説明

成形方法および成形装置

【課題】耐力が大きく、かつ、延性に乏しいチタン合金板から、例えば航空機の翼前縁部位やナセル回り部位を、スピニング成形によって、構成できる技術を提供することである。
【解決手段】棒状工具を用いたスピニング成形によってチタン合金材を成形する方法であって、
スピニング成形に際して、高周波誘導加熱によって、前記棒状工具による前記チタン合金材に対する作用点を局所的に加熱して成形する加熱成形工程を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタン合金材の成形技術に関する。特に、チタン合金材のスピニング成形技術に関する。
【背景技術】
【0002】
しごきスピニング成形(回転しごき加工をも含む)や絞りスピニング成形は、板材製品の少量生産、かつ、低コスト成形の代表的な加工技術である。この種の加工技術は、これまで、主として、回転対称製品に適用されて来た。ところが、近年、偏心NCスピニング成形技術(装置)が開発(例えば、特開2005−211969号公報参照)され、実用化が進んで来た。これにより、単純な回転対称以外の形状、例えば楕円錐台とか角錐台と言った形状の製品も提供され始めている。
【0003】
ところで、純チタン材は、耐力が小さく、かつ、延性に富むことから、上記スピニング成形によって、加工することが行なわれて来た。
【0004】
しかしながら、チタン合金は、耐力が大きく、かつ、延性に乏しいことから、スピニング成形による加工は不可能と言われて来た。
【0005】
さて、航空機の構造材として炭素強化繊維(CFRP)が注目を浴びている。しかしながら、CFRPだけで航空機が構成されるものでは無い。例えば、破壊エネルギー吸収特性が要望される翼前縁や、高温強度が要望されるナセル回りの箇所(部材)を、CFRPで構成することは出来ない。斯かる箇所は金属材で構成せざるを得ないのが現状である。ところで、例えばAl合金板で前記部位を構成させ、そしてAl合金板とCFRPとが接合された場合、この接合箇所にあっては、Al合金と炭素繊維との間の電位差が比較的大きな為、腐食が発生し易い。又、Al合金とCFRPとの間では熱膨張差が大きい。これに対して、チタン合金が採用されたならば、上記欠点が大幅に改善される。すなわち、チタン合金と炭素繊維とは電気化学的特性が似ており、又、チタン合金とCFRPとは熱膨張差が小さい特徴を持っている。このようなことから、前記部位などをチタン合金で構成したいと言う要望が強く有った。とは言うものの、前述の通り、チタン合金は、耐力が大きく、かつ、延性に乏しいことから、翼前縁部位やナセル回り部位を、スピニング成形によって、チタン合金で構成することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−38525号公報
【特許文献2】特開平5−104160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、「成形装置、特に成形ステップの前またはその間または後に板金を熱処理するスピニング装置において板金から加工物を成形する方法であって、前記熱処理が加工物の誘導加熱により前記成形装置で実施される方法」「本装置に次のように動作される。すなわち、加工物2を締め付けた後、直ちに熱処理を実施するかまたはスピニングローラー(図略)を用いて通常通りスピニングを実施するかのいずれかを行うことができる。熱処理を実施するときは、誘導加熱コイル5および急冷ノズル6は所定の方法により加工物2に向けて移動される。加工物はそのスピニング工程回転速度を維持するか異なる回転速度で駆動される。誘導加熱コイル5は開閉装置(図略)を介して作動され、さらに急冷ノズル6に対する給水(図略)が開放される。加工物2が誘導加熱コイル5の下方を通過するとき、加工物2は断面方向に要求された温度まで加熱され、次に引き続いて急冷ノズル6を通過させることにより直ちに急冷される。この工程は、加工物2が少なくとも1回転するまで実施される。このようにして、一部成形された加工物は、十分な変形または仕上げスピニングにおける所望の程度の歪硬化を実現するために溶体化処理が可能になる。完成した加工物は溶液熱処理が可能になり、さらに熱処理に起因するゆがみを除去するために他のスピニングステップが行われる。完成した成品は歪解放または球状化処理に課される。」の開示が有る。
【0008】
この特許文献1より、チタン合金材のスピニング成形を行う場合に、誘導加熱により加熱されることが読み取れる。しかしながら、誘導加熱によって如何なる加熱が行われるかは不明である。すなわち、引用文献1の記載を参照して、チタン合金板で翼前縁部位やナセル回り部位を構成しようとしても、如何にすれば良いかが不明である。従って、特許文献1を参照しても、チタン合金板で翼前縁部位やナセル回り部位をスピニング成形で構成することは出来なかった。
【0009】
特許文献2には、「素材板を二次成形品に、特に容器底部に金属スピニングする方法であって、前記素材板をその周囲で締め付けると共に仕上げ寸法が得られるまでクリアランス中に押し込める方法」「スピニングのための高温動作温度は二段加熱による素材板の再結晶化温度以下であり、全体の素材板は基本的には前記動作温度以下の第一温度に加熱されると共にその温度に保持され、さらに素材板の一部のみがスピニングの前に前記動作温度に加熱される上記素材板を二次成形品に金属スピニングする方法」「素材板は熱風を循環させることにより前記第一温度に加熱される上記の方法」「前記個々の部分は非コヒーレント光またはコヒーレント光(赤外)には動作温度に加熱される上記の方法」の開示が有る。但し、特許文献2に記載の有る金属材はAl合金のみである。チタン合金についての開示は皆無である。
【0010】
ところで、この特許文献2に開示の装置を用いて、チタン合金板で翼前縁部位やナセル回り部位を構成することは出来なかった。例えば、チタン合金板に亀裂と言った損傷が起きていた。
【0011】
従って、本発明が解決しようとする課題は、耐力が大きく、かつ、延性に乏しいチタン合金板から、例えば航空機の翼前縁部位やナセル回り等の部位を、スピニング成形によって、構成できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
チタン合金をスピニング成形する場合の困難性についての検討が、本願発明者によって、鋭意、推し進められて行った結果、チタン合金は、耐力が大きく、かつ、延性に乏しいことに起因するからであることが判って来た。そこで、耐力を小さく、かつ、延性に富ませる為に、チタン合金を加熱した状態にてスピニング成形を試みた。ところが、予想に反して、出来た成形品には損傷が大きく認められた。この原因についての検討が更に推し進められて行った結果、チタン合金を全般的に加熱しているからであることが判って来た。すなわち、スピニング成形済みの箇所も加熱していた為、この成形済みの箇所も耐力が小さくなっており、それ故、加工に伴うストレスによって損傷が起きていることが判った。そして、チタン合金材を加熱するにしても、成形済みの箇所は出来るだけ速く加熱状態から開放されることが好ましいことが判った。つまり、加熱部位は、スピニング成形装置の棒状工具が作用する作用点(作用点近傍)の局所的なものであることが大事であることが判った。
【0013】
上記知見に基づいて本発明が達成されたものである。
【0014】
すなわち、前記の課題は、
棒状工具を用いたスピニング成形によってチタン合金材を成形する方法であって、
スピニング成形に際して、高周波誘導加熱によって、前記棒状工具による前記チタン合金材に対する作用点を局所的に加熱して成形する加熱成形工程
を具備することを特徴とするチタン合金材スピニング成形方法によって解決される。
【0015】
又、棒状工具および成形型を用いたスピニング成形によってチタン合金材を成形する方法であって、
スピニング成形に際して、高周波誘導加熱によって、前記棒状工具による前記チタン合金材に対する作用点を局所的に加熱して成形する加熱成形工程と、
前記加熱成形工程による成形済箇所が前記成形型に当接して該成形型からの放熱により該成形済箇所が冷却される冷却工程
とを具備することを特徴とするチタン合金材スピニング成形方法によって解決される。
【0016】
又、上記チタン合金材スピニング成形方法であって、好ましくは、チタン合金材の未成形箇所と棒状工具との間に高周波誘導加熱用コイルがセットされて局所的な加熱が行われることを特徴とするチタン合金材スピニング成形方法によって解決される。
【0017】
又、上記チタン合金材スピニング成形方法であって、好ましくは、成形済箇所では加熱が行われないようにすることを特徴とするチタン合金材スピニング成形方法によって解決される。
【0018】
又、上記チタン合金材スピニング成形方法であって、スピニング成形が絞りスピニング成形、又はしごきスピニング成形であることを特徴とするチタン合金材スピニング成形方法によって解決される。
【0019】
前記の課題は、
スピニング成形によってチタン合金材を成形するチタン合金材スピニング成形装置であって、
前記成形装置は、
所定形状の成形型と、
棒状工具と、
高周波誘導加熱装置
とを具備してなり、
前記成形型に配された前記チタン合金材に対して前記棒状工具を作用せしめる際、前記高周波誘導加熱装置によって前記棒状工具による前記チタン合金材に対する作用点が局所的に加熱されるよう構成されてなる
ことを特徴とするチタン合金材スピニング成形装置によって解決される。
【0020】
又、上記チタン合金材スピニング成形装置であって、好ましくは、高周波誘導加熱装置の誘導加熱用コイルがチタン合金材の未成形箇所と棒状工具との間に配されて局所的な加熱が行われるよう構成されてなることを特徴とするチタン合金材スピニング成形装置によって解決される。
【発明の効果】
【0021】
高耐力チタン合金材がスピニング成形により成形加工できるようになった。これまでチタン合金材をスピニング成形することは困難とされて来た訳であるが、コストが嵩まないスピニング成形技術が利用できるようになり、素材そのもののチタン合金コストは高いものの、成形技術にコストが嵩まないことから、相対的に安価なコストでチタン合金製品が得られるようになった。多品種少量生産の分野の製品、例えば航空機部品にあっては、福音が非常に大きい。
【0022】
本発明が採用した高周波誘導加熱装置にあっては、チタン合金材に発生する発熱量が誘導コイルとチタン合金材との距離の二乗に反比例するから、誘導コイルとの距離が近い箇所では高い温度に加熱され、誘導コイルとの距離が遠い箇所ではほとんど加熱されなくなる。従って、誘導コイルを、スピニング成形装置の棒状部材とチタン合金材(未加工部位のチタン合金材)との間であって、チタン合金材に近接させて配置させたならば、これからスピニング成形が行われる位置のみが局所的に加熱されるようになる。そして、それ以外の部位での温度は比較的低いものとなる。特に、スピニング成形が終了している箇所では、誘導コイルから遠くなっているから、加熱が弱くなっている。この結果、即ち、温度低下に伴って、チタン合金材の耐力が回復しており、損傷が起き難い。
【0023】
ところで、加熱手段としては、誘導加熱方式の他にも、熱風吹付技術が考えられる。しかしながら、熱風吹付技術では、熱風吹付箇所が局所的であっても、吹き付けられた熱風は四方に拡がってしまい、局所的な加熱が得られ難い。この為、本願発明が奏する特長「破断と言った不良品の発生率が低い」は得られなかった。
【0024】
加熱手段として、スポット的なレーザービーム照射技術も考えられる。しかしながら、棒状工具に邪魔されること無く、回転するマンドレルと共に回転するチタン合金材にレーザービームをスポット的に照射するのは、大変であり、実用化は程遠い。
【0025】
本発明は高価な設備を必要としない。簡単な設備によって、簡単、かつ、低廉なコストでチタン合金材の製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明になるチタン合金材スピニング成形装置の概略図
【発明を実施するための形態】
【0027】
第1の発明は成形方法である。棒状工具(例えば、へら:加工ローラ:ローラ部材)を用いたスピニング成形によってチタン合金材を成形する方法である。特に、棒状工具および成形型(マンドレル)を用いたスピニング成形によってチタン合金材を成形する方法である。スピニング成形には、絞りスピニング成形、しごきスピニング成形が有るが、何れの場合でも適用される。但し、局所的加熱が要求されることを鑑みたならば、その容易性から、好ましくは、しごきスピニング成形の場合である。チタン合金材は、特に、高耐力チタン合金材である。例えば、耐力が340MPa以上(特に、900MPa以上。1500MPa以下:前記値は25℃における値)のチタン合金材である。本方法は、スピニング成形に際して、高周波誘導加熱によって、棒状工具によるチタン合金材(板)に対する作用点を局所的に加熱して成形する加熱成形工程を有する。好ましくは、更に、前記加熱成形工程による成形済箇所が前記成形型に当接して該成形型からの放熱により該成形済箇所が冷却される冷却工程を有する。前記高周波誘導加熱による局所的加熱は、例えばチタン合金材(板)の未成形箇所と棒状工具との間に高周波誘導加熱用コイルを配置(セット)することで実行される。前記の如きの局所的加熱の手法が採用されたならば、成形済箇所では加熱が行われないようになる。
【0028】
第2の発明は成形装置である。スピニング成形によってチタン合金材を成形するチタン合金材スピニング成形装置である。特に、上記成形方法が実行されるチタン合金材スピニング成形装置である。本装置は、所定形状の成形型と、棒状工具と、高周波誘導加熱装置とを有する。そして、前記成形型に配された前記チタン合金材に対して前記棒状工具を作用せしめる際、前記高周波誘導加熱装置によって前記棒状工具による前記チタン合金材に対する作用点が局所的に加熱されるよう構成されている。好ましくは、高周波誘導加熱装置の誘導加熱用コイルがチタン合金材の未成形箇所と棒状工具との間に配され、これによって未成形箇所から成形箇所に掛けて局所的な加熱が行われるよう構成されている。
【0029】
以下、本発明について、更に具体的に説明する。
【0030】
図1は、本発明になるチタン合金材スピニング成形装置の概略図である。
【0031】
図1中、1は金属製の成形型(マンドレル)である。2は棒状工具(へら)である。以上の構造のスピニング成形装置(しごきスピニング成形装置)は、従来からも良く知られているから、詳細な説明は省略される。
【0032】
3は高耐力チタン合金(例えば、Ti−6Al−4V)板である。
【0033】
4は、スピニング成形に伴って移動するへら2に同期して移動できるように設けられた高周波誘導加熱用コイルである。高周波誘導加熱用コイル4は、その先端部4aが、高耐力チタン合金板3に対するへら2作用点Pに出来るだけ接近可能なように折曲されている。例えば、略「へ」字形、略「く」字型、略「J」字型、或は略「L」字型と言った如くに折曲されている。高周波誘導加熱用コイル4の基端側4bはヘラ2に略平行に配置されている。そして、へら2と高耐力チタン合金板3の未成形側の箇所3aとの間であって、かつ、高耐力チタン合金板3に対するへら2(へら先端部2a)による作用点P近傍の箇所に、高周波誘導加熱用コイル4の先端部4aが位置するように高周波誘導加熱用コイル4が配置されている。
【0034】
上記の如くに構成させたチタン合金材スピニング成形装置によるスピニング成形(図1は、しごきスピニング加工の例)について説明する。
【0035】
マンドレル1は軸芯の回りで回転している。このマンドレル1に高耐力チタン合金板3が取り付けられている。従って、高耐力チタン合金板3も、マンドレル1の回転に伴って、回転している。この時、図1中、矢印で示される如く、成形進行に伴って、へら2は移動させられる。勿論、へら2の先端部2aは高耐力チタン合金板3に圧接している。これにより、高耐力チタン合金板3はマンドレル1の形状に沿って成形される。ここまでは、高耐力チタン合金板3を用いた点を除けば、従来からのしごきスピニング加工と略同様であるから、詳細は省略される。
【0036】
本実施形態では、成形加工に際して、特に、高周波誘導加熱用コイル4に高周波電流が流されており、高耐力チタン合金板3に対して局所的な加熱(誘導加熱)が行われている。すなわち、へら2の先端部2aが圧接している高耐力チタン合金板3が局所的に加熱される。ここで、局所的とは、へら先端部2aによる作用点(圧接点)Pの近傍箇所である。尚、作用点P近傍と言えども、主として、作用点(圧接点)Pから高耐力チタン合金板3における未成形側の箇所3aである。高耐力チタン合金板3における成形済側の箇所3bと未成形側の箇所3aとを対比すると、図1から判る通り、成形済側の箇所3bは高周波誘導加熱用コイル4から相対的に遠くなっており、成形済側の箇所3bが高周波誘導加熱により加熱される程度は相対的に低い。言い換えるならば、作用点(圧接点)P及び未成形側の箇所3aでも作用点Pに近い箇所が、誘導加熱により、加熱されており、それ以外の箇所は加熱されていないと言うことも出来る。
【0037】
そして、へら2は、高温加熱によって耐力が低下し、かつ、延性が向上した箇所(作用点:圧接点)P)に圧力(荷重)を与えることから、小さな力でも変形(成形)が引き起こされる。すなわち、小さな荷重で成形が行われる。そして、へら荷重の低減は、高耐力チタン合金板3の表面荒れを押さえる結果となり、表面性が良い高品質な製品が得られた。
【0038】
さて、へら2による荷重が掛かって高耐力チタン合金板3は厚さが半分程度までのしごき加工が行なわれた後では、成形済側の箇所3bは、成形の進行(へら2の移動)に伴って、高周波誘導加熱用コイル3から遠ざかって行く。この結果、成形済側の箇所3bは加熱が行われなくなる。しかも、高耐力チタン合金板3の成形済側の箇所3bは、金属製のマンドレル1に密接(未成形側の箇所3aはマンドレル1から離間)したものとなっていることから、当該箇所は放熱が効果的に行われ、温度は急速に低下する。この結果、成形済側の箇所3bの耐力は回復し、高耐力なものとなっている。そして、少々のストレスが加わっても、亀裂などの損傷は起こらない。
【0039】
再現性をチェックする為、上記しごきスピニング加工が何度も繰り返された。その結果、従来の場合に起きていた亀裂と言った損傷が本実施形態で得られたチタン合金製品には全く認められなかった。
【符号の説明】
【0040】
1 マンドレル(成形型)
2 へら(棒状工具)
2a へら先端部
3 高耐力チタン合金板
3a 高耐力チタン合金板未成形側箇所
3b 高耐力チタン合金板成形済側箇所
4 高周波誘導加熱用コイル
4a 高周波誘導加熱用コイル先端部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状工具を用いたスピニング成形によってチタン合金材を成形する方法であって、
スピニング成形に際して、高周波誘導加熱によって、前記棒状工具による前記チタン合金材に対する作用点を局所的に加熱して成形する加熱成形工程
を具備することを特徴とするチタン合金材スピニング成形方法。
【請求項2】
棒状工具および成形型を用いたスピニング成形によってチタン合金材を成形する方法であって、
スピニング成形に際して、高周波誘導加熱によって、前記棒状工具による前記チタン合金材に対する作用点を局所的に加熱して成形する加熱成形工程と、
前記加熱成形工程による成形済箇所が前記成形型に当接して該成形型からの放熱により該成形済箇所が冷却される冷却工程
とを具備することを特徴とするチタン合金材スピニング成形方法。
【請求項3】
チタン合金材の未成形箇所と棒状工具との間に高周波誘導加熱用コイルがセットされて局所的な加熱が行われる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のチタン合金材スピニング成形方法。
【請求項4】
成形済箇所では加熱が行われないようにする
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかのチタン合金材スピニング成形方法。
【請求項5】
スピニング成形が絞りスピニング成形、又はしごきスピニング成形である
ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかのチタン合金材スピニング成形方法。
【請求項6】
スピニング成形によってチタン合金材を成形するチタン合金材スピニング成形装置であって、
前記成形装置は、
所定形状の成形型と、
棒状工具と、
高周波誘導加熱装置
とを具備してなり、
前記成形型に配された前記チタン合金材に対して前記棒状工具を作用せしめる際、前記高周波誘導加熱装置によって前記棒状工具による前記チタン合金材に対する作用点が局所的に加熱されるよう構成されてなる
ことを特徴とするチタン合金材スピニング成形装置。
【請求項7】
高周波誘導加熱装置の誘導加熱用コイルがチタン合金材の未成形箇所と棒状工具との間に配されて局所的な加熱が行われるよう構成されてなる
ことを特徴とする請求項6のチタン合金材スピニング成形装置。



【図1】
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