説明

抗腫瘍活性を有する半合成タキサン誘導体

本発明は細胞毒性活性を有し、腫瘍の治療用に注射または経口経路で投与しうる一般式1の新規セコタキサン誘導体を開示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は細胞毒性活性を有する新規セコタキサン誘導体を開示する。
【0002】
(発明の背景)
タキサン骨格テルペン類、特にパクリタキセル、タキソテールおよびオルタタキセル(ortataxel)が広い抗腫瘍活性スペクトルを有することは既知である。しかし、これらの薬剤、特にタキソールの使用は経口バイオアベイラビリティの低さ、望ましくない副作用および急速な耐性の発生に主に起因するいくつかの欠点がある。これらの理由により、経口バイオアベイラビリティが改善され、副作用が減少し、耐性の出現を回避できる新規タキサン誘導体の開発には高い重要性がある。
【0003】
WO96/03394は、文献においてIDN5390、(A)として既知であり、有利な薬物動態学的および薬力学的プロフィールを特徴とするセコタキサンを開示している。
【0004】
【化1】

【0005】
前記分子は、細胞増殖周期中のチューブリン脱重合を阻害する能力に関連する細胞毒性作用を示す。近年の研究で、チューブリンIに対する前記分子の親和性およびその発現が耐性の発生に明らかに関連するチューブリンIIIに対する並外れた特異性が明らかとなっている。前記特徴はIDN5390に、医療行為において通常使用されているタキサン類をしのぐ治療上の利益を付与する。
【0006】
(発明の開示)
本発明は、有益な薬物動態学的および薬力学的特徴を有する一般式1のIDN5390の類似体、セコタキサン誘導体を開示する。
【0007】
一般式1
【0008】
【化2】

【0009】
式中、RおよびR1は、同じまたは異なっていてよく、水素、直鎖もしくは分枝のC1〜C6アルキル、メチルチオメチルまたはC1〜C6アシルであり、但し、Rが水素またはアシルである場合R1は水素またはアシルであってはならず、逆もまた同じであり;
2は水素、メトキシ、フッ素、塩素、臭素であり;
3は水素、またはR4と一緒になってカルボニルもしくはチオカルボニル基を形成し;
Xは水素、−OH、−NH2、−N3、−OR4、NHR4である。
【0010】
式1のタキサン類は、IDN5390から直接、または7位および9位ヒドロキシルへの官能性付与により式2の化合物から調製することができる。
【0011】
【化3】

【0012】
一方、式1の誘導体は式3の新規シントン
【0013】
【化4】

【0014】
(式中、R、R1、R2、R3およびR4は、前記定義のとおり)を13位で式4の酸の活性化誘導体でエステル化することにより調製できる。
【0015】
【化5】

【0016】
式3のシントンは、10−デアセチルバッカチン、14−β−ヒドロキシ−10−デアセチルバッカチンまたは式5の中間体から、WO96/03394において開示のとおりの還元的切断に続き式4の酸の活性化誘導体での13位のエステル化ならびにRおよびR1基の導入により容易に得ることができる。
【0017】
【化6】

【0018】
他方、式5のシントンはWO04/024706において開示のとおり10−デアセチルバッカチンを修飾することにより調製することができる。
【0019】
式4の酸はWO01/02407において記載のとおり得ることができる。
【0020】
以下の表に本発明のいくつかの化合物の細胞毒性データを示す。
【0021】
【表1】

【0022】

【0023】
本発明の誘導体が、耐性細胞に対して親化合物IDN5390よりも高い細胞毒性活性を有することは明らかである。さらに重要なことに、これらの誘導体は野生型細胞についての活性を保持していて耐性腫瘍の細胞についての効果が増大している。従って、交差耐性指数は著しく低下している。
【0024】
本発明の化合物は、既知の技術によって既知のタキサン類で使用されているのと同様または低い投与量において、非経口または経口投与用の慣用医薬製剤における配合に適している。
【0025】
実施例
一般的実験手順
IRスペクトルは、Shimadzu DR 8001分光光度計で記録した
MS(ESI)は、VG 7070 EQ分析計で行った
1H−および13C NMRスペクトルはBruker DRX−500(それぞれ500および125MHz)またはBruker DRX−300(300MHz)で記録した。溶媒シグナル(CHCl3/CDCl3、7.27/76.9ppm)を内部標準として使用した
シリカゲル60(70−230メッシュ、Merck)をオープンクロマトグラフィーカラム(CC)に使用した
CH2Cl2およびトリエチルアミンはCaH2から蒸留することにより乾燥させた
有機相はNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発した。
【0026】
実施例1 13−(N−Boc−N,O−2’,4’−ジメトキシベンジリデン−β−イソブチルイソセリノイル)−9−O−メチル−C7,8−セコ−10−デアセチルバッカチンIII
WO96/03394において開示のとおりに調製した式2の誘導体100mg(0.10683mmol 分子量936.05)をMeOH/CH3CN=1:9混合液1mlに溶解する。この溶液に、Et2O中の2Mのトリメチルシリルジアゾメタン(TMSCHN2)6モル等量(0.6410mmol 320μl)を加える。反応は室温で行い、副生成物として9−メチル−C−セコDABのわずかな生成を伴って約7時間後に終了する(TLC-溶離液P.E./EtOAc=6:4にて監視;Rf出発物質=0.32;Rf生成物=0.22;Rf副生成物=0.02)。反応物をAcOEtで希釈し、2NのH2SO4で酸性化する。次いで、有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。
【0027】
粗生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(溶出液P.E./EtOAc=7:3、次いで6:4)にて精製し、それにより白色粉末、融点165℃を得る;IR νmax(KBr):3490、1746、1719、1654、1380、1318、1265、1246cm-11H NMR(300MHz,CDCl3,55℃):δ8.09(AA'−Bz)、7.61(C−Bz)、7.43(BB'−Bz)、6.14(br t,J=7.0Hz,H−13)、5.53(d,J=9.2Hz,H−2)、5.67(d,J=8.0Hz,H−5)、4.29(d,J=8.0Hz,NH)、4.26(br s,H−20a,b)、3.81(m,H−7a)、3.76(s,OMe)、3.67(m,H−7b)、1.91(s,OAc)、1.74(s,H−19)、1.29(s,BOC)。0.95(d,J=7.4Hz,H−16,H−19)。CI−MS 802(C4259NO14)+。
【0028】
実施例2 13−(N−Boc−β−イソブチル−イソセリノイル)−9−O−メチル−7−O−メチルチオメチル−C7,8−セコ−10−デアセチルバッカチンIII
実施例1の化合物1.1g(1.1578mmol;分子量950.07)を乾燥DMSO 8.8mlに溶解する。この溶液に室温でAc2O 8.8mlおよび氷AcOH 4.4mlを加える。次いで反応物を35℃に加熱し、反応は約2時間後に完了する(TLC−溶離液P.E./EtOAc=6:4にて監視;Rf出発物質=0.26;Rf生成物=0.38)。この溶液をAcOEtで希釈し飽和NaHCO3水溶液で中和する。次いで有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(溶出液P.E./EtOAc=8:2)にて精製し、生成物934mg(80%)を得る。
【0029】
MeOH 9ml中に得られた化合物960mg(0.9503mmol;分子量1010.19)を含む溶液にAcCl/MeOH(MeOH 10ml中に560μl)溶液470μlを加える。反応は室温で行い、混合物の色は淡青色である。反応は約30分後に完了する(TLC−溶離液ジクロロメタン/Et2O=8:2にて監視;Rf出発物質=0.5;Rf生成物=0.26)。反応物に飽和NaHCO3水溶液を加えることによりアルカリ化し、AcOEtで抽出する。次いで、有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(溶出液P.E./EtOAc=8:2で試験管47本、次いで7:3)にて精製し、目的生成物704mg(86%)を白色粉末として得る。IR νmax(KBr):3854、3676、2955、1711、1661、1583、1450、1272、1093、1001、848、711cm-11H−NMR(300MHz,CDCl3,50℃):δ8.01(d,AA'−Bz)、7.58(t,C−Bz)、7.48(t,BB'−Bz)、6.08(br t,J=7Hz,H−13)、5.57(d,J=8Hz,H−2)、5.21(m,H−5)、4.65(d,NH)、4.24(CH2−S)、4.16(H−3およびH−20a)、3.70(s,−OMe)、2.12(s,S−CH3)、1.93(s,OAc)、1.31(s,BOC)、1.35(s,H−17)、1.20(s,H−16)。0.99(d,H−6');ESI MS[M+Na]+=885(C4463NO14Sの計算値,862)。
【0030】
実施例3 13−(N−Boc−β−イソブチル−イソセリノイル)−9−O−メチル−C7,8−セコ−10−デアセチルバッカチンIII
IDN5390 100mg(分子量787.8;0.127mmol)をMeOH:CH3CN=1:9混合液600μlに溶解する。ヒューニッヒ塩基44μl(0.254mmol;2モル等量;分子量129;99%;比重0.742)およびTMSCHN2のヘキサン中2.0M溶液127μl(分子量114.2;0.254mmol;2モル等量;比重0.718)をマグネチックスターラーで撹拌しながら加える。微量をAcOEtおよび2N H2SO4で後処理した後、反応をTLC(溶離液 petrol etere(PE)/EtOAc=6:4、RfIDN5390=0.43;Rf生成物=0.33)でモニターする。3時間後、AcOEtおよび2NのH2SO4を加えることにより反応を後処理し、予めブラインで乾燥し、次いで、有機相をNa2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーターで蒸発させる。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ5ml)にかけ、石油エーテル、石油エーテル/EtOAc 7:3および6:4で溶出することにより精製し、これにより目的生成物58mg(57%)を得る。
【0031】
実施例4 13−(N−Boc−β−イソブチルイソセリノイル)−7−O−メチルチオメチル−C7,8−セコ−10−デアセチルバッカチンIII
式2の誘導体100mg(0.1068mmol;分子量936.05)を乾燥DMSO 300μlに溶解する。この溶液にAc2O 215μlおよびAcOH 38μlを加える。反応は室温で行い、約20時間後に完了する(TLCシリカ−溶離液P.E./EtOAc=7:3にて監視;Rf出発物質=0.12;Rf生成物=0.29)。酢酸を飽和NaHCO3溶液で(泡が消失するまで)中和し、混合物をAcOEtで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(溶出液P.E./EtOAc=8:2)にて精製し、保護中間体75mg(75%)を得る。
【0032】
保護中間体50mg(0.0502mmol;分子量996.17)をMeOH 1mlに溶解する。この溶液にAcCl/MeOH溶液(MeOH 10ml中に560μl)40μlを加える。溶液はほぼただちに薄青色に変化し、反応は約50分後に完了する(TLCシリカ 溶離液DCM/Et2O=8:2にて監視;Rf出発物質=0.31;Rf生成物=0.1)。この溶液を飽和NaHCO3で中和し、AcOEtで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(溶出液DCM/Et2O=8:2)にて精製し、目的生成物29mg(68%)を白色粉末として得る。−IR νmax(KBr):3798、3308、2955、1713、1625、1505、1367、1271、1166、847、759、711cm-1。−1H−NMR(300MHz,CDCl3,50℃):δ8.00(d,AA'−Bz)、7.58(t,C−Bz)、7.49(t,BB'−Bz)、6.46(br s,9−OH)、6.09(br t,J=8Hz,H−13)、5.61(d,J=9Hz,H−2)、5.11(d,H−5)、4.69(d,NH)、4.63(d,CH2−S)、4.32(m,H−20a)、4.17(m,H−3’)、2.13(s,S−CH3)、1.85(s,OA−c)、1.33(s,BOC)、1.24(s,H−16)。0.97(s,H−6’)。0.88(s,H−7’);ESI MS[M+Na]+=871(C4361NO14Sの計算値,848)。
【0033】
実施例5 13−(N−Boc−β−イソブチルイソセリノイル)−7,9−O−ビス(メチルチオメチル)−C7,8−セコ−10−デアセチルバッカチンIII
式2の中間体50mg(0.0534mmol;分子量936.05)を乾燥DMSO 450μlに溶解する。この溶液にAc2O 450μlおよびAcOH 225μlを加える。反応は室温で行い約48時間後に完了する(TLCシリカ−溶離液DCM./Et2O=8:2にて監視;Rf出発物質=0.27;Rf生成物=0.62)。酢酸を飽和NaHCO3で(泡が消失するまで)中和し、混合物をAcOEtで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(溶出液P.E./EtOAc=7:3)にて精製し、中間体28mg(49%)を得る。
【0034】
得られた化合物155mg(0.1467mmol;分子量1056.29)をMeOH 1.5mlに溶解する。この溶液にAcCl/MeOH溶液(MeOH 10ml中に560μl)350μlを加える。溶液はほぼただちに薄青色に変化し、反応は約2時間後に完了する(アルミナ上TLC;溶離液P.E./EtOAc=7:3にて監視;Rf出発物質=0.52;Rf生成物=0.37)。この溶液を飽和NaHCO3溶液で中和し、AcOEtで抽出する。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(溶出液P.E./EtOAc=8:2)にて精製し、目的生成物72mg(54%)を白色粉末として得る。−IR νmax(KBr):3801、3676、2955、2360、1735、1625、1507、1367、1266、1165、848、711cm-1。−1H−NMR(300MHz,CDCl3,50℃):δ7.96(d,AA'−Bz)、7.62(t,C−Bz)、7.48(t,BB'−Bz)、6.06(br t,J=8Hz,H−13)、5.91(d,H−2)、5.50(d,H−5)、5.17(d,H−20a)、5,85(d,NH)、4.69(d,7−CH2−Sおよび9−CH2−S)、4.35(m,H−3)、2.17(s,S−CH3)、2.08(s,S−CH3)、1.95(s,OA−c)、1.33(s,BOC)。0.97(s,H−6'およびH−7');ES1 MS[M+Na]+=931(C4565NO142の計算値,908)。
【0035】
実施例6 13−(N−Boc−β−イソブチルイソセリノイル)−9−O−メチル−7−O−アセチル−C7,8−セコ−10−デアセチルバッカチンIII
MeOH/CH3CN=1:9混合液1mlに式2の中間体(100mg;0.1068mmol;分子量936.05)を含む溶液にEt2O中の2MのTMSCHN2を6モル等量(0.6410mmol、320(l)加える。室温で7時間後、反応物をAcOEtで希釈し、2N H2SO4で酸性化する。次いで有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をC.C.上のクロマトグラフィー(5ml SiO2、溶出液P.E./EtOAc=7:3)にて精製し、生成物71mg(70%)を得る(対照TLC−溶離液P.E./EtOAc=6:4;Rf出発物質=0.32;Rf生成物=0.22;RfsecoDAB=0.02)。
【0036】
得られた中間体400mg(0.421mmol;分子量950.07)をピリジン4mlに溶解する。この溶液に無水酢酸5モル等量(2.105mmol;分子量102.09;198μl)を加える。反応は室温で行い、3時間後に完了し(TLCシリカ−溶離液P.E./EtOAc=6:4にて監視;Rf出発物質=0.31;Rf生成物=0.40)、2NのH2SO4を加えて完成させ、AcOEtで抽出する。次いで有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をMeOH 4mlに溶解し、溶液に、MeOH 10ml中にAcCl 560μlを含む溶液250μlを加える。25分後飽和NaHCO3溶液を加えることにより反応を完成させ、AcOEtで抽出する(アルミナ上TLC;溶離液P.E./EtOAc=6:4にて監視;Rf出発物質=0.66;Rf生成物=0.26)。
【0037】
粗生成物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(溶出液P.E./EtOAc=7:3で試験管60本、次いで5:5)にて精製し、目的化合物242mg(68%2段階)を白色粉末として得る。−IR νmax(KBr):3475、2961、1742、1711、1655、1385、1368、1273、1250、712cm-1。−1H−NMR(300MHz,CDCl3,50℃):δ8.06(d,AA'−Bz)、7.59(t,C−Bz)、7.46(t,BB'−Bz)、6.18(br t,J=7Hz,H−13)、5.59(d,J=9Hz,H−2)、5.65(m,H−5)、4.24(m,NH,H−20a,H−20b)、3.72(s,−OMe)、2.44(m,H−6a)、1.86(s,OAc)、1.29(s,BOC)。0.95(m,H−16,H−19);ESI MS[M+Na]+=867(C4461NO15の計算値,844)。
【0038】
実施例7 13−(N−Boc−β−イソブチルイソセリノイル)−7,9−of−O−メチル−C7,8−セコ−10−デアセチルバッカチンIII
実施例2より化合物1g(1.16mmol;分子量862.04)を96°EtOH 35mlに溶解する。この溶液に、事前に水で1回およびEtOHで4回洗浄したラネーニッケル約22gを加える。反応物をH2下に置き、3時間マグネチックスターラーで強く撹拌する(TLC−溶離液P.E./EtOAc=7:3にて監視;Rf出発物質=0.36;Rf生成物=0.32)。この溶液をセライトでろ過し蒸発させる。
【0039】
粗生成物をシリカカラム上のクロマトグラフィー(溶出液P.E./EtOAc 8:2で試験管51本、次いで6:4)にて精製し、目的生成物660mg(70%)を白色粉末として得る。−IR νmax(KBr):3850、3673、2955、2359、1711、1659、1505、1365、1272、1096、937、897、711cm-1。−1H−NMR(300MHz,CDCl3,50℃):δ8.01(d,AA'−Bz)、7.58(t,C−Bz)、7.46(t,BB'−Bz)、6.08(br t,J=7Hz,H−13)、5.60(d,J=8Hz,H−2)、5.08(d,J=10Hz,H−5)、4.74(d,NH)、4.27(m,H−3,H−20a,H−7a,H−7b)、3.73(s,OMe)、3.40(s,OMe)、2.50(m,H−6aおよびH−14b)、1.92(s,−OAc)、1.31(s,BOC)、1.35(s,H−17)、1.20(s,H−16)。0.99(d,H−6’)、0.97(s,H−7’);ESI MS[M+Na]+=839(C4361NO14の計算値,816)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

の化合物
[式中、RおよびR1は、同じまたは異なっていてよく、水素、直鎖もしくは分枝のC1〜C6アルキル、メチルチオメチルまたはC1〜C6アシルであり、但し、Rが水素またはアシルである場合R1は水素またはアシルではなく、逆もまた同じであり;
2は水素、メトキシ、フッ素、塩素、臭素であり;
3は水素、またはR4と一緒になってカルボニルもしくはチオカルボニル基を形成し;
Xは水素、−OH、−NH2、−N3、−OR4、NHR4である。]。
【請求項2】
請求項1に記載のタキサン類を含有する医薬用組成物。
【請求項3】
抗腫瘍薬を調製するための請求項1に記載のタキサン類の使用。
【請求項4】
式3のシントン
【化2】

[式中、R、R1、R2、R3およびR4は請求項1に記載のとおり定義される。]。

【公表番号】特表2008−533074(P2008−533074A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501212(P2008−501212)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002285
【国際公開番号】WO2006/097262
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(591092198)インデナ エッセ ピ ア (52)
【Fターム(参考)】