説明

手術用具のためのフレキシブルリスト

【課題】低侵襲手術器具を提供すること。
【解決手段】低侵襲手術器具は、作業端部、近接端部、及びこの作業端部と近接端部との間のシャフト軸とを有する細長いシャフト(14)、及びエンドエフェクタ(12)とを含む。リスト部材(10)は、壁に囲まれた内部を通って延びる軸を含むフレキシブルチューブ(26)を有する。このフレキシブルチューブの壁は、フレキシブルチューブの軸に平行するように方向付けられた複数の内腔を含む。リスト部材(10)は、細長いシャフトの作業端部に接続される近接部分と、エンドエフェクタ(12)に接続される遠位部分とを有する。複数の作動ケーブル(24)は、エンドエフェクタに接続される遠位部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
[02]本出願は、2002年12月6日に出願された米国仮特許出願第60/431,636号の利益に基づき、これを主張し、その開示全体は参照として本明細書に組み込まれる。本出願は、以下の特許および特許出願に関連し、その全開示は参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
2002年6月28日に出願された“Surgical Tool Having Positively Positionable Tendon−Actuated Multi−Disk Wrist Joint”という名称の米国特許出願第10/187,248号と、
2002年6月28日に出願された“Platform Link Wrist Mechanism”という名称の米国特許出願第10/186,176号と、
1998年9月18日に出願され、W099/50721号として公開された“Robotic Apparatus”という名称のPCT国際出願第PCT/US98/19508号と、
1999年10月15日に出願された“Surgical Robotic Tools,Data Architecture,and Use”という名称の米国特許出願第09/418,726号と、
1998年12月8日に出願された“Image Shifting for a Telerobotic System”という名称の米国特許出願第60/111,711号と、
1999年8月20日に出願された“Stereo Imaging System for Use in Telerobotic System”という名称の米国特許出願第09/378,173号と、
1999年9月17日に出願された“Master Having Redundant Degrees of Freedom”という名称の米国特許出願第09/398,507号と、
1999年9月17日に出願された“Cooperative Mnimally Invasive Telesurgery System”という名称の米国特許出願第09/399,457号と、
1999年8月13日に出願された“Camera Referenced Control in a Minimally Invasive Surgical Apparatus”という名称の米国特許出願第09/373,678号と、
1999年9月17日に出願された“Surgical Tools for Use
in Minimally Invasive Telesurgical Applications”という名称の米国特許出願第09/398,958号と、
1998年9月15日に発行された“Endoscopic Surgical Instrument and Method for Use”という名称の米国特許5,808,665号。
【0003】
(発明の背景)
本発明は概ね手術用具に関し、より詳細にはロボット手術を行うための手術用具におけるフレキシブルリスト機構に関する。
【背景技術】
【0004】
低侵襲手術技術の進歩により、低侵襲的な方法で行われる手術の数は劇的に増加し得る。低侵襲手術手技は、診断的処置または外科的処置時に損傷を受ける外部組織の量を低減し、それにより患者の回復時間、不快感および有害な副作用を低減することを目的とする。標準手術の入院の平均的な長さも、低侵襲手術手技を使用して著しく短縮し得る。従って、低侵襲手技の採用の増加により、多くの入院日数が節約でき、入院費用だけでも年間何百万ドルが節約し得るであろう。患者の回復時間、患者の不快感、手術の副作用および離職時間も低侵襲手術で低減し得る。
【0005】
最も一般的な形態の低侵襲手術は内視鏡であろう。おそらく、最も一般的な形態の内視鏡は、腹腔内部の低侵襲検査および手術である腹腔鏡である。標準の腹腔鏡手術においては、患者の腹部にガスを注入して、カニューレスリーブを小さい(およそ1/2インチ)切り口に通し、腹腔鏡手術器具の入口を提供する。腹腔鏡手術器具は概ね、腹腔鏡(手術領域を見るため)および作業用具を含む。作業用具は、各用具の作業端部またはエンドエフェクタが延長チューブにより、そのハンドルから離れている以外は、従来の(開腹)手術において使用されるものと同様である。本明細書で使用されるように、「エンドエフェクタ」という用語は、手術器具の実際の作業部分を意味し、例えばクランプ、捕捉器具、はさみ、ホッチキス、持針器を含み得る。外科的処置を行うために、外科医はこれらの作業用具または器具をカニューレスリーブを介して内部の手術部位に通して、腹部の外側からそれらを操作する。外科医は腹腔鏡から撮る手術部位の画像を表示するモニターで、処置を観察する。同様の内視鏡手技は、例えば、関節鏡、腹膜後腔鏡、骨盤鏡(Pelviscopy)、腎盂鏡、膀胱鏡、脳槽鏡(cisternoscopy)、洞房鏡(sinoscopy)、子宮鏡、および尿道鏡などにおいて採用される。
【0006】
現在の低侵襲手術(MIS)技術に関して多くの不都合がある。例えば、既存のMIS器具は、開腹手術において見られる用具設置の柔軟性を外科医に与えない。最新の腹腔鏡用具は堅いシャフトを有しており、小さい切り口を通って作業部位に近づくことは困難である。加えて、多数の内視鏡器具の長さおよび構成は、関連用具のエンドエフェクタ上において組織および器官が及ぼす力を感知する外科医の能力を低減する。内視鏡用具が巧妙性および敏感性に欠けるということが、低侵襲手術の普及の大きな妨げとなっている。
【0007】
低侵襲遠隔手術ロボットシステムが、内部の手術部位内で作業を行う際に外科医の機敏性を高め、また外科医が遠隔位置から患者を手術できるように開発されている。遠隔手術システムでは、外科医はしばしばコンピュータワークステーションで手術部位の画像を与えられる。適切なビュアーまたはディスプレイ上で手術部位の三次元画像を見ながら、外科医は、ワークステーションのマスター入力または制御装置を操作することにより、患者の外科的処置を行う。マスターは自動制御的に操作される手術器具の動きを制御する。外科的処置の間は、遠隔手術システムは、手術のための種々の機能、例えば、マスター制御装置の操作に応答して、針を保持または駆動する、血管を捕捉する、または組織を切開するなどを行う、例えば組織捕捉器具、針ドライバなどのエンドエフェクタを有する種々の手術器具または用具の機械的作動および制御を提供することができる。
【0008】
手術用具によっては、3つの垂直軸周りのエンドエフェクタに3度の回転運動を提供するためのロール−ピッチ−ヨー機構を採用するものもある。ピッチおよびヨー回転は、典型的には用具のシャフトとエンドエフェクタとの間で連結されるリスト機構により提供され、ロール回転は典型的にはシャフトの回転により提供される。約90度ピッチで、ヨーおよびロール回転運動が重なり、特異点と称される1度の回転運動の損失となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の開示)
本発明は、用具がロール、ピッチおよびヨーにおいて一切の特異点を有さないように、ピッチおよびヨー回転を提供するリスト機構を有する用具の代替的実施形態に向けられている。リスト機構はフレキシブルチューブまたはバネもしくは同様のフレキシブル構成要素に接続される一連のディスクにより形成され得る、フレキシブルチューブ状構造を有する。作動ケーブルまたはフレキシブルワイヤー(例えば、ニチノールによって構成される)が、リスト機構を通って延び、ピッチおよびヨー回転においてフレキシブルリストを屈折させるのに使用される。ロールの回転は、リスト機構が取り付けられる用具シャフトを回転させることにより提供される。
【0010】
本発明の1つの態様によると、低侵襲手術器具は、作業端部と近接端部と、この作業端部と近接端部との間のシャフト軸とを有する細長いシャフトと、エンドエフェクタとを含む。リスト部材は、細長いシャフトの作業端部に接続される近接部分とエンドエフェクタに接続される遠位端部分とを含む、フレキシブルチューブと内バネとを有する。内バネはフレキシブルチューブの内部空洞内に配置され、フレキシブルチューブの軸に平行な軸を有する。複数の作動ケーブル(またはワイヤー)は、エンドエフェクタに接続される遠位端部分を有し、遠位端部分からリスト部材を通って細長いシャフトに向かって、ピッチ回転およびヨー回転でリスト部材を屈折させるように作動可能な近接部分まで延びる。作動ワイヤーが使用される場合、作動ワイヤーはまたエンドエフェクタを支持するのを助け得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、作動ケーブルは内バネの中空内部に配置される。少なくとも3本の作動ケーブルがエンドエフェクタに接続される。作動ケーブルの近接部分は、作動ケーブルを作動するように構成されるジンバルプレートに接続され、ジンバルプレートは細長いシャフトの近接端部に近接して配置される。作動ケーブルは内バネとフレキシブルチューブとの間に配置され得る。フレキシブルチューブは、作動ケーブルを受けるための内腔を形成するように内バネの外面により閉じられる内部軸スロットを含み得る。フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に対して概ね横断する複数の横切込みを含み得る。
【0012】
本発明の別の態様によると、低侵襲手術器具は、作業端部と近接端部と、この作業端部と近接端部との間のシャフト軸とを有する細長いシャフトと、エンドエフェクタとを含む。リスト部材は、壁に囲まれた内部を通って延びる軸を含むフレキシブルチューブを有する。フレキシブルチューブの壁は、フレキシブルチューブの軸に概ね平行するように方向付けられた複数の内腔を含む。リスト部材は、細長いシャフトの作業端部に接続される近接部分とエンドエフェクタに接続される遠位端部分とを有する。複数の作動ケーブルはエンドエフェクタに接続される遠位端部分を有し、遠位端部分からリスト部材の壁の内腔を通って細長いシャフトに向かって、ピッチ回転およびヨー回転でリスト部材を屈折させるように作動可能な近接部分まで延びる。
【0013】
いくつかの実施形態では、フレキシブルチューブの壁は12個の内腔を含む。各作動ケーブルは、2つの隣接する内腔を通って延びるように、フレキシブルチューブの壁の遠位部分の周りで輪にされる。フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に対して概ね横断する複数の横切込みを含む。外側カバーがフレキシブルチューブの外面の周囲に巻かれる。横切込みは、各々が互いに対向して配置される1対の切込みを有する切込みの交互の層を含む。各層の切込みは、隣接する層の切込みから約90度ずつ離間される方向に向けられる。横切込みは、リブの上下のディスク部分の間でリブを接続したままにする。概ねフレキシブルチューブの軸に沿って、ディスク部分内に延びるスリットがリブの両側に設けられ得る。
【0014】
特定の実施形態では、フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に概ね平行するように方向付けられた複数のスロットを有する内側チューブと、スロットで内腔を形成するように内側チューブの周囲に巻かれた外側カバーとを含む。外側カバーは外バネを含む。フレキシブルチューブは、各々が複数のスロットの1つの周囲に配置される複数のバネを含む。内バネはフレキシブルチューブの内部の周囲に配置され得る。編組カバーがフレキシブルチューブの外面上に形成され得る。編組カバーは、フレキシブルチューブの近接端部と遠位端部との間で時計回りの方向に巻かれる第1のセットのワイヤーと、フレキシブルチューブの近接端部と遠位端部との間で反時計回りの方向に巻かれ、第1のセットのワイヤーとともに織り込まれる第2のセットのワイヤーとを有する。
【0015】
いくつかの実施形態において、フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に概ね平行に、軸接続部により摺動可能に互いに接続される複数の軸方向摺動部材を含む。軸接続部はタングおよび溝接続部を含む。各軸方向摺動部材は、別のバージョンにおいて作動ケーブルの1つを受けるための内腔を含む。フレキシブルチューブは、互いに連結される、フレキシブルチューブの円周の周りに配置される複数の軸バネを含む。各軸バネは、作動ケーブルの1つを受けるための内腔の1つを提供するように隣接する軸バネのコイルと重なり合うコイルを有する。フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に沿って連続して接続される高点および低点を含む複数の波形バネセグメントを有する波形バネを含み得る。1つの波形バネセグメントの高点は、隣接する波形バネセグメントの低点に接続される。
【0016】
本発明の別の態様によると、低侵襲手術器具は、作業端部と近接端部と、この作業端部と近接端部との間のシャフト軸とを有する細長いシャフトと、エンドエフェクタとを含む。リスト部材は、細長いシャフトの作業端部に接続される近接部分とエンドエフェクタに接続される遠位端部分とを含む内バネを有する。リスト部材は内バネの軸に沿って分布される複数の環状ディスクを有する。環状ディスクはそれぞれ、内バネと接続される内縁を有する。複数の作動ケーブルは、エンドエフェクタに接続される遠位端部分を有し、遠位端部分からリスト部材を通って細長いシャフトに向かって、ピッチ回転およびヨー回転でリスト部材を屈折させるように作動可能な近接部分まで延びる。
【0017】
いくつかの実施形態では、ディスクは、作動ケーブルがその中を通って延びる複数の穴を含む。ディスクはそれぞれ、互いに対向して配置される、内縁から内バネのコイル間の間隙に延びる1対の内側タブを含む。隣接するディスクは、隣接するディスクの内側タブから約90度離間して配置される、一方のディスクの内側タブで方向付けられる。ディスクはそれぞれ、隣接するディスク間を合わせるための外側合わせ面と内側合わせ面とを含み、一方のディスクの外側合わせ面は、隣接するディスクの内側合わせ面と合わさる。外側合わせ面と内側合わせ面の形状は概ね球面である。複数のエラストマー部材はそれぞれ、隣接するディスク間に配置され、接続される。リストカバーが、内バネと環状ディスクの外側に配置される。リストカバーは非導電体材料の平らな螺旋を含む。平らな螺旋は、螺旋の隣接する層間で重なり合う、丸められた縁を含む。平らの螺旋は、内バネの軸に概ね平行するように方向付けられた溝を含む。
【0018】
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
作業端部と近接端部と、該作業端部と該近接端部との間のシャフト軸とを有する細長いシャフトと、
エンドエフェクタと、
細長いシャフトの作業端部に接続される近接部分とエンドエフェクタに接続される遠位端部分とを含む、フレキシブルチューブと内バネとを有するリスト部材であって、該内バネはフレキシブルチューブの内部空洞内に配置され、該内バネはフレキシブルチューブの軸に平行な軸を有するリスト部材と、
エンドエフェクタに接続される遠位端部分を有し、該遠位端部分からリスト部材を通って細長いシャフトに向かって近接部分まで延びており、ピッチ回転およびヨー回転でリスト部材を屈折させるように作動可能な複数の作動ケーブルと、
を含む低侵襲手術器具。
(項目2)
前記作動ケーブルは前記内バネの中空内部に配置される、項目1に記載の器具。
(項目3)
少なくとも3本の作動ケーブルが前記エンドエフェクタに接続される、項目1に記載の器具。
(項目4)
前記作動ケーブルの近接部分は、作動ケーブルを作動するように構成されるジンバルプレートに接続され、該ジンバルプレートは細長いシャフトの近接端部に近接して配置される、項目1に記載の器具。
(項目5)
作動ケーブルは内バネとフレキシブルチューブとの間に配置される、項目1に記載の器具。
(項目6)
前記フレキシブルチューブは、作動ケーブルを受けるための内腔を形成するように、内バネの外面により閉じられる内部軸スロットを含む、項目5に記載の器具。
(項目7)
前記フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に対して概ね横断する複数の横切込みを含む、項目1に記載の器具。
(項目8)
作業端部と近接端部と、該作業端部と該近接端部との間のシャフト軸とを有する細長いシャフトと、
エンドエフェクタと、
壁に囲まれた内部を通って延びる軸を含むフレキシブルチューブを有するリスト部材であって、フレキシブルチューブの壁はフレキシブルチューブの軸に概ね平行するように方向付けられた複数の内腔を含み、リスト部材は細長いシャフトの作業端部に接続される近接部分とエンドエフェクタに接続される遠位端部分とを有するリスト部材と、
エンドエフェクタに接続される遠位端部分を有し、該遠位端部分からリスト部材の壁の内腔を通って細長いシャフトに向かって近接部分まで延びており、ピッチ回転およびヨー回転でリスト部材を屈折させるように作動可能な複数の作動ケーブルと、
を含む低侵襲手術器具。
(項目9)
前記フレキシブルチューブの壁は12個の内腔を含む、項目8に記載の器具。
(項目10)
各作動ケーブルは、2つの隣接する内腔を通って延びるように、フレキシブルチューブの壁の遠位端部分の周りで輪状にされる、項目8に記載の器具。
(項目11)
前記フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に対して概ね横断する複数の横切込みを含む、項目8に記載の器具。
(項目12)
フレキシブルチューブの外面の周囲に巻かれた外側カバーをさらに含む、項目11に記載の器具。
(項目13)
前記横切込みは、各々が互いに対向して配置される1対の切込みを有する切込みの交互の層を含み、各層の切込みは、隣接する層の切込みから約90度ずつ離間される方向に向けられた、項目11に記載の器具。
(項目14)
前記横切込みは、リブの上下のディスク部分の間でリブを接続したままにして、概ねフレキシブルチューブの軸に沿って、ディスク部分内に延びるスリットがリブの両側に設けられる、項目13に記載の器具。
(項目15)
前記フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に概ね平行するように方向付けられた複数のスロットを有する内側チューブと、スロットで内腔を形成するように内側チューブの周囲に巻かれた外側カバーとを含む、項目8に記載の器具。
(項目16)
前記外側カバーは外バネを含む、項目15に記載の器具。
(項目17)
前記フレキシブルチューブは、各々が複数のスロットの1つの周囲に配置される複数のバネを含む、項目8に記載の器具。
(項目18)
前記フレキシブルチューブの内部の周囲に配置される内バネをさらに含む、項目8に記載の器具。
(項目19)
フレキシブルチューブの外面上に編組カバーをさらに含み、該編組カバーはフレキシブルチューブの近接端部と遠位端部との間で時計回りの方向に巻かれる第1のセットのワイヤーと、フレキシブルチューブの近接端部と遠位端部との間で反時計回りの方向に巻かれ、第1のセットのワイヤーとともに織り込まれる第2のセットのワイヤーとを有する、項目8に記載の器具。
(項目20)
前記フレキシブルチューブの壁は、フレキシブルチューブの軸に概ね平行に、軸接続部により摺動可能に互いに接続される複数の軸方向摺動部材を含む、項目8に記載の器具。(項目21)
前記軸接続部はタングおよび溝接続部を含む、項目20に記載の器具。
(項目22)
各軸方向摺動部材は作動ケーブルの1つを受けるための内腔を含む、項目20に記載の器具。
(項目23)
各軸方向摺動部材は、一体化された摺動要素として作動ケーブルの1つと一体的に形成される、項目20に記載の器具。
(項目24)
前記フレキシブルチューブは、互いに連結される、フレキシブルチューブの円周の周りに配置される複数の軸バネを含み、各軸バネは、作動ケーブルの1つを受けるための内腔の1つを提供するように隣接する軸バネのコイルと重なり合うコイルを有する、項目8に記載の器具。
(項目25)
前記フレキシブルチューブは、フレキシブルチューブの軸に沿って連続して接続される高点と低点とを含む複数の波形バネセグメントを有する波形バネを含み、1つの波形バネセグメントの高点は隣接する波形バネセグメントの低点に接続される、項目8に記載の器具。
(項目26)
前記リストは、フレキシブルチューブの遠位端部に接続される遠位終端ディスクを含み、前記遠位終端ディスクはフレキシブルチューブより実質的に堅い、項目8に記載の器具。
(項目27)
作業端部と近接端部と、該作業端部と該近接端部との間のシャフト軸とを有する細長いシャフトと、
エンドエフェクタと、
細長いシャフトの作業端部に接続される近接部分とエンドエフェクタに接続される遠位端部分とを含む内バネを有するリスト部材であって、リスト部材は内バネの軸に沿って分布される複数の環状ディスクを有し、該環状ディスクはそれぞれ、内バネと接続される内縁を有するリスト部材と、
エンドエフェクタに接続される遠位端部分を有し、該遠位端部分からリスト部材を通って細長いシャフトに向かって近接部分まで延びており、ピッチ回転およびヨー回転でリスト部材を屈折させるように作動可能な複数の作動ケーブルと、
を含む低侵襲手術器具。
(項目28)
前記ディスクは、作動ケーブルがその中を通って延びる複数の穴を含む、項目27に記載の器具。
(項目29)
前記ディスクはそれぞれ、互いに対向して配置される、内縁から内バネのコイル間の間隙に延びる1対の内側タブを含む、項目27に記載の器具。
(項目30)
隣接するディスクは、隣接するディスクの内側タブから約90度離間して配置される、一方のディスクの内側タブで方向付けられる、項目28に記載の器具。
(項目31)
前記ディスクはそれぞれ、隣接するディスク間を合わせるための外側合わせ面と内側合わせ面とを含み、一方のディスクの外側合わせ面は、隣接するディスクの内側合わせ面と合わさる、項目27に記載の器具。
(項目32)
前記外側合わせ面と内側合わせ面の形状は概ね球面である、項目31に記載の器具。
(項目33)
各々が隣接するディスク間に配置され接続される、複数のエラストマー部材をさらに含む、項目27に記載の器具。
(項目34)
内バネと環状ディスクの外側に配置されるリストカバーをさらに含む、項目27に記載の器具。
(項目35)
前記リストカバーは非導電体材料の平らな螺旋を含む、項目34に記載の器具。
(項目36)
前記平らな螺旋は、該螺旋の隣接する層間で重なり合う、湾曲した縁を含む、項目35に記載の器具。
(項目37)
前記平らな螺旋は、内バネの軸に概ね平行するように方向付けられた溝を含む、項目35に記載の器具。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施形態による手術用具の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態によるリストの断面図である。
【図3】図3は、III−IIIに沿った図2のリストの断面図である。
【図4−1】図4は、本発明の別の実施形態によるリストの斜視図である。
【図4−2】図4Aは、図4と同様のリストの例の遠位部分の平面図であり、ケーブル配置の詳細を示す図である。図4Bは、図4と同様のリストの例の遠位部分の立面図であり、ケーブル配置の詳細を示す図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態によるリストの斜視図である。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態によるリストの平面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態によるリストの断面図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施形態によるリストの平面図である。
【図9】図9は、用具シャフトおよびジンバルプレートを備える図8のリストの立面図である。
【図10】図10は、本発明の別の実施形態によるリストの平面図である。
【図11】図11は、図10のリストの立面図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施形態によるリストの立面図である。
【図13】図13は、本発明の別の実施形態によるリストの平面図である。
【図14】図14は、本発明の別の実施形態によるリストの一部の断面図である。
【図15】図15は、屈折時の図14のリストの部分断面図である。
【図16】図16は、本発明の別の実施形態によるリストの斜視図である。
【図17】図17は、図16のリストの平面図である。
【図18】図18は、本発明の別の実施形態によるリストの一部の断面図である。
【図19】図19は、本発明の別の実施形態によるリストの斜視図である。
【図20】図20は、本発明の別の実施形態によるリストの平面図である。
【図21】図21は、本発明の別の実施形態によるリストの斜視図である。
【図22】図22は、本発明の別の実施形態によるリストの一部の断面図である。
【図23】図23は、図22のリストにおけるディスクの平面図である。
【図24】図24は、図22のリストにおけるディスクの平面図である。
【図25】図25は、図22のリストの外側ピースの斜視図である。
【図26】図26は、図25の外側ピースの断面図である。
【図27】図27は、本発明の別の実施形態によるリストの斜視図である。
【図28】図28は、本発明の実施形態によるリストカバーの断面図である。
【図29】図29は、本発明の別の実施形態によるリストカバーの断面図である。
【図30】図30は、本発明の別の実施形態によるリストカバーの一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(発明の詳細な説明)
本明細書で説明されるように、「エンドエフェクタ」は、医療機能のための、例えば対象組織の所定治療を達成するための、リスト部材を介して操作可能である事実上の作業遠位端部を指す。例えば、エンドエフェクタによっては外科用メス、ブレードまたは電極などの単一作業部材を有するものもある。また、例えば鉗子、捕捉用具、はさみまたはクリップアプライヤーなどの1対または複数の作業部材を有するエンドエフェクタもある。ある実施形態では、ディスクまたは背柱が、集合的に長手方向内腔またはリストに沿った空間を画定し、エンドエフェクタの操作に関連する多数の代替要素または手段のうちのいずれか1つに、導管を提供する開口部を有するように構成される。その例としては、電気的に起動されるエンドエフェクタ(例えば、電気外科電極、変換器、センサーなど)用の導体、流動体、ガスまたは固体用導管(例えば、吸引、吸入、灌注、治療流動体、付属品導入、生検抽出用など)、移動するエンドエフェクタ部材を作動するための機械的要素(例えば、ケーブル、フレキシブル要素、またはグリップ、鉗子、はさみを操作するための連接要素)、導波管、音伝道性要素、光ファイバー要素などを含む。このような長手方向導管は、弾性高分子チューブもしくはスパイラルワイヤ巻きチューブなどのライナ、絶縁体、またはガイド要素を備え得る。
【0021】
本明細書で使用されるように、「手術器具」「器具」「手術用具」または「用具」という用語は、患者の腔における手術部位に導入される1つ以上のエンドエフェクタを担持する作業端部を有し、手術部位における対象組織の所望の治療または医療機能を達成するためのエンドエフェクタ(単数、複数)を操作するように、その腔の外部から作動可能である部材を指す。器具または用具は典型的には、遠位端部にエンドエフェクタ(単数、複数)を担持するシャフトを含み、好適には、針を保持または駆動する、血管を捕捉する、および組織を切開するなどの機能を行うための遠隔手術システムにより自動制御的に作動される。
【0022】
本明細書に記載されるフレキシブルリストの種々の実施形態は、製造するのに比較的安価で、焼灼法に使用できる(但し、焼灼法の使用に限定されない)ように意図される。MIS用途では、用具の挿入可能部分の直径は小さく、小さい切開を可能とするように典型的には約12mm以下、好適には約5mm以下である。詳述される例はこのサイズの範囲を図示するが、実施形態はより大きい、またはより小さい器具を含むように拡大縮小され得ることを理解すべきである。
【0023】
リスト実施形態のいくつかは、ピッチおよびヨーに屈折される場合、蛇状に動く一連のディスクまたは同様の要素を採用する(例えば、図14および図22)。ディスクは環状ディスクであり、円形の内径および外径を有し得る。典型的にはそれらのリストはそれぞれ、一連のディスク、例えば約0.005インチから約0.030インチの厚さで、エッチングされるステンレス鋼ディスクであり得る、約13個のディスクを含む。より薄いディスクは真ん中で使用され得、一方、より厚いディスクはエンドディスクの周りのケーブルUターンで適用されるもののように、ケーブルの力を吸収するようにさらなる力に対して端領域が望ましい。エンドディスクは、ケーブルからの負荷を中央バネの圧縮に転移させるために中央バネが嵌合するカウンターボア(例えば、約0.015インチの深さ)を含み得る。ディスクは、グリッパ、焼灼接続、先端を保持するテザーなどのエンドエフェクタ用のケーブルを引っ張るための内腔として作用する内バネ上にはめ込まれる。内バネはまた、グリッパやテザーの力がリストを歪めないように軸方向の剛性を提供する。いくつかの実施形態では、ディスクは内バネにより捉えられる、対向して配置される一対の内側タブまたはタングを含む。内バネは、ディスクのタブがバネに間隙を作るように挿入される場所以外は、密着高さである(バネが屈折しない場合、連続的な螺旋ピッチのワイヤーは互いに接触している)。ディスクは、ピッチおよびヨー回転を交互に行うことを可能とするために、タブの方向が交互になる。典型的な内バネは、直径0.01インチのワイヤーで構成され、隣接するディスクは互いに4つのバネコイルで互いに離間される。バネが縁巻フラットワイヤ(スリンキーのような)で構成される場合は、周辺のコイルが互いを飛び越すことなく高い軸方向の力がケーブルにより加えられ得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、各ディスクは作動ケーブルを受けるための12個の均等に離間した穴を有する。3本のケーブルは任意の所望の方向にリストを屈折するのに十分なものであり、個々のケーブル上の張力は所望の屈折動作を生成するように調整されている。小さいリストの直径と外科的な力によりリスト上で発揮されるモーメントゆえに、3本のケーブルにおける応力はかなり大きいものとなるであろう。典型的には、3本を超えるケーブルが使用されて各ケーブル(制御の目的で重複するさらなるケーブルを含む)における応力を低減する。下記に示すいくつかの例のおいて、12本以上のケーブルが使用される(下記の図4の考察を参照)。ケーブルを駆動するために、ジンバルプレートまたはロッキングプレートが使用され得る。ジンバルプレートは2つの標準入力を利用して、ピッチおよびヨー軸に対して任意の角度でリストを屈折するようにケーブルを操作する。
【0025】
リストによっては、ピッチおよびヨーに屈折するのに十分フレキシブルであるチューブ状部材から形成される(例えば、図2および図4)。内バネが含まれ得る。屈折を促進するために構造的剛性を低減するために、チューブ状部材は切込みを含み得る(例えば、図5および図19)。リストを作る1つの方法は、中央の穴と作動ワイヤーの穴にワイヤーおよびハイポチューブマンドレルを挿入することである。型を作ることができ、アセンブリを、オーブンで硬化された(例えば、約165°Cで)二液型プラチナ硬化シリコンゴム(two−part platinum cure silicone rubber)でオーバーモールドすることができる。マンドレルはモールド成形の後引き抜かれて、引っ張りケーブルのための中央内腔および周辺内腔を形成する経路を作製する。このように、リストは露出した金属部分を有さない。ゴムはオートクレーブに耐えることができ、典型的には約30%のひずみであるリスト屈折時の伸長に耐えることができる。
【0026】
特定実施形態では、チューブ状部材は、各々が作動ケーブルを受けるための内腔を有する複数の軸方向摺動部材を含む(例えば図8)。チューブ状部材は、作動ケーブルを受けるための内腔を提供するように、隣接するバネのコイルと重なり合うコイルを有する複数の軸バネにより形成される(例えば、図10)。チューブ状部材は、波形バネの積み重ねにより形成され得る(例えば、図12)。チューブ状部材における内腔は、軸バネの内側で形成され得る(例えば、図16)。チューブ状部材の外側はねじれ剛性を提供するように編み込まれ得る(例えば、図27)。
【0027】
(A.ワイヤーラップにより支持されるワイヤーを有するリスト)
図1は、手術用具用の遠位端エンドエフェクタ12と近接用具シャフトまたは主チューブ14との間に接続されるリスト10を示す。図示されるエンドエフェクタ12は、図2において最もよくわかるように、遠位クレビス18上に搭載されるグリップ16を含む。遠位クレビス18は、近接位置でハイポチューブ26に接続する複数のワイヤーまたはケーブル24の遠位クリンプ22を収納する側面アクセススロット20を含む。また、ハイポチューブ26は、プラットフォームまたはガイド30と用具シャフト14の内部とを通って延びる。ガイド30は、ハイポチューブ26およびワイヤーアセンブリを方向付けさせ、器具の用具シャフト14に取り付けられる。ガイド30はまた、用具シャフト14がロールに動くと、リスト10のローリング動作を開始する。側面アクセススロット20により、従来技術でクリンプ22を所定位置に圧入することができる。当然、レーザー溶接などワイヤー24を遠位クレビス18に取り付けるという他の方法が、他の実施形態で採用され得る。
【0028】
図2および図3では4本のワイヤー24を示すが、別の実施形態では異なる数のワイヤーを使用され得る。ワイヤー24はニチノールまたは他の適切な材料で構成され得る。ワイヤー24は、リスト10の接合部を作製し、遠位クレビス18およびハイポチューブ26の間に堅固に取り付けられる。ワイヤーラップ34はコイルバネと同様にワイヤー24の周囲に巻きつけられ、遠位クレビス18とハイポチューブ26との間に延びる。収縮チューブ36は、ワイヤーラップ34および遠位クレビス18とガイド30の一部を覆う。ワイヤーラップ34および収縮チューブ36は、リスト10をピッチおよびヨーに動くようにハイポチューブ26が押されたり、引っ張られたりすると、ワイヤー24を互いに一定の距離で保つ。それらはまた、用具シャフト14と共にロールに動き、外部の力に抵抗することができるように、リスト10に対してねじれおよび一般的な剛性を提供する。ワイヤーラップおよび収縮チューブは、他の実施形態では異なるように構成できる(1つの好適な実施形態が図27に示され、下記の項Jで説明される)。例えば、それらは内部の一部分として、ワイヤー24を備える5つの内腔の押し出し成形に変え得る。ワイヤーラップまたは均等の構造の機能は、リスト10がロール、ピッチおよび/またはヨーに動くと、中心線から一定の距離でワイヤー24を保つことである。収縮チューブはまた、電気的絶縁を提供できる。
【0029】
(B.作動ケーブルにより屈折されるフレキシブルチューブを有するリスト)
図4は、ニチノールで構成され得る作動ケーブルまたはワイヤー44を受ける、円周に分布される穴または内腔43を有するチューブ42を含むリスト40を示す。チューブ42はフレキシブルで、ケーブル44を引っ張ることによりピッチおよびヨーの屈折を可能とする。リスト40は好適には、フレキシブルチューブ42にケーブルの力を均等に配分するように、堅い遠位終端ディスク41(図4Bの代替実施形態で示すように)、またはフレキシブルチューブ42よりも実質的に堅い他の補強材を含む。チューブ42の中空は、グリップケーブルなどのエンドエフェクタケーブルのための空間を提供する。典型的には少なくとも4つの内腔がある。内バネ47が設けられ得る。
【0030】
図4は、チューブ42の遠位端部でUターン45を成す6本のケーブル44を収容するための、特定実施形態の12個の内腔を示す。使用される多数のケーブルにより、チューブ42は、ピッチおよびヨーの同じ屈折を得る同一のケーブル引っ張り力に対して、より高い剛性を有することができる。例えば、4本のケーブルの代わりに12本のケーブルを使用することは、チューブ42は同じケーブル引っ張り力に対して3倍の剛性を有すことができることを意味する。代替的に、チューブ42の剛性が同じ場合は、4本のケーブルの代わりに12本のケーブルの使用により、必要とされるケーブル引っ張り力を3分の1低減することができることになる。材料特性およびケーブル応力レベルによりUターン45がチューブ42の端部に直接かかり得るが、チューブ42上をよりスムーズにケーブルの力を分布させるために、補強された遠位終端プレート41が含まれ得る。ケーブル44の近接端部は、2002年6月27日に出願された米国特許出願第10/187,248号で開示され、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、ジンバルプレート46を含むアセンブリなどの作動機構に接続され得る。この機構は、フレキシブルリスト屈折角度および方向を制御するなど、屈折可能または操縦可能な部材の制御のために、選択された複数のケーブルを調整して作動するように促進する。出願第10/187,248号の作動機構の例は、バランスよく多数の周辺ケーブルを作動するように適応され、比較的多数の直線作動装置を必要とせずにフレキシブル部材の調整された操縦を提供することができる。代替的には、個々に制御される直線作動機構を使用して、各ケーブルまたは滑車に巻きつけられ、回転作動装置で動かされるケーブル対をピンと張り、操縦はその直線作動装置を調整することにより制御され得る。
【0031】
チューブ42は典型的には、ピッチおよびヨーに十分屈折できる低い弾性係数を有する、プラスチック材またはエラストマーで構成され得、複数の内腔、例えば12個の内腔を含むように、複数内腔押出し成形により製造され得る。S字形屈折などの不必要な撓みを制限するために、チューブが高い屈折剛性を有することが望ましいが、これはピッチおよびヨーの望ましい屈折に必要とされるケーブルの力を増加させる。下記で述べるように、チューブの高い屈折剛性を克服するのに十分に高いケーブルの力を提供するために、リストをピッチおよびヨーに操作するのに必要とするよりも、多くのケーブル(すなわち3本を越えるケーブル)を使用することができる。
【0032】
図4Aおよび図4Bは、図4に示すものと同じリスト実施形態における2つの異なるケーブル配置の例を概略的に示す。一定の総ケーブル断面積に対して、2本1組になるケーブルを含み、多数の、それに比例してより小さいケーブルを含むことにより、リスト中心線に対してより大きい側方オフセットで終結することが可能であることに注意する。図4Aおよび図4Bは、各図の右側がリスト例1を示し、各図の左側はリスト例2を示すように境界線により分けられた、リスト実施形態の平面図および立面図をそれぞれ示す。各例では、チューブ42は同じ外半径Rおよび中央内腔を画定する同じ内半径rを有する。
【0033】
例1では、リスト40.1におけるケーブル44の数は4に等しく(n1=4),各ケーブルは遠位アンカー44.5により個々に終結されており、遠位終端プレート41における皿ボアにはめ込まれて、さらに各ケーブルは遠位終端プレート41における各側方ケーブル内腔43およびフレキシブルチューブ42を通って延びる。アンカー44.5は、スエージビーズまたは他の従来のケーブルアンカーであり得る。
【0034】
例2では、リスト40.2におけるケーブル44’の数は16に等しく(n2=16)、ケーブルは8本の対称的に離間された対の部分44’として配置され、各対は、隣接するケーブル内腔43’間で遠位終端プレート41’にかかる遠位「Uターン」エンドループ45により終結される。内腔43’での遠位終端プレート41’の縁は、応力集中を低減するように丸くされ得、ループ45は部分的または全体的に遠位終端プレート41の皿穴に埋められ得る。16本のケーブル44’の直径は4本のケーブルの直径の1/2であるので、ケーブル総断面積は各例では同じである。
【0035】
図1と図2を比較すると、終了ループ45の採用により、ケーブルアンカー44.5に当てる遠位の体積分をなくなり、ケーブル内腔43’はケーブル内腔43よりもチューブ42の半径R寄りになる傾向にある。加えて、各ケーブル44’のより小さい直径のために、ケーブル中心線はケーブル内腔43’の外縁寄りになる。これらの特性の両方により、例2のケーブルは、チューブ42の中心に対して例1の対応モーメントアームL1より大きいモーメントアームL2の周りで作用できる。このより大きいモーメントアームL2は、チューブ42上の同じ全屈折モーメントに対してより低いケーブル応力が可能となり(より長いケーブル寿命またはより広範囲の選択ケーブル材料が可能となる)、または代替的には、同じケーブル応力に対してより大きい屈折モーメントが可能となる(より大きいリスト位置づけ剛性が可能となる)。加えて、より小径ケーブルは、比較的太いケーブルよりフレキシブルであり得る。従って、リスト40の好適な実施形態は、3本を越えるケーブル、好適には少なくとも6本(例えば、3対のループケーブル)、より好適には12本以上のケーブルを含む。
【0036】
遠位終端プレート41で示されるアンカーまたは終点は例示であり、選択された材料特性が加えられる応力に適している場合は、ケーブルがチューブ42の材料に直接かかるように終結され得る(アンカーまたはループにより)ことに注意する。代替的には、ケーブルはチューブ42および/または遠位終端プレート41を超えて遠位に延び、それより遠位のエンドエフェクタ部材(図示せず)への接続により終結しており、ケーブル張力は、リスト40にしっかりと接続されたエンドエフェクタ部材をリスト動作の作用範囲内に維持するように、十分付勢され得る。
【0037】
チューブの剛性を構造的に低減する1つの方法は、図5で示すように、切込みを設けることである。チューブ50は2つの側面上に、2つの直行する方向に互い違いに、それぞれピッチおよびヨーの屈折を促進する複数の切込み52を含む。複数の内腔54は、作動ケーブルを収容するために円周に分布される。
【0038】
図6に図示する別の実施形態において、チューブ60は、チューブ60より高い剛性材料で形成される内部バネ62の周囲に巻きつけられる外側ブーツとして形成される。チューブ60は、作動ケーブルを受ける内部スロット64を含む。別個に形成されるフレキシブルチューブを設けることにより、アセンブリが簡素化できる。このようなチューブは、ケーブルを通す穴を有するチューブよりも、押し出し成形または別の方法で形成するのにより簡単である。このチューブはまた、ケーブルが中央内腔から設置され、その後ケーブルの間隔及び保持を維持するためにケーブルの内側に挿入された内バネを設置することができるので、予め形成される終点構造またはアンカーを備える作動ケーブルを使用するのにも役立つ。場合によっては、チューブ60は消毒しているが、必ずしもオートクレーブで処理可能ではない単一使用構成要素であり得る。
【0039】
図7は、図5のチューブ50における切込み52と同様であり得る切込み72を有するチューブ70を示す。チューブ70は、プラスチックまたは金属で構成され得る。外側カバー74がチューブ50の周囲に取り付けられる。外側カバー74は、カプトンカバーなどであり得、典型的には切込み72に嵌合する皺を有する高引っ張り応力材料である。
【0040】
(C.軸タングおよび溝摺動部材を有するリスト)
図8および図9は、チューブ状リスト80を形成するために軸タングおよび溝接続部84により互いに接続または連結される、複数のフレキシブル軸方向摺動部材82を有するリスト80を示す。各摺動部材82はチューブ80の長手方向セグメントを形成する。軸接続部84により、摺動部材82はリスト長手方向中心線に対して各部材の側方の位置を保ちつつ、互いに軸方向に摺動することができる。各摺動部材82は、作動ケーブルを受けるための穴または内腔86を含み、この穴または内腔86はリスト80の遠位端部に隣接して終結される。図9は、摺動部材82の摺動動作により促進される、ケーブル90のケーブル引っ張り力のもとでのリスト80の屈折を図示する。ケーブル90は用具シャフト92を通って延び、近接位置で作動用のジンバルプレート94などの作動機構に接続される。リスト80の屈折時において、摺動部材82の曲率半径が異なるので、摺動部材82は異なる量で屈折する。代替的には、軸方向摺動部材を有するリストの実施形態は、一体化されたケーブルおよび摺動部材を有し得、例えばこれにより摺動部材は一体化された摺動要素としてケーブルの周囲に一体的に形成される(例えば、押出し成形により)、またはこれにより、作動機構は摺動部材の近接端部に連結され、摺動部材は力をリストの遠位端部に直接伝える。
【0041】
図13では、典型的にはフレキシブルなプラスチック材料で構成される複数の軸部材132を有するリスト130を示す。軸部材132はケーブル134上に同時押し出し成形され得るので、ケーブルが金属でなお絶縁可能である。軸部材132は軸タングおよび溝接続部136により互いに接続され、チューブ状リスト130を形成し得る。軸部材132は、ピッチおよびヨーのリスト130の屈折時に、互いに対して摺動することが可能であり得る。リスト130は図8のリスト80と同様であるが、わずかに異なる構成を有し、構成要素は異なる形状を有する。
【0042】
(D.重なり合う軸バネ部材を有するリスト)
図10および図11は、チューブ状リスト100を形成するために円周の周りに配置される複数の軸バネ102により形成されるリスト100を示す。バネ102は同じ方向または、よりありがちな反対方向に巻かれたコイルバネである。図11でより明確にわかるように、ケーブル104は隣接するバネ102の各対の重なり領域を通って延びる。重なりにより、リスト100がケーブル張力のもとで十分圧縮されている場合、リスト100の密着高さは、個々のバネ102の密着高さの2倍となるであろう。バネ102は典型的には、ケーブルがたるまないように、またリスト安定性を高めるために圧縮状態で予め負荷される。
【0043】
1つの代替において、リストが中立または屈折していない状態にあるとき、ケーブル初荷重によって、バネは完全に圧縮された密着高さ状態に付勢される。リストの一方の側でケーブル張力を制御調整しながら減少させる、またはケーブルレリースすることによって、一方の側が伸び、その結果リスト100の一方の側のバネが伸びて、屈折したリスト100の外側半径を形成することができる。外側ケーブル引っ張り力を再び加えると、リストは直立した構成に戻る。
【0044】
別の代替では、リストが中立または屈折していない状態にあるとき、ケーブル初荷重によって、バネは部分的に圧縮された状態に付勢される。リストの一方の側でケーブル張力またはケーブル引っ張りを制御調整しながら増加させることによって、その一方の側が収縮して、その結果リスト100の一方の側のバネが短くなり、屈折したリスト100の内側半径を形成することができる。選択的に、これは上記の第1の代替と同様に、外側半径上の張力の解除と組み合わせ得る。元のケーブル引っ張り力を復元すると、リストは直立した構成に戻る。
【0045】
(E.波形バネ部材を有するリスト)
図12は、チューブ状の波形バネリスト120を形成するように積み重ねられる、または巻かれる複数の波形バネセグメントまたは構成要素122を有する波形バネ120の形態のリストを示す。1つの実施形態では、波形バネは、擬似螺旋状の連続した1片の平らなワイヤーから形成され、これを巻いたものであり、波形は各サイクル毎に変化し、1つのサイクルの高点は次のサイクルの低点に接する。このようなバネは市販のもので、例えば、Smalley Spring Companyから入手可能である。穴が波形バネリスト120に形成され、作動ケーブルを受ける。代替的に、複数の別個のディスク状波形バネセグメントが作動ケーブル上にビーズ状に並べられ得る(ケーブルにより保持されるか、または互いに接着される)。
【0046】
図示されるように波形バネ122はそれぞれ、90度で離間される2つの対向する高点および2つの対向する低点を有する。この構成により、ピッチおよびローの屈折を促進する。当然、波形バネセグメント122は、さらなる高点および低点を備えてより密集した波形パターンのような他の構成を、リスト120の円周に有し得る。
【0047】
(F. 球面の合わせ面を備えるディスクを有するリスト)
図14はリスト140のいくつかのセグメントまたはディスク142を示す。内部バネ144はディスク142の内部空間に設けられ、一方、複数のケーブルまたはワイヤー145がピッチおよびヨーにリスト140を屈折するために使用される。ディスク142は、内バネ144上にはめ込まれるか連結され、エンドエフェクタ用の引っ張りケーブルの内腔として作用する。引っ張りケーブルを介してエンドエフェクタに加わる力がリスト140をゆがめないように、内バネ144は軸方向剛性を提供する。代替の実施形態では、バネ144の代わりに積み重ねられた固体スペーサを使用して、この機能を達成することができる。ディスク142はそれぞれ、隣接したディスクの湾曲した内側あわせ面148と合わさる湾曲した外側合わせ面146を含む。図15は、ディスク142間の関連付けられた相対的回転に伴うリスト140の屈折を図示する。ディスク142は、例えばプラスチックまたはセラミックで構成され得る。球面の合わせ面146、148間の摩擦は、好適にはリスト140の動きを妨害するほど強くない。この潜在的な問題を軽減する1つの方法は、リスト140を屈折させるようにケーブル145を作動している間、何らかの圧縮負荷に耐え、ディスク142上の過度の圧縮負荷を防ぐであろう適切な内部バネ144を選択することである。内部バネ144はシリコンゴムなどで構成され得る。さらなるシリコン部材150も、作動ケーブルを囲み得る。代替実施形態では、個々のディスク142は1つの連続した螺旋状の細長い一片に置き換えられている。
【0048】
代替実施形態では、リスト160の各ケーブルは図16および図17で図示されるように、バネの巻き162に収納され得る。内バネ164も設けられる。ディスク170は、ケーブルを受けるための環状フランジおよび穴なしで作ることができる(図14および図15のディスク142と同様)。バネの巻き162の内側の固いマンドレルワイヤーは、ディスク170の周囲に沿って所定の位置に配置することができる。中心ワイヤーマンドレル174は内部バネ164を巻くために真ん中に設けられる。アセンブリはシリコンなどの入った容器に入れ(potted in silicon)、その後マンドレルワイヤー172、174を取り除くことができる。なんらかの形態のカバーなどを使用して、シリコンがディスク170の球面の合わせ面に付着することを防ぐ。小さいマンドレル弁172は、リスト160が屈折したときに縮小するための空間を提供する小さな間隙を残して巻きつけられる。シリコンは望ましくは、ディスク170に対して十分接着され、ディスク170およびバネ172、174の接合されたアセンブリにねじれ剛性を提供する。断熱性のシリコン材は、リスト160を組み込む焼灼用具に対して焼灼断熱材として機能し得る。
【0049】
(G.エラストマー部材により分離されたディスクを有するリスト)
図18は、エラストマー部材184により分離された複数のディスク182を有するリスト180を示す。エラストマー部材184は環状の部材であり得るか、ディスク182の円周に分布された複数のブロックを含み得る。図14のリスト140と同様に、内部バネ186がディスク182およびエラストマー部材184の内部空間に設けられ、一方、複数のケーブルまたはワイヤー188が使用されてピッチおよびヨーにリスト180を屈折する。ディスク182は、内バネ184上にはめ込まれるか連結され、エンドエフェクタ用の引っ張りケーブルの内腔として作用する。引っ張りケーブルを介してエンドエフェクタに加わる力がリスト180をゆがめないように、内バネ184は軸方向剛性を提供する。このリスト180の構成は、リスト140よりヒトの脊椎によく似ている。エラストマー部材184は、弾性的に変形してピッチおよびヨーのリスト180の屈折を可能とする。エラストマー部材184を使用することで、ディスク182間のあわせ面の必要性がなくなり、また関連摩擦力がなくなる。
【0050】
(H.ピッチおよびヨー屈折のためにディスクを支持する、交互性リブを有するリスト)
図19は、垂直方向に方向付けられ、リスト190のピッチおよびヨー屈折を促進する、交互のけたまたはリブ194に支持される複数のディスク192を含むリスト190を示す。隣接するディスク192間の切込みを除去して、隣接するディスク192間の概ね垂直なリブ194、196の交互の層を残しておくことにより、リスト190がチューブから形成され得る。ディスク192は作動ケーブルがその中を通る穴198を有する。ディスク192およびリブ194、196は、スチール、アルミニウム、ニチノール、プラスチックなどの種々の材料で構成され得る。図20に図示されるようにリスト200の代替実施形態では、ディスク202はケーブルを受けるための穴の代わりにスロット204を含む。このようなチューブは、ケーブルを通すための穴を有するチューブよりも押出し形成しやすい。バネ206は、ディスク202に巻かれてケーブルを支持する。
【0051】
図21では、リスト210は、リブ214、216をディスク212間の間隔よりも長くするためにリブの両側にディスク212への切り込みまたはスリット217を有する、交互のけたまたはリブ214、216で支持されるディスク212を含む。この構成により、同じリストの長さに対して、図19のリスト190よりも小さい曲率半径での屈折が促進されるか、より短いリストを用いて同じ曲率半径を達成し得る。隣接するディスク212間の約15度の屈折角度は、これらの実施形態では典型的である。ディスク212は、作動ケーブルを受けるための穴218を有する。
【0052】
(I.コイルバネに沿って分布される薄いディスクを採用するリスト)
図22は、複数の薄いディスク224がバネ222の長さに亘って分布される、コイルバネ222を含むリスト220の一部を示す。図22のリスト部分には2つのディスク224しか見えず、図23と図24で図示される互いに直交するタブ226で方向付けられる224Aおよび224Bを含む。バネ222は、ディスク224を挿入するために設けられる間隙を除いて密着高さで巻かれる。バネ222は内縁およびディスク224のタブ226の近くでディスク224に接続される。ディスク224は、エッチングにより形成され得、作動ケーブルを受けるための穴228を含み得る。タブ226は、ピッチおよびヨーのリスト220の屈折時において、バネ222を一定ポイントで屈折させる支点として作用する。ディスク224は、いくつかの実施形態によっては比較的堅いが、他の実施形態では、リスト220の屈折時にバネ要素として屈折及び作用するのに十分フレキシブルであり得る。シリコーン外側カバーは、誘電絶縁体としてコイルバネ222とディスク224の周囲に設けられ得る。加えて、バネ222とディスク224アセンブリは、例えば、図25および図26における外側ピースまたは外装ピース250から形成される外側構造により保護され得る。各外装ピース250は、外側合わせ面252および内側合わせ面254を含む。1つの外装ピース250の外側合わせ面252は、隣接する外装ピース250の内側合わせ面254と合わさる。外装ピース250はバネ222の長さに沿って積み重ねられ、リスト220の屈折から回転しながら、接触を維持する。
【0053】
(J.外側編組ワイヤーを有するリスト)
フレキシブルなリストは、加えられた負荷に対する種々の材料の剛性に正確に依存する。すなわち、使用される材料が堅ければ堅いほど、および/またはリストの長さが短ければ短いほど、および/またはリストが大きい直径を有していればいるほど、発揮される所定の外科的な力のもとでのリストに関しては、横へのたわみはより小さくなるであろう。引っ張りケーブルが無視しうるコンプライアンスを有する場合、リストの端部の角度は正確に決定することができるが、ケーブルによるこれに対抗する力のもとでは、移動性または横へのたわみがあり得る。リストがまっすぐで、このような力が働いた場合、例えば、リストはS字形のたわみを呈す。これに対抗する1つの方法は、十分な剛性の適切な材料とリストに適した形状を有することである。別の方法は、米国特許出願第10/187,248号で説明されるように、引っ張りケーブルの半分をリストの長さに沿って途中で終結させ、これらを残りのケーブルの半分まで引っ張ることである。S字形のたわみに対するより大きな抵抗は、モーメントに耐える能力を犠牲にして得られる。S字形のたわみを避けるさらに別の方法は、リストの外側に編組カバーを設けることである。
【0054】
図27は、外側ワイヤー274にくるまれたチューブ272を有するリスト270を示す。ワイヤー274はそれぞれ、チューブ272の端部間で約360度回転で覆うようにに巻かれる。リスト270のねじれ剛性を高め、リスト270のS字形たわみを避けるために、外側ワイヤー274は、チューブ272上を覆う編組カバーリングを形成するように巻くことができる。編組カバーリングを形成するために、右回りのセット及び左回りセット(すなわち、一方は時計回りで他方は反時計回り)を含む2つのセットのワイヤーが織り合わせられる。織りまたは編み込みにより、時計回り及び反時計回りのワイヤーが互いに対して半径方向に動くことを防ぐ。例えば、ねじりのもとで、一方のセットのワイヤーの直径が大きくなろうとしても他方が縮まるので、ねじれ剛性が生じる。編組することにより、一方のセットが他方と異なることを防ぎ、ねじれによるたわみが抵抗を受ける。リスト270が円弧状に屈折するにつれて外側ワイヤー274は軸方向に摺動する必要があるが、編組の個々のワイヤーの長さを長くする必要がないように、外側ワイヤー274のよりの長さはリスト270の長さと等しくすることが望ましい。S字形たわみは外側ワイヤー274の長さが長くなるのを求めるので、編組はリスト270のS字形たわみに抵抗するになる。さらに、編組はまた外装として作用して、リストが削り取られたり、切断されたりするのを防ぎ得る。編組カバーが非導体である場合、最も外側の層で、リスト270の外装として作用し得る。リストのねじれ剛性を高め、S字形たわみを避けることはまた、右回りの巻きで始まり左回りの巻きにより覆われ、その後また別の右回り巻きで覆われる層状のバネによって達成されることができる。
【0055】
(K.リストカバー)
上記はいくつかのリスト用外装またはカバーを開示する。図28および図29は、リストカバーのさらなる例を示す。図28では、リストカバー280はプラスチックまたはセラミックなどの非導体材料の平らな螺旋により形成される。リストが屈折されると、螺旋状カバー280の異なるコイルは互いに摺動する。図29は、屈折または湾曲した縁292を含み、螺旋の隣接する層間の重なりを確実にする。リストにねじれ剛性を提供するために、リストカバー300は、リストの軸に平行して方向付けられたうねまたは溝302を含み得る。うね302は、1つの螺旋状の層から次の層へのスプラインとして作用し、リスト用のねじれスタビライザーを構成する。ステントのように構成されたニチノールレーザカバーの考察を付け足す。
【0056】
装置および方法の上記配置は、本発明の原則の適用の単に例示であり、請求項で定義されるように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく他の多くの実施形態および変形が行われ得る。それゆえに本発明の範囲は、上記の説明を参照せずに決定されるべきであり、代わりに均等物の全範囲と共に、添付された請求項を参照して決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−81823(P2013−81823A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−13947(P2013−13947)
【出願日】平成25年1月29日(2013.1.29)
【分割の表示】特願2011−25457(P2011−25457)の分割
【原出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【出願人】(506410453)インテュイティブ サージカル, インコーポレイテッド (32)
【Fターム(参考)】