説明

抗細菌剤

哺乳動物、特にヒトにおける細菌感染症の治療において有用なナフタレン、キノリン、キノキサリンおよびナフチリジン誘導体が本明細書に記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それらを含有する組成物、それらの製造方法、および抗細菌剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の抗生物質治療に耐性を持つ病原体の出現は、世界的に深刻な医療問題となっている(非特許文献1)。かくして、多剤耐性生物と闘うのに有用な新しい広域抗生物質の発見が必要となっている。重要なことに、この度、ある種の化合物が抗細菌活性を有しており、したがって、哺乳動物、特にヒトにおける細菌感染症の治療に有用であり得ることが見出された。
【非特許文献1】Chu, et al., (1996) J. Med. Chem., 39: 3853-3874
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、細菌感染症の治療に有用な、以下に記載する式(I)で示される化合物を含む。本発明はまた、式(I)で示される化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物である。本発明はまた、式(I)で示される化合物の製造方法である。本発明また、哺乳動物、特にヒトにおける細菌感染症の治療方法である。
【0004】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体を提供する:
いくつかの態様では、本発明は、式(I)で示される化合物を記載する:
【化1】

[式中、
1、Z3およびZ4は、独立して、NまたはCR1aであり;
2、Z5およびZ6は、各々、CR1aであり;
1およびR1aは、各場合において独立して、水素;シアノ;ハロゲン;ヒドロキシ;非置換であるか、(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ピペリジル、グアニジノまたはアミジノ(いずれも非置換であるか、または1または2個の(C1-6)アルキル、アシル、(C1-6)アルキルスルホニル、CONH2、ヒドロキシ、(C1-6)アルキルチオ、ヘテロサイクリルチオ、ヘテロサイクリルオキシ、アリールチオ、アリールオキシ、アシルチオ、アシルオキシまたは(C1-6)アルキルスルホニルオキシによってN置換されている)によって置換されている(C1-6)アルコキシ;(C1-6)アルキル;(C1-6)アルキルチオ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ニトロ;アジド;アシル;アシルオキシ;アシルチオ;(C1-6)アルキルスルホニル;(C1-6)アルキルスルホキシド;アリールスルホニル;アリールスルホキシド;または非置換であるか、または1または2個の(C1-6)アルキル、アシルまたは(C1-6)アルキルスルホニル基によってN置換されているアミノ、ピペリジル、グアニジノまたはアミジノ基であるか;またはR1およびZ2のR1aは一緒になってエチレンジオキシを形成し;
ABは、NR1b(C=O);NR1b;C(=O)CR23;またはCR23CR45であり;
1bおよびR1b'は、各場合において独立して、水素、トリフルオロメチル;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アリール;アラルキル;(C3-8)シクロアルキル;ヘテロアリール;ヘテロアラルキル;またはヘテロサイクリルであり;
2、R3、R4、R5およびR6は、各場合において独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニルであり(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニルまたはアラルキルによって置換されていてもよい);
1cおよびR1c'は、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリルであるか;またはそれらが結合している窒素と一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはヘキサメチレンイミン環(ここで、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはヘキサメチレンイミン環は、ハロゲン、ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;(C1-6)アルキル;およびアリールから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)を形成し;
n、n'および”は、各場合において独立して、0〜2の整数であり;
1およびW2は、各々、CR67であり;
7は、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;
3およびW4は、各々、CR8であり;
8は、各場合において独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニル(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル;アラルキルによって置換されていてもよい);またはR9であり;
9は、UR1dであり;
Uは、(CH2)nNR1b(CH2)n';(CH2)nNR1bS(O)n'(CH2)n”;(CH2)nNR1b(C=O)(CH2)n';(CH2)nNR1bC(=O)NR1b'(CH2)n';(CH2)nNR1b(CO2)(CH2)n';(CH2)nS(CH2)n';または(CH2)nO(CH2)n'であり;
5、W6およびW7は、独立して、CR1011またはNR12であり;
10は、各場合において独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アシルオキシ;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニル(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル;またはアラルキルによって置換されていてもよい)であり;
11は、各場合において独立して、水素、(C1-6)アルキル;アリール;ヘテロアリール;またはR9であり;
12は、各場合において独立して、水素、トリフルオロメチル;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アリール;アラルキル;(C3-8)シクロアルキル;ヘテロアリール;ヘテロアラルキル;ヘテロサイクリル;またはR13であり;
13は、U'R1dであり;
U'は、(CH2)nまたは(C=O)(CR23)nであり;
1dは、環(a)および(b)の少なくとも1つが芳香族である、各環が4個までのヘテロ原子を含有する置換または非置換二環式炭素環系または複素環系(A):
【化2】

であり;
1は、芳香環の一部である場合には、CまたはNであり、非芳香環の一部である場合には、CR14であり;
2は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、N、NR15、O、S(O)n、COまたはCR14であり、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1617であってもよく;
3およびX5は、独立して、NまたはCであり;
1は、0〜4原子リンカー基であり、その各原子は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、独立して、N、NR15、O、S(O)n、COおよびCR14から選択され、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1617であってもよく、
2は、2〜6原子リンカー基であり、Y2の各原子は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、独立して、N、NR15、O、S(O)n、COおよびCR14から選択され、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1617であってもよく;
14、R16およびR17は、各場合において独立して、H;(C1-4)アルキルチオ;ハロ;(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1-4)アルキル;メルカプト(C1-4)アルキル;(C1-4)アルコキシ;トリフルオロメトキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;非置換であるか、または(C1-4)アルキルによって置換されているアミノまたはアミノカルボニルから選択され;
15は、各場合において独立して、水素;トリフルオロメチル;非置換であるか、またはヒドロキシ、カルボキシ、(C1-4)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルによって置換されている(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;またはアミノカルボニルである(ここで、アミノ基は、(C1-4)アルキルで置換されていてもよい)]
またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物(ただし、式(I)で示される化合物は、1つのR9またはR13置換基を含む)。
【0005】
いくつかの実施態様ては、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0006】
別の実施態様では、本発明は、R1がOCH3である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0007】
さらに別の実施態様では、本発明は、R1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0008】
ある実施態様では、本発明は、ABがCR23CR45である、式(I)で示される化合物を記載する。ABがCR23CR45であるいくつかの実施態様では、R2、R3、R4およびR5は、各々、水素である。
【0009】
本発明のいくつかの実施態様では、R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5およびW7が、各々、CR1011であり;R10が水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;R11が水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W6がNR12であり;R12がR13である、式(I)で示される化合物が記載される。
【0010】
本発明のさらに別の実施態様では、R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;W3のR8が、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニル(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル;またはアラルキルによって置換されていてもよい)であり;W4のR8がR9であり;W5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;R11が水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールである式(I)で示される化合物が記載される。
【0011】
ある実施態様では、本発明は、R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;R10が水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;W5およびW7のR11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W6のR11がR9である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0012】
いくつかの実施態様では、本発明は、R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;R10が水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;W5およびW6のR11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W7のR11がR9である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0013】
さらにいくつかのさらなる実施態様では、本発明は、R1dが4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0014】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aであり;R1がOCH3であり;R1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;ABがCH2CH2であり;R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;R10が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;W5およびW6のR11が、各場合において独立して、水素、(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W7のR11がR9である、式(I)で示される化合物を記載する。Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aであり;R1がOCH3であり;R1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;ABがCH2CH2であり;R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;R10が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;W5およびW6のR11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W7のR11がR9である本発明のいくつかの実施態様では、Uは(CH2)nNR1b(CH2)n'であり;R1bは水素または(C1-6)アルキルであり;R1dは4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである。
【0015】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aであり;R1がOCH3であり;R1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;ABがCH2CH2であり;R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;R10が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;W5およびW7のR11が、各場合において独立して、水素、(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W6のR11がR9である、式(I)で示される化合物を記載する。いくつかの実施態様では、Z1およびZ4はNであり;Z3はCR1aであり;R1はOCH3であり;R1aは、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;ABはCH2CH2であり;R6は、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7は、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8は、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5、W6およびW7は、各々、CR1011であり;R10は、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;W5およびW7のR11は、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W6のR11はR9であり;Uは(CH2)nNR1b(CH2)n'であり;R1bは水素または(C1-6)アルキルであり;R1dは4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである。
【0016】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aであり;R1がOCH3であり;R1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;ABがCH2CH2であり;R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;W3のR8が水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W4のR8がR9であり;W5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;R10が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;R11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールである、式(I)で示される化合物を記載する。いくつかのさらなる実施態様では、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aであり;R1がOCH3であり;R1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;ABがCH2CH2であり;R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;W3のR8が水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W4のR8がR9であり;W5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;R10が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;R11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり、Uが(CH2)nNR1b(CH2)n'であり;R1bが水素または(C1-6)アルキルであり;R1dが4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0017】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aであり;R1がOCH3であり;R1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;ABがCH2CH2であり;R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5およびW7が、各々、CR1011であり;R10が、独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンから選択され;R11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W6がNR12であり;R12がR13である、式(I)で示される化合物を記載する。いくつかのさらなる実施態様では、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aであり;R1がOCH3であり;R1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;ABがCH2CH2であり;R6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;R7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;R8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;W5およびW7が、各々、CR1011であり;R10が、独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンから選択され;R11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;W6がNR12であり;R12がR13であり;U'が(CH2)nであり;R1dが4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0018】
ある態様では、本発明は、(±)−6−{[((3aR,4R,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;(±)−6−{[((3aR,4S,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;6−{[((3aR,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;(±)−6−{[(3aR,6aS)−5−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;または(±)−6−[({[(3aS,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メチル}アミノ)メチル]−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物である当該式で示される化合物を記載する。
【0019】
ある態様では、本発明は、式(I)で示される化合物(ここで、ABはCR23CR45である)の製造方法であって、
(a)式(a)で示される化合物を式(b)で示される化合物と反応させて式(I)で示される化合物を得ること
を含む方法を記載する:
【化3】

[式中、Xは、CH=CH2またはAB(CH2)n−Lであり;
Lは、脱離基であり;
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、R1、W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7およびnは、式(I)における定義と同じである]。
【0020】
いくつかの実施態様では、本発明は、式(I)で示される化合物(ここで、ABはCR23CR45である)の製造方法であって、
(a)式(a)で示される化合物を式(b')で示される化合物と反応させて化合物(c)を形成すること;
(b)(c)からP、P'またはP”を除去すること(ここで、P、P'またはP”は水素ではない);
(c)式(c)で示される化合物を式(d)、(e)または(f)で示される化合物と反応させて請求項5の式(I)で示される化合物を得ること
を含む方法を記載する:
【化4】

[式中、
Xは、CH=CH2またはAB(CH2)n−Lであり;
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、AB、n、n'、R1b、R1c、R1c'、W1、W2、R1およびR10は、請求項5において記載したとおりであり;
Lは、各場合において独立して、脱離基であり;
3'およびW4'は、CR8'であり;
8'は、各場合において独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニル(ここで、アミノ基は、独立して水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル;アラルキルによって置換されていてもよい);またはR9'であり;
9'は、(CH2)nNR1bP、SP'またはOP”であり;
Pは、水素または窒素保護基であり;
P'は、水素または硫黄保護基であり;
P”は、水素または酸素保護基であり;
5'、W6'およびW7'は、独立して、CR1011'またはNR12'であり;
11'は、水素、(C1-6)アルキル;アリール;ヘテロアリール;またはR9'であり;
12は、水素、トリフルオロメチル;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アリール;アラルキル;(C3-8)シクロアルキル;ヘテロアリール;ヘテロアラルキル;ヘテロサイクリル;またはR13'であり;
13'は、水素またはPであり;
U”は、(CH2)n;S(O)n(CH2)n';(O=C)(CR2CR3)n;または(O=C)O(CH2)nである](ただし、式(c)で示される化合物は、明確に1つのR9'またはR13'置換基を含む)。
【0021】
いくつかの態様では、本発明は、式(I)で示される化合物または本明細書に記載される実施態様のいずれか、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を記載する。
【0022】
ある実施態様では、本発明は、哺乳動物における感染症の治療方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に式(I)で示される化合物または本明細書に記載されるその実施態様のいずれかの有効量を投与することを含む方法を記載する。
【0023】
本発明の化合物の医薬上許容される付加塩、溶媒和物またはプロドラッグもまた本発明の範囲に含まれる。プロドラッグは、インビボで式(I)で示される活性親薬物を遊離するいずれもの共有結合キャリアであると考えられる。
【0024】
他に特に定義がない限り、単独で使用する場合または他の基(例えば、「アルコキシ」基)の一部を形成する場合の「アルキル」なる用語としては、置換または非置換の、所定の範囲の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられる。例えば、「(C1-6)アルキル」なる用語としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチルおよびイソペンチルなどが挙げられる。
【0025】
「アルケニル」なる用語は、1つの炭素−炭素単結合が炭素−炭素二重結合に置き換えられている、置換または非置換の、所定の範囲の炭素原子のアルキル基を意味する。例えば、「(C2-6)アルケニル」なる用語としては、エチレン、1−プロペン、2−プロペン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブテンなどが挙げられる。シス異性体およびトランス異性体のどちらも包含される。
【0026】
「シクロアルキル」なる用語は、不飽和炭素−炭素結合を2つまで含むことができる、置換または非置換の、所定の範囲の炭素原子の炭素環系をいう。例えば、「(C3-7)シクロアルキル」なる用語としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0027】
「アルコキシ」なる用語は、O−アルキル基をいい、ここで、アルキル基は所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0028】
「アシル」なる用語は、C(=O)アルキルまたはC(=O)アリール基をいう。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、13個またはそれ以下の炭素原子;いくつかの実施態様では、10個またはそれ以下の炭素原子;いくつかの実施態様では、6個またはそれ以下の炭素原子を含有しており;他に定義するとおりである。アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0029】
「アルキルスルホニル」なる用語は、SO2アルキル基をいい、ここで、該アルキル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0030】
「アルキルチオ」なる用語は、Sアルキルをいい、ここで、該アルキル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0031】
「アラルキル」なる用語は、他の箇所で定義するアリール基と結合している、13個またはそれ以下の炭素原子、より好ましくは、6個またはそれ以下の炭素原子を含有するアルキル基をいう。該アルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、該アリール基は、アルキル鎖の第1炭素、第2炭素または第3炭素と結合していてよい。
【0032】
「ヘテロアラルキル」なる用語は、他の箇所で定義するヘテロアリール基と結合している、13個またはそれ以下の炭素原子、より好ましくは、6個またはそれ以下の炭素原子を含有するアルキル基をいう。該アルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、該ヘテロアリール基は、該アルキル鎖の第1炭素、第2炭素または第3炭素と結合していてよい。
【0033】
「ヘテロサイクリルチオ」なる用語は、S−ヘテロサイクリル基をいい、ここで、ヘテロサイクリル部分は本明細書で定義するとおりである。
【0034】
「ヘテロサイクリルオキシ」なる用語は、O−ヘテロサイクリル基をいい、ヘテロサイクリルは、本明細書で定義するとおりである。
【0035】
「アリールチオ」なる用語は、S−アリール基をいい、ここで、アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0036】
「アリールオキシ」なる用語は、O−アリール基をいい、ここで、アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0037】
「アシルチオ」なる用語は、S−アシル基をいい、ここで、アシルは、本明細書で定義するとおりである。
【0038】
「アシルオキシ」なる用語は、O−アシル基をいい、ここで、アシルは、本明細書で定義するとおりである。
【0039】
「アルコキシカルボニル」なる用語は、CO2アルキル基をいい、ここで、アルキル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0040】
「アルキルスルホニルオキシ」なる用語は、O−SO2アルキル基をいい、ここで、アルキル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0041】
「アリールスルホニル」なる用語は、SO2アリール基をいい、ここで、アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0042】
「アリールスルホキシド」なる用語は、SOアリール基をいい、ここで、アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0043】
他に特に定義がない限り、いずれものアルキル、アルコキシ、アルケニルおよびシクロアルキル基の適当な置換基としては、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アミノ、アミジノ、スルホンアミド、非置換(C1-3)アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアシルオキシからなる群から選択される3個までの置換基が挙げられる。
【0044】
ハロまたはハロゲンとしては、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが挙げられる。
【0045】
「ハロアルキル」なる用語は、さらに1〜3個のハロゲン原子で置換されている、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で他に定義するとおりであるアルキル基をいう。
【0046】
「ハロアルコキシ」なる用語は、さらに1〜3個のハロゲン原子で置換されている、所定の範囲の、本明細書で定義するとおりのアルコキシ基をいう。
【0047】
「ヒドロキシアルキル」なる用語は、さらにヒドロキシ基で置換されている、本明細書で定義するとおりのアルキル基をいう。
【0048】
他に特に定義がない限り、本明細書では、「複素環」なる用語としては、各環が酸素、窒素および硫黄から選択される4個までのヘテロ原子を含有するのが適当である、置換されていてもよい芳香族および非芳香族の単一のおよび縮合した、単環式または二環式環が挙げられ、該環は、非置換であっても、例えば、(C1-4)アルキルチオ;ハロ;(C1-4)ハロアルコキシ;(C1-4)ハロアルキル;(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;ヒドロキシ;ヒドロキシ、(C1-4)アルキル;(C1-4)チオアルキル;(C1-4)アルコキシ;ニトロ;シアノ、カルボキシ;(C1-4)アルキルスルホニル;(C2-4)アルケニルスルホニル;またはアミノスルホニル(ここで、アミノ基は、(C1-4)アルキルまたは(C2-4)アルケニルによって置換されていてもよい)から選択される3個までの基によってC置換されていてもよい。
【0049】
各複素環は、適当には、環原子3〜7個、好ましくは5または6個を有する。縮合複素環系は、炭素環を含むことができ、複素環を1個だけは含む必要がある。
【0050】
ヘテロサイクリル基を含有する本発明の範囲内の化合物は、ヘテロサイクリル基の性質に依存して2種類またはそれ以上の互変異性体で生じることがあり;かかる互変異性体は全て本発明の範囲内に含まれる。
【0051】
アミノ基が上記にて定義した単一のまたは縮合した非芳香族複素環の一部を形成する場合、かかる置換アミノ基における適当な任意の置換基としては、水素;トリフルオロメチル;ヒドロキシ、(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルによって置換されていてもよい(C1-4)アルキル;および(C2-4)アルケニルが挙げられる。
【0052】
本明細書で使用する場合、「アリール」なる用語としては、置換されていてもよいフェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0053】
アリール基は、(C1-4)アルキルチオ;ハロ;(C1-4)ハロアルコキシ;(C1-4)ハロアルキル;(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;ヒドロキシ;(C1-4)ヒドロキシアルキル;(C1-4)アルキルチオ;(C1-4)アルコキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;(C1-4)アルキルによって置換されていてもよいアミノまたはアミノカルボニル;(C1-4)アルキルスルホニル;(C2-4)アルケニルスルホニルから選択される5個まで、好ましくは3個までの基で置換されていてもよい。
【0054】
本発明の化合物には、水性または有機溶媒のような溶媒から結晶化または再結晶されるものもある。このような場合、溶媒和物が形成され得る。本発明は、その範囲内に、水和物を含む化学量論的溶媒和物および凍結乾燥のような工程によって生成され得る可変量の水を含有する化合物を包含する。
【0055】
さらにまた、「式Iで示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体」のようなフレーズは、式Iで示される化合物、式(I)の誘導体、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、式(I)の溶媒和物、またはこれらのいずれもの医薬上許容される組み合わせを包含することを意図すると理解されるであろう。かくして、例示目的で本明細書で使用される非限定的な一例として、「式Iで示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物」としては、さらに溶媒和物として存在する式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩を挙げることができる。
【0056】
式(I)で示される化合物は医薬組成物における使用が意図されるものであるので、それらが各々実質的に純粋な形態で、例えば、少なくとも純度60%、より適当には、少なくとも純度75%、好ましくは、少なくとも純度85%、特に、少なくとも純度98%(%は、重量対重量に基づく)で提供されることは容易に理解されるであろう。当該化合物の不純物を含む調製物は、医薬組成物において使用される、より純粋な形態を製造するために使用することができる;当該化合物のこれらのあまり純粋ではない調製物は、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を少なくとも1%、より適当には、少なくとも5%、好ましくは、10〜59%含有すべきである。
【0057】
式(I)で示される上記化合物の医薬上許容される塩としては、遊離塩基形態またはそれらの酸付加塩もしくは第四アンモニウム塩、例えば、鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸、または有機酸、例えば、酢酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸または酒石酸とのそれらの塩が挙げられる。式(I)で示される化合物はまた、N−オキシドとして製造することもできる。遊離カルボキシ基を有する式(I)で示される化合物はまた、インビボ加水分解性エステルとして製造することもできる。本発明は、かかる誘導体の全てに及ぶ。本発明の化合物が複数の塩基性部位を含んでいる場合、本発明の化合物が1当量を超える対応する酸または酸の混合物と複合体化した塩として存在し得ることは当業者に認識されるであろう。
【0058】
医薬上許容される誘導体とは、式(I)で示される化合物となる少なくとも何らかのインビボ切断を受ける基で共有結合的に修飾された式(I)で示される化合物をいう。
【0059】
適当な医薬上許容されるインビボ加水分解性エステル形成性基の例としては、人体中で容易に分解して親酸またはその塩を遊離するエステルを形成する基が挙げられる。
【0060】
この種の適当な基としては、部分式(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)で示されるものが挙げられる:
【化5】

ここで、Raは、水素、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、メチルまたはフェニルであり、Rbは、(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、フェニル、ベンジル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキルオキシ、(C1-6)アルキル(C3-7)シクロアルキル、1−アミノ(C1-6)アルキルまたは1−(C1-6アルキル)アミノ(C1-6)アルキルであるか;またはRaおよびRbは、一緒になって、1または2個のメトキシ基によって置換されていてもよい1,2−フェニレン基を形成し;Rcは、メチルまたはエチル基で置換されていてもよい(C1-6)アルキレンを表し、RdおよびReは、独立して、(C1-6)アルキルを表し;Rfは、(C1-6)アルキルを表し;Rgは、水素、またはハロゲン、(C1-6)アルキルもしくは(C1-6)アルコキシから選択される3個までの基で置換されていてもよいフェニルを表し;Qは、酸素またはNHを表し;Rhは、水素または(C1-6)アルキルであり;Riは、水素、またはハロゲン、(C2-6)アルケニル、(C1-6)アルコキシカルボニル、アリールもしくはヘテロアリールによって置換されていてもよい(C1-6)アルキルであるか;またはRhおよびRiは一緒になって(C1-6)アルキレンを形成し;Rjは、水素、(C1-6)アルキルまたは(C1-6)アルコキシカルボニルを表し;Rkは、(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ(C1-6)アルコキシまたはアリールを表す。
【0061】
適当なインビボ加水分解性エステル基の例としては、例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシエチル、ピバロイルオキシエチル、1−(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロパ−1−イルおよび(1−アミノエチル)カルボニルオキシメチルのようなアシルオキシ(C1-6)アルキル基;エトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチルおよびプロポキシカルボニルオキシエチルのような(C1-6)アルコキシカルボニルオキシ(C1-6)アルキル基;ジ(C1-6)アルキルアミノ(C1-6)アルキル、特に、ジ(C1-4)アルキルアミノ(C1-4)アルキル基、例えば、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチルまたはジエチルアミノエチル;2−(イソブトキシカルボニル)ペンタ−2−エニルおよび2−(エトキシカルボニル)ブタ−2−エニルのような2−(C1-6)アルコキシカルボニル)−2−(C2-6)アルケニル基;フタリジルおよびジメトキシフタリジルのようなラクトン基が挙げられる。
【0062】
さらなる適当な医薬上許容されるインビボ加水分解性エステル形成性基は、式:
【化6】

[式中、Rkは、水素、C1-6アルキルまたはフェニルである]
で示されるものである。
【0063】
Rは、好ましくは、水素である。
【0064】
式(I)で示される化合物はまた、対応するN−オキシドとして製造されてもよい。
【0065】
式(I)で示される化合物には、光学異性体、例えば、ジアステレオ異性体およびあらゆる比率の異性体混合物、例えば、ラセミ混合物の形態で存在することができるものがある。本発明は、純粋な異性体を包含するかかる形態の全てを包含する。異なる異性体は、慣用的な方法によりお互いに分離または分割することができるか、または、所定のいずれもの異性体は、慣用的な合成法によって、または立体特異的合成法もしくは不斉合成法によって得ることができる。
【0066】
当業者は、「反応」なる用語が、使われている文脈によって示されるように所望の変換をもたらすために用いられる手段を示すと解すべきである。当業者は、さらに、本発明の目的のための「反応」を構成するものが所望の結果をもたらすのに必要な条件の使用を必要とすることを認識する。したがって、所定の反応の最適化には反応時間、温度、エネルギー源、圧力、光、圧力、使用する溶媒、反応物、試薬、補助試薬および触媒などのような反応パラメーターの何らかのバリエーションを必要とするかもしれないことは当業者であれば容易に理解できる。
【0067】
本明細書に見られる全ての保護基は、それらの特定の式によって示すことができるか、または、別法として、PまたはPn(ここで、nは整数である)によって総称的に記載することができる。当然のことながら、総称的記述子を用いる場合、このような記述子は各場合においてお互いに独立している。かくして、同じ総称的記述子(例えば、P)を2つ以上もつ化合物は、各Pは同一の保護基であることを示しておらず、用いる化学反応に基が適している限りは、それらは、同一であっても異なっていてもよい。保護または脱保護が総称的に記載される場合、他に特に定義しない限り、これが、除去されるべき保護基の除去を可能にするが該分子の他の位置での反応を最小にする適当な条件が用いられることを意味することは当業者に理解されるであろう。Greene, et al. “Protective Groups in Organic Synthesis” (Published by Wiley-Interscience)(出典明示によりその全体として本明細書の記載とする)を含む数多くの参考文献に見ることができる多くの保護基および保護基ストラテジーは、当業者に知られている。
【0068】
本明細書に見られる全ての脱離基は、特定の化学式によって示すことができるか、または、別法として、LまたはLn(ここで、nは整数である)として総称的に記載することができる。当然のことながら、総称的な記述子を使用する場合、このような記述子は、各場合においてお互いに独立している。脱離基は、Cl、BrまたはIのような単一原子であり得るか、または、OSO2CH3、OC(=O)CH3、O(C=O)CF3およびOSO2CF3などのような基であってもよい。脱離基が、一般的に、反応の過程で除去もしくは置換され得るかまたは解離し得る原子または基をいうことは当業者によって容易に確認される。
【0069】
本発明の抗細菌性化合物は、他の抗細菌剤から類推して、ヒトまたは獣医学において使用するためのいずれもの好都合な方法での投与のために処方することができる。
【0070】
本発明の医薬組成物としては、経口、局所または非経口使用に適している剤形のものが挙げられ、ヒトを含む哺乳動物における細菌感染症の治療に使用することができる。
【0071】
該組成物は、どのような経路による投与のためにも処方することができる。該組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ロゼンジ剤、クリーム剤、または経口または滅菌非経口液剤または懸濁剤のような液体製剤の剤形であり得る。
【0072】
本発明の局所製剤は、例えば、軟膏剤、クリーム剤またはローション剤、眼軟膏剤および点眼剤または点耳剤、含浸包帯剤およびエアゾール剤として提供され得、軟膏剤およびクリーム剤においては保存剤、薬物浸透補助溶媒およびエモリエントのような適当な慣用の添加剤を含有することができる。
【0073】
該製剤はまた、クリーム基剤または軟膏基剤、およびローション剤用のエタノールまたはオレイルアルコールのような適合する慣用の担体を含有することもできる。かかる担体は、該製剤の約1%から約98%まで存在することができる。より通常には、それらは製剤の約80%までをなすであろう。
【0074】
経口投与用錠剤およびカプセル剤は、単位投与剤形であり得、結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤用滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン;またはラウリル硫酸ナトリウムのような許容される湿潤剤のような慣用の賦形剤を含有することができる。錠剤は、通常の薬務で周知の方法に従ってコーティングすることができる。経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤の剤形であり得るか、または使用前に水または他の適当なビヒクルで戻すための乾燥製剤として提供することができる。かかる液体製剤は、懸濁化剤、例えば、ソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは硬化食用脂、乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含むことができる)、例えば、扁桃油、油性エステル、例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコール;保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸、および、必要に応じて、慣用の香味剤または着色剤のような慣用の添加剤を含有することができる。
【0075】
坐剤は、慣用の坐剤基剤、例えば、カカオ脂または他のグリセリドを含有するであろう。
【0076】
非経口投与については、流体単位投与剤形は、当該化合物および滅菌ビヒクル(好ましくは、水)を用いて調製される。当該化合物は、ビヒクルおよび使用濃度に依存して、ビヒクルに懸濁または溶解することができる。液剤の調製では、当該化合物を注射用蒸留水に溶解し、濾過滅菌した後、適当なバイアルまたはアンプルに充填し、密封することができる。
【0077】
有利には、局部麻酔薬、保存剤および緩衝剤のような薬剤をビヒクルに溶解することができる。安定性を増強するために、組成物をバイアルに充填した後、冷凍し、水分を真空除去することができる。次いで、凍結乾燥粉末をバイアル中に密封し、添付バイアルの注射用蒸留水を使用前に供給して液体に戻すことができる。非経口懸濁剤は、化合物をビヒクルに溶解する代わりに懸濁すること、および滅菌を濾過によって成し遂げることができないことを除いて、実質的に同一の方法で調製される。化合物は、滅菌ビヒクルに懸濁する前にエチレンオキシドに曝露させることによって滅菌することができる。有利には、組成物中に界面活性剤または湿潤剤を含有させて化合物の均一分布を容易にすることができる。
【0078】
組成物は、投与方法に依存して、活性物質を0.1重量%以上、好ましくは、10〜60重量%含有することができる。組成物が投与単位を含む場合、各単位は、好ましくは、活性成分50〜500mgを含有するであろう。成人の治療に使用される用量は、投与の経路および回数に依存して、好ましくは、1日あたり100〜3000mgの範囲、例えば、1日あたり1500mgであろう。かかる用量は、1日あたり1.5〜50mg/kgに相当する。適当には、用量は、1日あたり5〜20mg/kgである。
【0079】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を上記用量範囲で投与する場合には、毒物学的影響は全く示されない。
【0080】
式(I)で示される化合物は、本発明の組成物中の唯一の治療剤であっても、他の抗細菌剤との組み合わせであってもよい。他の抗細菌剤がβ−ラクタムである場合、β−ラクタマーゼ阻害剤を使用することもできる。
【0081】
式(I)で示される化合物は、グラム陰性生物およびグラム陽性生物の両方を含む広範囲に及ぶ生物に対して活性である。
【0082】
本明細書にて引用する全ての刊行物(特許および特許出願を含むがこれらに限定されるものではない)は、個々の刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする(そうであることが具体的に明示されているか否かに関係ない)。
【0083】
式(I)で示されるある化合物の製造および式(I)で示されるある化合物の種々の細菌性生物に対する活性を以下に例示する。
【0084】
本発明の実施例は、スキームI〜IVに例示する方法によって製造された。
【0085】
スキームI
【化7】

【0086】
試薬および条件:
(a)ヒドロキシルアミン、DCM−MeOH(1:10)、H2O中10%NaOH、50℃;次いで、LAH、THF、還流;(b)Boc2O、THF、25℃;(c)H2(50psi)、30%Pd(OH)2(湿)、EtOH;(d)8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン、EtOH、85℃;(e)ジオキサン中4N HCl、MeOH、25℃;(f)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド、DCM−EtOH(1:1)、Na2SO4、次いで、NaBH4、25℃。
【0087】
Achiwa, L.; et al. Chem. Pharm. Bull. 1985, 33, 2762の方法に従って、2−(フェニルメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4(1H)−オン(I−1)を製造した。ヒドロキシルアミン形成および次なる還元によってケトンをアミン(1−2)に変換してジアステレオマーの混合物を得た。各ジアステレオマーのアミンをBocカルバメートとして保護した。水素化によりベンジル基を除去し、次いで、8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンに該アミンをMichael付加して付加化合物(I−5)を得た。Boc基を除去し、得られた遊離アミン(I−6)を3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒドと反応させて最終化合物(I−7)を得た。
【0088】
スキームII
【化8】

【0089】
試薬および条件:
(a)HCO2NH4、NaCNBH3、MeOH、25℃;(b)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド、DCM−EtOH(1:1)、Na2SO4、次いで、NaBH4、25℃;(c)ジオキサン中4N HCl、MeOH、25℃;(d)8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン、EtOH、85℃。
【0090】
Becker, D.P.; Flynn, D.L.; Tetrahedron, 1993, 49, 23, 5049に従って、5−オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(II−1)を製造した。該ケトンをギ酸アンモニウムで還元アミノ化して、遊離アミン(II−2)を形成し、次いで、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒドと第2の還元アミノ化を介して反応させて、II−3を得た。Boc基を除去し、次いで、スキームIに記載したようにビニルナフチリジンにMichael付加して最終化合物(II−5)を得た。
【0091】
スキームIII
【化9】

【0092】
試薬および条件:
(a)[(メチルオキシ)メチル](フェニルメチル)[(トリメチルシリル)メチル]アミン、DCM、TFA;(b)H2(50psi)、10%Pd−C、EtOH;(c)LAH、THF、0〜25℃;(d)8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン、EtOH、85℃;(e)H2(50psi)、30%Pd(OH)2(湿)、EtOH;(f)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド、DCM、Na2SO4、次いで、NaBH(OAc)3、25℃。
【0093】
1−(フェニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオンへのアゾメチンイリド付加環化によりスクシンイミド(III−2)を得た。水素化分解および続くカルボニル還元を介してスクシンイミドのベンジル基を選択的に除去して遊離アミン(III−4)を得た。該アミンの8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンへのMichael付加により付加化合物(III−5)を得た。完全な水素化分解により残りの第2アミンを遊離し、次いで、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒドでの還元アミノ化により最終化合物(III−7)を得た。
【0094】
スキームIV
【化10】

【0095】
試薬および条件:
(a)[(メチルオキシ)メチル](フェニルメチル)[(トリメチルシリル)メチル]アミン、DCM、TFA;(b)LAH、THF、0℃;(c)H2(50psi)、30%Pd(OH)2(湿)、EtOH;(d)8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン、EtOH、85℃;(e)フタルイミド、DEAD、PPh3、THF、70℃;(f)NH2NH2、EtOH、還流;(g)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド、DCM−EtOH(1:1)、Na2SO4、次いで、NaBH4、25℃。
【0096】
1−シクロペンテン−1−カルボン酸メチル(IV−1)へのアゾメチンイリド付加環化により、2−(フェニルメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−カルボン酸メチル(IV−2)を得た。該エーテルをアルコールに還元し、水素化分解によりベンジル基を除去して遊離アミン(IV−4)を得た。次いで、8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンへのMichael付加により付加化合物(IV−5)を得た。標準的なMitsunobu条件を使用して、ヒドロキシル基をフタルイミドと置き換え、ヒドラジンを使用して第1アミン(IV−7)を脱保護した。標準的な還元アミノ化条件下にて該アミンを3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒドと反応させて最終化合物(IV−8)を得た。
【0097】
概要
プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを400MHzで記録し、内部溶媒標準CHCl3またはMeOHから低磁場側への化学シフトを百万分率(δ)で記録する。NMRデータについての略語は以下のとおりである:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線、app=みかけ、br=幅広。Jは、ヘルツで測定したNMR結合定数を示す。CDCl3は、ジュウテリオクロロホルムであり、CD3ODは、テトラジュウテリオメタノールである。質量スペクトルは、エレクトロスプレー(ES)イオン化法を用いて得た。全ての温度は、摂氏温度で記録する。薄層クロマトグラフィーには、E.Merck Silica Gel 60 F−254薄層プレートを使用した。フラッシュクロマトグラフィーは、E.Merck Kieselgel 60(230〜400メッシュ)シリカゲルにて行った。分析HPLCは、Beckmanクロマトグラフィーシステムにて行った。分取HPLCは、Gilsonクロマトグラフィーシステムを使用して行った。ODSとは、オクタデシルシリル誘導体化シリカゲルクロマトグラフィー担体をいう。YMC ODS−AQ(登録商標)は、ODSクロマトグラフィー担体であり、日本国京都の株式会社ワイエムシィの登録商標である。PRP−1(登録商標)は、高分子(スチレン−ジビニルベンゼン)クロマトグラフィー担体であり、ネバダ州レノのHamilton Co.の登録商標である。Celite(登録商標)は、酸洗浄した珪藻土シリカからなる濾過助剤であり、コロラド州デンバーのManville Corp.の登録商標である。
【0098】
以下に記載の化合物は全て、ラセミ混合物として形成され、示されている立体化学は、単に相対的なものである(ジアステレオマー関係を定義する)。
【0099】
製造例1
【化11】

8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンの製造
【0100】
(a)(2−[(6−メトキシピリジン−3−イルアミノ)メチレン]マロン酸ジエチルエステル
5−アミノ−2−メトキシピリジン(Aldrich、100g、0.806モル)およびエトキシメチレンマロン酸ジエチル(Aldrich、163mL、0.806モル)のEtOH(1L)中溶液を還流させながら4時間加熱し、次いで、室温に冷却した。濃縮乾固して標記化合物(238g、定量的)を得た。
【0101】
(b)6−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル
蒸留ヘッドおよび還流冷却器を装着した2Lの三つ口フラスコ中でDowtherm A(Fluka、500mL)を沸騰させた(250℃)。2−[(6−メトキシピリジン−3−イルアミノ)メチレン]マロン酸ジエチルエステル(100g、0.34モル)を5分間にわたって滴下した。該溶液を還流させながらさらに15分間加熱し、いくらかの溶媒を留去した。得られた溶液を25℃に冷却し、ヘキサン(750mL)で希釈した。該混合物を氷中にて1時間冷却し、次いで、茶色の固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥させて、標記化合物(61.72g、73%)を得た。
【0102】
(c)4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル
アルゴン下での6−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル(74.57g、300ミリモル)の乾燥DMF(260mL)中懸濁液を水浴中にて強く撹拌した(ほぼ室温に維持する − 大規模では軽い氷冷を必要としてもよい)。三臭化リン(30.0mL、316ミリモル)を15分間にわたって滴下し、撹拌をさらに30分間続けた。水(1L)を添加し、次いで、炭酸ナトリウム飽和溶液を添加してpH7にした。固体を吸引濾過により回収し、水で洗浄し、五酸化リンで真空乾燥させて、標記化合物(83.56g、90%)を得た。
【0103】
(d)4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸
4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル(83.56g、268ミリモル)のTHF(835mL)中撹拌溶液に2N NaOH(300mL、600ミリモル)を30分間にわたって滴下した。撹拌を一夜続け、その時点で、LC/MSは、鹸化が完了したことを示した。2N HClを添加してpH6にし、THFを真空除去した。2N HClを添加してpH2にし、次いで、水(250mL)を添加し、該混合物を氷中にて十分に冷却した。固体を吸引濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥させて(最初に、ロータリーエバポレーターを50℃で使用し、次いで、高真空下にて50℃で一夜使用した)、標記化合物(76.7g、定量的をわずかに超えた)を得た。この物質をそれ以上精製せずに使用した。
【0104】
(e)4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−イルアミン
4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸(50g、177ミリモル)の乾燥DMF(600mL)中懸濁液をトリエチルアミン(222.5mL、1.60モル)、tert−ブタノール(265mL、2.77モル)およびジフェニルホスホリルアジド(41.75mL、194ミリモル)で処理した。該反応物をアルゴン下にて100℃で1時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、低容量に濃縮した。酢酸エチルおよび過剰量の炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、該混合物を振盪し、いくらかの不溶性固体を濾過した。層を分取し、有機相を水(2×)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。濃縮乾固して、不純物を含む4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−イルアミン(少量の生成物)および(4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−イルアミン)カルバミン酸tert−ブチルエステル(多量の生成物)の粗混合物を得た。
【0105】
それ以上精製せずに、この混合物をCH2Cl2(150mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(100mL)で処理した。該反応物を3時間撹拌し、次いで、濃縮乾固した。残留物をCHCl3と炭酸水素ナトリウム飽和溶液との間で分配させ、層を分取した。水性相をCHCl3で抽出し、合わせた有機フラクションを乾燥させ(MgSO4)、低容量に濃縮した。固体を吸引濾過により回収し、少量のCHCl3で洗浄し、真空乾燥させて、標記化合物の一回目の生成物(31.14g)を得た。濾液をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー処理(CHCl3中30%EtOAc)により精製してさらなる物質を得た(2.93g、合計=34.07g、76%)。別法として、濾液を室温で一夜放置し、次いで、濾過して標記化合物の二回目の生成物(2.5g)を得た。
【0106】
(f)テトラフルオロホウ酸4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−ジアゾニウム
4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−イルアミン(25.2g、99.2ミリモル)の乾燥THF(400mL)中溶液を−5℃に維持しながら、テトラフルオロホウ酸ニトロソニウム(12.9g、110ミリモル)を30分間にわたって滴下した(約2gずつ)。該反応を−5℃でさらに1時間続け、その時点で、TLC*およびLC/MSは、反応が完了したことを示した。橙色の固体を吸引濾過により回収し、氷冷THFで洗浄し、真空乾燥させて標記化合物(31.42g、90%)を得た。
【0107】
(g)4−ブロモ−3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン
2Lのフラスコ*中のテトラフルオロホウ酸4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−ジアゾニウム(31.42g、89.0ミリモル)のデカリン(異性体混合物、500mL)中懸濁液を180℃に加熱し、この温度で5分間保持した。該混合物を冷却し、CHCl3(500mL、生成物を溶液中に保持するように)で希釈し、得られた混合物を30分間強く撹拌して、黒色固体の副生成物を分解した。次いで、該混合物をシリカゲルカラムに注ぎ、該カラムをCHCl3で溶離してデカリンを除去し、次いで、3%EtOAc/CHCl3で溶離して標記化合物(9.16g、40%)を得た。
【0108】
(h)8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
8−ブロモ−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(2.0g、7.81ミリモル)、炭酸カリウム(1.08g、7.81ミリモル)、テトラキス−トリフェニルホスフィン(90mg、0.08ミリモル)のDME(60mL)およびH2O(20mL)中溶液に2,4,6−トリビニルシクロボラン−ピリジン錯体(0.94g、3.91ミリモル)を添加した。85℃で10時間撹拌した後、反応内容物を濃縮し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理(ヘキサン/EtOAc、4:1)により精製して、低融点固体(1.43g、90%)を得た。
【0109】
製造例2
【化12】

3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒドの製造
【0110】
(a)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸メチル
2−メルカプト酢酸エチル(1.473mL)のDMF(48mL)中溶液を氷冷し、水素化ナトリウム(油中60%分散体540mg)で処理した。1時間後、6−アミノ−5−ブロモピリジン−2−カルボン酸メチル(3g)(T.R. Kelly and F. Lang, J. Org. Chem. 61, 1996, 4623-4633)を添加し、該混合物を室温で16時間撹拌した。該溶液をEtOAc(1L)で希釈し、水(3×300mL)で洗浄し、乾燥させ、約10mLに蒸発させた。該白色固体を濾過し、少量のEtOAcで洗浄して、エステル(0.95g)を得た;LC/MS(APCI-)m/z 223([M−H]-,100%)。
【0111】
(b)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸メチル(788mg)のジオキサン(120ml)/水(30mL)中溶液を0.5M NaOH溶液(8mL)で2時間にわたって滴下処理し、一夜撹拌した。約3mlに蒸発させた後、水(5mL)を添加し、2M HClを添加してpH4にした。沈殿した固体を濾過し、少量の水で洗浄し、真空乾燥させて、固体(636mg)を得た;LC/MS(APCI-)m/z 209([M−H]-,5%)、165([M−COOH]-,100%)。
【0112】
(c)6−ヒドロキシメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸(500mg)のトリエチルアミン(0.396mL)を含むTHF(24mL)中溶液を−10℃に冷却し、クロロギ酸イソブチル(0.339ml)を添加した。20分後、該懸濁液をキーゼルグール(kieselguhr)で濾過して水素化ホウ素ナトリウム(272mg)の水(8mL)中氷冷溶液中に加え、該混合物を30分間撹拌し、希HClでpHを7に下げた。溶媒を蒸発させ、残留物を水でトリチュレートした。生成物を濾過し、真空乾燥させて白色固体(346mg)を得た;LC/MS(APCI-)m/z 195([M−H]-,50%)、165(100%)。
【0113】
(d)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒド
6−ヒドロキシメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン(330mg)のジクロロメタン(30mL)/THF(30mL)中溶液を二酸化マンガン(730mg)で処理し、室温で撹拌した。さらなる二酸化マンガンを1時間後(730mg)および16時間後(300mg)に添加した。合計20時間後、該混合物をキーゼルグールで濾過し、濾液を蒸発させた。生成物をEtOAc/ヘキサン(1:1)でトリチュレートし、回収して、固体(180mg)を得た;LC/MS(APCI-)m/z 195([M−H]-,95%)、165(100%)。
【0114】
実施例1
(±)−6−{[((3aR,4R,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
【0115】
(a)2−(フェニルメチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン
【化13】

2−(フェニルメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4(1H)−オン(1.4g、6.5ミリモル)のDCM(2.5mL)中溶液にヒドロキシルアミン・塩酸塩(679mg、9.8ミリモル)、MeOH(25mL)および10%NaOH(3.8mL、6.5ミリモル、H2O中10%)を添加した。50℃で0.5時間加熱した後、得られた溶液を冷却し、濃縮し、DCMとH2Oとの間で分配させた。水性相をDCMで数回抽出した。有機フラクションを合わせ、濃縮して、茶色の油状物を得た。該油状物をTHF(2mL)に溶解し、LAH(0.93mL、THF中1M)のTHF(3mL)中溶液を滴下した。0.5時間還流させた後、該反応混合物を0℃に冷却し、次いで、酒石酸カリウムナトリウムの飽和溶液の滴下によりクエンチした。水性相をDCMで数回抽出し、合わせた有機フラクションを乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、クロロホルム(1%NH4OH)中0〜10%MeOH)を使用して、該ジアステレオマーを分取して、白色泡沫体として(3aR,4R,6aS)−2−(フェニルメチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン(616mg、47%)および(3aR,4S,6aS)−2−(フェニルメチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン(178mg、17%)の両方を得た:LCMS(ES)m/e 217 (M+H)+
【0116】
(b)[(3aR,4R,6aS)−2−(フェニルメチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化14】

25℃での(4R)−2−(フェニルメチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン(616mg、2.85ミリモル)のTHF(30mL)中溶液にジ炭酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(746mg、3.42ミリモル)を添加した。2時間後、該溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中2%MeOH)によって精製して、オフホワイト色の固体として標記化合物(700mg、78%)を得た:LC/MS(ES)m/e 317 (M+H)+
【0117】
(c)(3aR,4R,6aS)−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イルカルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化15】

[(3aR,4R,6aS)−2−(フェニルメチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(700mg、2.22ミリモル)のEtOH(22mL)中溶液にPd(OH)2(280mg、30wt%)を添加した。該懸濁液を、Parr振盪器を使用して50psiで水素添加した。5時間後、該混合物をCeliteで濾過し、MeOHで数回洗浄した。該濾液を濃縮して、白色固体として標記化合物(330mg、66%)を得、これをそれ以上精製せずに使用した;LC/MS(ES)m/e 227 (M+H)+
【0118】
(d)((3aR,4R,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化16】

EtOH(3mL)中の8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(248mg、1.22ミリモル)および(3aR,4R,6aS)−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イルカルバミン酸1,1−ジメチルエチル(275mg、1.22ミリモル)を85℃に加熱した。12時間後、該溶液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中1%MeOH)により精製して、黄色泡沫体として標記化合物(418mg、80%)を得た:LC/MS(ES)m/e 431 (M+H)+
【0119】
(e)(3aR,4R,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン
【化17】

25℃での((3aR,4R,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(418mg、0.972ミリモル)のMeOH(10mL)中溶液にHCl溶液(2mL、8.0ミリモル、ジオキサン中4M HCl)を滴下した。12時間後、該溶液を濃縮して、橙色の残留物を得、これをDCMに溶解し、DIPEA(0.5mL)で処理した。該溶液を濃縮し、シリカパッド(DCM(1%NH4OH)中5%MeOH)を介して洗浄して、橙色の油状物として標記化合物(300mg、94%)を得た:LC/MS(ES)m/e 320 (M+H)+
【0120】
(f)(±)−6−{[((3aR,4R,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
【化18】

(3aR,4R,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン(150mg、0.455ミリモル)のDCM:EtOH(5mL、1:1)中溶液にNa2SO4(97mg、0.68ミリモル)および3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド(89mg、0.455ミリモル)を添加した。25℃で12時間後、NaBH4(34mg、0.88ミリモル)を添加した。さらに1時間後、該反応物を濃縮し、残留物をDCM−H2O間で分配させた。水性相をDCMで数回抽出し、合わせた有機フラクションをMgSO4で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中0〜1%MeOH)により精製して、オフホワイト色の固体として標記化合物(104mg、49%)を得た:LC/MS(ES)m/e 509 (M+H)+1H NMR(CD3OD,400Hz)δ 8.65(s,1H)、8.21(d,J=9.0Hz、1H)、7.70(d,J=7.8Hz,1H)、7.19(d,J=9.0Hz,1H)、7.03(d,J=7.8Hz,1H)、4.11(s,3H)、3.79(s,2H)、3.52(s,2H)、3.47−3.49(m,2H)、3.22−3.29(m,1H)、3.09−3.17(m,1H)、2.91−2.97(m,3H)、2.72−2.83(m,2H)、2.46−2.50(m,1H)、2.13−2.17(m,1H)、1.81−1.85(m,1H)、1.67−1.73(m,1H)、1.5−1.58(m,2H)。
この物質をMeOH中の溶液として過剰量のジオキサン中4M HClで処理し、蒸発乾固させて、黄色固体として標記化合物の二塩酸塩を得た。
【0121】
実施例2
(±)−6−{[((3aR,4S,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
【化19】

(3aR,4R,6aS)−2−(フェニルメチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミンの代わりに(3aR,4S,6aS)−2−(フェニルメチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン(120mg、0.377ミリモル)を使用した以外は実施例1に従って標記化合物(35mg、18%)を製造した:LC/MS(ES)m/e 509 (M+H)+1H NMR(CD3OD,400MHz)δ 8.64(s,1H)、8.22(d,J=9.0Hz,1H)、7.71(d,J=7.8Hz,1H)、7.19(d,J=9.0Hz,1H)、7.04(d,J=7.8Hz,1H)、4.12(s,3H)、3.83(s,2H)、3.51(s,2H)、3.46−3.50(m,2H)、3.24−3.27(m,2H)、2.84−2.91(m,2H)、2.62−2.77(m,3H)、2.56−2.59(m,1H)、2.41−2.49(m,1H)、1.92−2.02(m,2H)、1.48−1.55(m,1H)、1.31−1.42(m,1H)。
この物質をMeOH中溶液として過剰量のジオキサン中4M HClで処理し、蒸発乾固させて、標記化合物の二塩酸塩を得た。
【0122】
実施例3
6−{[((3aR,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
【0123】
(a)(3aR,6aS)−5−アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル
【化20】

5−オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(145mg、0.644ミリモル)のMeOH(4mL)中溶液にギ酸アンモニウム(508mg、8.05ミリモル)を添加した。25℃で15分後、該溶液をNaCNBH3(202mg、3.2ミリモル)で処理した。さらに12時間後、得られた溶液を濃縮し、DCMと1N NaOHとの間で分配させた。水性相をDCMで数回抽出し、合わせた有機フラクションを濃縮し、カラム精製(シリカ、DCM(1%NH4OH)中1〜5%MeOH)により精製して、茶色の油状物として標記化合物(110mg、76%)を得た:LC/MS(ES)m/e 227 (M+H)+
【0124】
(b)(3aR,6aS)−5−{[(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル)メチル]アミノ}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル
【化21】

(3aR,6aS)−5−アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(120mg、0.359ミリモル)、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド(59mg、0.359ミリモル)およびNa2SO4(60mg、0.431ミリモル)のDCM−EtOH(4mL、1:1)中溶液を25℃で12時間にわたって撹拌した。NaBH4(24mg、0.431ミリモル)を添加し、該溶液をさらに2時間撹拌し、濃縮し、H2O−DCM間で分配させた。水性相をDCMで数回洗浄し、合わせた有機フラクションを乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理により精製して、オフホワイト色の固体として標記化合物(92mg、46%)を得た:LC/MS(ES)m/e 405 (M+H)+
【0125】
(c)6−{[(3aR,5r,6aS)−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
【化22】

25℃での(3aR,6aS)−5−{[(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル)メチル]アミノ}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(92mg、0.228ミリモル)のMeOH(3mL)中溶液にジオキサン中HCl(0.29mL、1.14ミリモル、ジオキサン中4M HCl)を滴下した。12時間後、該溶液を濃縮し、残留物をDCMに溶解し、DIPEA(0.5mL)で中和した。該混合物を濃縮し、シリカ(DCM(1%NH4OH)中5%MeOH)を介して洗浄して、橙色の油状物として標記化合物(70mg、定量的)を得た:LC/MS(ES)m/e 305 (M+H)+
【0126】
(d)6−{[((3aR,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
【化23】

EtOH(0.1mL)中の8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(50mg、0.231ミリモル)および6−{[(3aR,6aS)−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン(70mg、0.231ミリモル)を85℃で12時間撹拌した。次いで、該溶液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中1%MeOH)により精製して、標記化合物(25mg、21%)を得た:LC/MS(ES)m/e 509 (M+H)+1H NMR(CD3OD,400MHz)δ 8.52(s,1H)、8.08(d,J=9.1Hz,1H)、7.54(d,J=7.8Hz,1H)、7.05(d,J=9.1Hz,1H)、6.89(d,J=7.8Hz,1H)、3.98(s,3H)、3.62(s,2H)、3.37(s,2H)、3.28−3.32(m,2H)、2.89−2.94(m,1H)、2.73−2.76(m,2H)、2.66−2.68(m,2H)、2.40−2.52(m,4H)、2.05−2.10(m,2H)、1.18−1.26(m,2H)。
この物質をMeOH中溶液として過剰量のジオキサン中4M HClで処理し、蒸発乾固させて、標記化合物の二塩酸塩を得た。
【0127】
実施例4
(±)−6−{[(3aR,6aS)−5−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
【0128】
(a)2,5−ビス(フェニルメチル)テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,3(2H,3aH)−ジオン
【化24】

0℃での[(メチルオキシ)メチル](フェニルメチル)[(トリメチルシリル)メチル]アミン(1.27g、5.34ミリモル)および1−(フェニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(0.5g、2.67ミリモル)のDCM(13mL)中溶液にTFA(21μL、0.267ミリモル)を添加した。該溶液を3時間にわたって25℃に加温し、飽和NaHCO3とDCMとの間で分配させた。水性相をDCMで数回抽出した。合わせた有機フラクションを乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、クロロホルム中0.5%MeOH)により精製して、オフホワイト色の固体として標記化合物(600mg、70%)を得た:LC−MS m/z 321 (M+H)+
【0129】
(b)5−(フェニルメチル)テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,3(2H,3aH)−ジオン
【化25】

2,5−ビス(フェニルメチル)テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,3(2H,3aH)−ジオン(730mg、2.28ミリモル)のEtOH(22mL)中溶液に10%Pd/C(220mg、30wt%)を添加した。25℃で水素バルーンを使用して該懸濁液を水素添加した。12時間後、該混合物を濾過し、MeOHで数回洗浄した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中2%MeOH)により精製して、オフホワイト色の固体として標記化合物(367mg、70%)を得た:LC/MS(ES)m/e 231 (M+H)+
【0130】
(c)2−(フェニルメチル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール
【化26】

0℃での5−(フェニルメチル)テトラヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,3(2H,3aH)−ジオン(367mg、1.59ミリモル)のTHF(16mL)中溶液にLAHの溶液(7.2mL、7.2ミリモル、THF中1M)を滴下した。該反応物を25℃に加温し、さらに1時間40℃に加熱した。0℃に冷却した後、酒石酸カリウムナトリウムの飽和溶液の滴下により該反応物をクエンチした。水性相をDCMで数回抽出し、合わせた有機フラクションをNa2SO4で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中10%MeOH)により精製して、黄色油状物として標記化合物(212mg、66%)を得た:LCMS(ES)m/e 203 (M+H)+
【0131】
(d)7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−{2−[(3aR,6aS)−5−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]エチル}−1,5−ナフチリジン
【化27】

8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(214mg、1.05ミリモル)および2−(フェニルメチル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール(212mg、1.05ミリモル)のEtOH(1mL)中溶液を80℃で12時間加熱した。該溶液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中1%MeOH)により精製して、黄色泡沫体として標記化合物(260mg、61%)を得た:LC/MS(ES)m/e 407 (M+H)+
【0132】
(e)7−フルオロ−8−{2−[(3aR,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]エチル}−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
【化28】

7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−8−{2−[(3aR,6aS)−5−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]エチル}−1,5−ナフチリジン(260mg、0.64ミリモル)のEtOH(6mL)中溶液にPd(OH)2(78mg、30wt%)を添加した。該懸濁液を、Parr振盪器を使用して50psiで水素添加した。12時間後、該混合物をCelite(登録商標)で濾過し、MeOHで数回洗浄した。濾液を濃縮して、黄色油状物として標記化合物(172mg、85%)を得、これをそれ以上精製せずに使用した:LC/MS(ES)m/e 317 (M+H)+
【0133】
(f)(±)−6−{[(3aR,6aS)−5−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
【化29】

25℃での7−フルオロ−8−{2−[(3aR,6aS)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]エチル}−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(177mg、0.56ミリモル)のDCM(6mL)中溶液に3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド(109mg、0.56ミリモル)を添加し、次いで、NaBH(OAc)3(178mg、0.84ミリモル)を添加した。1時間後、該反応物を濃縮し、残留物をDCMとNaHCO3の飽和水溶液との間で分配させた。水性相をDCMで数回抽出し、合わせた有機フラクションをMgSO4で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中0〜1.5%MeOH)により精製して、黄色固体として標記化合物(178mg、64%)を得た:LC/MS(ES)m/e 495 (M+H)+1H NMR(CD3OD,400Hz)δ 8.67(s,1H)、8.23(d,J=9.0Hz,1H)、7.70(d,J=7.8Hz,1H)、7.20(d,J=9.0Hz,1H)、7.07(d,J=7.8Hz,1H)、4.13(s,3H)、3.62(s,2H)、3.53(s,2H)、3.47−3.49(m,2H)、2.76−2.90(m,8H)、2.54−2.57(m,2H)、2.39−2.41(m,2H)。
この物質をMeOH中溶液として過剰量のジオキサン中4M HClで処理し、蒸発乾固させて、黄色固体として標記化合物の二塩酸塩を得た。
【0134】
実施例5
(±)−6−[({[(3aS,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メチル}アミノ)メチル]−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
【0135】
(a)(3aR)−2−(フェニルメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−カルボン酸メチル
【化30】

1−(フェニルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオンの代わりに1−シクロペンテン−1−カルボン酸メチル(500mg、3.96ミリモル)を使用した以外は実施例4に従って無色の固体として標記化合物(620mg、60%)を製造した:LC−MS m/z 260 (M+H)+
【0136】
(b)[(3aR)−2−(フェニルメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メタノール
【化31】

0℃での(3aR)−2−(フェニルメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−カルボン酸メチル(620mg、2.39ミリモル)のTHF(24mL)中溶液にLAHの溶液(5.2mL、5.2ミリモル、THF中1M)を滴下した。0℃で0.5時間後、酒石酸カリウムナトリウムの飽和溶液の滴下により該混合物をクエンチした。水性相をDCMで数回抽出し、合わせた有機フラクションをNa2SO4で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中5%MeOH)により精製して、黄色油状物として標記化合物(500mg、90%)を得た:LCMS(ES)m/e 231 (M+H)+
【0137】
(c)[(3aR,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メタノール
【化32】

8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(475mg、2.33ミリモル)および[(3aR)−2−(フェニルメチル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メタノール(328mg、2.33ミリモル)のEtOH(1mL)中溶液を85℃に加熱した。12時間後、該溶液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中1%MeOH)により精製して透明な油状物として標記化合物(530mg、93%)を得た:LC/MS(ES)m/e 246 (M+H)+
【0138】
(d)2−{[(3aR,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
【化33】

25℃での[(3aR,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メタノール(280mg、0.81ミリモル)およびDEAD(0.14mL、0.89ミリモル)のTHF(2mL)中溶液をフタルイミド(119mg、0.81ミリモル)およびPPh3(213mg、0.81ミリモル)のTHF−ジオキサン(3mL、2:1)中溶液で処理した。70℃で12時間後、該溶液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中0.5%MeOH)により精製して黄色泡沫体として標記化合物(384mg、定量的)を得た:LC/MS(ES)m/e 475 (M+H)+
【0139】
(e){[(3aS,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メチル}アミン
【化34】

2−{[(3aR,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メチル}−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(385mg、0.812ミリモル)のEtOH(41mL)中溶液にNH2NH2・水和物(0.379mL、12.2ミリモル)を添加した。還流させながら2時間撹拌した後、該溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中3%MeOH)により精製して、標記化合物(160mg、57%)を得た:LC/MS(ES)m/e 345 (M+H)+
【0140】
(f)(±)−6−[({[(3aS,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メチル}アミノ)メチル]−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
【化35】

{[(3aS,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メチル}アミン(160mg、0.465ミリモル)のDCM/EtOH(7.5mL、2:1)中溶液にNa2SO4(99mg、0.698ミリモル)および3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド(91mg、0.47ミリモル)を添加した。25℃で12時間後、NaBH4(26mg、0.69ミリモル)を添加した。さらに1時間後、反応物を濃縮し、残留物をDCMとH2Oとの間で分配させた。水性相をDCMで数回抽出し、合わせた有機フラクションをMgSO4で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、DCM(1%NH4OH)中0.5〜1%MeOH)により精製して、黄色固体として標記化合物(130mg、54%)を得た:LC/MS(ES)m/e 522 (M+H)+1H NMR(CD3OD,400Hz)δ 8.63(s,1H)、8.19(d,J=9.0Hz,1H)、7.67(d,J=7.8Hz,1H)、7.17(d,J=9.0Hz,1H)、6.99(d,J=7.8Hz,1H)、4.11(s,3H)、3.76(s,2H)、3.52(s,2H)、3.41−3.45(m,2H)、2.99−23.08(m,2H)、2.69−2.85(m,2H)、2.64(d,J=11.2Hz,1H)、2.54(d,J=11.3Hz,1H)、2.25−2.28(m,1H)、2.17−2.19(m,2H)、1.57−1.73(m,5H)、1.45−1.49(m,1H)。
この物質をMeOH中溶液として過剰量のジオキサン中4M HClで処理し、蒸発乾固させて、黄色固体として標記化合物の二塩酸塩を得た。
【0141】
【表1】

【0142】
実施例6
抗微生物活性アッセイ
米国臨床研究所規格委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards)(NCCLS)推奨法、Document M7-A6, “Methods for Dilution Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically”を使用して液体微量希釈により全細胞抗微生物活性を測定した。化合物を0.016〜16mcg/mLの範囲の段階倍数希釈にて試験した。
【0143】
化合物をスタヒロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)およびエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)を含むグラム陽性生物のパネルに対して評価した。
【0144】
加えて、化合物をヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス・エルジノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、エンテバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)およびステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)を含むグラム陰性株のパネルに対して評価した。
【0145】
可視増殖を阻害する化合物の最低濃度として最小阻止濃度(MIC)を測定した。MICエンドポイントの測定を補助するためにミラーリーダーを使用した。
【0146】
当業者は、20mg/mL未満のMICを有するいずれの化合物も潜在的なリード化合物であると考えるであろう。例えば、本願において同定された上記実施例(1〜5)は各々、上記生物の少なくとも1つに対してMIC≦20mg/mlを有した。
【0147】
本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、権利は例示した実施態様および特許請求の範囲中になる全ての修飾に留保されるものであると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
1、Z3およびZ4は、独立して、NまたはCR1aであり;
2、Z5およびZ6は、各々、CR1aであり;
1およびR1aは、各場合において独立して、水素;シアノ;ハロゲン;ヒドロキシ;非置換であるか、または(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ピペリジル、グアニジノまたはアミジノ(いずれも非置換であるか、または1または2個の(C1-6)アルキル、アシル、(C1-6)アルキルスルホニル、CONH2、ヒドロキシ、(C1-6)アルキルチオ、ヘテロサイクリルチオ、ヘテロサイクリルオキシ、アリールチオ、アリールオキシ、アシルチオ、アシルオキシまたは(C1-6)アルキルスルホニルオキシによってN置換されている)によって置換されている(C1-6)アルコキシ;(C1-6)アルキル;(C1-6)アルキルチオ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ニトロ;アジド;アシル;アシルオキシ;アシルチオ;(C1-6)アルキルスルホニル;(C1-6)アルキルスルホキシド;アリールスルホニル;アリールスルホキシド;または非置換であるか、または1または2個の(C1-6)アルキル、アシルまたは(C1-6)アルキルスルホニル基によってN置換されているアミノ、ピペリジル、グアニジノまたはアミジノ基であるか;またはR1およびZ2のR1aは一緒になってエチレンジオキシを形成し;
ABは、NR1b(C=O);NR1b;C(=O)CR23;またはCR23CR45であり;
1bおよびR1b'は、各場合において独立して、水素、トリフルオロメチル;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アリール;アラルキル;(C3-8)シクロアルキル;ヘテロアリール;ヘテロアラルキル;またはヘテロサイクリルであり;
2、R3、R4、R5およびR6は、各場合において独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニルであり(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニルまたはアラルキルによって置換されていてもよい);
1cおよびR1c'は、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリルであるか;またはそれらが結合している窒素と一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはヘキサメチレンイミン環(ここで、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはヘキサメチレンイミン環は、ハロゲン、ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;(C1-6)アルキル;およびアリールから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい)を形成し;
n、n'およびn”は、各場合において独立して、0〜2の整数であり;
1およびW2は、各々、CR67であり;
7は、各場合において独立して、水素、(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;
3およびW4は、各々、CR8であり;
8は、各場合において独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニル(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル;アラルキルによって置換されていてもよい);またはR9であり;
9は、UR1dであり;
Uは、(CH2)nNR1b(CH2)n';(CH2)nNR1bS(O)n'(CH2)n”;(CH2)nNR1b(C=O)(CH2)n';(CH2)nNR1bC(=O)NR1b'(CH2)n';(CH2)nNR1b(CO2)(CH2)n';(CH2)nS(CH2)n';または(CH2)nO(CH2)n'であり;
5、W6およびW7は、独立して、CR1011またはNR12であり;
10は、各場合において独立して、水素;アシルオキシ;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニル(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル;またはアラルキルによって置換されていてもよい)であり;
11は、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;ヘテロアリール;またはR9であり;
12は、各場合において独立して、水素、トリフルオロメチル;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アリール;アラルキル;(C3-8)シクロアルキル;ヘテロアリール;ヘテロアラルキル;ヘテロサイクリル;またはR13であり;
13は、U'R1dであり;
U'は、(CH2)nまたは(C=O)(CR23)nであり;
1dは、環(a)および(b)の少なくとも1つが芳香族である、各環が4個までのヘテロ原子を含有する置換または非置換二環式炭素環系または複素環系(A):
【化2】

であり;
1は、芳香環の一部である場合には、CまたはNであり、非芳香環の一部である場合には、CR14であり;
2は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、N、NR15、O、S(O)n、COまたはCR14であり、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1617であってもよく;
3およびX5は、独立して、NまたはCであり;
1は、0〜4原子リンカー基であり、その各原子は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、独立して、N、NR15、O、S(O)n、COおよびCR14から選択され、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1617であってもよく;
2は、2〜6原子リンカー基であり、Y2の各原子は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、独立して、N、NR15、O、S(O)n、COおよびCR14から選択され、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1617であってもよく;
14、R16およびR17は、各場合において独立して、H;(C1-4)アルキルチオ;ハロ;(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1-4)アルキル;メルカプト(C1-4)アルキル;(C1-4)アルコキシ;トリフルオロメトキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;非置換であるか、または(C1-4)アルキルによって置換されているアミノまたはアミノカルボニルから選択され;
15は、各場合において独立して、水素;トリフルオロメチル;非置換であるか、またはヒドロキシ、カルボキシ、(C1-4)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルによって置換されている(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;またはアミノカルボニルである(ここで、アミノ基は、(C1-4)アルキルで置換されていてもよい)]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物(ただし、式(I)で示される化合物は、1つのR9またはR13置換基を含む)。
【請求項2】
1およびZ4がNであり;
3がCR1aである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1がOCH3である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
ABがCR23CR45である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
2、R3、R4およびR5が、各々、水素である、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;
7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;
8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;
5およびW7が、各々、CR1011であり;
10が、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;
11が、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;
6がNR12であり;
12がR13である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;
7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;
3のR8が、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニル(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル;またはアラルキルによって置換されていてもよい)であり;
4のR8がR9であり;
5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;
11が、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;
7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;
8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;
5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;
10が、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;
5およびW7のR11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;
6のR11がR9である、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;
7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;
8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;
5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;
10が、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;
5およびW6のR11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;
7のR11がR9である、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
1d
4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;
7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;
5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;
7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または
8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
である、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
1およびZ4がNであり;
3がCR1aであり;
1がOCH3であり;
1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;
ABがCH2CH2であり;
6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;
7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;
8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;
5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;
10が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;
5およびW6のR11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;
7のR11がR9である、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
Uが(CH2)nNR1b(CH2)n'であり;
1bが、水素または(C1-6)アルキルであり;
1dが、4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;
7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;
5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;
7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または
8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
1およびZ4がNであり;
3がCR1aであり;
1がOCH3であり;
1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;
ABがCH2CH2であり;
6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;
7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;
8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;
5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;
10が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;
5およびW7のR11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;
6のR11がR9である、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
Uが(CH2)nNR1b(CH2)n'であり;
1bが、水素または(C1-6)アルキルであり;
1dが、4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;
7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;
5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;
7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または
8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
である、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
1およびZ4がNであり;
3がCR1aであり;
1がOCH3であり;
1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;
ABがCH2CH2であり;
6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;
7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;
3のR8が、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;
4のR8がR9であり;
5、W6およびW7が、各々、CR1011であり;
10が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンであり;
11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
Uが(CH2)nNR1b(CH2)n'であり;
1bが、水素または(C1-6)アルキルであり;
1dが、4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;
7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;
5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;
7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または
8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
である、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
1およびZ4がNであり;
3がCR1aであり;
1がOCH3であり;
1aが、各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノであり;
ABがCH2CH2であり;
6が、各場合において独立して、水素;ヒドロキシ;ハロゲン;または(C1-6)アルキルであり;
7が、各場合において独立して、水素または(C1-6)アルキルであり;
8が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;ヒドロキシ;またはハロゲンであり;
5およびW7が、各々、CR1011であり;
10が、独立して、水素;ヒドロキシ;(C1-6)アルキル;アシルオキシ;またはハロゲンから選択され;
11が、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アリール;またはヘテロアリールであり;
6がNR12であり;
12がR13である、請求項1記載の化合物。
【請求項19】
U'が(CH2)nであり;
1dが、4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;
4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;
7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;
5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;
7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または
8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
である、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
化合物が、
a)(±)−6−{[((3aR,4R,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;
b)(±)−6−{[((3aR,4S,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;
c)6−{[((3aR,6aS)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−5−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;
d)(±)−6−{[(3aR,6aS)−5−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;または
e)(±)−6−[({[(3aS,6aR)−2−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−3a(1H)−イル]メチル}アミノ)メチル]−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;または
その医薬上許容される塩もしくは溶媒和物
である、請求項1記載の化合物。
【請求項21】
請求項5記載の式(I)で示される化合物の製造方法であって、
(a)式(a)で示される化合物を式(b)で示される化合物と反応させて式(I)で示される化合物を得ること
を含む方法:
【化3】

[式中、Xは、CH=CH2またはAB(CH2)n−Lであり;
Lは、脱離基であり;
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、AB、R1、W1、W2、W3、W4、W5、W6、W7、n、n'およびn”は、請求項5における定義と同じである]。
【請求項22】
請求項5記載の式(I)で示される化合物の製造方法であって、
(a)式(a)で示される化合物を式(b')で示される化合物と反応させて化合物(c)を形成すること;
(b)(c)からP、P'またはP”を除去すること(ここで、P、P'またはP”は、水素ではない);
(c)式(c)で示される化合物を式(d)、(e)または(f)で示される化合物と反応させて請求項5記載の式(I)で示される化合物を得ること
を含む、方法:
【化4】

[式中、
Xは、CH=CH2またはAB(CH2)n−Lであり;
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、AB、n、n'、n”、R1b、R1c、R1c'、W1、W2、R1およびR10は、請求項5に記載したとおりであり;
Lは、各場合において独立して、脱離基であり;
3'およびW4'は、CR8'であり;
8'は、各場合において独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロアリールアルキル;ヘテロアリール;ヘテロサイクリル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニル(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニル;アラルキルによって置換されていてもよい);またはR9'であり;
9'は、(CH2)nNR1bP、SP'またはOP”であり;
Pは、水素または窒素保護基であり;
P'は、水素または硫黄保護基であり;
P”は、水素または酸素保護基であり;
5'、W6'およびW7'は、独立して、CR1011'またはNR12'であり;
11'は、水素、(C1-6)アルキル;アリール;ヘテロアリール;またはR9'であり;
12は、水素、トリフルオロメチル;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アリール;アラルキル;(C3-8)シクロアルキル;ヘテロアリール;ヘテロアラルキル;ヘテロサイクリル;またはR13'であり;
13'は、水素またはPであり;
U”は、(CH2)n;S(O)n(CH2)n';(O=C)O(CH2)n;または(O=C)(CR23)nである](ただし、式(c)で示される化合物は、1つのR9'またはR13'置換基を含む)。
【請求項23】
請求項1記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項24】
哺乳動物における細菌感染症の治療方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に請求項1記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2008−507543(P2008−507543A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522737(P2007−522737)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/025843
【国際公開番号】WO2006/012396
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】