説明

手首血圧計

【課題】安価としながら、視覚的に分かり易く表示することができ、且つ、大型化を抑制することができる手首血圧計を提供する。
【解決手段】手首血圧計は、血圧値を測定するための測定部と、測定部にて測定された血圧値の測定結果を数字で表示可能なセグメント液晶パネル6と、測定者の姿勢を検出するための検出部と、検出部にて検出された姿勢と予め記憶された理想姿勢とを比較してその比較結果に基づく姿勢情報を作成する演算部と、姿勢情報を測定者に伝達するための伝達手段とを備える。そして、セグメント液晶パネル6は、測定部にて測定された血圧値の測定結果をグラフ表示すべく複数のドットが並設されてなるドット表示部6cを有し、前記伝達手段はドット表示部を含み、該ドット表示部6cは姿勢情報を図形等により表示して伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手首に装着して血圧値を測定する手首血圧計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
手首血圧計は、血圧値を測定するための測定手段と、測定手段にて測定された血圧値の測定結果を表示可能な表示部とを備える。そして、このような手首血圧計としては、測定者の姿勢を検出するための検出手段と、該検出手段にて検出された姿勢と予め記憶された理想姿勢とを比較する比較手段と、該比較手段の比較結果に基づいて測定者の姿勢を前記理想姿勢に誘導すべくその旨を例えば図形等で表示部に表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。このような手首血圧計では、理想姿勢への誘導を、例えば図形等により測定者に視覚的に分かり易く伝達することができる。尚、理想姿勢(その範囲内)で血圧値を測定することは、血圧値の測定の精度向上に寄与することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−54648号公報(図16参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような手首血圧計においては、表示部をどのように構成するかが問題となり、例えば、比較的安価なセグメント液晶パネルに、単純に上記のような理想姿勢に誘導すべく旨の図形等を表示させるには、その図形専用のセグメントが必要になる。尚、このことはセグメント液晶パネルを大型化させる原因となる。又、表示部全体をドットマトリックスタイプの液晶パネルとすることも考えられるが、その駆動ドライバ(マイコン)等も複雑化してしまい、セグメント液晶パネルを用いた手首血圧計と比べて高価となってしまう。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、安価としながら、視覚的に分かり易く表示することができ、且つ、大型化を抑制することができる手首血圧計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、血圧値を測定するための測定手段と、前記測定手段にて測定された血圧値の測定結果を数字で表示可能なセグメント液晶パネルと、測定者の姿勢を検出するための検出手段と、前記検出手段にて検出された姿勢と予め記憶された理想姿勢とを比較してその比較結果に基づく姿勢情報を作成する比較手段と、前記姿勢情報を測定者に伝達するための伝達手段とを備え、手首に装着される手首血圧計であって、前記セグメント液晶パネルは、前記測定手段にて測定された血圧値の測定結果をグラフ表示すべく複数のドットが並設されてなるドット表示部を有し、前記伝達手段は、前記ドット表示部を含み、該ドット表示部は前記姿勢情報を表示して伝達することを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、セグメント液晶パネルは、測定手段にて測定された血圧値の測定結果をグラフ表示すべく複数のドットが並設されてなるドット表示部を有するため、(ドットマトリックスタイプの液晶パネルと比べて)安価としながら、血圧値の測定結果をグラフ表示にて測定者に視覚的に分かり易く伝達することができる。しかも、検出手段にて検出された姿勢と予め記憶された理想姿勢とを比較した比較結果に基づく姿勢情報を測定者に伝達するための伝達手段は、前記ドット表示部を含み、該ドット表示部は前記姿勢情報を表示して伝達するため、前記ドット表示部を利用して前記姿勢情報をも例えば図形等により測定者に視覚的に分かり易く伝達することができる。又、前記血圧値の測定結果(グラフ)と前記姿勢情報とを共通のドット表示部に必要に応じて(そのときどきの状態に応じて)表示することで、それらを視覚的に分かり易く伝達しながらも、セグメント液晶パネルの小型化(省スペース化)を図ることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の手首血圧計において、前記ドット表示部は、測定者の姿勢を前記理想姿勢に誘導するための誘導情報を前記姿勢情報の一つとして表示して該誘導情報を伝達することを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、ドット表示部は、測定者の姿勢を理想姿勢に誘導するための誘導情報を前記姿勢情報の一つとして表示して伝達するため、測定者の姿勢を直接的に理想姿勢に誘導することができる。言い換えると、例えば、測定者の姿勢が理想姿勢に対してどの位置にあるかといった位置情報を姿勢情報としてドット表示部に表示させるものでは、その位置関係を理解してその位置ずれを解消するように姿勢の変更方向等を考えるといったことが必要となる。これに対して、上記構成では、単にドット表示部に表示された誘導情報に従うだけで、測定者は自身の姿勢を理想姿勢に近づけることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の手首血圧計において、前記ドット表示部は、前記姿勢情報を点灯と消灯を繰り返して表示して伝達することを要旨とする。
同構成によれば、ドット表示部は、前記姿勢情報を点灯と消灯を繰り返して表示して伝達するため、測定者が注意を払い易くなる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手首血圧計において、前記伝達手段は、前記姿勢情報を前記ドット表示部以外で伝達するサブ伝達手段を含むことを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、前記伝達手段は、前記姿勢情報を前記ドット表示部以外で伝達するサブ伝達手段を含むため、前記姿勢情報を測定者に更に分かり易く伝達することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の手首血圧計において、前記サブ伝達手段は、LEDを含むことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、サブ伝達手段は、LEDを含むため、前記姿勢情報を測定者に更に分かり易く伝達することができる。
請求項6に記載の発明では、請求項4又は5に記載の手首血圧計において、前記サブ伝達手段は、前記姿勢情報を音声により測定者に伝達する音声伝達手段を含むことを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、サブ伝達手段は、前記姿勢情報を音声により測定者に伝達する音声伝達手段を含むため、前記姿勢情報を測定者に更に分かり易く伝達することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、安価としながら、視覚的に分かり易く表示することができ、且つ、大型化を抑制することができる手首血圧計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態における手首血圧計を手首に装着した模式図。
【図2】本実施の形態における手首血圧計のブロック図。
【図3】(a)本実施の形態における本体の側面図。(b)本実施の形態における本体の正面図。
【図4】本実施の形態における本体の正面図。
【図5】本実施の形態における本体の正面図。
【図6】本実施の形態における本体の正面図。
【図7】本実施の形態における本体の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、本実施の形態の手首血圧計1は、測定者の手首2aに装着されるカフ帯3と、カフ帯3に取り付けられた本体4とを備える。
【0018】
本体4は、図2及び図3に示すように、血圧値を測定するための測定手段としての測定部5と、セグメント液晶パネル6と、LED(発光ダイオード)7と、ブザー8と、測定者の姿勢を検出するための検出手段としての検出部9と、メモリ10と、各種押しボタン式のスイッチ11と、切り換え式のスイッチ12と、演算部13とを備える。
【0019】
前記測定部5は、カフ帯3内部の空気を制御して加減圧を行う加減圧装置と、血液の流れを検出するためのセンサを含み、それらによって血圧値を測定可能とされている。尚、本実施の形態の測定部5は、血圧値を測定するとともに脈拍数をも測定可能とされている。
【0020】
前記セグメント液晶パネル6は、図3(b)に示すように、本体4の表面(カフ帯3が取り付けられる側の反対側であって、測定者が見やすい正面)に設けられ、前記測定部5にて測定された血圧値の測定結果を数字で表示可能な7セグメントタイプの血圧値表示部6a(図6参照)を有している。尚、本実施の形態のセグメント液晶パネル6は、脈拍数の測定結果を血圧値と同時に表示可能とすべく7セグメントタイプの脈拍数表示部6b(図6参照)を別途有している。
【0021】
又、セグメント液晶パネル6は、複数のドットが並設されてなるドット表示部6c(図4〜図7参照)を有している。尚、本実施の形態のドット表示部6cは、縦に8個で横に8個であって、全部で64個のドットが縦横に並設されてなる。このドット表示部6cは、前記血圧値の測定結果(それらを演算したものを含む)をグラフ表示可能(図6及び図7参照)とされている。又、ドット表示部6cは、後述する姿勢情報としての誘導情報を図形等で表示可能(図4及び図5参照)とされている。
【0022】
前記LED7は、図3(b)に示すように、本体4の表面(カフ帯3が取り付けられる側の反対側であって、測定者が見やすい正面)においてセグメント液晶パネル6の上側に設けられている。
【0023】
前記ブザー8は、前記スイッチ11が操作された際や、測定部5の測定する脈拍毎に応じて例えば、「ピッ」といった電子音を発振する。
前記検出部9は、測定者の姿勢を検出可能なものであって、本実施の形態では、加速度(角度)センサを含み、測定者の肘2bが置かれている面21から本体4(手首2a)までの高さを測定者の姿勢として検出可能とされている。
【0024】
前記メモリ10は、種々のデータを記憶するものであって、その一つとして理想姿勢を記憶するものであり、本実施の形態では、測定者の心臓2cの高さに対応した範囲を理想姿勢として記憶する理想姿勢記憶手段を構成している。又、この理想姿勢記憶手段(メモリ10)は、不特定の測定者に対応した一定の第1の理想姿勢を記憶するための第1記憶部10aと、特定の測定者に対応した第2の理想姿勢を記憶するための第2記憶部10bとを有する。尚、本実施の形態の第2記憶部10bは、特定の測定者として2人分の第2の理想姿勢を記憶可能とされている。そして、第2記憶部10bは、前記切り換え式のスイッチ12(図3(a)参照)が左側に切り換えられると1人目「1」の特定の測定者に対応した書き込み(記憶)及び読み出しが可能とされ、右側に切り換えられると2人目「2」の特定の測定者に対応した書き込み及び読み出しが可能とされる。
【0025】
又、前記メモリ10は、前記検出部9にて検出された姿勢に基づいた後述する記憶姿勢情報を、前記測定部5にて測定された血圧値の測定結果と関連づけて記憶する結果記憶手段をも構成している。
【0026】
又、前記演算部13は、MPU(マイクロプロセッサ)やセグメント液晶パネル6の駆動ドライバ等を含み、各種の演算及び処理を行う。
次に、本実施の形態の手首血圧計1の各種使用方法や動作について説明する。
【0027】
まず、例えば、手首血圧計1の持ち主等の特定の測定者が使用する場合については、その特定の測定者に対応した理想姿勢(前記第2の理想姿勢)を記憶させることができ、その際の動作について説明する。
【0028】
この場合、図1に示すように、測定者が手首2a(本体4)の位置を心臓2cの高さに一致させた状態で、操作手段としての(図3(b)中、「姿勢」の)スイッチ11を操作する(例えば2秒間押し続ける)と、設定手段を構成する演算部13は、検出部9にて検出された姿勢に基づいた値を第2の理想姿勢として第2記憶部10bに記憶させる。尚、本実施の形態で記憶される第2の理想姿勢は、検出部9にて検出された姿勢である手首2a(本体4)の位置を中心として上下に僅かに許容した範囲であって、その第2の理想姿勢が許容する姿勢の範囲は、前記第1の理想姿勢が許容する姿勢の範囲より狭く設定される。逆に、一定である第1の理想姿勢が許容する姿勢の範囲は、不特定の測定者に対応させるために広めに設定されている。又、本実施の形態では、第2の理想姿勢が記憶されると、前記演算部13は前記セグメント液晶パネル6に、図3(b)に示すように、「記憶」の文字を表示させる。又、図3(b)では、前記切り換え式のスイッチ12(図3(a)参照)が左側に切り換えられ、1人目「1」の特定の測定者に対応した第2の理想姿勢が書き込まれた(記憶された)状態を図示している。
【0029】
次に、例えば、測定者が血圧値を測定する際の動作について説明する。
この場合、測定者がスイッチ11(図3(b)中、「開始→終了」のスイッチ)を操作する(押す)と、比較手段を構成する演算部13は、検出部9にて検出された姿勢を予め記憶された理想姿勢(第1又は第2の理想姿勢)を比較してその比較結果に基づく姿勢情報を作成する。尚、本実施の形態の姿勢情報は、検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と異なるか否の判定結果と、その判定結果が異なる場合に手首2a(本体4)の位置を上下どちらの方向に移動させれば理想姿勢に近づくかといった測定者の姿勢を理想姿勢に誘導するための誘導情報とを含む。又、このとき比較される理想姿勢は、切り換え式のスイッチ12(図3(a)参照)の操作によって、前記第1の理想姿勢(不特定の測定者(ゲスト)に対応したもの)、又は前記第2の理想姿勢(その中でも切り換え式のスイッチ12が左側に切り換えられれば1人目「1」、右側に切り換えられれば2人目「2」に対応したもの)が切り換えられる。
【0030】
そして、演算部13は、伝達手段によって前記姿勢情報を測定者に伝達する。この伝達手段は、前記セグメント液晶パネル6における前記ドット表示部6cを含み、該ドット表示部6cは前記姿勢情報を表示して伝達する。詳しくは、本実施の形態のドット表示部6cは、例えば、前記検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と異なる(理想姿勢が許容する姿勢の範囲内にない)場合であって手首2a(本体4)の位置を下方に移動させれば理想姿勢に近づく場合には、その誘導情報を、図4に示すように、下向きの矢印(図形)で表示して伝達する。又、逆に、本実施の形態のドット表示部6cは、例えば、手首2a(本体4)の位置を上方に移動させれば理想姿勢に近づく場合には、その誘導情報を、上向きの矢印(図形)で表示して伝達する(図示略)。又、本実施の形態のドット表示部6cは、例えば、前記検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と一致する(理想姿勢が許容する姿勢の範囲内にある)場合には、図5に示すように、「OK」の文字で表示して伝達する。又、本実施の形態のドット表示部6cは、前記姿勢情報(誘導情報)を点灯と消灯を繰り返して表示して伝達する。尚、この点灯と消灯を繰り返すことは、前記矢印(図形)等を単に点滅させる場合と、点灯するドットを例えば上下方向に移動させてアニメーションとして表示させる場合とを含む。
【0031】
又、本実施の形態における前記伝達手段は、前記姿勢情報を前記ドット表示部6c以外で伝達するサブ伝達手段としての前記LED7を含む。本実施の形態のLED7は、例えば、前記検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と一致する(理想姿勢が許容する姿勢の範囲内にある)場合には、点灯することで前記姿勢情報を伝達する。又、本実施の形態のLED7は、例えば、検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と異なる(理想姿勢が許容する姿勢の範囲内にない)場合には、点滅することで前記姿勢情報を伝達する。
【0032】
そして、演算部13は、前記検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と一致する(理想姿勢が許容する姿勢の範囲内にある)と、血圧値の測定を開始する。
又、演算部13は、前記検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と異なる場合は、その場合の処理(前記誘導情報の伝達等)を繰り返し、予め設定された時間(例えば7秒間)が経過しても一致しない場合は、一致しないまま血圧値の測定を開始する。
【0033】
そして、測定部5によって、血圧値及び脈拍数が測定されると、演算部13は、図6に示すように、測定された血圧値及び脈拍数の測定結果をセグメント液晶パネル6における前記血圧値表示部6a及び脈拍数表示部6bに表示させる。又、この際、本実施の形態の演算部13は、図6に示すように、前記測定部5にて測定された血圧値の測定結果をセグメント液晶パネル6におけるドット表示部6cにグラフ表示させる。
【0034】
又、演算部13は、測定された血圧値及び脈拍数の測定結果を測定した日時と共に前記メモリ10に記憶させる。又、このとき、本実施の形態の演算部13は、検出部9にて検出された姿勢に基づいた記憶姿勢情報を、前記測定部5にて測定された血圧値の測定結果と関連づけて結果記憶手段を構成するメモリ10に記憶させる。尚、本実施の形態で記憶させる前記記憶姿勢情報は、前記測定部5による測定の開始時(その直前)のみの姿勢に基づいたものであって、測定部5による測定の開始時に検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と異なるか否の判定結果(前記姿勢情報の一部)とされている。
【0035】
上記のようにして測定された血圧値の測定結果は、例えば、後日であっても、種々のパターンで表示可能とされている。
例えば、前記スイッチ11で選択することで過去に測定した1つの血圧値の測定結果を表示させることが可能とされている。又、このとき、本実施の形態の手首血圧計1では、前記血圧値の測定結果と前記記憶姿勢情報(検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と異なるか否の判定結果)とをセグメント液晶パネル6とLED7によって同時に表示する。尚、本実施の形態では、セグメント液晶パネル6とLED7とが同時表示手段を構成している。即ち、演算部13は、血圧値の測定結果を前記セグメント液晶パネル6における血圧値表示部6aに表示させる際であって、測定の開始時に検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と一致していた場合では、LED7を点灯させることでその旨(前記記憶姿勢情報)を同時に伝達する。又、演算部13は、血圧値の測定結果を前記セグメント液晶パネル6における血圧値表示部6aに表示させる際であって、測定の開始時に検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と異なっていた場合では、LED7を点滅させることでその旨(前記記憶姿勢情報)を同時に伝達する。
【0036】
又、例えば、前記スイッチ11で選択することで過去に測定した複数の血圧値の測定結果を演算手段としての演算部13にて演算してその演算結果を表示させることが可能とされている。このとき、本実施の形態の演算部13は、前記記憶姿勢情報に基づいて前記血圧値の測定結果を演算する。具体的には、演算部13が血圧値の測定結果の平均値を演算する際には、前記検出部9にて検出された姿勢が前記理想姿勢と異なっていたときの血圧値の測定結果を除いて前記平均値を演算する。又、演算部13は、複数種類の血圧値の測定結果の平均値を演算可能とされており、この際、平均値同時表示手段を構成する前記ドット表示部6cに前記複数種類の血圧値の測定結果の平均値を同時に表示させる。例えば、図7に示すように、演算部13は、8週間分(約2ヵ月分)であって1週間毎の血圧値の測定結果(理想姿勢と異なっていたときの値を除く)の平均値を演算し、該演算結果をドット表示部6cに左側から右に向かって1週間分ずつ同時にグラフ表示させる。尚、その他、複数種類の前記平均値としては、例えば、午前中のみといった時間帯毎の平均値等がある。
【0037】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)セグメント液晶パネル6は、測定部5にて測定された血圧値の測定結果をグラフ表示すべく複数のドットが並設されてなるドット表示部6cを有するため、(ドットマトリックスタイプの液晶パネルと比べて)安価としながら、血圧値の測定結果をグラフ表示にて測定者に視覚的に分かり易く伝達することができる。しかも、検出部9にて検出された姿勢と予め記憶された理想姿勢とを比較した比較結果に基づく姿勢情報を測定者に伝達するための伝達手段は、前記ドット表示部6cを含み、該ドット表示部6cは前記姿勢情報を表示して伝達する。よって、前記ドット表示部6cを利用して前記姿勢情報をも例えば図形等により測定者に視覚的に分かり易く伝達することができる。又、前記血圧値の測定結果(グラフ)と前記姿勢情報とを共通のドット表示部6cに必要に応じて(そのときどきの状態に応じて)表示することで、それらを視覚的に分かり易く伝達しながらも、セグメント液晶パネル6の小型化(省スペース化)を図ることができる。
【0038】
(2)ドット表示部6cは、測定者の姿勢を理想姿勢に誘導するための誘導情報を前記姿勢情報の一つとして表示して伝達するため、測定者の姿勢を直接的に理想姿勢に誘導することができる。言い換えると、例えば、測定者の姿勢が理想姿勢に対してどの位置にあるかといった位置情報を姿勢情報としてドット表示部6cに表示させるものでは、その位置関係を理解してその位置ずれを解消するように姿勢の変更方向等を考えるといったことが必要となる。これに対して、上記構成では、単にドット表示部6cに表示された誘導情報に従うだけで、測定者は自身の姿勢を理想姿勢に近づけることができる。
【0039】
(3)ドット表示部6cは、前記姿勢情報を点灯と消灯を繰り返して表示して伝達するため、測定者が注意を払い易くなる。
(4)前記伝達手段は、前記姿勢情報を前記ドット表示部以外で伝達するサブ伝達手段としてのLED7を含むため、前記姿勢情報を測定者に更に分かり易く伝達することができる。
【0040】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、ドット表示部6cは、測定者の姿勢を理想姿勢に誘導するための誘導情報を前記姿勢情報の一つとして表示して伝達するとしたが、検出部9にて検出された姿勢と予め記憶された理想姿勢とを比較した比較結果に基づくものであれば誘導情報以外の姿勢情報を表示するようにしてもよい。例えば、測定者の姿勢が理想姿勢に対してどの位置にあるかといった位置情報を姿勢情報としてドット表示部6cに表示させるように、具体的には例えば理想姿勢の位置(高さ)を上下方向の中心とし、それに対して測定者の手首2aの位置が上側にあるなら上側に手首2aの位置があることを示す表示を行うようにしてもよい。尚、この場合では、測定者は、その位置関係を理解してその位置ずれを解消するように姿勢(手首2a)の変更(移動)方向等を考えて理想姿勢に近づけるといったことが必要となる。
【0041】
又、上記実施の形態では、ドット表示部6cは、検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と異なる場合、前記誘導情報を矢印(図形)で表示して伝達するとしたが、これに限定されず、例えば文字(ドット表示部6cで表示可能な程度に簡単な文字であって、例えば「上」や「下」等)で表示して伝達するようにしてもよい。又、上記実施の形態のドット表示部6cは、検出部9にて検出された姿勢が理想姿勢と一致する場合、「OK」の文字で表示して伝達するとしたが、これに限定されず、例えば図形を表示して(例えば、上下方向の中央に、もう動かさなくてよい旨を示す横方向に延びるバーのみを表示して)伝達するようにしてもよい。
【0042】
・上記実施の形態では、ドット表示部6cは、前記姿勢情報を点灯と消灯を繰り返して表示して伝達するとしたが、これに限定されず、単に点灯のみで表示して伝達するようにしてもよい。
【0043】
・上記実施の形態では、前記伝達手段は、前記姿勢情報を前記ドット表示部6c以外で伝達するサブ伝達手段としてのLED7を含むとしたが、これに限定されず、サブ伝達手段を有していなくてもよいし、他のサブ伝達手段に変更してもよいし、更に他のサブ伝達手段を追加してもよい。尚、サブ伝達手段としては、例えば、前記姿勢情報を音声(例えば、「手首を上げて下さい」といった言葉)により測定者に伝達する音声伝達手段等が考えられる。このようにしても、前記姿勢情報を測定者に更に分かり易く伝達することができる。
【0044】
・上記実施の形態では、検出部9にて検出された姿勢に基づいた記憶姿勢情報を、測定部5にて測定された血圧値の測定結果と関連づけて記憶するメモリ10(結果記憶手段)を備えるとしたが、これに限定されず、前記記憶姿勢情報を記憶しないようにしてもよい。
【0045】
・上記実施の形態では、メモリ10(理想姿勢記憶手段)は、不特定の測定者に対応した一定の第1の理想姿勢を記憶するための第1記憶部10aと、特定の測定者に対応した第2の理想姿勢を記憶するための第2記憶部10bとを有するとしたが、これに限定されず、例えば、第2記憶部10bを有していないものとしてもよい。又、上記実施の形態では、スイッチ11(操作手段)が操作されると、検出部9にて検出された姿勢に基づいた値が第2の理想姿勢として第2記憶部10bに記憶されるとしたが、これに限定されず、第2の理想姿勢を手入力するようにしてもよい。
【0046】
・上記実施の形態では、測定者の肘2bが置かれている面21から本体4(手首2a)までの高さを測定者の姿勢として各処理を行うようにしたが、その他の姿勢(又はその他の姿勢を追加したもの)を測定者の姿勢として各処理を行うようにしてもよい。尚、勿論、この場合、前記メモリ10に記憶する理想姿勢のデータもその他の姿勢に応じて変更する必要があるとともに、検出部9を、その他の姿勢を検出可能なものとする必要がある。
【符号の説明】
【0047】
2a…手首、5…測定部(測定手段)、6…セグメント液晶パネル、6c…ドット表示部(伝達手段)、7…LED(伝達手段及びサブ伝達手段)、9…検出部(検出手段)、13…演算部(比較手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血圧値を測定するための測定手段と、
前記測定手段にて測定された血圧値の測定結果を数字で表示可能なセグメント液晶パネルと、
測定者の姿勢を検出するための検出手段と、
前記検出手段にて検出された姿勢と予め記憶された理想姿勢とを比較してその比較結果に基づく姿勢情報を作成する比較手段と、
前記姿勢情報を測定者に伝達するための伝達手段と
を備え、手首に装着される手首血圧計であって、
前記セグメント液晶パネルは、前記測定手段にて測定された血圧値の測定結果をグラフ表示すべく複数のドットが並設されてなるドット表示部を有し、
前記伝達手段は、前記ドット表示部を含み、該ドット表示部は前記姿勢情報を表示して伝達することを特徴とする手首血圧計。
【請求項2】
請求項1に記載の手首血圧計において、
前記ドット表示部は、測定者の姿勢を前記理想姿勢に誘導するための誘導情報を前記姿勢情報の一つとして表示して該誘導情報を伝達することを特徴とする手首血圧計。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の手首血圧計において、
前記ドット表示部は、前記姿勢情報を点灯と消灯を繰り返して表示して伝達することを特徴とする手首血圧計。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の手首血圧計において、
前記伝達手段は、前記姿勢情報を前記ドット表示部以外で伝達するサブ伝達手段を含むことを特徴とする手首血圧計。
【請求項5】
請求項4に記載の手首血圧計において、
前記サブ伝達手段は、LEDを含むことを特徴とする手首血圧計。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の手首血圧計において、
前記サブ伝達手段は、前記姿勢情報を音声により測定者に伝達する音声伝達手段を含むことを特徴とする手首血圧計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−139827(P2011−139827A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2785(P2010−2785)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】