説明

手摺用案内表示板

【課題】 火災等の緊急時にも適切な避難誘導が図れ、長期に亘って張替えをする必要のない手摺用案内表示板を提供すること。
【解決手段】 軟質または半硬質の合成樹脂製シートに矢印等の避難誘導表示部を膨出部として打ち出し、同シートの外周が傾斜面となるように面取りしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に視覚障害者に便利な手摺用案内表示板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から視覚障害者用の手摺用案内表示板として、点字を刻設乃至膨出させたシートを手摺の外周に接着したものがある。
【0003】
然しながら、この従来の手摺用案内表示板にあっては、通常時には視覚障害者が点字を触覚によって読み取り、その情報によって行き先を知ることができるが、火災等の緊急時には点字から情報を読み取る余裕などはなく避難方向とは逆の方向に行ってしまい惨事を引き起こすというような問題点があって、避難誘導には不向きであった。
【0004】
また、この手摺用案内表示板のシート端面は垂直状に立ち上がっており、視覚障害者が歩行するときには手を手摺に滑らせるように握るため、手摺を握る指がシート端面を押して剥がれ易く、頻繁に張替えなければならないという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を解消し、火災等の緊急時にも適切な避難誘導が図れ、長期に亘って張替えをする必要のない手摺用案内表示板を提供することにあるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る手摺用案内表示板は、軟質または半硬質の合成樹脂製シートに矢印等の避難誘導表示部を膨出部として打ち出し、同シートの外周が傾斜面となるように面取りしたことを特徴とするものである。
【発明の実施の態様】
【0007】
本発明の実施の態様を図面について具体的に説明する。
図1は、本発明に係る手摺用案内表示板の平面図、図2は、図1のA−A線における縦断側面図、図3は、同表示板を手摺に貼着した状態の平面図、図4は、図3のB−B線における縦断側面図である。
【0008】
図1において、1は、本発明に係る手摺用案内表示板であって、軟質または半硬質の厚さ5mm程度の合成樹脂製シートを加熱打ち出し成形によって矢印等の避難誘導表示部たる膨出部2を形成し、同シートの外周が傾斜面3なるように面取りしたものである。
【0009】
この手摺用案内表示板1を接着剤または両面テープで手摺Hに貼着すると、図3、図4のような状態となり、視覚障害者が手摺を握って歩行するとき、手に避難誘導表示部たる膨出部2が当たって表示部の形状によって避難すべき方向が認識できて安全に避難でき、手を手摺に滑らせるように握ってもシートの外周が傾斜面3なるように面取りしてあるので、長期に亘って剥がれることがないものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る手摺用案内表示板によれば、軟質または半硬質の合成樹脂製シートに矢印等の避難誘導表示部を膨出部として打ち出し、同シートの外周が傾斜面となるように面取りしたものであるから、視覚障害者が手摺を握って歩行するとき、手に避難誘導表示部たる膨出部が当たって表示部の形状によって避難すべき方向が認識できて安全に避難できるだけでなく、手を手摺に滑らせるように握っても剥がれるようなことがないので、長期に亘って張り替える必要がなく、経済的である。
【0011】
また、手摺用案内表示板1を構成するシートの縦幅を最小径の手摺の外周の長さとしておけば一種類の手摺用案内表示板で最小径の手摺から最大径の手摺に使用できて便利である。
【0012】
更に、手摺用案内表示板1を構成するシートを透明なシートとし、両面テープで手摺Hに貼着する場合、膨出部2の裏側の凹部に着色顔料または塗料を流し込んでおけば、この膨出部2の着色された避難誘導表示部のみが浮き出て健常者にとっても一目で避難場所が認識できて便利であるだけでなく、装飾的機能も奏し得るものである。
【0013】
上記着色顔料または塗料に蓄光性蛍光体等の蓄光剤を混入しておけば、夜間の案内表示にも役立つもので、利用分野は広いものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 本発明に係る手摺用案内表示板の平面図である。
【図2】 図1のA−A線における縦断側面図である。
【図3】 同表示板を手摺に貼着した状態の平面図
【図4】 図3のB−B線における縦断側面図である。
【符号の説明】
【0015】
1・・・シート
2・・・膨出部
3・・・傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質または半硬質の合成樹脂製シートに矢印等の避難誘導表示部を膨出部として打ち出し、同シートの外周が傾斜面となるように面取りしたことを特徴とする手摺用案内表示。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−75431(P2008−75431A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283075(P2006−283075)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(502174922)株式会社駒谷 (3)
【Fターム(参考)】