説明

抗毒素布を作るための材料およびプロセス

本発明は、顕著な抗毒素特性を有する布を生じさせる新規の方法を提供する。抗毒素特性は、抗菌剤または抗ウイルス剤などの活性剤を布に導入することによって、布に与えられる。活性剤は、製造プロセスの複数の段階で布に導入され得る。不織布では、活性剤はウェブ形成の間および/または後処理段階の間に導入され得る。本発明によって作られた布は、広範囲にわたる利用性を有する。例えば、それらは創傷包帯、ガウン、カーテン、エアフィルター、保護衣および拭き取り繊維として使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
織布および不織布材料の製造は、一連の処理段階を必要とする。不織布は通常、ポリマー溶解物を押出し、溶解物を冷却し、次いでその溶解物から(例えばスピニングによって)ナノメートルからミリメートルに及ぶ異なる直径の一連のフィラメントを生じさせるか、または材料をメルトブローンおよびスパンボンドするかの何れかによって作られる。フィラメントは次いで、ルーズなウェブを形成するために接合され、そのウェブの繊維(fiber)はともに結合される(または絡み合う)。結合プロセスは、ウェブに強度および統合性を与える。所望の最終生成物の特性に高く依存するこれらの各段階を実施する多数の方法が存在する。
【0002】
不織布製品はしばしば、それらが形成される手順に基づいて分類される。一般的に、不織布はドライフォームド(dry formed)か、またはウェットレイド(wet laid)であり得る。ドライフォームド繊維は、エアレイド繊維、ドライレイド(カーディッド(carded))繊維、スパンボンド繊維、メルトブローン繊維およびエレクトロスパン繊維を含む。これらの段階によって作られたウェブは、強度、柔軟性および他の所望の特性をウェブに与えるための結合などの追加的な処理段階にさらされ得る。例えば、ウェブはハイドロエンタングルメント(hydroentanglement)またはカレンダリング(calendering)にさらされ得る。
【0003】
織布または不織布材料に組み込まれ得る1つの所望の特性は、抗毒素能力である。この目的を達成するために、抗毒素剤が材料の処理の間または後の何れかにおいて、材料に添加される。例えば、抗毒素剤は製造に続いて、繊維、または織布若しくは不織布材料の上にディッピングすることによって、接着され、スプレーされ、昇華され(sublimated)、または挿入され得る。代わりに、抗毒素剤は、製造の前半または後半の何れかの処理の間に添加され得る。抗毒素剤を組み込む方法は、材料に所望の有効性および毒性を与えるのに重大な影響を有することがある。
【0004】
不織布材料の場合、ウェブに材料を組み込むための様々な方法が説明されている。前述のように、不織布材料の表面に抗菌剤をスプレーおよび接着させるなどの後処理手順は、当該技術分野で既知である。処理の間に繊維に抗菌剤を組み込む任意の技術もまた、当該技術分野で既知である。1つのこのような方法は、不織布材料の3次元構造内に活性剤を物理的に取り込む段階を含む。活性剤は、不織布ウェブのマトリクス構造内に取り込まれる適切なサイズを有しなければならない。例えば、本発明の発明者であるメシールの米国特許出願公開第2006/0144403号(特許文献1)には、3次元不織布マトリクスにおいてヨウ素デマンド殺菌用樹脂などの活性剤を物理的に取り込む幾つかの方法が記載されている。特許文献1は、その全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。別の方法は、所望の活性剤が繊維の押出点に近い位置において雲状で提供されるメルトブローンシステムを使用する段階を含む。活性剤の雲は、スピナレットの出口から押し出された繊維を包む。冷却中に、活性剤は、集合ウェブ上の繊維内に物理的に取り込まれ始める。
【0005】
活性剤の物理的な取り込みに加えて、活性剤は直接、繊維内に組み込まれ得る。不織布材料内に抗菌剤を組み込む任意の方法もまた、当該技術分野で既知である。一般的に、活性剤は押出前にポリマーとブレンドされるため、それはポリマー全体に存在する。ポリマーの固化の間、活性剤は結果として生じる繊維全体に分散される。活性剤は、不織布表面に拡散することができ、それは、微生物/毒素上でその毒性効果を発揮する。例えば、特許文献1には、ポリマー顆粒が押出前に、好ましくはヨウ素/樹脂殺菌剤であるパウダー形態の活性剤とともにホッパーに置かれる方法が記載されている。2つの成分は次いで、加熱され、押し出され、かつ薄められ、その中に組み込まれた活性剤を有する繊維を形成する。結果として生じる埋め込まれた活性剤を有する繊維は、エアレイド、バキュームレイド(vacuum laid)、またはウォーターレイド(water laid)であり得る。このプロセスから生じた不織布材料は、様々な用途で利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0144403号
【特許文献2】米国特許第5,639,452号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の3次元マトリクスまたは不織布ウェブの繊維内に抗毒素剤を取り込む方法は効果的な材料を作るが、処理の間に抗毒素剤の多大な損失に直面し得ることが判明した。メルトブローン手順では例えば、加熱および押出段階がウェブからの抗毒素剤の昇華またはリーチングをもたらし得ることが判明した。プロセスの他の下流段階にも同様のことが当てはまる。より高い濃度の活性抗毒素剤を有する材料を作る方法は、より多くの効果的な材料をもたらすであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的に応じて、高レベルの抗毒素(例えば殺菌または化学的)活性を有する織布および/または不織布材料あるいは布を生じさせる新規な製造プロセスが開発された。新規な製造プロセスは、織布および/または不織布材料製造プロセスの複数の段階の間に1つ以上の抗毒素剤を導入することによって、布に組み込まれ得る活性抗毒素剤の量を顕著に増加させる。
【0009】
一態様では、本発明は抗毒素不織布材料を作るための製造プロセスを対象とし、ポリマーおよびヨウ化樹脂を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、追加の活性剤を含む水溶液に前記ステープル繊維をウェットレイし、ウェットレイドウェブを生じさせる段階と、前記ウェットレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階と、布を分離させる段階とを含む。特定の実施形態では、追加の活性剤は、ヨウ素、臭素、塩素、金属および/または過酸化水素を含む。特定の実施形態では、追加の活性剤は、ヨウ化カリウムを有するまたは有しないヨウ素分子の液体、固体または気体の混合物を含む。特定の実施形態では、追加の活性剤は、ハイドロエンタングリングまたはカレンダリング段階の間に、ウェブに組み込まれる。
【0010】
別の態様では、本発明は抗毒素織布および/または不織布材料を作るための製造プロセスを対象とし、ポリマーおよびヨウ化樹脂を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、気体の活性剤を含むチャンバーに前記ステープル繊維をエアレイし、ドライレイドウェブを生じさせる段階と、前記ドライレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階と、前記材料を分離させる段階とを含む。特定の実施形態では、気体の活性剤は、ヨウ素、臭素、塩素、金属、フッ素および/または過酸化水素を含む。特定の実施形態では、追加の活性剤は、ハイドロエンタングリングまたはカレンダリング段階の間に、ウェブに組み込まれる。
【0011】
さらに別の態様では、本発明は抗毒素不織布材料を作るための製造プロセスを対象とし、ポリマーおよびヨウ化樹脂を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、前記ステープル繊維をカーディングし、カーディッドウェブを形成する段階と、活性剤を含む溶液に前記カーディッドウェブをさらす段階と、さらに前記カーディッドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスにさらす段階と、前記材料を分離させる段階とを含む。特定の実施形態では、活性剤は、ヨウ素、臭素、塩素、金属、フッ素および/または過酸化水素を含む。特定の実施形態では、活性剤は、ヨウ化カリウムを有するまたは有しない固体、気体または液体のヨウ素分子を含む。特定の実施形態では、追加の活性剤は、ハイドロエンタングリングまたはカレンダリング段階の間に、ウェブに組み込まれる。
【0012】
さらに別の態様では、本発明は抗毒素不織布を作るための製造プロセスを対象とし、ポリマーおよびヨウ化樹脂を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、エアレイド、ウェットレイドまたはカーディッドプロセスによって前記ステープル繊維からウェブを形成する段階と、前記ウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスにさらす段階であって、追加の活性剤が前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスの間に前記ウェブに組み込まれる段階と、前記布を分離させる段階とを含む。
【0013】
さらに別の態様では、本発明は抗毒素不織布を作るための製造プロセスを対象とし、ポリマーを含む複数のステープル繊維を形成する段階と、エアレイド、ウェットレイドまたはカーディッドプロセスによって前記ステープル繊維からウェブを形成する段階と、前記ウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスにさらす段階であって、活性剤が前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスの間に前記ウェブに組み込まれる段階と、前記布を分離させる段階とを含む。
【0014】
さらに別の態様では、本発明は抗毒素不織布を作るための製造プロセスを対象とし、ポリマーを含む複数のステープル繊維を形成する段階と、エアレイド、ウェットレイドまたはカーディッドプロセスによって前記ステープル繊維からウェブを形成する段階と、前記ウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスにさらす段階であって、活性剤が前記エアレイド、ウェットレイドまたはカーディッドプロセスの間に前記ウェブに組み込まれる段階とを含む。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は、ハイドロエンタングルド(hydroentangled)ウェットレイド不織布材料を含む創傷包帯(wound dressing)を対象とし、前記不織布は、ヨウ化樹脂パウダーが埋め込まれたポリマー繊維を含む。特定の実施形態では、ハイドロエンタングルドウェットレイド不織布材料は、液体の抗毒素剤を含むことができる(例えば三ヨウ化物または三ヨウ素(triiodine)など)。特定の実施形態では、包帯は前述のプロセスの1つを用いて作られる。
【0016】
さらに別の態様では、本発明は、ハイドロエンタングルドウェットレイド不織布材料を含む拭き取り繊維(wipe)またはカーテン(drape)を対象とし、前記不織布は、ヨウ化樹脂パウダーが埋め込まれたポリマー繊維を含む。特定の実施形態では、拭き取り繊維および/またはカーテンは、前述のプロセスの1つを用いて作られる。
【0017】
追加の態様では、本発明は、(例えば三ヨウ化物または三ヨウ素などである)抗毒素剤を含むハイドロエンタングルドウェットレイド不織布材料を含む拭き取り繊維、カーテン、ガウンまたはエアフィルターを対象とし、前記不織布は、ヨウ化樹脂パウダーが埋め込まれたポリマー繊維を含む。特定の実施形態では、拭き取り繊維および/またはカーテンは、前述のプロセスの1つを用いて作られる。
【0018】
さらに別の態様では、本発明は、エアレイドおよびカレンダード不織布材料を含む創傷包帯を対象とし、続いて要望に応じて乾燥される前に、液体または気体の抗毒素剤(例えば三ヨウ化物または三ヨウ素など)を含む液体に1回または複数回浸漬されるが、前記不織布は、ヨウ化樹脂パウダーが埋め込まれるか埋め込まれていないポリマー繊維を含む。特定の実施形態では、包帯は前述のプロセスの1つを用いて作られる。
【0019】
さらに別の態様では、本発明は、要望に応じて乾燥される前に、(例えば三ヨウ化物または三ヨウ素などである)抗毒素剤を含むエアレイドおよびカーディッド不織布材料を含む拭き取り繊維、カーテン、ガウン、エアフィルターまたは不織布を対象とし、前記不織布は、ヨウ化樹脂パウダーが埋め込まれるか埋め込まれていないポリマー繊維を含む。不織布は、例えば三ヨウ化物または三ヨウ素などを含む液体または気体に、1回または複数回浸され得る。特定の実施形態では、不織布は前述のプロセスの1つを用いて作られる。
【0020】
さらに本発明の別の態様では、ヨウ化樹脂微粒子が含まれるか含まれない繊維は、抗毒素特性を繊維に与えるために、巻き取られる前にまたは後に、例えば三ヨウ化物または三ヨウ素などである抗毒素剤を含む液体または気体で、クエンチされるかまたは処理される。これらの繊維はさらに、織布材料または不織布材料の何れかに対して、前述のプロセスの1つを用いて処理され得る。
【0021】
別の態様では、本発明は抗毒素不織布を作るためのプロセスを対象とし、ポリマーを含む複数のステープル繊維を形成する段階;ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択された活性剤を含む水溶液に、前記ステープル繊維をウェットレイし、ウェットレイドウェブを生じさせる段階;前記ウェットレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階;前記布を分離させる段階;を含む。
【0022】
さらに別の態様では、本発明は殺菌不織布を作るためのプロセスを対象とし、ポリマーを含む複数のステープル繊維を形成する段階;ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択された気体の活性剤を含むチャンバーに、前記ステープル繊維をエアレイし、ドライレイドウェブを生じさせる段階;前記ドライレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階;前記布を分離させる段階;を含む。
【0023】
さらに別の態様では、本発明は殺菌不織布を作るためのプロセスを対象とし、ポリマーを含む複数のステープル繊維を形成する段階;エアレイド、ウェットレイドまたはカーディッドプロセスにより、前記ステープル繊維からウェブを形成する段階;前記ウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階であって、活性剤が前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスの間に前記ウェブに組み込まれ、前記活性剤はヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素の1つ以上を含む段階;前記布を分離させる段階;を含む。
【0024】
別の態様では、本発明は抗毒素不織布を作るためのプロセスを対象とし、ポリマーおよび抗毒素剤を含む複数のステープル繊維を形成する段階;ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択された活性剤を含む水溶液に、前記ステープル繊維をウェットレイし、ウェットレイドウェブを生じさせる段階;前記ウェットレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階;前記布を分離させる段階;を含む。
【0025】
さらに別の態様では、本発明は殺菌不織布を作るためのプロセスを対象とし、ポリマーおよび抗毒素剤を含む複数のステープル繊維を形成する段階;ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択された気体の活性剤を含むチャンバーに、前記ステープル繊維をエアレイし、ドライレイドウェブを生じさせる段階;前記ドライレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階;前記布を分離させる段階;を含む。
【0026】
さらに別の態様では、本発明は殺菌不織布を作るためのプロセスを対象とし、ポリマーおよび抗毒素剤を含む複数のステープル繊維を形成する段階;エアレイド、ウェットレイドまたはカーディッドプロセスにより、前記ステープル繊維からウェブを形成する段階;前記ウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階であって、活性剤が前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスの間に前記ウェブに組み込まれ、前記活性剤はヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素の1つ以上を含む段階;前記布を分離させる段階;を含む。
【0027】
別の態様は、ハイドロエンタングリングまたはカレンダリング段階の間に前記ウェブに追加の活性剤を組み込む段階をさらに含む、本明細書に記載される何れかのプロセスを含む。
【0028】
本発明はまた、本明細書に記載される本発明の任意のプロセスを用いて準備される不織布材料を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下のセクションでは、本発明の例示的な実施形態が記載される。当業者にとっては明らかであるが、本明細書で提供された本発明に記載の実施形態は、一例にすぎず、制限するものではなく、例示の目的のみで提示されている。本明細書に記載された全ての特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同一のまたは同様の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えられ得る。従って、多数の他のその修正物の実施形態は、本明細書で規定された本発明の範囲内およびその同等物内に該当するものと予期される。
【0030】
本明細書を通じて、アイテムは1つ以上の特定の成分を有する(having)、含む(including)、またはから成る(comprising)として記載されるか、あるいはプロセスおよび方法は、1つ以上の特定の段階を有する(having)、含む(including)、またはから成る(comprising)として記載されているが、追加的に、本質的に1つ以上の記載された成分から成るか、またはそれらから成る本発明のアイテムが存在し、本質的に1つ以上の記載された処理段階から成るか、またはそれらから成る本発明によるプロセスおよび方法が存在することが予期される。
【0031】
本発明が操作可能な状態である限り、段階の順番または特定のアクションを実施する順番は重要でないことが理解されよう。さらに、2つ以上の段階またはアクションは、同時に実施され得る。
【0032】
本明細書に記載されたシステム、プロセス、ユニット、および/または方法のスケールアップおよび/またはスケールダウンは、関連技術分野における当業者によって実施され得る。本明細書に記載されたプロセスは、バッチ操作、連続操作、または半連続操作用に構成される。
【0033】
本発明は、抗毒素(例えば殺菌などの)特性を有する布を作る新規の方法を提供する。布は、織布または不織布の何れかであり得る。抗毒素特性は、具体的には抗菌剤である活性剤を布に導入することによって、布に与えられる。本発明によって作られた布は、広範囲に及ぶ利用可能性を有する。例えば、それらは、創傷包帯、不織布、ガウン、カーテン、エアフィルター、保護衣および拭き取り繊維として使用され得る。
【0034】
本発明によって作られた抗毒素不織布は、多段階プロセスを用いて作られる。プロセスは、ポリマーの選択またはポリマーの結合で始まり、それを紡いで繊維にする。ポリマーの選択は、不織布の所望の用途によって決まる。本発明によって使用される好ましいポリマーは、それらに限定されないが、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、エチレンおよびプロピレンのコポリマー、エチレンまたはプロピレンのコポリマー、プロピレンとのエチレンのターポリマー、ポリ乳酸、エチレンビニルアセテートコポリマー、プロピレンビニルアセテートコポリマー、スチレン−ポリ(エチレン−アルファ−オレフィン)エラストマー、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルエステル、ポリアクリレート、エチレンアルキルアクリレート、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、および前述の何れかの組み合わせを含む。特に好ましいポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、PBT、ナイロン、アルギン酸塩、ポリカーボネート、ポリ(4−メチルペンテン−1)およびポリスチレンを含む。代替的な基質はさらに、ガラス繊維およびセルロースなどの繊維を含むことができる。
【0035】
所望の抗毒素特性を不織布に提供するために、具体的には抗毒素剤である活性剤が選択される。抗毒素剤は好ましくは、抗菌剤、抗ウイルス物質、バイオケミカル物質または還元剤である。活性剤は好ましくは、使用者には有毒ではない一方、多種多様な微生物および他の病原体、並びに環境有害物質に対して毒性効果を発揮する。好ましくは、抗毒素剤は、ヨウ化樹脂粒子、三ヨウ素または三ヨウ化物の化学物質を含む。他の適切な活性剤は、それらに限定されないが、トリクロサン、二原子のハロゲン、銀、銅、抗菌剤が取り付けられたゼオライト、ハロゲン化樹脂、および当該技術分野で既知であり、微生物/毒素を弱くでき/不活性化できる化学物質を含み、例えば活性化されたカーボン、他の金属および他の化学化合物を含む。
【0036】
本発明の好ましい実施形態によると、布への活性剤の化学的注入/組み込みは、製造プロセスの多数の段階の間に実施される。例えば、化学的注入は、繊維形成の間または直後、ウェブ形成の間、および/または後処理プロセスの間に生じることができる。本発明の方法は、顕著な殺菌性能を示す布を提供することが分かる。
【0037】
本発明の1つの好ましい実施形態によると、不織布ウェブに添加された抗菌剤は、デマンド殺菌性ヨウ化樹脂である。本発明の発明者であるメシールの米国特許第5,639,452号(特許文献2)は、その全体を参照することによりその内容が本明細書に組み込まれるが、このようなデマンド殺菌性樹脂およびその樹脂を作るためのプロセスが開示されている。特許文献2にはさらに、この殺菌剤が殺菌消毒流体で有益なデマンドタイプの広域スペクトル樹脂−ポリヨウ化物殺菌剤、具体的には、検知できないまたは他の許容範囲にある残りの二原子ヨウ素を処理流体に置き去りにするような以前から既知の殺菌剤よりもヨウ素が樹脂とより頑強に結びつくポリヨウ化物殺菌剤であることが開示されている。特許文献2に開示されたデマンド殺菌性ヨウ化樹脂は通常、高温および高圧の条件下で、アニオン性樹脂をヨウ素およびヨウ化カリウムの水溶液と接触させることによって形成される。ヨウ化樹脂ビーズ(TRIOSYN(登録商標))は、アメリカ、ベルモントのトリオシンコーポレーションの事業部のトリオシンリサーチインコーポレーテッド(Triosyn Research Inc., a division of Triosyn Corporation of Vermont, USA)によって作られる。
【0038】
ポリマー樹脂/ヨウ素結合の強度に関わらず、ヨウ素は繊維処理およびウェブ形成の間に失われ得ることが分かる。以下の開示から明らかになるように、本発明の方法論の顕著な利点は、製造の様々な多数の段階でヨウ素が不織布材料に組み込まれ得ることである。それ故に、本発明の方法は、多種多様な微生物に対して毒性効果を発揮する不織布を作ることができる。
【0039】
ヨウ化樹脂は初めに、特許文献1に記載されたような様々な方法によって、不織布材料に組み込まれ得る。好ましくは、ヨウ化樹脂は直接、不織布材料の繊維に組み込まれ、故にヨウ化樹脂/ポリマーコンセントレートを形成する。ヨウ化樹脂/ポリマーコンセントレートは、ヨウ化樹脂パウダー(略1〜10μmのミクロンサイズ)とポリマー顆粒をともにコンパウンドすることによって作られる。ヨウ化樹脂粒子のサイズは2〜30μmを含めた、または2〜20μmを含めた、あるいは5〜15μmを含めた範囲であり得る。1つの好ましい実施形態では、それらは5〜10μmを含めた範囲である。コンパウンドプロセスは、ヨウ化樹脂パウダーとポリマー顆粒をともにコンテナおよび/またはミキサーで混合し、バッチで粒子を適切に分布させる段階から成り得る。この混合物は次いで、コンパウンドシステムのホッパー(タンク)に注がれる。混合物はゆっくりとホッパーから流れ、例えば固体をともに溶かす5つの異なる加熱ゾーンを通って、コンパウンダーに入る。ヨウ化樹脂を含むポリマーは次いで紡がれ、結果として生じるフィラメントは、ダイチップを通って押し出される。ヨウ化樹脂パウダーはまた、ポリマー顆粒とは別に、異なる加熱ゾーンに挿入され得る。
【0040】
組み込まれたヨウ化樹脂とともに紡いだフィラメントの押出に続いて、フィラメントは単一の繊維を作るために巻き付けられることができ、または代わりに、フィラメントは初めに、1つ以上の単一のストランドを生じさせるために押し出され得る。繊維は、その表面上に添加された潤滑油仕上げ剤を有し得る。この段階の間に、抗毒素剤が添加され得る。一実施形態では、抗毒素剤がこの段階の間に添加され、ヨウ化樹脂を組み込む段階なしに形成されたフィラメントを紡ぐことができる。続いて、繊維は伸ばされ、カードボードボビンに巻き付けられる。上記の方法論から作られた繊維は通常、特定の速度で異なる伸長圧力で、各ボビンに巻き付けられ、異なる直径の繊維を作る。ボビン毎の特定の重量は、クリンピングとともにかつクリンピングなしで、所望の用途に対して必要な長さのステープル繊維に繊維を切断するのに必要な重量に適合するように作られる。クリンプド(crimped)繊維を作るために、幾つかの等重量のボビンからの繊維は、クリンプシステム上に供給される。(以下でより詳細に記載される)不織布のカーディングプロセスに対する特定の実施形態によると、クリンプの所望の数はインチ毎に10〜20クリンプであり、繊維の最適長さは1〜2インチの間の長さであることが分かる。(クリンプドまたはストレートの)結果として生じる繊維は、繊維をステープル繊維に切断するために、カッター上に供給される。所望の長さは、以下の段階で使用される不織布プロセスに応じて変わるが、通常略0.5インチから略2.0インチのサイズの範囲である。
【0041】
ヨウ化樹脂であり得る抗毒素剤を含むステープル繊維の形成の後、不織布ウェブが形成される。不織布ウェブの形成は、ヨウ化樹脂を含むステープル繊維を使用したウェットレイング手順によって達成され得る。ステープル繊維は、特定の直径の単一ポリマーから、または上記の方法によって作られた様々な直径の単一ポリマーから作られ得る。代わりに、異なるポリマーから作られた抗毒素剤を含む繊維が、不織布ウェブを形成するために使用され得る。構造繊維および/または吸収繊維および/または(さらに吸収繊維とも呼ばれる)バインダーを含むことは通常有利であり、不織布材料に所望の特性を与える。このような場合、カット繊維は、コンポジットブレンドを生じさせるために、所望の濃度の(a)抗毒素を含む、好ましくはヨウ化樹脂を含む繊維、(b)吸収繊維、および/または(c)バインダーに量り分けられる。これらの成分の比率は、材料の所望の用途に基づいて変化する。異なるポリマーから準備される、抗毒素、例えばヨウ化樹脂を含む繊維が、不織布ブレンドで使用され得る。抗毒素剤の量は、0.2重量%から90重量%、好ましくは0.2重量%から25重量%で変化し得る。例えば、ヨウ化樹脂を含む繊維は、コンポジットブレンドの略5%から100%、好ましくはコンポジットブレンドの略30%から略80%、最も好ましくはコンポジットブレンドの略50%から略70%で変化し得る。吸収繊維の量は、コンポジットブレンドの略0.1%から略95%、好ましくはコンポジットブレンドの略20%から略40%、最も好ましくはコンポジットブレンドの略30%から略40%で変化し得る。好ましい吸収繊維は、それらに限定されないが、レーヨン、アルギン酸塩、セルロースパルプおよびセルロースアセテートを含む。バインダーの量は、異なる長さおよびデニールの繊維とともに略0%から略25%の含有量で変化し得る。ミニファイバーズ・インコーポレイテッド(MINIFIBERS Inc.)、ファイバー・イノベイション・テクノロジーズ(FIBER Innovation Technologies)および/または他の会社からの好ましいバインダーは、以下の複合繊維の組み合わせを含むことができる:高密度ポリエチレン(HDPE)/ポリプロピレン(PP)、HDPE/ポリエステル、ビオネーレ(Bionelle)/ビオマックス(Biomax)脂肪族PET、ビオネーレ/ポリ乳酸(PLA)、コポリエステル/ポリエステル、コポリプロピレン/PP、およびエチルビニルアセテート/PP、PLA/PLA。
【0042】
ウェットレイングプロセスでは、ヨウ化樹脂を含む繊維、場合によって吸収繊維、および場合によってバインダーは、ブレンダ―を使用して混合され、繊維が均一であることが確保される。ウェットレイドプロセスは通常、水を使用する。我々は、多量のヨウ素が、ステープル繊維を水に添加した後にヨウ化樹脂を含む繊維から失われることを観察した。我々は、ステープル繊維を添加する前に、ヨウ素分子を水溶液に添加することによってこの問題を克服できることを見出した。ヨウ素は好ましくは、飽和(例えば、ヨウ素およびヨウ化カリウムを混合することで、300ppmから5000ppm)に近い高濃度で添加される。ヨウ素分子は、ヨウ化カリウムとともにまたはヨウ化カリウムなしで、水または任意の他の溶媒に添加され得る。ヨウ化カリウムは、二原子ヨウ素の三ヨウ化物イオンへの変換を手助けする。ステープル繊維がヨウ素溶液に添加されるとき、ヨウ素は次いで、ヨウ化樹脂の活性点に組み込まれ得る。追加的に、ヨウ素は、吸収繊維およびバインダーを含むコンポジットブレンドの他の繊維に挿入し得る。この手順は、ウェットレイングプロセスおよび先行手順に関連するヨウ素損失を最小化するだけでなく、不織布ウェブにおけるヨウ素の量を顕著に増加させる。従って、ステープル繊維を形成し、続いてヨウ素水溶液においてウェットレイする手順は、前述のメルトブローンプロセスよりもより大きなヨウ素含量、故により大きな効能を有する不織布ウェブを結果としてもたらす。
【0043】
ヨウ素に加えて、他の活性剤がウェットレイングプロセスの前に、水溶液に添加され得る。幾つかの好ましい分子は、臭素、塩素、フッ素および過酸化水素を含む。代替的な実施形態では、水溶液は、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、カチオン性界面活性剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、オクテニジン二塩酸塩)、金属、第4級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム(BAC)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTMB)、塩化セチルピリジニウム(セトリム(Cetrim)、CPC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、クロルヘキシジン、オクテニジン)、ホウ酸、ブリリアント・グリーン、グルコン酸クロルヘキシジン、マーキュロクロム、マヌカハニー、オクテニジン二塩酸塩、フェノール(石炭酸)、塩化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、テルペン、および/またはポリヘキサメチルビグアニド(PHMB)を含む。これらの活性剤は、単独で、またはヨウ素分子と組み合わせて、最終的な不織布材料の所望の性能に応じて添加され得る。
【0044】
例えばヨウ化樹脂、三ヨウ素、または三ヨウ化物を含む抗毒素含有繊維、および他の繊維を、ヨウ素(または他の活性剤)溶液に添加して、スラリーを形成した後、結果として生じる混合物は、真空または圧力下で加圧される。ルーズに結合された材料の薄いシートは次いで、水性媒体から分離される。シートは、オーブンで、例えばバインダーおよび繊維を溶かし、新規に形成されたウェットレイドウェブに形状を与える最低温度での、静的または連続的な熱的プロセスで、加熱される。ウェットレイドウェブは、ハイドロエンタングルメントまたはカレンダリングなどの後続の処理に対する前駆体としての役割を果たす。
【0045】
背景技術のセクションで述べたように、エアレイングまたはカーディングなどのドライフォーミングプロセスは、ウェットレイングよりも使用され得、不織布フィルター媒体を形成する。エアレイドプロセスは、ブレンダーシステムでの繊維および混合物の準備においてウェットレイドに似ている。混合物は次いで、空気を大きなコラムを通して押し出すシステムを介して、コラムの上部に挿入される。一旦全量が挿入されると、システムはシャットダウンされ、ボトムスクリーン上で回復される。上記のウェットレイングプロセスと同様に、ドライフォーミングプロセスはプロセスの間に、ヨウ素および/または他の活性剤を形成されたウェブに添加する機会を提供する。エアレイングプロセスでは、分子がチャンバーで昇華され、そこを繊維または媒体が通過するため、ウェブに所望の殺菌特性が与えられる。新規に形成されたウェブがチャンバーを通過した後、ルーズに結合された繊維の薄いシートが分離される。シートは次いで、バインダーおよび繊維を溶かし、シートに形状を与える最低温度で、オーブンに配置される。ドライレイドウェブは、ハイドロエンタングルメントまたはカレンダリングなどの後続の処理に対する前駆体としての役割を果たす。
【0046】
代わりに、カーディングプロセスは、多数の、好ましくは8以上のローラーを含む装置に依り、それは混合された繊維を受け取り、それらを全体的に処理し、所与の基本重量の不織布媒体の層を与える。そのシステムは、終端に、媒体がヨウ素またはヨウ素/ヨウ化カリウムの水溶液を通過できるセクションを含むことができる。それ故に、ヨウ素は、過剰な液体を除去し結果として生じるウェブを乾燥し始める一連のローラーをそれが通過する前に、異なる接触時間でコンポジットブレンドを含む繊維に飽和し始める。上記のウェットレイングおよびドライフォーミングプロセスと同様に、方法論は前述の処理段階から任意のヨウ化物を再生する手段を提供する。カーディッドウェブは、ハイドロエンタングルメントまたはカレンダリングなどの後続の処理に対する前駆体としての役割を果たす。
【0047】
ウェブ形成に続き、ウェットレイド、エアレイドまたはカーディッドウェブはさらなる処理段階にさらされ得る。後処理プロセスは、その製品に、強度、柔軟性などの所望の特性を与える。1つの好ましい後処理方法は、ハイドロエンタングルメントであり、またスパンレーシング(spunlacing)とも呼ばれる。ハイドロエンタングルメントは、水の高粘度ジェットの使用を介する、ウェブにおける繊維の機械的なラッピング(wrapping)およびノッティグ(knotting)によって布を形成するプロセスである。従来のハイドロエンタングリングプロセスでは、ヨウ素はかなりの程度繊維から解離することがあるため、必要とされる多量の水および高圧が、ウェブの抗毒素(例えば殺菌性)性能に悪影響を与えることがある。我々は、プロセスの間に純水を使用するよりも、ヨウ化カリウムとともにまたはヨウ化カリウムなしで、ヨウ素分子を含む溶液を代わりに使用できることを見出した。作られた布は、所望の強度および他の有益な特性を有する。さらに、ウェブにおける多量のヨウ素分子の存在により、この方法によって作られた布は、顕著な殺菌性能を示す。ハイドロエンタングリング方法は、高圧でヨウ素溶液を用いて記載されているが、他の分子がヨウ素の代わりに、またはヨウ素に加えて使用され得る。このような分子は、それらに限定されないが、例えば臭素、塩素、フッ素、過酸化水素を含む。
【0048】
本発明の方法によって作られたハイドロエンタングルド布は、柔らかさ、高い風合いおよび心地よさを含む所望の特性を有する。採用され得る広範な繊維および変化する広範なプロセスにより、本方法によって作られる製品は非常に用途が広い。例えば、それらに限定されないが、創傷包帯、ガウン、カーテン、エアフィルター、衣類、および拭き取り繊維(全てのタイプ)を含む製品が、本発明の方法に従って作られ得る。その製品は、微生物および他の有害な物質に対して強い保護レベルを示すという顕著な利点を有する。
【0049】
使用され得る別の後処理プロセスは、カレンダリングである。そのプロセスは2つのホットローラーを(異なる熱および圧力で)使用し、不織布媒体を薄くするとともに、より多くの構造およびパターンを媒体に与える。ハイドロエンタングルメントプロセスと同様に、ウェットレイド、エアレイドおよびカーディッドウェブは、カレンダリングプロセスに対する前駆体としての役割を果たす。カレンダリングは、材料がローラーを通過するときに、ヨウ素を失う効果を有することがある。この効果を軽減するために、ローラーに残る布がヨウ素溶液内を通過し、そのサイトを再生し、必要とされるヨウ素量を与える手助けをすることができる。
【0050】
加えて、カレンダリングは、ウェット環境で実施され得、そこでカレンダリングローラーは、完全に浸されるか、またはカレンダーされなければならない媒体の処理の間シャワータイプの環境下にあるか、の何れかである。このプロセスは、全ての不織布の製品に適用可能である。
【実施例】
【0051】
以下の例では、ヨウ化溶液とこの同一の媒体との後処理と組み合わさった不織布および/または織布媒体上でのアニオン性ヨウ化樹脂(TRIOSYN(登録商標))の粒子の物理的な位置が、短時間で広範の丈夫な微生物を殺すその効能、並びに8時間にわたって不織布媒体により解放されるヨウ素の量に、重要で科学的に顕著な差異を有することが見出される、ということが実証される。これらの例では、TRIOSYN(登録商標)と材料を結合させるためのはっきりと異なる処理技術が比較される:
方法A:不織布の表面上にTRIOSYN(登録商標)抗菌パウダーを貼り付けるために、グルー(接着剤)を使用する方法
方法B:ポリマーにTRIOSYN(登録商標)パウダーを組み込み、ハイドロエンタングルメントの間に、単一の三ヨウ化物処理にさらされた不織布媒体内にカードされた(carded into)繊維内に、それを共押出する方法
方法C:ポリマーにTRIOSYN(登録商標)パウダーを組み込み、ハイドロエンタングルメントの間に、第1の三ヨウ化物処理にさらされた不織布媒体内にカードされた繊維内に、それを共押出し、次いで1500ppmの三ヨウ化物との第2の後処理を行う方法
【0052】
[1.0 AATCCテスト方法の説明]
微生物学において抗菌性能を評価するのに使用されるテスト方法は、AATCC100(2004修正(2004 modified))方法である。この方法は、本明細書では、バクテリアの失活におけるTRIOSYN(登録商標)疎水性材料の有効性を評価するのに使用される。この方法は本質的に、このような材料の使用を目的とする抗菌活性の度合を評価するための定量法を提供する。
【0053】
[1.1 緑膿菌でのチャレンジ]
2つの概念的に異なるタイプの媒体の抗菌性能が、緑膿菌バクテリアで試された。第1タイプの媒体は、上記で簡単に説明された方法Aによって作られ、不織布媒体の表面に接着されたTRIOSYN(登録商標)粒子を含む。第2タイプの媒体は、上記で簡単に説明された方法Bによって作られ、それぞれのポリプロピレン繊維内部に共押出されたTRIOSYN(登録商標)粒子から成る。これらの繊維は次いで、不織布材料内にカードされた。
【0054】
バクテリアの失活におけるこれらの媒体の有効性をテストするためのAATCC100(2004修正)手順は、以下の段階に分解される:
・所望の微生物のストックを準備し、栄養素培養液(またはTSB)を急増させ、振とう培養器セットにおいて200RPMで、37°Cで18時間にわたり培養する段階
・2200RPMでバクテリア培養菌を遠心分離機にかけ、吸光度を600nmで略0.900(略2.00.8CFU/mL)になるようにPBSを用いて調整する段階
・(55°Cの水浴に保持される)l0mLの溶解された寒天スラリーに、lmLの1008CFU/mLチャレンジ懸濁液をまく段階
・きれいな顕微鏡スライドの上部の無菌の100mmペトリ皿に、処理されたサンプルおよび処理されていないサンプルを個別に配置する段階
・0.1mlのチャレンジ懸濁液を有する材料見本を植菌し、無菌のガラスベントロッドにそれを広げる段階(材料が非常に疎水性である場合、寒天スラリーを40°Cに冷却する)
・室温でペトリ皿に並べる段階
・接触時間後に、10mlの中和溶液(PBS/0.5%ポリソルベート80/0.1%チオ硫酸塩またはNDS)を含む50mLの遠心分離管に、顕微鏡スライド材料を無菌で移す段階
・数秒にわたってサンプルをボルテックスする段階
・連続的にPESで希釈し(l0E-00、l0E-01、および10E-02の希釈が通常、処理されたサンプルに適している;l0E-02、l0E-03、および10E-04が通常、処理されていないサンプルに適している)、TSAに固定する段階
・37.5°C±2°Cで24〜48時間、微生物を培養する段階
【0055】
[1.1.1 シュード(Pseudo)ログリダクションに対する結果(未使用サンプル)]
テストの詳細:
・未使用の不織布疎水性材料(室温で保管されたサンプル)の微生物学的(AATCC100 v3.2)安定性能
・チャレンジ有機体:(0.3%寒天スラリーにおける)緑膿菌
・接触時間:15分
・中和:10mlのPBS-TT
結果は、cfu/mL(“コロニー形成単位(colony forming units)”/mL)で提供され、それはサンプルのミリリットル毎の細菌集落(bacterial colonies)の量を表す。
【0056】
【表1】

【0057】
新規に作られた未使用の媒体として、2つの概念的に異なる媒体は、非常に良好に機能する。しかしながら、2つの中で、TRIOSYN(登録商標)を繊維に有する媒体2は、優れた性能を明確に示した。
【0058】
[1.1.2 シュード(Pseudo)ログリダクションに対する結果(エージングされたサンプル)]
テスト詳細:
・エージングされた不織布疎水性材料(高温で保管されたサンプル)の微生物学的(AATCC100 v3.2)安定性能
・チャレンジ有機体:(0.3%寒天スラリーにおける)緑膿菌
・接触時間:15分
・中和:10mlのPBS-TT
【0059】
【表2】

【0060】
両媒体を45°Cまたは50°Cのオーブンで2週間エージングした後、媒体1および2の間の性能の差異は、表1からの未使用の結果と比較したとき、増加しているように見ることができる。繊維内に押し出されたアニオン性ヨウ化樹脂を有する媒体2は、表1に示される同一のエージングされていないサンプルと同程度に機能するが、表面に接着された微粒子を有する媒体1の性能は、実質的に悪化している。
【0061】
[1.1.3 シュード(Pseudo)ログリダクションに対する結果(ポストシミュレーテッド呼吸処理(Post Simulated Breathing Treatment))]
テスト詳細:
・不織布疎水性材料(5時間の人工呼吸器(breathing machine)後のサンプル)の微生物学的(AATCC100 v3.2)安定性能:表3の媒体1および2は、表1における対応する未使用サンプルと同量のTRIOSYN(登録商標)を有する
・テストセットアップ:初期に開発された人工呼吸器(10LPM呼吸速度;周囲条件の吸入空気;85%RHおよび38°Cの呼気)
・チャレンジ有機体:(0.3%寒天スラリーにおける)緑膿菌
・接触時間:15分
・中和:10mlのPBS-TT
【0062】
【表3】

【0063】
通常の人間による使用をシミュレートして、5時間にわたって両媒体対象に空気を通過させた後、その表面上に接着されたアニオン性ヨウ化(TRIOSYN(登録商標))粒子を有する媒体1は、使用前の同一媒体(表1)と比較したとき、その殺菌性能を失った。繊維に組み込まれたTRIOSYN(登録商標)を有する媒体は、同様の方法で作られ同量のTRIOSYN(登録商標)を有する未使用のサンプルと比較したとき、5時間にわたる空気でのチャレンジ後においても、その完全な殺微生物性能を保持していた。
【0064】
[1.2 クロストリジウム・ディフィシレ(C. Difficile)のチャレンジ]
2つの概念的に異なるタイプの媒体の抗菌性能が、クロストリジウム・ディフィシレ・バクテリアで試された。結果は以下の表4に示される。テストされた第1媒体(媒体2)は、方法Bによって作られ、不織布媒体の繊維内に押出されたアニオン性ヨウ化(TRIOSYN(登録商標))粒子を含む。テストされた第2媒体(媒体3)は、方法Cによって作られ、ヨウ素の再含浸の後処理とともにポリプロピレンの各繊維内に共押出されたアニオン性ヨウ化(TRIOSYN(登録商標))粒子から成る。これらの繊維は次いで、不織布材料内にカードされた。
【0065】
以下の表4に示される結果を生み出すのに使用されるAATCC100(2004修正)方法の手順は、以下の通りである:
・所望の微生物のストックを事前に準備された胞子から準備し、栄養素培養液(またはTSB)を急増させ、振とう培養器セットにおいて200RPMで、37°Cで18時間にわたり培養する段階
・(55°Cの水浴に保持される)l0mLの溶解された寒天スラリーに、lmLの1008CFU/mLチャレンジ懸濁液をまく段階
・きれいな顕微鏡スライドの上部の無菌の100mmペトリ皿に、処理されたサンプルおよび処理されていないサンプルを個別に配置する段階
・0.1mlのチャレンジ懸濁液を有する材料見本を植菌し、無菌のガラスベントロッドにそれを広げる段階(材料が非常に疎水性である場合、寒天スラリーを40°Cに冷却する)
・室温でペトリ皿に並べる段階
・接触時間後に、中和溶液(PBS/0.5%ポリソルベート80/0.1%チオ硫酸塩またはNDS)10mLを含む50mLの遠心分離管に、顕微鏡スライド材料を無菌で移す段階
・数秒にわたってサンプルをボルテックスする段階
・連続的にPBSで希釈し(l0E-00、l0E-01、および10E-02の希釈が通常、処理されたサンプルに適している;l0E-02、l0E-03、および10E-04が通常、処理されていないサンプルに適している)、TSAに固定する段階
・37.5°C±2°Cで24〜48時間、微生物を培養する段階
【0066】
[1.2.1 C. ディフィシレ(C. Difficile)ログリダクションに対する結果]
テスト詳細:
・不織布疎水性材料(室温で保管されたサンプル)の微生物学的(AATCC100 v3.2)安定性能
・チャレンジ有機体:(0.3%寒天スラリーにおける)クロストリジウム・ディフィシレ
・接触時間:15分
・中和:10mlのPBS-TT
【0067】
【表4】

【0068】
C. ディフィシレ胞子でのチャレンジは、シュードモナス菌よりさらに挑戦的である。テストは、共押出されたTRIOSYN(登録商標)を有する媒体2、および三ヨウ化物溶液で後処理され、上記の表4で媒体3とラベル付けされた同一の媒体で実施された。結果から、媒体2が30分間に1ログ未満殺すということが示された。媒体2と同一だが追加の後処理を有する媒体3は、30分で全てのC. ディフィシレを殺す。
【0069】
[1.3 毒物学エアテスト]
3つのタイプの媒体の毒物学エアテストが、ヨウ素放出レベルを決定するために実施された。第1タイプの媒体は、媒体の表面上にアニオン性ヨウ化(TRIOSYN(登録商標))粒子が接着されたもの(媒体1)であり、第2タイプは、各繊維内部に共押出されたアニオン性ヨウ化(TRIOSYN(登録商標))粒子から成る媒体(媒体2)である。第3タイプは、第2サンプルと同一であるが、15分間1500ppmの三ヨウ化溶液で後処理されたもの(媒体3)である。
【0070】
毒物学エアテストは、15分間にわたって一定流量で、10mLの炭酸ナトリウム捕捉溶液を含むガラスインピンガー(glass impinger)を用いて実施された。炭酸ナトリウム溶液は気流に存在する任意のヨウ素を吸収し、ヨウ素の正確な濃度は、ヨウ化物形態(I-)のヨウ素を測定するイオンクロマトグラフィ(HPLC)によって決定される。重要なことに、ヨウ化物の検出限界は0.0010ppmであるが、それは、これがHPLC方法によって測定される最低ヨウ化物スタンダードであるからである。
【0071】
[1.3.1 未使用サンプルの毒物学エアテスト(化学的性質)]
以下の表5にリストされるサンプルが、エアテストされ、HPLCによってヨウ素放出に対して分析された。
【0072】
【表5】

【0073】
ヨウ素毒物学結果は、TRIOSYN(登録商標)が繊維にあるとき(媒体2)よりも77倍多いヨウ素を、表面上に接着されたアニオン性ヨウ化物(TRIOSYN(登録商標))(媒体1)が放出するということを、明確に示す。媒体3、つまり後処理が媒体2に使用された場合、例えば前処理なしで240分間、放出されるヨウ素は媒体2のサンプルより10倍多い。しかしながら、同時に放出されるヨウ素量は依然として、媒体1によって放出されるよりも15倍低い。さらに、表4に示されるように、媒体3はC. ディフィシレ胞子を殺すのに、媒体1または媒体2の何れかよりも顕著に良い性能を示す。これらの結果は、媒体3が、1)短時間で広範の丈夫な微生物を失活させる有効性、および2)低い毒性基準の優れた組み合わせを示すことを裏付ける。
【0074】
上記の実施形態はヨウ化樹脂を含む布に対して記載されたが、該方法論は他の抗菌剤にも同様に適用される。さらに、活性剤はプロセスの何れの段階でも添加され得る。例えば、上記の方法では、ヨウ素は繊維形成前に溶解物中に導入され、それはまた、ウェットレイングおよびハイドロエンタングリングなどのプロセスの後半段階でも導入される。布の所望の性能特性に基づき、プロセスの単一段階でのみ活性剤を導入することが必要あることもある。例えば、代替実施形態では、活性剤は、ウェットレイングプロセスのみの間に初めて導入され得る。このような場合、ステープル繊維は、それに組み込まれた任意の抗菌剤なしで、上記のように作られ得る。結果として生じる繊維は次いで、ハロゲンまたは過酸化水素などの活性剤を含む溶液にさらされ得る。さらに、活性剤は、ウェットレイング、ドライレイング、またはカーディングプロセスの間の組み込み段階に加えて、またはその代わりに、ハイドロエンタングリングまたはカレンダリング段階で導入され得る。
【0075】
上記の方法論はまた、織布布の製造に適用することができる。不織布の製造と同様に、活性剤が組み込まれたフィラメントは、繊維ボビン上に作られ、巻き取られ得る。繊維は次いで、他の繊維と絡み合い、織布材料を生ずることができる。
【0076】
上記の方法論はまた、既に物理的に形成された不織布に適用することができ、その例は、メルトブローン、スパンボンド、または他のものであり、そこで最終的な不織布材料は所望の特定を与えるために、乾燥プロセスの前に、抗毒素剤のガスまたは液体に1回または複数回浸すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリマーおよびヨウ化樹脂を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択される活性剤を含む水溶液に前記ステープル繊維をウェットレイし、ウェットレイドウェブを生じさせる段階と、
(c)前記ウェットレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、抗毒素不織布を作るためのプロセス。
【請求項2】
(a)ポリマーおよびヨウ化樹脂を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択される気体の活性剤を含むチャンバーに前記ステープル繊維をエアレイし、ドライレイドウェブを生じさせる段階と、
(c)前記ドライレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、殺菌不織布を作るためのプロセス。
【請求項3】
(a)ポリマーおよびヨウ化樹脂を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)エアレイド、ウェットレイド、またはカーディッドプロセスによって、前記ステープル繊維からウェブを形成する段階と、
(c)前記ウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階であって、活性剤が前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスの間に前記ウェブに組み込まれ、前記活性剤はヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素を含む、段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、殺菌不織布を作るためのプロセス。
【請求項4】
追加の活性剤が、前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリング段階の間に前記ウェブに組み込まれる、請求項1、2または3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリスチレンおよびセルロースアセテートから成る群から選択される1つまたは複数の部材を含む、請求項1、2または3に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ウェットレイドウェブが、レーヨン、アルギン酸塩、セルロースパルプおよびセルロースアセテートから成る群から選択される1つまたは複数のタイプの吸収繊維をさらに含む、請求項1、2または3に記載のプロセス。
【請求項7】
(a)ポリマーを含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択される活性剤を含む水溶液に前記ステープル繊維をウェットレイし、ウェットレイドウェブを生じさせる段階と、
(c)前記ウェットレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、抗毒素不織布を作るためのプロセス。
【請求項8】
(a)ポリマーを含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択される気体の活性剤を含むチャンバーに前記ステープル繊維をエアレイし、ドライレイドウェブを生じさせる段階と、
(c)前記ドライレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、殺菌不織布を作るためのプロセス。
【請求項9】
(a)ポリマーを含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)エアレイド、ウェットレイド、またはカーディッドプロセスによって、前記ステープル繊維からウェブを形成する段階と、
(c)前記ウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階であって、活性剤が前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスの間に前記ウェブに組み込まれ、前記活性剤はヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素を含む、段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、殺菌不織布を作るためのプロセス。
【請求項10】
追加の活性剤が、前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリング段階の間に前記ウェブに組み込まれる、請求項1、2または3に記載のプロセス。
【請求項11】
(a)ポリマーおよび抗毒素剤を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択される活性剤を含む水溶液に前記ステープル繊維をウェットレイし、ウェットレイドウェブを生じさせる段階と、
(c)前記ウェットレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、抗毒素不織布を作るためのプロセス。
【請求項12】
(a)ポリマーおよび抗毒素剤を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)ヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素から成る群から選択される気体の活性剤を含むチャンバーに前記ステープル繊維をエアレイし、ドライレイドウェブを生じさせる段階と、
(c)前記ドライレイドウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、殺菌不織布を作るためのプロセス。
【請求項13】
(a)ポリマーおよび抗毒素剤を含む複数のステープル繊維を形成する段階と、
(b)エアレイド、ウェットレイド、またはカーディッドプロセスによって、前記ステープル繊維からウェブを形成する段階と、
(c)前記ウェブをハイドロエンタングリングまたはカレンダリングにさらす段階であって、活性剤が前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリングプロセスの間に前記ウェブに組み込まれ、前記活性剤はヨウ素、臭素、塩素および過酸化水素を含む、段階と、
(d)布を分離させる段階と、
を含む、殺菌不織布を作るためのプロセス。
【請求項14】
追加の活性剤が、前記ハイドロエンタングリングまたはカレンダリング段階の間に前記ウェブに組み込まれる、請求項1、2または3に記載のプロセス。
【請求項15】
請求項1から14の何れか1項に記載のプロセスを用いて準備される不織布材料。
【請求項16】
ハイドロエンタングルドウェットレイド不織布材料を含み、前記不織布はヨウ化樹脂パウダーが埋め込まれたポリマー繊維を含む、創傷包帯。
【請求項17】
請求項1から14の何れか1項に記載のプロセスを用いて準備される、請求項7に記載の創傷包帯。

【公表番号】特表2013−520577(P2013−520577A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554095(P2012−554095)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2011/025734
【国際公開番号】WO2011/103578
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(511257090)トリオメッド・イノヴェーションズ・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】