説明

成形要素

成形繊維構造体は、成形要素を含む。成形要素は、中空であってもよい。成形要素は、繊維構造体の流体吸い上げの増加をもたらすことができる。成形要素は、高水準成形繊維構造体の質感印象をもたらすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
不織布繊維構造体は、成形要素を含む。成形要素は、流体吸い上げおよび保持を改善し、増加させることができる。成形要素は、繊維構造体のユーザーに高成形質感印象をもたらすことができる。
【背景技術】
【0002】
歴史上、数々の種類の不織布繊維構造体は、使い捨て基材として利用されている。用いられる数々の種類の不織布は、通常それらの製造に使用される特定の製造方法により視覚および触覚特性が異なる場合がある。しかし、全ての場合において、消費者は、乳幼児拭き取り用品などの拭き取り用品として使用されるのに好適な使い捨て基材に、洗浄能力などの他の機能属性に加えて強度、厚さ、可撓性、質感および柔軟性を必要としている。消費者は、拭き取り用品の評価において視覚および触覚特性に反応することが多い。
【0003】
消費者は、多くの場合、拭き取り用品自体の外観に基づく拭き取り用品の質感印象の知覚を有し、従って、知覚は、しばしば性質上、主観的である。拭き取り用品の質感は、消費者に製品差別化、強度、柔軟性および洗浄有効性の視覚信号をもたらすことができる。更に、拭き取り用品は、それらが、処理時に迅速に流体を取得し、貯蔵時ぬれた状態のままであるような流体吸い上げおよび保持特性、並びにユーザーの汚れた肌の洗浄時に有効である十分な厚さ、多孔性および質感を有するべきである。
【0004】
強度、厚さ、可撓性、流体吸い上げおよび保持、並びに質感印象は、製造時の不織布繊維構造体の任意のハイドロ成形(ハイドロエンボッシング、水力ニードルパンチング等としても既知)により影響を受ける場合がある。ハイドロ成形は、質感および/または図案を不織布構造体に取り入れる手段である。様々な像および図形が、不織布繊維構造体にハイドロ成形できる。像および図形は、1つだけの像若しくは図形、像若しくは図形群、像若しくは図形の繰り返し模様、連続的な像若しくは図形、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0005】
繊維ウェブは、その上に散在した隆起領域、低下領域またはそれらの組み合わせの成形模様を含むことがあるドラム、ベルト等などの成形部材上を搬送させることが可能である。模様は、像、図形または質感を繊維ウェブに成形するのに使用することができ、それにより成形繊維構造体をもたらす。繊維構造体上に生成した像、図形または質感は、繊維構造体の成形要素であってもよい。
【0006】
質感印象を消費者にもたらす以上に、繊維構造体の成形は、不織布繊維構造体の流体吸い上げ性能の改善をもたらすことができる。理論に束縛されるものではないが、繊維構造体の流体吸い上げは、全流体保持能力(毛管空隙により定義される)と衝突液体がこれらの毛管空隙に入ることができる容易性との両方の作用であってもよいと考えられる。ハイドロ成形は、空隙の毛管性に破壊作用をもたらすことができると考えられる。高成形繊維構造体は、全有効毛管空隙に寄与できる領域の量を減少させることが可能である。従って、このことが、全流体保持能力の減少をもたらす。非成形繊維構造体は、高成形繊維構造体と比べた場合、多量の毛管空隙のため、より高い全流体保持能力を示すことができる。しかし、非成形繊維構造体の毛管空隙は、成形繊維構造体ほど容易に繊維構造体全体にわたって衝突液体を通すことができない場合がある。従って、繊維構造体の成形量を最適化する必要がある。成形繊維構造体の流体吸い上げと保持の性状をバランスさせる必要がある。そのような成形繊維構造体から基材をもたらす必要が依然としてある。
【0007】
繊維構造体の成形が、繊維構造体の質感印象のユーザーの知覚に影響を与える場合もある。成形要素が、繊維構造体に利用され、ユーザーに繊維構造体の質感の視覚印象を提供してもよい。成形要素の数または大きさを増加させればさせるほど、繊維構造体は、触った感じでは軟らかくおよびよりよい清掃体験をもたらすという考えが増すことが推測される。繊維構造体の高水準の成形が、ユーザーに繊維構造体が高度に非平坦化されている印象をもたらすことが可能である。しかし、繊維構造体の高水準の成形は、構造体の流体吸い上げ効果に負の影響を及ぼし、それにより構造体の性能の減少を招く場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、繊維構造体の流体吸い上げおよび保持特性を維持し、同時に繊維構造体の質感印象を維持する必要がある。繊維構造体が、流体吸い上げ、保持および質感印象のこれらの特性を維持するよう組み込むことができる成形の水準を確定する必要性が依然として存在する。基材をそのような成形繊維構造体からもたらす必要が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、約5%〜約45%の成形領域を含む繊維構造体に関する。繊維構造体は、少なくとも1つの成形要素を含んでもよい。繊維構造体は、合成繊維類、天然繊維類またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0010】
成形要素は、中空要素であってもよい。成形要素は、円形、正方形、矩形、玉子形、楕円形、不規則円形、渦巻き形、巻き毛のおさげ(curly cues)、クロスハッチ(cross hatches)、小石(pebbles)、列円形(lined circles)、結合不規則円形、半円形、波線、気泡線(bubble lines)、パズル、葉、輪郭葉(outlined leaves)、プレート、接続された円形、変化曲線、点、ハニカムおよびこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。成形要素は、ロゴ、しるし、商標、幾何学的模様、表面像およびこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。
【0011】
繊維構造体は、少なくとも2つの成形要素を含んでもよい。2つの成形要素の一方は、他方の成形要素よりも小さくてもよい。より小さい成形要素は、半径単位を含んでもよい。より小さい成形要素は、他の成形要素の4半径単位以内であってもよい。2つの成形要素が、高質感印象をもたらすことができる。
【0012】
基材は、繊維構造体を含んでもよい。基材は、組成物を含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書では「エアレイイング」は、形成ヘッドからの繊維を分離、移動および無作為に沈積し、凝集性の主として等方性繊維ウェブを形成するために空気を使用する方法を指す。エアレイイング装置および方法は、当該技術分野において既知であり、クロイヤー(Kroyer)またはダン・ウェブ(Dan Web)装置(例えば、木材パルプエアレイイングに好適)およびランド・ウェバー(Rando Webber)装置(例えば、短繊維エアレイイングに好適)が挙げられる。
【0014】
本明細書では「坪量」は、繊維構造体の単位面積(典型的に平方メートル単位で測定される)の重量を指し、その単位面積は、繊維構造体の平面内で得られる。坪量を測定する単位面積の寸法および形状は、異なる坪量を有する区域の相体および絶対寸法並びに形状に依存する。
【0015】
本明細書では「カーディング」は、繊維の塊を実質的に個々の繊維に分離し、同時に凝集性の繊維ウェブを作製する機械的な方法を指す。カーディングは、典型的に、固まりを引いて梳いて離すための、細かい角度付きの密接した歯、ワイヤ、若しくは同等物の対向して動くベッドまたは表面を利用した機械上で実行される。2つの対向する表面の歯は、典型的に、反対方向に傾いていて、互いに関して異なる速度で動く。
【0016】
本明細書では「コフォーミング」は、スパンメルト方法を含んで指し、そこでは、粒子状物質、典型的にセルロースパルプは急冷空気に飛沫同伴され、その結果、粒子状物質が繊維形成プロセス時に半溶融繊維に結合する。
【0017】
本明細書では「繊維構造体」は、複数個の合成繊維、天然繊維およびこれらの組み合わせを含む配列を指す。合成および/または天然繊維は、当該技術分野において既知のように積層され繊維構造体を形成する。繊維構造体は、不織布であってもよい。繊維構造体は、繊維ウェブから形成されてもよく、基材の前駆体であってもよい。
【0018】
本明細書では「gsm」は、「1平方メートル当たりのグラム」を指す。
【0019】
本明細書では「中空」は、成形要素を指し、そこでは、成形要素が円などの形状を画定する。成形要素の境界は、成形されてもよいが、成形要素の内部は、非成形空間であり、従って中空であってもよい。成形要素の境界は、完全に非成形空間を囲む必要はないが、内部非成形空間に対して凹状であってもよい。成形要素の境界には、間隙が設けられてもよく、中空要素と考えられてもよい。
【0020】
本明細書では「成形要素」は、ハイドロ成形によって付与された成形繊維構造体上の質感、模様、像、図形およびこれらの組み合わせを指す。ハイドロ成形された質感、模様、像、図形およびこれらの組み合わせは、成形繊維構造体の第1縁部から成形繊維構造体の第2縁部まで切れ目なく伸長する必要はない。成形要素は、別の成形要素から分離した別個の要素であってもよい。成形要素は、他の成形要素と重なり合ってもよい。
【0021】
「成形部材」は、複数個の天然繊維、複数個の合成繊維およびこれらの組み合わせを含む繊維ウェブに対する支持体として使用することができる構造要素を指す。成形要素は、繊維構造体に所望の形状である「型」であってもよい。成形部材は、その上を搬送される繊維ウェブに模様を付与し、連続的な成形要素を包含する成形繊維構造体を製造する能力を有する成形模様を含んでもよい。
【0022】
「不織布」は、連続繊維、共押出繊維、不連続繊維およびこれらの組み合わせの組立体からスパンボンディング、カーディング、メルトブロウイング、エアレイイング、ウェットレイイング、コフォームまたはそのような目的のため当該技術分野において既知の他のそのような方法などの方法により、織りまたは編まれることなく作製される繊維構造体を指す。不織布構造は、前記繊維組立体の1つ以上の層を含んでもよく、各層は、連続繊維、共押出繊維、不連続繊維およびこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0023】
本明細書では「スパンメルト」は、スパンレイイングとメルトブロウイングの両方を含む方法を指す。スパンレイイングは、凝集性ウェブから作製時に繊維が溶解物から押し出される方法である。繊維は、微細毛管ダイを通過した溶融繊維材料の押出成形により形成され、典型的にレイイングの前に空気中で急冷される。メルトブロウイングでは急冷時に使用される空気流は、スパンレイイングにおけるよりも典型的に大きく、生成した繊維は、増加した空気流の延伸作用により典型的により細くなる。
【0024】
本明細書では「基材」は、食物、硬質表面、不活発体、身体部分等などの各種表面を洗浄または処理するのに使用される一片の材料、一般に不織布材料を指す。例えば、多くの現在入手できる基材で、排便後の肛門周囲領域の清掃を企図することが可能である。他の基材が、顔または身体部分の清掃に利用できる。「基材」は、「拭き取り用品」として既知の場合があり、両方の用語は交換可能に使用できる。複数の基材が任意の好適な方法により一緒に取り付けられミットを形成してもよい。
【0025】
本明細書では「質感印象」は、ユーザーによる成形繊維構造体または基材の感覚視覚印象を指す。質感印象は、低質感印象、適度の質感印象または高質感印象のものであってもよい。印象の水準は、成形繊維構造体に対する成形要素の寸法および相対近接によりもたらされてもよい。成形要素のより大きい数が、ユーザーに高質感印象をもたらす場合がある。寸法が大きく、間隔をあけて隔置されるより少ない数の成形要素も、ユーザーに高質感印象をもたらす場合がある。数が大きく一緒に接近した小さい成形要素が、高質感印象をもたらす場合がある。寸法が小さく、間隔をあけて隔置されるより少ない数の成形要素は、質感印象を減少させる場合がある。質感印象は、ユーザーに、基材の柔軟性および洗浄有効性に関する視覚信号をもたらすことができる。
【0026】
繊維ウェブ
繊維ウェブは、任意の従来のやり方で形成することができ、ハイドロ成形方法に使用されて好適である任意の不織布ウェブであってもよい。繊維ウェブは、カーディング、エアレイイング、スパンレイイングおよびその類により製造されてもよいような任意のウェブ、マットまたはバラ毛のバットから構成されてもよい。繊維ウェブは、不織布成形繊維構造体の前駆体であってもよい。
【0027】
繊維ウェブの繊維および結果としての不織布成形繊維構造体は、任意の天然、セルロース性および/または合成材料であってもよい。天然繊維類の例としては、広葉樹源、針葉樹源または他の非木材植物類からの繊維などのセルロース性天然繊維類を挙げることができる。天然繊維類は、セルロース、デンプンおよびこれらの組み合わせを含んでもよい。好適なセルロース性天然繊維類の非限定的な例としては、木材パルプ、典型的な以北針葉樹クラフト、典型的な以南針葉樹クラフト、典型的なCTMP、典型的な脱インク、コーンパルプ、アカシア、ユーカリ、ヤマナラシ、葦パルプ、カバノキ、楓、ラジアータマツおよびこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。植物類からの天然繊維類の他の源としては、アルバージン(albardine)、エスパルト、小麦、米、トウモロコシ、サトウキビ、パピルス、黄麻、葦、サビア(sabia)、ラフィア、竹、シダル、ケナフ、アバカ、サンヘンプ、木綿、麻布、亜麻、ラミーおよびこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。更に他の天然繊維類としては、綿毛、羽毛類、絹およびこれらの組み合わせなどの他の非天然植物源からの繊維が挙げられてもよい。天然繊維類としては、レーヨン(ビスコースとしても既知)およびリオセルなどの押し出しセルロースが挙げられてもよい。天然繊維類は、機械的若しくは化学的に処理ないしは別の方法で変性され、所望の特性を付与してもよくまたはそれらが自然に見出すことができる形態と一般的に類似している形態であってもよい。本明細書に記述される開発に関しては、天然繊維の機械的および/または化学的操作によって、天然繊維と考えられる範疇からこれらが除外されることはない。
【0028】
合成繊維類は、ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリオレフィン類、ポリプロピレン類、ポリエチレン類、ポリエーテル類、ポリアミド類、ポリエステルアミド類、ポリビニルアルコール類、ポリヒドロキシアルカノエート類、多糖類およびこれらの組み合わせから成る群から選択されるがこれらに限定されない、任意の材料であることができる。更に、合成繊維類は、単一成分(すなわち、単一合成材料または混合物が全体の繊維を構成する)、2成分(すなわち、繊維は区域に分割され、区域は2つまたはそれ以上の異なる合成材料またはその混合物を含み、並びに共押出繊維、コアおよび外装繊維を含んでもよい))およびこれらの組み合わせであることができる。これらの2成分繊維は、構造体の構成成分繊維として使用でき、繊維構造体内に存在する他の繊維の結合剤として作用するために存在してもよく、および/または繊維構造体内に存在するただ1つの種類の繊維であってもよい。合成繊維のいずれかまたは全てが本発明の方法の前、中若しくは後で処理され、繊維の任意の所望の性状を変化させてもよい。例えば、ある実施形態では、処理前または中に合成繊維を処理し、それらをより親水性、より湿潤性等にすることが望ましい場合もある。
【0029】
本発明のある実施形態では、所望の特性を提供するために、繊維の特定の組み合わせを有するのが望ましいことがある。例えば、ある長さ、幅、繊維粗度、または他の特性の繊維を、ある層群内に組み合わせて、または互いに分離して有するのが望ましいことがある。繊維は、実質上任意の寸法であってもよく、約1mm〜約60mmの平均長さを有してもよい。平均繊維長は、真っ直ぐに伸ばした場合の個々の繊維の長さを指す。繊維は、約5マイクロメートルを超える平均繊維幅を有してもよい。繊維は、約5、10、15、20または25マイクロメートル〜約30、35、40、45または50マイクロメートルの平均繊維幅を有してもよい。繊維は、約5mg/100mを超える粗さを有してもよい。繊維は、約5mg/100m、15mg/100m、25mg/100m〜約50mg/100m、60mg/100mまたは75mg/100mの粗さを有してもよい。
【0030】
繊維は、断面が円形、犬の骨形状、デルタ(すなわち、三角形の断面)、3葉、リボンまたは短繊維として典型的に製造されるその他の形状であってもよい。それに加えて、繊維は、複合繊維であることができる。繊維はけん縮加工されていてもよく、潤滑剤などの仕上げ剤が塗布されていてもよい。
【0031】
本発明の繊維ウェブは、約30、40、45、50または55gsm〜約60、65、70、75、80、90または100gsmの坪量を有してもよい。本発明に使用される繊維ウェブは、フィンランドのJ.W.スオミネン社(J.W. Suominen Company)から入手可能であり、商品名フィブレラ(FIBRELLA)として販売されている。例えば、フィブレラ(FIBRELLA)3100およびフィブレラ(FIBRELLA)3160は、本発明の繊維ウェブとして有用であることが見出されている。((フィブレラ)FIBRELLA)3100は、1.5デニールのポリプロピレン繊維を50%、および1.5デニールのビスコース繊維を50%含む、62gsmの不織布ウェブである。フィブレラ(FIBRELLA)3160は、1.5デニールのポリプロピレン繊維を60%、1.5デニールのビスコース繊維を40%含む、58gsmの不織布ウェブである。これらの市販の繊維ウェブの両方について、平均繊維長は、約38mmである。ソウミネン(Suominen)から入手可能なその他の繊維ウェブは、62gsmの不織布ウェブを包含し、60%ポリプロピレン繊維と40%ビスコース繊維を含んでもよく;繊維ウェブは、約50または55〜約58または62の坪量を含んで、60%ポリプロピレン繊維と40%ビスコース繊維を含み;並びに繊維ウェブは、約62〜約70または75gsmの坪量を含む。後者の繊維ウェブは、60%ポリプロピレン繊維と40%ビスコース繊維を含んでもよい。本発明の繊維ウェブは、40%パルプ繊維と60%リオセル繊維を含む60gsm不織布ウェブであってもよい。
【0032】
成形繊維構造体
繊維ウェブは、成形繊維構造体の前駆体であってもよい。繊維ウェブは、製造中または後に成形部材上を搬送され得る。成形部材は、その上に散在した隆起領域、低下領域またはそれらの組み合わせの成形模様を含んでもよい。隆起領域は、固体領域を組み込んでもよい。低下領域は、空隙領域を組み込んでもよい。成形部材は、ハイドロ成形プロセス工程時に模様を繊維ウェブに付与し、それにより成形要素を含む繊維構造体を形成してもよい。
【0033】
隆起領域および/または低下領域の成形模様は、像、図形またはそれらの組み合わせを含んでもよく、ロゴ、しるし、商標、幾何学的模様、基材(本明細書で議論したような)が清浄にすることを意図する表面像(すなわち、幼児の身体、顔等)またはそれらの組み合わせを含んでもよい。それらは、無作為若しくは交互的な方法で利用されてもよくまたはそれらは、連続した繰り返しの方法で使用されてもよい。像、図形またはそれらの組み合わせは、1つだけの像若しくは図形、像若しくは図形群、像若しくは図形の繰り返し模様、連続的な像若しくは図形、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0034】
成形繊維構造体は、成形要素を含んでもよい。成形要素は、無作為に配列されてもよくまたは繰り返し模様であってもよい。成形要素は、任意の像、図形、外見、模様またはそれらの組み合わせを含んでよい。成形要素は、当業者により好適と思われる任意の形状であってもよい。成形要素は、ロゴ、しるし、商標、幾何学的模様、繊維構造体が清浄にすることを意図する表面像(すなわち、幼児の身体、顔等)の形態であってもよい。成形要素は、円形、正方形、矩形、玉子形、楕円形、不規則円形、渦巻き形、巻き毛のおさげ、クロスハッチ、小石、列円形、結合不規則円形、半円形、波線、気泡線、パズル、葉、輪郭葉、プレート、接続された円形、変化曲線、点、ハニカム、足プリントなどの動物像、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。成形要素は、中空要素であってもよい。成形要素は、互いに接続されていてもよい。成形要素は、互いに重なり合っていてもよい。
【0035】
本発明の繊維構造体は、多数の異なる形態を取り入れてもよい。繊維構造体は、100%の合成繊維を含んでもよくまたは合成繊維と天然繊維の組み合わせであってもよい。本発明の1つの実施形態では、繊維構造体は、複数個の天然繊維を混合した複数個の合成繊維の1つ以上の層を含んでもよい。合成繊維/天然繊維混合物は、異なる繊維が層全体にわたって一般に無作為に分散されてもよいという点で比較的均質であってもよい。繊維混合物は、合成繊維と天然繊維が一般に作為的に配置できるように構成されてもよい。1つの実施形態では、繊維構造体は、複数個の天然繊維を含む少なくとも1つの層と複数個の合成繊維を含む少なくとも1つの隣接した層とを含んでもよい。他の実施形態では、繊維構造体は、複数個の天然繊維と均質に混合された複数個の合成繊維を含む少なくとも1つの層と複数個の天然繊維を含む少なくとも1つの隣接した層とを含んでもよい。他の実施形態では、繊維構造体は、複数個の天然繊維を含む少なくとも1つの層と合成繊維および/または天然繊維が一般に作為的に配置できる複数個の合成繊維および複数個の天然繊維の混合物を含むことができる少なくとも1つの隣接した層とを含んでもよい。更に、混合天然繊維および合成繊維の層の1つ以上が、繊維構造体の形成時若しくは後で操作され、混合合成および天然繊維の層または層類を所定の模様または他の作為的な模様に分散させてもよい。
【0036】
繊維構造体は、更に結合剤材料を含んでもよい。繊維構造体は、永久湿潤強度向上樹脂類、一時湿潤強度向上樹脂類、乾燥強度樹脂類、歩留まり向上樹脂類およびこれらの組み合わせから成る群から選択される約0.01重量%〜約1重量%、3重量%または5重量%の結合剤材料を含んでもよい。
【0037】
永久湿潤強度が所望の場合、結合剤材料は、ポリアミド−エピクロロヒドリン、ポリアクリルアミド、スチレン−ブタジエンラテックス類、不溶化ポリビニルアルコール、ユリアホルムアルデヒド、ポリエチレンイミン、キトサンポリマー類およびこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。
【0038】
一時湿潤強度が所望の場合、結合剤材料は、デンプン系であってもよい。デンプン系一時湿潤強度樹脂類は、ジアルデヒドデンプンおよびこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。米国特許番号第4,981,557号(ブジョーククイスト(Bjorkquist)に1991年1月1日発行)に記載された樹脂が使用されてもよい。
【0039】
乾燥強度が所望の場合、結合剤材料類は、ポリアクリルアミド、デンプン、ポリビニルアルコール、ガーまたはイナゴマメゴム、ポリアクリレートラテックス類、カルボキシメチルセルロースおよびこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。
【0040】
ラテックス結合剤が利用されてもよい。前記ラテックス結合剤は、約0℃、−10℃または−20℃〜約−40℃、−60℃または−80℃のガラス転移温度を有してもよい。使用されてもよいラテックス結合剤類の例としては、一般にアクリルポリマー類と呼ばれるアクリレートエステル類のポリマー類およびコポリマー類、酢酸ビニル−エチレンコポリマー類、スチレン−ブタジエンコポリマー類、塩化ビニルポリマー類、塩化ビニリデンポリマー類、塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマー類、アクリロニトリルコポリマー類、アクリル−エチレンコポリマー類およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらのラテックス結合剤の水エマルションは、通常界面活性剤を含有する。これらの界面活性剤は、乾燥および硬化時に変性される場合があり、そのためそれらは、再湿潤できない。
【0041】
結合剤材料を適用する方法としては、水性乳化重合、ウェットエンド付加、スプレーおよび転写が使用することが可能である。少なくとも有効量の結合剤が、繊維構造体に適用されてもよい。乾燥繊維重量基準で計算された約0.01%〜約1.0%、3.0%または5.0%の間で繊維構造体上に保持されてもよい。結合剤は、一般に構造体の表面積の約50%未満をカバーする繊維構造体に間欠的模様で適用されてもよい。また、結合剤は、一般に繊維構造体の約50%を超える繊維構造体に模様で適用されてもよい。結合剤材料は、無作為分布で繊維構造体に配置されてもよい。別の方法としては、結合剤材料は、作為的な繰り返し模様で繊維構造体に配置されてもよい。
【0042】
繊維構造体に関する追加の情報を米国特許出願番号2004/0154768号明細書(トロックハン(Trokhan)らにより申請、2004年8月12日公開)、米国特許出願番号2004/0157524号明細書(ポラット(Polat)らにより申請、2004年8月12日公開)、米国特許番号第4,588,457号明細書(クレンショウ(Crenshaw)ら、1986年5月13日発行)、米国特許番号第5,397,435号明細書(オステンドルフ(Ostendorf)ら、1995年3月14日発行)および米国特許番号第5,405,501号明細書(ファン(Phan)ら、1995年4月11日発行)に見出すことができる。
【0043】
基材
上述したように成形繊維構造体は、基材を形成するために利用できる。成形繊維構造体は、当業者に既知の任意の方法で継続して処理され、成形繊維構造体を少なくとも1つの成形要素を含む基材に転換してもよい。これには、切り離し、切断、穴開け、折り畳み、積み重ね、交互配置、洗浄およびこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0044】
それから基材が作製される材料は、製造および通常の使用時引裂きに耐えるよう十分に強く、更に子供の柔らかい肌などのユーザーの肌に柔軟性をもたらすべきである。更に、材料は、ユーザーの清掃体験の持続時間の間その形状を少なくとも保持できるようにすべきである。
【0045】
基材は、一般に簡便な処理ができるのに十分な寸法であってもよい。典型的に基材は、製造プロセスの一部としてそのような寸法に切断および/または折り畳まれてもよい。場合によっては、基材は、しばしば消費者包装内で積み重ねられおよび交互配置される単独の拭き取り用品をもたらすように、個々の部分に切断されてもよい。他の実施形態では、基材は、ウェブが切り離され、所定の幅に折り畳まれ、ユーザーによって個々の拭き取り用品がウェブから分離できる手段(例えば、穴開け)がもたらされたウェブ形態であってもよい。好適には単独の拭き取り用品は、約100mm〜約250mmの長さと約140mm〜約250mmの幅を有してもよい。1つの実施形態では、単独の拭き取り用品は、約200mmの長さと約180mmの幅を有してもよい。
【0046】
基材の材料は、一般に柔軟および可撓性であってもよく、場合によってはその性能を強化するため構造化表面を有する。基材が2つまたはそれ以上の材料の積層体を含んでもよいことも本発明の範囲内である。市販の積層体または故意に造られた積層体は、本発明の範囲内となる。積層材料は、超音波結合、接着剤、グルー、溶融結合、熱接合、熱接着、水流交絡およびこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない任意の好適なやり方で一緒に接合または結合されてもよい。本発明の他の代替の実施形態では、基材は、不織布材の1つ以上の層およびフィルムの1つ以上の層を含む積層体であってもよい。前記光学フィルムの例としては、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム類が挙げられるがこれらに限定されない。例となるが不織布シート部材の非限定的な例は、16gsmの不織布ポリプロピレンと0.8mm、20gsmポリエチレンフィルムの積層体である。
【0047】
基材材料もその柔軟性および質感を改善するため処理されてもよい。基材は、米国特許番号第5,143,679号に記載されたようなリングローリングなどの物理処理;米国特許番号第5,518,801号に記載されたような構造伸長;米国特許番号第5,914,084号、米国特許番号第6,114,263号、米国特許番号第6,129,801号および米国特許番号第6,383,431号に記載されたような固体化、米国特許番号第5,628,097号、米国特許番号第5,658,639号および米国特許番号第5,916,661号に記載されたような引張り絞り;PCT国際公開特許2003/0028165A1に記載されたような差伸長;並びに米国特許出願番号2004/0131820A1および米国特許出願番号2004/0265534A1に記載されたようなその他のソリッドステート形成技術、領域活性化およびその類;基材の一部または全てを疎水性および/または親水性にするおよびその類などであるがこれらに限定されない化学処理;加熱による繊維の軟化、熱接着およびその類などであるがこれらに限定されない熱処理;並びにこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない種々の処理がされてもよい。
【0048】
基材は、少なくとも約30g/mの坪量を有してもよい。基材は、少なくとも約40g/mの坪量を有してもよい。1つの実施形態では、基材は、少なくとも約45g/mの坪量を有してもよい。他の実施形態では、基材坪量は、約100g/m未満であってもよい。他の実施形態では、基材は、約30g/m〜約100g/mの坪量を有してもよく、更に他の実施形態では、約40g/m〜約90g/mの坪量を有してもよい。基材は、約30、40、45、50または55〜約60、65、70、75、80、90または100g/mの坪量を有してもよい。
【0049】
好適な基材は、フィンランド、タンペア(Tampere)のスオミネン(Suominen)からフィブレラ(FIBRELLA)3160として入手可能なような、58g/mの坪量を有するビスコース繊維とポリプロピレン繊維との40/60ブレンドを含むカード不織布であってもよい。基材として使用される他の好適な材料は、ドイツ、シュワゼンバッハ/サレ(Schwarzenbach/Salle)のサンドラー社(Sandler AG)から入手可能なようなサワテックス(SAWATEX)2642であってもよい。基材として使用される更に他の好適な材料は、約50g/m〜約60g/mの坪量を有し、ビスコース繊維とポリプロピレン繊維の20/80ブレンドを有してもよい。基材は、パルプとビスコース繊維の60/40ブレンドであってもよい。基材は、フィンランドのJ.W.スオミネン社(J.W. Suominen Company)から入手可能で商品名フィブレラ(FIBRELLA)として販売されるものなどの任意の以下の繊維ウェブから形成されてもよい。例えば、フィブレラ(FIBRELLA)3100は、50%の1.5デニールポリプロピレン繊維と50%の1.5デニールビスコース繊維を含む62gsmの不織布ウェブである。これらの市販の繊維ウェブの両方において、平均繊維長は、約38mmである。ソウミネン(Suominen)から入手可能な追加の繊維ウェブとしては、60%のポリプロピレン繊維と40%のビスコース繊維を含む62gsmの不織布ウェブ、60%のポリプロピレン繊維と40%のビスコース繊維を含む約50または55〜約58または62の坪量を備える繊維ウェブおよび約62〜約70または75gsmの坪量を含む繊維ウェブが挙げられる。後者の繊維ウェブは、60%のポリプロピレン繊維と40%のビスコース繊維を含んでもよい。基材は、パルプとリオセル繊維の40/60ブレンドを含む60gsmの不織布であってもよい。
【0050】
本発明の1つの実施形態では、基材の表面は、本質的に平坦であってもよい。本発明の別の実施形態では、基材の表面は、任意に、隆起および/または低下部分を含んでもよい。これらは、ロゴ、しるし、商標、幾何学的模様、基材が清浄にすることを意図する表面像(すなわち、幼児の身体、顔等)の形態であることができる。これらは、基材表面上に無作為に配列されても、何かの形態の繰り返しパターンでもよい。
【0051】
本発明の他の実施形態では、基材は、生分解性であってもよい。例えば、基材は、ポリエステルアミドまたは高湿潤強度セルロースなどの生分解性材料から作製できる。
【0052】
組成物
基材は、更に鎮静および/または清掃組成物を含んでもよい。基材に含浸させる組成物は、通常および交換可能にローション、鎮静ローション、鎮静組成物、水中油型エマルション、エマルション組成物、エマルション、洗浄若しくは清掃ローションまたは組成物と呼ばれる。組成物は、清掃、皮膚鎮静、潤いを与える、剥離およびこれらの組み合わせから成る群から選択される目的に好適であり得る。全てのこれらの用語は、ここでは同じ意味に使用される。組成物は、一般に以下の任意成分、すなわち皮膚軟化剤類、界面活性剤類および/または乳化剤類、鎮静剤類、レオロジー変性剤類、防腐剤類またはより具体的には防腐剤系として一緒に作用する防腐剤化合物と水との組み合わせを含んでもよい。
【0053】
化合物には、複数の機能を有することができるものがあること、および必ずしもすべての化合物が本発明の組成物に存在する必要はないことに注意すべきである。組成物は、水中油型エマルションであってもよい。組成物のpHは、約pH3,4または5〜約pH7、7.5または9であってもよい。
【0054】
使用されてもよい例は、実施例A〜Eのような実施例の項で見出すことができる。
【0055】
皮膚軟化剤
本発明の基材では、皮膚軟化剤は、(1)潤滑を強化し、それにより皮膚の磨耗を減少させることにより皮膚に対する基材の滑りを改善し、(2)残留物(例えば、糞便の残留物または乾燥した尿残留物)を水和し、それにより皮膚からのそれらの除去を強化し、(3)皮膚を水和し、それによりその乾燥および刺激を減少させ、それと同時に拭き取り用品移動下でのその可撓性を改善し、並びに(4)皮膚軟化剤が皮膚に沈着し、薄い保護層としてその表面に残留するときその後の刺激(例えば、下着の摩擦による)から皮膚を保護することができる。
【0056】
1つの実施形態では、皮膚軟化剤は、シリコーン系であってもよい。シリコーン系皮膚軟化剤は、繰り返しシロキサン(Si−O)単位を有するオルガノシリコーン系ポリマーであってもよい。本発明のシリコーン系皮膚軟化剤は、疎水性であってもよく、可能な広い範囲の分子量内に存在してもよい。それらには、直鎖、環状および架橋の種類が挙げられる。シリコーンオイルは、化学的に不活性であってもよく、高引火点を有していてもよい。それらの低い表面張力のため、シリコーンオイルは、容易に広がることができ、高い表面活性を有することができる。シリコーンオイルの例としては、シクロメチコン類、ジメチコン類、フェニル変性シリコーン類、アルキル変性シリコーン類、シリコーン樹脂類およびこれらの組み合わせが挙げられてもよい。
【0057】
その他の有用な皮膚軟化剤は、不飽和エステル類または脂肪酸エステル類であることができる。本発明の不飽和エステル類または脂肪酸エステル類の例としては、ビス−ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ジメチコン、C12−C15アルキル安息香酸およびこれらの組み合わせを組み合わせたカプリル酸カプリン酸トリグリセリド類(caprylic capric triglycerides)が挙げられる。
【0058】
比較的低い表面張力は、組成物中でより有効に作用することができる。表面張力は、約35mN/m未満、更に約25mN/m未満である。ある実施形態では、皮膚軟化剤は、中間〜低極性を有してもよい。本発明の皮膚軟化剤は、約5〜約12または更に約5〜約9の溶解度パラメーターを有してもよい。表面張力、極性、粘度および皮膚軟化剤の塗布性の評価の基本参照は、ダイエッツ(Dietz)、T.、化粧品油の基本特性とエマルション調製とのそれらの関連性 SoFW−Journal 1999年7月、1〜7頁に見出すことができる。
【0059】
乳化剤
組成物は、水中油型エマルションを形成するものなどの乳化剤を含んでもよい。乳化剤は、化学的化合物の混合物であることができ、界面活性剤を含む。乳化剤は、高分子乳化剤でも非高分子のものでもよい。
【0060】
乳化剤は、約0.5%、1%または4%〜約0.001%、0.01%または0.02%(組成物の重量中の乳化剤の重量を基準として)の範囲にわたる量などの、組成物中に存在し得る皮膚軟化剤および/または任意の他の非水溶性油を乳化するのに有効な量で使用することが可能である。乳化剤の混合物を使用してもよい。
【0061】
本発明に使用される乳化剤類は、アルキルポリグルコシド類、デシルポリグルコシド類、脂肪族アルコールまたはアルコキシル化脂肪族アルコールリン酸エステル類(例えば、トリラウレス−4リン酸)、トリデセス−3カルボン酸ナトリウム、またはカプリル酸カプリン酸トリグリセリドとビス−ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ジメチコン、ポリソルビン酸塩20およびこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。
【0062】
レオロジー変性剤
レオロジー変性剤は、処理温度に加えて、より低い温度でも組成物の粘度を増大させる化合物である。これらの材料の各々が、組成物に「構造」をもたらし、不溶性および部分的に可溶性構成成分の沈殿(分離)を防止することも可能である。組成物のその他の構成成分または添加剤が、組成物の温度に関する粘度/レオロジーに影響を及ぼす場合がある。
【0063】
発明のレオロジー変性剤は、不溶性および部分的に可溶性構成成分懸濁液を安定化するのに加えて、基材の組成物を安定化するのを助け、ローションの皮膚への移動を強化する。拭き取り用品の移動が、その剪断力と圧力を増加させ、ローションの粘度を減少させ、皮膚へのよりよい移動並びによりよい潤滑作用を可能とすることができる。
【0064】
更に、レオロジー変性剤は、基材の積み重ね体内の組成物の均質な分布を保持するのに役立つことができる。流体形態である全ての組成物は、長期にわたる貯蔵中に、拭き取り用品積み重ね体の下部に移行する傾向がある。この結果により、積み重ね体の上方の領域が底部よりも少ない組成物を有するようになる。ユーザーは、これを比較的低品質の徴候と受け止める。
【0065】
好ましいレオロジー変性剤は、低い初期粘度と高い降伏を示してもよい。特に適しているのは、
・ドイツ、エメリチ(Emmerich)のユニケマ社(Uniqema GmbH&Co. KG)から商標名アルラトン(ARLATONE)として入手可能なような材料のブレンドなどであるがこれらに限定されないレオロジー変性剤である。例えば、アルラトン(ARLATONE)V−175は、スクロースパルミテート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、スクロース、マンナンおよびキサンタンガムのブレンドであり、アルラトン(Arlatone)V−100は、ステアレス−100、ステアレス−2、グリセリルステアレートシトレート、スクロース、マンナンおよびキサンタンガムのブレンドである。
・フランス、パリのセピック・フランス(Seppic France)よりシムルゲル(SIMULGEL)として入手可能な材料のブレンド。例えば、シマルゲル(SIMULGEL)NSは、ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、スクアランおよびポリソルベート60;アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、ポリイソブテンおよびカプリリルカプリル酸グルコシド;アクリレート類/アクリルアミドコポリマー類、鉱油およびポリソルベート85などであるがこれらに限定されないアクリレートコポリマー類、のブレンドを含む。
・オハイオ州クリーブランドのノベオン社(Noveon, Inc.)よりカーボポール(Carbopol)(登録商標)900シリーズとして入手可能なもの(例えば、カーボポール(Carbopol)(登録商標)954)のような、アクリレートホモポリマー類、アクリレートクロスポリマー類(例えばアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー類であるがこれに限定されない)、カルボマー類(例えば1つ以上のアリルエーテル(例えばペンタエリスリトールのアリルエーテル類、スクロースのアリルエーテル類、プロピレンのアリルエーテル類であるがこれらに限定されない))と架橋したアクリル酸であるがこれに限定されない)、およびこれらの組み合わせ。
・キサンタンガム、ガラクトアラビナンおよびその他の多糖類などの天然由来ポリマー類。
・上記のレオロジー変性剤の組み合わせ。
【0066】
市販のレオロジー変性剤類の例としては、ウルトレズ(Ultrez)−10、カルボマーおよびペムレン(Pemulen)TR−2、アクリレート交差ポリマー類、その両方がオハイオ州クリーブランド(Cleveland)のノベオン(Noveon)から入手可能、並びにカリフォルニア州サンジエゴ(San Diego)のCPケルコ(Kelco)から入手可能なケルトロール(Keltrol)、キサンタンガムが挙げられるがこれらに限定されない。
【0067】
低粘度を付与するレオロジー変性剤が使用されてもよい。低粘度は、約摂氏25度で1%水溶液の約10Pa(10,000cps)未満の粘度を示すことが理解される。粘度は、同じ条件下で約5Pa(5,000cps)未満であってもよい。更に、粘度は、約2Pa(2,000cps)未満、更に約1Pa(1,000cps)未満であってもよい。乳化剤類の他の特性としては、高極性および非イオン性性質が挙げられてもよい。
【0068】
レオロジー変性剤類は、存在する場合、本発明に約0.01重量/重量%(W/W)、0.015重量/重量%(W/W)または0.02重量/重量%(W/W)〜約1重量/重量%(W/W)、2重量/重量%(W/W)または3重量/重量(W/W)%で使用されてもよい。
【0069】
防腐剤
パーソナルケア製品での微生物成長を制御する必要性は、水中油型エマルションなどの水系製品および乳幼児拭き取り用品などの予備基材において特に切実であることが知られている。組成物は、防腐剤またはより好ましくは防腐剤系として一緒に作用する防腐剤類の組み合わせを含んでもよい。防腐剤および防腐剤系は、本文献では同じ意味に使用され、1つの唯一のものまたは防腐剤化合物類の組み合わせを指す。防腐剤は、微生物の成長を抑え、それによって拭き取り用品の包装(開封済み、または未開封)のより長い貯蔵寿命を可能にし、並びに拭き取り過程中に皮膚に移動したときに微生物の成長が抑えられた環境を作る、化学若しくは天然化合物、または化合物類の組み合わせであると理解される。
【0070】
本発明の防腐剤類は、2つのキー特性(1)細菌類および/またはかび類および/または酵母、好ましくは微生物の3つの部類全てを一緒に含んでよい微生物の広い範囲に対する活性、並びに(2)死滅有効性および/またはできるだけ低い濃度で成長速度を減少させる有効性、により定義できる。
【0071】
本発明の防腐剤の活性の範囲は、細菌、カビ類、および酵母を含んでもよい。理想を言えば、前記微生物の各々を防腐剤により死滅させる。考慮されるべき別の作用機構は、積極的な死滅をともなわずに微生物の成長速度を低下することである。しかし、いずれの作用も微生物の集団の劇的な減少を生じる。
【0072】
適した材料としては、メチロール化合物、またはその等価物、イオドプロピニル化合物、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。メチロール化合物類は、有効な防腐剤活性を有する水溶液中にあるとき、低濃度のホルムアルデヒドを放出する。代表的なメチロール化合物類としては、ジアゾリジニル尿素(ニュージャージー州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)から入手可能のようなジャームオール(GERMALL)(登録商標)II)N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、イミド尿素(imidurea)(ニュージャージー州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)から入手可能のようなジャームオール(GERMALL)(登録商標)115)、1,1−メチレンビス[3−[3−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素];1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(DMDMH)、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム(ニュージャージー州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)から入手可能のようなストサイド(SUTTOCIDE)(登録商標)A)およびグリシン無水ジメチロール(GADM)が挙げられるがこれらに限定されない。メチロール化合物類は、約0.025%〜約0.50%の濃度(100%活性基準)で有効に使用できる。好ましい濃度(100%ベース)は約0.075%である。イオドプロピニル化合物は抗カビ活性を提供する。代表的な材料は、英国リーズのクラリアントUK社(Clariant UK, Ltd.)よりニパサイド(NIPACIDE)IPBCとして入手可能なもののようなイオドプロピニルブチルカルバメートである。特に好ましい材料は、3−ヨード−2−プロピルブチルカルバメートである。イオドプロピニル化合物類は、約0%〜約0.05%の濃度で有効に使用できる。好ましい濃度は約0.009%である。この種類の特に好ましい防腐剤系は、約0.075%の濃度のメチロール化合物と約0.009%の濃度のイオドプロピニル化合物とのブレンドを含む。
【0073】
別の実施形態において、防腐剤系は単純な芳香族アルコール類(例えば、ベンジルアルコール)を含んでもよい。この種類の材料は、有効抗菌活性を有する。ベンジルアルコールは、ニュージャージー州タターボロ(Teterboro)のシムライズ社(Symrise, Inc.)より入手できる。
【0074】
他の実施形態では、防腐剤は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベンまたはこれらの組み合わせから成る群から選択されるパラベン抗菌剤であってもよい。
【0075】
キレート化剤類(例えば、エチレンジアミン四酢酸およびその塩類)は、他の防腐剤成分の相乗剤として防腐剤系に使用されてもよい。
【0076】
防腐剤組成物は、ホルムアルデヒド供与体由来製品を使用することなく更に幅広い抗菌効果をもたらすことができる。これらの伝統的なホルムアルデヒド系防腐剤製品は、過去には広範にわたって使用されていたが、現在では人間の使用を意図した製品に対しては多くの国でもはや許可されていない。
【0077】
組成物の任意成分
組成物は、所望により補助剤成分を含んでもよい。可能性がある補助剤成分は、鎮静剤類および芳香剤類、品質改良剤類、着色剤類、医療用活性成分類、特に治療活性物質類並びに皮膚保護剤類などであるがそれらに限定されない広範囲の追加の成分から選択されてもよい。
【0078】
任意鎮静剤類は、(a)エトキシ化界面活性化合物類、より好ましくは約60未満のエトキシル化数を有するもの、(b)ポリマー類、より好ましくはポリビニルピロリドン(PVP)および/またはN−ビニルカプロラクタムホモポリマー(PVC)および(c)リン脂質類、より好ましくは例えば、脂肪酸、オルガノシリコーンのような他の官能成分と錯化したリン脂質であってもよい。
【0079】
鎮静剤類は、ポリエチレングリコール−40硬化ヒマシ油、ソルビタンイソステアレート、、イソセテス−20、ソルベス−30、ソルビタンモノオレエート、コセス−7、ポリプロピレングリコール−1−ポリエチレングリコール−9ラウリルグリコールエーテル、ポリエチレングリコール−45パーム核グリセリド類、ポリエチレングリコール−20アーモンドグリセリド類、ポリエチレングリコール−7硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−50硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−30ヒマシ油、ポリエチレングリコール−24硬化ラノリン、ポリエチレングリコール−20硬化ラノリン、ポリエチレングリコール−6カプリル酸/カプリン酸グリセリド類、ポリプロピレングリコール−1ポリエチレングリコール−9ラウリルグリコールエーテル、ラウリルグルコシドポリグリセリン−2ジポリヒドロキシステアレート、グルタミン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムホモポリマー、ナトリウムココヤシPG−ジモニウム(dimonium)クロライドホスフェート、リノールアミドプロピルPG−ジモニウム(dimonium)クロライドホスフェート、ドディウム(dodium)ボラージアミドプロピルPG−ジモニウム(dimonium)クロライドホスフェート、N−リノールアミドプロピルPG−ジモニウム(dimonium)クロライドホスフェートジメチコーン、コカアミドプロピルPG−ジモニウム(dimonium)クロライドホスフェート、ステアアミドプロピルPG−ジモニウム(dimonium)クロライドホスフェート、ステアアミドプロピルPG−ジモニウム(dimonium)クロライドホスフェート(および)セチルアルコールおよびそれらの組み合わせ含む群から選択されてもよい。特に好ましい鎮静剤は、ドイツ国ルートヴィヒスハーフェンのBASFよりクレモフォア(Cremophor)CO40として入手可能なPEG−40硬化ヒマシ油である。
【0080】
成形繊維構造体を作製する方法
一般に繊維構造体を作製する本発明の方法は、複数個の合成繊維および/または天然繊維を有する繊維ウェブを初めに形成する観点から記載できる。合成および天然繊維の積層付着も本発明により意図される。繊維ウェブは、任意の従来のやり方で形成でき、ハイドロ成形プロセスに使用されて好適であり得る任意の不織布ウェブであってもよい。繊維ウェブは、カーディング、エアレイイング、スパンメルティング(メルトブロウィングおよびスパンレイイングを含む)、コフォーミングおよびその類により製造され得る任意の相互関係または任意の整列度で配置される任意のウェブ、マット若しくはバラ毛のバットから構成されてもよい。
【0081】
本発明では、繊維が形成部材に接触した状態で並行してカーディング、スパンメルティング、スパンレイイング、メルトブロウィング、コフォーミング、エアレイイングまたはその他の形成法を行うことで繊維ウェブを製造することが可能である。本発明の方法は、繊維ウェブを水流交絡プロセスにかけることを包含してもよく、それと同時に繊維ウェブは、形成部材と接触する。水流交絡プロセス(スパンレーシングまたはスパンボンディングとしても既知)は、不織布ウェブを製造する既知のプロセスで、繊維のマトリックスを例えばカードウエブまたはエアレイドウェブとして作り、繊維を水流交絡させ、凝集性ウェブを形成する工程を含む。水流交絡は、典型的に繊維のマトリックスを少なくとも1つ、少なくとも2つまたは複数個の好適に定置したウォータージェットからの高圧液体(典型的に水)と衝突させることにより達成される。液体ジェットの圧力、並びに開口部寸法およびウォータージェットにより繊維構造体プレホームに付与されるエネルギーは、従来の水流交絡プロセスのものと同じであってもよい。典型的に交絡エネルギーは、約0.1kwh/kgであってもよい。圧縮空気などの他の流体を衝突媒体として使用することもできるが、水が好ましい媒体である。ウェブの繊維は、このようにして交絡されるが、互いに物理的に結合してはいない。故に、水流交絡されたウェブの繊維は、熱結合または化学結合により形成されたウェブの繊維よりも動きの自由度が高い。特にあらかじめ湿らせたウェットタオルのように湿潤により滑らかにされる場合、前記スパンプレースされたウェブは、非常に低い曲げトルクおよび低モジュラスを有するウェブをもたらし、それにより柔軟性およびしなやかさをもたらす。
【0082】
水流交絡に関する更なる情報は、米国特許第3,485,706号(エヴァンズ(Evans)、1969年12月23日発行)、同第3,800,364号(カルヴァイツ(Kalwaites)、1974年4月2日発行)、同第3,917,785号(カルヴァイツ、1975年11月4日発行)、同第4,379,799号(ホルメス(Holmes)、1983年4月12日発行)、同第4,665,597号(スズキ(Suzuki)、1987年5月19日発行)、同第4,718,152号(スズキ、1988年1月12日発行)、同第4,868,958号(スズキ、1989年9月26日発行)、同第5,115,544号(ウィデン(Widen)、1992年5月26日発行)および同第6,361,784号(ブレンナン(Brennan)、2002年3月26日発行)において見ることができる。
【0083】
繊維ウェブが形成された後、それは、ハイドロ成形(成形、ハイドロエンボッシング、水力ニードルパンチング等)などの追加のプロセス工程にかけることができる。図1は、成形部材10の上部の上を繊維ウェブ30が搬送されている状態の成形部材10の側面図を示す。単一ジェット40または複数のジェットが利用されてもよい。水または任意の他の適切な流体媒体がジェット40から射出され繊維ウェブ30に衝突してもよい。流体は、連続流または非連続流で繊維ウェブに衝突してもよい。成形部材10は、成形模様(図2に例示されているように)を含んでもよい。成形模様は、隆起領域、低下領域またはそれらの組み合わせを含んでもよい。ジェット(類)40からの流体が繊維ウェブ30に衝突すると、繊維ウェブ30は成形模様に順応することができる。流体は、繊維ウェブ30の部分を模様の低下領域に「押し込む」ことができる。その結果が、成形繊維構造体36であり得る。
【0084】
図2は、成形部材10の上部の上を繊維ウェブ30が搬送された状態の成形部材10の側面図を示す。模様20は、ハイドロ成形方法によって繊維ウェブ30上に成形されてもよい。前記方法では、流体が繊維ウェブ30に衝突し、それを模様20に順応させ、成形繊維構造体36をもたらすようなやり方で繊維ウェブ30に向けられてもよい。
【0085】
繊維ウェブへの模様のハイドロ成形に続いて、生成した成形繊維構造体は、当業者に既知の任意の方法で継続して処理され、成形繊維構造体を拭き取り用品として使用されるに好適な基材に転換されてもよい。これには、切り離し、切断、穴開け、折り畳み、積み重ね、交互配置、洗浄およびこれらの組み合わせが挙げられてもよいがこれらに限定されない。
【0086】
繊維ウェブを成形することにより、拭き取り用品としての使用に対して繊維ウェブを特に好適で快適にする更なる審美性を得ることができる。拭き取り用品として有用な繊維構造体および基材のハイドロ成形は、当該技術分野において既知である。拭き取り用品として有用な基材に適用されてもよいようなハイドロ成形は、高水準の成形をした状態の多数の装飾模様を含むことができる(すなわち基材の約50%以上がハイドロ成形された区域を含む)。前記模様としては、小さい幾何学的形状(すなわち、円形)の規則的な配列、線および曲線の規則的な繰り返し模様、動物の像等が挙げられてもよい。前記模様は、質感印象の知覚を付与するために基材の面上に高水準のハイドロ成形を含んでもよい。
【0087】
他の利益になる物理的特性が、成形により繊維ウェブに付与されてもよい。具体的には、繊維ウェブの成形は、成形繊維構造体の流体吸い上げと保持能力に影響を及ぼし得る。理論に束縛されるものではないが、流体吸い上げは、繊維構造体の全流体保持能力(毛管空隙により定義される)と衝突液体が毛管空隙に入ることができる容易さとの両方の働きであってもよいと考えられる。
【0088】
理論に束縛されるものではないが、非成形繊維構造体は、複数個の毛管空隙を含んでもよいと考えられる。繊維構造体の全有効毛管空隙が、繊維構造体の全流体保持能力を決定してもよい。しかし、流体を遊離空間から繊維構造体の毛管空隙に投入するには、遊離空間から繊維構造体の毛管空隙の画定空間への流体の突然の移行が必要である。
【0089】
繊維ウェブをハイドロ成形すると、毛管空隙の破壊作用を起こし、より「開いた」空隙構造をもたらす。しかし、ハイドロ成形によってもたらされた開いた空隙は、非成形区域の毛管空隙に寄与するのと同じ程度に繊維構造体の全流体保持能力に寄与しない場合がある。
【0090】
しかし、ハイドロ成形区域によりもたらされた開いた空隙は、明確に容易さをもたらし、それにより繊維構造体は衝突液体を取得できる。具体的には、繊維構造体空隙構造内のより大きい空隙およびより開いた「導管」は、ハイドロ成形区域によりもたらされた開いた空隙内へのおよび開いた空隙を介した流体の流れの増加をもたらし得る。ハイドロ成形区域内へのおよびハイドロ成形区域を介した流れの増加は、遊離空間から繊維構造体の毛管空隙の画定空間への液体の突然の移行を不要にすることにより、非成形区域の毛管空隙への液体が「水路を流れる」のを補助することが可能である。
【0091】
繊維構造体による最適流体吸い上げおよび取得は、吸い上げを促進できるハイドロ成形区域と流体を保持できる非成形領域とのバランスにより達成され得る。完全なハイドロ成形構造は、極端な場合(すなわち、100%成形区域)、基材内および基材を介した流れを、最も促進することになるが、繊維構造体が流体を保持する能力は無くなる。或いは、非成形構造が、極端な場合(すなわち、100%非成形区域)、繊維構造体の流体保持能力は最大化されることになるが、繊維構造体が流体を取得する能力は、損なわれることになる。成形領域と非成形領域の正しいバランスにおいてのみ繊維構造体の流体処理を最適化できる。
【0092】
それ故に、繊維構造体の成形量の最適化は、成形繊維構造体がその流体吸い上げと保持を維持および/または改善するのを促進するために有益であってもよい。繊維構造体の非成形が、最適条件を基準として流体吸い上げおよび保持の減少をもたらすことができることも発見されている。約50%成形領域を超える繊維構造体が、最適条件を基準として流体吸い上げおよび保持の減少をもたらすことができることも発見されている。約45%または約45%未満の成形領域が、成形繊維構造体に存在してもよい。約0%を超える成形領域が、成形繊維構造体に存在してもよい。成形繊維構造体は、約5、10、13、15、17、18または20%〜約25、30、35、40または45%の成形領域を含んでもよい。成形領域の量は、成形部材上に存在する成形模様の全領域と成形部材上に存在する「平坦な」な空間の全領域(すなわち、非成形模様空間)を比較することにより測定できる。
【0093】
図3〜図24は、種々の量の成形領域を含む種々の成形模様を示す。図3は、約5%の成形領域を含む渦巻き成形模様を示す。図4は、約5%の成形領域を含むパズル成形模様を示す。図5は、約5%の成形領域を含む葉の輪郭を備える成形模様を示す。図6は、約5%〜約10%の成形領域を含む湾曲した線の成形模様を示す。図7は、約10%の成形領域を含む円形の成形模様を示す。図8は、約10%の成形領域を含む多線円形の成形模様を示す。図9は、約10%の成形領域を含む巻き毛のおさげの成形模様を示す。図10は、約10%の成形領域を含む重なった波線の成形模様を示す。図11は、約12%の成形領域を含む接続された円形の成形模様を示す。図12は、約15%の成形領域を含むクロスハッチマークの成形模様を示す。図13は、約17%の成形領域を含む不規則円形の成形模様を示す。図14は、約20%の成形領域を含むペブルの成形模様を示す。図15は、約20%の成形領域を含む円形の成形模様を示す。図16は、約23%の成形領域を含む不規則円形の成形模様を示す。図17は、約24%の成形領域を含む線状円形の成形模様を示す。図18は、約25%の成形領域を含む不規則模様に配置された固体分離性成形要素を備える成形模様を示す。図19は、約27%の成形領域を含む波形と点を備える成形模様を示す。図20は、約29%の成形領域を含む中空不規則円を備える。図21は、約32%の成形領域を含む気泡線の成形模様を示す。図22は、約38%の成形領域を含むハニカムの成形模様を示す。図23は、約10または13%〜約18または20%の成形領域を含む足プリントを備える成形模様の実施形態を示す。図24は、約15%〜約17または20%の成形領域を含む軟らかい正方形を備える成形模様の実施形態を示す。
【0094】
図25は、実施例Fの組成物などの2つの成形繊維構造体の流体吸い上げの速度を示す。図18は、約25%の成形領域を含む両繊維構造体の成形模様を示す。図26は、約49%の成形領域を含む両繊維構造体の成形模様を示す。流体吸い上げの速度は、成形領域の割合が約0%を超えて増加し、25%成形領域に接近するにつれて増加する。流体吸い上げの速度は、成形領域の割合が約50%未満に減少し、25%に接近するにつれて増加する。流体吸い上げの速度は、繊維構造体が約5、10、15または20%〜約25、30、35、40または45%の成形領域を含むときに最も大きくなり得る。第1成形繊維構造体(ダイヤモンドにより示される)は、ポリプロピレン繊維とビスコース繊維の60/40ブレンドを含み、58gsmの坪量を有する。0%成形領域では、繊維構造体は、流体を吸い上げるため約0.57ミリセカンドを必要とする。49%成形領域では、繊維構造体は、流体を吸い上げるため約0.59ミリセカンドを必要とする。25%成形領域では、流体吸い上げ速度は増加し、繊維構造体は、流体を吸い上げるため約0.49ミリセカンドを必要とする。流体吸い上げ速度が、繊維構造体の繊維性組成物により影響を受けることを当業者は認識すべきである。第2成形繊維構造体(正方形により示される)は、パルプ繊維とリオセル繊維の40/60ブレンドを含み、60gsmの坪量を有する。0%成形領域では、繊維構造体は、流体を吸い上げるため約0.57ミリセカンドを必要とする。49%成形領域では、繊維構造体は、流体を吸い上げるため約0.44ミリセカンドを必要とする。しかし、流体吸い上げ速度は、25%成形領域で増加し、繊維構造体は、流体を吸い上げるため約0.39ミリセカンドを必要とする。従って、流体吸い上げ速度は、繊維構造体の繊維性組成物により影響を受けてもよいが、成形領域の量が、繊維構造体が約0%を超えた成形領域および約50%未満の成形領域を含む場合、流体吸い上げ速度の増加をもたらす役割を果たすことが明らかであろう。流体吸い上げは、本明細書に記載の試験法により測定されてもよい。
【0095】
しかし、成形繊維構造体の流体吸い上げが、低水準のハイドロ成形の使用により改善される限り、あたかもそれが高度に成形されているように繊維構造体および生成した基材の高い質感印象を維持することが重要である。高水準成形の感覚質感印象は、ユーザーに、基材が柔軟で強く可撓性である視覚信号を提供することができ、改善された清掃利益をもたらす。
【0096】
様々な成形模様は、ユーザーに基材の質感印象を提供することができる。高水準成形が存在しない場合、課題は、繊維構造体および生成した基材の低水準成形で高い質感印象を維持することである。理論に束縛されるものではないが、高水準成形構造体の質感印象は、成形要素の寸法および相対的な近接を操作することにより達成できる。1つの実施形態では、間隔をあけて隔置されるより大きい成形要素が、高い質感印象をもたらすことができる。他の実施形態では、一緒に接近して定置されるより小さい成形要素が、高い質感印象をもたらすことができる。しかし、更に間隔をあけて定置されるより小さい成形要素は、高い質感印象をもたらさない場合がある。
【0097】
高い質感印象は、繊維構造体および生成した基材の成形要素の寸法および相対的な近接の結果であってもよい。1つの実施形態では、繊維構造体は、少なくとも2つの成形要素を含んでもよい。前記実施形態では、2つの成形要素がより小さくなることで成形要素の周りに引かれ、成形要素を完全に取り囲むことができる最も小さくできる円によれ外接されてもよい。従って、外接円は、それが成形要素に付与できる半径を含んでもよい。外接円によりもたらされる半径は、「半径単位」と考えられてもよい。本明細書では「半径単位」は、成形要素を完全に包含する最も小さい成形要素の周りに引くことができる最も小さい外接円の半径と等しい距離を指す。図27は、中空不規則成形要素の半径単位50を示す。外接成形要素は、第2成形要素を直近の近傍として有してもよい。外接成形要素は、第2成形要素の約4半径単位内にあってもよい。互いの約4半径単位内の2つの成形要素が、高い質感印象をもたらすことが可能である。他の実施形態では、外接成形要素は、第2成形要素の約1、1.5、2、2.5、3または3.5半径単位内にあってもよい。成形要素に半径単位をもたらすのに利用される外接円は、重なり合うことができることを認識すべきである。
【0098】
約50%を超える成形領域を含む繊維構造体が、ユーザーに高い質感印象を提供できることが当業者により認識されるべきである。本明細書に記載した高い質感印象は、約45%または約45%未満の成形領域を含むこれらの繊維構造体に関する場合もある。上述のように、成形領域量の減少は、繊維構造体の質感のユーザーの印象に負の影響を及ぼす場合がある。本明細書に記載した成形模様および類似の成形模様は、繊維構造体に低水準の成形領域をもたらし、同時に高い質感印象を維持できる。
【0099】
成形模様への多くの取り組み方法は、低水準の成形と高い質感印象とを同時に提供できる。1つの実施形態では、成形模様は、中空(図20のような)である成形要素を含んでもよい。上述したように、中空は、非成形内部領域を囲む成形領域の輪郭を含むように模様をつけることができる成形要素を指すことも可能である。多数の中空成形要素が、繊維構造体上に存在し、高い質感印象をもたらすことが可能である。だが、要素が中空であるので、繊維構造体の実際の成形領域は、低い場合がある。従って、中空成形要素の利用は、高い質感印象と繊維構造体による流体吸い上げの増加の両方を同時にもたらしてもよい。成形要素が中空でない、従って固体の場合、模様がより高水準のハイドロ成形を含んでよいことは当業者により了解できるであろう。より高水準のハイドロ成形は、より低水準のハイドロ成形の使用と関連づけることが可能な流体吸い上げ利益をもたらさない場合がある。繊維構造体がより少ない数の固体成形要素を含む場合、流体吸い上げ利益が回復される場合がある。しかし、より少ない数の固体成形要素は、依然として高い質感印象をもたらさない場合がある。
【0100】
中空成形要素を含む成形模様の他の実施形態では、成形要素領域の輪郭は、非成形内部領域を完全に囲む必要はない。図3〜図14には、それぞれ約5%と約20%の成形領域を含む模様を例示する、そこでは、中空成形要素は、内部非成形領域を完全に囲んでいない。しかし、両方の成形模様は、高い質感印象をもたらすことができる。
【0101】
他の実施形態では、成形模様は、不規則模様内に配列できる成形要素を含み、低水準のハイドロ成形と高い質感印象を同時に達成することが可能である。図18は、不規則模様内に固体分離性の成形要素を使用し、低水準のハイドロ成形(約25%成形領域)と高い成形繊維構造体の質感印象を同時に達成できる成形模様を例示する。
【0102】
代替の実施形態では、高い質感印象および低水準のハイドロ成形が、成形模様が伸長成形要素を含んだ状態で達成できる。図12は、重なり合ったおよび重なり合っていない模様の「クロスハッチ」(約15%の成形領域)を含む成形模様を例示する。
【実施例】
【0103】
実施例A〜Cは、低水準の合計成形領域を有する成形繊維構造体の流体吸い上げ動力学の例である。
【0104】
実施例A:
第1実施例では、ポリプロピレン繊維とビスコース繊維の60/40ブレンドを含み、58gsmの坪量を有する繊維構造体を図26に示したようにおおよそ六角形模様の円形要素の配列状態でハイドロ成形した。繊維構造体の全表面領域に対するこの模様の全成形領域は、約49%である。
【0105】
第2実施例では、ポリプロピレン繊維とビスコース繊維の60/40ブレンドを含み、58gsmの坪量を有する同様に構成した繊維構造体を同じ模様でハイドロ成形したが、そこでは、図18に示したように約50%の円形要素を模様から無作為に取り除いた。繊維構造体の全表面領域に対するこの模様の全成形領域は約25%である。
【0106】
第3実施例では、ポリプロピレン繊維とビスコース繊維の60/40ブレンドを含み、58gsmの坪量を有する同様に構成した繊維構造体をハイドロ成形させなかった、それにより約0%の全成形領域を有していた。
【0107】
上記した繊維構造体の各々を、組成物が実施例Fとして記載(以下に)されている衝突液体を用いて本明細書に記載した(以下に)流体吸い上げ試験法に供した。記載した繊維構造体各々の流体吸い上げ動力学を表1に示す。
【表1】

【0108】
実施例B:
実施例Aとして示した例と同様に、パルプとリオセル繊維の60/40ブレンドを含み60gsmの坪量を有する第2の一連の繊維構造体を図26および図18に示したように、おおよそ六角形模様の円形要素の配列状態でハイドロ成形した、繊維構造体の全表面領域に対するこの模様の全成形領域は、それぞれ約49%および約25%である、ハイドロ成形しない類似の繊維構造体と比較した、約0%の全成形領域を有していた。
【0109】
繊維構造体の各々を、組成物が実施例Fとして記載(以下に)されている衝突液体を用いて本明細書に記載した(以下に)流体吸い上げ試験法に供した。記載した繊維構造体各々の流体吸い上げ動力学を表2に示す。
【表2】

【0110】
実施例C:
ポリプロピレン繊維とビスコース繊維の60/40ブレンドを含む繊維構造体を図20に示す模様でハイドロ成形した。繊維構造体の全表面領域に対するこの模様の全成形領域は、約29%であり、この模様は、「中空」成形要素の使用を含み、それによりその低い全成形領域に対して高い質感密度を示す。
【0111】
繊維構造体を、組成物が実施例Dおよび実施例Eとして記載(以下に)されている衝突液体を用いて本明細書に記載した(以下に)流体吸い上げ試験法に供した。実施例Dおよび実施例Eの衝突液体を用いた繊維構造体の流体吸い上げ動力学をそれぞれ表3および4に示す。
【表3】

【表4】

【0112】
実施例D:
【表5】

*アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPGジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127(www.goldschmidt.com))から商品化されている。
【0113】
実施例E:
【表6】

*アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPGジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127(www.goldschmidt.com))から商品化されている。
【0114】
実施例F:
【表7】

*アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPGジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127(www.goldschmidt.com))から商品化されている。
【0115】
実施例G〜Nの組成物は、更に衝突液体としても利用できまたは繊維構造体を含浸させる組成物の非限定的な実施例である。繊維構造体は、図3〜図24に示したこれらの模様などであるがこれらに限定されない任意の模様の成形模様を含む成形部材上で搬送され得る。
【0116】
実施例G:
【表8】

*アルラトン(Arlatone)−V175(商標)は、スクロース、パルミテート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、スクロース、マンナン、キサンタンガムを含み、ドイツ、エメリッチ(Emmerich)KG46429のユニケマ社(Uniqema GmbH&Co.)(www.uniqema.com)により商品化されている。
【0117】
実施例H:
【表9】

*アルラトン(Arlatone)−V175(商標)は、スクロースパルミテート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、スクロース、マンナン、キサンタンガムを含み、ドイツ、エメリッチ(Emmerich)KG46429のユニケマ社(Uniqema GmbH&Co.)(www.uniqema.com)により商品化されている。
**アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127(www.goldschmidt.com))から商品化されている。
【0118】
実施例I:
【表10】

*アルラトン(Arlatone)−V175(商標)は、スクロース、パルミテート、グリセリルステアレート、グリセリルステアレートシトレート、スクロース、マンナン、キサンタンガムを含み、ドイツ、エメリッチ(Emmerich)KG46429のユニケマ社(Uniqema GmbH&Co.)(www.uniqema.com)により商品化されている。
【0119】
実施例J:
【表11】

*シムルゲル(Simulgel)NS(商標)は、ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム(Acryloyldimethyltaurat)コポリマー&ポリソルベート60を含み、セピック・フランス(Seppic France)(フランス、パリ、セデックス07 75321 ケードルセー(Quai D’Orsay)75(www.seppic.com))から商品化されている。
**アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127(www.goldschmidt.com))から商品化されている。
【0120】
実施例K:
【表12】

*アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127www.goldschmidt.comにより商品化されている。
【0121】
実施例L:
【表13】

*アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127(www.goldschmidt.com)から商品化されている。
【0122】
実施例M:
【表14】

*アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール−16/16ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127(www.goldschmidt.com)から商品化されている。
【0123】
実施例N:
【表15】

*アビルケア(Abil Care)85(商標)は、ビス−PEG/PPG−16/16PEG/PPGジメチコンカプリル酸カプリン酸トリグリセリドを含み、ゴールドシュミット/デグサ、ゴールドシュミット社(Goldschmidt/Degussa, Goldschmidt AG)(ドイツ、エッセン(Essen)45127(www.goldschmidt.com))から商品化されている。
【0124】
流体吸い上げ試験方法
流体吸い上げ測定をTRI/Upkin(商標)(ニュージャージー州、プリンストン(Princeton)のTRI/プリンストン社(Princeton Inc.)で行う。TRI/Upkin測定は、繊維構造体または基材および液体を含む。
【0125】
サンプルの調製
サンプルの調製−繊維構造体または基材:
繊維構造体または基材を業者提供テンプレートを使用して50mmx50mm正方形に切断する。次に、繊維構造体または基材の切断片をTRI/Upkin装置の穿孔プレートの上部に定置する。カバープレートを繊維構造体または基材サンプルの上に定置する。
【0126】
サンプルの調製−液体:
任意の衝突液体がTRI/Upkin装置に使用できる。衝突液体の例は、実施例D〜Nで見い出すことが可能である。衝突液体を穿孔プレートの下の液だめ(繊維構造体または基材に隣接)内に加え、繊維構造体または基材サンプルと同時にTRI/Upkin装置に導入する。
【0127】
手順
この適用に使用される際、流体吸い上げの測定は、それが経時で繊維網目全体にわたって進むときの流体前側の位置を記録することを含む。
【0128】
測定では、自動モーターが、サンプルを液体と接触させる。液体が、毛管力により繊維構造体または基材内に引き入れられるときに、センサーが1ミリセカンド毎にサンプル内の移動液体前の平均位置を測定する。同時に、別のセンサーが、液体を吸収しながら繊維構造体または基材の収縮または膨張を測定する。データ取得システムが、同時にサンプルの孔およびサンプルの厚さ単位で移動液体前側の位置を記録する。サンプルが飽和に達し厚さが更に変化しないときにコンピューターがデータ取得を停止し、サンプルホルダーを持ち上げるモーターを稼働させ、実験を終了する。
【0129】
流体吸い上げ測定値は、流体前側が繊維構造体または基材サンプルの平面を横切った厚さの35%浸透するのに必要な時間として得られる。
【0130】
本明細書で開示する寸法および値は、厳密に正確な数値に限られるとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0131】
「発明を実施するための最良の形態」に記載された全ての文献は、関連部分を参照として本明細書に組み込む、全ての文献の記載は、それが本発明に関する先行技術であることを認めると解釈すべきではない。
【0132】
本発明の特定の実施形態が示されおよび記載されているが、当業者には種々の他の変更および修正が発明の精神と範囲から逸脱することなくできることが明らかであろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更および修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の成形部材の側面図。
【図2】繊維ウェブが成形部材の上部の上を搬送された状態で示される本発明の成形部材の平面図。
【図3】本発明の成形模様の図。
【図4】本発明の成形模様の図。
【図5】本発明の成形模様の図。
【図6】本発明の成形模様の図。
【図7】本発明の成形模様の図。
【図8】本発明の成形模様の図。
【図9】本発明の成形模様の図。
【図10】本発明の成形模様の図。
【図11】本発明の成形模様の図。
【図12】本発明の成形模様の図。
【図13】本発明の成形模様の図。
【図14】本発明の成形模様の図。
【図15】本発明の成形模様の図。
【図16】本発明の成形模様の図。
【図17】本発明の成形模様の図。
【図18】本発明の成形模様の図。
【図19】本発明の成形模様の図。
【図20】本発明の成形模様の図。
【図21】本発明の成形模様の図。
【図22】本発明の成形模様の図。
【図23】本発明の成形模様の図。
【図24】本発明の成形模様の図。
【図25】本発明の繊維構造体の成形領域の流体吸い上げの図。
【図26】繊維構造体の成形模様の図。
【図27】本発明の半径単位の図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5%〜49%の成形領域を含み、前記成形領域が、少なくとも1つの成形要素を含む、成形繊維構造体。
【請求項2】
5%〜45%、好ましくは15%〜35%の成形領域を含む、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項3】
合成繊維類、天然繊維類またはそれらの組み合わせを含む、請求項1または2に記載の繊維構造体。
【請求項4】
前記成形要素が中空である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維構造体。
【請求項5】
前記成形要素が、円形、正方形、矩形、玉子形、楕円形、不規則円形、渦巻き形、巻き毛のおさげ(curly cues)、クロスハッチ(cross hatches)、小石(pebbles)、列円形(lined circles)、結合不規則円形、半円形、波線、気泡線(bubble lines)、パズル、葉、輪郭葉(outlined leaves)、プレート、接続された円形、変化曲線、点、ハニカムおよびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維構造体。
【請求項6】
前記成形要素が、ロゴ、しるし、商標、幾何学的模様、表面像およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維構造体。
【請求項7】
前記繊維構造体が、少なくとも2つの成形要素を含み、前記少なくとも2つの成形要素の一方が、前記少なくとも2つの成形要素の他方よりも小さい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維構造体。
【請求項8】
前記より小さい成形要素が、半径単位を含む、請求項7に記載の繊維構造体。
【請求項9】
前記より小さい成形要素が、前記少なくとも2つの成形要素の他方の4半径単位内に配置される、請求項8に記載の繊維構造体。
【請求項10】
前記第1および第2成形要素が、高質感印象を提供する、請求項7に記載の繊維構造体

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2009−535529(P2009−535529A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509704(P2009−509704)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/010695
【国際公開番号】WO2007/130497
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】