説明

投票カードおよびこれを用いた電子投票システム

【課題】投票作業を簡単に行い得る無線ICタグを有する投票カードを提供する。
【解決手段】カード本体11内に、投票データとして「賛成」、「反対」、「棄権」が電子的に記録された3個の投票用無線ICタグ12が等間隔置きに配置された円板状のデータ選択部材13を回転自在に配置するとともに、3個の無線ICタグ12のうち、任意の一つを除いた残りの無線ICタグ12を電磁遮蔽し得る遮蔽部材14を配置し、上記電磁遮蔽されない無線ICタグ12の内容を示す文字板19をデータ選択部材13に設けるとともに、カード本体11の蓋部側に、その文字板19を外部から確認し得る確認用窓が設けられたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線識別タグを内蔵した投票カードおよびこれを用いた電子投票システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、投票システムにおいては電子化が進んでおり、例えば無線ICタグ(無線識別タグ)を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この投票システムは、投票者がそれぞれ投票所にて、無線ICタグ付き投票用紙を貰い、投票所に配置された投票装置にて、投票データに対応するデータを記録した後、当該投票用紙を投票箱に入れるものである。
【特許文献1】特開2005−141569
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した電子投票システムによると、投票者は、無線ICタグ付き投票用紙に、投票装置にてその投票データを記録する必要があり、面倒な作業が必要とされていた。
そこで、本発明は、無線ICタグ付き投票用紙に投票データを記録する必要がない、すなわち投票作業を簡単に行い得る投票カードおよびこれを用いた電子投票システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る投票カードは、投票データが電子的に記録された複数のデータ記録領域が設けられたカード本体と、これら複数のデータ記録領域のうち、任意の一つを除いた残りのデータ記録領域を電磁遮蔽し得る遮蔽部材とを具備したものである。
【0005】
また、請求項2に係る投票カードは、カード本体に、投票データが電子的に記録された複数の無線識別タグが所定間隔置きに配置されたデータ選択部材を回転自在または所定方向で移動自在に配置するとともに、上記複数の無線識別タグのうち、任意の一つを除いた残りの無線識別タグを電磁遮蔽し得る遮蔽部材を配置し、上記電磁遮蔽されない無線識別タグの内容を表示し得る表示手段を具備したものである。
【0006】
また、請求項3に係る投票カードは、カード本体に、投票データが電子的に記録された複数の無線識別タグを所定間隔置きに配置するとともに、これら複数の無線識別タグのうち、任意の一つを除いた残りの無線識別タグを電磁遮蔽し得る遮蔽部材を回転自在にまたは移動自在に配置し、上記電磁遮蔽されない無線識別タグの内容を表示し得る表示手段を具備したものである。
【0007】
また、請求項4に係る投票カードは、請求項2または3に記載の投票カードにおいて、少なくとも無線識別タグを2個配置するとともに、少なくとも、一方の無線識別タグに投票データとして「賛成」を記録し且つ他方の無線識別タグに投票データとして「反対」を記録するようにしたものである。
【0008】
また、請求項5に係る投票カードは、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の投票カードのカード本体に、当該カードを識別するための識別データを記録し得るカード用無線識別タグを配置したものである。
【0009】
また、請求項6に係る投票カードは、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の投票カードのカード本体に設けられる無線識別タグに、当該カードを識別するための識別データを記録し、または無線識別タグに予め記録されている固有の識別データを当該カードを識別するための識別データとして用いるようにしたものである。
【0010】
また、請求項7に係る電子投票システムは、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の投票カードと、投票台または投票箱に設けられて投票カードの無線識別タグに記録されたデータのうち、遮蔽部材にて遮蔽されないデータを無線にて読み取る無線読取部と、この無線読取部にて読み取られたデータをカウントするカウント部とを具備したものである。
【0011】
また、請求項8に係る電子投票システムは、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の投票カードと、この投票カードを挿入し得る投入用スリットが設けられた投票箱と、この投票箱に設けられて、投票カードの無線識別タグに記録されたデータのうち、遮蔽部材にて遮蔽されないデータを無線にて読み取る無線読取部およびこの無線読取部にて読み取られたデータをカウントするカウント部を有するデータ集計装置とを具備したものである。
【0012】
さらに、請求項9に係る電子投票システムは、請求項8に記載の電子投票システムにおいて、投入用スリットに投入する投票カードまたは投入用スリットから投入された投票カードを所定の姿勢でもって案内させる案内手段を投票箱に設けるとともに、この案内手段に無線読取部を配置したものである。
【発明の効果】
【0013】
上記投票カードおよびこれを用いた電子投票システムによると、予め、「賛成」、「反対」などの投票データが記録された無線識別タグが配置されたデータ選択部材を回転若しくは移動させるだけで、または遮蔽部材を回転若しくは移動させるだけで、希望する投票データを選択することができるので、例えば無線識別タグ付きの投票用紙に、データ書込み装置を用いて、投票データを記録させるような投票システムとは異なり、投票作業を非常に簡単に行うことができる。
【0014】
また、投票カードを、投票台に載置するだけでまたは投票箱の投入用スリットに投入するだけで、その投票データが無線読取部にて読み取られるとともに、データ集計装置にて、その投票数および投票データ毎の得票数が自動的に集計され、したがって会議などで事案の賛否を採るのに、非常に簡単にしかも短時間にて行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の投票カードおよびこれを用いた電子投票システムの実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1に係る投票カードおよびこれを用いた電子投票システムを、図1〜図5に基づき説明する。
【0016】
本実施の形態1に係る電子投票システムは、図1に示すように、大きく分けて、無線識別タグ例えば無線ICタグ(RFIDタグともいう)付きの投票カード1と、この投票カード1が投入される(回収される)投票箱2と、この投票箱2に投票された投票カード1のデータ内容を自動的に集計するデータ集計装置3と、このデータ集計装置3にて集計された投票結果データ(以下、結果データという)を印刷するデータ印刷装置4とが具備されたものである。
【0017】
この投票カード1は、図2〜図4に示すように、名刺程度の大きさで且つ所定厚さのカード本体11と、このカード本体11の内部に回転自在に配置されるとともに所定半径の円周上に複数個の無線ICタグ12が等間隔置きに配置された円形薄板状のデータ選択部材(データ選択板ともいえる)13と、このデータ選択部材13の一方の表面に対向するカード本体11側に配置されて上記複数個の無線ICタグ12のうち、任意の一つを除いた残りの無線ICタグ12を全て電磁遮蔽し得る遮蔽部材(例えば、アルミ板、アルミ箔などの金属板が用いられる)14と、この遮蔽部材14から外れた位置のカード本体11内に配置されて当該カード本体11を識別し得る識別データ(固有番号などである)が記録されたカード用無線ICタグ(カード用無線識別タグ)15とから構成されている。
【0018】
上記無線ICタグ12には投票データが予め電子的に、すなわち電子データとして記録されており、投票データの選択肢に応じた個数分だけ設けられている。図2に示すように、選択肢が「賛成」、「反対」、「棄権」である場合には、それぞれのデータが記録された3個の無線ICタグ12A,12B,12Cが120度置きに配置されることになる。なお、これら複数個の無線ICタグ12は、上記カード用無線ICタグと区別する上で、投票用無線ICタグと呼ぶことができる。
【0019】
上記カード本体11は、例えば上記データ選択部材13を支持軸部16を介して回転自在に支持する選択部材支持用本体部(以下、本体部という)17と、上記遮蔽部材14が取り付けられた(または埋め込まれた)蓋部18とから構成されている。上記支持軸部16は本体部17側に設けられるが、例えば支持軸部16をデータ選択部材13側に設けるとともにその下部を本体部17側に設けられた穴部に回転自在に挿入して支持させるようにしてもよい。
【0020】
また、上記データ選択部材13は、その一部がカード本体11の側面から外方に突出するように、支持軸部16を介して本体部17に支持されており、この突出した部分を手で触ることにより回転させるようにしたものである。したがって、上記データ選択部材13の外周面には、滑り止めとして多数の溝(所謂、ギザギザである)が形成されており、場合によっては、外周面を多角形状に形成してもよい。
【0021】
さらに、上記各無線ICタグ12が配置されたデータ選択部材13の表面には、それぞれの投票データの内容を示す文字、例えば「賛成」、「反対」、「棄権」の文字が記載され文字板(例えば、シール、テープ、薄いプラスチック板などが用いられる)19が貼り付けられるとともに、選択した投票データの内容を示す文字板19の文字を投票者が確認するための確認用窓(確認用開口部でもある)20が蓋部18に形成されている。そして、この確認用窓20には、投票者だけがその内容を見ることができるように、すなわち横に居る他人からは見えないようするための透明の保護部材21が設けられるとともに開閉蓋(図示せず)も設けられている。この保護部材21としては、例えば光をほぼ真っ直ぐに透過させるためのプラスチック製のプリズム、非球面レンズ(例えばフレネルレンズ)、または偏光レンズなどが用いられ、また文字が小さい場合には、これらレンズに拡大機能が具備される。なお、文字板19、確認用窓20などにより表示手段が構成される。
【0022】
上記遮蔽部材14の形状については、例えば無線ICタグ12が3個である場合には、その選択位置は当該タグを手で持った際に上方位置になるのが見やすいため、この上方位置の所定範囲だけが除かれるような形状にされている。具体的に説明すると、図4に示すように、円形状の遮蔽部材14全体を覆い得る高さで且つカード本体11の幅と等しい幅の矩形状にされるとともに、その中央位置上部に逆台形状の切欠部14aを有するような形状にされている。なお、選択位置を上方位置として説明したが、必要に応じて自由に変更し得るもので、例えばデータ選択部材13の操作部分である右側位置(図4の右側)または左側位置にしてもよく、この場合、当然に、その位置に切欠部が形成される。
【0023】
そして、上記データ選択部材13と蓋部18との間には、データ選択部材13の選択位置(回転位置)を決めるための位置決め手段(保持手段ともいえる)22が具備されている。
【0024】
この位置決め手段22としては、例えば無線ICタグ12,12同士間の中央の3本の半径線上の適当な位置(例えば、回転中心寄りの内側位置、外周寄りの外側位置、これらの中間位置など)のデータ選択部材13の表面に、ゴム製(金属製)のボール(係合部)23の少なくとも下半部が埋め込まれて設けられるとともに、蓋部18の裏面の同一位置には、上記ボール23の上半部を案内(挿入)し得る凹状部(被係合部)24が形成されている。
【0025】
すなわち、データ選択部材13を回転させた場合、各ボール23が各凹状部24に嵌り込むことにより、120度置きにデータ選択部材13が位置決めされて、選択された投票データの内容が保持される。
【0026】
したがって、投票者は、投票カード1を手で持った状態で、データ選択部材13を回転させて、自分が投票したい内容の文字が確認用窓20にて見えるようにするだけで、自分の投票データを当該投票カード1に設定することができる。
【0027】
次に、投票箱2、データ集計装置3およびデータ印刷装置4について説明する。
この投票箱2は、図1に示すように、上壁面に投票カード1を投入(挿入)するための投入用スリット31aが形成された直方体状(所謂、箱状である)の箱本体31と、この箱本体31の投入用スリット31aに投入する際に、投票カード1を無線読取部(後述する)41に案内するための案内部材(案内手段)32とから構成されており、また箱本体31の内部には、投入用スリット31aから投入された投票カード1を回収するための回収空間部31b、データ集計装置3(正確には、後述する集計演算装置)を収納する第1収納空間部31cおよびデータ印刷装置4を収納する第2収納空間部31dがそれぞれ適所に設けられている。
【0028】
上記案内部材32は、投票箱2の上面の投入用スリット31a近傍位置で立設された支柱材33と、上端がこの支柱材33に支持されるとともに下端が投入用スリット31a内に挿入されて且つ所定角度でもって傾斜するように設けられた傾斜案内板34とから構成されており、この傾斜案内板34の裏面に無線読取部41が取り付けられることになる。
【0029】
勿論、上記案内部材32は、電磁波を遮蔽しないように、合成樹脂などの非導電性材料で構成されており、また傾斜案内板34の傾斜角度については、表面に投票カード1を接触させて手を離したときに、スムースに投票箱2の回収空間部31b内に落下するような角度、例えば45度〜90度(好ましくは、60度〜80度)の範囲内にされている。また、無線読取部41での読取動作が確実に行い得るように、カードを接触させた際に、少なくとも僅かな時間だけでも傾斜案内板34上に留まるような角度が望ましい。
【0030】
上記データ集計装置3は、上記傾斜案内板34の下面に設けられて上記無線ICタグ12に記録された投票データを無線にて読み取るための無線読取部41と、この無線読取部41にて読み取られた投票データを入力して当該投票データの内容を集計する集計演算装置42とから構成されている。
【0031】
上記無線読取部41は、無線ICタグ12に電波を送り、当該無線ICタグ12に記録されている内容を無線で発信させるとともに当該無線を検出してその内容を読み取るものである。
【0032】
また、上記集計演算装置42としてはコンピュータ装置(例えば、CPU、制御部、記憶部としてのメモリなどからなるワンボードコンピュータである)が用いられるとともに、当該集計演算装置42には、図5に示すように、無線読取部41にて読み取られた入力データを記憶する入力データ記憶部43が具備されるとともに、この入力データ記憶部43からデータを入力するとともにその内容を分析してそれぞれの得票数および投票総数をカウントするカウント部44と、このカウント部でカウントされた得票数および投票総数などの結果データを記憶する結果データ記憶部45と、この結果データ記憶部45から結果データを出力するデータ出力部46とから構成されている。
【0033】
さらに、上記データ印刷装置4は、箱本体31の第2収納空間部31d内に配置されて上記データ集計装置3の集計演算装置42から結果データを入力して、所定の様式にて、投票結果をプリントアウトするものである。なお、箱本体31の側壁部には、プリント用紙を排出するための用紙排出口31eが設けられている。
【0034】
次に、上記投票カード1を用いた電子投票システムにおける投票方法について説明する。
ここでは、ある会議で、所定の事案に対して、無記名で多数決による賛否を採る場合について説明する。
【0035】
まず、賛否を採る前に、当然ながら、各投票者に対して投票カード1を手渡しておく。この投票カード1に設けられた3個の無線ICタグ12には、上述したように、「賛成」、「反対」、「棄権」のデータが記録されているものとする。なお、無記名投票であるため、カード用無線ICタグ15に記録されたデータについては利用されない。
【0036】
投票に際し、投票者は、自分でデータ選択部材13を回転させて、その蓋部18に設けられた確認用窓20内に、自分の投票すべき内容を示す文字が見えるようにする。すなわち、投票すべき内容の投票データが遮蔽部材14の切欠部14aに来るようにセットする。この後、確認用窓20に設けられた開閉蓋を閉じて、他人に知られないようにする。これにより、プライバシーが保護される。
【0037】
そして、この投票カード1を投票箱2に設けられた傾斜案内板34に軽く接触(近づけるだけで、接触させなくてもよい)させてから手を離せばよい。勿論、手から離れた投票カード1は投入用スリット31aから、回収空間部31b内に落下して回収される。
【0038】
一方、投票カード1が傾斜案内板34に接触されると、すなわち無線読取部41に接近すると、当該無線読取部41からの電波によりその投票データの内容が読み取られ、入力データ記憶部43に記憶される。
【0039】
そして、この入力データ記憶部43に記憶された投票データがカウント部44に入力されて投票数がカウントされるとともに、その投票データの内容に応じて、すなわち「賛成」、「反対」、「棄権」の各得票数がカウントされ、これら投票数および得票数は結果データ記憶部45に記憶される。
【0040】
そして、投票が終了すると、この結果データ記憶部45に記憶された結果データはデータ出力部46からデータ印刷装置4に送られて、所定の様式にてプリントアウトされる。
ところで、上述の説明では、無記名投票の場合について説明したが、記名投票を行う場合には、カード用無線ICタグ15からも、識別データの読み取りが行われて、各投票カード1ごとすなわち投票者ごとの「賛成」、「反対」、「棄権」の投票数が集計される。勿論、投票する前に、投票カード1すなわち投票者と識別データとの対応付けが行われる。
【0041】
なお、この投票カード1については、何度でも繰り返して使用することができ、同じ会議においても、続けて、賛否を採ることができる。
上記投票カード1の構成によると、予め、投票用無線ICタグ12に投票データが記録されたデータ選択部材13を回転させるだけで、希望する投票データを選択することができるので、例えば無線ICタグを用いた投票カードに、データ書込み装置を用いて、投票データを書き込むような投票システムとは異なり、投票作業を非常に簡単に行うことができる。
【0042】
また、投票カード1を、投票箱2の傾斜案内板34に接触させるだけで、その裏面に配置された無線読取部41にて投票データが読み取られるとともに、集計演算装置42にて、その投票総数および投票データの集計(得票数の集計)が自動的に行われ、したがって会議などで事案の賛否を採るのに、非常に簡単にしかも短時間にて行うことができる。
【0043】
また、集計演算装置42については、パーソナルコンピュータまたはワンボードコンピュータを用いることができるので、非常に安価な電子投票システムを構築することができる。例えば、投票専用システムが数百万円またはそれ以上の費用を要するのに対して、パーソナルコンピュータなどを用いた場合には、数十万円で済むことになる。
【0044】
しかも、投票カード1については何度でも使用することができるとともに、無線ICタグは耐用性にも優れているため、初期費用だけで済み、選挙のために必要となるランニングコストは、殆ど発生しない。
【0045】
さらに、投票カード1については、自分で、データ選択部材13を回転させて投票データを選択するものであるため、画面上で投票データを選択したり、投票データを電子的に入力するものに比べて、今まで通常に行われていた手書きによる投票形式と親和性があり、言い換えれば、アナログ的で違和感なく投票を行うことができる。しかも、投票カード自体で、投票データを選択して当該投票カードを投票箱に投入するため、書込み装置を用いて電子的に投票データを書き込むシステムでは、投票者がその投票データを書き込んだ(選択した)時点で投票内容が第三者に知られるような危惧を払拭し得ないが、上述したような投票カードを用いて投票を行う場合には、そのような危惧を抱くことなく、安心して投票を行うことができる。すなわち、プライバシーの保護という点で優れている。
【0046】
特に、このような電子投票システムは、小規模または中規模程度の投票システムに特に有効であり、例えば会社内における会議での投票、市町村における会議での投票、学校内における会議での投票に最適なものである。
【0047】
さらに、投票後の集計において疑義があった場合でも、投票箱に回収された投票済の投票カードを取り出し目視にて投票データをカウントできるため、投票の信頼性を確保することができる。
[実施の形態2]
以下、本発明の実施の形態2に係る投票カードおよびこれを用いた電子投票システムを、図6および図7に基づき説明する。
【0048】
なお、本実施の形態2と上述した実施の形態1と異なる箇所は投票カードの投入部分にあり、すなわち上記実施の形態1では、投票箱に投入する直前に投票データを読み取るようにしたが、本実施の形態2においては、投票箱に投入した直後に投票データを読み取るようにしたものであり、このため、本実施の形態2においては、この部分に着目して説明するとともに、上記実施の形態1と同一の構成部材については、同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
【0049】
すなわち、本実施の形態2に係る投票箱2の箱本体31内には、投入用スリット31aから投入された投票カード1を回収するための回収空間部31b、データ集計装置3(正確には、集計演算装置42)を収納する第1収納空間部31cおよびデータ印刷装置4を収納する第2収納空間部31dが設けられるとともに、上記投入用スリット31aの内壁面側には、投票カード1を案内する案内部材(案内手段)51が設けられている。
【0050】
この案内部材51は、投票カード1の落下用空間52を有して当該投票カード1をほぼ真っ直ぐに(勿論、傾斜していてもよい)所定高さだけ案内する案内通路部53と、この案内通路部53の下部に設けられて投入された投票カード1を一時的(一瞬でよく、無線ICタグを読み取ることができる時間であればよい)に保持した後、落下させるための仮保持部54とから構成されている。
【0051】
この仮保持部54は、案内通路部53の背板部53aが下方に延設されてなる延設背板部54aと、この延設背板部54aの下端に投票カード1の厚さの半分より幅が狭くされた水平突出部54bとから構成されている。勿論、延設背板部54aの周囲三方については開放されており、また仮保持部54での開放高さはカード本体11の高さよりも高くされ、さらに水平突出部54bで保持されたカード本体11の重心位置が当該水平突出部54bよりも外側に来るように(位置するように)されている。そして、上記延設背板部54aの外面に無線読取部41が配置されている。
【0052】
したがって、案内通路部53を案内されてきた投票カード1は、仮保持部54の水平突出部54bに当たり、ほんの一瞬だけ停止した状態となり、このとき、延設背板部54aの外面に配置された無線読取部41により、投票データが読み取られ、その後、自重により、延設背板部54aとは反対側に落下することになる。
【0053】
この構成によると、上述した実施の形態1と同様の効果を有するとともに、投票者は、投票カード1を投票箱2の投入用スリット31aから投入するだけでよいため、従来の投票方法と同一となり、全く違和感なく投票を行うことができる。
[実施の形態3]
以下、本発明の実施の形態3に係る投票カードおよびこれを用いた電子投票システムを、図8に基づき説明する。
【0054】
なお、本実施の形態3と上述した実施の形態1と異なる箇所は投票カードの投入部分にあり、すなわち上記実施の形態1では、投票箱に投入する直前に投票データを読み取るようようにしたが、本実施の形態3においては、実施の形態2と同様に、投票箱に投入した直後に投票データを読み取るようにしたものであり、このため、本実施の形態3においては、この部分に着目して説明するとともに、上記実施の形態1と同一の構成部材については、同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
【0055】
すなわち、本実施の形態3に係る投票箱2の箱本体31内には、投入用スリット31aから投入された投票カード1を回収するための回収空間部31b、データ集計装置3(正確には、集計演算装置42)を収納する第1収納空間部31cおよびデータ印刷装置4を収納する第2収納空間部31dが設けられるとともに、上記回収空間部31b内で且つ投入用スリット31aの下方位置には、投票カード1を所定方向に、すなわち無線読取部41に案内する案内手段としてのコンベヤ装置(案内手段)61が配置されている。
【0056】
このコンベヤ装置61は、電動機などにより回転される駆動ローラ62と、所定距離水平方向で離れた位置に配置された従動ローラ63と、これら両ローラ62,63同士に無端状に巻回されたゴム製のベルト64とから構成されている。そして、無線読取部41がこれら両ローラ62,63間で且つベルト64の下方に配置されたものである。この場合、上記コンベヤ装置61は、その上流側(始端側)である従動ローラ63が投入用スリット31a側に対応するように配置されている。
【0057】
したがって、ベルト64が矢印方向aに駆動されている状態で、投票者が投票カード1を投入用スリット31aから投入すると、ベルト64上に落下されるとともに矢印方向aに移動される。そして、ベルト64により移動される間に、当該ベルト64の下方に配置された無線読取部41により、投票カード1の投票データが読み取られる。読み取られた後、投票カード1はベルト64から回収空間部31bの底壁上に落下されて回収される。なお、上記コンベヤ装置61は、投票中は駆動されている。
【0058】
この構成によると、上述した実施の形態1と同様の効果を有するとともに、実施の形態2の場合と同様に、投票者は、投票カード1を投票箱2の投入用スリット31aから投入するだけでよいため、従来の投票方法と同一となるため、全く違和感なく投票を行うことができる。
[実施の形態4]
以下、本発明の実施の形態4に係る投票カードおよびこれを用いた電子投票システムを、図9に基づき説明する。
【0059】
なお、本実施の形態4と上述した実施の形態1と異なる箇所は投票カードの投入部分にあり、すなわち上記実施の形態1では、投票箱に投入する直前に投票データを読み取るようにしたが、本実施の形態4においては、実施の形態2および実施の形態3と同様に、投票箱に投入した直後に投票データを読み取るようにしたものであり、このため、本実施の形態4においては、この部分に着目して説明するとともに、上記実施の形態1と同一の構成部材については、同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
【0060】
すなわち、本実施の形態4に係る投票箱2の箱本体31内には、投入用スリット31aから投入された投票カード1を回収するための回収空間部31b、データ集計装置3(正確には、集計演算装置42)を収納する第1収納空間部31cおよびデータ印刷装置4を収納する第2収納空間部31dが設けられるとともに、上記回収空間部31b内で且つ投入用スリット31aの直ぐ下方位置には、言い換えれば、箱本体31の上壁部の下面位置で且つ投入用スリット31aの両側位置(片側だけでもよい)に、投票カード1を当該回収空間部31b内に案内するとともに、当該投票カード1の投票データを読み取る無線読取部41が配置されたものである。
【0061】
この場合も、上述した実施の形態2および実施の形態3と同様の効果を有している。
[実施の形態5]
以下、本発明の実施の形態5に係る投票カードおよびこれを用いた電子投票システムを、図10に基づき説明する。
【0062】
上記各実施の形態においては、投票カード1を投票箱2内に投入するものとして説明したが、本実施の形態5においては、投票箱に投入するのではなく、投票台の上面に設けられた無線読取部に接触させて投票データを読み取るようにしたものであり、本実施の形態5においても、この部分に着目して説明するとともに、上記実施の形態1と同一の構成部材については、同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
【0063】
すなわち、本実施の形態5に係る投票カードを用いた電子投票システムは、投票カード1の回収空間部を有しない投票台71の上面に、無線読取部41が配置されたものである。なお、この投票台71は箱状にされるとともに、その内部には、実施の形態1と同様に、データ集計装置3(正確には、集計演算装置42)を収納する第1収納空間部71aと、データ印刷装置4を収納する第2収納空間部71bとが適所に配置されている。勿論、投票台71には、データ印刷装置4にてプリントアウトされたプリント用紙の用紙排出口71cが形成されている。
【0064】
この場合、投票者は、投票カード1を投票台71の上面に配置された無線読取部41に軽く接触させるだけでよい。
なお、投票後において、次の投票に備える場合には、投票カード1をそのまま持っていればよく、次の投票がない場合には、別に設けられた回収箱に投入すればよい。
【0065】
勿論、この場合も、実施の形態1と略同様の効果を有している。
次に、投票カードを用いた電子投票システムのさらなる変形例を、図11および図12に基づき説明しておく。
【0066】
上記各実施の形態においては、投票箱または投票台に、データ集計装置とデータ印刷装置とを配置したが、この変形例に係る電子投票システムにおいては、データ印刷装置を設けずに、その結果データを表示させるようにしたものである。
【0067】
すなわち、この電子投票システムは、図11に示すように、投票カード1と、この投票カード1が投入される投票箱2と、この投票箱2に投票された投票カード1を自動的に集計するデータ集計装置3とから構成されている。この投票箱2は、上壁面に投票カード1の投入用スリット81aが形成されるとともに、その下方に回収空間部81bが且つこの側方に収納空間部81cが設けられた箱状体(箱本体でもある)81により構成されており、また投票カード1のデータ内容を無線にて読み取る無線読取部(図示せず)が上記投入用スリット81aの上方(案内部材)または下方(箱本体の内部)に配置されている。
【0068】
そして、さらに、図12に示すように、このデータ集計装置3の集計演算装置42としてはコンピュータ装置(例えば、CPU、制御部、記憶部としてのメモリなどからなるワンボードコンピュータである)が用いられるとともに、当該集計演算装置42には、無線読取部にて読み取られた入力データを記憶する入力データ記憶部43と、この入力データ記憶部43からデータを入力するとともにその内容を分析してそれぞれの得票数および投票総数をカウントするカウント部44と、このカウント部44でカウントされた得票数および投票総数などの結果データを記憶する結果データ記憶部45と、図示しないが外部からの指示により、上記結果データ記憶部45から得票内容である得票数を表示するディスプレイなどの得票数表示部47および投票総数を表示する投票数表示部48とが具備されている。なお、投票中においては、得票数および投票数は表示されない。また、集計演算装置42の得票数表示部47および投票数表示部48については、投票箱2とは異なる場所に配置してもよい。
【0069】
したがって、この電子投票システムによると、データ集計装置3の集計演算装置42をワンボードコンピュータで構成した場合には、投票箱2を持って投票者を巡ることにより投票を行うこともできる。
【0070】
ところで、上記各実施の形態(変形例も含む、以下同様)においては、投票データを3つ設定したが、投票内容に応じて、2つまたは4つ以上に設定することもできる。
また、上記各実施の形態においては、識別データをカード用無線ICタグ15に記録させるように説明したが、カード本体11に設けられる投票用無線ICタグ12の余った記録領域に、当該カードを識別するための識別データを記録するようにしてもよく、または投票用無線ICタグ12に予め記録されている製造番号などの固有の識別データを当該カードを識別するための識別データとして用いるようにしてもよく、さらに識別データを無線ICタグ15,12に記録させる替わりに、例えば投票カード1の表面の適正位置(例えば、投票データを記載した文字板以外の見え易い位置)に印刷するようにしてもよい。これらの場合には、カード用無線ICタグ15を設ける必要はない。
【0071】
また、上記各実施の形態においては、位置決め手段として、ボールと凹状部とで構成したが、ボールと半径方向(放射状)に形成されたスリット(1本でもよく、また無線ICタグの個数に応じて複数本でもよい)とで構成してもよく、また図13および図14に示すように、本体部17の表面に形成された凹部17a内に山形状に折曲されたバネ部材91を配置するとともに、データ選択部材13の裏面に上記バネ部材91を案内し得る溝部92を放射状に複数本(無線ICタグが3個設けられている場合には3本)形成したものでもよい。
【0072】
さらに、上記各実施の形態においては、遮蔽部材14に対してデータ選択部材13を回転させるように説明したが、逆に、データ選択部材を固定しておき遮蔽部材を回転させるようにしてもよい。
【0073】
この場合、図15に示すように、投票データが電子的に記録された複数のデータ記録領域すなわち複数の投票用無線ICタグ102が設けられたカード本体101と、このカード本体101に回転自在に設けられてこれら複数の投票用無線ICタグ102のうち、任意の一つを除いた残りの投票用無線ICタグを電磁遮蔽し得るアルミ箔などの円形状の遮蔽部材(遮蔽板ともいえる)103とが具備されている。例えば、各投票用無線ICタグ102は同一円周上に等角度おきに配置されるとともに、遮蔽部材103の円周上の任意の位置に、1つの投票用無線ICタグ102の電磁遮蔽を解放し得る(電磁遮蔽を無効にし得る)開口部103aが形成されている。また、投票用無線ICタグ102の表面、若しくはその対応する表面部材には、投票内容を示す文字板104がそれぞれ貼り付けられている。なお、図面においては、分かり易くするために、蓋部については省略するとともに、文字板104より投票用無線ICタグ102の方を大きく図示したが、実際には、投票用無線ICタグ102の方が小さいものである。
【0074】
したがって、投票する場合には、遮蔽部材103を回転させて、開口部103aがその投票内容に応じた文字板104上に来るようにすればよい。
また、上述した各実施の形態においては、データ選択部材または遮蔽部材を回転させるように説明したが、例えば所定方向にスライド(移動)させるようにしてもよい。
【0075】
データ選択部材をスライドさせる場合、図16に示すように、カード本体111に、例えば縦に一列でもって複数個(例えば、3個)投票用無線ICタグ112が配置されたスライド体(スライダともいう)113を縦方向にスライド自在に設けるとともに、カード本体111の蓋部114(蓋部の大きさはカード本体と同一であるが、分かりやすくするために、図面上、カード本体よりも少し小さい形状で示している)に、上記スライド体113に配置された投票用無線ICタグ112を電磁遮蔽し得るアルミ箔などの縦長で且つ中間位置に1つの投票用無線ICタグ112の電磁遮蔽を解放し得る(電磁遮蔽を無効にし得る)開口部115aが形成された遮蔽部材115が貼り付けられている(開口部を挟むようにして、2つの遮蔽部材を貼り付けたものでもよい)。勿論、遮蔽部材115の開口部115aに対応する蓋部114には、窓部114aが形成されており、スライド体113の表面に貼り付けられた投票内容の文字板116を見ることができるようにされている。なお、スライド体113の側部には、指でスライドさせ得るように操作用突片113aが設けられている。
【0076】
また、上記とは逆に遮蔽部材をスライドさせるようにしてもよい。
この場合、図17に示すように、カード本体121に、例えば縦に一列でもって投票用無線ICタグ122を所定間隔おきに複数個(例えば、3個)配置するとともに、当該カード本体12に、投票用無線ICタグ122を電磁遮蔽し得るアルミ箔などが貼り付けられた縦長で且つ途中に1つの投票用無線ICタグ122の電磁遮蔽を解放し得る(電磁遮蔽を無効にし得る)開口部123aが形成された遮蔽部材としてのスライド体123をスライド自在に配置し、さらにこのスライド体123の所定位置に対応する蓋部124には窓部124aが形成されており、上記スライド体123の表面に貼り付けられた投票内容の文字板125を見ることができるようにされている。なお、スライド体123の側部には、指でスライドさせ得るように操作用突片123bが設けられている。
【0077】
図17に示されたカード本体121に対する蓋部124の大きさ、および投票用無線ICタグ122に対する文字板125の大きさについては、図16にて説明したものと同様にされている。
【0078】
なお、図16および図17で示した投票用無線ICタグが設けられたスライド体113または遮蔽部材としてのスライド体123を縦方向に移動させるように説明したが、横方向に移動させるようにしてもよい。すなわち、文字板116,125の配置を90度回転させるようにしてもよい。
【0079】
また、上記変形例についても、回転する側または移動する側の位置を固定するために、上述した実施の形態で説明したと同様の位置決め手段が具備されている。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態1に係る投票カードを用いた電子投票システムの概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る投票カードの平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】同データ集計装置の集計演算装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る投票カードを用いた電子投票システムの概略構成を示す断面図である。
【図7】同実施の形態2に係る投票箱の要部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る投票カードを用いた電子投票システムの概略構成を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る投票カードを用いた電子投票システムの概略構成を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態5に係る投票カードを用いた電子投票システムの概略構成を示す断面図である。
【図11】本発明の各実施の形態に係る電子投票システムの変形例の概略構成を示す斜視図である。
【図12】同変形例に係る電子投票システムにおける集計演算装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の投票カードの変形例を示す要部平面図である。
【図14】図13のC−C断面図である。
【図15】本発明の投票カードの変形例を示す平面図である。
【図16】本発明の投票カードの変形例を示す平面図である。
【図17】本発明の投票カードの変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 投票カード
2 投票箱
3 データ集計装置
11 カード本体
12 投票用無線ICタグ
13 データ選択部材
14 遮蔽部材
14a 切欠部
15 カード用無線ICタグ
18 蓋部
19 文字板
20 確認用窓
22 位置決め手段
23 ボール
24 凹状部
31 箱本体
31a 投入用スリット
31b 回収空間部
32 案内部材
34 傾斜案内板
41 無線読取部
42 集計演算装置
43 入力データ記憶部
44 カウント部
45 結果データ記憶部
46 データ出力部
47 得票数表示部
48 投票数表示部
51 案内部材
52 落下用空間
53 案内通路部
54 仮保持部
61 コンベヤ装置
62 駆動ローラ
63 従動ローラ
64 ベルト
71 投票台
71a 第1収納空間部
71b 第2収納空間部
81 箱状体
81a 投入用スリット
101 カード本体
102 投票用無線ICタグ
103 遮蔽部材
111 カード本体
112 投票用無線ICタグ
113 スライド体
115 遮蔽部材
115a 開口部
121 カード本体
122 投票用無線ICタグ
123 スライド体
123a 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票データが電子的に記録された複数のデータ記録領域が設けられたカード本体と、これら複数のデータ記録領域のうち、任意の一つを除いた残りのデータ記録領域を電磁遮蔽し得る遮蔽部材とを具備したことを特徴とする投票カード。
【請求項2】
カード本体に、
投票データが電子的に記録された複数の無線識別タグが所定間隔置きに配置されたデータ選択部材を回転自在または所定方向で移動自在に配置するとともに、
上記複数の無線識別タグのうち、任意の一つを除いた残りの無線識別タグを電磁遮蔽し得る遮蔽部材を配置し、
上記電磁遮蔽されない無線識別タグの内容を表示し得る表示手段を具備したことを特徴とする投票カード。
【請求項3】
カード本体に、
投票データが電子的に記録された複数の無線識別タグを所定間隔置きに配置するとともに、
これら複数の無線識別タグのうち、任意の一つを除いた残りの無線識別タグを電磁遮蔽し得る遮蔽部材を回転自在にまたは移動自在に配置し、
上記電磁遮蔽されない無線識別タグの内容を表示し得る表示手段を具備したことを特徴とする投票カード。
【請求項4】
少なくとも無線識別タグを2個配置するとともに、少なくとも、一方の無線識別タグに投票データとして「賛成」を記録し且つ他方の無線識別タグに投票データとして「反対」を記録するようにしたことを特徴とする請求項2または3に記載の投票カード。
【請求項5】
カード本体に、当該カードを識別するための識別データを記録し得るカード用無線識別タグを配置したことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の投票カード。
【請求項6】
カード本体に設けられる無線識別タグに、当該カードを識別するための識別データを記録し、または無線識別タグに予め記録されている固有の識別データを当該カードを識別するための識別データとして用いるようにしたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の投票カード。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の投票カードと、
投票台または投票箱に設けられて投票カードの無線識別タグに記録されたデータのうち、遮蔽部材にて遮蔽されないデータを無線にて読み取る無線読取部と、
この無線読取部にて読み取られたデータをカウントするカウント部と
を具備したことを特徴とする電子投票システム。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の投票カードと、
この投票カードを挿入し得る投入用スリットが設けられた投票箱と、
この投票箱に設けられて、投票カードの無線識別タグに記録されたデータのうち、遮蔽部材にて遮蔽されないデータを無線にて読み取る無線読取部およびこの無線読取部にて読み取られたデータをカウントするカウント部を有するデータ集計装置と
を具備したことを特徴とする電子投票システム。
【請求項9】
投入用スリットに投入する投票カードまたは投入用スリットから投入された投票カードを所定の姿勢でもって案内させる案内手段を投票箱に設けるとともに、この案内手段に無線読取部を配置したことを特徴とする請求項8に記載の電子投票システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−33576(P2008−33576A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205454(P2006−205454)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(506260397)株式会社インテリジェント・ソリューションズ (1)
【Fターム(参考)】