成形物品移送機構
使用時に射出成形用金型100、200に関連する成形物品移送機構150、250が本明細書において記載される。成形物品移送機構150、250は、移送構造部151、251であって、第1の成形物品102Aを前記射出成形用金型100の第1の金型スタック106A、206Aから受け入れるように構成されている第1の開口154Aを特に画定している、移送構造部151、251を含む。移送構造部151、251は、前記第1の成形物品102Aが通過可能な第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aも画定している。前記第1の分岐チャネル156Aは、使用時に前記第1の成形物品102Aを前記第1の主幹チャネル158Aに通すように、前記第1の開口154Aを前記第1の主幹チャネル158Aに接続し、その後、前記第1の成形物品102Aは、前記第1の主幹チャネル158Aをその出口164Aに向かって通過する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される非限定的な実施の形態は包括的に成形装置に関し、より詳細には、成形物品移送機構及び成形プロセスを実行するためのコントローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
2008年4月1日に公開された、Vanderploeg他への特許文献1は、成形機用のサーボ・サイド・シャットル装置及び方法が構造体及び/又は工程を含んでおり、それにより、シャットルプレートが、成形機の第1の金型部分(mold half:金型半体)及び第2の金型部分のうちの少なくとも一方に隣接して配置されることを教示している。案内組立体が、金型部分へ連結されていて、金型部分の成形面を横切る方向においてシャットルプレートを直線的に案内する。駆動機構が、シャットルプレートを直線方向に駆動すべく設けられている。作業構造体が、シャットルプレートへ連結されていると共に、金型キャビティ内の又は金型コア上のいずれかに配置されている成形物品に作業を行うべく構成されている。作業は、成形物品を金型コアから取り外すこと、ラベルを金型キャビティへ貼着すること、及び/又は成形物品が金型コア上に留まっている間に成形物品の蓋を閉じることを含むことができる。
【0003】
1991年8月6に公開された、McGinley他への特許文献2は、1回の成形サイクル中に複数の第1の部品及び相補的な複数の第2の部品を成形する射出成形装置及びプロセスが、各サイクル中に成形された部品を取り出してそれらの部品を組み付けて完成物品にするシステムを有していることを教示している。このシステムは、第1の部品の各部品を第2の部品の各部品と嵌めるように、これらの部品を取り出すと共にこれらの部品を中心金型部材の一連の装填ポートと位置合わせして該一連の装填ポートに挿入する、複数の回転可能な吸引カップを含んでいる。中心金型部材は、組み付けた物品を金型から離すように搬送する内部シュート組立体をさらに有している。回転可能な吸引カップを駆動する新規なシステムが、種々の金型部分に取り付けられた回転可能な部材、及び面振れ構成を用いており、それにより、型閉じ及び型開きの動きの際の金型部分の相対移動が吸引カップの回転を生じさせる。
【0004】
1987年12月29日に公開された、Ehrler他への特許文献3は、射出成形プロセスによる情報担体板の製造時に射出成形用金型部により打抜いて除去される湯口部材を教示している。情報担体板の非常に傷つきやすい成形が、このプロセスによる離型時の湯口部材による損傷及びダスト粒子の堆積から保護される。湯口部材は、射出成形工具の、ダイスとして働く部分内へ打抜き挿入し、続いて該打抜きプロセス時に生じたダスト粒子と共に、該部分の内側から導出している開口を介して特に吸出によって除去される。好ましくは、湯口部材は射出成形工具が閉じ状態で打抜いて除去される。射出成形工具は、湯口部材及びダストが既に除去された後に初めて開かれるため、成形製品が極めて良好な質を得ることが確実となる。
【0005】
1991年1月1日及び1992年8月25日にそれぞれ公開された、Mausへの特許文献4及び特許文献5は、射出成形プロセスにより、成形部品の突き出し及び移送中に空中浮遊汚染物を閉め出した状態にすることができるマイクロクリーンルーム環境を金型キャビティの内部につくることを教示している。成形部品が成形され、金型キャビティ内の分割線面で硬化し、次いで可動金型インサート側の第2の面に後方へ運ばれ、この第2の面で離型され、排出開口(金型キャビティが第2の面内にある場合は開いているが第1の面内にある場合は閉じている)を通って移送される。この開口は、上昇する熱気流による侵入を防ぐように実質的に下方に面している。外部から供給される濾過したガスにより、通気孔を通して金型セットの内部スペース内に正圧をもたらすことができる。これにより金型及び部品の清浄度が最大限となり、その一方、「型開き」サイクルが時間短縮し、HEPAフィルター/エンクロージャー及びロボットを排除することができる。光学ディスク、レンズ、食品パッケージ及び医療部品が、示唆されている用途である。
【0006】
1986年5月20日に公開された、Schadへの特許文献6は、成形物品が順次に連続して一様の物理的な位置又は向きに回集される、連続サイクルの射出成形機から成形物品を連続して受け取り回集する装置を教示している。
【0007】
2005年9月6日に公開された、Homann他への特許文献7は、ガスアシスト射出成形を用いてトリム部品及びパネル用の中空リブ構造体を製造する方法及びシステムを教示している。可動インサート(insert:中子)部材が金型キャビティの特に構造的なリブ部材の両端に設けられている。プラスチック材料を金型キャビティに射出した後、このプラスチック材料が金型に詰められ、インサート部材が所定位置に固定される。インサート部材を固定するのに選択的に作動可能な固定機構が用いられる。その後、内部に中空チャネルを設けるためにガス又は別の流体がリブ部材に導入される。インサート部材の移動により、リブ部材から押しのけられた樹脂の位置にリセス又は溝が与えられる。樹脂材料が押しのけられるとプラスチック製の成形物品の成形が完成する。
【0008】
1993年9月14日に公開された、Maus他への特許文献8は、成形ディスク及び/又は湯口の内側部の外部成形保持(molded-on retention)のためのアンダーカットを有する可動金型部材と協働して作用する際に、成形ディスクのO.D.エッジを把持してその後で解放することができる一対の機械的なガイドの短ストロークの低質量移動により成形ディスクを金型から移送することを教示している。共に作用すると、成形ディスクは、成形面から離型され、金型の開口から自由に落下して排出シュートを介して出るように第2の垂直面内に向けることができる。湯口を成形ディスクから分離する2つの方法が示されているが、内部成形センター穴が好ましい。この装置及び方法は、光ディスク金型が成形サイクル全体を通して空中浮遊塵から封止されることができる、成形ディスクを重力排出によってより迅速に搬出するためのものである。
【0009】
1984年3月20日に公開された、Brown他への特許文献9は、容器の内側を画定しているコアと、該コアからの成形容器の突き出しを開始する、該コア内の第1の手段とを含む容器用射出成形装置における改良を教示している。この改良は、成形容器のリムに隣接した、該容器のリムに向けてガス状材料を吹き付け、それによって、容器をコアから離すように付勢することによって突き出しを完了させる第2の手段から構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7,351,050号
【特許文献2】米国特許第5,037,597号
【特許文献3】米国特許第4,715,806号
【特許文献4】米国特許第4,981,634号
【特許文献5】米国特許第5,141,430号
【特許文献6】米国特許第4,589,840号
【特許文献7】米国特許第6,939,504号
【特許文献8】米国特許第5,244,606号
【特許文献9】米国特許第4,438,065号
【発明の概要】
【0011】
本明細書に記載されている一態様によると、使用時に射出成形用金型に関連する成形物品移送機構が提供される。該成形物品移送機構は、特に、第1の成形物品を受け入れるように構成されている第1の開口を画定する移送構造部を含む。移送構造部はまた、前記第1の成形物品が通過可能な第1の分岐チャネル及び第1の主幹チャネルを画定する。前記第1の分岐チャネルは、使用時に前記第1の成形物品を前記第1の主幹チャネルに通すように、前記第1の開口を前記第1の主幹チャネルに接続し、その後、前記第1の成形物品は、前記第1の主幹チャネルをその出口に向かって通過する。
【0012】
本明細書に記載されている別の態様によると、コントローラーであって、該コントローラーのコントローラー使用可能なメモリー内に組み入れられている命令を含み、該命令は該コントローラーに成形プロセスを実行するように指示する、コントローラーが提供される。前記成形プロセスは、射出成形用金型の第1の金型スタックを閉じること、第1の成形物品を前記第1の金型スタック内で成形すること、前記第1の金型スタックを開くこと、前記第1の成形物品を第1の開口に突き出すように前記第1の金型スタックを配置すること、及び前記第1の開口内に受け入れている前記第1の成形物品を第1の主幹チャネルに向けて第1の分岐チャネルに通すように付勢するよう、前記移送構造部によって画定されている第1のノズルを介して流体を吐出することを含む。
【0013】
次にこれらの態様及び特徴並びに他の態様及び特徴が、添付図面と共に特定の非限定的な実施形態の以下の記載を検討すれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0014】
例示的な(非限定的な)実施形態の詳細な記載は、添付図面と共に読めばより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】非限定的な実施形態の射出成形用金型が内部に配置されている射出成形システムの概略図である。
【図2A】型閉じ形態に配置された、図1に示されている射出成形用金型の一部、及び関連する成形物品移送機構の一部の断面図である。
【図2B】型開き形態に配置された、図2Aに示されている射出成形用金型の一部の断面図である。
【図3】成形物品移送機構に関連する第1のノズルを明らかにする、図2Aの射出成形用金型の一部の斜視図である。
【図4】成形物品移送機構を含む、図1の射出成形用金型の第1の金型部分の別の部分の正面図である。
【図5】代替的な非限定的な実施形態の成形物品移送機構を含む第1の金型部分の別の部分の正面図である。
【図6A】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6B】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6C】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6D】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6E】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6F】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6G】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図7】型閉じ形態に配置された、代替的な非限定的な実施形態の射出成形用金型の一部の断面図である。
【図8】射出成形プロセスの第1の態様のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、仮想線、概略図及び部分図によって示されている場合がある。特定の例において、実施形態の理解に必要ではないか又は他の詳細部を把握することを困難にする詳細部は省かれている場合がある。
【0017】
図1は、非限定的な実施形態の射出成形用金型100が内部に配置されている射出成形システム900の概略図を示す。射出成形用金型100は、例えば容器の蓋のような第1の成形物品102(図2B又は図4)を成形するように動作可能である。
【0018】
射出成形システム900及び射出成形用金型100の以下の記載において、それらの構成部材の多くが当業者に既知であり、したがって、これらの既知の構成部材は本明細書では詳細には説明しない。これらの既知の構成部材の詳細な説明は、以下の参考文献(例えば):(i)OSSWALD/TURNG/GRAMANN著の「Injection Molding Handbook(射出成形ハンドブック)」(ISBN: 3-446-21669-2)、(ii)ROSATO AND ROSATO著の「Injection Molding Handbook(射出成形ハンドブック)」(ISBN: 0-412-10581-3)、(iii)JOHANNABER著の「Injection Molding Systems(射出成形システム)」(第3版)(ISBN: 3-446-17733-7)、及び/又は(iv)BEAUMONT著の「Runner and Gating Design Handbook(ランナーとゲートの設計ハンドブック)」(ISBN: 1-446-22672-9)において、少なくとも部分的に参照することができる。
【0019】
図1に示される射出成形システム900は、限定されるものではないが、型締め組立体996及び射出組立体997を含むように示されている。
【0020】
例として、以下で説明する型締め組立体996は一般的な3プラテン型を表しているが、その構造及び/又は動作の一般性に関するそのような特定の限定は意図されない。したがって、型締め組立体996は、例えば2プラテンしか有しない構造等、異なる構造を有することができる。とはいえ、型締め組立体996の非限定的な実施形態は特に、移動プラテン912、固定プラテン914、クランプブロック913及びタイバー916を含む。タイバー916は、固定プラテン914をクランプブロック913と連係させ、さらに、移動プラテン912を摺動可能に支持する。描写を簡単にするためにタイバー916は1つだけしか示されていないが、移動プラテン912、固定プラテン914及びクランプブロック913の4つの隅のそれぞれの間に1つずつ延びる、4つのそのようなタイバー916を設けることが一般的である。型締め組立体996は、移動プラテン912とクランプブロック913との間で接続される(例えば、油圧アクチュエーター、空気圧アクチュエーター、電気機械アクチュエーター等のような)プラテン移動アクチュエーター915も含む。プラテン移動アクチュエーター915は、使用時に、移動プラテン912を固定プラテン914に対して移動させるように、したがって、それぞれ移動プラテン912及び固定プラテン914に取り付けられる第1の金型部分96を第2の金型部分98に対して移動させるように動作可能である。型締め組立体996は、クランプブロック913に関連するクランプアクチュエーター918及びクランプシャッター920をさらに含む。クランプシャッター920は、使用時に、第1の金型部分96及び第2の金型部分98を合わせて型締めするためにクランプアクチュエーター918を移動プラテン912と選択的に接続するように動作可能である。最後に、型締め組立体996は、移動プラテン912に関連する(例えば、油圧アクチュエーター、空気圧アクチュエーター、電気機械アクチュエーター等のような)エジェクターアクチュエーター922も含むことができる。エジェクターアクチュエーター922は、第1の金型部分96に関連する構造体に接続可能である。第1の金型部分96の構造体は、使用時に、エジェクターアクチュエーター922の作動により駆動され、それにより、例えば第1の成形物品102A(図4)を第1の金型部分96から突き出すような動作が行われる。
【0021】
例として、以下に記載の射出組立体997は、一般的な往復スクリュー型を表しているが、その構造及び/又は動作の一般性に関する特定の限定は意図されない。したがって、射出組立体997は、例えば別個の可塑化及び射出手段(すなわち、いわゆる2段型)を有する構造等、異なる構造を有することができる。射出組立体997は、例えばポリエチレン又はポリエチレンテレフタレート(PET)のような成形材料を溶融し、成形機ノズル(図示せず)を通して、第2の金型部分98に関連する溶融物分配装置190(例えば、ホットランナー、コールドランナー、断熱ランナー等)に射出するように動作可能である。溶融物分配装置190はさらに、第1の金型部分96及び第2の金型部分98が閉じ合わされて型締めされた状態で、成形材料を、射出成形用金型100内に画定されている1つ又は複数の成形キャビティ101(図2A)に導く。
【0022】
説明の焦点をここで、関連する非限定的な実施形態の成形物品移送機構150を含む、図2Aに示される射出成形用金型100の非限定的な実施形態の構成及び動作に移すものとする。成形物品移送機構150は、射出成形用金型100の第1の金型スタック106Aから受け取られる第1の成形物品102Aを移送するように動作可能である。
【0023】
図2Aに示されるように、第1の金型部分96は、第1の金型スタック106Aの第1のスタック部分110及び成形物品移送機構150が接続される第1の金型シュー130を含む。第2の金型部分98は、第1の金型スタック106Aの第2のスタック部120が接続される第2の金型シュー131を含む。第1のスタック部110及び第2のスタック部120は、使用時に、第1の成形物品102A(図2A)の成形及び突き出しを行うよう、間に画定される成形キャビティ101を開閉するように、射出成形用金型100の金型ストローク軸Xに沿って互いに対して位置決めされる。
【0024】
第1の金型スタック106Aの第1のスタック部110は、内側コア112、外側コア114及びストリッパースリーブ116を含み、これらは、使用時に第2のスタック部120のキャビティインサート122と協働して成形キャビティ101を画定する。
【0025】
外側コア114は、使用時に金型ストローク軸Xに沿ったその相対移動に対処するように、内側コア112の周りに摺動可能に配置され、その技術的な効果は例えば、第1の成形物品102Aのシール部103(図6D)の解放を含むことができる。同様に、ストリッパースリーブ116は、使用時に、金型ストローク軸Xに沿ったその相対移動に対処するように、外側コア114の周りに摺動可能に配置され、その技術的な効果は例えば、外側コア114からの第1の成形物品102Aの離型(stripping)を含むことができる。
【0026】
先に言及したように、外側コア114及び内側コア112は使用時に、金型ストローク軸Xに沿った使用時のその相対移動を制限するように摺動可能に一緒に保持される。例えば、内側コア112は、バヨネット113を画定するように構成されることができ、外側コア114はバヨネット受け部(bayonet pocket)117を画定するように構成されることができ、その場合、バヨネット113及びバヨネット受け部117は、回転可能に係合すると、協働して内側コア112の周りに外側コア114を摺動可能に保持するように構成される。動作時、内側コア112及び外側コア114は、キー119によって回転可能な係合状態に保持される。キー119は第2のコアリテーナー(core retainer:移動側型板)133に固定されることで、その一部が通路139に延び、外側コア114と協働して内側コア112に対するその角度配向を維持するのに用いられる。
【0027】
第1のスタック部110は、内側コア112と外側コア114との間に配置される弾性部材115をさらに含み、弾性部材115は、ストリッパースリーブ116に対する移動の前進限に向けて外側コア114を付勢するように配置され、これは、図2Aに示されるように、第1の成形物品102Aの成形中のそれらの相対配置に対応する。
【0028】
前述したように、第1のスタック部110の上記部材は第1の金型シュー130に接続される。ここで、より詳細には、第1の金型シュー130は第1のコアリテーナー132、第2のコアリテーナー133及びストリッパーリテーナー136を含み、これらは、使用時に、金型ストローク軸Xに沿ったそれらの相対移動に対処するように、共に摺動可能に接続される。したがって、内側コア112は第1のコアリテーナー132に固定される。外側コア114は、第2のコアリテーナー133内に画定される通路139内に摺動可能に配置され、したがって、使用時に、金型ストローク軸Xに沿った、外側コア成形位置(図2A)から離型位置(図2B)へのその移動に対処するように第2のコアリテーナー133に対して移動可能である。最後に、ストリッパースリーブ116は、ストリッパーリテーナー136内に画定されるポケット138内に摺動可能に保持され、したがって、使用時に、金型ストローク軸Xに沿った、ストリッパースリーブ成形位置(図2A)から突き出し位置(図2B)へのその移動に対処するようにストリッパーリテーナー136に対して移動可能である。なお、ストリッパーリテーナー136はベースプレート134及びトッププレート135を含み、ベースプレート134及びトッププレート135は使用時に、ストリッパースリーブのフランジ123が内部に摺動可能に保持された状態でポケット138を画定するように共に締め付けられる。
【0029】
さらになお、内側コア112は、内部に画定されている冷媒回路を分離するように流体密な方法で第1のコアリテーナー132に接続されて示されている。冷媒分配器193と該冷媒分配器193が内部に配置されている内側コア112内に画定されているスペースとの間に冷媒回路が画定されている。冷媒分配器193の端部は、第1のコアリテーナー132に接続されており、他の場合では、使用時に、どちらも第1のコアリテーナー132内に画定されている冷媒入口導管191と冷媒出口導管194との間に冷媒を導くように配置される。動作時、水のような冷媒が冷媒チャネルを循環して、内側コア112から、また、第1の金型スタック106Aの他の部材(内側コア112に熱的に接続される)のいずれかから熱を取り除き、それにより、第1の成形物品102Aが急速に冷却されることでより速い成形サイクルを確実にすることができる。
【0030】
金型ストローク軸Xに沿った、第1の金型シュー130の第1のコアリテーナー132とストリッパーリテーナー136との間の相対移動は、使用時に、第1のコアリテーナー132及びストリッパーリテーナー136に接続されているストリッパーアクチュエーター153によって駆動することができる。より詳細には、移動プラテン912と固定プラテン914との間の相対移動によって、図2Aに示されるような型閉じ形態Cと図2Bに示されるような型開き形態Oとの間で射出成形用金型100を位置決めすることにより、ストリッパーアクチュエーター153が金型ストローク軸Xに沿って第1のコアリテーナー132に対してストリッパーリテーナー136を必要に応じて延出及び後退させるように動作可能である。とはいえ、ストリッパーアクチュエーター153は、射出成形用金型100が開くことによってストリッパーリテーナー136を付勢して金型ストローク軸Xに沿って第1のコアリテーナー132に対して延出させるようにばね式アクチュエーター(例えばコイル又は空気ばね)とすることができ、また、射出成形用金型100を閉じることによって第1のコアリテーナー132に対するストリッパーリテーナー136の後退を行うことができる。さらに、型締め組立体996のエジェクターアクチュエーター922を、第2のコアリテーナー133に接続し、金型ストローク軸Xに沿ったその位置決め変更を行うことができる。
【0031】
前述したように、また、図2A及び図2Bを参照して示されるように、成形物品移送機構150は概して、第1の開口154Aを画定している移送構造部151を含む。動作時、第1の開口154Aは、i)図2Aに示されるように内部に配置される第1の金型スタック106A、より詳細には、上記の一般概念を限定するわけではないがその第1のスタック部110、及びii)第1の金型スタック106Aを第1の開口154Aから後退させるように金型ストローク軸Xに沿って第1の金型スタック106Aを開くことにより図2Bに示されるように内部に受け入れられる第1の成形物品102Aを交互に収容する。また図3及び図4にも示されるように、移送構造部151は第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aをさらに画定しており、第1の成形物品102Aは第1のスタック部110から突き出される際に該第1の分岐チャネル156A及び該第1の主幹チャネル158Aを通過可能である。より詳細には、第1の分岐チャネル156Aは、使用時に第1の成形物品102Aを第1の主幹チャネル158Aに通すように、第1の開口154Aを第1の主幹チャネル158Aに接続し、その後、第1の成形物品102Aは、第1の主幹チャネル158Aをその出口164Aに向かって通過する。第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aは、異なる方向に延びるように配置されている。上記の技術的な効果は、射出成形用金型の他の構造体を回避する経路、すなわち他の金型スタックを含む可能性がいっさいない経路に沿って、第1の成形物品102Aを射出成形用金型を通って通過させることを可能にすることを含むことができる。
【0032】
非限定的な本実施形態では、移送構造部151は、図2Aを参照して示されるように、使用時に第1の金型部分96に関連する移送プレート152を含む。移送プレート152は、第1の開口154A、第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aを部分的に画定している。移送構造部151は協働構造部159も含み、この協働構造部159は第2の金型シュー131の前面に設けられており、該協働構造部159によって第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aをそれらの少なくとも一部に沿って囲むようになっている。したがって、ストリッパーリテーナー153は、通常の動作中、第1の成形物品102Aを成形物品移送機構150内に移送するのに必要とされる時間期間全体を通して、移送プレート152を第2の金型シュー131の協働構造部159と接触状態に維持するように動作可能である。実際には、上記は、図2Aに示されるような型閉じ形態Cと図2Bに示されるような型開き形態Oとの間での第1の金型部分96と第2の金型部分98との間の相対移動を通じて、移送プレート152を協働構造部と接触状態のままにするように付勢することを含むことができる。上記に対する1つの例外は成形開始プロセスの実行時である。名称が示唆する通り、成形開始プロセスは通常、ただし排他的ではなく、射出成形用金型100を始動するときに実行される。一般的に知られているように、射出成形用金型の開始は多くの場合、ショートショット(すなわち一部しか成形されていない成形物品)をなくすために、突き出しに断固に抗する(例えば通常その過冷却による)成形物品を取り出すために、又は、バリ(すなわち成形キャビティ101の外側にしみ出た成形材料)を取り除く等のために、成形システムの操作者による手動の介入を必要とする。そのため、開始時に、第2の金型シュー131の移送プレート151と協働構造部159との間にスペースを設けて第1のスタック部110及び第2のスタック部120のそれぞれへの容易なアクセスを行うように第1の金型部分96及び第2の金型部分98を金型ストローク軸Xに沿って位置決めすることが必要であろう。
【0033】
ここで再び図3及び図4を参照すると、移送構造部151が第1のノズル162Aをさらに画定しており、この第1のノズル162Aは、図3に示されるように、第1の開口154A内に受け入れられている第1の成形物品102Aを第1の主幹チャネル158Aに向けて第1の分岐チャネル156Aに通すように付勢する方向に流体を吐出するように配置されていることを理解することができる。第1のノズル162Aは、第1の成形物品102Aを第2のスタック部120から離すように付勢するよう、第1の開口154Aを介して第1の成形物品102Aの上方へ第2のスタック部120に向けて流体を吐出するようにさらに配置されることができる。上記の技術的な効果は、第1の成形物品102Aが、第1のスタック部110から突き出される際、第2のスタック部120のキャビティインサート122内に画定されているキャビティ124に再び入らないようにすることを含むことができ、それによって、第1の成形物品102Aが第1の分岐チャネル156Aを通ることができる。
【0034】
射出成形用金型100をこれまで第1の金型スタック106Aを有するものとして記載してきたが、射出成形用金型は他の場合では金型スタックのアレイを含むことができる。そのような金型スタックのアレイは、1つ又は複数の列の金型スタックを含むことができる。
【0035】
したがって、成形物品移送機構150の、移送プレート152を含む移送構造部151は、図4を参照して示されるように、第1の開口154Aを含む第1の列の開口155Aをさらに画定することができる。第1の列の開口155Aは、i)内部に配置される、射出成形用金型100の、第1の金型スタック106Aを含む第1の列の金型スタック107A、及びii)第1の列の金型スタック107Aを第1の列の開口155Aから後退させるように第1の列の金型スタック107Aを金型ストローク軸Xに沿って開くことにより内部に受け入れられる、第1の成形物品102Aを含む第1の列の成形物品104Aを交互に収容する。さらに、移送構造部151は、第1の分岐チャネル156Aを含む第1の列の分岐チャネル157Aを画定することができる。第1の列の分岐チャネル157Aはそれぞれ、使用時に第1の列の成形物品107Aのうちの1つを第1の主幹チャネル158Aに通すよう、第1の列の開口155Aのうちの1つを第1の主幹チャネル158Aに接続するように配置されており、その後、第1の列の成形物品107Aは、第1の主幹チャネル158Aをその出口164Aに向かって通過する。
【0036】
同様にして、したがって、さらなる説明をしないが、移送構造部151は、他の列の金型スタックによって製造される成形物品を移送する同様の構造部をさらに画定することができる。例示のため、これらの同様の構造部は、第2の列の成形物品104Bを第2の列の金型スタック107Bから移送するのに用いる、第2の列の開口155B、第2の列の分岐チャネル157B及び第2の主幹チャネル158Bの協働構造部を含むものとして図4において特定されている。同様に、第3の列の成形物品104Cを第3の列の金型スタック107Cから移送するのに用いる、第3の列の開口155C、第3の列の分岐チャネル157C及び第3の主幹チャネル158Cが設けられている。
【0037】
例示されるように、第1の主幹チャネル158Aが第1の列の開口155Aと第2の列の開口155Bとの間に配置され、第2の主幹チャネル158Bが第2の列の開口155Bと第3の列の開口155Cとの間に配置され、さらに第3の主幹チャネル158Cが第3の列の開口155Cのもう一方の側に配置されている。典型的な射出成形用金型における金型スタックの列間に密な間隔があれば、第1の列の開口155A及び第1の主幹チャネル158Aは、それらの大部分に沿って、排他的ではないが平行な方向に延びるように配置することができる。また、列状配置の金型スタックを仮定すると、第1の列の分岐チャネル157Aはそれぞれ、第1の主幹チャネル158Aと交わるように第1の列の開口155Aから離れて(すなわち或る角度で)延びるように配置される。また、大部分の射出成形用金型が横型の射出成形システム900(すなわち金型ストローク軸Xが横である)内に取り付けられていると仮定すると、第1の列の成形物品104Aが使用時に重力の影響下で第1の主幹チャネル158Aと第1の列の分岐チャネル157Aのそれぞれを通過可能である方向に延びるように第1の主幹チャネル158Aと第1の列の分岐チャネル157Aのそれぞれとを配置することがさらに可能である。上記の配置を、残りの列の開口、分岐チャネル及び主幹チャネルに関しても当てはめることができる。
【0038】
移送構造部151は、第1のノズル162Aが含まれる第1の列のノズル163Aも画定することができ、第1の列のノズル163Aはそれぞれ、使用時に、第1の列の開口155A内に受け入れられている第1の列の成形物品104Aを第1の主幹チャネル158Aに向けて第1の列の分岐チャネル157Aに通すように付勢する方向に流体を吐出するように配置されている。さらに、第1の列のノズル163Aは、第1の列の成形物品104Aを第1の列の金型スタック107Aのそれぞれの第2のスタック部120から離すように付勢するよう、第1の列の開口155Aを介して第1の列の成形物品104Aの上方へ第1の列の金型スタック107Aのそれぞれの第2のスタック部120に向けて流体を吐出するようにさらに配置されることができる。
【0039】
同様にして、したがってさらなる説明をしないが、移送構造部151は他の列の開口等に関連するさらなる列のノズルをさらに画定することができる。
【0040】
図5を参照すると、成形物品移送機構150は、第1の列のノズル163Aに対する流体の流れを制御するように流体源170(例えば空気)と第1の列のノズル163Aとの間に配置される複数の流量制御デバイス169をさらに含むことができる。より詳細には、第1の列に特定されているノズルのうちの4つのノズル、すなわち第1のノズル162A、第2のノズル162B、第3のノズル162C及び第4のノズル162Dはそれぞれ、第1の管路160A、第2の管路160B、第3の管路160C及び第4の管路160Dを介して流体源に接続されている第1の弁168A、第2の弁168B、第3の弁168C及び第4の弁168Dのうちの対応する弁を介して流体源から分離している。弁は、手で調整可能な弁若しくは電動式スプール弁による等、制御可能とすることができるか、又は他の場合ではオリフィス弁等のような一定圧力降下機構とすることができる。したがって、複数の流量制御デバイス169は、使用時に、例えば以下:i)第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる流量で流体を吐出すること、ii)第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる間隔にわたって流体を吐出すること、及びiii)第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる時点で流体を吐出することを開始すること、のうちの1つ又は複数の目的のために、第1の列のノズル163Aを介して流体を吐出することを制御するように構成することができる。
【0041】
説明の焦点をここで、図6Aを参照して示されるように、2009年11月30日に出願されたHalter他の本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第61/264,883号において記載されているように金型内シャッター140をさらに含む射出成形用金型100の代替的な非限定的な実施形態の構成及び動作に移すものとする。金型内シャッター140を含めることで、図2Aに示されるような型閉じ形態Cと図2Bに示されるような型開き形態Oとの間で射出成形用金型100の第1の金型部分96及び第2の金型部分98を位置決めするように固定プラテン914に対する移動プラテン912の位置決めを変更し続ける必要なく、第1の金型スタック106Aが含まれる複数の金型スタックを開閉することが可能である。上記の技術的な効果として特に成形サイクル時間の短縮を挙げることができ、その場合、型締め組立体996の特定の動作が以前は関与していた時間成分が取り除かれている。すなわち、製造サイクルはもはや、クランプシャッター920が連続的に(すなわち、成形サイクル毎に)開放及び再閉鎖されることの待機を伴わず、移動プラテン912の前後移動の待機も必要としない。
【0042】
金型内シャッター140は第1の金型部分96に関連する。より詳細には、金型内シャッター140は、移動プラテン912と射出用金型100の第1の金型シュー130との間に配置される。金型内シャッター140は概してシャッター部材144及びリンク部材146を含む。図示のように、シャッター部材144は型締め組立体996の移動プラテン912に関連し、リンク部材146は第1の金型シュー130に関連する。動作時、シャッター部材144は、使用時に、i)閉鎖位置S(図6A)及びii)開位置U(図6B)に交互に選択的に位置決めされる。したがって、金型内シャッター140は、シャッター部材144に接続されるシャッターアクチュエーター148をさらに含み、シャッターアクチュエーター148は、使用時に、開位置U及び閉鎖位置S間でのシャッター部材144の移動を駆動するように動作可能である。図5Aに示されるように、シャッター部材144が閉鎖位置Sに配置されている状態では、シャッター部材144はリンク部材146と係合し、それにより、第1の金型シュー130が移動プラテン912と係合する。図6Bに示されるように、シャッター部材144が開位置Uに配置されている状態では、シャッター部材144はリンク部材146から離脱され、それにより、第1の金型シュー130が、使用時に、金型ストローク軸Xに沿って移動することができる。金型ストローク軸Xに沿った第1の金型シュー130の移動は、例えば型締め組立体996のエジェクターアクチュエーター922によって駆動することができる。上記は、図6Aを参照して概略的に示され、ここではエジェクターアクチュエーター922は第1のコアリテーナー132に接続されて示されている。
【0043】
金型内シャッター140は、シャッター部材144が摺動可能に連結される支持ベース142をさらに含み、支持ベース142は、使用時に、締結具192等によって移動プラテン912に固定接続されるように構成される。さらに、リンク部材146が第1の金型シュー130の第1のコアリテーナー132の背面に接続される。この構成では、リンク部材146は、第1の金型スタック106Aの第1のスタック部110と位置合わせされる。同様に、射出成形用金型100が複数の金型スタック(これには第1の金型スタック106Aが含まれる)を含むことで複数の成形キャビティを画定して、使用時に、図2A及び図2Bを参照して示されているもののような複数の成形物品を成形する場合、金型内シャッター140は複数のリンク部材(これにはリンク部材146が含まれる)をさらに含むことができ、複数のリンク部材のそれぞれが複数の金型スタックのうちの1つと位置合わせされる。とはいえ、リンク部材の数及び配置に関するそのような特定の限定は意図されない。
【0044】
シャッター部材144は、使用時に、シャッター部材144が開位置U(図6B)に位置決めされており、第1の金型シュー130が金型ストローク軸Xに沿って後退位置B(図6E)に向かって移動するときに、リンク部材146を内部に配置して収容するように構成されている第1のクリアランス開口145をさらに画定する。第1の金型シュー130の所要のストロークに応じて、第1のクリアランス開口145は、図示のように、シャッター部材144を貫通するように構成されることができる。さらに、支持ベース142が第2のクリアランス開口143を画定することもでき、この第2のクリアランス開口143は、使用時に、シャッター部材144が開位置Uへ位置決めされた状態で、第1のクリアランス開口145と位置合わせされる。したがって、第2のクリアランス開口143は、使用時に、シャッター部材144が開位置Uに位置決めされており、第1の金型シュー130が後退位置Bに向かって金型ストローク軸Xに沿って移動するときに、リンク部材146を内部に配置して収容するように構成される。
【0045】
第1のクリアランス開口145及び第2のクリアランス開口143の形状及びサイズに対するリンク部材146の形状及びサイズは、リンク部材146が中に配置可能である限り特に制限されない。本発明の非限定的な例では、リンク部材146は円筒体を有し、その場合、第1のクリアランス開口145及び第2のクリアランス開口143は相補的な円筒ボアとして設けられる。
【0046】
前述したように、移送プレート152は、図2Aに示されるように、射出成形用金型100の第1の金型部分96と関連する。したがって、金型内シャッター140には、第1の金型シュー130を囲むのに、また他の場合では、使用時に成形物品移送機構150の移送プレート152を射出成形システム900の移動プラテン912と連結するのに用いるエジェクターボックス147がさらに設けられている。より詳細には、或る締結具192が移送プレート152をエジェクターボックス147の頂部に接続し、別の締結具192が金型内シャッター140の支持ベース142をエジェクターボックス147の底面に接続し、なお、支持ベース142は、使用時に、締結具192等によって移動プラテン912に固定接続される。さらに、エジェクターボックス147はスペース149を画定しており、このスペース内を使用時に金型ストローク軸Xに沿って第1のコアリテーナー132及び第2のコアリテーナー133が移動することができる。この非限定的な実施形態では、ストリッパーリテーナー136が移送プレート152に固定されることに留意することに価値がある。前述したように、金型ストローク軸Xに沿った第1の金型シュー130の移動は、少なくとも部分的に、型締め組立体996のエジェクターアクチュエーター922によって駆動することができる。より詳細には、エジェクターアクチュエーター922は、第1のコアリテーナー132にその位置決め変更のために接続されて示されている。さらに、また、図6Aに示されるように、射出成形用金型100は、ストリッパーリテーナー136及び第2のコアリテーナー133に接続されているストリッパーアクチュエーター253をさらに含み、ストリッパーアクチュエーター253は、使用時に金型ストローク軸Xに沿ってストリッパーリテーナー136に対して第2のコアリテーナー133を移動させるように動作可能である。
【0047】
金型内シャッター140を有する射出成形用金型100を伴う射出成形プロセスが、図6A〜図6Gに示されている。成形プロセスは、図2Aに示されるように、内部に成形キャビティ101を画定するように第1の金型スタック106Aが閉じるよう、第1の金型シュー130が金型ストローク軸Xに沿って延出位置Eに位置決めされることにより、射出成形用金型100が型閉じ形態Cに位置決めされることで開始する。そのように開始する際、第1の金型スタック106Aは、成形物品移送機構150の移送プレート152によって画定された第1の開口154A内に配置される。さらに、金型内シャッター140のシャッター部材144が閉鎖位置Sにあり、それにより、第1の金型シュー130が移動プラテン912と係合する。したがって、射出成形用金型100は第1の成形物品102Aを成形するように構成される。その後、第1の成形物品102A(図示せず)の成形が成形キャビティ101への成形材料の射出により行われる。
【0048】
射出成形プロセスは次に、図6Bを参照して示されるように、第1の金型シュー130を移動プラテン912から離脱させるように金型内シャッター140を開放することを含む。シャッター部材144の開放は、シャッターアクチュエーター148の制御を通じてシャッター部材144を開位置Uにシフトさせることを含み、その場合、シャッター部材144がリンク部材146から離脱する。
【0049】
射出成形プロセスは次に、図6Cを参照して示されるように、第1のスタック部110に配置されている第1の成形物品102Aを第1の開口154A内に位置決めするように、金型ストローク軸Xに沿って第1のスタック部110を後退させることにより第1の金型スタック106Aを開くことを含む。このことは、第1のコアリテーナー132及び第2のコアリテーナー133を金型ストローク軸Xに沿って後退させること、したがって、第1のコアリテーナー132に保持されている内側コア112を後退させることを伴い、その場合、外側コア114及びストリッパースリーブ116は、第1の成形物品102Aによって内側コア112と共に連係することによって、内側コア112と共に後退する。第1のコアリテーナー132及び第2のコアリテーナー133の後退は、それぞれエジェクターアクチュエーター992及びストリッパーアクチュエーター153の制御を通じて行われる。
【0050】
射出成形プロセスは次に、図6Dを参照して示されるように、第1の成形物品102Aを第1の開口154A内へ突き出すように第1のスタック部110を配置する第1の段階、より詳細には、内側コア112と外側コア114との間のその相対移動により、第1の成形物品102Aのシール部103をそれが成形された場所から離型することを含む。図示のように、最後のステップの完了により、ストリッパースリーブ116はポケット138内での移動のその後進限に達しており、したがって、第1の成形物品102Aが内側コア112又は外側コア114と共にそれ以上後退しないようにされている。したがって、本ステップは、エジェクターアクチュエーター922の制御を通じて第1のコアリテーナー132を後退させることであって、第1のコアリテーナー132に保持されている内側コア112を、第1の成形物品102A内に配置されることによって動かないように保たれている外側コア114に対して、シール部103を剥離するのに十分な距離だけ金型ストローク軸Xに沿って後退させる、後退させることを含む。
【0051】
射出成形プロセスは次に、図6Eを参照して示されるように、第1の成形物品102Aを第1の開口154A内へ突き出すように第1のスタック部110を配置すると共に、さらに、第1のスタック部110を第1の開口154Aから後退させることにより第1の金型スタック106Aを開く、最終段階を含む。上記は、エジェクターアクチュエーター922の制御を通じて第1のコアリテーナー132を金型ストローク軸Xに沿って後退位置Bに後退させることであって、第1のコアリテーナー132に保持されている内側コア112を、内側コア112が外側コア114に対して移動の(バヨネット受け部117と協働したバヨネット113によって画定されるような)その後進限に達することによって離型位置に外側コア114をさらに移動させるのに十分な距離だけ後退させる、後退させることを伴う。第1の成形物品102Aは、ストリッパースリーブ116の頂部との接触を支持することにより第1の開口154A内に保持されているため、外側コア114から離型され、外側コア114がその離型位置への後退と共にストリッパースリーブ116から後退する。
【0052】
射出成形プロセスは次に、図6Fを参照して示されるように、第1の成形物品102A(図示せず)を付勢して第1の開口154Aから第1の分岐チャネル156Aを介して第1の主幹チャネル158Aへ通過させるように、第1のノズル162Aを介して流体を吐出することを含む。第1の成形物品102Aは、第1の主幹チャネル158A内に受け入れられると、重力の影響下で、かつ/又は空気若しくは何らかの他の流体が第1の主幹チャネル158A内に導かれることの補助によって、第1の主幹チャネル158をその出口164A(図4)に向かって通過する。
【0053】
射出成形プロセスは、図6Gを参照して示されるように、第1の金型スタック106Aを閉じることで終了する。第1の金型スタック106Aを閉じることは、内側コア112及び外側コア114を各自のそれぞれの成形位置に延出させるように、かつ、そのようにする際、ストリッパースリーブ116をポケット138内でのその摺動移動によってその成形位置に押すように、それぞれエジェクターアクチュエーター922及びストリッパーアクチュエーター253の制御を通じての金型ストローク軸Xに沿った第1のコアリテーナー132及び第2のコアリテーナー133の延出により、第1の金型シュー130を延出位置Eに配置変更することを伴う。図示されていないが、別の第1の成形物品102Aを成形する前に、金型内シャッター140を閉鎖して第1の金型シュー130を移動プラテン912に係合させるというさらなる要件がある。
【0054】
説明の焦点をここで、図7を参照して示されるような、射出成形用金型200の別の代替的な非限定的な実施形態の構成及び動作に移すものとする。射出成形用金型200は図2Aの射出成形用金型100と同様に構成されており、したがって、その構造及び動作の相違点のみを以下の記載において詳細に説明する。
【0055】
そのような一相違点は、射出成形用金型200の第1の金型部分196及び第2の金型部分198、より詳細にはその第1の金型スタック206A、第1の金型シュー230及び第2の金型シュー231が、第1の成形物品102Aの封止部(encapsulated portion)(本例ではボトルの蓋のタンパーエビデントバンドである)を成形するのに用いる一対の可動割型インサート218に対処するように構成されていることである。
【0056】
より詳細には、第1のスタック部210は内側コア212、外側コア214、ストリッパースリーブ216及び一対の割型インサート218を含み、これらが使用時に第2のスタック部220のキャビティインサート222と協働して成形キャビティ101を画定する。
【0057】
同様に、第1の金型シュー230は、この場合は使用時に一対の割型インサート218を保持して動作させるのに用いる分割インサート(split insert:分割中子)リテーナー239も含むという点で、先に説明した第1の金型シュー130とは最も顕著に異なる。分割インサートリテーナー239の構造及び動作は当該技術分野においてよく知られているため、本明細書では詳細には記載しない。第1のリテーナーは、図示のように、一対の接続バー235が摺動可能に取り付けられている分割リテーナープレート237を含むことだけ述べておく。一対の割型インサート218、すなわち第1の分割部分(split half)218A及び第2の分割部分218Bが一対の接続バー235に取り付けられており、したがって、分割インサートリテーナー239との移動のために保持される。動作時、一対の接続バー235は、金型ストローク軸Xに対して実質的に垂直な軸に沿って移動可能であり、それにより、それぞれ、成形キャビティ101の封止部を形成するように、また、他の場合では第1の成形物品102Aの封止部を解放するように、第1の分割部分218A及び第2の分割部分218Bが閉じ形態と開き形態との間で移動する。
【0058】
成形物品移送機構250は、移送プレート252が、使用時に金型ストローク軸Xに沿ったストリッパースリーブ216の移動に対処するようにストリッパースリーブ216を摺動可能に内部に保持するポケット238を、第1の開口254Aの下に画定しているという点で、先に記載された成形物品移送機構150とは異なる。別の相違点は、成形物品移送機構250が分割インサートリテーナー239と第1の金型部分230の他方の部材(図示せず)との間に配置されているという点である。このようにして、第1の分岐チャネル256A及び第1の主幹チャネル258Aを画定している移送構造部251は、分割インサートリテーナー239の後面に設けられている協働構造部259も含む。すなわち、協働構造部259は、成形物品移送機構250の第1の分岐チャネル256A及び第1の主幹チャネル258Aを囲んでいる。
【0059】
説明の焦点をここで、射出成形システム900に一般的に関連するもののような、図1を参照して示されるようなコントローラー501で実行可能な、図8に示されるような射出成形プロセス300の説明に移すものとする。コントローラー501は、射出成形システム900のプラテン移動アクチュエーター915及びエジェクターアクチュエーター922にその制御のために接続されて示されている。同様に、ストリッパーアクチュエーター153、253、シャッターアクチュエーター148及び複数の流量制御デバイス169の一部又は全てをコントローラー501に同じように接続することもできる。
【0060】
したがって、コントローラー501は、該コントローラー501のコントローラー使用可能なメモリー510内に組み入れられている命令512を含むことができ、該コントローラー501に、図8に示されるような成形プロセス300を実行するように指示する命令512は、
(i)射出成形用金型100、200の第1の列の金型スタック107Aを閉じるステップ302であって、第1の列の金型スタック107Aは、第1の列の開口155A内に配置される、閉じるステップ302、
(ii)第1の列の成形物品104Aを第1の列の金型スタック107A内で成形するステップ304、
(iii)第1の列の金型スタック107Aを第1の列の開口155Aから後退させるように第1の列の金型スタック107Aを開くステップ306、
(iv)第1の列の成形物品104Aを第1の列の開口155Aに突き出すように第1の列の金型スタック107Aを配置するステップ308、及び
(v)第1の列の開口155A内に受け入れられている第1の列の成形物品104Aを第1の主幹チャネル158Aに向けて第1の列の分岐チャネル157Aに通すように付勢するよう、第1の列のノズル163Aを介して流体を吐出するステップ310、
を含む。
【0061】
さらに、吐出するステップ310は、以下の目的:第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる流量で流体を吐出すること310、第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる間隔にわたって流体を吐出すること310、及び/又は第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる時点で流体を吐出すること310を開始すること、のうちの1つ又は複数の目的のために、第1の列のノズル163Aを通る流体の流量を制御するように複数の流量制御デバイス169を制御することをさらに含むことができる。
【0062】
成形プロセス300を実行すべき順は特に限定されないことに留意することも価値がある。例えば、第1の列の金型スタック107Aを開くステップ306及び配置するステップ308は少なくとも部分的に順次又は同時に行うことができる。
【0063】
上記はより関係のある非限定的な実施形態の幾つかを概説していることに留意されたい。これらの非限定的な実施形態は多くの用途に用いることができる。したがって、この記載は特定の構成及び方法について行われているが、これらの非限定的な実施形態の意図及び概念は、他の配置及び用途に適していると共に適用可能とすることができる。当業者には、開示されている非限定的な実施形態に対して変更を行うことができることは明らかであろう。記載されている非限定的な実施形態は、それらのより顕著な特徴及び用途の一部を単に例証するものと解釈されるべきである。それらの非限定的な実施形態を異なるやり方で適用すること、又はそれらの非限定的な実施形態を当該技術分野に精通した者(当業者)に既知の方法で変更することによって、他の有益な成果を実現することができる。このことは、上記に別段記載のない限り、本明細書において明確に意図されている種々の非限定的な実施形態の間で特徴、要素及び/又は機能を組み合わせること並びに適合させることを含む。
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される非限定的な実施の形態は包括的に成形装置に関し、より詳細には、成形物品移送機構及び成形プロセスを実行するためのコントローラーに関する。
【背景技術】
【0002】
2008年4月1日に公開された、Vanderploeg他への特許文献1は、成形機用のサーボ・サイド・シャットル装置及び方法が構造体及び/又は工程を含んでおり、それにより、シャットルプレートが、成形機の第1の金型部分(mold half:金型半体)及び第2の金型部分のうちの少なくとも一方に隣接して配置されることを教示している。案内組立体が、金型部分へ連結されていて、金型部分の成形面を横切る方向においてシャットルプレートを直線的に案内する。駆動機構が、シャットルプレートを直線方向に駆動すべく設けられている。作業構造体が、シャットルプレートへ連結されていると共に、金型キャビティ内の又は金型コア上のいずれかに配置されている成形物品に作業を行うべく構成されている。作業は、成形物品を金型コアから取り外すこと、ラベルを金型キャビティへ貼着すること、及び/又は成形物品が金型コア上に留まっている間に成形物品の蓋を閉じることを含むことができる。
【0003】
1991年8月6に公開された、McGinley他への特許文献2は、1回の成形サイクル中に複数の第1の部品及び相補的な複数の第2の部品を成形する射出成形装置及びプロセスが、各サイクル中に成形された部品を取り出してそれらの部品を組み付けて完成物品にするシステムを有していることを教示している。このシステムは、第1の部品の各部品を第2の部品の各部品と嵌めるように、これらの部品を取り出すと共にこれらの部品を中心金型部材の一連の装填ポートと位置合わせして該一連の装填ポートに挿入する、複数の回転可能な吸引カップを含んでいる。中心金型部材は、組み付けた物品を金型から離すように搬送する内部シュート組立体をさらに有している。回転可能な吸引カップを駆動する新規なシステムが、種々の金型部分に取り付けられた回転可能な部材、及び面振れ構成を用いており、それにより、型閉じ及び型開きの動きの際の金型部分の相対移動が吸引カップの回転を生じさせる。
【0004】
1987年12月29日に公開された、Ehrler他への特許文献3は、射出成形プロセスによる情報担体板の製造時に射出成形用金型部により打抜いて除去される湯口部材を教示している。情報担体板の非常に傷つきやすい成形が、このプロセスによる離型時の湯口部材による損傷及びダスト粒子の堆積から保護される。湯口部材は、射出成形工具の、ダイスとして働く部分内へ打抜き挿入し、続いて該打抜きプロセス時に生じたダスト粒子と共に、該部分の内側から導出している開口を介して特に吸出によって除去される。好ましくは、湯口部材は射出成形工具が閉じ状態で打抜いて除去される。射出成形工具は、湯口部材及びダストが既に除去された後に初めて開かれるため、成形製品が極めて良好な質を得ることが確実となる。
【0005】
1991年1月1日及び1992年8月25日にそれぞれ公開された、Mausへの特許文献4及び特許文献5は、射出成形プロセスにより、成形部品の突き出し及び移送中に空中浮遊汚染物を閉め出した状態にすることができるマイクロクリーンルーム環境を金型キャビティの内部につくることを教示している。成形部品が成形され、金型キャビティ内の分割線面で硬化し、次いで可動金型インサート側の第2の面に後方へ運ばれ、この第2の面で離型され、排出開口(金型キャビティが第2の面内にある場合は開いているが第1の面内にある場合は閉じている)を通って移送される。この開口は、上昇する熱気流による侵入を防ぐように実質的に下方に面している。外部から供給される濾過したガスにより、通気孔を通して金型セットの内部スペース内に正圧をもたらすことができる。これにより金型及び部品の清浄度が最大限となり、その一方、「型開き」サイクルが時間短縮し、HEPAフィルター/エンクロージャー及びロボットを排除することができる。光学ディスク、レンズ、食品パッケージ及び医療部品が、示唆されている用途である。
【0006】
1986年5月20日に公開された、Schadへの特許文献6は、成形物品が順次に連続して一様の物理的な位置又は向きに回集される、連続サイクルの射出成形機から成形物品を連続して受け取り回集する装置を教示している。
【0007】
2005年9月6日に公開された、Homann他への特許文献7は、ガスアシスト射出成形を用いてトリム部品及びパネル用の中空リブ構造体を製造する方法及びシステムを教示している。可動インサート(insert:中子)部材が金型キャビティの特に構造的なリブ部材の両端に設けられている。プラスチック材料を金型キャビティに射出した後、このプラスチック材料が金型に詰められ、インサート部材が所定位置に固定される。インサート部材を固定するのに選択的に作動可能な固定機構が用いられる。その後、内部に中空チャネルを設けるためにガス又は別の流体がリブ部材に導入される。インサート部材の移動により、リブ部材から押しのけられた樹脂の位置にリセス又は溝が与えられる。樹脂材料が押しのけられるとプラスチック製の成形物品の成形が完成する。
【0008】
1993年9月14日に公開された、Maus他への特許文献8は、成形ディスク及び/又は湯口の内側部の外部成形保持(molded-on retention)のためのアンダーカットを有する可動金型部材と協働して作用する際に、成形ディスクのO.D.エッジを把持してその後で解放することができる一対の機械的なガイドの短ストロークの低質量移動により成形ディスクを金型から移送することを教示している。共に作用すると、成形ディスクは、成形面から離型され、金型の開口から自由に落下して排出シュートを介して出るように第2の垂直面内に向けることができる。湯口を成形ディスクから分離する2つの方法が示されているが、内部成形センター穴が好ましい。この装置及び方法は、光ディスク金型が成形サイクル全体を通して空中浮遊塵から封止されることができる、成形ディスクを重力排出によってより迅速に搬出するためのものである。
【0009】
1984年3月20日に公開された、Brown他への特許文献9は、容器の内側を画定しているコアと、該コアからの成形容器の突き出しを開始する、該コア内の第1の手段とを含む容器用射出成形装置における改良を教示している。この改良は、成形容器のリムに隣接した、該容器のリムに向けてガス状材料を吹き付け、それによって、容器をコアから離すように付勢することによって突き出しを完了させる第2の手段から構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7,351,050号
【特許文献2】米国特許第5,037,597号
【特許文献3】米国特許第4,715,806号
【特許文献4】米国特許第4,981,634号
【特許文献5】米国特許第5,141,430号
【特許文献6】米国特許第4,589,840号
【特許文献7】米国特許第6,939,504号
【特許文献8】米国特許第5,244,606号
【特許文献9】米国特許第4,438,065号
【発明の概要】
【0011】
本明細書に記載されている一態様によると、使用時に射出成形用金型に関連する成形物品移送機構が提供される。該成形物品移送機構は、特に、第1の成形物品を受け入れるように構成されている第1の開口を画定する移送構造部を含む。移送構造部はまた、前記第1の成形物品が通過可能な第1の分岐チャネル及び第1の主幹チャネルを画定する。前記第1の分岐チャネルは、使用時に前記第1の成形物品を前記第1の主幹チャネルに通すように、前記第1の開口を前記第1の主幹チャネルに接続し、その後、前記第1の成形物品は、前記第1の主幹チャネルをその出口に向かって通過する。
【0012】
本明細書に記載されている別の態様によると、コントローラーであって、該コントローラーのコントローラー使用可能なメモリー内に組み入れられている命令を含み、該命令は該コントローラーに成形プロセスを実行するように指示する、コントローラーが提供される。前記成形プロセスは、射出成形用金型の第1の金型スタックを閉じること、第1の成形物品を前記第1の金型スタック内で成形すること、前記第1の金型スタックを開くこと、前記第1の成形物品を第1の開口に突き出すように前記第1の金型スタックを配置すること、及び前記第1の開口内に受け入れている前記第1の成形物品を第1の主幹チャネルに向けて第1の分岐チャネルに通すように付勢するよう、前記移送構造部によって画定されている第1のノズルを介して流体を吐出することを含む。
【0013】
次にこれらの態様及び特徴並びに他の態様及び特徴が、添付図面と共に特定の非限定的な実施形態の以下の記載を検討すれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0014】
例示的な(非限定的な)実施形態の詳細な記載は、添付図面と共に読めばより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】非限定的な実施形態の射出成形用金型が内部に配置されている射出成形システムの概略図である。
【図2A】型閉じ形態に配置された、図1に示されている射出成形用金型の一部、及び関連する成形物品移送機構の一部の断面図である。
【図2B】型開き形態に配置された、図2Aに示されている射出成形用金型の一部の断面図である。
【図3】成形物品移送機構に関連する第1のノズルを明らかにする、図2Aの射出成形用金型の一部の斜視図である。
【図4】成形物品移送機構を含む、図1の射出成形用金型の第1の金型部分の別の部分の正面図である。
【図5】代替的な非限定的な実施形態の成形物品移送機構を含む第1の金型部分の別の部分の正面図である。
【図6A】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6B】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6C】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6D】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6E】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6F】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図6G】金型内シャッターをさらに含み、非限定的な射出成形プロセスの種々のステップ中の該金型内シャッターの形態を示す、図2Aの射出成形用金型の一部の一連の断面図のうちの一断面図である。
【図7】型閉じ形態に配置された、代替的な非限定的な実施形態の射出成形用金型の一部の断面図である。
【図8】射出成形プロセスの第1の態様のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、仮想線、概略図及び部分図によって示されている場合がある。特定の例において、実施形態の理解に必要ではないか又は他の詳細部を把握することを困難にする詳細部は省かれている場合がある。
【0017】
図1は、非限定的な実施形態の射出成形用金型100が内部に配置されている射出成形システム900の概略図を示す。射出成形用金型100は、例えば容器の蓋のような第1の成形物品102(図2B又は図4)を成形するように動作可能である。
【0018】
射出成形システム900及び射出成形用金型100の以下の記載において、それらの構成部材の多くが当業者に既知であり、したがって、これらの既知の構成部材は本明細書では詳細には説明しない。これらの既知の構成部材の詳細な説明は、以下の参考文献(例えば):(i)OSSWALD/TURNG/GRAMANN著の「Injection Molding Handbook(射出成形ハンドブック)」(ISBN: 3-446-21669-2)、(ii)ROSATO AND ROSATO著の「Injection Molding Handbook(射出成形ハンドブック)」(ISBN: 0-412-10581-3)、(iii)JOHANNABER著の「Injection Molding Systems(射出成形システム)」(第3版)(ISBN: 3-446-17733-7)、及び/又は(iv)BEAUMONT著の「Runner and Gating Design Handbook(ランナーとゲートの設計ハンドブック)」(ISBN: 1-446-22672-9)において、少なくとも部分的に参照することができる。
【0019】
図1に示される射出成形システム900は、限定されるものではないが、型締め組立体996及び射出組立体997を含むように示されている。
【0020】
例として、以下で説明する型締め組立体996は一般的な3プラテン型を表しているが、その構造及び/又は動作の一般性に関するそのような特定の限定は意図されない。したがって、型締め組立体996は、例えば2プラテンしか有しない構造等、異なる構造を有することができる。とはいえ、型締め組立体996の非限定的な実施形態は特に、移動プラテン912、固定プラテン914、クランプブロック913及びタイバー916を含む。タイバー916は、固定プラテン914をクランプブロック913と連係させ、さらに、移動プラテン912を摺動可能に支持する。描写を簡単にするためにタイバー916は1つだけしか示されていないが、移動プラテン912、固定プラテン914及びクランプブロック913の4つの隅のそれぞれの間に1つずつ延びる、4つのそのようなタイバー916を設けることが一般的である。型締め組立体996は、移動プラテン912とクランプブロック913との間で接続される(例えば、油圧アクチュエーター、空気圧アクチュエーター、電気機械アクチュエーター等のような)プラテン移動アクチュエーター915も含む。プラテン移動アクチュエーター915は、使用時に、移動プラテン912を固定プラテン914に対して移動させるように、したがって、それぞれ移動プラテン912及び固定プラテン914に取り付けられる第1の金型部分96を第2の金型部分98に対して移動させるように動作可能である。型締め組立体996は、クランプブロック913に関連するクランプアクチュエーター918及びクランプシャッター920をさらに含む。クランプシャッター920は、使用時に、第1の金型部分96及び第2の金型部分98を合わせて型締めするためにクランプアクチュエーター918を移動プラテン912と選択的に接続するように動作可能である。最後に、型締め組立体996は、移動プラテン912に関連する(例えば、油圧アクチュエーター、空気圧アクチュエーター、電気機械アクチュエーター等のような)エジェクターアクチュエーター922も含むことができる。エジェクターアクチュエーター922は、第1の金型部分96に関連する構造体に接続可能である。第1の金型部分96の構造体は、使用時に、エジェクターアクチュエーター922の作動により駆動され、それにより、例えば第1の成形物品102A(図4)を第1の金型部分96から突き出すような動作が行われる。
【0021】
例として、以下に記載の射出組立体997は、一般的な往復スクリュー型を表しているが、その構造及び/又は動作の一般性に関する特定の限定は意図されない。したがって、射出組立体997は、例えば別個の可塑化及び射出手段(すなわち、いわゆる2段型)を有する構造等、異なる構造を有することができる。射出組立体997は、例えばポリエチレン又はポリエチレンテレフタレート(PET)のような成形材料を溶融し、成形機ノズル(図示せず)を通して、第2の金型部分98に関連する溶融物分配装置190(例えば、ホットランナー、コールドランナー、断熱ランナー等)に射出するように動作可能である。溶融物分配装置190はさらに、第1の金型部分96及び第2の金型部分98が閉じ合わされて型締めされた状態で、成形材料を、射出成形用金型100内に画定されている1つ又は複数の成形キャビティ101(図2A)に導く。
【0022】
説明の焦点をここで、関連する非限定的な実施形態の成形物品移送機構150を含む、図2Aに示される射出成形用金型100の非限定的な実施形態の構成及び動作に移すものとする。成形物品移送機構150は、射出成形用金型100の第1の金型スタック106Aから受け取られる第1の成形物品102Aを移送するように動作可能である。
【0023】
図2Aに示されるように、第1の金型部分96は、第1の金型スタック106Aの第1のスタック部分110及び成形物品移送機構150が接続される第1の金型シュー130を含む。第2の金型部分98は、第1の金型スタック106Aの第2のスタック部120が接続される第2の金型シュー131を含む。第1のスタック部110及び第2のスタック部120は、使用時に、第1の成形物品102A(図2A)の成形及び突き出しを行うよう、間に画定される成形キャビティ101を開閉するように、射出成形用金型100の金型ストローク軸Xに沿って互いに対して位置決めされる。
【0024】
第1の金型スタック106Aの第1のスタック部110は、内側コア112、外側コア114及びストリッパースリーブ116を含み、これらは、使用時に第2のスタック部120のキャビティインサート122と協働して成形キャビティ101を画定する。
【0025】
外側コア114は、使用時に金型ストローク軸Xに沿ったその相対移動に対処するように、内側コア112の周りに摺動可能に配置され、その技術的な効果は例えば、第1の成形物品102Aのシール部103(図6D)の解放を含むことができる。同様に、ストリッパースリーブ116は、使用時に、金型ストローク軸Xに沿ったその相対移動に対処するように、外側コア114の周りに摺動可能に配置され、その技術的な効果は例えば、外側コア114からの第1の成形物品102Aの離型(stripping)を含むことができる。
【0026】
先に言及したように、外側コア114及び内側コア112は使用時に、金型ストローク軸Xに沿った使用時のその相対移動を制限するように摺動可能に一緒に保持される。例えば、内側コア112は、バヨネット113を画定するように構成されることができ、外側コア114はバヨネット受け部(bayonet pocket)117を画定するように構成されることができ、その場合、バヨネット113及びバヨネット受け部117は、回転可能に係合すると、協働して内側コア112の周りに外側コア114を摺動可能に保持するように構成される。動作時、内側コア112及び外側コア114は、キー119によって回転可能な係合状態に保持される。キー119は第2のコアリテーナー(core retainer:移動側型板)133に固定されることで、その一部が通路139に延び、外側コア114と協働して内側コア112に対するその角度配向を維持するのに用いられる。
【0027】
第1のスタック部110は、内側コア112と外側コア114との間に配置される弾性部材115をさらに含み、弾性部材115は、ストリッパースリーブ116に対する移動の前進限に向けて外側コア114を付勢するように配置され、これは、図2Aに示されるように、第1の成形物品102Aの成形中のそれらの相対配置に対応する。
【0028】
前述したように、第1のスタック部110の上記部材は第1の金型シュー130に接続される。ここで、より詳細には、第1の金型シュー130は第1のコアリテーナー132、第2のコアリテーナー133及びストリッパーリテーナー136を含み、これらは、使用時に、金型ストローク軸Xに沿ったそれらの相対移動に対処するように、共に摺動可能に接続される。したがって、内側コア112は第1のコアリテーナー132に固定される。外側コア114は、第2のコアリテーナー133内に画定される通路139内に摺動可能に配置され、したがって、使用時に、金型ストローク軸Xに沿った、外側コア成形位置(図2A)から離型位置(図2B)へのその移動に対処するように第2のコアリテーナー133に対して移動可能である。最後に、ストリッパースリーブ116は、ストリッパーリテーナー136内に画定されるポケット138内に摺動可能に保持され、したがって、使用時に、金型ストローク軸Xに沿った、ストリッパースリーブ成形位置(図2A)から突き出し位置(図2B)へのその移動に対処するようにストリッパーリテーナー136に対して移動可能である。なお、ストリッパーリテーナー136はベースプレート134及びトッププレート135を含み、ベースプレート134及びトッププレート135は使用時に、ストリッパースリーブのフランジ123が内部に摺動可能に保持された状態でポケット138を画定するように共に締め付けられる。
【0029】
さらになお、内側コア112は、内部に画定されている冷媒回路を分離するように流体密な方法で第1のコアリテーナー132に接続されて示されている。冷媒分配器193と該冷媒分配器193が内部に配置されている内側コア112内に画定されているスペースとの間に冷媒回路が画定されている。冷媒分配器193の端部は、第1のコアリテーナー132に接続されており、他の場合では、使用時に、どちらも第1のコアリテーナー132内に画定されている冷媒入口導管191と冷媒出口導管194との間に冷媒を導くように配置される。動作時、水のような冷媒が冷媒チャネルを循環して、内側コア112から、また、第1の金型スタック106Aの他の部材(内側コア112に熱的に接続される)のいずれかから熱を取り除き、それにより、第1の成形物品102Aが急速に冷却されることでより速い成形サイクルを確実にすることができる。
【0030】
金型ストローク軸Xに沿った、第1の金型シュー130の第1のコアリテーナー132とストリッパーリテーナー136との間の相対移動は、使用時に、第1のコアリテーナー132及びストリッパーリテーナー136に接続されているストリッパーアクチュエーター153によって駆動することができる。より詳細には、移動プラテン912と固定プラテン914との間の相対移動によって、図2Aに示されるような型閉じ形態Cと図2Bに示されるような型開き形態Oとの間で射出成形用金型100を位置決めすることにより、ストリッパーアクチュエーター153が金型ストローク軸Xに沿って第1のコアリテーナー132に対してストリッパーリテーナー136を必要に応じて延出及び後退させるように動作可能である。とはいえ、ストリッパーアクチュエーター153は、射出成形用金型100が開くことによってストリッパーリテーナー136を付勢して金型ストローク軸Xに沿って第1のコアリテーナー132に対して延出させるようにばね式アクチュエーター(例えばコイル又は空気ばね)とすることができ、また、射出成形用金型100を閉じることによって第1のコアリテーナー132に対するストリッパーリテーナー136の後退を行うことができる。さらに、型締め組立体996のエジェクターアクチュエーター922を、第2のコアリテーナー133に接続し、金型ストローク軸Xに沿ったその位置決め変更を行うことができる。
【0031】
前述したように、また、図2A及び図2Bを参照して示されるように、成形物品移送機構150は概して、第1の開口154Aを画定している移送構造部151を含む。動作時、第1の開口154Aは、i)図2Aに示されるように内部に配置される第1の金型スタック106A、より詳細には、上記の一般概念を限定するわけではないがその第1のスタック部110、及びii)第1の金型スタック106Aを第1の開口154Aから後退させるように金型ストローク軸Xに沿って第1の金型スタック106Aを開くことにより図2Bに示されるように内部に受け入れられる第1の成形物品102Aを交互に収容する。また図3及び図4にも示されるように、移送構造部151は第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aをさらに画定しており、第1の成形物品102Aは第1のスタック部110から突き出される際に該第1の分岐チャネル156A及び該第1の主幹チャネル158Aを通過可能である。より詳細には、第1の分岐チャネル156Aは、使用時に第1の成形物品102Aを第1の主幹チャネル158Aに通すように、第1の開口154Aを第1の主幹チャネル158Aに接続し、その後、第1の成形物品102Aは、第1の主幹チャネル158Aをその出口164Aに向かって通過する。第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aは、異なる方向に延びるように配置されている。上記の技術的な効果は、射出成形用金型の他の構造体を回避する経路、すなわち他の金型スタックを含む可能性がいっさいない経路に沿って、第1の成形物品102Aを射出成形用金型を通って通過させることを可能にすることを含むことができる。
【0032】
非限定的な本実施形態では、移送構造部151は、図2Aを参照して示されるように、使用時に第1の金型部分96に関連する移送プレート152を含む。移送プレート152は、第1の開口154A、第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aを部分的に画定している。移送構造部151は協働構造部159も含み、この協働構造部159は第2の金型シュー131の前面に設けられており、該協働構造部159によって第1の分岐チャネル156A及び第1の主幹チャネル158Aをそれらの少なくとも一部に沿って囲むようになっている。したがって、ストリッパーリテーナー153は、通常の動作中、第1の成形物品102Aを成形物品移送機構150内に移送するのに必要とされる時間期間全体を通して、移送プレート152を第2の金型シュー131の協働構造部159と接触状態に維持するように動作可能である。実際には、上記は、図2Aに示されるような型閉じ形態Cと図2Bに示されるような型開き形態Oとの間での第1の金型部分96と第2の金型部分98との間の相対移動を通じて、移送プレート152を協働構造部と接触状態のままにするように付勢することを含むことができる。上記に対する1つの例外は成形開始プロセスの実行時である。名称が示唆する通り、成形開始プロセスは通常、ただし排他的ではなく、射出成形用金型100を始動するときに実行される。一般的に知られているように、射出成形用金型の開始は多くの場合、ショートショット(すなわち一部しか成形されていない成形物品)をなくすために、突き出しに断固に抗する(例えば通常その過冷却による)成形物品を取り出すために、又は、バリ(すなわち成形キャビティ101の外側にしみ出た成形材料)を取り除く等のために、成形システムの操作者による手動の介入を必要とする。そのため、開始時に、第2の金型シュー131の移送プレート151と協働構造部159との間にスペースを設けて第1のスタック部110及び第2のスタック部120のそれぞれへの容易なアクセスを行うように第1の金型部分96及び第2の金型部分98を金型ストローク軸Xに沿って位置決めすることが必要であろう。
【0033】
ここで再び図3及び図4を参照すると、移送構造部151が第1のノズル162Aをさらに画定しており、この第1のノズル162Aは、図3に示されるように、第1の開口154A内に受け入れられている第1の成形物品102Aを第1の主幹チャネル158Aに向けて第1の分岐チャネル156Aに通すように付勢する方向に流体を吐出するように配置されていることを理解することができる。第1のノズル162Aは、第1の成形物品102Aを第2のスタック部120から離すように付勢するよう、第1の開口154Aを介して第1の成形物品102Aの上方へ第2のスタック部120に向けて流体を吐出するようにさらに配置されることができる。上記の技術的な効果は、第1の成形物品102Aが、第1のスタック部110から突き出される際、第2のスタック部120のキャビティインサート122内に画定されているキャビティ124に再び入らないようにすることを含むことができ、それによって、第1の成形物品102Aが第1の分岐チャネル156Aを通ることができる。
【0034】
射出成形用金型100をこれまで第1の金型スタック106Aを有するものとして記載してきたが、射出成形用金型は他の場合では金型スタックのアレイを含むことができる。そのような金型スタックのアレイは、1つ又は複数の列の金型スタックを含むことができる。
【0035】
したがって、成形物品移送機構150の、移送プレート152を含む移送構造部151は、図4を参照して示されるように、第1の開口154Aを含む第1の列の開口155Aをさらに画定することができる。第1の列の開口155Aは、i)内部に配置される、射出成形用金型100の、第1の金型スタック106Aを含む第1の列の金型スタック107A、及びii)第1の列の金型スタック107Aを第1の列の開口155Aから後退させるように第1の列の金型スタック107Aを金型ストローク軸Xに沿って開くことにより内部に受け入れられる、第1の成形物品102Aを含む第1の列の成形物品104Aを交互に収容する。さらに、移送構造部151は、第1の分岐チャネル156Aを含む第1の列の分岐チャネル157Aを画定することができる。第1の列の分岐チャネル157Aはそれぞれ、使用時に第1の列の成形物品107Aのうちの1つを第1の主幹チャネル158Aに通すよう、第1の列の開口155Aのうちの1つを第1の主幹チャネル158Aに接続するように配置されており、その後、第1の列の成形物品107Aは、第1の主幹チャネル158Aをその出口164Aに向かって通過する。
【0036】
同様にして、したがって、さらなる説明をしないが、移送構造部151は、他の列の金型スタックによって製造される成形物品を移送する同様の構造部をさらに画定することができる。例示のため、これらの同様の構造部は、第2の列の成形物品104Bを第2の列の金型スタック107Bから移送するのに用いる、第2の列の開口155B、第2の列の分岐チャネル157B及び第2の主幹チャネル158Bの協働構造部を含むものとして図4において特定されている。同様に、第3の列の成形物品104Cを第3の列の金型スタック107Cから移送するのに用いる、第3の列の開口155C、第3の列の分岐チャネル157C及び第3の主幹チャネル158Cが設けられている。
【0037】
例示されるように、第1の主幹チャネル158Aが第1の列の開口155Aと第2の列の開口155Bとの間に配置され、第2の主幹チャネル158Bが第2の列の開口155Bと第3の列の開口155Cとの間に配置され、さらに第3の主幹チャネル158Cが第3の列の開口155Cのもう一方の側に配置されている。典型的な射出成形用金型における金型スタックの列間に密な間隔があれば、第1の列の開口155A及び第1の主幹チャネル158Aは、それらの大部分に沿って、排他的ではないが平行な方向に延びるように配置することができる。また、列状配置の金型スタックを仮定すると、第1の列の分岐チャネル157Aはそれぞれ、第1の主幹チャネル158Aと交わるように第1の列の開口155Aから離れて(すなわち或る角度で)延びるように配置される。また、大部分の射出成形用金型が横型の射出成形システム900(すなわち金型ストローク軸Xが横である)内に取り付けられていると仮定すると、第1の列の成形物品104Aが使用時に重力の影響下で第1の主幹チャネル158Aと第1の列の分岐チャネル157Aのそれぞれを通過可能である方向に延びるように第1の主幹チャネル158Aと第1の列の分岐チャネル157Aのそれぞれとを配置することがさらに可能である。上記の配置を、残りの列の開口、分岐チャネル及び主幹チャネルに関しても当てはめることができる。
【0038】
移送構造部151は、第1のノズル162Aが含まれる第1の列のノズル163Aも画定することができ、第1の列のノズル163Aはそれぞれ、使用時に、第1の列の開口155A内に受け入れられている第1の列の成形物品104Aを第1の主幹チャネル158Aに向けて第1の列の分岐チャネル157Aに通すように付勢する方向に流体を吐出するように配置されている。さらに、第1の列のノズル163Aは、第1の列の成形物品104Aを第1の列の金型スタック107Aのそれぞれの第2のスタック部120から離すように付勢するよう、第1の列の開口155Aを介して第1の列の成形物品104Aの上方へ第1の列の金型スタック107Aのそれぞれの第2のスタック部120に向けて流体を吐出するようにさらに配置されることができる。
【0039】
同様にして、したがってさらなる説明をしないが、移送構造部151は他の列の開口等に関連するさらなる列のノズルをさらに画定することができる。
【0040】
図5を参照すると、成形物品移送機構150は、第1の列のノズル163Aに対する流体の流れを制御するように流体源170(例えば空気)と第1の列のノズル163Aとの間に配置される複数の流量制御デバイス169をさらに含むことができる。より詳細には、第1の列に特定されているノズルのうちの4つのノズル、すなわち第1のノズル162A、第2のノズル162B、第3のノズル162C及び第4のノズル162Dはそれぞれ、第1の管路160A、第2の管路160B、第3の管路160C及び第4の管路160Dを介して流体源に接続されている第1の弁168A、第2の弁168B、第3の弁168C及び第4の弁168Dのうちの対応する弁を介して流体源から分離している。弁は、手で調整可能な弁若しくは電動式スプール弁による等、制御可能とすることができるか、又は他の場合ではオリフィス弁等のような一定圧力降下機構とすることができる。したがって、複数の流量制御デバイス169は、使用時に、例えば以下:i)第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる流量で流体を吐出すること、ii)第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる間隔にわたって流体を吐出すること、及びiii)第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる時点で流体を吐出することを開始すること、のうちの1つ又は複数の目的のために、第1の列のノズル163Aを介して流体を吐出することを制御するように構成することができる。
【0041】
説明の焦点をここで、図6Aを参照して示されるように、2009年11月30日に出願されたHalter他の本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第61/264,883号において記載されているように金型内シャッター140をさらに含む射出成形用金型100の代替的な非限定的な実施形態の構成及び動作に移すものとする。金型内シャッター140を含めることで、図2Aに示されるような型閉じ形態Cと図2Bに示されるような型開き形態Oとの間で射出成形用金型100の第1の金型部分96及び第2の金型部分98を位置決めするように固定プラテン914に対する移動プラテン912の位置決めを変更し続ける必要なく、第1の金型スタック106Aが含まれる複数の金型スタックを開閉することが可能である。上記の技術的な効果として特に成形サイクル時間の短縮を挙げることができ、その場合、型締め組立体996の特定の動作が以前は関与していた時間成分が取り除かれている。すなわち、製造サイクルはもはや、クランプシャッター920が連続的に(すなわち、成形サイクル毎に)開放及び再閉鎖されることの待機を伴わず、移動プラテン912の前後移動の待機も必要としない。
【0042】
金型内シャッター140は第1の金型部分96に関連する。より詳細には、金型内シャッター140は、移動プラテン912と射出用金型100の第1の金型シュー130との間に配置される。金型内シャッター140は概してシャッター部材144及びリンク部材146を含む。図示のように、シャッター部材144は型締め組立体996の移動プラテン912に関連し、リンク部材146は第1の金型シュー130に関連する。動作時、シャッター部材144は、使用時に、i)閉鎖位置S(図6A)及びii)開位置U(図6B)に交互に選択的に位置決めされる。したがって、金型内シャッター140は、シャッター部材144に接続されるシャッターアクチュエーター148をさらに含み、シャッターアクチュエーター148は、使用時に、開位置U及び閉鎖位置S間でのシャッター部材144の移動を駆動するように動作可能である。図5Aに示されるように、シャッター部材144が閉鎖位置Sに配置されている状態では、シャッター部材144はリンク部材146と係合し、それにより、第1の金型シュー130が移動プラテン912と係合する。図6Bに示されるように、シャッター部材144が開位置Uに配置されている状態では、シャッター部材144はリンク部材146から離脱され、それにより、第1の金型シュー130が、使用時に、金型ストローク軸Xに沿って移動することができる。金型ストローク軸Xに沿った第1の金型シュー130の移動は、例えば型締め組立体996のエジェクターアクチュエーター922によって駆動することができる。上記は、図6Aを参照して概略的に示され、ここではエジェクターアクチュエーター922は第1のコアリテーナー132に接続されて示されている。
【0043】
金型内シャッター140は、シャッター部材144が摺動可能に連結される支持ベース142をさらに含み、支持ベース142は、使用時に、締結具192等によって移動プラテン912に固定接続されるように構成される。さらに、リンク部材146が第1の金型シュー130の第1のコアリテーナー132の背面に接続される。この構成では、リンク部材146は、第1の金型スタック106Aの第1のスタック部110と位置合わせされる。同様に、射出成形用金型100が複数の金型スタック(これには第1の金型スタック106Aが含まれる)を含むことで複数の成形キャビティを画定して、使用時に、図2A及び図2Bを参照して示されているもののような複数の成形物品を成形する場合、金型内シャッター140は複数のリンク部材(これにはリンク部材146が含まれる)をさらに含むことができ、複数のリンク部材のそれぞれが複数の金型スタックのうちの1つと位置合わせされる。とはいえ、リンク部材の数及び配置に関するそのような特定の限定は意図されない。
【0044】
シャッター部材144は、使用時に、シャッター部材144が開位置U(図6B)に位置決めされており、第1の金型シュー130が金型ストローク軸Xに沿って後退位置B(図6E)に向かって移動するときに、リンク部材146を内部に配置して収容するように構成されている第1のクリアランス開口145をさらに画定する。第1の金型シュー130の所要のストロークに応じて、第1のクリアランス開口145は、図示のように、シャッター部材144を貫通するように構成されることができる。さらに、支持ベース142が第2のクリアランス開口143を画定することもでき、この第2のクリアランス開口143は、使用時に、シャッター部材144が開位置Uへ位置決めされた状態で、第1のクリアランス開口145と位置合わせされる。したがって、第2のクリアランス開口143は、使用時に、シャッター部材144が開位置Uに位置決めされており、第1の金型シュー130が後退位置Bに向かって金型ストローク軸Xに沿って移動するときに、リンク部材146を内部に配置して収容するように構成される。
【0045】
第1のクリアランス開口145及び第2のクリアランス開口143の形状及びサイズに対するリンク部材146の形状及びサイズは、リンク部材146が中に配置可能である限り特に制限されない。本発明の非限定的な例では、リンク部材146は円筒体を有し、その場合、第1のクリアランス開口145及び第2のクリアランス開口143は相補的な円筒ボアとして設けられる。
【0046】
前述したように、移送プレート152は、図2Aに示されるように、射出成形用金型100の第1の金型部分96と関連する。したがって、金型内シャッター140には、第1の金型シュー130を囲むのに、また他の場合では、使用時に成形物品移送機構150の移送プレート152を射出成形システム900の移動プラテン912と連結するのに用いるエジェクターボックス147がさらに設けられている。より詳細には、或る締結具192が移送プレート152をエジェクターボックス147の頂部に接続し、別の締結具192が金型内シャッター140の支持ベース142をエジェクターボックス147の底面に接続し、なお、支持ベース142は、使用時に、締結具192等によって移動プラテン912に固定接続される。さらに、エジェクターボックス147はスペース149を画定しており、このスペース内を使用時に金型ストローク軸Xに沿って第1のコアリテーナー132及び第2のコアリテーナー133が移動することができる。この非限定的な実施形態では、ストリッパーリテーナー136が移送プレート152に固定されることに留意することに価値がある。前述したように、金型ストローク軸Xに沿った第1の金型シュー130の移動は、少なくとも部分的に、型締め組立体996のエジェクターアクチュエーター922によって駆動することができる。より詳細には、エジェクターアクチュエーター922は、第1のコアリテーナー132にその位置決め変更のために接続されて示されている。さらに、また、図6Aに示されるように、射出成形用金型100は、ストリッパーリテーナー136及び第2のコアリテーナー133に接続されているストリッパーアクチュエーター253をさらに含み、ストリッパーアクチュエーター253は、使用時に金型ストローク軸Xに沿ってストリッパーリテーナー136に対して第2のコアリテーナー133を移動させるように動作可能である。
【0047】
金型内シャッター140を有する射出成形用金型100を伴う射出成形プロセスが、図6A〜図6Gに示されている。成形プロセスは、図2Aに示されるように、内部に成形キャビティ101を画定するように第1の金型スタック106Aが閉じるよう、第1の金型シュー130が金型ストローク軸Xに沿って延出位置Eに位置決めされることにより、射出成形用金型100が型閉じ形態Cに位置決めされることで開始する。そのように開始する際、第1の金型スタック106Aは、成形物品移送機構150の移送プレート152によって画定された第1の開口154A内に配置される。さらに、金型内シャッター140のシャッター部材144が閉鎖位置Sにあり、それにより、第1の金型シュー130が移動プラテン912と係合する。したがって、射出成形用金型100は第1の成形物品102Aを成形するように構成される。その後、第1の成形物品102A(図示せず)の成形が成形キャビティ101への成形材料の射出により行われる。
【0048】
射出成形プロセスは次に、図6Bを参照して示されるように、第1の金型シュー130を移動プラテン912から離脱させるように金型内シャッター140を開放することを含む。シャッター部材144の開放は、シャッターアクチュエーター148の制御を通じてシャッター部材144を開位置Uにシフトさせることを含み、その場合、シャッター部材144がリンク部材146から離脱する。
【0049】
射出成形プロセスは次に、図6Cを参照して示されるように、第1のスタック部110に配置されている第1の成形物品102Aを第1の開口154A内に位置決めするように、金型ストローク軸Xに沿って第1のスタック部110を後退させることにより第1の金型スタック106Aを開くことを含む。このことは、第1のコアリテーナー132及び第2のコアリテーナー133を金型ストローク軸Xに沿って後退させること、したがって、第1のコアリテーナー132に保持されている内側コア112を後退させることを伴い、その場合、外側コア114及びストリッパースリーブ116は、第1の成形物品102Aによって内側コア112と共に連係することによって、内側コア112と共に後退する。第1のコアリテーナー132及び第2のコアリテーナー133の後退は、それぞれエジェクターアクチュエーター992及びストリッパーアクチュエーター153の制御を通じて行われる。
【0050】
射出成形プロセスは次に、図6Dを参照して示されるように、第1の成形物品102Aを第1の開口154A内へ突き出すように第1のスタック部110を配置する第1の段階、より詳細には、内側コア112と外側コア114との間のその相対移動により、第1の成形物品102Aのシール部103をそれが成形された場所から離型することを含む。図示のように、最後のステップの完了により、ストリッパースリーブ116はポケット138内での移動のその後進限に達しており、したがって、第1の成形物品102Aが内側コア112又は外側コア114と共にそれ以上後退しないようにされている。したがって、本ステップは、エジェクターアクチュエーター922の制御を通じて第1のコアリテーナー132を後退させることであって、第1のコアリテーナー132に保持されている内側コア112を、第1の成形物品102A内に配置されることによって動かないように保たれている外側コア114に対して、シール部103を剥離するのに十分な距離だけ金型ストローク軸Xに沿って後退させる、後退させることを含む。
【0051】
射出成形プロセスは次に、図6Eを参照して示されるように、第1の成形物品102Aを第1の開口154A内へ突き出すように第1のスタック部110を配置すると共に、さらに、第1のスタック部110を第1の開口154Aから後退させることにより第1の金型スタック106Aを開く、最終段階を含む。上記は、エジェクターアクチュエーター922の制御を通じて第1のコアリテーナー132を金型ストローク軸Xに沿って後退位置Bに後退させることであって、第1のコアリテーナー132に保持されている内側コア112を、内側コア112が外側コア114に対して移動の(バヨネット受け部117と協働したバヨネット113によって画定されるような)その後進限に達することによって離型位置に外側コア114をさらに移動させるのに十分な距離だけ後退させる、後退させることを伴う。第1の成形物品102Aは、ストリッパースリーブ116の頂部との接触を支持することにより第1の開口154A内に保持されているため、外側コア114から離型され、外側コア114がその離型位置への後退と共にストリッパースリーブ116から後退する。
【0052】
射出成形プロセスは次に、図6Fを参照して示されるように、第1の成形物品102A(図示せず)を付勢して第1の開口154Aから第1の分岐チャネル156Aを介して第1の主幹チャネル158Aへ通過させるように、第1のノズル162Aを介して流体を吐出することを含む。第1の成形物品102Aは、第1の主幹チャネル158A内に受け入れられると、重力の影響下で、かつ/又は空気若しくは何らかの他の流体が第1の主幹チャネル158A内に導かれることの補助によって、第1の主幹チャネル158をその出口164A(図4)に向かって通過する。
【0053】
射出成形プロセスは、図6Gを参照して示されるように、第1の金型スタック106Aを閉じることで終了する。第1の金型スタック106Aを閉じることは、内側コア112及び外側コア114を各自のそれぞれの成形位置に延出させるように、かつ、そのようにする際、ストリッパースリーブ116をポケット138内でのその摺動移動によってその成形位置に押すように、それぞれエジェクターアクチュエーター922及びストリッパーアクチュエーター253の制御を通じての金型ストローク軸Xに沿った第1のコアリテーナー132及び第2のコアリテーナー133の延出により、第1の金型シュー130を延出位置Eに配置変更することを伴う。図示されていないが、別の第1の成形物品102Aを成形する前に、金型内シャッター140を閉鎖して第1の金型シュー130を移動プラテン912に係合させるというさらなる要件がある。
【0054】
説明の焦点をここで、図7を参照して示されるような、射出成形用金型200の別の代替的な非限定的な実施形態の構成及び動作に移すものとする。射出成形用金型200は図2Aの射出成形用金型100と同様に構成されており、したがって、その構造及び動作の相違点のみを以下の記載において詳細に説明する。
【0055】
そのような一相違点は、射出成形用金型200の第1の金型部分196及び第2の金型部分198、より詳細にはその第1の金型スタック206A、第1の金型シュー230及び第2の金型シュー231が、第1の成形物品102Aの封止部(encapsulated portion)(本例ではボトルの蓋のタンパーエビデントバンドである)を成形するのに用いる一対の可動割型インサート218に対処するように構成されていることである。
【0056】
より詳細には、第1のスタック部210は内側コア212、外側コア214、ストリッパースリーブ216及び一対の割型インサート218を含み、これらが使用時に第2のスタック部220のキャビティインサート222と協働して成形キャビティ101を画定する。
【0057】
同様に、第1の金型シュー230は、この場合は使用時に一対の割型インサート218を保持して動作させるのに用いる分割インサート(split insert:分割中子)リテーナー239も含むという点で、先に説明した第1の金型シュー130とは最も顕著に異なる。分割インサートリテーナー239の構造及び動作は当該技術分野においてよく知られているため、本明細書では詳細には記載しない。第1のリテーナーは、図示のように、一対の接続バー235が摺動可能に取り付けられている分割リテーナープレート237を含むことだけ述べておく。一対の割型インサート218、すなわち第1の分割部分(split half)218A及び第2の分割部分218Bが一対の接続バー235に取り付けられており、したがって、分割インサートリテーナー239との移動のために保持される。動作時、一対の接続バー235は、金型ストローク軸Xに対して実質的に垂直な軸に沿って移動可能であり、それにより、それぞれ、成形キャビティ101の封止部を形成するように、また、他の場合では第1の成形物品102Aの封止部を解放するように、第1の分割部分218A及び第2の分割部分218Bが閉じ形態と開き形態との間で移動する。
【0058】
成形物品移送機構250は、移送プレート252が、使用時に金型ストローク軸Xに沿ったストリッパースリーブ216の移動に対処するようにストリッパースリーブ216を摺動可能に内部に保持するポケット238を、第1の開口254Aの下に画定しているという点で、先に記載された成形物品移送機構150とは異なる。別の相違点は、成形物品移送機構250が分割インサートリテーナー239と第1の金型部分230の他方の部材(図示せず)との間に配置されているという点である。このようにして、第1の分岐チャネル256A及び第1の主幹チャネル258Aを画定している移送構造部251は、分割インサートリテーナー239の後面に設けられている協働構造部259も含む。すなわち、協働構造部259は、成形物品移送機構250の第1の分岐チャネル256A及び第1の主幹チャネル258Aを囲んでいる。
【0059】
説明の焦点をここで、射出成形システム900に一般的に関連するもののような、図1を参照して示されるようなコントローラー501で実行可能な、図8に示されるような射出成形プロセス300の説明に移すものとする。コントローラー501は、射出成形システム900のプラテン移動アクチュエーター915及びエジェクターアクチュエーター922にその制御のために接続されて示されている。同様に、ストリッパーアクチュエーター153、253、シャッターアクチュエーター148及び複数の流量制御デバイス169の一部又は全てをコントローラー501に同じように接続することもできる。
【0060】
したがって、コントローラー501は、該コントローラー501のコントローラー使用可能なメモリー510内に組み入れられている命令512を含むことができ、該コントローラー501に、図8に示されるような成形プロセス300を実行するように指示する命令512は、
(i)射出成形用金型100、200の第1の列の金型スタック107Aを閉じるステップ302であって、第1の列の金型スタック107Aは、第1の列の開口155A内に配置される、閉じるステップ302、
(ii)第1の列の成形物品104Aを第1の列の金型スタック107A内で成形するステップ304、
(iii)第1の列の金型スタック107Aを第1の列の開口155Aから後退させるように第1の列の金型スタック107Aを開くステップ306、
(iv)第1の列の成形物品104Aを第1の列の開口155Aに突き出すように第1の列の金型スタック107Aを配置するステップ308、及び
(v)第1の列の開口155A内に受け入れられている第1の列の成形物品104Aを第1の主幹チャネル158Aに向けて第1の列の分岐チャネル157Aに通すように付勢するよう、第1の列のノズル163Aを介して流体を吐出するステップ310、
を含む。
【0061】
さらに、吐出するステップ310は、以下の目的:第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる流量で流体を吐出すること310、第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる間隔にわたって流体を吐出すること310、及び/又は第1の列のノズル163Aの少なくとも第1のノズル162A及び第2のノズル162Bを介して異なる時点で流体を吐出すること310を開始すること、のうちの1つ又は複数の目的のために、第1の列のノズル163Aを通る流体の流量を制御するように複数の流量制御デバイス169を制御することをさらに含むことができる。
【0062】
成形プロセス300を実行すべき順は特に限定されないことに留意することも価値がある。例えば、第1の列の金型スタック107Aを開くステップ306及び配置するステップ308は少なくとも部分的に順次又は同時に行うことができる。
【0063】
上記はより関係のある非限定的な実施形態の幾つかを概説していることに留意されたい。これらの非限定的な実施形態は多くの用途に用いることができる。したがって、この記載は特定の構成及び方法について行われているが、これらの非限定的な実施形態の意図及び概念は、他の配置及び用途に適していると共に適用可能とすることができる。当業者には、開示されている非限定的な実施形態に対して変更を行うことができることは明らかであろう。記載されている非限定的な実施形態は、それらのより顕著な特徴及び用途の一部を単に例証するものと解釈されるべきである。それらの非限定的な実施形態を異なるやり方で適用すること、又はそれらの非限定的な実施形態を当該技術分野に精通した者(当業者)に既知の方法で変更することによって、他の有益な成果を実現することができる。このことは、上記に別段記載のない限り、本明細書において明確に意図されている種々の非限定的な実施形態の間で特徴、要素及び/又は機能を組み合わせること並びに適合させることを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用時に射出成形用金型(100、200)に関連する成形物品移送機構(150、250)であって、
移送構造部(151、251)であって、
第1の成形物品(102A)を前記射出成形用金型(100)の第1の金型スタック(106A、206A)から受け入れるように構成されている第1の開口(154A)と、
前記第1の成形物品(102A)が通過可能な第1の分岐チャネル(156A)及び第1の主幹チャネル(158A)と、
を画定している移送構造部(151、251)を備え、
前記第1の分岐チャネル(156A)は、使用時に前記第1の成形物品(102A)を前記第1の主幹チャネル(158A)に通すように、前記第1の開口(154A)を前記第1の主幹チャネル(158A)に接続し、その後、前記第1の成形物品(102A)は、前記第1の主幹チャネル(158A)をその出口(164A)に向かって通過する、成形物品移送機構。
【請求項2】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の分岐チャネル(156A)及び第1の主幹チャネル(158A)は異なる方向に延びている、請求項1に記載の成形物品移送機構。
【請求項3】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の開口(154A)は、(i)内部に配置される、前記射出成形用金型(100)の、前記第1の金型スタック(106A、206A)、及び(ii)該第1の金型スタック(106A、206A)を該第1の開口(154A)から後退させるように金型ストローク軸(X)に沿って該第1の金型スタック(106A、206A)を開くことにより内部に受け入れられる前記第1の成形物品(102A)を交互に収容するように構成される、請求項1に記載の成形物品移送機構。
【請求項4】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は第1のノズル(162A)をさらに画定しており、該第1のノズル(162A)は、使用時に、前記第1の開口(154A)内に受け入れられている前記第1の成形物品(102A)を前記第1の主幹チャネル(158A)に向けて前記第1の分岐チャネル(156A)に通すように付勢する方向に流体を吐出するように配置されている、請求項1に記載の成形物品移送機構。
【請求項5】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の成形物品(102A)が前記第1の開口(154A)内に受け入れられている状態で、前記金型ストローク軸(X)に沿う前記第1の金型スタック(106A)の第1のスタック部(110、210)及び第2のスタック部(120、220)の相対的な位置決めによって、前記第1のノズル(162A)は、前記第1の成形物品(102A)を前記第2のスタック部(120、220)から離すように付勢するよう、前記第1の開口(154A)を介して前記第1の成形物品(102A)の上方へ前記第2のスタック部(120)に向けて流体を吐出するように配置されている、請求項3に記載の成形物品移送機構。
【請求項6】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は、
前記第1の開口(154A)を含む第1の列の開口(155A)であって、(i)内部に配置される、前記射出成形用金型(100、200)の、前記第1の金型スタック(106A)を含む第1の列の金型スタック(107A)、及び(ii)該第1の列の金型スタック(107A)を前記第1の列の開口(155A)から後退させるように該第1の列の金型スタック(107A)を前記金型ストローク軸(X)に沿って開くことにより、内部に受け入れられる、前記第1の成形物品(102A)を含む第1の列の成形物品(104A)を交互に収容する、前記第1の開口(154A)を含む第1の列の開口(155A)と、
前記第1の分岐チャネル(156A)を含む第1の列の分岐チャネル(157A)と、
を画定しており、
前記第1の列の分岐チャネル(157A)はそれぞれ、使用時に前記第1の列の成形物品(107A)のうちの1つを前記第1の主幹チャネル(158A)に通すように、前記第1の列の開口(155A)のうちの1つを前記第1の主幹チャネル(158A)に接続するように配置されており、その後、前記第1の成形物品(107A)は、前記第1の主幹チャネル(158A)をその出口(164A)に向かって通過する、請求項3に記載の成形物品移送機構。
【請求項7】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は第1の列のノズル(163A)を画定しており、
前記第1の列のノズル(163A)はそれぞれ、使用時に、前記第1の列の開口(155A)内に受け入れられている前記第1の列の成形物品(104A)を前記第1の主幹チャネル(158A)に向けて前記第1の列の分岐チャネル(157A)に通すように付勢する方向に流体を吐出するように配置されている、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項8】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の列の成形物品(104A)が前記第1の列の開口(155A)内に受け入れられている状態で、前記金型ストローク軸(X)に沿う前記第1の列の金型スタック(107A)のそれぞれの第1のスタック部(110、210)及び第2のスタック部(120、220)の相対的な位置決めによって、前記第1の列のノズル(163A)は、前記第1の列の成形物品(104A)を前記第1の列の金型スタック(107A)のそれぞれの前記第2のスタック部(120)から離すように付勢するよう、前記第1の列の開口(155A)を介して前記第1の列の成形物品(104A)の上方へ前記第1の列の金型スタック(107A)のそれぞれの前記第2のスタック部(120)に向けて流体を吐出するように配置されている、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項9】
成形物品移送機構(150、250)であって、
複数の流量制御デバイス(169)をさらに備え、
前記複数の流量制御デバイス(169)は、前記第1の列のノズル(163A)に対する流体の流量を制御するように流体源(170)と該第1の列のノズル(163A)との間に配置されている、請求項7に記載の成形物品移送機構。
【請求項10】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記複数の流量制御デバイス(169)は、以下:
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも第1のノズル(162A)及び第2のノズル(162B)を介して異なる流量で流体を吐出すること、
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び前記第2のノズル(162B)を介して異なる間隔にわたって流体を吐出すること、及び
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び前記第2のノズル(162B)を介して異なる時点で流体を吐出することを開始すること、
のうちの1つ又は複数のために、使用時に前記第1の列のノズル(163A)を介して流体を吐出することを制御するように構成されている、請求項9に記載の成形物品移送機構。
【請求項11】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は、
前記射出成形用金型(100、200)に関連する第2の列の金型スタック(107B)から第2の列の成形物品(104B)を内部に受け入れる第2の列の開口(155B)と、
第2の列の分岐チャネル(157B)及び第2の主幹チャネル(158B)と、
を画定しており、
前記第2の列の分岐チャネル(157B)はそれぞれ、使用時に前記第2の列の成形物品(107B)のうちの1つを前記第2の主幹チャネル(158B)に通すよう、前記第2の列の開口(155B)のうちの1つを前記第2の主幹チャネル(158B)に接続するように配置されており、その後、前記第2の列の成形物品(107B)は、前記第2の主幹チャネル(158B)をその出口(164B)に向かって通過する、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項12】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の主幹チャネル(158A)は、前記第1の列の開口(155A)と前記第2の列の開口(155B)との間に配置されている、請求項11に記載の成形物品移送機構。
【請求項13】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第2の主幹チャネル(158B)は、前記第2の列の開口(155B)と第3の列の開口(155C)との間に配置されている、請求項12に記載の成形物品移送機構。
【請求項14】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の列の開口(155A)及び前記第1の主幹チャネル(158A)は、それらの大部分に沿って平行な方向に延びており、
前記第1の列の分岐チャネル(157A)はそれぞれ、前記第1の列の開口(155A)から離れるように延びている、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項15】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の主幹チャネル(158A)と前記第1の列の分岐チャネル(157A)のそれぞれとは、前記第1の列の成形物品(104A)が使用時に重力の影響下で前記第1の主幹チャネル(158A)と前記第1の列の分岐チャネル(157A)のそれぞれとを通過可能である方向に延びている、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項16】
成形物品移送機構(150、250)であって、
使用時に前記射出成形用金型(100、200)の第1の金型部分(96、196)及び第2の金型部分(98、198)のうちの一方に関連する、移送プレート(152、252)をさらに備え、
前記移送構造部(151、251)は前記移送プレート(152、252)を含み、該移送プレート(152、252)は、前記第1の列の開口(155A)、前記第1の列の分岐チャネル(157A)及び前記第1の主幹チャネル(158A)のうちの1つ又は複数を少なくとも部分的に画定している、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項17】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は、前記第1の金型部分(96、196)及び前記第2の金型部分(98)にそれぞれ関連する第1の金型シュー(130)及び第2の金型シュー(131)のうちの少なくとも一方に協働構造部(159、259)をさらに含む、請求項16に記載の成形物品移送機構。
【請求項18】
成形物品移送機構(150)であって、
前記協働構造部(159)は前記第2の金型シュー(131)の前面に設けられており、
前記第1の列の分岐チャネル(157A)及び前記第1の主幹チャネル(158A)は、少なくともそれらの一部に沿って前記協働構造部(159)によって囲まれている、請求項17に記載の成形物品移送機構。
【請求項19】
成形物品移送機構(250)であって、
前記協働構造部(259)は、前記第1の金型シュー(230)に関連する分割インサートリテーナー(239)の後面に設けられており、
前記第1の列の分岐チャネル(157A)及び前記第1の主幹チャネル(158A)は、少なくともそれらの一部に沿って前記協働構造部(259)によって囲まれている、請求項17に記載の成形物品移送機構。
【請求項20】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送プレート(152、252)は、前記第1の列の金型スタック(107A)のそれぞれのストリッパースリーブ(116、216)を、使用時に前記金型ストローク軸(X)に沿ったその移動に対処するように摺動可能に内部に保持するポケット(238)を、前記第1の列の開口(155A)の下に画定している、請求項16に記載の成形物品移送機構。
【請求項21】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送プレート(152、252)は、使用時に、該成形物品移送機構(150、250)を射出成形システム(900)の移動プラテン(912)に連結するように金型内シャッター(140)のエジェクターボックス(147)に取り付けられる、請求項16に記載の成形物品移送機構。
【請求項22】
コントローラー(501)であって、該コントローラー(501)のコントローラー使用可能なメモリー(510)内に組み入れられている命令(512)を含み、該コントローラー(501)に成形プロセス(300)を実行するように指示する前記命令(512)は、
射出成形用金型(100、200)の第1の金型スタック(106A)を閉じること(302)、
第1の成形物品(102A)を前記第1の金型スタック(106A)内で成形すること(304)、
前記第1の金型スタック(106A)を開くこと(306)、
前記第1の成形物品(102A)を、前記射出成形用金型(100)に関連する成形物品移送機構(150、250)の移送構造部(151、251)によって画定されている第1の開口(154A)に突き出すように前記第1の金型スタック(106A)を配置すること(308)、及び
前記第1の開口(154A)内に受け入れられている前記第1の成形物品(102A)を第1の主幹チャネル(158A)に向けて第1の分岐チャネル(156A)に通すように付勢するよう、前記移送構造部(151、251)によって画定されている第1のノズル(162A)を介して流体を吐出すること(310)、
を含む、コントローラー。
【請求項23】
コントローラー(501)であって、
閉じること(302)は、前記第1の金型スタック(106A)を含む第1の列の金型スタック(107A)を閉じることをさらに含み、該第1の列の金型スタック(107A)は、前記移送構造部(151、251)によって画定されている前記第1の開口(154A)を含む第1の列の開口(155A)内に配置され、
前記第1の成形物品(102A)を含む第1の列の成形物品(104A)を前記第1の列の金型スタック(107A)内で成形すること(304)、
前記第1の列の金型スタック(107A)を前記第1の列の開口(155A)から後退させるように該第1の列の金型スタック(107A)を開くこと(306)、
前記第1の列の成形物品(104A)を前記第1の列の開口(155A)に突き出すように前記第1の列の金型スタック(107A)を配置すること(308)、及び
前記第1の列の開口(155A)内に受け入れられている前記第1の列の成形物品(104A)を、前記第1の主幹チャネル(158A)に向けて前記第1の分岐チャネル(156A)を含む第1の列の分岐チャネル(157A)に通すように付勢するよう、前記移送構造部(151、251)によって画定されている前記第1のノズル(162A)を含む第1の列のノズル(163A)を介して流体を吐出すること(310)、
を含む、請求項22に記載のコントローラー。
【請求項24】
コントローラー(501)であって、
流体を吐出すること(310)は、以下の:
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び第2のノズル(162B)を介して異なる流量で流体を吐出すること(310)、
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び前記第2のノズル(162B)を介して異なる間隔にわたって流体を吐出すること(310)、及び
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び前記第2のノズル(162B)を介して異なる時点で流体を吐出すること(310)を開始すること、
のうちの1つ又は複数のために、前記第1の列のノズル(163A)を通る流体の流量を制御するように流体源(170)と該第1の列のノズル(163A)との間に配置されている複数の流量制御デバイス(169)を制御することを含む、請求項23に記載のコントローラー。
【請求項25】
コントローラー(501)であって、
前記第1の列の金型スタック(107A)を開くこと(306)及び配置すること(308)は少なくとも部分的に同時に行われる、請求項23に記載のコントローラー。
【請求項1】
使用時に射出成形用金型(100、200)に関連する成形物品移送機構(150、250)であって、
移送構造部(151、251)であって、
第1の成形物品(102A)を前記射出成形用金型(100)の第1の金型スタック(106A、206A)から受け入れるように構成されている第1の開口(154A)と、
前記第1の成形物品(102A)が通過可能な第1の分岐チャネル(156A)及び第1の主幹チャネル(158A)と、
を画定している移送構造部(151、251)を備え、
前記第1の分岐チャネル(156A)は、使用時に前記第1の成形物品(102A)を前記第1の主幹チャネル(158A)に通すように、前記第1の開口(154A)を前記第1の主幹チャネル(158A)に接続し、その後、前記第1の成形物品(102A)は、前記第1の主幹チャネル(158A)をその出口(164A)に向かって通過する、成形物品移送機構。
【請求項2】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の分岐チャネル(156A)及び第1の主幹チャネル(158A)は異なる方向に延びている、請求項1に記載の成形物品移送機構。
【請求項3】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の開口(154A)は、(i)内部に配置される、前記射出成形用金型(100)の、前記第1の金型スタック(106A、206A)、及び(ii)該第1の金型スタック(106A、206A)を該第1の開口(154A)から後退させるように金型ストローク軸(X)に沿って該第1の金型スタック(106A、206A)を開くことにより内部に受け入れられる前記第1の成形物品(102A)を交互に収容するように構成される、請求項1に記載の成形物品移送機構。
【請求項4】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は第1のノズル(162A)をさらに画定しており、該第1のノズル(162A)は、使用時に、前記第1の開口(154A)内に受け入れられている前記第1の成形物品(102A)を前記第1の主幹チャネル(158A)に向けて前記第1の分岐チャネル(156A)に通すように付勢する方向に流体を吐出するように配置されている、請求項1に記載の成形物品移送機構。
【請求項5】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の成形物品(102A)が前記第1の開口(154A)内に受け入れられている状態で、前記金型ストローク軸(X)に沿う前記第1の金型スタック(106A)の第1のスタック部(110、210)及び第2のスタック部(120、220)の相対的な位置決めによって、前記第1のノズル(162A)は、前記第1の成形物品(102A)を前記第2のスタック部(120、220)から離すように付勢するよう、前記第1の開口(154A)を介して前記第1の成形物品(102A)の上方へ前記第2のスタック部(120)に向けて流体を吐出するように配置されている、請求項3に記載の成形物品移送機構。
【請求項6】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は、
前記第1の開口(154A)を含む第1の列の開口(155A)であって、(i)内部に配置される、前記射出成形用金型(100、200)の、前記第1の金型スタック(106A)を含む第1の列の金型スタック(107A)、及び(ii)該第1の列の金型スタック(107A)を前記第1の列の開口(155A)から後退させるように該第1の列の金型スタック(107A)を前記金型ストローク軸(X)に沿って開くことにより、内部に受け入れられる、前記第1の成形物品(102A)を含む第1の列の成形物品(104A)を交互に収容する、前記第1の開口(154A)を含む第1の列の開口(155A)と、
前記第1の分岐チャネル(156A)を含む第1の列の分岐チャネル(157A)と、
を画定しており、
前記第1の列の分岐チャネル(157A)はそれぞれ、使用時に前記第1の列の成形物品(107A)のうちの1つを前記第1の主幹チャネル(158A)に通すように、前記第1の列の開口(155A)のうちの1つを前記第1の主幹チャネル(158A)に接続するように配置されており、その後、前記第1の成形物品(107A)は、前記第1の主幹チャネル(158A)をその出口(164A)に向かって通過する、請求項3に記載の成形物品移送機構。
【請求項7】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は第1の列のノズル(163A)を画定しており、
前記第1の列のノズル(163A)はそれぞれ、使用時に、前記第1の列の開口(155A)内に受け入れられている前記第1の列の成形物品(104A)を前記第1の主幹チャネル(158A)に向けて前記第1の列の分岐チャネル(157A)に通すように付勢する方向に流体を吐出するように配置されている、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項8】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の列の成形物品(104A)が前記第1の列の開口(155A)内に受け入れられている状態で、前記金型ストローク軸(X)に沿う前記第1の列の金型スタック(107A)のそれぞれの第1のスタック部(110、210)及び第2のスタック部(120、220)の相対的な位置決めによって、前記第1の列のノズル(163A)は、前記第1の列の成形物品(104A)を前記第1の列の金型スタック(107A)のそれぞれの前記第2のスタック部(120)から離すように付勢するよう、前記第1の列の開口(155A)を介して前記第1の列の成形物品(104A)の上方へ前記第1の列の金型スタック(107A)のそれぞれの前記第2のスタック部(120)に向けて流体を吐出するように配置されている、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項9】
成形物品移送機構(150、250)であって、
複数の流量制御デバイス(169)をさらに備え、
前記複数の流量制御デバイス(169)は、前記第1の列のノズル(163A)に対する流体の流量を制御するように流体源(170)と該第1の列のノズル(163A)との間に配置されている、請求項7に記載の成形物品移送機構。
【請求項10】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記複数の流量制御デバイス(169)は、以下:
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも第1のノズル(162A)及び第2のノズル(162B)を介して異なる流量で流体を吐出すること、
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び前記第2のノズル(162B)を介して異なる間隔にわたって流体を吐出すること、及び
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び前記第2のノズル(162B)を介して異なる時点で流体を吐出することを開始すること、
のうちの1つ又は複数のために、使用時に前記第1の列のノズル(163A)を介して流体を吐出することを制御するように構成されている、請求項9に記載の成形物品移送機構。
【請求項11】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は、
前記射出成形用金型(100、200)に関連する第2の列の金型スタック(107B)から第2の列の成形物品(104B)を内部に受け入れる第2の列の開口(155B)と、
第2の列の分岐チャネル(157B)及び第2の主幹チャネル(158B)と、
を画定しており、
前記第2の列の分岐チャネル(157B)はそれぞれ、使用時に前記第2の列の成形物品(107B)のうちの1つを前記第2の主幹チャネル(158B)に通すよう、前記第2の列の開口(155B)のうちの1つを前記第2の主幹チャネル(158B)に接続するように配置されており、その後、前記第2の列の成形物品(107B)は、前記第2の主幹チャネル(158B)をその出口(164B)に向かって通過する、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項12】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の主幹チャネル(158A)は、前記第1の列の開口(155A)と前記第2の列の開口(155B)との間に配置されている、請求項11に記載の成形物品移送機構。
【請求項13】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第2の主幹チャネル(158B)は、前記第2の列の開口(155B)と第3の列の開口(155C)との間に配置されている、請求項12に記載の成形物品移送機構。
【請求項14】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の列の開口(155A)及び前記第1の主幹チャネル(158A)は、それらの大部分に沿って平行な方向に延びており、
前記第1の列の分岐チャネル(157A)はそれぞれ、前記第1の列の開口(155A)から離れるように延びている、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項15】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記第1の主幹チャネル(158A)と前記第1の列の分岐チャネル(157A)のそれぞれとは、前記第1の列の成形物品(104A)が使用時に重力の影響下で前記第1の主幹チャネル(158A)と前記第1の列の分岐チャネル(157A)のそれぞれとを通過可能である方向に延びている、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項16】
成形物品移送機構(150、250)であって、
使用時に前記射出成形用金型(100、200)の第1の金型部分(96、196)及び第2の金型部分(98、198)のうちの一方に関連する、移送プレート(152、252)をさらに備え、
前記移送構造部(151、251)は前記移送プレート(152、252)を含み、該移送プレート(152、252)は、前記第1の列の開口(155A)、前記第1の列の分岐チャネル(157A)及び前記第1の主幹チャネル(158A)のうちの1つ又は複数を少なくとも部分的に画定している、請求項6に記載の成形物品移送機構。
【請求項17】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送構造部(151、251)は、前記第1の金型部分(96、196)及び前記第2の金型部分(98)にそれぞれ関連する第1の金型シュー(130)及び第2の金型シュー(131)のうちの少なくとも一方に協働構造部(159、259)をさらに含む、請求項16に記載の成形物品移送機構。
【請求項18】
成形物品移送機構(150)であって、
前記協働構造部(159)は前記第2の金型シュー(131)の前面に設けられており、
前記第1の列の分岐チャネル(157A)及び前記第1の主幹チャネル(158A)は、少なくともそれらの一部に沿って前記協働構造部(159)によって囲まれている、請求項17に記載の成形物品移送機構。
【請求項19】
成形物品移送機構(250)であって、
前記協働構造部(259)は、前記第1の金型シュー(230)に関連する分割インサートリテーナー(239)の後面に設けられており、
前記第1の列の分岐チャネル(157A)及び前記第1の主幹チャネル(158A)は、少なくともそれらの一部に沿って前記協働構造部(259)によって囲まれている、請求項17に記載の成形物品移送機構。
【請求項20】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送プレート(152、252)は、前記第1の列の金型スタック(107A)のそれぞれのストリッパースリーブ(116、216)を、使用時に前記金型ストローク軸(X)に沿ったその移動に対処するように摺動可能に内部に保持するポケット(238)を、前記第1の列の開口(155A)の下に画定している、請求項16に記載の成形物品移送機構。
【請求項21】
成形物品移送機構(150、250)であって、
前記移送プレート(152、252)は、使用時に、該成形物品移送機構(150、250)を射出成形システム(900)の移動プラテン(912)に連結するように金型内シャッター(140)のエジェクターボックス(147)に取り付けられる、請求項16に記載の成形物品移送機構。
【請求項22】
コントローラー(501)であって、該コントローラー(501)のコントローラー使用可能なメモリー(510)内に組み入れられている命令(512)を含み、該コントローラー(501)に成形プロセス(300)を実行するように指示する前記命令(512)は、
射出成形用金型(100、200)の第1の金型スタック(106A)を閉じること(302)、
第1の成形物品(102A)を前記第1の金型スタック(106A)内で成形すること(304)、
前記第1の金型スタック(106A)を開くこと(306)、
前記第1の成形物品(102A)を、前記射出成形用金型(100)に関連する成形物品移送機構(150、250)の移送構造部(151、251)によって画定されている第1の開口(154A)に突き出すように前記第1の金型スタック(106A)を配置すること(308)、及び
前記第1の開口(154A)内に受け入れられている前記第1の成形物品(102A)を第1の主幹チャネル(158A)に向けて第1の分岐チャネル(156A)に通すように付勢するよう、前記移送構造部(151、251)によって画定されている第1のノズル(162A)を介して流体を吐出すること(310)、
を含む、コントローラー。
【請求項23】
コントローラー(501)であって、
閉じること(302)は、前記第1の金型スタック(106A)を含む第1の列の金型スタック(107A)を閉じることをさらに含み、該第1の列の金型スタック(107A)は、前記移送構造部(151、251)によって画定されている前記第1の開口(154A)を含む第1の列の開口(155A)内に配置され、
前記第1の成形物品(102A)を含む第1の列の成形物品(104A)を前記第1の列の金型スタック(107A)内で成形すること(304)、
前記第1の列の金型スタック(107A)を前記第1の列の開口(155A)から後退させるように該第1の列の金型スタック(107A)を開くこと(306)、
前記第1の列の成形物品(104A)を前記第1の列の開口(155A)に突き出すように前記第1の列の金型スタック(107A)を配置すること(308)、及び
前記第1の列の開口(155A)内に受け入れられている前記第1の列の成形物品(104A)を、前記第1の主幹チャネル(158A)に向けて前記第1の分岐チャネル(156A)を含む第1の列の分岐チャネル(157A)に通すように付勢するよう、前記移送構造部(151、251)によって画定されている前記第1のノズル(162A)を含む第1の列のノズル(163A)を介して流体を吐出すること(310)、
を含む、請求項22に記載のコントローラー。
【請求項24】
コントローラー(501)であって、
流体を吐出すること(310)は、以下の:
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び第2のノズル(162B)を介して異なる流量で流体を吐出すること(310)、
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び前記第2のノズル(162B)を介して異なる間隔にわたって流体を吐出すること(310)、及び
前記第1の列のノズル(163A)の少なくとも前記第1のノズル(162A)及び前記第2のノズル(162B)を介して異なる時点で流体を吐出すること(310)を開始すること、
のうちの1つ又は複数のために、前記第1の列のノズル(163A)を通る流体の流量を制御するように流体源(170)と該第1の列のノズル(163A)との間に配置されている複数の流量制御デバイス(169)を制御することを含む、請求項23に記載のコントローラー。
【請求項25】
コントローラー(501)であって、
前記第1の列の金型スタック(107A)を開くこと(306)及び配置すること(308)は少なくとも部分的に同時に行われる、請求項23に記載のコントローラー。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図7】
【図8】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2012−528738(P2012−528738A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513428(P2012−513428)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001714
【国際公開番号】WO2011/069237
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(595155303)ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド (88)
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001714
【国際公開番号】WO2011/069237
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(595155303)ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド (88)
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
【Fターム(参考)】
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