説明

手摺のエンドキャップおよび手摺の連接構造並びに連結構造

【課題】 手摺同士を任意の角度で簡単に連接することができ、しかも構造が簡単な手摺のエンドキャップ、およびこれを用いた手摺の連接構造を提供することである。
【解決手段】 手摺2の端部に取り付けられるエンドキャップ1であって、後端面に手摺2の端部を嵌入する手摺取付け穴3を有し、先端面が手摺2の軸心A1に対して傾斜した円形の傾斜面4となっている。手摺2,2を所定の角度で連接するには、各手摺2,2の端部をエンドキャップ1の手摺取付け穴3に嵌入して、手摺2,2の端部にそれぞれエンドキャップ1を装着した状態で、円形の傾斜面4,4同士を互いに当接ないし近接対向させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物の階段や廊下等に取り付けられる手摺を任意な角度で取付けることのできる手摺のエンドキャップおよび手摺の連接構造並びに連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
手摺りは、歩行時や階段昇降時の安全性の確保から、一般家庭はもとより公共施設などで多く設置されている。長い階段や廊下では、複数本の手摺が連結して設置されている。また、廊下や階段の曲がり角等においては、手摺を所定の角度で連結するためにL字形や円弧状の連結具を用いて、手摺を連結している。
【0003】
しかしながら、廊下や階段の曲がり角度は多様であるため、それぞれの曲がり角度に対応した連結具を規格品として供給することが困難であるため、連結角度を変更することができる自在連結具が求められる。そのため、従来から様々な自在連結具が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、手摺を自在に連結するために、手摺が接続される一対の可動部材を連結部材で接続するようにした自在接続具が開示されている。
特許文献2には、手摺材と手摺材との間に球体を介在させて自在に手摺材を連結するようにした接合構造が開示されている。
特許文献3には、一方の手摺の端部に装着した第1継ぎ具の先端部に設けた開口部に、他方の手摺の端部に装着した第2継ぎ具の先端部が回動自在に嵌合した手摺継ぎ手が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−6267 号公報
【特許文献2】特開2002−61366号公報
【特許文献3】特開2002−61359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3に記載の連結具は、いずれも手摺同士を自在に連結できるようにしたものであるが、いずれの連結具も手摺同士を接続し連結することを前提としているために、部品点数が多くなったり、あるいは連結具の構造が複雑で大型になったりし、さらに手摺同士を連結するために施工も煩雑になるという問題があった。従って、簡単に手摺を取り付けることが要望されている。
【0007】
一方、手摺の取り付け作業では、通常、壁紙を貼る前の壁面に手摺を取り付け、ついで手摺を取り外して壁紙を貼りつけ、再び手摺を壁面に取り付けるという作業を要する。これは、壁面施工および手摺の取り付けを行う作業者と、壁紙を貼る作業者とが異なり、これらの作業者の作業日を異にするためである。従って、作業効率を考慮すると、手摺を一旦取り付けた後、簡単に手摺同士を取り外せるようにすることも望まれる場合もある。
【0008】
従って、本発明の一の課題は、手摺同士を任意の角度で簡単に連接することができ、しかも構造が簡単な手摺のエンドキャップおよびこのエンドキャップを用いた手摺の連接構造を提供することである。
本発明の他の課題は、手摺施工時における手摺同士の連結を正確にかつ簡単に行うことができ、しかも構造が簡単な手摺の連結構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を得て、本発明を完成するに至った。すなわち、従来の連結具のように手摺同士を連結するのではなく、2本の手摺の端面同士を任意の角度で互いに近接ないし当接させて対向させれば、構造が簡単で施工も容易になる。その際、手摺の端部にエンドキャップを装着すると共に、エンドキャップの先端面を円形の傾斜面とし、これらの傾斜面同士を互いに近接ないし当接させることにより、手摺同士を任意の角度で簡単に連接または連結することができ、その結果、手摺の外観を損なわずに意匠性を高めることができる。
【0010】
すなわち、本発明にかかる手摺のエンドキャップは、以下の構成からなる。
(1)手摺の端部に取り付けられるエンドキャップであって、後端面に手摺の端部が取り付けられ先端面が手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面となっていることを特徴とする手摺のエンドキャップ。
(2)前記円形の傾斜面は、前記エンドキャップの径と等しい丸棒をその軸心に対して所定の傾斜角度で切断したときの楕円形切断傾斜面における短径と等しいか、それよりも小さい直径を有する(1)に記載のエンドキャップ。
(3)前記円形の傾斜面は、中心が前記手摺の軸心と一致している(1)または(2)に記載のエンドキャップ。
【0011】
本発明にかかる手摺の連接構造は、以下の構成からなる。
(4)2本の手摺を所定の角度で連接する手摺の連接構造であって、各手摺の端部をエンドキャップ後端面に取り付け、2本の手摺の端部にそれぞれエンドキャップを装着した状態で、各エンドキャップ先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させることを特徴とする手摺の連接構造。
(5)前記エンドキャップは前記手摺に該手摺の周方向に回転自在に取り付けられる(4)に記載の連接構造。
(6)前記エンドキャップは、前記円形の傾斜面から手摺と同軸方向に手摺取付用ねじを挿入するための通路が形成されており、該通路の底部に前記手摺取付用ねじが挿通する孔が形成されており、前記円形の傾斜面から前記通路内に挿入されたねじは、頭部が通路底部の前記孔周縁に係止して、ねじ部が前記孔を挿通して手摺の端面に螺入される(4)または(5)に記載の手摺の連接構造。
なお、本発明において、「連接」とは、2本の手摺が、連結または接続ではなく、ほぼ連続的に連なっていることを意味しており、対向するエンドキャップ間に隙間があってもよい。
【0012】
一方、本発明者は、前記したエンドキャップを使用すると、連接だけでなく、連結も簡単な連結具を用いて簡単に行うことができることを見出した。すなわち、本発明にかかる手摺の連結構造は、以下の構成からなる。
(7)所定の角度で連接した2本の手摺を連結する手摺の連結構造であって、各手摺の端部をエンドキャップ後端面に取り付け、各エンドキャップ先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させると共に、連結部材を介して両エンドキャップを連結したことを特徴とする手摺の連結構造。
(8)前記エンドキャップは、後端面に手摺が取り付けられ、かつ前記円形の傾斜面には開口が設けられており、両エンドキャップの各開口内に連結部材の両端をそれぞれ挿入して両エンドキャップを連結する(7)に記載の手摺の連結構造。
(9)前記連結部材は断面が略ハット形で構成され、一方のエンドキャップの前記開口より該エンドキャップ内に挿入保持され、かつ前記連結部材の開口縁部が一方のエンドキャップの前記開口より突出すると共に、他方のエンドキャップの前記開口内縁部に係合して両エンドキャップを連結している(8)に記載の手摺の連結構造。
(10)前記エンドキャップは、前記開口から内方に延びる筒状部を有しており、前記連結部材は、両エンドキャップ先端の円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させた状態で、両エンドキャップの前記筒状部にまたがって挿通される胴部と、この胴部の両端に形成されかつ前記筒状部後端の貫通孔より突出して該貫通孔の外縁部に係止する頭部とを備え、前記胴部には該胴部を2つに分離するための分離部が設けられている(8)に記載の手摺の連結構造。
(11)前記胴部には該胴部を2つに分離するための分離部が設けられている(10)に記載の手摺の連結構造。
(12)前記連結部材は、両端に係止部が形成された伸縮可能な弾性部材からなり、両エンドキャップの円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させた状態で、両端が両エンドキャップの前記開口を通して両エンドキャップ内に挿入されると共に、両端の前記係止部が各エンドキャップ内にそれぞれ係止している(7)に記載の手摺の連結構造。
(13)前記エンドキャップは、前記開口から内方に延びる筒状部を有しており、前記連結部材は、両エンドキャップ先端の円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させた状態で、両エンドキャップの前記筒状部にまたがって挿通される胴部を有し、この胴部の両端に前記係止部が形成されると共に、該係止部は前記筒状部後端の貫通孔より突出して各エンドキャップ内にそれぞれ係止している(11)に記載の手摺の連結構造。
(14)前記連結部材が、両エンドキャップの各開口内に両端をそれぞれ挿入して両エンドキャップを連結するダボである請求項8に記載の手摺の連結構造。
(15)所定の角度で連接した2本の手摺を連結する手摺の連結構造であって、各手摺の端部をエンドキャップ後端面に取り付け、かつ各エンドキャップ先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させると共に、一方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には開口が、他方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には前記開口内に嵌入される突起がそれぞれ設けられていることを特徴とする手摺の連結構造。
(16)前記突起が、前記開口内に嵌入され該開口の内縁部に係合する係合突起である(14)に記載の手摺の連結構造。
(17)前記エンドキャップは、後端面に手摺が取り付けられ、かつ前記円形の傾斜面から手摺と同軸方向に手摺取付用ねじを挿入するための通路が形成されており、該通路の底部に前記手摺取付用ねじが挿通する孔が形成されており、前記円形の傾斜面から前記通路内に挿入されたねじは、頭部が通路底部の前記孔周縁に係止して、ねじ部が前記孔を挿通して手摺の端面に螺入される(7)に記載の手摺の連接構造。
(18)前記エンドキャップにおける前記円形の傾斜面には開口が設けられ、該開口の内方に前記通路が形成されており、一方のエンドキャップにおける前記開口の外周部には他方のエンドキャップに設けた開口内に嵌入され該開口の縁部に係合する係合突起が設けられている(14)に記載の手摺の連結構造。
(19)所定の角度で連接した2本の手摺を連結する手摺の連結構造であって、各手摺の端部をエンドキャップ後端面に取り付け、かつ各エンドキャップ先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させると共に、一方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には係合突起が立設され、他方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には該円形の傾斜面と同心円状に延設された円弧状スライド溝とが形成されており、前記2本の手摺を所定角度に調整した状態で、前記係合突起の先端部が前記円弧状スライド溝の所定位置で該スライド溝内に挿入されスライド溝と係合していることを特徴する手摺の連結構造。
(20)前記他方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には、前記係合突起を挿入するための挿入口と該挿入口から前記円形の傾斜面と同心円状に延設された円弧状スライド溝とが形成されており、前記係合突起は前記挿入口から他方のエンドキャップ内に挿入され、前記2本の手摺の角度調整に連動して前記円弧状スライド溝に沿ってスライドし、所定位置で該スライド溝と係合するように構成されている(18)に記載の手摺の連結構造。
(21)前記係合突起は、略L字形または鉤爪形の突起である(18)または(19)に記載の手摺の連結構造。
(22)前記エンドキャップにおける前記円形の傾斜面に開口が設けられており、両エンドキャップはそれらの開口を介して前記連結部材によって所定の角度で一体に連結・固定されている(7)に記載の手摺の連結構造。
また、本発明は下記に示すエンドキャップへの手摺の取付け構造をも提供するものである。
(23)先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させて、所定の角度で連接される2本のエンドキャップのうち、少なくとも1つのエンドキャップへの手摺の取付け構造であって、前記少なくとも1つのエンドキャップは、先端に前記円形の傾斜面を有するエンドキャップ本体と、前記手摺の外周面上に外装されこの手摺の外周面からエンドキャップ本体に向かって移動自在に構成され前記エンドキャップ本体と手摺とを接続する筒形の接続部とを備えたことを特徴とするエンドキャップへの手摺の取付け構造。
(24)先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させて、所定の角度で連接される2本のエンドキャップのうち、少なくとも1つのエンドキャップへの手摺の取付け構造であって、前記少なくとも1つのエンドキャップは、先端に前記円形の傾斜面を有するエンドキャップ本体と、このエンドキャップ本体の後端面に配置され後端面に手摺を取り付けた手摺取付け部と、この手摺取付部の外周面上に外装されこの手摺取付け部の外周面からエンドキャップ本体に向かって移動自在に構成され前記エンドキャップ本体と手摺取付け部とを接続する筒形の接続部とを備えたことを特徴とするエンドキャップへの手摺の取付け構造。
(25)前記エンドキャップ本体は後端面に雌ねじ部が形成され、前記筒形の接続部の先端外周面には前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部が形成されており、この雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺合した状態で前記接続部の後端は前記手摺取付け部の外周面上に位置する請求項23に記載のエンドキャップへの手摺の取付け構造
(26)先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させて、所定の角度で連接される2本のエンドキャップのうち、少なくとも1つのエンドキャップへの手摺の取付け構造であって、前記少なくとも1つのエンドキャップは、先端に前記円形の傾斜面を有し後端にフランジ部を有するエンドキャップ本体と、このエンドキャップ本体の後端部外周面上にそれぞれ嵌着されて手摺先端部を収容する筒形となる断面が略半円形である一対の手摺取付け部とを備え、この一対の略半円形接続部のうち、一方の接続部には前記フランジに係止する係止部が設けられ、他方の接続部は前記一方の接続部に手摺に向かって移動自在に接続されかつ手摺取付け用ねじ挿通孔が形成されているとを特徴とするエンドキャップへの手摺の取付け構造。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる手摺のエンドキャップは、先端面が円形の傾斜面となっているので、例えば廊下や階段の曲がり角等において、手摺の端部に設けたエンドキャップの端面同士を任意の角度で互いに当接ないし近接対向させるだけで、手摺同士を任意の角度で簡単に連接することができる。従って、手摺の取付け工事も容易になり、手摺の外観を損なうことなく手摺の意匠性を高めることができるという効果がある。
【0014】
本発明にかかる手摺の連結構造によれば、傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させた両エンドキャップを連結部材により、または両エンドキャップの円形の傾斜面に設けた連結手段により連結するようにしたので、手摺施工時には手摺同士を正確にかつ簡単に連結することができる。そして、壁紙貼りなどに際して、必要なら手摺同士の連結を解除するようにもできる。さらに施工後の手摺の収まりが良好であり、エンドキャップ間に隙間ができるのを殆どなくすことができるという効果がある。
また、本発明にかかるエンドキャップへの手摺の取付け構造によれば、上記エンドキャップを用いて所定の角度で連結した手摺を取り外す場合、筒形の接続部をスライドさせることにより、手摺をその軸方向に直交する方向に簡単に取り出すことができるため、手摺の取り付け、取り外しが容易になるという効果がある。なお、上記(25)の場合は、手摺取付け部をスライドさせる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態に係る手摺のエンドキャップを示す断面図であり、図2はその平面図(図1の矢印A方向からみた図)、図3はその側面図(図1の矢印B方向からみた図)である。また、図4は図3のY‐Y断面図、図5は図1のエンドキャップの背面図である。
【0016】
図1に示すように、このエンドキャップ1は、後端面に手摺2を嵌入するための手摺取付け穴3を有し、先端面が手摺2の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面4となっている。また、エンドキャップ1の中央部には、手摺固定用のねじを挿入するための円筒状の通路5が設けられ、該通路5の底部には前記手摺取付け穴3に連通する孔6が設けられる。通路5および孔6の中心は、手摺2の軸心と一致している。
【0017】
エンドキャップ1は、図1、図2、図4および図5に示すように、外殻部1Aと、エンドキャップ1の円形傾斜面4の中央部に凹設された有底筒部1Bと、この有底筒部1Bと外殻部1Aとの間に張設した補強壁1Cとを備え、これらを一体成形にて形成したものである。有底筒部1Bは前記した通路5を構成するものである。図5に示すように、補強壁1Cの下端面には、ねじ締め時に、手摺2に補強壁1Cの下端面が食い込むように、凹凸溝による歯部1Dが形成されている。
なお、図1は図2のX-X線断面図に相当するものである。また、外殻部1A、有底筒部1Bおよび補強壁1Cは別個に成形し、これらを組立てたものであってもよい。
【0018】
エンドキャップ1を手摺2に取り付けるには、図1に示すように、手摺取付け穴3に手摺2の先端部を嵌入し、ついでエンドキャップ1の通路5よりねじ7を挿入し、ねじ頭部を通路5の底面に係止させてねじ7を孔6から手摺2の先端部に螺入し、エンドキャップ1を固定する。
【0019】
このように手摺2はエンドキャップ1の手摺取付け穴3に先端部を嵌入して先端面をねじ7で固定するだけであるので、エンドキャップ1の後部が短くなり、従ってエンドキャップ1を小型化することができるので、外観上目立つことがなく、手摺の意匠性を高めることができる。
【0020】
上記のような固定方法であるため、エンドキャップ1を手摺2の周方向に回転させることができる。これにより、2本の手摺2,2を自在に連接することができ、施工性が向上する。
【0021】
エンドキャップ1の先端面は円形の傾斜面4となっていることが必要であり、これによって、2本の手摺2,2の端部に取り付けたエンドキャップ1,1同士を任意の角度で当接ないし近接対向させたとき、手摺2,2を連続的に連ならせることができる。
【0022】
円形の傾斜面4の傾斜角度α(図1)は、手摺2およびエンドキャップ1の軸心A1に対して45°であるのが好ましい。すなわち、傾斜角度αが45°であるときは、連接する2本の手摺のエンドキャップは同一のものが使用可能であるので、部品点数の削減によるコストダウンを図ることができる。しかし、傾斜面4の傾斜角度αが厳密に45°であることは必ずしも必要ではなく、45°の近傍の角度、例えば45°±10°、好ましくは45°±5°の範囲内であってもよい。
ただし、部品点数が2つになることが許容されるのであれば、円形の傾斜面4の傾斜角度αが異なる2つのエンドキャップ1,1を使用してもよいことは勿論である。この場合、両方の傾斜角度αの総和が90°になるのがよい。
【0023】
ここで、円形の傾斜面4は、図6に示すように、エンドキャップ1の径と等しい丸棒8をその軸心A2に対して所定の傾斜角度で切断したときの楕円形切断傾斜面9における短径dと等しい直径を有するのが好ましい。これにより外観や意匠性を損なうことなく、手摺2,2をスムーズに連続的に連ならせることができる。これに対して、円形の傾斜面4が前記楕円形切断傾斜面9における短径dよりも大きい直径を有する場合には、エンドキャップ1が手摺2よりも膨らんだものになるが、実際の使用上の問題はない。
なお、円形の傾斜面4は、上記楕円形切断傾斜面9の短径dよりも小さい直径を有していてもよく、通常、短径dの40%以上、好ましくは60%以上とするのがよい。
【0024】
さらに、円形の傾斜面4は、中心Oが手摺2の軸心A1と一致しているのが好ましい。これにより手摺2,2を違和感なくスムーズに連続的に連ならせることができる。
【0025】
エンドキャップ1の外形は、図1〜3に示すように、上記の円形の傾斜面4である先端面と、手摺取付け穴3を設けた後端面と、外殻1Aの周面10とを含み、さらに円形の傾斜面4と周面10との間には、円形の傾斜面4から周面10へとスムーズに移行するように曲面ないし傾斜面11,12が形成されている。このようなエンドキャップ1は、例えば各種プラスチック材料を成形して製造できる他、金属材料や木質材料からも製造することができる。
【0026】
図7および図8はそれぞれ手摺2,2を直角および平行に連接した状態をそれぞれ示している。図7および図8に示すように、各手摺2,2のエンドキャップ1,1は先端面である円形の傾斜面4,4同士を互いに対向当接させている。しかし、円形の傾斜面4,4同士が完全に接触せずに多少の隙間をもって対向していてもよい。このような隙間は、通常の手摺2では約1cm以下にするのが、手摺2の外観を損なわず、かつ安全性(指詰め防止等)を図るうえで適当である。
【0027】
また、前記したように、2本の手摺2,2を自在に連接するために、施工時にはエンドキャップ1を手摺2の周方向に回転させることができる。そして、施工完了後は、エンドキャップ1を手摺2に回転しないように固定しておくのが好ましい。そのため、例えば図1に示すように、エンドキャップ1の後端部周面10にねじ孔を設け、これに回転防止ビス13(止めねじ、ホーロービス等)を螺入し、後端面に設けた係合穴に六角レンチ(図示せず)を係合させ、回転防止ビス13の先端尖部を手摺2にくい込ませるようにしてもよい。これにより、エンドキャップ1の回転を防止することができる。
なお、回転阻止手段として、例えば後端の手摺取付け穴3の底面を粗面にする、あるいは回転防止用のねじ止めを行うなどの方法を採用してもよい。
【0028】
エンドキャップ1の具体的な使用状態の一例を図9および図10に示す。すなわち、この使用状態では、階段112の角度が変わる曲り箇所において、手摺2,2をそれらの端部に取り付けたエンドキャップ1を利用して連接している。このような使用形態において、本実施形態に係るエンドキャップ1は、階段13の曲り箇所においても手摺2,2を連続的に連ならせることができ、手摺2の外観を損なわせずに意匠性を高めることができる。
【0029】
<第2の実施形態>
本発明にかかる第2の実施形態(手摺の連結構造)を図11に示す。同図(a)は連結部材21による両エンドキャップ100,100の連結前を、同図(b)は連結後をそれぞれ示している。各エンドキャップ100は、基本的に図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と略同じ構成を備えているので、第1の実施形態に示した構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
エンドキャップ100は、後端面に手摺取付け穴3を設けた合成樹脂、金属等の中空成形品で構成され、前面の円形の傾斜面4には第1の開口22が設けられている。このエンドキャップ100、100は、図11(a)に示すように、第1の実施形態における傾斜面4、周面10および曲面ないし傾斜面11,12を有している。
【0030】
エンドキャップ100の中空内には、前記円形の傾斜面4と略平行で且つ前記第1の開口22より小さい第2の開口23を有する傾斜面20を備えた係合部26が形成されている。この係合部26は中空内中央に位置するねじ挿通用筒体24と一体に形成されている。係合部26の底面25は、手摺2の端面を手摺取付け穴3に嵌入したときのストッパとなる。なお、図1〜6に示したような補強壁1Bをエンドキャップ100の内部に設けてもよい。
【0031】
連結部材21は、ゴム、軟質プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)の弾性部材などからなり、断面が略ハット形で構成され、図12に示すように先端面に係合突起部27が形成されている。また、図12(c)に示すように、連結部材21は切り欠き部28を有する。この切り欠き部28は、手摺取付ねじ7を挿通させるためのものである。
【0032】
手摺施工時に前記連結部材21によって両エンドキャップ100、100を連結するには、一方のエンドキャップ100内にその前面開口22より連結部材21を挿入し、先端の係合突起部27を開口23に挿入・係合させる。この状態では、連結部材21の開口縁部29が一方のエンドキャップ100の開口22より突出している(図11(a)を参照)。この開口縁部29を他方のエンドキャップ100の開口22の内縁部に係合させて両エンドキャップ100、100を連結する(図11(b)を参照)。係合を確実に行わせるために開口縁部29の端縁には肉厚が大きな係止部29aが形成されている。
【0033】
このようにして手摺2、2の施工時には、両エンドキャップ100、100を所望の角度で連結することができ、手摺の取り付け施工を正確にかつ迅速に行うことができる。
【0034】
壁紙貼りのために手摺2、2を取り外す場合には、例えば図13に示すように、壁面110に取り付けたブラケット111から手摺2を取り外し、一方の手摺2を他方の手摺2から強く引っ張ると、連結部材21の開口縁部29が他方のエンドキャップ100から外れ、手摺2,2の連結を解除することができる。なお、図13は壁の入隅部付近を示している。
【0035】
壁紙を貼り付けた後、再び手摺2、2を取り付ける場合、連結部材21を取り外して、第1の実施形態と同様にして、手摺2、2同士を連接させればよい。このとき、最初の施工時に、手摺2、2の位置は確定しているので、最初の施工時と同じ位置に正確に手摺2、2同士を連接させることができる。
なお、連結部材21は取り外すことなく、連結部材21で手摺2、2を再び連結させてもよい。また、ブラケット111から手摺2を取り外すのではなく、壁面110からブラケット111ごと手摺2、2を取り外す場合もある。
【0036】
<第3の実施形態>
本発明にかかる第3の実施形態(手摺の連結構造)を図14に示す。図14はこの実施形態における両エンドキャップ101,101の連結状態を示している。各エンドキャップ101は、基本的に図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と略同じ構成を備えているので、第1の実施形態に示した構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
各エンドキャップ101は、前記と同様に後端面に手摺取付け穴2を設けた中空成形品であり、かつ円形の傾斜面4には開口30(孔)が設けられており、該開口30から内方に延びる筒状部32が形成されている。開口30と反対側の筒状部32の端面には筒状部32より径の小さい貫通孔33が形成されている。
【0038】
両エンドキャップ101,101は、円形の傾斜面4,4同士を互いに当接ないし近接対向させた状態で、連結部材31によって連結される。この連結部材31は、両エンドキャップ101,101の各筒状部32、32にまたがって挿通される胴部31aと、この胴部31aの両端に形成されかつ筒状部32より突出して筒状部32の端面に係止する頭部31b,31bとが一体に形成されている。胴部31aは、筒状部32からエンドキャップ101内に落ち込まないように前記貫通孔33より大きい径を有することが必要である。また、頭部31b,31bは、胴部31aの外径よりも大きい最大径を有する。
【0039】
この連結部材31における胴部31aの中央部には、図13(a)に示すように、傾斜面4,4同士が当接ないし近接する位置またはその近傍に胴部31aを2つに分離するための分離部34が設けられている。具体的には、分離部34は胴部31aの厚みを薄くした部位である。そのため、連結部材31は外力を加えると、図13(b)に示すように、分離部34で胴部31aが折れて2つに分離するようになっている。
連結部材31は、例えば木質材料、各種プラスチック材料、金属材料等を用いて作製することができるが、これに限定されるものではない。
【0040】
手摺施工時に両エンドキャップ101,101を連結するには、一方のエンドキャップ101の筒状部32内に連結部材31の胴部31aを挿入し、筒状部32後端の貫通孔33より頭部31bを突出させ貫通孔33の外周縁部に係止させる。この状態で所望の角度にて両方のエンドキャップ101の傾斜面4,4を、図14に示すように互いに当接ないし近接対向させ、一方のエンドキャップ101の傾斜面4から半分突出した連結部材31の胴部31aを他方のエンドキャップ101の筒状部32内に挿入し、該筒状部32の先端より頭部31bを突出させ貫通孔33の外周縁部に係止させる。
これによって、連結部材31の胴部31aは両エンドキャップの前記筒状部32、32にまたがって挿通・収容され、かつ両端の頭部31b,31bが筒状部の後端面に係止して、エンドキャップ101,101を所望の角度にて連結することができる。
【0041】
壁紙貼りのために手摺を取り外す場合は、図14に示す状態から、手摺2,2同士を曲げる、ひねるなどして連結部材31の分離部34に外力を加える。これにより、図15(b)に示すように分離部34で折れて連結部材31は2つに分離され、手摺2,2を壁面から取り外すことができる。そして、壁紙貼り後は、第1の実施形態と同様にして、両エンドキャップ101,101を連接させればよい。このとき、最初の施工時に手摺2,2の取り付け位置は確定しているので、正確にかつ簡単にエンドキャップを連接させることができる。
なお、連結部材31は分離部34を有しないものであってもよい。
【0042】
<第4の実施形態>
本発明にかかる第4の実施形態(手摺の連結構造)を図16および図17に示す。この実施形態における各エンドキャップ101は、連結部材41を除いて、基本的に図14に示した第3の実施形態にかかるエンドキャップ101と略同じ構成であるので、第3の実施形態に示した構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
この実施形態で使用する連結部材41は、図17に示すように、両端部にリング部41a、41a(係止部)が形成されたゴムなどの伸縮可能な弾性部材からなる。その胴部の少なくとも一部には筒状部32の貫通孔33より寸法の大きな太胴部41bが形成されている。該太胴部41bを含む胴部は両筒状部32内に収容可能である。
【0044】
手摺施工時に両エンドキャップ101,101を連結するには、図16(a)に示すように、一方のエンドキャップ101の筒状部32内に連結部材41の太胴部41bを挿入し、筒状部42後端の貫通孔33よりリング部41aを引き出し、該リング部41aを一方のエンドキャップ101内の筒形柱状部42に挿通係止させる。同様にして、他方のエンドキャップ101に対しても、連結部材41の他方のリング部41aを引き出し、他方のエンドキャップ101内の筒形柱状部42に挿通係止させる。このようにして両エンドキャップ101,101を所望の角度で連結する。連結部材41は伸縮可能な弾性部材からなるので、連結後の各エンドキャップ101,101の傾斜面4,4は、図14(b)に示すように、当接した状態となる。
この状態で、各エンドキャップ101,101に手摺2、2を取り付け、手摺2、2を所定の壁面にブランケットを介して固定する。なお、前記筒形柱状部42は手摺2、2を取り付ける際のストッパにもなる。
【0045】
壁紙貼りのために手摺を取り外す場合は、取り外した手摺2、2を少しの距離だけ離隔させると、伸縮可能な弾性部材からなる連結部材41が伸びる。従って、傾斜面4,4間に刃物(図示せず)を挿入して、この伸びた連結部材41を切断すれば、各エンドキャップ101,101の連結を解除することができる。そして、壁紙貼り後は、第1の実施形態と同様にして、両エンドキャップ101,101を連接させればよい。このとき、最初の施工時に手摺2,2の取り付け位置は確定しているので、正確にかつ簡単にエンドキャップを連接させることができる。
【0046】
なお、この実施形態では、図14に示したエンドキャップ101と同じものを使用したが、該エンドキャップ101における筒状部32を省略して、連結部材41を単に筒形柱状部42、42間に架け渡すようにしても、同様の効果が得られる。
【0047】
<第5の実施形態>
本発明にかかる第5の実施形態(手摺の連結構造)を図18(a)、(b)に示す。図18(a)はこの実施形態における両エンドキャップ102,103の連結前または連結解除状態を示し、図18(b)は連結状態を示している。各エンドキャップ102,103は、基本的に図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と略同じ構成を備えているので、第1の実施形態に示した構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
この実施形態にかかるエンドキャップ102,103は、ともに後端面に手摺取付け穴3を設けた中空成形品であり、前面に円形の傾斜面4を有するという点において同じである。しかし、一方のエンドキャップ102は、円形の傾斜面4に開口52が設けられ、他方のエンドキャップ103には円形の傾斜面4に係合突起51が設けられている点において異なる。係合突起51は、開口52の内縁部に着脱自在に係合するように構成されている。
【0049】
従って、手摺施工時に両エンドキャップ102,103を連結するには、図18(a)に示すように、一方のエンドキャップ102の開口52に所望の角度で、他方のエンドキャップ103の係合突起51を嵌入し、開口52の内縁部に着脱自在に係合させる。これにより両エンドキャップ102,103を連結することができる。
【0050】
次に、壁紙貼りのために手摺を取り外す場合は、両エンドキャップ102,103を互いに反対方向に引っ張ることにより、係合突起51を開口52から離脱させればよい。なお、エンドキャップ102,103の内部には、手摺2、2を取り付ける際のストッパになる筒形柱状部53が設けられている。そして、壁紙貼り後は、第1の実施形態と同様にして、両エンドキャップ101,101を連接させればよい。このとき、最初の施工時に手摺2,2の取り付け位置は確定しているので、正確にかつ簡単にエンドキャップを連接させることができる。
【0051】
<第6の実施形態>
本発明にかかる第6の実施形態(手摺の連結構造)を図19(a)、(b)に示す。図19(a)はこの実施形態における2つのエンドキャップ113,113の連結前または連結解除状態を示し、図18(b)は連結状態を示している。各エンドキャップ113,113は、基本的に図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と略同じ構成を備えているので、第1の実施形態に示した構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
各エンドキャップ113,113は、木質材料、プラスチック材料、金属材料などからなる中実体で構成され、後端面に手摺2を嵌入するための手摺取付け穴3を有し、先端面が手摺2の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面4となっている。手摺2は手摺取付け穴3に嵌入された状態で接着剤にて固定されているが、ねじ止めであってもよい。
【0053】
両エンドキャップ113,113は、円形傾斜面4に直交する凹部61がそれぞれ形成されており、所望の角度で両エンドキャップ113,113の円形傾斜面4をそれぞれ当接ないし近接対向させた状態で各凹部61にダボ62(連結部材)の両端をそれぞれ嵌入して、両エンドキャップ113,113を連結する。凹部61は円形傾斜面4の中心に形成されているのがよい。
手摺を取り外す場合は、両エンドキャップ113,113を互いに反対方向に引っ張って、ダボ62を凹部61から離脱させればよい。ダボ62は、木質材料、プラスチック材料、金属材料などからなる。
この実施形態では、両エンドキャップ113,113の連結状態で、円形の傾斜面4、4同士が互いに当接している場合には、手摺2の回転を阻止できるという利点がある。
なお、ダボ62に代えて、2つのエンドキャップのうち、一方のエンドキャップの円形傾斜面4の中心から凸部を突設させ、他方のエンドキャップの円形傾斜面4の中心に前記凸部が嵌合する凹部を設けてもよい。
【0054】
<第7の実施形態>
本発明にかかる第7の実施形態(手摺の連結構造)を図20、図21に示す。図20(a)〜 (c)はこの実施形態における2つのエンドキャップ114,114の連結方法を示しており、図21は連結状態を示している。各エンドキャップ114,114は、基本的に図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と略同じ構成を備えているので、第1の実施形態に示した構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
すなわち、各エンドキャップ114,114は、図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と同様に、外殻部1Aと、有底筒部1Bと、補強壁1Cとを備える。そして、この実施形態では、前述の実施形態と同様に、円形の傾斜面4に、該傾斜面4に直交する凹部63が形成されている。手摺2は手摺取付け穴3に嵌入され、ねじ7によって固定されている。
【0056】
図20(a)〜(c)に示すように、両エンドキャップ114,114を連結するには、それらの円形の傾斜面4、4同士を当接ないし近接対向させた状態で各凹部63にダボ64(連結部材)の両端をそれぞれ嵌入して、両エンドキャップ114,114を所望の角度で連結する(図21を参照)。一方、手摺を取り外す場合は、両エンドキャップ113,113を互いに反対方向に引っ張って、ダボ62を凹部61から離脱させればよい。
【0057】
この実施形態では、手摺2はエンドキャップ114の手摺取付け穴3に嵌入され、ねじ7によって固定されているだけであるから、手摺2の取付角度に応じて、自在にエンドキャップ114を回転させることができる。しかし、両エンドキャップ114,114の連結状態では、円形の傾斜面4、4同士が互いに当接している場合、エンドキャップ114,114同士が回転できなくなるので、手摺2の回転を阻止できるという利点がある。
【0058】
<第8の実施形態>
本発明にかかる第8の実施形態(手摺の連結構造)を図22〜24に示す。図22(a)、(b)はこの実施形態における2つのエンドキャップ115,116を示しており、図23は一方のエンドキャップ115の側面図とその斜視図を示している。図24は他方のエンドキャップ116の側面図とその斜視図を示している。各エンドキャップ115,116は、基本的に図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と略同じ構成を備えているので、第1の実施形態に示した構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
すなわち、各エンドキャップ115,116は、図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と同様に、外殻部1Aと、有底筒部1Bと、補強壁1Cとを備える。そして、この実施形態では、図22(a)および図23に示すように、一方のエンドキャップ115における円形の傾斜面4には開口部65が形成されている。また、他方のエンドキャップ116における円形の傾斜面4には、該傾斜面4から垂直に突出した円環状の突条66(係合突起)が形成されている。
【0060】
突条66は外壁面に係止用の爪部67が形成されている。従って、エンドキャップ115、116の傾斜面4同士を所望の角度で当接ないし近接対向させると、爪部67が開口部65の内壁面の突起68に係止して、エンドキャップ115、116同士を連結することができる。この状態では、手摺の回転が阻止されることは前記と同じである。
一方、手摺2を取り外す場合は、両エンドキャップ113,113を互いに反対方向に引っ張って、突条66を開口部65から離脱させればよい。ただし、係止用の爪部67を大きくして、開口部65の内壁面の突起68にしっかりと係止させて、両エンドキャップ113,113を外れないようにすることもできる。
【0061】
<第9の実施形態>
本発明にかかる第9の実施形態(手摺の連結構造)を図25〜27に示す。図25はこの実施形態に係る2つのエンドキャップ117,118を用いた手摺2,2の連結方法を示しており、図26は一方のエンドキャップ117の(a)側面図、(b)斜視図、(c)部分破断正面図、(d)側断面図、(e)底面図を示している。図27は他方のエンドキャップ118の(a)側面図、(b)斜視図、(c)A−A線断面図、(d)B‐B線断面図、(e)底面図を示している。各エンドキャップ117,118は、基本的に図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と略同じ構成を備えているので、第1の実施形態に示した構成部材と同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
すなわち、各エンドキャップ117,118は、図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と同様に、外殻部1Aと、有底筒部1Bと、補強壁1Cとを備える。そして、一方のエンドキャップ117における円形の傾斜面4には、図26に示すように、中央部にある有底筒部1Bの開口71を挟んで両側に一対の係合突起70、70が立設されている。係合突起70は上端が円形の傾斜面4と略平行に折曲されている。
【0063】
他方のエンドキャップ118における前記円形の傾斜面4には、図27に示すように、前記係合突起70を挿入するための挿入口72、72と各挿入口72から前記円形の傾斜面4と同心円状に延設された円弧状スライド溝73とが形成されている。挿入口72は、一方のエンドキャップ117における係合突起70と対応して、有底筒部1Bの開口71を挟んで両側にそれぞれ形成されている。円弧状スライド溝73は、両挿入口72、72を結ぶように形成されており、係合突起70が係止して離脱しない幅を有する。なお、スライド溝73は少なくとも手摺2,2の角度調整に必要な長さであればよい。
【0064】
手摺2,2を連結する場合には、図25に示すように、手摺2を取り付けた両エンドキャップ117,118の円形の傾斜面4、4同士を互いに当接ないし近接対向させて、係合突起70を前記挿入口72からエンドキャップ118内に挿入する。ついで、2本の手摺2,2の取付角度を調整するために両エンドキャップ117,118を回転させると、これに連動して係合突起70が前記円弧状スライド溝73に沿ってスライドし、所定位置で該スライド溝73と係合するように構成されている。
【0065】
手摺2,2を分離する場合には、係合突起70を逆方向にスライドさせ、挿入口72から係合突起70を抜き取ればよい。
手摺2のエンドキャップ117,118への取り付けは、前記した有底筒部1B内の通路に挿入したねじ(図示せず)を孔6から手摺2に螺入させる方法のほか、エンドキャップ117,118の側面に設けたねじ挿通孔74よりねじ75を螺入させるようにしてもよい。
【0066】
この実施形態および下記に示す変形例において、好ましい他の手摺連結方法は、以下の通りである。
(a)一方のエンドキャップ117を手摺2の先端面に取付ける。取付けは、円形の傾斜面4の中央部にある開口71から有底筒部1B内にねじ(図示せず)を挿入し、底部のねじ挿通孔6を挿通したねじ部を手摺2の先端面に螺入させて手摺取付け穴3内に手摺2を固定する。
(b)他方のエンドキャップ118を前記一方のエンドキャップ117に、前記したように係合突起70を前記挿入口72に挿入することにより取り付ける。このとき両エンドキャップ117,118は直線方向で取付けられる。
(c)両エンドキャップ117,118を回転させて所定の収まり角度に調整する。このとき、一方のエンドキャップ117には手摺2が取付けられているが、エンドキャップ117は手摺2に対して回転可能である。
(d)角度調整が完了した後、他方のエンドキャップ118の後端に手摺取付け穴3内に手摺2の先端部を嵌入し、エンドキャップ側面のねじ挿通孔74よりねじ75を螺入させる。
これにより、手摺の取り付け作業が簡単になり、施工性が向上する。
【0067】
この実施形態の一変形例を図28および図29に示す。図28はこの変形例における一方のエンドキャップ117′の(a)側面図、(b)斜視図、(c)部分破断正面図、(d)側断面図、(e)底面図を示している。図29は他方のエンドキャップ118′の(a)側面図、(b)斜視図、(c)A−A線断面図、(d)B‐B線断面図、(e)底面図を示している。
すなわち、上記の実施形態では、一対の係合突起70、70は一方の円形傾斜面4の中央部にある有底筒部1Bの開口71を挟む両側に立設し(図26)、これに係合する挿入口72、72は他方の有底筒部1Bの開口71を挟む両側にそれぞれ形成されているが(図27)、この変形例では、一対の係合突起70′、70′および挿入口72′、72′は円形傾斜面4の中心に対して180°より小さい角度αで配列されている。角度αとしては178°以下であるのがよく、178〜90°であるのが適当である。
これにより、両エンドキャップ117′、118′は、それらの後端部に接続した手摺2、2が一直線上になっている場合のみ取り付けおよび取り外しが可能であり、手摺2、2が一直線上にない場合には取り付けおよび取り外しができなくなり、安全性がより一層高まる。その他は上記の実施形態と同じであるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
<第10の実施形態>
本発明にかかる第10の実施形態(手摺の連結構造)を図30および図31に示す。図30はこの実施形態に係る一方のエンドキャップ119の(a)側面図、(b)斜視図、(c)部分破断正面図を示している。図31は、2つのエンドキャップ119,120の連結状態を示している。
【0069】
前記一方のエンドキャップ119は、前述の実施形態におけるエンドキャップ117と同様に、開口71を挟んで一対の係合突起76,76が立設されている。この係合突起76は先端が鉤爪形である(図30(c)を参照)。
図30に示すように、他方のエンドキャップ120における円形の傾斜面4には、鉤爪形の係合突起76が係合する円弧状スライド溝77が形成されている。このスライド溝77は、円形の傾斜面4と同心円状に延設され、円形の傾斜面4の全周ないしは少なくとも手摺2,2の角度調整に必要な長さで形成されている。
【0070】
従って、手摺を連結する場合には、図31に示すように、手摺を取り付けた両エンドキャップ119,120の円形の傾斜面4、4同士を所望の角度で互いに当接ないし近接対向させて、係合突起76を前記スライド溝77内に圧入する。これにより、係合突起76の先端に設けた鉤爪がスライド溝77の内縁部に係合して、手摺の連結を完了する。この実施形態では、係合突起76をスライド溝77から取り出せなくなる。
その他は、図1〜10に示した第1の実施形態にかかるエンドキャップ1と略同じ構成を備えている。
【0071】
本発明にかかる第11の実施形態を図32および図33に示す。図32はこの実施形態に係るエンドキャップへの手摺の取付け構造を示しており、図33はこの実施形態におけるエンドキャップ121への手摺2の取付け手順を示す工程図である。
【0072】
図32に示すように、この実施形態に係る手摺の取付け構造は、2本のエンドキャップ121,122のうち、一方のエンドキャップ121は、先端に前記円形の傾斜面4を有するエンドキャップ本体80と、このエンドキャップ本体80の後端面に配置され後端面に手摺2を取り付けた手摺取付け部81と、この手摺取付部81の外周面から手摺4の外周面にわたって外装され手摺取付け部81の外周面からエンドキャップ本体80に向かって移動自在に構成され前記エンドキャップ本体80と手摺取付け部81とを接続する筒形の接続部82とを備える。
他方のエンドキャップ122には、前述までのエンドキャップが使用可能であり、手摺2はねじ88によって固定されているが、一方のエンドキャップ121と同様な構造のものを使用してもよい。
【0073】
図33に示すように、手摺取付け部81は、断面カップ形で構成され、底面に手摺固定用ねじ83が挿通するねじ挿通孔84が形成される。筒形の接続部82は、手摺嵌入穴82aと手摺取付け部81の嵌入穴82bとを備え、それらの境界部に手摺取付け部81の底部が嵌入する開口85が穿設されている。
また、手摺取付け部嵌入穴82bは手摺嵌入穴82aよりも外径が小さく、かつその外周面に雄ねじ部86が形成されている。そして、手摺取付け部81は、底部が筒形の接続部82の開口85に嵌入された状態で、ねじ83により手摺2の端面に固定される。
【0074】
一方、エンドキャップ本体80の後端面には雌ねじ部87が形成されており、この雌ねじ部87に雄ねじ部86を螺合させて、手摺2の取付けを完了する。このようにして手摺2を取付けたエンドキャップ121は、他のエンドキャップ122と比べて、外径が大型化せず外観上は殆ど見分けがつかないので、外観を損なうことがない。
また、手摺2を取り外す場合は、雌ねじ部87から雄ねじ部86を後退させて螺合を解除するだけでよく、これにより手摺2を手摺2の軸方向に直交する方向に取り出すことができるので、エンドキャップ121,122の連結を解除する必要がなくなる。
【0075】
この実施形態におけるエンドキャップ121,122は、両エンドキャップにおける前記円形の傾斜面4,4に開口が設けられており、両エンドキャップはそれらの開口を介して連結部材89によって所定の角度で一体に連結・固定されている。
【0076】
連結部材89としては、一体に連結・固定できるものであれば種々の手段を採用することができ、例えば一方のエンドキャップから挿入したピンを他方のエンドキャップにて係止する止め輪、ピンのかしめ、ボルトへのナットの螺合などが挙げられる。図32、図33に示す連結部材89は、ピンを止め輪で係止したものである。
その他は、前記した実施形態、特に第1の実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0077】
本発明にかかる第12の実施形態を図34および図35に示す。図34はこの実施形態に係る一方のエンドキャップ123への手摺2の取付け手順を示しており、図35はエンドキャップ123から手摺2を取り外す手順を示している。
【0078】
前記エンドキャップ123は、先端に前記円形の傾斜面を有し後端に外向きフランジ部91を有するエンドキャップ本体90と、このエンドキャップ本体90の後端部外周面上にそれぞれ嵌着されて手摺2の先端部を収容する筒形となる断面が略半円形である一対の手摺取付け部92,93とを備える。
【0079】
一対の略半円形接続部92,93のうち、一方の接続部92にはその凹面に形成された出っ張りからなり前記フランジ部91に係止する係止部94が設けられている。他方の接続部93は前記一方の接続部92に対して、手摺に向かって移動自在に接続されている。すなわち、一方の接続部92の両端にはL形の立上がり片95,95が立設されており、他方の接続部93の両端内面にはこの立上がり片95,95がスライド自在に係合するガイド溝96,96が形成されている。また、他方の接続部93には手摺取付け用ねじが挿通するねじ挿通孔98が設けられている。
【0080】
手摺2を取付ける場合には、図34に示すように、一対の手摺取付け部92,93をエンドキャップ本体90の後端部外周面上に配置し、手摺取付け部92,93によって形成された凹部99内に手摺2の先端部を係止部94(出張り)に当接するまで嵌入し、ねじ130を螺入して手摺2を固定する。
【0081】
一方、手摺2を取り外す場合は、図35に示すように、ねじ130を外し、手摺取付け部93を手摺2のほうにスライドさせて手摺取付け部92から取り外す。これにより、手摺2を手摺2の軸方向に直交する方向に簡単に取り外すことができる。
その他は、前記した実施形態、特に第1の実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0082】
本発明にかかる第13の実施形態を図36および図37に示す。図36および図37はこの実施形態におけるそれぞれ異なる形態を示している。
【0083】
すなわち、この実施形態におけるエンドキャップは、図36および図37に示すように、先端に円形の傾斜面4を有するエンドキャップ本体131と、手摺2の外周面上に外装されこの手摺2の外周面からエンドキャップ本体131に向かって移動自在(矢印Mで示す)に構成されエンドキャップ本体131と手摺2とを接続する筒形の接続部132,133とを備える。この実施形態においては、2本のエンドキャップのうち、少なくとも1つが上記形態を有していればよい。
【0084】
エンドキャップ本体131と手摺2とを接続するには、まず手摺2の先端面をエンドキャップ本体131の後端面に当接させる。ついで接続部132,133をエンドキャップ本体131側に移動させる。図36の形態では、この状態で接続部132に設けたねじ挿通孔133よりねじ134を螺入させてエンドキャップ本体131と手摺2とを接続する。
【0085】
また、図37の形態では、ンドキャップ本体131の後端外周面に雄ねじ部135が形成され、接続部133の先端内周面には雌ねじ部136が形成されている。従って、雌ねじ部136を雄ねじ部135に螺合させながら、接続部133をエンドキャップ本体131側に移動させることにより、エンドキャップ本体131と手摺2とを接続する。
【0086】
いずれの形態においても、筒形の接続部132,133がエンドキャップ本体131と手摺2とにまたがって配置されるので、手摺2が誤って離脱することがなく、また外径も大きくならないので、外観も良好である。また、手摺2を取り外す場合は、接続部132,133を手摺2側にスライドさせて、手摺2をこの手摺2の軸方向に直交する方向(矢印N方向)に取り外すことができる。
その他は、前記した実施形態、特に第1の実施形態と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において種々の改善や変更が可能である。例えば、本発明の第1の実施形態において、手摺へのエンドキャップの固定は、前記したような固定方法に限定されるものではなく、エンドキャップ1の後部を長くして、該後部にねじ止め用のねじ挿通孔(図示せず)を設けて、エンドキャップ1を側面から手摺にねじ止め固定するようにしてもよく、あるいはねじ挿通孔を設けずに、手摺取付け穴に手摺の端部を嵌入した状態で接着剤にてエンドキャップを固定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエンドキャップを示す断面図であり、当該エンドキャップにおける円形の傾斜面の平面図も併せて図示している。
【図2】その平面図(図1の矢印A方向からみた図)である。
【図3】その側面図(図1の矢印B方向からみた図)である。
【図4】図3のY−Y断面図である。
【図5】図1に示すエンドキャップの背面図である。
【図6】エンドキャップにおける円形の傾斜面の直径を説明するための説明図であり、楕円形の傾斜切断面の平面図も併せて図示している。
【図7】手摺の直角方向への連接状態の一例を示す側面図である。
【図8】手摺の平行な連接状態の一例を示す側面図である
【図9】階段への手摺の取付け状態の一例を示す平面図である。
【図10】階段への手摺の取付け状態の一例を示す側面図である
【図11】(a)は本発明の第2の実施形態に係る手摺の連結前の状態を示す断面図、(b)は(a)の連結状態を示す断面図である。
【図12】(a)は図11の連結部材を示す断面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図13】壁面への手摺の取り付けおよび取り外しを説明するための説明図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る手摺の連結状態を示す断面図である。
【図15】(a)は図14で使用する連結部材を示す側面図、(b)は連結部材が分離された状態を示す側面図である。
【図16】(a)は本発明の第4の実施形態に係る手摺の連結状態において連結部材を延ばした状態での断面図、(b)は連結状態を示す断面図である。
【図17】図16で使用する連結部材を示す平面図である。
【図18】(a)は本発明の第5の実施形態に係る手摺の連結前の状態を示す断面図、(b)は連結状態を示す断面図である。
【図19】(a)は本発明の第6の実施形態に係る手摺の連結前の状態を示す断面図、(b)は連結状態を示す断面図である。
【図20】本発明の第7の実施形態に係る手摺の連結方法を示す説明図である。
【図21】第7の実施形態に係る手摺の連結状態を示す断面図である。
【図22】(a)は本発明の第8の実施形態に係る一方のエンドキャップの断面図、(b)は他方のエンドキャップの断面図である。
【図23】第8の実施形態に係る一方のエンドキャップの側面図および斜視図である。
【図24】第8の実施形態に係る他方のエンドキャップの側面図および斜視図である。
【図25】第9の実施形態に係る2つのエンドキャップを用いた手摺2,2の連結方法を示す説明図である。
【図26】第9の実施形態に係る一方のエンドキャップの(a)側面図、(b)斜視図、(c)部分破断正面図、(d)側断面図、(e)底面図である。
【図27】第9の実施形態に係る他方のエンドキャップの(a)側面図、(b)斜視図、(c)A−A線断面図、(d)B‐B線断面図、(e)底面図である。
【図28】第9の実施形態の一変形例に係る一方のエンドキャップの(a)側面図、(b)斜視図、(c)部分破断正面図、(d)側断面図、(e)底面図である。
【図29】第9の実施形態の一変形例に係る他方のエンドキャップの(a)側面図、(b)斜視図、(c)A−A線断面図、(d)B‐B線断面図、(e)底面図である。
【図30】第10の実施形態に係る一方のエンドキャップの(a)側面図、(b)斜視図、(c)部分破断正面図である。
【図31】第10の実施形態に係る2つのエンドキャップの連結状態を示す説明図である。
【図32】第11の実施形態に係る2つのエンドキャップの連結状態を示す断面図である。
【図33】第11の実施形態におけるエンドキャップへの手摺の取付け手順を示す工程図である。
【図34】第12の実施形態に係る一方のエンドキャップへの手摺の取付け手順を示す工程図である。
【図35】第12の実施形態に係る一方のエンドキャップから手摺2を取り外す手順を示す工程図である。
【図36】第13の実施形態に係る一方のエンドキャップへの手摺の取付構造を示す側面図である。
【図37】第13の実施形態に係る一方のエンドキャップへの手摺の他の取付構造を示す側面図である。
【符号の説明】
【0089】
1・・・エンドキャップ、2・・・手摺、3・・・手摺取付け穴、4・・・円形の傾斜面、5・・・通路、6・・・孔、7・・・ねじ、10・・・周面、11,12・・・曲面ないし傾斜面、13・・・階段、21,31,41・・・連結部材、51・・・係合突起51、52・・・開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺の端部に取り付けられるエンドキャップであって、後端面に手摺の端部が取り付けられ、先端面が手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面となっていることを特徴とする手摺のエンドキャップ。
【請求項2】
前記円形の傾斜面は、前記エンドキャップの径と等しい丸棒をその軸心に対して所定の傾斜角度で切断したときの楕円形切断傾斜面における短径と等しいか、それよりも小さい直径を有する請求項1に記載のエンドキャップ。
【請求項3】
前記円形の傾斜面は、中心が前記手摺の軸心と一致している請求項1または2に記載のエンドキャップ。
【請求項4】
2本の手摺を所定の角度で連接する手摺の連接構造であって、各手摺の端部をエンドキャップ後端面に取り付け、2本の手摺の端部にそれぞれエンドキャップを装着した状態で、各エンドキャップ先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させたことを特徴とする手摺の連接構造。
【請求項5】
前記エンドキャップは前記手摺に該手摺の周方向に回転自在に取り付けられる請求項4に記載の連接構造。
【請求項6】
前記エンドキャップは、前記円形の傾斜面から手摺と同軸方向に手摺取付用ねじを挿入するための通路が形成されており、該通路の底部に前記手摺取付用ねじが挿通する孔が形成されており、
前記円形の傾斜面から前記通路内に挿入されたねじは、頭部が通路底部の前記孔周縁に係止して、ねじ部が前記孔を挿通して手摺の端面に螺入される請求項4または5に記載の手摺の連接構造。
【請求項7】
所定の角度で連接した2本の手摺を連結する手摺の連結構造であって、各手摺の端部をエンドキャップ後端面に取り付け、各エンドキャップ先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させると共に、連結部材を介して両エンドキャップを連結したことを特徴とする手摺の連結構造。
【請求項8】
前記エンドキャップは、後端面に手摺が取り付けられ、かつ前記円形の傾斜面には開口が設けられており、両エンドキャップの各開口内に連結部材の両端をそれぞれ挿入して両エンドキャップを連結する請求項7に記載の手摺の連結構造。
【請求項9】
前記連結部材は断面が略ハット形で構成され、一方のエンドキャップの前記開口より該エンドキャップ内に挿入保持され、かつ前記連結部材の開口縁部が一方のエンドキャップの前記開口より突出すると共に、他方のエンドキャップの前記開口内縁部に係合して両エンドキャップを連結している請求項8に記載の手摺の連結構造。
【請求項10】
前記エンドキャップは、前記開口から内方に延びる筒状部を有しており、
前記連結部材は、両エンドキャップ先端の円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させた状態で、両エンドキャップの前記筒状部にまたがって挿通される胴部と、この胴部の両端に形成されかつ前記筒状部後端の貫通孔より突出して該貫通孔の外縁部に係止する頭部とを備える請求項8に記載の手摺の連結構造。
【請求項11】
前記胴部には該胴部を2つに分離するための分離部が設けられている請求項10に記載の手摺の連結構造。
【請求項12】
前記連結部材は、両端に係止部が形成された伸縮可能な弾性部材からなり、両エンドキャップ先端の円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させた状態で、両端が両エンドキャップの前記開口を通して両エンドキャップ内に挿入されると共に、両端の前記係止部が各エンドキャップ内にそれぞれ係止している請求項8に記載の手摺の連結構造。
【請求項13】
前記エンドキャップは、前記開口から内方に延びる筒状部を有しており、
前記連結部材は、両エンドキャップ先端の円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させた状態で、両エンドキャップの前記筒状部にまたがって挿通される胴部を有し、この胴部の両端に前記係止部が形成されると共に、該係止部は前記筒状部後端の貫通孔より突出して各エンドキャップ内にそれぞれ係止している請求項11に記載の手摺の連結構造。
【請求項14】
前記連結部材が、両エンドキャップの各開口内に両端をそれぞれ挿入して両エンドキャップを連結するダボである請求項8に記載の手摺の連結構造。
【請求項15】
所定の角度で連接した2本の手摺を連結する手摺の連結構造であって、各手摺の端部をエンドキャップ後端面に取り付け、かつ各エンドキャップ先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させると共に、
一方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には開口が、他方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には前記開口内に嵌入される突起がそれぞれ設けられていることを特徴とする手摺の連結構造。
【請求項16】
前記突起が、前記開口内に嵌入され該開口の内縁部に係合する係合突起である請求項14に記載の手摺の連結構造。
【請求項17】
前記エンドキャップは、後端面に手摺が取り付けられ、かつ前記円形の傾斜面から手摺と同軸方向に手摺取付用ねじを挿入するための通路が形成されており、該通路の底部に前記手摺取付用ねじが挿通する孔が形成されており、
前記円形の傾斜面から前記通路内に挿入されたねじは、頭部が通路底部の前記孔周縁に係止して、ねじ部が前記孔を挿通して手摺の端面に螺入される請求項7に記載の手摺の連接構造。
【請求項18】
前記エンドキャップにおける前記円形の傾斜面には開口が設けられ、該開口の内方に前記通路が形成されており、一方のエンドキャップにおける前記開口の外周部には他方のエンドキャップに設けた開口内に嵌入され該開口の縁部に係合する係合突起が設けられている請求項16に記載の手摺の連結構造。
【請求項19】
所定の角度で連接した2本の手摺を連結する手摺の連結構造であって、各手摺の端部をエンドキャップ後端面に取り付け、かつ各エンドキャップ先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させると共に、
一方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には係合突起が立設され、他方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には該円形の傾斜面と同心円状に延設された円弧状スライド溝とが形成されており、前記2本の手摺を所定角度に調整した状態で、前記係合突起の先端部が前記円弧状スライド溝の所定位置で該スライド溝内に挿入されスライド溝と係合していることを特徴する手摺の連結構造。
【請求項20】
前記他方のエンドキャップにおける前記円形の傾斜面には、前記係合突起を挿入するための挿入口と該挿入口から前記円形の傾斜面と同心円状に延設された円弧状スライド溝とが形成されており、前記係合突起は前記挿入口から他方のエンドキャップ内に挿入され、前記2本の手摺の角度調整に連動して前記円弧状スライド溝に沿ってスライドし、所定位置で該スライド溝と係合するように構成されている請求項18に記載の手摺の連結構造。
【請求項21】
前記係合突起は、先端が前記円形の傾斜面と略平行に折曲した略L字形、または鉤爪形の突起である請求項18または19に記載の手摺の連結構造。
【請求項22】
前記エンドキャップにおける前記円形の傾斜面に開口が設けられており、両エンドキャップはそれらの開口を介して前記連結部材によって所定の角度で一体に連結・固定されている請求項7に記載の手摺の連結構造。
【請求項23】
先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させて、所定の角度で連接される2本のエンドキャップのうち、少なくとも1つのエンドキャップへの手摺の取付け構造であって、
前記少なくとも1つのエンドキャップは、先端に前記円形の傾斜面を有するエンドキャップ本体と、前記手摺の外周面上に外装されこの手摺の外周面からエンドキャップ本体に向かって移動自在に構成され前記エンドキャップ本体と手摺とを接続する筒形の接続部とを備えたことを特徴とするエンドキャップへの手摺の取付け構造。
【請求項24】
先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させて、所定の角度で連接される2本のエンドキャップのうち、少なくとも1つのエンドキャップへの手摺の取付け構造であって、
前記少なくとも1つのエンドキャップは、先端に前記円形の傾斜面を有するエンドキャップ本体と、このエンドキャップ本体の後端面に配置され後端面に手摺を取り付けた手摺取付け部と、この手摺取付部の外周面から手摺外周面にわたって外装されかつ手摺取付け部の外周面からエンドキャップ本体に向かって移動自在に構成され前記エンドキャップ本体と手摺取付け部とを接続する筒形の接続部とを備えたことを特徴とするエンドキャップへの手摺の取付け構造。
【請求項25】
前記エンドキャップ本体は後端面に雌ねじ部が形成され、前記筒形の接続部の先端外周面には前記雌ねじ部と螺合する雄ねじ部が形成されており、この雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺合した状態で前記接続部の後端は前記手摺取付け部の外周面上に位置する請求項23に記載のエンドキャップへの手摺の取付け構造
【請求項26】
先端に設けられ手摺の軸心に対して傾斜した円形の傾斜面同士を互いに当接ないし近接対向させて、所定の角度で連接される2本のエンドキャップのうち、少なくとも1つのエンドキャップへの手摺の取付け構造であって、
前記少なくとも1つのエンドキャップは、先端に前記円形の傾斜面を有し後端にフランジ部を有するエンドキャップ本体と、このエンドキャップ本体の後端部外周面上にそれぞれ嵌着されて手摺先端部を収容する筒形となる断面が略半円形である一対の手摺取付け部とを備え、
この一対の略半円形接続部のうち、一方の接続部には前記フランジに係止する係止部が設けられ、他方の接続部は前記一方の接続部に手摺に向かって移動自在に接続されかつ手摺取付け用ねじ挿通孔が形成されていることを特徴とするエンドキャップへの手摺の取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2008−180067(P2008−180067A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153354(P2007−153354)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(500016280)中澤鋳造販売株式会社 (8)
【Fターム(参考)】