説明

戸体

【課題】すっきりとした外観を呈しながらも、組付強度を向上し得る戸体を提供する。
【解決手段】両側の縦框20,23の対向する内側端面21,24のそれぞれに上下方向に亘って形成された凹溝部21a,24aに、ガラス板10の両側端部11,12が嵌合固定されて該ガラス板が保持されてなる二方框状の戸体1であって、前記ガラス板の上端面13に沿わせるようにして配設したワイヤー14の長手方向の両端部15,16を、前記両側の縦框の上端部にそれぞれ固定して、これら両側の縦框を連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両側の縦框間に鏡板を設けた二方框状の戸体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上下の横框及び左右の縦框からなる四方の框内に鏡板を配設したいわゆる四方框組の戸体が知られているが、デザイン性等の観点から、上下の横框を設けない構成としたいわゆる二方框組の戸体も知られている。
例えば、下記特許文献1には、表面化粧材と芯材とからなる左右の化粧パネルの各芯材に、装飾板の両側端部をそれぞれに嵌入状態に接合した戸パネルが開示されている。この戸パネルは、装飾板の両側端部と芯材とが重なる部分に、芯材の一方面から他方面に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔にダボからなる固定部材を打ち込んで芯材と装飾板とを固定する構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−60378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような鏡板(装飾板)としては、一般的には、軽量化を図る観点や加工性の観点等からポリカーボネート樹脂等の樹脂板が採用されることが多い。しかしながら、質感等の観点から、上記鏡板としてこのような樹脂板に代えてガラス板を採用したい場合がある。このような場合には、上記特許文献1のように貫通孔を形成し、該貫通孔に固定部材を打ち込んで鏡板を固定することは困難であることが考えられ、組付強度等の観点から更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、すっきりとした外観を呈しながらも、組付強度を向上し得る戸体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る戸体は、両側の縦框の対向する内側端面のそれぞれに上下方向に亘って形成された凹溝部に、ガラス板の両側端部が嵌合固定されて該ガラス板が保持されてなる二方框状の戸体であって、前記ガラス板の上端面に沿わせるようにして配設したワイヤーの長手方向の両端部を、前記両側の縦框の上端部にそれぞれ固定して、これら両側の縦框を連結したことを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記ガラス板を合わせガラスとし、該ガラス板の上端部のガラス合わせ部位に全長に亘って形成された溝状部に、前記ワイヤーを沿わせるようにして納めてもよい。
また、本発明においては、前記両側の縦框の上端面には、前記ワイヤーの両端部をこれら両側の縦框の上端部にそれぞれ固定する各固定止具の頭部とともに前記ワイヤーの各端部を収納する凹部がそれぞれに形成されていてもよい。
さらに、本発明においては、前記両側の縦框の各凹部は、前記ワイヤーの各端部をそれぞれに係止する構造とされており、前記両側の縦框の上端面には、それぞれの前記凹部とそれぞれの前記凹溝部とを連通させ、かつ、前記ワイヤーの各端部近傍部分を収納する連通溝がそれぞれに形成されていてもよい。
さらに、本発明においては、前記戸体は、一側端部が連結部材を介して戸枠に回動自在に連結される開き戸とされ、他側端部側の縦框の幅寸法が一側端部側の縦框の幅寸法よりも小さく形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る戸体によれば、すっきりとした外観を呈しながらも、組付強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る戸体の一例を模式的に示し、(a)は、図3(a)のX部に対応させた一部破断概略拡大平面図、(b)は、(a)に対応させた概略分解平面図である。
【図2】(a)は、図1(a)のY−Y線矢視に対応させた概略縦断面図、(b)は、図1(a)のZ−Z線矢視に対応させた概略縦断面図である。
【図3】(a)は、同戸体の概略平面図、(b)は、同戸体の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
また、以下の実施形態では、戸体が施工された状態を基準として上下方向等の方向を原則的に説明する。
【0011】
図1〜図3は、本実施形態に係る戸体1の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る戸体1は、図3に示すように、両側の縦框20,23の間にガラス板10を設けた二方框状とされている。また、ガラス板10の上端面13に沿わせるようにして配設したワイヤー14の長手方向の両端部15,16を、これら両側の縦框20,23の上端部にそれぞれ固定して、これら両側の縦框20,23を連結している。
また、本実施形態では、戸体1を、一側端部(吊元側端部)1aが連結部材4を介して戸枠(吊元側縦枠)3に回動自在に連結される開き戸1としている。
当該開き戸1は、吊元側端部1a側の縦框23(吊元側の縦框23)と、他側端部(戸先側端部)1b側の縦框20(戸先側の縦框20)との間にガラス板10を設けた構造とされている。
【0012】
これら両側の縦框20,23は、比較的に上下に長尺の略矩形平板状とされ、互いに略同高さ寸法とされている。これら両側の縦框20,23としては、例えば、無垢木材や木質系材料等から形成されたものとしてもよい。木質系材料としては、合板やLVL等の木質積層板、パーティクルボード等の木質ボード、インシュレーションボードやMDF(中密度繊維板)等の木質繊維板などが挙げられる。また、これら両側の縦框20,23としては、このような木質系材料を基材として、その表面側に、突板や合成樹脂化粧シート等の表面化粧材を貼着した構成としてもよい。または、これら両側の縦框20,23としては、上記のような木質系材料からなる略角柱状の枠材を枠組みした枠状体の表裏両面に、面材等を積層するように設けたいわゆるフラッシュパネル状のものとしてもよい。
【0013】
また、本実施形態では、戸先側の縦框20の幅寸法を吊元側の縦框23の幅寸法よりも小さく形成している。これにより、戸先側の縦框20が吊元側の縦框23よりも比較的に軽くなる。図例では、戸先側の縦框20の幅寸法を吊元側の縦框23の幅寸法の1/2程度とした例を示しているが、このような態様に限られず、当該開き戸1の全体のデザイン性や戸先側の軽量化等を図る観点等を考慮して、これらの幅寸法を適宜、設定するようにしてもよい。
なお、吊元側の縦框23を吊元側縦枠3に対して回動可能に連結する連結部材4としては、例えば、蝶番4等を用いてもよい。
【0014】
また、これら両側の縦框20,23の対向する内側端面21,24のそれぞれには、上下方向の略全域に亘って、ガラス板10の左右の側端部11,12が嵌合される凹溝部21a,24aが形成されている(図1も参照)。これら凹溝部21a,24aは、互いに向き合う方向に向けて開口し、かつ両側の縦框20,23の厚さ方向略中央部位に設けられている。
これら両側の縦框20,23の各内側端面21,24に形成された凹溝部21a,24aに、ガラス板10の両側端部11,12がそれぞれ嵌合固定されて、ガラス板10が両側の縦框20,23に保持される。
なお、図例では、凹溝部21a,24aを、横断面略コ字状とした例を示しているが、断面略U字状等としてもよい。
【0015】
ガラス板10は、その高さ寸法が両側の縦框20,23の高さ寸法と略同寸法とされている。また、図例では、このガラス板10の幅寸法(凹溝部21a,24aに嵌合された両側端部11,12を除いた幅寸法)を、戸先側の縦框20の幅寸法の1/2程度とした例を示しているが、このような態様に限られない。このガラス板10の幅寸法は、上記同様、当該開き戸1の全体のデザイン性や戸先側の軽量化等を図る観点等を考慮して、適宜、設定するようにしてもよい。また、このガラス板10としては、光透過性が確保される透明または半透明の透光性を有したものとしてもよい。
本実施形態では、このガラス板10を、図2(b)に示すように、二枚のガラス部材を貼り合わせた合わせガラス10としている。
この合わせガラス10としては、二枚の透明または半透明な矩形板ガラスにエチレン酢酸ビニル共重合体系やポリビニルブチラール系等の接着剤を塗布し、これらを互いに接着させたものを用いてもよい。また、各ガラス部材の間に補強材料を介在させて、強度を向上させたものとしてもよい。
また、本実施形態では、この合わせガラス10の上端部のガラス合わせ部位に、全長に亘って溝状部13aが形成されたものとし、当該溝状部13aにワイヤー14の中間部分を沿わせるようにして収納している。この溝状部13aは、合わせガラス10の厚さ方向略中央部位に設けられている。
本実施形態では、図例のように、断面視略V字状の溝状部13aを合わせガラス10の上端部に形成したものを示しているが、溝状部13aの形状はこれに限定されず、例えば、断面視略U字状等の形状としてもよい。
【0016】
なお、合わせガラス10を構成するそれぞれのガラス部材の略全周縁に面取り部が形成されているような場合には、これら面取り部によって上記した溝状部13aが上端部のガラス合わせ部位に形成されるものとしてもよい。この場合には、当該合わせガラス10の両側端部11,12のガラス合わせ部位にも上記同様の溝状部が設けられることとなる。このような構成とすれば、合わせガラス10の両側の溝状部が、合わせガラス10の両側端部11,12を両側の縦框20,23の凹溝部21a,24aに接着剤によって嵌合固定する際に、接着剤の溜り凹部となり、接着強度を向上させることができる。
【0017】
ワイヤー14は、図2に示すように、合わせガラス10の上端面13に、その両端部15,16間の中間部分を沿わせるようにして配設される。当該ワイヤー14の長手方向の両端部15,16が、両側の縦框20,23の上端部にそれぞれ固定止具2により固定され、これにより、これら両側の縦框20,23が連結される。
ワイヤー14の両端部15,16は、固定止具2が挿通される挿通孔を設けたリング状体とされている。
なお、ワイヤー14は、撚線状のものとしてもよく、または単線状のものとしてもよい。
【0018】
また、本実施形態では、両側の縦框20,23の上端面22,25に、このワイヤー14の両端部15,16を両側の縦框20,23の上端部にそれぞれ固定する各固定止具2,2の頭部2a,2aとともにワイヤー14の各端部15,16を収納する凹部22a,25aをそれぞれに形成している。これら凹部22a,25aは、上方に向けて開口するように形成されており、両側の縦框20,23の厚さ方向略中央部位に設けられている。
また、これら凹部22a,25aは、それぞれの縦框20,23の凹溝部21a,24aよりも当該開き戸1の戸幅方向外方側位置に形成されている。
図例では、平面視した形状が略円形状の凹部22a,25aを示しているが、これに限定されず、ワイヤー14の両端部15,16及び固定止具2の頭部2aが当該凹部22a,25aに収納し得る形状であればよく、例えば、略矩形状であってもよい。
【0019】
また、両側の縦框20,23の上端面22,25には、それぞれの凹部22a,25aと、それぞれの凹溝部21a,24aとを連通させる連通溝22b,25bがそれぞれに形成されている。これら連通溝22b,25bは、上方に向けて開口するように形成されており、両側の縦框20,23の厚さ方向略中央部位に設けられている。また、これら連通溝22b,25bの溝深さ寸法(上下寸法)は、凹部22a,25aの深さ寸法(上下寸法)と略同寸法とされている。
また、これら連通溝22b,25bは、溝幅寸法(戸厚方向に沿う幅寸法)が、各凹部22a,25aの幅寸法(戸厚方向に沿う幅寸法)よりも小さい寸法とされている。本実施形態では、このような構成によって、両側の縦框20,23の各凹部22a,25aは、上記したリング状体とされたワイヤー14の各端部15,16をそれぞれに係止する構造とされている。
【0020】
上記のような構成により、ワイヤー14は、中間部分が、ガラス板10の上端面13に形成された溝状部13aに沿わせるようにして納められる。また、ワイヤー14は、各端部近傍部分17,18が、両側の縦框20,23の上端面22,25の各連通溝22b,25bに収納され、各端部15,16が、両側の縦框20,23の上端面22,25の各凹部22a,25aに収納される。
【0021】
次に、戸体1の組付手順の一例について説明する。
まず、両側の縦框20,23の内側端面21,24に設けられた凹溝部21a,24aに接着剤を塗布し、合わせガラス10の両側端部11,12を凹溝部21a,24aに嵌め入れ、固定する。
次いで、合わせガラス10の上端面13に沿わせるようにしてワイヤー14を配設し、各端部15,16を、両側の縦框20,23の各凹部22a,25aに係止させる。次いで、ワイヤー14の各端部15,16の各挿通孔を介してねじや釘等の固定止具2を各縦框20,23の上端部に捩じ込み(または打ち込み)、ワイヤー14の各端部15,16を、各縦框20,23の上端部に固定する。ワイヤー14は、このように各端部15,16を各縦框20,23の上端部に固定した状態では、当該ワイヤー14が緊張状態となるように、その長さ寸法が設定されている。
このようにして開き戸1を組み付けるようにしてもよい。
【0022】
上記構成とされた本実施形態に係る戸体(開き戸)1によれば、すっきりとした外観を呈しながらも、組付強度を向上させることができる。
つまり、二方框状の戸体1であるので、両側の縦框20,23とガラス板(合わせガラス)10とによって、すっきりとした外観を呈することができる。
また、ワイヤー14の長手方向の両端部15,16を両側の縦框20,23の上端部にそれぞれ固定して、これら両側の縦框20,23を連結した構成であるので、当該ワイヤー14によって組付強度を向上させることができる。つまり、ガラス板10の両側端部11,12が各凹溝部21a,24aに接着剤等によって嵌合固定された両側の縦框20,23同士をワイヤー14によって連結することで、これら両側の縦框20,23及びガラス板10の組み付け状態を補強することができる。また、ワイヤー14をガラス板10の上端面13に沿わせるようにして配設しているので、当該戸体1が施工された状態では、ワイヤー14が目立ち難く、見栄えを損なうことがない。
【0023】
また、本実施形態では、ガラス板10を合わせガラスとし、上記した溝状部13aにワイヤー14を沿わせるようにして納めている。従って、ワイヤー14を戸体1の厚さ方向にずれ難くすることができる。また、当該戸体1が施工された状態においてワイヤー14をより見え難くすることができ、見栄えをより向上させることができる。
【0024】
さらに、本実施形態では、両側の縦框20,23の上端面22,25に、各固定止具2の頭部2aとともにワイヤー14の各端部15,16を収納する凹部22a,25aをそれぞれに形成している。従って、当該戸体1が施工された状態において固定止具2の頭部2a及びワイヤー14の両端部15,16を見え難くすることができ、より見栄えを向上させることができる。
【0025】
さらにまた、本実施形態では、両側の縦框20,23の各凹部22a,25aは、ワイヤー14の各端部15,16をそれぞれに係止する構造とされている。従って、ワイヤー14を両側の縦框20,23の上端部に固定する際に、ワイヤー14の各端部15,16を、両側の縦框20,23の各凹部22a,25aに仮止めすることができ、組み付け時における作業性を向上させることができる。
また、両側の縦框20,23の上端面22,25に、ワイヤー14の各端部近傍部分17,18を収納する連通溝22b,25bをそれぞれに形成している。従って、固定止具2の頭部2a及びワイヤー14の両端部15,16に加えて、ワイヤー14の両端部近傍部分17,18を見え難くすることができ、より見栄えを向上させることができる。
特に、本実施形態では、ワイヤー14の両端部15,16、ワイヤー14の各端部近傍部分17,18及びワイヤー14の途中部位(中間部分)を、両側の縦框20,23の各凹部22a,25a及び各連通溝22b,25b並びにガラス板10の溝状部13aにそれぞれ収納する構造としている。従って、当該戸体1が建て付けられる戸枠の上枠等と戸体1に設けられたワイヤー14や固定止具2の頭部2aとの干渉を効果的に抑制することができ、戸枠の上枠等と戸体1の上端部とのクリアランスを比較的に小さくすることができる。なお、図例では、合わせガラス10の上端部の溝状部13aの溝深さ寸法を、両側の縦框20,23の上端部の連通溝22b,25b及び凹部22a,25aの深さ寸法よりも浅くした例を示しているが、これらの深さ寸法を略同寸法としてもよい。
【0026】
また、本実施形態では、戸体1を、吊元側端部1aが連結部材4を介して吊元側縦枠3に回動自在に連結される開き戸1とし、戸先側の縦框20の幅寸法を吊元側の縦框23の幅寸法よりも小さく形成している。従って、戸先側の縦框20が吊元側の縦框23よりも比較的に軽くなる。つまり、開き戸1の戸先側の縦框20が軽くなることとなり、吊元側端部1a側を回動支点として回動される開き戸1のガラス板10及び連結側の縦框23に対して掛かる戸先側の縦框20の荷重を小さくすることができる。従って、これら両側の縦框20,23の上端部に固定されてこれら両側の縦框20,23を連結するワイヤー14への負荷も小さくすることができ、ワイヤー14の劣化や損傷等を抑制することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、戸体1を、吊元側端部1aが連結部材4を介して吊元側縦枠3に回動自在に連結される開き戸1とし、戸先側の縦框20の幅寸法を吊元側の縦框23の幅寸法よりも小さく形成した例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、これら戸先側の縦框20の幅寸法と吊元側の縦框23の幅寸法とを略同寸法としてもよく、または、戸先側の縦框20の幅寸法を吊元側の縦框23の幅寸法よりも大きく形成してもよい。また、戸体1を開き戸1とする態様に代えて、引戸や折戸等としてもよい。
また、図例では、両側の縦框20,23の幅寸法に比べてガラス板10の幅寸法を幅狭とした例を示しているが、ガラス板10の幅寸法を少なくともいずれか一方の縦框20,23の幅寸法と略同寸法としてもよい。または、ガラス板10の幅寸法を少なくともいずれか一方の縦框20,23の幅寸法よりも大きい寸法としてもよい。
【0028】
また、本実施形態では、両側の縦框20,23の上端面22,25に、連通溝22b,25bをそれぞれに形成した例を示しているが、このような連通溝22b,25bを設けないようにしてもよい。また、本実施形態では、両側の縦框20,23の上端面22,25に、凹部22a,25aをそれぞれに形成した例を示しているが、このような凹部22a,25aを設けないようにしてもよい。このような場合には、ワイヤー14の各端部15,16を各縦框20,23の上端面22,25に固定止具2等によって固定するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、ガラス板10を合わせガラスとした例を示しているが、単板ガラスとしてもよい。
さらにまた、本実施形態では、一本のワイヤー14によって両側の縦框20,23を連結した例を示しているが、複数本のワイヤー14によって両側の縦框20,23を連結する態様としてもよい。この場合において、上記した溝状部や連通溝、凹部を設ける場合には、ワイヤーの本数に応じてこれらを設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 開き戸(戸体)
1a 吊元側端部(一側端部)
1b 戸先側端部(他側端部)
10 合わせガラス(ガラス板)
11 端部
12 端部
13 上端面
13a 溝状部
14 ワイヤー
15 端部
16 端部
20 戸先側の縦框(他側端部側の縦框)
21 内側端面
21a 凹溝部
22 上端面
22a 凹部
22b 連通溝
23 吊元側の縦框(一側端部側の縦框)
24 内側端面
24a 凹溝部
25 上端面
25a 凹部
25b 連通溝
2 固定止具
2a 頭部
3 吊元側縦枠(戸枠)
4 蝶番(連結部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側の縦框の対向する内側端面のそれぞれに上下方向に亘って形成された凹溝部に、ガラス板の両側端部が嵌合固定されて該ガラス板が保持されてなる二方框状の戸体であって、
前記ガラス板の上端面に沿わせるようにして配設したワイヤーの長手方向の両端部を、前記両側の縦框の上端部にそれぞれ固定して、これら両側の縦框を連結したことを特徴とする戸体。
【請求項2】
請求項1において、
前記ガラス板が合わせガラスであり、
該ガラス板の上端部のガラス合わせ部位に全長に亘って形成された溝状部に、前記ワイヤーを沿わせるようにして納めたことを特徴とする戸体。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記両側の縦框の上端面には、前記ワイヤーの両端部をこれら両側の縦框の上端部にそれぞれ固定する各固定止具の頭部とともに前記ワイヤーの各端部を収納する凹部がそれぞれに形成されていることを特徴とする戸体。
【請求項4】
請求項3において、
前記両側の縦框の各凹部は、前記ワイヤーの各端部をそれぞれに係止する構造とされており、
前記両側の縦框の上端面には、それぞれの前記凹部とそれぞれの前記凹溝部とを連通させ、かつ、前記ワイヤーの各端部近傍部分を収納する連通溝がそれぞれに形成されていることを特徴とする戸体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記戸体は、一側端部が連結部材を介して戸枠に回動自在に連結される開き戸とされ、他側端部側の縦框の幅寸法が一側端部側の縦框の幅寸法よりも小さく形成されていることを特徴とする戸体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−108282(P2013−108282A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254199(P2011−254199)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】