説明

扉用錠止機構

【課題】部品点数を少なくして錠箱の内部空間を有効的に活用する。また制動レバーが俊敏に機能するように構成する。
【解決手段】施錠時、錠箱内に軸支された錠止レバーの先端部がラッチ部材を係止する扉用錠止機構に於いて、第2支軸にフリコストッパーの中央部を軸支し、このフリコストッパーは第2支軸に巻装したフリコバネのバネ力により所定の姿勢を保つように常時付勢された状態で錘部分を有する上端部側が錠箱内の支持部材に当接し、一方、下端部は錠止レバー5の先端部に設けた水平方向の当り部分と第1支軸との間の間隙に臨んでおり、加振時、該フリコストッパーが回転モーメントにより、所定の姿勢を崩したときに、俊敏に下端部が当り部分に立ちふさがって錠止レバーの解錠方向への回転を阻止する扉用錠止機構。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉用錠止機構に関し、特に、地震、振動等の外力が錠箱に加わった場合に於いて、ラッチ部材をロック状態に係止している錠止レバー(ロッキングアーム)が、ロック解除の方向へ回転することを抑止する制動部材を備えた扉用錠止機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施錠時、錠箱2内に第1支軸7を介して軸支された錠止レバー8の先端部がラッチ部材1を係止する扉用錠止機構に於いて、前記錠止レバー8は、その重心が前記第1支軸7よりも前方に位置するように所定長の指先状に形成され、この指先形状錠止レバー8の短杆状の後端係合部8eには、ラッチ部材1の上辺よりも上方に位置する固定軸12に基端部が軸支され、かつ折り曲げ部分を介して下方へとアーム状に延びる自由端部14の後面が前記短杆状の後端係合部8eに係合する係止解除用制御レバー13が配設され、さらに、前記錠止レバー8の基端部の近傍下方(錠箱の底壁側の空間)に第2支軸22を介して全体の形状がZ字形又はL字形の制動レバー23が軸支され、該制動レバー23の重心は、前記第2支軸22よりも後方(錠箱の後壁側)に位置するように設定されていると共に、施錠時に於いて、錠箱に外部から振動が加わらない常態のときは、制動レバー23の先端部側の前端がラッチ部材1の底面から所要量離れるように第2支軸22に巻装された戻りばね23に付勢され、一方、錠箱に外部から振動が加わったときには、先端部側の前端の動きにより、錠止レバー8の先端部がラッチ部材1の段差状係合部から離れるのを抑止するように衝撃力を打つ消す扉用錠止機構が開示されている。
【0003】
上記構成は、本願発明と同一の目的を有するものであるが、例えば略L字形の制動レバー23を錠止レバー8の基端部の近傍の下方(錠箱の底壁側の空間)に第2支軸22を介して配設するものであるから、錠箱の下部側の空間を有効活用することができないという問題点があった。
【0004】
付言すると、この種の扉用錠止機構は、特許文献1に記載のように、例えばホテルの扉用の自動施錠装置として使用され、普通一般に錠箱の下部側の空間にトリガー、ラッチ部材が錠箱内に後退したときに、トリガーに連動して該ラッチ部材を一時的に捕捉するストッパー部材、操作部材の操作力によって回転するハンドルカム等の部材が適宜に組み込まれている。したがって、ホテルの扉用の自動施錠装置の機能を阻害或いは前記各部材と干渉しないように、錠箱内に制動レバー23を組み込まなければならないという難点があった(符号は特許文献のもの)。
【0005】
また、特許文献1に記載の制動レバー23は、全体の形状がZ字形又はL字形に形成され、その先端部の上面で指先形状錠止レバー8の下面を受けて、重力の回転角運動により、いわゆる物理学上の回転摩擦抵抗により、指先形状の錠止レバー8からの衝撃力(運動エネルギー)を打つ消すものであるが、錠箱の底壁側の空間は、限られたスペースであることから、錠止レバー8の第2支軸22から後方の後端部の形状及び長さがそれなりに限定され、その結果、制動レバー23の制動機能を十分に発揮させることができないという問題点があった。
【0006】
次に、特許文献2にも、本願発明と同一の目的を有する扉用錠止機構が記載されている。例えば特許文献2の図1には、ダルマの近傍に逆L字形状のハンマーレバー22が配設され、該ハンマーレバー22は、その下方先端部が支軸23に軸支されていると共に、下辺でもって馬形状の駆動板13のお尻に相当する後端傾斜面26を押圧する事項が記載されている。
【0007】
この特許文献2は、ハンマーレバー22、すなわち、錠止レバー5用の制動レバー22を錠箱の上部側の空間に配設するので、特許文献の問題点を解消することができる。
しかしながら、特許文献2の図1から明らかなように、ハンマーレバー22は、ラッチ部材2の上方に位置する係合ピン21及び馬形状の駆動板13を介して錠止レバー5を間接的に抑止する構成なので、部品点数が多くなると共に、錠箱の上部側の空間を有効的に活用できないと問題点がある(符号は特許文献のもの)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−97456号公報
【特許文献2】特開2007−332648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明の所期の目的は、錠止レバー及び制動レバーの構成及び配設箇所を工夫することにより、特許文献1及び特許文献2の問題点を解消すると共に、錠箱に振動が加わった時に俊敏にかつ確実に制動レバーを機能させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の扉用錠止機構は、施錠時、錠箱内に第1支軸4を介して軸支された錠止レバー5の先端部がラッチ部材2を係止する扉用錠止機構に於いて、前記第1支軸4に対して上方に所定間隔離間した第2支軸15に縦長状のフリコストッパー21の中央部21bを軸支し、このフリコストッパーは、前記第2支軸に直接又は間接的に巻装したフリコバネ29のバネ力により所定の姿勢を保つように常時付勢された状態で錘部分21d或いは錘26を有する上端部21c側が錠箱内の支持部材30に当接し、一方、ストッパー機能を有する下端部21aは、前記錠止レバー5の先端部に設けた水平方向の当り部分5aと前記第1支軸4との間の間隙7に臨んでおり、錠箱1に加振力が加わって、該フリコストッパー21が回転モーメントにより、前記フリコバネ29のバネ力に抗して前記所定の姿勢を崩したときに、俊敏に前記下端部21aが前記当り部分5aに立ちふさがって錠止レバー5の解錠方向への回転を阻止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
(a)制動レバー21が、その中央部21bが錠止レバー用第1支軸4よりも上方に位置する第2支軸15に軸支された振り子式であり、加振時に、その下端部21aが直接錠止レバー5の先端部を押え付けるので、特許文献1及び特許文献2の各問題点を解消する。また、錠箱に振動が加わった時に制動レバー21が俊敏に姿勢を崩し、制動レバーをストッパー的に押え付けることができる。
(b)請求項2に記載の発明は、制動レバーの機能の確実化を図ることができる。
(c)請求項3に記載の発明は、施・解錠機構のリンク機構を構成する一つのリンク用支軸30から加振力を得ることができる。付言すると、常態では、フリコストッパー21は、その上端部21cが錠箱に固定されているリンク用支軸30に仮止めされていることから、加振時、フリコストッパー21は、前記支軸30からダイレクトに加振力を受けるので、その衝撃力が即座に上端部21c側の錘部分21dに伝播し、比較的軽くバネ力を設定したフリコバネ29のバネ力に抗して俊敏に傾倒する。また、加振力を付与するための特別な部材を錠箱内に設けなくても良い。
(d)請求項4に記載の発明は、解錠時に於いて、錠止レバー5は、フリコストッパー21からの摺接抵抗を受けることもなく、その回動に全く支障がない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1乃至図7は本発明の最良の実施例を示す各説明図。
【図1】施錠(錠止)状態における概略説明図。
【図2】主要部の概略説明図。
【図3】要部(錠止レバー5)の概略説明図。
【図4】要部(フリコストッパー21)の概略説明図。
【図5】解錠時における概略説明図。
【図6】施錠(錠止)状態に於いて、加振時の概略説明図。
【図7】主要部の作用を示す概略説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1乃至図7を参照にして発明を実施するための最良の形態を説明する。まず、図1は施錠(錠止)状態の概略説明図である。また、図2は施錠(錠止)状態における要部の概略説明図である。さらに、図3は要部(錠止レバー5)の概略説明図、図4は要部(制動レバーとしてのフリコストッパー21)の概略説明図である。
【0014】
施錠時、錠箱1内の中央部(中央部寄りも含む)に水平状態に設けられたラッチ部材(本実施例では、デットボルトの機能も兼ねる)2のラッチヘッド2aは、錠箱1のフロント1aから突出して戸枠3側の図示しない受け具に係入している。
【0015】
この施錠状態に於いて、前記ラッチ部材2を構成する杆状のラッチボルト2b及び枠状のラッチボード2cよりも上方に位置する第1支軸4に軸支された錠止レバー5の先端部(ここでは第1支軸よりも前方に延在する部分)は、ラッチヘッド2aの後端面とラッチボード2cの固定前端面で形成された段差状の係合部6を係止している。
【0016】
まず、本実施例の錠止レバー(ロッキングボード)5は、例えば図3で示すように、一枚の長板を水平並びに垂直方向に適宜に折り曲げて形成されている。すなわち、5bは錠止レバー5の中央部(中央部寄りも含む)に形成され、かつ手前の垂直側壁に環状に突出するボス部5cを有する軸孔で、この軸孔5bには第1支軸4が貫通する。
【0017】
また、5aは錠止レバー5の先端部の上辺に水平方向に設けられた突片状の当たり部分で、この当たり部分5aは、前記ボス部5c或いは第1支軸4に対して所定の間隙7を有している。当たり部分5aは、例えば錠止レバー5の先端部の上部側を水平方向に略90度折り曲げることによって形成されている。もちろん、当たり部分5aの形状は任意に設計変更可能である。
【0018】
また、5dは錠止レバー5の中央部の上辺から上方に親指状に延びた第1係合突片で、この第1係合突片5dには、例えば第1係合ピン8が固定的に設けられる。この第1係合突片5dを基準にして、左側の上辺部分5eには、ボス部5cにその中央部9bが巻装された錠止バネ9の一端部9aが乗っかる。一方、右側の前記当たり部分5aとは反対側(向こう側)に水平方向に折り曲げ形成された突片部分5fには、マイクロスイッチ10の可動接片10aが当接する。
【0019】
さらに、錠止レバー5の中央部に連設するやや幅広の後端部には、クリック手段11を構成する回動板12の係合部12aと係合する第2係合ピン13を有する指先状の第2係合突片5gが設けられている。
【0020】
前述した錠止バネ9の他端部9cは、図2で示すように、マイクロスイッチ10の一側壁付近の不番支持ピンに圧接するので、錠止レバー5は、常にラッチ部材2の係合部6に係合する方向に付勢されている。
【0021】
次に、本実施例の制動レバー21は、例えば図4で示すように、縦長のフリコストッパー21が採用されている。このフリコストッパー21は、第1支軸4に対して所定間隔離間して上方に位置する第2支軸15に、その中央部21bが軸支されている。図4を参照にして、フリコストッパー21の構成を説明する。21bは中央部(中央部寄りも含む)、21aは中央部から下方へ略ストレートに延びる下端部、一方、21cは中央部から一部折り曲げ形成され或いは折り曲げ形成されないで上方へ略ストレートに延びる上端部、21dは前記上端部から錠箱1の後壁1b側へ水平方向あるいは斜め方向に延びる板状の錘部分である。
【0022】
しかして、前記中央部21bには、錠止レバー5と同様に手前の垂直側壁に環状に突出するボス部22を有する軸孔23が形成され、該軸孔23には第2支軸15が貫通する。また、前記ボス部22付近のフリコストッパー21のフロント1aと対向する一辺には、その中央部29bが巻装されたフリコバネ29の一端部29aを受けるバネ受け部分24が手前側に設けられている。なお、フリコバネ29の他端部29cも、マイクロスイッチ10の一側壁付近の不番支持ピンに圧接している。
【0023】
また、前記下端部21aは、本実施例では、錠箱1に振動が加わり、該フリコストッパー21に該振動が印加すると、錠止レバー5の解錠方向への回転を阻止するストッパーの機能を果たす。そこで、下端部21aはやや幅広く形成され、ストッパー部分としての下端面は、例えば指先状、弧状、面状、下向き小凸状等適宜の形状に形成される。また、前記上端部21cのフロント1aと対向する一辺はやや切欠され、該切欠面25は、錠箱内の支持部材30に当接する。
【0024】
ところで、前記支持部材30は、本実施例では、図1で示すように施・解錠機構を構成する駆動源(ソレノイド)31の作動杆32に連動する第1リンク33を軸支する第1固定軸である。この第1固定軸30の外面に切欠面25が当る。さらに、前記板状の錘部分21dの上面には、錘26がネジ止めされている。
【0025】
したがって、制動レバーとしてのフリコストッパー21は、その中央部21bが第2支軸15に回転自在に軸支され、該フリコストッパー21は、第2支軸に直接又は間接的に巻装したフリコバネ29のバネ力により所定の姿勢を保つように常時付勢された状態で錘部分21d或いは錘26を有する上端部21c側が錠箱1内の支持部材30に当接し、一方、ストッパー機能を有する下端部21aは、フリコストッパー21よりも下方に位置する錠止レバー5の先端部の当り部分5aと錠止レバー用第1支軸5或いはボス部5cとの間の間隙7に臨んでおり、錠箱1に加振力が加わって、該フリコストッパー21が回転モーメントにより、フリコバネ29のバネ力に抗して前記所定の姿勢を瞬時に崩したときに、前記下端部21aが前記当り部分5aに立ちふさがって錠止レバー5の解錠方向への回転を阻止する(図6、図7参照)。
【0026】
付言すると、錠箱1に外部からの加振力が作用した時、該加振力によって錠止レバー5が第1支軸4を支点にその先端部5aがラッチ部材2の係合部6から離間する方向へ移動しようとしても、錠止レバー5の当り部分5aが、やや傾倒状態のフリコストッパー21の下端部21aに抑止あるいは制動される。
【0027】
次に、図5を参照にして施・解錠機構の構成部材について簡単に説明する。本実施例の扉用錠止機構Xは、例えば電気錠に適用している。したがって、施・解錠機構は、錠箱1内の上部空間に横設されたソレノイド31と、該ソレノイドの作動杆32と、この作動杆の先端部に接続する縦方向の第1リンク33と、この第1リンク33の下端部と錠止レバー5の第1係合突片5dに上下の端部がそれぞれ連結或いは係合する第2リンク34とから成る。
【0028】
第1リンク33と錠止レバー5との間に介在する前記第2リンク34の中央部は第2支軸15に軸支されている。なお、扉用錠止機構Xの適用は、電気錠如何を問わないので、その他の施・解錠機構に関する公知・新規の事項の図面及び説明は割愛する。
【0029】
上記施・解錠機構に於いて、図1で示す施錠時、ソレノイド31の作動杆32は、矢印方向(フロント側)へ伸長する。そうすると、錠止レバー5は、リンク機構(第1リンク33と第2リンク34)を介して、かつ錠止バネ9のバネ力に抗して施錠(ロック)方向に所定量回転し、その先端部がラッチ部材6の係合部6に係合する。
【0030】
しかして、扉用錠止機構Xを構成するフリコストッパー21は、錠箱1に振動が加わらない常態時、上端部21cが支持部材30に仮止めされた常態でその下端部21aが錠止レバー5の当り部分5aとボス部5cの間隙7に臨んでいるので、駆動源31からの解錠方向の力、又は図示しない操作部材の操作力に基づく解錠方向の力が錠止レバー5に作用しても全く支障がない。
【0031】
すなわち、図5で示すように、解錠時、ソレノイド31の作動杆32が解錠方向(矢印で示す伸縮方向)へ移動したとき、錠止レバー5は、リンク機構33、34を介して第1支軸4を支点に解錠方向(時計方向)へと回転しても、フリコストッパー21の下端部21aは、前記間隙7へと入り込む。なお、ラッチ部材2の構成(ラッチヘッド2a、ラッチボルト2b、ラッチボード2c、ラッチ付勢用バネ、バネ受け片等)は、周知事項なので、詳細な説明は割愛する。また、例えば図1において、40はラッチ部材2の下方に配設したトリガー、50はラッチ部材2よりも上方に位置するクリック手段11と係合するように錠箱1の上部空間に配設したダルマである。
【実施例】
【0032】
発明の実施の形態で示した実施例に於いて、錠止レバー(ロッキングボード)5は、その先端部がラッチ部材2の係合部6に直接係合するが、第1支軸4に図示しない係止レバー(錠止レバーと共働する係止片)を介して間接的に係合しても良い。
【0033】
また、フリコストッパー用のフリコバネ29のバネ力は、錠止レバー5用の錠止バネ9のバネ力よりも弱く設定されているが、常態では、支持部材(例えば固定軸)30に略垂直状態に当接するようにフリコストッパー21を初期位置(略垂直状態の姿勢位置)へと付勢するバネ力を有する。
【0034】
また、フリコストッパー21の上端部21cから水平方向(本実施例)或いは斜め方向に突出する板状の錘部分21dに錘26が固定されているが、板状錘部分21dの重量如何によっては、錘26は不要である。
【0035】
なお、図1、図5及び図6に於いて、錠箱1の下部側には、トリガー40、ラッチ部材2が錠箱1内に後退したときに、前記トリガー40に連動して該ラッチ部材2を一時的に捕捉するストッパー部材、操作部材の操作力によって回転するハンドルカム等の部材が適宜に組み込まれているが、錠箱1の下部側に組み込まれるこれらの部材やラッチ部材用捕捉機構は、本発明の特定要件ではないので省略してある。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、主に錠前や建具の分野で利用される。
【符号の説明】
【0037】
X…扉用錠止機構、1…錠箱、1a…フロント、2…ラッチ部材、2a…ラッチヘッド、4…第1支軸、5…錠止レバー、5a…当たり部分、5b…軸孔(中央部)、5c…ボス部、5d…第1係合突片、5f…突片部分、5g…第2係合突片、6…係合部、7…間隙、9…錠止バネ、10…マイクロスイッチ、10a…可動接片、11…クリック手段、12…回動板、12a…係合部、15…第2支軸、21…フリコストッパー、21a…下端部、21b…中央部、21c…上端部、21d…錘部分、22…ボス部、24…バネ受け部分、25…切欠面、26…錘、29…フリコバネ、30…支持部材、31…駆動源(ソレノイド)、32…作動杆、33…第1リンク、34…第2リンク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠時、錠箱内に第1支軸を介して軸支された錠止レバーの先端部がラッチ部材を係止する扉用錠止機構に於いて、前記第1支軸に対して上方に所定間隔離間した第2支軸に縦長状のフリコストッパーの中央部を軸支し、このフリコストッパーは、前記第2支軸に直接又は間接的に巻装したフリコバネのバネ力により所定の姿勢を保つように常時付勢された状態で錘部分或いは錘を有する上端部側が錠箱内の支持部材に当接し、一方、ストッパー機能を有する下端部は、前記錠止レバー5の先端部に設けた水平方向の当り部分と前記第1支軸との間の間隙に臨んでおり、錠箱に加振力が加わって、該フリコストッパーが回転モーメントにより、前記フリコバネ29のバネ力に抗して前記所定の姿勢を崩したときに、俊敏に前記下端部が前記当り部分に立ちふさがって錠止レバーの解錠方向への回転を阻止することを特徴とする扉用錠止機構。
【請求項2】
請求項1に於いて、錘部分或いは錘は、フリコストッパーの上端部から水平方向或いは斜め方向に突出する錘部分又は錘部分に固定された錘であることを特徴とする扉用錠止機構。
【請求項3】
請求項1に於いて、錠箱内の支持部材は、施・解錠機構を構成するソレノイドの作動杆に連動する第1リンクを軸支する第1固定軸であることを特徴とする扉用錠止機構。
【請求項4】
請求項3に於いて、施・解錠機構を構成するソレノイドの作動杆が解錠方向へ移動したとき、錠止レバーは、リンク機構を介して第1支軸を支点に解錠方向へと回転し、この時、フリコストッパーの下端部は、前記錠止レバーの当り部分と前記第1支軸との間の間隙へと入り込むことを特徴とする扉用錠止機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−180628(P2010−180628A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25589(P2009−25589)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)