説明

抗菌活性を有する2−ヒドロキシエチル−1H−キノリン−2−オン誘導体及びそれらのアザアイソスター(AZAISOSTERIC)類似体

本発明は、式Iの抗菌性化合物、及びそのような化合物の塩に関する。
【化1】


(式中、
は、アルコキシを表し;
U及びVのそれぞれはCHを表し、かつWはCH又はNを表すか、又は
UはNを表し、VはCHを表し、かつWはCH又はNを表すか、又は
U及びVのそれぞれはNを表し、かつWはCHを表し;
WがCHを表す場合には、Rは水素又はフッ素を表すか、又はWがNを表す場合には、Rは水素を表し;
AはO又はCHを表し;
YはCH又はNを表し;
QはO又はSを表し;そして
nは0又は1を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−ヒドロキシエチル−1H−キノリン−2−オン抗生物質化合物及びそれらのアザアイソスター類似体、それらを含有する医薬抗菌組成物、及び感染症(例、細菌感染症)の治療のための医薬の製造におけるこれらの化合物の使用に関する。これらの化合物は、中でもグラム陽性及びグラム陰性、好気性及び嫌気性菌、並びにマイコバクテリアを含む多様なヒト及び動物の病原体に対して有効な、有用な抗菌剤である。
【背景技術】
【0002】
抗生剤の広範な使用は、微生物に対して選択的進化圧を与え、遺伝子ベースの耐性機構を生じてきた。現代の医療及び社会経済的挙動は、例えば人工関節内で、病原菌の遅延した増殖状態を形成し、また例えば免疫障害を有する患者における長期間宿主保有の支持により、耐性の発達の問題を悪化させている。
【0003】
病院の環境では、主な感染源である、益々多数のStaphylococcus aureus、Streptococcus pneumonia、Enterococcus spp.、及びPseudomonas aeruginosa株が多剤耐性となっており、従って治療が不可能ではなくとも困難である:
−S.aureusは、β−ラクタム、キノロン、及び現在はバンコマイシンにも耐性である;
−S.pneumoniaeは、ペニシリン又はキノロン抗生物質、及び新しいマクロライドに対してさえも、耐性となっている;
−Enteroccocciは、キノロン及びバンコマイシンに耐性であり、β−ラクタム抗生物質は、これらの株に対して全く効果を有さなかった;
−Enterobacteriaceaは、セファロスポリン及びキノロン耐性である;
−P.aeruginosaは、β−ラクタム及びキノロン耐性である。
【0004】
さらに、Enterobacteriacae及びPseudomonas aeruginosa等の多剤耐性グラム陰性株の発生が着実に増大しており、そして現在使用されている抗生剤を用いた治療中に選択されたAcinetobacter spp.又はClostridium difficileのような新たに出現した生物が、実際に病院環境内で問題となっている。従って、A.baumannii、ESBL−産生E.coli及びKlebsiella種並びにPseudomonas aeruginosa等の多剤耐性グラム陰性桿菌を克服する新しい抗生剤に対する医療上の高い需要が存在する(Clinical Infectious Diseases(2006)、42、657−68)。
【0005】
加えて、持続性感染症の原因となる微生物は、消化性潰瘍又は心疾病のような重篤な慢性疾病の原因物質又は補助因子として益々認識されている。
【0006】
WO2006/134378は、特に、式(A1)及び(A2)の抗菌化合物を記載する。
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、
、Z及びZはC又はNであるが、ただし、Z、Z又はZがNである場合は、Ra、Rc又はRdは存在せず;
a、Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立に、(特に)H、フルオロ、クロロ又は(C−C)アルコキシを表してもよく;
はCRaRb−CRcRd(式中、Ra、Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立にH又は(C−C)アルキルを表してもよい。)を表してもよく;
Mは、特に、基
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、Yは、特にCH又はOであってもよい。)を表してもよく;
は、特にNH−CHを表してもよく;
Rは、特に、炭素上で任意に置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールを表してもよく;そして
、M、U及びRのいずれもが、炭素上で、(特に)ハロ、ヒドロキシ、オキソ又はアミノから選択される1〜3個の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0011】
しかしながら、WO2006/134378は、U基に結合した水酸基を持ついかなる化合物も具体的に開示していない。
【0012】
WO2006/137485、WO2007/138974、WO2008/009700、WO2008/071961、WO2008/071962、WO2008/071964、WO2008/071981及びWO2009/001126は、1H−キノリン−2−オン、1H−キノキサリン−2−オン、1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン、1H−[1,5]ナフチリジン−2−オン又は4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オンモチーフを基礎とする類似の抗菌化合物を記載する。再び、これらの化合物の中に、中間鎖に結合した水酸基を持つこのタイプの化合物は記載されていない。
【0013】
本発明は、1H−キノリン−2−オン、1H−キノキサリン−2−オン、1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン又は4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オンモチーフを基礎とするさらなる抗菌化合物を提供する。発明者らは、そのような化合物が、QT時間を延長しにくく、そして心室性不整脈を引き起こしにくくする低hERG Kチャンネル阻害と抗菌特性を併せ持つことを見出した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の種々の態様を以下に示す:
i) 本発明は、第一に、式Iの化合物、及び式Iの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0015】
【化3】

【0016】
式中、
は、アルコキシ(特にメトキシ)を表し;
U及びVのそれぞれはCHを表し、かつWはCH又はNを表すか、又は
UはNを表し、VはCHを表し、かつWはCH又はN(特にN)を表すか、又は
U及びVのそれぞれはNを表し、かつWはCHを表し;
WがCHを表す場合には、Rは水素又はフッ素を表すか、又はWがNを表す場合には、Rは水素を表し;
AはO又はCHを表し;
YはCH又はNを表し;
QはO又はSを表し;そして
nは0又は1を表す。
【0017】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしており、他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用されることを意図している。
【0018】
「アルキル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も、1〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。「(C−C)アルキル」(xは整数である。)という用語は、1〜x個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。例えば、(C−C)アルキル基は1〜4個の炭素原子を含む。アルキル基の代表的な例には、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルが含まれる。好ましくはメチル及びエチルである。最も好ましくはメチルである。
【0019】
「アルコキシ」という用語は、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も、1〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルコキシ基を意味する。「(C−C)アルコキシ」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。例えば、(C−C)アルコキシ基は、1〜3個の炭素原子を含む。アルコキシ基の代表的な例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ及びイソ−プロポキシが含まれる。好ましくは、メトキシ及びエトキシである。最も好ましくはメトキシである。
【0020】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を、好ましくは、フッ素又は塩素を意味する。
【0021】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217を参照してもよい。
【0022】
本出願において、波線によって中断された結合は、記載された基の、分子の残りの部分への結合点を示す。例えば、下記の基
【0023】
【化4】

【0024】
は、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イル基である。
【0025】
さらに、本明細書で使用される「室温」という用語は、25℃の温度を意味する。
【0026】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
【0027】
ii) 本発明は特に、式Iの化合物でもある式Iの化合物及び式Iの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0028】
【化5】

【0029】
(式中、
はアルコキシ(特にメトキシ)を表し;
U及びWは、それぞれ独立にCH又はNを表し;
AはO又はCHを表し;
YはCH又はNを表し;そして
QはO又はSを表す。)
【0030】
iii) 本発明の一つの主態様によれば、態様i)又はii)に定義する式Iの化合物は、YがCHを表すような化合物である。
【0031】
iv) 本発明の別の主態様によれば、態様i)又はii)に定義する式Iの化合物は、YがNを表すような化合物である。
【0032】
v) 本発明のさらなる態様は、QがOを表す、態様i)〜iv)の1つに定義する式Iの化合物に関する。
【0033】
vi) 態様v)の1つの副態様は、
QがOを表し;
がメトキシを表し;
UがNを表した上で、VがCHを表し、かつWがNを表すか、又はVがNを表し、かつWがCHを表し;
が水素を表し;
AがO又はCH(そして好ましくはO)を表し;
YがCHを表し;そして
nが1を表す:
態様i)に定義する式Iの化合物に関する。
【0034】
vii) 本発明のなおさらなる態様は、QがSである、態様i)〜iv)の1つに定義する式Iの化合物に関する。
【0035】
viii) 態様vii)の1つの副態様は、
QがSを表し;
がメトキシを表し;
UがNを表した上で、VがCHを表し、かつWがNを表すか、又はVがNを表し、かつWがCHを表し;
が水素を表し;
AがO又はCH(そして好ましくはO)を表し;
YがCHを表し;そして
nが1を表す:
態様i)に定義する式Iの化合物に関する。
【0036】
ix) 本発明は特に、Vが存在する場合にはCHを表した上で、UがNを表し、かつWがCHを表すか、又は、UがCHを表し、かつWがNを表すか、又はUとWのそれぞれがNを表す、上記態様i)〜viii)の1つに定義する式Iの化合物に関する。
【0037】
x) 態様ix)の1つの副態様は、UがNを表し、かつWがCHを表す、態様vi)に定義する式Iの化合物に関する。
【0038】
xi) 態様ix)の別の副態様は、UがCHを表し、かつWがNを表す、態様vi)に定義する式Iの化合物に関する。
【0039】
xii) 態様ix)のなお別の副態様は、U及びWのそれぞれがNである、態様vi)に定義する式Iの化合物に関する。
【0040】
xiii) 本発明はまた、VがNを表し、UがNを表し、かつWがCHを表す、態様i)に定義する、又は上記態様iii)〜viii)の1つと組み合わせた態様i)に定義する式Iの化合物に関する。
【0041】
xiv) 本発明の1つの主変形によれば、上記態様i)〜xiii)の1つに定義する式Iの化合物は、AがOを表すような化合物である。
【0042】
xv) 態様xiv)の1つの副態様は、
AがOを表し;
がメトキシを表し;
UがNを表した上で、VがCHを表し、かつWがNを表すか、又はVがNを表し、かつWがCHを表し;
が水素を表し;
YがCHを表し;
QがO又はSを表し;そして
nが1を表す:
態様i)に定義する式Iの化合物に関する。
【0043】
xvi) 本発明の他方の主変形によれば、上記態様i)〜xiii)の1つに定義する式Iの化合物は、AがCHを表すような化合物である。
【0044】
xvii) 態様xvi)の1つの副態様は、
AがCHを表し;
がメトキシを表し;
UがNを表した上で、VがCHを表し、かつWがNを表すか、又はVがNを表し、かつWがCHを表し;
が水素を表し;
YがCHを表し;
QがO又はSを表し;そして
nが1を表す:
態様i)に定義する式Iの化合物に関する。
【0045】
xviii) 本発明の特定の態様は、Rが(C−C)アルコキシ(そして特にメトキシ)を表す、上記態様i)〜xvii)の1つに定義する式Iの化合物に関する。
【0046】
xix) 本発明の別の特定の態様は、
がメトキシを表し;
UがNを表した上で、VがCHを表し、かつWがNを表すか、又はVがNを表し、かつWがCHを表し;
が水素を表し;
AがO又はCH(そして好ましくはO)を表し;
YがCHを表し;
QがO又はSを表し;そして
nが1を表す:
態様i)に定義する式Iの化合物に関する。
【0047】
xx) 本発明のなお別の特定の態様は、WがCH又はNを表し、かつRが水素を表す、態様i)に定義する、又は上記態様iii)〜xix)の1つと組み合わせた態様i)に定義する、式Iの化合物に関する。
【0048】
xxi) 本発明のなおさらなる特定の態様は、WがCHを表し、かつRがフッ素を表す、態様i)に定義する、又は上記態様iii)〜v)、vii)、ix)、x)、xiii)、xiv)、xvi)及びxviii)の1つと組み合わせた態様i)に定義する、式Iの化合物に関する。
【0049】
xxii) 本発明の別の態様によれば、上記態様i)〜xxi)の1つに定義する式Iの化合物は、nが0を表すような化合物である。
【0050】
xxiii) 本発明のなお別の態様によれば、上記態様i)〜xxi)の1つに定義する式Iの化合物は、nが1を表すような化合物である。
【0051】
xxiv) 本発明の別の態様は、態様i)〜xxiii)の1つに定義する式Iの化合物、並びに同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された、態様i)〜xxiii)の1つに定義する式Iの化合物に関し、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、態様i)〜xxiii)の1つに定義する式Iの化合物と同一である。従って、同位体標識された、特にH(デューテリウム)標識された式Iの化合物、及びその塩(特に、薬学的に許容される塩)は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in−vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の変形の1つにおいては、式Iの化合物は、同位体標識されていないか、又は、それらは、1若しくは2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。同位体標識された式Iの化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してもよい。
【0052】
xxv) 態様i)又はii)に定義する式Iの下記の化合物が特に好ましい:
1−((S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン;
4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン;
1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2R)−2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2R)−2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン;
1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
並びにその塩(特に、薬学的に許容される塩)。
【0053】
xxvi) 態様i)に定義する式Iの下記の化合物もまた、特に好ましい:
1−((2S)−2−ヒドロキシ−2−{(2S,5R)−5−[(3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
3−フルオロ−1−((2S)−2−ヒドロキシ−2−{(2S,5R)−5−[(3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン;
4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン;
5−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン;
5−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン;
5−((S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン;
並びにその塩(特に、薬学的に許容される塩)。
【0054】
xxvii) 本発明はさらに、態様xxv)に挙げた化合物及び態様xxvi)に挙げた化合物から成る群より選択される、態様i)に定義する式Iの化合物に関する。特に、本発明はまた、態様xxv)に挙げた化合物及び態様xxvi)に挙げた化合物から成る群より選択される式Iの化合物の群であって、さらに態様iii)〜xxiii)の1つに対応する当該化合物の群、並びにそのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。本発明はさらに、態様xxv)に挙げた化合物及び態様xxvi)に挙げた化合物から成る群より選択される、式Iのいずれかの個別の化合物、並びにそのような個別の化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0055】
本発明、すなわち、上記態様i)〜xxvii)の1つに従う式Iの化合物は、ヒト及び動物医療における、化学療法に有効な化合物として、及び無機及び有機素材、特にすべてのタイプの有機素材、例えばポリマー、滑沢剤、塗料、繊維、皮革、紙及び木材の保存のための物質としての使用に適切である。
【0056】
本発明の式Iの化合物は、特に細菌及び細菌様生物に対して活性である。従って、それらは、ヒト及び動物における、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Moraxella catarrhalis、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、E.faecium、E.casseliflavus、S.epidermidis、S.haemolyticus、又はPeptostreptococcus spp.による感染に関連した肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、扁桃炎、及び乳突炎;Streptococcus pyogenes、Groups C及びG streptococci、Corynebacterium diphtheriae、又はActinobacillus haemolyticumによる感染に関連した咽頭炎、リウマチ熱、及び糸球体腎炎;Mycoplasma pneumoniae、Legionella pneumophila、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連した気道感染症;例えば非限定的にβ−ラクタム、バンコマイシン、アミノグリコシド、キノロン、クロランフェニコール、テトラサイクリン及びマクロライド等の公知の抗菌剤に耐性の株を含む、S.aureus、S.haemolyticus、E.faecalis、E.faecium、E.duransを原因とする心内膜炎及び骨髄炎を含む血液及び組織感染;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococci(即ち、S.epidermidis、S.haemolyticus等)、Streptococcus pyogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcal群C−F(minute colony streptococci)、viridans streptococci、Corynebacterium minutissimum、Clostridium spp.、又はBartonella henselaeによる感染に関連した非併発性皮膚及び軟組織感染症及び膿瘍、並びに産褥熱;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococcal種、又はEnterococcus spp.による感染に関連した非併発性急性尿路感染症;尿道炎及び子宮頚管炎;Chlamydia trachomatis、Haemophilus ducreyi、Treponema pallidum、Ureaplasma Urealyticum、又はNeiserria gonorrhoeaeによる感染に関連した性感染症;S.aureusによる感染に関連した毒素疾患(食中毒及び毒素ショック症候群)、又はA、B、及びC群streptococci;Helicobacter pyloriによる感染に関連した潰瘍;Borrelia recurrentisによる感染に関連した全身性熱性症候群;Borrelia burgdorferiによる感染に関連したライム病;Chlamydia trachomatis、Neisseria gonorrhoeae、S.aureus、S.pneumoniae、S.pyogenes、H.influenzae、又はListeria spp.による感染に関連した結膜炎、角膜炎、及び涙嚢炎;Mycobacterium avium、又はMycobacterium intracellulareによる感染に関連した播種性鳥型結核菌複合体(MAC)病;Mycobacterium tuberculosis、M.leprae、M.paratuberculosis、M.kansasii、又はM.cheloneiを原因とする感染症;Campylobacter jejuniによる感染に関連した胃腸炎;Cryptosporidium spp.による感染に関連した消化管内原虫;viridans streptococciによる感染に関連した歯性感染症;Bordetella pertussisによる感染に関連した持続性の咳;Clostridium perfringens又はBacteroides spp.による感染に関連したガス壊疽;並びにHelicobacter pylori又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連したアテローム性動脈硬化症又は心血管系疾病を含む、これら病原体を原因とする局所及び全身感染症、並びに細菌感染症に関連した疾患の予防及び化学療法に特に適切である。
【0057】
本発明の式Iの化合物は、さらに、例えばE.coli、Klebsiella pneumoniae及び他のEnterobacteriaceae、Acinetobacter baumaniiを含むAcinetobacter spp.、Stenothrophomonas maltophilia、Neisseria meningitidis、Bacillus cereus、Bacillus anthracis、Clostridium difficile、Corynebacterium spp.、Propionibacterium acnes並びにbacteroide spp等の細菌により仲介される感染症の治療のための医薬の製造に有用である。
【0058】
本発明の式Iの化合物は、さらに、Plasmodium malaria、Plasmodium falciparum、Toxoplasma gondii、Pneumocystis carinii、Trypanosoma brucei及びLeishmania sppを原因とする原虫感染症の治療に有用である。
【0059】
上記した病原体のリストは、単なる例として解釈するべきであり、限定を意図するものでは全くない。
【0060】
本発明の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用してもよく、そして細菌感染症の予防又は治療に適切である。
【0061】
従って、本発明の一側面は、細菌感染症の予防又は治療のための医薬の製造のための、態様i)〜xxvii)の1つに従う式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。本発明の別の側面は、細菌感染症の予防又は治療のための、態様i)〜xxvii)の1つに従う式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
【0062】
従って、態様i)〜xxvii)の1つに従う式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩は、医薬の製造のために使用してもよく、そして気道感染、中耳炎、髄膜炎、皮膚軟組織感染(複雑性であるか、非複雑性であるかを問わない。)、(院内感染性肺炎を含む)肺炎、菌血症、心内膜炎、腹腔内感染症、消化器系感染症、Clostridium difficile感染症、尿路感染症、性感染症、異物感染症、骨髄炎、ライム病、局所感染症、眼感染症、結核及び熱帯病(例えば、マラリア)から成る群より選択される、細菌感染症の予防又は治療、そして特に、気道感染、中耳炎、髄膜炎、皮膚軟組織感染(複雑性であるか、非複雑性であるかを問わない。)、(院内感染性肺炎を含む)肺炎及び菌血症からなる群より選択される細菌感染症の予防又は治療に適切である。
【0063】
ヒトと同様、細菌感染症は、式Iの化合物(又はこれらの薬学的に許容される塩)を用いて、豚、反芻動物、馬、犬、猫及び家禽のような他の種においても治療し得る。
【0064】
本発明はまた、式Iの化合物の薬学的に許容される塩並びに組成物及び製剤にも関する。
【0065】
式Iの化合物に対するいかなる言及も、適宜かつ好都合に、そのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)にも言及しているものと理解されるべきである。
【0066】
本発明の医薬組成物は、活性薬剤として、式Iの化合物(又はこれらの薬学的に許容される塩)の少なくとも一つと、任意に担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバントとを含み、さらなる公知の抗生物質を含んでいてもよい。
【0067】
式Iの化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0068】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」[published by Lippincott Williams & Wilkins]を参照されたい。)、記述された式Iの化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な薬学的に許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0069】
本発明の別の側面は、薬学的に活性な量の、態様i)〜xxvii)の1つに従う式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、患者における細菌感染症の予防又は治療方法に関する。
【0070】
さらに、式Iの化合物は、例えば外科器具、カテーテル及び人工移植物から病原菌及び細菌を除去し、又は部屋若しくは領域を無菌にするための、清浄目的に使用することもできる。その目的のために、式Iの化合物を、溶液中又はスプレー製剤中に含有させることができる。
【0071】
式Iの化合物は、下記の手順を用いて、本発明に従って製造することができる。
【0072】
式Iの化合物の製造
略語
明細書及び実施例を通して以下の略語が使われる:
Ac アセチル
AD−mixα 1,4−ビス(ジヒドロキニン)フタラジン、
Fe(CN)、KCO及びKOsO.2H
AD−mixβ 1,4−ビス(ジヒドロキニジン)フタラジン、
Fe(CN)、KCO及びKOsO.2H
Alloc アリルオキシカルボニル
aq. 水性
Boc tert−ブトキシカルボニル
Bs 4−ブロモベンゼンスルフォニル(ブロシレート)
Cbz ベンジルオキシカルボニル
CC シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー
DAD ダイオードアレイ検出
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン
(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
(DHQ)PHAL 1,4−ビス(ジヒドロキニン)フタラジン
(DHQD)Pyr 1,4−ビス(ジヒドロキニジン)ピリジン
DIBAH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
ELSD 蒸発光散乱検出器
ESI 電子スプレーイオン化
eq. 当量
Et エチル
エーテル ジエチルエーテル
EtOH エタノール
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
Hept ヘプタン
Hex ヘキサン
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
LC 液体クロマトグラフィー
MCPBA メタ−クロロ過安息香酸
Me メチル
MeOH メタノール
MS 質量分析法
Ms メタンスルホニル(メシル)
NCS N−クロロスクシンイミド
Nf ノナフルオロブタンスルフォニル
Ns 4−ニトロベンゼンスルフォニル(ノシレート)
NMO N−メチルモルホリン N−オキシド
org. 有機
Pd/C 炭素上パラジウム
Pd(OH)/C 炭素上水酸化パラジウム
PTT フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド
Pyr ピリジン
rac ラセミ
rt 室温
sat. 飽和した
tBu tert−ブチル
TEA トリエチルアミン
Tf トリフルオロメタンスルホニル(トリフリル)
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMSCl トリメチルシリルクロリド
Ts パラ−トルエンスルホニル
wt% 重量%
【0073】
一般的反応技術:
一般的反応技術1(アルデヒド又はケトンのそれらの対応するアルコールへの還元):
アルデヒド又はケトンは、Larock、R.Cにより、Comprehensive Organic Transformations、A guide to Functional Group Preparations;2nd Ed.、Wiley、New York、Chichester、Weinheim、Brisbane、Singapore、Toronto(1999)。Section Alcohols and phenols;p.1075−1110中に総説されるような種々の還元剤を用いて、対応するアルコールに還元することができる。中でも、LiAlH及びNaBHが最も好ましい。
【0074】
一般的反応技術2(還元的アミノ化):
アミンとアルデヒド又はケトンとの反応は、生成した水を、物理的又は化学的手段(例えば、溶媒−水共沸混合物の蒸留、又はモレキュラー・シーヴ、MgSO又はNaSO等の乾燥剤の存在)にて除去できる溶媒系内で行われる。そのような溶媒は、典型的にはトルエン、Hex、THF、DCM若しくはDCE、又はDCE/MeOH等の溶媒の混合物である。反応は、微量の酸(通常、AcOH)により触媒することができる。中間体イミンは、適切な還元剤(例えば、NaBH、NaBHCN又はNaBH(OAc))で、又はPd/C等の貴触媒上での水素化を通じて還元される。反応は、−10℃と110℃の間、好ましくは0℃と60℃の間にて行われる。反応はまた、ワンポットで行うこともできる。反応はまた、MeOH又は水等のプロトン性溶媒中で、ピコリン−ボラン錯体の存在下で行うこともできる(Tetrahedron(2004)、60、7899−7906)。
【0075】
一般的反応技術3(アルコールの活性化):
アルコールを、TEA、DIPEA又はPyr等の有機塩基の存在下、DCM、THF又はPyr等の乾燥非プロトン性溶媒中、−10℃とrtの間にて、MsCl、TfCl、NfCl、NsCl、BsCl又はTsClと反応させる。あるいは、アルコールは、MsO又はTfOと反応させることもできる。活性化された中間体は、アセトン等の溶媒中での、活性化アルコールのNaI又はNaBrとの反応により、さらにその対応するヨウ化又は臭化誘導体に変換することができる。
【0076】
一般的反応技術4(アミノ保護基の除去):
ベンジルカーバメートは、貴金属触媒(例えば、Pd/C又はPd(OH)/C)上での水素化分解により脱保護される。Boc基は、HCl等の酸性条件下で、MeOH又はジオキサン等の有機溶媒中、又はTFAニート、若しくはDCM等の溶媒で希釈したTFA中で、除去することができる。アミン保護基を除くための、さらなる一般的方法は、T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、3rd Ed(1999)、494−653(出版元:John Wiley and Sons、Inc.、New York、N.Y.)に記載されている。
【0077】
一般的反応技術5(アミン保護):
アミンは、通常、Alloc、Cbz、Boc又はFmocのようなカーバメートとして保護される。これらは、アミンを、NaOH、TEA、DMAP又はイミダゾール等の塩基の存在下、クロロギ酸アリル若しくはベンジル、二炭酸ジ−tert−ブチル又はFmocClと反応させることにより得られる。これらはまた、NaCO又はTEA等の塩基の存在下における、臭化又は塩化ベンジルとの反応により、N−ベンジル誘導体として保護することもできる。あるいは、N−ベンジル誘導体は、ベンズアルデヒド及びNaBH、NaBHCN又はNaBH(OAc)等の水素化ホウ素試薬の存在下、MeOH、DCE又はTHF等の溶媒中で、還元的アミノ化を通じて得ることができる。他のアミン保護基を導入するさらなる戦略は、T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、3rd Ed(1999)、494−653(出版元:John Wiley and Sons、Inc.、New York、N.Y.)に記載されている。
【0078】
一般的反応技術6(アルデヒド及びケトンの形成):
アルコールは、Swern(D.Swernら、J.Org.Chem.(1978)、43、2480−2482を見よ。)又はDess−Martin(D.B.Dess及びJ.C.Martin、J.Org.Chem.(1983)、48、4155を見よ。)条件下における酸化により、それぞれ、それらの対応するアルデヒド又はケトンに変換することができる。あるいは、アルデヒドはまた、DIBAH等のバルキーなヒドリド試薬を用いた制御した還元により、対応するエステルから得ることもできる。
【0079】
一般的反応技術7(不斉ジヒドロキシ化):
キラルジオールは、Chem.Rev.(1994)、94、2483に記載のように、水/2−メチル−2 プロパノール混合物中で、AD−mixα又はAD−mixβを用いることにより得られる。誘導の感度は、AD混合物中に含まれるキラル・リガンド、AD−mixα中のジヒドロキニン−ベース・リガンド又はAD−mixβ中のジヒドロキニジン−ベース・リガンドによる。
【0080】
一般的反応技術8(不斉還元):
キラルアルコールは、キラルな還元剤を用いて、対応するプロキラルケトンから得ることができる。ボラン−テトラヒドロフラン錯体(J.Am.Chem.Soc.(1987)、109、5551を見よ。)又はB−クロロジイソピノカンフェイルボラン(J.Org.Chem.(1989)、54、1577を見よ。)存在下における、(R)−又は(S)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサボロール等のボロンベースの試薬が通常用いられる。あるいは、キラルなアルミニウムベースの試薬も使用される。そのような試薬は、アルミニウム塩を(R)−又は(S)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル(J.Am.Chem.Soc.(1984)、106、6709)等のキラルなプロモーターと結合させる。プロキラルケトンの触媒的不斉水素化もまた、キラルアルコールの入手に広く用いられる方法である。例えば、キラルルテニウム触媒は、この目的に有用な触媒である(Acc.Chem.Res.(1997)、30、97を見よ。)。
【0081】
一般的製造方法:
式Iの化合物の製造
式Iの化合物は、下記の方法により、実施例に記載された方法により、又は類似の方法により製造することができる。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質又は溶媒により変わるが、そのような条件は、当業者のルーティンの最適化手順により決定することができる。
【0082】
以下のセクションa)及びb)に、式Iの化合物を製造するための一般的な方法を記載する。特に示さない限り、包括的な基、R、U、W、A、Y及びQは、式Iに対して定義した通りである。以下の記載を通じて繰り返し使用される一般的合成方法は、「一般的合成方法」と題した上記のセクションにおいて言及され、そして記載される。使用される他の略語は、実験の部に定義する。幾つかの場合においては、包括的な基、U、W、A及びYは、下記の手順及びスキームに図示した構成に適合しないかもしれず、従って、保護基の使用が必要になる。保護基の使用は、当該技術分野においてよく知られている(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」、T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley−Interscience、1999を見よ。)。
【0083】
a) 式Iの化合物は、式IIの化合物
【0084】
【化6】

【0085】
を、式IIIの化合物
【0086】
【化7】

【0087】
(式中、Gは、基
【0088】
【化8】

【0089】
を表す。)と、一般的反応技術2に従って反応させることにより得ることができる。
【0090】
b) 式Iの化合物は、式IVの化合物
【0091】
【化9】

【0092】
(式中、PGは、Cbz、Fmoc又はBoc等のアミノ保護基を表し、そしてGは、基、
【0093】
【化10】

【0094】
を表す。)を、一般的反応技術8に記載した方法を用いて還元し、次いで一般的反応技術4に従ってアミノ保護基を除去することにより得ることができる。AがOである場合には、一般的反応技術1を使用することもできる。
【0095】
このようにして得られた式Iの化合物は、必要に応じ、それらの塩、そして特にそれらの薬学的に許容される塩に変換してもよい。
【0096】
さらに、式Iの化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーは、当業者に知られた方法、例えばジアステレオマー塩の形成及び分離、又はRegis Whelk−O1(R,R)(10μm)カラム、Daicel ChiralCel OD−H(5−10μm)カラム、又はDaicel ChiralPak IA(10μm)若しくはAD−H(5μm)カラム等のキラル固定相上のHPLC、を用いて分離することができる。キラルHPLCの典型的な条件は、0.8から150mL/分の流速における、溶出液A(EtOH。トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミンの存在下又は非存在下で)及び溶出液B(ヘキサン)の無勾配混合物である。式Iの化合物がジアステレオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、それらは、シリカゲルクロマトグラフィー、HPLC及び結晶化技術の適宜な組み合わせにより分離してもよい。
【0097】
合成中間体の製造:
式IIの化合物は、下記のスキーム1に記載の通りに製造することができる。
【0098】
【化11】

【0099】
スキーム1において、PGは、Cbz、Fmoc又はBoc等のアミノ保護基を表す。
AがOの場合には、式I−1のキラルケトン誘導体は、一般的反応技術1を用いて、又は一般的反応技術8を用いて、ジアステレオ選択的に還元することができる。AがCHの場合には、式I−1のキラルアルコール誘導体は、一般的反応技術8を用いて得ることができる。あるいは、式I−2のアルコールは、式I−3の誘導体の式I−4のエポキシドとの反応により、CsCO等の無機塩基の存在下で得ることもできる。次いで、一般的反応技術4に従ったアミノ保護基の除去の後に、式IIの化合物を得ることができる。
【0100】
式IIIのアルデヒドは、WO2006/002047、WO2008/009700、WO2008/128942及びWO2007/138974に従って製造することができる。
【0101】
式I−1及びIVの化合物は、下記のスキーム2に記載の通りに製造することができる。
【0102】
【化12】

【0103】
スキーム2において、Xは、臭素等のハロゲンを表し、PG及びGは式IVに定義した通りであり、そしてPGは、Boc、Cbz又はFmoc等のアミノ保護基を表す。
【0104】
すなわち、式I−3の中間体は、KCO等の塩基の存在下、THF又はDMF等の溶媒中、40℃と100℃の間にて、式II−1及びII−2のハロゲノメチルケトンと反応させることでき、それぞれ式I−1及びIVの化合物を与える。
【0105】
出発化合物の製造:
がMeOである式I−3の化合物は、市販されているか(U=V=W=CH又はU=V=NかつW=CH)、又は文献に従って製造することができる(U=CH、W=N:WO2008/009700;U=N、W=CH:J.Heterocyclic Chem.(1986)、23(2)、501−504;U=V=N:WO2006/134378)。RがMeOであり、UがNであり、RがFであり、かつV及びWがそれぞれCHである式I−3の化合物は、下記のスキーム2aに記載の通りに得ることができる。
【0106】
【化13】

【0107】
すなわち、式IIa−1の3−ホルミルピリジン誘導体(J.Org.Chem.(1990)、55、4744に従って製造。)は、2−フルオロ−ホスホノ酢酸トリエチルと反応させることができる。得られる式IIa−2のアクリレートは熱条件下で環化でき、式IIa−3のナフチリドン誘導体を与え、これはNaOMeと反応させることができ、RがMeOであり、UがNであり、RがFであり、かつV及びWがそれぞれCHである、式I−3の化合物を与える。
【0108】
式I−4の化合物は、下記のスキーム3に記載の通りに製造することができる。
【0109】
【化14】

【0110】
スキーム3において、PGは、Boc、Cbz又はFmoc等のアミノ保護基を表す。
【0111】
式III−1のエチレン性誘導体(例えば、A=CHかつPG=Bocの場合は市販されており、又はA=OかつPG=Bocの場合は、WO2006/032466に従って製造される。)は、MCPBA又は過酸化水素を用いて、バナジウム(III)塩等の金属触媒の存在下、アキラルエポキシ化に付すことができ、式III−4のエポキシドを与える。AがCHの場合には、式I−4のキラルエポキシドは、一般的反応技術7に記載のように、ジヒドロキニジン−ベースのキラルリガンド(例えば、(DHDQ)Pyr)を用いて、不斉ジヒドロキシ化を介して、式III−1のアルケンから得ることができる。次いで、得られる式III−2のジオールは、一般的反応技術3を用いて第一アルコールを活性化し、次いで、ナトリウム・メトキシド等のアルカリ・アルコキシドの存在下でエポキシド形成を行った後、又は、オルト酢酸トリメチルとの反応、続く、TMSClとの反応、そしてアルカリ・アルコレート存在下でのエポキシド形成を通じて、対応する式I−4のエポキシドに返還することができる(Tetrahedron(1992)、48、10515を見よ。)。AがOの場合には、式I−4のキラルエポキシドは、好ましくは、キニジン−ベースのキラルリガンド(例えば、(DHQ)PHAL)を用いた不斉ジヒドロキシ化を介して式III−1のアルケンから得られる、式III−3のキラルジオールを通じて得られる。次いで、得られる式III−3のジオールは、第一アルコールのエステルとしての保護(好ましくは、TEA等の有機塩基の存在下、式III−3のアルコールを塩化ピバロイルで処理することにより得られるピバル酸エステル)、一般的反応技術3を用いた第二アルコールの活性化、及びナトリウム・メトキシド等のアルカリ・アルコレートによる処理による閉環を介して、対応する式I−4のエポキシドに返還することができる。あるいは、式I−4のエポキシドは、Jacobsenらにより、J.Am.Chem.Soc.(2002)、124、1307−1315及びScience(1997)、277、936−938中に記述されているように、ラセミ体エポキシドのキラル(サレン)−Co(III)錯体(例えば、[(R,R)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミナト(2−)]コバルト(III)錯体)により触媒された、速度論的光学分割加水分解(HKR)により得ることができる。式I−4のキラルエポキシドはまた、Acc.Chem Res.(2004)、37、488−496に記載のように、キラルケトンを用いた、式III−1のアルケンのShi不斉エポキシ化を通じても得ることができる。
【0112】
AがCHであり、かつPGがBoc又はCbzである式II−1の化合物が、市販されている。式II−1の他の化合物及び式II−2の化合物は、例えば、下記のスキーム4に記載の通りに製造することができる。
【0113】
【化15】

【0114】
スキーム4において、Xは、臭素等のハロゲンを表し、PG及びPGは、互いに独立に、Cbz、Fmoc又はBoc等のアミノ保護基を表す。
【0115】
式II−1の化合物は、式IV−1のヒドロキサマート誘導体(A=CHの場合は、市販されているか、又は、5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロピラン−2−カルボン酸(WO2006/032466を見よ。)及びN,O−ジメチルヒドロキシアミンから、プロピルホスホン酸無水物及び、DIPEA等の有機塩基の存在下で製造する。)の、メチルマグネシウムブロミドとの反応により得ることができる。式IV−2のケトンは、LiHDMS及び、PTT又はNCSで処理することができ、式II−1のハロゲン化メチルケトン誘導体を与える。これらの誘導体はまた、式III−4のエポキシドを、(LiBr等の)LiX又は(HCl等の)HXで開き、次いで、一般的反応技術6を用いて対応する式IV−3のアルコール誘導体を酸化することにより得ることもできる。式II−2の化合物は、式IV−3の化合物の保護基を除き、次いで、一般的反応技術2を用いて、式G−CHOの化合物を還元的アミノ化することにより得ることもできる。式IV−4の中間体は、一般的反応技術5を用いて保護することができ、式IV−5の中間体を与え、次いで、この化合物は、一般的反応技術6を用いて、式II−2の化合物に酸化することができる。
【0116】
本発明の特定の態様を下記の実施例に記載するが、それらは、本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、発明の範囲をいかなる意味においても限定するものではない。
【実施例】
【0117】
温度はすべて℃で示す。化合物は、H−NMR(300MHz)(Varian Oxford)又はH−NMR(400MHz)(Bruker Avance 400)によって特徴付ける。化学シフトδは、使用する溶媒と関連して、ppmで示してある;多重度:s=一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、p=五重項、hex=六重項、hep=七重項、m=多重項、br=広域、結合定数はHzで示してある。あるいは、化合物は、LC−MS(DAD及びELSDを備えたAgilent 1100 Binary Pumpを用いたSciex API 2000、又はAgilent 1200、DAD及びELSDを備えたAgilent quadrupole MS6140)によって;TLC(MerckのTLC−プレート、Silica gel 60 F254)によって;又は融点によって特徴付けてある。化合物は、シリカゲル60A上のクロマトグラフィーによって精製される。CCに用いるNHOHは25%水溶液である。
【0118】
製造A:(3R,6S)−[6−((2S)−オキシラニル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
A.i. (3R,6S)−(6−ホルミル−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
(3R,6S)−(6−ヒドロキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(37.5g、162.13mmol)の、DCM(310mL)中の、−10℃に冷やした溶液に、DIPEA(84.75mL、495.06mmol)を添加した。次いで、Pyr.SO錯体(50%、69.47g、218.25mmol)のDMSO(225mL)中の溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を0℃にて2h攪拌した。反応混合物を、水(150mL)とDCM(220mL)との間で分画した。2層を分離し、そして水層をDCM(2×150mL)で2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をトルエンで3回共沸させ、そしてシリカゲルのショートパッド上で精製し(EA−Hept.、2−1)、表題のアルデヒドを白色の固体(33.58g、収率90%)として得た。MS(ESI、m/z):C1119NOに対し230.0[M+H]。
【0119】
A.ii. (3R,6S)−(6−ビニル−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
tBuOK(31.74g、282.89mmol)を、メチルトリフェニルホスフォニウムブロミド(101.05g、282.89mmol)のTHF(340mL)中の白色懸濁液に、rtにて窒素下で一度に添加した。得られたオレンジ色の懸濁液をrtにて1h攪拌し、そして中間体A.i(32.43g、141.44mmol)のTHF(85mL)中の溶液を添加した。混合物をrtにて30分攪拌した。10%aq.NaHSO(120mL)を添加し、そして混合物をEA(200mL)で希釈した。2層をデカントし、そして水層をEA(250mL)で1回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣を素早くろ過し(EA−Hept、1−2からEA−Hept、4−1へ)、表題の化合物を白色の固体(28.98g、収率90%)として得た。H NMR(CDCl) δ:5.84(ddd、J=5.6、10.5、17.3Hz、1H);5.24(dt、J=1.5、17.3Hz、1H);5.12(dt、J=1.5、10.5Hz、1H);4.26(br. s、1H);4.10(ddd、J=2.1、4.7、10.8Hz、1H);3.73(m、1H);3.61(m、1H);3.06(t、J=10.5Hz、1H);2.10(m、1H);1.79(m、1H);1.25−1.60(m、2H);1.44(s、9H)。MS(ESI、m/z):C1221NOに対して228.2[M+H]。
【0120】
A.iii. (3R、6S)−{6−[(2R)−1,2−ジヒドロキシ−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体A.ii(29.98g、131.9mmol)の2−メチル−2−プロパノール(575mL)、EA(92mL)及び水(670mL)中の混合物に、KFe(CN)(130.28g、395.68mmol、3eq.)、KCO(54.68g、395.68mmol、3eq.)、(DHQ)PHAL(0.72g、0.92mmol、0.01eq.)及びKOsO(OH)(0.13g、0.36mmol、0.003eq.)を添加した。混合物を0℃にて一晩攪拌した。NaHSO(105g)を0℃にて少しずつ添加し、そして反応を15min続けた。反応混合物を水とEAで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、そしてNaSO上で乾燥し、次いでろ過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をCC(DCM−MeOH、97−3から9−1へ)により精製して、表題のジオールを白色の固体(27.84g、収率81%)として得た。化合物を、ジアステレオマーの6−1混合物として得た。H NMR(CDCl) 主ジアステレオマーδ:4.23(br. s、1H);4.09(ddd、J=2.4、5.1、10.5Hz、1H);3.68−3.74(m、2H);3.52−3.66(m、2H);3.35(ddd、J=2.4、5.1、11.4Hz、1H);2.98(t、J=10.8Hz、1H);2.51(br. d、J=6.0Hz、1H);2.09−2.21(m、2H);1.78(m、1H);1.54(m、1H);1.43(s、9H);1.22−1.36(m、1H)。MS(ESI、m/z):C1223NOに対して262.4[M+H]。
【0121】
A.iv. 2,2−ジメチル−プロピオン酸(2R)−2−[(2S、5R)−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル]−2−ヒドロキシ−エチルエステル:
中間体A.iii(27.84g、106.54mmol)とDMAP(26.03g、213.08mmol、2eq.)の、DCM(510mL)中の、−15℃に冷やした溶液に、トリメチルアセチルクロリド(17.06mL、138.5mmol、1.3eq.)を添加した。反応を1h続けた。MeOH(28mL)、次いでsat.NaHCO(250mL)を添加した。2層を分離し、そして水層をEA(200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。油状の残渣のCC(Hept−EA、3−1から1−1へ)の後、表題の化合物を白色の固体(22.66g、収率62%)として得た。MS(ESI、m/z):C1731NOに対して346.1[M+H]。ビス−ピバル酸エステル(13.1g、収率29%)もまた回収し、そしてMeOH中tBuOKで処理することにより、定量的収率で中間体A.iiiに再変換することができる。
【0122】
A.v. 2,2−ジメチル−プロピオン酸(2R)−2−[(2S,5R)−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル]−2−メタンスルフォニルオキシ−エチルエステル:
中間体A.iv(22.62g、65.48mmol)のDCM(328mL)中の、0℃に冷却した液に、TEA(18.23mL、130.97mmol、2eq.)とMsCl(5.58mL、72.03mmol、1.1eq.)を添加した。反応液を0℃にて45min攪拌した。Sat.NaHCO(250mL)とDCM(200mL)を添加した。2層をデカントし、そして有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。油状物をシリカゲルパッド上でろ過し(5.5×10cm、EA−Hept、1−1)表題の化合物を白色のフォーム(27.87g、収率100%)として得た。MS(ESI、m/z):C1833NOSに対して424.3[M+H]。
【0123】
A.vi. (3R,6S)−[6−((2S)−オキシラニル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体A.v(27.85g、65.76mmol)のTHF(340mL)中の溶液に、NaOMe(MeOH中25wt%溶液で、30.1mL、2eq.)を添加した。混合物を、RTにて20min攪拌した。反応混合物を、10%NaHSO(220mL)とEA(250mL)との間で分画した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。油状物をCC(EA−Hept、1−1)により精製して、表題のエポキシドを白色の固体(10.78g)として得た。化合物を、ジアステレオマーの6:1混合物として得た。H NMR(CDCl)主ジアステレオマー δ:4.22(br. s、1H);4.11(m、1H);3.60(br. s、1H);2.92−3.11(m、3H);2.78(m、1H);2.64(m、1H);2.11(m、1H);1.54−1.78(m、2H);1.43(s、9H);1.27(qd、J=4.2、12.3Hz、1H)。MS(ESI、m/z):C1221NOに対して244.3[M+H]。
【0124】
製造B:7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
7−クロロ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン(J.Org.Chem.(1990)、55、4744に記載の通りに製造;5.36g、29.68mmol)のMeOH(98mL)中の溶液に、NaOMe(MeOH中25wt%、161mL)を添加した。得られた溶液を、還流しながら15h攪拌した。溶媒を真空除去した。水(100mL)とEA(80mL)を添加した。相を分離し、そして水層をEA(8×80mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させた。表題の化合物をベージュ色の固体(5.22g、収率100%)として得た。H NMR(dDMSO) δ:11.96(s、1H);7.96(d、J=8.5Hz、1H);7.81(d、J=9.4Hz、1H);6.63(d、J=8.5Hz、1H);6.34(d、J=9.4Hz、1H);3.90(s、3H)。
【0125】
製造C:trans−(R)−(4−オキシラニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
C.i. Trans−(4−ビニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
trans−(4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(22g、95.9mmmol)を出発物質として、製造A、工程A.i及びA.iiの手順を用いて、表題のアルカンを白色の固体(13.58g)として得た。H NMR(dDMSO) δ:6.65(m、1H);5.73(ddd、J=6.4、10.2、16.6Hz、1H);4.95(ddd、J=1.9、2.1、16.6Hz、1H);4.86(ddd、J=1.2、2.1、10.2Hz、1H);3.12(m、1H);1.62−1.89(m、5H);1.35(s、9H),、1.00−1.28(m、4H)。MS(ESI、m/z):C1323NOに対して226.2[M+H]。
【0126】
C.ii. Trans−[4−(2R)−1,2−ジヒドロキシ−エチル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体C.i(21.65g、96.08mmol)の、2−メチル−2−プロパノール(480mL)と水(480mL)中の混合物に、KFe(CN)(94.9g)、KCO(39.9g),(DHQD)Pyr(0.847g)及びKOsO(OH)(0.354g)を添加した。混合物を0℃にて30h攪拌した。次いで、反応をNaHSO(112g)で注意深くクェンチした。次いで、2層をデカントし、そして水層をEA(400mL)で1回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をCC(DCM−MeOH、9−1)により精製して、表題の化合物を黄色の固体(23.02g、収率92%)として得た。H NMR(dDMSO) δ:6.61(m、1H);4.32(t、J=5.6Hz、1H);4.24(d、J=5.0Hz、1H);3.21−3.36(m、2H);3.15(m、1H);3.074(m、1H);1.66−1.80(m、4H);1.53(m、1H);1.35(s、9H)、1.00−1.26(m、4H)。
【0127】
C.iii. Trans−(R)−(4−オキシラニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体C.ii(23.02g、88.762mmol)のDCM(240mL)中の溶液に、TsOH(0.795g、0.05eq.)とオルト酢酸トリメチル(16.1mL、1.3eq.)を添加した。反応をrtにて30min続けた。溶媒を減圧下で除いた。残渣をDCM(120mL)とMeOH(0.03mL)中に取った。TMS−Cl(16.0mL、1.4eq.)を添加した。反応液をrtにて1h攪拌した。Sat.NaHCO(250mL)を添加し、そして2層を分離した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をMeOH(150mL)中に取り、そしてNaOMe(MeOH中25%wt、40.5mL)を添加した。反応をrtにて1h続けた。反応混合物をDCM(300mL)とaq.NaHSO(10%、120mL)で希釈した。水層をDCM−MeOH、9−1(3×150mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水(200mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して、黄色のオイルを得た。残渣(EA:Hept、2:1)のCCの後、表題の化合物を白色の固体(17.35g、収率81%)として得た。H NMR(CDCl) δ:4.37(br. s、1H);3.39(br. s、1H);2.68−2.75(m、2H);2.52(m、1H);2.02−2.10(m、2H);1.96(m、1H);1.75(m、1H);1.45(s、9H);1.00−1.36(m、5H)。
【0128】
実施例1:1−((S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
1.i. {(3R,6S)−6−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造Bの化合物(2.65g、15mmol)と製造Aの化合物(3.65g、15mmol)の、DMF(24mL)中の溶液に、CsCO(5.23g、16.05mmol)を添加した。混合物を80℃に7h加熱した。溶媒を減圧下で除き、そして残渣を水(100mL)とEA(100mL)との間で分画した。水層をEA(100mL)でもう一度抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させた。残渣をCC(Hept−EA、1−4から0−1へ)により精製して、表題の化合物を白色の固体(3.50 g、収率56%)として得た。H NMR(dDMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);6.69(d、J=8.5Hz、1H);6.69(重複m、1H);6.47(d、J=9.4Hz、1H);4.65(dd、J=8.8、12.6Hz、1H);4.43(d、J=7.0Hz、1H);4.32(dd、J=4.1、12.6Hz、1H);3.96(s、3H);3.91(重複m 1H);3.80(m、1H)、3.30(m、1H);3.13(m、1H);2.90(t、J=10.5Hz、1H);1.86(m、1H);1.53−1.63(m、2H)、1.34(s、9H);1.33(重複m、1H)。MS(ESI、m/z):C2129に対して420.3[M+H]。
【0129】
1.ii. 1−[(2S)−2−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−ヒドロキシ−エチル]−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体1.i.(3.5g、8.34mmol)の、TFA(11mL)とDCM(5mL)中の溶液を、rtにて20min攪拌した。揮発物を真空除去し、そして残渣を、sat.NaHCO(20mL)とDCM−MeOH(9−1、100mL)との間で分画した。そして、濃縮NaOH溶液の添加により水層のpHを11に調整した。水層をDCM−MeOH混合物(9−1、6×75mL)で6回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。表題の化合物を灰白色のフォーム(2.0g、収率75%)として得た。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);6.69(d、J=8.5Hz、1H);6.47(d、J=9.4Hz、1H);4.65(dd、J=8.8、12.9Hz、1H);4.30−4.37(m、2H);3.94(s、3H);3.92(m、1H);3.76(m、1H);3.12(m、1H);2.79(t、J=10.3Hz、1H);2.53(m、1H);1.89(m、1H);1.50−1.59(m、2H);1.30(br. s、2H);1.13(m、1H)。MS(ESI、m/z):C1621に対して320.3[M+H]。
【0130】
1.iii. 1−((S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体1.ii(0.112g、0.353mmol)の、DCE(4.5mL)とMeOH(1.5mL)中の溶液に、3Åモレキュラー・シーヴ(1.1g)と2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−カルバルデヒド(0.064g、0.357mmol)を添加した。混合物を50℃にて一晩攪拌した。冷却後、NaBH(0.11g)を添加した。反応を45min続けた。反応混合物をDCM−MeOH(9−1、100mL)で希釈した。固形物をろ去し、DCM(50mL)で洗浄した。ろ液をsat.NaHCO(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をCC(1%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、9:1)で精製して、表題の化合物を白色のフォーム(0.051g、収率30%)として得た。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.95(s、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);7.13(s、1H);6.68(d、J=8.5Hz、1H);6.46(d、J=9.4Hz、1H);4.64(dd、J=8.8、12.9Hz、1H);4.28−4.38(m、4H);3.87−3.96(m、2H);3.93(s、3H);3.64(AB syst.、J=14.4Hz、Δ=0.059ppm、2H);3.21−3.26(m、2H);3.17(m、1H);2.88(t、J=10.3Hz、1H);2.43(m、1H);1.94−2.07(m、2H);1.42−1.62(m、2H);1.18(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2428Sに対して485.2[M+H]。
【0131】
実施例2:1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体1.ii(0.1g、0.31mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.052g、1.02eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を白色のフォーム(0.088g、収率61%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.99(s、1H);7.83(d、J=9.4Hz、1H);6.91(s、1H);6.69(d、J=8.5Hz、1H);6.47(d、J=9.4Hz、1H); 4.65(dd、J=8.8、12.9Hz、1H);4.38(d、J=6.4Hz、1H);4.24−435(m、5H);3.86−3.96(m、2H);3.94(s、3H);3.61−3.71(m、2H)、3.17(m、1H);2.89(t、J=10.3Hz、1H);2.43(m、1H);1.93−2.09(m、2H);1.45−1.62(m、2H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2428に対して469.2[M+H]。
【0132】
実施例3:1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン:
3.i. 4−[(2S)−2−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−ヒドロキシ−エチル]−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン:
製造Aの化合物(1.43g、5.90mmol)と7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン(1.04g、5.9mmol)を出発物質として、実施例1、工程1.i(エポキシド開環、収率45%)及び1.ii(Boc脱保護、0.45gの中間体から出発して収率49%)の手順を用いて、表題の化合物を黄色がかったフォーム(0.168g)として得た。粗製反応混合物を、溶媒の適宜な混合物を用いて、CCにより精製した。MS(ESI、収率m/z):C1621に対して320.3[M+H]。
【0133】
3.ii. 1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン:
中間体3.i(0.082g、0.257mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.043g、1.002eq.)を出発物質として、そして実施例1、工程1.iii(還元的アミノ化)の手順を用いて、表題の化合物を灰白色のフォーム(0.045g、37%)として得た。反応混合物をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93−7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.02(s、収率1H);8.00(s、1H);7.72(d、J=8.8Hz、1H);7.09(d、J=2.6Hz、1H);6.97(dd、J=2.6、8.8Hz、1H);6.92(s、1H);4.93(d、J=6.4Hz、1H);4.23−4.36(m、5H);4.15(dd、J=4.4、12.6Hz、1H);3.98(m、1H);3.86(s、3H);3.78(m、1H);3.67(AB syst.、J=14.4Hz、Δ=0.06ppm、2H);3.21(m、1H);2.92(t、J=10.3Hz、1H);2.46(m、1H);2.13(br. s、1H);2.00(m、1H);1.46−1.63(m、2H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2428に対して469.0[M+H]。
【0134】
実施例4:4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン:
4.i. 4−[(2S)−2−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−ヒドロキシ−エチル]−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン:
6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン(0.425g、2.4mmol)と製造Aの化合物(0.584g、2.4mmol)を出発物質として、実施例1、工程1.i(エポキシド開環、37%)及び1.ii(Boc脱保護、収率100%)の手順を用いて、表題のアミンを黄色がかったフォームとして得た。必要に応じて、粗製反応混合物を、溶媒の適宜な混合物を用いて、CCにより精製した。MS(ESI、m/z):C1520に対して312.3[M+H]。
【0135】
4.ii. 4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン:
中間体4.i(0.097g、0.304mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.055g、1.1eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を黄色がかったフォーム(0.027g、収率19%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.09(d、J=8.5Hz、1H);8.07(s、1H);7.98(s、1H);6.91(s、1H);6.79(d、J=8.5Hz、1H);4.60(重複dd、J=8.8、12.6Hz、1H);4.59(d、J=6.8Hz、1H);4.30−4.34(m、2H);4.24−4.28(m、2H);4.20(dd、J=3.8、12.6Hz、1H);3.87−3.99(m、2H);3.94(s、3H);3.65(AB syst.、J=14.4Hz、Δ=0.06ppm、2H);3.20(m、1H);2.89(t、J=10.5Hz、1H);2.46(m、1H);2.11(br. s、1H);1.99(m、1H);1.46−1.63(m、2H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2326に対して470.2[M+H]。
【0136】
実施例5:1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体1.ii(0.1g、0.31mmol)と6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド(0.052g、1.02eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を白色のフォーム(0.039g、収率27%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.83(d、J=9.4Hz、1H);7.17(s、1H);6.69(d、J=8.5Hz、1H);6.47(d、J=9.4Hz、1H);4.64(dd、J=8.8、12.6Hz、1H);4.47−4.52(m、2H);4.36−4.42(m、3H);4.31(dd、J=4.4、12.6Hz、1H);3.88−3.94(m、2H);3.94(s、3H);3.81−3.86(m、2H)、3.17(m、1H);2.89(t、J=10.3Hz、1H);2.41(m、1H);2.27(m、1H);1.99(m、1H);1.47−1.62(m、2H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2327に対して470.2[M+H]。
【0137】
実施例6:1−((2R)−2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
6.i. 1−[(2R)−2−trans−(4−アミノ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−エチル]−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
製造Cの化合物(1.17g、4.82mmol)と製造Bの化合物(0.85g、4.82mmol)を出発物質として、実施例1、工程1.i(エポキシド開環、収率39%)及び実施例1、工程1.ii(Boc脱保護、収率84%)の手順を用いて、表題の化合物を白色のフォーム(0.494g)として得た。粗製反応混合物を、溶媒の適宜な混合物を用いて、CCにより精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);6.69(d、J=8.5Hz、1H);6.47(d、J=9.4Hz、1H);4.55(dd、J=8.8、12.6Hz、1H);4.33(br. s、1H);4.28(dd、J=4.1、12.6Hz、1H);3.94(s. 3H);3.78(m、1H);3.26(br. s、2H);2.42(m、1H);1.88(m、1H)、1.81−1.71(m、2H);1.62(m、1H);1.08−1.30(m、3H);0.85−1.02(m、2H)。MS(ESI、m/z):C1723に対して318.2[M+H]。
【0138】
6.ii. 1−((2R)−2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体6.i(0.1g、0.315mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.053g、1.02eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を白色のフォーム(0.117g、収率80 %)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.98(s、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);6.90(s、1H);6.68(d、J=8.5Hz、1H);6.47(d、J=9.4Hz、1H);4.56(dd、J=8.5、12.3Hz、1H);4.23−4.33(m、6H);3.94(s. 3H);3.78(m、1H);3.65(s、2H);2.26(m、1H);2.03(br. s、1H);1.85−1.95(m、3H)、1.65(m、1H);0.88−1.30(m、5H)。MS(ESI、m/z):C2530に対して467.2[M+H]。
【0139】
実施例7:1−((2R)−2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン:
7.i. Trans−{4−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−(7−メトキシ−2−オキソ−2H−キノキサリン−1−イル)−エチル]−シクロヘキシル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造Cの化合物(1.58g、6.55mmol)のDMF(33mL)中の溶液に、7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン(1.18g、1.02eq.)とCsCO(4.27g、2eq.)を添加した。反応混合物を80℃にて4h攪拌した。溶媒を減圧下で除き、そして残渣を、水(50mL)とEA(50mL)との間で分画した。水層をEA(50mL)でもう一度抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で蒸発させた。残渣をCC(DCM−MeOH、99−1、次いで95−5)により精製して、表題の化合物を黄色の固体(0.800g、収率29%)として得た。MS(ESI、m/z):C2231に対して418.1[M+H]。
【0140】
7.ii. 1−[(2R)−2−trans−(4−アミノ−シクロヘキシル)−2−ヒドロキシ−エチル]−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン:
中間体7.i(0.8g、1.91mmol)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を黄色がかったフォーム(0.175g、収率29%)として得た。MS(ESI、m/z):C1723に対して318.1[M+H]。
【0141】
7.iii. 1−((2R)−2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン:
中間体7.ii(0.193g、0.608mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.101g、1eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.ivの手順を用いて、表題の化合物を灰白色のフォーム(0.178g、収率63%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(dDMSO) δ:8.03(s、1H);8.01(s、1H);7.73(d、J=8.8Hz、1H);7.08(d、J=2.5Hz、1H);6.98(dd、J=2.5、8.8Hz、1H);4.76(d、J=5.8Hz、1H);4.32−4.36(m、2H);4.28−4.30(m、2H);4.25(部分的に重複dd、J=3.5、14.1Hz、1H);4.16(dd、J=9.0、14.1Hz、1H);3.89(s、3H);3.69(s、2H);3.63(m、1H);2.32(m、1H);2.07(br. s、1H);1.88−1.99(m、4H);1.72(m、1H);1.41(m、1H);0.97−1.27(m、4H)。MS(ESI、m/z):C2530に対して467.2[M+H]。
【0142】
実施例8:1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体1.ii(0.1g、0.31mmol)と6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−カルバルデヒド(0.057g、1eq.、WO2009/000745に従って製造)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を白色のフォーム(0.020g、収率14%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);7.52(s、1H);6.68(d、J=8.5Hz、1H);6.46(d、J=9.4Hz、1H);4.64(dd、J=8.5、12.6Hz、1H);4.53−4.59(m、2H);4.37(d、J=6.7Hz、1H);4.31(dd、J=3.8、12.6Hz、1H);3.88−3.94(m、2H);3.93(s、3H);3.78−3.83(m、2H)、3.25−3.31(m、2H);3.17(m、1H);2.88(t、J=10.3Hz、1H);2.43(m、1H);2.21(m、1H);1.99(m、1H);1.47−1.62(m、2H);1.17(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2327Sに対して486.4[M+H]。
【0143】
実施例9:1−((2S)−2−ヒドロキシ−2−{(2S,5R)−5−[(3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体1.ii(0.884g、2.77mmol)と[1,3]オキサチオロ[5,4−c]ピリジン−6−カルバルデヒド(WO2006/002047に記載の通りに製造;0.463g、1eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を白色のフォーム(0.5g、収率38%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.96(s、1H);7.82(d、J=9.4Hz、1H);7.40(s、1H);6.68(d、J=8.5Hz、1H);6.46(d、J=9.4Hz、1H);5.81(s、2H);4.65(dd、J=9.1、12.9Hz、1H);4.36(d、J=6.7Hz、1H);4.31(dd、J=4.4、12.9Hz、1H);3.90−3.93(m、2H);3.93(s、3H);3.63−3.74(m、2H)、3.16(m、1H);2.88(t、J=10.5Hz、1H);2.43(m、1H);1.95−2.08(m、2H);1.44−1.65(m、2H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2326Sに対して471.3[M+H]。
【0144】
実施例10:3−フルオロ−1−((2S)−2−ヒドロキシ−2−{(2S,5R)−5−[(3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
10.i. 7−クロロ−3−フルオロ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン:
N−(6−クロロ−3−ホルミルピリジン−2−イル)ピバルアミド(J.Org.Chem.(1990)、55、4744に記載の通りに製造;3.0g、12.64mmol)の、MeCN(250mL)中の溶液に、トリエチル 2−フルオロ−ホスフォノアセテート(4g、16.51mmol)、塩化リチウム(0.935g)及びDBU(2.8mL、18.7mmol)を添加した。混合物をrtにて4h攪拌した。溶媒を蒸発させて、そして残渣を、1N HCl(100mL)とエーテル(150mL)との間で分画した。水層をエーテル(100mL)で抽出し、そして合わせたエーテル層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をジオキサン(15mL)中に取り、そして6N HCl(50mL)を添加した。混合物を90min加熱還流した。混合物を0℃に冷却し、そして揮発物を真空除去した。固形物をろ過し、そして水で洗浄した。固形物を真空乾燥し、表題の化合物を黄色の固体(1.38g、収率56%)として得た。表題の化合物は純度は70%に過ぎなかった。MS(ESI、m/z):COClFに対して199.1[M+H]。
【0145】
10.ii. 3−フルオロ−7−メトキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン:
中間体10.i(1.38g、6.95mmol)の、MeONaのMeOH(25wt%、40mL)中の溶液中の溶液を、90min加熱還流した。反応混合物を0℃に冷却し、そして2N HCl(10mL)を添加した。揮発物を真空除去し、そして残渣をろ過した。固形物を真空乾燥し、表題の化合物をベージュ色の固体(1.0g、収率74%)として得た。表題の化合物は純度は70%に過ぎなかった。MS(ESI、m/z):CFに対して195.2[M+H]。
【0146】
10.iii. 1−((2S)−2−((2S,5R)−5−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2−ヒドロキシエチル)−3−フルオロ−7−メトキシ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン:
中間体10.ii(1.0g)と製造Aの化合物(1.51g、6.24mmol)を出発物質として、実施例1、工程1.i(エポキシド開環、収率7%)及び1.ii(Boc脱保護、収率94%)の手順を用いて、表題のアミン(0.13g)を白色の固体として得た。必要に応じて、粗製反応混合物を、溶媒の適宜な混合物を用いて、CCにより精製した。H NMR(CDCl) δ:7.73(d、J=8.5Hz、1H);7.35(d、J=8.8Hz、1H);6.69(d、J=8.5Hz、1H);4.90(dd、J=9.0、13.2Hz、1H);4.67(dd、J=4.2、13.2Hz、1H);3.93−4.03(m、2H);4.01(s、3H);3.38(dt、J=2.9、10.8Hz、1H);3.04(t、J=10.5Hz、1H);2.82(m、1H);2.09(m、1H);1.65−1.86(m、2H);1.36(br. s、3H);1.27(m、1H)。MS(ESI、m/z):C1620Fに対して338.3[M+H]。
【0147】
10.iv. 3−フルオロ−1−((2S)−2−ヒドロキシ−2−{(2S,5R)−5−[(3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン:
中間体10.iii(0.130g、0.407mmol)と[1,3]オキサチオロ[5,4−c]ピリジン−6−カルバルデヒド(0.068g、1.0eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を白色のフォーム(0.03g、収率15%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.01(d、J=8.5Hz、1H);7.97(s、1H);.7.83(d、J=10.0Hz、1H);7.41(s、1H);6.76(d、J=8.5Hz 1H);5.80(s、2H);4.72(dd、J=9.0、12.6Hz、1H);4.48(d、J=6.4Hz、1H);4.31(dd、J=4.1、12.6Hz、1H);3.89−3.97(m、2H);3.93(s、3H);3.64−3.74(m、2H);3.19(m、1H);2.90(t、J=10.5Hz、1H);2.43(重複m、1H);2.01(m、1H);1.90(m、1H);11.44−1.63(m、2H);1.18(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2325FSに対して489.5[M+H]。
【0148】
実施例11:4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン:
11.i. 4−((2S)−2−((2S,5R)−5−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2−ヒドロキシエチル)−6−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン:
6−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン(WO2008/128942に記載の通りに製造;1.58g、8.97mmol)と製造Aの化合物(2.35g、9.68mmol)を出発物質として、実施例1、工程1.i(エポキシド開環、収率48%)及び1.ii(Boc脱保護、収率91%)の手順を用いて、表題のアミンを白色の固体(2.41g)として得た。必要に応じて、粗製反応混合物を、溶媒の適宜な混合物を用いて、CCにより精製した。MS(ESI、m/z):C1520に対して321.3[M+H]。
【0149】
11.ii. 4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン:
中間体11.i(0.160g、0.5mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.092g、1.0eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を黄色の固体(0.035g、収率15%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。化合物をTBME中でさらに粉砕した。H NMR(d6DMSO) δ:8.09(d、J=8.5Hz、1H);8.07(s、1H);7.92(s、1H);7.13(s、1H);6.79(d、J=8.5Hz、1H);4.59−4.63(m、2H);4.33−4.38(m、2H);4.21(dd、J=3.8、12.3Hz、1H);3.87−4.01(m、2H);3.95(s、3H);3.59−3.70(m、2H);.3.21−3.26(m、2H);3.21(重複m、1H);2.89(t、J=10.5Hz、1H);2.42(m、1H);1.95−2.07(m、2H);1.43−1.64(m、2H);1.18(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2327Sに対して486.4[M+H]。
【0150】
実施例12:4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン:
12.i. 4−((2S)−2−((2S,5R)−5−(((6,7−ジヒドロ−[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル)メチル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2−ヒドロキシエチル)−6−メトキシ−1,2−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3(4H)−オン:
中間体11.i(0.205g、0.644mmol)と6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−カルバルデヒド(0.119g、1.0eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を黄色の固体(0.120g、収率38%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。化合物をTBME中でさらに粉砕した。MS(ESI、m/z):C2228Sに対して489.6[M+H]。
【0151】
12.ii. 4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン:
中間体12.i(0.1g、0.226mmol)の、DCM(2.5mL)とMeOH(0.5mL)中の溶液に、MnO(0.039g、0.451mmol)を添加した。混合物をrtにて1.5h攪拌した。反応混合物をろ過し、そしてろ液を濃縮乾固した。残渣をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)により精製して、表題の化合物を黄色がかったフォーム(0.076g、収率70%)として得た。H NMR(d6DMSO) δ:8.09(d、J=8.5Hz、1H);8.07(s、1H);7.53(s、1H);6.79(d、J=8.5Hz、1H);4.53−4.63(m、4H);4.21(dd、J=4.1、12.6Hz、1H);3.87−4.01(m、2H);3.95(s、3H);3.76−3.86(m、2H);3.25−3.30(m、2H);3.21(m、1H);2.89(t、J=10.3Hz、1H);2.42(m、1H);1.95−2.07(m、2H);1.43−1.64(m、2H);1.18(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2226Sに対して487.56[M+H]。
【0152】
実施例13:5−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン:
13.i. 5−((2S)−2−((2S,5R)−5−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2−ヒドロキシエチル)−3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−6(5H)−オン:
3−メトキシピリド[2,3−b]ピラジン−6(5H)−オン(WO2009/087153に記載の通りに製造;0.6g、3.40mmol)と製造Aの化合物(0.83g、3.40mmol)を出発物質として、実施例1、工程1.i(エポキシド開環、収率80%)及び1.ii(Boc脱保護、収率21%)の手順を用いて、表題のアミンを黄色がかったフォーム(0.173g)として得た。必要に応じて、粗製反応混合物を、溶媒の適宜な混合物を用いて、CCにより精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.18(s、1H);7.90(d、J=9.7Hz、1H);6.68(d、J=9.7Hz、1H);4.62(dd、J=8.8、12.9Hz、1H);4.48(br. d、J=5.9Hz、1H);4.25(dd、J=4.4、12.9Hz、1H);4.01(s、3H);3.91(m、1H);3.76(m、1H);3.14(m、1H);2.80(t、J=10.5Hz、1H);2.55(m、1H);1.89(m、1H);1.50−1.68(m、4H);1.14(m、1H)。MS(ESI、m/z):C1520に対して321.1[M+H]。
【0153】
13.ii. 5−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン:
中間体13.i(0.084g、0.261mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.043g、1.0eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を黄色がかったフォーム(0.057g、収率47%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.17(s、1H);7.98(s、1H);7.90(d、J=9.7Hz、1H);6.90(s、1H);6.68(d、J=9.7Hz、1H);4.61(dd、J=8.8、12.6Hz、1H);4.48(d、J=6.7Hz、1H);4.30−4.34(m、2H);4.24−4.28(m、2H);4.24(dd、J=4.1、12.6Hz、1H);3.99(s、3H);3.93−3.85(m、2H);3.60−3.70(m、2H);3.18(m、1H);2.88(t、J=10.5Hz、1H);2.41(m、1H);2.06(br. s、1H);1.99(m、1H);1.44−1.62(m、2H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2327に対して470.2[M+H]。
【0154】
実施例14:5−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン:
中間体13.i(0.096g、0.3mmol)と2,3−ジヒドロ−[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(0.055g、1.0eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を黄色がかったフォーム(0.080g、収率55%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。MS(ESI、m/z):C2327Sに対して486.3[M+H]。
【0155】
実施例15:5−((S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン:
中間体13.i(0.115g、0.36mmol)と6,7−ジヒドロ−[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド(0.066g、1.0eq.)を出発物質として、実施例1、工程1.iiiの手順を用いて、表題の化合物を黄色がかったフォーム(0.056g、収率32%)として得た。粗製物質をCC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH、93:7)で精製した。H NMR(d6DMSO) δ:8.17(s、1H);7.90(d、J=9.7Hz、1H);7.52(s、1H);6.68(d、J=9.7Hz、1H);4.61(重複dd、J=8.8、12.6Hz、1H);4.55−4.58(m、2H);4.49(d、J=6.7Hz、1H);4.24(dd、J=4.1、12.6Hz、1H);3.99(s、3H);3.85−3.94(m、2H);3.75−3.85(m、2H);3.25−3.31(m、2H);3.17(m、1H);2.87(t、J=10.5Hz、1H);2.40(m、1H);2.21(m、1H);1.99(m、1H);1.45−1.61(m、2H);1.18(m、1H)。MS(ESI、m/z):C2226Sに対して487.6[M+H]。
【0156】
発明化合物の薬理学的特性
イン ヴィトロアッセイ
1)細菌増殖最小阻害濃度
実験方法:
最小阻害濃度(MICs;mg/l)は、「Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically」Approved standard、7th ed.、Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI) Document M7−A7、Wayne、PA、USA、2006中の記載に従って、ミクロ希釈法によりカチオン調整Mueller−Hinton Broth中で測定した。
【0157】
結果:
全実施例化合物を数種のグラム陽性及びグラム陰性菌に対して試験した。
【0158】
典型的な抗菌試験の結果を下記の表1に示す(MICはmg/lで表す。)。
【0159】
【表1】

【0160】
2) イン ヴィトロにおけるhERG Kチャンネルの遮断:
原理:
薬剤により誘起されるQT時間の延長、及び、結果として生じる心室頻拍を含む心室性不整脈は、他の薬剤に加えて、抗感染薬の種々のクラスの幾つかのメンバーでも生じる有害事象である。近年、多くの抗細菌薬が、この生命を脅かす毒性を引き起こす危険性のために、市場より撤退するか、又は、臨床開発の種々のフェーズにおいて断念されてきた。抗感染薬は、むしろ高濃度で使用され、そして頻繁に複雑な投与計画に加えられるため、投与計画に関する完全な情報を欠いているかもしれない場合には、特別な注意を喚起する必要がある。
【0161】
本発明の化合物と同じ化合物クラスに属する、最近開示されたヴィキダシン、並びにマクロライド及びキノロン等の特定の抗感染薬のクラスがすべて関連する。事実、QT時間を延長する能力は、これらの薬剤クラスのメンバー間でしばしば異なり、そしてこの効果の可能性は、ドラッグデザイン及び開発の間において、正確に予測することができない。最良の予測因子は、hERG Kチャンネル遮断の度合いである。hERG阻害を予測するための幾つかのモデルが開発されてきたが、現在のところ、そのような阻害を予測するための明確な構造−活性相関は存在しない。我々は、本発明の2つの特徴を合わせることにより、hERGへの負荷が少なく、かつ抗菌活性の度合いを維持した化合物が得られることを発見した。
【0162】
実験方法:
hERG Kチャンネルをヒト心臓からクローニングし、そして組み替えチャンネルをCHO−K1細胞(CHOhERG)内で安定に発現させる。これらの細胞はbSys GmbH(CH−4052、バーゼル、スイス)から購入し、そして150mL培養フラスコ内で、5%CO下、37℃にて増殖させる。細胞がほぼ100%コンフルエント(confluent)になった時、0.25%トリプシン−EDTA溶液でそれらを剥がし、そしてQPatch自動パッチクランプロボット(Sophion Bioscience A/S、2750、バラールップ、デンマーク)の、細胞調製ユニット内に置いた。下記の緩衝溶液及び電圧プロトコルを用いて、hERG Kチャンネル(IKhERG)を通る電流を誘起した:
−細胞外溶液(mM):[NaCl]=150;[KCl]=4;[CaCl]=1.2;[MgCl]=1;[HEPES]=10;pHはNaOHで7.4に調整した;
−細胞内溶液(mM):[KCl]=140;[NaCl]=10;[MgCl]=1;[HEPES]=10;[EGTA]=5;[Mg−ATP]=5;[Na−GTP]=0.1;pHはKOHで7.2に調整した;
−電圧プロトコル:結果として生じる電位は−80mVであり、刺激の頻度は0.1Hzである。hERG K電流を、−40mVへの500msパルスの最後の20msの間の平均電流から、−40mVへの50msパルスの最後の20msの間の平均電流を差し引いたものとして測定する。
【0163】
細胞が数分間安定化し、そして電流が一定になった後、IKhERGの振幅を制御条件下で記録する。その後、QPatchロボットが、被検化合物を試験濃度にて細胞に適用し、そして刺激から4分後に、IKhERGの振幅を試験条件下で記録する。2つの振幅の比を分別遮断(fractional block)を定義するために用い、そして2つの細胞上での平均遮断を、各濃度(例えば、10μM)での効果を得るために用いた。ある被検化合物に対して十分な数の濃度について試験した場合には、IKhERG阻害に対するみかけのIC50を算出する。
【0164】
結果:
上記の試験方法を用いて、細菌S.aureus A798に対するMIC及びhERG Kチャンネルのイン ヴィトロでの遮断について、下式ICOMP
【0165】
【化16】

【0166】
を有する化合物について試験を行い、下記の表2に要約する結果が得られた。
【0167】
【表2】

【0168】
hERG Kチャンネルのイン ヴィトロでの遮断について、他の実施例化合物についても試験を行った。これらの試験の結果を下記の表3にまとめる。
【0169】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化1】

式中、
は、アルコキシを表し;
U及びVのそれぞれはCHを表し、かつWはCH又はNを表すか、又は
UはNを表し、VはCHを表し、かつWはCH又はNを表すか、又は
U及びVのそれぞれはNを表し、かつWはCHを表し;
WがCHを表す場合には、Rは水素又はフッ素を表すか、又はWがNを表す場合には、Rは水素を表し;
AはO又はCHを表し;
YはCH又はNを表し;
QはO又はSを表し;そして
nは0又は1を表す。
【請求項2】
式Iの化合物でもある請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
【化2】

式中、
はアルコキシを表し;
U及びWは、それぞれ独立にCH又はNを表し;
AはO又はCHを表し;
YはCH又はNを表し;そして
QはO又はSを表す。
【請求項3】
YがCHを表す、請求項1又は2に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項4】
QがOを表す、請求項1〜3の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項5】
がメトキシを表す、請求項1〜4の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項6】
AがOを表す、請求項1〜5の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項7】
AがCHを表す、請求項1〜5の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項8】
nが1を表す、請求項1〜7の1項に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項9】
がメトキシを表し;
UがNを表した上で、VがCHを表し、かつWがNを表すか、又はVがNを表し、かつWがCHを表し;
が水素を表し;
AがO又はCHを表し;
YがCHを表し;
QがO又はSを表し;そして
nが1を表す、
請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩。
【請求項10】
下記から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
1−((S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン;
4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン;
1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2R)−2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2R)−2−{4−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−キノキサリン−2−オン;
1−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
1−((2S)−2−ヒドロキシ−2−{(2S,5R)−5−[(3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
3−フルオロ−1−((2S)−2−ヒドロキシ−2−{(2S,5R)−5−[(3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−7−メトキシ−1H−[1,8]ナフチリジン−2−オン;
4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン;
4−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−6−メトキシ−4H−ピリド[2,3−b]ピラジン−3−オン;
5−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン;
5−((2S)−2−{(2S,5R)−5−[(2,3−ジヒドロ−4−オキサ−1−チア−6−アザ−ナフタレン−7−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン;
5−((S)−2−{(2S,5R)−5−[(6,7−ジヒドロ−8−オキサ−5−チア−1,2−ジアザ−ナフタレン−3−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−ヒドロキシ−エチル)−3−メトキシ−5H−ピリド[2,3−b]ピラジン−6−オン;
【請求項11】
医薬としての、請求項1〜10の1項に定義する式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
請求項1〜10の1項に定義する式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩を、活性成分として、そして少なくとも1種の治療上不活性な賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
細菌感染症の予防又は治療のための、請求項1〜10の1項に定義する式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
気道感染、中耳炎、髄膜炎、皮膚軟組織感染、肺炎、菌血症、心内膜炎、腹腔内感染症、消化器系感染症、Clostridium difficile感染症、尿路感染症、性感染症、異物感染症、骨髄炎、ライム病、局所感染症、眼感染症、結核及び熱帯病からなる群より選択される細菌感染症の予防又は治療のための、請求項13に記載の化合物又は薬学的に許容される塩。
【請求項15】
気道感染、中耳炎、髄膜炎、皮膚軟組織感染、肺炎及び菌血症からなる群より選択される細菌感染症の予防又は治療のための、請求項13に記載の化合物又は薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2012−523407(P2012−523407A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504122(P2012−504122)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051517
【国際公開番号】WO2010/116337
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】