手摺取付用施工治具及び手摺取付装置
【課題】本発明は、収容部に手摺の端部を収容した際のその手摺の端面の配設位置に基いて距離を測定する場合に容易に且つ正確に測定できるようにする手摺取付用施工治具及び手摺取付装置の提供を目的とする。
【解決手段】手摺取付用施工治具は、手摺ブラケット1に設けられた固定具挿入用孔32に嵌挿されるブラケット取付部としての嵌挿部8と、嵌挿部8によって手摺ブラケット1に取付けられた状態で、手摺ブラケット1に設けられた収容部31の端面当接部31aと対応する位置に、メジャーの端部に設けられた係止片を引っ掛け得る引掛部73とを備えている。
【解決手段】手摺取付用施工治具は、手摺ブラケット1に設けられた固定具挿入用孔32に嵌挿されるブラケット取付部としての嵌挿部8と、嵌挿部8によって手摺ブラケット1に取付けられた状態で、手摺ブラケット1に設けられた収容部31の端面当接部31aと対応する位置に、メジャーの端部に設けられた係止片を引っ掛け得る引掛部73とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状の手摺の端部を収容する収容部を有する手摺ブラケットを用いて手摺を建材部に取り付ける際に使用する手摺取付用施工治具及び手摺取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状の手摺を建材部に取り付けるための手摺取付装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。このものは、手摺ブラケットを備え、又、手摺ブラケットは、ブラケット本体と手摺の端部を収容する収容部(嵌合部)を有する手摺保持部とを備えたものである。
【0003】
このような手摺ブラケットを用いて手摺を、建材部としての壁面100(図11参照)に装着する場合は、次のようにして行う。まず、図13に示すように手摺ブラケット101〜103を、壁面100における所定距離だけ離れた少なくとも2箇所に仮取り付けする(この図13では、3箇所に仮取り付けした場合を図示)。そして、それらの隣接する手摺ブラケット101〜103同士における収容部104に手摺110の端部111を収容した際にその手摺110の端部111の端面111aが配設されることになる手摺端面配設位置同士の距離L10、L11をメジャーで測定する。次いで、その測定値に基いて、手摺110をカットし2つの手摺ブラケットに適合した長さになるようにしておく。その後、手摺ブラケット101〜103を一旦、壁面100から外す。そして、壁面100の化粧を終える等した後、手摺ブラケット101〜103夫々の収容部104に手摺110の端部111を収容し固定ボルト等の固定具によって固定的に保持させるようにして、壁面100に手摺ブラケット101〜103夫々を取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−220559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、手摺端面配設位置が収容部104の内部にある。そのため、隣接する手摺ブラケット101〜103に収容した際の手摺端面配設位置同士の距離L10、L11をメジャーで測定する場合、手摺端面配設位置にメジャーの端部を宛がい難く、メジャーでの測定が容易でない。又、一方の手摺ブラケットにおける手摺端面配設位置にメジャーの端部を宛がって他方の手摺ブラケットにおける手摺端面配設位置までの距離を測定しなければならず、1人の作業者が行うのは難しく、そのため、現状では、2人以上の作業者で行われている。
【0006】
本発明は、収容部に手摺の端部を収容した際のその手摺の端面の配設位置に基いて距離を測定する場合に容易に且つ正確に測定できるようにする手摺取付用施工治具及び手摺取付装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットにおける前記収容部に前記手摺の端部を収容するようにして建材部に前記手摺を取り付ける際に用いる手摺取付用施工治具であって、前記手摺ブラケットに、着脱自在に取付けられるブラケット取付部と、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記収容部に前記手摺の端部を収容した際に前記手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に、メジャーの端部に設けられた係止片を引っ掛け得る引掛部とを備えていることを特徴とする手摺取付用施工治具を提供する。
【0008】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部を備え、前記収容部は、前記手摺保持部の端部に凹設されているとともに、その内部に、前記手摺の端部の端面と当接する端面当接部を備え、前記手摺端面配設位置は、前記端面当接部の位置とされ、前記引掛部は、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記端面当接部に対応した位置に配設される構成にできる。
【0009】
前記手摺ブラケットは、前記手摺ブラケットの外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔を備え、前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えている構成にできる。
【0010】
前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記手摺ブラケットに対する回動を規制する回動規制部を、さらに備えている構成にできる。
【0011】
又、本発明は、上述の何れかの手摺取付用施工治具と、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットとを備えていることを特徴とする手摺取付装置を提供する。
【0012】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部と、前記手摺保持部の外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔とを備え、前記固定具挿入用孔は、前記手摺保持部にその周方向に沿って複数、配設され、前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えている構成にできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えば使用する2つの手摺ブラケット夫々に、予め本発明の手摺取付用施工治具をブラケット取付部によって取り付けておく。その際、引掛部が手摺の端部を収容部に収容した際に手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に配設されているため、それらの2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離が2つの手摺ブラケットの手摺端面配設位置同士の距離と同じになっている。
【0014】
従って、2つの手摺ブラケットに取付けた何れか一方の手摺取付用施工治具の引掛部にメジャーの係止片を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具の引掛部までの距離を測定すれば、2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を測定でき、測定作業を容易に行うことができる。
【0015】
又、メジャーの係止片を引掛部に引っ掛けることができ、1人の作業で測定することも可能になる。従って、手摺を壁面に取り付ける作業を1人で行い得るものにできる。
【0016】
又、施工の際に、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに着脱自在に取付けることができるため、手摺ブラケットに引掛部等を設けなくてもよいものにできる。従って、既存の手摺ブラケットに取付けて引掛部を形成でき、手摺を、それらの手摺ブラケットの位置に適合した長さに容易に且つ正確に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は、本発明の第1実施形態の手摺取付装置の手摺ブラケットの正面図、(b)は、(a)の手摺ブラケットの右側面図、(c)は、(a)の手摺ブラケットの背面図、(d)は、(a)の手摺ブラケットの平面図である。
【図2】図1の第1実施形態における手摺ブラケットの分解斜視図である。
【図3】(a)は、第1実施形態における手摺ブラケットの第1手摺保持部(第2手摺保持部)の正面図、(b)は、(a)の第1手摺保持部(第2手摺保持部)の右側面図、(c)は、(a)の第1手摺保持部(第2手摺保持部)の背面図、(d)は、(a)の第1手摺保持部(第2手摺保持部)の平面図、(e)は、(a)のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の手摺取付装置の手摺取付用施工治具の斜視図である。
【図5】(a)は、第1実施形態における手摺取付用施工治具の正面図、(b)は、(a)の手摺取付用施工治具の左側面図、(c)は、(a)の手摺取付用施工治具の背面図、(d)は、(a)の手摺取付用施工治具の平面図、(e)は、(a)の手摺取付用施工治具の底面図である。
【図6】手摺取付用施工治具を第1手摺保持部(第2手摺保持部)に取り付ける際の断面図である。
【図7】手摺取付用施工治具を第1手摺保持部(第2手摺保持部)に取り付けた状態の断面図である。
【図8】(a)は、本発明の第2実施形態の手摺取付装置の手摺ブラケットの正面図、(b)は、(a)の手摺ブラケットの右側面図、(c)は、(a)の手摺ブラケットの左側面図、(d)は、(a)の手摺ブラケットの背面図、(e)は、(a)の手摺ブラケットの平面図である。
【図9】(a)は、本発明の第3実施形態の手摺取付装置の手摺ブラケットの正面図、(b)は、(a)の手摺ブラケットの右側面図、(c)は、(a)の手摺ブラケットの左側面図、(d)は、(a)の手摺ブラケットの平面図、(e)は、(a)の手摺ブラケットの底面図である。
【図10】第1実施形態の手摺ブラケットの端面当接部同士間の距離を測定する際の説明図に係り、(a)は、その正面図、(b)は、その要部の平面図である。
【図11】本発明の第1実施形態〜第3実施形態の手摺取付装置夫々の手摺ブラケットを、手摺と共に壁面に取り付けた状態の説明図である。
【図12】第1実施形態の手摺ブラケットと第2実施形態の手摺ブラケットとの端面当接部同士間の距離、及び第2実施形態の手摺ブラケットと第3実施形態の手摺ブラケットとの端面当接部同士間の距離を測定する際の説明図である。
【図13】従来例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1、図2は、本発明の第1実施形態の手摺取付装置の手摺ブラケットの説明図、図3は、図1の手摺ブラケットの第1手摺保持部(第2手摺保持部)の説明図である。又、図4、図5は、本発明の第1実施形態の手摺取付装置の手摺取付用施工治具の説明図である。
【0019】
第1実施形態の手摺取付装置は、図1及び図2に示す手摺ブラケット1と、図4及び図5に示す手摺取付用施工治具6とを備えている。
【0020】
この手摺ブラケット1は、棒状の手摺110(図11に図示)を、建材部としての壁面100に取り付けるためのものである。この第1実施形態の手摺ブラケット1は、壁面100(図11に図示)における所定角度(この実施形態では、略90°)をなした入墨部に用いる入墨コーナー用のものである。
【0021】
この手摺ブラケット1は、図1、図2に示すようにブラケット本体2と、手摺110の端部111を収容する収容部31を有する一対の手摺保持部3a、3bとを備えている。
【0022】
上記ブラケット本体2は、ベース部4と、ベース部4の上方側に配設された支持部5とを備えている。
【0023】
ベース部4は、前面に開口41aを有する筒状部41と、筒状部41に着脱自在に取り付けられて開口41aを覆ったカバー42とを備えている。筒状部41は、後面側に、壁面100の入墨部に固定される壁面固定部43を備えている。
【0024】
この壁面固定部43は、開口41aから、図示しない取付用ボルト等を介して壁面100に固定されるようになっている。
【0025】
支持部5は、円筒状のものから構成され、その軸方向が湾曲状に形成されている。又、その軸方向の両端夫々に、手摺保持部3a、3bと連結された円弧面51aを有する第1連結部51が設けられている。
【0026】
この実施形態では、支持部5は、図2に示すように下連結片52と、上連結片53とから構成されている。下連結片52は、ベース部4と一体に形成されている。上連結片53は、下連結片52に上方側から合わされ、その状態で、上連結片53に設けられたボルト挿通孔(図示せず)にベース部4から通された係止ボルト54を介して係止されるようになっている。
【0027】
手摺保持部は、上記支持部5の第1連結部51夫々と連結された同一構成を採る第1手摺保持部3aと第2手摺保持部3bとの2つから構成されている。以下、第1手摺保持部3aについて説明し、第2手摺保持部3bの説明を省略する。
【0028】
第1手摺保持部3aは、図3に示すように先端側に、手摺110の端部111(図3(e)中に2点鎖線で示す)を全周に渡って覆い隠すようにして収容する収容部31と、固定具挿入用孔32とを備えている。
【0029】
この収容部31は、第1手摺保持部3aの先端面30から所定の深さで、手摺110の端部111とほぼ同形状の円柱状に凹設されている。
【0030】
又、この収容部31の奥部には、手摺110の端部111の端面111aが当接して端面111aが配設される手摺端面配設位置となる端面当接部31aが設けられている。
【0031】
固定具挿入用孔32は、収容部31に収容した手摺110の端部111を固定するための固定具が挿入される。この実施形態では、固定具挿入用孔32は、第1手摺保持部3aの周方向に180°隔てた上部と下部との2箇所に設けられた同一構成を採る2つから構成されている。各固定具挿入用孔32は、第1手摺保持部3aの外周面から収容部31に貫通するように形成されている。
【0032】
又、この実施形態では、各固定具挿入用孔32は、外周面から収容部31側に行くに従い漸次径小になるテーパー状のものとされている。尚、固定具挿入用孔32に通す固定具は、図示しないが、この実施形態では、固定ボルトから構成されている。
【0033】
又、第1手摺保持部3aは、基端側に、支持部5の第1連結部51と連結軸36a(図2に図示)を介して連結された第2連結部36を備えている。この第2連結部36は、第1連結部51の円弧面51aを摺動する円弧面36bと、円弧面36bに形成され連結軸36aを移動可能に嵌挿した長孔36cとを備えている。
【0034】
そして、この第2連結部36は、図2に示すように長孔36cに嵌挿した連結軸36aが支持部5の第1連結部51に設けられた嵌挿孔51bに嵌挿されることにより支持部5の第1連結部51と連結軸36aを介して連結される。
【0035】
又、この状態で、長孔36b内を連結軸36aが相対移動するに際して、第1手摺保持部3aの円弧面36bが支持部5の円弧面51aを摺動する。そして、その摺動に際して第1手摺保持部3aの先端側の収容部31が、ブラケット本体2の支持部5に対して上下方向に回動可能(収容した手摺110の角度調整可能)とされている。
【0036】
次に、手摺取付用施工治具6について、説明する。本発明の手摺取付用施工治具6は、図4、図5に示すように施工治具本体7と、施工治具本体7を手摺ブラケット1に着脱自在に取り付けるブラケット取付部としての嵌挿片8とを備えている。
【0037】
施工治具本体7は、四角柱状の柱状部71と、柱状部71の長手方向の一端側に一体的に設けられた回動規制部72と、柱状部71の長手方向の他端側に一体的に設けられた引掛部73とを備えている。
【0038】
回動規制部72は、嵌挿片8によって手摺ブラケット1に取り付けられた状態の施工治具本体7が手摺ブラケット1に対して回動するのを規制するものである。この実施形態の回動規制部72は、柱状部71から、図の下方側に突出するように形成されている。又、回動規制部72は、施工治具本体7が手摺ブラケット1の手摺保持部3a、3bに取り付けられるに際して手摺保持部3a、3bの先端面30(図1、図2参照)に当接する当止部72aを備えている。
【0039】
引掛部73は、メジャーMの端部に設けられた係止片M1(図10に図示)が引っ掛けられる部分で、この実施形態では、柱状部71から、上記回動規制部72とは反対側の図の上方側に突出されているとともに、当止部72aと平行に形成されている。又、この実施形態では、引掛部73から当止部72a間での距離は、手摺保持部3a、3bの先端面30から端面当接部31aまでの距離と同じに設定されている。
【0040】
尚、この実施形態では、施工治具本体7の長さが19.5mm程度、引掛部73の幅が12mm程度、引掛部73の高さが8mm程度に設定されている。
【0041】
嵌挿片8は、円柱状の軸部81と、軸部81の先端に設けられた係止突片82とを備えている。軸部81は、その外径が上記手摺保持部3a、3bの固定具挿入用孔32の内径と略同程に設定され、固定具挿入用孔32に嵌挿されるようになっている。
【0042】
係止突片82は、軸部81の外周方向に突設されており、固定具挿入用孔32に通されて手摺保持部3a、3bの収容部31の内周壁における固定具挿入用孔32の周縁に係止できるようになっている。
【0043】
このように構成された手摺取付用施工治具6は、例えば手摺ブラケット1の第1手摺保持部3aに、次のようにして取付けられる。図6に示すように、手摺取付用施工治具6の回動規制部72が第1手摺保持部3aの先端側に位置するようにして、嵌挿片8を固定具挿入用孔32に押し入れる。
【0044】
これにより、嵌挿片8の係止突片82が弾性変形するとともに、固定具挿入用孔32が押し広げられて係止突片82が第1手摺保持部3aの収容部31に入り込む。係止突片82が収容部31に入り込むと、図7に示すように係止突片82及び固定具挿入用孔32の周縁夫々が弾性力により復元し、係止突片82は、第1手摺保持部3aの収容部31の内周壁における固定具挿入用孔32の周縁に係止する。
【0045】
又、この状態で、当止部72aが第1手摺保持部3aの先端面30に当接し、手摺取付用施工治具6の第1手摺保持部3aに対する回動が規制される。
【0046】
又、この状態で、引掛部73は、第1手摺保持部3aの軸方向(X−X方向)に対して垂直な垂直面となっているとともに、端面当接部31aに対応する位置に配置されている。即ち、引掛部73と端面当接部31aとの両者の軸方向の位置が同じ位置(互いの軸方向の距離が0)とされている。
【0047】
尚、引掛部73と収容部31の端面当接部31aとの軸方向の位置は、全く同じ位置のものに限らず、若干の違い(例えば互いの軸方向の距離が1mm以内)があるものでもよい。従って、手摺取付用施工治具6が温度による膨張や収縮に伴って寸法誤差を生じることを考慮し、引掛部73と端面当接部31aとの軸方向の位置を予め若干異なるように設定しておいても良い。
【0048】
手摺取付用施工治具6を、第2手摺保持部3bに取り付ける場合も、同様にして取り付けることができる。
【0049】
以上のように構成されたこの実施形態の手摺ブラケット1の壁面100への装着方法について説明する。
【0050】
この実施形態の手摺ブラケット1は、例えば図11に示すように手摺110を保持した状態で壁面100における入墨部に取り付けられるが、その装着に際して、まず、図10(a)に示すように手摺ブラケット1だけが壁面100の入墨部に仮取り付けされる。
【0051】
又、この手摺ブラケット1の入墨部への仮取り付けに際し、予め、図10に示すように、2つの手摺ブラケット1の対向する第1手摺保持部3aと第2手摺保持部3bとの夫々に、上述のようにして手摺取付用施工治具6を取り付けておく。
【0052】
ただし、手摺取付用施工治具6は、手摺ブラケット1を壁面100に取り付けた後に、手摺ブラケット1に取り付けることもでき、適宜変更できる。
【0053】
そして、いずれか一方の手摺取付用施工治具6の引掛部73に、メジャーMの係止片M1を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具6の引掛部73までの距離L1を測定する。尚、図10では、第1手摺保持部3aの引掛部73にメジャーMの係止片M1を引っ掛けた場合を示している。
【0054】
その際、夫々の引掛部73と収容部31の端面当接部31aとの軸方向の位置が同位置(互いの軸方向の距離が0)に設定されているため、引掛部73同士間の距離と端面当接部31a同士間の距離が同じになる。従って、端面当接部31a同士間の距離の測定を、引掛部73同士間の距離を測定することにより行うことができ、容易に且つ正確に測定できる。
【0055】
しかも、メジャーMの係止片M1を引掛部73に引っ掛けることができるため、1人で測定することもでき、より簡単に測定できる。
【0056】
そして、測定した距離L1に基いて、手摺110の端部をカットとして手摺110を長さ調整する。その後、壁面100から2つの手摺ブラケット1を一旦、取り外し、手摺ブラケット1夫々のブラケット本体2から第1及び第2手摺保持部3a、3bを外す。
【0057】
又、第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々から手摺取付用施工治具6を外す。その際、手摺取付用施工治具6を第1及び第2手摺保持部3a、3bに取り付けた状態では、図7に示すように第1手摺保持部3a及び第2手摺保持部3b夫々の収容部31に手摺取付用施工治具6の嵌挿片8の係止突片82及び回動規制部72が突出している。従って、その状態で、手摺110の端部111を第1手摺保持部3a及び第2手摺保持部3b夫々の収容部31に入れようとしても手摺取付用施工治具6が邪魔になって収容できない。よって、第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々から手摺取付用施工治具6を外すように作業者に仕向けることができ、第1及び第2手摺保持部3a、3bに手摺取付用施工治具6を取り付けたまま放置されるようなことを防止できる。
【0058】
尚、手摺取付用施工治具6を第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々から外す際は、当止部72aを第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々の外周側に押圧する。これにより、嵌挿片8の係止突片82を固定具挿入用孔32から抜くことができ、手摺取付用施工治具6を第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々から容易に外すことができる。
【0059】
そして、第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々の収容部31に、手摺110の端部111を収容する。その後、第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々の固定具挿入用孔32に、図示しない固定具としての固定ボルトを挿入して第1及び第2手摺保持部3a、3bと手摺110の端部111との両者を固定的に連結する。
【0060】
そして、壁面100の化粧仕上げ等が終了した後、手摺ブラケット1夫々のブラケット本体2を壁面100に取付けるとともに、手摺110と連結させた第1及び第2手摺保持部3a、3bを、ブラケット本体2にセットする。これにより、図11に示すように手摺ブラケット1を用いて手摺110を壁面100に装着できる。
【0061】
次に、第2実施形態の手摺取付装置について説明する。第2実施形態の手摺取付装置は、先の第1実施形態のものと同様に、図8に示す手摺ブラケット200と、手摺取付用施工治具6とを備えている。手摺取付用施工治具6は、図4、図5に示す第1実施形態のものと同構成を採っている。
【0062】
第2実施形態の手摺ブラケット200は、例えば図11に示すように平面状の壁面100で手摺110を角度調整可能に保持する平面コーナー用のものとされている。
【0063】
この第2実施形態のものは、図8に示すように、先の第1実施形態のものと同様に、ブラケット本体202と、第1手摺保持部203a及び第2手摺保持部203bを有する手摺保持部とを備えている。又、ブラケット本体202は、ベース部204と、支持部205とを備えている。ベース部204は、先の第1実施形態のものと略同構成を採っている。
【0064】
支持部205は、軸方向の一端側(図8(a)の右端側)に、先の第1実施形態のものと同構成を採る第1連結部251aを備えているが、その他端側(図8(a)の左端側)は、後述するように第2手摺保持部203bと一体的に形成されている。
【0065】
第1手摺保持部203aは、先の第1実施形態のものと同構成を採っており、収容部231を備えているとともに、外周面から収容部231に貫通するように形成された固定具挿入用孔232を備えている。
【0066】
第2手摺保持部203bは、支持部205と一体的に形成された円筒状のものから構成されており、円柱状の収容部231を備えている。又、収容部231は、板状体230aによって支持部205と区画されており、この板状体230aの側面が端面当接部231aをなしている。
【0067】
又、第2手摺保持部203bは、その外周面から収容部231に貫通した固定具挿入用孔232を2つ、備えている。尚、これらの固定具挿入用孔232も、互いに周方向に180°隔てた位置に配設されている(図8では、1つだけが表れている)。
【0068】
尚、第1手摺保持部203aと第2手摺保持部203bとの支持部205に対する位置は、上記のように第1手摺保持部203aを支持部205の一端側に、第2手摺保持部203bを支持部205の他端側に配設する形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば図12に示すように第2手摺保持部203bを支持部205の一端側に、第1手摺保持部203aを支持部205の他端側に、夫々配設してもよい。
【0069】
このように構成された第2実施形態の手摺ブラケット200は、例えば図12に示すように先の第1実施形態の入墨コーナー用の手摺ブラケット1等と共に用いられる。そして、先の第1実施形態の手摺ブラケット1と同様に、手摺ブラケット1、200が手摺110を保持していない状態で壁面100に仮取り付けされる。
【0070】
又、この仮取り付けに際し、予め、図12に示すように、2つの手摺ブラケット1,200の対向する第1手摺保持部3a、203aの夫々に、先の第1実施形態の場合と同様に手摺取付用施工治具6を取り付けておく。
【0071】
そして、図12に示すように、2つの第1手摺保持部3a、203aのいずれか一方の手摺取付用施工治具6の引掛部73に、メジャーMの係止片M1を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具6の引掛部73までの距離L2を測定する。
【0072】
この場合においても、夫々の引掛部73と収容部31、231の端面当接部31a、231aとの軸方向の位置がほぼ同位置(互いの軸方向の距離が0)に設定されているため、引掛部73同士間の距離と端面当接部31a、231a同士間の距離とが等しくなっている。従って、端面当接部31a、231a同士間の距離の測定を、引掛部73同士間の距離を測定することにより行うことができ、容易に且つ正確に測定できる。
【0073】
しかも、メジャーMの係止片M1を引掛部73に引っ掛けることができるため、1人で測定することもでき、より簡単に測定できる。
【0074】
そして、測定した距離L2に基いて、手摺110の端部をカットとして長さ調整する。
以降、先の第1実施形態で説明したと同様である。
【0075】
尚、第2実施形態の手摺ブラケット200の第2手摺保持部203bに取付けた手摺取付用施工治具6を用いて行う測定については、後述の第3実施形態の手摺ブラケット300のところで説明する。
【0076】
次に、第3実施形態の手摺ブラケット300について説明する。第3実施形態の手摺ブラケット300は、エンド用のものとされており、図9に示す手摺ブラケット300と、手摺取付用施工治具6とを備えている。手摺取付用施工治具6は、図4、図5に示す第1実施形態のものと同構成を採っている。
【0077】
手摺ブラケット300は、図9に示すように、先の第1実施形態のものと同様に、ブラケット本体302と、手摺保持部303とを備えている。ブラケット本体302は、ベース部304と、ベース部304と一体に形成された支持部305とを備えている。
【0078】
第3実施形態の手摺保持部303は、1つから構成されている。手摺保持部303は、先の第2実施形態の第2手摺保持部203bと略同構成のものからなる。
【0079】
詳しくは、手摺保持部303は、先の第2実施形態の第2手摺保持部203bと同様に、端面当接部331aを有する収容部331を備えているとともに、外周面から収容部331に貫通するように形成された固定具挿入用孔332を備えている。
【0080】
このように構成された第3実施形態の手摺ブラケット300は、例えば図12に示すように先の第2実施形態の平面コーナー用の手摺ブラケット200等と共に用いられる。そして、先の第1実施形態や第2実施形態の場合と同様に、図12に示すように手摺110を保持していない状態で手摺ブラケット200、300だけが壁面100(図11参照)に仮取り付けされる。
【0081】
又、この仮取り付けに際し、予め、図12に示すように、2つの手摺ブラケット200、300の夫々に、先の第1実施形態の場合と同様に手摺取付用施工治具6を取り付けておく。
【0082】
そして、図12に示すように、いずれか一方の手摺取付用施工治具6の引掛部73に、メジャーMの係止片M1を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具6の引掛部73までの距離L3を測定する。
【0083】
この場合においても、夫々の引掛部73と収容部231、331の端面当接部231a、331aとの軸方向の位置が同位置に設定されているため、引掛部73同士間の距離と端面当接部231a、331a同士間の距離とが等しくなっている。従って、端面当接部231a、331a同士間の距離の測定を、引掛部73同士間の距離を測定することにより行うことができ、容易に且つ正確に測定できる。
【0084】
しかも、メジャーMの係止片M1を引掛部73に引っ掛けることができるため、1人で測定することもでき、より簡単に測定できる。
【0085】
そして、測定した距離L3に基いて、手摺110の端部をカットとして長さ調整する。以降、先の第1実施形態で説明したと同様である。
【0086】
尚、上記実施形態では、手摺ブラケットを、階段の側壁に用いたが、この形態のものに限らず、スロープの側壁、平坦な床に付設される側壁等に用いることができ、適宜変更できる。
【0087】
又、本発明に使用されるメジャーは、端部に係止片を有するものであれば特に限定されない。例えば、端部に係止片を有するスチール製又は布製の巻尺の他、端部に係止片を有するスチール製の長尺状又は折畳み式の物差し、木又は竹製の長尺状又は折畳み式の物差し、あるいは紐製の物差し等でもよい。
【0088】
以上、本発明の手摺取付用施工治具は、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットを用いて建材部に前記手摺を取り付ける際に使用する手摺取付用施工治具であって、前記手摺ブラケットに、着脱自在に取付けられるブラケット取付部と、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記収容部に前記手摺の端部を収容した際に前記手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に、メジャーの端部に設けられた係止片を引っ掛け得る引掛部とを備えていることを特徴とするものである。
【0089】
これによれば、例えば使用する2つの手摺ブラケット夫々に、予め本発明の手摺取付用施工治具をブラケット取付部によって取り付けておく。その際、引掛部が手摺の端部を収容部に収容した際に手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に配設されているため、それらの2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を2つの手摺ブラケットの手摺端面配設位置同士の距離と同じにできる。
【0090】
従って、2つの手摺ブラケットに取付けた何れか一方の手摺取付用施工治具の引掛部にメジャーの係止片を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具の引掛部までの距離を測定すれば、2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を測定でき、測定作業を容易に行うことができる。
【0091】
又、メジャーの係止片を引掛部に引っ掛けるようにして測定でき、1人の作業で測定することも可能になる。従って、手摺を壁面に取り付ける作業を1人で行い得るものにできる。
【0092】
又、施工の際に、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに着脱自在に取付けることができるため、手摺ブラケットに引掛部等を設けなくてもよいものにできる。従って、既存の手摺ブラケットに取付けて引掛部を形成でき、手摺を、それらの手摺ブラケットの位置に適合した長さに容易に且つ正確に調整できる。
【0093】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部を備え、前記収容部は、前記手摺保持部の端部に凹設されているとともに、その内部に、前記手摺の端部の端面と当接する端面当接部を備え、前記手摺端面配設位置は、前記端面当接部の位置とされ、前記引掛部は、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記端面当接部に対応した位置に配設される構成にできる。
【0094】
これによれば、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに取付ければ、引掛部を端面当接部に対応した位置に配設できる。従って、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに取付けるという1つの作業で引掛部を端面当接部に対応した位置に配設でき、取り付け作業を容易なものにできる。
【0095】
前記手摺ブラケットは、前記手摺ブラケットの外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔を備え、前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えている構成にできる。
【0096】
これによれば、嵌挿片を固定具挿入用孔に嵌挿すれば手摺取付用施工治具を手摺ブラケットに取付けることができ、取り付け作業を容易なものにできる。又、手摺ブラケットに設けられた固定具挿入用孔を利用することで、固定具挿入用孔を有する従来の手摺ブラケットにも使用できる。
【0097】
前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記手摺ブラケットに対する回動を規制する回動規制部を、さらに備えている構成にできる。
【0098】
これによれば、メジャーの係止片を引掛部に引っ掛けて手摺端面配設位置同士の距離を測定する際に、回動規制部によって、引掛部が手摺ブラケットに対して回動するのを規制できる。従って、測定を正確に、且つ容易に行うことができる。
【0099】
又、本発明の手摺取付装置は、上述の何れかの手摺取付用施工治具と、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットとを備えていることを特徴とするものである。
【0100】
これによれば、例えば使用する2つの手摺ブラケット夫々に、予め本発明の手摺取付用施工治具をブラケット取付部によって取り付けておく。その際、引掛部が手摺の端部を収容部に収容した際に手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に配設されているため、それらの2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を2つの手摺ブラケットの手摺端面配設位置同士の距離と同じにできる。
【0101】
従って、2つの手摺ブラケットに取付けた何れか一方の手摺取付用施工治具の引掛部にメジャーの係止片を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具の引掛部までの距離を測定すれば、2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を測定でき、測定作業を容易に行うことができる。
【0102】
又、メジャーの係止片を引掛部に引っ掛けるようにして測定でき、1人の作業で測定することも可能になる。従って、手摺を壁面に取り付ける作業を1人で行い得るものにできる。
【0103】
又、施工の際に、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに着脱自在に取付けることができるため、手摺ブラケットに引掛部等を設けなくてもよいものにできる。従って、既存の手摺ブラケットに取付けて引掛部を形成でき、手摺を、それらの手摺ブラケットの位置に適合した長さに容易に且つ正確に調整できる。
【0104】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部と、前記手摺保持部の外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔とを備え、前記固定具挿入用孔は、前記手摺保持部にその周方向に沿って複数、配設され、前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えている構成にできる。
【0105】
これによれば、何れかの固定具挿入用孔に嵌挿片を嵌挿すればよく、手摺取付用施工治具を手摺ブラケットに取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0106】
又、例えば固定具挿入用孔に嵌挿片を嵌挿した場合に嵌挿片の先端が収容部に突出するようにしておく等して、手摺取付用施工治具を取り付けた状態で手摺取付用施工治具が邪魔になって手摺の端部を手摺保持部の収容部に入れることができないようにしておく。これにより、例えば予め手摺ブラケットに手摺取付用施工治具を取り付けたセット状態にして流通するようにしても、手摺の端部を壁面に取り付けた後に、手摺取付用施工治具を手摺ブラケットから取り外すのを忘れるようなことを防止できる。
【符号の説明】
【0107】
1、200、300 手摺ブラケット
3a、203a 第1手摺保持部(手摺保持部)
3b、203b 第2手摺保持部(手摺保持部)
6 手摺取付用施工治具
8 嵌挿片(ブラケット取付部)
31、231、331 収容部
31a、231a、331a 端面当接部
32、232、332 固定具挿入用孔
72 回動規制部
73 引掛部
110 手摺
111 端部
111a 端面
M メジャー
M1 係止片
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状の手摺の端部を収容する収容部を有する手摺ブラケットを用いて手摺を建材部に取り付ける際に使用する手摺取付用施工治具及び手摺取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状の手摺を建材部に取り付けるための手摺取付装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。このものは、手摺ブラケットを備え、又、手摺ブラケットは、ブラケット本体と手摺の端部を収容する収容部(嵌合部)を有する手摺保持部とを備えたものである。
【0003】
このような手摺ブラケットを用いて手摺を、建材部としての壁面100(図11参照)に装着する場合は、次のようにして行う。まず、図13に示すように手摺ブラケット101〜103を、壁面100における所定距離だけ離れた少なくとも2箇所に仮取り付けする(この図13では、3箇所に仮取り付けした場合を図示)。そして、それらの隣接する手摺ブラケット101〜103同士における収容部104に手摺110の端部111を収容した際にその手摺110の端部111の端面111aが配設されることになる手摺端面配設位置同士の距離L10、L11をメジャーで測定する。次いで、その測定値に基いて、手摺110をカットし2つの手摺ブラケットに適合した長さになるようにしておく。その後、手摺ブラケット101〜103を一旦、壁面100から外す。そして、壁面100の化粧を終える等した後、手摺ブラケット101〜103夫々の収容部104に手摺110の端部111を収容し固定ボルト等の固定具によって固定的に保持させるようにして、壁面100に手摺ブラケット101〜103夫々を取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−220559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、手摺端面配設位置が収容部104の内部にある。そのため、隣接する手摺ブラケット101〜103に収容した際の手摺端面配設位置同士の距離L10、L11をメジャーで測定する場合、手摺端面配設位置にメジャーの端部を宛がい難く、メジャーでの測定が容易でない。又、一方の手摺ブラケットにおける手摺端面配設位置にメジャーの端部を宛がって他方の手摺ブラケットにおける手摺端面配設位置までの距離を測定しなければならず、1人の作業者が行うのは難しく、そのため、現状では、2人以上の作業者で行われている。
【0006】
本発明は、収容部に手摺の端部を収容した際のその手摺の端面の配設位置に基いて距離を測定する場合に容易に且つ正確に測定できるようにする手摺取付用施工治具及び手摺取付装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットにおける前記収容部に前記手摺の端部を収容するようにして建材部に前記手摺を取り付ける際に用いる手摺取付用施工治具であって、前記手摺ブラケットに、着脱自在に取付けられるブラケット取付部と、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記収容部に前記手摺の端部を収容した際に前記手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に、メジャーの端部に設けられた係止片を引っ掛け得る引掛部とを備えていることを特徴とする手摺取付用施工治具を提供する。
【0008】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部を備え、前記収容部は、前記手摺保持部の端部に凹設されているとともに、その内部に、前記手摺の端部の端面と当接する端面当接部を備え、前記手摺端面配設位置は、前記端面当接部の位置とされ、前記引掛部は、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記端面当接部に対応した位置に配設される構成にできる。
【0009】
前記手摺ブラケットは、前記手摺ブラケットの外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔を備え、前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えている構成にできる。
【0010】
前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記手摺ブラケットに対する回動を規制する回動規制部を、さらに備えている構成にできる。
【0011】
又、本発明は、上述の何れかの手摺取付用施工治具と、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットとを備えていることを特徴とする手摺取付装置を提供する。
【0012】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部と、前記手摺保持部の外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔とを備え、前記固定具挿入用孔は、前記手摺保持部にその周方向に沿って複数、配設され、前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えている構成にできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えば使用する2つの手摺ブラケット夫々に、予め本発明の手摺取付用施工治具をブラケット取付部によって取り付けておく。その際、引掛部が手摺の端部を収容部に収容した際に手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に配設されているため、それらの2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離が2つの手摺ブラケットの手摺端面配設位置同士の距離と同じになっている。
【0014】
従って、2つの手摺ブラケットに取付けた何れか一方の手摺取付用施工治具の引掛部にメジャーの係止片を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具の引掛部までの距離を測定すれば、2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を測定でき、測定作業を容易に行うことができる。
【0015】
又、メジャーの係止片を引掛部に引っ掛けることができ、1人の作業で測定することも可能になる。従って、手摺を壁面に取り付ける作業を1人で行い得るものにできる。
【0016】
又、施工の際に、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに着脱自在に取付けることができるため、手摺ブラケットに引掛部等を設けなくてもよいものにできる。従って、既存の手摺ブラケットに取付けて引掛部を形成でき、手摺を、それらの手摺ブラケットの位置に適合した長さに容易に且つ正確に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は、本発明の第1実施形態の手摺取付装置の手摺ブラケットの正面図、(b)は、(a)の手摺ブラケットの右側面図、(c)は、(a)の手摺ブラケットの背面図、(d)は、(a)の手摺ブラケットの平面図である。
【図2】図1の第1実施形態における手摺ブラケットの分解斜視図である。
【図3】(a)は、第1実施形態における手摺ブラケットの第1手摺保持部(第2手摺保持部)の正面図、(b)は、(a)の第1手摺保持部(第2手摺保持部)の右側面図、(c)は、(a)の第1手摺保持部(第2手摺保持部)の背面図、(d)は、(a)の第1手摺保持部(第2手摺保持部)の平面図、(e)は、(a)のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の手摺取付装置の手摺取付用施工治具の斜視図である。
【図5】(a)は、第1実施形態における手摺取付用施工治具の正面図、(b)は、(a)の手摺取付用施工治具の左側面図、(c)は、(a)の手摺取付用施工治具の背面図、(d)は、(a)の手摺取付用施工治具の平面図、(e)は、(a)の手摺取付用施工治具の底面図である。
【図6】手摺取付用施工治具を第1手摺保持部(第2手摺保持部)に取り付ける際の断面図である。
【図7】手摺取付用施工治具を第1手摺保持部(第2手摺保持部)に取り付けた状態の断面図である。
【図8】(a)は、本発明の第2実施形態の手摺取付装置の手摺ブラケットの正面図、(b)は、(a)の手摺ブラケットの右側面図、(c)は、(a)の手摺ブラケットの左側面図、(d)は、(a)の手摺ブラケットの背面図、(e)は、(a)の手摺ブラケットの平面図である。
【図9】(a)は、本発明の第3実施形態の手摺取付装置の手摺ブラケットの正面図、(b)は、(a)の手摺ブラケットの右側面図、(c)は、(a)の手摺ブラケットの左側面図、(d)は、(a)の手摺ブラケットの平面図、(e)は、(a)の手摺ブラケットの底面図である。
【図10】第1実施形態の手摺ブラケットの端面当接部同士間の距離を測定する際の説明図に係り、(a)は、その正面図、(b)は、その要部の平面図である。
【図11】本発明の第1実施形態〜第3実施形態の手摺取付装置夫々の手摺ブラケットを、手摺と共に壁面に取り付けた状態の説明図である。
【図12】第1実施形態の手摺ブラケットと第2実施形態の手摺ブラケットとの端面当接部同士間の距離、及び第2実施形態の手摺ブラケットと第3実施形態の手摺ブラケットとの端面当接部同士間の距離を測定する際の説明図である。
【図13】従来例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1、図2は、本発明の第1実施形態の手摺取付装置の手摺ブラケットの説明図、図3は、図1の手摺ブラケットの第1手摺保持部(第2手摺保持部)の説明図である。又、図4、図5は、本発明の第1実施形態の手摺取付装置の手摺取付用施工治具の説明図である。
【0019】
第1実施形態の手摺取付装置は、図1及び図2に示す手摺ブラケット1と、図4及び図5に示す手摺取付用施工治具6とを備えている。
【0020】
この手摺ブラケット1は、棒状の手摺110(図11に図示)を、建材部としての壁面100に取り付けるためのものである。この第1実施形態の手摺ブラケット1は、壁面100(図11に図示)における所定角度(この実施形態では、略90°)をなした入墨部に用いる入墨コーナー用のものである。
【0021】
この手摺ブラケット1は、図1、図2に示すようにブラケット本体2と、手摺110の端部111を収容する収容部31を有する一対の手摺保持部3a、3bとを備えている。
【0022】
上記ブラケット本体2は、ベース部4と、ベース部4の上方側に配設された支持部5とを備えている。
【0023】
ベース部4は、前面に開口41aを有する筒状部41と、筒状部41に着脱自在に取り付けられて開口41aを覆ったカバー42とを備えている。筒状部41は、後面側に、壁面100の入墨部に固定される壁面固定部43を備えている。
【0024】
この壁面固定部43は、開口41aから、図示しない取付用ボルト等を介して壁面100に固定されるようになっている。
【0025】
支持部5は、円筒状のものから構成され、その軸方向が湾曲状に形成されている。又、その軸方向の両端夫々に、手摺保持部3a、3bと連結された円弧面51aを有する第1連結部51が設けられている。
【0026】
この実施形態では、支持部5は、図2に示すように下連結片52と、上連結片53とから構成されている。下連結片52は、ベース部4と一体に形成されている。上連結片53は、下連結片52に上方側から合わされ、その状態で、上連結片53に設けられたボルト挿通孔(図示せず)にベース部4から通された係止ボルト54を介して係止されるようになっている。
【0027】
手摺保持部は、上記支持部5の第1連結部51夫々と連結された同一構成を採る第1手摺保持部3aと第2手摺保持部3bとの2つから構成されている。以下、第1手摺保持部3aについて説明し、第2手摺保持部3bの説明を省略する。
【0028】
第1手摺保持部3aは、図3に示すように先端側に、手摺110の端部111(図3(e)中に2点鎖線で示す)を全周に渡って覆い隠すようにして収容する収容部31と、固定具挿入用孔32とを備えている。
【0029】
この収容部31は、第1手摺保持部3aの先端面30から所定の深さで、手摺110の端部111とほぼ同形状の円柱状に凹設されている。
【0030】
又、この収容部31の奥部には、手摺110の端部111の端面111aが当接して端面111aが配設される手摺端面配設位置となる端面当接部31aが設けられている。
【0031】
固定具挿入用孔32は、収容部31に収容した手摺110の端部111を固定するための固定具が挿入される。この実施形態では、固定具挿入用孔32は、第1手摺保持部3aの周方向に180°隔てた上部と下部との2箇所に設けられた同一構成を採る2つから構成されている。各固定具挿入用孔32は、第1手摺保持部3aの外周面から収容部31に貫通するように形成されている。
【0032】
又、この実施形態では、各固定具挿入用孔32は、外周面から収容部31側に行くに従い漸次径小になるテーパー状のものとされている。尚、固定具挿入用孔32に通す固定具は、図示しないが、この実施形態では、固定ボルトから構成されている。
【0033】
又、第1手摺保持部3aは、基端側に、支持部5の第1連結部51と連結軸36a(図2に図示)を介して連結された第2連結部36を備えている。この第2連結部36は、第1連結部51の円弧面51aを摺動する円弧面36bと、円弧面36bに形成され連結軸36aを移動可能に嵌挿した長孔36cとを備えている。
【0034】
そして、この第2連結部36は、図2に示すように長孔36cに嵌挿した連結軸36aが支持部5の第1連結部51に設けられた嵌挿孔51bに嵌挿されることにより支持部5の第1連結部51と連結軸36aを介して連結される。
【0035】
又、この状態で、長孔36b内を連結軸36aが相対移動するに際して、第1手摺保持部3aの円弧面36bが支持部5の円弧面51aを摺動する。そして、その摺動に際して第1手摺保持部3aの先端側の収容部31が、ブラケット本体2の支持部5に対して上下方向に回動可能(収容した手摺110の角度調整可能)とされている。
【0036】
次に、手摺取付用施工治具6について、説明する。本発明の手摺取付用施工治具6は、図4、図5に示すように施工治具本体7と、施工治具本体7を手摺ブラケット1に着脱自在に取り付けるブラケット取付部としての嵌挿片8とを備えている。
【0037】
施工治具本体7は、四角柱状の柱状部71と、柱状部71の長手方向の一端側に一体的に設けられた回動規制部72と、柱状部71の長手方向の他端側に一体的に設けられた引掛部73とを備えている。
【0038】
回動規制部72は、嵌挿片8によって手摺ブラケット1に取り付けられた状態の施工治具本体7が手摺ブラケット1に対して回動するのを規制するものである。この実施形態の回動規制部72は、柱状部71から、図の下方側に突出するように形成されている。又、回動規制部72は、施工治具本体7が手摺ブラケット1の手摺保持部3a、3bに取り付けられるに際して手摺保持部3a、3bの先端面30(図1、図2参照)に当接する当止部72aを備えている。
【0039】
引掛部73は、メジャーMの端部に設けられた係止片M1(図10に図示)が引っ掛けられる部分で、この実施形態では、柱状部71から、上記回動規制部72とは反対側の図の上方側に突出されているとともに、当止部72aと平行に形成されている。又、この実施形態では、引掛部73から当止部72a間での距離は、手摺保持部3a、3bの先端面30から端面当接部31aまでの距離と同じに設定されている。
【0040】
尚、この実施形態では、施工治具本体7の長さが19.5mm程度、引掛部73の幅が12mm程度、引掛部73の高さが8mm程度に設定されている。
【0041】
嵌挿片8は、円柱状の軸部81と、軸部81の先端に設けられた係止突片82とを備えている。軸部81は、その外径が上記手摺保持部3a、3bの固定具挿入用孔32の内径と略同程に設定され、固定具挿入用孔32に嵌挿されるようになっている。
【0042】
係止突片82は、軸部81の外周方向に突設されており、固定具挿入用孔32に通されて手摺保持部3a、3bの収容部31の内周壁における固定具挿入用孔32の周縁に係止できるようになっている。
【0043】
このように構成された手摺取付用施工治具6は、例えば手摺ブラケット1の第1手摺保持部3aに、次のようにして取付けられる。図6に示すように、手摺取付用施工治具6の回動規制部72が第1手摺保持部3aの先端側に位置するようにして、嵌挿片8を固定具挿入用孔32に押し入れる。
【0044】
これにより、嵌挿片8の係止突片82が弾性変形するとともに、固定具挿入用孔32が押し広げられて係止突片82が第1手摺保持部3aの収容部31に入り込む。係止突片82が収容部31に入り込むと、図7に示すように係止突片82及び固定具挿入用孔32の周縁夫々が弾性力により復元し、係止突片82は、第1手摺保持部3aの収容部31の内周壁における固定具挿入用孔32の周縁に係止する。
【0045】
又、この状態で、当止部72aが第1手摺保持部3aの先端面30に当接し、手摺取付用施工治具6の第1手摺保持部3aに対する回動が規制される。
【0046】
又、この状態で、引掛部73は、第1手摺保持部3aの軸方向(X−X方向)に対して垂直な垂直面となっているとともに、端面当接部31aに対応する位置に配置されている。即ち、引掛部73と端面当接部31aとの両者の軸方向の位置が同じ位置(互いの軸方向の距離が0)とされている。
【0047】
尚、引掛部73と収容部31の端面当接部31aとの軸方向の位置は、全く同じ位置のものに限らず、若干の違い(例えば互いの軸方向の距離が1mm以内)があるものでもよい。従って、手摺取付用施工治具6が温度による膨張や収縮に伴って寸法誤差を生じることを考慮し、引掛部73と端面当接部31aとの軸方向の位置を予め若干異なるように設定しておいても良い。
【0048】
手摺取付用施工治具6を、第2手摺保持部3bに取り付ける場合も、同様にして取り付けることができる。
【0049】
以上のように構成されたこの実施形態の手摺ブラケット1の壁面100への装着方法について説明する。
【0050】
この実施形態の手摺ブラケット1は、例えば図11に示すように手摺110を保持した状態で壁面100における入墨部に取り付けられるが、その装着に際して、まず、図10(a)に示すように手摺ブラケット1だけが壁面100の入墨部に仮取り付けされる。
【0051】
又、この手摺ブラケット1の入墨部への仮取り付けに際し、予め、図10に示すように、2つの手摺ブラケット1の対向する第1手摺保持部3aと第2手摺保持部3bとの夫々に、上述のようにして手摺取付用施工治具6を取り付けておく。
【0052】
ただし、手摺取付用施工治具6は、手摺ブラケット1を壁面100に取り付けた後に、手摺ブラケット1に取り付けることもでき、適宜変更できる。
【0053】
そして、いずれか一方の手摺取付用施工治具6の引掛部73に、メジャーMの係止片M1を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具6の引掛部73までの距離L1を測定する。尚、図10では、第1手摺保持部3aの引掛部73にメジャーMの係止片M1を引っ掛けた場合を示している。
【0054】
その際、夫々の引掛部73と収容部31の端面当接部31aとの軸方向の位置が同位置(互いの軸方向の距離が0)に設定されているため、引掛部73同士間の距離と端面当接部31a同士間の距離が同じになる。従って、端面当接部31a同士間の距離の測定を、引掛部73同士間の距離を測定することにより行うことができ、容易に且つ正確に測定できる。
【0055】
しかも、メジャーMの係止片M1を引掛部73に引っ掛けることができるため、1人で測定することもでき、より簡単に測定できる。
【0056】
そして、測定した距離L1に基いて、手摺110の端部をカットとして手摺110を長さ調整する。その後、壁面100から2つの手摺ブラケット1を一旦、取り外し、手摺ブラケット1夫々のブラケット本体2から第1及び第2手摺保持部3a、3bを外す。
【0057】
又、第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々から手摺取付用施工治具6を外す。その際、手摺取付用施工治具6を第1及び第2手摺保持部3a、3bに取り付けた状態では、図7に示すように第1手摺保持部3a及び第2手摺保持部3b夫々の収容部31に手摺取付用施工治具6の嵌挿片8の係止突片82及び回動規制部72が突出している。従って、その状態で、手摺110の端部111を第1手摺保持部3a及び第2手摺保持部3b夫々の収容部31に入れようとしても手摺取付用施工治具6が邪魔になって収容できない。よって、第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々から手摺取付用施工治具6を外すように作業者に仕向けることができ、第1及び第2手摺保持部3a、3bに手摺取付用施工治具6を取り付けたまま放置されるようなことを防止できる。
【0058】
尚、手摺取付用施工治具6を第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々から外す際は、当止部72aを第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々の外周側に押圧する。これにより、嵌挿片8の係止突片82を固定具挿入用孔32から抜くことができ、手摺取付用施工治具6を第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々から容易に外すことができる。
【0059】
そして、第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々の収容部31に、手摺110の端部111を収容する。その後、第1及び第2手摺保持部3a、3b夫々の固定具挿入用孔32に、図示しない固定具としての固定ボルトを挿入して第1及び第2手摺保持部3a、3bと手摺110の端部111との両者を固定的に連結する。
【0060】
そして、壁面100の化粧仕上げ等が終了した後、手摺ブラケット1夫々のブラケット本体2を壁面100に取付けるとともに、手摺110と連結させた第1及び第2手摺保持部3a、3bを、ブラケット本体2にセットする。これにより、図11に示すように手摺ブラケット1を用いて手摺110を壁面100に装着できる。
【0061】
次に、第2実施形態の手摺取付装置について説明する。第2実施形態の手摺取付装置は、先の第1実施形態のものと同様に、図8に示す手摺ブラケット200と、手摺取付用施工治具6とを備えている。手摺取付用施工治具6は、図4、図5に示す第1実施形態のものと同構成を採っている。
【0062】
第2実施形態の手摺ブラケット200は、例えば図11に示すように平面状の壁面100で手摺110を角度調整可能に保持する平面コーナー用のものとされている。
【0063】
この第2実施形態のものは、図8に示すように、先の第1実施形態のものと同様に、ブラケット本体202と、第1手摺保持部203a及び第2手摺保持部203bを有する手摺保持部とを備えている。又、ブラケット本体202は、ベース部204と、支持部205とを備えている。ベース部204は、先の第1実施形態のものと略同構成を採っている。
【0064】
支持部205は、軸方向の一端側(図8(a)の右端側)に、先の第1実施形態のものと同構成を採る第1連結部251aを備えているが、その他端側(図8(a)の左端側)は、後述するように第2手摺保持部203bと一体的に形成されている。
【0065】
第1手摺保持部203aは、先の第1実施形態のものと同構成を採っており、収容部231を備えているとともに、外周面から収容部231に貫通するように形成された固定具挿入用孔232を備えている。
【0066】
第2手摺保持部203bは、支持部205と一体的に形成された円筒状のものから構成されており、円柱状の収容部231を備えている。又、収容部231は、板状体230aによって支持部205と区画されており、この板状体230aの側面が端面当接部231aをなしている。
【0067】
又、第2手摺保持部203bは、その外周面から収容部231に貫通した固定具挿入用孔232を2つ、備えている。尚、これらの固定具挿入用孔232も、互いに周方向に180°隔てた位置に配設されている(図8では、1つだけが表れている)。
【0068】
尚、第1手摺保持部203aと第2手摺保持部203bとの支持部205に対する位置は、上記のように第1手摺保持部203aを支持部205の一端側に、第2手摺保持部203bを支持部205の他端側に配設する形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば図12に示すように第2手摺保持部203bを支持部205の一端側に、第1手摺保持部203aを支持部205の他端側に、夫々配設してもよい。
【0069】
このように構成された第2実施形態の手摺ブラケット200は、例えば図12に示すように先の第1実施形態の入墨コーナー用の手摺ブラケット1等と共に用いられる。そして、先の第1実施形態の手摺ブラケット1と同様に、手摺ブラケット1、200が手摺110を保持していない状態で壁面100に仮取り付けされる。
【0070】
又、この仮取り付けに際し、予め、図12に示すように、2つの手摺ブラケット1,200の対向する第1手摺保持部3a、203aの夫々に、先の第1実施形態の場合と同様に手摺取付用施工治具6を取り付けておく。
【0071】
そして、図12に示すように、2つの第1手摺保持部3a、203aのいずれか一方の手摺取付用施工治具6の引掛部73に、メジャーMの係止片M1を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具6の引掛部73までの距離L2を測定する。
【0072】
この場合においても、夫々の引掛部73と収容部31、231の端面当接部31a、231aとの軸方向の位置がほぼ同位置(互いの軸方向の距離が0)に設定されているため、引掛部73同士間の距離と端面当接部31a、231a同士間の距離とが等しくなっている。従って、端面当接部31a、231a同士間の距離の測定を、引掛部73同士間の距離を測定することにより行うことができ、容易に且つ正確に測定できる。
【0073】
しかも、メジャーMの係止片M1を引掛部73に引っ掛けることができるため、1人で測定することもでき、より簡単に測定できる。
【0074】
そして、測定した距離L2に基いて、手摺110の端部をカットとして長さ調整する。
以降、先の第1実施形態で説明したと同様である。
【0075】
尚、第2実施形態の手摺ブラケット200の第2手摺保持部203bに取付けた手摺取付用施工治具6を用いて行う測定については、後述の第3実施形態の手摺ブラケット300のところで説明する。
【0076】
次に、第3実施形態の手摺ブラケット300について説明する。第3実施形態の手摺ブラケット300は、エンド用のものとされており、図9に示す手摺ブラケット300と、手摺取付用施工治具6とを備えている。手摺取付用施工治具6は、図4、図5に示す第1実施形態のものと同構成を採っている。
【0077】
手摺ブラケット300は、図9に示すように、先の第1実施形態のものと同様に、ブラケット本体302と、手摺保持部303とを備えている。ブラケット本体302は、ベース部304と、ベース部304と一体に形成された支持部305とを備えている。
【0078】
第3実施形態の手摺保持部303は、1つから構成されている。手摺保持部303は、先の第2実施形態の第2手摺保持部203bと略同構成のものからなる。
【0079】
詳しくは、手摺保持部303は、先の第2実施形態の第2手摺保持部203bと同様に、端面当接部331aを有する収容部331を備えているとともに、外周面から収容部331に貫通するように形成された固定具挿入用孔332を備えている。
【0080】
このように構成された第3実施形態の手摺ブラケット300は、例えば図12に示すように先の第2実施形態の平面コーナー用の手摺ブラケット200等と共に用いられる。そして、先の第1実施形態や第2実施形態の場合と同様に、図12に示すように手摺110を保持していない状態で手摺ブラケット200、300だけが壁面100(図11参照)に仮取り付けされる。
【0081】
又、この仮取り付けに際し、予め、図12に示すように、2つの手摺ブラケット200、300の夫々に、先の第1実施形態の場合と同様に手摺取付用施工治具6を取り付けておく。
【0082】
そして、図12に示すように、いずれか一方の手摺取付用施工治具6の引掛部73に、メジャーMの係止片M1を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具6の引掛部73までの距離L3を測定する。
【0083】
この場合においても、夫々の引掛部73と収容部231、331の端面当接部231a、331aとの軸方向の位置が同位置に設定されているため、引掛部73同士間の距離と端面当接部231a、331a同士間の距離とが等しくなっている。従って、端面当接部231a、331a同士間の距離の測定を、引掛部73同士間の距離を測定することにより行うことができ、容易に且つ正確に測定できる。
【0084】
しかも、メジャーMの係止片M1を引掛部73に引っ掛けることができるため、1人で測定することもでき、より簡単に測定できる。
【0085】
そして、測定した距離L3に基いて、手摺110の端部をカットとして長さ調整する。以降、先の第1実施形態で説明したと同様である。
【0086】
尚、上記実施形態では、手摺ブラケットを、階段の側壁に用いたが、この形態のものに限らず、スロープの側壁、平坦な床に付設される側壁等に用いることができ、適宜変更できる。
【0087】
又、本発明に使用されるメジャーは、端部に係止片を有するものであれば特に限定されない。例えば、端部に係止片を有するスチール製又は布製の巻尺の他、端部に係止片を有するスチール製の長尺状又は折畳み式の物差し、木又は竹製の長尺状又は折畳み式の物差し、あるいは紐製の物差し等でもよい。
【0088】
以上、本発明の手摺取付用施工治具は、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットを用いて建材部に前記手摺を取り付ける際に使用する手摺取付用施工治具であって、前記手摺ブラケットに、着脱自在に取付けられるブラケット取付部と、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記収容部に前記手摺の端部を収容した際に前記手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に、メジャーの端部に設けられた係止片を引っ掛け得る引掛部とを備えていることを特徴とするものである。
【0089】
これによれば、例えば使用する2つの手摺ブラケット夫々に、予め本発明の手摺取付用施工治具をブラケット取付部によって取り付けておく。その際、引掛部が手摺の端部を収容部に収容した際に手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に配設されているため、それらの2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を2つの手摺ブラケットの手摺端面配設位置同士の距離と同じにできる。
【0090】
従って、2つの手摺ブラケットに取付けた何れか一方の手摺取付用施工治具の引掛部にメジャーの係止片を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具の引掛部までの距離を測定すれば、2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を測定でき、測定作業を容易に行うことができる。
【0091】
又、メジャーの係止片を引掛部に引っ掛けるようにして測定でき、1人の作業で測定することも可能になる。従って、手摺を壁面に取り付ける作業を1人で行い得るものにできる。
【0092】
又、施工の際に、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに着脱自在に取付けることができるため、手摺ブラケットに引掛部等を設けなくてもよいものにできる。従って、既存の手摺ブラケットに取付けて引掛部を形成でき、手摺を、それらの手摺ブラケットの位置に適合した長さに容易に且つ正確に調整できる。
【0093】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部を備え、前記収容部は、前記手摺保持部の端部に凹設されているとともに、その内部に、前記手摺の端部の端面と当接する端面当接部を備え、前記手摺端面配設位置は、前記端面当接部の位置とされ、前記引掛部は、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記端面当接部に対応した位置に配設される構成にできる。
【0094】
これによれば、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに取付ければ、引掛部を端面当接部に対応した位置に配設できる。従って、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに取付けるという1つの作業で引掛部を端面当接部に対応した位置に配設でき、取り付け作業を容易なものにできる。
【0095】
前記手摺ブラケットは、前記手摺ブラケットの外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔を備え、前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えている構成にできる。
【0096】
これによれば、嵌挿片を固定具挿入用孔に嵌挿すれば手摺取付用施工治具を手摺ブラケットに取付けることができ、取り付け作業を容易なものにできる。又、手摺ブラケットに設けられた固定具挿入用孔を利用することで、固定具挿入用孔を有する従来の手摺ブラケットにも使用できる。
【0097】
前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記手摺ブラケットに対する回動を規制する回動規制部を、さらに備えている構成にできる。
【0098】
これによれば、メジャーの係止片を引掛部に引っ掛けて手摺端面配設位置同士の距離を測定する際に、回動規制部によって、引掛部が手摺ブラケットに対して回動するのを規制できる。従って、測定を正確に、且つ容易に行うことができる。
【0099】
又、本発明の手摺取付装置は、上述の何れかの手摺取付用施工治具と、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットとを備えていることを特徴とするものである。
【0100】
これによれば、例えば使用する2つの手摺ブラケット夫々に、予め本発明の手摺取付用施工治具をブラケット取付部によって取り付けておく。その際、引掛部が手摺の端部を収容部に収容した際に手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に配設されているため、それらの2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を2つの手摺ブラケットの手摺端面配設位置同士の距離と同じにできる。
【0101】
従って、2つの手摺ブラケットに取付けた何れか一方の手摺取付用施工治具の引掛部にメジャーの係止片を引っ掛け、他方の手摺取付用施工治具の引掛部までの距離を測定すれば、2つの手摺取付用施工治具の引掛部同士の距離を測定でき、測定作業を容易に行うことができる。
【0102】
又、メジャーの係止片を引掛部に引っ掛けるようにして測定でき、1人の作業で測定することも可能になる。従って、手摺を壁面に取り付ける作業を1人で行い得るものにできる。
【0103】
又、施工の際に、ブラケット取付部によって手摺ブラケットに着脱自在に取付けることができるため、手摺ブラケットに引掛部等を設けなくてもよいものにできる。従って、既存の手摺ブラケットに取付けて引掛部を形成でき、手摺を、それらの手摺ブラケットの位置に適合した長さに容易に且つ正確に調整できる。
【0104】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部と、前記手摺保持部の外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔とを備え、前記固定具挿入用孔は、前記手摺保持部にその周方向に沿って複数、配設され、前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えている構成にできる。
【0105】
これによれば、何れかの固定具挿入用孔に嵌挿片を嵌挿すればよく、手摺取付用施工治具を手摺ブラケットに取り付ける作業を容易に行うことができる。
【0106】
又、例えば固定具挿入用孔に嵌挿片を嵌挿した場合に嵌挿片の先端が収容部に突出するようにしておく等して、手摺取付用施工治具を取り付けた状態で手摺取付用施工治具が邪魔になって手摺の端部を手摺保持部の収容部に入れることができないようにしておく。これにより、例えば予め手摺ブラケットに手摺取付用施工治具を取り付けたセット状態にして流通するようにしても、手摺の端部を壁面に取り付けた後に、手摺取付用施工治具を手摺ブラケットから取り外すのを忘れるようなことを防止できる。
【符号の説明】
【0107】
1、200、300 手摺ブラケット
3a、203a 第1手摺保持部(手摺保持部)
3b、203b 第2手摺保持部(手摺保持部)
6 手摺取付用施工治具
8 嵌挿片(ブラケット取付部)
31、231、331 収容部
31a、231a、331a 端面当接部
32、232、332 固定具挿入用孔
72 回動規制部
73 引掛部
110 手摺
111 端部
111a 端面
M メジャー
M1 係止片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットを用いて建材部に前記手摺を取り付ける際に使用する手摺取付用施工治具であって、
前記手摺ブラケットに、着脱自在に取付けられるブラケット取付部と、
前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記収容部に前記手摺の端部を収容した際に前記手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に、メジャーの端部に設けられた係止片を引っ掛け得る引掛部と
を備えていることを特徴とする手摺取付用施工治具。
【請求項2】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部を備え、
前記収容部は、前記手摺保持部の端部に凹設されているとともに、その内部に、前記手摺の端部の端面と当接する端面当接部を備え、
前記手摺端面配設位置は、前記端面当接部の位置とされ、
前記引掛部は、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記端面当接部に対応した位置に配設されるものであることを特徴とする請求項1記載の手摺取付用施工治具。
【請求項3】
前記手摺ブラケットは、前記手摺ブラケットの外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔を備え、
前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の手摺取付用施工治具。
【請求項4】
前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記手摺ブラケットに対する回動を規制する回動規制部を、さらに備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の手摺取付用施工治具。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の手摺取付用施工治具と、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットとを備えていることを特徴とする手摺取付装置。
【請求項6】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部と、前記手摺保持部の外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔とを備え、
前記固定具挿入用孔は、前記手摺保持部にその周方向に沿って複数、配設され、
前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えていることを特徴とする請求項5記載の手摺取付装置。
【請求項1】
棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットを用いて建材部に前記手摺を取り付ける際に使用する手摺取付用施工治具であって、
前記手摺ブラケットに、着脱自在に取付けられるブラケット取付部と、
前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記収容部に前記手摺の端部を収容した際に前記手摺の端部の端面が位置する手摺端面配設位置と対応する位置に、メジャーの端部に設けられた係止片を引っ掛け得る引掛部と
を備えていることを特徴とする手摺取付用施工治具。
【請求項2】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部を備え、
前記収容部は、前記手摺保持部の端部に凹設されているとともに、その内部に、前記手摺の端部の端面と当接する端面当接部を備え、
前記手摺端面配設位置は、前記端面当接部の位置とされ、
前記引掛部は、前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記端面当接部に対応した位置に配設されるものであることを特徴とする請求項1記載の手摺取付用施工治具。
【請求項3】
前記手摺ブラケットは、前記手摺ブラケットの外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔を備え、
前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の手摺取付用施工治具。
【請求項4】
前記ブラケット取付部によって前記手摺ブラケットに取付けられた状態で、前記手摺ブラケットに対する回動を規制する回動規制部を、さらに備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の手摺取付用施工治具。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の手摺取付用施工治具と、棒状の手摺の端部を覆い隠す形で収容する収容部を有する手摺ブラケットとを備えていることを特徴とする手摺取付装置。
【請求項6】
前記手摺ブラケットは、前記手摺を保持する手摺保持部と、前記手摺保持部の外周面から前記収容部に貫通するように開けられ前記収容した手摺の端部を固定的に保持するための固定具が挿入される固定具挿入用孔とを備え、
前記固定具挿入用孔は、前記手摺保持部にその周方向に沿って複数、配設され、
前記ブラケット取付部は、前記固定具挿入孔に嵌挿される嵌挿片を備えていることを特徴とする請求項5記載の手摺取付装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−87536(P2013−87536A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230374(P2011−230374)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]