結晶化度を増加し、ガラスセラミックス又はセラミックス材料を提供するために、加熱処理される。当業者は、成形物品38が、ガラス、ガラスセラミックス、及び/又はセラミックス材料を含むことができることを理解するであろう。
【0032】
本発明の実施形態において、成形物品38の表面は、更なる処理なしに光学的性能のものである。かかる実施形態において、物品38の表面は、成形型32の内面によって、与えられたトポグラフィーを呈する。本明細書で使用される「光学的性能」は、光学分野の適用に使用する表面又は物品の適切性を指す。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1の材料は、成形プロセス中に完全に分解されない可能性があり、成形物品38の表面は、研磨されてもよく、及び/又は残りの残留物を除去するために、(例えば、溶媒で)更に処理されてもよい。
【0034】
図4を参照すると、成形可能な物品110の別の実施形態が示される。物品110は、第1の内部空間114a及び第2の内部空間114bに分割された内部空間を画定する第1の障壁112を含む。内部空間114a、114bは、単一の仕切り113によって区切られた2つの空間で、それらの内部収容量又は容積と実質的に均一であるように示される。図1の物品10についてすでに説明されたように、内部空間114a及び114bのそれぞれの中の雰囲気は、成形可能な物品110を囲む雰囲気と異なることができ、内部空間114a、114bは、相互に同じ内側の雰囲気を有することがでる、又はそれらが相互に異なることができることが、理解されるであろう。内部空間114a及び/又は114b中の雰囲気は、実質的に水分を含まず、いくつかの実施形態において、内部空間は、不活性ガスを含む。いくつかの実施形態において、内部空間114a及び/又は114bは、真空又は真空近くの状態を提供するために、排気された。
【0035】
第1のガラスを含む第1のガラス粒子116aの容積は、第1の内部空間114a内に含まれる。同様に、第2のガラス粒子116bの所定の量は、第2の内部空間114b内に含まれる。内部空間114a中の第1の粒子116aの量は、内部空間114b内の第2の粒子116bの量と同じ、又は異なる可能性がある。第2の粒子116bは、第2のガラスを含む。第1のガラス又は第2のガラスのうちの少なくとも1つは、すでに記載されたように、非伝統的なガラスの材料を含む。第1のガラス及び第2のガラスは、同じガラス材料であることができる、又は異なることができる。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、第2のガラス粒子116bは、第1のガラス粒子116aと同一であるため、第1のガラスは、第2のガラスと同じ組成である。他の実施形態において、第1のガラスは、第2のガラスのものと異なる組成である。
【0037】
実施形態において、第1及び第2のガラスの両方は、非伝統的なガラスであり、少なくとも1つのガラスは、ガラスの総重量を基に、SiO2、B2O3、及びP2O5合計で、40重量%未満(又は35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%未満、若しくは更には0重量%)のガラスを含む。複数の第2の粒子は、第2の成形温度で成形可能であるため、それらは、第2の成形温度以上で(例えば、成形作業中に)柔らかくなり、合着し始め、第2の成形温度は、第1の成形温度と同じ又は異なることができる。様々な実施形態において、第1の分解温度は、第1の成形温度及び第2の成形温度の両方より低い。
【0038】
第1の障壁112は、成形可能な物品10(図1)に関してすでに記載したように、材料から作製される。いくつかの実施形態は、障壁112に対して使用されるものと異なる材料から作製される仕切りを含むことができるが、仕切り113は、典型的に、第1の障壁112として同じ材料から作製される。
【0039】
図5を参照すると、成形可能な物品110の製造、及び成形ガラス物品138を提供するための成形プロセスにおけるその後の使用のための、プロセスの略図が示される。第1のガラス粒子116aの測定された量は、水を除去するために容器120内で最初に加熱され、第2のガラス粒子116bの測定された量は、同様に水を除去するために第2の容器121中で加熱される。容器120、121は、オーブン、加熱マントル等を含むことができる別の加熱ステーション(図示せず)で加熱され得る。
【0040】
水分を除去するために加熱後、容器120及び121は、冷却することができるため、水分が粒子に戻ることを防ぐために、密封され得る。第1のガラス粒子116aは、容器120か密封可能な容器126の第1の内部空間114aへ転送される。漏斗128は、ガラス粒子116aの転送を容易にするための、任意の手段として示される。第2のガラス粒子116bは、容器121から密封可能な容器126の第2の内部空間114bへ転送される。漏斗129は、粒子116bの転送を容易にするための、任意の手段として示される。ガラス粒子の転送後、密封可能な容器126は、成形可能な物品110を提供するために、開口端130と共に密封される。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態において、密封可能な容器126は、密封前に不活性ガスでパージされる。他の実施形態において、内部空間114a及び114bは、内部空間に減圧(例えば、真空又は真空に近い状態)を与えるために、排気後、密封される。
【0042】
成形可能な物品110は、物品は、内部空間及びその内容物のうちの1つ(例えば、ガラス粒子116a又は116b)が、他の内部空間及びその内容物の上に重なるように、互いに配向された対応の内部空間114a及び114bと共に成形型132の開口した型穴134に配置される成形プロセスでの使用に適している。この配向において、粒子116a及び116bは、ガラス材料の2つの層を形成し、順に重ねられる。図5の圧縮成形プロセスにおいて、空洞134は、物品110を受け入れるために最初は開口され、高温まで加熱されるように設定される。空洞134内に配置された成形可能な物品110と共に、成形型132は閉じられ、所定の温度まで加熱される。空洞134内のガラス粒子を圧縮するために、圧力は、プラグ部材136で物品110に適用される。
【0043】
本発明の様々な実施形態において、成形可能な物品110の第1の障壁112は、特徴的な分解温度以上で実質的に分解するであろう。いくつかの実施形態において、第1の障壁112の分解は、障壁の第1の材料の全てを実質的に除去する。その後、成形型132の温度は、粒子が柔らかくなり、合着する成形温度までガラス粒子116a及び116bを熱するために上昇される。成形型132は、冷却され、得られた成形物品138は、空洞134から除去され得る。成形物品138は、第1の粒子116aの成形から得られる第1の層138a及び第2の粒子116bから得られる第2の層138bを含む2層の合成物である。いくつかの実施形態において、成形物品138の表面が、残りの残留物を除去するために、研磨及び/又は別の処理(例えば、溶媒で洗浄する)を必要としてもよいように、第1の障壁112の第1の材料は、成形プロセス中に完全に分解しなくてもよい。層138a又は138bのうちの少なくとも1つは、本明細書に記載される非伝統的なガラスに由来する材料を含む。
【0044】
更に他の実施形態において、成形物品138と似た成形物品は、型穴内に個々の成形可能な物品(例えば、図1の物品10と同様)を重ね、すでに記載したものと同じ方法で、成形可能な物品を成形することによって作製され得る。物品138に似た多層構造の物品は、例えば、視覚的なレンズとして特に有用であり得る。かかる実施形態において、成形層138a及び138bは、それぞれ、異なる屈折率等の1つ以上の異なる性質を有することができる。様々な実施形態において、成形物品138は、ガラス、セラミックス及び/又は非伝統的なガラスの成形から得たガラスセラミックス材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、非伝統的なガラス粒子は、合着され、少なくとも部分的に結晶化される。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラスの結晶化度を増加し、ガラスセラミックス又はセラミックス材料を提供する方法で加熱処理される。
【0045】
ここから図8を参照すると、多層構成の成形物品168が示される。物品168は、本発明の実施形態に従って作製され得る。成形層168a、168b、及び168cは、積み重ねられた配置内の離れた位置を占有する。いくつかの実施形態において、成形層168a、168b、及び168cのそれぞれは、他の2つの層のうちのいずれかの屈折率と異なる屈折率で成形層を提供するために、異なるガラス組成から作製される。物品168は、屈折率分布型レンズである実施形態において、例えば、中央層の168bが低い屈折率ガラスで作製され得るが、層168a及び168cは、高い屈折率ガラスを含むことができる。168a、168b、及び/又は168cの層のうちの少なくとも1つは、非伝統的なガラスの成形物であり、すでに記載したように、非伝統的なガラスの成形は、成形物品168の168a、168b、又は168cの層の1つ以上にガラス、セラミックス及び/又はガラスセラミックス材料を得ることができる。物品168は、3つの異なる内部空間、例えば、別のガラス粒子群を収容するそれぞれの内部空間を含む成形可能な物品から作製され得る。あるいは、物品168は、型穴内で相互に重なった3つの成形可能な物品を同時に成形することによって作製され得、それぞれの成形可能な物品は、独自の別のガラス粒子群を収容する。成形プロセスを通して、すでに記載したように、成形可能な物品のそれぞれは、完成物品168中に層の生成を生じるであろう。
【0046】
図6は、本発明の更に別の実施形態に従って、構成される成形可能な物品210を示す。物品210は、第1の障壁212を有する容器であり、内部空間は、第1の内部空間214a及び第2の内部空間214bに分割される。内部空間214a、214bのそれぞれは、図1及び4の実施形態に関してすでに記載したように、内側の雰囲気を有する。第1のガラス粒子216aの所定の量は、第1の内部空間214a内に含まれ、第2のガラス粒子216bの所定の量は、第2の内部空間214b内に含まれる。示した実施形態において、内部空間214aは、内部空間214bよりも大きく、第1の内部空間214a中の第1の粒子216aの量は、第2の内部空間214b内の第2の粒子216bの量より多い。先の実施形態のように、粒子216aは、粒子216bの第2のガラス組成と異なることができる第1のガラス組成のものである。一般的に、第1及び第2のガラス粒子は、例えば、異なる屈折率等の最終の成形物品へ異なる性質を提供するために選択され得る。第1のガラス粒子216a又は第2のガラス粒子216bのうちの少なくとも1つは、すでに記載したように、非伝統的なガラスを含む。
【0047】
成形可能な物品210は、個々の容器の組み合わせを使用して作製され得、第1の障壁212は、すでに記載したように、ポリマー材料等の可撓性材料から作製される。かかる実施形態において、単一の容器は、内部空間に通じる単一の開口端を含む「袋」又は可撓性の壁付きの容器である。第2の内部空間214bは、第2の内部空間214bの3つの側面を形成するために熱密封端215a、215b、215cを提供することによって作製され得る。第4の熱密封端215dは、内部空間214bがガラス粒子216bで満たされた後に形成される。図6において、第2の内部空間214bは、第1の内部空間214bの中央に位置付けられる。あるいは、第2の内部空間は、最終の成形物品に所望される構成次第で、より大きな第1の内部空間214b内の別の場所に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、2つ以上の内部空間(例えば、第3の内部空間、第4の内部空間等)は、同じ成形可能な物品と関係され得、それぞれのかかる内部空間は、すでに記載したように、非伝統的なガラスを含むガラス粒子の容積のうちの少なくとも1つを含むガラス粒子の容積を収容することも理解されるであろう。
【0048】
成形可能な物品210は、図1〜5の実施形態に関してすでに記載したように、成形プロセスにおいて使用され得る。得られた成形物品は、少なくとも2つの異なる成形部分、第1のガラス粒子214aの処理から得られる成形部分のうちの1つ、及び第2のガラス粒子214bの処理から作製される別の成形部分を含むであろう。
【0049】
図9に示される成形物品238は、図6の成形可能な物品210を含む成形プロセスから得られた種類のものである。物品238は、第1の又は外側成形部分238aと、外側部分238aの中に入れ子にされ、かつそれに付着された第2の又は内側成形部分238bを含む。成形部分238a、238bの示した形は、単に説明のためであり、他の形状は、本開示の範囲内であり、例えば、成形物品を作製するために使用される成形型の設計図を単に変更することによって容易に得られ得ることが理解されるであろう。成形物品238の層のうちの少なくとも1つは、すでに記載したように、かかる層が、ガラス、セラミックス及び/又はガラスセラミックス材料を含むことができるように、非伝統的なガラス材料の成形から得られる。
【0050】
他の実施形態は検討され、成形可能な物品は、図6の物品210と同様であるが、(例えば、空間114bと同程度の)第2の内部空間は、実際に、(例えば、内部空間214aと同等の)より大きい成形可能な物品の内部空間内に配置される別の成形可能な物品からなる。換言すれば、本発明の実施形態は、別の成形可能な物品は、別の成形可能な物品の内部空間に含まれるようなものを含む。それぞれの成形可能な物品の別の内部空間のそれぞれは、ガラス粒子の容積を含む。ガラス粒子の容積の少なくとも1つは、すでに記載したように、非伝統的なガラスを含む。
【0051】
更に他の実施形態において、成形物品は、本発明に従って作製され得、物品は、相互に付着されたガラス及び非ガラス部分の両方を含む。物品338は、図10に示され、2つの構成要素、円形の、非ガラスの、第1の部分338a(例えば、枠)内に配置される成形ガラス部分338bを含む。成形ガラス部分338bは、すでに記載したように非伝統的なガラスを含む。円形の非ガラス部分338aは、ポリマー材料、金属材料等を含む任意の様々な他の材料から作製され得る。完成した成形物品338を形成する前に、非ガラス部分338aは、事前形成され、型穴内に配置され得る。成形作業において、非ガラス部分338aは、成形型内に配置され、(本明細書に記載する)成形可能な物品は、成形型内の非ガラス部分338aの中央に配置される。成形プロセスは、部分338aの中央の中に配置される成形ガラス部分338bを有する物品338を形成するために実施され得る。成形作業中に、成形可能な物品中のガラス粒子は、合着し、更に相互に付着された部分338a及び338bを含む完成物品338を形成するために、非ガラス部分に固着する。
【0052】
当業者は、他の複数の構成要素の物品が、本発明の成形可能な物品を使用して作製され得ることを理解するであろう。かかる複数の構成要素の成形物品は、必要又は所望に応じて準備される、ガラス及び非ガラス部分を含むことができる。別のかかる複数の構成要素の成形物品448が、図11に示される。物品448は、3つの構成要素448a、448b、及び448cを含む。成形構成要素のうちの少なくとも1つは、すでに記載したように非伝統的なガラスに由来する材料を含む。物品448は、本明細書に記載される少なくとも1つの成形可能な物品の成形から得られる。
【0053】
更に別の実施形態において、成形可能な物品310が、図7に示される。すでに記載した実施形態にあるように、物品310は、第1の障壁312を有する容器である。可撓性である代わりに、一方、第1の障壁312は、成形した、より剛性の材料から作製される。図7において、成形物品310は、(例えば、カップ状である)中央部分の凹部311を含む半球形を有する。複数のガラス粒子316は、物品310内の内部空間314を占有し、内部空間314は、すでに記載したように、実質的に水分を含まない、内側の雰囲気を有する。第1の障壁312は、成形作業中に成形型が加熱され、加圧されるにつれ分解するであろう第1の材料を含む。障壁312の分解は、ガラス粒子316の成形温度より実質的に低い分解温度で発生する。成形可能な物品310は、成形型のプラグ部材336を受け容れるために形成された中央部分311で、型穴334内に入れ子にするように形作られる。カップ状の物品310を成形することによって、同様の形状の成形物品を得る。物品310の形状は、本実施形態を説明する目的のため、多少強調されているが、成形可能な物品の形状は、例えば、凹面光学レンズの等の同様の形状の成形物品の形成を容易にするであろうことが理解されるであろう。
【0054】
障壁312のための剛性の第1の材料の使用は、所定のカップ状の構成中に、複数のガラス粒子316を維持するために役立つ。圧縮成形プロセスにおいて、空洞334は、高温まで加熱され、圧力は、成形型の蓋335から中央部分の凹部311へ伸びるプラグ部材336で、物品310に適応される。成形型が、第1の材料の分解温度に到達するにつれ、障壁312は、分解し、ガラス粒子316は、柔らかくなり、合着するであろう。第1の成形温度まで温度が上昇するにつれ、粒子316は、柔らかくなり始め、成形した形状へ合着する。冷却する際、ガラスは、固結し、成形物品は、型穴334から取り除かれることができるであろう。得られた成形物品は、ガラス、ガラスセラミックス及び/又はセラミックス材料を含むことができる。
【0055】
剛性の成形可能な物品310の変化が得られ、全てが本発明の範囲内であることも、当業者に理解されるであろう。例えば、成形物品は、異なる形状及び/又は複数のチャンバで提供され得、それぞれのチャンバは、その中に別の複数のガラス粒子を含み、すでに記載したように、少なくとも1つのチャンバは、非伝統的なガラス材料を含む複数の微小粒子を収容する。全てのかかる実施形態は、本発明の範囲内である。
【0056】
本発明の実施形態に従って成形可能な物品の使用は、ガラス粒子、及び特にガラス微小球に対して改善された成形プロセスを提供する。本発明の様々な実施形態は、成形プロセスのために、複数のガラス粒子を最初に調製し、その後、未確定期間の間、準備完了状態の粒子を保つ手段を提供する。水分並びに炭素、及び汚れは、微小球等の小さい粒子を成形中の既知の汚染物質である。かかる汚染物質は、型穴への粒子の配置中、及び/又は型穴の加圧中に、粒子を処理することによってピックアップされ得る。汚染は、最終の成形ガラス物品の構造欠陥を引き起こす可能性があるため、問題になる可能性がある。光学レンズを成形する際に、例えば、構造欠陥は、完成したレンズにおいて望ましくない光学的性質を生じる可能性がある。汚れ等で生じた汚染に加えて、小さい粒子(例えば、微小粒子)は、例えば、特に型穴へ粒子を配置する間に、粒子の処理を更に複雑にする静電荷をピックアップすることができる。
【0057】
本発明の成形可能な物品は、保持された水分の懸念なく、かつ静的に荷電された粒子を処理困難もなく、型穴へのガラス粒子の簡単な沈積を可能にすることによって、成形プロセスを容易にする。例えば、ガラス粒子製造業者は、外部のベンダー、顧客等によって実施され得る成形作業に対して粒子を調製するために、本発明を利用することができる。成形プロセスにおいてガラス粒子を使用するベンダー及び顧客は、したがって、パッケージ化した粒子の純度及び清浄度を確実にする。更に、任意の様々な成形物品は、提供され得、例えば、単層の物品及び複数層の物品を含む。
【実施例】
【0058】
以下の非限定的実施例は、本発明の実施形態を更に説明する。
【0059】
実施例1
20グラムのガラス微小粒子を、ガラス瓶の中に沈積させ、130℃で16時間の間、オーブンで乾燥した。微小粒子を、La2O3 Al2O3 ZrO2 Gd2O3で表される組成を有する非伝統的なガラスから作製した。その瓶を密封し、冷却させた。微小粒子を、2ミル(0.051mm)のポリエチレンフィルムで作製された可撓性容器(例えば、外被)に流し込み、外被を熱密封した。外被を型穴の中に配置した。成形型を、〜900℃に加熱し、加圧し、ポリエチレンフィルムを消散し、球形微小粒子を、型穴の形状で固結した物品に再形成する。成形型を、冷却し、ガラス物品を除去し、表面を研磨した。透明な成形ガラス物品を産生した。
【0060】
実施例2
4ミル(0.102mm)の厚いポリエチレンフィルムから作製した成形可能な物品を提供するために、500グラムのLa2O3 Al2O3 ZrO2 Gd2O3の球形のガラス微小粒子を乾燥し、可撓性ポリエチレン外被中に配置し、熱密封した。炭素プレートを、5インチ×5インチ×〜3/8インチ(12.7cm×12.7cm×0.95cm)の寸法を有する型穴を構築するために使用した。成形可能な物品をこの型穴に位置付け、空洞を追加の炭素プレートで覆い密封した。成形型を870℃まで加熱し、加圧し、微小粒子を固体の成形物品に圧縮した。ポリエチレンフィルムを、加熱プロセス中に消散させた。
【0061】
本明細書において様々な実施形態について記載し、例示したが、当業者は、変更及び修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、記載した実施形態に対して行なわれ得ることを理解するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形可能な物品であって、
第1の材料からなる第1の障壁と、前記第1の障壁内の内部空間とを含む第1の容器と、
前記内部空間内に収容され、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する第1のガラスを含む、複数の第1のガラス粒子であって、前記複数の第1のガラス粒子は前記第1の成形温度で成形可能であり、前記第1のガラス転移温度と前記第1の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第1のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5、を含む組成を有する、複数の第1のガラス粒子と、を含み、
前記第1の材料は、前記第1の成形温度未満の第1の分解温度を有する、物品。
【請求項2】
前記第1のガラス粒子は微小粒子を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1の材料はポリマーを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記ポリマーは、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、炭酸ポリエチレン、炭酸ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン芳香族ポリエステル、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の物品。
【請求項7】
前記ポリエチレンは、低密度ポリエチレンである、請求項4に記載の物品。
【請求項8】
前記第1の材料は、可撓性である、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記第1の材料は剛性である、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記第1の材料は紙である、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記内部空間は、実質的に水蒸気を含まない、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記内部空間は、ヘリウム、ネオン、クリプトン、アルゴン、キセノン、窒素、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される不活性ガスを含む雰囲気を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記内部空間は、少なくとも第1の内部空間と第2の内部空間とに分割され、前記複数の第1のガラス粒子は、前記第1の内部空間内に収容され、複数の第2のガラス粒子は、前記第2の内部空間内に収容され、前記第2のガラス粒子は、前記第1のガラスの前記組成と異なる組成を有する第2のガラスを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記第2のガラス粒子は微小粒子を含み、前記第2のガラスは、第2のガラス転移温度及び第2の結晶化開始温度を有し、前記第2のガラス転移温度と前記第2の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第2のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5を含む、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
第2の材料からなる第2の障壁と、前記第2の障壁内の第2の内部空間とを含む、第2の容器であって、全体が前記第1の容器の前記内部空間内にある、第2の容器と、
前記第2の内部空間内に収容される複数の第2のガラス粒子であって、前記複数の第2のガラス粒子及び前記複数の第1のガラス粒子が、互いに分離するようにし、前記複数の第2のガラス粒子は第2のガラスを含み、かつ第2の成形温度で成形可能である、第2のガラス粒子と、を更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記第2のガラスは、第2のガラス転移温度及び第2の結晶化開始温度を有し、前記第2のガラス転移温度と前記第2の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第2のガラスは、前記第1のガラスの前記組成と異なる組成を有し、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5を含む、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記第2の材料は、前記第2の成形温度未満の第2の分解温度を有する、請求項15に記載の物品。
【請求項18】
前記第2の材料は、前記第1の材料と同じである、請求項15に記載の物品。
【請求項19】
前記第1の成形温度は、約300℃以上である、請求項1に記載の物品。
【請求項20】
成形可能な物品を作製する方法であって、
第1のレセプタクルの中に複数の、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する第1のガラスの粒子を配置する工程であって、前記複数の第1のガラス粒子は第1の成形温度で成形可能であり、前記第1のガラス転移温度と前記第1の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第1のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物を含む組成を有する、工程と、
前記第1のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、
第1の障壁を含む第1の容器を形成するために前記第1のレセプタクルを密封する工程であって、前記第1の障壁は内部空間を画定し、前記複数の第1の微小粒子は、前記内部空間の少なくとも一部を占有し、前記内部空間は、実質的に水を含まず、前記第1の障壁は、前記第1の成形温度より低い第1の分解温度を有する第1の材料を含む、工程と、を含む、方法。
【請求項21】
前記第1のガラス粒子は微小粒子であり、前記第1のガラスは、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
捕捉された水分を除去する前記工程は、前記第1のガラス粒子を加熱する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
捕捉された水分を除去する前記工程は、前記第1のレセプタクルを密封する前記工程の前に、不活性ガスで前記第1のレセプタクルをパージする工程を更に含み、前記不活性ガスは、ヘリウム、ネオン、クリプトン、アルゴン、キセノン、窒素、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
捕捉された水分を除去する前記工程は、前記第1の容器内に減少した気圧を提供するために前記第1の容器を少なくとも部分的に排気する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の材料は、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、炭酸ポリエチレン、炭酸ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン芳香族ポリエステル、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリエチレンは低密度ポリエチレンである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第2のレセプタクル中に複数の第2のガラス粒子を配置する工程であって、前記複数の第2のガラス粒子は、第2の成形温度で成形可能である第2のガラスを含む、工程と、
前記第2のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、
第2の障壁を含む第2の容器を形成するために前記第2のレセプタクルを密封する工程であって、前記第2の障壁は第2の内部空間を画定し、前記複数の第2のガラス粒子は、前記第2の内部空間の少なくとも一部を占有し、前記第2の障壁は、前記第2の成形温度より低い第2の分解温度を有する第2の材料を含む、工程と、
前記第1のレセプタクルを密封する工程の前に、前記第1のレセプタクル内に前記第2の容器を配置する工程と、を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のガラス粒子は微小粒子を含み、前記第2のガラスは第2のガラス転移温度及び第2の結晶化開始温度を有し、前記第2のガラス転移温度と前記第2の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第2のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%のSiO2、0〜20重量%のB2O3、及び0〜40重量%のP2O5を含む組成を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のレセプタクルは複数のチャンバを含み、前記第1のレセプタクルの中に前記複数の第1のガラス粒子を配置する前記工程は、第1のチャンバの中に前記粒子を配置する工程を含み、前記方法は、第2のチャンバの中に第2の複数のガラス粒子を配置する工程を更に含み、前記第1のレセプタクルを密封する前記工程は、前記内部空間が、前記第1の複数のガラス粒子を第1の内部空間内で密封し、前記第2の複数のガラス粒子を第2の内部空間内で密封して、複数の密封チャンバを形成するように、前記第1の容器を形成する、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のガラス粒子は微小粒子を含み、前記第2のガラスは、第2のガラス転移温度及び第2の結晶化開始温度を有し、前記第2のガラス転移温度と前記第2の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第2のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%のSiO2、0〜20重量%のB2O3、及び0〜40重量%のP2O5を含む、請求項31に記載する方法。
【請求項33】
物品を成形する方法であって、
型穴の中に請求項1に記載の成形可能な物品の1つ以上を配置する工程と、
前記第1の材料を分解し、前記第1のガラス粒子を合着させるために、前記第1の分解温度を超え、かつ前記第1のガラス転移温度を超える温度に前記型穴を加熱し、前記第1のガラスを含む成形物品を提供する工程と、を含む、方法。
【請求項34】
前記成形物品の表面から前記第1の材料の残留物を除去するために、必要に応じて前記成形物品を処理する工程を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
残留物を除去するために必要に応じて前記成形物品を処理する前記工程は、前記成形物品の前記表面を研磨する工程を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
残留物を除去するために必要に応じて前記成形物品を処理する前記工程は、前記成形物品の前記表面を化学的に処理する工程を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
型穴の中に請求項1に記載の成形可能な物品の1つ以上を配置する前記工程は、前記型穴の中に事前に成形された部分を配置する工程を更に含み、前記成形物品が、前記第1のガラスに付着された前記事前に成形された部分を含むようにする、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
物品を成形する方法であって、
型穴の中に請求項13に記載の成形可能な物品の1つ以上を配置する工程と、
前記第1の材料を分解し、前記第1の複数のガラス粒子と前記第2の複数のガラス粒子とを合着させるために、前記第1の分解温度を超える温度に前記型穴を加熱し、第1の成形部分及び第2の成形部分を含む成形物品を提供する工程であって、前記第1の成形部分は、前記第2の成形部分に付着される、工程と、を含む、方法。
【請求項39】
物品を成形する方法であって、
型穴の中に請求項15に記載の成形可能な物品の1つ以上を配置する工程と、
前記第1の材料及び前記第2の材料を分解し、前記第1の複数のガラス粒子と前記第2の複数のガラス粒子とを合着させるために、前記型穴を加熱し、第2の成形部分に付着された第1の成形部分を含む成形物品を提供する工程と、を含む、方法。
【請求項1】
成形可能な物品であって、
第1の材料からなる第1の障壁と、前記第1の障壁内の内部空間とを含む第1の容器と、
前記内部空間内に収容され、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する第1のガラスを含む、複数の第1のガラス粒子であって、前記複数の第1のガラス粒子は前記第1の成形温度で成形可能であり、前記第1のガラス転移温度と前記第1の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第1のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5、を含む組成を有する、複数の第1のガラス粒子と、を含み、
前記第1の材料は、前記第1の成形温度未満の第1の分解温度を有する、物品。
【請求項2】
前記第1のガラス粒子は微小粒子を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1の材料はポリマーを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記ポリマーは、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、炭酸ポリエチレン、炭酸ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン芳香族ポリエステル、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の物品。
【請求項6】
前記ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の物品。
【請求項7】
前記ポリエチレンは、低密度ポリエチレンである、請求項4に記載の物品。
【請求項8】
前記第1の材料は、可撓性である、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記第1の材料は剛性である、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記第1の材料は紙である、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記内部空間は、実質的に水蒸気を含まない、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記内部空間は、ヘリウム、ネオン、クリプトン、アルゴン、キセノン、窒素、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される不活性ガスを含む雰囲気を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項13】
前記内部空間は、少なくとも第1の内部空間と第2の内部空間とに分割され、前記複数の第1のガラス粒子は、前記第1の内部空間内に収容され、複数の第2のガラス粒子は、前記第2の内部空間内に収容され、前記第2のガラス粒子は、前記第1のガラスの前記組成と異なる組成を有する第2のガラスを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記第2のガラス粒子は微小粒子を含み、前記第2のガラスは、第2のガラス転移温度及び第2の結晶化開始温度を有し、前記第2のガラス転移温度と前記第2の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第2のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5を含む、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
第2の材料からなる第2の障壁と、前記第2の障壁内の第2の内部空間とを含む、第2の容器であって、全体が前記第1の容器の前記内部空間内にある、第2の容器と、
前記第2の内部空間内に収容される複数の第2のガラス粒子であって、前記複数の第2のガラス粒子及び前記複数の第1のガラス粒子が、互いに分離するようにし、前記複数の第2のガラス粒子は第2のガラスを含み、かつ第2の成形温度で成形可能である、第2のガラス粒子と、を更に含む、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
前記第2のガラスは、第2のガラス転移温度及び第2の結晶化開始温度を有し、前記第2のガラス転移温度と前記第2の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第2のガラスは、前記第1のガラスの前記組成と異なる組成を有し、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5を含む、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記第2の材料は、前記第2の成形温度未満の第2の分解温度を有する、請求項15に記載の物品。
【請求項18】
前記第2の材料は、前記第1の材料と同じである、請求項15に記載の物品。
【請求項19】
前記第1の成形温度は、約300℃以上である、請求項1に記載の物品。
【請求項20】
成形可能な物品を作製する方法であって、
第1のレセプタクルの中に複数の、第1のガラス転移温度及び第1の結晶化開始温度を有する第1のガラスの粒子を配置する工程であって、前記複数の第1のガラス粒子は第1の成形温度で成形可能であり、前記第1のガラス転移温度と前記第1の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第1のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物を含む組成を有する、工程と、
前記第1のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、
第1の障壁を含む第1の容器を形成するために前記第1のレセプタクルを密封する工程であって、前記第1の障壁は内部空間を画定し、前記複数の第1の微小粒子は、前記内部空間の少なくとも一部を占有し、前記内部空間は、実質的に水を含まず、前記第1の障壁は、前記第1の成形温度より低い第1の分解温度を有する第1の材料を含む、工程と、を含む、方法。
【請求項21】
前記第1のガラス粒子は微小粒子であり、前記第1のガラスは、0〜20重量%未満のSiO2、0〜20重量%未満のB2O3、及び0〜40重量%未満のP2O5を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
捕捉された水分を除去する前記工程は、前記第1のガラス粒子を加熱する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
捕捉された水分を除去する前記工程は、前記第1のレセプタクルを密封する前記工程の前に、不活性ガスで前記第1のレセプタクルをパージする工程を更に含み、前記不活性ガスは、ヘリウム、ネオン、クリプトン、アルゴン、キセノン、窒素、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
捕捉された水分を除去する前記工程は、前記第1の容器内に減少した気圧を提供するために前記第1の容器を少なくとも部分的に排気する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の材料は、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、炭酸ポリエチレン、炭酸ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン芳香族ポリエステル、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び前述のもののうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリエチレンは低密度ポリエチレンである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第2のレセプタクル中に複数の第2のガラス粒子を配置する工程であって、前記複数の第2のガラス粒子は、第2の成形温度で成形可能である第2のガラスを含む、工程と、
前記第2のガラス粒子から、捕捉された水分を除去する工程と、
第2の障壁を含む第2の容器を形成するために前記第2のレセプタクルを密封する工程であって、前記第2の障壁は第2の内部空間を画定し、前記複数の第2のガラス粒子は、前記第2の内部空間の少なくとも一部を占有し、前記第2の障壁は、前記第2の成形温度より低い第2の分解温度を有する第2の材料を含む、工程と、
前記第1のレセプタクルを密封する工程の前に、前記第1のレセプタクル内に前記第2の容器を配置する工程と、を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のガラス粒子は微小粒子を含み、前記第2のガラスは第2のガラス転移温度及び第2の結晶化開始温度を有し、前記第2のガラス転移温度と前記第2の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第2のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%のSiO2、0〜20重量%のB2O3、及び0〜40重量%のP2O5を含む組成を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のレセプタクルは複数のチャンバを含み、前記第1のレセプタクルの中に前記複数の第1のガラス粒子を配置する前記工程は、第1のチャンバの中に前記粒子を配置する工程を含み、前記方法は、第2のチャンバの中に第2の複数のガラス粒子を配置する工程を更に含み、前記第1のレセプタクルを密封する前記工程は、前記内部空間が、前記第1の複数のガラス粒子を第1の内部空間内で密封し、前記第2の複数のガラス粒子を第2の内部空間内で密封して、複数の密封チャンバを形成するように、前記第1の容器を形成する、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のガラス粒子は微小粒子を含み、前記第2のガラスは、第2のガラス転移温度及び第2の結晶化開始温度を有し、前記第2のガラス転移温度と前記第2の結晶化開始温度との間の差異は、少なくとも約5°K(−268℃)であり、前記第2のガラスは、少なくとも2つの金属酸化物、0〜20重量%のSiO2、0〜20重量%のB2O3、及び0〜40重量%のP2O5を含む、請求項31に記載する方法。
【請求項33】
物品を成形する方法であって、
型穴の中に請求項1に記載の成形可能な物品の1つ以上を配置する工程と、
前記第1の材料を分解し、前記第1のガラス粒子を合着させるために、前記第1の分解温度を超え、かつ前記第1のガラス転移温度を超える温度に前記型穴を加熱し、前記第1のガラスを含む成形物品を提供する工程と、を含む、方法。
【請求項34】
前記成形物品の表面から前記第1の材料の残留物を除去するために、必要に応じて前記成形物品を処理する工程を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
残留物を除去するために必要に応じて前記成形物品を処理する前記工程は、前記成形物品の前記表面を研磨する工程を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
残留物を除去するために必要に応じて前記成形物品を処理する前記工程は、前記成形物品の前記表面を化学的に処理する工程を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
型穴の中に請求項1に記載の成形可能な物品の1つ以上を配置する前記工程は、前記型穴の中に事前に成形された部分を配置する工程を更に含み、前記成形物品が、前記第1のガラスに付着された前記事前に成形された部分を含むようにする、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
物品を成形する方法であって、
型穴の中に請求項13に記載の成形可能な物品の1つ以上を配置する工程と、
前記第1の材料を分解し、前記第1の複数のガラス粒子と前記第2の複数のガラス粒子とを合着させるために、前記第1の分解温度を超える温度に前記型穴を加熱し、第1の成形部分及び第2の成形部分を含む成形物品を提供する工程であって、前記第1の成形部分は、前記第2の成形部分に付着される、工程と、を含む、方法。
【請求項39】
物品を成形する方法であって、
型穴の中に請求項15に記載の成形可能な物品の1つ以上を配置する工程と、
前記第1の材料及び前記第2の材料を分解し、前記第1の複数のガラス粒子と前記第2の複数のガラス粒子とを合着させるために、前記型穴を加熱し、第2の成形部分に付着された第1の成形部分を含む成形物品を提供する工程と、を含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−513371(P2012−513371A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543528(P2011−543528)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/065647
【国際公開番号】WO2010/074873
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/065647
【国際公開番号】WO2010/074873
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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