説明

手袋保持力を有する不浸透性の袖を有する防護服

【課題】防護服の袖から手袋が下がってしまうことや、手袋の内側と保護服の袖が滑ってしまうことがない、手袋保持力を有する不浸透性の袖を有する防護服を提供する。
【解決手段】改良された防護服によって、手袋と防護服の袖の接合面がよりよいものとなる。改良された防護服は、容易に防護服に組み込むことができ、低コストで使用することができる。防護服は、乾燥した手袋素材と接触する際に非粘着摩擦を生じさせる表面を有する不浸透性の袖の部分を有し、この袖に隆起バンドが設けられていない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年10月21に出願された米国仮出願第60/620,876号「不浸透性の袖及びその製造方法」に関連する出願である。
【0002】
本発明は、手袋と共に使用するための防護服、例えば、外科用手袋と共に使用する外科用ガウンに関する。
【背景技術】
【0003】
医療提供者が、体液による汚染から身を守るために外科用ガウンや外科用手袋を着用する慣習は広く受け入れられている。しかしながら、医療提供者が直面する1つのリスクは、このような防護壁は、患者と接している間に破られてしまう可能性があるということである。後天性免疫不全症候群(AIDS)や肝炎のような感染性の強い疾患が増加するにつれて、防護壁の突破のような医療提供者に対するリスクは深刻なものとなってきている。
【0004】
一般的に、外科用ガウンなどの防護服は、ガウンに使用されている布地の防御性や、ガウンの構造及びデザインに依存している。体液と接触する可能性のある位置にあるガウンの隙間(開口)は、特に汚染のリスクをもたらす。
【0005】
医療産業では、防護手袋は、ガウンにおける隙間を減らすために、ガウンの袖の上まで引き上げられる。しかしながら、手袋とガウンの接合部が汚染のリスクをもたらす。例えば、外科用手袋に共通する課題は、手袋が下がってしまうことや、手袋の内側と外科用ガウンの袖の間が滑ってしまうことである。手袋が袖の上で下がってしまうと、着用者が体液にさらされるリスクがより大きくなる。
【0006】
外科用手袋の使用におけるさらなる問題点は、「チャネリング」として知られる現象である。チャネリングは、手袋を袖口や袖の上で引き上げたり巻き上げたりする結果、ガウンの袖が手袋の下で丸まってしまう場合に起こる。チャネルは手首に沿って形成され、ガウンの袖の外側を流れ降りてくる体液と接触する可能性が出てくる。体液は、ガウンの外面と外科用手袋の内面の間のチャネルに沿って下ることが可能となる。その後これらの体液は、特に袖口が吸収性や液体透過性を有するものである場合、手首や前腕に直接触れているガウンの袖口を汚染する可能性がある。
【0007】
手袋とガウンの接合部における露出を最小限に止めるために、いくつかの試みがなされてきた。例えば、外科医は一般的に、チャネリングや手袋が下がることを防ぐために、手袋のガウンの袖の上に伸びている部分の周りに粘着テープを巻く。しかしながら、粘着テープに使用されている一般的な接着剤は、水や体液によって劣化してしまう。また、手袋と袖の周りにゴムバンドを巻くことも一般的である。しかしながら、使用可能な異なるサイズや張力を有するさまざまなゴムバンドを所持する以外に、ゴムバンドによって加わる圧力を調節したり、変えたりすることは困難である。
【0008】
さらに近年では、手袋とガウンの接合部における露出に対処するための試みがガウンの構造に関してなされてきた。1つの試みは、ガウンと手袋の接合部をシール(密閉)するものである。ガウンの先端部の、上に防護手袋が位置する部分の直径を狭めることによりシールがなされる。その後、ガウンと手袋の接合部は、液状接着剤によってシールされる。この方法においては、実際に使用するのが面倒で難しいコストのかかる一体化された服が生み出されることになる。例えば、特定の使用者に、適切なガウンのサイズと正しい手袋のサイズを適合させることは非常に困難である。
【0009】
他の試みにおいては、ガウンの袖に着用する隆起バンドが利用される。この隆起バンドは、上に引き上げられている手袋が丸まったり、滑ったりするのを阻止する。ガウンの袖に隆起バンドを組み込むことで、ガウンの製造がより複雑になり、コストも増加するため、この方法は最良ではないとされている。これに関連する試みとして、手袋をその上に固定するために、ガウンの袖に接着剤を加えるというものがある。上述したように、接着剤は水や体液によって劣化されやすい。さらに、接着剤を使用するために、剥離シートが必要となる場合があるが、その場合には、手袋を着用する前に剥がすのが面倒となる。さらに、手袋が適切な位置に装着される前に、接着剤に貼り付き、破れてしまう可能性がある。また、偶発的接触により、接着剤が他の汚染物質に汚染されることも考えられる。
【発明の開示】
【0010】
したがって、手袋と防護服の袖の接合面を改良することが有益である。このような改良された接合面は簡単に防護服に組み込めるものでなくてはならず、低コストで使用できるものでなくてはならない。
【0011】
本発明に係る防護服は、手袋と防護服の間に改良された接合面を有する。本発明に係る防護服は、簡単に防護服に組み込めるものであり、低コストで使用することが可能である。本発明に係る防護服は、乾燥した手袋素材と接触した際に、非粘着摩擦を生じさせる表面を有する不浸透性の袖の部分を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る改良された防護服は、手袋と防護服の袖との間に改良された接合面を有する。本発明の一実施形態では、改良された接合面が手袋と防護服の袖との間に設けられている。本発明の一実施形態では、改良された接合面が外科用手袋と外科用ガウンの袖の間に設けられている。本発明の一実施形態では、不浸透性の袖の部分がデザインされ、無補強もしくは繊維によって補強された使い捨ての外科用ガウンの袖を、袖口の縁の上から前腕の中間付近にかけて改良し、手袋の袖口の下に不浸透性層を形成する。さらに、不浸透性の袖の部分は、乾いた手袋の素材と接触する際に摩擦を生じさせる表面を有しており、手袋を前腕に保持する効果がある。したがって、本発明に係る改良された不浸透性の袖の部分は、一般的に本体から袖までが、スパンレース(spunlaced)またはスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(spunbond/meltblown/spunbond)(SMS)不織布からなる従来のガウンのような無補強のガウンを改良したものである。これらの布は、一般的に不浸透性ではなく、手袋の袖口の内側に対して十分な摩擦を生じさせるものではない。
【0013】
一実施形態では、不浸透性の袖の部分は、不織布と膜(film)からなる二層構造をとることができる。使用可能な一般的な不織布の例については、梳毛ポリエステル(carded polyester)、スパンレース木材パルプとポリエステル(spun laced wood pulp and polyester)、スパンボンドポリオレフィン(spun bond polyolefin)、及びSMSポリオレフィン(SMS polyolefin)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。使用可能な一般的な膜の例については、ポリエチレン(polyethylene)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)(ethylene-vinyl-acetate copolymer)、溶融エチレンメチルアクリレート(EMA)(molten ethylene methyl acrylate)、ポリエステル共重合体(polyester co-polymers)、ポリウレタン(polyurethanes)及びメタロセンポリオレフィン(metallocene polyolefins)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、膜は、アメリカ合衆国 19898 ウィルミントン デラウェア, マーケット ストリート 1007(1007 Market Street, Wilmington Delaware 19898 U.S.A)所在のイー.アイ.デュポン デ ネモース アンド カンパニー(E. I. DuPont De Nemours & Company)が販売しているハイトレル(登録商標)共ポリエステルエラストマー(Hytrel co-polyester elastomer)が使用できる。また、上に例示したいくつかの重合体を含み、最上層に手袋との接触のための摩擦層を有する多層膜を使用してもよい。膜と不織布は、例えば、接着剤、熱接着または押し出しコーティングによってラミネートすることができる。
【0014】
図1には、本発明に係る外科用ガウンの部分斜視図が図示されている。外科用ガウン10は、本体部12と袖部14を有する。袖部14を含む外科用ガウン10は、例えば、スパンレース木材パルプ(spun laced wood pulp)とポリエステル(polyester)、スパンボンドポリオレフィン(spun bond polyolefin)、及びSMSポリオレフィン(SMS polyolefin)のような不織布によって構成することができる。図2には、本発明に係る袖部14の斜視図が図示されている。本発明の一実施形態では、袖部14は、上袖部16と下袖部18を有する。また、図1及び図2に示すように、袖部14には、隆起バンドが設けられていない。
【0015】
本発明において、下袖部18は、袖部14の袖口の縁から前腕の中間付近にかけて摩擦力を高める不浸透性の袖の部分を有し、それによって手袋の袖口の下に不浸透性層を形成している。さらに、本発明において、下袖部18は乾燥した手袋の素材と接触した時に摩擦を生じさせる表面を有しており、手袋を前腕に保持する効果がある。上述したように、下袖部18は不織布に粘着する膜を有していてもよい。一実施形態では、膜はイー.アイ.デュポン デ ネモース アンド カンパニー(E. I. DuPont De Nemours & Company)が販売しているハイトレル(登録商標)共ポリエステルエラストマー(Hytrel co-polyester elastomer)を使用することができる。膜と不織布は、例えば、接着剤、熱接着または押し出しコーティングによってラミネートすることができる。
【0016】
図3には、本発明に係る袖部14を製造するためのブランクまたはパターン20が図示されている。ブランク20は、上袖ブランク25と下袖ブランク27を有しており、どちらも台形状をなしている。本発明を達成するために、下袖ブランク27をヒートシール(熱融着)によって上袖ブランク25の不織布に接着する。上袖ブランク25と下袖ブランク27の縁が重なる部分に継目24を形成し、不織布を下袖ブランク27に接着する。下袖ブランク27を上袖ブランク25にシール(密着)させるために、他の方法、例えば、接着剤や超音波シールを使用することができる。
【0017】
下袖ブランク27を上袖ブランク25に接着させた後、袖ブランクの全体をヒートシールして袖部14を形成する。外側の膜層どうしを例えばホットメルト接着剤のようなものにより機械で接着し、継目21を形成することによって、袖部14の縦方向を管状に閉じる。これにより、袖部14の内側に、シールされたリッジ23が形成される。袖部14をシールするために、例えば、接着剤や超音波シールのような他の方法を使用することもできる。一実施形態では、その後、袖口(図示せず)を下袖ブランク27の先端に接着する。ガウン10の両方の袖部14は、下袖ブランク27の膜を有していてもよい。他の実施形態では、全体が不織布で形成された袖ブランクの下部に膜を接着してもよい。機械による接着は、例えば、熱接着、化学接着または接着剤により行うことができる。熱接着は、1つもしくは両方の生地が乳化状態に達するまで、1つもしくは両方の表面に、電源からの熱、圧力及び/または振動を利用して熱を加え、その後生地を機械でプレス(押圧)してシールを形成する方法である。化学接着は、化学物質を生地の両端の間に加え、素材を乳化させる化学反応を引き起こし、その後化学反応が完了するまで生地を機械でプレスする方法である。接着剤による接着は、生地の間に接着剤を塗布する方法である。圧力によって層を接着し、シールを形成する。接着剤に生地をプレスすることにより、生地が接着剤に接着されシールが形成される。接着剤は、例えば、アプリケーターやテープ基材やテープによって塗布(貼付)する。この膜の外層と機械で接着された継目を設けることによって、標準試験方法である米国材料試験協会国際F1671 (ASTM International F1671)、Phi-X174バクテリオファージ浸透を利用した、防護服に使用される素材の血液感染の病原体に対する耐性についての標準試験方法(Standard Test Method for Resistance of Materials Used in Protective Clothing to Penetration by Blood-Borne Pathogens Using Phi-X174 Bacteriophage Penetration)に基づく素材及び継目の不浸透性の基準を満たすことができる。
【0018】
以下の例は、説明を目的として例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
<実施例1>
この実施例では、通気性不浸透性(BI)外科用ガウンを、イー.アイ.デュポン デ ネモース アンド カンパニー(E. I. DuPont De Nemours & Company)が販売しているハイトレル(登録商標)共ポリエステルエラストマー(Hytrel co-polyester elastomer)を利用して、本発明に従って製造した。まず、膜を接着剤によって不織布に接着した。下袖ブランクを接着剤によって上袖ブランクの不織布に接着し、上袖ブランクと下袖ブランクが重なる部分に継目を形成した。その後、袖ブランクの縦部分を接着剤により接着し、管状に形成した。
【0020】
10着のサンプルサイズのBI外科用ガウンを使用して、INDA標準試験(IST)140.1 (01)(不織布の静動摩擦係数法)(Static and Kinetic Coefficient of Friction of Nonwoven Fabrics method)によって外科用ガウンと2つの乾燥手袋の間の摩擦係数を計測した。アメリカ合衆国 30152 ジョージア州,ケネソー,コブ インターナショナル ブルーバード.1620,スイート 1(1620 Cobb International Blvd., Suite 1, Kennesaw, Georgia 30152)所在のズウィック アメリカ社(Zwick USA)が販売しているズウィック試験装置(Zwick tester)のような定率の運動機械が利用された。試験は、固定平面を有する移動スレッドを利用し、2つの基材間の静止摩擦及び動摩擦を決定した。この時、手袋の袖口を、ガウンの袖と接触する内面に露出しているスレッドの周りに巻き付けた。ガウンの袖の布を、手袋に巻かれたスレッドがその上を滑るように平面に接着した。2つの乾燥手袋は、アメリカ合衆国 30092 ジョージア州,ノークロス,エンジニアリング ドライブ 3585,スイート 250(3585 Engineering Drive, Suite 250, Norcross, Georgia 30092 U.S.A.)所在のリージェント メディカル社(Regent Medical)が販売しているバイオジェルグローブ(the Biogel gloves)(カタログ番号30475)及びアメリカ合衆国 60085 イリノイ州,マックゴウパーク,ウォーキーガンロード 1430(1430 Waukegan Road, McGaw Park, Illinois 60085 U.S.A.)所在のカーディナル ヘルスケア社(Cardinal Healthcare)が販売しているプロテグリティーグローブ(the Protegrity gloves)(カタログ番号2D72N41)を使用した。
【0021】
本発明のBI外科用ガウンとバイオジェルグローブ(the Biogel glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.64(標準偏差0.13)であり、本発明のBI外科用ガウンとプロテグリティーグローブ(the Protegrity glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.71(標準偏差0.15)であった。
【0022】
<実施例2>
この実施例では、カーディナル ヘルスケア社(Cardinal Healthcare)が販売しているアストーンド サージカルガウン(Astound surgical gown)(カタログ番号9545)と、バイオジェルグローブ(the Biogel gloves)(カタログ番号30475)及び プロテグリティーグローブ(the Protegrity gloves)(カタログ番号2D72N41)間の摩擦係数を、再度10着のサンプルサイズのガウンを使用して、同様の方法によって計測した。アストーンド サージカルガウン(Astound surgical gown)とバイオジェルグローブ(the Biogel glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.07(標準偏差0.03)であり、アストーンド サージカルガウン(Astound surgical gown)とプロテグリティーグローブ(the Protegrity glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.17(標準偏差0.05)であった。
【0023】
<実施例3>
この実施例では、アメリカ合衆国 30076 ジョージア州,ロスウェル,ホルコーム ブリッジ ロード 1400(1400 Holcomb Bridge Road, Roswell, Georgia 30076 U.S.A.)所在のキンバリー−クラーク社(Kimberly-Clark)が販売しているケーシー ウルトラ サージカルガウン(KC Ultra surgical gown)(カタログ番号95121)と バイオジェルグローブ(the Biogel gloves)(カタログ番号30475)及び プロテグリティーグローブ(the Protegrity gloves)(カタログ番号2D72N41)間の摩擦係数を、再度10着のサンプルサイズのガウンを使用して、同様の方法によって計測した。ケーシー ウルトラ サージカルガウン(KC Ultra surgical gown)とバイオジェルグローブ(the Biogel glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.09(標準偏差0.03)であり、ケーシー ウルトラ サージカルガウン(KC Ultra surgical gown)とプロテグリティーグローブ(the Protegrity glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.17(標準偏差0.06)であった。
【0024】
<実施例4>
この実施例では、カーディナル ヘルスケア社(Cardinal Healthcare)が販売しているインパービアス アストーンド サージカルガウン(Impervious Astound surgical gown)(カタログ番号9040)と バイオジェルグローブ(the Biogel gloves)(カタログ番号30475)及び プロテグリティーグローブ(the Protegrity gloves)(カタログ番号2D72N41)間の摩擦係数を、再度10着のサンプルサイズのガウンを使用して、同様の方法によって計測した。インパービアス アストーンド サージカルガウン(Impervious Astound surgical gown)とバイオジェルグローブ(the Biogel glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.18(標準偏差0.05)であり、インパービアス アストーンド サージカルガウン(Impervious Astound surgical gown)とプロテグリティーグローブ(the Protegrity glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.20(標準偏差0.06)であった。
【0025】
<実施例5>
この実施例では、カーディナル ヘルスケア社(Cardinal Healthcare)が販売しているオプティマ サージカルガウン(Optima surgical gown)(カタログ番号9507CE)とバイオジェルグローブ(the Biogel gloves)(カタログ番号30475)及び プロテグリティーグローブ(the Protegrity gloves)(カタログ番号2D72N41)間の摩擦係数を、再度10着のサンプルサイズのガウンを使用して、同様の方法によって計測した。オプティマ サージカルガウン(Optima surgical gown)とバイオジェルグローブ(the Biogel glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.10(標準偏差0.01)であり、オプティマ サージカルガウン(Optima surgical gown)とプロテグリティーグローブ(the Protegrity glove)間の静止摩擦係数の平均値は0.29(標準偏差0.12)であった。
【0026】
本発明に係る外科用ガウンにおいて、外科用乾燥手袋との摩擦係数が増加したことが明らかになった。したがって、本発明に係る改良された外科用ガウンによって、手袋と防護服の袖の接合面がより良いものとなる。本発明に係る改良された外科用ガウンは簡単に防護服に組み込むことができ、低コストで使用することができる。
【0027】
本発明について特定の実施例に基づいて述べてきたが、他の改変、改良及び変化は当業者にとっては明らかであろう。したがって、そのような全ての改変、改良及び変化が添付した請求の範囲の精神と範囲内に含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る外科用ガウンの斜視図である。
【図2】本発明に係る袖部の斜視図である。
【図3】本発明に係る袖部を製造するためのブランクもしくはパターンである。
【符号の説明】
【0029】
10 外科用ガウン
12 本体部
14 袖部
16 上袖
18 下袖
21 継目
23 リッジ
24 継目
25 上袖ブランク
27 下袖ブランク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥した手袋素材と接触した際に非粘着摩擦を増大させるための表面を有する少なくともひとつの袖の部位を有し、前記袖に隆起バンドが設けられていない防護服。
【請求項2】
前記少なくともひとつの袖の部位に付与された前記表面は、不浸透性である請求項1に記載の防護服。
【請求項3】
前記非粘着摩擦を生じさせる表面は、前記袖の袖口の上から前腕の中間付近にかけての部分をなす請求項1に記載の防護服。
【請求項4】
前記防護服は、無補強の使い捨て外科用ガウンである請求項1に記載の防護服。
【請求項5】
前記防護服は、繊維によって補強された使い捨て外科用ガウンである請求項1に記載の防護服。
【請求項6】
前記非粘着摩擦を生じさせる表面は、不織布と膜からなる二層構造を有する請求項1に記載の防護服。
【請求項7】
前記膜は多層である請求項6に記載の防護服。
【請求項8】
前記膜は、共ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート重合体(EVA)、溶融エチレンメチルアクリレート(EMA)、メタロセンポリオレフィン、及びこれらの組み合わせから選択される請求項6に記載の防護服。
【請求項9】
前記膜は、共ポリエステルエラストマーからなる請求項6に記載の防護服。
【請求項10】
少なくともひとつの袖の部位に付与された表面を有し、該表面は不浸透性であり、乾燥した手袋素材と接触した際に非粘着摩擦を増大させるようになっており、隆起バンドが設けられていない防護服の袖。
【請求項11】
前記少なくともひとつの袖の部位に付与され、不浸透性であり、非粘着摩擦を増大させるための表面は、前記袖の袖口の上から前腕の中間付近にかけての部分をなす請求項10に記載の防護服の袖。
【請求項12】
前記防護服は、無補強の使い捨て外科用ガウンである請求項10に記載の防護服の袖。
【請求項13】
前記防護服は、繊維によって補強された使い捨て外科用ガウンである請求項10に記載の防護服の袖。
【請求項14】
前記非粘着摩擦を生じさせる表面は、不織布と膜からなる二層構造を有する請求項10に記載の防護服の袖。
【請求項15】
前記膜は多層である請求項14に記載の防護服の袖。
【請求項16】
前記膜は、共ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート重合体(EVA)、溶融エチレンメチルアクリレート(EMA)、メタロセンポリオレフィン、及びこれらの組み合わせから選択される請求項14に記載の防護服の袖。
【請求項17】
前記膜は、共ポリエステルエラストマーからなる請求項14に記載の防護服の袖。
【請求項18】
乾燥した手袋素材と接触した際に非粘着摩擦を増大させるための表面を少なくともひとつの袖の部位に接着する工程を有し、前記袖に隆起バンドが設けられていない防護服の製造方法。
【請求項19】
前記非粘着摩擦を生じさせる表面を、前記袖の袖口の上から前腕の中間付近にかけて接着する請求項18に記載の防護服の製造方法。
【請求項20】
前記防護服は、無補強の使い捨て外科用ガウンである請求項18に記載の製造方法。
【請求項21】
前記防護服は、繊維によって補強された使い捨て外科用ガウンである請求項18に記載の製造方法。
【請求項22】
前記接着工程は、非粘着摩擦を生じさせる膜を不織布に接着する工程からなる請求項18に記載の製造方法。
【請求項23】
前記膜は、共ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート重合体(EVA)、溶融エチレンメチルアクリレート(EMA)、メタロセンポリオレフィン、及びこれらの組み合わせから選択される請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
前記膜は、共ポリエステルエラストマーからなる請求項22に記載の製造方法。
【請求項25】
不浸透性であり、乾燥した手袋素材と接触した際に非粘着摩擦を増大させるための表面を少なくともひとつの袖の部位に接着する工程を有し、前記袖に隆起バンドが設けられていない防護服の製造方法。
【請求項26】
前記不浸透性であり、非粘着摩擦を生じさせる表面を、前記袖の袖口の上から前腕の中間付近にかけて接着する請求項25に記載の防護服の製造方法。
【請求項27】
前記防護服は、無補強の使い捨て外科用ガウンである請求項25に記載の製造方法。
【請求項28】
前記防護服は、繊維によって補強された使い捨て外科用ガウンである請求項25に記載の製造方法。
【請求項29】
前記接触工程は、不浸透性であり、非粘着摩擦を生じさせる膜を不織布に接着する工程からなる請求項25に記載の製造方法。
【請求項30】
前記膜は、共ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート重合体(EVA)、溶融エチレンメチルアクリレート(EMA)、メタロセンポリオレフィン、及びこれらの組み合わせから選択される請求項29に記載の製造方法。
【請求項31】
前記膜は、共ポリエステルエラストマーからなる請求項29に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−106086(P2011−106086A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5086(P2011−5086)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2005−307884(P2005−307884)の分割
【原出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(397037834)アレジアンス、コーポレイション (21)
【住所又は居所原語表記】1430 Waukegan Road, Waukegan, Illinois 60085 United States of America
【Fターム(参考)】