説明

抗癌剤として有用な新規4−β−1’’−(2’’−(置換ベンゾイル)アニリノ)ポドフィロトキシンアナログ

【課題】優れた収率で、ポドフィロトキシンおよび4’−O−デメチルエピポドフィロトキシンの新しくかつ立体選択的な化合物を提供すること。抗癌剤として有用な新しい4β−[2’’−ベンゾイル置換]アリールアミノポドフィロトキシンアナログを提供すること。
【解決手段】本発明は、抗癌活性を示す新しいクラスの化合物4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシン、およびこれを調製するためのプロセスを提供する。本発明は、特に、有用な抗癌剤の、ポドフィロトキシンの新しいクラスの4β−O−ベンゾイルアニリノ同属種の合成に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、有用な抗癌剤である新しい4β−1’’−[2’’−(置換ベンゾイル)アニリノ]ポドフィロトキシンアナログの合成のためのプロセスに関する。
【0002】
本発明は、特に、有用な抗癌剤の、ポドフィロトキシンの新しいクラスの4β−O−ベンゾイルアニリノ同属種の合成に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
小肺癌、精巣癌、リンパ腫、カポージ肉腫の処置において現在使用されるエトポシドおよびテニポシドの2つの合成ポドフィロトキシン誘導体は、重要な薬物である。エトポシドの臨床的効力および興味深い機構は、この化合物のC−4置換の改変に関し、そしてより優れた抗腫瘍活性についてのさらなる研究における関心を非常に刺激している(非特許文献1;Levy,R.K.;Hall,I.H.;Lee,K.H.J.Pharm.Sci.1983,72,1158.;Issell,B.F.;Muggia,F.M.;Carter,S.K.Etoposide[VP−16]Current Status and New Developments;Academic Press New York,1984.;Stio,H.;Yoshikawa,H.;Nishimura,Y.;Kondo,S.;Takeuchi,T.;Umezawa,H.Chem.Pharm.Bull.1986,34,3733.Satio,H.;Nishimura,Y.;Kondo,S.;Komuro,K.;Takeuchi,T.;Bull.Chem.Soc.Jpn.1988,61,2493)。エトポシドについての作用の主な機構は、DNAトポイソメラーゼIIの触媒活性の阻害、および致死的なDNA鎖の破壊の同時の酵素媒介生成によることが十分に確立されている。ポドフィロトキシン由来の化合物についての構造活性関連研究により、トランスC/D環接合が抗腫瘍活性に必須であることが示された。4−アルキルアミノ置換基または4−アリールアミノ置換基によるグリコシド部分の構造的改変に関する多数の研究が、実施され、これらの改変は、ヒトDNAトポイソメラーゼIIに対する阻害活性ならびに細胞性タンパク質長DNA破損を引き起こすより強力な活性を改善した(Lee.K.H.;Imakura,Y.;Haruna,M.;Beers,S.A.;Thurston,L.S.;Dai,H.J.;Chen,C.H.;Liu,S.Y.;Cheng,Y.C.J.Nat.Prod.1989,52,606.Liu,S.Y.;Hawang,B.D.;Haruna,M.;Imakura,Y.;Lee,K.H.;Cheng,Y.C.Mol.Pharmcol.1989,36,78.Lee,K,H.;Beers,S.A.;Mori,M.;Wang,Z.Q.;Kuo,Y.H.;Li,L.;Liu,S.Y.;Cheng,Y.C.;J..Med.Chem.1990,33,1364)。この文脈において、4’−O−デメチルエピポドフィロトキシンベースの化合物の多数の4β−アリールアミノ誘導体が合成され、そして抗腫瘍活性について調査されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Jadine,I.Anticancer Agents Based on Natural Products Models;Cassady,J.M.,Dours,J.編;Academic press:New York,1980,319頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(発明の目的)
本発明の主な目的は、抗癌剤として有用な新しい4β−[2’’−ベンゾイル置換]アリールアミノポドフィロトキシンアナログを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、有用な抗癌剤(これは、上記のような欠点を除去する)としての、新しい4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシン誘導体の合成のためのプロセスを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、優れた収率で、ポドフィロトキシンおよび4’−O−デメチルエピポドフィロトキシンの新しくかつ立体選択的な化合物を提供することである。
【0008】
本発明のなお別の目的は、C−4β−ブロモ中間体の直接求核置換によるこれらのアナログの合成のための、重要な工程を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明の上記の目的および他の目的は、ポドフィロトキシンおよび4’−O−デメチルエピポドフィロトキシンの新しいクラスのC−β−アリール置換誘導体およびN連鎖誘導体(これらは、抗癌剤として合成される)を提供することによって、達成される。
【0010】
従って、本発明は、構造式(2)を有する新しいクラスの4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンアナログを提供する。
【0011】
本発明はまた、有用な抗癌剤の新しい4β−1’’−[2’’−(置換ベンゾイル)アニリノ]ポドフィロトキシンアナログの調製のためのプロセスを提供する。より詳細には、ポドフィロトキシンの4β−1’’−[2’’−(置換ベンゾイル)アニリノ]誘導体の調製のためのプロセスを提供する。
【0012】
本発明は、さらに以下を提供する。
(項目1) 図2の4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンの新しいアナログであって、
【化1】


該アナログは、抗癌活性を有し、ここで、R、RおよびRは、独立してかまたは組み合わせて、
R=HまたはCH
=Hまたはハロゲン
=H、NOまたはハロゲン
を表す、アナログ。
(項目2) 項目1に記載の4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンのアナログであって、ここで、好ましい化合物およびこれらの細胞傷害性の値が以下の通りである、アナログ:
【表1】



(項目3) 項目2に記載の4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンの少数のアナログであって、該アナログは、標準的な抗癌薬物エトポシドと比較してインビトロでより優れた抗癌活性を有する、少数のアナログ。
(項目4) 図2の4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンアナログの調製のためのプロセスであって、
【化2】


ここで、R、RおよびRは、独立してかまたは組み合わせて、
R=HまたはCH
=Hまたはハロゲン
=H、NOまたはハロゲン
を表し、該プロセスは、以下の工程:
a)無水有機溶媒培体中で相間移動触媒塩基の存在下で、−10℃と40℃との間の範囲の温度で、4β−ブロモ−4−ジオキシポドフィロトキシンを、置換または非置換の2−アミノベンゾフェノンと4〜16時間反応させる工程;
b)減圧下で工程(a)の反応混合物から該有機溶媒を除去して残渣を得る工程;および
c)工程(b)の残渣をシリカゲルカラムで精製し、クロロホルム−メタノールの混合物で溶出して、必要な4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンアナログを得る工程、
を包含する、プロセス。
(項目5) 項目3に記載のプロセスであって、工程(a)において、使用される相間移動触媒が、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムイオダイドまたはaliquat 336からなる群より選択され、そして好ましくは、テトラブチルアンモニウムイオダイドである、プロセス。
(項目6) 項目3に記載のプロセスであって、ここで、工程(a)において、置換2−アミノベンゾフェノンが、2−アミノ−2’,5’−ジクロロベンゾフェノン、2−アミノ−5−ニトロベンゾフェノン、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン、2−アミノ−5−クロロ−2’−フルオロベンゾフェノン、2−アミノ−4’ブロモベンゾフェノン、または4−アミノ−3−ニトロベンゾフェノンからなる群より選択される、プロセス。
(項目7) 項目3に記載のプロセスであって、ここで、工程(a)において、使用される有機溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフランまたはジオキサンからなる群より選択され、そして好ましくは、テトラヒドロフランである、プロセス。
(項目8) 項目3に記載のプロセスであって、ここで、工程(a)において、使用される塩基が、トリメチルアミン、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたは炭酸バリウムからなる群より選択され、そして好ましくは、トリエチルアミンである、プロセス。
(項目9) 前記反応が、好ましくは室温で実施される、項目3に記載のプロセス。
(項目10) 項目3に記載のプロセスであって、ここで、工程(a)において、使用される置換または非置換のベンゾフェノンおよび臭素化合物のモル比が、1:1〜2:1の範囲であり、そして好ましくは、1:1.17である、プロセス。
(項目11) 項目3に記載のプロセスであって、ここで、工程(a)において、臭素化合物対相間移動触媒のモル当量比が、1:0.2〜1:0.5の範囲である、プロセス。
(項目12) 被験体における癌を処置するための、項目1および2に記載の一般式(2)の4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンアナログの使用であって、該使用は、必要に応じて添加剤を含む、薬学的に有効な投薬量の該アナログを、それを必要とする該被験体に投与する工程を含む、使用。
(項目13) 4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンアナログが、単独でかまたは薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて使用される、項目12に記載の使用。
(項目14) 一般式(2)のアナログが全身的または経口的に投与される、項目12に記載の使用。
(項目15) 前記被験体が哺乳動物から選択される、項目12に記載の使用。
(項目16) 前記被験体がヒトを除く、項目15に記載の使用。
(項目17) 一般式(2)の化合物が、薬学的に受容可能な添加剤、キャリア、希釈剤、溶媒、濾材、潤滑剤、賦形剤、結合剤または安定剤と組み合わせて、前記被験体に投与される、項目12に記載の使用。
(項目18) 好ましいアナログのインビトロ抗癌活性のGI50値が、0.001〜382μMの範囲内である、項目12に記載の使用。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、ポドフィロトキシン、エトポシドおよびテニポシドの構造を示す。
【図2】図2は、クラス4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシンアナログの化合物の一般式を表す。
【図3】図3は、抗癌剤として新しいポドフィロトキシンアナログの合成のためのプロセスを開示し、このプロセスは、優れた収率で、ポドヒロトキシンの新規かつ立体選択的な誘導体を生成する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
抗癌剤としての新しいポドフィロトキシンアナログの合成のためのプロセスは、優れた収率でポドフィロトキシンの新規かつ立体選択的な誘導体を生成し、ここで、これらのアナログの合成のための重要な工程は、C−4β−ブロモ中間体、4β−ブロモ−ポドフィロトキシンおよび4’−O−デメチルエピポドフィロトキシンの直接的求核置換であり、これらは、立体選択的様式で、置換または非置換の2−アミノベンゾフェノンと反応され、4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシン誘導体を生じる。
【0015】
これらの4−ブロモポドフィロトキシン中間体は、文献に記載されるように、関連したポドフィロトキシン化合物の臭素化によって調製されている(Kuhn,M.;Keller−Juslen,C.;Van Wartburg,Helv.Chemica.Acta,1969,52,944)。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、天然に存在するポドフィロトキシンリグナンは、Podophyllum peltatum linnaeusから単離された。
【0017】
本発明の別の実施形態において、4β−中間体の合成は、ポドフィロトキシンおよび4’−O−デメチルエピポドフィロトキシンの臭素化から実施されている。
【0018】
本発明のなお別の実施形態において、1〜2当量の異なる置換および非置換のベンゾフェノン化合物が使用されている。
【0019】
本発明のなお別の実施形態において、種々の溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルムおよびテトラヒドロフラン)が、求核置換工程に使用された。
【0020】
本発明のなお別の実施形態において、触媒作用量のBu(0.2〜0.5当量)を使用して、−10℃と室温との間で、2〜10時間、反応混合物を撹拌した。
【0021】
本発明のなお別の実施形態において、KCO、EtNのような塩基もまた使用した。
【0022】
本発明のなお別の実施形態において、これらのアナログの精製を、クロロホルム/メタノールを溶出剤として使用するカラムクロマトグラフィーによって行なった。
【0023】
従って、本発明は、新しいクラスのポドフィロトキシンアナログを提供し、これらは、立体選択的様式で合成された。
【0024】
強化された抗腫瘍活性および/またはエトポシド耐性腫瘍細胞株に対する活性を有する、新しい4β−アリールアミノ置換ポドフィロトキシン同属種の設計および合成のためのプログラムを研究室において開始した。これらの努力で、新しい4β−1’’−[{2’’−ベンゾイル置換}アニリノ]ポドフィロトキシン誘導体を合成し、そしてこれらの細胞傷害性および抗癌効力について評価した。興味深いことに、これらの化合物のいくつかは、エトポシドと比較して、より大きいインビトロ細胞傷害性の値を示した。これらの化合物の合成を、樹脂から得たポドフィロトキシンを使用するスキーム中に記載されるように実施する。4a〜4pの細胞傷害性の値は、表1に示される。
【0025】
【化3】

(表1 いくつかの代表的な化合物についての(インビトロ)細胞傷害性データ)
【0026】
【表2】

本発明の化合物のいくつかを以下に示す:
a)4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)アニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
b)4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)アニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
c)4β−1’’−[2’’−(2−クロロベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
d)4’−O−1’’−[2’’−(2−クロロベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
e)4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)−4’’−ニトロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
f)4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)]−4’’−ニトロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
g)4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
h)4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)]−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
i)4β−1’’−[2’’−(2−フルオロベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
j)4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(2−フルオロベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
k)4β−1’’−[3’’−(ベンゾイル)アニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
l)4’−O−デメチル−4β−1’’−[3’’−(ベンゾイル)アニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
m)4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)−2’’−ニトロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
n)4’−O−デメチル−4β−1’’−[4’’−(ベンゾイル)]−2’’−ニトロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン
以下の実施例は、例示の目的で与えられ、本発明の範囲を制限するとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0027】
(実験)
(実施例1)
4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)アニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4a):4β−ブロモ−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で4時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノベンゾフェノン(0.045g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.8:0.2)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0028】
【化4】

(実施例2)
4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)アニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4b):4β−ブロモ−4’−O−デメチル−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で4時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノベンゾフェノン(0.045g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.8:0.2)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0029】
【化5】

(実施例3)
4β−1’’−[2’’−(2−クロロベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4c):4β−ブロモ−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.10g、0.21mmol)を、室温で5時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−2’,5’−ジクロロベンゾフェノン(0.06g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.7:0.3)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0030】
【化6】

(実施例4)
4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(2−クロロベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4d):4β−ブロモ−4’−O−デメチル−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.10g、0.21mmol)を、室温で5時間にわたり、テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−2’,5’−ジクロロベンゾフェノン(0.06g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.7:0.3)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0031】
【化7】

(実施例5)
4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)−4’’−ニトロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4e):4β−ブロモ−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で8時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゾフェノン(0.056g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.5:0.5)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0032】
【化8】

(実施例6)
4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)]−4’’−ニトロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4f):4β−ブロモ−4’−O−デメチル−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で8時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゾフェノン(0.056g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.5:0.5)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0033】
【化9】

(実施例7)
4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4g):4β−ブロモ−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.10g、0.21mmol)を、室温で6時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン(0.053g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.7:0.3)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0034】
【化10】

(実施例8)
4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)]−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4h):4β−ブロモ−4’−O−デメチル−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で6時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン(0.053g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.7:0.3)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0035】
【化11】

(実施例9)
4β−1’’−[2’’−(2−フルオロベンゾイル)−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4i):4β−ブロモ−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.10g、0.21mmol)を、室温で5時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−5−クロロ−2’−フルオロベンゾフェノン(0.057g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.7:0.3)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0036】
【化12】

(実施例10)
4’−O−デメチル−4β−1’’−[2’’−(2−フルオロベンゾイル)]−4’’−クロロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4j):4β−ブロモ−4’−O−デメチル−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.10g、0.21mmol)を、室温で5時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−5−クロロ−2−フルオロベンゾフェノン(0.057g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.7:0.3)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0037】
【化13】

(実施例11)
4β−1’’−[3’’−(ベンゾイル)アニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4k):4β−ブロモ−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で3時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、2−アミノ−4−ブロモベンゾ−フェノン(0.064g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.8:0.2)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0038】
【化14】

(実施例12)
4’−O−デメチル−4β−1’’−[3’’−(ベンゾイル)アニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4l):4β−ブロモ−4’−O−デメチル−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で3時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、3−アミノベンゾフェノン(0.045g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.8:0.2)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0039】
【化15】

(実施例13)
4β−1’’−[2’’−(ベンゾイル)−2’’−ニトロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4m):4β−ブロモ−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で8時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、4−アミノ−3−ニトロベンゾフェノン(0.056g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.4:0.6)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0040】
【化16】

(実施例14)
4’−O−デメチル−4β−1’’−[4’’−(ベンゾイル)−2’’−ニトロアニリノ]−4−デスオキシポドフィロトキシン(4n):4β−ブロモ−4’−O−デメチル−4−デスオキシポドフィロトキシン(0.1g、0.21mmol)を、室温で8時間にわたり、無水テトラヒドロフラン中のEtN(0.032g、0.32mmol)およびBu(0.015g、0.042mmol)の存在下で、4−アミノ−3−ニトロベンゾフェノン(0.056g、0.23mmol)と反応させた。反応の完了後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶出剤としてクロロホルム−メタノール(9.6:0.4)を使用する、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。
【0041】
【化17】

結果として、本発明の主な利点は、これらの新規4β−1’’−[2’’−(置換ベンゾイル)アニリノ]ポドフィロトキシンアナログが、インビトロの細胞傷害性活性および抗癌剤としての増強された可能性の裏付けを示したことである。さらに、これらの化合物は、室温にてEtNおよびBuの存在下で、対応する2−アミノベンゾフェノンとの反応に際に、4β−ブロモポドフィロトキシンを調製して、非常に良好な収率かつほぼ立体選択的な様式で、4β−1’’−[2’’−(置換ベンゾイル)アニリノ]ポドフィロトキシンアナログを提供した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載のアナログ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−102422(P2009−102422A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24314(P2009−24314)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【分割の表示】特願2003−580341(P2003−580341)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【出願人】(595023873)カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ (69)
【Fターム(参考)】