説明

手摺り用支柱の取付構造

【課題】階段の手摺りを支持するために、床面または踏み板から立設され、下端部が床面または踏み板に固定され、その上部が、一段上の踏み板の段鼻部に取付ネジで固定される支柱の取付構造において、見栄えと取付け作業性に優れるものを提供する。
【解決手段】階段Sの手摺りHを支持するために立設され、下端部が前記床面Fまたは階段Sの踏み板Pに固定され、その上部が、一段上の踏み板Pの段鼻部Nに取付ネジ15で固定される支柱の取付構造であって、支柱1は、前面壁に作業用開口部11を有する中空状の支柱本体部10と、前面壁の全体を表面が面一になるように覆って作業用開口部11を閉鎖する蓋部20とを備え、蓋部20は、支柱本体部10の後面壁12を踏み板Pの段鼻部Nに固定した後に、支柱本体部10に取付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階段の手摺りを支持するために、床面または踏み板から立設される支柱の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の階段には、一般に、手摺りが設けられている。また、周囲に壁面の存在しない、いわゆるオープン階段には、手摺りの他に、当該手摺りを支持するための支柱が、床面および階段の踏み板から立設されている。また、こうした支柱を、より強固に取付けるために、当該支柱の下端部を床面または踏み板に固定すると共に、その支柱のやや上部を一段上の踏み板に固定したものがある。
【0003】
従来、支柱60の下端部からやや上部を、一段上の踏み板Pに固定する手段として、図5に示すように、当該支柱60を中空状とし、その後面壁61に、取付ネジを踏み板Pの段鼻部Nに螺入するための孔部62を形成し、その孔部62に対向する前面壁63に、ドライバーを差し込むために前記孔部62よりやや大径の作業穴64を形成したものがある。そして、取付ネジで固定したのち、その作業穴64を、カバー65によって覆い隠し、支柱60が作業穴64によって見栄えが悪くなるのを防止している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3685135号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来技術では、作業穴64をカバー65で覆い隠して、見栄えの低下を防止しているものの、当該カバー65は支柱60からその肉厚分だけ部分的に突出しているため、見栄えの低下は否めない。
また、作業穴64は、取付ネジを螺入するための孔部62よりやや大径であるに過ぎないため、取付ネジを螺入する作業が行い難いといった問題もある。
【0005】
そこで、本発明の目的とするところは、階段の手摺りを支持するために、床面または踏み板から立設され、下端部が前記床面または踏み板に固定され、その上部が、一段上の踏み板の段鼻部に取付ネジで固定される支柱の取付構造において、きわめて見栄えに優れ、かつ、取付ネジの螺入作業を含めた取付け作業を容易に行うことのできるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、前面壁に作業用開口部を有する中空状の支柱本体部と、前記前面壁の全体を表面が面一になるように覆って前記作業用開口部を閉鎖する蓋部とを備え、
前記蓋部は、前記支柱本体部の後面壁を前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に前記支柱本体部に取付けられるものであることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記支柱本体部は、複数の部材から構成され、分離可能であることを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項3に記載の発明は、階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で、かつ4つの側面をそれぞれ有する4つのパーツに分離可能であり、
前記パーツの1つを前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に、前記パーツの残りを、前記踏み板に固定したパーツに組み付けるものであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で、かつ3つの側面を有する1つのパーツと他の1つの側面を有する1つのパーツに分離可能であり、
前記パーツの1つを前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に、前記パーツの残りを、前記踏み板に固定したパーツに組み付けるものであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で、かつ2つの側面を有する1つのパーツと他の2つの側面を有する1つのパーツに分離可能であり、
前記パーツの1つを前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に、前記パーツの残りを、前記踏み板に固定したパーツに組み付けるものであることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で、かつ2つの側面を有する1つのパーツと他の2つの側面をそれぞれ有する2つのパーツに分離可能であり、
前記パーツの1つを前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に、前記パーツの残りを、前記踏み板に固定したパーツに組み付けるものであることを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、前記パーツの裏面にはその裏面側に突出する係合部が形成されてなり、前記パーツの組み付け時には、隣接するパーツの係合部同士を係合させ、前記支柱の表面を面一にするようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に記載の手摺り用支柱の取付構造によれば、支柱本体部の後面壁を踏み板に固定した後に、蓋部で、支柱本体部の前面壁の全体を表面が面一になるように覆って作業用開口部を閉鎖するので、支柱の見栄えを良好に保つことができる。すなわち、支柱前面の全体を蓋部で形成するので、従来技術のように部分的に突出した部分が形成されず、よって見栄えに優れる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、支柱本体部は、複数の部材から構成され、分離可能であるので、様々な形状にすることができ汎用性が高い。
【0015】
特に、請求項3乃至6に記載の発明によれば、支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で複数の部材に分離可能である。より詳細には、請求項3に記載の発明では、支柱は、4つの側面をそれぞれ有する4つのパーツに分離可能であり、パーツの1つが踏み板に固定された後、残りが踏み板に固定したパーツに組み付けられるものであり、請求項4に記載の発明では、支柱は、3つの側面を有する1つのパーツと他の1つの側面を有する1つのパーツに分離可能であり、パーツの1つが踏み板に固定された後、残りが踏み板に固定したパーツに組み付けられるものであり、請求項5に記載の発明では、支柱は、2つの側面を有する1つのパーツと他の2つの側面を有する1つのパーツに分離可能であり、パーツの1つが踏み板に固定された後、残りが踏み板に固定したパーツに組み付けられるものであり、請求項6に記載の発明では、支柱は、2つの側面を有する1つのパーツと他の2つの側面をそれぞれ有する2つのパーツに分離可能であり、パーツの1つが踏み板に固定された後、残りが踏み板に固定したパーツに組み付けられるものである。
このように、支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で複数の部材に分離可能といったように、単純な形状で、しかもその分離は、支柱を構成する側面単位で分離可能であるので、取付けが容易で施工性に優れる。
【0016】
特に、請求項3に記載の発明によれば、支柱を4つの側面をそれぞれ有する4つのパーツに分離可能であるので梱包時の体積が小さくなる。
また、請求項3に記載の発明によれば、4つの側面のうち対面同士を同一形状のパーツだけで構成することができ、請求項5に記載の発明によれば、2つのパーツを同一形状のパーツで構成することができるので、数百万円/個する金型が一つで済み、在庫、販売管理が容易である。
【0017】
また、請求項7に記載の発明によれば、支柱は、パーツの裏面にはその裏面側に突出する係合部が形成されてなり、パーツの組み付け時には、隣接するパーツの係合部同士を係合させ、支柱の表面を面一にするようにしたので、突出部が外側に露出することがなく見栄えがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態に係る手摺り用支柱の取付構造について説明する。図1は手摺り用支柱の取付構造を示す側面図である。図2は、図1に示す手摺り用支柱の取付構造の要部を拡大して示した分解斜視図であり、図3は、その要部斜視図である。また、図4は、図3のA−A線断面図である。なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0019】
本発明の実施形態に係る手摺り用支柱の取付構造は、階段Sの手摺りHを支持するために、床面Fまたは踏み板Pから立設され、下端部が当該床面Fまたは階段Sの踏み板Pに、下受金具30を介して固定され、その下端部のやや上側が、一段上の踏み板Pの段鼻部Nの前面に取付ネジ15等の取付具で固定されるものであり、支柱1は、支柱本体部10と蓋部20を備える。また、この支柱1には、床面から立設する親柱1aと、踏み板Pから立設する子柱1bがある。なお、各子柱1bの前側に、副子柱(一段上の踏み板Pには固定しない子柱)1cを立設することもできる。また、段鼻部がない場合には、蹴込板などに、支柱1の下端部のやや上側を固定させることもできる。また、親柱,子柱という区別をなくして同じ太さの柱を使用することもできる。
【0020】
支柱本体部10は、その前面壁に作業用開口部11を有する中空状であり、蓋部20は、支柱本体部10の前面壁の全体を表面が面一になるように覆って作業用開口部11を閉鎖するものである。なお、本実施形態では、作業用開口部11を支柱本体部10の前面壁の中央部に全高さにわたって形成して、支柱本体部10を水平断面略コ字状としている。
また、蓋部20は、支柱本体部10の後面壁12を踏み板Pの段鼻部Nに取付ネジ15で固定した後に、支柱本体部10に取付けられるもので、長尺平板状である。後面壁12には、取付ネジ15を挿通するための挿通孔14を穿設している。
【0021】
また、蓋部20の後面(裏面)に第一凹凸部21を突設すると共に、支柱本体部10に第二凹凸部13を形成し、第一凹凸部21を第二凹凸部13に係合することによって、蓋部20を支柱本体部10に取付けるようにしている。
この第一凹凸部21は、蓋部20の後面における左右両側端部のそれぞれに全高さにわたって2つ形成している。また、第一凹凸部21の凹部22の開口を左右外側方向に向かって設けるように形成している。また、第二凹凸部13は、前面壁の作業用開口部11を形成した残存部である左右両側端部によって同様に2つ形成している。
【0022】
本実施形態に係る支柱の取付構造は、次のようにして形成される。
まず、床面Fおよび踏み板Pに固定した下受金具30に、支柱本体部10の下端部を差し込む。次に、支柱本体部10の後面壁12に穿設した挿通孔14から取付ネジ15を螺入して、支柱本体部10を一段上にある踏み板Pの段鼻部Nに固定する。続いて、蓋部20を、その第一凹凸部21を第二凹凸部13に係合して支柱本体部10の前面全体を覆うようにして取付け、同時に作業用開口部11を閉鎖する。そして、下受金具30の側面から取付ビス31を螺入して支柱本体部10の下端部を固定する。
【0023】
なお、蓋部20の支柱本体部10に対する取付けは、蓋部20を前方から押込んで、第一凹凸部21を第二凹凸部13に係合させて行うことができる。また、蓋部20を上方から押込み、第一凹凸部21を第二凹凸部13に係合させ、そのまま下方にスライドさせて行うこともできる。さらには、蓋部20を前方から押込んで、第一凹凸部21の下端部を第二凹凸部13の上端部に係合させた後、そのまま下方にスライドさせて行うこともできる。
【0024】
蓋部20の取付けが完了後、支柱1の上端部に柱部41を立設した上部金具40を被せて固定ビス43で固定することにより、支柱本体部10と蓋部20が分離しないようにし、固定ビス43の頭部を隠蔽するためのキャップ50を嵌め込む。なお、支柱本体部10には、固定ビス43を螺入するための組付け部16を、後面壁12から2つ縦方向に突設している。そして、キャップ50を嵌め込んだ後、手摺りHに形成した取付け孔部hに、柱部41の上端部を差し込んだ後、柱部41に斜めに穿設した固定孔部42から固定ネジ44を螺入して柱部41を手摺りHに固定する。
【0025】
このようにして取付けられた手摺り用支柱の取付構造は、支柱本体部10の後面壁12を踏み板Pの段鼻部Nに固定した後に、蓋部20で、支柱本体部10の前面壁の全体を覆って作業用開口部11を閉鎖するので、取付ネジ15が支柱1に内包され、支柱1の前面全体が平面的であり、よって支柱1の見栄えが向上する。
また、作業用開口部11を前面壁の中央部に全高さにわたって形成しているので、作業用開口部11を大きく設定することができ、支柱本体部10の後面壁12を取付ネジ15で段鼻部Nに固定する作業を容易なものとすることができる。
【0026】
また、蓋部20の裏面に形成した第一凹凸部21を、支柱本体部10に形成した第二凹凸部13に係合することによって、当該蓋部20を支柱本体部10に取付けるので、取付け作業が容易である。
さらに、第一凹凸部21を蓋部20の後面側にて左右両側端部の2箇所に全高さにわたって設け、第二凹凸部13をそれに対応して2箇所に設けたので、蓋部20を支柱本体部10に強固に取付けることができる。またさらに、第一凹凸部21を、左右外側方向に向かって開口する凹部22によって形成し、第二凹凸部13を支柱本体部10の前面壁の左右両側端部で形成したので両者を容易に係合させることができ、よって、蓋部20を支柱本体部10に容易に取付けることができる。
【0027】
なお、第一凹凸部21および第二凹凸部13の形状は、上記した形状に限定されず、凹部と凸部が係合する形状であれば良い。また、その数も2つに限定されず、1つあるいは3つ以上でも良い。
【0028】
また、本発明の実施形態に記載した支柱本体部10及びその蓋部20からなる支柱1としては様々な形状のものが考えられるので、水平断面が矩形状のものに限定されるものではない。
例えば、水平断面が前面壁に開口部を有する略C字形(楕円状で前面に開口部を有するものも含まれる)で、その前面壁の全体を蓋部で表面が面一になるように覆うものや、水平断面が前面壁に開口部を有する略台形で、その前面壁の全体を蓋部で表面が面一になるように覆うものなど、踏み板に固定される支柱本体部の前面壁を蓋部で表面を面一になるように覆う形状のものであれば適用可能である。
【0029】
また、図6(a),(b),(c),(d)や図7に示すように、支柱本体部を複数の部材に分離可能とすることもできる。
図6(a)に示すものは、支柱を水平断面矩形状の中空状角材で構成し、4つの側面をそれぞれ有する4つのパーツ(第1パーツ)71,(第2パーツ)72,(第3パーツ)73,(第4パーツ)74に分離可能としたものである。この場合、第1パーツ71が、図4で記載した支柱本体部10の後面壁12に相当するものであり、取付ネジ15を介して踏み板Pに固定されるようになっている。そして、第1パーツ71の両端に第2パーツ72の一端と第4パーツ74の一端が組み付けられ、第2パーツ72の他端と第4パーツ74の他端に第3パーツ73が組み付けられるようになっている。第2パーツ72と第4パーツ74の内側(裏面)には、支柱1の上端部に柱部41を立設した上部金具40を固定する固定ビス43を螺入するための組付け部75がそれぞれ縦方向に突設している。また、第2パーツ72と第4パーツ74の内側には第一凹凸部76を突設すると共に、第1パーツ71の両端内側(裏面)と第3パーツ73の両端内側(裏面)にはそれぞれ第二凹凸部77を形成し、隣接する第一凹凸部76と第二凹凸部77を係合することによって、隣接する各パーツ71〜74が表面を面一にするようにして組み付けられるようになっている。
【0030】
また、図6(b)に示すように、第一凹凸部76を第1パーツ71と第3パーツ73の内側(裏面)に設けるとともに、第二凹凸部77を第2パーツ72と第4パーツ74の両端内側(裏面)に設け、隣接する第一凹凸部76と第二凹凸部77を係合することによって、隣接する各パーツ71〜74が表面を面一にするようにして組み付けられるようにしてもよい。なお、第1パーツ71と第2パーツ72と第4パーツ74を一体成形した1つのパーツとし、残りのパーツ、すなわち第3パーツ73を蓋部として前記一体成形された1つのパーツに組み付けるようにすることもできる。この態様の場合で、第一凹凸部76と第二凹凸部77を取り除き、2つの組付け部75を第1パーツ71の内側に取り付けたものが、図4に示す支柱1に相当する。
【0031】
さらに、図6(c)に示すように、2つの側面を有する1つのパーツ(第1パーツ)81と他の2つの側面を有する1つのパーツ(第2パーツ)82に分離可能にすることもできる。この態様の場合、図6(a),(b)で示した第1パーツ71と第4パーツ74が一体成形されたものが、第1パーツ81に相当し、第2パーツ72と第3パーツ73が一体成形されたものが、第2パーツ82に相当する。第1パーツ81と第2パーツ82の内側には、支柱1の上端部に柱部41を立設した上部金具40を固定する固定ビス43を螺入するための組付け部83がそれぞれ縦方向に突設している。また、第1パーツ81の一端内側(裏面)には第一凹凸部84を、他端内側(裏面)には第二凹凸部85を突設すると共に、第2パーツ82の一端内側(裏面)には第二凹凸部85を、他端内側(裏面)には第一凹凸部84を突設して、隣接する第一凹凸部84と第二凹凸部85を係合することによって、隣接する各パーツ81,82が表面を面一にするようにして組み付けられるようになっている。
また、図6(d)に示すように、組付け部83の側面を第二凹凸部85に接するように設け、安定化を図るようにすることもできる。
【0032】
さらには、図6(c),図6(d)に示した第1パーツ81側だけをそれぞれが側面を有する2つのパーツに分離させたり、あるいは、第2パーツ82側だけをそれぞれが側面を有する2つのパーツに分離させたりして、支柱1の側面全体を3つのパーツで構成するようしてもよい。
【0033】
また、図7に示すように、対面同士で同一形状の第1パーツ71と第2パーツ73と、残り2つの側面を有する第3パーツ91に分離可能な構成にしてもよい。第3パーツ91は、図6(b)で示した第2パーツ72と第4パーツ74を連結片93で結合したものであり、その連結片93に、支柱1の上端部に柱部41を立設した上部金具40を固定する固定ビス43を螺入するための組付け部92が2つ縦方向に突設したものである。
【0034】
このように、支柱1は、水平断面矩形状の中空状角材で複数の部材に分離可能といったように、単純な形状で、しかもその分離は、支柱1を構成する側面単位で分離可能にしたので、取付けが容易で施工性に優れるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る手摺り用支柱の取付構造を示す側面図である。
【図2】図1に示す手摺り用支柱の取付構造の分解斜視図である。
【図3】図1に示す手摺り用支柱の取付構造の要部斜視図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】従来例に係る手摺り用支柱の取付構造を示す要部斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る別の手摺り用支柱の取付構造の要部を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る別の手摺り用支柱の取付構造の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 支柱
1a 親柱
1b 子柱
1c 副子柱
10 支柱本体部
11 作業用開口部
12 後面壁
13 第二凹凸部
14 挿通孔
15 取付ネジ
16 組付け部
20 蓋部
21 第一凹凸部
22 凹部
30 下受金具
31 取付ビス
40 上部金具
41 柱部
42 固定孔部
43 固定ビス
44 固定ネジ
50 キャップ
60 支柱
61 後面壁
62 孔部
63 前面壁
64 作業穴
65 カバー
71 第1パーツ
72 第2パーツ
73 第3パーツ
74 第4パーツ
75 組付け部
76 第一凹凸部
77 第二凹凸部
81 第1パーツ
82 第2パーツ
83 組付け部
84 第一凹凸部
85 第二凹凸部
91 第3パーツ
92 組付け部
93 連結片
F 床面
H 手摺り
h 取付け孔部
N 段鼻部
P 踏み板
S 階段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、前面壁に作業用開口部を有する中空状の支柱本体部と、前記前面壁の全体を表面が面一になるように覆って前記作業用開口部を閉鎖する蓋部とを備え、
前記蓋部は、前記支柱本体部の後面壁を前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に前記支柱本体部に取付けられるものであることを特徴とする手摺り用支柱の取付構造。
【請求項2】
前記支柱本体部は、複数の部材から構成され、分離可能であることを特徴とする請求項1に記載の手摺り用支柱の取付構造。
【請求項3】
階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で、かつ4つの側面をそれぞれ有する4つのパーツに分離可能であり、
前記パーツの1つを前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に、前記パーツの残りを、前記踏み板に固定したパーツに組み付けるものであることを特徴とする手摺り用支柱の取付構造。
【請求項4】
階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で、かつ3つの側面を有する1つのパーツと他の1つの側面を有する1つのパーツに分離可能であり、
前記パーツの1つを前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に、前記パーツの残りを、前記踏み板に固定したパーツに組み付けるものであることを特徴とする手摺り用支柱の取付構造。
【請求項5】
階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で、かつ2つの側面を有する1つのパーツと他の2つの側面を有する1つのパーツに分離可能であり、
前記パーツの1つを前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に、前記パーツの残りを、前記踏み板に固定したパーツに組み付けるものであることを特徴とする手摺り用支柱の取付構造。
【請求項6】
階段の手摺りを支持するために立設され、下端部が床面または階段の踏み板に固定され、その下端部の上側が、一段上の踏み板に取付具で固定される支柱の取付構造であって、
前記支柱は、水平断面矩形状の中空状角材で、かつ2つの側面を有する1つのパーツと他の2つの側面をそれぞれ有する2つのパーツに分離可能であり、
前記パーツの1つを前記取付具を介して前記踏み板に固定した後に、前記パーツの残りを、前記踏み板に固定したパーツに組み付けるものであることを特徴とする手摺り用支柱の取付構造。
【請求項7】
前記パーツの裏面にはその裏面側に突出する係合部が形成されてなり、前記パーツの組み付け時には、隣接するパーツの係合部同士を係合させ、前記支柱の表面を面一にするようにしたことを特徴とする手摺り用支柱の取付構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−217956(P2007−217956A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39710(P2006−39710)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000145437)株式会社ウッドワン (70)
【Fターム(参考)】