説明

成形品を正確な寸法に焼結する方法

【課題】 従来の技術の方法及び焼結されるユニットを、以下のように、即ち、簡単なステップ及び構造的に簡単な措置によって、多孔性のセラミック材料からなる成形品の焼結の際に、形状の変化が生じないことが保証されるように、改善する。
【解決手段】 支持体を、成形品を少なくとも部分的に囲むように取り巻くブランクの部分として、ブランクから材料切除加工により製造する。支持体は、一方では、少なくとも一つの第一の結合手段を介して、成形品に結合されており、他方では、少なくとも一つの第二の結合手段を介して、支持体を部分的に間隔を空けて取り囲むブランクの残留部分に結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性のセラミック材料からなるブランクから製造される成形品、特に歯科用の再形成品(Rekonstruction)を、正確な寸法に焼結する方法に関する。成形品は、焼結の間、横材のような少なくとも一つの第一の結合手段を介して、ブランクから製造される支持体に結合されている。更に、本発明は、多孔性のセラミック材料からなるブランクの部分としてのブランクの残留部分(Restrohling)に関する。ブランクの残留部分は、ブランクから材料切除によって製造され且つブランクの残留部分と一体的に結合されている成形品を有する。
【背景技術】
【0002】
明細書の最初の部分に記載のタイプの方法は、EP 1 154 969 B1 から公知である。セラミック材料からなる成形品の焼結の際に、体積の減少即ち収縮の発生の故に、形状の変化が、焼結される成形品と、この成形品を支持する台との間の相対移動によってなされることを阻止するために、成形品が、保持用横材のような可動の支持体上にまたはローラ上に支持されていることが提案されている。成形品及びこの成形品から一体的に出ている横材を、同様に成形品と共にブランクから材料切除によって製造されている焼成台に結合する可能性もある。複数個構成のブリッジの場合、ブリッジの各要素から横材が出ている。
【0003】
このことによって、台の変形の際に、形状の変化が、複数の構成要素のうちの1にのみ伝えることになり、これにより、これらの構成要素の間の相対移動従ってまた望ましくない形状変化が生じることがあるという欠点が生じている。
【0004】
WO-A-99/47065 及び WO-A-02/45614 は、多孔性のセラミック材料からなるブランクから焼結によって製造される義歯部分に関する。このためには、ブランクは、フレームによって保持される。その目的は、フライス切削加工によって義歯を製造するためである。義歯は、ここでは、先ず、横材を介して、ブランクのうち残されているブランクの残留部分に結合される。これらの横材は、加工の最後に分離される。分離箇所は、次に、平滑に研磨される。続いて、焼結がなされる。
【0005】
WO-A-2005/051220 からは、成形品としてのキャップを製造するための方法が公知である。ここでは、成形品は、ブランクから加工され、成形品をブランクから外す前に、このブランクは、1つまたは複数の横材を介して、ブランクの残留部分に結合されたままである。これらの横材は、続いて、分離される。次に、十分な焼結がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第 EP 1 154 969 B1 号明細書
【特許文献2】国際特許公開第 WO-A-99/47065 号パンフレット
【特許文献3】国際特許公開第 WO-A-02/45614 号パンフレット
【特許文献4】国際特許公開第 WO-A-2005/051220 号パンフレット
【発明の概要】
【0007】
本発明の課題は、明細書の最初の部分に記載のタイプの方法及び焼結されるユニットを、以下のように、即ち、簡単なステップ及び構造的に簡単な措置によって、多孔性のセラミック材料からなる成形品の焼結の際に、形状の変化が生じないことが保証されるように、改善することである。
【0008】
方法においては、課題は、実質的に、以下のことによって、即ち、支持体を、成形品を少なくとも部分的に囲むように取り巻く、ブランクの部分として、材料切除加工によって製造し、支持体は、一方では、少なくとも一つの第一の結合手段を介して、成形品に結合されており、他方では、少なくとも一つの第二の結合手段を介して、支持体を部分的に間隔を空けて取り巻くブランクの残留部分(Restrohling)に結合されていることによって、解決される。
【0009】
特に提案されているのは、支持体が、材料削除加工によって、特に、ブランクのフライス切削によって製造され、支持体は、成形品を囲むように取り巻き、かくて、ブランクから加工、例えばフライス加工されて、支持体は、一方では、第一の膜および/または少なくとも二つの第一の横材即ち結合手段を介して、成形品に結合されており、他方では、第二の膜および/または少なくとも二つの第二の横材即ち結合手段を介して、残されているブランクの残留部分に結合されていることである。
【0010】
従来の技術と異なって、焼結される成形品は、支持体によって、好ましくは囲むように取り巻かれ、支持体と共に焼結され、支持体は、焼結の間、支えとして用いられる。このことによって、成形品に、形状を不正確にする変化が生じることなく、体積の、正確な寸法の減少がなされることが保証される。この場合、上記のように、支持体自体が、台上での支えとして用いられることは好ましい。この目的のためには、成形品が、支持体の外面の少なくとも一つの部分に対し後退して延びており、この部分では、ブランクの残留部分が、焼結の際に、台に位置決めされることが提案される。
【0011】
しかしながら、支持体が、焼結の際に、成形品及びブランクの残留部分と共に結合されたままであり、それ故に、このようなユニットが一緒に十分に焼成されることは、本発明に含まれる。このような措置であっても、形状の不正確がなされることなく、体積の、正確な寸法の減少がなされることが保証されている。というのは、ブランクの残留部分が、好ましくは幾つかの点で、例えば横材によって形成されている第二の結合手段を介して、支持体に結合されているからである。
【0012】
しかしながら、成形品と支持体の間の結合手段および/または支持体とブランクの間の結合手段が、成形品を取り囲む膜の形態で、あるいは、膜の複数の部分によって形成される可能性もある。複数の互いに支持された要素の間の、膜によって引き起こされた、材料の減少によって、同様に、成形品が正確な寸法に十分に焼結されることができることが保証されている。
【0013】
これとは別に、支持体及び成形品が、成形品の外周面に亘って均等に延びている、横材のような複数の第一の結合手段を介して、結合されていることが提案されている。支持体は、同様に、複数の、好ましくは横材状の第二の結合手段を介して、ブランクの残留部分に結合されている。これらの第二の結合手段は、同様に、周面に亘って、均等にまたは実質的に均等に分配されているほうが良い。
【0014】
更に、第一の及び第二の結合手段は、互いにずれて設けられているほうが良い。この場合、第二の結合手段の数は、第一の結合手段の数よりも少なくても良い。
【0015】
本発明に係わる教示に基づいて、いわば浮遊状態の焼結が実行される。特に支持体、場合によってはブランクの残留部分および/または材料切除加工によってブランクから製造された部分が、焼結の際に、支え手段(Abstuetzmittel)として用いられる。
【0016】
本発明の実施の形態では、ブランクから複数の成形品が製造され、好ましくは、各々の成形品が、横棒のような少なくとも一つの第一の結合手段を介して、ブランクの残留部分から形成され且つこのブランクの残留部分から少なくとも部分的に間隔を空けられた支持体に結合されていることが提案されている。
【0017】
しかしながら、複数の成形品がブランクから加工される限りでは、複数の成形品が、横材のような結合手段または複数の膜および/またはこれらの膜の複数の部分を介して、互いに結合されており、これらの成形品は、全体として、フレームのような、焼結の際に支えとして用いられる支持体によって、少なくとも部分的に取り巻かれている。
【0018】
特に提案されているのは、ブランクとしてディスクが用いられ、平面が、残されているブランクの残留部分が台に位置決めされた部分であっても良いことである。
【0019】
しかしながら、支持体、即ち、成形品を取り巻くフレームが、ブランクの残留部分から取り外されて、十分に焼結が行なわれることは好ましい。この場合、支持体は、台上に位置決めされる。成形品と台との間のじかの接触はなされない。何故ならば、成形品は、台の領域で、支持体が台上に載っている領域に対し後退して延びているからである。
【0020】
しかしながら、ブランクをシリンダ形状または平行六面体形状で用いる可能性もある。
【0021】
ブランクから、少なくとも7個構成の歯科用のブリッジを、成形品として製造することは、特に好ましい。
【0022】
更に、本発明は、多孔性のセラミック材料からなるブランクの部分としてのブランクの残留部分に関する。このブランクの残留部分は、ブランクから材料切除によって製造され且つブランクの残留部分と一体的に結合された成形品を有する。本発明は、成形品が、少なくとも一つの第一の結合手段を介して、材料切除によってブランクから製造され且つ成形品を少なくとも部分的に間隔を空けて取り巻く支持体に結合されており、この支持体自体は、少なくとも一つの第二の結合手段を介して、ブランクの残留部分から間隔を空けて、このブランクの残留部分に結合されていることを特徴とする。この場合、成形品は、台上での支えとして用いられる、支持体および/またはブランクの残留部分の外側部分に対し、後退して延びている。
【0023】
ブランクの残留部分及び成形品は、ブランクから一体的に製造されており、同様にブランクから製造されている支持体を介して結合されている。一方では成形品と支持体との間及び他方では支持体とブランクの残留部分との間には、第一の及び第二の結合手段が設けられている。従って、成形品はブランクの残留部分に一体的に結合されている。
【0024】
しかしながら、焼結のためには、ブランクの残留部分を支持体から分離することは、好ましい。それ故に、支持体及び成形品のユニットが、焼結または十分に焼結される。
【0025】
特に提案されていることは、支持体は、間隔を空けて成形品を囲むように取り巻き、横材のような少なくとも二つの第一の結合手段を介して、成形品に結合されていることである。支持体が、成形品の外側輪郭に従う延びを有するフレームの、その形状を有する。
【0026】
支持体自体は、少なくとも二つの第一の及び二つの第二の結合手段を介して、成形品および/またはブランクの残留部分に結合されている。第一の及び第二の結合手段は、互いにずれて延びている。
【0027】
特に提案されているのは、複数の少なくとも第一の結合手段が、成形品の外側輪郭に沿って均等に分配されて支持体に結合されていることである。
【0028】
成形品が、複数個構成の、特に7個構成の歯科用のブリッジのような歯科用の成形品であることは好ましい。
【0029】
ブランクの大きさに応じて、更に、ブランクの残留部分が、複数の成形品を、一体構成要素として有するという可能性がある。
【0030】
成形品と支持体との間の、個々の点における結合を可能にすることが意図される横材の代わりに、結合手段を、膜として、フランジ切削によって製造することができる。膜は、成形品を、囲むように支持体に結合するか、あるいは、成形品を部分的に支持体に結合する。
【0031】
歯科用の再形成品(Rekonstruction)のような成形品を製造するために、従来よりも多く、セラミック材料が用いられる。この場合、未加工材料または予備焼結されたブランクが用いられる。何故ならば、これらの材料の加工が比較的容易だからである。成形品の製造後に、成形品は十分に焼結される。ブランクから製造される成形品が、後続の焼結収縮を正確に補償する膨張係数分だけ、すべての空間方向に直線に拡大されているので、焼結の際にひずみが生じないことが保証されている。
【0032】
寸法の正確な焼結を可能にするために、本発明では、多孔性セラミック材料からなる未加工材料または予備焼結された素材であるブランクは、ツール・マシンへ締め付けられ、次に、切削加工によって、特に粗フライス切削および/または精密フライス切削によって加工される。
【0033】
ブランクは、Al、TiO、MgO、Y及びジルシン・オキシド混晶Zr1ーxMe(4n/2)のグループの金属酸化物粉末からなるブランクであっても良い。Meは、酸化物の形態で、2価の、3価のまたは4価の陽イオンとしてあり、ジルシン・オキシド(Zirkinoxid)の正方相および/または立方相を安定化する金属である。ジルシン・オキシド混晶の式では、n=2,3または4である。更に、0≦x≦1が成り立つ。
【0034】
フランジ切削のために必要なデータは、ツール・マシンの制御電子機器を介して伝達され、これらのデータからは、ツールの適切な移動が導き出される。信号を得るために、通常は、モデルが前もってディジタル化され、あるいは、データが、ライブラリーから読み取られる。この点では、例えば WO-A-1999/47065 または WO-A-2002/45614 に記載されている既知の技術を参照されたい。このような開示内容を、参考として本発明に組み入れる。
【0035】
本発明の複数の他の詳細、利点及び特徴は、複数の請求項と、これらの請求項から読み取れる、単独および/または組合せで生じる複数の特徴とからのみならず、図面から見て取れる複数の好ましい実施の形態の以下の記述からも明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】成形品及び支持体を有するブランクの残留部分を示す。
【図2】図1に対応する、成形品及び支持体を有するブランクの残留部分の、その断面図を示す。
【図3】他の実施の形態に基づく、成形品及び支持体を有するブランクの残留部分の、その断面図を示す。
【図4】7個構成のブリッジを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
これら図を参照して、好ましくはディスク状のブランクから、成形品、実施の形態では、数個構成のブリッジ10が製造可能であることを明らかにする。この成形品は、ねじれの可能性が生じることなく、続いて、十分に焼結されることができる。この場合、各々の構成は、歯科技術的ユニットと見なされる。
【0038】
好ましい実施の形態の以下の記述では、基本的には、同一の要素に対し、同一の参照符号が用いられている。
【0039】
図1には、成形品10と、この成形品を取り巻き且つ支持体を形成するフレーム14と、このフレーム14を一方では成形品10に結合しまた他方ではブランクの残留部分12に結合する結合手段とを、切削加工によって加工した後の、ブランクの残留部分12、即ち、元々のブランクから残されている部分が、平面図で示されている。ブランクは、予備焼結されているか未加工物であっても良い。しかしながら、本発明は、予備焼結がなされないことも、本発明に含まれる。
【0040】
図1及び2の実施の形態では、これらの結合手段が、横材16,18,20,22,24として、形成されている。しかしながら、このことは、保護を限定するように理解されるべきではない。図3から明らかなように、結合手段を、成形品を取り巻く膜、または膜の部分あるいは膜と横材の組合せあるいは同じに作用する結合要素によっても実現することができる。簡略の理由から、以下、これらの結合要素を、横材として述べる。既述のように、横材の中に、他の適切な結合手段も包摂することができる。
【0041】
本発明では、先ず、成形品10を、次に、フレーム14をフライス切削によって製造する。その際、横材16,18,20,22,24を残す。その目的は、少なくともフレーム14及び成形品10を、続いて、ユニットとして焼結することができるようにするためである。この目的のためには、フレーム14を、横材16,18の切断によって、ブランクの残留部分12から分離することが、先ず必要である。
【0042】
しかしながら、ブランクの残留部分12が、ユニットであるフレーム14及び成形品10と共に、焼結されるだろうことも、本発明に含まれる。
【0043】
フレーム14は、ブランクの従ってまたブランクの残留部分12のディスクの全高を有することができる。これに対して、支持体即ちフレーム14のおよび/またはブランクの残留部分12の平面に対し平行に延びている、成形品10の側面が、前記平面から間隔を空けて延びており、あるいは、支持体14またはブランクの残留部分12が焼結の際に載っている面に向いている、少なくとも、成形品10の外面が、支持体に対して後退して延びている。
【0044】
当然ながら、焼結がブランクの残留部分12と共に実行されるとき、フレーム14も後退していても良い。
【0045】
フレーム14の形状は、以下のように算出される。即ち、フレーム14の形状は、成形品の形状の周りに荒削り用フライスの、中心の環状のコースから出発して、算出される。この形状から、フライスが、フライスの半径と、距離値と、フレームの厚みとフライスの半径から算出された数値分だけ離れて取り囲むように、外側へ投影される。
【0046】
フレーム14の幅は、1から10mm、しかし好ましくは、2mmから3mmであっても良い。フレーム14の高さは、用いられたブランクの高さであり、再形成品(Rekonstruction)を製造するための所定のフライス技術的な条件下では、この高さと異なっても良い。
【0047】
フレーム14と再形成品即ち成形品10との間の間隔は、フライスの倍の半径及び0.1mmから0.3mmの間隔値に等しいほうが良い。
【0048】
図1から明らかなように、成形品10即ち数個構成のブリッジと、フレーム14との間に延びている横材16,18,20,22,24は、成形品10の周囲に亘って均等に配設されているほうが良い。ここでは、成形品10がフレーム14に結合されるために用いられる横材20,22,24の数が、横材16,18の数よりも多いことは好ましい。後者の横材は、フレーム14から出ており、ブランクの残留部分12の縁部28に延びている。この縁部は、フレーム14を、囲むように取り巻いている。更に、フレーム14とブランクの残留部分12との間の横材16,18が、フレーム14を成形品10に結合させる横材20,22,24に対し互いにずれて延びているほうが良い。その目的は、成形品10と、フレーム14と、ブランクの残留部分12との間の所望の相対移動を可能にするためである。このことによって、正確な寸法の焼結が共に保証されている。
【0049】
フレーム14と、ブランクの循環する縁部28との間の間隔は、製造される再形成品の形状即ち成形品の形状に従って、選択されることができ、0mmと30mm、好ましくは0mmと3mmの間であっても良い。後者は、入手可能なブランク面の十分な利用を可能にする。この場合、0mmは、支持体即ちフレーム14の外縁が、ブランク自体の周面の部分に等しいことを意味する。
【0050】
横材16,18,20,22,24に関して、これらの横材が、円形のまたは楕円形の横断面を有することが可能であることを、コメントしなければならない。1つの横材の横断面は、0.5mmと13mmの間、好ましくは1mmと3mmの間にあるほうが良い。
【0051】
横材20,22,24の、成形品10への取付けは、各々の冠の適合縁部でなく、各々の歯科用のユニットの最大の横断面でなされるほうが良い。
【0052】
横材の数は、歯科用のユニットにつき、0から2、好ましくは1である。数個構成のブリッジの場合、従って、歯科用のユニットの各々の要素が、1本の横材を介して、フレームに結合されていなくても良い。成形品10が只1つの歯科用のユニットから構成されるとき、横材の数は、少なくとも2である。
【0053】
その代わりに、0.1mmと1mmの間の、好ましくは0.3mmと0.5mmの間の範囲の厚みを有するほうが良い膜を介して、フレーム14を成形品10に結合させる可能性がある。その代わりに、結合手段を、成形品10の周方向に0.5mmと5mmの間、好ましくは1mmと3mmの間の長さを有するほうが良い、膜の複数の部分領域によって、製造することができる。
【0054】
選択された構成によって、成形品10を、いわば浮遊状態で焼結する。
【0055】
成形品10の十分な焼結後に、横材20,22,24を成形品10から分離し、突起を場合によっては再加工する。
【0056】
実施の形態で、ブランクから、只1つの成形品10が加工されているとき、複数の成形品を1つのブランクで同時に製造する可能性が容易にある。複数の成形品は、前記のように、横材のような1つまたは複数の結合手段を介して、以下の支持体に結合されている。支持体自体は、横材のような他の結合手段を介して、ブランクの残留部分から間隔を空けて延びている。この場合、各々の成形品に、別のフレームが割り当てられており、複数の成形品に、共通のフレームが割り当てられていても良い。
【0057】
図面からは、フレーム14が、成形品10の外側輪郭に対し実質的に平行に延びていることが明らかになる。更に、フレーム14と成形品10との間の間隔、即ち、互いに向かい合っている領域が、用いられるツール、例えばフライスの有効な直径よりも遥かには大きくない間隔を有するほうが良い。同様なことは、フレーム14の周面と、ブランクの残留部分12の境界縁部即ち縁部28との間隔に関して、当てはまる。この場合、縁部28は、好ましくはフレーム14の外側輪郭または周辺輪郭に従う延びを有する。
【0058】
実施の形態では、成形品10のための支持体が、フレーム14として記載されてあっても、このことによって、本発明の限定がなされるわけではない。むしろ、他の構造または形状も可能であり、従って、本発明に含められる。
【0059】
図2は、図1の基本に対応しており、従って、ブランクの残留部分12の断面を示す。しかしながら、形状に関しては、図1と比較して、違いがある。それにもかかわらず、横材16,18,20,22,24が基本的に示されている。これらの横材を介して、成形品10が、支持体即ちフレーム14に結合されており、フレームがブランクの残留部分12に結合されている。
【0060】
図1と2の比較から、ブランクがディスクであることが分かる。
【0061】
前述のように、成形品10と支持体14の間の及び支持体とブランクの残留部分12との間の結合手段が、横材16,18,20,22,24によってのみならず、基本的に図3の断面図から見て取れるように、膜または膜の部分によっても作られることができる。かくして、成形品10は、膜または膜34,36を介して、支持体14に結合されている。支持体自体は、膜30,32または膜の部分を介してブランクの残留部分12に結合されている。
【0062】
更に、図4には、本発明の方法を用いて製造された7個構成のブリッジ38が見て取れる。
【符号の説明】
【0063】
10…成形品、12…ブランクの残留部分、14…フレーム、支持体、16…結合手段、横材、18…結合手段、横材、20…結合手段、横材、22…結合手段、横材、24… 結合手段、横材、34…結合手段、膜、36…結合手段、膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性のセラミック材料からなるブランクから製造される成形品(10)、特に歯科用の再形成品を、正確な寸法に焼結する方法であって、前記成形品は、焼結の間、横材のような少なくとも一つの第一の結合手段(20,22,24)を介して、前記ブランクから製造される支持体(14)に結合されている、方法において、
前記支持体(14)を、前記成形品(10)を少なくとも部分的に囲むように取り巻く、前記ブランクの部分として、材料切除加工によって、前記ブランクから製造し、
前記支持体は、製造後に、一方では、前記少なくとも一つの第一の結合手段(20,22,24,34,36)を介して、前記成形品に結合されており、他方では、少なくとも一つの第二の結合手段(16,18,30,32)を介して、前記支持体を部分的に間隔を空けて取り巻く、前記ブランクの残留部分(12)に結合されていること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
前記支持体(14)は、前記成形品を囲むように取り巻き、前記ブランクから、例えばフライス加工により、加工され、
前記支持体は、一方では、第一の膜(34,36)またはこの膜の複数の部分を介して、および/または、少なくとも二つの第一の横材即ち結合手段(20,22,24)を介して、前記成形品に結合されており、他方では、第二の膜(30,32)またはこの膜の複数の部分を介して、および/または、少なくとも二つの第二の横材即ち結合手段(16,18)を介して、残されている前記ブランクの残留部分(12)に結合されていること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも前記成形品(10)は、前記ブランクの残留部分(12)および/または前記支持体(14)の外面の少なくとも一つの部分に対し後退して延びており、この部分で、前記ブランクの残留部分(12)が、焼結の際に、台に位置決めされ、
特に、前記成形品(10)及び前記支持体(14)は、前記ブランクの残留部分(12)の前記外面の前記少なくとも一つの部分に対し後退して延びていること、
を特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記支持体(14)を、十分な焼結の前に、前記成形品(10)と共に、前記ブランクの残留部分(12)から分離することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記支持体(14)の高さは加工されないままであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ブランクから、複数の成形品(10)を製造し、
好ましくは、各々の成形品が、横材のような少なくとも一つの第一の結合手段(16,18)および/または膜を介して、前記ブランクの残留部分(12)から形成された前記支持体(14)に結合されたままであり、
場合によっては、各々の成形品(10)は、別個の支持体(14)によって取り巻かれ、あるいは、複数の成形品(10)は、共通の支持体(14)によって取り巻かれること、
を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記成形品(10)は、支持体(14)であるフレームによって取り巻かれ、このフレームの延びは、前記成形品の周囲の輪郭に従っており、
好ましくは、ブランクとしてディスクが用いられること、
を特徴とする請求項1または6に記載の方法。
【請求項8】
前記ブランクから、少なくとも7個構成の歯科用のブリッジ(38)を、成形品(10)として製造することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
多孔性のセラミック材料からなるブランクの部分としてのブランクの残留部分(12)であって、前記ブランクから材料切除によって製造され且つ前記ブランクの残留部分と一体形成されている成形品(10)を有し、
前記成形品(10)は、少なくとも一つの第一の結合手段(20,22,24,34,36)を介して、材料切除によって前記ブランクから製造され且つ前記成形品を少なくとも部分的に間隔を空けて取り巻く支持体(14)に結合されており、
この支持体自体は、少なくとも一つの第二の結合手段(16,18,30,32)を介して、前記ブランクの残留部分(12)から間隔を空けて、このブランクの残留部分に結合されていること、
を特徴とするブランクの残留部分。
【請求項10】
少なくとも前記成形品(10)は、前記支持体(14)のおよび/または前記ブランクの残留部分(12)の、台上での支えとして用いられる外側部分に対し後退して延びており、
特に、成形品(10)及び前記支持体(14)は、前記ブランクの残留部分(12)の外側部分に対し後退して延びていること、
を特徴とする請求項9に記載のブランクの残留部分。
【請求項11】
前記支持体(14)は、前記成形品を囲むように取り巻き、横材のような少なくとも二つの第一の結合手段(20,22,24,34,36)、および/または、少なくとも部分的に、前記ブランクから加工された膜を介して、前記成形品に結合されていること、および/または、
前記支持体(14)は、横材のような少なくとも二つの第二の結合手段(16,18,30,32)および/または膜を介して、前記ブランクの残留部分(12)に結合されていること、
好ましくは、前記第一の結合手段は、前記第二の結合手段に対しずれて設けられていること、
を特徴とする請求項9または10に記載のブランクの残留部分。
【請求項12】
前記成形品(10)と前記支持体(14)との間の間隔は、前記成形品を前記ブランクから加工するツールの有効径とほぼ同一であること、および/または、
前記支持体(14)と、この支持体を取り巻く、前記ブランクの残留部分(12)の縁部(28)との間の間隔は、少なくとも部分的に、前記支持体を加工する前記ツールの有効径とほぼ同一であること、
を特徴とする請求項9または11の何れか1項に記載のブランクの残留部分。
【請求項13】
前記支持体(14)は、前記成形品(10)の外側輪郭に従う形状を有するフレームであること、および/または、
前記支持体(14)を取り巻き且つこの支持体に向いた、前記ブランクの残留部分(12)の縁部(28)は、少なくとも部分的に、前記支持体の周囲の輪郭に従っていること、
を特徴とする請求項9に記載のブランクの残留部分。
【請求項14】
前記支持体(14)の外縁が、部分的に前記ブランクの外縁の部分であることを特徴とする請求項9に記載のブランクの残留部分。
【請求項15】
前記成形品(10)は、歯科用の成形品、好ましくは、少なくとも7個構成のブリッジ(38)であることを特徴とする請求項9に記載のブランクの残留部分。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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