説明

手持ち式アプリケータ用固着デバイス

【課題】本発明は、フォームボンベ、特に手持ち式アプリケータを有するアプリケータガンに用いるためのフォームボンベ手段の使用を可能にする、建築に用いられるポリウレタンフォームボンベの手持ち式アプリケータ用の固着デバイスの構造に関する。
【解決手段】このために、バルブノズル(3)に載置される手持ち式アプリケータ用の固着デバイス(9,19)を用いる。固着デバイス(9,19)は、ノズルの側にキャビティ(12,24)を有し、このキャビティ内に円錐形パイプ(13,25)がある。更に、固着デバイスのキャビティの内壁に、引っ掛けデバイス(14,26,27)、例えば、ノズル(3)の縁(8)の後ろにフックされるだぼがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンフォームボンベのバルブに固定される、アプリケータ、主として手持ち式アプリケー用の固着デバイスに関し、アプリケータガン用に設計されたプリウレタンフォームボンベに手持ち式アプリケータを用いることができる手持ち式アプリケー用の固着デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、二種類のフォームアプリケータが、現行の実務−アプリケータガン(1993年12月21日に発行されたJOHNSON CHARLES Wの米国特許第5,271,537号明細書)及び手持ち式アプリケータに用いられる。
【0003】
第1の種類である、アプリケータガンは、空のボンベを、充満したボンベと交換することができ且つ作業が続くので、主として専門の建築で用いられる。第2の種類である、通称手持ち式アプリケータは、主として、より少量のポリウレタンフォームを必要とする、個人住宅で用いられる。アプリケータガンに用いられるフォームの機械的及び物理的特性と、手持ち式アプリケータに用いられるフォームの機械的及び物理的特性とは、一般的に異なる。異なる種類のアプリケータ用に設計されたフォームボンベのバルブも通常異なるから、手持ち式アプリケータをアプリケータガン用に設計されたポリウレタンフォームボンベに用いることができないし、その逆もまたそうである。
【0004】
ガンバルブ付きのボンベを用いるために、ボンベは、ボンベバルブに合うネジ付きアダプタを用いてアプリケータガンのボールバルブに取付けられる。バルブは、バルブ座によってバルブピンの縁に付与される圧力の結果として開き、表面は、ボンベの加圧内容物がボールバルブの中だけではなくどこかの場所でアプリケータガンの中へ入るのを防止する密封連結部を作る。フォームの流量は、アプリケータガンのトリガによって制御される。手持ち式アプリケータは、バルブにネジで取付けられる;フォーム流量は、手持ち式アプリケータを傾けることによって制御される(1979年8月28日に発行されたSOUTHERN CANの米国特許第4,165,825号明細書)。
【0005】
その結果、フォームの製造業者は、異なる設計のフォームボンベバルブを注文し、製造工程でそれらを用いなければならない;即ち、製造業者は、アプリケータガン用に設計されたフォームボンベと、手持ち式アプリケータに用いることができるフォームボンベと、を生産する。これは、一種類のボンベだけの生産が十分である状況と比較して生産工程を複雑にする。
【0006】
1975年9月23日に発行されたVCA CORPの米国特許第3,907,012号明細書は、例えば、加圧ガスをボンベから車両タイヤ或いは他の膨張式製品の中へ導くことのできる連結部品ための解決策を記述する。しかしながら、この解決策は、プリウレタンフォームの特異性によりフォームボンベに使用できない。1992年7月29日に発行されたWILLIAMS NORMANの英国特許第2,252,132号明細書は、異なるノズルをエアロゾルボンベに連結することができる連結部品のための解決策を記述する。しかしながら、この解決策は、液体流量を制御する機会を提供しないので、手持ち式フォームアプリケータを用いるのには適していない。
【0007】
2005年8月4日に公開されたFAZEKAS GABOR その他の国際公開第2005/070787号公報は、フォームボンベに取付けられた手持ち式アプリケータ用連結部品を記述し、連結部品の取付け後ボンベのバルブをその吸込み口に収容する。この設計により、連結部品とボンベとの間の密封連結は、フォームがボンベを出る間、空気と接触するのを防止することができる。
【0008】
1998年2月25日に発行されたSELLARS MICHAEL JOHNの英国特許第2,316,460号明細書は、クリーニングボンベ用の固着デバイスを記述する。固着デバイス或いは連結部品の目的は、いろいろな設計のクリーニングアプリケータを可能にすることであり、即ち、アプリケータガン及び手持ち式アプリケータの両方をクリーニングボンベに取付けることができる。連結部品は、ねじ部品と、ニップルと、連結部品をボンベに固定するための細部と、を含む。ねじ部品は、アプリケータガンをクリーニングボンベに取付けるように設計される。ニップルは、手持ち式アプリケータとクリーニングボンベとの取付けを可能にする。ねじ部品の内側のニップルは、3つのブリッジでその部品に固定される。しかしながら、この設計は、例えば、手持ち式アプリケータの場合には、フォームがアプリケータと連結部品との間の空隙から押し出されるので、フォームを抽出するのには用いることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、アプリケータ用の、特に手持ち式アプリケー用の固着デバイスを提供することにあり、固着デバイスは、手持ち式アプリケータ及びアプリケータガンの両方を同じボンベに用いることができる。固着デバイスを手持ち式アプリケータの入口ポートと一体にしてもよいし、或いは、連結部品の形態の固着デバイスを既存の手持ち式アプリケータのために生産してもよいし、固着デバイスは、ねじで手持ち式アプリケータに取付けられ、手持ち式アプリケータをアプリケータガン用のフォームボンベに用いることができる。その上、目的は、固着デバイス用の簡単で、しかも適切に密封される設計を提供することである。更なる目的は、一種類だけのバルブを用いることができる、フォームボンベ製造工程の簡略化であり、簡略化は、生産コストを減じる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、固着デバイス用の円錐形パイプ部分を生産することによって達成され、それによって固着デバイスのフォームボンベバルブへの取付け中、パイプ部分がバルブノズルの中に押し込まれるので円錐形パイプ部分が固着デバイスとバルブノズルとの間に密封連結を引き起こす。更に、楔形だぼのような、引っ掛けデバイスが連結部品の下部に加えられる;引っ掛けデバイスは、バルブノズル縁の後ろに引っ掛けられて、固着デバイスがバルブノズルから外れるのを防止する。
本発明に対応する固着デバイスを、図面を参照して以下に記述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、バルブキャップ1を含み、バルブノズル3及びガスケット4がバルブキャップ1の穴2の中に挿入された、フォームボンベ(図示せず)のバルブを示す。バルブキャップ1のU字形外部フランジは、ガスケット5を含む。フォームボンベの内側にあるバルブノズル3の部分は、延張部6を有し、ガスケット4は延張部6を介してバルブノズル3を支持する。バルブノズル3は、ガスケット4のダクト7を通ってボンベの外側に延び、ノズルは、ガスケット4によって支持された縁8をボンベの外側に含む。この設計によるフォームボンベバルブは、一般的にアプリケータガン用ボンベに用いられる。同時に、フォームボンベバルブの上述した設計は、一般的に知られており、従って、更に説明しない。
【0012】
アプリケータガン用に設計されたフォームボンベに手持ち式アプリケータを用いるために、手持ち式アプリケータと一体をなした固着デバイス9又は別体の固着デバイス19を用いる。図1では、ポリウレタンフォームダクト11が、手持ち式アプリケータの入口ポート10に挿入された固着デバイス9を貫通する。固着デバイス9の下部は、キャビティ12及びパイプ13を有する。パイプ13は、直径がパイプの端に向かって小さくなっている円錐形を有する。ダクト11は、パイプ13を貫通する。固着デバイス9の下端は、図3に示すように、パイプ13の内側の方に差し向けられた、少なくとも3つの楔形三角だぼのような、引っ掛け(グラプリング)デバイス14を含む。だぼ14の断面は、正方形又はどんな他の形状であってもよい。だぼ14の断面は、ストリップ外周が固着デバイス9の内壁に向かって減少する。だぼ14とバルブノズル3の縁8との組み合せ効果は、固着デバイスが用いられるとき‘クリック連結’を引き起こす。だぼ14は、バルブノズルからの固着デバイス9の容易な外れを許さず、それらの三角形断面は、固着デバイス9と円錐パイプ13をフォームボンベバルブノズル3の中にしっかりと押し込む。
【0013】
本発明に対応する固着デバイスの変形例では、固着デバイス19は、図2に示すように、手持ち式アプリケータとは別体に生産される。この解決策は、雌ねじ21付きの入口ポート20を有する既存手持ち式アプリケータ27を、アプリケータガン用のボンベに用いることができる。手持ち式アプリケータは、手持ち式アプリケータ用のバルブノズルに雄ねじを設けて生産されるフォームボンベに通常用いられる。固着デバイス19の上端は、雄ねじ22をもった部分を含み、雄ねじは、手持ち式アプリケータ入口ポート20、21の雌ねじに合う。ポリウレタンフォームダクト23が、固着デバイス19を貫通する。固着デバイス19の下部は、キャビティ24及びパイプ25を含む。パイプ25は、直径がパイプの端に向かって小さくなる円錐形状を有する。ダクト23は、パイプ25を貫通する。図4に示すように、固着デバイスの内周の回りに均等に分配されたフック又は差込みのような、パイプ25の内側の方に差し向けされた、引っ掛けデバイス26が固着デバイスの下端にある。また、フック又は差込み26の断面は、三角形であってもよいし或いはボンベノズルへの手持ち式アプリケータの適切な固定を確実にする或る他の形状を用いてもよい。固着デバイス19を用いるとき、フック又は差込み26は、フック又は差込み26とバルブノズルの縁8との組み合わせ効果により、バルブノズルからの固着デバイスの容易な外れを許さず、三角形断面は、固着デバイス19及び円錐形パイプ25をフォームボンベのバルブノズルの中にしっかりと押し込む。
【0014】
本発明に対応する固着デバイスの変形例では、フック又は差込み26間に間隙を必要とせず、フランジ27(図4に示す)が固着デバイス9,19の下端に形成される。固着デバイスをバルブノズルに取付けるとき、固着デバイスは、全周にバルブノズル3の縁8を把持する。
【0015】
本発明の将来の変形例では、バルブノズル3を貫通するダクトは、直径がバルブノズル6の延張部6に向かって小さくなる円錐形に作られてもよいことは、明らかである。この場合には、手持ち式アプリケータの入口ポート10の固着デバイス9のパイプは、円錐形である必要なない。
【0016】
上述した固着デバイスの使用は、アプリケータガン用に設計されまた手持ち式アプリケータに使用するためにも設計されたフォームボンベを売ることができる。使用者は、対応する固着デバイスを有する手持ち式アプリケータを、フォームボンベのバルブノズル3と連結させる。フォームボンベの製造者は、異なるボンベキャップの問題にもはや直面しない。全てのボンベは、同じ種類のバルブを有し、使用者は、アプリケータガン又は手持ち式アプリケータのいずれかを同じボンベに用いることができる。
【0017】
この技術分野の専門家は、本発明に対応する固着デバイスの設計は、本発明を実施するための上記の例、或いは添付図面に限定されないが、固着デバイスの設計を、添付の特許請求の範囲によって保護された明細書に従って変更してもよい、ということが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】フォームボンベバルブキャップ、バルブ及び手持ち式アプリケータの入口ポートと一体をなした固着デバイスの断面図である。
【図2】フォームボンベバルブキャップ、バルブ及び手持ち式アプリケータに別々に取付けられた固着デバイスの断面図である。
【図3a】本発明を実施するための一例として楔形だぼを示す、下から見たときの手持ち式アプリケータ用の固着デバイスを示す図である。
【図3b】本発明を実施するための一例として3つ及び4つのだぼを示す、下から見たときの手持ち式アプリケータ用の固着デバイスを示す図である。
【図4】本発明を実施するための一例としてフック示す、下から見たときの手持ち式アプリケータ用の固着デバイスを示す図である。
【図5】本発明を実施するための一例として固着デバイスの内側のフランジ示す、下から見たときの手持ち式アプリケータ用の固着デバイスを示す図である。
【図6】手持ち式アプリケータ用の固着デバイスの、図1からの強調素子を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1 バルブキャップ
2 穴
3 バルブノズル
4、5 ガスケット
6 延張部
7 ダクト
8 縁
9 固着デバイス
10 入口ポート
11 ポリウレタンフォームダクト
12 キャビティ
13 パイプ
14 だぼ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式アプリケータをフォームボンベのバルブノズルに取付けるための固着デバイスであって、
手持ち式アプリケータ用の固着デバイス(9,19)は、フォームボンベのバルブノズル(3)に取付けられた下部にキャビティ(12,24)を有し且つ延びた円錐形パイプ(13,25)を含み、固着デバイス(9,19)は、ダクト(11,23)を有し、手持ち式アプリケータの固着デバイス(9,19)の下端は、固着デバイスの内壁からダクト(13,25)に向かって延びる引っ掛けデバイス(14,26,28)を有することを特徴とする、固着デバイス。
【請求項2】
キャビティ(12,24)の直径は、フォームボンベノズル(3)の外径に相当することを特徴とする、請求項1に記載の手持ち式アプリケータ用の固着デバイス。
【請求項3】
パイプ(13,25)の円錐は、キャビティ(12,24)の底からパイプ(13,25)の端に向かって直径が減少することを特徴とする請求項1に記載の手持ち式アプリケータ用の固着デバイス。
【請求項4】
引っ掛けデバイスは、三角形断面を有する少なくとも3つのだぼ(14)を含むことを特徴とする請求項1に記載の手持ち式アプリケータ用の固着デバイス。
【請求項5】
だぼは、楔形であり、三角形断面は、周囲に沿って減少することを特徴とする請求項4に記載の手持ち式アプリケータ用の固着デバイス。
【請求項6】
引っ掛けデバイスは、固着デバイスの周の回りで内側に均等に分配されたフック又は差込み(26)であることを特徴とする請求項1に記載の手持ち式アプリケータ用の固着デバイス。
【請求項7】
引っ掛けデバイスは、固着デバイスの内側のフランジ(28)であることを特徴とする請求項1に記載の手持ち式アプリケータ用の固着デバイス。
【請求項8】
キャビティ(12,24)の深さ及びパイプ(13、25)の円錐は、固着デバイス(9,19)とフォームボンベのバルブノズル(3)との緊密な連結を確保することを特徴とする請求項2に記載の手持ち式アプリケータ用の固着デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2009−531237(P2009−531237A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501856(P2009−501856)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【国際出願番号】PCT/EE2006/000007
【国際公開番号】WO2007/112758
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508294033)
【Fターム(参考)】