説明

手術中の血栓症を予防するためのボロネート医薬

手術中、特に冠動脈バイパス移植 (CABG) 法中の望ましくない凝固を予防するための医薬の製造のための、式 (I)のボロン酸ならびにその塩、プロドラッグおよびプロドラッグの塩の使用、
[式中、Yは、フラグメント −CH(R9)-B(OH)2 とともに、トロンビンの基質結合部位への親和性を有する疎水性部分を含む;および
R9は、1 以上のエーテル結合が介在し、その酸素および炭素原子の総数が3、4、5または6である直鎖アルキル基である、またはR9は、−(CH2)m-W であり、ここでm は 2、3、4または5であり、Wは-OHまたはハロゲン (F、Cl、BrまたはI)である]。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
冠動脈バイパス移植 (CABG) 法中の望ましくない凝固を予防するための医薬の製造のための、式 (I)のボロン酸ならびにその塩、プロドラッグおよびプロドラッグの塩の使用:
【化1】

[式中、
Yは、フラグメント −CH(R9)-B(OH)2 とともに、トロンビンの基質結合部位への親和性を有する部分を含む;
R9は、1 以上のエーテル結合が介在し、その酸素および炭素原子の総数が3、4、5または6である直鎖アルキル基である、またはR9は、−(CH2)m-W であり、ここでm は 2、3、4または5であり、Wは-OHまたはハロゲン (F、Cl、BrまたはI)である]。
【請求項2】
R9がアルコキシアルキル基である、請求項1の使用。
【請求項3】
Yが以下を含む、請求項1または2の使用:
構造フラグメント -CH(R9)-B(OH)2に結合したアミノ基、および
該アミノ基に連結し、該構造フラグメントとともに、トロンビンの基質結合部位への親和性を有する疎水性部分。
【請求項4】
ボロン酸が以下の式 (II)を有する、請求項1または2の使用:
【化2】

[式中、
Y’は、アミノボロン酸残基 −NHCH(R9)-B(OH)2 とともに、トロンビンの基質結合部位への親和性を有する疎水性部分を含む;および
R9は、1 以上のエーテル結合が介在し、その酸素および炭素原子の総数が3、4、5または6である直鎖アルキル基である、またはR9は、−(CH2)m-W であり、ここでm は 2、3、4または5であり、Wは-OHまたはハロゲン (F、Cl、BrまたはI)である、
ここでY’CO-がトロンビンのS3およびS2結合部位に結合するN末端保護されていてもよいジペプチドの場合、酸中のペプチド結合は鎖内または環内に窒素、酸素または硫黄を含有してもよく、かつハロ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される置換基で置換されていてもよい C1-C13ヒドロカルビル基により独立してN置換されていてもよい]。
【請求項5】
Y’CO-がトロンビンのS2サブサイトに結合するアミノ酸を含み、該アミノ酸がトロンビンのS3サブサイトに結合する部分とN末端で連結している、請求項3の使用。
【請求項6】
Y’CO-がトロンビンのS3およびS2結合部位に結合するN末端保護されていてもよいジペプチドである、請求項4または5の使用。
【請求項7】
Y’CO-がN末端保護されている、請求項5の使用。
【請求項8】
S3結合アミノ酸残基が(R)-配置であり、S2結合残基が(S)-配置であり、かつフラグメント−NHCH(R9)-B(OH) が(R)-配置である、請求項6または7の使用。
【請求項9】
ボロン酸のトロンビンに対するKiが約100 nM以下である、前記請求項のいずれかの使用。
【請求項10】
ボロン酸が式 (III)である、請求項1の使用:
【化3】

[式中、
Xは、H (NH2を形成する) またはアミノ保護基である;
aa1は、20を超えない炭素原子を含有するヒドロカルビル側鎖を有し、かつ13までの炭素原子を有する少なくとも1の環状基を含むアミノ酸である;
aa2は、4〜6員環を有するイミノ酸である;
R1は、式 -(CH2)s-Z の基であり、ここでsは2、3または4であり、Zは-OH、-OMe、-OEtまたはハロゲン (F、Cl、BまたはI)である]。
【請求項11】
aa1が、Phe、Dpaおよびそれらの全体的または部分的水素化アナログから、所望によりDpa、Phe、DchaおよびChaから選択される、例えば(R)-Pheまたは(R)-Dpaである、請求項10の使用。
【請求項12】
aa2が以下の式 (IV) のイミノ酸:
【化4】

[式中、R11 は -CH2-、-CH2-CH2-、-CH2=CH2-、-S-CH2-、-S-C(CH3)2-または −CH2-CH2-CH2-であり、環が5または6員のとき、その基は1以上の-CH2- 基において1〜3のC1-C3 アルキル基により置換されていてもよい]の残基である、および所望により、aa2が(S)-プロリン残基である、例えばaa1-aa2が(R)-Phe-(S)-Proである、請求項10または11の使用。
【請求項13】
aa1が(R)-配置であり、および/またはaa2が(S)-配置であり、および/またはフラグメント -NH-CH(R1)-B(OH)2が(R)-配置である、請求項10−12のいずれかの使用。
【請求項14】
R1 が2-ブロモエチル、2-クロロエチル、2-メトキシエチル、3-ブロモプロピル、3-クロロプロピルまたは3-メトキシプロピルである、例えば3-メトキシプロピルである、請求項10−13のいずれかの使用。
【請求項15】
X がR6-(CH2)p-C(O)-、R6-(CH2)p-S(O)2-、R6-(CH2)p-NH-C(O)-、またはR6-(CH2)p-O-C(O)-であり、ここでpは0、1、2、3、4、5または6であり、R6はHまたは5〜13員環状基であり、該5〜13員環状基は、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、C5-C6環状基、C1-C4アルキル、および鎖内にOを含有する、および/または該環状基に鎖内のOを介して連結するC1-C4アルキルから選択される1、2または3の置換基に置換されていてもよく、前記アルキル基はハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシおよびC5-C6環状基から選択される置換基により置換されていてもよい、請求項10−14のいずれかの使用、および所望により、該5〜13員環状基が芳香族またはヘテロ芳香族である、例えばフェニルまたは6員ヘテロ芳香族基である、例えばXがベンジルオキシカルボニルである該使用。
【請求項16】
ボロン酸が以下の式 (VIII)である、請求項10または15の使用:
X-(R)-Phe-(S)-Pro-(R)-Mpg-B(OH)2 (VIII)。
【請求項17】
化合物がコリンまたはアンモニウム塩を含まない、前記請求項のいずれかの使用。
【請求項18】
化合物がボロン酸の塩基付加塩である、前記請求項のいずれかの使用。
【請求項19】
医薬がボロン酸とアルカリ金属または強塩基性有機窒素含有化合物(例えばpkb約7以上を有するもの)との塩を含み、所望により強塩基性有機窒素含有化合物がグアニジン、グアニジンアナログまたはアミンである、例えばボロン酸とアルカリ金属、アミノ糖、グアニジン、式 (XI)のアミン:
【化5】

[式中、nは1〜6 であり、R2はH、カルボキシラートまたは誘導体化カルボキシラートであり、R3はH、C1-C4アルキル、または天然もしくは非天然のアミノ酸の残基である]との塩、例えばリジン、アルギニンまたはグルカミンとの塩を含む、請求項18の使用。
【請求項20】
医薬がボロン酸と金属との塩を含む、請求項18の使用。
【請求項21】
金属がアルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはリチウムを含む、請求項19の使用。
【請求項22】
医薬がペプチドボロン酸に由来するボロネートイオンを含み、一価の負電荷を有する該ボロネートイオンに一致する化学量を有する、請求項18の使用。
【請求項23】
医薬が静脈内投与のためのものである、例えば投与用溶液として再構成するための微細固体形態の化合物を含む、前記請求項のいずれかの使用。
【請求項24】
医薬が (i) 請求項1−22のいずれかに規定される化合物、および (ii) さらなる医薬活性物質、例えば別の心臓血管処置薬、例えば脂質低下薬、フィブラート、ナイアシン、スタチン、CETP阻害薬、および胆汁酸捕捉薬、抗酸化薬、IIb/IIIa アンタゴニスト、アルドステロン阻害薬、A2受容体アンタゴニスト、A3受容体アゴニスト、ベータブロッカー、アセチルサリチル酸、ループ利尿薬、ACE阻害薬、作用機構の異なる抗血栓薬、抗血小板薬、トロンボキサン受容体および/またはシンテターゼ阻害薬、フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト、プロスタサイクリンミメティック、ホスホジエステラーゼ阻害薬、およびADP-受容体 (P2 T) アンタゴニスト、血栓溶解薬、心臓保護薬またはCOX-2阻害薬、を含む、前記請求項のいずれかの使用。
【請求項25】
冠動脈バイパス移植中の血栓症を予防するための静脈内投与用医薬の製造のための、トロンビンS2およびS3サブサイトに結合可能な疎水性部分にペプチド結合により連結しているトロンビンS1サブサイトに結合可能な中性アミノボロン酸残基を有するボロン酸、またはかかる酸の塩、プロドラッグもしくはプロドラッグの塩である選択的トロンビン阻害薬の使用。
【請求項26】
先のいずれかの請求項に規定される化合物を体外血流に導入する手段を含む心肺バイパス装置。
【請求項27】
回路またはその一部が該化合物でコートされている、請求項26の心肺バイパス回路。
【請求項28】
手術中、例えば体外血液回路が関与する手術中、の望ましくない凝固または血栓症を予防するための医薬の製造のための、請求項1−16のいずれかに規定されるボロン酸ならびにその酸付加塩およびプロドラッグから選択される化合物の使用。
【請求項29】
CABG法中の望ましくない凝固を予防するための方法であって、治療上有効量の請求項1−22のいずれかに規定される化合物を、かかる方法を受けている患者またはかかる患者につながれた体外血液回路に投与することを含む方法。
【請求項30】
体外血液回路が関与する手術および体外血液回路が関与しない手術からなる群から選択される方法中の望ましくない凝固を予防する方法であって、治療上有効量の請求項1−16のいずれかに規定されるボロン酸ならびにその酸付加塩およびプロドラッグからなる群より選択される化合物を、かかる方法を受けている患者またはかかる患者につながれた体外血液回路に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2007−528382(P2007−528382A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502396(P2007−502396)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000908
【国際公開番号】WO2005/084686
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(399013672)トライジェン・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】TRIGEN LIMITED
【Fターム(参考)】