成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造
【課題】成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造において、簡単な構造で、コストも低くして、溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をこの熱可塑性射出成形材料が成形される前に効率良く除去する構造を提供する。
【解決手段】射出ノズル16には、溶融した熱可塑性射出成形材料が流入して来る側で所定の内径D1の流入用流路30とこの流入用流路30に連通してテーパ形状の先細り流路32とこの先細り流路32に連通し且つ流入用流路30の内径D1よりも小さな内径D2に形成されて溶融した熱可塑性射出成形材料を金型10に射出する射出用流路33とからなる材料用流路29を形成するとともに、前記先細り流路32に対応した箇所で溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部34を設ける。
【解決手段】射出ノズル16には、溶融した熱可塑性射出成形材料が流入して来る側で所定の内径D1の流入用流路30とこの流入用流路30に連通してテーパ形状の先細り流路32とこの先細り流路32に連通し且つ流入用流路30の内径D1よりも小さな内径D2に形成されて溶融した熱可塑性射出成形材料を金型10に射出する射出用流路33とからなる材料用流路29を形成するとともに、前記先細り流路32に対応した箇所で溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部34を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造に係り、特に溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ除去する成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
成形機としての、例えば、熱可塑性射出成形機は、熱可塑性射出成形材料(樹脂)を溶融(可塑化)・流動させて射出ノズルから金型内のキャビティに射出充填し(流し込み)、そして、この金型内で冷却・固化させて成形品を作るものである。熱可塑性射出成形材料は、ベース樹脂に強化剤や充填材等を添加して生成され、固体状態から加熱されると溶融し、この溶融状態から冷却されると固体になる性質がある。
また、成形機としての、例えば、押出機は、熱可塑性射出成形材料(樹脂)を流動させて成形ノズルの押出孔から成形品として押し出すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−170320号公報 特許文献1に係る射出装置は、熱可塑性射出成形材料に含まれる気体(ガス)を抜くために、熱可塑性射出成形材料の溶融(可塑化)が完了する位置から前方の部分に、多孔質性のガス抜き部材を別途に設けたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来、例えば、熱可塑性射出成形機においては、熱可塑性射出成形材料のベース樹脂に含まれた化学成分で発生した気体(ガス)を抜く箇所が射出ノズルの先端ではなかったため、金型への射出充填時に、溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体が射出ノズルの通過前に圧縮されて先端部に滞留し、この気体が滞留している状態で金型へ射出充填することから、その気体が金型内に巻き込まれて形成品に入り込み、このため、ショートショット、膨れ(凸部 )、ヒケ(凹部)、光沢ムラ等によって成形品の不良発生が増加して生産性が低下するとともに、金型の腐食を誘発してしまい、金型のメンテナンスの周期が短くなるという不具合があった。
また、押出機においても、成形品に気体が多く含まれるという不具合があった。
この不具合を解消するために、溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を抜くために、別途にガス抜き部材を設けた場合には、構成が複雑で、コストも高くなるという不都合があった。
【0005】
また、熱可塑性射出成形材料の材料用流路にガスベントを設置したり、成形品形状(キャビティ)の充填末端にエアベントを設置するなどして熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を抜く構造においては、充填される熱可塑性射出成形材料によってエアベントから空気やガス等の気体を押し出すものであるが、このエアベントが射出ノズルの構成部品間の隙間によって形成されていることから、熱可塑性射出成形材料が浸入すると、バリや余剰形状等が発生することで、後仕上げが必要になり、生産性の非効率化を招くとともに、金型に腐食を誘発することから、金型のメンテナンスの周期が短くなり、更に、充填される熱可塑性射出成形材料に含まれる気体は、大きい径のスクリュヘッドの外壁と小さい径の射出ノズルの内壁との間で圧縮され、小さい径の射出ノズルの内壁側への追いやられる分も存在するが、結局、射出ノズルから金型内へ巻き込まれることになり、結果的に、エアベントだけから気体の除去を委ねることとなり、気体の除去が不十分で、改善が望まれていた。
【0006】
そこで、この発明の目的は、簡単な構造で、コストも低くして溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をこの熱可塑性射出成形材料が成形される前に効率良く除去(ガス巻き込み抑制)することができる成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、熱可塑性射出成形材料を溶融・流動させて射出ノズルから金型内に射出してこの金型内で冷却・固化させる成形機のガス巻き込み抑制ノズルノズル構造において、前記射出ノズルには溶融した熱可塑性射出成形材料を流通させるための材料用流路を形成し、この材料用流路は前記熱可塑性射出成形材料が流入して来る側で所定の内径の流入用流路とこの流入用流路に連通してテーパ形状の先細り流路とこの先細り流路に連通し且つ前記流入用流路の内径よりも小さな内径に形成されて前記熱可塑性射出成形材料を前記金型に射出する射出用流路とからなり、前記射出ノズルには前記先細り流路に対応した箇所で前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部を設けたことを特徴とする。
また、熱可塑性射出成形材料を流動させて成形ノズルの押出孔から成形品として押し出す成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造において、前記成形ノズルには前記押出孔周りで前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造は、ノズルで溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をこの熱可塑性射出成形材料が成形される前に効率良く除き、また、簡単な構造で、コストも低くできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は射出ノズルのチップの断面図である。(実施例1)
【図2】図2は射出ノズルのチップの正面図である。(実施例1)
【図3】図3は射出ノズルの本体の断面図である。(実施例1)
【図4】図4は射出ノズルの本体の正面図である。(実施例1)
【図5】図5は熱可塑性射出成形材料の射出時の射出ノズル全体の断面図である。(実施例1)
【図6】図6は熱可塑性射出成形機の概略構成図である。(実施例1)
【図7】図7は熱可塑性射出成形材料の可塑化時における説明図である。(実施例1)
【図8】図8は熱可塑性射出成形材料の射出時における説明図である。(実施例1)
【図9】図9は熱可塑性射出成形材料の射出完了時における説明図である。(実施例1)
【図10】図10は射出スクリュの後退動時における説明図である。(実施例1)
【図11】図11は型開・成形品取出時における説明図である。(実施例1)
【図12】図12は押出機の概略構成図である。(実施例2)
【図13】図13は押出機の成形ノズルの正面図である。(実施例2)
【図14】図14は成形ノズルの押出孔をテーパ形状とした断面図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、簡単な構造で、コストも低くして溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をこの熱可塑性射出成形材料が成形される前に効率良く除去する目的を、ノズルに多孔質性部を設けて実現するものである。
【実施例】
【0011】
図1〜図11は、この発明の実施例1を示すものである。
図6において、1は成形機としての熱可塑性射出成形機である。この熱可塑性射出成形機1は、供給ゾーン2と圧縮ゾーン3と計量ゾーン4との各区分を備え、また、供給ゾーン2を構成する可塑化装置5と、圧縮ゾーン3及び計量ゾーン4を構成する射出装置6と、型締装置7と、動力制御部8と、電気制御部9とからなり、また、型締装置7に金型10を配置し、そして、熱可塑性射出成形材料(樹脂)を溶融(可塑化)・流動させて射出装置6から金型10内のキャビティ(図示せず)に射出充填し(流し込み)、この金型10内で冷却・固化させて成形品を作るものである。
【0012】
可塑化装置5は、必要な固体の熱可塑性射出成形材料を溶融するものであり、ペレット状の熱可塑性射出成形材料を投入させるホッパ11と、このホッパ11内のペレット状の熱可塑性射出成形材料を受け入れて溶融する筒状で加熱用のシリンダ(加熱筒)12とを備えている。 このシリンダ12は、内部にシリンダ室13を備えるとともに、外周面に内部のペレット状の熱可塑性射出成形材料を溶融するための熱源となるバンドヒータ14を巻き付けている。熱可塑性射出成形材料は、ベース樹脂に強化剤や充填材等の必要な各種材料を添加して生成され、固体状態から加熱されると溶融し、この溶融状態から冷却されると固体になる性質がある。
【0013】
射出装置6は、図6に示すように、シリンダ12のシリンダ室13に配置されて溶融した熱可塑性射出成形材料を流動させる搬送用の射出スクリュ15と、溶融した熱可塑性射出成形材料を計量しつつ射出する射出ノズル16とを備えている。
射出スクリュ15は、先端にスクリュヘッド17を備え、例えば、油圧式又は電気式の駆動部18によって溶融した熱可塑性射出成形材料を撹拌して可塑化するとともに、回転・前進動して溶融した熱可塑性射出成形材料を押圧・圧縮して射出ノズル16側に流動させる。スクリュヘッド17は、溶融した熱可塑性射出成形材料を射出ノズル16側へ押し出すものである。
この射出ノズル16は、スクリュヘッド17に対向するようにシリンダ12の先端部に取り付けられる本体(シリンダヘッド)19と、この本体19に取り付けられて金型10での冷却中に次に入り込ませる溶融した熱可塑性射出成形材料を計量して金型10に射出するチップ20とからなり、また、ノズルタッチ(チップ20の出口と金型10の入口との接続)の変形を防止したり、熱可塑性射出成形材料の充填による摩耗を防止するために、所要の硬度の材質からなる。
【0014】
本体19は、鋼材によって形成され、図3、図4に示すように、軸心上で貫通する本体側材料通路21と、中間部位で六角形状の本体側外形部22と、この本体外形部22に外側から径方向に形成された3つのボルト穴23・23・23と、シリンダ12の端部に取り付けられる一端の本体外側スプライン24と、チップ20を嵌入させるように軸心上で他端に窪んで形成された内側スプライン25とを備える。ボルト穴23には、シリンダ12の端部を固定する固定ボルト(図示せず)が設けられる。
【0015】
チップ20は、図1、図2に示すように、本体19の内側スプライン25に嵌入するチップ外側スプライン26と、中間部位で六角形状のチップ側外形部27と、角度θの先細りの先端勾配部28とを備える。
また、チップ20には、軸心上で貫通し且つ前記本体側材料通路21に連通して溶融した熱可塑性射出成形材料を流通させるための材料用流路29が形成される。
この材料用流路29は、溶融した熱可塑性射出成形材料が流入して来る側で所定の内径D1の流入用流路30と、この流入用流路30に連通して内壁面31が角度αのテーパ面で先細り円錐形状の先細り流路32と、この先細り流路32に連通し且つ流入用流路30の内径D1よりも小さな内径D2に形成されて溶融した熱可塑性射出成形材料を金型10に射出する射出用流路33とからなる。この射出用流路33は、金型10への出口(接続口)となるものであり、先端が金型10の入口に接続する(ノズルタッチ)。
【0016】
チップ20は、例えば、金属光造形複合加工法を採用して形成される。
この金属光造形複合加工法は、金属粉末を所定厚さに積層し、レーザーを照射して焼結を施し、この焼結した金属層の上に新たな金属粉末を所定厚さに積層し、レーザーを照射して焼結を施し、小径エンドミルによる高速切削仕上げを複数回繰り返して通気性の金属部分を製造可能な革新的製造工法である。
チップ20の先端勾配部28には、内部の先細り流路32に対応した箇所で溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体(ガス)を抜くのための多孔質性部(通気部:ポーセラ孔)34が設けられる。
溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体は、主に、ベース樹脂に含まれる化学成分から発生するものであり、成形品の不良を発生させるとともに、金型の腐食等を誘発させるものである。
【0017】
この多孔質性部34は、既に成形されたチップへの極小径均等配置が単純ドリル加工では困難なので、例えば、金属光造形複合加工法により、先細り流路32に対応した位置で先端勾配部28の少なくとも一部分、又は、先端勾配部28の全周で幅Wに形成される。
多孔質性部34は、溶融した熱可塑性射出成形材料を通過させないが、この熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を通過させる性質を有するものである。一方で、チップ20の多孔質性部34以外の他の部分では、溶融した熱可塑性射出成形材料自体のみならず、溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をも通過させないような性質を有する。つまり、チップ20において、多孔質性部34の通気率は、他の部分の通気率よりも高いものである。
なお、多孔質性部34においては、溶融した熱可塑性射出成形材料の最も大きな圧力となる先端勾配部28の先端側(射出用流路33側)で多くの気体を抜くために、先細り流路32の上流側(スクリュヘッド17側)から下流側(射出用流路33側)に漸次に通気率を大きくすることも可能である。
また、チップ20に多孔質性部34を設けるにあたっては、先ず、チップ20全体を形成し、このチップ20に所望の箇所で多孔質性部34に対応する孔部を設け、そして、この孔部に金属光造形複合加工法や他の工法により、多孔質性部34を設けることも可能である。
【0018】
型締装置7は、一対の金型保持部35・35を備え、金型10としての一側金型10−1と他側金型10−2とを閉じて高圧で締付け、熱可塑性射出成形材料の充填圧力で一側金型10−1と他側金型10−2とが開かないようにするとともに、充填された熱可塑性射出成形材料を冷却して形状化し、そして、成形品を取り出すために一側金型10−1と他側金型10−2とを離すものである。
【0019】
動力制御部8は、油圧ポンプ又は電動モータを駆動源とし、この駆動源により上記の各装置を作動させるものであり、圧力と速度とにより金型10への熱可塑性射出成形材料の入り込みと形状転写を行い、例えば、可塑化装置5においては、図8に示すように、熱可塑性射出成形材料の射出時に、射出スクリュ15を回転しつつ前進動させる一方、射出完了後は、図10に示すように、射出スクリュ15を後退動させる。
【0020】
電気制御部9は、上記の各装置の動作をプログラムに従って作動するものであり、成形品の形状化するための成形条件により、圧力の高低の調整、速度の早遅の調整、位置の調整等を指令して、成形品を形状化するための成形条件に合うように各装置を制御するものである。
【0021】
次に、この実施例1の作用を、図7〜図11に基づいて説明する。
熱可塑性射出成形機1による成形品の製造においては、先ず、図7に示すように、ホッパ11からペレット状の熱可塑性射出成形材料を投入すると、この熱可塑性射出成形材料がシリンダ12内で加熱されて溶融する(可塑化)。
そして、図8に示すように、射出スクリュ15が回転しつつ前進動すると、溶融した熱可塑性射出成形材料が、射出スクリュ15のスクリュヘッド17に押圧されて射出ノズル16から金型10へ射出される。
このとき、金型10への充填直前の先細り流路32内の溶融した熱可塑性射出成形材料は、射出スクリュ15のスクリュヘッド17に押圧されて先細り流路32を形成する先端勾配部28のテーパ形状の先細り流路32の内壁面31によって絞り込まれて大きな圧力となって滞留する。
そして、大きい径のスクリュヘッド16の外壁部位と小さい径の射出ノズル16の先端勾配部28の先細り流路32の内壁面31との間で大きな圧力によって溶融した熱可塑性射出成形材料が圧縮されので、先端勾配部28の先細り流路32の内壁面31側へ追いやられる分の気体(ガス)を、図5に示すように、多孔質性部34から通過させて射出ノズル16の外部(大気)へ流出(吐き出す)させることができる(図5の二点鎖線で示す)。しかし、このとき、多孔質性部34は、その気体だけを通過させるが、溶融した熱可塑性射出成形材料自体を通過させない。
その後、図9に示すように、金型10への射出が完了した場合には、図10に示すように、射出スクリュ15を後退動させ、そして、図11に示すように、型開して成形品36の取り出しを行う。
【0022】
この結果、溶融した可塑性射出材料の金型10へ射出時には、溶融した熱可塑性射出成形材料が金型10内に射出充填される直前に、この熱可塑性射出成形材料に含まれる気体が大幅に除去されるので(ガス巻き込み抑制)、成形品の不良発生を防止して生産性を向上するとともに、金型10のメンテナンスの周期を長くすることができる。
【0023】
図12〜図14は、この発明の実施例2を示すものである。
この実施例2の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、図12に示すように、成形機としての押出機101は、内部にスクリュ102が設けられたシリンダ103と、シリンダ103に設けられた投入用ホッパ104と、シリンダ103の先端に取り付けられた成形ノズル105と、スクリュ102を駆動する駆動部106とを備えている。
この押出機101は、熱可塑性射出成形材料を流動させて成形ノズル105の押出孔107から成形品として押し出すものである。
成形ノズル105には、図13に示すように、押出孔107周りで熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部108を設けている。
この多孔質性部108は、上記の実施例1で示した多孔質性部34と同様な性質を有するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
この実施例2の構造においては、シリンダ103内のスクリュ102で熱可塑性射出成形材料が成形ノズル105側に押された際に、この熱可塑性射出成形材料に含まれる気体が多孔質性部108から外部に抜かれるので、成形ノズル105の押出孔107から押し出される成形品に気体が含まれるのを効率良く抑制できる。
なお、この実施例2においては、図14に示すように、押出孔107に内部から外部に漸次狭くなる先細りのテーパ面109を形成することにより、より効果的に気体を除去することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
この発明に係る成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造を、他の機器にも適用できる。
【符号の説明】
【0025】
1 熱可塑性射出成形機
5 可塑化装置
6 射出装置
7 型締装置
8 動力制御部
9 電気制御部
10 金型
12 シリンダ
15 射出スクリュ
16 射出ノズル
19 本体
20 チップ
28 先端勾配部
29 材料用流路
30 流入用流路
31 内壁面
32 先細り流路
33 射出用流路
34 多孔質性部
【技術分野】
【0001】
この発明は、成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造に係り、特に溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ除去する成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
成形機としての、例えば、熱可塑性射出成形機は、熱可塑性射出成形材料(樹脂)を溶融(可塑化)・流動させて射出ノズルから金型内のキャビティに射出充填し(流し込み)、そして、この金型内で冷却・固化させて成形品を作るものである。熱可塑性射出成形材料は、ベース樹脂に強化剤や充填材等を添加して生成され、固体状態から加熱されると溶融し、この溶融状態から冷却されると固体になる性質がある。
また、成形機としての、例えば、押出機は、熱可塑性射出成形材料(樹脂)を流動させて成形ノズルの押出孔から成形品として押し出すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−170320号公報 特許文献1に係る射出装置は、熱可塑性射出成形材料に含まれる気体(ガス)を抜くために、熱可塑性射出成形材料の溶融(可塑化)が完了する位置から前方の部分に、多孔質性のガス抜き部材を別途に設けたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来、例えば、熱可塑性射出成形機においては、熱可塑性射出成形材料のベース樹脂に含まれた化学成分で発生した気体(ガス)を抜く箇所が射出ノズルの先端ではなかったため、金型への射出充填時に、溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体が射出ノズルの通過前に圧縮されて先端部に滞留し、この気体が滞留している状態で金型へ射出充填することから、その気体が金型内に巻き込まれて形成品に入り込み、このため、ショートショット、膨れ(凸部 )、ヒケ(凹部)、光沢ムラ等によって成形品の不良発生が増加して生産性が低下するとともに、金型の腐食を誘発してしまい、金型のメンテナンスの周期が短くなるという不具合があった。
また、押出機においても、成形品に気体が多く含まれるという不具合があった。
この不具合を解消するために、溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を抜くために、別途にガス抜き部材を設けた場合には、構成が複雑で、コストも高くなるという不都合があった。
【0005】
また、熱可塑性射出成形材料の材料用流路にガスベントを設置したり、成形品形状(キャビティ)の充填末端にエアベントを設置するなどして熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を抜く構造においては、充填される熱可塑性射出成形材料によってエアベントから空気やガス等の気体を押し出すものであるが、このエアベントが射出ノズルの構成部品間の隙間によって形成されていることから、熱可塑性射出成形材料が浸入すると、バリや余剰形状等が発生することで、後仕上げが必要になり、生産性の非効率化を招くとともに、金型に腐食を誘発することから、金型のメンテナンスの周期が短くなり、更に、充填される熱可塑性射出成形材料に含まれる気体は、大きい径のスクリュヘッドの外壁と小さい径の射出ノズルの内壁との間で圧縮され、小さい径の射出ノズルの内壁側への追いやられる分も存在するが、結局、射出ノズルから金型内へ巻き込まれることになり、結果的に、エアベントだけから気体の除去を委ねることとなり、気体の除去が不十分で、改善が望まれていた。
【0006】
そこで、この発明の目的は、簡単な構造で、コストも低くして溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をこの熱可塑性射出成形材料が成形される前に効率良く除去(ガス巻き込み抑制)することができる成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、熱可塑性射出成形材料を溶融・流動させて射出ノズルから金型内に射出してこの金型内で冷却・固化させる成形機のガス巻き込み抑制ノズルノズル構造において、前記射出ノズルには溶融した熱可塑性射出成形材料を流通させるための材料用流路を形成し、この材料用流路は前記熱可塑性射出成形材料が流入して来る側で所定の内径の流入用流路とこの流入用流路に連通してテーパ形状の先細り流路とこの先細り流路に連通し且つ前記流入用流路の内径よりも小さな内径に形成されて前記熱可塑性射出成形材料を前記金型に射出する射出用流路とからなり、前記射出ノズルには前記先細り流路に対応した箇所で前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部を設けたことを特徴とする。
また、熱可塑性射出成形材料を流動させて成形ノズルの押出孔から成形品として押し出す成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造において、前記成形ノズルには前記押出孔周りで前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造は、ノズルで溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をこの熱可塑性射出成形材料が成形される前に効率良く除き、また、簡単な構造で、コストも低くできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は射出ノズルのチップの断面図である。(実施例1)
【図2】図2は射出ノズルのチップの正面図である。(実施例1)
【図3】図3は射出ノズルの本体の断面図である。(実施例1)
【図4】図4は射出ノズルの本体の正面図である。(実施例1)
【図5】図5は熱可塑性射出成形材料の射出時の射出ノズル全体の断面図である。(実施例1)
【図6】図6は熱可塑性射出成形機の概略構成図である。(実施例1)
【図7】図7は熱可塑性射出成形材料の可塑化時における説明図である。(実施例1)
【図8】図8は熱可塑性射出成形材料の射出時における説明図である。(実施例1)
【図9】図9は熱可塑性射出成形材料の射出完了時における説明図である。(実施例1)
【図10】図10は射出スクリュの後退動時における説明図である。(実施例1)
【図11】図11は型開・成形品取出時における説明図である。(実施例1)
【図12】図12は押出機の概略構成図である。(実施例2)
【図13】図13は押出機の成形ノズルの正面図である。(実施例2)
【図14】図14は成形ノズルの押出孔をテーパ形状とした断面図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、簡単な構造で、コストも低くして溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をこの熱可塑性射出成形材料が成形される前に効率良く除去する目的を、ノズルに多孔質性部を設けて実現するものである。
【実施例】
【0011】
図1〜図11は、この発明の実施例1を示すものである。
図6において、1は成形機としての熱可塑性射出成形機である。この熱可塑性射出成形機1は、供給ゾーン2と圧縮ゾーン3と計量ゾーン4との各区分を備え、また、供給ゾーン2を構成する可塑化装置5と、圧縮ゾーン3及び計量ゾーン4を構成する射出装置6と、型締装置7と、動力制御部8と、電気制御部9とからなり、また、型締装置7に金型10を配置し、そして、熱可塑性射出成形材料(樹脂)を溶融(可塑化)・流動させて射出装置6から金型10内のキャビティ(図示せず)に射出充填し(流し込み)、この金型10内で冷却・固化させて成形品を作るものである。
【0012】
可塑化装置5は、必要な固体の熱可塑性射出成形材料を溶融するものであり、ペレット状の熱可塑性射出成形材料を投入させるホッパ11と、このホッパ11内のペレット状の熱可塑性射出成形材料を受け入れて溶融する筒状で加熱用のシリンダ(加熱筒)12とを備えている。 このシリンダ12は、内部にシリンダ室13を備えるとともに、外周面に内部のペレット状の熱可塑性射出成形材料を溶融するための熱源となるバンドヒータ14を巻き付けている。熱可塑性射出成形材料は、ベース樹脂に強化剤や充填材等の必要な各種材料を添加して生成され、固体状態から加熱されると溶融し、この溶融状態から冷却されると固体になる性質がある。
【0013】
射出装置6は、図6に示すように、シリンダ12のシリンダ室13に配置されて溶融した熱可塑性射出成形材料を流動させる搬送用の射出スクリュ15と、溶融した熱可塑性射出成形材料を計量しつつ射出する射出ノズル16とを備えている。
射出スクリュ15は、先端にスクリュヘッド17を備え、例えば、油圧式又は電気式の駆動部18によって溶融した熱可塑性射出成形材料を撹拌して可塑化するとともに、回転・前進動して溶融した熱可塑性射出成形材料を押圧・圧縮して射出ノズル16側に流動させる。スクリュヘッド17は、溶融した熱可塑性射出成形材料を射出ノズル16側へ押し出すものである。
この射出ノズル16は、スクリュヘッド17に対向するようにシリンダ12の先端部に取り付けられる本体(シリンダヘッド)19と、この本体19に取り付けられて金型10での冷却中に次に入り込ませる溶融した熱可塑性射出成形材料を計量して金型10に射出するチップ20とからなり、また、ノズルタッチ(チップ20の出口と金型10の入口との接続)の変形を防止したり、熱可塑性射出成形材料の充填による摩耗を防止するために、所要の硬度の材質からなる。
【0014】
本体19は、鋼材によって形成され、図3、図4に示すように、軸心上で貫通する本体側材料通路21と、中間部位で六角形状の本体側外形部22と、この本体外形部22に外側から径方向に形成された3つのボルト穴23・23・23と、シリンダ12の端部に取り付けられる一端の本体外側スプライン24と、チップ20を嵌入させるように軸心上で他端に窪んで形成された内側スプライン25とを備える。ボルト穴23には、シリンダ12の端部を固定する固定ボルト(図示せず)が設けられる。
【0015】
チップ20は、図1、図2に示すように、本体19の内側スプライン25に嵌入するチップ外側スプライン26と、中間部位で六角形状のチップ側外形部27と、角度θの先細りの先端勾配部28とを備える。
また、チップ20には、軸心上で貫通し且つ前記本体側材料通路21に連通して溶融した熱可塑性射出成形材料を流通させるための材料用流路29が形成される。
この材料用流路29は、溶融した熱可塑性射出成形材料が流入して来る側で所定の内径D1の流入用流路30と、この流入用流路30に連通して内壁面31が角度αのテーパ面で先細り円錐形状の先細り流路32と、この先細り流路32に連通し且つ流入用流路30の内径D1よりも小さな内径D2に形成されて溶融した熱可塑性射出成形材料を金型10に射出する射出用流路33とからなる。この射出用流路33は、金型10への出口(接続口)となるものであり、先端が金型10の入口に接続する(ノズルタッチ)。
【0016】
チップ20は、例えば、金属光造形複合加工法を採用して形成される。
この金属光造形複合加工法は、金属粉末を所定厚さに積層し、レーザーを照射して焼結を施し、この焼結した金属層の上に新たな金属粉末を所定厚さに積層し、レーザーを照射して焼結を施し、小径エンドミルによる高速切削仕上げを複数回繰り返して通気性の金属部分を製造可能な革新的製造工法である。
チップ20の先端勾配部28には、内部の先細り流路32に対応した箇所で溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体(ガス)を抜くのための多孔質性部(通気部:ポーセラ孔)34が設けられる。
溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体は、主に、ベース樹脂に含まれる化学成分から発生するものであり、成形品の不良を発生させるとともに、金型の腐食等を誘発させるものである。
【0017】
この多孔質性部34は、既に成形されたチップへの極小径均等配置が単純ドリル加工では困難なので、例えば、金属光造形複合加工法により、先細り流路32に対応した位置で先端勾配部28の少なくとも一部分、又は、先端勾配部28の全周で幅Wに形成される。
多孔質性部34は、溶融した熱可塑性射出成形材料を通過させないが、この熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を通過させる性質を有するものである。一方で、チップ20の多孔質性部34以外の他の部分では、溶融した熱可塑性射出成形材料自体のみならず、溶融した熱可塑性射出成形材料に含まれる気体をも通過させないような性質を有する。つまり、チップ20において、多孔質性部34の通気率は、他の部分の通気率よりも高いものである。
なお、多孔質性部34においては、溶融した熱可塑性射出成形材料の最も大きな圧力となる先端勾配部28の先端側(射出用流路33側)で多くの気体を抜くために、先細り流路32の上流側(スクリュヘッド17側)から下流側(射出用流路33側)に漸次に通気率を大きくすることも可能である。
また、チップ20に多孔質性部34を設けるにあたっては、先ず、チップ20全体を形成し、このチップ20に所望の箇所で多孔質性部34に対応する孔部を設け、そして、この孔部に金属光造形複合加工法や他の工法により、多孔質性部34を設けることも可能である。
【0018】
型締装置7は、一対の金型保持部35・35を備え、金型10としての一側金型10−1と他側金型10−2とを閉じて高圧で締付け、熱可塑性射出成形材料の充填圧力で一側金型10−1と他側金型10−2とが開かないようにするとともに、充填された熱可塑性射出成形材料を冷却して形状化し、そして、成形品を取り出すために一側金型10−1と他側金型10−2とを離すものである。
【0019】
動力制御部8は、油圧ポンプ又は電動モータを駆動源とし、この駆動源により上記の各装置を作動させるものであり、圧力と速度とにより金型10への熱可塑性射出成形材料の入り込みと形状転写を行い、例えば、可塑化装置5においては、図8に示すように、熱可塑性射出成形材料の射出時に、射出スクリュ15を回転しつつ前進動させる一方、射出完了後は、図10に示すように、射出スクリュ15を後退動させる。
【0020】
電気制御部9は、上記の各装置の動作をプログラムに従って作動するものであり、成形品の形状化するための成形条件により、圧力の高低の調整、速度の早遅の調整、位置の調整等を指令して、成形品を形状化するための成形条件に合うように各装置を制御するものである。
【0021】
次に、この実施例1の作用を、図7〜図11に基づいて説明する。
熱可塑性射出成形機1による成形品の製造においては、先ず、図7に示すように、ホッパ11からペレット状の熱可塑性射出成形材料を投入すると、この熱可塑性射出成形材料がシリンダ12内で加熱されて溶融する(可塑化)。
そして、図8に示すように、射出スクリュ15が回転しつつ前進動すると、溶融した熱可塑性射出成形材料が、射出スクリュ15のスクリュヘッド17に押圧されて射出ノズル16から金型10へ射出される。
このとき、金型10への充填直前の先細り流路32内の溶融した熱可塑性射出成形材料は、射出スクリュ15のスクリュヘッド17に押圧されて先細り流路32を形成する先端勾配部28のテーパ形状の先細り流路32の内壁面31によって絞り込まれて大きな圧力となって滞留する。
そして、大きい径のスクリュヘッド16の外壁部位と小さい径の射出ノズル16の先端勾配部28の先細り流路32の内壁面31との間で大きな圧力によって溶融した熱可塑性射出成形材料が圧縮されので、先端勾配部28の先細り流路32の内壁面31側へ追いやられる分の気体(ガス)を、図5に示すように、多孔質性部34から通過させて射出ノズル16の外部(大気)へ流出(吐き出す)させることができる(図5の二点鎖線で示す)。しかし、このとき、多孔質性部34は、その気体だけを通過させるが、溶融した熱可塑性射出成形材料自体を通過させない。
その後、図9に示すように、金型10への射出が完了した場合には、図10に示すように、射出スクリュ15を後退動させ、そして、図11に示すように、型開して成形品36の取り出しを行う。
【0022】
この結果、溶融した可塑性射出材料の金型10へ射出時には、溶融した熱可塑性射出成形材料が金型10内に射出充填される直前に、この熱可塑性射出成形材料に含まれる気体が大幅に除去されるので(ガス巻き込み抑制)、成形品の不良発生を防止して生産性を向上するとともに、金型10のメンテナンスの周期を長くすることができる。
【0023】
図12〜図14は、この発明の実施例2を示すものである。
この実施例2の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、図12に示すように、成形機としての押出機101は、内部にスクリュ102が設けられたシリンダ103と、シリンダ103に設けられた投入用ホッパ104と、シリンダ103の先端に取り付けられた成形ノズル105と、スクリュ102を駆動する駆動部106とを備えている。
この押出機101は、熱可塑性射出成形材料を流動させて成形ノズル105の押出孔107から成形品として押し出すものである。
成形ノズル105には、図13に示すように、押出孔107周りで熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部108を設けている。
この多孔質性部108は、上記の実施例1で示した多孔質性部34と同様な性質を有するので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
この実施例2の構造においては、シリンダ103内のスクリュ102で熱可塑性射出成形材料が成形ノズル105側に押された際に、この熱可塑性射出成形材料に含まれる気体が多孔質性部108から外部に抜かれるので、成形ノズル105の押出孔107から押し出される成形品に気体が含まれるのを効率良く抑制できる。
なお、この実施例2においては、図14に示すように、押出孔107に内部から外部に漸次狭くなる先細りのテーパ面109を形成することにより、より効果的に気体を除去することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
この発明に係る成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造を、他の機器にも適用できる。
【符号の説明】
【0025】
1 熱可塑性射出成形機
5 可塑化装置
6 射出装置
7 型締装置
8 動力制御部
9 電気制御部
10 金型
12 シリンダ
15 射出スクリュ
16 射出ノズル
19 本体
20 チップ
28 先端勾配部
29 材料用流路
30 流入用流路
31 内壁面
32 先細り流路
33 射出用流路
34 多孔質性部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性射出成形材料を溶融・流動させて射出ノズルから金型内に射出してこの金型内で冷却・固化させる成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造において、前記射出ノズルには溶融した熱可塑性射出成形材料を流通させるための材料用流路を形成し、この材料用流路は前記熱可塑性射出成形材料が流入して来る側で所定の内径の流入用流路とこの流入用流路に連通してテーパ形状の先細り流路とこの先細り流路に連通し且つ前記流入用流路の内径よりも小さな内径に形成されて前記熱可塑性射出成形材料を前記金型に射出する射出用流路とからなり、前記射出ノズルには前記先細り流路に対応した箇所で前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部を設けたことを特徴とする成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造。
【請求項2】
前記多孔質性部は、前記射出ノズルの先端のチップに設けられ、前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を通過させるが、前記熱可塑性射出成形材料自体を通過させない性質を有することを特徴とする請求項1に記載の成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造。
【請求項3】
熱可塑性射出成形材料を流動させて成形ノズルの押出孔から成形品として押し出す成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造において、前記成形ノズルには前記押出孔周りで前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部を設けたことを特徴とする成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造。
【請求項1】
熱可塑性射出成形材料を溶融・流動させて射出ノズルから金型内に射出してこの金型内で冷却・固化させる成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造において、前記射出ノズルには溶融した熱可塑性射出成形材料を流通させるための材料用流路を形成し、この材料用流路は前記熱可塑性射出成形材料が流入して来る側で所定の内径の流入用流路とこの流入用流路に連通してテーパ形状の先細り流路とこの先細り流路に連通し且つ前記流入用流路の内径よりも小さな内径に形成されて前記熱可塑性射出成形材料を前記金型に射出する射出用流路とからなり、前記射出ノズルには前記先細り流路に対応した箇所で前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部を設けたことを特徴とする成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造。
【請求項2】
前記多孔質性部は、前記射出ノズルの先端のチップに設けられ、前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を通過させるが、前記熱可塑性射出成形材料自体を通過させない性質を有することを特徴とする請求項1に記載の成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造。
【請求項3】
熱可塑性射出成形材料を流動させて成形ノズルの押出孔から成形品として押し出す成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造において、前記成形ノズルには前記押出孔周りで前記熱可塑性射出成形材料に含まれる気体を外部へ抜くのための多孔質性部を設けたことを特徴とする成形機のガス巻き込み抑制ノズル構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−62864(P2011−62864A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214055(P2009−214055)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(597089288)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(597089288)
【Fターム(参考)】
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