説明

投票用紙の読取分類装置

【課題】本発明は、投票用紙の詰まり部分をより容易に発見できるとともに、詰った投票用紙もより容易に除去できる投票用紙の読取分類装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明による投票用紙の読取分類装置では、読取分類装置本体1の搬送路用端面114との間に投票用紙2の搬送路110を形成する開閉体16が読取分類装置本体1に取付けられている。開閉体16は、搬送路110の延在方向110aと平行な方向に延在された回動軸161を中心に、搬送路用端面114に対して近づく方向16a及び離れる方向16bに回動可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票用紙の読取分類装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種の投票用紙の読取分類装置としては、例えば下記の特許文献1等に示されている構成が用いられている。すなわち、従来の読取分類装置では、ホッパに投入された投票用紙が撮像ユニットを通過される。撮像ユニットは、投票用紙の端面に撮像光を照射するとともに該端面での反射光を受光し、投票用紙の端面を示す画像情報を生成する。撮像手段には、情報処理手段が接続されており、情報処理手段は、撮像手段からの画像情報に基づいて、投票用紙に付されている記入枠を検出する。また、情報処理手段は、記入枠内に記載された例えば候補者や政党等の記載内容を読み取り、記載内容毎に投票用紙を異なるスタッカに搬送する。
【0003】
一般に、このような読取分類装置では、搬送路での投票用紙の詰まりが想定されて、図4に示すように搬送路が開放可能に設けられている。すなわち、従来の読取分類装置では、読取分類装置本体20に開閉体21が取付けられており、読取分類装置本体20の搬送路用端面22と開閉体21との間に搬送路23が形成されるように構成されている。開閉体21は、搬送路23の延在方向23aに対して垂直な方向に延在された回転軸24を有しており、この回転軸24を中心に搬送路用端面22に対して近づく方向及び離れる方向に回動可能に設けられている。搬送路23は、図4において一点鎖線で示すように、開閉体21が搬送路用端面22から離れる方向に回動されることで開放される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−5022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の投票用紙の読取分類装置では、開閉体は、搬送路の延在方向に対して垂直な方向に延びる回転軸を中心に搬送路用端面に対して近づく方向及び離れる方向に回動可能に設けられているので、搬送路の延在方向に沿う開閉体の一方の側部に回転軸が配置されることになり、回転軸が配置された開閉体の一方の側部で搬送路の開放幅が狭くなる。このため、開放幅が狭い側部で投票用紙の詰まりが生じると、詰まり部分を発見することが難しくなるとともに、詰った投票用紙の除去も難しくなる。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、投票用紙の詰まり部分をより容易に発見できるとともに、詰った投票用紙もより容易に除去できる投票用紙の読取分類装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る投票用紙の読取分類装置は、投票用紙の記載内容を読み取るとともに、記載内容に基づいて投票用紙を分類する読取分類装置本体と、読取分類装置本体に取付けられるとともに、読取分類装置本体の搬送路用端面との間に投票用紙を搬送路するための搬送路を形成する開閉体とを備え、開閉体は、搬送路の延在方向と平行な方向に延在された回動軸を中心に、搬送路用端面に対して近づく方向及び離れる方向に回動可能に設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の投票用紙の読取分類装置によれば、開閉体は、搬送路の延在方向と平行な回動軸を中心に、読取分類装置本体に対して近づく方向及び離れる方向に回動可能に設けられているので、搬送路の延在方向に沿って搬送路の開放幅を一様に広くできる。これにより、投票用紙の詰まり部分をより容易に発見できるとともに、詰った投票用紙もより容易に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1による投票用紙の読取分類装置を示す正面図である。
【図2】図1の矢印IIに沿って見た開閉体を示す側面図である。
【図3】図2の開閉体が搬送路用端面から離れる方向に回動された状態を示す側面図である。
【図4】従来の投票用紙の読取分類装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による投票用紙の読取分類装置を示す正面図である。図において、読取分類装置本体1には、ホッパ10、搬送手段11、複数のスタッカ12、撮像ユニット13、及び表示手段14が設けられている。
【0011】
ホッパ10は、外部から投入された複数枚の投票用紙2が貯められるケースである。搬送手段11は、複数の搬送ローラ11aから構成されており、ホッパ10から各スタッカ12まで投票用紙2を搬送する搬送路110を形成している。各スタッカ12は、後述のように分類された投票用紙2が貯められるケースである。
【0012】
撮像ユニット13は、投票用紙2の搬送方向2aに沿うホッパ10の下流かつ各スタッカ12の上流に配置されている。この撮像ユニット13は、投票用紙2の両側の端面に撮像光を照射するとともに端面での反射光を受光し、投票用紙2の両側の端面を示す画像情報を生成するものである。
【0013】
撮像ユニット13には、情報処理手段15が接続されている。情報処理手段15は、撮像ユニット13からの画像情報に基づいて、投票用紙2に付されている記入枠を検出するとともに、この記入枠内に記載された記載内容を読み取る。記載内容とは、例えば候補者名や政党名等の投票者によって投票用紙2に書き込まれた内容である。また、情報処理手段15は、記載内容毎に投票用紙2を異なるスタッカ12に搬送する。すなわち、投票用紙2は、記載内容に基づいて分類される。表示手段14は、利用者に対する情報を表示するものである。
【0014】
ここで、搬送路110内に投票用紙2が詰る可能性もある。この実施の形態の読取分類装置本体1では、詰った投票用紙2を除去できるように搬送路110を開放可能とするために、図1に示すように複数の開閉体16が読取分類装置本体1に取付けられている。
【0015】
次に、図2は図1の矢印IIに沿って見た開閉体16を示す側面図であり、図3は図2の開閉体16が搬送路用端面114から離れる方向に回動された状態を示す側面図である。図2に示すように、読取分類装置本体1は、複数の本体側ローラ113が取付けられた搬送路用端面114を有している。開閉体16は、複数の開閉体側ローラ160を有する略平板状部材であり、搬送路用端面114に対向して配置されている。搬送路110は、本体側ローラ113と開閉体側ローラ160とが互いに対向されることで形成されるものであり、搬送路用端面114と開閉体16との間に形成されている。すなわち、図1で示した搬送ローラ11aには、本体側ローラ113と開閉体側ローラ160とが含まれている。
【0016】
開閉体16には、回動軸161と回動操作部162とが設けられている。回動軸161は、開閉体16の奥行方向16dに沿う一端側に配置された軸体であり、読取分類装置本体1の軸支部115に軸支されている。軸支部115は、開閉体16の奥行方向16dに沿って延在された板部材であり、回動軸161は、開閉体16の奥行方向16dと直交する搬送路110の延在方向110aと平行な方向に沿って延在されている。すなわち、開閉体16は、図3に示すように、搬送路110の延在方向110aと平行な方向に延在された回動軸161を中心に、搬送路用端面114に対して近づく方向16a及び離れる方向16bに回動可能に設けられている。
【0017】
搬送路110は、開閉体16が搬送路用端面114から離れる方向に回動されることで開放される。回動軸161が搬送路110の延在方向110aと平行な方向に延在されていることで、搬送路110の開放幅110bが延在方向110aに沿って一様とされている。
【0018】
回動操作部162は、開閉体16を回動させる際に利用者によって操作されるレバー部材であり、回動軸161とは逆側の開閉体16の他端側から操作可能に設けられている。すなわち、回動操作部162を操作する利用者から見て奥側に回動軸161が配置されており、回動操作部162を操作する利用者から見て手前側で搬送路110の開放幅110bが最大となる。
【0019】
ここで、軸支部115は、搬送路用端面114に比べて読取分類装置本体1の外端116側に配置されている。すなわち、開閉体16は、搬送路110が開放される際に、読取分類装置本体1の外端116側に向けて回動される。図2及び図3で示す開閉体16は、読取分類装置本体1の下部に配置されたものであり、この開閉体16は搬送路110を斜め下方に向けて開放する。すなわち、読取分類装置本体1の下部の搬送路110で投票用紙2が詰った場合には、開閉体16を回動させて搬送路110を開放させることにより、投票用紙2を手前側に落下させることができる。
【0020】
このような投票用紙の読取分類装置は、開閉体16は、搬送路110の延在方向110aと平行な方向に延在された回動軸161を中心に、搬送路用端面114に対して近づく方向16a及び離れる方向16bに回動可能に設けられているので、搬送路110の延在方向110aに沿って搬送路110の開放幅110bを一様に広くできる。これにより、投票用紙2の詰まり部分をより容易に発見できるとともに、詰った投票用紙2もより容易に除去できる。
【0021】
また、回動軸161は、開閉体16の奥行方向16dに沿う一端側に配置されており、回動操作部162は回動軸161とは逆側の開閉体16の他端側から操作可能に設けられているので、回動操作部162を操作する利用者から見て手前側で搬送路110の開放幅110bを最大とすることができ、利用者の作業効率を向上できる。
【0022】
さらに、回動軸161は、搬送路用端面114に比べて読取分類装置本体1の外端116側に配置された軸支部115に軸支されており、開閉体16は、搬送路110が開放される際に読取分類装置本体1の外端116側に向けて回動されるので、読取分類装置本体1の下部の搬送路110を斜め下方に向けて開放でき、該搬送路110に詰った投票用紙2を手前側に落下させることができる。これにより、利用者の作業効率をさらに向上できる。
【符号の説明】
【0023】
1 読取分類装置本体
2 投票用紙
16 開閉体
161 回動軸
162 回動操作部
110 搬送路
114 搬送路用端面
115 軸支部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票用紙の記載内容を読み取るとともに、前記記載内容に基づいて前記投票用紙を分類する読取分類装置本体と、
前記読取分類装置本体に取付けられるとともに、前記読取分類装置本体の搬送路用端面との間に前記投票用紙を搬送路するための搬送路を形成する開閉体と
を備え、
前記開閉体は、前記搬送路の延在方向と平行な方向に延在された回動軸を中心に、前記搬送路用端面に対して近づく方向及び離れる方向に回動可能に設けられていることを特徴とする投票用紙の読取分類装置。
【請求項2】
前記開閉体に設けられ、前記開閉体を回動させる際に利用者によって操作される回動操作部をさらに備え、
前記回動軸は、前記開閉体の奥行方向に沿う一端側に配置されており、
前記回動操作部は、前記回動軸とは逆側の前記開閉体の他端側から操作可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の投票用紙の読取分類装置。
【請求項3】
前記回動軸は、前記搬送路用端面に比べて前記読取分類装置本体の外端側に配置された軸支部に軸支されており、前記開閉体は、前記搬送路が開放される際に前記読取分類装置本体の外端側に向けて回動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投票用紙の読取分類装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−146943(P2011−146943A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6401(P2010−6401)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(592221908)武蔵エンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】