説明

戸棚の衝撃吸収パッド

【課題】キッチンなどで使われている食器棚や戸棚は、頭部の高さに備え付けられている場合があり、戸棚の角に頭をぶつけることがあり危険なので、ぶつけても痛みを軽減する衝撃吸収材を提供する。
【解決手段】衝撃吸収性のあるスポンジをL字型に折り曲げ、上方向は扉の取っ手7に干渉しにくいように短く、横方向は扉の裏側まで突起するように扉の厚さよりも長く加工し、扉の前面から貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はよくキッチンや洗面台などに見られる食器棚の戸棚や、吊り戸棚で怪我をしないための保護予防に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キッチンや洗面台には、収納のため、食器棚や、吊り戸棚が取り付けられることが多い。扉の高さは、身長や、扉の設計により、ちょうど目線から頭部にかかることがあり、特に、扉の下の角の部分に頭をぶつけることがある。戸棚の位置を高めに設計しても、荷物の出し入れを行う際に、踏み台に上がる場合、再び戸棚の角に頭をぶつける可能性がある。
【0003】
特許文献1には、吊り戸棚で頭部などを怪我をしないような戸棚が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−97856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キッチンなどでよく使う食器棚や、キッチンや洗面台などの上に取り付けられている吊り戸棚は、ちょうど目線から頭部にかけての高さに取り付けられていることがある。この戸棚を開けたままにしていると、うっかり戸棚の下の角に頭をぶつけて怪我をするなどの危険があった。特に、扉の下の角はぶつけやすく、とがっていて危険であった。扉を開けたまま皿洗いや、料理をしているときは、扉の下の角の部分は、前から後ろにかけて広範囲の角度にわたって頭をぶつける危険があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、厚さのある衝撃吸収材を、略L字型に加工し、戸棚の扉の下角を覆うように貼り付けることにより、問題を解決する。略L字型の衝撃吸収材は、扉の前に貼り付ける突起部分は、取っ手に当たらないように短く、もしくは取っ手を回避するように切込みを入れる。扉の下をくぐる部分は、扉の厚さよりも長く設計することで扉の裏側まで突起し、扉の前も、扉の後ろも、広範囲の角度を保護できるようになる。また、戸棚の裏側には何も貼り付けていない状態のため、戸棚を完全に閉じることができる。
【発明の効果】
【0007】
従来は戸棚の下の角に頭部をぶつけ、痛い思いをすることがあったが、本発明衝撃吸収パッドを使うことによって、衝突の際には衝撃を吸収し、痛みを軽減もしくは、痛くないようになる。扉を少し開けている状態では戸棚の前方向からの衝突から保護し、扉を大きく開けている場合は、扉の前からの衝突だけではなく、扉の後ろにかけての広い範囲の角度にわたって衝突の衝撃から頭部を保護することができる。また、扉の前に貼り付ける部分は、取っ手に触れない程度の短い長さにすることで、取っ手には干渉しにくい様にできる。また、扉の下をくぐって、扉の後ろに突出する部分は、扉の厚さよりも長く設計することで、扉の後ろを保護しつつ、戸棚の一番下の床よりも下をくぐるようになるので、戸棚を完全に閉じることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明衝撃吸収パッドの外観を示した図。1は斜め後ろから見た図。2は斜め前から見た図。3は真横から見た図。上方向に突起している突起部分aは短く設計されており、扉の前面に貼り付ける。横にむかって突起している突起部bは扉の厚さよりも長めに設計されており、扉の下をくぐって扉の裏側まで突起する
【図2】図1記載の本発明衝撃吸収パッドの取り付け例。戸棚を真横から見た様子
【図3】図1記載の本発明衝撃吸収パッドの取り付け例。扉の下の角の部分を保護できるように貼り付けてある。扉の前の角に頭をぶつけても、本発明衝撃吸収パッドが衝撃を吸収、保護してくれる
【図4】図1記載の本発明衝撃吸収パッドの取り付け例。扉を大きく開いた状態で、広範囲の角度から扉の角に頭をぶつけても、保護してくれる
【図5】図1記載の本発明衝撃吸収パッドの取り付け例。扉の裏側方向に突起した部分が戸棚の床より下にもぐりこむので、本発明衝撃吸収パッドを取り付けた状態のまま扉を完全に閉じることができる
【図6】本発明衝撃吸収パッドの外観を示した図。上方向の突起部a、横方向の突起部bはそれぞれ同じ長さにし、突起部aには、戸棚の取っ手部分に干渉しないよう、切込みが13、切り込み15が施されている
【図7】図6記載の本発明衝撃吸収パッドを戸棚に取り付けた様子。取っ手20に干渉せずに取り付けができる
【図8】図1記載の本発明衝撃吸収パッドを、取っ手を取外した扉、もしくは最初から取っ手が無い扉に取り付けた例。扉を開けようとするときには、指が図1記載の切り込み4にひっかかり、扉をあけることができる
【図9】本発明衝撃吸収パッドの取り付け例。戸棚の床板が扉よりも少し下についている場合も、スペーサー28を入れることによって取り付けができる
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1において、衝撃吸収性のあるスポンジを略L字型に折り曲げ、上方向に突起する突起部aは戸棚の扉の取っ手に干渉しにくいように短く、横方向に突起する突起部bは、扉の後ろまで突起するように、扉の厚さより長めにする。衝撃吸収性のある材料には、プラスチックよりも柔らかい弾性体で構成され、シリコンや、ウレタンスポンジなどが利用できる。取っ手がもともと扉に備わっていない場合や、取っ手が扉の一番下に取り付けられているなど、本発明と触れる位置にある場合に、取っ手を取外して本発明衝撃吸収パッドを取り付け、本発明が取っ手の代わりになるように、横方向に突起する突起部bの先端には手の指がひっかかるように切込み4を施すことで、取っ手を取り外しても扉を開閉できるようになる。
【0010】
図2において、本発明衝撃吸収パッドを接着剤、両面テープなどにより実際に扉の前面から下にかけて貼り付け、横から見た様子を示す。本発明衝撃吸収パッドの上方向の突起部は、短く設計されているので、取っ手7に接触せず、横方向に突起する突起部は、戸棚の床板8の下をくぐっているため、扉を閉じることができる。図3において、本発明衝撃吸収パッドを装着した扉を少し開けている様子を示す。扉の前面の下の角の部分が本発明により保護されており、この部分に頭をぶつけても本発明衝撃吸収パッド10によって衝撃が吸収される。図4において、扉を大きく開けている様子を示す。扉の裏面の下の角の部分が、本発明衝撃吸収パッド11によって広範囲の角度で保護されており、頭をぶつけても衝撃が吸収され、痛みが軽減される。図5において、扉を閉じた状態を示す。本発明衝撃吸収パッド12は、戸棚の一番下の床板の下をくぐっているので、扉を完全に閉じることができる。図8において、取っ手を取外す、もしくは、取っ手が最初から装備されていない扉に本発明衝撃吸収パッドを取り付けた事例を示す。本発明衝撃吸収パッド22の後ろ側に突起した突起部に施した、図1記載の切り込み4に指が引っかかることにより、扉を開けることができる。
【0011】
図6において、本発明衝撃吸収パッドの外観を示す。衝撃吸収性のあるスポンジを略L字型に加工し、上に向かって突起する突起部cに切込み13を入れることにより、戸棚の取っ手に干渉しにくいようにした。図7において、本発明衝撃吸収パッド21を取り付けた様子を示す。切り込みによって取っ手20に干渉せずに取り付けが可能となる。
【0012】
図9において、本発明の取り付け事例を示す。デザインなどの事情により、扉23の下面よりも戸棚の床板25が下に来ている場合に、スペーサー27を扉と本発明衝撃吸収パッドの間に貼り付けることにより、取り付けが可能となる。スペーサー27は、本発明衝撃吸収パッドと同様の素材で構成される。スペーサー28は、スペーサー27を斜め上方から見た図である。

【産業上の利用可能性】
【0013】
食器棚や、システムキッチン、洗面台などに装備されている戸棚について、その戸棚の下の角はちょうど頭部や目線の高さに来ることがあり、とても危険である。料理をしている最中、あるいは、食器を片付けている最中は戸棚を開けっ放しにして作業することがあり、ちょうどそのときに頭部に当たって怪我をすることもしばしばある。本発明衝撃吸収パッドは、扉の表側で怪我をしないように保護する一方で、扉の下、扉の裏側の下など、広範囲の角度で同時に保護することができるとともに、扉を完全に閉じることができる特徴がある。また、扉に備わっている取っ手と干渉しないように短く設計されているため、多くの戸棚に取り付けることが可能となる。また、取っ手が扉のかなり下の方に備えつけられている場合は、取っ手を外してしまい、本発明衝撃吸収パッドを取っ手の代わりとして取り付けることもできる。戸棚の扉の下の部分に頭をぶつけて痛い思いをする時、かなりの痛みになることもあったが、本発明により事故を予防することができるため、そうした製品は産業上大きな効果を与える可能性がある。
【符号の説明】
【0014】
1 本発明衝撃吸収パッドを斜め上後方から見た図。L字型に折り曲げてあり、上方向に短く、横方向に長くしてある
2 本発明衝撃吸収パッドを斜め上前方から見た図。L字型に折り曲げてあり、上方向に短く、横方向に長くしてある
3 本発明衝撃吸収パッドを真横から見た図。L字型に折り曲げてあり、上方向に短く、横方向に長くしてある
4 手の指がひっかかるように施した切込み
5 手の指が引っかかるように施した切込み
a 上方向に突起した突起部。扉の前面に来る
b 横方向に突起した突起部。扉の下をくぐり扉の裏側まで突起する
6 戸棚を真横から見た図
7 戸棚に装備されている取っ手
8 戸棚の一番下の床板
9 本発明衝撃吸収パッドを、戸棚の下の角の部分に貼り付けてある状態。戸棚の前と後ろそれぞれ保護しつつ、戸棚を閉じることができる
10 本発明衝撃吸収パッド。戸棚の前側の下の角を保護している。
11 本発明衝撃吸収パッド。戸棚の下の、前側、横側、後ろ側などの広範囲の角度を保護している
12 本発明衝撃吸収パッド。戸棚を完全に閉じている状態。戸棚の一番下の床下をくぐっているため、扉を閉じることができる
13 扉の取っ手を回避するために施した切込み
14 手の指がひっかかるように施した切込み
15 扉の取っ手を回避するために施した切込み
16 手の指がひっかかるように施した切込み
17 本発明を斜め後方から見た図。L字型に折り曲げてあり、上方向に切込みが入れてある
18 本発明を斜め前方から見た図。L字型に折り曲げてあり、上方向に切込みが入れてある
19 本発明を真横から見た図。L字型に折り曲げてあり、上方向、横方向に同じ長さである
20 扉の取っ手
21 図6記載の本発明衝撃吸収パッド
22 図1記載の本発明衝撃吸収パッド
23 扉
24 取っ手
25 戸棚の床板
26 本発明衝撃吸収パッド
27 スペーサー
28 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸棚の扉の下の角を保護する衝撃吸収パッドであって、略L字型であり、上方向に突起する突起部は戸棚の取っ手に干渉しないよう短く、横方向に突起する突起部は戸棚の扉の下をくぐり、扉の裏まで突起するよう扉の厚さよりも長いことを特徴とする戸棚用の衝撃吸収パッド。
【請求項2】
戸棚の扉の下の角を保護する衝撃吸収パッドであって、略L字型であり、戸棚の取っ手に干渉しないよう上方向に突起する突起部には取っ手を回避する形状に切込みを施し、横方向に突起する突起部は戸棚の扉の下をくぐり、扉の裏まで突起するよう扉の厚さよりも長いことを特徴とする戸棚用の衝撃吸収パッド。
【請求項3】
前記衝撃吸収パッドの横方向に突起する突起部の先端について、指先が引っかかるように切り込み加工を施していることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載した衝撃吸収パッド。
【請求項4】
前記衝撃吸収パッドの横方向に突起する突起部と、扉の下面の間に、前記衝撃吸収パッドと同様の材料でできたスペーサーを貼り付ける事を特徴とした、請求項1、もしくは請求項2に記載の衝撃吸収パッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−58251(P2011−58251A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208747(P2009−208747)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(709003573)
【Fターム(参考)】