手術用透明フィルム

【課題】従来の手術用外套管は、内径が変更できないという問題があった。その構造上、組織穿刺時には細経にしておき、手術操作時には必要な内径に変更するという操作ができない。本発明は従来の欠点を解決し、任意の内径へ変更できる外套管として、適切な術野を提供できるものである。
【解決手段】透明フィルムを筒状に丸めることで手術用外套管等として使用することができる。筒の周囲に任意の内径および形態のリングを設置することで、一定の内径の筒状の形態を保持する。これにより、透明フィルム挿入時には、最も細径として挿入し、操作開始時に必要な内径に拡張して使用することができる。また、手術操作中に必要に応じて大きな内径のリングへ変更することで、透明フィルムの内径を変更して使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、筒状に丸めることで手術用外套管等として使用可能な透明フィルムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来の手術用外套管は、外径および内径が規定された筒状の構造であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
従来の手術用外套管は、最初から内径が規定され、手術の種類や術中の状況により内径の変更が不可能であった。外套管挿入時に外套管を細くすることができないため、挿入時にある程度の組織損傷が予想される。
【０００４】
本発明は、外套管挿入時には、最も細経とし、手術操作時には必要とされる内径に拡張することで、挿入時の組織損傷を最小限とすることを目的とし、また手術操作中に必要な内径に変更できることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は上記目的を達成するために筒状に丸めることで神経内視鏡使用時の透明シースのように使用できる透明フィルム本体と、前透明フィルム周囲に任意の内径を有するリングを装着することで、透明フィルムによって形成される筒の内径を規定できるようにしたものである。
【０００６】
上記解決手段による作用は次の通りである。すなわち、透明フィルムを筒状に丸めて使用することで、透明な手術外套管として使用できる。そして、透明なフィルムを巻く直径を変えることで、内径を任意に変更することができる。筒状の構造を保つために周囲にリングを設置することができ、そのリングの内径を変更することで任意の内径を持つ筒状の構造を保持することができる。
【発明の効果】
【０００７】
上述したように、本発明の手術用透明フィルムは、フィルムを巻いた筒の内径を適宜変更することにより、適切な術野を提供できる。
【０００８】
また、本透明フィルムはある程度の柔軟性を有しているため、楕円形のリングを用いたりすることで、楕円形の術野を提供するように変更することも可能である。また、比較的大型のリングを使用することで、脳篦の代わりに円筒状の術野を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【０００９】
以下、本発明の実施の形態を図１に基づいて説明する。
【００１０】
図においては、１に示す透明フィルム本体は台形に近い形態をしており、上底と下底はゆるやかな弧状となっている。２のごとく、フィルムに弁状の突起部分があり、フィルムを丸めたときに最も内側に位置する。２を把持することで、フィルムを細く丸める操作が容易になる。また、３はリングを固定するための糸等を通すための小孔である。
【００１１】
内套５にフィルムを細く巻きつけ最も細径となるように固定する。また、その際に小孔３に糸を通して、リング４を固定する。
【００１２】
目的の位置まで穿刺した後、内套５を抜去する。次にフィルムの固定を解除するとリング４の内径までフィルムが拡大し、筒状の構造をとる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の各部品と本発明の実施形態
【符号の説明】
【００１４】
１透明フィルム本体
２把持用弁状突起
３リング固定用小孔
４フィルム用リング
５内套

【特許請求の範囲】
【請求項１】
主に脳神経外科手術時に使用するための、筒状に丸めることで神経内視鏡使用時の透明シースのように使用できる透明フィルム本体と、前透明フィルム周囲に任意の内径を有するリングを装着することで、透明フィルムによって形成される筒の内径を規定できる透明フィルム。
【請求項２】
透明フィルムの筒の形態と内径を保つための請求項１記載の任意の内径および形態を有するフィルム用リング。
【請求項３】
透明フィルムによる筒を細く丸める際に、丸めたフィルムの最も内側となる部分を把持するための弁状の突起部を有する請求項１記載の透明フィルム。
【請求項４】
請求項２に記載のリングを固定する糸等を通すための、丸めたフィルムの最も外側となる部分に複数の小孔を有する請求項１記載の透明フィルム。
【請求項５】
主に脳神経外科手術の術野を確保するための脳箆の代わりに、円筒状の術野を提供することが可能な透明フィルム。
【請求項６】
細く丸めた透明フィルムを挿入する時に用いる先端が鈍となっている内套。

【図１】