説明

扁平緯糸織物製造装置

【課題】扁平緯糸織物の製織時に扁平緯糸に生じる捩じれと緯糸織込ミスを解消する。
【解決手段】扁平緯糸先端11を受け取る緯糸受取部12に向けて引き渡す扁平緯糸先端11を係止する緯糸引渡部13に、その引き渡す扁平緯糸先端を湾曲断面形状にセットする断面セット装置14を扁平緯糸織物製造装置に設ける。その断面セット装置は、扁平緯糸15の表裏何れか片面から表裏反対側の他の片面に向けて扁平緯糸の左右向き合う両側縁16・17を押圧する左右一対の側縁押圧部18・19と、それら一対の側縁押圧部18と側縁押圧部19との間において扁平緯糸15の左右向き合う両側縁16・17の間の部分20を左右一対の側縁押圧部18・19の押圧方向とは逆向きに押圧する中間押圧部21とによって構成する。緯糸受取部と緯糸引渡部とは、その何れか一方または双方を互いに向かい合う方向に移動する緯糸導入桿23・29の先端に装着することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平断面形状の扁平糸条を緯糸に用いた織物(以下、本発明では「扁平緯糸織物」と言う。)を織成するために使用される扁平緯糸織物製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
扁平緯糸織物は、包装資材や工事用シート、タフテッドカーペット基布等に使用されていて周知である。
【0003】
包装資材等に使用されている扁平緯糸織物に使用されている扁平緯糸の幅は概して2〜5mmであり、その織成されるまでの取扱過程で捩られていても、その包装資材や工事用シート、タフテッドカーペット基布等に用途からして、その捩れによって扁平緯糸織物の品質が大きく左右されることはない。しかし、幅が10mmを超える広幅扁平緯糸に生じる捩れは目立ち易く、その捩れたまま織り込まれた扁平緯糸織物には大きな隙間が出来、扁平緯糸織物の品質が大きく損なわれる。
特に、炭素繊維に成る扁平緯糸を用いた扁平緯糸織物は、強化プラスチック用資材として公知であるが(例えば、特許文献1参照)、その扁平緯糸に生じた捩れは強化プラスチック用資材としての扁平緯糸織物の品質を大きく損なうことになる。
【0004】
扁平緯糸織物としては、経糸が扁平緯糸に直交した二軸織物の他に、経糸が扁平緯糸に斜め方向から交叉した斜め交叉二軸織物や、経糸が扁平緯糸に左右斜め方向から交叉した三軸織物、又、経糸が扁平緯糸に直交すると共に左右斜め方向からも交叉した四軸織物も公知である(例えば、特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−155645号公報
【特許文献2】特公昭50−20186号公報
【特許文献3】特公昭52−3026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
扁平糸条を経糸に用いて捩れなく織り込む場合には、扁平糸条を捩ることなくビームやチーズに巻き取り、そのビームやチーズを巻き戻して織前へと送り出せばよい。扁平糸条を緯糸に用いる場合も同様にすればよい。そのように捩られることなくチーズから引き出して扁平緯糸を織り込むためには、無杼織機が必要となる。
【0007】
しかし、無杼織機による製織過程における緯糸の送出速度は、経糸の送出速度に比して遥かに速い。従って、無杼織機において織り込むために巻き取られて用意されている扁平緯糸のチーズの太さ(半径)が細くなるチーズの太さの変化速度も、織り込むために巻き取られて用意されている経糸のビームやチーズの太さ(半径)が細くなる太さの変化速度に比して速くなる。そして、扁平緯糸が巻き取られているチーズの外周部分の扁平緯糸に比して、そのチーズの中心部分の扁平緯糸は大きく湾曲している。而も、チーズの中心部分は外周部分から強く締め付けられているので、そのチーズの中心部分において湾曲した扁平緯糸の形状は、強くセットされている。
【0008】
従って、扁平緯糸織物製造装置において、緯糸受取部が受け取るために緯糸引渡部から突き出されている扁平緯糸先端の形状は、製織過程で変化することになる。
しかし、無杼織機の緯糸受取部は、扁平緯糸先端の形状の製織過程での変化に追隨し難く、その緯糸引渡部から受け取るべき扁平緯糸が緯糸受取部から外れ易くなり、緯糸織込ミスが発生し易くなる。
【0009】
特に、そのような緯糸織込ミスは、炭素繊維やガラス繊維のマルチフィラメント糸を扁平断面形状に調製し、熱可塑性樹脂を付与して扁平断面形状にセットされ、チーズに巻き取られて湾曲した形状がセットされ易い扁平糸条を緯糸に使用する場合に発生し易い。
【0010】
そこで本発明は、熱可塑性樹脂でセットされたマルチフィラメント扁平糸条を緯糸としてチーズに巻き取って使用する場合でも、扁平緯糸が捩じれず、緯糸織込ミスなく扁平緯糸織物に織り込めるようにすることを第1の目的とする。
本発明の第2の目的は、炭素繊維やガラス繊維のマルチフィラメント扁平糸条に織成されて強化プラスチック用資材に適した扁平緯糸織物を効率的に得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る扁平緯糸織物製造装置は、(a) 扁平緯糸織物製造装置において扁平緯糸先端11を受け取る緯糸受取部12に向けて引き渡す扁平緯糸先端11を係止する緯糸引渡部13が、その引き渡す扁平緯糸先端11を湾曲断面形状にセットする断面セット装置14を具備しており、(b) その断面セット装置14が、扁平緯糸15の表裏何れか片面から表裏反対側の他の片面に向けて扁平緯糸15の左右向き合う両側縁16・17を押圧する左右一対の側縁押圧部18・19と、それら一対の側縁押圧部18と側縁押圧部19との間において扁平緯糸15の左右向き合う両側縁16・17の間の部分20を左右一対の側縁押圧部18・19の押圧方向とは逆向きに押圧する中間押圧部21を具備することを第1の特徴とする。
【0012】
本発明に係る扁平緯糸織物製造装置の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、断面セット装置14の緯糸受取部に向き合う緯糸引渡部13の先端から後退した部位に、緯糸引渡部13が緯糸受取部12に引き渡す扁平緯糸15に接触して張力を付与する張力付与装置24が設けられている点にある。
【0013】
本発明に係る扁平緯糸織物製造装置の第3の特徴は、上記第1、第2の何れかの特徴に加えて、綜絖25に駆動されて形成される経糸26の開口27へと投入される扁平緯糸15の緯糸引渡部13に到る扁平緯糸15の経路に、その経路を通過する扁平緯糸15を吸引する吸引パイプ28が設けられている点にある。
【0014】
本発明に係る扁平緯糸織物製造装置の第4の特徴は、上記第1、第2、第3の何れかの特徴に加えて、緯糸受取部12と緯糸引渡部13の何れか一方または双方が、互いに向かい合う方向に移動する緯糸導入桿23・29の先端に装着されている点にある。
【発明の効果】
【0015】
本発明の扁平緯糸織物製造装置において、先端が緯糸受取部12に把持されて緯糸引渡部13から引き出された直後の扁平緯糸15は、断面セット装置14を通過するとき、その表裏何れか片面から表裏反対側の他の片面に向けて左右両側縁16・17が押圧され、左右両側縁16・17の間の部分20が左右両側縁16・17とは逆向きに押し返されて湾曲断面形状になり、その断面セット装置14を通過して織り込まれた扁平緯糸15が次に織り込まれる時には、その次に緯糸受取部12に把持されて引き出されるべき扁平緯糸先端11は、断面セット装置14を通過した直後の湾曲断面形状になる。
【0016】
その断面セット装置14を通過した直後の扁平緯糸先端11の湾曲断面形状は、扁平緯糸15を送り出すチーズ30の外径の大きさに無関係に断面セット装置14によって形成されるもので、常に一定の湾曲断面形状となる。その扁平緯糸先端11の湾曲した断面形状の側縁16・17は、C形鋼材のフランジのように、それらの間の部分20をウエブとするフランジとして効用を発揮して扁平緯糸先端11を撓み難くし、その把持される緯糸受取部12に向けて真っ直ぐに突き出すことになる。
【0017】
そのように本発明によると、緯糸受取部12に向けられる扁平緯糸先端11が一定の断面形状に保たれるので、緯糸織込ミスが発生せず、その緯糸受取部12によって引き出される扁平緯糸15が捩られることなく織り込まれることになるので、強化プラスチック用資材に適した高品質のマルチフィラメント扁平緯糸織物を効率的に得ることが出来る。
【0018】
本発明によると、断面セット装置14の緯糸受取部に向き合う緯糸引渡部13の先端から後退した部位に、緯糸引渡部13が緯糸受取部12に引き渡す扁平緯糸15に接触して張力を付与する張力付与装置24が設けられているので、緯糸受取部12に引き出される扁平緯糸15は、張力付与装置24からの抗力を受けて緊張し、弛むことなく開口27へと投入されて織り込まれ、部分的歪みや織密度に斑のない品質の揃った扁平緯糸織物を得ることが出来る。
【0019】
本発明によると、綜絖25に駆動されて形成される経糸26の開口27へと投入される扁平緯糸15の緯糸引渡部13に到る扁平緯糸15の経路に、その経路を通過する扁平緯糸15を吸引する吸引パイプ28が設けられているので、チーズ30から緯糸引渡部13へと引き出される過程において、扁平緯糸15は、吸引パイプ28の中にU字状に折り曲げられた状態で貯留され、チーズ30から直接引き出されるのではなく、実質的に吸引パイプ28から引き出されることになる。その吸引パイプ28の中では、風圧を受けて緊張状態になるので、扁平緯糸15は、弛緩することなく緯糸引渡部13へと引き出され、一定の安定した張力をもって織前へと織り込まれ、かくして、本発明によると、品質の揃った扁平緯糸織物を得ることが出来る。
【0020】
そのように扁平緯糸15を吸引パイプ28から緯糸引渡部13へと弛緩させずに引き出すためには、吸引パイプ28の長さ(L)を扁平緯糸織物31の織幅(W)の半分以上(L>0.5W)にする。そうすると、筬打ち毎に織幅(W)に相応する長さの扁平緯糸15が吸引パイプ28から引き出されるとしても、吸引パイプ28への入口32と出口33の間でU字状に折り曲げられる扁平緯糸15の折返点34が常に吸引パイプ内(28)に位置し、その折返点34が吸引パイプ28から抜け出て扁平緯糸15がフリーになって弛緩しだぶつくことはなくなる。
【0021】
緯糸受取部12と緯糸引渡部13は、その双方を移動方向が互いに向かい合わせとなる一対の緯糸導入桿23・29に装着することが望ましく、そのように一対の緯糸導入桿23・29を使用するときは、その何れか一方の緯糸導入桿を使用する場合に比して製織効率が2倍となり、扁平緯糸織物を効率的に得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る扁平緯糸織物製造装置の要部斜視図である。
【図2】本発明に係る緯糸受取部と緯糸引渡部の斜視図である。
【図3】図2に図示した緯糸受取部と緯糸引渡部の拡大斜視図である。
【図4】本発明に係る断面セット装置と扁平緯糸先端の斜視図である。
【図5】本発明に係る断面セット装置と扁平緯糸先端の斜視図である。
【図6】本発明に係る断面セット装置と扁平緯糸先端の斜視図である。
【図7】本発明に係る緯糸引渡部の分解拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
緯糸受取部12が先端に装着された受取緯糸導入桿23、および、緯糸引渡部13が先端に装着された引渡緯糸導入桿29の移動方向は、経糸26に対して直交する方向でも傾斜する方向でもよい。即ち、経糸が扁平緯糸に直交した二軸織物では、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29の移動方向は、経糸26に対して直交する方向となる。
経糸が扁平緯糸に斜め方向から交叉した斜め交叉二軸織物では、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29の移動方向は、経糸に対して90°未満または90°以上の交叉角度をなす方向となる。
経糸が扁平緯糸に左右斜め方向から交叉した三軸織物では、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29の移動方向は、一部の経糸に対しては90°未満の交叉角度をなす方向となり、その一部の残りの経糸に対しては90°以上の交叉角度をなす方向となる。
経糸が扁平緯糸に直交すると共に左右斜め方向からも交叉した四軸織物では、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29の移動方向は、一部の経糸に対しては90°未満の交叉角度をなす方向となり、その一部の残りの一部の経糸に対しては90°以上の交叉角度をなす方向となり、その他の残りの経糸に対しては直交する方向となる。
図2には剛直(リジット)な角形パイプの受取緯糸導入桿23と引渡緯糸導入桿29を図示しているが、受取緯糸導入桿23や引渡緯糸導入桿29はフレキシブルなものであってもよい。
【0024】
断面セット装置14の側縁押圧部18・19と中間押圧部21とは、図4〜6に図示するように、両者の間に扁平緯糸15が挟まれて遊嵌する隙間48を間に挟んで嵌合するように互いに向き合う形状をなすものであればよい。
その側縁押圧部18・19と中間押圧部21が互いに向き合う方向は、扁平緯糸織物製造装置の開口27を形成する経糸の長さ方向との関係において設定され、開口を形成する経糸の長さ方向が水平方向であれば、図4〜6に図示するように上下鉛直方向に設定される。
又、開口を形成する経糸の長さ方向が上下鉛直方向であれば、側縁押圧部18・19と中間押圧部21が互いに向き合う方向は、左右水平方向に設定される。
【0025】
図4〜6に図示するように、側縁押圧部18・19と中間押圧部21の隙間48の断面形状が左右対称形であれば、断面セット装置14から突き出される扁平緯糸先端11の断面形状は左右対称形になる。
その扁平緯糸先端11の断面形状を左右対称形にすることは必ずしも必要ではない。
又、扁平緯糸先端11の断面形状は、図4に図示するように曲率半径が緩やかに変化した『円弧形』湾曲断面形状をなすものであっても、又、図5に図示するように左右両側縁16・17で直角に折れ曲がった『コ字形』湾曲断面形状をなすものであっても、或いは又、図6に図示するように左右両側縁の中間部分20で折れ曲がった『V字形』湾曲断面形状をなすものであってもよい。
これら図4〜6に図示される『円弧形』や『コ字形』や『V字形』の湾曲断面形状は、図4の『円弧形』湾曲断面形状と図5・6の『コ字形』と『V字形』湾曲断面形状が示すように、その左右両側縁16・17の間の中間部分20の突出方向が上下反転した形状であってもよい。
【0026】
吸引パイプ28は、ブロアー(吸引装置)35へと接続される。
ブロアー35の排気管36は、吸引パイプ28の吸込管37に接続し、吸引パイプ28とブロアー35の間で気流を循環させることも出来る。
扁平緯糸15を巻き上げてセットするチーズ30の横幅は、図1が図示するように、扁平緯糸15の幅の数倍になっていてもよい。
しかし、チーズ30から引き出す過程で扁平緯糸15が捩じれないようにするには、テープレコーダーの磁気テープの巻取リールのように、チーズ30の横幅と扁平緯糸15の幅を略同じにすることが望ましい。
【0027】
張力付与装置24は、ボックス38の中に先端39・40と向かい合わせに片持梁状に突設した一対の板バネ41・42で構成することが出来る。
緯糸引渡部13は、そのボックス38の出口側にバネ部材43を介して突設するとよい。
そのボックス38には、板バネ41・42を押圧する押螺子44を設け、その押螺子によって向き合う一対の板バネ41の先端39と板バネ42の先端40の間の押圧を加減し、その間を通過して緯糸引渡部13から引き出される扁平緯糸15の張力を加減する。
緯糸引渡部13から引き出される扁平緯糸15の張力は、板バネ41・42の固定端部47・47を折り曲げ、その固定端部47・47とボックス38との接触角度を変えて加減することも出来る。
支軸を介して固定端部47・47をボックス38にピン接合する場合は、その支軸を回転して固定端部47・47とボックス38との角度を変え、緯糸引渡部13から引き出される扁平緯糸15の張力を加減することも出来る。
【0028】
断面セット装置14の側縁押圧部18・19と中間押圧部21とは、図4〜6に図示するように不離一体に構成する必要はなく、図7に図示するようにボックス等(38)に片持梁状に支持される2枚の板材によって随時分割可能に構成することも出来る。
その側縁押圧部用(18・19)と中間押圧部用(21)との2枚の板材に板バネを適用する場合、その2枚の板バネ(41・42)によって張力付与装置24を兼ねて断面セット装置14を構成することも出来る。
緯糸受取部12は、固定舌片45と揺動舌片46との一対の舌片によってクランプ状に形成することが出来る。
【0029】
本発明において、緯糸に適用される扁平糸条の幅を厚みで除して示される扁平率は、4以上であればよい。
本発明において、経糸には扁平糸条の他に扁平率が概して2以下となる一般の非扁平糸条を適用することも出来る。
【0030】
扁平緯糸織物製造装置は、自動織機として調製されてもよく、又、手織機として調製されてもよい。
自動織機として調製される扁平緯糸織物製造装置では、筬を織前へと筬打ち駆動することなく固定し、緯糸導入桿23・29で扁平緯糸15を経糸間の開口27に導入しつつ経糸送出装置や織前巻取装置と共に織前を筬に向けて移動し、扁平緯糸15を織前に織り込むことも出来る。
【0031】
緯糸受取部12と緯糸引渡部13は、その何れか一方だけを緯糸導入桿(23または29)の先端に装着してもよい。
その場合、例えば、緯糸受取部12を緯糸導入桿の先端に装着して経糸26の開口27に導入し、緯糸引渡部13を緯糸導入桿の先端に装着することなく扁平緯糸織物製造装置の織幅方向の片側に設置する場合、扁平緯糸織物製造装置の織幅方向の片側において緯糸引渡部13を開口27から突き出された緯糸受取部12に向けて僅かに移動させ、固定舌片45と揺動舌片46の間に扁平緯糸先端11を深く押し込むようにすると、緯糸織込ミスを効果的に回避することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0032】
扁平緯糸織物製造装置は、砂防シートやジオテキスタイル、土嚢袋等の建築土木・産業資材用扁平緯糸織物、遮視性扁平緯糸や遮熱性扁平緯糸、調光性扁平緯糸等の機能性扁平緯糸を使用した機能性扁平緯糸織物、竹や木材等の植物を扁平に調製した天然扁平緯糸織物、図柄や絵画の描出されたシートを扁平に裁断して調製したデザイン扁平緯糸織物、炭素繊維扁平緯糸が適用されて鋼板に代わる強化プラスチックの基材に使用される炭素繊維扁平緯糸織物やガラス繊維扁平緯糸織物を製造するのに最適である。
本発明の扁平緯糸織物の経糸は、扁平糸条であっても非扁平糸条であってもよい。
【符号の説明】
【0033】
11:扁平緯糸先端
12:緯糸受取部
13:緯糸引渡部
14:断面セット装置
15:扁平緯糸
16:側縁
17:側縁
18:側縁押圧部
19:側縁押圧部
20:間の部分
21:中間押圧部
22:緯糸受渡装置
23:受取緯糸導入桿
24:張力付与装置
25:綜絖
26:経糸
27:開口
28:吸引パイプ
29:引渡緯糸導入桿
30:チーズ
31:扁平緯糸織物
32:入口
33:出口
34:折返点
35:ブロアー
36:排気管
37:吸込管
38:ボックス
39:先端
40:先端
41:板バネ
42:板バネ
43:バネ部材
44:押螺子
45:固定舌片
46:揺動舌片
47:固定端部
48:隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 扁平緯糸織物製造装置において扁平緯糸先端(11)を受け取る緯糸受取部(12)に向けて引き渡す扁平緯糸先端(11)を係止する緯糸引渡部(13)が、その引き渡す扁平緯糸先端(11)を湾曲断面形状にセットする断面セット装置(14)を具備しており、
(b) その断面セット装置(14)が、扁平緯糸(15)の表裏何れか片面から表裏反対側の他の片面に向けて扁平緯糸(15)の左右向き合う両側縁(16・17)を押圧する左右一対の側縁押圧部(18・19)と、それら一対の側縁押圧部(18)と側縁押圧部(19)との間において扁平緯糸(15)の左右向き合う両側縁(16・17)の間の部分(20)を左右一対の側縁押圧部(18・19)の押圧方向とは逆向きに押圧する中間押圧部(21)を具備する扁平緯糸織物製造装置。
【請求項2】
断面セット装置(14)の緯糸受取部に向き合う緯糸引渡部(13)の先端から後退した部位に、緯糸引渡部(13)が緯糸受取部(12)に引き渡す扁平緯糸(15)に接触して張力を付与する張力付与装置(24)が設けられている前掲請求項1に記載の扁平緯糸織物製造装置。
【請求項3】
綜絖(25)に駆動されて形成される経糸(26)の開口(27)へと投入される扁平緯糸(15)の緯糸引渡部(13)に到る扁平緯糸(15)の経路に、その経路を通過する扁平緯糸(15)を吸引する吸引パイプ(28)が設けられている前掲請求項1と2の何れかに記載の扁平緯糸織物製造装置。
【請求項4】
緯糸受取部(12)と緯糸引渡部(13)の何れか一方または双方が、それらが向かい合う方向に向けて移動する緯糸導入桿(23・29)の先端に装着されている前掲請求項1と2と3の何れかに記載の扁平緯糸織物製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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