説明

手持ち式マッサージ機

【課題】 手持ち式で本格的な「揉み」と「指圧」ができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】 本体ケース内部に回転駆動装置を設け、その出力軸にクランク金具を取り付ける。このクランク金具に偏心軸を設け、この偏心軸にクランクロッドの上端を回転自在に取り付け、このクランクロッドの下端を本体ケースより垂下に突出させ、その先端に指圧子と揉みパッドとを設ける。そして前記クランク金具の中心軸の先に傾斜揉み軸を連接し、この傾斜揉み軸の傾斜部から先を本体ケースから前側に出し、その先端に揉み球を取り付けたことを特徴とする手持ち式マッサージ機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のマッサージ技法を有する手持ち式マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特公平3−159647号公報に見られるように、回転運動で捏ねるように揉む「揉み」と振動子を往復運動させ叩打する「たたき」との複合機能を持つ手持ち式のマッサージ機が知られている。
又、近頃はエアー駆動により、施療子があたかも指で挟むように動き、揉みながら同時に叩くものなど複数の機能を持つ手持ち式マッサージ機が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それには、次のような問題点があった。
(イ)マッサージ技法の中でも特に「揉み技法」と「指圧技法」は椅子式マッサージ機 と同等のパワーが必要で、これを小さな手持ち式マッサージ機で実現するには、 小型で高性能のモーターと精密で堅牢なギャー及びギャーケースを持つ減速機が 不可欠であり、その為構造が複雑になり、単機能のバイブレーターやたたき専用 の手持ち式マッサージ機に比べ、価格が高価になるだけでなく、故障も起き易か った。
(ロ)「揉み」「たたき」「指圧」といった複数のマッサージ技法を併せ持つものが市 販されているが、どれも効きが弱く不満が残る。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本体ケース内部に回転駆動装置として、電動モーター及び遊星歯車減速機を設け、前記遊星歯車減速機の出力軸に軸受けを介してクランク金具を取り付ける。このクランク金具に偏心軸を設け、この偏心軸にクランクロッドの上端を回転自在に取り付け、このクランクロッドの下端を本体ケースより垂下に突出させ、その先端に指圧子と揉みパッドとを設ける。そして前記クランク金具の中心軸の先に軸受けを介して傾斜揉み軸を連接し、この傾斜揉み軸の傾斜部から先を本体ケースから前側に出し、その先端に揉み球を回動自在に取り付ける。以上を特徴とする手持ち式マッサージ機である。
【発明の効果】
【0005】
(イ)クランク機構と傾斜揉み軸とが同時に動作する構造及び、その駆動源に高回転の 直流モーターと既製の遊星歯車減速機を使用することにより、非常に簡素な機構 で本格的で強力な揉みと指圧が実現できるだけでなく、精度の高い高価なギャー ケースが必要なく、コスト面でも安価に製作できる。
(ロ)駆動源に直流モーターを使用し、回転速度を可変式にして、指圧子に直径30ミ リ前後の円筒状のゴムをアッタチメント式に被せ、モーターの回転速度を速くし て使用すれば、「揉み」と「指圧」だけでなく「叩き」機能をも実現することが できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(イ)合成樹脂製の本体ケース(1)の内部に回転数3000〜4000rpm程度の 小型直流モーター(2)を設け、この直流モーター(2)の前側に遊星歯車減速 機(3)を2セット取り付ける。
(ロ)前記遊星歯車減速機(3)から出力軸を出し、軸受けを介してクランク金具(4 )と接合し、このクランク金具(4)に偏心軸(5)を設け、この偏心軸(5) に金属製のクランクロッド(6)の上端を回転自在に取り付ける。
なお、偏心軸(5)はクランク金具(4)の中心から12ミリ程度外側に取り 付ける。
(ハ)前記クランクロッド(6)の中央部に細長い孔を設け、この孔に支点軸(7)を 通しクランクロッド(6)を支持し、この支点軸(7)から先の部分を本体ケー ス(1)より垂下に突出させ、その先端に合成樹脂製の指圧子(8)及びゴム製 の揉みパッド(9)を取り付ける。
(ニ)前記クランク金具(4)の中心軸の先に、軸受けを介して傾斜揉み軸(10)を 連接し、この傾斜揉み軸(10)の先端に直径60ミリ前後の半球状のゴム製の 揉み球(11)を回動自在に取り付ける。
但し、傾斜揉み軸(10)をクランク金具(4)に取り付ける際は、傾斜部か ら先の向きが重要で、取り付ける方向を間違えると全く揉むことができなくなる 。すなわち、クランクロッド(6)が本体ケース(1)より下側に最も長く突き 出た状態のとき、傾斜揉み軸(10)の傾斜部の先端が逆に最上部にある位置関 係(又はこの逆の位置関係)の状態で、傾斜揉み軸(10)をクランク金具(4 )の中心軸に固定する。
なお、傾斜揉み軸(10)の傾斜角度は20度前後である。
(ホ)前記クランクロッド(6)と傾斜揉み軸(10)の本体ケース(1)から出た部 分にロッドカバー(12)と揉み軸カバー(13)とを設ける。
(ヘ)本体ケース(1)の取手部分に速度調節付の電源スイッチ(14)及び電源回路 を設ける。
本発明は以上のような構成で、これを使用するときは、取手の電源スイッチ(14)を入れ、例えば背中を指圧するときは、そのまま本体ケース(1)を肩に担ぐようにして指圧子(8)を施療部位に当てるか、椅子の背凭れを支えにして使用すれば指圧の効きが一層強力になる。又、肩を揉むときは揉みパッド(9)と揉み球(11)との間で施療部位を挟むようにして使用する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の一部を切り欠いた側面図
【符号の説明】
【0008】
1 本体ケース
2 直流モーター
3 遊星歯車減速機
4 クランク金具
5 偏心軸
6 クランクロッド
7 支点軸
8 指圧子
9 揉みパッド
10 傾斜揉み軸
11 揉み球
12 ロッドカバー
13 揉み軸カバー
14 電源スイッチ
15 たたきアタッチメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース内部に回転駆動装置を設け、この回転駆動装置の出力軸にクランク金具を取り付け、このクランク金具に偏心軸を設け、この偏心軸にクランクロッドの上端を回転自在に取り付け、このクランクロッドの下端を本体ケースより垂下に突出させ、その先端に指圧子と揉みパッドとを設け、前記クランク金具の中心軸の先に傾斜揉み軸を連接し、この傾斜揉み軸の傾斜部から先を本体ケースから前側に出し、その先端に揉み球を取り付けたことを特徴とする手持ち式マッサージ機。

【図1】
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【公開番号】特開2012−71083(P2012−71083A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234021(P2010−234021)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(503073743)
【Fターム(参考)】