説明

投写型映像表示装置

【課題】アクティブシャッタメガネに内蔵された電池の残量を気にせずに、ユーザの利便性を向上することを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】投写型映像表示装置100は、光源から出射される光を変調するDMD及びDMDによって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットを収容する筐体200を備える。筐体200の背面220には、投写型映像表示装置100に外部電源400から電力を供給するための外部電源ポート221が設けられる。筐体200の背面220又は天面210には、アクティブシャッタメガネ300に電力を供給するための電源ポート222が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットとを有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から出射される光を変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットとを備える投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
近年では、複数の視点画像(例えば、左目視点画像及び右目視点画像)によって構成される立体画像を表示する投写型映像表示装置も提案されている(例えば、特許文献1)。例えば、このような立体画像を視聴するために、アクティブシャッタメガネが用いられる。アクティブシャッタメガネは、左目用シャッタ及び右目用シャッタを有しており、各シャッタを交互に閉じることによって、各視点画像を適切な目で視聴可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−322065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、アクティブシャッタメガネは、各シャッタを開閉する電源が必要である。一般的には、アクティブシャッタメガネは、電池などを内蔵しており、アクティブシャッタメガネに内蔵された電池は、充電装置から供給される電力によって充電される。
【0006】
ここで、投写型映像表示装置と充電装置とが別体として設けられる場合には、アクティブシャッタメガネに内蔵された電池の残量が無くなることを想定して、投写型映像表示装置とともに充電装置を持ち運ぶ必要がある。このような充電装置の携帯は、ユーザにとって煩雑である。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、アクティブシャッタメガネに内蔵された電池の残量を気にせずに、ユーザの利便性を向上することを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、フロント投写型の投写型映像表示装置である。投写型映像表示装置は、光源(光源10)から出射される光を変調する光変調素子(DMD60)及び前記光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニット(投写ユニット70)を収容する筐体(筐体200)を備える。前記筐体の背面(背面220)には、前記投写型映像表示装置に外部電源(外部電源400)から電力を供給するための外部電源ポート(外部電源ポート221)が設けられる。前記筐体の背面又は天面(天面210)には、アクティブシャッタメガネ(アクティブシャッタメガネ300)に電力を供給するための電源ポート(電源ポート222)が設けられる。
【0009】
第1の特徴において、前記電源ポートは、前記筐体の背面に設けられる。前記電源ポートは、USBポートである。
【0010】
第1の特徴において、前記電源ポートは、前記筐体の天面に設けられる。前記電源ポートは、非接触タイプのポートである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アクティブシャッタメガネに内蔵された電池の残量を気にせずに、ユーザの利便性を向上することを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係るカラーホイール40を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る同期信号の出力タイミングを示す図である。
【図5】図5は、変更例1に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図6】図6は、変更例2に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0014】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0015】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、フロント投写型の投写型映像表示装置である。投写型映像表示装置は、光源から出射される光を変調する光変調素子及び前記光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットを収容する筐体を備える。前記筐体の背面には、前記投写型映像表示装置に外部電源から電力を供給するための外部電源ポートが設けられる。前記筐体の背面又は天面には、アクティブシャッタメガネに電力を供給するための電源ポートが設けられる。
【0016】
実施形態では、投写型映像表示装置は、フロント投写型であり、アクティブシャッタメガネに電力を供給するための電源ポートが設けられる。従って、アクティブシャッタメガネに電力を供給するための充電装置などを投写型映像表示装置と別体として持ち運ぶ必要がなく、アクティブシャッタメガネに内蔵された電池の残量を気にせずに、ユーザの利便性を向上することができる。
【0017】
実施形態では、筐体の背面又は天面に電源ポートが設けられる。従って、投写面上に投写される映像の視認性を妨げることなく、電源ポートからアクティブシャッタメガネに電力を供給することができる。
【0018】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【0019】
第1実施形態では、投写型映像表示装置100は、フロント投写型のプロジェクタである。また、投写型映像表示装置100は、立体画像の表示に対応するプロジェクタである。
【0020】
具体的には、投写型映像表示装置100は、様々な光学素子などを収容する筐体200を有する。筐体200は、天面210及び背面220を有する。天面210は、筐体200を構成する面のうち、設置面と対向する底面の反対側に設けられる面である。背面220は、筐体200を構成する面のうち、投写面の反対側に設けられる面である。
【0021】
第1に、背面220には、外部電源400から投写型映像表示装置100に電力を供給するための外部電源ポート221が設けられる。外部電源ポート221には、例えば、外部電源400に接続された電源ケーブルが差し込まれる。外部電源400は、例えば、AC電源である。
【0022】
第2に、背面220には、投写型映像表示装置100からアクティブシャッタメガネ300に電力を供給するための電源ポート222が設けられる。電源ポート222には、アクティブシャッタメガネ300に接続される電源ケーブルが差し込まれる。電源ポート222は、例えば、USBポートである。
【0023】
第3に、背面220には、パーソナルコンピュータやDVDプレーヤなどの外部機器から映像信号や音声信号を取得するための端子群が設けられていてもよい。端子群には、外部機器に接続されるAVケーブルの端子が差し込まれる。
【0024】
第1実施形態において、アクティブシャッタメガネ300は、左目用シャッタ及び右目用シャッタを有しており、投写型映像表示装置100から受信する同期信号に応じて、各シャッタを交互に閉じる機能を有する。アクティブシャッタメガネ300は、各シャッタを駆動するモータに電力を供給する電池を内蔵することが好ましい。
【0025】
(光学構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の光学構成について説明する。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の光学構成を示す図である。なお、図2に示す光学構成は、筐体200に収容される。
【0026】
図2に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10と、フライアイレンズ20と、PBSアレイ30と、カラーホイール40と、ロッドインテグレータ50と、DMD60と、投写ユニット70とを有する。また、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群(レンズ111〜レンズ114)を有する。
【0027】
光源10は、白色光を出射するUHPランプなどである。すなわち、光源10が出射する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを少なくとも含む。白色光は、黄成分光Ye及びシアン成分光Cyを含んでいる。
【0028】
フライアイレンズ20は、光源10が出射する白色光を均質化する素子である。詳細には、フライアイレンズ20は、複数の微小レンズを有しており、各レンズから出射される光は、DMD60に照射される。
【0029】
PBSアレイ30は、光源10が出射する白色光の偏光方向を揃える素子(Polarized Beam Splitter)である。
【0030】
カラーホイール40は、光源10が出射する白色光の光軸に沿って延びる回転軸40Xを中心として回転するように構成される。カラーホイール40は、光源10が出射する白色光を透過する透過型回転体である。
【0031】
詳細には、カラーホイール40は、図3に示すように、赤領域40R、G領域40G、青領域40B、黄領域40Ye、シアン領域40Cy及び白領域40Wを有する。赤領域40Rは、赤に対応する波長帯を有する赤成分光Rを透過する領域である。G領域40Gは、緑に対応する波長帯を有する緑成分光Gを透過する領域である。青領域40Bは、青に対応する波長帯を有する青成分光Bを透過する領域である。黄領域40Yeは、黄に対応する波長帯を有する黄成分光Yeを透過する領域である。シアン領域40Cyは、シアンに対応する波長帯を有するシアン成分光Cyを透過する領域である。白領域40Wは、白に対応する波長帯を有する白色光を透過する領域である。
【0032】
ロッドインテグレータ50は、ガラスなどの透明部材によって構成されており、ロッド状の形状を有する。具体的には、ロッドインテグレータ50は、光入射面と、光出射面と、光入射面から光出射面に亘って設けられる光反射側面とを有する。ロッドインテグレータ50は、ロッドインテグレータ50に入射する光を均一化する。
【0033】
DMD60は、複数の微小ミラーによって構成されており、複数の微小ミラーは可動式である。各微小ミラーは、基本的に1画素に相当する。DMD60は、各微小ミラーの角度を変更することによって、投写ユニット70側に光を反射するか否かを切り替える。
【0034】
投写ユニット70は、DMD60から出射された光(映像光)を投写面上に投写する。
【0035】
(同期信号)
以下において、第1実施形態に係る同期信号の出力タイミングについて説明する。図4は、第1実施形態に係る同期信号の出力タイミングを説明するための図である。
【0036】
図4に示すように、2次元画像を表示するモード(3D off モード)では、赤領域40R、G領域40G、青領域40B、黄領域40Ye、シアン領域40Cy及び白領域40Wを透過する光がDMD60で変調されて投写面上に導かれる。
【0037】
一方で、立体画像(3次元画像)を表示するモード(3D on モード)では、赤領域40R、G領域40G、青領域40B、黄領域40Ye及びシアン領域40Cyを透過する光がDMD60で変調されて投写面上に導かれる。ここで、白領域40Wを透過する光は投写面上に導かれずに、白領域40Wから光を出射すべきタイミング(期間)において、投写型映像表示装置100とアクティブシャッタメガネ300との同期をとるための同期信号が出力される。これによって、アクティブシャッタメガネ300の受光部において、同期信号の誤検出が抑制される。
【0038】
(作用及び効果)
第1実施形態では、投写型映像表示装置100は、フロント投写型であり、アクティブシャッタメガネ300に電力を供給するための電源ポート222が設けられる。従って、アクティブシャッタメガネ300に電力を供給するための充電装置などを投写型映像表示装置100と別体として持ち運ぶ必要がなく、アクティブシャッタメガネ300に内蔵された電池の残量を気にせずに、ユーザの利便性を向上することができる。
【0039】
実施形態では、筐体200の背面220に電源ポート222が設けられる。従って、投写面上に投写される映像の視認性を妨げることなく、電源ポート222からアクティブシャッタメガネ300に電力を供給することができる。
【0040】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0041】
具体的には、変更例1では、図5に示すように、電源ポート222には、分配機500が接続されており、分配機500には、複数のアクティブシャッタメガネ300が接続される。
【0042】
変更例1では、分配機500を介して、複数のアクティブシャッタメガネ300に投写型映像表示装置100から電力が供給されるため、複数のユーザがアクティブシャッタメガネ300に内蔵された電池の残量を気にせずに立体画像を視聴することが可能である。
【0043】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0044】
具体的には、第1実施形態では、筐体200の背面220に電源ポート222が設けられる。これに対して、変更例2では、図6に示すように、筐体200の天面210に電源ポート222が設けられる。
【0045】
変更例2では、電源ポート222は、非接触タイプのポートである。すなわち、アクティブシャッタメガネ300を天面210に置くだけで、アクティブシャッタメガネ300に投写型映像表示装置100から電力が供給される。
【0046】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0047】
実施形態では、光変調素子として、DMD60を例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。光変調素子は、液晶パネルであってもよい。
【0048】
実施形態では、単板タイプの投写型映像表示装置100について例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。実施形態は、3板タイプの投写型映像表示装置100に適用されてもよい。
【0049】
実施形態では、白色光を出射する光源10について例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。しかしながら、光源10は、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)などの固体光源であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
10…光源、20…フライアイレンズ、30…PBSアレイ、40…カラーホイール、50…ロッドインテグレータ、60…DMD、70…投写ユニット、100…投写型映像表示装置、200…筐体、210…天面、220…背面、221…外部電源ポート、222…電源ポート、300…アクティブシャッタメガネ、400…外部電源、500…分配機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射される光を変調する光変調素子及び前記光変調素子によって変調された光を投写面上に投写する投写ユニットを収容する筐体を備えており、フロント投写型の投写型映像表示装置であって、
前記筐体の背面には、前記投写型映像表示装置に外部電源から電力を供給するための外部電源ポートが設けられており、
前記筐体の背面又は天面には、アクティブシャッタメガネに電力を供給するための電源ポートが設けられることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記電源ポートは、前記筐体の背面に設けられており、
前記電源ポートは、USBポートであることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記電源ポートは、前記筐体の天面に設けられており、
前記電源ポートは、非接触タイプのポートであることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−92741(P2013−92741A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236247(P2011−236247)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】